JP2018058270A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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公裕 井崎
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Abstract

【課題】
特定の構成からなる積層ポリエステルフィルムを用いることにより、例えば、セラミックグリーンシート、層間絶縁層など、各種部材を製造する際の工程紙として、従来よりも、さらに高度な表面平滑性を有する積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
【解決手段】
少なくとも3層以上の積層構造を有する積層ポリエステルフィルムであり、一方の表層(表層A)は実質的に粒子が含有されず、もう一方の表層(表層B)には、平均粒径が0.01μm〜5μmの粒子が含有されることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、積層ポリエステルフィルムに関するものであり、詳しくは、製造工程において使用される工程紙として、フィルム表面が高平滑であるため、例えば、セラミックグリーンシート、層間絶縁層など、高度なレベルでの表面平滑性を必要とする、各種工程紙として、好適な積層ポリエステルフィルムを提供するものである。
従来から、ポリエステルフィルムを基材とする工程紙がセラミックグリーンシート(特許文献1)、層間絶縁層(特許文献2)など、高平滑なフィルム表面を利用して、各種用途に使用されている。
しかしながら、ポリエステルフィルム表面の平滑性を利用して、各種部材を成形する場合、フィルム表面の微細な凹みが、製造する部材の性能に影響を及ぼす場合があった。
例えば、セラミックスラリーを塗布、乾燥、成形してグリーンシートを得る場合、微細な凹みを有するグリーンシートを用い電子部品を製造した場合、所望する電気特性を有する電子部品を得るのが困難な場合があった。また、プリント配線板等に使用される層間絶縁層表面に微細な凹みがある場合、配線加工時に不具合を生じる場合があった。
そのため、微細な凹み等の発生を極力抑制するための対策として、ポリエステルフィルム表面をさらに平坦化させるために、フィルム中の粒子量を低減させる方法が挙げられる。しかしながら、当該手法は、フィルム中の粒子量低減に伴い、フィルムの滑り性が低下するため、加工工程において、剥離帯電が発生する場合があり、特に電子部品用途においては、非常に懸念される課題でもあった。
そのため、各種部材を製造する際に工程紙として、従来よりもさらに高度な表面平滑性を有するポリエステルフィルムが必要とされる状況にあった。
特開2015−208939号公報 特開2015−176894号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、特定の構成からなる積層ポリエステルフィルムを用いることにより、例えば、セラミックグリーンシート、層間絶縁層など、各種部材を製造する際の工程紙として、従来よりも、さらに高度な表面平滑性を有する積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなる積層ポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、少なくとも3層以上の積層構造を有する積層ポリエステルフィルムであり、一方の表層(表層A)は実質的に粒子が含有されず、もう一方の表層(表層B)には、平均粒径が0.01μm〜5μmの粒子が含有されることを特徴とする積層ポリエステルフィルムに存する。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、例えば、セラミックグリーンシート、層間絶縁層など、各種部材を製造する工程紙として、高度な表面平滑性を有することを特徴とし、その工業的価値は高い。
本発明における、積層ポリエステルフィルムは少なくとも3層以上の積層構成であることを必須の要件とするものである。例えば、3層構成以外にも本発明の要旨を超えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
積層ポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。何れにしても本発明でいうポリエステルとは、通常60モル%以上、好ましくは80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート等であるポリエステルを指す。
当該条件を満足するための具体的手法として、好ましくは最表層を構成するポリエステルにおけるオリゴマー(環状三量体)含有量が0.5重量%以下であるポリエステルを80重量%以上含有することにより、所望するオリゴマー析出防止効果を得ることが可能となる。オリゴマー含有量が0.5重量%を超えたポリエステルを使用した場合、もしくはそのポリエステル含有量が80重量%未満だった場合、熱処理工程を経た後、ヘーズが大きく上昇し、加工後、光学特性、例えば、視認性の点で不適となる場合がある。
ポリエステルフィルムを構成する一方の最表層(表層A)に関して、光学的評価を伴う検査を容易にするために、実質的に粒子を含有しないことを必須の要件とするものである。
本発明でいう「実質的に粒子を含有しない」とは、前記表層Aにおいて、例えば無機粒子の場合、XRF(蛍光X線)分析で無機元素を定量した場合に、50ppm以下、好ましくは10ppm以下、最も好ましくは検出限界以下となる粒子含有量であると定義する。これは意図的に粒子を前記表層A中に含有させなくても、製造工程中において、外部からの異物混入等による可能性を考慮したためである。
また、もう一方の最表層(表層B)には、易滑性付与を主たる目的として、粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
前記表層B中に含有される粒子の平均粒径は、0.01μm〜5μmの範囲であることが必要である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、フィルム表面が平坦化しすぎて、フィルム巻取り性が低下する。一方、平均粒径が5μmを超える場合には、フィルム中に含まれる粒子の存在により、例えば、部材を製造する際に、部材を積層するフィルム表面とは反対側のフィルム表面が粗面化しすぎて、フィルム反対面からの粗度転写により、平滑な表面を有する部材を製造するのが困難になる。粒子の平均粒径に関して、好ましくは0.01μm〜3μmの範囲がよい。
前記表層B中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、ポリエステルフィルム中には上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
積層ポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、用途上、12〜250μmであるのが好ましく、さらに好ましくは25〜125μmの範囲であるのが好ましい。
次に本発明のフィルムを構成する積層ポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
まず、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7.0倍、好ましくは3.0〜6.0倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7.0倍、好ましくは3.5〜6.0倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、積層ポリエステルフィルムの製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来から公知の延伸方式を採用することができる。
さらに上述の積層ポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施すことができる。塗布延伸法によりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
塗布層を形成する塗布液には、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、離型剤、有機粒子、無機粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料等の添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤は単独で用いてもよいし、必要に応じて二種類以上を併用してもよい。また、これら添加剤としては、その構造中に、(ポリ)アルキレンオキサイドや(ポリ)グリセリン、これらの誘導体を含むものを使用すると、得られる塗布層の帯電防止性を阻害せず、より好ましい。
塗布液は、取扱い上、作業環境上、また塗布液組成物の安定性の面から、水溶液または水分散液であることが望ましいが、水を主たる媒体としており、本発明の要旨を越えない範囲であれば、有機溶剤を含有していてもよい。
塗布層は、特定の化合物を含有する塗布液をフィルムに塗布することにより設けられ、特に本発明では塗布をフィルム製膜中に行うインラインコーティングにより設けられることが好ましい。
また、各塗布層の形成にはブロッキング、滑り性改良を目的として粒子を併用することも可能である。その平均粒径はフィルムの透明性の観点から好ましくは1.0μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.2μm以下の範囲である。また、下限は滑り性の更なる向上のために、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.03μm以上、特に好ましくは塗布層の厚みよりも大きい範囲がよい。使用する粒子の具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、有機粒子等が挙げられる。
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、各塗布層の形成には必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、染料、顔料等を併用することも可能である。
また、積層ポリエステルフィルムの塗布層の厚み(乾燥後)としては、通常0.003〜1μmの範囲であり、好ましくは0.005〜0.5μm、さらに好ましくは0.01〜0.2μmの範囲である。厚みが0.003μmより薄い場合には、フィルムから析出するエステル環状三量体含有量が十分に少なくならないことがある。また1μmより厚い場合には、塗布層の外観悪化や、ブロッキング性低下などの不具合を生じる場合がある。
積層ポリエステルフィルムに塗布液を塗布する方法としては、例えば、エアドクターコート、ブレードコート、ロッドコート、バーコート、ナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファロールコート、グラビアコート、キスロールコート、キャストコート、スプレイコート、カーテンコート、カレンダコート、押出コート等、従来公知の塗布方法を用いることができる。
塗布剤のフィルムへの塗布性、密着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理やコロナ放電処理、プラズマ処理等を施してもよい。
インラインコーティングによって、塗布層を積層ポリエステルフィルム上に設ける場合は、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固形分濃度が0.1〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて積層ポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。また、本発明の主旨を損なわない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は1種類のみでもよく、適宜、2種類以上を使用してもよい。
塗布層の構成材料として、機能層に対する接着性を良好とするために、本発明においては、ポリビニルアルコールを含有するのが好ましい。例えば、ポリビニルアルコールに対し、部分的にアセタール化やブラチラール化等された編成化合物も含め、従来公知のポリビニルアルコールを使用することができる。ポリビニルアルコールの重合度は特に限定されるものではないが、通常100以上、好ましくは300〜40000の範囲である。重合度が100未満の場合、塗布層の耐水性が低下する場合がある。
また、ポリビニルアルコールのケン化度は特に限定されるものではないが、通常70モル%以上、好ましくは70〜99.9モル%、より好ましくは80〜97モル%、特に好ましくは86〜95モル%であるポリ酢酸ビニルケン化物が実用上用いられる。
塗布層を形成する塗布液中の全不揮発成分に対する割合として、ポリビニルアルコールは、通常5〜80重量%の範囲、好ましくは10〜35重量%の範囲である。ポリビニルアルコールの割合が規定された範囲内であることによって、塗布層が機能層に対して十分な接着性を有することができる。
塗布層の形成に関して、外観の向上、塗布層中に種々の表面機能層が形成されたときの密着性向上等のために、必要に応じて、ポリマーを併用することも可能である。
ポリマーの具体例としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、導電性
ポリマー、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、でんぷん類等が挙げられる。これらの中でも、種々の表面機能層との密着性向上の観点からは、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂を使用することが好ましい。
積層ポリエステルフィルム上に塗布層を塗設する際の乾燥および硬化条件に関しては、特に限定されるわけではなく、例えば、オフラインコーティングにより塗布層を塗設する場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
一方、インラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、70〜280℃で3〜200秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
なお、積層ポリエステルフィルムにおいて、ヘーズは2%以下であることが好ましい。さらに好ましくは1%以下、最も好ましくは0.6%以下である。積層ポリエステルフィルムのヘーズが2%を超える場合は、例えば、光学的評価を伴う検査を行う場合には、支障を来す場合がある。
また、本発明の積層ポリエステルフィルムの使用形態の一つとして、離型層を設けるのが好ましく、以下に説明する。
本発明で用いる離型層は離型性を良好とするために硬化型シリコーン樹脂を含有するのが好ましい。用いる硬化型シリコーン樹脂は主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。また粘着層がシリコーン粘着剤などである場合はフルオロシリコーン樹脂等を含有することが好ましい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては、付加型・縮合型等の熱硬化型や紫外線硬化型等の電子線硬化型等、既存の何れの硬化反応タイプでも用いることができ、また複数種類の硬化型シリコーン樹脂を併用して使用しても良い。さらに離型層を形成する際の硬化型シリコーン樹脂の塗工形態にも特に制限は無く、有機溶剤に溶解している形態、水系エマルジョンの形態、無溶剤の形態の何れであっても良い。
次に硬化型シリコーン樹脂の具体例を挙げると、信越化学工業(株)製として、KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、X−62−1387、X−62−5039、X−62−5040、KNS−3051、X−62−1496、KNS320A、KNS316、X−62−1574A/B、X−62−7052、X−62−7028A/B、X−62−7619、X−62−7213、X−41−3035;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製として、YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、TPR6500、TPR6501、UV9300、UV9425、XS56−A2775、XS56−A2982、UV9430、TPR6600、TPR6604、TPR6605;東レ・ダウコ−ニング(株)製として、SRX357、SRX211、SD7220、SD7292、LTC750A、LTC760A、LTC303E、SP7259、BY24−468C、SP7248S、BY24−452、DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210;旭化成ワッカーシリコーン株式会社製のDEHESIVEシリーズのうち、DEHESIVE 636、919、920、921、924、929等が例示される。
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、離型層を形成する塗布液には必要に応じて界面活性剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、無機系有機系粒子、有機系潤滑剤、帯電防止剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、染料、顔料等が含有されてもよい。
離型層の形成は、塗布液をフィルムにコーティングすることにより設けられ、フィルム製造工程内で行うインラインコーティングにより設けられても、また、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフラインコーティングを採用してもよい。
ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法として、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、前述記載の従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
離型層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、オフラインコーティングにより離型層を設ける場合、通常、80℃以上で10秒以上、好ましくは100〜200℃で3〜40秒間、より好ましくは120〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。なお、活性エネルギー線照射による硬化のためのエネルギー源としては、公知の装置,エネルギー源を用いることができる。
離型層の塗工量(乾燥後)は塗工性の面から、通常、0.005〜5g/m、好ましくは0.005〜1g/m、さらに好ましくは0.005〜0.1g/mの範囲である。塗工量(乾燥後)が0.005g/m未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になる場合がある。一方、5g/mを超えて厚塗りにする場合には離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次の通りである。
(1)ポリエステルの極限粘度(dl/g)の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50)
遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型、島津製作所社製)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。
(3)ポリエステル原料に含有されるエステル環状三量体含有量(オリゴマー含有量)
ポリエステル原料を約200mg秤量し、クロロホルム/HFIP(ヘキサフルオロ−2−イソプロパノル)の体積比率3:2の混合溶媒2mlに溶解させる。溶解後、クロロホルム20mlを追加した後、メタノール10mlを少しずつ加える。沈殿物を濾過により除去し、さらに、沈殿物をクロロホルム/メタノールの体積比率2:1の混合溶媒で洗浄し、濾液・洗浄液を回収し、エバポレーターにより濃縮、その後、乾固させる。乾固物をDMF(ジメチルホルムアミド)25mlに溶解後、この溶液を液体クロマトグラフィー(「LC−7A」、島津製作所社製)に供給して、DMF中のエステル環状三量体含有量を求め、この値をクロロホルム/HFIP混合溶媒に溶解させたポリエステル原料量で割って、エステル環状三量体含有量(重量%)とする。DMF中のエステル環状三量体含有量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた。(絶対検量線法)
標準試料の作成は、あらかじめ分取したエステル環状三量体を正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解し作成した。
なお、液体クロマトグラフの測定条件は下記の通りとした。
《測定条件》
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2重量%酢酸水溶液
カラム:三菱化学株式会社製「MCI GEL ODS 1HU」
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
(4)層厚み
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、その平均値をもって層厚みとした。
(5)ヘーズ(透明性評価)
試料フィルムをJIS K7136に準じ、ヘーズメーター「HM−150」(村上色彩技術研究所製)により、ヘーズを測定した。測定後、下記判定基準により透明性の評価を行った。
《判定基準》
A:ヘーズが0.6%以下(実用上問題にならないレベル。特に良好)
B:ヘーズが0.6%を超え1.0%以下(実用上問題にならないレベル。良好)
C:ヘーズが1.0%を超え2.0%以下(実用上問題になる場合があるレベル)
D:ヘーズが2.0%を超える(実用上問題になるレベル)
(6)フィルム巻取り性評価(実用特性代用評価)
試料フィルムロールを幅1000mm、長さ6000mにスリットし、長さ1100mm、内径6インチ、肉厚7mmのプラスチック製コアに巻き取った。巻き状態を目視観察し、下記判定基準により巻取り性の評価を行った。
《判定基準》
A:ロール表面に殆どシワやツブ状欠陥を有さず端面が揃っている。(実用上問題にならないレベル。良好)
B:ロール表面にはシワは殆どないがツブ状欠陥が若干発生し、端面が少し不揃い。(実用上問題になる場合があるレベル)
C:ロール表面にシワやツブ状欠陥が発生、または端面が著しく不揃いなもの(実用上問題になるレベル)
(7)表面平滑性評価1(実用特性代用評価)
試料フィルムの離型面に下記組成からなるセラミックスラリーを厚み(乾燥後)が1μmになるように塗布、乾燥してグリーンシートを作成した。その後、グリーンシートを剥離した側のグリーンシート表面(測定対象面積:100cm)を走査型レーザー顕微鏡(レーザーテック社製)による表面観察を行い、以下の判定基準により表面平滑性評価1の評価を行った。
《判定基準》
A:深さ0.3μm以上の凹みが平均1個未満(実用上問題にならないレベル。良好)
B:深さ0.3μm以上の凹みが平均1個以上5個未満(実用上問題になる場合があるレベル)
C:深さ0.3μm以上の凹みが平均5個以上(実用上問題になるレベル)
(8)表面平滑性評価2(実用特性代用評価)
試料フィルムの離型面(表層A)に下記方法で作製した樹脂組成ワニスを樹脂層の厚み(乾燥後)が20μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、160℃、4分間熱処理を行い、離型フィルムを支持体とする層間絶縁層を作製した。次に絶縁樹脂層表面にポリオレフィン系フィルム(厚み50μm、M−6:タマポリ社製)を貼り合わせた。
層間絶縁層を離型面から剥離し、離型面と接していた層間絶縁層表面(測定対象面積:100cm)を走査型レーザー顕微鏡(レーザーテック社製)による表面観察を行い、下記判定基準により、判定を行った。
《判定基準》
A:深さ0.5μm以上の凹みが平均1個未満(実用上問題にならないレベル。良好)
B:深さ0.5μm以上の凹みが平均1個以上5個未満(実用上問題になる場合があるレベル)
C:深さ0.5μm以上の凹みが平均5個以上(実用上問題になるレベル)
《樹脂組成ワニスの作製》
下記原料を加熱溶解させた組成物に下記添加剤を順次混合した。その後、高速回転ミキサーで均一に分散させて、樹脂組成ワニスを作製した。
(原料)
・液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エピコート828EL」、エポキシ当量180、ジャパンエポキシレジン社製):28重量部
・ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(「EXA-4700」、大日本インキ化学工業社製):28重量部
・メチルエチルケトン:15重量部
・シクロヘキサノン:15重量部
(添加剤)
・フェノール系硬化剤(ナフタレン構造のノボラック樹脂(「SN485」、東都化成社製)の固形分50重量%のMEK溶液):110重量部
・硬化触媒(「2E4MZ」、四国化成工業社製):0.1重量部
・球形シリカ(平均粒径0.5μm、「SOC2」アドマテックス社製):77重量部
・コアシェルゴム粒子(平均粒径0.5μm、「AC-3816N」、ガンツ化成社製):9重量部
・フェノキシ樹脂ワニス(「YL6954BH30」、ジャパンエポキシレジン社製):27重量部
(9)総合評価(実用特性代用評価)
実施例および比較例において製造した、各試料フィルムを用いて、透明性、フィルム巻取り性、表面平滑性評価1、表面平滑性評価2の各評価項目につき、下記判定基準により総合評価を行った。
《判定基準》
A:透明性、フィルム巻取り性、表面平滑性評価1、表面平滑性評価2のすべてがA判定(実用上全く問題ないレベル)
B:透明性、フィルム巻取り性、表面平滑性評価1、表面平滑性評価2において、全てがB判定以上でかつA判定が最大3つ(実用上問題ないレベル)
C:透明性、フィルム巻取り性、表面平滑性評価1、表面平滑性評価2の内、少なくとも一つがC判定(実用上問題になる場合があるレベル)
D:透明性、フィルム巻取り性、表面平滑性評価1、表面平滑性評価2の内、少なくとも一つがD判定(実用上問題になるレベル)
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステルAの製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04重量部を添加した後、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度が0.63dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルAの極限粘度が0.63dl/g、エステル環状三量体含有量が0.9重量%であった。
<ポリエステルBの製造方法>
ポリエステルAをあらかじめ160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度が0.75dl/g、エステル環状三量体含有量が0.5重量%のポリエステルBを得た。
<ポリエステルCの製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、エチルアシッドフォスフェートを生成ポリエステルに対して30ppm、触媒として酢酸マグネシウム・四水和物を生成ポリエステルに対して100ppmを窒素雰囲気下、260℃でエステル化反応をさせた。引き続いて、テトラブチルチタネートを生成ポリエステルに対して50ppm添加し、2時間30分かけて280℃まで昇温すると共に、絶対圧力0.3kPaまで減圧し、さらに80分、溶融重縮合させ、極限粘度が0.61dl/g、エステル環状三量体含有量が1.0重量%のポリエステルCを得た。
<ポリエステルDの製造方法>
ポリエステルCをあらかじめ160℃で予備結晶化させた後、温度210℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度が0.72dl/g、エステル環状三量体含有量が0.5重量%のポリエステルDを得た。
<ポリエステルEの製造方法>
エチルアシッドフォスフェートを0.04重量部添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒径(d50)が2.3μmのシリカ粒子を0.3重量部、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、極限粘度が0.65dl/gに相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル1の製造方法と同様の方法を用いてポリエステルEを得た。得られたポリエステルEは、極限粘度が0.65dl/g、エステル環状三量体含有量が0.5重量%であった。
<ポリエステルFの製造方法>
平均粒径(d50)が0.3μmの酸化アルミニウム粒子を1.5重量部添加する以外は、ポリエステルDの製造方法と同様の方法を用いてポリエステルFを得た。得られたポリエステルFは、極限粘度が0.72dl/g、エステル環状三量体含有量が0.5重量%であった。
<ポリエステルGの製造方法>
ポリエステルDの製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04重量部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒径(d50)が5.8μmのシリカ粒子を0.1重量部、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、極限粘度が0.65dl/gに相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル1の製造方法と同様の方法を用いてポリエステルGを得た。得られたポリエステルGは、極限粘度が0.65dl/g、エステル環状三量体含有量が0.5重量%であった。
<ポリエステルHの製造方法>
エチルアシッドフォスフェート0.04重量部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒径(d50)が0.004μmの微細シリカ粒子を0.5重量部、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、極限粘度が0.65dl/gに相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル1の製造方法と同様の方法を用いてポリエステルHを得た。得られたポリエステルHは、極限粘度が0.65dl/g、エステル環状三量体含有量が0.5重量%であった。
実施例1:
(ポリエステルフィルムF1)
ポリエステルB、Eをそれぞれ90重量%、10重量%の割合でブレンドした原料を表層原料とし、ポリエステルA100重量%の原料を中間層の原料として、2台のベント付き押出機に供給し、290℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して厚み約1500μmの無定形フィルムを得た。このフィルムを85℃で縦方向に3.4倍延伸した。その後、下記塗布層組成(ILC-1)から構成される塗布液を塗布厚み(乾燥後)が0.04g/mになるように片面に塗布した後、フィルムをテンターに導き、100℃で横方向に4.0倍延伸し、230℃で熱処理した後に、横方向に2%の弛緩処理を行い、厚み75μm(厚み構成比=6μm/63μm/6μm)のポリエステルフィルムF1を得た。
(塗布層(ILC−1))
以下の原料をA1/B1/C1/D1=20/30/20/30(重量%)の配合比率にて塗布層(ILC−1)の塗布液を作製した。
・A1:離型剤(長鎖アルキル化合物)
4つ口フラスコにキシレン200重量部、オクタデシルイソシアネート600重量部を加え、攪拌下に加熱した。キシレンが還流し始めた時点から、平均重合度500、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール100重量部を少量ずつ10分間隔で約2時間にわたって加えた。ポリビニルアルコールを加え終わってから、さらに2時間還流を行い、反応を終了した。反応混合物を約80℃まで冷却してから、メタノール中に加えたところ、反応生成物が白色沈殿として析出したので、この沈殿を濾別し、キシレン140重量部を加え、加熱して完全に溶解させた後、再びメタノールを加えて沈殿させるという操作を数回繰り返した後、沈殿をメタノールで洗浄し、乾燥粉砕して得た。
・B1:帯電防止剤
下記式3−1の構成単位と、下記式3−2の構成単位とを重量比率で95/5の重量比率で共重合した、数平均分子量30000の高分子化合物。
・C1:ポリビニルアルコール(ケン化度88モル%、重合度500)
・D1:ヘキサメトキシメチロールメラミン
Figure 2018058270
Figure 2018058270
実施例2:
(ポリエステルフィルムF2)
ポリエステルフィルムF1において、塗布層(ILC−1)を設けるかわりに、下記組成からなる塗布層(OLC)をオフラインにて塗布厚み(乾燥後)が0.1g/mになるようにリバースグラビアコートにより塗布した後、120℃、30秒間熱処理して、塗布層2を塗設したポリエステルフィルムF2を得た。
(塗布層(OLC))
・ヘキセニル基含有の硬化型シリコーン樹脂(LTC303E、東レ・ダウコーニング社製):100重量部
・硬化剤(SRX−212、東レ・ダウコーニング社製):10重量部
・MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1):1500重量部
実施例3〜実施例12:
(ポリエステルフィルムF3〜F12)
以下の表1に基づいて、ポリエステルフィルムの種類もしくは塗布層の組成を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、各ポリエステルフィルムを得た。
実施例13:
(ポリエステルフィルムF13)
実施例1において、塗布層を下記塗布層(ILC−2)に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。
(塗布層(ILC−2))
以下の原料をA2/C1/D2/E1=20/40/35/5(重量%)の配合比率にて塗布層(ILC−2)の塗布液を作製した。
・A2:テレフタル酸315重量部、イソフタル酸299重量部、エチレングリコール74重量部、およびジエチレングリコール265重量部を成分とするポリエステルポリオールを(A2a)としたとき、(A2a)953重量部、イソホロンジイソシアネート267重量部、エチレングリコール56重量部、およびジメチロールプロピオン酸67重量部を構成成分としたポリエステルポリウレタンをアンモニアで中和して水分散させたもの(濃度23重量%、25℃での粘度30mPa・s)
・C1:ポリビニルアルコール(ケン化度88モル%、重合度500)
・D2:下記方法で合成したブロックポリイソシアネート
ヘキサメチレンジイソシアネート1000重量部を60℃で攪拌し、触媒としてテトラメチルアンモニウム・カプリエート0.1重量部を加えた。4時間後、リン酸0.2重量部を添加して反応を停止させ、イソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物を得た。得られたイソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物100重量部、数平均分子量400のメトキシポリエチレングリコール42.3重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート29.5重量部を仕込み、80℃で7時間保持した。その後反応液温度を60℃に保持し、イソブタノイル酢酸メチル35.8重量部、マロン酸ジエチル32.2重量部、ナトリウムメトキシドの28重量%メタノール溶液0.88重量部を添加し、4時間保持した。n−ブタノール58.9重量部を添加し、反応液温度80℃で2時間保持し、その後、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート0.86重量部を添加して得られたブロックポリイソシアネート
・E1:平均粒径0.07μmのシリカ粒子。
比較例1〜比較例4:
(ポリエステルフィルムF14〜F17)
以下の表2に基づいて、ポリエステルフィルムの種類もしくは塗布液の組成を変更する以外は、実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。
参考例:
従来技術の事例として、併記した。
上記実施例および比較例、参考例で得られた、各ポリエステルフィルムの特性を下記表1〜表2に示す。
Figure 2018058270
Figure 2018058270
本発明におけるポリエステルフィルムに関して、詳しくは、製造工程において使用する工程紙として、フィルム表面が高平滑であるため、例えば、セラミックグリーンシート、層間絶縁層など、高度なレベルの表面平滑性を必要とする各種工程紙として、好適なポリエステルフィルムを提供するものであり、その工業的価値は高い。

Claims (4)

  1. 少なくとも3層以上の積層構造を有する積層ポリエステルフィルムであり、一方の表層(表層A)は実質的に粒子が含有されず、もう一方の表層(表層B)には、平均粒径が0.01μm〜5μmの粒子が含有されることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
  2. 前記表層A上に塗布層がさらに塗設されていることを特徴とする請求項1記載の積層ポリエステルフィルム。
  3. 前記塗布層が離型層である請求項2に記載の積層ポリエステルフィルム。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層ポリエステルフィルムからなる工程紙。
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