以下、実施形態につき図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
1.第1実施形態
第1実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。以下では半導体記憶装置として、メモリセルトランジスタが半導体基板上に三次元に配置された三次元積層型NAND型フラッシュメモリを例に挙げて説明する。
1.1 構成について
1.1.1 半導体記憶装置の全体構成について
まず、半導体記憶装置の全体構成について、図1を用いて説明する。図示するようにNAND型フラッシュメモリ1は、制御回路2、電圧発生回路3、ロウデコーダ4、センスアンプ5、データラッチ6、メモリセルアレイ7を含む。
メモリセルアレイ7は、ロウ及びカラムに対応付けられた不揮発性のメモリセルトランジスタを含む複数のブロックBLK(BLK0、BLK1、BLK2、…)を備えている。各々のブロックBLKは、例えば4つのストリングユニットSU(SU0〜SU3)を含む。そして各々のストリングユニットSUは、複数のNANDストリング8を含む。メモリセルアレイ7内のブロック数及びブロック内のストリングユニット数は任意である。メモリセルアレイ7の詳細については後述する。
ロウデコーダ4は、ロウアドレスをデコードし、このデコード結果に基づき、ブロックBLKのいずれかを選択し、更にいずれかのストリングユニットSUを選択する。そして、必要な電圧をブロックBLKに出力する。ロウアドレスは、例えばNAND型フラッシュメモリ1を制御する外部コントローラから与えられる。
センスアンプ5は、データの読み出し動作時には、メモリセルアレイ7から読み出されたデータをセンスする。そして、読み出しデータをコントローラに出力する。データの書き込み動作時には、外部コントローラから受信した書き込みデータをメモリセルアレイ7に転送する。
データラッチ6は、データの読み出し時には、センスアンプ5でセンスされたデータを一時的に保持し、これを図示せぬ入出力回路を介して外部コントローラまたはホスト機器に転送する。またデータの書き込み時には、入出力回路を介して外部コントローラまたはホスト機器から入力された書き込みデータを一時的に保持し、これをセンスアンプ5に転送する。
制御回路2は、NAND型フラッシュメモリ1全体の動作を制御する。
電圧発生回路3は、制御回路2の制御に応じて、データの書き込み、読み出し、及び消去に必要な電圧を発生させ、この発生した電圧をロウデコーダ4及びセンスアンプ5等に印加する。ロウデコーダ4及びセンスアンプ5は、電圧発生回路3より供給された電圧をメモリセルトランジスタに印加する。
1.1.2 ブロックBLKの構成について
次に、上記ブロックBLKの構成について図2を用いて説明する。前述の通り、ブロックBLKは例えば4つのストリングユニットSUを含み、各々のストリングユニットSUは複数のNANDストリング8を含む。
図示するように、NANDストリング8の各々は、例えば8個のメモリセルトランジスタMT(MT0〜MT7)、並びに選択トランジスタST1及びST2を含んでいる。メモリセルトランジスタMTは、制御ゲートと電荷蓄積層とを備え、データを不揮発に保持する。そしてメモリセルトランジスタMTは、選択トランジスタST1のソースと選択トランジスタST2のドレインとの間に直列接続されている。
ストリングユニットSU0〜SU3の各々における選択トランジスタST1のゲートは、それぞれセレクトゲート線SGD0〜SGD3に接続される。これに対してストリングユニットSU0〜SU3の各々における選択トランジスタST2のゲートは、例えばセレクトゲート線SGSに共通接続される。もちろん、ストリングユニットSU毎に異なるセレクトゲート線SGS0〜SGS3に接続されても良い。また、同一のブロックBLK内にあるメモリセルトランジスタMT0〜MT7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0〜WL7に共通接続される。
また、ストリングユニットSU内にある各NANDストリング8の選択トランジスタST1のドレインは、それぞれ異なるビット線BL(BL0〜BL(N−1)、但しNは2以上の自然数)に接続される。また、ビット線BLは、複数のブロックBLK間で各ストリングユニットSU内にある1つのNANDストリング8を共通に接続する。更に、複数の選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに共通に接続されている。
つまりストリングユニットSUは、異なるビット線BLに接続され、且つ同一のセレクトゲート線SGDに接続されたNANDストリング8の集合体である。またブロックBLKは、ワード線WLを共通にする複数のストリングユニットSUの集合体である。そしてメモリセルアレイ7は、ビット線BLを共通にする複数のブロックBLKの集合体である。
データの書き込み及び読み出しは、いずれかのブロックBLKにおけるいずれかのワード線WLに接続されたメモリセルトランジスタMTに対して、一括して行われる。この単位を「ページ」と呼ぶ。
図3は、ブロックBLKの一部領域の断面図である。図示するように、半導体基板100の表面領域にn型ウェル領域101が設けられ、n型ウェル領域101の表面領域にp型ウェル領域102が設けられている。そして、p型ウェル領域102上に、複数のNANDストリング8が形成されている。すなわち、p型ウェル領域102上には、セレクトゲート線SGSとして機能する例えば4層の配線層111、ワード線WL0〜WL7として機能する8層の配線層112、及びセレクトゲート線SGDとして機能する例えば4層の配線層113が、順次積層されている。積層された配線層間には、図示せぬ絶縁膜が形成されている。
そして、これらの配線層113、112、及び111を貫通してp型ウェル領域102に達するピラー状の導電体114が形成されている。導電体114の側面には、ゲート絶縁膜115、電荷蓄積層(絶縁膜または導電膜)116、及びブロック絶縁膜117が順次形成され、これらによってメモリセルトランジスタMT、並びに選択トランジスタST1及びST2が形成されている。導電体114は、NANDストリング8の電流経路として機能し、各トランジスタのチャネルが形成される領域となる。そして導電体114の上端は、ビット線BLとして機能する金属配線層118に接続される。
p型ウェル領域102の表面領域内には、n+型不純物拡散層119が形成されている。拡散層119上にはコンタクトプラグ120が形成され、コンタクトプラグ120は、ソース線SLとして機能する金属配線層121に接続される。更に、p型ウェル領域102の表面領域内には、p+型不純物拡散層122が形成されている。拡散層122上にはコンタクトプラグ123が形成され、コンタクトプラグ123は、ウェル配線CPWELLとして機能する金属配線層124に接続される。ウェル配線CPWELLは、p型ウェル領域102を介して導電体114に電位を印加するための配線である。
以上の構成が、図3を記載した紙面の奥行き方向に複数配列されており、奥行き方向に並ぶ複数のNANDストリング8の集合によってストリングユニットSUが形成される。
なお、データの消去は、ブロックBLK単位、またはブロックBLKよりも小さい単位で行うことができる。消去方法に関しては、例えば“NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY DEVICE”という2011年9月18日に出願された米国特許出願13/235,389号に記載されている。また、“NON-VOLATILE SEMICONDUCTOR STORAGE DEVICE”という2010年1月27日に出願された米国特許出願12/694,690号に記載されている。更に、“NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY DEVICE AND DATA ERASE METHOD THEREOF”という2012年5月30日に出願された米国特許出願13/483,610号に記載されている。これらの特許出願は、その全体が本願明細書において参照により援用されている。
更に、メモリセルアレイ7の構成についてはその他の構成であっても良い。すなわちメモリセルアレイ7の構成については、例えば、“三次元積層不揮発性半導体メモリ(THREE DIMENSIONAL STACKED NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY)”という2009年3月19日に出願された米国特許出願12/407,403号に記載されている。また、“三次元積層不揮発性半導体メモリ(THREE DIMENSIONAL STACKED NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY)”という2009年3月18日に出願された米国特許出願12/406,524号、“不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法(NON-VOLATILE SEMICONDUCTOR STORAGE DEVICE AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME)”という2010年3月25日に出願された米国特許出願12/679,991号“半導体メモリ及びその製造方法(SEMICONDUCTOR MEMORY AND METHOD FOR MANUFACTURING SAME)”という2009年3月23日に出願された米国特許出願12/532,030号に記載されている。これらの特許出願は、その全体が本願明細書において参照により援用されている。
1.1.3 センスアンプとデータラッチの構成について
次に、センスアンプ5とデータラッチ6の構成について、図4を用いて説明する。
図示するようにセンスアンプ5は、複数のセンスアンプユニットSAU(SAU0〜SAU(N−1))を含む。また、データラッチ6は、複数のラッチ回路XDL(XDL0〜XDL(N−1))を含む。
センスアンプユニットSAUは、例えばビット線BL毎に設けられる。例えば8個のセンスアンプユニットSAUが、1つのバスDBUS(K)(Kは0以上の自然数、K<(N−1))に共通に接続されている。以下、バスDBUS(K)を限定しない場合、単にバスDBUSと記述する。なお、1つのバスDBUSに接続されるセンスアンプユニットSAUの個数は任意である。
ラッチ回路XDLは、センスアンプユニットSAU毎に設けられ、例えば、8本のデータ線IO<x>(xは、0〜7の任意の整数。IO<0>〜IO<7>)のいずれかに接続される。なお、データ線IOの本数は任意である。ラッチ回路XDLは、対応するビット線BLに関連するデータを一時的に保持する。より具体的には、外部コントローラから受信されたデータは、データ線IOを介してラッチ回路XDLに格納され、その後、バスDBUSを介して対応するセンスアンプユニットSAUに転送される。逆もまた同じである。
8個のセンスアンプユニットSAUと、それぞれに対応する8個のラッチ回路XDLとは、1つのバスDBUSに共通に接続される。より具体的には、8個のセンスアンプユニットSAU0〜SAU7と、それぞれに対応する8個のラッチ回路XDL0〜XDL7とが、1つのバスDBUS0に共通に接続されている。そして、ラッチ回路XDL0〜XDL7は、それぞれデータ線IO<0>〜データ線IO<7>に接続される。
1.1.4 センスアンプユニットの構成について
次に、センスアンプユニットSAUの構成について、図5を用いて説明する。以下の説明において、トランジスタのソースまたはドレインの一方を「電流経路の一端」と呼び、ソースまたはドレインの他方を「電流経路の他端」と呼ぶ。
図5に示すように、センスアンプユニットSAUは、センス回路SA、スキャンユニットSCU、5個のラッチ回路(SDL、ADL、BDL、CDL、及びTDL)、LBUSプリチャージ回路PCC、及びDBUSスイッチ回路DSCを含む。
センス回路SAは、プログラムデータに応じてビット線BLに電圧を印加する。すなわちセンス回路SAは、ビット線BLを直接的に制御するモジュールである。また、読み出し動作時に、センス回路SAは、後述するノードSENからビット線BLに電荷を転送する際のノードSENとビット線BLとの接続を制御する。
センス回路SAは、高耐圧nチャネルMOSトランジスタ(または「NMOSトランジスタ」と呼ぶ)10、低耐圧nチャネルMOSトランジスタ11〜16、低耐圧pチャネルMOSトランジスタ(または「PMOSトランジスタ」と呼ぶ)17を含む。
トランジスタ10は、ゲートに信号BLSが入力され、電流経路の一端が、対応するビット線BLに接続され、電流経路の他端がトランジスタ11の電流経路の一端に接続される。
トランジスタ11は、ゲートに信号BLCが入力され、電流経路の他端がノードSCOMに接続される。トランジスタ11は、対応するビット線BLを、信号BLCに応じた電位にクランプするクランプトランジスタとして機能する。
トランジスタ12は、ゲートに信号NLOが入力され、電流経路の一端がノードSCOMに接続され、電流経路の他端に電圧VLSA(例えば接地電圧VSS)が印加される。
トランジスタ13は、ゲートに信号BLXが入力され、電流経路の一端がノードSCOMに接続され、電流経路の他端がトランジスタ14の電流経路の一端及びトランジスタ17の電流経路の一端に接続される。
トランジスタ14は、ゲートに信号GRSが入力され、電流経路の他端がトランジスタ15の電流経路の一端に接続される。
トランジスタ15は、ゲートがノードINV_Sに接続され、電流経路の他端がノードSRCGNDに接続される。ノードSRCGNDには、例えば接地電圧VSSが印加される。
トランジスタ17は、ゲートがノードINV_Sに接続され、電流経路の他端(ソース)に電源電圧VDDSAが印加される。
トランジスタ16は、ゲートに信号XXLが入力され、電流経路の一端がノードSCOMに接続され、電流経路の他端がノードSENに接続される。制御回路2は、トランジスタ16を用いて、メモリセルトランジスタMTのデータをセンスする期間(以下、「センス期間」と呼ぶ)を制御する。ノードSENは、データの読み出し時(又はベリファイ時)に、対象となるメモリセルトランジスタMTのデータをセンスするためのセンスノードとして機能する。より具体的には、読み出し時に、対象となるメモリセルトランジスタMTのオン/オフ状態に応じて、ノードSEN(及び容量素子27〜29)に充電された電荷が、ビット線BLに転送される。このときのノードSENの電圧をセンスすることによりデータを読み出す。
スキャンユニットSCUは、ビット線BLに読み出されたデータをセンスし、センスされたアナログレベルの電圧の信号を、“L”レベルあるいは“H”レベルの論理データ(デジタル信号)に変換する(以下、「デジタイズ(digitize)」と呼ぶ)。スキャンユニットSCUは、“L”レベルあるいは“H”レベルの論理データと、その反転データとを保持可能なラッチ回路(以下、「スタティックラッチ回路」と呼ぶ)として機能する。以下、ラッチ回路の保持データが、“L”レベルあるいは“H”レベルのいずれかの論理レベルに決定されることを、「論理レベルが確定する」あるいは「論理データが確定する」と呼ぶ。また、スキャンユニットSCUは、ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びTDLが保持するデータを用いて論理演算を行うモジュールである。
スキャンユニットSCUは、低耐圧nチャネルMOSトランジスタ18〜22、低耐圧pチャネルMOSトランジスタ23〜26、容量素子27〜29を含む。
トランジスタ18は、ゲートがノードSENに接続され、電流経路の一端がノードCLKSAに接続され、電流経路の他端がトランジスタ20の電流経路の一端に接続される。
トランジスタ20は、ゲートに信号LLSが入力され、電流経路の他端がバスLBUSに接続される。
トランジスタ19は、ゲートがバスLBUSに接続され、電流経路の一端に電圧VSSSAが印加され、電流経路の他端がトランジスタ21の電流経路の一端に接続される。
トランジスタ21は、ゲートに信号LSLが入力され、電流経路の他端がノードSENに接続される。
トランジスタ22は、ゲートに信号BLQが入力され、電流経路の一端がノードSENに接続され、電流経路の他端がバスLBUSに接続される。トランジスタ22はノードSENとバスLBUSを電気的に接続させる際に、オン状態にされる。
トランジスタ23は、ゲートに信号STBnが入力され、電流経路の一端がバスLBUSに接続され、電流経路の他端がトランジスタ25の電流経路の一端(ドレイン)に接続される。また、トランジスタ23のバックゲートは、ノードNWSAに接続される。
トランジスタ25は、ゲートがノードSENに接続され、電流経路の他端(ソース)がノードNVSAに接続される。トランジスタ25は、ノードNVSAを介して例えば電圧VDDSAを印加される。また、トランジスタ25のバックゲートは、ノードNWSAに接続される。本実施形態では、トランジスタ25は、ノードSENの電圧をセンスするセンストランジスタとして機能する。また、ノードSENをセンスする際に、制御回路2は、ノードNWSAの電圧を制御し、トランジスタ25の閾値電圧のばらつきを補正する。ノードNWSAの電圧を制御すると、基板バイアス効果によりトランジスタ25の閾値電圧を変化させることができる。例えば、ノードNWSAの電圧を電圧VDDSA(トランジスタ25のソースの電圧)よりも高くすると、トランジスタ25の閾値電圧は低下する。なお、トランジスタ18をセンストランジスタとして用いても良い。
トランジスタ24は、ゲートに信号HSLnが入力され、電流経路の一端がノードSENに接続され、電流経路の他端がトランジスタ26の電流経路の一端(ドレイン)に接続される。また、トランジスタ24のバックゲートは、ノードNWSAに接続される。本実施形態では、ノードSENの電圧が電圧VDDSAよりも高い場合、ノードNWSAにノードSENの電圧よりも高い電圧が印加される。
トランジスタ26は、ゲートがバスLBUSに接続され、電流経路の他端(ソース)がノードNVSAに接続される。
容量素子27は、例えばノードSENとノードCLKSAとの間の配線間容量である。容量素子28は、例えばノードSENとノードCLKBDとの間の配線間容量である。容量素子29は、例えばノードSENに接続されるコンタクトプラグと、ノードCLKCSに接続されるコンタクトプラグとの間に生じる寄生容量(以下、「プラグ間容量」と呼ぶ)である。すなわち、容量素子27〜29は、ノードSENに対する寄生容量を示している。なお、ノードSENに接続される容量素子の数は、3つに限定されない。また、配線間容量やプラグ間容量を用いずに、各ノードあるいはコンタクトプラグとは別に上部電極と下部電極を有する容量素子をそれぞれ設けても良い。
スキャンユニットSCUでは、トランジスタ18及び25により第1インバータが構成され、トランジスタ19及びトランジスタ26により第2インバータが構成される。そして、第1インバータの入力及び第2インバータの出力がノードSENに接続され、第1インバータの出力及び第2インバータの入力がバスLBUSに接続される。従って、トランジスタ20、21、23、24がオン状態の場合、スキャンユニットSUCは、ノードSENが保持するデータの反転データをバスLBUSが保持するラッチ回路として機能する。
ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びTDLは、データを一時的に保持する。データの書き込み動作において、センスアンプユニットSAUは、ラッチ回路SDLの保持データに応じて、ビット線BLを制御する。その他のラッチ回路ADL、BDL、CDL、及びTDLは、例えば、個々のメモリセルトランジスタが2ビット以上のデータを保持する多値動作用に使用される。なお、ラッチ回路の個数は任意に設定可能であり、例えばメモリセルトランジスタMTが保持可能なデータ量(ビット数)に応じて設定される。
ラッチ回路SDLは、低耐圧nチャネルMOSトランジスタ40〜43及び低耐圧のpチャネルMOSトランジスタ44〜47を備えている。
トランジスタ40は、ゲートに信号STLが入力され、電流経路の一端がバスLBUSに接続され、電流経路の他端がノードLAT_Sに接続される。
トランジスタ41は、ゲートに信号STIが入力され、電流経路の一端がバスLBUSに接続され、電流経路の他端がノードINV_Sに接続される。
トランジスタ42は、ゲートがノードINV_Sに接続され、電流経路の一端(ソース)が接地され、電流経路の他端(ドレイン)がノードLAT_Sに接続される。
トランジスタ43は、ゲートがノードLAT_Sに接続され、電流経路の一端(ソース)が接地され、電流経路の他端(ドレイン)がノードINV_Sに接続される。
トランジスタ44は、ゲートがノードINV_Sに接続され、電流経路の一端がノードLAT_Sに接続される。
トランジスタ45は、ゲートがノードLAT_Sに接続され、電流経路の一端がノードINV_Sに接続される。
トランジスタ46は、ゲートに信号SLLが入力され、電流経路の一端(ドレイン)がトランジスタ44の電流経路の他端に接続され、電流経路の他端(ソース)に電源電圧VDDSAが印加される。
トランジスタ47は、ゲートに信号SLIが入力され、電流経路の一端(ドレイン)がトランジスタ45の電流経路の他端に接続され、電流経路の他端(ソース)に電源電圧VDDSAが印加される。
ラッチ回路SDLでは、トランジスタ42、44で第1インバータが構成され、トランジスタ43、45で第2インバータが構成されている。そして、第1インバータの出力及び第2インバータの入力(ノードLAT_S)が、データ転送用のトランジスタ40を介してバスLBUSに接続され、第1インバータの入力及び第2インバータの出力(ノードINV_S)が、データ転送用のトランジスタ41を介してバスLBUSに接続される。ラッチ回路SDLは、データをノードLAT_Sで保持し、その反転データをノードINV_Sで保持する。すなわち、ラッチ回路SDLは、スタティックラッチ回路である。
ラッチ回路ADL、BDL、CDL、TDLは、ラッチ回路SDLと同様の構成を有しているので、詳細な説明は省略するが、各トランジスタの参照番号及び信号名は、図5の通りラッチ回路SDLのものとは区別して以下説明する。ラッチ回路SDLのトランジスタ40〜47が、ラッチ回路ADLのトランジスタ50〜57、ラッチ回路BDLのトランジスタ60〜67、ラッチ回路CDLのトランジスタ70〜77、及びラッチ回路TDLのトランジスタ80〜87にそれぞれ相当する。そして各センスアンプユニットSAUにおいて、センス回路SA、スキャンユニットSCU、並びに5個のラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、TDLは、互いにデータを送受信可能なようにバスLBUSによって接続されている。
LBUSプリチャージ回路PCCは、バスLBUSをプリチャージする。LBUSプリチャージ回路PCCは、例えば低耐圧nチャネルMOSトランジスタ30を含む。トランジスタ30は、ゲートに信号LPCが入力され、電流経路の一端がバスLBUSに接続され、電流経路の他端がノードNVHLBに接続される。トランジスタ30は、ノードNVHLBを介して例えば電圧VDDSAあるいは電圧VSSを印加される。
DBUSスイッチ回路DSCは、バスLBUSとバスDBUSとを接続する。DBUSスイッチ回路DSCは、例えば低耐圧nチャネルMOSトランジスタ31を含む。トランジスタ31は、ゲートに信号DSWが入力され、電流経路の一端がバスLBUSに接続され、電流経路の他端がバスDBUSに接続される。
なお、上記構成のセンスアンプユニットSAUにおける各種信号は、例えば制御回路2によって与えられる。
1.1.4 容量素子の構成について
次に、容量素子27〜29の構成について、図6〜図9を用いて詳細に説明する。なお、図6において絶縁膜は省略されている。
図6に示すように、n型ウェル領域101及び素子分離領域の上方において、半導体基板に平行な第1方向D1に沿って、ノードCLKDBとして機能する配線層136_db、ノードSENとして機能する配線層136_sen、及びノードCLKSAとして機能する配線層136_saが、同じレイヤに設けられている。配線層136_dbと配線層136_senとの間の配線間容量が容量素子27に相当し、配線層136_senと配線層136_saとの間の配線間容量が容量素子28に相当する。
素子分離領域の上方において、半導体基板に平行で第1方向D1に垂直な第2方向D2に沿って、ノードCLKCSとして機能する配線層134_cs、及びノードSENとして機能する配線層134_senが設けられている。配線層134_cs及び配線層134_senは、配線層136_db、136_sen、及び136_saとは異なるレイヤに設けられている。配線層136_sen及び配線層134_senは、コンタクトプラグ135_senにより接続されている。
素子分離領域の上方において、第2方向D2に沿って、配線層134_cs及び配線層134_senとは異なるレイヤに、ノードCLKCSとして機能する配線層132_cs及びノードSENとして機能する配線層132_senが設けられている。配線層134_cs及び配線層132_csはコンタクトプラグ133_csにより接続されている。また、配線層134_sen及び配線層132_senはコンタクトプラグ133_senにより接続されている。コンタクトプラグ133_csとコンタクトプラグ133_senとの間のプラグ間容量が容量素子27に相当する。なお、コンタクトプラグ133_cs及びコンタクトプラグ133_senの個数は任意である。なお、配線層132_cs及び132_sen、並びにコンタクトプラグ133_cs及び133_senは、半導体基板に垂直な第3方向D3において、配線層136_db、136_sen、及び136_saの下層あるいは上層に設けられて良い。
次に、各配線層及びコンタクトプラグの断面構成について説明する。図7は、図6におけるI−I線に沿った断面図であり、配線層134_senを第2方向D2に沿って切断した断面図である。図8は、図6におけるII−II線に沿った断面図であり、コンタクトプラグ133_cs及びコンタクトプラグ133_senを第1方向D1に沿って切断した断面図である。図9は、コンタクトプラグ133_cs及び133_sen、並びにメモリセルアレイ7の断面図である。より具体的には、図9の例は、図8と同様に第1方向D1に沿って切断したコンタクトプラグ133_cs及び133_sen、並びにワード線WLが延びる方向に切断したメモリセルアレイ7の断面図を示している。なお、図9の例では、説明を簡略化するため、配線層111、112、及び113の一部が省略されている。図9においては、図3及び図8と異なる点についてのみ説明する。
まず、図7に示すように、半導体基板100上に、素子分離領域として機能する絶縁層130が設けられている。絶縁層130の上方に、絶縁層131を介して配線層132_senが設けられている。配線層132_senの上面に接するようにコンタクトプラグ133_senが設けられており、コンタクトプラグ133_senの上面に接するように配線層134_senが設けられている。また、配線層134_senの上面に接するようにコンタクトプラグ135_senが設けられており、コンタクトプラグ135_senの上面に接するように第1方向D1に延びる配線層136_senが設けられている。また、配線層136_senと同じレイヤに、第1方向D1に延びる配線層136_db及び136_saが、配線層136_senの両側にそれぞれ隣接するように設けられている。
次に、図8に示すように、絶縁層130(STI)の上方において、第2方向に延びる配線層132_cs及び132_senが互いに隣接して設けられている。配線層132_cs及び132_senの上面にそれぞれ接するように、コンタクトプラグ133_cs及び133_senがそれぞれ設けられている。そして、コンタクトプラグ133_cs及び133_senの上面に接するように、第2方向D2の延びる配線層134_cs及び134_senが設けられている。
次に、図9に示すように、半導体基板100上方に複数の配線層111、112、及び113が積層されている。そして配線層111、112、及び113を覆うように絶縁層131が設けられている。なお、絶縁層131は積層膜であっても良い。図3と同様に、配線層111、112、及び113を貫通するように、導電体114、ゲート絶縁膜115、電荷蓄積層116、及びブロック絶縁膜117によるピラー、すなわちNANDストリング8が設けられており、その上面にはビット線BLとして機能する配線層118が接続されている。更に配線層118の上面には、図示せぬ上方の配線層と接続するためのコンタクトプラグ140が設けられている。
配線層111、112、及び113は、第1方向D1に沿って延び、配線層111、112、及び113の一端は階段状に引き出されている。そして、配線層111、112、及び113の一端は、それぞれコンタクトプラグ141を介して、配線層118と同じレイヤに設けられた配線層142にそれぞれ接続されている。
絶縁層130の上方においては、図8で説明した通り、配線層132_cs及び132_senが設けられている。配線層132_cs及び132_senは、例えばメモリセルアレイ7の周辺に設けられたトランジスタのゲート配線層と同じレイヤに設けられる。また、例えば、配線層134_cs及び134_senは、配線層118及び142と同じレイヤに設けられる。このような配置においては、コンタクトプラグ133_cs及び133_senの高さは、NANDストリング8とほとんど同じになる。メモリセルアレイの構造(NANDストリング8の高さ)によっては、コンタクトプラグ133_cs及び133_senの高さが数μmになる場合がある。このような場合、配線層132_csと132_senとの間の配線間容量、あるいは配線層134_csと134_senとの間の配線間容量よりも、コンタクトプラグ133_cs及び133_senによるプラグ間容量の方が、容量が大きくなる場合がある。
1.2 メモリセルトランジスタの閾値分布について
次に、本実施形態に係るメモリセルトランジスタMTの取り得る閾値分布について、図10を用いて説明する。以下、本実施形態では、メモリセルトランジスタMTが8値(3ビット)のデータを保持可能な場合について説明するが、保持可能なデータは8値に限定されない。
図示するように、各々のメモリセルトランジスタMTの閾値電圧は、離散的な例えば8個の分布のいずれかに含まれる値を取る。この8個の分布を閾値の低い順にそれぞれ、“Er”レベル、“A”レベル、“B”レベル、“C”レベル、“D”レベル、“E”レベル、“F”レベル、及び“G”レベルと呼ぶことにする。
図10の(b)に示すように、“Er”レベルは、例えばデータの消去状態に相当する。そして“Er”レベルに含まれる閾値電圧は電圧VfyAよりも小さく、正または負の値を有する。
“A”〜“G”レベルは、電荷蓄積層に電荷が注入されてデータが書き込まれた状態に相当し、各分布に含まれる閾値電圧は例えば正の値を有する。“A”レベルに含まれる閾値電圧は、電圧VfyA以上であり、且つ電圧VfyB未満である(但し、VfyB>VfyA)。“B”レベルに含まれる閾値電圧は、電圧VfyB以上であり、且つ電圧VfyC未満である(但し、VfyC>VfyB)。“C”レベルに含まれる閾値電圧は、電圧VfyC以上であり、且つ電圧VfyD未満である(但し、VfyD>VfyC)。“D”レベルに含まれる閾値電圧は、電圧VfyD以上であり、且つ電圧VfyE未満である(但し、VfyE>VfyD)。“E”レベルに含まれる閾値電圧は、電圧VfyE以上であり、且つ電圧VfyF未満である(但し、VfyF>VfyE)。“F”レベルに含まれる閾値電圧は、電圧VfyF以上であり、且つ電圧VfyG未満である(但し、VfyG>VfyF)。そして、“G”レベルに含まれる閾値電圧は、電圧VfyG以上であり、且つ電圧VREAD及びVPASS未満である(但し、VREAD>VfyG)。なお、電圧VREAD及びVPASSは、それぞれデータの読み出し動作時及び書き込み動作時に非選択ワード線WLに印加され、メモリセルトランジスタMTをオン状態とさせる電圧である。
以上のように、各メモリセルトランジスタMTは、8個の閾値分布のいずれかを有することで、8種類の状態を取ることが出来る。これらの状態を、2進数表記で“000”〜“111”に割り当てることで、各メモリセルトランジスタMTは3ビットのデータを保持できる。この3ビットデータの各ビットをそれぞれ、上位ビット、中位ビット、及び下位ビットと呼ぶことがある。
図10の(a)に示すように、本実施形態では、“Er”〜“G”レベルに対するデータの割り当てを、“Er”レベルのデータは“111”とし、“A”レベルのデータは“110”とし、“B”レベルのデータは“100”とし、“C”レベルのデータは“000”とし、“D”レベルのデータは“010”とし、“E”レベルのデータは“011”とし、“F”レベルのデータは“001”とし、“G”レベルのデータは“101”とする。なお、各レベルに対するデータの割り当ては、任意に設定可能である。
なお、図10では8個のレベルが離散的に分布する場合を例に説明したが、これは例えばデータの書き込み直後の理想的な状態である。従って、現実的には隣接するレベルが重なることが起こり得る。例えばデータの書き込み後、ディスターブ等により“Er”レベルの上端と“A”レベルの下端とが重なる場合がある。このような場合には、例えばECC技術等を用いてデータが訂正される。
1.2 書き込み動作について
次に、データの書き込み動作について簡単に説明する。書き込み動作は、大まかにはプログラムとベリファイとを含む。以下、プログラムとベリファイの組み合わせをプログラムループと呼ぶ。プログラムループを繰り返すことで、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧はターゲットレベルまで上昇される。
プログラムは、電子を電荷蓄積層に注入することによりメモリセルトランジスタMTの閾値電圧を上昇させる(または注入を禁止することで閾値電圧を維持させる)動作のことである。例えば、プログラムの際、ラッチ回路SDLが“0”データを保持する場合、対象となるメモリセルトランジスタMTの閾値電圧は上昇され、ラッチ回路SDLが“1”データを保持する場合、対象となるメモリセルトランジスタMTの閾値電圧は維持される(書き込みを禁止(inhibit)される)。以下、“0”データに対応するプログラムを“0”プログラム、“1”データに対応するプログラムを“1”プログラムと呼ぶ。
本実施形態では、“0”プログラムにおいて、目標とするベリファイレベル(例えば“A”レベルに対応する電圧VfyA)とメモリセルトランジスタMTの閾値電圧との差に応じて、閾値電圧の変動量が比較的大きい第1プログラム条件、あるいは第1プログラム条件よりも閾値電圧の変動量が小さい第2プログラム条件のいずれかが適用される。例えば、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧がベリファイレベルより十分に低く、1回のプログラムでは目標とするベリファイレベルに達しない場合、閾値電圧の変動量が比較的大きい第1プログラム条件が適用される。また、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が目標とするベリファイレベルに比較的近く、第1プログラム条件を適用すると閾値電圧がベリファイレベルを大きく超えてしまう場合、第2プログラム条件が適用される。
より具体的には、第1プログラム条件と第2プログラム条件とは、ビット線BLの電圧が異なる。例えば、第1プログラム条件に対応するビット線BLに電圧VSSが印加される。そして、第2プログラム条件に対応するビット線BLに印加される電圧をVQPWとし、“1”プログラムに対応するビット線BLに印加される電圧をVBLとする。すると、電圧VSS、電圧VQPW、及び電圧VBLは、VBL>VQPW>VSSの関係にある。
なお、本実施形態では、“0”プログラムにおいて、第1及び第2プログラム条件を適用する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、“0”プログラムに対応するプログラム条件は1つでも良く、3つ以上のプログラム条件が設けられても良い。
以下、“0”プログラムにおいて、第1プログラム条件を適用するビット線をBL(“0”)、第2プログラム条件を適用するビット線をBL(“QPW”)と表記する。また、“1”プログラムに対応するビット線をBL(“1”)と表記する。
ベリファイは、プログラムの後、データを読み出し、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が目標とするターゲットレベルに達したか否かを判定する動作である。以下、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧がターゲットレベルに達している場合を、「ベリファイをパスした」と呼び、ターゲットレベルまで達していない場合を、「ベリファイをフェイルした」と呼ぶ。
本実施形態では、プログラムの後、ターゲットレベルが異なる第1及び第2ベリファイを実行する。第1ベリファイでは、ターゲットレベルとしてベリファイレベルよりも低い電圧(以下、「電圧VL」とする)が設定され、第2ベリファイでは、例えばベリファイレベルと同じ電圧(以下、「電圧VH」とする)が設定される。第1ベリファイをフェイルした場合(閾値電圧<VL)、次のプログラムにおいては、第1プログラム条件が適用される。第1ベリファイをパスし、第2ベリファイをフェイルした場合(VL≦閾値電圧<VH)、次のプログラムにおいては、第2プログラム条件が適用される。第2ベリファイをパスした場合(VH≦閾値電圧)、その後のプログラムにおいては、書き込み禁止とされる。
第1ベリファイと第2ベリファイとは、ビット線BLの電圧(すなわち、対象となるメモリセルトランジスタMTの状態)をセンスする期間、すなわち信号XXLを“H”レベルにして、ノードSENの電荷をビット線BLに転送する期間が異なる。以下、第1ベリファイにおけるセンス動作を「第1センス(1st sense)」と呼び、そのセンス期間を「第1センス期間」と呼ぶ。また、第2ベリファイにおけるセンス動作を「第2センス(2nd sense)」と呼び、そのセンス期間を「第2センス期間」と呼ぶ。
ノードSENの電圧が低下していく速度は、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧とベリファイレベルとの電位差により異なる。例えば、閾値電圧が電圧VL(第1ベリファイレベル)未満の場合、対象となるメモリセルトランジスタMTは強いオン状態となる。この場合、ノードSENの電圧は、急激に低下する。また、閾値電圧が、電圧VL以上、電圧VH(第2ベリファイレベル)未満の場合、メモリセルトランジスタMTは弱いオン状態となる。この場合、ノードSENの電位は、比較的緩やかに低下する。このため、第1センス期間と第2センス期間を、異なる期間とすることにより、電圧VL以上、電圧VH未満となる閾値電圧を有するメモリセルトランジスタMTを判別することができる。
より具体的には、第1センス期間を第2センス期間よりも短くする。第1センス期間は第2センス期間より短いため、強いオン状態となるメモリセルトランジスタMT、すなわち、電圧VL未満の閾値電圧を有するメモリセルトランジスタMTは、第1ベリファイをフェイルしたと判定され、電圧VL以上の閾値電圧を有するメモリセルトランジスタMTは、第1ベリファイをパスしたと判定される。他方で、第2センス期間は第1センス期間によりも長いため、弱いオン状態となるメモリセルトランジスタMTに対応するノードSENも十分に電圧が低下する。このため、電圧VH(第2ベリファイレベル)未満の閾値電圧を有するメモリセルトランジスタMTは第2ベリファイをフェイルしたと判定され、電圧VH以上の閾値電圧を有するメモリセルトランジスタMTは第2ベリファイをパスしたと判定される。
なお、ベリファイに関しては、例えば“THRESHOLD DELECTING METHOD AND VERIFY METHOD OF MEMORY CELLS”という2011年3月21日に出願された米国特許出願13/052,148号に記載されている。この特許出願は、その全体が本願明細書において参照により援用されている。
1.2.1 書き込み動作の全体の流れについて
まず、書き込み動作の全体の流れについて、図11を用いて説明する。なお、本実施形態では、説明を簡略化するため、1回のプログラムループにおいて、1つのベリファイレベルに対応したベリファイ動作を実行する場合について説明するが、メモリセルトランジスタMTが多値(2ビット以上)のデータを保持する場合、1回のプログラムループにおいて、複数のベリファイレベルに対応したベリファイ動作が実行されても良い。
図示するように、制御回路2は、外部コントローラから受信したプログラムデータを受信する(ステップS10)。例えば、外部コントローラから受信したプログラムデータが3ビットのデータである場合、上位ビット、中位ビット、及び下位ビットの各データは、それぞれラッチ回路ADL、BDL、及びCDLに格納される。そして、ラッチ回路ADL、BDL、及びCDLに格納されたデータは、書き込みレベル(“A”〜“G”レベル)に応じて論理演算が行われ、その結果がラッチ回路SDLに格納される。より具体的には、例えば、“A”レベルの書き込みを行う場合、ラッチ回路ADL、BDL、及びCDLのデータによるAND演算が行われ、“Er”レベルに対応するラッチ回路SDLには、“1”データ(“H”レベル)が格納され、“A”〜“G”レベルに対応するラッチ回路SDLには、“0”データ(“L”レベル)が格納される。
次に、センスアンプ5は、ラッチ回路SDLが保持するデータに応じて、ビット線BLを充電する(以下、「BLプリチャージ」と呼ぶ)。1回目のプログラムでは、第2プログラム条件は適用されないため、“0”データ、すなわち“0”プログラムに対応してビット線BL(“0”)に電圧VSSが印加され、“1”データ、すなわち“1”プログラムに対応してビット線BL(“1”)に電圧VBLが印加される(ステップS11)。
次に、ロウデコーダ4は、選択ワード線WLに電圧VPGMを印加し、対象となるメモリセルトランジスタMTにデータを書き込む(ステップS12)。より具体的には、ロウデコーダ4は、選択ブロックBLKにおいて、いずれかのワード線WLを選択し、選択ワード線WLに電圧VPGMを印加し、その他の非選択ワード線WLに電圧VPASSを印加する。電圧VPGMは、電子を電荷蓄積層に注入するための高電圧である。電圧VPASSは、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧によらず、メモリセルトランジスタMTをオン状態にする電圧である。電圧VPGMと電圧VPASSとは、VPGM>VPASSの関係にある。これにより、対象となるメモリセルトランジスタMTに“1”または“0”データが書き込まれる。
次に、制御回路2は、第1ベリファイを実行する(ステップS13)。第1ベリファイでは、閾値電圧のターゲットレベルとして電圧VLに応じた第1センスが行われる。そして、第1ベリファイの結果に応じて、例えばラッチ回路TDLのデータが更新される。
次に、制御回路2は、第2ベリファイを実行する(ステップS14)。第2ベリファイでは、閾値電圧のターゲットレベルとして電圧VHに応じた第2センスが行われる。そして、第2ベリファイの結果に応じて、例えばラッチ回路SDLのデータが更新される。
次に、制御回路2は、ベリファイ判定を行う(ステップS15)。より具体的には、第2ベリファイによるフェイルビット数が、予め設定された規定数未満の場合、ベリファイをパスしたと判定し(ステップS15_Yes)、書き込み動作を完了させる。
他方で、フェイルビット数が、規定数以上の場合、ベリファイをフェイルしたと判定する(ステップS15_No)。そして、制御回路2は、プログラム回数が予め設定された規定回数に達している場合(ステップS16_Yes)、書き込み動作を終了し、外部機器に書き込み動作が正常に終了しなかった旨を通知する。
また、プログラム回数が規定回数に達していない場合(ステップS16_No)、制御回路2は、次のプログラムループに移行する。
より具体的には、センスアンプ5は、まず第2ベリファイの結果に応じてラッチ回路SDLのデータを更新した後、ビット線BL(“1”)に電圧VBLを印加し、ビット線(“QPW”)及びビット線BL(“0”)に電圧VSSを印加する(ステップS17)。
次に、センスアンプ5は、第1ベリファイの結果(ラッチ回路TDLのデータ)に応じて、ラッチ回路SDLのデータを更新した後、ラッチ回路SDLのデータに応じてビット線BL(“QPW”)に電圧VQPWを印加する(ステップS18)。このとき、ビット線BL(“1”)はフローティング状態とされているため、電圧VQPWは印加されない。またビット線BL(“0”)には電圧VSSが印加される。
次に、ステップS12に戻り、ロウデコーダ4は、選択ワード線WLに電圧VPGMを印加し、次のプログラムが実行される。
1.2.2 プログラムにおける各配線の電圧について
次に、プログラムにおける各配線の電圧について、図12を用いて説明する。
図12は、プログラム動作における各配線の電位変化を示している。図示するように、まず、センスアンプ5は、ラッチ回路SDLのデータに応じて、各ビット線BLのプリチャージを行う。より具体的には、センスアンプユニットSAU内において、ラッチ回路SDLに“1”データ(“H”レベルのデータ)が保持されている場合、ノードINV_Sは“L”レベルとなるため、トランジスタ17がオン状態となる。この状態において、信号BLS及びBLXが“H”レベルとされて、トランジスタ10及び13がオン状態とされる。そして、信号BLCが“H”レベルとされて、トランジスタ11のゲートに電圧“VBL+Vt11”(Vt11はトランジスタ11の閾値電圧)が印加されると、ビット線BLに電圧VBLが印加される。すなわち、ビット線BL(“1”)には、電圧VBLが印加される。他方で、ラッチ回路SDLに“0”データ(“L”レベルのデータ)が保持されている場合、ノードINV_Sは“H”レベルとなるため、トランジスタ15がオン状態とされる。ノードSRCGNDに電圧VSSが印加されている場合、対応するビット線BLには電圧VSSが印加される。すなわち、ビット線BL(“0”)及びビット線BL(“QPW”)には、電圧VSSが印加される。
また、ロウデコーダ4は、いずれかのブロックBLKを選択し、更にいずれかのストリングユニットSUを選択する。そして、選択されたストリングユニットSUにおけるセレクトゲート線SGDに電圧VSD1を印加する。選択トランジスタST1の閾値電圧をVtsgとすると、電圧VSD1は、“VBL+Vtsg”以上の電圧で、選択トランジスタST1をオン状態とさせる電圧である。他方で、セレクトゲート線SGSに電圧VSSを印加することで、選択トランジスタST2をオフ状態とさせる。
更に、ロウデコーダ4は、選択ブロックBLKにおける非選択ストリングユニットSU及び非選択ブロックBLKにおける非選択ストリングユニットSUのセレクトゲート線SGD及びSGSに電圧VSSを印加して、選択トランジスタST1及びST2をオフ状態とさせる。
またソース線SLには、例えばソース線ドライバ(不図示)を介して、電圧VCELSRC(>VSS)が印加される。
その後、ロウデコーダ4は、選択ブロックBLKにおける選択ストリングユニットSUにおけるセレクトゲート線SGDに電圧VSD2を印加する。電圧VSD2は、電圧VSD1及び電圧VBLよりも低い電圧で、電圧VSSを印加された選択トランジスタST1はオンさせるが、電圧VBLを印加された選択トランジスタST1はカットオフさせる電圧である。これにより、ビット線BL(“1”)に対応するNANDストリング8のチャネルはフローティング状態となる。また、センスアンプ5は、センスアンプユニットSAU内のトランジスタ11において、信号BLCの“H”レベルの電圧を“VQPW+Vt11”とする。電圧VSD2と電圧VPQWとは、VSD2>VPQWの関係にある。これにより、電圧VBLが印加されていたビット線BL(“1”)に対応するセンスアンプユニットSAUにおいては、トランジスタ11がカットオフ状態とされ、ビット線BL(“1”)はフローティング状態となる。
次に、センスアンプ5は、例えばラッチ回路TDLのデータに応じてラッチ回路SDLのデータを更新する。この結果、ビット線BL(“QPW”)に対応するセンスアンプユニットSAUにおいては、ラッチ回路SDLのデータが“0”データから“1”データに更新される。従って、センスアンプ5は、ビット線(“QPW”)に電圧VQPWを印加する。
次に、ロウデコーダ4は、選択ブロックBLKにおいていずれかのワード線WLを選択し、選択ワード線に電圧VPGMを印加し、その他の非選択ワード線WLに電圧VPASSを印加する。
ビット線BL(“0”)に対応するNANDストリング8では、選択トランジスタST1がオン状態となる。そして、選択ワード線WLに接続されたメモリセルトランジスタMTのチャネル電位はVSSとなる。よって、制御ゲートとチャネルとの間の電位差が大きくなり、その結果、電子が電荷蓄積層に注入されて、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が上昇される。
ビット線BL(“1”)に対応するNANDストリング8では、選択トランジスタST1がカットオフ状態となる。そのため、選択ワード線WLに接続されたメモリセルトランジスタMTのチャネルは電気的にフローティングとなり、ワード線WL等との容量カップリングによりチャネル電位は上昇する。よって、制御ゲートとチャネルとの間の電位差が小さくなり、その結果、電子は電荷蓄積層に注入されず、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧は維持される(閾値分布レベルがより高い分布に遷移するほどには閾値電圧は変動しない)。
ビット線BL(“QPW”)に対応するNANDストリング8では、選択トランジスタST1がオン状態となる。そして、選択ワード線WLに接続されたメモリセルトランジスタMTのチャネル電位はVQPW(>VSS)となる。よって、制御ゲートとチャネルとの間の電位差は、チャネル電位がVSSの場合よりも小さくなる。その結果、電荷蓄積層に注入される電子量は、ビット線BL(“0”)に対応するメモリセルトランジスタMTよりも少なくなり、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧の変動量も少なくなる。
1.2.3 ベリファイにおけるセンスアンプユニットの各配線の電圧について
次に、ベリファイにおけるセンスアンプユニットSAU内の各配線の電圧について、図13及び図14を用いて説明する。図13及び図14の例は、第1及び第2ベリファイを実施する際の連続するタイミングチャートを示している。図13の時刻t1〜t16の間に第1ベリファイが実行され、図14の時刻t16〜t30の間に、第2ベリファイが実行される。
本例では、第1ベリファイでは、対象となる全てのビット線BLのプリチャージを行い、第2ベリファイでは、第1ベリファイをフェイルしたビット線BLにのみプリチャージを実施する場合を示している。なお、本実施形態においては、第1ベリファイにおける第1センス期間が、第2ベリファイにおける第2センス期間よりも短い場合について説明するが、これに限定されない。例えば、第1及び第2ベリファイにおけるセンス期間を同じとし、第1及び第2ベリファイにおける読み出し電圧VCGRVが異なっていても良い。電圧VCGRVは、ベリファイにおいて、選択ワード線WLに印加される電圧であり、ベリファイレベルに応じて設定される電圧である。電圧VCGRVと電圧VREADとは、VCGRV<VREADの関係にある。例えばロウデコーダ4は、第1ベリファイにおいて選択ワード線WLに電圧VCGRV1(=VL)を印加し、第2ベリファイにおいて、選択ワード線WLに電圧VCGRV2(=VH)を印加しても良い。
まず、第1ベリファイについて説明する。図13に示すように、時刻t1において、制御回路2は、信号BLC及びBLXを“H”レベルにする。信号BLXの“H”レベルの電圧値は、信号BLCの“H”レベルの電圧値“VBL+Vt11”よりも高い。トランジスタ17及びトランジスタ10がオン状態の場合、対応するビット線BLには、トランジスタ11(信号BLC)でクランプされた電圧VBLが印加される。ビット線BLのプリチャージは、時刻t1〜t6の間、行われる。
電圧発生回路3は、制御回路2の制御により、ノードNWSAに電圧VDDSAを印加している。更に、電圧発生回路3は、ノードNVSAに電圧VDDSAを印加し、ノードNVHLBに電圧VSSを印加している。更に、電圧発生回路3は、ノードCLKSA、CLKDB、CLKCSに電圧VSSを印加している。
時刻t2において、制御回路2は、信号LPCを“H”レベルにしてトランジスタ30をオン状態にする。これにより、バスLBUSは、ノードNVHLBを介して電圧VSSを印加され、“L”レベルにされる。また、制御回路2は、信号LSLを“H”レベルにし、信号HSLnを“L”レベルにしてトランジスタ21及び24をオン状態にする。バスLBUSが“L”レベルのため、トランジスタ26はオン状態になり、ノードSENは、ノードNVSAを介して電圧VDDSAを印加される。
トランジスタ21及び24をオン状態にした後、時刻t2〜t3の間に、制御回路2は、信号LLSを“H”レベルにしてトランジスタ20をオン状態とする。ノードSENには電圧VDDSAが印加されているため、トランジスタ18はオン状態になる。これにより、バスLBUSはノードCLKSAに電気的に接続され、電圧VSSを印加される。すなわち、スキャンユニットSCU内のトランジスタ18、19、25、及び26により構成されるラッチ回路は、ノードSENが“H”レベルのデータを保持し、バスLBUSが“L”レベルのデータを保持する状態となる。
時刻t3において、制御回路2は、信号STBnを“L”レベルにしてトランジスタ23をオン状態にする。トランジスタ20、21、23、24がオン状態となるため、スキャンユニットSCUによりノードSENの保持データの論理レベルが確定される。
また、電圧発生回路3は、ノードNWSAに電圧VDDSAよりも高い電圧VNW1を印加する。電圧VNW1は、後述するノードSENの電圧VBSTよりも高い電圧である。
トランジスタ23をオン状態にした後、時刻t3〜t4の間に、制御回路2は、信号LPCを“L”レベルにしてトランジスタ30をオフ状態にする。LBUSプリチャージ回路PCCからバスLBUSに電圧VSSが印加されなくなるため、バスLBUSは、スキャンユニットSCUにより、保持データの論理レベルが確定される。すなわちノードSENが“H”レベルのデータを保持しているため、バスLBUSはノードSENの保持データの反転データである“L”レベルのデータを保持する。
時刻t4において、制御回路2は、信号LSLを“L”レベルにし、信号HSLnを“H”レベルにして、トランジスタ21及び24をオフ状態にする。ノードSENでは、フローティング状態となり、バスLBUSの保持データに関わらず、“H”レベルのデータ(電圧VDDSA)が維持される。
トランジスタ21及び24をオフ状態にした後、時刻t4〜t5の間に、制御回路2は、信号STBnを“H”レベルにし、信号LLSを“L”レベルにして、トランジスタ20及び23をオフ状態にする。バスLBUSは、フローティング状態とされ、“L”レベルのデータが維持される。すなわち、時刻t2〜t5の間に、ノードSENは電圧VDDSAを充電され、フローティング状態とされる(以下、「セットアップ」と呼ぶ)。
時刻t5において、電圧発生回路3は、ノードCLKSA、ノードCLKDB、及びノードCLKCSに電圧VDDSAを印加する(以下、「クロックアップ」と呼ぶ)。この結果、容量素子27〜29は充電され、ノードSENの電圧は、容量カップリングの影響により電圧VBSTに上昇する。電圧VBSTは、クロックアップにより上昇したノードSENの電圧であり、電圧VDDSAよりも高い電圧である。
時刻t6〜t7の間、制御回路2は、第1センスを実行する。具体的には、時刻t6〜t7の間、制御回路2は、信号XXLを“H”レベルにしてトランジスタ16をオン状態にする。信号XXLの“H”レベルの電圧値は、信号BLXの“H”レベルの電圧値よりも高い。この状態において、ベリファイ対象となるメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が第1ベリファイレベル以上の場合、メモリセルトランジスタMTはオフ状態(以下、「オフセル(off-cell)」と呼ぶ)となり、対応するビット線BLからソース線SLに電流はほとんど流れない。よって、ノードSEN及び容量素子27〜29に充電された電荷はほとんど放電されず、ノードSENの電圧値はほとんど変動しない。他方で、ベリファイ対象となるメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が第1ベリファイレベル未満の場合、メモリセルトランジスタMTはオン状態(以下、「オンセル(on-cell)」と呼ぶ)となり、対応するビット線BLからソース線SLに電流が流れる。信号XXLの“H”レベルの電圧値は信号BLXの“H”レベルの電圧値よりも高いため、ノードSEN及び容量素子27〜29に充電された電荷は放電される。すなわち、ノードSENの電圧が低下していく。
時刻t8において、電圧発生回路3は、ノードCLKSA、ノードCLKDB、及びノードCLKCSに電圧VSSを印加する(以下、「クロックダウン」と呼ぶ)。この結果、容量カップリングの影響により、ノードSENの電圧は低下する。
センストランジスタ25の閾値電圧をVt25とすると、トランジスタ25におけるノードSENの判定電圧は“VDDSA−Vt25”となる。具体的には、オフセルに対応するノードSENの電圧は、“VDDSA−Vt25”以上、VDDSA以下となる。また、オンセルに対応するノードSENの電圧は、VSS以上、“VDDSA−Vt25”未満となる。
時刻t9において、電圧発生回路3は、ノードNWSAに電圧VNW2を印加する。電圧VNW2は、センストランジスタ25の閾値電圧のばらつきを抑制するために印加される電圧で、チップ(NAND型フラッシュメモリ1)毎に最適値が異なる。電圧VNW1、電圧VNW2、及び電圧VDDSAは、VNW1>VNW2>VDDSAの関係にある。この状態において、制御回路2は、まず信号STBnを“L”レベルにし、トランジスタ23をオン状態にする。オフセルに対応するトランジスタ25はオフ状態であるため、バスLBUSは“L”レベルを維持する。オンセルに対応するトランジスタ25はオン状態のため、バスLBUSには電圧VDDSA(“H”レベル)が印加される。
時刻t9〜t10の間、制御回路2は、信号LLSを“H”レベルにしてトランジスタ20をオン状態にしても良い。例えば、フローティング状態のバスLBUSの電圧(VSS)が、隣接する配線の影響(容量カップリング)により上昇し、“L”レベル(電圧VSS)を維持できていない可能性がある。このような場合、トランジスタ20をオンさせることにより、バスLBUSの保持データの“L”レベルを再度確定させる。なお、制御回路2は、信号LLSを“H”にしなくても良い。
時刻t10において、制御回路2は、信号HSLnを“L”レベルにしてトランジスタ24をオン状態にする。バスLBUSの保持データが“L”レベルの場合、すなわちオフセルの場合、トランジスタ26がオン状態となるため、ノードSEN(図13の(1))は、電圧VDDSAが印加され、“H”レベルとされる。すなわち、オフセルに対応するノードSEN(1)では、保持データの論理レベルが“H”レベルに確定される。
時刻t11において、制御回路2は、信号LSLを“H”レベルにしてトランジスタ21をオン状態にする。バスLBUSの保持データが“H”レベルの場合、すなわちオンセルの場合、トランジスタ19がオン状態となるため、ノードSEN(図13の(2))は、電圧VSSが印加され、“L”レベルとされる。よって、オンセルに対応するノードSEN(2)では、保持データの論理レベルが“L”レベルに確定される。
時刻t12において、制御回路2は、信号LLSを“H”レベルにしてトランジスタ20をオン状態とする。これにより、トランジスタ20、21、23、24がオン状態となるため、スキャンユニットSCUによりノードSENの保持データの論理レベルが確定される。すなわち、時刻t9〜t13の間に、ノードSENのデジタイズが実行される。
時刻t13において、デジタイズが完了すると、電圧発生回路3はノードNWSAに電圧VDDSAを印加する。また、制御回路2は、第1ベリファイの結果に応じてラッチ回路TDLを更新するため、ラッチ回路TDLにおいて、信号TLLを“H”レベルにしてトランジスタ86をオフ状態にする。
時刻t14において、制御回路2は、信号TTLを“H”状態にしてトランジスタ80をオン状態にする。“H”レベルのデータを保持するノードSEN(1)に対応するセンスアンプユニットSAUでは、バスLBUSが“L”レベルのデータを保持するため、ラッチ回路TDLのノードLAT_Tも“L”レベルのデータを保持する。他方で、“L”レベルのデータを保持するノードSEN(2)に対するセンスアンプユニットSAUでは、バスLBUSが“H”レベルのデータを保持するため、ラッチ回路TDLのノードLAT_Tも“H”レベルのデータを保持する。
時刻t15において、制御回路2は、信号TTLを“L”レベルにしてトランジスタ80をオフ状態にし、信号TLLを“H”レベルにしてトランジスタ86をオン状態にする。これによりラッチ回路TDLの論理データが確定し、第1ベリファイが終了する。
次に、第2ベリファイについて説明する。第1ベリファイと異なる点は、第2ベリファイでは、第1ベリファイ終了時にノードSENの論理レベルが確定しているため、ノードSENのセットアップは省略される。また、本例では、第2ベリファイの結果に応じてラッチ回路SDLが更新される。以下の説明では、第1ベリファイと異なる点についてのみ説明する。
図14に示すように、時刻t16において、電圧発生回路3は、ノードNWSAに電圧VDDSAよりも高い電圧VNW1を印加する。
時刻t17〜t26における動作は、時刻t4〜13における動作とほぼ同じである。時刻t19〜t20の間に、第2センスが実行され、時刻t22〜t26の間に、デジタイズが実行される。第1ベリファイと異なり、第2ベリファイではノードSENのセットアップが実行されない。このため、第1ベリファイでオンセルとなったメモリセルトランジスタMTに対応するノードSEN(2)では、保持データが“L”レベルの状態(ノードSENの電圧値がVSSの状態)で第2センスが実行される。第2ベリファイの結果、第1及び第2ベリファイでオフセルとなったメモリセルトランジスタMTに対応するノードSEN(1−1)は、“H”レベルのデータを保持する。第1ベリファイでオフセルとなり、第2ベリファイでオンセルとなったメモリセルトランジスタMTに対応するノードSEN(1−2)は、第1ベリファイでオンセルとなったメモリセルトランジスタMTに対応するノードSEN(2)と同じく、“L”レベルのデータを保持する。
時刻t26において、電圧発生回路3はノードNWSAに電圧VDDSAを印加する。また、制御回路2は、第2ベリファイの結果に応じてラッチ回路SDLを更新するため、ラッチ回路SDLにおいて、信号SLLを“H”レベルにしてトランジスタ46をオフ状態にする。
時刻t27において、制御回路2は、信号STLを“H”状態にしてトランジスタ40をオン状態にする。“H”レベルのデータを保持するノードSEN(1−1)に対応するセンスアンプユニットSAUでは、バスLBUSが“L”レベルのデータを保持するため、ラッチ回路SDLのノードLAT_Sも“L”レベルのデータを保持する。“L”レベルのデータを保持するノードSEN(1−2)及び(2)に対するセンスアンプユニットSAUでは、バスLBUSが“H”レベルのデータを保持するため、ラッチ回路SDLのノードLAT_Sも“H”レベルのデータを保持する。
時刻t28において、制御回路2は、信号STLを“L”レベルにしてトランジスタ40をオフ状態にし、信号SLLを“H”レベルにしてトランジスタ46をオン状態にする。これによりラッチ回路SDLの論理データが確定し、第2ベリファイが終了する。
時刻t29〜30の間に、リカバリ処理が行われ、ベリファイ動作は終了する。
なお、図13及び図14の例では、時刻t1〜t30を同じ間隔で図示しているが、各時刻間の時間間隔は、それぞれ異なっていても良い。例えば、ビット線BLのプリチャージを行っている時刻t1〜t6の間の時間が長くても良い。また、第1センスの期間(時刻t6〜t7の間)は、第2センスの期間(時刻t19〜t20)よりも短い。
1.3 本実施形態に係る効果について
本実施形態に係る構成であれば、半導体記憶装置の信頼性を向上できる。以下、本効果につき、説明する。
データの読み出し(又はベリファイ)において、センスアンプユニットのノードSENに読み出されたデータ(アナログデータ)は、ラッチ回路に格納される際に“H”/“L”レベルの論理レベルが確定(デジタイズ)される。従って、データを保持するラッチ回路が複数ある場合、ラッチ回路を構成するトランジスタの閾値電圧がばらつくと、データを格納するラッチ回路により“H”/“L”レベルの判定が異なる場合がある。
また、ノードSENの電圧をセンスするセンストランジスタの閾値電圧が、製造ばらつきや動作温度の影響により、チップ(半導体記憶装置)毎にばらついた場合、センスの誤判定が生じる場合がある。
これに対し、本実施形態に係る構成では、スキャンユニットSCUがスタティックラッチ回路となっている。よって、ノードSENに読み出されたデータは、スキャンユニットSCU内でデジタイズされるため、データを格納するラッチ回路による“H”/“L”レベルの判定のばらつきを抑制することができる。従って、半導体記憶装置の信頼性を向上することができる。
更に本実施形態に係る構成では、センストランジスタの基板バイアスを制御することができる。より具体的には、ゲートにノードSENが接続されたpチャネルMOSトランジスタ25の基板バイアスを制御できる。よって、センストランジスタの閾値電圧のばらつきを抑制し、センスの誤判定を抑制することができる。従って、半導体記憶装置の信頼性を向上することができる。
更に、pチャネルMOSトランジスタ24の基板バイアスを制御できる。本効果につき、以下説明する。例えばトランジスタ24は、ノードSENがp+型不純物拡散層(ソースまたはドレイン)に接続されており、ノードNWSAがn型ウェル(バックゲート)に接続されている。このため、ノードSENの電圧がノードNWSAよりも高くなると、ノードSENからノードNWSAに順バイアスが生じ、電流が流れてしまう。これに対し、本実施形態に係る構成では、例えば、クロックアップによりノードSENに電圧VDDSAよりも高い電圧が印加された場合において、トランジスタ24の基板バイアス(ノードNWSA)を、ノードSENの電圧よりも高くすることができる。よって、トランジスタ24において、ソース(またはドレイン)から基板(バックゲート側)に順バイアスが印加されるのを抑制できるため、基板に電流が流れるのを抑制することができる。すなわち、ノードSENから基板に電流が流れるのを抑制することができる。従って、半導体記憶装置の信頼性を向上することができる。
更に、例えば第1及び第2ベリファイを連続して行う場合、第1ベリファイにおけるデジタイズ終了後、“H”レベルのデータを保持するノードSENの電圧は、電圧VDDSAになっているため、再度、ノードSENのセットアップ(再充電)を行う必要がない。このため書き込み動作の処理時間を短縮できるため、半導体記憶装置の処理能力を向上することができる。
更に、第2ベリファイにおいては、第1ベリファイでフェイルしたビット線BLには、プリチャージを行わないため、半導体記憶装置の消費電力を低減することができる。
更に、スキャンユニットSCUがスタティックラッチ回路となっているため、スキャンユニットSCUからバスLBUSに電源電圧を印加する(バスLBUSをドライブする)ことができる。よって、LBUSプリチャージ回路PCCは、バスLBUSに接地電圧VSSを印加できれば良く、バスLBUSに電源電圧VDDSAを印加する必要がない。このため、信号LPCの“H”レベルの電圧を電源電圧VDDSAよりも高い電圧にする必要がなく、電圧発生回路を簡略化できる。
更に、ノードSENが、nチャネルMOSトランジスタ18のゲートとpチャネルMOSトランジスタ25のゲートに接続されているため、トランジスタ18あるいはトランジスタ25のいずれかをセンストランジスタとして用いることができる。
更に、ノードSENに複数の容量素子27〜29が接続される。これにより、ノードSENの寄生容量を大きくできる。また、これらの容量素子27〜29にそれぞれ接続されるノードSEN、ノードCLKBD、及びノードCLKCSを選択的にクロックアップしてノードSENの電圧を上昇させることができる。
更に、容量素子27〜29は、配線間容量あるいはプラグ間容量である。このため、容量素子を追加する必要が無く、半導体記憶装置のチップ面積の増加を抑制できる。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、センストランジスタの閾値電圧のばらつきを抑制するために、ノードNVSAの電圧値を制御する方法について説明する。以下、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
2.1 センスアンプユニットの構成について
まず、センスアンプユニットSAUの構成について、図15を用いて説明する。以下、第1実施形態の図5と異なる点についてのみ説明する。
図15に示すように、本実施形態におけるセンスアンプユニットSAUでは、第1実施形態の図5における低耐圧pチャネルMOSトランジスタ24が低耐圧nチャネルMOSトランジスタ32に置き換わり、トランジスタ32のゲートに信号HSLが入力されている。他の構成は、図5と同じである。
2.2 ベリファイにおけるセンスアンプユニットの各配線の電圧について
次に、ベリファイにおけるセンスアンプユニットSAU内の各配線の電圧について、図16及び図17を用いて説明する。以下では、第1実施形態の図13及び図14と異なる点についてのみ説明する。
図16に示すように、時刻t2において、制御回路2は、信号HSLを“H”レベルにしてトランジスタ32をオン状態にする。信号HSLの“H”レベルの電圧をVHSLとすると、電圧VHSLは、トランジスタ32に電圧VDDSAを転送させる必要があるため、VHSL≧“VDDSA+Vt32”(Vt32はトランジスタ32の閾値電圧)となる。また、電圧発生回路3は、ノードNWSAに電圧VNW2を印加する。本実施形態では、トランジスタ32がnチャネルMOSトランジスタであるため、ノードNWSAに、電圧VNW1(>VBST)を印加する必要はない。
時刻t4において、制御回路2は、信号HSLを“L”レベルにしてトランジスタ32をオフ状態にする。
時刻t5において、電圧発生回路3は、ノードNVSAに電圧VDDSASENを印加する。電圧VDDSASENは、センストランジスタ25の閾値電圧のばらつきに応じて設定される電圧である。例えば、トランジスタ25の閾値電圧のばらつき(変動量)をΔVt25とすると、VDDSASEN=VDDSA−ΔVt25になる。
時刻t10において、制御回路2は、信号HSLを“H”レベルにしてトランジスタ32をオン状態にする。これにより、オフセルに対応するノードSEN(1)では、保持データの論理レベルが“H”レベルに確定される。
時刻t13において、電圧発生回路3は、ノードNVSAに電圧VDDSAを印加する。すなわち、第1センス及びデジタイズの間、ノードNVSAには電圧VDDSASENが印加される。
図14に示すように、時刻t16において、電圧発生回路3は、ノードNWSAに電圧VNW2を印加する。
時刻t17〜t26における動作は、時刻t4〜13とほぼ同じである。但し、第1実施形態と同様に、第1ベリファイでオンセルとなったメモリセルトランジスタMTに対応するノードSEN(2)は、“L”レベルの状態で第2センスが実行される。
2.3 本実施形態に係る効果について
本実施形態に係る構成であれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
更に、本実施形態に係る構成では、センストランジスタ25のソース電圧値を適宜制御することができる。これにより、センストランジスタ25の閾値電圧のばらつきを抑制でき、センスの誤判定を抑制することができる。従って、半導体記憶装置の信頼性を向上することができる。
また、スキャンユニットSCUに含まれ且つノードSENに接続されるトランジスタ32をnチャネルMOSトランジスタで構成している。これにより、pチャネルMOSトランジスタで問題となるn型ウェルへの順方向バイアスを防ぐことができる。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。第1及び第2実施形態と異なる点は、ラッチ回路SDLの構成と、2つのセンスアンプユニットSAUのスキャンユニットSCU及びバスLBUSがバスDBUS以外の配線で互いに接続可能とされている点である。以下、第1及び第2実施形態と異なる点について説明する。
3.1 センスアンプとデータラッチの構成について
まず、センスアンプ5とデータラッチ6の構成について、図18を用いて説明する。
図示するように、センスアンプ5は、複数の接続回路LCCを含む。接続回路LCCは、バスDBUS以外のノードを用いて、2つのセンスアンプユニットSAUを必要に応じて接続させるための回路である。例えば、一方のセンスアンプユニットSAUにおいて、データの演算処理(ノードSENのデータの反転、AND演算、及びOR演算等を含む)を行う場合に、接続回路LCCを介して他方のセンスアンプユニットSAUを用いることができる。図18の例では、接続回路LCCは、偶数番目のセンスアンプユニット(例えばSAU0)と奇数番目のセンスアンプユニット(例えばSAU1)とを互いに接続する。なお、接続回路LCCに接続されるセンスアンプユニットSAUの組み合わせは任意である。
次に、センスアンプ5の構成の詳細について、図19を用いて説明する。図19の例は、センスアンプユニットSAU0及びSAU1を示しているが、他のセンスアンプユニットSAUの組も同じ構成である。以下の説明では、例えばセンスアンプユニットSAU0のバスLBUSと、センスアンプユニットSAU1のバスLBUSを区別する場合、センスアンプユニットSAU0のバスLBUSを「LBUS0」、センスアンプユニットSAU1のバスLBUSを「LBUS1」と表記する。他のノード及び信号についても同様である。なお、以下の説明では、主にセンスアンプユニットSAU0を用いて説明する。
センスアンプユニットSAUは、第1及び第2実施形態と同様に、センス回路SA,スキャンユニットSCU、LBUSプリチャージ回路PCC、DBUSスイッチ回路DSC、並びにラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、並びにTDLを含む。
本実施形態におけるセンスアンプユニットSAUでは、ラッチ回路SDLは、容量素子を用いてデータを保持するラッチ回路(以下、「ダイナミックラッチ回路」と呼ぶ)から構成される。ダイナミックラッチ回路の構成については後述する。このため、ラッチ回路SDLは、バスLBUS及びノードSENを介してスキャンユニットSCUに接続されている。また、DBUSスイッチ回路DSCは、ノードSENに接続されている。
センスアンプユニットSAU0及びSAU1のスキャンユニットSCUは、それぞれノードPXP0及びノードPXP1を介して接続回路LCCに接続されている。また、センスアンプユニットSAU0のバスLBUS0及びセンスアンプユニットSAU1のバスLBUS1が接続回路LCCに接続されている。
3.2 センスアンプユニット及び接続回路の回路構成について
次に、センスアンプユニットSAU及び接続回路LCCの回路構成について、図20を用いて説明する。図20の例では、説明を簡略化するため、センスアンプユニットSAU0において、第1及び第2実施形態と構成が同じであるセンス回路SA、DBUSスイッチ回路DSC、LBUSプリチャージ回路PCC、並びにラッチ回路ADL、BDL、CDL、及びTDLをブロックで示し、回路図を省略している。また、センスアンプユニットSAU1においては、スキャンユニットSCUのみを示し、他の回路は省略している。
図20に示すように、本実施形態におけるスキャンユニットSCUは、第2実施形態と同様に、ノードSENに接続されるnチャネルMOSトランジスタ32を備えている。また、第1及び第2実施形態と異なり、ノードSENとバスLBUSとを接続するトランジスタ22が廃されている。
ラッチ回路SDLは、低耐圧nチャネルMOSトランジスタ90〜92及び容量素子94を含む。
トランジスタ90は、ゲートに信号SDI(SDI0)が入力され、電流経路の一端がバスLBUS(LBUS0)に接続され、電流経路の他端がノードINV_Sに接続されている。
トランジスタ91は、ゲートがノードINV_Sに接続され、電流経路の一端(ソース)が接地され(電圧VSSが印加される接地電圧配線に接続され)、電流経路の他端(ドレイン)がトランジスタ92の電流経路の一端に接続される。
トランジスタ92は、ゲートに信号SDO(SDO0)が入力され、電流経路の他端がノードSEN(SEN0)に接続されている。
容量素子94は、例えばノードINV_Sと電圧VSSが印加される接地電圧配線との間の配線間容量である。容量素子94は、ノードINV_Sの“H”レベルあるいは“L”レベルのデータを保持する。なお、配線容量を用いずに、ノードINV_S及び接地電圧配線とは別に上部電極と下部電極を有する容量素子を設けて、上部電極をノードINV_Sに接続し、下部電極を接地しても良い。
ラッチ回路SDLは、バスLBUSからトランジスタ90を介して入力されたデータを容量素子94に保持し、トランジスタ92を介してノードSEN(SEN0)に出力する。
接続回路LCCは、低耐圧pチャネルMOSトランジスタ33〜35を含む。
トランジスタ33は、ゲートに信号L2Lnが入力され、電流経路の一端がセンスアンプユニットSAU0のバスLBUS0及びトランジスタ35の電流経路の一端に接続され、電流経路の他端がセンスアンプユニットSAU1のバスLBUS1及びトランジスタ34の電流経路の一端に接続されている。
トランジスタ34は、ゲートに信号NRI0が入力され、電流経路の他端が、ノードPXP0に接続されている。ノードPXP0は、センスアンプユニットSAU0のトランジスタ26の電流経路の一端及びトランジスタ32の電流経路の他端に接続されている。
トランジスタ35は、ゲートに信号NRI1が入力され、電流経路の他端が、ノードPXP1に接続されている。ノードPXP1は、センスアンプユニットSAU1のトランジスタ26の電流経路の一端及びトランジスタ32の電流経路の他端に接続されている。
すなわち、接続回路LCCは、センスアンプユニットSAU0のノードPXP0とセンスアンプユニットSAU1のバスLBUS1とを接続し、センスアンプユニットSAU0のバスLBUS0とセンスアンプユニットSAU1のノードPXP1とを接続する(以下、このような接続を「クロスカップル接続」と呼ぶ)。
なお、接続回路LCCのトランジスタ33〜35は、低耐圧nチャネルMOSトランジスタに置き換えてもよい。
3.3 ノードSENのデータを反転せる場合の各配線の電圧について
次に、接続回路LCCを用いる場合の一例として、ノードSENの保持データを反転させる場合の各配線の電圧について、図21を用いて説明する。図21は、センスアンプユニットSAU0及びSAU1、並びに接続回路LCCの各配線の電圧を示すタイミングチャートである。図21の例は、接続回路LCC及びセンスアンプユニットSAU1を用いて、センスアンプユニットSAU0のノードSENの保持データを反転させる場合を示している。
図21の例では、センスアンプユニットSAU0とセンスアンプユニットSAU1を区別するため、センスアンプユニットSAU0におけるノードSEN、バスLBUS、並びに信号STBn、LLS、HSL、LSL、及びLPCをそれぞれノードSEN0、バスLBUS0、並びに信号STBn0、LLS0、HSL0、LSL0、及びLPC0と表記している。また、センスアンプユニットSAU1におけるノードSEN、バスLBUS、並びに信号STBn、LLS、HSL、LSL、及びLPCをそれぞれノードSEN1、バスLBUS1、並びに信号STBn1、LLS1、HSL1、LSL1、及びLPC1と表記している。更に、ノードSEN0が初期状態で保持しているデータをデータDSEN0、ノードSEN1が保持しているデータをデータDSEN1とする。
図21に示すように、まず時刻t1において、ノードSEN0は、“H”(または“L”)レベルのデータDSEN0を保持し、バスLBUSは、データDSEN0の反転データ/DSEN0を保持している。同様に、ノードSEN1は、“H”(または“L”レベル)のデータDSEN1を保持し、バスLBUSは、データDSEN1の反転データ/DSEN1を保持している。制御回路2は、信号STBn1を“H”レベルにし、信号LLS1、HSL1、及びLSL1を“L”レベルにしてセンスアンプユニットSAU1内のトランジスタ20、21、23、及び32をオフ状態にする。これによりノードSEN1は、バスLBUS1の状態によらず、データDSEN1を保持する。
この状態で、制御回路2は、信号LPC1を“H”レベルにしてセンスアンプユニットSAU1内のトランジスタ30をオン状態にし、バスLBUS1に電圧VSSを印加する。すなわち、制御回路2は、バスLBUS1を“L”レベルにする。
時刻t2において、制御回路2は、信号LPC1を“L”レベルにしてセンスアンプユニットSAU1内のトランジスタ30をオフ状態にする。
時刻t3において、制御回路2は、接続回路LCCの信号L2Lnを“L”レベルにしてトランジスタ33をオン状態にする。これにより、バスLBUS0のデータ/DSEN0が、バスLBUS1に転送される。すなわち、バスLBUS1は、データ/DSEN0を保持する。
時刻t4において、制御回路2は、信号L2Lnを“H”レベルにしてトランジスタ33をオフ状態にする。
時刻t5において、制御回路2は、信号STBn0を“H”レベルにし、信号LLS0、HSL0、及びLSL0を“L”レベルにしてセンスアンプユニットSAU0内のトランジスタ20、21、23、及び32をオフ状態にする。これによりノードSEN0は、バスLBUS0の状態によらず、データDSEN0を保持する。
時刻t6において、制御回路2は、信号LPC0を“H”レベルにしてセンスアンプユニットSAU0内のトランジスタ30をオン状態にし、バスLBUS0に電圧VSSを印加する。すなわち、制御回路2は、バスLBUS0を“L”レベルにする。
時刻t7において、制御回路2は、信号LPC0を“L”レベルにしてセンスアンプユニットSAU0内のトランジスタ30をオフ状態にする。
時刻t8において、制御回路2は、信号NRI1を“L”レベルにしてトランジスタ35をオン状態にする。これにより、バスLBUS0にバスLBUS1の反転データ、すなわちデータDSEN0が転送される。より具体的には、データDSEN0が“H”レベルの場合、バスLBUS1の保持するデータ/DSEN0は“L”レベルになる。すると、センスアンプユニットSAU1内のトランジスタ26がオン状態となり、ノードPXP1は“H”レベルとされる(電圧VDDSAを印加される)。よって、バスLBUS0は、“H”レベルになる。他方で、データDSEN0が“L”レベルの場合、バスLBUS1の保持するデータ/DSEN0は“H”レベルになる。すると、センスアンプユニットSAU1内のトランジスタ26がオフ状態となり、ノードPXP1は“L”レベルとされる。よって、バスLBUS0は、“L”レベルになる。
時刻t9において、制御回路2は、信号NRI1を“H”レベルにしてトランジスタ35をオン状態にする。
時刻t10において、制御回路2は、信号HSL0及びLSL0を“H”レベルにしてセンスアンプユニットSAU0内のトランジスタ21及び32をオン状態にする。これによりバスLBUS0の反転データ/DSEN0がノードSEN0に転送される。すなわちノードSEN0が初期状態で保持していたデータが反転される。
また、制御回路2は、信号STBn1を“L”レベルにし、信号LLS1を“H”レベルにして、センスアンプユニットSAU1内のトランジスタ20及び23をオン状態にする。これによりノードSEN1の保持データDSEN1の反転データ/DSEN1がバスLBUS1に転送される。
時刻t11において、制御回路2は、信号STBn0を“L”レベルにし、信号LLS0を“H”レベルにして、センスアンプユニットSAU0内のトランジスタ20及び23をオン状態にする。これによりノードSEN0及びバスLBUS0の保持データが論理的に確定される。
また制御回路2は、信号HSL1及びLSL1を“H”レベルにしてセンスアンプユニットSAU1内のトランジスタ21及び32をオン状態にする。これによりノードSEN1及びバスLBUS1の保持データが論理的に確定される。よって、ノードSEN1及びバスLBUS1は、初期状態のデータを維持する。
なお、図21の例では、時刻t1〜t11を同じ間隔で図示しているが、各時刻間の時間間隔は、それぞれ異なっていても良い。
3.4 ベリファイにおけるセンスアンプユニットの各配線の電圧について
次に、ベリファイにおけるセンスアンプユニットSAU内の各配線の電圧について、図22及び図23を用いて説明する。図22及び図23の例は、第1及び第2ベリファイを実施する際の連続するタイミングチャートを示している。図22の時刻t1〜t23の間に第1ベリファイが実行され、図14の時刻t23〜t41の間に、第2ベリファイが実行される。図22及び図23の例は、nチャネルMOSトランジスタ18をセンストランジスタに用いる場合を示している。なお、第1及び第2実施形態と同様に、pチャネルMOSトランジスタ25をセンストランジスタとして用いても良い。なお、図22及び図23では、各参照符号において特定のセンスアンプユニットSAUを示す末尾の番号は省略されている。例えば、「SEN0」ではなく「SEN」と表記している。以下の説明も同様である
まず、第1ベリファイについて説明する。図22に示すように、時刻t1において、図13のt1と同様に、制御回路2は、信号BLC及びBLXを“H”レベルにする。これにより、ビット線BLのプリチャージが開始される。ビット線BLのプリチャージは、時刻t1〜t10の間、行われる。
時刻t2において、制御回路2は、信号LPCを“H”レベルにしてトランジスタ30をオン状態にする。これにより、バスLBUSは、電圧VSSを印加され、“L”レベルにされる。制御回路2は、信号HSLを“H”レベルにしてトランジスタ32をオン状態にする。このときの信号HSLの“H”レベルの電圧をVX2とする。電圧VX2と電圧VDDSAとは、VX2≧(VDDSA+Vt32)の関係にある。また、制御回路2は、信号LSLを“H”レベルにしてトランジスタ21をオン状態にする。これにより、ノードSENには、電圧VDDSAが印加される。
時刻t3において、制御回路2は、信号LLSを“H”レベルにし、トランジスタ20をオン状態にする。
時刻t4において、制御回路2は、信号STBnを“L”レベルにしてトランジスタ23をオン状態にする。その後、時刻t4〜t5の間に、制御回路2は、信号LPCを“L”レベルにしてトランジスタ30をオフ状態にする。これにより、ノードSENの保持データの論理レベルが確定する。
時刻t5において、電圧発生回路3は、ノードCLKDBに電圧VDDSAを印加する。例えばノードSENとノードCLKDBとは接続され、同じ電圧VDDSAが供給される。なお、電圧VDDSAを印加されるノードはノードCLKDBに限定されない、ノードCLKSAでも良く、ノードCLKCSでも良い。更に、電圧VDDSAを印加されるノードは1つで無くても良く、2つ以上選択されても良い。このとき、ノードSENの電位は、トランジスタ32がオン状態のため、電圧VDDSAに維持される。
時刻t6において、制御回路2は、信号HSLの“H”レベルの電圧を“Vt32+Vt32+VSENP”とする。電圧VSENPは、nチャネルMOSトランジスタ18をセンストランジスタに用いた場合のノードSENのセットアップ電圧であり、トランジスタ18の閾値電圧に応じて設定される。電圧VSENPは、電圧VDDSAよりも低い電圧である。
時刻t7において、電圧発生回路3は、ノードCLKDBに電圧VSSを印加する。このとき、ノードSENは、ノードCLKBDのクロックダウンの影響により、電圧が多少下がる。但し、トランジスタ32がオン状態のため、信号HSLでクランプされた電圧“Vt32+VSENP”まで再度充電される。
時刻t8において、電圧発生回路3は、ノードNVHLBに電圧VDDSAを印加する。制御回路2は、信号STBnを“H”レベルにし、信号LSL、HSL、及びLLSを“L”レベルにして、トランジスタ20、21、23、32をオフ状態にする。そして、制御回路2は、信号LPCを“H”レベルにしてトランジスタ30をオン状態にする。このとき、トランジスタ30のゲートには、信号LPCの“H”レベルの電圧として、例えば電圧VHSLが印加される。この結果、トランジスタ30がオン状態となり、ノードNVHLBを介してバスLBUSには電圧VDDSAが印加される。
時刻t9において、電圧発生回路3は、ノードCLKSA及びノードCLKDBに電圧VDDSAを印加し、ノードCLKCSに例えば電圧VDDSAよりも高い電圧VCBを印加する。電圧VCBは、ノードSENの電圧を、必要な電圧まで昇圧(ブースト)させるためにノードCLKCSに印加される電圧である。電圧VCBは、容量素子28の容量(プラグ間容量)等に応じて設定される。この結果、容量素子27〜29は充電され、ノードSENの電圧は上昇する。
時刻t10〜t11の間、制御回路2は、第1センスを実行する。具体的には、時刻t10〜t11の間、制御回路2は、信号XXLを“H”レベルにしてトランジスタ16をオン状態にする。オフセルに対応するノードSENの電圧は、ほとんど変動せず、オンセルに対応するノードSENの電圧は、低下していく。
時刻t12において、電圧発生回路3は、ノードCLKSA、ノードCLKDB、及びノードCLKCSに電圧VSSを印加する。この結果、容量カップリングの影響により、ノードSENの電圧は低下する。
時刻t13において、制御回路2は、信号LPCを“L”レベルにしてトランジスタ30をオフ状態にする。
時刻t14において、制御回路2は、信号LPCを“H”レベルにしてトランジスタ30をオン状態にして、バスLBUSに電圧VDDSAを再充電する。
時刻t15において、制御回路2は、信号LPCを“L”レベルにしてトランジスタ30をオフ状態にする。なお、時刻t13〜t15における、信号LPCのオフ/オン動作は省略されても良い。すなわち、バスLBUSは、時刻t15まで充電され続けていても良い。
時刻t16において、制御回路2は、信号LLSを“H”レベルにしてトランジスタ20をオン状態にする。センストランジスタ18がオフ状態の場合(オンセルの場合)、バスLBUSに印加された電圧VDDSAは維持される。他方でセンストランジスタ18がオン状態の場合(オフセルの場合)、バスLBUSには、電圧VSSが印加される。すなわち、オンセルに対応するバスLBUSには“H”レベルのデータが保持され、オフセルに対応するバスLBUSには“L”レベルのデータが保持される。
時刻t17において、制御回路2は、信号LSLを“H”レベルとしてトランジスタ21をオン状態とする。バスLBUSが“H”レベルのデータを保持する場合、トランジスタ19がオン状態となるため、ノードSENには電圧VSSが印加される。すわなち、バスLBUSが“H”レベルのデータを保持する場合、ノードSENの保持データの論理レベルは、“L”レベルに確定される(2)。
時刻t18において、制御回路2は、信号HSLを“H”レベルにして、トランジスタ32のゲートに電圧VX2を印加する。これにより、トランジスタ32はオン状態となる。バスLBUSが“L”レベルのデータを保持する場合、トランジスタ26がオン状態となるため、ノードSENに電圧VDDSAが印加される。すなわち、バスLBUSが“L”レベルのデータを保持する場合、ノードSENの保持データの論理レベルは、“H”レベルに確定される(1)。これにより、ノードSENの保持データの論理レベルが確定する。すなわち、時刻t16〜t20の間に、ノードSENのデジタイズが実行される。
時刻t20〜t23において、図13の時刻t13〜t16と同様に、制御回路2は、第1ベリファイの結果に応じてラッチ回路TDLを更新する。
次に、第2ベリファイについて説明する。図23に示すように、時刻t23〜t38における動作は、時刻t5〜20における動作とほぼ同じである。時刻t28〜t29の間に、第2センスが実行され、時刻t34〜t38の間に、デジタイズが実行される。第2ベリファイでは、第1ベリファイでオンセルとなったメモリセルトランジスタMTに対応するノードSEN(2)は、保持データが“L”レベルの状態で第2センスが実行される。よって、第2ベリファイの結果、第1及び第2ベリファイでオフセルとなったメモリセルトランジスタMTに対応するノードSEN(1−1)は、“H”レベルのデータを保持する。第1ベリファイでオフセルとなり、第2ベリファイでオンセルとなったメモリセルトランジスタMTに対応するノードSEN(1−2)は、第1ベリファイでオンセルとなったメモリセルトランジスタMTに対応するノードSEN(2)と同じく、“L”レベルのデータを保持する。
時刻t38〜t39の間、制御回路2は、信号SDIを“H”レベルにしてトランジスタ90をオン状態にする。これによりラッチ回路SDLにバスLBUSのデータ(ノードSENの反転データ)が格納される。より具体的には、バスLBUSが“H”レベルのデータを保持する場合、容量素子94が充電され、ノードINV_Sは“H”レベルのデータを保持する。バスLBUSが“L”レベルのデータを保持する場合、容量素子94は電荷が放電され、ノードINV_Sは“L”レベルのデータを保持する。
時刻t40〜41の間、リカバリ処理が行われ、ベリファイ動作は終了する。
なお、図22及び図23の例では、時刻t1〜t41を同じ間隔で図示しているが、第1及び第2実施形態と同様に、各時刻間の時間間隔は、それぞれ異なっていても良い。
3.5 本実施形態に係る効果について
本実施形態に係る構成であれば、第1及び第2実施形態と同様の効果が得られる。
更に、本実施形態に係る構成では、ラッチ回路SDLがダイナミックラッチ回路で構成されているため、スタティックラッチ回路に比べて、ラッチ回路を構成する素子数を低減することができる。よって、半導体記憶装置のチップ面積の増加を抑制することができる。
更に、本実施形態に係る構成では、2つのセンスアンプユニットSAUのバスLBUSとノードPXPとをクロスカップル接続させる接続回路LCCが設けられている。これにより、一方のセンスアンプユニットSAUにおけるデータ演算処理(例えばノードSENのデータ反転)を、接続回路LCC及び他方のセンスアンプユニットSAUを用いて実行させることができる。従って、センスアンプユニットSAUは、必要なラッチ回路の個数を削減することができる。よって、半導体記憶装置のチップ面積の増加を抑制することができる。
4.第4実施形態
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、LBUSプリチャージ回路PCC及び接続回路LCCの構成が第3実施形態と異なる。以下、第3実施形態と異なる点についてのみ説明する。
4.1 センスアンプユニット及び接続回路の構成について
まず、センスアンプユニットSAU及び接続回路LCCの構成について、図24を用いて説明する。図24の例では、説明を簡略化するため、第1乃至第3実施形態と回路構成が同じであるセンス回路SA、DBUSスイッチ回路DSC、並びにラッチ回路ADL、BDL、CDL、及びTDLをブロックで示している。接続回路LCCに接続されるセンスアンプユニットSAU1は省略されている。また、スキャンユニットSCUとラッチ回路SDLの回路構成は第3実施形態の図20と同じなので、説明を省略する。
図24に示すように、LBUSプリチャージ回路PCCは、低耐圧nチャネルMOSトランジスタ30及び201、並びに低耐圧pチャネルMOSトランジスタ200を含む。
トランジスタ30は、ゲートに信号LPC(LPC0)が入力され、電流経路の一端がバスLBUSに接続され、電流経路の他端がノードNVHLBに接続される。
トランジスタ201は、ゲートに信号IREFC(IREFC0)が入力され、電流経路の一端(ドレイン)がノードNVHLBに接続され、電流経路の他端(ソース)が接地されている。信号IREFCは、ビット線に電圧を印加する際、ビット線BLに流れる電流を制御するための信号であり、信号IREFCによりクランプされた電流がトランジスタ201を流れる。
トランジスタ200は、電流経路の一端(ソース)に電圧VDDSAが印加され、ゲート及び電流経路の他端(ドレイン)がノードNVHLBに接続される。すなわちトランジスタ200はダイオード接続されている。トランジスタ200は、センス回路SA内のトランジスタ17とカレントミラーを構成する。より具体的には、トランジスタ30及び90がオン状態の場合、トランジスタ200のゲートは、ノードNVHLB、バスLBUS、及びノードINV_Sを介してトランジスタ17のゲートに接続される。従って、トランジスタ201を用いてトランジスタ200に流れる電流を制御すると、トランジスタ17を介してビット線BLに流れる電流を制御できる。
なお、トランジスタ200及び201は、ビット線BLに流れる電流を制御する際に用いられる。例えば、ノードNVHLBに電圧VDDSAあるいは電圧VSSを印加する場合には、図示せぬセレクタ回路を介してノードNVHLBに、電圧VDDSAあるいは電圧VSSが印加される。
本実施形態における接続回路LCCは、低耐圧nチャネルMOSトランジスタ202〜204を含む。
トランジスタ202は、ゲートに信号L2Lが入力され、電流経路の一端がセンスアンプユニットSAU0のバスLBUS0及びトランジスタ204の電流経路の一端に接続され、電流経路の他端がセンスアンプユニットSAU1のバスLBUS1及びトランジスタ203の電流経路の一端に接続されている。
トランジスタ203は、ゲートに信号NRI0が入力され、電流経路の他端が、ノードNXN0に接続されている。ノードNXN0は、センスアンプユニットSAU0のトランジスタ21の電流経路の一端及びトランジスタ19の電流経路の他端に接続されている。
トランジスタ204は、ゲートに信号NRI1が入力され、電流経路の他端が、ノードNXN1に接続されている。ノードNXN1は、センスアンプユニットSAU1のトランジスタ21の電流経路の一端及びトランジスタ19の電流経路の他端に接続されている。
すなわち、本実施形態における接続回路LCCは、センスアンプユニットSAU0のノードNXN0とセンスアンプユニットSAU1のバスLBUS1とを接続し、センスアンプユニットSAU0のバスLBUS0とセンスアンプユニットSAU1のノードNXN1とをクロスカップル接続する。
4.2 本実施形態に係る効果について
本実施形態に係る構成であれば、第3実施形態と同様の効果が得られる。
更に、本実施形態に係る構成では、センスアンプ5がビット線BLを充電する際、ビット線BLに流れる電流を制御することができる。本効果につき、具体的に説明する。
例えばベリファイ動作において、オンセルの判定に必要なセル電流(対象となるメモリセルトランジスタMTを流れる電流)に対し、メモリセルトランジスタMTの特性によっては、倍以上のセル電流が流れ、消費電力を増加させる場合がある。これに対し、本実施形態に係る構成では、ビット線BLに流れる電流、すなわちセル電流を制御できる。よって、消費電力の増加を抑制することができる。
4.変形例等
上記実施形態に係る半導体記憶装置は、第1メモリセル(MT0@図2)と、第1メモリセルに接続された第1ビット線(BL0@図2)と、第1ビット線に接続された第1センスアンプ(SAU0@図4)とを備える。第1センスアンプは、第1メモリセルのデータに応じて第1ビット線に電荷が転送される第1ノード(SEN@図5)と、第1ノードに接続された第1容量素子(27@図5)と、第1ノードに接続され、第1ノードのデータを保持する第1スタティックラッチ回路(SCU@図5)とを含む。
上記実施形態を適用することにより、信頼性を向上できる半導体記憶装置を提供できる。なお、実施形態は上記説明した形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、第3及び第4実施形態において、接続回路LCCに接続された一方のセンスアンプユニットSAUだけ動作させる場合に、他方のセンスアンプユニットSAUのラッチ回路にデータを保持しても良い。より具体的には、例えば図20において、センスアンプユニットSAU1を使用しない場合、接続回路LCCはトランジスタ33をオン状態にして、センスアンプユニットSAU0のバスLBUS0とセンスアンプユニットSAU1のバスLBUS1とを電気的に接続する。そして、センスアンプユニットSAU0において必要なデータを、例えばセンスアンプユニットSAU1のラッチ回路ADL、BDL、CDL、及びTDLのいずれかに格納することができる。これにより、1つのセンスアンプユニットSAUに含まれるラッチ回路の個数を削減することができる。
更に上記実施形態において、ノードCLKDBはバスDBUSであっても良い。
更に、上記実施形態と異なる三次元積層型NAND型フラッシュメモリ、あるいは平面型NAND型フラッシュメモリにも適用できる。更には、NAND型フラッシュメモリに限定されず、データを保持可能な記憶素子を用いた半導体記憶装置においても適用できる。
更に、上記実施形態における「接続」とは、間に例えばトランジスタあるいは抵抗等、他の何かを介在させて間接的に接続されている状態も含む。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、本発明に関する各実施形態において、以下の通りであっても良い。例えばメモリセルトランジスタMTが2ビット(4値)のデータを保持可能であり、4値のいずれかを保持している際の閾値レベルを低い方からEレベル(消去レベル)、Aレベル、Bレベル、及びCレベルとしたとき、
(1)読み出し動作では、Aレベルの読み出し動作に選択されたワード線に印加される電圧は、例えば0V〜0.55Vの間である。これに限定されることなく、0.1V〜0.24V、0.21V〜0.31V、0.31V〜0.4V、0.4V〜0.5V、及び0.5V〜0.55Vのいずれかの間にしても良い。
Bレベルの読み出し動作に選択されたワード線に印加される電圧は、例えば1.5V〜2.3Vの間である。これに限定されることなく、1.65V〜1.8V、1.8V〜1.95V、1.95V〜2.1V、及び2.1V〜2.3Vのいずれかの間にしても良い。
Cレベルの読み出し動作に選択されたワード線に印加される電圧は、例えば3.0V〜4.0Vの間である。これに限定されることなく、3.0V〜3.2V、3.2V〜3.4V、3.4V〜3.5V、3.5V〜3.6V、及び3.6V〜4.0Vのいずれかの間にしても良い。
読み出し動作の時間(tR)としては、例えば25μs〜38μs、38μs〜70μs、または70μs〜80μsの間にしても良い。
(2)書き込み動作は、上述した通りプログラム動作とベリファイ動作を含む。書き込み動作では、プログラム動作時に選択されたワード線に最初に印加される電圧は、例えば13.7V〜14.3Vの間である。これに限定されることなく、例えば13.7V〜14.0V及び14.0V〜14.6Vのいずれかの間としても良い。
奇数番目のワード線を書き込む際の、選択されたワード線に最初に印加される電圧と、偶数番目のワード線を書き込む際の、選択されたワード線に最初に印加される電圧を変えても良い。
プログラム動作をISPP方式(Incremental Step Pulse Program)としたとき、ステップアップの電圧として、例えば0.5V程度が挙げられる。
非選択のワード線に印加される電圧としては、例えば6.0V〜7.3Vの間としてもよい。この場合に限定されることなく、例えば7.3V〜8.4Vの間としてもよく、6.0V以下としても良い。
非選択のワード線が奇数番目のワード線であるか、偶数番目のワード線であるかで、印加するパス電圧を変えても良い。
書き込み動作の時間(tProg)としては、例えば1700μs〜1800μs、1800μs〜1900μs、または1900μs〜2000μsの間にしても良い。
(3)消去動作では、半導体基板上部に形成され、且つ、上記メモリセルが上方に配置されたウェルに最初に印加する電圧は、例えば12V〜13.6Vの間である。この場合に限定されることなく、例えば13.6V〜14.8V、14.8V〜19.0V、19.0〜19.8V、または19.8V〜21Vの間であっても良い。
消去動作の時間(tErase)としては、例えば3000μs〜4000μs、4000μs〜5000μs、または4000μs〜9000μsの間にしても良い。
(4)メモリセルの構造は、半導体基板(シリコン基板)上に膜厚が4〜10nmのトンネル絶縁膜を介して配置された電荷蓄積層を有している。この電荷蓄積層は膜厚が2〜3nmのSiN、またはSiONなどの絶縁膜と膜厚が3〜8nmのポリシリコンとの積層構造にすることができる。また、ポリシリコンにはRuなどの金属が添加されていても良い。電荷蓄積層の上には絶縁膜を有している。この絶縁膜は、例えば、膜厚が3〜10nmの下層High−k膜と膜厚が3〜10nmの上層High−k膜に挟まれた膜厚が4〜10nmのシリコン酸化膜を有している。High−k膜はHfOなどが挙げられる。また、シリコン酸化膜の膜厚はHigh−k膜の膜厚よりも厚くすることができる。絶縁膜上には膜厚が3〜10nmの仕事関数調整用の材料を介して膜厚が30nm〜70nmの制御電極が形成されている。ここで仕事関数調整用の材料はTaOなどの金属酸化膜、TaNなどの金属窒化膜である。制御電極にはWなどを用いることができる。
また、メモリセル間にはエアギャップを形成することができる。