JP6838666B2 - 電子写真用感光体、その製造方法および電子写真装置 - Google Patents

電子写真用感光体、その製造方法および電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式のプリンターや複写機、ファックスなどに用いられる電子写真用感光体(以下、単に「感光体」とも称する)、その製造方法および電子写真装置に関する。
電子写真用感光体は、導電性基体上に、光導電機能を有する感光層を設置した構造を基本構造とする。近年、電荷の発生や輸送を担う機能成分として有機化合物を用いる有機電子写真用感光体について、材料の多様性や高生産性、安全性などの利点により、研究開発が活発に進められ、複写機やプリンターなどへの適用が進められている。
一般に、感光体には、暗所で表面電荷を保持する機能や、光を受容して電荷を発生する機能、さらには、発生した電荷を輸送する機能が必要である。かかる感光体としては、これらの機能を併せ持った単層の感光層を備えた、いわゆる単層型感光体と、主として光受容時の電荷発生の機能を担う電荷発生層と、暗所で表面電荷を保持する機能および光受容時に電荷発生層にて発生した電荷を輸送する機能を担う電荷輸送層とに機能分離した層を積層した感光層を備えた、いわゆる積層型(機能分離型)感光体とがある。
このうち感光体表面の帯電特性を正帯電として使用する正帯電型有機感光体には、以下のように、大きく分けて4種類の層構成のものがあり、従来より種々提案されてきている。一つ目は、導電性基体上に、電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した2層構成の機能分離型感光体である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。二つ目は、上記2層構成の上に表面保護層を積層した3層構成の機能分離型感光体である(例えば、特許文献3、特許文献4および特許文献5参照)。三つ目は、一つ目とは逆に、電荷発生層および電荷(電子)輸送層を順次積層した逆積層の2層構成の機能分離型感光体である(例えば、特許文献6および特許文献7参照)。四つ目は、電荷発生材料、正孔輸送材料および電子輸送材料を同一層中に分散した単層型感光体である(例えば、特許文献6および特許文献8参照)。なお、上記4種類の分類においては、下引き層の有無は考慮しない。
このうち、最後の四つ目の単層型感光体については、詳細な検討がなされ、一般的に広く実用化が進められている。その大きな理由は、この単層型感光体が、正孔輸送材料の正孔輸送機能と比較して、輸送能において劣る電子輸送材料の電子輸送機能を、正孔輸送材料が補完する構成をとっていることにあると考えられる。この単層型感光体においては、分散型であるが故に、膜中内部でもキャリア発生は起きるが、感光層の表面近傍に近づくほどキャリア発生量が大きく、正孔輸送距離と比較して電子輸送距離は小さくてすむので、電子輸送能は正孔輸送能ほど高い必要はないものと考えられる。これにより、他の三つのタイプと比較して、実用上十分な環境安定性および疲労特性を実現している。
しかし、単層型感光体においては、単一膜にキャリア発生およびキャリア輸送の両機能を持たせていることから、塗布工程の簡素化が可能であって高い良品率および工程能力を得やすいという長所を持つ反面、高感度化・高速化を図るために正孔輸送材料および電子輸送材料の両者を単一層内に多く含有させることで結着樹脂の含有量が低下して、耐久性が低下するという問題があった。よって、単層型感光体において、高感度・高速化と高耐久との両立を図ることには限界があった。
そのため、近年の装置の小型化や高速化、高解像度化、カラー化に対応する感度、耐久性および耐汚染性を両立するためには、従来の単層型正帯電有機感光体では対応が困難であり、新たに、電荷輸送層と電荷発生層とを順次積層した積層型正帯電感光体についても提案されている(例えば、特許文献9および特許文献10参照)。この積層型正帯電感光体の層構成は、上述の一つ目の層構成に類似するものであるが、電荷発生層に含まれる電荷発生材料を少なくするとともに電子輸送材料を含有させ、下層の電荷輸送層に近い厚膜化ができる他、電荷発生層内の正孔輸送材料の添加量を少なくできるため、電荷発生層内の樹脂比率を従来の単層型より多く設定でき、高感度化と高耐久化との両立が図りやすい構成となっている。
一方、近年、市場では、情報処理量の増大(印刷ボリューム増加)やカラープリンタの発展や普及率の向上に伴い、印字速度の高速化や装置の小型化および省部材化が進んでおり、様々な使用環境への対応も求められている。このような状況の中、繰り返し使用や使用環境(室温および環境)に起因する画像特性や電気特性の変動が小さい感光体に対する要求が顕著に高まっており、従来の技術では、これらの要求を同時に満足できなくなってきている。特に、感光体の表面電位に関し、低温低湿環境下や高温高湿環境下における電位の不安定性に起因するゴースト画像の発生とともに、高温高湿環境下における電荷リークに起因する黒点など色ポチの発生、および、転写による電位の潜り込みに起因するベタ濃度の不均一の解消が強く求められている。
特公平05−30262号公報 特開平04−242259号公報 特公平05−47822号公報 特公平05−12702号公報 特開平04−241359号公報 特開平05−45915号公報 特開平07−160017号公報 特開平03−256050号公報 特開2009−288569号公報 国際公開第2009/104571号パンフレット
上述のように、従来から感光体に対する種々の要請に基づき、感光体の層構成および機能材料について、種々検討がなされてきている。しかし、印字速度の速いモノクロプリンターやタンデムカラープリンターにおいては、低温低湿環境下や高温高湿環境下での繰り返し使用によるゴースト画像の悪化と、高温高湿環境下での色ポチの発生およびべタ画像の局部的な転写不良画像の発生とを、同時に解消することが困難となってきている。
このうち後者の問題は、印字速度の高速化に伴う、転写性を確保するための高い転写電流値に起因すると考えられる。転写プロセスにおいて大きな転写電流が感光体へ供給されると、紙粉やトナー混合物が表面に固着した感光体は高温高湿環境下で絶縁破壊し易くなる。固着物が、環境中の水分を感光層内部に供給し、局所的に抵抗が低い部分を生じさせるために、絶縁破壊を誘起して、黒点や色ポチを発生させるとみられる。また、大きな転写電流により感光体の電位が潜り込み、その表面が逆極性(負極性)に帯電し易くなる。逆帯電された感光体において、用紙に一旦転写された正帯電トナーは再び感光体表面に引き戻され、およそ感光体一周幅程度の転写不良(ベタ濃度の不均一;転写ハゲ画像)が発生するものと考えられる。
本発明の目的は、上記問題を解消して、低温低湿環境下や高温高湿環境下でのゴースト画像の解消とともに、高温高湿環境下でのリークによる黒点発生、および、転写後電位潜り込みにより発生するベタ濃度不均一の解消を図った電子写真用感光体、その製造方法および電子写真装置を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、アルミニウム製の導電性基体上に陽極酸化被膜を介して設けられた特定の中間層が基板から感光層への正孔注入を促進し、さらに、特定の正孔輸送材料と電子輸送材料とを組み合わせが正・負電荷の再結合を促進するであろうことを見出して、発明を完成した。
すなわち、本発明の第一の態様は、電子写真用感光体において、
アルミニウム製の導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた陽極酸化被膜と、
前記陽極酸化被膜上に設けられた中間層と、
前記中間層上に、前記導電性基体側から順次積層された電荷輸送層および電荷発生層と、を含み、
前記電荷輸送層が、電荷輸送材料および樹脂バインダーを含み、
前記電荷発生層が、電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料および樹脂バインダーを含み、
前記陽極酸化被膜の膜厚が2μm以上10μm以下であり、
前記中間層が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を含み、前記中間層の膜厚が0.02μm以上0.3μm以下であるものである。
この場合、前記電荷輸送層および前記電荷発生層の膜厚がそれぞれ5μm以上25μm以下であって、前記感光層の合計膜厚が、15μm以上50μm以下であることが好ましい。また、前記正孔輸送材料の、イオン化ポテンシャルIpが5.4eV以下であることが好ましく、移動度が2×10−5cm/V・s以上であることが好ましい。さらに、前記電荷発生材料がチタニルフタロシアニンであることも好ましい。
さらにまた、前記電子輸送材料が第一および第二の電子輸送材料を含み、
前記第一の電子輸送材料がナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物であり、
前記第二の電子輸送材料が、アゾキノン化合物、ジフェノキノン化合物またはスチルベンキノン化合物であって、かつ、
前記第二の電子輸送材料の移動度が17×10−8cm/V・s以上であることが好ましい。
また、本発明の第二の態様の電子写真用感光体の製造方法は、上記電子写真用感光体を製造するにあたり、
浸漬塗工法を用いて、前記中間層上に、前記電荷輸送層および前記電荷発生層を順に形成する工程を含むものである。
さらに、本発明の第三の態様の電子写真装置は、上記電子写真用感光体を搭載してなり、印刷速度24ppm以上であるタンデム方式のカラー印刷用のものである。
さらにまた、本発明の第四の態様の電子写真装置は、上記電子写真用感光体を搭載してなり、印刷速度40ppm以上であるものである。
ここで、正孔輸送材料のイオン化ポテンシャルIpは、常温常湿環境下で、例えば、紫外線励起による光電子を計数してサンプル表面を分析する低エネルギー電子計数装置を用いて測定した値を用いることができる。
本発明の上記態様によれば、低温低湿環境下や高温高湿環境下でのゴースト画像とともに、高温高湿環境下でのリークによる黒点などの色ポチ、および、転写後電位潜り込みにより発生するベタ濃度不均一の問題を解消し得る電子写真用感光体、その製造方法および電子写真装置を提供することが可能となった。
本発明の電子写真用感光体の一例を示す模式的断面図である。 本発明の電子写真用感光体の他の例を示す模式的断面図である。 本発明の電子写真装置における電子写真プロセス配置図の一例を示す概略構成図である。 本発明の電子写真装置における電子写真プロセス配置図の他の例を示す概略構成図である。 ゴースト画像評価に用いたハーフトーン画像を示す説明図である。 中間層に使用する樹脂材料の種類および膜厚を変えた場合の潜り込み電位の値を示すグラフである。 転写後の潜り込み電位を測定する際に用いるプロセス配置図である。
以下、本発明の電子写真用感光体の具体的な実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。本発明は、以下の説明により何ら限定されるものではない。
図1および図2は、本発明の電子写真用感光体の一例を示す模式的断面図である。図示する感光体はいずれも、アルミニウム製の導電性基体1と、導電性基体1上に設けられた感光層4と、を含み、感光層4が、導電性基体1側から順次積層された電荷輸送層4−1および電荷発生層4−2を含む構成の積層型正帯電電子写真用感光体を示す。図2の感光体は、図1の感光体の表面に、さらに、表面保護層5を設けた構成となっているが、表面保護層5は必須ではない。
本発明の実施形態の感光体においては、導電性基体1と感光層4との間に、陽極酸化被膜2を介して、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を含む膜厚0.02μm以上0.3μm以下の中間層3が設けられている。すなわち、アルミニウム製の導電性基体1の表面に陽極酸化被膜2を形成した後、この導電性基体1の表面の陽極酸化被膜2上に、さらに、所定の中間層3を設けて、中間層3上に感光層4を積層している。
導電性基体1の表面に陽極酸化被膜2を設けることで、高温高湿環境下でのリークによる絶縁破壊を防止して、黒点の発生を抑制することができる。その一方、導電性基体1から感光層4への正孔の注入を促進するためには、感光層4のイオン化ポテンシャルと導電性基体1上の陽極酸化被膜2の表面の仕事関数との中間のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital;最高被占軌道)レベルの中間層3を設けること、すなわち、正孔の移動のための階段を設けることが有効と考えられる。
この点について、本発明者らはさらに鋭意検討した結果、陽極酸化被膜2と感光層4の間に挿入された、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を含む薄い中間層3が、基板から感光層への正孔の注入を促進して、転写極による逆帯電(電位の潜り込み)を抑えることができ、これによりベタ濃度不均一の問題を解消できることを見出した。図6に、中間層に使用する樹脂材料の種類および膜厚を変えた場合の逆帯電位(潜り込み電位)の値を示すグラフを示す。図6に示すように、中間層3に使用される一般的な樹脂であるポリアミド樹脂やメラミン樹脂、ポリビニルフェノール樹脂とは異なり、樹脂材料として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を用いて、特に薄い膜厚の中間層3を形成した場合に、逆帯電位を極めて低く抑えることができることがわかる。ポリアミド樹脂やメラミン樹脂を用いた場合でも、膜厚を厚くすれば逆帯電位を抑えることができるが、膜厚を厚くするとゴースト画像が悪化する問題がある。これに対し、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を含む中間層3によれば、膜厚が薄くても逆帯電位を抑える効果が得られるので、低温低湿環境下や高温高湿環境下でのゴースト画像を悪化させることもない。
ここで、図6に示す逆帯電位、すなわち、転写潜り込み電位は、図7のプロセス配置図に示すような構成のシミュレーターにより測定することができる。図中の符号21は帯電部材であり、22は像露光部材であり、23は現像位置プローブであり、24は転写部材であり、25は転写後電位プローブである。プローブ25により転写後の逆帯電位(潜り込み電位)が測定される。図示するシミュレーターにおいて、例えば、以下のような測定条件にて、露光後電位が転写極により潜り込む電位を測定することができる。
線速:110mm/s(70rpm)
帯電:現像部露光無し電位が800Vになるよう調整した。
露光:780nm、エネルギー0.3μJ/cm
現像部プローブ電位:800V(露光無し)、120〜140V(露光有り)
転写:φ10mmウレタンローラー、長さ40mm、電流値:−2.5μA
本発明の実施形態の感光体においては、導電性基体1と感光層4との間に陽極酸化被膜2と所定の中間層3とを設けるものであれば、上記所期の効果を得ることができるものであり、それ以外の点については特に制限はなく、常法に従い実施することができる。
(導電性基体)
導電性基体1は、感光体の電極としての役目と同時に感光体を構成する各層の支持体ともなっており、円筒状、板状、フィルム状などのいずれの形状でもよい。導電性基体1としては、アルミニウム製のものを用いて、その表面には、陽極酸化被膜2を形成する。
(陽極酸化被膜)
導電性基体1の表面に設ける陽極酸化被膜2は、電解槽内に導電性基体1を浸漬して、常法に従い電解処理を行うことにより形成することができ、処理条件等について特に制限はない。例えば、電解処理に用いる酸としては慣用のものを用いることができるが、特には、硫酸を用いることが好ましい。また、電解液の条件は、夫々遊離硫酸濃度150〜200g/L、アルミニウムイオン濃度1〜12g/Lおよび温度15〜25℃、特には20±0.5℃の範囲内とすることが好ましい。
陽極酸化被膜の膜厚は、2μm以上10μm以下とすることが必要であり、好適には4μm以上9μm以下、より好適には4μm以上8μm以下である。陽極酸化被膜の膜厚が、薄すぎると耐圧性が不足し、厚すぎると乾燥工程で割れが生じやすくなって耐圧性が不足傾向になる。また、上述のように被膜の膜厚が電流密度および処理時間により決定されるため、処理時の電流密度および通電時間は所望の被膜厚に応じて適宜設定することができ、特に制限はないが、好ましくは電流密度0.5〜1.5A/dmで、通電時間15〜35分の範囲内である。電極としては、硫酸に侵されない鉛板や炭素板を用いることが好ましい。
陽極酸化被膜2の形成後には、封孔処理を行うことができる。封孔処理の条件としては、封孔処理剤として酢酸ニッケルと純水とのいずれを用いる場合でも、好ましくは60〜95℃、より好ましくは70〜90℃の温度で、好ましくは10〜30分の範囲内とする。封孔処理に用いる界面活性剤としては、リン酸エステル、ナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物、ビスフェノールAのナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物等を挙げることができ、これらの好適濃度は0.5〜20mL/L、より好ましくは1〜5mL/Lである。
(中間層)
中間層3は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を含む。中間層3は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を主成分として含んでよい。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂は、塩化ビニルおよび酢酸ビニルの共重合体や、塩化ビニル、酢酸ビニルおよび官能基の共重合体であってよい。官能基は、例えば、ビニルアルコール、ジカルボン酸やヒドロキシアルキルアクリレートである。塩化ビニルと酢酸ビニルとの組成比率(質量%)は、79:21〜99:1の範囲であってよい。この組成比率は、より好ましくは、87:13〜99:1の範囲である。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂は、官能基を4〜12質量%、好ましくは5〜11質量%含んでよい。中間層3において、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂の含有量は87〜100質量%であってよい。中間層3は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂のほか、樹脂や添加剤を含んでもよい。樹脂は、例えばアクリルである。添加剤は、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物である。中間層3の膜厚は、0.02μm以上0.3μm以下であることが必要であり、0.05μm以上0.15μm以下であることが好ましい。中間層3の膜厚を、0.02μm以上0.3μm以下とすることで、ベタ濃度不均一およびゴースト画像の発生を、いずれも良好に抑制することが可能となる。
(感光層)
感光層4は、導電性基体1側から順次積層された電荷輸送層4−1および電荷発生層4−2を含む。
[電荷輸送層]
電荷輸送層4−1は、電荷輸送材料および樹脂バインダーを含む。
電荷輸送層4−1の電荷輸送材料としては、正孔輸送材料として、例えば、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、ピラゾロン化合物、オキサジアゾール化合物、オキサゾール化合物、アリールアミン化合物、ベンジジン化合物、スチルベン化合物、スチリル化合物、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等を使用することができ、中でも、アリールアミン化合物が好ましい。これら正孔輸送材料は、単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することが可能である。正孔輸送材料としては、光照射時に発生する正孔の輸送能力が優れている他、電荷発生材料との組み合せにおいて好適なものが好ましい。
好適な正孔輸送材料としては、下記式(HT1)〜(HT7)で示されるアリールアミン化合物が挙げられる。正孔輸送材料をアリールアミン化合物とすると、環境特性の安定について、より好適である。また、下記式(HT8)〜(HT11)で示されるものも挙げられる。
電荷輸送層4−1の樹脂バインダーとしては、ビスフェノールA型、ビスフェノールZ型、ビスフェノールA型−ビフェニル共重合体、ビスフェノールZ型−ビフェニル共重合体などの他の各種ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、メタクリル酸エステルの重合体およびこれらの共重合体などを用いることができる。さらに、分子量の異なる同種の樹脂を混合して用いてもよい。
好適な樹脂バインダーとしては、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する樹脂が挙げられる。好適な樹脂バインダーのより具体的な例としては、下記構造式(GB1)〜(GB3)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂が挙げられる。
(式中、RおよびRは、水素原子、メチル基またはエチル基であり、Xは酸素原子、硫黄原子または−CRであり、RおよびRは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基若しくは置換基を有してもよいフェニル基であるか、または、RとRとが環状に結合して炭素数4〜6の置換基を有してもよいシクロアルキル基を形成していてもよく、RとRとは同一であっても異なっていてもよい)
電荷輸送層4−1における電荷輸送材料の含有量としては、電荷輸送層4−1の固形分に対して、好適には10〜80質量%、より好適には20〜70質量%である。電荷輸送層4−1における樹脂バインダーの含有量としては、電荷輸送層4−1の固形分に対して、好適には20〜90質量%、より好適には30〜80質量%である。
[電荷発生層]
電荷発生層4−2は、電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料および樹脂バインダーを含む。
電荷発生層4−2における電荷発生材料としては、露光光源の波長に光感度を有する材料であれば特に制限を受けるものではなく、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、スクアリリウム顔料、チアピリリウム顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンゾイミダゾール顔料などの有機顔料が使用できる。特に、フタロシアニン顔料としては、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、銅フタロシアニン、アゾ顔料としては、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン顔料としては、N,N’−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−3,4:9,10−ペリレン−ビス(カルボキシイミド)が挙げられる。中でも、無金属フタロシアニンとしては、例えば、X型無金属フタロシアニン、τ型無金属フタロシアニン等を用いることができ、チタニルフタロシアニンとしては、α型チタニルフタロシアニン、β型チタニルフタロシアニン、Y型チタニルフタロシアニン、アモルファス型チタニルフタロシアニン、特開平8−209023号公報、米国特許第5736282号明細書および米国特許第5874570号明細書に記載のCuKα:X線回析スペクトルにてブラッグ角2θが9.6°を最大ピークとするチタニルフタロシアニン等を用いることができる。特には、チタニルフタロシアニンを用いることが好ましい。電荷発生材料は、上記のうちいずれか一種を用いることができ、2種以上を併用してもよい。
電荷発生層4−2における正孔輸送材料としては、電荷輸送層4−1について挙げたのと同様のものを用いることができ、特に制限されるものではない。特には、電荷発生層4−2における正孔輸送材料としては、イオン化ポテンシャルIpが5.4eV以下、特には5.25eV以上5.39eV以下であるものを用いることが好ましく、移動度が2×10−5cm/V・s以上、特には3×10−5cm/V・s以上であるものを用いることが好ましい。このようなイオン化ポテンシャルあるいは移動度を満たす正孔輸送材料として構造式(HT1)、(HT2)および(HT4)で示されるアリールアミン化合物が挙げられる。これにより、ゴースト画像とともにベタ黒濃度ムラの発生をより効果的に抑制できるものとなる。ここで、上記移動度とは、正孔移動度を意味する。正孔移動度は、正孔輸送材料を、樹脂バインダー中に50質量%となるよう添加して得られた塗布液を用いて測定することができる。正孔輸送材料と樹脂バインダーとの比は50:50である。樹脂バインダーはビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂でよい。例えば、ユピゼータPCZ−500(商品名、三菱ガス化学(株)製)でよい。具体的には、この塗布液を基材上に塗布し、120℃で30分間乾燥して膜厚7μmの塗膜を作製し、TOF(Time of Flight)法を用いて、一定の電界強度20V/μmにおける正孔移動度を測定することができる。測定温度は300Kである。
電荷発生層4−2における電子輸送材料としては、特に制限されず、例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水琥珀酸、無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、フタルイミド、4−ニトロフタルイミド、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、クロラニル、ブロマニル、o−ニトロ安息香酸、マロノニトリル、トリニトロフルオレノン、トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、チオピラン系化合物、キノン系化合物、ベンゾキノン系化合物、ジフェノキノン化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、スチルベンキノン化合物、アゾキノン化合物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物等を使用することができる。
上記のうちナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物としては、好適には、下記一般式(2)で表されるものを用いることができる。
(式中、R11およびR12は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルキレン基、アルコキシ基、アルキルエステル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基またはハロゲン元素を示し、R11およびR12は、互いに結合して、置換基を有してもよい芳香環を形成していてもよい)
電子輸送材料としての上記一般式(2)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の具体例としては、下記構造式(ET1)〜(ET4)、(ET9)、(ET10)で示される化合物が挙げられる。また、アゾキノン化合物、ジフェノキノン化合物またはスチルベンキノン化合物の具体例としては、下記構造式(ET5)〜(ET8)で示される化合物が挙げられる。
特には、電子輸送材料として第一および第二の電子輸送材料を用いて、第一の電子輸送材料としてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を用いるとともに、第二の電子輸送材料として、アゾキノン化合物、ジフェノキノン化合物またはスチルベンキノン化合物であって、移動度が17×10−8cm/V・s以上であるものを用いることが好ましい。第一の電子輸送材料としてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を用いることで、環境変化に伴う電位安定性に優れ、かつ、皮脂クラック耐性の点で良好な性能を有する感光体とすることができる。第一の電子輸送材料として上記構造式(ET1)〜(ET4)で示される化合物が好ましい。一方で、第二の電子輸送材料として移動度の高いアゾキノン化合物、ジフェノキノン化合物またはスチルベンキノン化合物を用いることで、注入電荷の移動能力を上げて、ゴースト画像の発生についても抑制することができる。第二の電子輸送材料として上記構造式(ET5)〜(ET8)で示される化合物が好ましい。よって、このような組み合わせの2種の電子輸送材料を用いることで、多様な環境下でゴースト画像および転写不具合が発生しない、安定した画像像品質が得られる感光体とすることができる。2種の電子輸送材料は、上記構造式(ET1)および(ET5)、上記構造式(ET1)および(ET7)、上記構造式(ET2)および(ET6)、上記構造式(ET3)および(ET8)、ならびに、上記構造式(ET4)および(ET5)の組合せのいずれかから選択される。好ましくは、2種の電子輸送材料は、上記構造式(ET1)および(ET5)、上記構造式(ET1)および(ET7)、並びに、上記構造式(ET4)および(ET5)の組合せのいずれかから選択される。さらに、第一の電子輸送材料および第二の電子輸送材料の含有量に対し第二の電子輸送材料の含有量の占める割合が、3〜40質量%の範囲、特には10〜35質量%の範囲である。
第二の電子輸送材料としての、アゾキノン化合物、ジフェノキノン化合物またはスチルベンキノン化合物の移動度とは、具体的には、電界強度を20V/μmとしたときの電子移動度であって、17×10−8cm/V・s以上であることが好ましい。ここで、上記電子移動度は、電子輸送材料を、樹脂バインダ中に50質量%となるよう添加して得られた塗布液を用いて測定することができる。電子輸送材料と樹脂バインダとの比は50:50である。樹脂バインダはビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂でよい。例えば、ユピゼータPCZ−500(商品名、三菱ガス化学(株)製)でよい。具体的には、この塗布液を基材上に塗布し、120℃で30分間乾燥して膜厚7μmの塗膜を作製し、TOF(Time of Flight)法を用いて、一定の電界強度20V/μmにおける電子移動度を測定することができる。測定温度は300Kである。
電荷発生層4−2における電荷発生材料の含有量は、電荷発生層4−2の固形分に対して、好適には0.1〜5質量%、より好適には0.5〜3質量%である。電荷発生層4−2における正孔輸送材料の含有量は、電荷発生層4−2の固形分に対して、好適には1〜30質量%、より好適には5〜20質量%である。電荷発生層4−2における電子輸送材料の含有量は、電荷発生層4−2の固形分に対して、好適には5〜60質量%、より好適には10〜40質量%である。正孔輸送材料および電子輸送材料の含有量の比は1:3〜1:10の範囲であってよい。電子輸送材料は第一および第二の電子輸送材料を含む。電子輸送材料は、さらに、第一および第二の電子輸送材料とは異なる、第三の電子輸送材料を含んでもよい。第三の電子輸送材料の含有量は、電荷発生層4−2の固形分に対して、好適には0〜20質量%である。電荷発生層4−2における樹脂バインダーの含有量は、電荷発生層4−2の固形分に対して、好適には20〜80質量%、より好適には30〜70質量%である。
電荷輸送層4−1および電荷発生層4−2の膜厚については、特に制限されないが、それぞれ5μm以上25μm以下であって、感光層の合計膜厚が、15μm以上50μm以下であることが好ましい。電荷輸送層の膜厚が薄すぎると、相対的に電荷発生層の膜厚が大きくなるため、正孔と電子との輸送バランスが崩れて環境変動や繰り返し安定性が悪化し、安定した画像品質を得にくくなる。一方、厚すぎると、相対的に電荷発生層の膜厚が小さくなるとともに感光層全体膜厚が大きくなり、感光体表面のトナー層厚が減少し、階調性を得にくくなる。また、合計膜厚については、薄すぎると帯電電位が低下してカブリが発生し易くなり、厚すぎるとトナー層厚が減少し、階調性が損なわれ易くなる。
本発明の実施形態の感光体において、感光層中には、形成した膜のレベリング性の向上や潤滑性の付与を目的として、シリコーンオイルやフッ素系オイル等のレベリング剤を含有させることができる。さらに、膜硬度の調整や摩擦係数の低減、潤滑性の付与等を目的として、複数種の無機酸化物を含ませることができる。シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の金属硫酸塩、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物の微粒子、または、4フッ化エチレン樹脂等のフッ素系樹脂粒子、フッ素系クシ型グラフト重合樹脂粒子等を含有させてもよい。さらにまた、必要に応じて、電子写真特性を著しく損なわない範囲で、その他公知の添加剤を含有させることもできる。
また、感光層中には、耐環境性や有害な光に対する安定性を向上させる目的で、酸化防止剤や光安定剤などの劣化防止剤を含有させることができる。このような目的に用いられる化合物としては、トコフェロールなどのクロマノール誘導体およびエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、ハイドロキノン誘導体、エーテル化化合物、ジエーテル化化合物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、チオエーテル化合物、フェニレンジアミン誘導体、ホスホン酸エステル、亜リン酸エステル、フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化合物、環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
(感光体の製造方法)
本発明の実施形態の感光体の製造方法は、上記電子写真用感光体を製造するにあたり、浸漬塗工法を用いて、中間層上に、電荷輸送層および電荷発生層を順に形成する工程を含むものである。
具体的には、まず、導電性基体の表面に、常法に従い、陽極酸化被膜を形成する。次に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を溶媒に溶解させて中間層の形成用塗布液を調製し準備する工程と、この中間層の形成用塗布液を、導電性基体表面の陽極酸化被膜の外周に、浸漬塗工法により塗工、乾燥させ中間層を形成する工程と、を含む方法により、所定膜厚の中間層を形成する。次に、任意の正孔輸送材料および樹脂バインダーを溶媒に溶解させて電荷輸送層の形成用塗布液を調製し準備する工程と、この電荷輸送層の形成用塗布液を、上記中間層上に、浸漬塗工法により塗工、乾燥させ電荷輸送層を形成する工程と、を含む方法により、電荷輸送層を形成する。次に、任意の電荷発生材料、電子輸送材料、正孔輸送材料および樹脂バインダーを、溶媒中に溶解、分散させて電荷発生層の形成用塗布液を調製し準備する工程と、この電荷発生層の形成用塗布液を、上記電荷輸送層上に浸漬塗工法により塗工、乾燥させ電荷発生層を形成する工程と、を含む方法により電荷発生層を形成する。このような製造方法により実施形態の積層型感光体を製造することができる。ここで、塗布液の調製に用いる溶媒の種類や、塗工条件、乾燥条件等については、常法に従い適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
(電子写真装置)
本発明の実施形態の電子写真用感光体は、各種マシンプロセスに適用することにより所期の効果が得られるものである。具体的には、ローラやブラシなどの帯電部材を用いた接触帯電方式、コロトロンやスコロトロンなどを用いた非接触帯電方式等の帯電プロセス、並びに、非磁性一成分、磁性一成分、二成分などの現像剤を用いた接触現像および非接触現像方式などの現像プロセスにおいても、十分な効果を得ることができる。
本発明の実施形態の電子写真装置は、上記電子写真用感光体を搭載してなり、印刷速度24ppm以上であるタンデム方式のカラー印刷用の電子写真装置である。また、本発明の他の実施形態の電子写真装置は、上記電子写真用感光体を搭載してなり、印刷速度40ppm以上である電子写真装置である。感光層において電荷の高い輸送性能が要求される高速機や放電ガスの影響が大きいタンデムカラー機のような感光体が酷使される装置、中でも、プロセス間の時間が短い装置では、空間電荷がたまりやすいと考えられる。このような電子写真装置ではゴースト画像が発生しやすいため、本発明の適用がより有用である。特に、タンデム方式のカラー印刷用の電子写真装置や、除電部材を有しない電子写真装置ではゴースト画像が発生しやすいため、本発明の適用が有用である。
図3に、本発明の電子写真装置における電子写真プロセス配置図の一例を示す概略構成図を示す。図示する電子写真プロセスは、モノクロ高速プリンタを示す。図示する電子写真装置60は、導電性基体1と、その外周面上に被覆された陽極酸化被膜2、中間層3、および、電荷輸送層と電荷発生層とからなる感光層4を含む、本発明の実施形態の感光体10を搭載する。この電子写真装置60は、感光体10の外周縁部に配置された、帯電部材11と、この帯電部材11に印加電圧を供給する帯電電源12と、像露光部材13と、現像部材14と、転写部材15と、を含む。電子写真装置60は、さらに、クリーニング部材16を含んでもよい。
図4に、本発明の電子写真装置における電子写真プロセス配置図の他の例を示す概略構成図を示す。図示する電子写真プロセスは、タンデムカラープリンタを示す。図示する電子写真装置70は、導電性基体1と、その外周面上に被覆された陽極酸化被膜2、中間層3、および、電荷輸送層と電荷発生層とからなる感光層4を含む、本発明の実施形態の感光体10を4つ搭載する。この電子写真装置70は、感光体10の外周縁部に配置された、帯電部材11と、この帯電部材11に印加電圧を供給する図示しない帯電電源と、像露光部材13と、現像部材14と、転写部材15と、さらに、転写ベルト17および被転写体18と、を含む。電子写真装置70は、さらに、クリーニング部材16を含んでもよい。
以下、本発明の具体的態様を、実施例を用いてさらに詳細に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。また、下記の表中の「%」は、質量%を意味する。
(実施例1)
導電性基体としては、φ30mm×長さ244.5mmおよびφ30mm×長さ254.4mmの2種類の形状の素管において、表面粗さ(Rmax)0.2μmに切削加工されたアルミニウム製の0.75mm肉厚管を用いた。この2種類の導電性基体について、いずれも常法に従い、陽極酸化被膜を形成した。処理時の電流密度は0.5A/dm、通電時間15分間、95℃30分間の純水封孔処理を行い、厚さ2μmの陽極酸化被膜を得た。
下記の表3に示す塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂1質量部を、溶媒としてのメチルエチルケトンの2000質量部に溶解させて、中間層形成用塗布液を調製した。この中間層形成用塗布液を、上記導電性基体表面の陽極酸化被膜上に、浸漬塗工法により塗工し、90℃で15分間乾燥して、膜厚0.02μmにて、中間層を形成した。
[電荷輸送層]
下記の表3に示す配合量に従い、正孔輸送材料としての上記構造式(HT1)で示される化合物と、樹脂バインダーとしての上記構造式(GB1)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂とを、テトラヒドロフランに溶解して、塗布液を調製した。この塗布液を、上記導電性基体上に浸漬塗工法により塗工し、100℃で30分間乾燥して、膜厚10μmの電荷輸送層を形成した。
[電荷発生層]
下記の表3に示す配合量に従い、正孔輸送材料としての上記構造式(HT1)で示される化合物と、第一の電子輸送材料としての上記構造式(ET1)で示される化合物と、第二の電子輸送材料としての上記構造式(ET5)で示される化合物と、樹脂バインダーとしての上記構造式(GB1)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度換算分子量5万)とを、テトラヒドロフランに溶解させ、電荷発生物質としての下記構造式(CG1)で示されるチタニルフタロシアニンを添加した後、サンドグラインドミルにより分散処理を行うことにより、塗布液を調製した。この塗布液を、上記電荷輸送層上に浸漬塗工法により塗布し、温度110℃で30分間乾燥することにより膜厚15μmの電荷発生層を形成して、膜厚25μmの感光層を有する積層型電子写真用感光体を得た。
(実施例2〜27、比較例1〜22)
下記の表3〜5に示す条件に従い、陽極酸化被膜の膜厚、中間層の材料および膜厚、電荷輸送層の材料、配合量および膜厚、並びに、電荷発生層の材料、配合量および膜厚を変更した以外は実施例1と同様にして、各実施例および比較例の積層型電子写真用感光体を作製した。
なお、中間層の膜厚は、重量法により測定した。まず、電子天秤を用いて、陽極酸化被膜を設けた円筒状アルミニウム基体を測定する。次に、浸漬塗工後の乾燥工程を経て中間層を製膜した後、内面を溶剤でふき取った後、重量を同様に測定する。この重量差を面積で割り膜厚を算出した。なお、樹脂の比重は1とした。
また、陽極酸化被膜の膜厚は、接触式膜厚計で測定した。フィッシャー製渦電流式膜厚計(MULTI MEASURING SYSTEM)を用い陽極酸化被膜のないアルミニウム基体でゼロ点調整し、膜厚25μmのマイラーフィルムを上記基体上にのせ校正した後、陽極酸化被膜処理基体について、上端から内側30mmの位置における周方向3か所、下端から内側30mmの位置における周方向3か所、および、軸方向中央部における周方向3か所の計9か所の測定を行い、平均値を膜厚とした。
さらに、使用した正孔輸送材料のイオン化ポテンシャルIpおよび移動度、並びに、電子輸送材料の移動度は、以下のようにして測定した。その結果を、下記の表1,2中に示す。
[感光体]
・導電性基体:φ30mm×長さ244.5mmの0.5mm肉厚A3000系アルミニウム素管を用いた。
・中間層:東レ(株)製のポリアミド樹脂(CM8000)をメタノール・ブタノール混合溶液(混合比1:1)に固形分濃度3%で溶解させた塗布液に、上記導電性基体を浸漬塗工した後、90℃,30分間熱風乾燥し、厚さ0.1μmの中間層を形成した。
・電荷発生層:積水化学工業(株)製のブチラール樹脂(エスレックB BX−L)をテトラヒドロフラン(THF)溶媒に固形分濃度2質量%で溶解させた後、同量のチタニルフタロシアニンを混合し、ボールミル分散した塗布液に、上記中間層を設けた導電性基体を浸漬塗工し、90分、30分間熱風乾燥して、膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
・電荷輸送層:三菱ガス化学(株)製のポリカーボネート樹脂(ユピゼータPCZ−500)をTHF溶媒に固形分濃度10質量%で溶解させた後、同量の各種電荷輸送材料を混合し、完全溶解した塗布液に、上記中間層および電荷発生層を設けた導電性基体を浸漬塗工し、120℃、30分間熱風乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
〔移動度〕
移動度は次のように測定を行った。
まず、各輸送材料をポリカ―ボネート樹脂:ユピゼータPCZ−500(商品名、三菱ガス化学(株)製)に50質量%となるよう溶解させて塗布液とした。
当該塗布液を基材上に塗布し、120℃で30分間熱風乾燥して、7μmの塗膜を作製した。このサンプルについて、300Kの測定環境でTOF(Time of Flight)法を用いて、電界強度20V/μmにおける移動度を測定した。
[イオン化ポテンシャル]
以下の条件で、理研計器(株)製の表面分析装置AC−2(大気中において、紫外線励起による光電子を計数し、サンプル表面を分析する装置であり、低エネルギー電子計数装置を用いたものである。)を用いて、各種電荷輸送材料のイオン化ポテンシャルを測定した。
測定時の環境温度および相対湿度:25℃、50%
計数時間:10秒/1ポイント
光量設定:50μW/cm
エネルギー走査範囲:3.4〜6.2eV
紫外線スポットの大きさ:1mm角
単位光量子:1×1014個/cm・秒
(感光体の評価)
各実施例および比較例の感光体については、ブラザー工業(株)製の市販のモノクロ高速プリンタHL−L5200DW(印字速度40ppm)およびタンデムカラープリンタHL−L3230CDW(印刷速度24ppm)に組み込んで、10℃−20%(LL、低温低湿)、25℃−50%(NN、常温常湿)、35℃−85%(HH、高温高湿)の3環境下で画像評価を行った。
[ゴースト画像の評価]
黒色で、図5に示すようなハーフトーン(1on2off)画像を、HH環境下で印字して、転写影響によるネガゴーストの発生の有無について評価した。結果は、ゴーストが判別不可能の場合を○、判別可能の場合を△、判別明瞭の場合を×とした。
[ベタ黒濃度ムラの評価]
HH環境下において黒ベタの画像を印字し、画像濃度をマクベス濃度計で測定した。黒ベタ画像における濃い部分のうち、感光体長手方向に対応する用紙幅方向の左端から30mm内側、右端から30mm内側および中央部の3か所の平均の画像濃度と、濃度が薄い部分の同様な3か所の平均の画像濃度の差により濃度ムラ(不均一)を評価し、転写影響による転写不良を判定した。結果は、濃度ムラが0.02未満の場合を〇、0.02以上0.05未満の場合を△、0.05以上の場合を×とした。
[黒ポチ(色ポチ)評価]
LL環境下で、各色印字面積1%の画像を2枚間欠パターンで10K枚まで間欠印字し、リークによる黒点発生状況を判定した。結果は、φ0.1mm以上の色ポチ(黒点)発生なしの場合を〇、φ0.1mm以上0.3mm未満の色ポチ(黒点)発生が1個の場合を△、φ0.1mm以上0.3mm未満の色ポチ(黒点)発生が2個以上であるか、または、φ0.3mm以上の色ポチ(黒点)発生が1個以上である場合を×とした。
[密着性の評価]
NN環境下で、カッターで感光層表面に3mm×3mmのクロスハッチを入れ、24mm幅のニチバン製セロテープ(登録商標)を貼り、消しゴムで10回往復して密着性を上げた後、周方向に引っ張り剥離試験を行った。結果は、剥離無しの場合を〇、1マス未満の剥離の場合を△、1マス以上の剥離の場合を×とした。
これらの結果を、下記の表6〜8に示す。
*1)A:ソルバインA(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂,日信化学工業株式会社製)
B:ソルバインC(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂,日信化学工業株式会社製)
C:ソルバインTA5R(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂,日信化学工業株式会社製)
D:CM8000(ポリアミド樹脂,東レ株式会社製)
E:マルカリンカ−M(ポリビニルフェノール樹脂,丸善石油化学株式会社製)
F:ユーバン2020(メラミン樹脂,三井化学株式会社製)
上記表中から明らかなように、モノクロ高速プリンタHL−L5200DWおよびタンデムカラープリンタHL−L3230CDWの両装置において同様に、導電性基体上に陽極酸化被膜を設け、さらに所定の中間層を設けた各実施例の感光体においては、これとは異なる組合せを用いた各比較例の感光体と異なり、ゴースト画像、ベタ黒濃度ムラおよび黒点の発生がなく、良好な画像品質が得られた他、密着性も優れていることが確認された。
これに対し、陽極酸化被膜のみで中間層を設けない比較例1では、ベタ黒濃度ムラが大きく、ゴースト画像も悪化している。また、中間層の樹脂材料として、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂に代えてポリアミド樹脂を用いた比較例2〜4では、膜厚を厚くすることでベタ黒濃度ムラは改善されるが、ゴースト画像の発生は抑制できず、膜厚が厚くなるとより悪化する傾向となっている。さらに、中間層の樹脂材料として、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂に代えてポリビニルフェノール樹脂を用いた比較例5〜7では、膜厚を厚くしてもベタ黒濃度ムラは改善されず、ゴースト画像も膜厚によらず発生しており、密着性も不十分となっている。さらにまた、中間層の樹脂材料として、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂に代えてメラミン樹脂を用いた比較例8〜10では、膜厚を厚くすることでベタ黒濃度ムラは改善されるが、ゴースト画像の発生は抑制できず、膜厚が厚くなるとより悪化する傾向となっており、密着性も不十分となっている。さらにまた、中間層の膜厚が薄すぎる比較例11〜13では、密着性が悪化している。さらにまた、中間層の膜厚が厚すぎる比較例14〜16では、ベタ黒濃度ムラおよびゴースト画像のいずれも悪化している。陽極酸化被膜が薄すぎる比較例17〜19や、厚すぎる比較例20〜22では、耐圧性が不足し、高温高湿環境での繰り返し印字中、黒ポチ(色ポチ)発生がみられる。陽極酸化被膜のない比較例23では、リークが発生し、高温高湿環境での繰り返し印字中、ベタ白画像に黒ポチ(色ポチ)多発がみられた。
1 導電性基体
2 陽極酸化被膜
3 中間層
4 感光層
4−1 電荷輸送層
4−2 電荷発生層
5 表面保護層
10 電子写真用感光体
11 帯電部材
12 高圧電源
13 像露光部材
14 現像部材
15 転写部材
16 クリーニング部材
17 転写ベルト
18 被転写体
21 帯電部材
22 像露光部材
23 現像位置プローブ
24 転写部材
25 転写後電位プローブ
60,70 電子写真装置

Claims (9)

  1. アルミニウム製の導電性基体と、
    前記導電性基体上に設けられた陽極酸化被膜と、
    前記陽極酸化被膜上に設けられた中間層と、
    前記中間層上に、前記導電性基体側から順次積層された電荷輸送層および電荷発生層と、を含み、
    前記電荷輸送層が、電荷輸送材料および樹脂バインダーを含み、
    前記電荷発生層が、電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料および樹脂バインダーを含み、
    前記陽極酸化被膜の膜厚が2μm以上10μm以下であり、
    前記中間層が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を含み、前記中間層の膜厚が0.02μm以上0.3μm以下である電子写真用感光体。
  2. 前記電荷輸送層および前記電荷発生層の膜厚がそれぞれ5μm以上25μm以下であって、前記感光層の合計膜厚が、15μm以上50μm以下である請求項1記載の電子写真用感光体。
  3. 前記正孔輸送材料のイオン化ポテンシャルIpが5.4eV以下である請求項1または2記載の電子写真用感光体。
  4. 前記正孔輸送材料の移動度が2×10−5cm/V・s以上である請求項1または2記載の電子写真用感光体。
  5. 前記電荷発生材料がチタニルフタロシアニンである請求項1記載の電子写真用感光体。
  6. 前記電子輸送材料が第一および第二の電子輸送材料を含み、
    前記第一の電子輸送材料がナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物であり、
    前記第二の電子輸送材料が、アゾキノン化合物、ジフェノキノン化合物またはスチルベンキノン化合物であって、かつ、
    前記第二の電子輸送材料の移動度が17×10−8cm/V・s以上である請求項1記載の電子写真用感光体。
  7. 請求項1記載の電子写真用感光体を製造するにあたり、
    浸漬塗工法を用いて、前記中間層上に、前記電荷輸送層および前記電荷発生層を順に形成する工程を含む電子写真用感光体の製造方法。
  8. 請求項1記載の電子写真用感光体を搭載してなり、印刷速度24ppm以上であるタンデム方式のカラー印刷用の電子写真装置。
  9. 請求項1記載の電子写真用感光体を搭載してなり、印刷速度40ppm以上である電子写真装置。
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