JP6962217B2 - セラミックグリーンシート製造用離型フィルム - Google Patents

セラミックグリーンシート製造用離型フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP6962217B2
JP6962217B2 JP2018009651A JP2018009651A JP6962217B2 JP 6962217 B2 JP6962217 B2 JP 6962217B2 JP 2018009651 A JP2018009651 A JP 2018009651A JP 2018009651 A JP2018009651 A JP 2018009651A JP 6962217 B2 JP6962217 B2 JP 6962217B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic green
film
green sheet
release
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018009651A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019116086A (ja
Inventor
健斗 重野
有記 本郷
悠介 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Publication of JP2019116086A publication Critical patent/JP2019116086A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6962217B2 publication Critical patent/JP6962217B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

本発明は、超薄層のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムに関するものであり、詳しくは超薄層のセラミックグリーンシート製造時にピンホール及び厚みムラによる工程不良の発生を抑制したものを製造し得る、超薄層のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムに関するものである。
従来ポリエステルフィルムを基材とし、その上に離型層を積層した離型フィルムは、積層セラミックコンデンサ(以下MLCCとする)、セラミック基板等のセラミックグリーンシート成型用に使用されている。近年、積層セラミックコンデンサの小型化・大容量化に伴い、セラミックグリーンシートの厚みも薄膜化する傾向にある。セラミックグリーンシートは、離型フィルムに、チタン酸バリウムなどのセラミック成分とバインダー樹脂を含有したスラリーを塗工し乾燥することで成型される。成型したセラミックグリーンシートに電極を印刷し離型フィルムから剥離したのち、セラミックグリーンシートを積層、プレスし裁断後、焼成、外部電極を塗布することで積層セラミックコンデンサが製造される。これまで、ポリエステルフィルムの離型層表面にセラミックグリーンシートを成型する場合、離型層表面の微小な突起が成型したセラミックグリーンシートに影響を与え、ハジキやピンホール等の欠点が生じやすくなるといった問題点があった。そのため、優れた平坦性を有する離型層表面を実現するための手法が種々開発されてきた(例えば、特許文献1)。
しかしながら近年、さらなるセラミックグリーンシートの薄膜化が進み、1.0μm以下、より詳しくは0.2μm〜1.0μmの厚みのセラミックグリーンシートが要求されるようになってきた。そのため、離型層表面により高い平滑性が求められるようになってきている。また、セラミックグリーンシートの薄膜化に伴い、セラミックグリーンシートの強度が低下するため、離型層表面の平滑化だけではなく、セラミックグリーンシートを離型フィルムから剥離するときの剥離力を低くかつ均一にすることが好ましく、離型フィルムからセラミックグリーンシートを剥離するときにセラミックグリーンシートにかかる負荷を極力少なくし、セラミックグリーンシートにダメージを与えないようにすることが好ましくなってきている。
また近年、環境負荷とコストダウンの観点から離型フィルムの厚みを薄くすることが求められている。しかし、離型フィルムの厚みを薄くすると、離型フィルム表面の平滑性が低下したり、離型フィルムのコシ感が低下しカールなどを起こしやすくなり、セラミックグリーンシート成型時や電極印刷時の離型フィルムの走行性が悪くなる課題があった。より具体的には、離型フィルムの走行性が悪化すると、セラミックグリーンシートの塗布成型時の均一性が悪化し、セラミックグリーンシートの膜厚が不均一になったり、電極印刷工程で印刷精度が低下し、成形加工したMLCCの不良率が悪化する課題があった。
剥離時のセラミックグリーンシートへの負荷を抑制する方法としては、離型フィルムの離型層に活性エネルギー線硬化成分を用いることで離型層の架橋密度を高め、弾性率を向上させることで、セラミックグリーンシート剥離時における離型層の変形を抑制し剥離力を軽くする方策が検討されている(例えば、特許文献2、3)。
しかし、特許文献2や3のように離型層の架橋密度を高めるだけでは、離型層の硬化収縮が大きくなることがあり離型層加工後の離型フィルムにカールが発生し、走行性が悪化する懸念があった。また、硬化が不十分であった場合、離型層の耐溶剤性が悪化するため、セラミックグリーンシート加工や電極印刷時に用いる有機溶媒、例えばトルエンなどによって離型層が浸食されることで剥離力が増大し、剥離時にセラミックグリーンシートにダメージを与えるおそれがあった。さらに、硬化が不十分であった場合、シリコーン成分がグリーンシートへ多く移行し、グリーンシート間の接着力が低下する懸念があった。特に、離型フィルムの厚みが薄くなると、カールがより顕著となり、セラミックグリーンシートの成型時に課題が発生する一方、離型層を薄くすると硬化阻害を起こし、剥離不良の発生やシリコーン移行量が増える懸念があった。
特開2000−117899号公報 国際公開第2013/145864号 国際公開第2013/145865号
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、離型フィルムの離型層に特定の材料を使用することで、離型層の高架橋密度と低硬化収縮、及び低シリコーン移行が両立することを見出した。そして、本発明の課題は、離型フィルムの厚みを薄くしても剥離性の悪化や、カールにより生じる走行性の悪化がなく、成型される極薄のセラミックグリーンシートにピンホール欠点等を生じ難いセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを提供することである。
即ち、本発明は以下の構成よりなる。
1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に直接又は他の層を介して0.2〜2.0μmの離型層が積層された離型フィルムであって、離型層表面の領域表面粗さ(Sa)が7nm以下であり、前記離型層が1分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有する重量平均分子量2000〜10万のエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂を少なくとも含む塗膜が硬化されてなるセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
2. 離型層が、1分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有する分子量2000〜10万のエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂以外のエネルギー線硬化型樹脂成分及びポリオルガノシロキサン成分を含まない上記第1に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
3. 1分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有する重量平均分子量2000〜10万のエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂が、(メタ)アクリロイル基の前駆体を有するモノマー類とポリオルガノシロキサン基を有するモノマー類を少なくとも含む複数種のモノマー類が共重合されているアクリルコポリマー(I)に対して、(メタ)アクリロイル基を有する化合物がグラフトされているものであり、アクリルコポリマー(I)に対するポリオルガノシロキサン基の導入量が0.01〜10mol%、(メタ)アクリロイル基のグラフトによる導入量が70〜99.95mol%である上記第1または第2に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
4. ポリエステルフィルムが少なくとも2層以上からなる積層ポリエステルフィルムであって、前記積層ポリエステルフィルムの離型層が積層された側の表面層Aには実質的に無機粒子が含有されていない上記第1〜第3のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
5. 積層ポリエステルフィルムの表面層Aとは反対側の表面層Bが粒子を含有し、前記粒子がシリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子であり、合計の粒子の含有量が表面層Bの総質量に対して5000〜15000ppmである上記第4に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
6. 上記第1〜第5のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを用いてセラミックグリーンシートを成型するセラミックグリーンシートの製造方法であって、成型されたセラミックグリーンシートが0.2μm〜1.0μmの厚みであるセラミックグリーンシートの製造方法。
本発明のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムは、従来のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムと比較して、カールやシリコーン移行量が少なく、剥離性に優れるため、離型フィルムの厚みを薄くしても、成型される厚み1μm以下といった超薄膜セラミックグリーンシートにピンホールなどの欠点を少なくできるセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの提供が可能となった。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に離型層を有しており、前記離型層は、1分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有する重量平均分子量2000〜10万のエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂を少なくとも含む塗膜を硬化させてなることを特徴とするセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを好ましい態様とするものである。
(ポリエステルフィルム)
本発明において基材として用いるポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、特に限定されず、離型フィルム用基材として通常一般に使用されているポリエステルをフィルム形成したものを使用することが出来るが、好ましくは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分からなる結晶性の線状飽和ポリエステルであるのが良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン?2,6?ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート又はこれらの樹脂の構成成分を主成分とする共重合体がさらに好適であり、とりわけポリエチレンテレフタレートから形成されたポリエステルフィルムが特に好適である。ポリエチレンテレフタレートは、エチレンテレフタレートの繰り返し単位が好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上であり、他のジカルボン酸成分、ジオール成分が少量共重合されていてもよいが、コストの点から、テレフタル酸とエチレングリコールのみから製造されたものが好ましい。また、本発明の離型フィルムの効果を阻害しない範囲内で、公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶化剤などを添加してもよい。ポリエステルフィルムは双方向の弾性率の高さ等の理由から二軸配向ポリエステルフィルムであることが好ましい。
上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの固有粘度は0.50■0.70dl/gが好ましく、0.52■0.62dl/gがより好ましい。固有粘度が0.50dl/g以上の場合、延伸工程で破断が多く発生することがなく好ましい。逆に、0.70dl/g以下の場合、所定の製品幅に裁断するときの裁断性が良く、寸法不良が発生しないので好ましい。また、原料は十分に真空乾燥することが好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムの製造方法は特に限定されず、従来一般に用いられている方法を用いることが出来る。例えば、前記ポリエステルを押出機にて溶融して、フィルム状に押出し、回転冷却ドラムにて冷却することにより未延伸フィルムを得て、該未延伸フィルムを二軸延伸することにより得ることが出来る。二軸延伸フィルムは、縦方向あるいは横方向の一軸延伸フィルムを横方向または縦方向に逐次二軸延伸する方法、或いは未延伸フィルムを縦方向と横方向に同時二軸延伸する方法で得ることが出来る。
本発明において、ポリエステルフィルム延伸時の延伸温度はポリエステルの二次転移点(Tg)以上とすることが好ましい。縦、横おのおのの方向に1〜8倍、特に2〜6倍の延伸をすることが好ましい。
上記ポリエステルフィルムは、厚みが12■50μmであることが好ましく、さらに好ましくは15■38μmであり、より好ましくは、19μm〜33μmである。フィルムの厚みが12μm以上であれば、フィルム生産時や加工工程、成型の時に、熱により変形するおそれがなく好ましい。一方、フィルムの厚みが50μm以下であれば、使用後に廃棄するフィルムの量が極度に多くならず、環境負荷を小さくする上で好ましい。
上記ポリエステルフィルム基材は、単層であっても2層以上の多層であっても構わないが、少なくとも片面には実質的に無機粒子を含まない表面層Aを有することが好ましい。2層以上の多層構成からなる積層ポリエステルフィルムの場合は、実質的に無機粒子を含有しない表面層Aの反対面には、無機粒子などを含有することができる表面層Bを有することが好ましい。積層構成としては、離型層を塗布する側の層をA層、その反対面の層をB層、これら以外の芯層をC層とすると、厚み方向の層構成は離型層/A/B、あるいは離型層/A/C/B等の積層構造が挙げられる。当然ながらC層は複数の層構成であっても構わない。また、表面層Bには無機粒子を含まないこともできる。その場合、フィルムをロール状に巻き取るための滑り性付与するため、表面層B上には少なくとも無機粒子とバインダーを含んだコート層を設けることが好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルム基材において、離型層を塗布する面を形成する表面層Aは、実質的に無機粒子を含有しないことが好ましい。このとき、表面層Aの領域表面平均粗さ(Sa)は、7nm以下が好ましい。Saが7nm以下であると、積層する超薄層セラミックグリーンシートの成型時にピンホールなどの発生が起こりにくく好ましい。表面層Aの領域表面平均粗さ(Sa)は小さいほど好ましいと言えるが、0.1nm以上であって構わない。ここで、表面層A上に後述のアンカーコート層などを設ける場合は、コート層に実質的に無機粒子を含まないことが好ましく、コート層積層後の領域表面平均粗さ(Sa)が前記範囲に入ることが好ましい。本発明において、「無機粒子を実質的に含有しない」とは、無機粒子が、蛍光X線分析で無機元素を定量した場合に50ppm以下、好ましくは10ppm以下、最も好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。これは積極的に無機粒子をフィルム中に添加させなくても、外来異物由来のコンタミ成分や、原料樹脂あるいはフィルムの製造工程におけるラインや装置に付着した汚れが剥離して、フィルム中に混入する場合があるためである。
本発明におけるポリエステルフィルム基材において、離型層を塗布する面の反対面を形成する表面層Bは、フィルムの滑り性や空気の抜けやすさの観点から、無機粒子を含有することが好ましく、特にシリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子を用いることが好ましい。含有される無機粒子含有量は、表面層B中に無機粒子の合計で5000〜15000ppm含有することが好ましい。このとき、表面層Bのフィルムの領域表面平均粗さ(Sa)は、1〜40nmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、5〜35nmの範囲である。シリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子の合計が5000ppm以上、Saが1nm以上の場合には、フィルムをロール状に巻き上げるときに、空気を均一に逃がすことができ、巻き姿が良好で平面性良好により、超薄層セラミックグリーンシートの製造に好適なものとなる。また、シリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子の合計が15000ppm以下、Saが40nm以下の場合には、滑剤の凝集が生じにくく、粗大突起ができないため、超薄層のセラミックグリーンシート製造時に品質が安定し好ましい。
上記B層に含有する粒子としては、シリカ及び/又は炭酸カルシウム以外に不活性な無機粒子及び/又は耐熱性有機粒子なども用いることができるが、透明性やコストの観点からシリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子を用いることがより好ましいが、他に使用できる無機粒子としては、アルミナ?シリカ複合酸化物粒子、ヒドロキシアパタイト粒子などが挙げられる。また、耐熱性有機粒子としては、架橋ポリアクリル系粒子、架橋ポリスチレン粒子、ベンゾグアナミン系粒子などが挙げられる。またシリカ粒子を用いる場合、多孔質のコロイダルシリカが好ましく、炭酸カルシウム粒子を用いる場合は、ポリアクリル酸系の高分子化合物で表面処理を施した軽質炭酸カルシウムが、滑剤の脱落防止の観点から好ましい。
上記表面層Bに添加する無機粒子の平均粒子径は、0.1μm以上2.0μm以下が好ましく、0.5μm以上1.0μm以下が特に好ましい。無機粒子の平均粒子径が0.1μm以上であれば、離型フィルムの滑り性が良好であり好ましい。また、平均粒子径が2.0μm以下であれば、離型層表面の粗大粒子によるセラミックグリーンシートにピンホールが発生するおそれがなく好ましい。
上記表面層Bには素材の異なる粒子を2種類以上含有させてもよい。また、同種の粒子で平均粒径の異なるものを含有させてもよい。
表面層Bに粒子を含まない場合は、表面層B上に粒子を含んだコート層で易滑性を持たせることが好ましい。本コート層は、特に限定されないが、ポリエステルフィルムの製膜中に塗工するインラインコートで設けることが好ましい。表面層Bに粒子を含まず、表面層B上に粒子を含むコート層を有する場合、コート層の表面は、上述の表面層Bの領域表面平均粗さ(Sa)と同様の理由により、領域表面平均粗さ(Sa)が1〜40nmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、5〜35nmの範囲である。
上記離型層を設ける側の層である表面層Aには、ピンホール低減の観点から、滑剤などの無機粒子の混入を防ぐため、再生原料などを使用しないことが好ましい。
上記離型層を設ける側の層である表面層Aの厚み比率は、基材フィルムの全層厚みの20%以上50%以下であることが好ましい。20%以上であれば、表面層Bなどに含まれる粒子の影響をフィルム内部から受けづらく、領域表面平均粗さSaが上記の範囲を満足することが容易であり好ましい。基材フィルムの全層の厚みの50%以下であると、表面層Bにおける再生原料の使用比率を増やすことができ、環境負荷が小さく好ましい。
また、経済性の観点から上記表面層A以外の層(表面層Bもしくは前述の中間層C)には、50〜90質量%のフィルム屑やペットボトルの再生原料を使用することができる。この場合でも、B層に含まれる滑剤の種類や量、粒径ならびに領域表面平均粗さ(Sa)は、上記の範囲を満足することが好ましい。
また、後に塗布する離型層などの密着性を向上させたり、帯電を防止するなどのために表面層A及び/または表面層Bの表面に製膜工程内の延伸前または一軸延伸後のフィルムにコート層を設けてもよく、コロナ処理などを施すこともできる。
(離型層)
本発明の離型層は、1分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有するエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂を少なくとも含む塗膜を硬化してなることが好ましい。1分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有するエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂を用いることで、離型層の硬化収縮を抑えつつ、架橋密度を向上させることができるため、離型層の耐溶剤性が向上しセラミックシート加工や電極印刷時の有機溶媒による離型層の浸食を抑制することができる。また、ポリオルガノシロキサン基が分子中に導入されているため、セラミックグリーンシートへ移行することを抑制できるため好ましい。
本発明の離型層は、前記1分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有すエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂以外のポリオルガノシロキサン成分を含まないことが好ましい。このような構成の離型層とすることで架橋構造に取り込まれていないシリコーン成分が離型層表面に偏析することがなくなり、シリコーンの移行を抑制することができるため好ましい。また、このような構成の離型層とすることで、エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂間のみで架橋反応が進行し、硬化収縮を抑えることができるため好ましい。ここで、「ポリオルガノシロキサン成分を含まない」とは、離型層を形成する塗膜に、特定の機能、例えば離型性などの機能を付与するために、意図的に、1分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有すエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂以外のポリオルガノシロキサン成分を添加していないことを指す。そして、前記エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂を合成する際の極微量な副生成物および原料由来の不純物の混入や、離型層を形成する工程内に残存するシリコーン成分の混入があったとしても、それは微々たる量であり、ポリオルガノシロキサン成分ではないものとする。
本発明の離型層に用いる、1分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有するエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂の重量平均分子量は、2000〜10万であることが好ましく、2000〜5万であることがより好ましく、2000〜3万であることがさらに好ましい。重量平均分子量が2000以上であると、導入するポリオルガノシロキサン基の量が極端に少なくなることがなく、剥離性に優れるため好ましい。重量平均分子量が10万以下であると、分子内の(メタ)アクリロイル基間の反応が抑制され、分子間で(メタ)アクリロイル基が架橋反応するため、架橋密度を高める効果が得られるため好ましい。
(エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂)
本発明で用いるエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂とは、1分子中に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有するものをいう。より詳しくその構造を述べると、シロキサン基および(メタ)アクリロイル基を分子内に有するアクリル樹脂をさし、(メタ)アクリロイル基を含有するポリジメチルシロキサン(アクリル変性シリコーンと呼ぶこともある)は含まない。
本発明で用いるエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂は、(メタ)アクリロイル基の前駆体を有するモノマー類と、ポリオルガノシロキサン基を有するモノマー類を共重合して合成した前駆体のアクリルコポリマー(I)に、(メタ)アクリロイル基をグラフトすることで得ることができる。
(メタ)アクリロイル基の前駆体を有するモノマー類としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシルアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、3−ブテンー1−オール、4−ペンテン−2−オール、1−ペンテン−3−オール、4−ペンテン−1−オールなどのヒドロキシル基を有するアルケニル化合物、クロトン酸、ミリスレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸などのカルボキシル基を有するアルケニル化合物、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルなどのエポキシ変性アクリレート化合物などが挙げられる。
ポリオルガノシロキサン基を有するモノマー類としては、例えば、(メタ)アクリロイル変性されたポリオルガノシロキサンなどが該当し、製品名としては、信越化学社製X−22−174ASX、X−22−174BX、KF−2012、X−22−2426、X−22−2404などが挙げられる。
前駆体のアクリルコポリマー(I)に(メタ)アクリロイル基をグラフトする方法として、特に限定は無いが、例えば、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を、イソシアヌルエチル(メタ)アクリレートなどの分子内にイソシアネート基とアクリロイル基を有する化合物と反応させる方法や、エポキシ基と(メタ)アクリル酸を反応させて(メタ)アクリル酸エステルを得る方法などが挙げられる。
本発明で用いるエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂には、前駆体であるアクリルコポリマーの一分子内にポリオルガノシロキサン基を0.01〜10mol%導入することが好ましく、0.03〜5mol%導入することがより好ましく、0.05〜5mol%導入することが更に好ましい。ポリオルガノシロキサン基を0.01mol%以上導入することで離型層の十分な剥離性が発現し、セラミックグリーンシートを剥離するときに、セラミック層にダメージを与えることなく剥離することができる。10mol%以下導入することで、セラミックスラリーを塗工するときにハジキが発生しづらくなり、均一なセラミックグリーンシートを成型できるため好ましい。なお、ポリオルガノシロキサン基の導入量を直接的に評価することは困難であるため、本明細書においては、エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂の前駆体であるアクリルコポリマー(I)を合成する際のポリオルガノシロキサン基を有するモノマー類の投入量から算出した値で示している。具体的には、アクリルコポリマー(I)を合成する際に投入した全構成モノマー類のモル数に対するポリオルガノシロキサン基を有するモノマー類に含まれるポリオルガノシロキサン基のモル数をmol%で表現した値をポリオルガノシロキサン基の導入量としている。
本発明で用いるエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂は、前駆体であるアクリルコポリマーの一分子内に(メタ)アクリロイル基が70〜99.95mol%導入されていることが好ましく、80〜99.95mol%導入されていることがより好ましい。(メタ)アクリロイル基を70mol%以上導入することで離型層の架橋密度が向上し、耐溶剤性が向上するため、セラミックシート加工や電極印刷時の有機溶媒によって離型層が浸食されることがなくなるため好ましい。99.95mol%以下導入することで、ポリオルガノシロキサン基の導入量が極端に少なくなることがなく、剥離性に優れるため好ましい。なお、(メタ)アクリロイル基の導入量を直接的に評価することは困難であるため、本明細書においては、グラフト反応が完全に進行したと仮定し、エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂の前駆体であるアクリルコポリマー(I)を合成する際の(メタ)アクリロイル基の前駆体を有するモノマー類の投入量から算出した値により示している。具体的には、アクリルコポリマー(I)を合成する際に投入した全モノマー類のモル数に対する(メタ)アクリロイル基を有する化合物がグラフトされることによりもたらされた(メタ)アクリロイル基のモル数をmol%で表現した値を(メタ)アクリロイル基の導入量としている。
前駆体のアクリルコポリマー(I)の官能基のすべてに(メタ)アクリロイル基をグラフトしなくても良い。ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基などがエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂に残存している場合、熱架橋型硬化剤を併用することで、架橋密度を制御することが可能となる。また、アクリルコポリマー(I)とグラフトする際にヒドロキシル基が生じる場合、そのヒドロキシル基と熱架橋型硬化剤を反応させて、架橋密度を制御することもできる。例えば、エポキシ基を含有するアクリルコポリマー(I)と(メタ)アクリル酸のグラフト反応や、カルボキシル基を含有するアクリルコポリマー(I)とグリシジル(メタ)アクリレートのグラフト反応では、ヒドロキシル基が生じるため、熱架橋型硬化剤と併用することができる。
熱架橋型硬化剤として、イソシアネート型硬化剤、金属キレート型硬化剤、エポキシ硬化剤、アジリジン系硬化剤、メラミン系硬化剤、オキサゾリン系硬化剤など特に限定なく使用することができる。
(光重合開始剤)
本発明の離型層には、光重合開始剤を添加することが好ましい。光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサンソン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン、(2,4,6−トリメチルベンジルジフェニル)フォスフィンオキサイド、2−ベンゾチアゾール−N,N−ジエチルジチオカルバメート等が挙げられる。特に、表面硬化性に優れるとされる、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンが好ましく、中でも、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンが特に好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤の添加量は、特に限定されない。例えば、用いられる樹脂に対して0.1から20質量%程度を用いることが好ましい。
(増感剤)
紫外線による硬化の場合、増感剤を用いることができる。増感剤としては、アミン系、チオール系など特に限定なく使用できる。
(その他の成分)
本発明の離型層には、粒子径が1μm以下の粒子などを含有することができるが、ピンホール発生の観点から粒子など突起を形成するものは含有しないほうが好ましい。
本発明の離型層には、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、密着向上剤や、帯電防止剤などの添加剤などを添加してもよい。また、基材との密着性を向上させるために、離型塗布層を設ける前にポリエステルフィルム表面に、アンカーコート、コロナ処理、プラズマ処理、大気圧プラズマ処理等の前処理をすることも好ましい。
本発明において、離型層の厚みは、その使用目的に応じて設定すれば良く、特に限定されないが、好ましくは、硬化後の離型層が0.2〜2.0μmとなる範囲がよく、より好ましくは、0.3〜1.5μmであり、さらに好ましくは0.3〜1.0μmである。離型層の厚みが0.2μm以上であるとエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂の硬化性がよく離型層の弾性率が向上するため良好な剥離性能が得られ好ましい。また、2.0μm以下であると、離型フィルムの厚みが薄くなってもカールを起こしにくくセラミックグリーンシートを成型、乾燥する過程で走行性不良を起こさず好ましい。
本発明の離型フィルムは、離型層表面の平滑性が高いことが好ましい。そのため、離型層表面の領域表面平均粗さ(Sa)が7nm以下であることが好ましい。また、前記のSaを満足し、且つ離型層表面の最大突起高さ(P)が100nm以下であることが更に好ましい。さらには領域表面平均粗さ(Sa)は5nm以下であることが好ましく、その際同時に最大突起高さ(P)が80nm以下であることが特に好ましい。領域表面粗さ(Sa)が7nm以下であれば、セラミックグリーンシート形成時に、ピンホールなどの欠点の発生がなく、歩留まりが良好で好ましい。前記のSaを満足し、且つ離型層表面の最大突起高さ(P)が100nm以下であれば、更にピンホール欠点を生じるおそれが少なくなり好ましい。前記の領域表面平均粗さ(Sa)は小さいほど好ましいと言えるが、0.1nm以上であっても構わず、0.3nm以上であっても構わない。最大突起高さ(P)も小さいほど好ましいと言えるが、1nm以上でも構わず、3nm以上であっても構わない。
本発明の離型層フィルムの離型層表面の表面自由エネルギーは、18mJ/m以上40mJ/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mJ/m以上35mJ/m以下である。18mJ/m以上であるとセラミックスラリーを塗工したときにハジキが発生しづらく均一に塗工することができるため好ましい。また40mJ/m以下だとセラミックグリーンシートの離型性が低下してしまう恐れがなく好ましい。上記範囲とすることで塗工時にハジキがなく、離型性に優れた離型フィルムを提供できる。
本発明の離型フィルムは、耐溶剤性が高いほどセラミックシート加工や電極印刷時の有機溶剤、例えばトルエンなどによる離型層の浸食が抑えられるため好ましい。耐溶剤性は、離型フィルムを有機溶媒に浸漬させた前後の離型層の表面状態の差を評価することで確かめることができる。有機溶剤としては、セラミックグリーンシート加工や電極印刷を想定し、一般的なセラミックスラリーや導電性ペーストに用いられるトルエンを用いることが好ましい。離型層の表面状態を評価する方法の一例としては、接触角による評価が挙げられ、トルエン浸漬前後の離型層表面の接触角変化が小さいほど好ましい。
接触角を測定する際に用いる液摘の種類は特に制限されないが、水、ブロモナフタレン、エチレングリコールなどをそれぞれ好適に用いることができるが、離型層の表面状態の差をより顕著に見ることのできるジヨードメタンを用いることが最も好ましい。
接触角の測定に用いる液摘としてジヨードメタンを用いた際には、離型層表面のジヨードメタン接触角θと離型フィルムをトルエンに室温、5分間浸漬した後の離型層表面の接触角θの差(θ−θ)の値が小さいほど、離型層表面の耐溶剤性が良く好ましい。具体的には、絶対値として3.0°以下であることが好ましく、2.0°以下であることが更に好ましく、1.0°以下であることが最も好ましい。3.0°以下であると、セラミックグリーンシート加工や電極印刷時の有機溶剤による離型層の浸食が抑えられ、剥離力の増大や剥離の均一性が損なわれるおそれがないため好ましい。離型層表面のジヨードメタン接触角θと離型フィルムをトルエンに室温、5分間浸漬した後の離型層表面の接触角θの差(θ−θ)は0°が最も好ましいが、絶対値として0.05°以上であっても構わず、0.1°以上であっても構わない。
本発明の離型フィルムは、カールが少ないほど好ましい。カールが少ないと、セラミックグリーンシート塗布成型時の均一性が悪化し、セラミックグリーンシートの膜厚が不均一になるおそれがなく好ましい。また、電極印刷工程で印刷精度が低下するおそれがなく好ましい。さらに、ロール搬送時に、離型フィルムの張力にフィルム中央部と端部で差が生じづらくなり、搬送中の蛇行や巻ズレなどの外観品位が悪化するおそれがなく好ましい。
本発明の離型フィルムは、セラミックグリーンシートを剥離するときの剥離力が0.5mN/mm以上、4.0mN/mm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.8mN/mm以上、3.0mN/mm以下である。剥離力が0.5mN/mm以上であると、剥離力が軽すぎて搬送時にセラミックグリーンシートが浮いてしまうおそれがなく好ましい。剥離力が4.0mN/mm以下であると剥離時にセラミックグリーンシートがダメージを受けるおそれがなく好ましい。
本発明の離型フィルムは、架橋密度が高く、弾性率が高いほど好ましい。弾性率が高いと剥離時の離型層の変形が少なく、低く均一な力で剥離することができるため好ましい。弾性率は離型層表面をスチールウールで擦った時のキズつき度合によって評価することができる。キズつきの度合は、スチールウールで離型層を擦った時につくキズの個数で評価することができる。
(離型層の形成方法)
本発明において、離型層の形成方法は、特に限定されず、離型性の樹脂を溶解もしくは分散させた塗液を、基材のポリエステルフィルムの一方の面に塗布等により展開し、溶媒等を乾燥により除去後、硬化させる方法が用いられる。
本発明の離型層を基材フィルム上に溶液塗布により塗布する場合の溶媒乾燥の乾燥温度は、50℃以上、100℃以下であることが好ましく、60℃以上、95℃以下であることがより好ましい。その乾燥時間は、30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。さらに溶剤乾燥後、活性エネルギー線を照射し硬化反応を進行させることが好ましい。この時用いる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線などが使用することができるが、紫外線が使用しやすく好ましい。照射する紫外線量としては光量で30〜300mJ/cmが好ましく、より好ましくは、30〜200mJ/cmである。30mJ/cm以上とすることで樹脂の硬化が十分進行し、300mJ/cm以下とすることで加工時の速度を向上させることができるため経済的に離型フィルムを作成することができ好ましい。
前記活性エネルギー線を照射するときの雰囲気は、一般的な空気中でも窒素ガス雰囲気下でも構わない。窒素ガス雰囲気では、酸素濃度を減少させることでラジカル反応がスムーズに進行し離型層の弾性率を向上させることができるが、空気中で照射しても実用上問題なければ、空気中で照射する方が経済的観点から好ましい。
本発明において、離型層を塗布するときの塗液の表面張力は、特に限定されないが30mN/m以下であることが好ましい。表面張力を前記のようにすることで、塗工後の塗れ性が向上し、乾燥後の塗膜表面の凹凸を低減することができる。
上記塗液の塗布法としては、公知の任意の塗布法が適用出来、例えばグラビアコート法やリバースコート法などのロールコート法、ワイヤーバーなどのバーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、等の従来から知られている方法が利用できる。
(セラミックグリーンシートとセラミックコンデンサ)
一般に、積層セラミックコンデンサは、直方体状のセラミック素体を有する。セラミック素体の内部には、第1の内部電極と第2の内部電極とが厚み方向に沿って交互に設けられている。第1の内部電極は、セラミック素体の第1の端面に露出している。第1の端面の上には第1の外部電極が設けられている。第1の内部電極は、第1の端面において第1の外部電極と電気的に接続されている。第2の内部電極は、セラミック素体の第2の端面に露出している。第2の端面の上には第2の外部電極が設けられている。第2の内部電極は、第2の端面において第2の外部電極と電気的に接続されている。
本発明のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムは、このような積層セラミックコンデンサを製造するために用いられる。例えば、以下のようにして製造される。まず、本発明の離型フィルムをキャリアフィルムとして用い、セラミック素体を構成するためのセラミックスラリーを塗布、乾燥させる。セラミックグリーンシートの厚みは、0.2〜1.0μmの極薄品が求められてきている。塗布、乾燥したセラミックグリーンシートの上に、第1又は第2の内部電極を構成するための導電層を印刷する。セラミックグリーンシート、第1の内部電極を構成するための導電層が印刷されたセラミックグリーンシート及び第2の内部電極を構成するための導電層が印刷されたセラミックグリーンシートを適宜積層し、プレスすることにより、マザー積層体を得る。マザー積層体を複数に分断し、生のセラミック素体を作製する。生のセラミック素体を焼成することによりセラミック素体を得る。その後、第1及び第2の外部電極を形成することにより積層セラミックコンデンサを完成させることができる。
以下に、実施例を用いて本発明のさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。本発明で用いた特性値は下記の方法を用いて評価した。
(基材フィルム厚み)
ミリトロン(電子マイクロインジケーター)を用い、測定すべきフィルムの任意の4箇所より5cm角サンプル4枚を切り取り、一枚あたり各5点(計20点)測定して平均値を厚みとした。
(ポリエステル樹脂の固有粘度(dl/g))
JIS K 7367−5:2000に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2-テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
(離型層厚み)
離型層の厚みは、光干渉式膜厚計(F20、フィルメトリクス社製)を用いて測定した。(離型層の屈折率は1.52として算出)
(領域表面粗さSa、最大突起高さP)
非接触表面形状計測システム(VertScan R550H−M100、菱化システム社製)を用いて、下記の条件で測定した値である。領域表面平均粗さ(Sa)は、5回測定の平均値を採用し、最大突起高さ(P)は7回測定し最大値と最小値を除いた5回の最大値を使用した。
(測定条件)
・測定モード:WAVEモード
・対物レンズ:10倍
・0.5×Tubeレンズ
・測定面積 936μm×702μm
(解析条件)
・面補正: 4次補正
・補間処理: 完全補間
(表面自由エネルギー)
25℃、50%RHの条件下で接触角計(協和界面科学社製: 全自動接触角計 DM−701)を用いて離型フィルムの離型面に水(液滴量1.8μL)、ジヨードメタン(液適量0.9μL)、エチレングリコール(液適量0.9μL)の液滴を作成しその接触角を測定した。接触角は、各液を離型フィルムに滴下後10秒後の接触角を採用した。前記方法で得られた、水、ジヨードメタン、エチレングリコールの接触角データを「北崎−畑」理論より計算し離型フィルムの表面自由エネルギーの分散成分γsd、極性成分γsp、水素結合成分γshを求め、各成分を合計したものを表面自由エネルギーγsとした。本計算には、本接触角計ソフトウェア(FAMAS)内の解析ソフトを用いて行った。
(トルエン浸漬後の接触角)
測定に用いる離型フィルムを5cm×5cmの大きさに切り取り、液温25℃のトルエン30mLが入ったガラス製のトレーの中に、離型面を下にして5分間浸漬させた。浸漬した離型フィルムを取り出し離型面を上にして15分間風乾した後、25℃で1晩真空乾燥させた。こうして得たトルエン浸漬後の離型フィルムのジヨードメタン接触角を前記接触角の測定方法と同様の方法にて測定した。
(接触角変化の評価)
前記方法にて測定したトルエン浸漬前の初期の離型層表面のジヨードメタン接触角をθ、トルエン浸漬後の離型層表面のジヨードメタン接触角をθとした時の、θ1−θの絶対値の値をトルエン浸漬前後の接触角変化の値とした。以下の基準で接触角変化の評価を行った。
◎:|θ1―θ2| < 1.0°
○:1.0°≦ |θ1―θ2| < 2.0°
△:2.0°≦ |θ1―θ2| ≦ 3.0°
×:|θ1―θ2| > 3.0
(セラミックスラリーの塗工性評価)
下記、材料からなる組成物を攪拌混合し、ビーズミルを用いて直径0.5mmのジルコニアビーズで30分間分散し、セラミックスラリーを調製した。
トルエン 76.3質量部
エタノール 76.3質量部
チタン酸バリウム(富士チタン社製 HPBT−1) 35.0質量部
ポリビニルブチラール 3.5質量部
(積水化学工業社製 エスレック(登録商標)BM−S)
DOP(フタル酸ジオクチル) 1.8質量部
次いで離型フィルムサンプルの離型面にアプリケーターを用いて乾燥後のセラミックグリーンシートが0.8μmになるように塗工し90℃で2分乾燥後、以下の基準で塗工性を評価した。
○:ハジキなどがなく全面に塗工できている。
△:塗工端部でややハジキがあるが、ほぼ全面に塗工できている。
×:塗工端部以外にもハジキが多く、全面に塗工できていない。
(セラミックグリーンシートのピンホール評価)
前記セラミックスラリーの塗工性評価と同様の方法でセラミックグリーンシートを成型した後、離型フィルムを剥離し、セラミックグリーンシートを得た。
得られたセラミックグリーンシートのフィルム幅方向の中央領域において25cmの範囲でセラミックスラリーの塗布面の反対面から光を当て、光が透過して見えるピンホールの発生状況を観察し、下記基準で目視判定した。測定は5回測定し平均値を採用した。
◎:ピンホールの発生なし
○:ピンホールの発生がほぼなし(目安:ピンホールが測定面積当たり2個以下)
△:ピンホールの発生があり(目安:ピンホールが測定面積当たり3個以上、5個以下)
×:ピンホールの発生が多数あり(剥離不可も含む)
(セラミックグリーンシートの剥離性評価)
下記、材料からなる組成物を攪拌混合し、ビーズミルを用いて直径0.5mmのジルコニアビーズで60分間分散し、セラミックスラリーを得た。
トルエン 38.3質量部
エタノール 38.3質量部
チタン酸バリウム(富士チタン社製 HPBT−1) 64.8質量部
ポリビニルブチラール 6.5質量部
(積水化学工業社製 エスレック(登録商標)BM−S)
DOP(フタル酸ジオクチル) 3.3質量部
次いで離型フィルムサンプルの離型面にアプリケーターを用いて乾燥後のセラミックグリーンシートが10μmの厚みになるように塗布し90℃で2分乾燥しセラミックグリーンシートを離型フィルム上に成型した。得られたセラミックグリーンシート付き離型フィルムを30mm幅、80mm長さにカットし、剥離力測定用サンプルとした。除電機(キーエンス社製、SJ−F020)を用いて除電した後に、剥離試験機(協和界面科学社製、VPA−3)を用いて、剥離角度90度、剥離温度25℃、剥離速度10m/minで剥離した。剥離する向きとしては、剥離試験機付属のSUS板上に両面接着テープ(日東電工社製、No.535A)を貼りつけ、その上にセラミックグリーンシート側を両面テープと接着する形で離型フィルムを固定し、離型フィルム側を引っ張る形で剥離した。得られた測定値のうち、剥離距離20mm〜70mmの剥離力の平均値を算出し、その値を剥離力とした。測定は計5回実施し、その剥離力の平均値の値を採用し、評価を行った。得られた剥離力の数値から下記の基準で判定した。
◎:剥離力が2.0mN/mm以下の非常に軽い力で剥離できた。
○:剥離力が2.0mN/mmよりも大きく、3.0mN/mm以下の比較的軽い力で剥離できた。
△:剥離力が3.0mN/mmよりも大きく、4.0mN/mm以下の軽い力で剥離できた。
×:剥離力が4.0mN/mmよりも大きい力を必要であった。
(離型フィルムのカール評価)
離型フィルムサンプルを10cm×10cmサイズにカットし、離型フィルムに張力がかからないようにして熱風オーブンで90℃、1分間熱処理を行った。その後、オーブンから取り出し室温まで冷却したのち、離型面が上になるように白上質紙の上に離型フィルムサンプルを置いて、上白紙から浮いている部分の高さを測定した。このとき上白紙から一番大きく浮いている部分の高さを測定値とした。以下の基準でカール性の評価を行った。
◎:カールが1mm以下であり、ほとんどカールしていない
○:カールが1mmよりも大きく、3mm以下であり、少しカールが見られた。
△:カールが3mmよりも大きく、10mm以下であり、カールが見られた。
×:カールが10mmよりも大きくカールしていた。
(シリコーン移行性)
下記、材料からなる組成物を攪拌混合し、ポリビニルブチラール(PVB)溶解液を得た。
トルエン 45.0質量部
エタノール 45.0質量部
ポリビニルブチラール(積水化学工業社製 エスレックBM−S) 10.0質量部
次いで得られた離型フィルムサンプルの離型面にアプリケーターを用いて乾燥後のPVBシートが10μmになるように塗工し90℃で2分乾燥後、離型フィルムを剥離し、剥離したPVBシートの離型フィルムが接触していた面(離型層)および、PVBシートを塗工する前の離型フィルムの離型層を蛍光X線装置(Rigaku製ZSX Primus2)にてSi強度を測定し、シリコーンの移行量を定量した。蛍光X線装置の測定条件は下記の通りとした。
分析線:Si−KA、 ターゲット:Rh4.0kW
管電圧:50kV、 管電流:60mA
フィルタ:OUT、 アッテネータ:1/1、 スリット:S4、 分光結晶:PET
検出器:PC、 PHA条件:100(下限)-300(上限)
測定径:30mm、雰囲気:真空
シリコーンの移行量は、PVBシートを塗工する前の離型フィルムの離型面のSi強度をSi(前)、PVBシートを塗工・剥離後の離型フィルムの離型面のSi強度をSi(後)として、Si(前)からSi(後)を引いた値をシリコーン移行量とした。得られたシリコーン移行量の数値から下記の基準で判断した。
◎:0.04kcps以下
○:0.04kcpsより大きく、0.10kcps以下
△:0.10kcpsより大きく、0.20kcps以下
×:0.20kcps以上
(耐キズ付性の評価)
スチールウール(日本スチールウール社製、ボンスター(登録商標) No.0000)を重さ200g、大きさ700mmの金属製の台座に貼り付けてスチールウール評価用治具を作成した。この治具を用いて、離型フィルムの離型面側とスチールウールが接触する形で200gの荷重をかけながら5往復離型面側を擦った。擦った面の中央部の2×2cmの範囲を蛍光灯透過下で観察し、目視で見えるキズの個数を評価した。キズの個数を以下の基準で判定し、評価した。
◎:キズの個数 ≦ 1個
○:1個 < キズの個数 ≦ 10個
△:10個 < キズの個数 ≦ 20個
×:20個 < キズの個数
(重量平均分子量の測定方法)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製 HLC−8220GPC)を用いて以下の条件で分析を行い、ポリスチレン換算により算出した。
カラム:Shodex (登録商標)KF−805L
媒体:テトラヒドロフラン、
流速:1.0mL/min、
試料濃度:1.5mg/ml、
注入量:300μL、
カラム温度:40℃
(ポリエチレンテレフタレートペレット(PET(I))の調製)
エステル化反応装置として、攪拌装置、分縮器、原料仕込口及び生成物取出口を有する3段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応装置を用いた。TPA(テレフタル酸)を2トン/時とし、EG(エチレングリコール)をTPA1モルに対して2モルとし、三酸化アンチモンを生成PETに対してSb原子が160ppmとなる量とし、これらのスラリーをエステル化反応装置の第1エステル化反応缶に連続供給し、常圧にて平均滞留時間4時間、255℃で反応させた。次いで、第1エステル化反応缶内の反応生成物を連続的に系外に取り出して第2エステル化反応缶に供給し、第2エステル化反応缶内に第1エステル化反応缶から留去されるEGを生成PETに対して8質量%供給し、さらに、生成PETに対してMg原子が65ppmとなる量の酢酸マグネシウム四水塩を含むEG溶液と、生成PETに対してP原子が40ppmのとなる量のTMPA(リン酸トリメチル)を含むEG溶液を添加し、常圧にて平均滞留時間1時間、260℃で反応させた。次いで、第2エステル化反応缶の反応生成物を連続的に系外に取り出して第3エステル化反応缶に供給し、高圧分散機(日本精機社製)を用いて39MPa(400kg/cm)の圧力で平均処理回数5パスの分散処理をした平均粒子径が0.9μmの多孔質コロイダルシリカ0.2質量%と、ポリアクリル酸のアンモニウム塩を炭酸カルシウムあたり1質量%付着させた平均粒子径が0.6μmの合成炭酸カルシウム0.4質量%とを、それぞれ10%のEGスラリーとして添加しながら、常圧にて平均滞留時間0.5時間、260℃で反応させた。第3エステル化反応缶内で生成したエステル化反応生成物を3段の連続重縮合反応装置に連続的に供給して重縮合を行い、95%カット径が20μmのステンレススチール繊維を焼結したフィルターで濾過を行ってから、限外濾過を行って水中に押出し、冷却後にチップ状にカットして、固有粘度0.60dl/gのPETチップを得た(以後、PET(I)と略す)。PETチップ中の滑剤含有量は0.6質量%であった。
(ポリエチレンテレフタレートペレット(PET(II))の調製)
一方、上記PETチップの製造において、炭酸カルシウム、シリカ等の粒子を全く含有しない固有粘度0.62dl/gのPETチップを得た(以後、PET(II)と略す。)
(積層フィルムX1の製造)
これらのPETチップを乾燥後、285℃で溶融し、別個の溶融押出し機押出機により290℃で溶融し、95%カット径が15μmのステンレススチール繊維を焼結したフィルターと、95%カット径が15μmのステンレススチール粒子を焼結したフィルターの2段の濾過を行って、フィードブロック内で合流して、PET(I)を表面層B(反離型面側層)、PET(II)を表面層A(離型面側層)となるように積層し、シート状に45m/分のスピードで押出(キャスティング)し、静電密着法により30℃のキャスティングドラム上に静電密着・冷却させ、固有粘度が0.59dl/gの未延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。層比率は各押出機の吐出量計算でPET(I)/(II)=60%/40%となるように調整した。次いで、この未延伸シートを赤外線ヒーターで加熱した後、ロール温度80℃でロール間のスピード差により縦方向に3.5倍延伸した。その後、テンターに導き、140℃で横方向に4.2倍の延伸を行なった。次いで、熱固定ゾーンにおいて、210℃で熱処理した。その後、横方向に170℃で2.3%の緩和処理をして、厚さ31μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムX1を得た。得られたフィルムX1の表面層AのSaは2nm、表面層BのSaは28nmであった。
(積層フィルムX2の製造)
積層フィルムX1と同様の層構成、延伸条件は変更せずに、キャスティング時の速度を変更することで厚みを調整し、25μmの厚みの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムX2を得た。得られたフィルムX2の表面層AのSaは3nm、表面層BのSaは29nmであった。
(積層フィルムX3の製造)
厚み25μmのポリエステルフィルム(東洋紡エステル(登録商標)フィルムE5101、東洋紡社製)を使用した。E5101は、2層構造の表面層A中にも無機粒子を含有した構成になっている。表面層AのSaは24nm、表面層BのSaは24nmであった。
(前駆体アクリルコポリマー1aの重合)
メチルメタクリレート10g、片末端メタクリロイル変性ポリジメチルシロキサン(JNC社製、製品名:FM0721、分子量5,000)10g、グリシジルメタクリレート80g、ドデシルメルカプタン2g、メチルイソブチルケトン(MIBK)200gを加え、内温を窒素気流下60℃まで昇温した。その後AIBNを、計2g添加し、6時間攪拌し、前駆体アクリルコポリマー1aを得た。重量平均分子量1万、固形分濃度は35質量%であった。
(エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂1bの合成)
次に、空気雰囲気下、90℃に加熱した後、p−メトキシフェノール0.1g、トリフェニルホスフィン0.5gを加えた。5分後、アクリル酸40.7gをMIBK76gに溶解し、30分かけて滴下した。この間液温を90〜100℃に保った。その後液温を110℃に上げ、この温度で8時間維持した後、室温に戻し、エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂1bを得た。固形分濃度は35質量%、重量平均分子量は11,000であった。
(前駆体アクリルコポリマー2aの重合)
メチルメタクリレート10g、片末端メタクリロイル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学社製、製品名:X−22−174ASX、分子量900)30g、グリシジルメタクリレート60g、ドデシルメルカプタン2g、メチルイソブチルケトン(MIBK)200gを加え、内温を窒素気流下60℃まで昇温した。その後AIBNを、計2g添加し、6時間攪拌し、前駆体アクリルコポリマー2aを得た。重量平均分子量1万、固形分濃度は35質量%であった。
(エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂2bの合成)
次に、空気雰囲気下、90℃に加熱した後、p−メトキシフェノール0.1g、トリフェニルホスフィン0.5gを加えた。5分後、アクリル酸30.6gをMIBK58gに溶解し、30分かけて滴下した。この間液温を90〜100℃に保った。その後液温を110℃に上げ、この温度で8時間維持した後、室温に戻し、エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂2bを得た。固形分濃度は35質量%、重量平均分子量は11,000であった。
(前駆体アクリルコポリマー3aの重合)
メチルメタクリレート10g、片末端メタクリロイル変性ポリジメチルシロキサン(JNC社製、製品名:FM0721、分子量5,000)1g、グリシジルメタクリレート89g、ドデシルメルカプタン2g、メチルイソブチルケトン(MIBK)200gを加え、内温を窒素気流下60℃まで昇温した。その後AIBNを、計2g添加し、6時間攪拌し、前駆体アクリルコポリマー3aを得た。重量平均分子量1万、固形分濃度は35質量%であった。
(エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂3bの合成)
次に、空気雰囲気下、90℃に加熱した後、p−メトキシフェノール0.1g、トリフェニルホスフィン0.5gを加えた。5分後、アクリル酸45.4gをMIBK85gに溶解し、30分かけて滴下した。この間液温を90〜100℃に保った。その後液温を110℃に上げ、この温度で8時間維持した後、室温に戻し、エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂3bを得た。固形分濃度は35質量%、重量平均分子量は11,000であった。
(前駆体アクリルコポリマー4aの重合)
片末端メタクリロイル変性ポリジメチルシロキサン(JNC社製、製品名:FM0721、分子量5,000)3g、グリシジルメタクリレート97g、ドデシルメルカプタン2g、メチルイソブチルケトン(MIBK)200gを加え、内温を窒素気流下60℃まで昇温した。その後AIBNを、計2g添加し、6時間攪拌し、前駆体アクリルコポリマー4aを得た。重量平均分子量1万、固形分濃度は35質量%であった。
(エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂4bの合成)
次に、空気雰囲気下、90℃に加熱した後、p−メトキシフェノール0.1g、トリフェニルホスフィン0.5gを加えた。5分後、アクリル酸49.4gをMIBK93gに溶解し、30分かけて滴下した。この間液温を90〜100℃に保った。その後液温を110℃に上げ、この温度で8時間維持した後、室温に戻し、エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂4bを得た。固形分濃度は35質量%、重量平均分子量は11,000であった。
(前駆体アクリルコポリマー5aの重合)
メチルメタクリレート10g、片末端メタクリロイル変性ポリジメチルシロキサン(JNC社製、製品名:FM0721、分子量5,000)10g、グリシジルメタクリレート80g、ドデシルメルカプタン1.5g、メチルイソブチルケトン(MIBK)200gを加え、内温を窒素気流下55℃まで昇温した。その後AIBNを、計1.5g添加し、10時間攪拌し、前駆体アクリルコポリマー5aを得た。重量平均分子量5万、固形分濃度は35質量%であった。
(エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂5bの合成)
次に、空気雰囲気下、90℃に加熱した後、p−メトキシフェノール0.1g、トリフェニルホスフィン0.5gを加えた。5分後、アクリル酸40.7gをMIBK76gに溶解し、30分かけて滴下した。この間液温を90〜100℃に保った。その後液温を110℃に上げ、この温度で8時間維持した後、室温に戻し、エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂5bを得た。固形分濃度は35質量%、重量平均分子量は52,000であった。
(前駆体アクリルコポリマー6aの重合)
メチルメタクリレート30g、片末端メタクリロイル変性ポリジメチルシロキサン(JNC社製、製品名:FM0721、分子量5,000)10g、グリシジルメタクリレート60g、ドデシルメルカプタン2g、メチルイソブチルケトン(MIBK)200gを加え、内温を窒素気流下60℃まで昇温した。その後AIBNを、計2g添加し、6時間攪拌し、前駆体アクリルコポリマー6aを得た。重量平均分子量1万、固形分濃度は35質量%であった。
(エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂6bの合成)
次に、空気雰囲気下、90℃に加熱した後、p−メトキシフェノール0.1g、トリフェニルホスフィン0.5gを加えた。5分後、アクリル酸30.7gをMIBK58gに溶解し、30分かけて滴下した。この間液温を90〜100℃に保った。その後液温を110℃に上げ、この温度で8時間維持した後、室温に戻し、エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂6bを得た。固形分濃度は35質量%、重量平均分子量は11,000であった。
(前駆体アクリルコポリマー7aの重合)
メチルメタクリレート20g、グリシジルメタクリレート80g、ドデシルメルカプタン2g、メチルイソブチルケトン(MIBK)200gを加え、内温を窒素気流下60℃まで昇温した。その後AIBNを、計2g添加し、6時間攪拌し、前駆体アクリルコポリマー7aを得た。重量平均分子量1万、固形分濃度は35質量%であった。
(エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂7bの合成)
次に、空気雰囲気下、90℃に加熱した後、p−メトキシフェノール0.1g、トリフェニルホスフィン0.5gを加えた。5分後、アクリル酸40.7gをMIBK76gに溶解し、30分かけて滴下した。この間液温を90〜100℃に保った。その後液温を110℃に上げ、この温度で8時間維持した後、室温に戻し、エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂7bを得た。固形分濃度は35質量%、重量平均分子量は11,000であった。
(実施例1)
積層フィルムX1の表面層A上に以下に示す組成の塗布液をワイヤーバーを用いて乾燥後の離型層膜厚が0.9μmになるように塗工し、90℃で30秒乾燥した後、積算光量が70mJ/cmの紫外線を紫外線照射機(ヘレウス社製、LC6B、Hバルブ)を用いて照射することでセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。得られた離型フィルムにセラミックスラリーを塗工し、離型層表面粗さ、表面自由エネルギー、塗工性、ピンホール、剥離性、カール、耐キズ付性、シリコーン移行性、耐溶剤性を評価したところ、良好な評価結果が得られた。
メチルエチルケトン 10.48質量部
イソプロピルアルコール 31.42質量部
エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂1b 57.10質量部
(固形分35質量%)
光重合開始剤 1.00質量部
(Omnirad127、IGM Resins社製)
(実施例2〜6)
エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂を表1に記載のものに変更した以外は実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
(実施例7,8)
離型層の膜厚を表1に記載した値にした以外は実施例4と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
(実施例9)
基材フィルムを積層フィルムX2に変更した以外は実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
(実施例10)
積層フィルムX1の表面層A上に以下に示す組成の塗布液をワイヤーバーを用いて乾燥後の離型層膜厚が0.9μmになるように塗工し、140℃で30秒乾燥した後、積算光量が70mJ/cmの紫外線を紫外線照射機(ヘレウス社製、LC6B、Hバルブ)を用いて照射することでセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 13.25質量部
イソプロピルアルコール 39.75質量部
エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂4b 40.00質量部
(固形分35質量%)
ヘキサメトキシメチルメラミン 6.00質量部
(固形分100%、東京化成工業社製)
4-メチル安息香酸 0.40質量部
(固形分100%、東京化成工業社製)
光重合開始剤(Omnirad127、IGM Resins社製) 0.60質量部
(比較例1)
エネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂を表1に記載の7bに変更した以外は実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。得られた離型フィルムは、分子内にポリオルガノシロキサンを有していないエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂を用いたため、剥離することができなかった。
(比較例2)
基材フィルムとして積層フィルムX3を用いて、離型層の膜厚を0.2μmになるように塗工した以外は、実施例4と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。得られた離型フィルムは離型層の表面粗さが大きく、セラミックグリーンシートにピンホールが発生していた。また、セラミックグリーンシート剥離力が重く、シリコーン移行性、耐溶剤性の評価も悪かった。
(比較例3)
以下に示す組成の塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 19.70質量部
イソプロピルアルコール 59.10質量部
ジペンタエリストリールヘキサアクリレート 20.00質量部
(A−DPH、新中村化学工業社製、固形分100%)
アクリロイル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン 0.20質量部
(BYK UV−3500、ビッグケミー・ジャパン社製固形分100%)
光重合開始剤 1.00質量部
(Omnirad127、IGM Resins社製)
得られた離型フィルムは、表面自由エネルギーが大きく剥離力が重かった。また、離型層の硬化収縮が大きくカールが発生しており、シリコーン移行性、耐溶剤性も悪かった。
(比較例4)
以下に示す組成の塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 19.75質量部
イソプロピルアルコール 59.25質量部
両末端アクリレート変性ポリジメチルシロキサン 20.00質量部
(X−22−2445、信越化学工業社製、固形分100%)
光重合開始剤 1.00質量部
(Omnirad127、IGM Resins社製)
得られた離型フィルムは、基材フィルムに対するポリジメチルシロキサンの濡れ性が悪く、基材フィルム表面で凝集しており、表面粗さが大きかった。また、表面自由エネルギーが小さく、セラミックスラリーを塗工した時にハジキが発生しており、セラミックグリーンシートにピンホールが発生していた。加えて、キズ付性、耐溶剤性、シリコーン移行性も悪く、剥離力も重かった。
(比較例5)
積層フィルムX1の表面層A上に以下に示す組成の塗布液をワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜厚が0.6μmとなるように塗工し、次いで、160℃で15秒乾燥することで超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 33.00質量部
トルエン 33.00質量部
熱硬化付加型シリコーン 33.30質量部
(KS−847H、信越シリコーン社製、固形分30質量%)
白金触媒 0.70質量部
(CAT−PL−50T、信越化学工業社製)
得られた離型フイルムは、表面自由エネルギーが低く、セラミックスラリーを離型フィルム上に塗布した際にハジキが発生し、成型したセラミックグリーンシートにピンホールが発生していた。また、キズ付性、耐溶剤性、シリコーン移行性も悪かった。
Figure 0006962217
本発明のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムによれば、従来のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムと比較して、離型層表面の平滑性に優れ、離型層の架橋密度が高く高弾性率でありながら、カールも抑制されるため、厚み1μm以下といった超薄膜セラミックグリーンシートを成型してもピンホールなどの欠点が少なく、剥離性に優れたセラミックグリーンシートの製造を可能とした。

Claims (6)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に直接又は他の層を介して0.2〜2.0μmの離型層が積層された離型フィルムであって、離型層表面の領域表面粗さ(Sa)が7nm以下であり、前記離型層が1分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有する重量平均分子量2000〜10万のエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂を少なくとも含む塗膜が硬化されてなるセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
  2. 離型層が、1分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有する分子量2000〜10万のエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂以外のエネルギー線硬化型樹脂成分及びポリオルガノシロキサン成分を含まない請求項1に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
  3. 1分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有する重量平均分子量2000〜10万のエネルギー線硬化型共重合アクリル樹脂が、(メタ)アクリロイル基の前駆体を有するモノマー類とポリオルガノシロキサン基を有するモノマー類を少なくとも含む複数種のモノマー類が共重合されているアクリルコポリマー(I)に対して、(メタ)アクリロイル基を有する化合物がグラフトされているものであり、アクリルコポリマー(I)に対するポリオルガノシロキサン基の導入量が0.01〜10mol%、(メタ)アクリロイル基のグラフトによる導入量が70〜99.95mol%である請求項1または2に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
  4. ポリエステルフィルムが少なくとも2層以上からなる積層ポリエステルフィルムであって、前記積層ポリエステルフィルムの離型層が積層された側の表面層Aには実質的に無機粒子が含有されていない請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
  5. 積層ポリエステルフィルムの表面層Aとは反対側の表面層Bが粒子を含有し、前記粒子がシリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子であり、合計の粒子の含有量が表面層Bの総質量に対して5000〜15000ppmである請求項4に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを用いてセラミックグリーンシートを成型するセラミックグリーンシートの製造方法であって、成型されたセラミックグリーンシートが0.2μm〜1.0μmの厚みであるセラミックグリーンシートの製造方法。
JP2018009651A 2017-12-27 2018-01-24 セラミックグリーンシート製造用離型フィルム Active JP6962217B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017251190 2017-12-27
JP2017251190 2017-12-27

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019116086A JP2019116086A (ja) 2019-07-18
JP6962217B2 true JP6962217B2 (ja) 2021-11-05

Family

ID=67305117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018009651A Active JP6962217B2 (ja) 2017-12-27 2018-01-24 セラミックグリーンシート製造用離型フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6962217B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7414069B2 (ja) * 2019-08-22 2024-01-16 三菱ケミカル株式会社 ポリエステルフィルムロール
JP7192739B2 (ja) * 2019-10-11 2022-12-20 株式会社村田製作所 電子部品の製造方法及び電子部品製造装置
CN115279589A (zh) * 2020-03-27 2022-11-01 东洋纺株式会社 脱模薄膜和其制造方法
KR102408154B1 (ko) * 2021-09-07 2022-06-14 도레이첨단소재 주식회사 이형 필름
KR102457454B1 (ko) * 2021-09-07 2022-10-21 도레이첨단소재 주식회사 이형 코팅 조성물
WO2023047936A1 (ja) * 2021-09-24 2023-03-30 東レ株式会社 二軸配向ポリエステルフィルム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006052356A (ja) * 2004-08-16 2006-02-23 Shin Etsu Chem Co Ltd 紫外線硬化性コーティング組成物
MY168431A (en) * 2012-03-28 2018-11-09 Lintec Corp Release film for ceramic green sheet producion process
JP6285777B2 (ja) * 2014-03-31 2018-02-28 リンテック株式会社 セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム
TWI728053B (zh) * 2016-03-02 2021-05-21 日商琳得科股份有限公司 硬殼劑以及積層膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019116086A (ja) 2019-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6962217B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP7017168B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP7380940B2 (ja) 積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法
JP6973555B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP6841375B1 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
WO2022186184A1 (ja) 積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法
JP7367810B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP6973054B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP2022016503A (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP7180064B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP7188536B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP7188537B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP7188535B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
WO2024019039A1 (ja) 積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法
JP7306514B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP7306516B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP7327554B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP7306515B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
WO2024019037A1 (ja) 積層フィルムロールおよび積層フィルムロールの製造方法
WO2024019038A1 (ja) 積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210903

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210914

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210927

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6962217

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350