JP2002301790A - 離型フィルム - Google Patents

離型フィルム

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JP2002301790A
JP2002301790A JP2002023340A JP2002023340A JP2002301790A JP 2002301790 A JP2002301790 A JP 2002301790A JP 2002023340 A JP2002023340 A JP 2002023340A JP 2002023340 A JP2002023340 A JP 2002023340A JP 2002301790 A JP2002301790 A JP 2002301790A
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soluble polymer
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Yukio Kawazu
幸雄 河津
Hideyuki Yamauchi
英幸 山内
Motoyuki Suzuki
基之 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、離型フィルムの表面に形成された離
型層が容易に分離除去することができ、かつ、基材フィ
ルムを回収再生することができる離型フィルムを提供せ
んとするものである。 【解決手段】本発明の離型フィルムは、熱可塑性樹脂フ
ィルムの少なくとも片面に水溶性ポリマーからなる層を
介して離型層が形成されてなることを特徴とするもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貼付薬保護シー
ト、粘着ラベルや粘着テープ等の台紙、あるいは成形樹
脂表面保護シート、液晶ディスプレイに用いられる偏光
板や位相差板等の液晶表示板保護シート、セラミック離
型用等に用いられる離型フィルムに関するものであり、
さらに詳しくは、積層セラミックコンデンサー等のセラ
ミック電子部品あるいは高密度実装の回路基板などに使
用されるセラミックグリーンシート製造用キャリアシー
トとして好適な離型フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂フィルムを基材とし、基材
表面にシリコーン樹脂などの離型層を形成した離型フィ
ルムは、貼付薬保護シート、粘着ラベルや粘着テープ等
の台紙、あるいは成形樹脂表面保護シート、液晶ディス
プレイに用いられる偏光板や位相差板等の液晶表示板保
護シート、セラミック離型用など各種用途に使用されて
いる。特に近年、携帯電話や携帯用パソコンに代表され
る移動体通信機器、携帯情報端末機器などの大量普及に
伴い、これらの電子機器に使用される多層セラミック基
板、積層セラミックコンデンサーなども大量に生産され
ており、相応してセラミックコンデンサーの製造工程に
用いられるグリーンシート用の離型フィルムが大量に消
費されている。
【0003】多層セラミック基板、積層セラミックコン
デンサー等の製造に使用されるグリーンシートは、ポリ
エステルなどの熱可塑性樹脂フィルムの片面にシリコー
ン等の離型剤をコーティングした離型フィルム上に、セ
ラミックスラリーを塗布し、これを加熱乾燥した後、セ
ラミックを離型フィルムから剥離して生産される。セラ
ミック剥離後の離型フィルムは、回収されることなくそ
のまま廃棄されているのが現状である。
【0004】しかしながら、昨今、地球資源、地球環境
保護の観点から、PETボトルの回収再生が一般化しつ
つあるように、上記の離型フィルムの分野においても回
収リサイクルが大きな課題となっているが、いまだ実現
していないのが現状である。セラミックグリーンシート
用離型フィルムが回収再生できない最大の理由は、離型
フィルム上に形成されたシリコーン等の離型層をフィル
ムから完全に分離除去することができないためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、離型フィルムの表面に形成された離
型層が容易に分離除去することができ、かつ、基材フィ
ルムを回収再生することができる離型フィルムを提供せ
んとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の離型フィルムは、熱可塑性樹脂
フィルムの少なくとも片面に水溶性ポリマーからなる層
を介して離型層が形成されてなることを特徴とするもの
である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまりフィ
ルム面に形成された離型層を容易に分離除去することが
でき、かつ、クリーンなフィルムを回収再生することが
できる離型フィルムについて、鋭意検討し、熱可塑性樹
脂フィルムと離型層との間に水溶性ポリマーからなる層
を介在させてみたところ、かかる課題を一挙に解決する
ことを究明したものである。
【0008】本発明の離型フィルムにおける熱可塑性樹
脂フィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリイミ
ドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィ
ルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアセテートフィ
ルム、ポリエチレンフィルム、ポリフェニレンスルフィ
ドフィルム、セロハンなどを使用することができる。中
でも、耐熱性、強度の点で、ポリエステルフィルムが好
ましく用いられる。
【0009】ポリエステルとしては、ジカルボン酸成分
とグリコール成分を主たる構成成分とするポリエステル
が好ましく使用される。ここでいうジカルボン酸成分と
しては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂
環族ジカルボン酸を用いることができ、芳香族ジカルボ
ン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,
5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジ
フェニルスルホンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸等を用い
ることができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては、例
えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、
ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸等
を用いることができる。また、脂環族ジカルボン酸成分
としては、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
等を用いることができる。これらの酸成分は1種のみ用
いてもよく、2種以上併用してもよく、さらにはヒドロ
キシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合してもよい。
【0010】また、グリコール成分としては、例えばエ
チレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3
−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2
−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、スピログリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,
2′−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)
プロパン等を用いることができる。中でもエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピロ
グリコールが好ましく用いられる。これらのグリコール
成分は、1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよ
い。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、フィルム
の成形性、取扱い性の向上を目的として、上記ポリエス
テルに、トリメリト酸、トリメシン酸、ペンタエリスト
ール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多官能
化合物や、p−オキシ安息香酸等のオキシジカルボン酸
等を共重合してもよい。
【0011】本発明の離型フィルムのポリエステルとし
ては、好ましくはポリエチレンテレフタレート、エチレ
ンテレフタレートとエチレンイソフタレートとの共重合
体、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ブチレンテレフタレートとエチレン
テレフタレートとの共重合体、ブチレンテレフタレート
とヘキサメチレンテレフタレートとの共重合体、ヘキサ
メチレンテレフタレートと1,4−シクロヘキサンジメ
チレンテレフタレートとの共重合体、エチレンテレフタ
レートとエチレン−2,6−ナフタレートとの共重合体
およびこれらのブレンド物等を用いることができる。
【0012】本発明の熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、
特に限定されるものではないが、強度、寸法安定性の点
から10〜200μmの範囲のものが好ましく使用され
る。
【0013】本発明において、水溶性ポリマーとしては
水溶性であれば特に限定されるものではないが、その分
子構造中に例えば、高分子大辞典(丸善(株))p.4
88、図2に挙げられた親水性の官能基を含むものであ
り、中でも水酸基、エーテル基、アミド基、カルボキシ
ル基、リン酸エステル基、スルホン酸基、アミノ基、イ
ミノ基、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、アンモニウ
ム塩基を含むものが好ましく、特に水酸基、カルボキシ
ル基、スルホン酸塩基、カルボン酸塩基を含むものが好
ましい。
【0014】具体的な本発明の水溶性ポリマーとして、
かんしょ澱粉、ばれいしょ澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱
粉、コーンスターチ、こんにゃく、ふのり、寒天、アル
ギン酸ナトリウム、トロロアオイ、トラガントゴム、ア
ラビアゴム、デキストラン、レバン、にかわ、ゼラチ
ン、カゼイン、コラーゲン、ビスコース、メチル・セル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ル・メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
可溶性澱粉、カルボキシメチル澱粉、ジアルデヒド澱
粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリ
アクリル酸、ポリビニルピロリドンなどの水溶性ポリマ
ーが好ましく用いられる。これらは1種のみを単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、強
度、耐熱性、耐有機溶剤性等の点で、ポリビニルアルコ
ールとポリビニルピロリドンがより好ましく用いられ
る。
【0015】ポリビニルアルコールとしては、鹸化度7
0〜99モル%、粘度平均重合度300〜10000が
好ましく、鹸化度75〜90モル%、粘度平均重合度3
00〜2500がより好ましい。具体的には、(株)ク
ラレ製“ポバール”PVA−102、PVA−103、
PVA−105、PVA−110、PVA−117、P
VA−117H、PVA−120、PVA−124、P
VA−CSA、PVA−CST、PVA−HC、PVA
−203、PVA−205、PVA−210、PVA−
217、PVA−220、PVA−224、PVA−2
17E、PVA−217EE、PVA−220E、PV
A−403、PVA−405、PVA−420、PVA
−420H、L−8、L−9、L−10、PVA−50
5、PVA−617、PVA−613、PVA−706
等、日本合成化学工業(株)製“ゴーセノール”NH−
26、NH−20、NH−18、N−300、NM−1
4、NM−11、NL−05、AH−26、AH−2
2、AH−17、A−300、C−500、P−61
0、AL−06、GH−23、GH−20、GH−1
7、GM−14、GM−14L、GL−05、GL−0
3、KH−20、KH−17、KM−11、KL−0
5、KL−03、KP−08、KP−06、NK−0
5、“ゴーセラン”F−78、L−0301、L−03
02、L−3266等が好ましく使用される。
【0016】また、ポリビニルアルコールは共重合体で
あってもよく、その場合、ビニルアルコール単位が60
モル%以上である共重合ポリビニルアルコールが好まし
く使用される。
【0017】ポリビニルピロリドンとしては、分子量1
0万〜500万のものが好ましく、分子量30万〜10
0万のものがより好ましい。具体的には、(株)日本触
媒製PX−K30P、PX−K90P等が好ましく用い
られる。
【0018】本発明の水溶性ポリマーは、離型フィルム
として使用後の温水に対する溶解性を高めたり、基材フ
ィルムへの塗工性を向上したり、耐溶剤性を付与するた
めに、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンと
を混合して用いるのがより好ましい。ポリビニルアルコ
ール(A)とポリビニルピロリドン(B)の重量混合比
(A/B)は、目的に応じて任意に選定できるが、A/
B=99/1〜1/99が好ましく、A/B=95/5
〜5/95がより好ましく、A/B=90/10〜10
/90が特に好ましい。
【0019】本発明における水溶性ポリマーとしてさら
に、水溶性化を容易にするため、スルホン酸塩基を含む
化合物あるいはカルボン酸塩基を含む化合物を構成成分
とするポリエステル樹脂が好ましく用いられ、より好ま
しくはスルホン酸塩基を含む化合物あるいはカルボン酸
塩基を含む化合物を1〜50モル%共重合されてなるポ
リエステル樹脂が好ましく用いられる。かかるポリエス
テル樹脂は、他の水溶性ポリマーと混合して用いること
もできる。
【0020】スルホン酸塩基を含む化合物としては、例
えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、
4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,
7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシレングリコール、
2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベン
ゼンなどのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アン
モニウム塩などを用いることができるが、これに限定さ
れるものではない。カルボン酸塩基を含む化合物として
は、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロ
ヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン
酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,
2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3′,
4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−
(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メ
チル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5
−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタ
ンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテト
ラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,
2′,3,3′−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフ
ェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテ
トラカルボン酸などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金
属塩、アンモニウム塩などを用いることができるが、こ
れに限定されるものではない。
【0021】本発明の水溶性ポリマーからなる層には、
必要に応じて、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界
面活性剤、帯電防止剤、染料等を含有してもよい。ま
た、易滑性や耐ブロッキング性を付与する目的で粒子等
を添加してもよい。用いる粒子としては特に限定されな
いが、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナ
ゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなど
を用いることができる。
【0022】かかる水溶性ポリマー層の厚さは、回収安
定性の点から、好ましくは0.01〜10μm、より好
ましくは0.05〜5μmであるのがよい。
【0023】本発明において離型層を形成する材料は、
離型性を有するものであれば特に限定されるものではな
いが、硬化型シリコーン樹脂を主成分とするもの、ある
いはウレタン樹脂、エポキシ樹脂等とのグラフト重合等
による変性シリコーン樹脂等を好ましく使用することが
できる。中でも、離型性の点で、硬化型シリコーン樹脂
を主成分とするものが、より好ましく用いられる。
【0024】かかる硬化型シリコーン樹脂としては、溶
剤付加型、溶剤縮合型、溶剤紫外線硬化型、無溶剤付加
型、無溶剤縮合型、無溶剤紫外線硬化型、無溶剤電子線
硬化型等いずれの硬化反応タイプでも用いることができ
る。具体的には、東レ・ダウコーニング・シリコーン社
製のLTC750A、LTC300B、SD7223、
SD7226、SD7229、SRX−210等、東芝
シリコーン社製のYSR−3022、TPR−670
0、TPR−6720、TPR−6721等、信越化学
工業社製のKS−774、KS−775、KS−77
8、KS−779H、KS−856、X−62−242
2、X−62−2461、KNS−305、KNS−3
000、X−62−1256等が好ましく用いられる。
【0025】離型層の塗工量は、塗工安定性および離型
性の点から、好ましくは0.01〜10g/m2より好
ましくは0.05〜5g/m2の範囲であるものが使用
される。
【0026】本発明において、離型層表面のブロッキン
グ防止、滑り性改良を目的として、離型層に粒子を添加
してもよい。かかる粒子の種類としては、有機系粒子、
無機系粒子のいずれでもよい。かかる離型層には、さら
に必要に応じて、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
界面活性剤、帯電防止剤、染料等を含有してもよい。
【0027】本発明の離型フィルムは、上記の熱可塑性
樹脂フィルムの少なくとも片面に、水溶性ポリマーから
なる層を介して離型層が形成されていることが肝要であ
る。これに対して、水溶性ポリマーからなる層を介する
ことなく、直接フィルム面に離型層を形成したものは、
フィルム面から離型層を分離除去することができず、ク
リーンなフィルムのみを単独で回収できないので好まし
くない。本発明のフィルム面と離型層との間に水溶性ポ
リマーからなる層を介在させた構成とすることによっ
て、容易にフィルム面から離型層を分離除去することが
できるので、クリーンなフィルムを完全に回収すること
ができ、回収したフィルムの再利用が可能となるのであ
る。
【0028】以下、本発明の離型フィルムの製造方法に
ついて、熱可塑性樹脂フィルムとしてポリエステルフィ
ルムを用いた例について説明する。
【0029】ポリエステルは、次の方法で製造すること
ができる。すなわち、前記のジカルボン酸成分とグリコ
ール成分とを直接エステル化反応させた後、この反応の
生成物を減圧下で加熱して、余剰のグリコール成分を除
去しつつ重縮合させることによって製造する方法や、酸
成分としてジアルキルエステルを用い、これとグリコー
ル成分とでエステル交換反応させた後、上記と同様に重
縮合させることによって製造する方法等がある。この
際、必要に応じて、反応触媒としてアルカリ金属、アル
カリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモ
ン、ゲルマニウム、チタン化合物を用いることもでき
る。
【0030】上記のポリエステルには、必要に応じて、
難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防
止剤、結晶核剤、顔料、可塑剤、末端封鎖剤、脂肪酸エ
ステル、ワックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン
等の消泡剤等を配合することができる。さらには、目的
に応じて易滑性を付与することもできる。
【0031】かかる易滑性の付与方法としては、特に制
限はないが、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭
酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、
アルミナ、ジルコニア、スピネル、湿式あるいは乾式シ
リカなどの無機粒子、アクリル酸系ポリマ類、ポリスチ
レン等を構成成分とする有機粒子等を配合する方法、界
面活性剤を塗布する方法等を採用することができる。配
合する粒子量としては、ポリマー100重量部に対して
0.05〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.
1〜3重量部である。また配合する粒子の平均径として
は、0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.
1〜2μmである。このような粒子は、種類、平均径の
異なる複数のものを併用してもよい。
【0032】本発明のポリエステルフィルムは、次の方
法で製造することができる。すなわち、上述したポリエ
ステルポリマーを十分に乾燥させた後、押出し機を用い
て溶融押出しし、Tダイキャスト法によりポリマーをキ
ャストドラム上に押出すことによって未延伸フィルムを
得、次いで、この未延伸フィルムを同時あるいは逐次に
二軸延伸することによって、フィルムを製造することが
できる。逐次二軸延伸の場合、その延伸順序はフィルム
を長手方向、幅方向の順、あるいはこの逆の順としても
良い。
【0033】フィルムの延伸温度としては70℃〜11
0℃の範囲の温度が好ましい。フィルムの長手方向およ
び幅方向の延伸倍率は、好ましくは1.5〜10倍の範
囲であれば、任意に行うことができる。長手方向、幅方
向の延伸倍率は、どちらを大きくしてもよく、同一倍率
であってもよい。
【0034】更に、フィルムを二軸延伸した後に熱処理
を行ってもよい。この熱処理は、オーブン中、加熱され
たロール上等、任意の方法で行うことができる。熱処理
温度は、100℃以上融点以下の範囲の温度が好まし
い。また、熱処理時間は、1〜60秒間の範囲で行うの
が好ましい。
【0035】本発明の離型フィルムは、上記の方法で作
製した基材フィルムの少なくとも片面に、先ず、水溶性
ポリマーからなる層を形成する。水溶性ポリマーからな
る層を形成する方法としてはいかなる方法であってもよ
く、基材フィルムとの熱ラミネート、基材フィルム上へ
の押出しラミネート、基材フィルムとの積層共押出し、
基材フィルム上へのコーティングなどの方法を採用する
ことができる。
【0036】これらの中でも、水溶性ポリマーからなる
層の厚み均一性の点で、コーティング方式が好ましく採
用される。コーティング方式としては、ロールコータ
ー、グラビアコーター、リバースコーター、バーコータ
ー、ダイコーター、ナイフコーター等、従来公知の塗工
方式を用いることができる。
【0037】コーティング後のフィルム面は、加熱、乾
燥して、ポリマー中の水分を除去し、ポリマー層だけが
フィルム面に残るようにする。コーティング方式の場
合、二軸延伸後のフィルムに、オフラインでコーティン
グしてもよいし、製膜工程中に、いわゆるインラインで
コーティングすることもできる。インラインコーティン
グの場合、たとえば、縦延伸後のフィルム面に、テンタ
ー入り口でコーティングしつつ、その後横延伸を行うな
どの方法が採用することができる。
【0038】また、水溶性ポリマーからなる層を形成す
る前に、必要に応じて、基材フィルムの表面に、空気
中、その他種々の雰囲気中で、コロナ放電処理、プラズ
マ処理等の表面処理を施してもよい。
【0039】本発明の離型フィルムは、さらに、水溶性
ポリマーからなる層の上に、上述の硬化型シリコーン樹
脂をコーティングして離型層を形成する。離型層のコー
ティングは、ロールコーター、グラビアコーター、リバ
ースコーター、バーコーター、ダイコーター、ナイフコ
ーター等、従来公知の塗工方式を用いて塗布することが
できる。 <評価方法> (1)回収性 作製した離型フィルムを50〜85℃の温水中で5〜6
0分間撹拌した後乾燥し、離型層形成面側にポリエステ
ル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼りつ
け、その接着度合いで以下のように判定した。
【0040】 テープが強くくっつき、剥がれにくいものを○ テープのくっつきが弱く、剥がれ易いものを× とした。テープのくっつきが弱いものは、離型層が残存
しており、回収に適さない。 (2)再製膜性 回収した基材フィルムをチップ化し、2軸延伸製膜機で
通常の製膜条件でフィルムを再製膜し、以下のように判
定した。
【0041】 正常に製膜でき、透明なフィルムが再生できたものを○ 製膜中に破れが発生したり、フィルムが白濁、着色した
ものを×とした。×は再生不良のため、実用に適さな
い。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。 実施例1 (離型フィルムの作製)基材フィルムとして、ポリエス
テルフィルム(東レ“ルミラー”T60、厚さ38μ
m)を準備した。該フィルムの片面に、バーコーター
で、水溶性ポリマーとしてポリビニルアルコール樹脂
(日本合成化学工業(株)“ゴーセノール”GL05)
の10重量%水溶液を、乾燥後の厚さで1μmとなるよ
うにコーティングし、熱風オーブン中で120℃×10
分乾燥した。
【0043】次いで、上記水溶性ポリマー層の上から、
硬化型シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン(株)LTC−750A、硬化剤 SRX-212 0.5重量
部添加)の5重量%トルエン溶液をバーコーターにてコ
ーティングし、熱風オーブン中で100℃×1分加熱
し、本発明の離型フィルムを作製した。
【0044】該フィルムの離型層面側に、ポリエステル
粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付け
たところ、全くくっつかず、離型層が正常に形成されて
いることが確認された。 (離型層の分離除去)上記の離型フィルムを、50℃の
温水中で、5分間撹拌洗浄した後、フィルムを取り出
し、熱風オーブン中で100℃×5分間乾燥した。
【0045】該フィルムの離型層面側に、ポリエステル
粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付け
たところ、強くくっつき、容易に剥がれず、離型層が分
離除去されているのが確認された。 (再製膜)上記の離型層を分離除去した基材フィルムを
回収して、チップ化し、二軸延伸製膜機で製膜したとこ
ろ、無色透明のポリエステルフィルムを再生することが
できた。 実施例2 (離型フィルムの作製)ポリエチレンテレフタレート原
料をTダイ口金で押出し、表面温度25℃のキャストド
ラム上にキャストして未延伸フィルムを作製し、該未延
伸フィルムをロール式延伸機に導き、85℃の予熱ロー
ルで予熱した後、温度95℃の周速差のあるロール間で
長手方向に3.5倍に延伸し、一旦室温まで冷却した
後、テンター式横延伸機に送り込み、温度95℃で幅方
向に3.5倍に延伸した。
【0046】さらにテンターの熱処理ゾーンで200℃
の雰囲気下で5秒間の熱処理を施して、厚さ38μmの
2軸延伸フィルムを作製した。
【0047】上記製膜工程において、テンター式横延伸
機の入り口で、一軸延伸後のフィルムの片面に、バーコ
ーターで、水溶性ポリマーとして、ポリビニルアルコー
ル樹脂((株)クラレ“ポバール”KL318)の5重
量%水溶液を、乾燥後の厚さで0.5μmとなるように
コーティングし、フィルム表面に水溶性ポリマーからな
る層を形成した。
【0048】その後、上記フィルムの水溶性ポリマー層
の上から、硬化型シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)LTC−300B、硬化剤 SRX-2
12 0.5重量部添加)の5重量%トルエン溶液を、バーコ
ーターにてコーティングし、熱風オーブン中で100℃
×1分加熱し、離型フィルムを作製した。
【0049】該離型フィルムの離型層面側に、ポリエス
テル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り
付けたところ、全くくっつかず、離型層が正常に形成さ
れていることが確認された。 (離型層の分離除去)上記の離型フィルムを、50℃の
温水中で5分間撹拌洗浄した後、フィルムを取り出し、
熱風オーブン中で100℃×5分間乾燥した。
【0050】該離型フィルムの離型層面側に、ポリエス
テル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り
付けたところ、強くくっつき、容易に剥がれず、離型層
が分離除去されていることが確認された。 (再製膜)上記の離型層を分離除去した基材フィルムを
回収して、チップ化し、二軸延伸製膜機で製膜したとこ
ろ、無色透明のきれいなポリエステルフィルムを再生す
ることができた。製膜途中において、フィルム破れ等の
トラブルも全く発生しなかった。 実施例3 (離型フィルムの作製)実施例2において、水溶性ポリ
マーを、下記組成のスルホン酸塩基を含む化合物を共重
合したポリエステル樹脂塗液aに変更したこと以外は、
実施例2と同様にして本発明の離型フィルムを作製し
た。
【0051】水溶性ポリマーa:下記の酸成分とグリコ
ール成分からなるポリエステル樹脂2種で構成される水
系塗液。
【0052】 ポリエステル樹脂A 30重量部 ・酸成分 テレフタル酸 50モル% イソフタル酸 25モル% セバチン酸 24モル% 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 1モル% ・グリコール成分 エチレングリコール 55モル% ネオペンチルグリコール 45モル% ポリエステル樹脂B 70重量部 ・酸成分 テレフタル酸 87.5モル% 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 12.5モル% ・グリコール成分 エチレングリコール 100モル% 上記固形分比となるように混合し、水で固形分濃度5重
量%となるように希釈した。
【0053】上記離型フィルムの離型層面側にポリエス
テル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り
付けたところ、全くくっつかず、離型層が正常に形成さ
れていた。 (離型層の分離除去)上記の離型フィルムを70℃の温
水中で10分間撹拌した後、フィルムを取り出し、熱風
オーブン中で100℃、5分間乾燥した。
【0054】該フィルムの離型層面側にポリエステル粘
着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付けた
ところ、強くくっつき、容易に剥がすことができず、離
型層が分離除去されているのが確認された。 (再製膜)上記の離型層を分離除去した基材フィルムを
回収してチップ化し、二軸延伸製膜機で製膜したとこ
ろ、フィルム破れ等のトラブルが全く発生せず、無色透
明のきれいなポリエステルフィルムが再生できた。 実施例4 (離型フィルムの作製)実施例2において、水溶性ポリ
マーを下記の組成bに変更したこと以外は、実施例2と
同様にして本発明の離型フィルムを作製した。
【0055】水溶性ポリマーb:下記ポリウレタン樹脂
と、下記酸成分とグリコール成分からなるポリエステル
樹脂で構成される水系塗液。
【0056】 ポリウレタン樹脂 40重量部 ・ハイドランAP40(大日本インキ化学工業(株)製) ポリエステル樹脂 60重量部 ・酸成分 テレフタル酸 87.5モル% 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 12.5モル% ・グリコール成分 エチレングリコール 100モル% 上記固形分比となるように混合し、水で固形分濃度5重
量%となるように希釈した。
【0057】上記離型フィルムの離型層面側にポリエス
テル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り
付けたところ、全くくっつかず、離型層が正常に形成さ
れていた。 (離型層の分離除去)上記の離型フィルムを70℃の温
水中で10分間撹拌した後、フィルムを取り出し、熱風
オーブン中で100℃、5分間乾燥した。
【0058】該フィルムの離型層面側にポリエステル粘
着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付けた
ところ、強くくっつき、容易に剥がすことができず、離
型層が分離除去されているのが確認された。 (再製膜)上記の離型層を分離除去した基材フィルムを
回収してチップ化し、二軸延伸製膜機で製膜したとこ
ろ、フィルム破れ等のトラブルも全く発生せず、無色透
明のきれいなポリエステルフィルムが再生できた。 比較例1 (離型フィルムの作製)実施例1において、水溶性ポリ
マーをコーティングせず、硬化型シリコーン樹脂のみを
コーティングして離型フィルムを作製した。
【0059】該離型フィルムの離型層面側に、ポリエス
テル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り
付けたところ、全くくっつかず、離型層が正常に形成さ
れていることが確認された。 (離型層の分離除去)上記の離型フィルムを、50℃の
温水中で1時間撹拌洗浄した後、フィルムを取り出し、
熱風オーブン中で100℃×5分間乾燥した。
【0060】該離型フィルムの離型層面側に、ポリエス
テル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り
付けたところ、全くくっつかず、離型層が除去されてい
ないことが確認された。 (再製膜)上記のフィルムを回収して、チップ化し、二
軸延伸製膜機で製膜したところ、溶融ポリマーが黄色に
変色し、得られたフィルムも不透明で、白濁していた。
また、製膜途中で、たびたび気泡が発生してフィルム破
れが頻発し、正常な製膜ができなかった。 実施例5 (離型フィルムの作製)ポリエチレンテレフタレート原
料をTダイ口金で押出し、表面温度25℃のキャストド
ラム上にキャストして未延伸フィルムを作製し、該未延
伸フィルムをロール式延伸機に導き、85℃の予熱ロー
ルで予熱した後、温度95℃の周速差のあるロール間で
長手方向に3.5倍に延伸し、一旦室温まで冷却した
後、テンター式横延伸機に送り込み、温度100℃で幅
方向に4倍に延伸した。
【0061】さらにテンターの熱処理ゾーンで220℃
の雰囲気下で10秒間の熱処理を施して、厚さ35μm
の2軸延伸フィルムを作製した。
【0062】上記製膜工程において、テンター式横延伸
機の入り口で、一軸延伸後のフィルムの片面に、コロナ
放電処理を施した後、バーコーターで、水溶性ポリマー
として、ポリビニルピロリドン((株)日本触媒、PX
−90P)の5重量%水溶液を、乾燥後の厚さで0.2
μmとなるようにコーティングして巻き取った。
【0063】その後、上記フィルムの水溶性ポリマー層
の上から、硬化型シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)LTC−300B、硬化剤 SRX-2
12 0.5重量部添加)の1重量%トルエン溶液を、バーコ
ーター(番手10)にてコーティングし、熱風オーブン
中で140℃×1分間加熱硬化し、離型フィルムを作製
した。
【0064】該離型フィルムの離型層面側に、ポリエス
テル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り
付けたところ、全くくっつかず、離型層が正常に形成さ
れていることが確認された。 (離型層の分離除去)上記の離型フィルムを裁断し、8
5℃の温水中で10分間撹拌洗浄した後、フィルムを取
り出し、熱風オーブン中で100℃×5分間乾燥した。
【0065】該離型フィルムの離型層面側に、ポリエス
テル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り
付けたところ、強くくっつき、容易に剥がれず、離型層
が分離除去されていることが確認された。 (再製膜)上記の離型層を分離除去した基材フィルムを
回収して、チップ化し、二軸延伸製膜機で製膜したとこ
ろ、無色透明のきれいなポリエステルフィルムを再生す
ることができた。製膜途中において、フィルム破れ等の
トラブルも全く発生しなかった。 実施例6 (離型フィルムの作製)実施例5において、水溶性ポリ
マーとして、下記組成の5重量%水溶液を用いたこと以
外は実施例5と同様にして、離型フィルムを作製した。 <水溶性ポリマー> ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)“コ゛ーセノール"GL03) 80重量 部 ポリビニルピロリドン((株)日本触媒、PX−K90P) 20重量部 (離型層の分離除去)上記の離型フィルムを裁断し、8
5℃の温水中で10分間撹拌洗浄した後、フィルムを取
り出し、熱風オーブン中で100℃×5分間乾燥した。
【0066】該離型フィルムの離型層面側に、ポリエス
テル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り
付けたところ、強くくっつき、容易に剥がれず、離型層
が分離除去されていることが確認された。 (再製膜)上記の離型層を分離除去した基材フィルムを
回収して、チップ化し、二軸延伸製膜機で製膜したとこ
ろ、無色透明のきれいなポリエステルフィルムを再生す
ることができた。製膜途中において、フィルム破れ等の
トラブルも全く発生しなかった。
【0067】
【表1】 表1に示すように、実施例1〜6の離型フィルムは、温
水中で容易に離型層が分離除去できるので、基材フィル
ムの回収と再生ができるのに対して、比較例1のもの
は、離型層が全く分離除去されず、該フィルムは再生不
可能であった。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、フィルム面に形成され
た離型層が容易に分離除去できるので、たとえばセラミ
ックコンデンサー製造用のキャリアシートなどの工程フ
ィルムとして使用した後、該フィルムを廃棄することな
く、基材フィルムを回収再利用できる、つまり使用後の
離型フィルムを廃棄することなく、回収再利用すること
ができる利点がある。
【0069】本発明の離型フィルムは、上記の効果を奏
するので、セラミック離型用としてだけでなく、貼付薬
保護シート、粘着ラベルや粘着テープ等の台紙、あるい
は成形樹脂表面保護シート、液晶ディスプレイに用いら
れる偏光板や位相差板等の液晶表示板保護シート等、多
くの用途に応用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01B AK21B AK42B AK52C AL05B AR00C BA03 BA07 BA10A BA10C GB90 JB09B JB12C JB16A JL14 JL14C JL16 YY00B

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に
    水溶性ポリマーからなる層を介して離型層が形成されて
    なることを特徴とする離型フィルム。
  2. 【請求項2】前記水溶性ポリマーが、水酸基を含む化合
    物、カルボキシル基を含む化合物、スルホン酸塩基を含
    む化合物またはカルボン酸塩基を含む化合物から選ばれ
    た少なくとも1種を構成成分とするものであることを特
    徴とする請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 【請求項3】前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコ
    ールであることを特徴とする請求項1に記載の離型フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】前記水溶性ポリマーが、ポリビニルピロリ
    ドンであることを特徴とする請求項1に記載の離型フィ
    ルム。
  5. 【請求項5】前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコ
    ールとポリビニルピロリドンとの混合物であることを特
    徴とする請求項1に記載の離型フィルム。
  6. 【請求項6】前記ポリビニルアルコール(A)とポリビ
    ニルピロリドン(B)の混合比A/B(固形分重量比)
    が、99/1〜1/99であることを特徴とする請求項
    5に記載の離型フィルム。
  7. 【請求項7】前記水溶性ポリマーが、スルホン酸塩基を
    含む化合物またはカルボン酸塩基を含む化合物から選ば
    れた少なくとも1種を構成成分とするポリエステル樹脂
    からなることを特徴とする請求項1に記載の離型フィル
    ム。
  8. 【請求項8】前記ポリエステル樹脂が、スルホン酸塩基
    を含む化合物またはカルボン酸塩基を含む化合物から選
    ばれた少なくとも1種を1〜50モル%共重合されてな
    ることを特徴とする請求項7に記載の離型フィルム。
  9. 【請求項9】前記水溶性ポリマーが、前記ポリエステル
    樹脂と他の水溶性ポリマーとの混合物であることを特徴
    とする請求項1、7または8に記載の離型フィルム。
  10. 【請求項10】前記水溶性ポリマーからなる層の厚さが
    0.01〜10μmであることを特徴とする請求項1〜
    5、7、9のいずれかに記載の離型フィルム。
  11. 【請求項11】前記熱可塑性樹脂フィルムが、ポリエス
    テルフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の
    離型フィルム。
  12. 【請求項12】前記離型層が、硬化型シリコーン樹脂で
    あることを特徴とする請求項1に記載の離型フィルム。
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