JP6781540B2 - チタン酸バリウム系粉末、積層セラミックコンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

チタン酸バリウム系粉末、積層セラミックコンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、チタン酸バリウム系粉末、それを用いた積層セラミックコンデンサ及びその製造方法等に関する。
電子機器の小型化、高速化に伴い、電子部品の一つである積層セラミックコンデンサは小型大容量化が求められている。小型大容量化を実現する手段としては、積層セラミックコンデンサの単位体積当りの静電容量を増加させることが挙げられる。積層セラミックコンデンサの単位体積当りの静電容量を増加させる手段としては、誘電体層の薄層化が挙げられる。しかし、誘電体層を薄層化するとショート不良や寿命の短縮といった信頼性の低下が懸念される。信頼性の低下に対しては、誘電体層の緻密化や平滑化が有効である。誘電体層の緻密化の手段としては、誘電体層用グリーンシートのシート密度を高くすることが挙げられ、そのために誘電体層用グリーンシートに用いられるチタン酸バリウム系粉末の粒径を微細、かつ、均一にすることが行われてきた。例えば、特許文献1には、チタン酸バリウム系粉末の平均粒径をD1、最大粒径をD2、最小粒径をD3としたとき、10≦D1≦200nm、1.0<D2/D1≦2.0及び0.5≦D3/D1<1.0の関係を満たすことが記載されている。また、特許文献2には、内部電極に挟まれた誘電体セラミック層の厚みをdとしたとき、BaTiO3を主成分とする主相粒子の粒子径分布が、D20≦D50×0.7、D50≦d/4、D95≦d/2、CV値(D20〜D95の標準偏差/D50)<40%、となるような構造をとる積層セラミックコンデンサが記載されている。
特開2010−241613号公報 WO2012/120712号公報
しかし、チタン酸バリウム系粉末の粒径の微細化と均一化による信頼性向上は十分ではなかった。
本発明の幾つかの態様は、グリーンシートのシート密度を高くすることができるチタン酸バリウム系粉末を提供することを目的とする。本発明の他の幾つかの態様は、焼結後の誘電体層を緻密化することができるため、故障率を低く抑えることができ、信頼性を向上させることができる積層セラミックコンデンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の一態様は、
粉末中の各々の粒子の粒界の対向する2点間の最大距離を粒径、
前記粉末中の任意の粒子の前記粒径の平均を平均粒径、
前記粒径と、前記任意の粒子の体積を粒径の小さい順に累積した累積体積との関係を示す粒径累積曲線において、前記累積体積が20%及び80%での粒径をそれぞれD20及びD80、
並びに、
m値=1/[log10(D80)−log10(D20)]としたとき、
前記平均粒径は60〜160nmの範囲内であり、
D80≦300nm及び2.6≦m値≦3.3を満たすことを特徴とするチタン酸バリウム系粉末に関する。
チタン酸バリウム系粉末が、平均粒径は60〜160nmの範囲内であり、かつ、2.6≦m値≦3.3を満たし、適度な粒度分布を有する。小さな粒子が粒子間の空隙に入り込むため、この粉末を用いたグリーンシートのシート密度を高くすることができる。
(2)本発明の一態様では、2.9≦m値≦3.2を満たすことが好ましい。粒子間の空隙がより満たされるため、グリーンシートのシート密度をより高くすることができると考えられるからである。
(3)本発明のさらに他の態様は、複数の誘電体層と複数の内部電極層とが交互に積層されている積層セラミックコンデンサであって、前記誘電体層が、本発明の一態様のチタン酸バリウム系粉末を含むセラミック材料の焼結体であることを特徴とする積層セラミックコンデンサに関する。
本発明の一態様のチタン酸バリウム系粉末を含むセラミック材料は小さな粒子が粒子間の空隙に入り込み、グリーンシートのシート密度を高くすることができるため、焼結によって得られる焼結体を緻密化することができると考えられる。緻密化された焼結体が誘電体層であるから、積層セラミックコンデンサの単位体積当りの静電容量を増加させるために誘電体層を薄層化しても故障率を低く抑えることができ、積層セラミックコンデンサの信頼性を向上させることができると考えられる。
(4)本発明のさらに他の態様は、本発明の一態様のチタン酸バリウム系粉末を有するグリーンシートを得る工程と、前記グリーンシート上に導電性ペースト膜を形成する工程と、前記導電性ペースト膜が形成された前記グリーンシートを積層して積層体を得る工程と、前記積層体を焼結して緻密化された誘電体層を有する積層セラミックコンデンサを得る工程とを有することを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法に関する。
本発明の一態様のチタン酸バリウム系粉末を有するグリーンシートは、小さな粒子が粒子間の空隙に入り込み、シート密度を高くすることができるため、焼結後に得られる誘電体層を緻密化することができると考えられる。したがって、積層セラミックコンデンサの単位体積当りの静電容量を増加させるために誘電体層を薄層化しても、故障率が低く、信頼性が高い積層セラミックコンデンサを製造することができると考えられる。
積層セラミックコンデンサの構造を概略的に示す。 積層セラミックコンデンサの製造工程を概略的に示す。 m値とシート密度との関係を示す。 m値と故障率との関係を示す。 D80と故障率との関係を示す。 平均粒径と故障率との関係を示す。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲内に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(1)積層セラミックコンデンサの構造
図1は積層セラミックコンデンサ10の構造を概略的に示す。積層セラミックコンデンサ10は、複数の誘電体層11と複数の内部電極層12とを備える積層セラミック体13を有する。積層セラミック体13は、複数の誘電体層11と複数の内部電極層12とが交互に積層されて形成される。内部電極層12としては、例えば、Ni、Cu又はCu合金を主成分に用いることができる。Cu合金としては、Cu−Ni合金、Cu−Ag合金等が挙げられる。本実施形態ではNiを主成分に用いた。内部電極層12は、Ni、Cu又はCu合金といった金属材料からなる主成分の他、焼結時の誘電体層11との収縮差を軽減するため、誘電体層11に用いられる材料と略同一の材料を含む。
内部電極層12は極性が異なる2つの内部電極層からなり、それぞれ第1の内部電極層14と第2の内部電極層15という。第1の内部電極層14と第2の内部電極層15は一層おきに配置され、誘電体層11は第1の内部電極層14と第2の内部電極層15に挟まれる。
第1の内部電極層14は、積層セラミックコンデンサ10の積層方向から見たとき、積層セラミック体13の少なくとも1つの側面に露出される。第1の内部電極層14は積層セラミック体13の側面に形成された第1の外部電極16と電気的に接続される。第2の内部電極層15は、積層セラミックコンデンサ10の積層方向から見たとき、第1の外部電極16が形成された積層セラミック体13の側面とは異なる側面、例えば、第1の外部電極16が露出された側面と反対側の側面に露出される。第2の内部電極層15は、積層セラミック体13の側面に形成された第2の外部電極17と電気的に接続される。第1の外部電極16及び第2の外部電極17としては、例えば、Ag、Cu、Ni、Ag−Pd合金、Cu−Ni合金、Cu−Ag合金等を主成分に用いることができる。本実施形態ではNiを主成分に用いた。
積層セラミックコンデンサ10の静電容量は、誘電体層11とそれを挟む第1の内部電極層14及び第2の内部電極層15で構成されるコンデンサ18の静電容量と、コンデンサ18の積層数の積で表される。したがって、誘電体層11の層数は、コンデンサ18の静電容量と積層セラミックコンデンサ10に必要な静電容量から適宜決定される。積層セラミックコンデンサ10の小型大容量化を実現する手段としては、積層セラミックコンデンサ10の単位体積当りの静電容量を増加させることが挙げられ、その手段としては、誘電体層11の誘電率の向上と薄層化が挙げられる。
誘電体層11の誘電率の向上には、高誘電率材料を用いることが挙げられる。高誘電率材料としては、以下のようなチタン酸バリウム系誘電体が知られる。即ち、ABO(Aは、Baを必ず含み、さらにCa及びSrの少なくとも一方を含むことがある。Bは、Tiを必ず含み、さらにZr及びHfの少なくとも一方を含むことがある。)を主成分とするチタン酸バリウム系誘電体(特許文献1)や、BaTiO+aRe+bMnO+cV+dMoO+eCuO+fB+gLiO+xSrO+yCaO(ただし、ReはEu、Gd、Dy、Ho、Er、Yb、及びYから選ばれる1種以上、a〜g、x及びyはBaTiOからなる主成分100molに対するmol数を示し、mは誘電体磁気組成物に含まれる(Ba+Sr+Ca)/Tiのmol比を示す)で表記したとき、0.10≦a≦0.50、0.20≦b≦0.80、0≦c≦0.12、0≦d≦0.07、0.04≦c+d≦0.12、0≦e≦1.00、0.50≦f≦2.00、0.6≦(100(m−1)+2g)/2f≦1.3、0.5≦100(m−1)/2g≦5.1、0≦x≦1.5、0≦y≦1.5で表されるチタン酸バリウム系誘電体(特許文献2)である。本実施形態ではBaTiO(以下、BT)を用いた。
誘電体層11の薄層化については、薄いほど積層セラミックコンデンサ10の単位体積当りの静電容量は増加するが、第1の内部電極層14と第2の内部電極が近づくため、ショート不良や寿命の短縮といった信頼性の低下が生じる。本実施形態では、誘電体層11の原料として以下のBT粉末を用いたときに高い信頼性が得られた。即ち、粉末中の各々の粒子の粒界の対向する2点間の最大距離を粒径、
粉末中の任意の粒子の粒径の平均を平均粒径、
粒径と、任意の粒子の体積を粒径の小さい順に累積した累積体積との関係を示す粒径累積曲線において、累積体積が20%及び80%での粒径をそれぞれD20及びD80、
並びに、
m値=1/[log10(D80)−log10(D20)]としたとき、
平均粒径は60〜160nmの範囲内であり、
D80≦300nm及び2.6≦m値≦3.3を満たすチタン酸バリウム系粉末である。より好ましくは、2.9≦m値≦3.2を満たすBT粉末である。適度な粒度分布を有し、小さな粒子が粒子間の空隙に入り込むため、この粉末を用いたグリーンシートのシート密度を高くすることができると考えられる。グリーンシートのシート密度を高くすることができるため、焼結後の誘電体層を緻密化することができると考えられる。したがって、積層セラミックコンデンサの単位体積当りの静電容量を増加させるために誘電体層を薄層化しても故障率を低く抑えることができ、積層セラミックコンデンサの信頼性を向上させることができると考えられる。
(2)積層セラミックコンデンサの製造方法
(2−1)BT粉末の調整
上記のような所定の粒度分布を有するBT粉末は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、特許文献1には、以下の方法が記載されている。即ち、狙いのBT粒子径に適した、例えば、10m/g以上の原料BaCO及びTiOの各粉末を秤量し、分散剤を滴下させたのちボールミルを用いて粉砕、混合し、固相反応によって平均粒径10〜200nmの範囲内にあるBT粉末の素原料粉末を得る。この素原料粉末は固相反応時に少なからず凝集してしまう。このため解砕処理を行ったあと、水に分散させ、一定時間沈降させることによって分級し、所定の粒度分布を有するBT粉末を得ることができるというものである。なお、上記の素原料粉末を取り出す工程では、通常、素原料粉末は、分散媒とともに取り出される。このため必要に応じて、取り出された素原料粉末から、分散媒を除去する工程が実施される。所定の粒度分布のBT粉末を得るために、異なる粒度分布を有するBT粉末を混合してもよい。
(2−2)積層セラミックコンデンサの製造
図2に積層セラミックコンデンサの製造工程を概略的に示す。BT粉末を有機溶剤に分散し、ポリビニルブチラール等のバインダを混錬、乳化してスラリーを調整した。このスラリーをPETフィルム19上にシート厚みが0.9μmとなるように塗布、乾燥してグリーンシート20を形成した。グリーンシート20上にNiを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷し、内部電極層12となるべき導電性ペースト膜21を形成した(図2A)。
導電性ペースト膜21が形成されたグリーンシート20を、導電性ペースト膜21が露出される側面が互い逆になるように積層し、静水圧プレスした後、チップ状に切断し、積層体22を得た(図2B)。
導電性ペースト膜21が露出された積層体22の両側面にNiを主成分とする導電性ペースト23を塗布した後(図2C)、酸素分圧10−10MPaのH−N−HOガスからなる還元性雰囲気中にて1100〜1200℃で2時間焼成し、積層セラミックコンデンサ10を得た。
(3)評価
(3−1)BT粉末の評価
(2−1)の工程で得られたBT粉末の平均粒径、D20及びD80を測定し、m値を求めた。BT粉末の粒径については、走査型電子顕微鏡(日立:S-4700)により写真を撮影し、写真に映った粉末の輪郭を画像処理し、各々の粒子の粒界の対向する2点間の最大距離を粒径とした。各試料について、任意の粒子として、例えば、500粒子以上について粒径を測定し、平均粒径を求めた。粒径を測定した粒子について、4πr/3の式を用いて各々の体積を算出した。算出した体積全部を合計して、合計体積を算出した。次に粒径の小さい順に体積を合算していき、累積体積が合計体積の20%に達したときの粒径をD20とした。また、累積体積が80%に達したときの粒径をD80とした。求めたD20及びD80からm値を算出した。
(3−2)グリーンシートの評価
(2−2)の工程で得られたグリーンシート20のシート密度を求めた。シート密度については、次のように評価した。得られたグリーンシート20を、10cm×10cmの寸法に切断し、重量を測定した。また、切断したグリーンシートにおける縦5箇所×横5箇所の計25箇所での厚みを測定し、体積を算出した。このようにして求めた重量と体積とから、密度を算出した。各試料について、これらの作業を10回繰り返し、その平均値をシート密度とした。
また、原子間力顕微鏡(キーエンス:VN-8000)により、グリーンシートの表面粗さRz(単位:nm)を測定した。各試料について、この作業を3回繰り返し、その平均値を表面粗さRzとした。
(3−3)積層セラミックコンデンサの評価
得られた積層セラミックコンデンサ10について、温度125℃、印加電圧10Vの条件で高温加速寿命試験を行った。各試料について50個の試験を行った。100時間を経過するまでに絶縁抵抗値が10kΩ以下になった試料をショート不良と判定し、故障率を求めた。
(3−4)評価結果
(3−1)〜(3−3)の評価結果を表1に示す。
Figure 0006781540
なお、試料1のBT粉末は試料6と試料7のBT粉末、試料2のBT粉末は試料6と試料8のBT粉末を混合して得たものである。
図3にm値とシート密度との関係を示す。m値が2.6から3.3の間でシート密度が3.43g/cm以上と高く、m値が2.9から3.3の間でシート密度が3.45g/cmとより高く、m値が2.9から3.2の間でシート密度が3.49g/cm以上とさらに高いことがわかる。BT粉末が適度な粒度分布を有し、小さな粒子が粒子間の空隙に入り込んでグリーンシートのシート密度が高くなったと考えられる。
図4にm値と故障率との関係を示す。m値が2.6から3.3の間で故障率が4%以下と低く、m値が2.9から3.3の間で故障率が2%以下とより低く、m値が2.9から3.2の間で故障率が0%とさらに低いことがわかる。BT粉末が適度な粒度分布を有し、小さな粒子が粒子間の空隙に入り込んでシート密度を高くすることができるため、焼結後に得られる誘電体層を緻密化することができたと考えられる。したがって、積層セラミックコンデンサの単位体積当りの静電容量を増加させるために誘電体層を薄層化しても、故障率が低く、信頼性が高い積層セラミックコンデンサを製造することができたと考えられる。
図5にD80と故障率との関係を示す。比較例1(D80:304.2nm)は、実施例4(D80:299.6nm)に似たBT粉末を用いており、シート密度、表面粗さも近いにもかかわらず、故障率が32%と高い。これは、D80が300nm超と粗大粒が大きく、グリーンシートを薄層化するとグリーンシートの厚みが粗大粒の粒径に近づき、急激に平滑化しにくくなるためと考えられる。したがって、積層セラミックコンデンサの誘電体層を薄層化するにはm値が適当な範囲内にあるだけでなく、チタン酸バリウム系粉末のD80は300nm以下が好ましいと考えられる。
比較例2はD80が300nm以下の286.1nmであるにもかかわらず、故障率が38%と高い。そこで、図6に平均粒径と故障率との関係を示す。比較例2は平均粒径が153.0nmと、他の実施例、比較例と比べて格段に大きいことからグリーンシートを薄層化すると平滑化されにくくなると考えられる。さらに、m値が3.8と粒度の均一性が高いため、小さな粒子が粒子間の空隙に入り込みにくく、誘電体層が緻密化されず、ショート不良が起こりやすいと考えられる。したがって、積層セラミックコンデンサの誘電体層を薄層化するにはm値が適当な範囲内にあるだけでなく、チタン酸バリウム系粉末の平均粒径は160nm以下が好ましく、120nm以下がより好ましく、100nm以下がさらに好ましいと考えられる。一方、平均粒径が小さくなると、粒径の小さい粒子が増え、それによる空隙が増えてしまう。したがって、平均粒径は60nm以上が好ましく、70nmがより好ましく、80nm以上がさらに好ましいと考えられる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲内に含まれる。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語とともに記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えられることができる。また、積層セラミックコンデンサ等の構成及び動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形が可能である。
10 積層セラミックコンデンサ、11 誘電体層、12 内部電極層、13 積層セラミック体、14 第1の内部電極層、15 第2の内部電極層、16 第1の外部電極、17 第2の外部電極、18 コンデンサ、19 PETフィルム、20 グリーンシート、21 導電性ペースト膜、22 積層体、23 導電性ペースト

Claims (4)

  1. 粉末中の各々の粒子の粒界の対向する2点間の最大距離を粒径、
    前記粉末中の任意の粒子の前記粒径の平均を平均粒径、
    前記粒径と、前記任意の粒子の体積を粒径の小さい順に累積した累積体積との関係を示す粒径累積曲線において、前記累積体積が20%及び80%での粒径をそれぞれD20及びD80、
    並びに、
    m値=1/[log10(D80)−log10(D20)]としたとき、
    前記平均粒径は60〜120nmの範囲内であり、
    D80≦300nm及び2.6≦m値≦3.3を満たし、かつ、D80は前記平均粒径より大きいことを特徴とするチタン酸バリウム系粉末。
  2. 請求項1に記載のチタン酸バリウム系粉末において、
    2.9≦m値≦3.2を満たすことを特徴とするチタン酸バリウム系粉末。
  3. 複数の誘電体層と複数の内部電極層とが交互に積層されている積層セラミックコンデンサであって、
    前記誘電体層が、請求項1又は2に記載のチタン酸バリウム系粉末を含むセラミック材料の焼結体であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  4. 請求項1又は2に記載のチタン酸バリウム系粉末を有するグリーンシートを得る工程(ただし、前記グリーンシートの厚みがD80の3倍より薄い場合を除く)と、
    前記グリーンシート上に導電性ペースト膜を形成する工程と、
    前記導電性ペースト膜が形成された前記グリーンシートを積層して積層体を得る工程と、
    前記積層体を焼結して緻密化された誘電体層を有する積層セラミックコンデンサを得る工程とを有することを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。
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