JP5803688B2 - 誘電体磁器組成物および積層セラミックコンデンサ - Google Patents

誘電体磁器組成物および積層セラミックコンデンサ Download PDF

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本発明は、誘電体磁器組成物および積層セラミックコンデンサに関し、特に誘電体層を薄層化した場合であっても、比誘電率を高く維持しつつ、良好な信頼性を示す誘電体磁器組成物、および該誘電体磁器組成物が適用された積層セラミックコンデンサに関する。
積層セラミックコンデンサは、小型、高性能、高信頼性の電子部品として広く利用されており、電気機器および電子機器の中で使用される個数も多数にのぼる。近年、機器の小型かつ高性能化に伴い、セラミック電子部品に対する更なる小型化、高性能化、高信頼性化への要求はますます厳しくなっている。
このような要求に対し、積層セラミックコンデンサの誘電体層の薄層化および多層化が進められている。しかしながら、誘電体層を薄層化しても充分な信頼性を得る為に添加物成分を固溶させると、比誘電率が低下してしまい、所望の特性が得られないという問題があった。
これに対して、例えば特許文献1にはコア−シェル構造を有する粒子と、均一系の構造を有する粒子とが、2:8〜4:6の範囲の面積比で混在していることを特徴とする、耐還元性誘電体セラミックが開示されている。この特許文献1では、小型化及び大容量化を果たし得る積層セラミックコンデンサを提供することを目的としている。
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、誘電体層の厚みが3.0μmあるいは4.0μmと厚く、近年の小型・大容量化の要求に応えるために1.0μm以下に薄層化した場合には充分な信頼性を得る事ができない。
一方、例えば特許文献2には、誘電体層の厚みを1.0μm未満に薄層化した場合であっても、信頼性の良好な誘電体セラミックが開示されている。この特許文献2では、均一系粒子の個数割合が12〜84%であり、コア−シェル構造を有する粒子の個数割合が16〜88%であることを特徴としている。ここで均一系粒子としては、添加物の固溶が無い主相のみの粒子も含まれている。
しかし、層間1.0μm未満に薄層化した誘電体セラミックスに含まれる粒子の個数は、垂直方向すなわち誘電体層の厚み方向で数個と限られてしまい、粒子の特性を個数割合で振り分けるだけでは充分な誘電率と信頼性を得る事ができなくなってきている。すなわち、信頼性を保つ為に固溶粒子の割合を増やすと充分な誘電率が得られず、逆に高い誘電率を得る為にコア部をもつ粒子の割合を増やすと、充分な信頼性が得られなくなってしまうという問題点があった。
特許第3376963号公報 特開2011−184279
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、特に誘電体層を薄層化した場合であっても、比誘電率を高く維持しつつ、良好な信頼性を示す誘電体磁器組成物、および該誘電体磁器組成物が適用された積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体粒子から構成される誘電体磁器組成物であって、前記誘電体粒子にコア部を有する第一の粒子と、希土類元素が粒子全体に固溶している第二の粒子とが存在し、粒子径が平均粒径D50を超える粒子のうち75%以上の個数の粒子が前記第一の粒子であり、粒子径が平均粒径D50以下の粒子のうち75%以上の個数の粒子が前記第二の粒子であることを特徴とする誘電体磁器組成物が提供される。
さらに、本発明の誘電体磁器組成物は、副成分希土類元素として、Y、Tb、Dy、Hoから選択される1種以上の元素、を含むことを特徴としている。
また、本発明によれば、1層あたり厚みが、1μm未満である誘電体層と内部電極層とを有する積層セラミックコンデンサであって、前記誘電体層が、上記誘電体磁器組成物で構成された積層セラミックコンデンサが提供される。
この誘電体磁器組成物は、誘電体粒子としてコア部を有する第一の粒子と、希土類元素が粒子全体に固溶している第二の粒子とが存在し、粒子径が平均粒径D50を超える粒子のうち75%以上の個数の粒子が前記第一の粒子であり、粒子径が平均粒径D50以下の粒子のうち75%以上の個数の粒子が前記第二の粒子である。その結果、この誘電体磁器組成物を用いれば、1層あたりの厚みが1μm未満である積層セラミックコンデンサであっても、比誘電率と信頼性の両立が可能である、という効果が得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの誘電体層の構造を模式的に示した断面拡大図である。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
<積層セラミックコンデンサ1>
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と、内部電極層3と、が交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。内部電極層3は、各端面がコンデンサ素子本体10の対向する端部の表面に交互に露出するように積層してある。一対の外部電極4は、内部電極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
コンデンサ素子本体10の形状や寸法には特に制限はなく、用途に応じて適当な形状や寸法とすればよい。
<誘電体層2>
誘電体層2は、本実施形態に係る誘電体磁器組成物から構成されている。該誘電体磁器組成物は、主成分として、チタン酸バリウムを含有し、希土類元素を副成分として含有する。
本実施形態に係る誘電体磁器組成物においては、副成分として含有する希土類元素として、信頼性確保の観点からY、Tb、Dy、Hoから選択される1種以上の元素が好ましい
本実施形態に係る誘電体磁器組成物は、添加物成分として希土類元素のほかに、マグネシウム、珪素、バナジウムおよびまたはマンガン、を含むことが好ましい。これら添加物成分の効果としては、誘電体磁器組成物の焼結の促進、粒子径の調整、耐還元性の付与などが挙げられる。
本実施形態に係る誘電体磁器組成物は、さらに、所望の特性に応じて、その他の副成分を含有してもよい。
誘電体層2の厚みは、特に限定されず、所望の特性や用途等に応じて適宜決定すればよいが、本実施形態では、一層あたり1.0μm未満であることが好ましい。また、誘電体層2の積層数は、特に限定されず、用途等に応じて適宜決定すればよい。
図2は、誘電体層2を拡大した模式図である。誘電体粒子として、副成分が固溶していないコア部を有する第一の粒子5と、希土類元素が粒子全体に固溶している第二の粒子6とで構成されている。コア部はチタン酸バリウムで形成されているため、副成分が固溶している部分よりも比誘電率が高い。一方、副成分として希土類元素を主成分のチタン酸バリウムに固溶させることで信頼性を向上させることができる。
誘電体層2を構成する前記第一の粒子5および第二の粒子6の粒子径は特に限定されないが、充分な比誘電率および信頼性を得るために、平均粒径D50で0.1μm以上0.5μm以下程度が好ましい。平均粒径D50は、誘電体層2の断面から実測された面積円相当換算径の粒度分布より算出される。
本実施形態に係る誘電体磁器組成物は、粒子径が平均粒径D50を超える粒子のうち75%以上の個数の粒子が前記第一の粒子5であり、粒子径が平均粒径D50以下の粒子のうち75%以上の個数の粒子が前記第二の粒子6である。
粒子径が平均粒径D50を超える粒子のうち75%以上の個数の粒子が前記第一の粒子5とすることで、充分な比誘電率を得ることが可能となる。粒子径が平均粒径D50以下の第一の粒子の割合を増やしても、充分な比誘電率は得られない。なぜなら、比誘電率の大きさは、粒子の大きさに影響を受け易く、粒子径が小さくなると比誘電率も小さな値となってしまうためである。
一方、粒子径が平均粒径D50以下の粒子のうち75%以上の個数の粒子が前記第二の粒子6とすることで、充分な信頼性を得ることが可能となる。粒子径が平均粒径D50より大きい第二の粒子6の割合を増やしても信頼性は得られるが、比誘電率の低下を引き起こしてしまう。
<内部電極層3>
内部電極層3に含有される導電材は特に限定されないが、誘電体層2を構成する材料が耐還元性を有する場合には、比較的安価な卑金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属としては、NiまたはNi合金が好ましい。内部電極層3の厚みは、特に限定されず、用途等に応じて適宜決定すればよい。
<外部電極4>
外部電極4に含有される導電材は特に限定されないが、本発明では安価なNi、Cuや、これらの合金を用いることができる。外部電極4の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよいが、通常、5〜50μm程度であることが好ましい。
<積層セラミックコンデンサ1の製造方法>
本実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、従来の積層セラミックコンデンサと同様に、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部電極を印刷または転写して焼成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
まず、誘電体層を形成するための誘電体原料としてチタン酸バリウムの原料粉末と、各添加物の酸化物を所定量準備し、これを有機ビヒクル等とともに塗料化して、誘電体層用ペーストを調製する。
各添加物は、原料チタン酸バリウムと予め仮焼あるいはコーティングしてもよい。あるいは、添加物のみを仮焼したのち、原料チタン酸バリウムと共に塗料化してもよい。
チタン酸バリウムの原料粉末としては、いわゆる固相法の他、各種液相法(たとえば、シュウ酸塩法、水熱合成法、アルコキシド法、ゾルゲル法など)により製造されたものなど、種々の方法で製造されたものを用いることができる。
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。バインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
また、誘電体層用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定されず、たとえば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
内部電極層用ペーストは、Niなどの各種導電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製する。また、内部電極層用ペーストには、共材が含まれていてもよい。共材としては特に制限されないが、主成分と同様の組成を有していることが好ましい。
外部電極用ペーストは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製すればよい。
上記した各ペースト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の含有量、たとえば、バインダは1〜5質量%程度、溶剤は10〜50質量%程度とすればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、10質量%以下とすることが好ましい。
印刷法を用いる場合、誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを、PET等の基板上に印刷、積層し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグリーンチップとする。
また、シート法を用いる場合、誘電体層用ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペーストを印刷した後、これらを積層し、所定形状に切断してグリーンチップとする。
焼成前に、グリーンチップに脱バインダ処理を施す。脱バインダ条件としては、昇温速度を好ましくは5〜300℃/時間、保持温度を好ましくは180〜900℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜50時間とする。また、脱バインダ時の雰囲気は、空気もしくは還元性雰囲気とする。
脱バインダ後、グリーンチップの焼成を行う。焼成では、昇温速度を好ましくは200〜8000℃/時間とする。焼成時の保持温度は、好ましくは1300℃以下、より好ましくは1100〜1250℃であり、その保持時間は、好ましくは0.2〜4時間である。保持時間をこのような範囲とすることで、電極の途切れ防止や、静電容量温度特性の悪化防止、誘電体磁器組成物の還元防止を図ることができる。
最高温度での保持以外にも、昇温途中あるいは降温途中の所定の温度域で、一定時間保持してもよい。
焼成雰囲気は、還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、N2 とH2 との混合ガスを加湿して用いることができる。
また、焼成時の酸素分圧は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、10−14〜10−10MPaとすることが好ましい。焼成時の降温速度は、好ましくは50〜2000℃/時間である。
還元性雰囲気中で焼成した後、コンデンサ素子本体にはアニールを施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これにより絶縁抵抗寿命を著しく長くすることができるので、高温負荷寿命を向上することができる。
アニール雰囲気中の酸素分圧は、10−9〜10−5MPaとすることが好ましい。酸素分圧が上記の範囲未満であると誘電体層の再酸化が困難であり、上記の範囲を超えると内部電極層の酸化が進行する傾向にある。
アニールの際の保持温度は、1100℃以下、特に700〜1100℃とすることが好ましい。保持温度が上記の範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分となるので、高温負荷寿命が短くなりやすい。一方、保持温度が上記の範囲を超えると、内部電極層が酸化して静電容量が低下する。なお、アニールは昇温工程および降温工程だけから構成してもよい。すなわち、温度保持時間を零としてもよい。この場合、保持温度は最高温度と同義である。
これ以外のアニール条件としては、温度保持時間を好ましくは0〜30時間、降温速度を好ましくは50〜500℃/時間とする。また、アニールの雰囲気ガスとしては、たとえば、加湿したN2 ガス等を用いることが好ましい。
上記した脱バインダ処理、焼成およびアニールにおいて、N2 ガスや混合ガス等を加湿するには、たとえばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
脱バインダ処理、焼成およびアニールは、連続して行なっても、独立に行なってもよい。
上記のようにして得られたコンデンサ素子本体に、たとえばバレル研磨やサンドブラストなどにより端面研磨を施し、外部電極用ペーストを塗布して焼成し、外部電極4を形成する。そして、必要に応じ、外部電極4の表面に、めっき等により被覆層を形成する。
このようにして製造された本実施形態の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
まず、主成分の原料として、BaTiO3 粉末を、副成分の原料として、主成分原料100モルに対して、MgOを2.0モル 、MnOを0.05モル、V2O5を0.05モル、希土類酸化物を元素換算で2.2モル、およびSiO2を0.75モル、それぞれ準備した。希土類元素種が複数の試料は各希土類元素が均等モル比となるように準備した。各試料に使用した希土類元素種を表1に示す。
次いで、所定の量で秤量したチタン酸バリウムと副成分原料の混合物:100質量部と、ポリビニルブチラール樹脂:10質量部と、可塑剤としてのジオクチルフタレート(DOP):5質量部と、溶媒としてのアルコール:100質量部とをボールミルで混合してペースト化し、誘電体層用ペーストを得た。
また、上記とは別に、Ni粉末:44.6質量部と、テルピネオール:52質量部と、エチルセルロース:3質量部と、ベンゾトリアゾール:0.4質量部とを、3本ロールにより混練し、スラリー化して内部電極層用ペーストを作製した。
そして、上記にて作製した誘電体層用ペーストを用いて、PETフィルム上にグリーンシートを形成した。グリーンシートの厚みは、試料番号1〜14は1.0μm、試料番号15は3.5μmとした。次いで、この上に内部電極層用ペーストを用いて、電極層を所定パターンで印刷した後、PETフィルムからグリーンシートを剥離し、電極層を有するグリーンシートを作製した。次いで、電極層を有するグリーンシートを複数枚積層し、加圧接着することによりグリーン積層体とし、このグリーン積層体を所定サイズに切断することにより、グリーンチップを得た。
次いで、得られたグリーンチップについて、脱バインダ処理、焼成およびアニールを下記条件にて行って、焼結体としての素子本体を得た。
脱バインダ処理条件は、昇温速度:25℃/時間、保持温度:260℃、温度保持時間:8時間、雰囲気:空気中とした。
焼成条件は、昇温速度および降温速度は:600℃/時間とした。なお、雰囲気ガスは、加湿したN2 +H2 混合ガスとし、酸素分圧が10−12MPaとなるようにした。また、焼成の昇降温途中に、最高保持温度より低い温度領域にて一定時間の保持をおこなった。このときの酸素分圧は10−18MPaとなるようにした。各試料での焼成最高温度、昇温途中保持温度および保持時間、降温途中保持温度および保持時間を表1に示す。
アニール条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:950〜1100℃、温度保持時間:2時間、降温速度:200℃/時間、雰囲気ガス:加湿したN2 ガス(酸素分圧:10−7MPa)とした。
なお、焼成およびアニールの際の雰囲気ガスの加湿には、ウェッターを用いた。
次いで、得られた素子本体の端面をサンドブラストにて研磨した後、外部電極としてCu外部電極ペーストを塗布、焼成することで、図1に示す積層セラミックコンデンサの試料を得た。得られたコンデンサ試料のサイズは、2.0mm×1.25mm×0.5mmであり、内部電極層の厚みは約1.0μmであった。また、内部電極層に挟まれた誘電体層の数は10とした。各試料の誘電体厚みの結果を表1に示す。
得られたコンデンサ試料について、誘電体粒子固溶状態、比誘電率、および信頼性(高温負荷寿命)を、それぞれ下記に示す方法により行なった。
<誘電体粒子固溶状態>
誘電体粒子径は、コンデンサ試料を積層方向に切断し、その断面において誘電体粒子の面積を測定し、円相当径として算出した。測定粒子数は200個として、得られた各粒子の円相当径の累積度数分布から、累積が50%となる値を平均粒径D50とした。試料観察にはTEM−EDSを用いており、一粒子あたり任意の20点の分析箇所すべての点で、希土類濃度が原子比0.1%以上の粒子を第二の粒子、それ以外を第一の粒子とした。測定粒子数は100個として、粒子径が平均粒径D50以下である第二の粒子の割合と、粒子径が平均粒径D50より大きい第一の粒子の割合をそれぞれ算出した。さらに、粒子径によらず、分析した全粒子における第一の粒子の割合も算出した。結果を表1に示す。
<比誘電率ε>
比誘電率εは、コンデンサ試料に対し、基準温度25℃において、デジタルLCRメータにて、周波数1kHz,入力信号レベル1.0Vrmsの条件下で測定された静電容量から算出した(単位なし)。比誘電率は高いほうが好ましく、本実施例では、2000以上を良好とした。結果を表1に示す。
<信頼性(高温負荷寿命)>
コンデンサ試料に対し、150℃にて、30V/μmの電界下で直流電圧の印加状態に保持し、寿命時間を測定することにより、高温負荷寿命を評価した。本実施例においては、印加開始から絶縁抵抗が一桁落ちるまでの時間を寿命と定義した。また、本実施例では、上記の評価を20個のコンデンサ試料について行い、その平均値を信頼性(高温負荷寿命)とした。評価基準は150時間以上を良好とした。結果を表1に示す。
表1中、試料番号に「*」を付した試料は、本発明の範囲外の試料である。
表1に示されるように、焼成時の温度および保持時間によって誘電体粒子の固溶状態を変化させることが可能である。
試料番号1および2の試料では、降温中の保持温度および保持時間が不足しており、粒子径が平均粒径D50以下の粒子で第二の粒子の割合が75%未満であるために、高温負荷寿命時間が150時間に満たない。一方、試料番号7の試料では、昇温中の保持温度および保持時間が過剰であり、粒子径が平均粒径D50より大きい粒子で第一の粒子の割合が75%未満となっているために、比誘電率が2000に満たない。さらに、試料番号8の試料では、粒子径が平均粒径D50以下の粒子で第二の粒子の割合が75%未満であり、かつ、粒子径が平均粒径D50より大きい粒子で第一の粒子の割合も75%未満であるために、高温負荷寿命150時間および比誘電率2000を満足し得ない。
これに対して、試料番号3から6の試料では、粒子径が平均粒径D50以下の粒子で第二の粒子の割合が75%以上であり、かつ、粒子径が平均粒径D50より大きい粒子で第一の粒子の割合も75%以上であった。そのため、2000以上の比誘電率と150時間以上の高温負荷寿命を満足する結果となった。
ここで、試料番号4、5、および8の試料を比較した場合、第一の粒子の割合は同じ51%となっている。しかし、本発明範囲である試料番号4および5の試料では、比誘電率と高温負荷寿命を満足しているのに対して、本発明範囲外である試料番号8においてはどちらも満足していなかった。このことから、単に固溶粒子の個数比率を制御するだけでは困難であった問題も、本発明で解決できることがわかった。
また、副成分の希土類の種類を変化させた、試料番号9から14の試料においても、誘電体粒子固溶状態を本発明範囲にすることで、2000以上の比誘電率と150時間以上の高温負荷寿命を満足する結果となった。したがって、副成分希土類元素として、Y、Tb、Dy、Hoから選択される1種以上の元素を用いても、所望の特性が得られることが確認された。
一方、試料番号2と試料番号15とを比較すると、誘電体グリーン厚みを変えているため、誘電体層間厚みが異なっている。その他の製法は同じであるため、誘電体粒子固溶状態と比誘電率はほぼ同等となっている。しかし、高温負荷寿命時間は、層間0.9μmの試料番号2で85時間なのに対し、層間3.0μmの試料番号15では140時間であった。これは、誘電体層間厚みが薄くなると、30V/μmという同じ比率で電界をかけても、信頼性に著しく影響することを示している。
本実施例において、誘電体粒子固溶状態を調整するために、焼成最高温度、昇温途中保持温度および保持時間、降温途中保持温度および保持時間を変化させたが、これは複数ある手段の一つに過ぎない。他の手段としては、昇温および降温の速度や酸素分圧の制御する方法、あるいは主成分原料の一部として希土類元素を固溶させた粒径の異なるものを用いる方法でもよい。
以上のように、本発明に係る誘電体磁器組成物を用いることで、誘電体層厚みが1μm以下となった場合でも、比誘電率と信頼性を両立させた積層セラミックコンデンサを得ることができる。
1… 積層セラミックコンデンサ
2… 誘電体層
3… 内部電極層
4… 外部電極
5… 第一の粒子
6… 第二の粒子
10… コンデンサ素子本体

Claims (3)

  1. チタン酸バリウムを主成分とする誘電体粒子から構成される誘電体磁器組成物であって、前記誘電体粒子に副成分希土類元素が固溶していない部分をもつ第一の粒子と、希土類元素が粒子全体に固溶し、希土類濃度が原子比0.1%以上である第二の粒子とが存在し、粒子径が平均粒径D50を超える粒子のうち75%以上の個数の粒子が前記第一の粒子であり、粒子径が平均粒径D50以下の粒子のうち75%以上の個数の粒子が前記第二の粒子であることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 副成分希土類元素として、Y、Tb、Dy、Hoから選択される1種以上の元素、を含む請求項1に記載の誘電体磁器組成物。
  3. 請求項1または2に記載の誘電体磁器組成物から構成されている誘電体層を有する電子部品であって、前記誘電体層の1層あたりの厚みが1μm以下である、積層セラミックコンデンサ。
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