JP2006076292A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 液晶偏光板、位相差板等の液晶構成部材製造時に使用する粘着剤層保護用離型フィルムを構成する基材フィルム等、LCD、PDP、有機EL等の表示部材製造時に使用される各種光学用途の基材フィルム等、視認性を極端に重視する用途に好適な積層ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステルフィルムの少なくとも片面に、金属元素を有する有機化合物を2種類以上含有する塗布層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は積層ポリエステルフィルムに関し、詳しくは、フィルムの塗布層面上に種々の表面機能層が積層されたときの視認性を向上させる積層ポリエステルフィルムに関するものであり、例えば、液晶ディスプレイ(以下、LCDと略記する)、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記する)、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)等、表示部材製造用等の光学用途に好適な積層ポリエステルフィルムに関するものである。
従来、ポリエステルフィルム上に接着性、帯電防止性等の各種機能を有する塗布層が設けられた積層ポリエステルフィルムが液晶偏光板、位相差板、PDP、有機EL等の表示部材製造用等をはじめ、各種光学用途等に使用されている。これらの光学用フィルムには優れた透明性、視認性が要求される。
近年、IT(Information Technology)分野の躍進に伴い、LCD、PDP、有機EL等の表示部材製造時に使用される積層ポリエステルフィルムの品質向上と共に外光反射により、視認性の悪化による各種不具合がさらに顕在化する傾向にある。
LCD用ディスプレイ製造時に使用する粘着剤層保護用離型フィルムを構成する基材フィルム、ブラウン管(以下、CRTと略記する)用あるいはLCD用ディスプレイの反射防止フィルム用基材フィルム、タッチパネル用基材フィルム、液晶表示装置の構成部材であるプリズムレンズシート用基材フィルム、CRTのガラス飛散防止フィルム用基材フィルム、電子ペーパー用基材フィルム等には、特に優れた透明性が要求される。
上述の各種基材フィルムとして積層ポリエステルフィルムを用いた場合、近年の画像のデジタル化による高画質、高精度の映像表示は外光反射の影響を受けやすく、視認性が悪くなることがある。一般的に外光反射を防ぐには、表面に反射防止層を加工することや表面をグレア処理することが行われている。グレア処理では高画質な画像に対応できないため、反射防止処理層を表面に加工することが多い。反射防止層は高屈折率と低屈折率層を交互に積層させることで光の干渉現象を利用し、外光の反射防止を行う。通常、スパッタリング、ゾルゲルによるウェット加工等を何回か行い、積層体を作成する。高反射防止能にするには、ナノメーターオーダーの加工膜の膜厚制御が必要である。異物による表面欠点を嫌うため、クリーン内の工程で実施する必要もあり、高いコストとなり、高価なフィルムとなっている。
一方、積層ポリエステルフィルムは一般的に他の材料、例えばアクリル系樹脂を主成分とする反射防止層やハードコートとの接着性が悪いため、ポリエステルフィルム上にポリエステル樹脂やアクリル樹脂やウレタン樹脂等を積層して用いることが提案されている(例えば、特許文献1および2)。しかしながら、上記のような従来の樹脂による積層では、屈折率が1.50前後に固定されてしまうため、反射防止フィルムを設計する際、反射防止の性能が制限されることがある。
特開平10−119215号公報 特開2000−246855号公報
本発明はこの実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、透明性に優れ、種々の表面機能層が積層されたときに、優れた反射防止能を有する積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなる積層ポリエステルフィルムを用いれば、上述の課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステルフィルムの少なくとも片面に、金属元素を有する有機化合物を2種類以上含有する塗布層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における積層ポリエステルフィルムの基体であるポリエステルフィルムは単層構成であっても積層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明においてポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。何れにしても本発明でいうポリエステルとは、通常60モル%以上、好ましくは80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート等であるポリエステルを指す。
本発明におけるポリエステル層中には易滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.01〜1μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分な場合があり、一方、3μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において種々の表面機能層を塗設させる場合等に不具合が生じる場合がある。
さらにポリエステル層中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合にはフィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常5〜250μm、好ましくは5〜200μmの範囲である。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明においては積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来から公知の延伸方式を採用することができる。
さらに上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆるインラインコーティングを施すことができる。インラインコーティングによりフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能となると共に、塗布層の厚みを延伸倍率により変化させることができるため、フィルムとして好適なフィルムを製造できる。
次に本発明における塗布層の形成について説明する。
本発明における積層ポリエステルフィルムを構成する塗布層は上述のインラインコーティングによりポリエステルフィルム上に設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフラインコーティングを採用してもよく、何れの手法を採用してもよい。なお、積層ポリエステルフィルムの製造が安価に対応可能な点でインラインコーティングの方が好ましく用いられる。
インラインコーティングについては以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては特に縦延伸が終了して、横延伸前にコーティング処理を施すことができる。塗布延伸法によりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、製膜と同時に塗布が可能になると共に塗布層を高温で処理することができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明においては金属元素を有する有機化合物を2種類以上、塗布層中に含有することを必須の要件とするものである。金属元素を有する有機化合物を1種類含有する塗布層を設けて外光反射による視認性の悪化を解決しようとしても、塗膜の面状が悪化する場合があり、解決には至らない。金属元素を有する有機化合物を2種以上用いることにより、塗膜の面状が良好となり、その結果、光学用途をはじめとして、視認性が重視される用途に適応することができる。
金属元素を有する有機化合物の具体例としては、アルミニウムアセチルアセトナート、ヒドロキシアルミニウムジアセテート、ジヒドロキシアルミニウムアセテート等のアルミニウム類;テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート、チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、ポリチタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、チタンエチルアセトアセテート等のチタン類;鉄アセチルアセトナート、鉄アセテート等の鉄類;銅アセテート、銅アセテートモノヒドレート、銅アセテートマルチヒドレート、銅アセチルアセトナート等の銅類;亜鉛アセテート、亜鉛アセテートジヒドレート、亜鉛アセチルアセトナートヒドレート等の亜鉛類;ジルコニウムアセテート、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムモノアセチルアセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナート等のジルコニウム類が挙げられる。金属元素としては比重が小さい金属より比重が大きい金属を用いる方がより好ましい。
上記金属元素を有する有機化合物の中でも、特に反射防止能が良好となる点でチタン元素を有する有機化合物が好ましく、さらに好ましくはインラインコーティングへの適用等を配慮した場合、水溶性チタンキレート化合物、水溶性ジルコニウムアセテート化合物等が好適に使用される。なお、「架橋剤ハンドブック」(山下晋三、金子東助 編者(株)大成社 平成2年版)にも具体的に記載されている。
本発明における積層ポリエステルフィルムにおいて、塗布面上に種々の表面機能層が積層されたときの反射防止能の向上や透明性の向上、種々の表面機能層との接着性を向上させる為にバインダーポリマーを併用するのが好ましい。
本発明において使用する「バインダーポリマー」とは高分子化合物安全性評価フロースキーム(昭和60年11月 化学物質審議会主催)に準じて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量(Mn)が1000以上の高分子化合物で、かつ造膜性を有するものと定義する。
バインダーポリマーの具体例としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニル(ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等)、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、でんぷん類等が挙げられる。
上述のバインダーポリマー中、特に芳香環骨格を有するバインダーポリマーを塗布層中に含有することによれば、塗布面上に種々の表面機能層が積層されたときの反射防止能がより一層向上するので好ましい。
さらに塗布層中には本発明の主旨を損なわない範囲において、架橋剤を併用してもよく、具体例としてはメチロール化またはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート、シランカップリング剤等が挙げられる。これらの架橋成分はバインダーポリマーと予め結合していてもよい。
また、塗布層の固着性、滑り性改良を目的として、不活性粒子を含有してもよく、具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、有機粒子等が挙げられる。
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料等が含有されてもよい。
本発明における積層ポリエステルフィルムを構成する塗布層中の2種類以上の金属元素を有する有機化合物の合計に関しては、下記式(1)を満足するのが好ましい。
10≦W(A)≦100 …(1)
(上記式中、W(A)は、積層ポリエステルフィルムを構成する塗布層中における金属元素を有する有機化合物の含有量を表す)
上述の一連の化合物を溶液または分散体として、固形分濃度が0.1〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて積層ポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。
さらにインラインコーティングの場合は、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固形分濃度が0.1〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて積層ポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。また、本発明の主旨を損なわない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は一種類のみでもよく、適宜、二種類以上を使用してもよい。
本発明における積層ポリエステルフィルムに関して、ポリエステルフィルム上に設けられる塗布層の塗布量(乾燥後)は通常0.005〜1g/m、好ましくは0.005〜0.5g/mの範囲である。塗布量が0.005g/m未満の場合には、塗布厚みの均一性が不十分な場合がる。一方、1g/mを超えて塗布する場合には、滑り性低下等の不具合を生じる場合がある。
本発明において、塗布層を設ける方法はリバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層を形成する際の乾燥および硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、例えば、オフラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
一方、インラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、70〜280℃で3〜200秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
また、オフラインコーティングあるいはインラインコーティングに係わらず、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムには予め、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明における積層ポリエステルフィルムは、本発明の塗布層を設けた面の反射率が波長350から800nmの範囲において4.0%以上、好ましくは4.5%以上、さらに好ましくは5.0%以上である。反射率が4.0%を下回る場合は、該フィルムの塗布層面上に、種々の表面機能層が積層されたときの反射防止能が悪くなることにより、干渉ムラが強くなるため、視認性が低下する場合がある。
また、本発明における積層ポリエステルフィルムの全光線透過率は80%以上であることがLCD、PDP、有機EL等の表示部材製造時に使用される等の光学用途等、透明性を特に必要とされる用途に対応可能になるので好ましく、さらに好ましくは85%以上がよい。全光線透過率が80%未満の場合、透明性が不十分となり、例えば、光学的評価を伴う検査工程に使用する場合、異物の混入を見落としやすくなる等の不具合を生じる場合がある。
本発明の積層ポリエステルフィルムによれば、該フィルムの塗布層面上に、種々の表面機能層が積層されたときの反射防止能に優れた積層ポリエステルフィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた 測定法および評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)積層ポリエステルフィルムにおける一方の塗布層表面からの反射率の測定
予め、積層ポリエステルフィルムの測定裏面に黒テープ(ニチバン株式会社製ビニールテープVT―50)を貼り、分光光度計(株式会社島津製作所社製UV−3100PC型)を使用して入射角5°で塗布層面を波長範囲350〜800nm、サンプリングピッチ1.0nm、スリット幅2nm、スキャン速度低速で反射率を測定した。
(4)塗布性の評価方法
3波長光域型蛍光灯下で目視にて塗布面状を観察し、良好な塗布面が形成されていれば○、形成されていなければ×とした。
(5)反射率の評価方法
波長範囲350〜800nmにおける入射角5°の反射率の最小値を評価した。
(6)塗布面上に表面機能層が積層されたときの反射防止能の評価方法
ポリエステルフィルムの塗布層側に、ペンタエリスリトールアクリレート:N―メチロールアクリルアミド:N―ビニルピロリドン:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが重量で45:40:10:5からなるUV硬化系組成物を硬化後の膜厚が5μmとなるように均一に塗布し、その後、80W/cmの強度を有する高圧水銀灯で30秒間紫外線を照射して硬化させ、ハードコート層を形成した。該ハードコート層の上に、低屈折率層(SiO、30nm)、高屈折率層(TiO、30nm)、低屈折率層(SiO、30nm)、高屈折率層(TiO、100nm)、低屈折率層(SiO、100nm)を、この順にスパッタリングによって形成した。得られたフィルムを3波長光域型蛍光灯下で目視にて、干渉ムラを観察し、視認性が良好ならば○、視認性の悪化が確認できれば×とした。
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
〈ポリエステルの製造〉
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.03部、平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.01部添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻し、固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートを得た。
塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・金属元素を有する有機化合物:(A1) チタントリエタノールアミネート
・金属元素を有する有機化合物:(A2) チタンラクテート
・バインダーポリマー:(B) 下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=92/8//77/23(mol%)
・架橋剤(C) ヘキサメトキシメチルメラミン
・粒子:(D) 平均粒径65nmのシリカゾル
製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートを180℃で4時間、不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。
次に得られた未延伸シートにまず、95℃で3.6倍に縦延伸し、下記塗布剤をバーコート方式により塗布した後、テンターに導き、横方向に4.3倍の逐次二軸延伸を行った。
その後、230℃にて3秒間熱固定し、塗工量(乾燥後)が0.1g/mの下記に示す組成の塗布層が設けられた、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。
《塗布層組成》
金属元素を有する有機化合物(A1):33重量%
金属元素を有する有機化合物(A2):67重量%
上記塗布液の濃度は10重量%とした。
出来上がった積層ポリエステルフィルムは下記表1に示す通り、塗布性が良く、高い反射率を有し、塗布面上に表面機能層を積層したときの干渉ムラがない良好な特性を示した。
(実施例2〜実施例6)
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。出来上がった積層ポリエステルフィルムは表1に示す通り、塗布性が良く、高い反射率を有し、塗布面上に表面機能層を積層したときの干渉ムラがない良好な特性を示した。
(比較例1〜比較例4)
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルムを得た。出来上がった積層ポリエステルフィルムは表1に示す通り、塗布性が悪い場合や、あるいは低い反射率を有することにより、塗布面上に表面機能層を積層したときの干渉ムラが生じることにより視認性の悪いフィルムであった。
Figure 2006076292
本発明の積層ポリエステルフィルムは、例えば、LCD、PDP、有機EL等、表示部材製造用等の光学用途のほか、視認性を極端に重視する用途に好適に利用することができる。


Claims (1)

  1. 少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステルフィルムの少なくとも片面に、金属元素を有する有機化合物を2種類以上含有する塗布層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。

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