JP5705903B2 - 操作において開モードと閉モードとの切り替えを簡単に行う加工チェンバ設計を用いてマイクロ電子加工品を加工するための道具および方法 - Google Patents

操作において開モードと閉モードとの切り替えを簡単に行う加工チェンバ設計を用いてマイクロ電子加工品を加工するための道具および方法 Download PDF

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Description

〔優先権〕
仮出願ではない本特許出願は、2008年5月9日出願の米国仮特許出願(出願番号:61/127,129、発明者:Lauerhaas et al.、タイトル:操作において開モードと閉モードの切り替えを簡単に行う加工チェンバ設計を用いてマイクロ電子加工品を加工するための道具および方法)に基づく権利を主張するものである。上記仮特許出願の全内容は、参照により、本明細書に含まれる。
本発明は、液体および/またはガスを含む1つ以上の処理流体を用いてマイクロ電子基板を加工するために用いられる道具に関する。より具体的には、本発明は、処理チェンバを周囲環境と接続させるための増幅供給方法を用いて、必要に応じ、処理チェンバを周囲環境から隔離したり、周囲環境と接続させたりすることのできる改良型加工チェンバ設計を有するような道具に関する。
マイクロ電子産業は、マイクロ電子装置を作成するための多様な加工に基づいている。これら加工の中には、所望の方法に基づいて異なる種類の処理流体を加工品に接触させる一連の処理を含むものも多数ある。これらの流体としては、液体、ガス、またはそれらの混合が挙げられる。上記処理の中には、固体が液体中に懸濁されたり溶解されている構成や、または固体がガス中に混入されている構成であってもよいものもある。
マイクロ電子加工品を加工するための革新的な道具が、以下の特許出願に記載されている。すなわち、本願譲受人の同時係属米国特許出願であり、現在は米国特許公報(番号:US-2007/0022948-A1)として公開されている特許出願(以下、同時係属出願1と称する);本願譲受人の同時係属米国特許出願であり、2006年3月15日にCollins et al.名義で出願され、出願番号が11/376,996であり、タイトルが「1つ以上の処理流体を用いてマイクロ電子加工品を加工するために用いられる道具における使用を目的とするバリア構造およびノズル装置」であり、代理人整理番号がFSI0166USであり、公開番号がUS-2007-0245954-A1であり、PCT公開出願WO2006/107550の対応となる特許出願(以下、同時係属出願番号2と称する);本願譲受人の同時係属米国特許出願であり、出願番号が11/820,709であり、2007年6月20日にCollins et al.名義で出願され、タイトルが「1つ以上の処理流体を用いてマイクロ電子加工品を加工するために用いられる道具における使用を目的とするバリア構造およびノズル装置」であり、代理人整理番号がFSI0202/USであり、公開番号がUS-2008-0008834-A1である特許出願(以下、同時係属出願番号3と称する);本願譲受人の同時係属米国特許仮出願であり、出願番号が60/963,840であり、Dekraker et al.によって2007年8月7日に出願され、タイトルが「1つ以上の処理流体を用いてマイクロ電子加工品を加工するために用いられる道具におけるバリアプレートおよびベンチュリ抑制システムのための洗浄方法」であり、代理人整理番号がFSI0215/P1である特許出願である。これらの同時係属米国特許出願およびこれらの公報の全内容は、参照により、事実上本明細書に含まれている。
同時係属米国特許出願番号1における「加工部11」等の加工部は、1つ以上のダクト通路が適宜開閉される入れ子ダクト構成を備えている点をその特徴点とする。例えば、上記構造が相対的に個別の動きをすると、ダクト通路は開き、上記構造間で拡張される。上記構造が相対的に同じ動きをすると、上記構造間のダクトは詰まり、サイズが縮小する。好ましい実施形態では、複数のダクトは、どのように可動ダクト構造が位置するかに応じて同じ空間体積中に存在し得る。したがって、複数のダクトは、単一ダクトのみが占める体積と比較して大きいが必要最小限の大きさである体積を占め得る。ダクト構造の入れ子特性のため、ダクトシステムは非常に小型である。ダクトは、リサイクル、廃棄、その他の処理のため、液体および/またはガスを含む様々な処理流体を捕捉するために用いられる。二次汚染を最小化するために、かつ/または、異なる流体を捕捉するための特別な方法を用いるために、処理流体をそれぞれ独立したダクトに回収するという構成にしてもよい。
これらの同時係属米国特許出願はまた、革新的なスプレイノズル/バリア構造について記載している。この構造は、スプレイ、センターディスペンス、およびシャワーヘッド等、複数の方法で処理物質を分配する能力を有する。バリア構造は、下方の加工品の上に重なる。バリア構造の下側表面は、好ましくは、テーパ型流路を加工品の上に画定するように形成される。この構成は多数の利点を有する。テーパ型流路は、再循環領域を最小化させつつ、加工品の中央から放射状流を外側へ押し出す効果を奏する。テーパはまた、加工品の外側先端に接近する流体をスムーズに収束させ、流速を上昇させる効果を奏する。これにより、液体がはねる現象を低減する効果が得られる。本願譲受人の同時係属出願3に教示されているように、下側表面に角度をつければ、吸引等によって液体を集めて除去することができる外周部に向けて、下側表面における液体を排出することを促進することができる。テーパ型構造はまた、粒子が加工品へ再循環することを低減する効果を奏する。上記構造はまた、よりよい状態で液体を含むことを可能にし、これによって化学的再生効率を促進する効果を奏する。
これらの利点があるにも関わらず、さらなる改良が依然として望まれている。特に、環境的に隔離された加工チェンバにおいて処理を行うために、本願譲受人の同時係属出願1〜4に記載されている道具を用いることが望ましい。これは、制御下にある大気が必要であるときはいつでも所望される構成である。調査対象の制御下大気は、酸素含有量が低い、または実質的に酸素含有量がゼロの大気である。酸素を減少させたり、実質的に無酸素の状態にすると、酸化しやすい加工中マイクロ電子加工品における物質の腐食を防ぐ効果を奏する。これらの道具のこれらの実施形態では、シャワーヘッド型吸気部材の周りのシャッターを用いて、環境空気が加工チェンバへ吸引されるのを遮断している。しかしながら、シャッターを閉鎖しても、所望以上の環境空気が加工チェンバに流入する可能性が依然ある。さらに、これらの道具は、バリアプレートと、環境バッフル部材との間に環状ギャップを有する。環境空気はまた、このギャップを介して加工チェンバに流入し得る。
1つのオプション構成によると、上記部材を直接物理的に接触させて所望の密封状態(seal)を形成し、これによりギャップを閉じるように設計してこのようなギャップを無くすことが可能である。しかしながら、動く部材をこのように接触させる構成は、少なくとも2つの理由で望ましくない。第1に、ギャップ全体の周囲環境に良好な密封状態を形成するために必要な種類の力によって、汚染粒子が発生しがちである。第2に、ステッパモータを用いることが望まれる場合が多い。ステッパモータを用いると、コントローラがモータステップをトレースし、これによっていつでもで上記部材の位置をトレースできるように部材の動きを制御できる。しかしながら、ギャップ全体の周りに良好な密封状態を施すために必要な種類の力は、コントローラがモータステップのカウントを失う原因になり得る。部材の動きを把握し、制御する能力は、ステッパモータカウントが失われると損なわれる。ステッパモータを用いて上記のシャッターが配置される場合、同様の懸念が浮上する。
明確に述べると、周囲から隔離された状態で処理を行える能力が極めて望ましい。しかし、周囲環境から略完全に隔離されている状態での作動しかできない処理チェンバを用いることは必ずしも常に望ましいわけではない。作成方法の中には、操作において閉モード(すなわち環境空気の源から隔離されている操作モード)と開モード(すなわち環境空気の源と連結している操作モード)の両方を有する一連の処理を含むものが多数ある。もちろん、作成設備は閉モードまたは開モードのいずれかで作動する個別かつ専用の道具を装備し得る。しかし、このような道具は極めて高価であり、大きな投資の典型である。道具を複数揃えると、貴重な設備空間の大部分をその分占めるようになる。
したがって、必要に応じて開モードと閉モードの切替が容易に行える能力を有しており、閉モード操作または開モード操作のいずれかにて効果的に作動可能な道具が望まれている。
本発明は、閉モード操作または開モード操作のいずれかにて作動可能な道具についての道具設計およびその使用についての方策を提供する。上記道具は必要に応じて開モードと閉モードとが容易に切替可能なように構成されている。1つの一般的な態様によれば、周囲環境に制御される通路により、周囲環境が1つ以上の加工チェンバに接続される。加工チェンバに対して上流の空気部能力によって、実質的な気流が必要に応じて、これらの通路を介して加工チェンバに流入することが可能となる。または、これらの通路を通過して周囲環境へと至る排出口を、単純にバルブを調節することなどによってブロックすることで、流体通路を容易に閉鎖する。もう一方の流れとしての非環境ガスの流れが、環境空気吸入に用いられる通路と少なくとも部分的に共通する通路を介して、加工チェンバに導入され得る。これにより、制御下の大気下、および/または、環境空気の存在下で、加工を行うことが可能となる。
他の構成では、可動部材の間のギャップは、シーリングを行うための直接の物理的接触のみに依存するのではなく、少なくとも流動ガスカーテンを用いてシールされる。これによって粒子の生成が最小限に抑えられ、使用されるステッパモータが必要に応じて、上記可動部材の動きの制御を、信頼性があり制御可能なように、また、ステッパモータカウントが損なわれるリスクも抑制しながら、行うことが可能になる。例えば、本願譲受人の同時係属出願1〜4に記載の道具において、バッフルプレートとバリアプレートとの間の環状ギャップを封止状態にするためにこの構成が用いられ得る。バッフルプレートとバリアプレートとの間のギャップを封止状態にするためのこの構成の応用例を以下に詳細に説明する。
1つの態様では、本発明は、マイクロ電子加工品を加工するためのシステムに関する。当該システムは、上記加工品を収容する加工チェンバと、流体通路を備え、上記流体通路は環境空気と上記加工チェンバとを連結するシステムであって、上記システムは、環境空気の増幅された流れが流体通路を介してチェンバに供給される第1状態を有し、上記環境空気の増幅された流れは、少なくとも部分的に、加工チェンバから開口上流を介して流体通路に流れ込む加圧流体の流れによって生成され、また、上記システムは、流体通路の少なくとも一部と加工チェンバとが環境空気から隔離され、環境空気よりも低い酸素含有量を有する非環境ガスが流体通路を介して加工チェンバに供給される第2状態を有する。
他の態様では、本発明は、マイクロ電子加工品を加工するためのシステムに関する。当該システムは、上記加工品を収容する加工チェンバと、
環境空気を上記加工チェンバに流通可能なように連結する流体通路とを備え、上記流体通路は、
上記流体通路内に配置されるベンチュリであって、該ベンチュリを通過するガスの流れが上記加工チェンバの境界部の少なくとも一部を形成するように配置されるベンチュリと、
上記流体通路内であって上記ベンチュリに対して上流に配置され、加圧ガス源に流通可能な様に連結される、上記流体通路への吸気口であって、上記吸気口の開口部分と、上記環境空気よりも十分高い圧力をかけられた加圧ガスとにより、上記開口部分を通過し上記流体通路に流れ込む上記加圧ガスの流れが、上記ベンチュリを介して上記加工チェンバへ流れ込む上記流体通路へ環境空気を引き込んで増幅させるように上記開口部分が構成されており、上記流体通路は、上記加工チェンバと、環境空気からの上記流体通路の少なくとも一部を隔離するために閉じることができるように構成されている吸気口と、
上記加工チェンバと、上記流体通路の少なくとも一部とが周囲環境から隔離されたとき、非環境ガスを上記流体通路の上記ベンチュリを介して上記加工チェンバに導入できるように、上記加工チェンバに流通可能なように連結される非環境ガスとを含む。
他の態様では、本発明は、マイクロ電子加工品を処理する方法に関し、上記方法は、
上記加工品を加工チェンバの中に配置する工程と、
開口部分を通過する加圧ガスの相対的に遅い流れを用いて、環境空気の増幅された流れを生成するために工程と、
空気の増幅された流れを上記処理チェンバに導入する工程と、
増幅された空気が上記加工チェンバに導入される期間の少なくとも一部分の間、上記加工品に対して処理を施す工程とを含む。
他の態様では、本発明は、マイクロ電子加工品を加工するためのシステムに関し、当該システムは、
上記加工品を収容する加工チェンバであって、上記加工品を環境空気から隔離する境界部を有し、上記境界部の一部は流動ガスカーテンを含む、加工チェンバと、
上記加工品と重なり、上記加工チェンバの境界部の少なくとも一部を規定する可動カバーであって、上記加工チェンバ内の上記加工品の処理が行われる間上記カバーが第一位置にある第1状態と、上記チェンバへの仕込みを可能にする第2位置に上記カバーがある第2状態とを有し、少なくとも1つの処理流体を上記加工チェンバへ導入させる少なくとも1つの導入口を任意に備える可動カバーと、
上記カバーが上記第1状態にあるときに上記カバーに近接するが上記カバーから離れている先端を有し、加工品処理が実施される間に上記カバーと上記少なくとも1つの境界部との間にギャップが存在するように構成されている少なくとも1つの境界部と、
上記カバーが上記第1状態にある場合において処理の少なくとも一部が行われている間、環境空気からの上記加工チェンバの隔離を促進するように、上記ギャップに対する境界部を形成する流動ガスカーテンとを備える。
他の態様では、本発明は、マイクロ電子加工品を加工するためのシステムに関し、当該システムは、
外周部を有する上記加工品を収容する加工チェンバと、
上記加工品と重なり、外周部を有する可動カバーであって、少なくとも1つの処理流体を上記加工チェンバに導入させる少なくとも1つの導入口を有する可動カバーと、
上記加工品における上記外周部に近接する導入口を有する排出ダクトの少なくとも一部分を規定する可動境界部であって、上記カバーと上記可動境界部との間にギャップが存在するように、上記加工品の処理の少なくとも一部を行っている間、上記カバーにおける上記外周部に近接してはいるが分離している内周部を有する可動境界部と、
上記処理の少なくとも一部を行っている間、環境空気からの上記チェンバの隔離を促進するように、上記ギャップを横切る境界部を形成する流動ガスカーテンとを備える。
本発明の上記および他の有利な点、およびそれらを達成する方法は、添付の図面を参照して本発明の実施形態についての以下の説明を読むことによってより明らかとなり、発明そのものをよりよく理解できるであろう。
本発明の原理を用いた単一ウェハ加工道具の概略図である。 図1に示す道具のためのカラーおよびバリアプレートアセンブリの透視図である。 図1に示すカラーにおいて用いられる吸入アセンブリおよびいくつかの関連する配管の上面透視図である。 図3に示す吸入アセンブリおよびいくつかの関連する配管の底面透視図である。 図3に示す吸入アセンブリのベース部材の上面透視図である。 図3に示す吸入アセンブリのベース部材の底面透視図である。 図3に示す吸入アセンブリの上面図である。 図7のA-A線における吸入アセンブリの断面図である。 吸入アセンブリの洗浄部材に洗浄流体を供給するために用いられる配管および配管クランプの透視図である。 図9に示すクランプの透視図である。 図3の吸入アセンブリに導入される洗浄部材の上面透視図である。 図11に示す洗浄部材の底面透視図である。 図13に示すシャワーヘッドアセンブリの分解透視図である。 図13に示すシャワーヘッドアセンブリの上面透視図である。 図14に示すシャワーヘッドアセンブリのベースの上面図である。 図1に示す道具において用いられる増幅ガス分配システムの上面透視図である。 図1に示す道具において用いられる増幅ガス分配システムの底面透視図である。 図16に示す増幅ガス分配システムにおいて用いられるマニホールドの透視図である。 上記マニホールドを通過する流体流れ通路を示す、図18のマニホールドの断面図である。 上記マニホールドを通過する流体流れ通路を示す、図18のマニホールドの他の断面図である。 図16に示す増幅ガス分配システムにおいて用いられる空気増幅器の断面図である。 バッフル部材に搭載されるリング状ガス生成部材の上面透視図である。 図22に示すアセンブリの一部の断面におけるクローズアップ透視図である。 図22に示すバッフル部材の上面透視図である。 図22に示すリング状部材の底面透視図である。 図22に示すリング状部材の一部のクローズアップ透視図である。 シールを形成するためにガスの流れおよび物理的接触の両方を用いて、バリアプレートおよび隣接するバッフル部材の間のギャップを封止状態にするためのハイブリッド技術を模式的に示す。 上記ギャップを封止状態にするため、図27において用いられるリング状部材の上面を示す。 図27において用いられるリング状部材の底面透視図である。 断面において示される図27のリング状部材の一部のクローズアップ透視図である。
以下に説明する本発明の実施形態は網羅的なものではなく、または以下の詳細な説明に記載されている特定の形態に本発明を限定するものでもない。むしろ、これらの実施形態については、当業者が本発明の原理および実施を把握し、理解できるように選択されて説明がなされている。本明細書に引用される本願譲受人の同時係属出願(取引指定ORIONにおいて、FSIインターナショナルInc.から商業的に入手可能なものについての実施形態)に記載されている新規であり単一のウェハ加工システムに対して改良を行うという特定の文脈で本発明を説明する一方、本発明の原理は、他のマイクロ電子加工システムに適用可能である。
本発明の原理は、加工品をそれぞれ、または一括して加工する道具と関連して用いられてもよい。図1は、本発明の原則を含む例示的道具10を概略的に示す。道具10は、必要に応じて操作における開モードと閉モードとに容易に切り替わる。操作における「閉モード」は、道具10の加工チェンバにおける1つ以上の加工品の処理が、道具10の加工チェンバの外側の環境大気と、環境に影響される流体通路から隔離された状態である制御下の環境で行われるモードである。制御下の環境の一種としては、加工を行っている間、加工品における腐食しやすい物質の腐食を抑制するように、周囲環境よりも酸素含有量が少ない不活性大気による環境が挙げられる。窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガスは、このような環境を形成するに適している。他の用途において、酸素量を好ましくは現実に可能なレベルまで下げた還元ガス中にて処理を行ってもよい。
操作における「開モード」は、加工チェンバに流れ込む、または加工チェンバ内の環境空気の存在下に処理が行われることを意味する。本発明の実施において、環境空気の少なくとも一部および好ましくは大部分は、空気増幅技術を用いて、環境的に制御される通路を介して供給される。これらの通路を開閉する単純な動作、および増幅ハードウェアによる動作によって、必要に応じて、環境空気がチェンバに導入されたり、チェンバから隔離されたりする。外部チェンバの境界部そのものの物理的位置は、加工統一性を高めるために、開および閉チェンバモードの切替を円滑にする上で変更される必要はない。さらに、環境空気は、1つ以上のギャップ(後に説明するようなもの)または他の開口部を介してチェンバに流入させられてもよいが、環境空気がこのような開口部を介してチェンバへ流れるのを防ぐために、ガスカーテン、物理的閉鎖、物理的バリア、または他の境界部を用いて所望のようにブロックされてもよい。
図示では、道具10は、任意のタイミングにおいて単一の加工品12が道具10に収容されるようなタイプのものであり、液体、ガス、および/または他の加工媒体が加工品12に接触させられる1つ以上の処理を施されるものである。例えばマイクロ電子産業において、道具10は単一のウェハ加工道具と称され得る。加工品12は典型的に、半導体ウェハまたは他の加工中マイクロ電子基板を備える。
図1に模式的に示すように、道具10は概ね、主要アセンブリとしてベース部14およびバリア/分配部16を含む。実際の使用において、ベース部14およびバリア/分配部16は、フレームワーク(図示せず)に搭載され、道具10のハウジング(図示せず)内に含まれている。この搭載は、ネジ、リベット、接着剤、溶接、クランプ、ブラケット、これらの組み合わせ等によって、任意の方法で行われ得る。望ましくは、部材14および16、および/またはそれらの部品は、サービス、メンテナンス、アップグレード、および/または置換を容易にするために独立して、また、脱着可能に搭載される。
ベース部14およびバリア/分配部16は、加工中に加工品12が配置される加工チェンバ18を規定する。ベース部14および/またはバリア/分配部16は、加工品12が加工チェンバに取り込まれ、また、加工チェンバ18から外されるように、1つ以上の特性または能力を含む。このような特性または能力は例えば、所望の排出口を設けるために、開閉され得るドア(図示せず)を有してもよい。または、実施に際して好ましい形態について検討されるように、ベース部14およびバリア/分配部16のうちの1つまたは両方は、この排出口を設けるために互いに対して可動である。都合のよいことに、この相対的な動きは、ベース部14の少なくとも一部を周囲のフレームワーク(図示せず)に固定させつつ、例えばバリア分配部16を上昇させたり下降させたりすることによって、例示的実施形態において行われてもよい。本願譲受人の同時係属出願1および2に記載されるような1つ以上の可動バッフル部材を1つ以上、ベース部14が含む実施形態では、このような排出口を容易に設けられるようにバッフル部材を上昇させたり下降させたりすることができる。
ベース部14は概ね、ハウジング20、チャック22、モータ24、バックスライド分配ヘッド26、および環状バッフル部材34、36、38を含む。加工チェンバ18の内部において、加工品12はチャック22によって支持され保持される。チャック22は静止していてもよいし、または中央軸の周りで回転可能であってもよい。説明のため、図は道具10の実施形態を示す。この実施形態では、加工中に加工品12が軸の周りで回転できるようにチャック22がモータ24によって回転可能に駆動される。回転するチャック22によって加工品12が回転されるそれらの実施形態では、回転によって加工品12の上で分配処理物質を均一に拡散させることができる。
チャック22は、ここで挙げられる従来技術またはこれ以降に開発される技術に基づいて、様々な異なる方法のいずれかで加工品12を固定し得る。好ましくは、チャック22は、加工品12とチャック22との間にギャップ28が存在するように、加工品12を安全に保持する先端つかみ構造(図示せず)を含む。この種の位置決めによって、洗浄水を含む処理化学物質が、加工品12の上面または下面のいずれかにおいて分配される。
必要に応じて、道具10は、加工品12の下面を処理するための分配構造を有してもよい。例示的バックスライド分配機構を、概ね円形のバックスライド分配ヘッド26として示す。このバックスライド分配ヘッド26を介して、1つ以上の処理化学物質が、加工品12の下面に向かって分配され得る。チャック22の中央穴32を通過するシャフト30を介して、処理化学物質がバックサイド分配ヘッド26に供給される。チャック22が回転する実施形態では、シャフト30と中央穴32との間にギャップが存在するが、これらの部分はチャック22が回転するときには接触しない。バックサイド分配ヘッド26は、必要に応じて供給または混合されるように分配される処理物質を供給する1つ以上の供給部(図示せず)に連結されてもよい。
加工チェンバ18を囲むハウジング20は概ね、ベースパン33と、可動環状バッフル部材34、36、および38を含む。バッフル部材34、36、および38は、排出ダクト42および44の少なくとも一部分を規定する可動境界部を形成する。ダクト42および44は、リサイクリング、廃棄、または他の処理を行うための様々な処理流体を捕捉するために用いられる。二次汚染を最小化するために、かつ/または、異なる流体用の独自の捕捉プロトコルを用いるために、異なる処理流体が異なる独立ダクトにおいて回収され得る。ダクト42および44のそれぞれは、加工品12の外周部にそれぞれ近接する導入口41および43を有する。ドック42および44のそれぞれは、排出口44および46を有している。これを介して物質が排出される。
対応するダクト通路を塞ぐ、または開くために、隣接するバッフル部材は互いに向けて可動である、または、互いから分離可能である。例えば、隣接するバッフル部材が相対的に分離するとき、ダクト通路はそれらの間で開き、上記構造の間で拡大される。上記構造が相対的に移動させられるとき、上記構造の間のダクトは塞がれ、サイズが縮小される。説明すると、頂上バッフル部材34と中央バッフル部材36との間の排出ダクト40が開いているが、中央バッフル部材36と底面フェルフル部材38との間の下方排出ダクト42が塞がれる。
説明すると、道具10は、3つの可動かつ収容可能なバッフル部材34、36、および38を含み、これらの部材の間には2つの排出ダクト42および44が形成可能である。しかしながら、本発明の他の実施形態は、これよりも多数の、または少数のバッフル部材を含んでもよく、これに応じて排出ダクトの数は増加または減少する。
ベース部14とバリア/分配部16との間にはギャップ48が存在する。周囲または他のソースからの酸素を加工チェンバ18から除去する加工品12の処理等のように道具10が操作における閉モードで操作されるとき、酸素がギャップ48を介して加工チェンバ18へ入り込むことができないようにギャップ48をブロックする、かつ/または、除去することが望ましい。
都合のよいことに、本発明の原理によると、チェンバ18を、その外部の周囲環境から隔離するために、ギャップ48にわたって境界部を形成するように、部材52から排出される流動ガスカーテン50を用いることによって十分にギャップ48を封止状態にすることができる。カーテン50の形態を有するこの境界部は、チェンバ18から何らかの理由で隔離することが望ましい任意の処理の少なくとも一部が行われている間など、任意のタイミングで、必要に応じて確立され得る。適切な配管(図示せず)を介して適切なソース(図示せず)から部材52に供給される加圧ガス、例えば窒素、二酸化炭素、アルゴン、これらの組み合わせ等が、カーテン50を形成するために用いられてもよい。
特に好ましい実施形態では、ベース部202は、本願譲受人の同時係属出願1および2に記載され示される「加工部11」の形態を有する。このような実施形態では、部材52は、バッフル部材の上、好ましくは頂上バッフル部材34の上に配置され、バッフル部材の内側リムと、隣接するバリアプレート構造の外周部との間のガスの環状カーテン50を生成するように配置される。この構造を有する発明の各実施形態を、以下により詳細に説明する。
図1に模式的に示されるように、バリア/分配部16の例示的実施形態は概ね、主にバリアプレート56に搭載されるカラー54を有する。バリア/分配部16は本願譲受人の同時係属出願1から4の「分配アセンブリ554」に類似し、このため、「可動部材526」に連結してもよく、これらの同時係属出願に記載され、示され、かつ/または言及されているバリア/分配部と置き換えられてもよい。しかしながら、カラー54と、それに関連する環境的に制御される流体通路により、本発明のバリア/分配部16は、必要に応じてより環境的に制御され、より容易に環境と連結する、または周囲環境から隔離される流体通路を含む。カラーは、吸入アセンブリ200の頂上に搭載されるシャワーヘッド分配部材360を含む。
バリアプレート56の好ましい実施形態を、本願譲受人の同時係属出願3の「バリアプレート102」として説明する。この好ましい実施形態によると、バリアプレート56は概ね環状に形成され、下側表面262を有する。有利なことに、バリアプレート56の下側表面58は、存在し得る液体を回収し取り除く1つ以上の構成を有する。一つの方法として、吸引構成および技術が、本願譲受人の同時係属出願3に記載されているように液体除去のために用いられてもよい。このため、バリアプレート56の下側表面58から液体を吸引するためにチュービング70が設けられている。本願譲受人の同時係属出願1および2に係る「可動支持部材526」のz軸の動きを通じて、下方の加工品12に対するバリアプレート56の位置を制御することができる。
好ましくは、加工品12と、バリアプレート56の下側表面58との間にテーパ型流れチャンネル64を形成するために、バリアプレート56の少なくとも下側表面58は、加工品12の下層平面に相対する中央軸62から放射状外側方向の下向きに曲げられる。チャンネル64のテーパ型構成は、再循環ゾーンを最小化しつつ、加工品12の中央から外側への放射状流れを促進する効果を奏する。テーパはまた、加工品12の外側先端に接近する流体をスムーズに収束させ、その速度を増加させる効果を奏する。これにより、液はね効果を低減できる。下側表面58の角度はまた、その表面における液体を外周部へ誘導し、回収された液体は、加工品12に対して下向きに滴るよりもむしろ吸引され得る。テーパ型構成はまた、加工品12に対して再び粒子が再循環するのを低減する効果を奏する。上記構成はまた、流体をよりよく抑制することによって化学的再生効率を促進する効果を奏する。
さらに、この特定の実施形態に対して、概ね環状のバリアプレート56はある点では、加工チェンバ18の上の蓋またはカバーとして機能し、加工品処理のための保護環境を形成し、加工チェンバ19における分散物質を含有する効果を奏する。しかしながら、バリアプレート56は多くの実施形態において上下に可動であるので、概ね環状のバリアプレート56は他のバリアに対して、直接物理的な接触をするというよりむしろ、近接することが好ましく、これによってギャップ48を形成する等、加工チェンバ18を規定する効果を奏する。これによって、このような接触の結果として発生しかねない粒子生成を最小化する。これはまた、バリアプレート56の進路において発生しかねないステッパモータステップをコントローラが見失うというリスクを最小化する。
傾斜された下側表面58は、様々な形状を有し得る。例えば、上記形状は、直線状(円錐状)、放物線状、ポリノミナルなもの等のうちの1つ以上であってもよい。説明すると、下側表面58は、放射状外側方向において、加工品12に向かって概ね直線的に収束する。
バリア/分配部16は、処理物質を加工チェンバ18の中に分配するための1つ以上の独立機構を有していることが望ましい。例えば、例示的実施形態は、少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つの異なる種類の分配能力を有する。1つの能力として、スプレイの下の加工品12の半径を概ね横切って、1つ以上の処理流体を加工品12に対して下向きに噴霧する分配構造が含まれる。好ましい実施形態では、バリアプレート56および吸気アセンブリ200に設けられるスプレイバー等の分配構造によって、上記能力が実現される。このようなスプレイバーの好ましい実施形態と、このようなスプレイバーをバリア/分配部に組み込む方法は、本願譲受人の同時係属出願3において「スプレイバー178」として記載されている。
他の分配能力としては、処理化学物質を下層の加工品12の中央に対して概ね下向きに分配する分配構造が含まれる。加工品12がスピンするとき、中央に分配される物質は、加工品表面の上に分散される。好ましい実施形態では、吸気アセンブリ200に設けられる中央分配ノズルアセンブリによって上記能力が実現される。このようなノズルの好ましい実施形態は、本願譲受人の同時係属出願3において「中央分配ノズルアセンブリ518」として記載されている。このユニットの搭載は、この同時係属出願において記載され、さらに後に説明されるようなものと同様に行われる。
さらに、吸気アセンブリ200に設けられ支持されるシャワーヘッド分配部材360は、加工材料、典型的にはガスおよび/水蒸気、必要に応じて混入物質を含め、加工チェンバ18に導入するさらに他の方法を実現する。シャワーヘッド分配部材は、このような流れのうちの1つ以上を、下流吸気アセンブリ200における対応するベンチュリ状通路の中に分配する。ベンチュリ状通路から、1つ以上の流れが下流へ分配され、加工チェンバへ導入される。上記吸入アセンブリのベンチュリ状通路におけるベンチュリ特性は、上記流れの加工チェンバへの導入を促進し、カラー54から上流へ伸びる環境的に制御される流体通路への逆流を防ぐ効果を奏する。
バリア/分配部16の分配要素は、適切な供給ラインを介して設けられる処理物質の1つ以上の供給部(図示せず)に接続されてもよい。これらの物質は必要に応じて、供給または混合として分配され得る。道具10は、実行可能な処理タイプの点では非常にフレキシブルなので、広く様々な処理物質が用いられ得る。代表的な処理物質のごく一部の例を挙げると、窒素、二酸化炭素、クリーンな乾性空気、蒸気、アルゴン、HFガス、水性HF、水性イソプロピルアルコール、または他のアルコール、および/または張力活性、脱イオン水、水酸化アンモニウムの水性または他の溶液、硫酸および/またはその乾燥種および前駆体の水性または他の溶液、(例えば三酸化硫黄(SO)、チオ硫酸(H)、ペルオキソチタン酸(HSO)、ペルオキシ二硫酸(H)、フルオロ硫酸(HSOF)、クロロスルフォン酸(HSOCl))、硝酸の水性または他の溶液、リン酸の水性または他の溶液、塩化水素の水性または他の溶液、過酸化水素等の酸化剤、および/またはオゾンガス、水性オゾン、界面活性剤、有機酸および溶媒、キレート剤、脱酸素剤、これらの混合物等が挙げられる。
増幅ガス分配ステーション462はカラー54に対して上流であり、シャワーヘッド分配部材360に流通可能なように接続されている。説明すると、ステーション462は2つの供給ライン444および448を介してカラー54に流通可能なように接続されている。各供給ラインは、シャワーヘッド分配部材360内において、独立したシャワーヘッドチェンバへのフィードとして機能する。他の実施形態では、所望であればより多くの、またはより少ない供給ラインが用いられてもよい。
増幅ガス分配ステーション462は主要部材として、空気増幅器498と、バルブ520と、マニホールド464とを含む。マニホールド464は、増幅された空気の流れを受け入れるための導入口468と、非環境ガスの流れを受け入れるための1つ以上の独立導入口とを有する。説明すると、このような独立した導入口472を1つ示しているが、これはマニホールドに窒素、二酸化炭素等の不活性ガスを供給するためのものである。
空気増幅器498は、加圧ガス流れを受け入れるための導入口504と、環境空気のフィードを受け入れるための空気吸入口502とを有する。空気増幅器498へ流れ込む加圧ガス流れは、周囲環境からの空気の流れの中にある。バルブ520が開いているとき、環境空気の流れはマニホールド464へと向かう。そこで、ライン444および448を介してシャワーヘッド分配部材360に空気が流れる。空気増幅器498の導入口504への加圧ガスの流れが停止しているかどうかに関わらずバルブ520が閉じているとき(バルブ520が閉じているときに導入口504への加圧ガスの流れを止めることが望ましいが)、マニホールド464、供給ライン444および448、シャワーヘッド分配部材360、および吸気アセンブリ200を介して伸びる環境的に制御される通路は、周囲環境から隔離される。窒素、エッチングガス、および/または同様の物質などの不活性ガスなど、1つ以上の非環境ガスの流れは、バルブ66を開くことによって、供給ライン444および448を通過し、マニホールド464を介して、流体通路に導入され得る。酸素を排除するため、または他の何らかの理由で周囲環境からチェンバ18をさらに隔離することが望ましい場合、バリアアクロスギャップ48を形成するようにガスのカーテン50を生成するために部材52が用いられてもよい。
図1および2〜26は、本発明の原理が含まれ、本願譲受人の同時係属出願1〜4に記載されるバリア/分配部を修正する代表的方法をより詳細に示す。同時係属出願4において用いられるバリア/分配部に対する修正の概略としては、カラー54を形成する本発明の吸気およびシャワーヘッド構造は、これらの部材を通過するガス流れ通路が、周囲環境に対する露出の点で、より隔離されるように修正されている。具体的には、ガス用の環境的に制御される流体通路は、増幅ガス分配ステーション462、供給ライン444および448、シャワーヘッド分配部材360、および吸気アセンブリ200のうちの少なくともいくつかの部分を通過して伸びる通路部分を囲み、周囲環境から非常に効果的に封止される。したがって、同時係属出願1〜4に示される従来のシャワーヘッドおよび吸気アセンブリ実施形態よりも前の実施形態において用いられるシャッターはもはや必要ではない。流体通路方法によって実現されるよりよい隔離状態は、操作における道具10の開モードと閉モードの切替をより容易にする要因となる。
また、さらに後に説明される増幅コポーネントが吸気および/またはシャワーヘッド構造の上流に含まれることが望ましく、これは、大量の空気を必要に応じて周囲環境から(この文脈における周囲環境とは、周囲のクリーンルーム設備における純度の高い空気、または、いくつかの場合、周囲環境のクリーンルーム設備よりもはるかに純度の高い、道具そのもののロボット工学領域における純度の高い空気、他の高純度空気源、または他の何らかの周囲環境ソース等の任意の環境空気ソースであり得る)、シャワーヘッドおよび吸入構造を含む通路を介し、加工チェンバに供給するための方法として含まれる。したがって、シャワーヘッド構造はまた、過度の圧力低下を避け、結果として得られる流れにおける乱流を最小化するために、空気増幅部材によって供給される環境空気の流れを大量に扱えるように修正される。シャワーヘッドはまた、加工チェンバ18の中へ結果として得られる流れを分配する効果を奏する。
カラー54の部材として含まれる吸気アセンブリ200を、図2〜10においてより詳細に示す。吸気アセンブリは概ね、頂上部材202、ベース部材256、および頂上部材202とベース部材256との間にクランプされる洗浄部材324とを含む。頂上部材202は、ボディ204、頂上フランジ246、底面フランジ240、壁210、および壁220を概ね含む。環状ボディ204は、アンダーカット外側壁面206、およびスムーズに対向する内側壁面258を概ね有する。外側壁面206は、軽量化のためのアンダーカットであり、アセンブリハードウェアへのアクセスをより容易にさせる。内側壁面258のスムーズな対向によって、吸気アセンブリ200を通過するガスのスムーズな流れを促進させる効果を奏する。壁210および220は、頂上部材202の内側体積を、開口部230、第1D型開口部232、および第2D型開口部234を通過する中央部へ細分する。開口部230を通過する中央部によって、D型開口部232および234を通過する流体通路から隔離されつつ、配管、電気ライン、ファイバーオプティクス、センサ、および他の道具部材を導き得る通路の一部を規定する効果を奏する。D型開口部232および234は、優れた封じ込み特性を有する加工チェンバ18にガスを導入し得るベンチュリ状通路308および316における導入口領域310および318を規定する効果を奏する。壁210および220は、頂上部材202を補強し、強度を向上させる効果を奏する。吸気アセンブリ200およびシャワーヘッド分配部材360が組み合わされるとき、壁210および202はまた、シャワーヘッド分配部材360を支持する効果を奏する。
壁210および220における上面214および224と、頂上フランジ246上側表面248は、ネジ開口部212および222を有する。これによって、ネジ(図示せず)を用いてシャワーヘッド分配部材360を吸気アセンブリに搭載するための安全な方法が実現される。ネジの使用はまた、メンテナンスおよび修理のための解体をより容易に行うことができる。もちろん、ここで用いられる、または、本発明の他の固定処理においてネジが用いられるあらゆるタイミングにおいて、リベット、接着剤、溶接、ボルト、クランプ、テープ、これらの組み合わせ、および/または同様のもの等、他の組み合わせ技術が用いられてもよい。
ボディ204の底面は、内側周囲に設けられる環状溝224を有する。壁210および220はまた、それらの底面先端に沿って溝216および226を有する。吸気アセンブリ200の部材が組み合わされるときに洗浄部材324を所定位置にクランプするためのポケットを、溝244、216、および226が形成する。中央貫通開口部230の端部壁254は、洗浄部材324の配管接続部338と適合する切断領域250を有する。端部壁254はまた、さらに後に説明するように、クランプ342を端部壁254に安全に維持するように用いられるネジ開口部252を有する。次にこのクランプ342は、配管供給ライン356を配管接続部338に固定する効果を奏する。
底面フランジ240は、頂上部材202の下方端部から外側に放射状に伸び、頂上フランジ246は、頂上部材202の頂上端部から外側に放射状に伸びる。フランジ240および246は、ボディ204を堅くさせる効果を奏し、また、頂上部材202を他の部材へ固定するための方法を実現する。このため、底面フランジ240は、適切なファスナー(図示せず)を用いて頂上部材202をベース部材254に固定するための開口部を有する。同様に、頂上フランジは、頂上部材をシャワーヘッド分配部材360に、および/または道具10のフレームワーク(図示せず)に固定するための上側表面248に設けられる開口部247を有する。
親水性または疎水性であり得る様々な物質から、頂上部材202が形成されてもよい。いくつかの実施形態では、フッ素重合体等の疎水性物質から頂上部材202を形成することが望ましい。それぞれの実施形態では、ポリテトラフルオロエチレンが適切な物質である。
ベース部材256は、ボディ258、頂上フランジ296、底面フランジ302、壁266、壁268、および凹型フロア270を概ね有している。ボディは、ファセット外側壁面262およびスムーズに対向する内側壁面262を概ね有している。外側壁面262は、軽量化と、アセンブリハードウェアへのアクセスを容易にすることができるように切り出される。内側壁面262は、吸気アセンブリ200を介するスムーズなガス流れを促進するように、スムーズに輪郭形成される。内側壁面262はまた、厚い壁部分264がベース部材の頂上と底面の中間においてボディ258に含まれるように輪郭形成される。厚い壁部分264は、ベンチュリ通路308および316におけるのど領域314および322を形成する効果を奏する。
頂上フランジ296は、ベース部材ボディ258の頂上端部から外側に伸び、概ね環状である。頂上フランジ296は、適切なファスナーを用いてベース部材を頂上部材202に取り付けるための開口部300を有する。頂上フランジ296の上側表面298は、図示するように平坦であり、これが取り付けられる頂上部材202の底面フランジ240の輪郭と適合する。しかしながら、フランジ296および240は、必要であれば平坦ではない係合輪郭を有してもよい。例えば、組み上げの間の整合を補助するために、溝、突出部、うねり、または他の特性が設けられてもよい。必要に応じて、所望に応じてより流動性のある密封シールを促進させるため、フランジ296と240との間にガスケット(図示せず)が挿入されてもよい。
底面フランジ302は、ボディ258の底面端部から外側に伸び、また、概ね環状である。底面フランジ302は、適切なファスナーを用いて、図1に示すバリアプレート56に吸気アセンブリを固定するための貫通開口部306を有し、これは、本明細書で引用する本願譲受人の同時係属出願1〜4のいずれかにおいて記載されるような特性を有していることが好ましい。本願譲受人の同時係属出願3に示される一体化スプレイバー特性を備えるバリアプレートが好ましい。一体化スプレイバー特性を備えた特定の好ましいバリアプレートについての特定の実施形態は、FSIインターナショナルIncから入手可能なORION道具に含まれる。
壁266および268は、ボディ258の片側から伸びる。吸気アセンブリ200が組み上げられるとき、これらの壁266および268は下部に位置し、頂上部材202の壁210および220のそれぞれに整合する。その結果、壁266および268は同様に、ベース部材256の内部体積を、中央貫通開口部230と整合する中央開口部282、D型開口部232と整合する概ねD型開口部288、D型開口部234と整合する概ねD型開口部290に、概ね細分する。それに伴い、D型開口部288および232は、吸気アセンブリ200を通過する第1ベンチュリ状通路308を規定し、D型開口部290および238は、吸気アセンブリ200を通過する第2ベンチュリ通路316を規定する。第1ベンチュリ状通路308は、導入口310から排出口312まで伸び、のど領域314を有する。ここでは、通路308がフレア付き導入口310と排出口312とに対して締め付けられる。同様に、第2ベンチュリ状通路316は、導入口318から排出口320へ伸び、のど領域322を有する。ここでは、通路316がフレア付き導入口318と排出口320に対して締め付けられる。
ベンチュリ状通路308および316のそれぞれによって、混入成分を有する、または混入成分を有さないガスが、優れた封じ込み能力を有する下方の加工チェンバ18に導入される。使用に際して、空気、クリーンな乾性空気、水蒸気、窒素、二酸化炭素、アルゴン、イソプロピルアルコール蒸気、これらの組み合わせ等の1つ以上のガスが、導入口310および318を介して吸入アセンブリ200に導入される。上記1つ以上のガスは、排出口312および320を介して加工チェンバ18の中に下向きに排出される。液体、固体、またはガスであり得る処理物質が、処理ガスを導入するために開放する必要があるチェンバに含まれるのが望ましいという状況で、ベンチュリ状通路308および316は封じ込みシステムとして機能する。言い換えると、ベンチュリ領域を通過する際の十分な流速にて、逆流を最小限にしつつ、流体はベンチュリを通過して一方向に流れる傾向にある。その結果、ベンチュリは境界部として機能するが、この境界部の下では、吸気口200を通過する流体通路が物理的に固体であるバリアによってブロックされなくても、流体物質が下方の加工チェンバに含まれる。
例えば、典型的な加工が行われる間、構成空気または他のガスは、ベンチュリ状通路308および316を介して加工チェンバに導入されてもよい。流入してくる空気またはガスは、通路308および316におけるのど領域314および322を通過するときに増幅する。のど領域314および322を通過し、チェンバに流入する相対的に高速の空気またはガスは、霧または他の加工用液体が吸気アセンブリ200に再び混入することを実質的に防ぐ。これに対して、のど構成または十分な高さを有さない吸気通路においては、加工チェンバの霧が逃げ、安全上の問題、汚染、加工物質損失による加工性能の低下などを引き起こす。
一つの例示的作動状態において、実質的に完全な霧および水蒸気の封じ込みは、約10から50cmの導入口を用いることによって達成し得る。このテストにおいて、65℃の脱イオン水を1分間に1リットルで噴霧しつつ、加工品を250rpmでチャック上において脱水させる。この例示において、対応する導入口および排出口のそれぞれが1.44インチの幅を有する一方、各ベンチュリのどの幅は1.067インチであり得る。各ベンチュリ状通路の長さは3インチであり得る。開モードでは、チェンバの排気を行って、または行わず、空気を増幅することによって空気の流れが形成され得る。
中央貫通開口部230と整合することにより、吸気アセンブリ200における流体通路308および316から隔離される、および逆の場合の状態で、配管、電気ライン、ファイバーオプティクス、センサ、および他の道具部材が通過させられる通路307のさらなる部分を、中央開口部282が規定する効果を奏する。端部壁286のうちの1つにおける開口部284は、フロア270付近の中央開口部282の底面に入り、出て行く部材のための中央開口部282に対する出入りを可能にする。例えば、チュービング70は中央開口部307を通過し、吸入アセンブリ200が取り付けられるバリアプレートの吸入構成へと導かれ得る。必要に応じて、洗浄流体を洗浄部材324に供給するための供給部356および358はまた、開口部284を通過させられ得るが、図面に示すような洗浄供給ラインを設けることがより好ましい。このような開口部284のうちのいずれかが用いられない場合、脱着可能なプラグを用いてそれらの開口部をプラグ接続することが望ましい。
壁266および268は、他の機能の役割も果たす。頂上部材202における壁210および220とそれぞれ整合することによって、壁266および268は、シャワーヘッド分配部材360を支持する効果を奏する。壁266および268は、ベース部材256を補強し、強度を向上させる効果を奏する。頂上部材202およびベース部材256が互いに固定されるとき、頂上フランジ296の上側表面298に加えて、これらの壁の上面は、洗浄部材324を所定位置にクランプするように、頂上部材202の底面に向けてしっかりと適合する。
図4、6、および8に示すように、フロア270はベース部材256の底面よりも凹んでいる。吸気アセンブリ200が図1のバリアプレート56の所定位置に設けられるとき、分配部材に適合し、これを収容するポケットが形成される。このため、フロア270は、図1のバリアプレート56と一体化される供給バー(図示せず)に供給ライン(図示せず)を連結する配管接続に適合する開口部272および274を含む。開口部276が中央分配ノズルアセンブリをフロア270に収容・搭載する一方、開口部278は、本願譲受人の同時係属出願1〜4に記載されているような中央分配ノズルアセンブリ(図示せず)への配管接続を収容する。開口部276は、吸気アセンブリ200の取り付けのために、スプレイバーへの収容を行う。ベース部材256の底面フランジ302における開口部306を介する取り付けにより、吸気アセンブリ200を確実に所定位置に保持する。溝323は、吸気アセンブリ200と下方のバリアプレート構造との間に流体密閉シールを形成するガスケット(図示せず)を配置し保持する効果を奏する。
DI(脱イオン)水等の洗浄液体を用いる場合に洗浄動作を行っている間、ベース部材256を均一に濡らす工程を促進するために、ベース部材256を親水性物質から形成することが望ましい。適切な親水性物質の一例は、紫外線放射、電子ビーム放射等、適切量のイオン化放射を用いてポリフェニレン・サルファイド(PPS)、一般的には疎水性物質を放射することによって得られる。PPSは供給時、薄黄色を帯びていることが多い。適切量の放射によって、PPSの物理的特性を過度に損なうことなく、黄褐色に変色させる。また、上記変色によって、表面が親水性になったことが示される。水を処理物質に注いで水が玉のように弾けるか一面に広がるかを見ることによって単純な経験的テストを行うことができる。いくつかの例において、変色が観察され得、さらに表面は疎水性のままである。表面が親水性になるまでエネルギーを1回以上イオン化することによって、上記物質は再処理され得る。
洗浄部材324は、図11および図12に最もよく示されている。好ましい実施形態では、本明細書に示される洗浄部材324は、本願譲受人の同時係属出願4に詳しく示し説明する「洗浄部材114」と概ね同一である。概括すると、頂上部材202およびベース部材256が互いに固定されるとき、洗浄部材324は、溝216、226、および244内で適合するようにサイズ調整されるリング状ボディ326を概ね有する。アーム328および330は、リング状ボディ326の片側からもう一方の側へ伸びる。洗浄部材324の結果として得られる構造は、組み上げられた吸気アセンブリ200における通路308、316、および中央通路307にそれぞれ対応する開口部332、336、および338を規定する。洗浄部材324は、洗浄液として主に水を分配するものとされ、疎水性および/または親水性物質から形成され得る。一実施形態では、洗浄部材324は、ポリプロピレンからなる。
効果的にシール構造を形成するように吸気アセンブリ200の部材が組み上げられることが好ましく、そのため、適切なガスケット物質または封止材が、適切な界面において用いられてもよく、このような物質および技術そのものは周知のものである。例えば、ガスケット(図示せず)は、洗浄部材324と頂上部材202との間で用いられるのが好ましい。ガスケット(図示せず)はまた、洗浄部材324とベース部材256との間で用いられてもよい。
洗浄部材324は、洗浄液または他の流体を洗浄部材324に導入し、上記洗浄液または他の流体を、ベンチュリ通路308、316、およびバリアプレート56の下側表面を形成するベース部材壁を洗浄するように洗浄部材324から制御可能に分配する、流体分配構成を有する。
このため、配管接続338を介して、流体は洗浄部材へ導入されてもよい。分配を行うために、リング状ボディ326は、その各部分に設けられる分配ノズルの貫通アレイ329を有する。各アレイ329のノズルは、流体をベース部材58の内側壁面262に直接または間接的に分配するように配列される。分配ノズルにおける追加のアレイ331および333はまた、アーム328および330のそれぞれに設けられることが好ましい。これらのノズルは、壁266および268の面に直接または間接的に流体を分配するように配列される。内部構造(例えば流体通路)、ノズル配列、ノズルパターンに関するさらなる詳細、洗浄部材324についての他の詳細は、本願譲受人の同時係属出願4に記載されている。
洗浄部材114に流体を導入するために、保持クランプ342を用いるフレアフィットで、供給チューブ356および358を配管接続338に連結させる。保持クランプ342は、本明細書において引用する本願譲受人の同時係属出願に記載されるような小端部および大端部をそれぞれが有する配管開口部344を備える。大端部は配管接続338に適合し、小端部は供給チューブ356および358を収容する。配管接続338に対して良好なクランピング作用を及ぼしつつ、開口部252を介してベース部材256の端部壁286に対して保持クランプ342がきつく固定されるように、固定開口部350は雌ネジを有することが望ましい。輪郭352は、このために用いられる固定ハードウェアのための余地を形成する。供給チューブ356および358の頂上における連結装置354によって、供給チューブ356および358は、上流配管に接続されるが、これは図示しない。
DI水は、洗浄部材324に対して用いられるための適切な洗浄液である。DI水は必要に応じて冷却されてもよく、周囲環境に供給されてもよく、または加熱されてもよい。環境温度(約19℃から26℃)でDI水を用いることが適切であることが分かっている。
洗浄液を洗浄部材324へ供給するための二重供給チューブ356および358の使用は所望に応じて選択可能である。所望の洗浄作用によって、相対的により高く、より勢いのある洗浄液の流れを供給するために片方のチューブを用いることができ、より低く、勢いがあまりない洗浄液の流れを供給するために他方のチューブを用いることができる。実使用におけるいくつかの形態では、2つの流れを同時に導入して、はるかに大きな流れを得ることができる。実使用における1つの代表的な形態では、チューブの1つを介して1分毎に5リットルの流速でDI水を導入することは、より高い流速に適しているということが知られているが、他方のチューブを介して1分毎に2リットルの流速でDI水を導入することは、より低い流速に適していることが知られている。
適切な流れ制御の手法が、各チューブ356および358を通過する流れの度合いを調節するために用いられ得る。実使用におけるいくつかの形態では、特定の供給チューブを通過する流れがオンまたはオフ状態になるようにバルブ(図示せず)を開く、または閉じる設定を行うことができる。これは、実行するのが非常に簡単であるという有利な点を有する。このようなオン・オフ手法では、図示するような2つ以上の供給チューブを使用すると、洗浄流速において優れた制御が可能となる。他の形態では、1つ以上の供給チューブを通過する流れの量を、所望の範囲内で、任意のレベルに調節でき、またはオフにできるように、流れを調節できる。これらの種類の可変流れ手法を実行するとき、単一の供給チューブは、洗浄部材324に導入される洗浄流れについて優れた制御を行うに十分である場合が多い。
洗浄部材324は、優れた洗浄作用を実現する。加工品の汚染につながるはねや落滴を最小化しつつ、洗浄流体をこれらの表面に流通可能なように分配できるように、ノズルを濡れた表面付近に配置することが好ましい。好ましい実施形態において好ましくは、ノズルは濡れている表面に向けて概ね傾いており、本願譲受人の同時係属出願4に記載されるような拡散構成を有し、目標表面のすぐ近くに位置していることが望ましく、目標表面から0.1mmから20mmの場合が多く、より好ましくは0.1mmから5mm、ひいては1mmの距離に位置している。この構成は、濡れている表面上での流体のスムーズな流れを促進する。流体の流れが目標表面に接触する際、極力実効的にはねおよび微粒子化を概ね避けられるように拡散構成は選択される。より詳細な拡散状態において、分配された流れは、目標表面に到達するときに上記流れが流通可能なように拡散するように目標表面に注がれる。流体の拡散によって、上記流れができる限り表面を濡らすようにする。例えば、全表面が濡れることが最も望ましい。
このような拡散が発生するとき、もしあれば、隣接する流れについて重なりが最小となるようにノズルパターンが選択される。拡散する流れによる全表面の濡れは、流れがベンチュリ状通路308および316におけるのど領域314および322に達するまでに達成されるのが望ましい。この段階における全表面収束を達成することは、ベンチュリ表面に流通可能なように連結されるバリア構造の下側表面において横切る、さらなるスムーズなシーティング液体流れを促進する。のど領域314および322を通過して増幅するガス流れはさらに、バリア構造の下側表面における液体流れの拡散および希薄化を促進する。
ベンチュリ通路壁の親水性表面に水を分配するとき、上記親水性表面における優れたシーティング作用および収束が観察されるが、はねおよび液滴の発生はほとんど見られない。洗浄液がベンチュリ通路からバリアプレートにおける隣接する親水性下側表面へと移動するとき、流れる洗浄液のシートは、スムーズかつ均一に、バリアプレートにおける下方親水性表面に広がり、これを覆う。洗浄液がバリアプレートの外周に向かって流れるとき、本願譲受人の同時係属出願3に記載されているように、洗浄液の少なくともいくつかの部分を回収するために、吸引技術が用いられることが望ましい。洗浄中、および/または、洗浄の最後において吸引が発生し得る。
洗浄部材324の位置は、のど領域308の上のベンチュリ通路308およびのど領域322の上のベンチュリ通路316を規定する表面上に洗浄液が導入されることを示す。通路308および316等においてより高い位置にあるノズルから液を導入し、通路308および316の壁の近くに位置することによって、ノズル構造は、隣接する通路を通過する液体の流れに与える影響を最小化する。万が一ノズル構造が湿気を吸収してしまうと、液滴はチェンバに落下するかわりに上記表面に落下する傾向があり、それ以外では加工品の汚染のリスクが増加し得る。
のど領域314および322の上に位置することによって、ノズル構造はまた、これらののどによって形成される汚染境界の外側に位置する。これによって、ノズル構造は汚染から保護される。またこれによって、残留化学物質が発生しがちな表面の全てに洗浄が行き渡る。さらなる有利な点としては、優れた表面濡れを達成する分散液体流れを生成し、運用しやすい点が挙げられる。ノズルがのど領域の下に位置されると、分散ノズルパターンに含まれる角度はより重要であり、効果を得るためにはより厳密な耐久性を帯びるものである。全体で、洗浄部材324と、洗浄部材と一体化されるノズルアレイとに関連するこれら多数の特性および利益によって、粒子汚染は劇的に低下される。
洗浄部材324を用いて洗浄作業を実行するための例示的形態では、加工チェンバに加工品を導入する前に、洗浄部材324の下のベンチュリ通路の親水性下側表面と、バリアプレートの親水性下側表面とを、洗浄液で予め濡らしておく。洗浄がこれらの表面の上で流通可能なように分散されるので、粒子汚染の原因になりかねない液滴やはねが実質的に避けられる。また、予め濡らすことによって、これらの親水性表面が徹底して洗浄され、均一な濡れを確実にすることができる。加工品を導入する前に、所望であれば親水性表面を乾燥させてもよいが、表面を濡らしたままにしておくと都合がよい場合があり、これによって周期時間を短縮できる。濡れた表面は親水性なので、これらの表面上では分離した液滴が形成されにくく、もしあるとしても最小限の汚染で加工品を取り込み、加工し、排出することができる。ベンチュリ通路およびバリアプレートの洗浄は、化学処理工程の前に行われてもよい。また、洗浄は化学加工工程の間、および/または、これらの工程の間に行われてもよい。洗浄部材324のノズルは、液滴を避けるために洗浄分配の終わりに残留液を改めて吸引してもよい。
親水性表面に対する初期の濡らし作業には概ね、一度決まった流れを維持する以上に洗浄液が必要となる。したがって、この効果を実現するために、洗浄液輸送が調節されてもよい。例えば、濡らし作業が行われた後、より低流速にて洗浄水を導入することができる。例えばバルブを開閉すること等、パルス状動作によって流れを低下させてもよい。パルス状動作の頻度および期間は、洗浄液の全消費量を低下させつつ、所望の流速プロフィールを維持するために選択される。さらに、洗浄液をパルスオンおよびオフすることによって、各流れパルスにおける関連する波を介して親水性表面をよりよく濡らし、洗浄し得る。
シャワーヘッド分配部材360は、頂上フランジ246の上方面248と、吸気アセンブリ200の壁210および220の上面とに設けられる。シャワーヘッド分配部材360を図1、2、および13〜15においてより詳細に示す。ベンチュリ状通路308および316において流体タイトシールを生成するために、ガスケット(図示せず)を吸気アセンブリ200の頂上における溝236に配置してもよい。シャワーヘッド分配部材360は、対応するベンチュリ通路308および316のそれぞれの上流の、環境的に制御される流体通路の追加的部分を含む。1つ以上のガスおよび/または蒸気のより均一な流れを加工チェンバ18に導入する上で、シャワーヘッド分配部材360が有効である。説明すると、同一の、および/または独立した供給ソースに連結され得る2つの供給チューブ444および448によるシャワーヘッド分配部材360に対する供給が行われ、これによって、2つの異なる処理物質が加工チェンバ18に同時に分配される。もちろん、他の実施形態は所望に応じて、単一の供給フィードのみ、または3つ以上のフィードを備えてもよい。ここで示す実施形態では、供給チューブ444および448はどちらも、増幅ガス分配ステーション462に連結されているが、これについては以下にさらに説明する。
シャワーヘッド分配部材360は、底面362およびカバー412を概ね含む。底面362は、上側表面366を有するパネル364を概ね備える。底面362を固定および強化するために、リム368はパネル364の外周部から下方に伸びている。側壁376は、パネル364を、その下に位置する第1凹フロア370と接続する。凹フロア370および側壁376は、シャワーヘッド分配部材360の第1内部チェンバの底部408を規定するが、上記シャワーヘッド分配部材360は、シャワーヘッド分配部材360を貫通して伸びる通路部を含む環境的に制御される流体通路の一部を構成する。細長開口部372は、凹フロア370に設けられている。細長開口部372は、吸気アセンブリ200における下流第1ベンチュリ通路308の中に向かって開いている。溝374は、底面362とカバー412との間に流体タイトシールを形成するように、ガスケット378を保持する。側壁376の一部は、チェンバ部408の体積を最大化するために波状の輪郭を有し、底面362をカバー412に固定するために用いられる開口部402のための上方面366に余地を残す。
同様に、側壁はパネル364を、その下に位置する第2凹フロア380と接続する。凹フロア380および側壁400は、シャワーヘッド分配部材360の第2内部チェンバの底面チェンバ部410を規定するが、シャワーヘッド分配部材360は、他の環境的に制御される流体通路の一部を構成する。細長開口部382は、凹フロア380に設けられる。細長開口部382は、吸気アセンブリ200における下流第2ベンチュリ通路316の中に向けて開いている。細長開口部372および382の相対的に大きなサイズによって、シャワーヘッド分配部材360は、増幅さえた空気の相対的に高い体積の流れ、および/または、上流増幅ガス分配ステーション462から供給される他のガスを容易に扱うことができる。溝384は、底面362とカバー412との間に流体タイトシールを設けるためにガスケット388を保持する。側壁400の一部は、底面チェンバ部410の体積を最大化するために波状の輪郭を有し、底面362をカバー412に固定するために用いられる開口部402のための上側表面366に余地を残す。パネル364の周囲の追加開口部403はまた、シャワーヘッド分配部材360における底面362およびカバー412を組み上げるためにファスナーとして用いられる。パネル364の周囲環境のさらなる追加の開口部405は、シャワーヘッド分配部材360を吸気アセンブリ200に固定するためにファスナーとして用いられる。開口部403および405は、カバー412の外周部においてそれぞれ、対応する開口部455および457と整合する。
パネル364は、吸気アセンブリ200の下方中央貫通開口部230に適合し、整合するサイズに調節される、概ね直進する中央開口部390を有する。このため、中央開口部390はまた、シャワーヘッド分配アセンブリ360を介して配管、電気、および他の部材につながる簡易通路307の一部を形成する。中央開口部390の境界部を規定する面取り側壁392は、シャワーヘッド分配部材360を吸気アセンブリ200に設けるために開口部404においてファスナーを用いる余地を作るため、輪郭406を備える。
カバー412は、パネル414の周囲から伸びる円形パネル414および環状リム418を概ね含み、カバー412の強化、固定を図っている。第1上昇カバー領域420は、第1凹フロア370に重なり、シャワーヘッド分配部材360の中の第1チェンバに頂上部422を規定する。第1上昇カバー領域420は、底面362およびカバー412を組み上げるとき、開口部454および開口部402におけるファスナーを用いる余地を作るために、輪郭424を有する。第2上昇カバー領域426は、第2上昇フロア380に重なり、シャワーヘッド分配部材360の中の第2チェンバの頂上部428を規定する。第2上昇カバー領域426は、底面362およびカバー412を組み上げるとき、開口部454および開口部455におけるファスナーを用いる余地を作るために、輪郭430を有する。中央開口部452は、底辺362の中央開口部390に重なり、シャワーヘッド分配部材360を介して、配管、電気、および他の部材につながる簡易通路307の一部を形成する。
1つ以上の処理物質、典型的にはガスおよび/または蒸気は、流体導入部材432および/または438を介してシャワーヘッド分配部材360に供給され得る。これらの流体のうちの1つ以上は、導入口436において流体導入部材438に入り、管434を介してシャワーヘッド分配部材360の下流チェンバの中に流れ込む。同様に、これらの流体のうちの1つ以上は、導入口442において流体導入部材438に入り、管440を介してシャワーヘッド分配部材360の下流チェンバに流れ込む。第1供給チューブ444は、適切なハードウェア446(図2参照)によって第1流体導入部材432に連結され、第2供給チューブ448は、適切なハードウェア450(図2参照)によって第2流体導入部材438に連結される。
使用に際して、1つ以上の処理流体、特に1つ以上のガス流れは、第1および/または第2供給チューブ444および448を介してシャワーヘッド分配部材360へ供給される。各チューブに供給される処理流体は同一のものでもよく、または異なっていてもよい。処理流体は、管434および440のそれぞれを介して、シャワーヘッド分配部材360における対応するチェンバに導入される。チェンバ内の処理流体の圧力は、細長開口部372および382を通過する流れが均一になるように、概ね均等化される。望ましくは、シャワーヘッドチェンバ内の流体の圧力差分は、このように均一な流れを実現するための従来技術によると、開口部372および382を介する圧力降下よりも小さいことが望ましい。細長開口部372および382を介して分配されるとき、分配流体は、ベンチュリ状通路308および318のそれぞれを介して加工チェンバに向かって概ね流れる。
図1および図16〜21を参照すると、増幅ガス分配ステーション462は、シャワーヘッド分配部材360に対して上流に位置する。シャワーヘッド分配部材360は、少なくとも第1供給チューブ444および第2供給チューブ448を含む配管によって、増幅ガス分配ステーション462に流通可能なように連結される。必要に応じて、増幅ガス分配ステーション462は、加工チェンバ18を、少なくとも1つの環境空気ソース、および、例えばガス、蒸気、これらの組み合わせ等、環境空気から独立した空気ソースから発生し得る流体の少なくとも1つの非環境空気ソースとに流動的かつ制御可能に連結する。このような他のガスおよび蒸気の例としては、窒素、アルゴン、二酸化炭素、これらの組み合わせ等が挙げられる。
好ましい実施形態では、増幅ガス分配ステーション462は、道具10に関連するロボティクスコンパートメントにおける環境空気ソースに流通可能なように連結される。このような空気は、非常に高い度合いまで、すなわち、道具10の外側を囲むクリーンルームよりもはるかに高く純化されることが多いので、上記構成は有利である。これによって、増幅ガス分配ステーション462は、マイクロ電子加工品を非常に高い純度で加工するための実質的に粒子のない環境から環境空気を分離することができる。また、この構成によって、上記ステーション462は、使用される加工チェンバに対して相対的に近接する。もちろん、増幅ガス分配ステーション462は、適切な環境空気ソースが実際に利用しやすいものである限り、所望のように他の部分に配置され得る。他の代表的な配置としては、道具10における他のコンパートメント、周囲環境のクリーンルーム、局所的クリーンルームにおける他の道具、または等距離の道具またはクリーンルームが挙げられる。空気増幅器498の吸気が適切な純化部材を用いて適合される場合、このような部材を介して空気増幅器498に入り込むと少なくとも部分的に純化される環境空気を発生させる他の環境空気ソースに流通可能なように空気増幅器498が連結され得る。説明すると、増幅ガス分配ステーション462は、環境空気から独立したソースであり得る窒素ソースに連結されるものとしても示される。加工チェンバ18は、単一の空気増幅器498によって作動させられるものとして示されるが、他の実施形態では2つ以上の空気増幅器が1つ以上の加工チェンバを作動させてもよい。
より詳細に説明すると、増幅ガス分配ステーション462は、マニホールド464、空気増幅器498、および、マニホールド464と空気増幅器498との間に挿入されるバルブ520を概ね含んでいる。マニホールド464は、複数のソースから流体を受容し、供給ライン444および448等の1つ以上の下流目的へこのような流体を分配できるようにする構成を有するボディ466と、シャワーヘッド分配部材362と、吸気アセンブリ200と、加工チェンバ18とを備える。空気増幅器498からの増幅された空気の供給を受容するために、ボディ466は、増幅空気チャンネル470、連結器476、および二又排出口チャンネル478によって第1排出口480および第2排出口482に流通可能なように連結される増幅空気導入口468を備える。窒素供給部(図示せず)からの窒素ガスの独立した供給を受容するために、ボディ466は、加圧ガスチャンネル474、連結器476、および二又排出口チャンネル478によって第1排出口480および第2排出口482に流通可能なように連結される加圧ガス導入口472を備える。第1供給チューブ484および第2供給チューブ488は、マニホールド464をシャワーヘッド分配部材360に流通可能なように連結する。第1供給チューブ484および第2供給チューブ488は、それぞれ同一であってもよく、または異なっていてもよい。第1供給チューブ484および第2供給チューブ488は、適切なハードウェア492および494を用いて、マニホールド464に固定される。搭載タブ496は、ハウジング、フレームワーク等の所望の位置に、増幅ガス分配ステーション462を搭載するために用いられてもよい。
空気増幅器498は、マニホールド464に、そして加工チェンバ18に、必要に応じて増幅された空気流れを供給する。空気増幅器は、相対的に低い加圧ガスの流れを用いて相対的により低い圧力ガスの流れを大幅に増加する装置を意味する。多くの場合、より低い加圧ガスは環境空気である。空気増幅装置は、高速、高体積、低圧出力空気流れを生成するために小さな体積の加圧ガスからエネルギーを得る。1より大きく75:1ほどの範囲の増幅比率は、市場で入手可能な多くのユニットにおいて達成される。本発明では、1より大きく約25:1までの範囲の増幅比率、好ましくは約2よりも大きく約10:1までの範囲の増幅比率が適切である。1セットの条件の下では、4:1の増幅比率を用いることが適切であることが分かっている。
空気増幅器498は、ボディ500と、吸気部502と、窒素等の加圧ガスソース(図示せず)に連結される加圧ガス導入口504と、増幅空気排出口506と、搭載タブ508とを備える。使用に際して、加圧ガスは加圧ガス導入口504に導入される。空気増幅器の内部構造のため、環境空気をマニホールド464に向けて前方かつ下方へ押し込みつつ、加圧ガスは吸気部502を介して空気増幅器498にはるかに大きい体積の環境空気を送り込む。
図21は、空気増幅器498の追加的特長と、空気増幅器498がどのように作動するかを示す。空気増幅器498のボディ500は概ね、本体部材501と、調節可能コア510と、ロックナット512からなる。加圧ガスは、圧縮期待導入口504から環状チェンバ514へ流れる。そして、加圧ガスの流れは環状ギャップ516によって調節される。これによって、いわゆるコアンダプロフィールに基づく高速の流れが発生し、この流れをマニホールド464に向けることができる。こうして吸気部502において低圧領域が形成される。これにより、周囲からの高体積の環境空気を引き込み、増幅空気排出口506を通過する高体積、高速出力流れを生成する。
空気増幅器について特に好ましい実施形態は、NEXから購入可能なモデル40001調節可能空気増幅器が挙げられる。ただしこれは、市場で入手可能なユニットが設けられているステンレススチールロックナットが、PVDFからなるロックナットに交換されたものである。ステンレススチールをカバーし、化学物質にさらされないようにするために、PVDFナットが用いられている。他の実施形態では、空気増幅器の追加部材、または空気増幅器全体は、PVDF、PTFE、および/または他の不活性物質からなってもよい。
この点で、空気増幅器498の使用は多くの有利な点につながる。まず、空気増幅器498によって、バルブ520の単純な調節によって必要に応じて加工チェンバ18を隔離する、または環境空気に連結しやすくなり、これによって空気増幅器498への通路を開く、または閉鎖する。操作における開モードと閉モードとの切替は、このようなバルブ調節によって非常に速く行われ、空気増幅器498は必要に応じて、実質的な環境空気の流れを引き込む。特に、このような設計によって、他の閉チェンバ設計へ周囲環境から酸素を引き込むことが容易になる。
他の有利な点は、加工チェンバ18から見て上流の空気増幅器の配置に関する。この上流位置から空気の流れを引き込むことによって、単に加工チェンバ18から下流の排出物を引き込むことによって空気の流れを誘発する場合に比べて、より大きな制御度で道具10がチェンバ18に入り込む環境空気の流速を制御する。単に下流排出物によって加工チェンバ18に引き込まれる空気の流れの均一さは、加工チェンバ内の事象によってはるかに高い度合いの影響を受ける可能性がある。例えば、チャックが回転するrpm、処理媒体がチェンバに導入される速度、回転ウェハのサイズ等が影響を受ける。これに対して、上流空気増幅器によって生成される流れは、下流チェンバにおける事象によって概ね隔離され、したがってより均一になる。下流排出物のみが用いられるとき、加工の一貫性が損なわれ得る。もちろん、空気増幅器を用いるとき、下流排出物をまだ引き込むことができる。しかしながら、チェンバを排出し、チェンバに環境空気を供給することを意図しない多くの実施形態においてこのような排出物が用いられ得るので、このような排出物はより適切なものであり得る。
他の有利な点としては、生成された流れを放出する、または維持するために必要である空気増幅部材のいかなる動きもない状態で空気の流れを生成し得る。これによって、動く部材を有するハードウェアに関連する粒子を発生させるリスクを最小化できる。粒子汚染の最小化が最もうまく行われているマイクロ電子部品作成が可能であるという点で、上記構成は特に有利である。
バルブ520は、ベルトボディ522と、増幅された空気流れを空気増幅器498からマニホールド464に流し、バルブ調節によって開閉可能な管領域524と、増幅された空気をバルブ520に入れる導入口526と、増幅された空気をバルブ520からマニホールド464へ出す排出口528と、搭載タブ508とを有する。好ましくは、バルブ520は、電力供給に不具合が発生したとき、下流加工チェンバ18の周囲環境への露出がブロックされるように、通常は閉鎖されている。
図1および22〜26は、バリアプレート56の形態の加工チェンバカバーと、バッフル部材34の形態の隣接する可動バリアとの間のギャップを横切るバリアを形成するために、流動ガスのカーテン50をどのように用いることができるかをより詳細に示す。これらの図に示すように、バリアプレート56の外周部と、バッフル部材34の内側リム68との間にギャップ48が存在する。周囲環境または他のソースからの酸素が加工チェンバ18から排出される加工品12の処理等の操作において道具10が閉モードで操作されるとき、酸素がこのギャップ48を介して加工チェンバ18に漏れることがないように、このギャップ48をブロックすることが望ましい。
バッフル部材34は、環状バッフルプレート536と、上側表面538と、下側表面540と、内周部68と、内側壁フランジ544と、外側壁フランジ550とを概ね備える。本願譲受人の同時係属出願1および2に示されるタイプにおける対応するバッフルフード(図示せず)におけるスナッピングを促進するために、フランジ544および550は、溝546と552、およびテーパ型チップ548と554を有する。図1の排出ダクト40の開閉を行うために、バッフル部材34を上下に動かすことができる。バッフル部材34の上下動作はまた、ウェハ12の脱着を促進し得る。バッフル部材34の内側リム68と、バリアプレート56の側壁560との間に、ギャップ48が存在する。典型的な例では、このギャップの幅は約1/16インチ(約1.6mm)である。
ガス排出リングの形態の部材52は、バリアプレート56の側壁560においてガスの環状カーテン50を排出するために、所定位置のバッフル部材34の上側表面538に設けられる。部材52は、パネル566と、リング52を強化・固定するためにパネル566から下方へ伸びるリム568とを概ね有している。ガス導入ノズル570は、導入開口部572にねじ込まれる。窒素等の適切な加圧ガス源(図示せず)は、チュービング(図示せず)または他の適切な配管によって流通可能なようにノズル570に連結される。加圧ガスは、ノズル570を介して部材52に導入される。そして、ガスはリング52とバッフルプレート536との間のプレナム580の周りで分配される。そして、バッフル部材34の内側リム68に近接する環状ノズル586を通過するバリアプレート56の側壁560の面に向かって放射状かつ内側にガスが排出される。リング状部材52をバッフル部材34のネジ開口部578に固定するために、ファスナー588は開口部574に嵌められる。図示するように、バッフルプレート536の全体にわたってネジ開口部578にはタップが設けられるが、これらはバッフルプレート536における一部分のみにおいてタップが設けられてもよい。他の配置として、ファスナー588を受け入れるための深さを増加するために、内側側壁フランジ544を網羅するように開口部578にタップが設けられてもよい。ファスナー位置のスペーサー576は、ファスナー588を駆動するとき、パネル566を支持し、プレナム580の体積を維持する。環状ノズルの口におけるスタンドオフ584は、ノズル幅の均一性を維持する。典型的な実施形態では、ノズル幅は約5/1000インチである。バッフルプレート536の上面は、プレナム580における体積を増加させるために、プレナム領域において減少される。バッフルプレート536におけるショルダー590はまた、搭載用の部材52の配置を行う。
上記図面では、2つの独立して動く部材の間のギャップを横切ってシールを設けるために、どのようにしてガスカーテンそのものが用いられ得るかが示されている。上記図面の場合、これらの動く部材はバリアプレート56および部材52である。代替の構成として、図27〜30は、動く部材の間の効果的なシールを形成するために、どのように物理的接触を有するガスカーテンが用いられ得るかを示している。ガスと物理的方法との両方がシーリングを達成するために用いられるという点では、シーリング方法は混成的である。このような混成方法における1つの有利な点は、動く部材の間の製造許容範囲を緩和することである。これは、1つ以上の領域において物理的シールの質を向上させるためにガスカーテンが有効だからである。
具体的に、図27〜30は、バリアプレート700および可動バッフル部材702を含む、動く部材という観点から、どのように混成シーリング方法が達成し得るかを示している。バリアプレート700および可動バッフル部材702についての代表的な実施形態が、本願譲受人の同時係属出願1〜4に記載されている。バリアプレート700は、上側表面706および下側表面708を備える環状ボディ704(図27に模式的に示される部分)を有する。
バリアプレート700に含まれる吸引システムの一部として、環状ボディ704の外周部712に近接する上面706において、環状トラフ710が形成される。吸引チャンネル714は、環状ボディ704の下側表面708に配置されるポート716の間から、トラフ710に対して開放状態にある対応するポート718へ伸びている。トラフ710の頂上開口部を封止状態にするために、シールリング720はトラフ710の上の環状ボディ704に固定される。シールリング720は、任意の簡便な方法で環状ボディ704に固定されてもよい。例としては、環状ボディ704の上面706におけるネジ穴に係合するファスナー724によってトラフ710にシールリング720を固定させる開口部の列を有する。
シールリング720は、本願譲受人の同時係属出願1〜4に示すように、スプレイバー部材のための余地を作るために端部を規定するリングを通過するノッチ(図示せず)を備えるように概ね環状に形成されている。さらに、トラフ710にアクセスするために配管部材の排出口として機能する出口穴(図示せず)がシールリング720に設けられている。これによって、トラフ710では真空状態となる。真空状態によって、下側表面708から吸引チャンネル714を介してトラフ710へ液体物質が流入する。有利な点としては、ペリメータ吸引によって、バリアプレート700の底辺が清浄かつ乾燥状態に保たれ、また、液滴または粒子から発生し得る下方加工品における不具合を防ぐことができる。
環状部材730は、バリアプレート700に対して物理的に取り付けられ、バリアプレート700とバッフル部材702との間のギャップにわたって混成シールを形成する。部材730は、リング状パネル734と、そこから下流に伸びるリム736とを有する。パネル734は、吸引チュービングがバリアプレート700にアクセスできるようにするために、通過部分として機能する比較的大きな開口部748を複数備えている。ファスナー724を用いて、部材730をバリアプレート700に固定するために、相対的に小さな開口部740が用いられる。切り出し領域742は、本願譲受人の同時係属出願1〜4に記載されるように、特に、本願譲受人の同時係属出願3に記載されるように、スプレイバーおよび関連する部材に適合するように部材730のための余地を作る。
リム736は、外側面744と、底面746と、内側面748を有する。下側表面は、下方のバッフル部材702の傾斜に概ね沿うように角度がつけられる。しかしながら、ギャップ732がシールされるとき、底面746は下方のバッフル部材702の表面に直接接触しないことが好ましい。より好ましくは、約0.0005から約0.01インチの範囲の厚さ、より望ましくは約0.002から約0.005インチの範囲の厚さを有するギャップ752によって、底面746はバッフル部材702から分離される。底面746は、圧縮可能なガスケット750を収容する環状溝794を有する。ギャップ732がシールされるとき、ガスケット750はバッフル部材702に直接接触することが好ましく、ギャップ752を維持しつつ、ある程度、少なくとも部分的に圧縮される。ガスケット750の圧縮によって、部材の間に良好な物理的シールを形成することができる。代表的な代替構成としては、可動バッフル部材702を上方に動かすことができ、かつ/または、バリアプレート700を下方に動かすことができ、これによってガスケット750の望ましい圧縮が可能となる。
部材730がバリアプレート700に固定されるとき、内側表面748はバリアプレート700およびシールリング720に当接する。溝754におけるガスケット(図示せず)によって、この界面において良好なシールが形成される。
少なくとも1つ、好ましくは複数のガス導入チャンネル756は、リム736を介して伸びる。概ね、部材730の周りに実質的に等距離で分離されているこれらのチャンネルを約2個から約10個用いることが適切である。一実施形態では、このようなチャンネルを4個用いることが適切である。ガスは、導入口758におけるチャンネル756に導入され、排出口760を介して外に出る。ガスが直接下向きに噴き出されてバリアプレート700の下に位置する下方加工チェンバに流入しないように、チャンネルはギャップ732よりもむしろ、概ねバッフル部材702に向けられる。部材730とバッフル部材702との間のギャップ752の体積は、プレナムのような作用をし、ガスを分配し、ギャップ732のシーリングを増強するガスバリアを形成する。
銅の表面を処理するために酸性化学物質が用いられる実験によって示されるように、混成方法を用いることによってギャップ732のシールを向上することができる。実験セットの1つにおいて、図27および30に示すようにリング状部材を用いて、バリアプレートと、隣接するバッフル部材との間のギャップを封止状態にする道具において、銅の表面を処理するために化学物質が用いられる。ギャップ732におけるシールは物理的接触のみを用いて形成されるとき、物理的接触およびガスの流れの両方を用いるシールと比較すると、銅の損失が高くなる。
全体として、ガスおよび物理的シーリング法の使用によって、銅損失を約15%から20%へ低減することができる。銅金属は銅の酸化物よりも衝撃に対する耐性が高い傾向にあり、銅は酸素が存在する場合により大きな程度で酸化する傾向にある。したがって、他の同様の化学処理の間において銅損失が増加すると、これはより多くの酸素が存在していることを示す。ガスを追い出すことによって加工チェンバの周囲環境酸素からの隔離を促進するので、限定する意図はないが銅損失の低減が見込まれる。
特許、特許文献、および引用文献の完全な開示が、個別に含まれるのと同様に、全ての目的についてそのまま参照として含まれる。
本発明についての様々な修正および変更は、本発明の範囲および精神を逸脱しない程度に当業者には明らかであろう。本発明は、本明細書に示される例示的実施形態および実施例によって過度に限定されるものではなく、以下の請求項によってのみ限定される発明の範囲のみに基づいて例示としてこのような実施例および実施形態が示されているということを理解するべきである。
〔補足〕
なお、本発明は、以下のように表現することも可能である。
すなわち、本発明に係るシステムは、マイクロ電子加工品を加工するためのシステムであって、上記システムは、加工品を収容する加工チェンバと、環境空気と上記加工チェンバとを流通可能に連結する流体通路とを備え、上記システムは、増幅された環境空気の流れが上記流体通路を介して上記チェンバに導入される第1状態を含み、上記増幅された環境空気の流れは、上記加工チェンバに対して上流の開口部を介して上記流体通路に流れ込む加圧流体の流れによって少なくとも部分的に生成され、上記システムは、上記加工チェンバと、上記流体通路の少なくとも一部とが環境空気から隔離され、環境空気に対して低い酸素含有量を有する非環境ガスが、上記流体通路を介して上記加工チェンバに流し込まれる第2状態を含む。
また、本発明に係るシステムでは、上記流体通路は、上記増幅された環境空気の流れを上記加工チェンバに導入させるベンチュリを含む。
また、本発明に係るシステムでは、上記流体通路に連結される空気増幅器をさらに備え、上記空気増幅器は、増幅された環境空気の流れを上記空気増幅器に引き込むために効果的に加圧ガスの流れを上記空気増幅器に導入させる第1導入口と、第2導入口と、上記増幅された空気を上記加工チェンバへ流す排出口とを有している。
また、本発明に係るシステムでは、上記流体通路に引き込む前に、上記増幅された空気が純化される。
また、本発明に係るシステムでは、増幅された空気の流れ、または非環境ガス源からのガスの流れを、必要に応じて受容するマニホールドをさらに備える。
また、本発明に係るシステムでは、上記増幅された空気の流れの、加圧流体の流れに対する増幅比率は、1よりも大きい比率から約25:1までの範囲である。
また、本発明に係るシステムでは、上記増幅された空気の流れの、加圧流体の流れに対する増幅比率は、1よりも大きい比率から約10:1までの範囲である。
また、本発明に係るシステムでは、上記流体通路は、上記ベンチュリに対して上流に位置し、加圧ガス源に流通可能なように連結される開口導入部を備え、上記開口部を通過し、上記流体通路に流れ込む上記加圧ガスの流れが、上記ベンチュリを介して上記加工チェンバに流れ込む環境空気を増幅的に上記流体通路に引き込むように上記開口部が構成され、上記加圧ガスは環境空気よりも十分に高い圧力下にあり、上記流体通路を、上記加工チェンバおよび上記流体通路の少なくとも一部を環境空気から隔離するために閉鎖することができる。
また、本発明に係るシステムでは、上記加工チェンバおよび上記流体通路の少なくとも一部が環境から隔離されるとき、非環境ガスを上記流体通路における上記ベンチュリを介して上記加工チェンバに導入できるように、上記加工チェンバに流通可能なように連結される非環境ガス源を備える。
また、本発明に係る方法は、マイクロ電子加工品を処理する方法であって、
a)加工チェンバの中に上記加工品を配置する工程と、
b)増幅された環境空気の流れを生成するために、開口部を通過する相対的に低い加圧ガスの流れを用いる工程と、
c)上記増幅された空気の流れを上記加工チェンバに導入する工程と、
d)上記増幅された空気を上記加工チェンバへ導入する期間の少なくとも一部の期間において、上記加工品を処理する工程とを含む。
また、本発明に係るシステムは、マイクロ電子加工品を処理するためのシステムであって、
a)外周部を有する加工品を収容する加工チェンバと、
b)上記加工品と重なり、外周部を有し、少なくとも1つの処理流体を上記加工チェンバへ導入させる少なくとも1つの導入口を備える可動カバーと、
c)上記加工品の外周部に近接する導入口を有する排出ダクトの少なくとも一部を規定する可動境界部であって、上記カバーと上記可動境界部との間にギャップが存在するように、上記加工品の処理の少なくとも一部が行われている間、上記カバーの外周部に近接するが、分離している内周部を有する可動境界部と、
d)上記処理の少なくとも一部が行われている間、環境空気から上記チェンバを隔離するために、上記ギャップにわたって境界部を形成する流動ガスのカーテンとを備える。

Claims (3)

  1. マイクロ電子加工品を処理するためのシステムであって、
    環境空気から上記加工品を隔離する境界を有し、上記境界の一部が流動ガスのカーテンを含む、上記加工品を収容する加工チェンバと、
    上記加工品を覆い、且つ、上記加工チェンバの境界の少なくとも一部を規定する可動カバーであり、上記加工チェンバ内に収容された上記加工品の処理が行われる間、上記カバーが第1位置にある第1状態と、上記チェンバへの環境空気の流れ込みを可能にする第2位置に上記カバーがある第2状態とを有し、少なくとも1つの処理流体を上記加工チェンバへ導入させる少なくとも1つの導入口を任意に備えた上記可動カバーと、
    上記カバーが上記第1状態にあるときに上記カバーに近接するが上記カバーから離れている先端を有する境界部であり、加工品処理が実施される間、上記カバーとの間にギャップが存在するように構成されている少なくとも1つの上記境界部と、
    上記カバーが上記第1状態にある場合において処理の少なくとも一部が行われている間、環境空気から上記加工チェンバを隔離することを促すために、上記ギャップに対する境界を形成する流動ガスのカーテンと
    上記ギャップに上記流動ガスのカーテンを分配するよう促す流動通路を含むプレナムとを備える、システム。
  2. マイクロ電子加工品を処理するためのシステムであって、
    a)上記加工品を収容する加工チェンバと、
    b)環境空気を上記加工チェンバに流通可能なように連結する流体通路とを備え、上記流体通路は、
    (1)上記流体通路内に配置され、通過したガスの流れが上記加工チェンバの境界の少なくとも一部を形成するように配置されるベンチュリ状通路と、
    (2)上記ベンチュリ状通路に対して上流に配置され、加圧ガス源に流通可能なように連結された、上記流体通路への吸気口であり、上記吸気口の開口部分と、上記環境空気よりも十分高い圧力をかけられた加圧ガスとは、上記開口部分を通過して上記流体通路に流れ込む上記加圧ガスの流れにより、上記ベンチュリ状通路を通過して上記加工チェンバへと流れ込む環境空気が上記流体通路に増幅して引きまれるように構成されており、上記流体通路が、上記加工チェンバと上記流体通路の少なくとも一部とを環境空気から隔離するために閉じることができるように構成されている吸気口と、
    (3)上記加工チェンバと上記流体通路の少なくとも一部とが環境空気から隔離されたとき、非環境ガスを上記流体通路の上記ベンチュリ状通路を介して上記加工チェンバに導入できるように、上記加工チェンバに流通可能なように連結された非環境ガス源とを備え
    c)上記加工品を覆う可動カバーと上記加工品の処理が行われている間に上記加工チェンバの境界の少なくとも一部を規定する可動カバーとの間のプレナムと、上記カバーに近接するが上記カバーから離れた先端を有する少なくとも1つ境界部であって、上記加工品の処理が行われている間に上記境界において、上記カバーと上記少なくとも1つの境界部との間にギャップが存在するよう構成された少なくとも1つの境界部とを備え、上記プレナムは、上記ギャップにガスのカーテンを分配するために上記ベンチュリ状通路と流通して、上記加工品の処理の少なくとも一部が行われている間、環境から上記加工チェンバを隔離するよう促す、システム。
  3. 流動ガスの上記カーテンは、上記ギャップを横切って流れる、請求項2に記載のシステム。
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