JP3511514B2 - 基板浄化処理装置、ディスペンサー、基板保持機構、基板の浄化処理用チャンバー、及びこれらを用いた基板の浄化処理方法 - Google Patents

基板浄化処理装置、ディスペンサー、基板保持機構、基板の浄化処理用チャンバー、及びこれらを用いた基板の浄化処理方法

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JP3511514B2
JP3511514B2 JP2001165644A JP2001165644A JP3511514B2 JP 3511514 B2 JP3511514 B2 JP 3511514B2 JP 2001165644 A JP2001165644 A JP 2001165644A JP 2001165644 A JP2001165644 A JP 2001165644A JP 3511514 B2 JP3511514 B2 JP 3511514B2
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剛慈 上田
淳 金安
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、シリコン
ウェハ等の半導体基板材料の浄化処理に用いられる基板
浄化処理装置、ディスペンサー、基板保持機構、基板の
浄化処理用チャンバー、及び基板の浄化処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体産業の急激な発展に伴い、シリコ
ンウェハ等の半導体基板材料に対する要求は年々厳しく
なってきており、基板表面からミスト等の不要物を洗浄
除去したり、望まぬ部分を除去するための処理(以下、
単に浄化処理と呼ぶ)を完全に行う基板の浄化処理が望
まれている。また、昨今は、基板表面の浄化処理に留ま
らず、裏面に対する浄化処理も求められている。これに
対し、従来の基板浄化処理装置においては、処理するた
めの密閉領域(以下、チャンバーという)が、基板を浄
化する部分と、その周辺部分とに明確に分かれているも
のは殆どなく混在しており、高精度の洗浄を行うことは
難かしかった。従来の基板浄化処理装置では、チャンバ
ー内を分けているとしても、それは、基板の浄化処理に
供する薬液やリンス水へのミストの混入を避ける目的
で、遮蔽や整流効果を与える隔壁を設けている程度であ
った。
【0003】また、従来より、基板浄化処理装置のチャ
ンバーを、薬液による浄化処理する領域と、薬液等をす
すぐためのリンス領域とに分けてIn Situ(同じ
場所)で処理する機構を提案したものは公知となってい
るが、これは同一チャンバーにおいてシーケンスの機能
(処理の順番)を分けたものであって、浄化処理を行う
部分と、その周辺部分とを隔絶する構成のものではなか
った。
【0004】更に、従来の基板浄化処理装置において、
浄化処理する基板を保持する手段としては、真空で引く
ことで基板裏面を保持するバキュームチャックの方式が
広く用いられている。この機構は、真空制御が途絶えな
い限りにおいては、高回転で基板を回転させた場合にも
基板を安定に保持することができるという点で優れてい
る。しかしながら、基板の裏面に対しても浄化処理する
ことが求められている現状にあっては、上記の方法は、
保持具が、基板の裏面と直接接触するものであるため不
向きである。
【0005】これに対して、保持具と基板裏面の接触を
抑える方法として、ベルヌーイ効果を利用した非接触型
の基板保持機構が提案されている。この方法は、上記し
た保持具が直接基板と接触する従来の方法に比べて機械
的な汚染を回避する観点からは優れており、対応の幅が
広がる可能性がある。しかし、この方法では、一般にガ
ス流体が用られるため、流体の高度な制御が要求され
る。更に、この方法は、基板を保持するチャック機構と
しては効果があるものの、表面浄化の観点からは、一方
向の面が常に送られてくるガスに曝されるので、基板両
面を同時に処理することはできない。
【0006】また、従来の基板浄化処理装置において
は、チャンバー内は処理薬液やリンス液に曝されるが、
チャンバー内壁を積極的に洗浄する機構は殆ど設けられ
ておらず、処理部周辺を水洗する機構が提案されている
程度である。しかし、一連の基板浄化処理中にチャンバ
ー内の水洗を行うことは難しいため、この方法では、し
ばしばチャンバー洗浄のための時間を特別に設定する必
要があった。
【0007】また、基板の浄化処理においては、基板の
表面、或いは裏面、若しくはベベル(めっき時にできる
基板外周部の銅の膨らみ)等と、その一部分のみを専門
に浄化処理するのが一般的である。上記に挙げたような
各部分を専門に浄化処理する方法は、高精度な浄化とい
う観点からは優れるが、製造現場においては、各部分毎
に別々の装置を購入しなければならず、コスト高や設置
場所の占有を招いている。更に、基板全面を浄化処理す
る場合においても、その一部分のみを専門に浄化処理す
る方法が採られている場合がある。これは、基板を薬液
等に完全に浸漬する場合を除き、基板を一枚一枚処理す
る枚葉処理のような性質の機器においては、多くの場合
に基板を回転させていることから、基板を保持するため
の機構的な制約を受けるため、やむを得ず浄化処理を専
門化している実情があるからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、基板表面からミスト等の不要物や、望まぬ部分を完
全に除去することのできる高精度の処理が可能な基板浄
化処理装置、基板浄化処理方法、及びこれらに好適に用
いられる各種部材を提供することにある。又、本発明の
目的は、基板を保持するための保持部材による基板の汚
染を最小限に食い止めることができ、枚葉処理におい
て、基板の表裏両面や基板の端面、更には所望の部分に
対して、同一チャンバー内で高精度で処理することが可
能な基板浄化処理装置、ディスペンサー、基板保持機
構、基板の浄化処理用チャンバー、及びこれらを用いた
基板浄化処理方法を提供することにある。又、本発明の
目的は、危険なガスや高濃度ガスによる基板の浄化処理
にも対応でき、廃液やミストが確実に排出されて洗浄処
理後に再汚染を生じることのない、安全性が高い高精度
の処理が可能な基板浄化処理装置、基板保持機構、基板
の浄化処理用チャンバー、及びこれらを用いた基板浄化
処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、少なくと
も、開閉及び密閉可能に構成された耐圧容器からなる
殻部と、該外殻部内に収納された基板を保持するための
保持部材を有する内殻部と、該内殻部内へとガス及び/
又は液体を供給するためのディスペンス部を有し、上記
外殻部によって形成される密封空間内に更に上記内殻部
によって気密性の高い空間が形成され、該空間内で基板
の浄化処理が行われるように構成されていることを特徴
とする基板浄化処理装置である。また、本発明は、少な
くとも、開閉及び密閉可能に構成された外殻部と、該外
殻部内に収納された基板を保持するための保持部材を有
する内殻部と、該内殻部内へとガス及び/又は液体を供
給するためのディスペンス部を有する基板浄化処理装置
であって、上記内殻部自身が基板と共に回転する機構を
有し、且つ、上記外殻部によって形成される密封空間内
に更に上記内殻部によって気密性の高い空間が形成さ
れ、該空間内で基板の浄化処理が行われるように構成さ
れていることを特徴とする基板浄化処理装置である。ま
た、本発明は、少なくとも、開閉及び密閉可能に構成さ
れた耐圧容器からなる外殻部と、該外殻部内に収納され
た基板を保持するための保持部材を有する内殻部と、該
内殻部内へとガス及び/又は液体を供給するためのディ
スペンス部を有する基板浄化処理装置であって、上記内
殻部自身が基板と共に回転する機構を有し、且つ、上記
外殻部によって形成される密封空間内に更に上記内殻部
によって気密性の高い空間が形成され、該空間内で基板
の浄化処理が行われるように構成されていることを特徴
とする基板浄化処理装置である。また、本発明は、少な
くとも、開閉及び密閉可能に構成された外殻部と、該外
殻部内に収納された上下の開口部と排液を排出するため
の排出孔とを有する内殻部と、これらの開口部にそれぞ
れ挿入される上下1対の上下動可能なディスペンス部と
が設けられ、該ディスペンス部が、その内殻部側のそれ
ぞれの端部に少なくとも1のノズルを有する平面部分を
有し、これらの端部と上記内殻部の内壁とによって気密
性の高い空間が形成される基板浄化処理装置において、
上記空間内の内殻部の内壁に、廃ガス及び/又は廃液を
排出するための排出孔と、上記ディスペンス部のそれぞ
れの端部に接触しない状態で処理対象とする基板(以
下、単に基板と言う)を保持するための保持部材とが設
けられ、且つ、該保持部材によって基板が保持された状
態で内殻部が水平方向に回転するように構成されている
ことを特徴とする基板浄化処理装置である。
【0010】また、本発明の別の形態は、上記のいずれ
かに記載の基板浄化処理装置のディスペンス部に使用さ
れるディスペンサーであって、その端部に基板の表裏面
の少なくとも一部を覆うことができる平面部分を有する
上下1対の部材からな、上記平面部分をそれぞれ、基
板の表裏面と接触することなく任意の間隔をもって基板
と略平行な位置に固定させるための上下動制御機構と、
上記平面部分に、ガス及び/又は液体を基板の表裏面に
供給させるための少なくとも1のノズルを有することを
特徴とするディスペンサー、及び、該ディスペンサーを
用いた基板の浄化方法であって、少なくとも、ノズルか
ら液体を供給し、且つ基板面と平面部分との間隔を3m
m以下に保持することで基板面と平面部分との間に液膜
を形成させる工程を有することを特徴とする基板の浄化
処理方法である。
【0011】また、本発明の別の形態は、基板の浄化処
理に用いられる気密性の高い空間の形成が可能な基板の
浄化処理用チャンバーであって、基板を水平に保持する
ための複数の保持部材と、該保持部材によって設置され
た基板の表裏面にガス及び/又は液体を供給するための
少なくとも1のノズルと、基板が設置された水平の位置
よりも低い位置に設けられたガス及び/又は液体を排出
するための排出孔とを有し、且つ基板を保持した状態で
チャンバー自身が水平方向に回転可能に構成されている
ことを特徴とする基板の浄化処理用チャンバー、及び、
該チャンバーを用いる基板の浄化方法であって、基板を
保持した状態で浄化処理用チャンバーを水平回転させな
がら、設置した基板の表裏面にノズルからガス及び/又
は液体を供給することで基板及び/又はチャンバー内の
洗浄処理及び/又はリンス処理を行うことを特徴とする
基板の浄化処理方法である。
【0012】また、本発明の別の形態は、基板の浄化処
理に用いられる基板保持機構であって、基板端部を上下
部材によって挟むためのチャック機構を複数有し、該複
数のチャック機構により基板を略水平な位置に保持し、
且つ基板を浄化する際に複数のチャック機構によって挟
まれている部分が順次基板の保持と開放とを繰り返すよ
うに構成されていることを特徴とする基板保持機構であ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、好ましい実施の形態を挙げ
て本発明を詳細に説明する。本発明の基板浄化処理装置
は、少なくとも、開閉及び密閉可能に構成された外殻部
と、該外殻部内に収納された基板を保持するための保持
部材を有する内殻部と、該内殻部内へとガス及び/又は
液体を供給するためのディスペンス部とを有し、上記外
殻部によって形成される密封空間内に更に上記内殻部に
よって気密性の高い空間が形成され、該空間内で基板の
浄化処理が行われるように構成されていることを特徴と
する。即ち、本発明の第1の特徴は、基板の浄化処理を
行うための空間が、周辺部と明確に隔離された2重構造
を有することにある。本発明の装置は、かかる2重構造
を有するため、処理する基板と、外界との接触を最小限
に低減できる結果、安全で高精度の浄化処理が可能とな
る。例えば、処理に人体に有害なガスや薬液を用いた場
合にも、有害なガスを外界に漏らすことがないので、安
全に所望する処理を実施することができる。また、2重
構造を有するため、基板の浄化処理を非常に高い密閉状
態で行えるので、所望の処理条件に合わせて、処理空間
の圧力、温度、湿度等の各物理量を容易に制御すること
できる結果、高精度の基板浄化処理の達成が図られる。
更に、基板の浄化処理を行う空間と、これを収納する外
殻部との間に任意の空間を設け、この処理を行う部分の
周辺部分の密閉性を高めることも可能であり、この周辺
部に、処理が行われる空間に対する外部環境からの影響
を最小限に食い止めるバッファーの役割を果たさせるこ
とができるので、この点からも高精度の浄化処理を可能
としている。
【0014】本発明の基板浄化処理装置は、上記したよ
うな外殻部と、該外殻部に収納される内殻部とからなる
2重構造を採用することで、上記のような優れた効果が
得られるが、これに加えて、内殻部内へとガス及び/又
は液体を供給するためのディスペンス部に、本発明の第
2の特徴である下記の構成を有するディスペンサーを適
用することで、更に優れた効果が得られる。かかるディ
スペンサーは、その端部に基板の表裏面の少なくとも一
部を覆うことができる平面部分を有する上下1対の部材
からなり、平面部分をそれぞれ、基板の表裏面と接触す
ることなく任意の間隔をもって基板と略平行な位置に固
定させるための上下動制御機構と、ガス及び/又は液体
を基板の表裏面に供給させるための少なくとも1のノズ
ルを上記平面部分に有することを特徴とする。
【0015】上記のディスペンサーは、ノズルの数或い
は設ける位置を適宜に設計することで、基板の浄化処理
の領域を任意に設定でき、且つ、基板面とディスペンサ
ーの平面部分との間隔を任意に調整することができるよ
うに構成されているため、基板と平面部分との間に液体
の表面張力を利用した液膜を形成し、これを保持した状
態で処理を行うことができる。かかる処理は、従来の装
置では行うことのできない全く新たな浄化方法である。
上記の処理によれば、基板表面の任意の部分を液膜によ
って保護しながら浄化処理することが可能なり、従来
は、特定の部分を専門に浄化処理するための装置をそれ
ぞれ用意する必要があったのに対し、同一の装置内で、
基板の所望する面や端部に対して任意に浄化処理するこ
とができる。更に、上記の液膜の形成は、最小の液量で
形成できるため、経済的な処理が可能である。また、基
板と平面部分との間を接近させ、その間に液膜を形成し
た後、液膜内にガスを供給することで、気泡を保持した
状態で基板と平面部分との間に液を通過させることがで
きる。かかる処理によれば、少量の反応性ガスを希釈す
ることなく基板に接触させることが可能である。加え
て、気泡の界面が基板上を走るため、物理的な汚染物質
の引き離し等の洗浄効果も期待でき、高精度の基板浄化
が可能となる。
【0016】また、本発明の装置は、上記したように、
外殻部と内殻部とからなる2重構造を適用することで優
れた効果が得られるが、更に、基板を処理するための空
間が形成される内殻部に、本発明の第3の特徴である下
記の構成を有する基板の浄化処理用チャンバーを適用
し、更に、該チャンバー内に基板を保持するための保持
部材として、本発明の第4の特徴である下記の構成を有
する基板保持機構を適用することで、より優れた基板浄
化処理装置が得られる。本発明の基板の浄化処理用チャ
ンバーは、基板を水平に保持するための複数の保持部材
と、該保持部材によって設置された基板の表裏面にガス
及び/又は液体を供給するための少なくとも1のノズル
と、基板が設置された水平の位置よりも低い位置に設け
られたガス及び/又は液体を排出するための排出孔とを
有し、且つ基板を保持した状態で水平方向に回転可能に
構成されていることを特徴とする。
【0017】即ち、上記構成を有するチャンバーは、気
密性の高い処理空間を有する内殻部自身が基板と共に回
転する機構を有するため、従来の装置において認められ
た、保持部材と直接接触している基板部分が摩擦して基
板自身を著しく損傷することが抑制され、処理効率の向
上が達成される。更に、これに加えて、チャンバー内に
ガス及び/又は液体を排出するための排出孔が設けら、
該排出孔が基板が設置された水平の位置よりも低い位置
に設けられた構造を有するため、チャンバーの回転によ
る遠心力或いは液流により、基板から飛散した液やミス
ト等の不要物が適切且つ迅速に排出される。このよう
に、飛散した液体の運動エネルギーを利用して、廃液や
廃ガスを処理する空間外に迅速に排出できる構造とした
ことで、基板の浄化処理に用いた薬液によって処理空間
内が曝され、これによって生じる基板の再汚染が有効に
防止される。更に、排出孔が基板が配置される水平の位
置よりも低い位置に排出孔を複数設けることで、処理に
用いられた液体やガスが全て排出孔から滑らかに流れ出
るようにできるので、薬液やリンス水、或いはミストが
基板側に逆流することが有効に防止される。また、上記
構成を有する基板の浄化処理用チャンバーを適用すれ
ば、処理する空間内を洗浄或いは乾燥するための特別の
機構を要さないという効果も得られる。
【0018】上記のような基板の浄化処理用チャンバー
内に設ける基板を保持するための保持部材として好適に
用いることのできる本発明の基板保持機構は、基板端部
を上下部材によって挟むためのチャック機構を複数有
し、該複数のチャック機構により基板を略水平な位置に
保持し、且つ基板を浄化する際に複数のチャック機構に
よって挟まれている部分が順次基板の保持と開放とを繰
り返すように構成されていることを特徴とする。例え
ば、チャック機構が基板端部を略等間隔な6点で挟む位
置に設けられ、且つ対峙する3対のチャック機構がそれ
ぞれ対の状態で作動し、これら3対のチャック機構が順
に基板の保持と開放とを繰り返すように構成されている
ものを使用すれば、下記に挙げるような優れた効果が得
られる。
【0019】上記の構成を有する本発明の基板保持機構
を用いれば、基板端部の保持部分を順に替えることがで
き、保持部材と接触する位置の洗浄が充分にできないと
いう従来の装置における課題が解決され、基板面を全面
に渡って完全に処理することができる。また、基板の保
持部分を最小限となるように工夫することで、保持具と
基板との接触面積がより少ない状態で基板を安定に保持
できるので、従来の装置の場合と比べて保持具による汚
染を格段に抑制できる。更に、基板の表面は勿論、裏面
や端部に対しても、同時に同一のチャンバー内で処理す
ることが可能であり、特定の部分を処理するために新た
な装置を購入する必要がなくなり、経済的な処理が可能
となる。
【0020】上記で説明した2重に密封空間が設けられ
る外殻部と内殻部からなる2重構造の装置を基本とし、
内殻部に、基板を処理する気密性の高い空間が形成され
る上記で説明した基板の浄化処理用チャンバーを用い、
該チャンバー内にガスや液体を供給するためのディスペ
ンス部に上記ディスペンサーを用い、更に、上記チャン
バー内に基板を保持するための保持部材として上記基板
保持機構を用いれば、上記で説明したような種々の優れ
た効果が同時に得られる。以下、かかる構成を有する本
発明の基板浄化処理装置について、図面を参照しながら
説明する。
【0021】図1〜4は、上記構成を具体的に実現した
本発明の基板浄化処理装置(以下、本発明の装置と言
う)の主要部を表したものである。図1及び2に示した
ように、本発明の装置は、開閉及び密閉可能に構成され
た外殻部2と、該外殻部2内に収納された少なくとも上
下に開口部が設けられている内殻部1と、内殻部1の上
下の開口部にそれぞれ挿入される上下1対の上下動可能
なディスペンス部13及び14とからなる。また、これ
らのディスペンス部13及び14の周辺端部と内殻部1
の内壁とによって気密性の高い空間(以下、処理空間と
呼ぶ)が形成され、更に該処理空間内に基板20を設置
した場合に、基板の表裏面がディスペンス部の端部に接
触しない状態で保持されて、基板の浄化処理が効率よく
できるように各部材が配置されている。更に、内殻部1
は、基板20を保持しつつ水平方向に回転できるように
構成され、ディスペンス部13及び14の端部には、薬
液やガスを上記空間内に供給するためのノズルが設けら
れている。上記装置の使用にあたっては、基板20が、
処理空間内に浮かんだような状態で保持されながら内殻
部1が水平方向に回転され、基板20の表裏面に向け
て、基板20に対峙して設けられているディスペンス部
13及び14が有するノズルから薬液やガス等が供給さ
れて、基板の浄化処理が行われる。
【0022】先ず、外殻部2について説明する。外殻部
2は、浄化処理を行う耐圧密封条件を満足する処理空間
を内殻部1内に形成するために設けられたものである。
従って、外殻部2は、開閉及び密閉可能に構成され、少
なくとも2気圧に耐えられるように構成することが好ま
しい。外殻部2の構成材料としては、チタニウムやSU
S等の、高い耐圧容器を作れる物質を使用することが望
ましい。更に、気密条件下で薬液やガスを用いることか
ら、少なくとも内面を耐薬品性に優れたフッ素樹脂で被
覆されたものであることが望ましい。
【0023】また、外殻部2は、内部に収納されている
内殻部1内の処理空間に基板を設置したり、或いは取り
出すため、外殻部2の上蓋3が開閉可能に構成される。
更に、処理空間を内殻部1内に形成するために、上蓋3
及び下蓋4の間は密封された状態となる必要がある。こ
のため、外殻部2には、外殻部2の上蓋3の開閉を行う
ための、例えば、油圧または空気圧或いは電磁式の昇降
装置16を設けることが好ましい。これらの昇降装置1
6によって、外殻部2の上蓋3を開閉可能にすると同時
に、外殻部2内を密封状態にすることができる。本発明
者らの検討によれば、外殻部2内を密封状態とするに
は、外殻部2の上蓋3及び下蓋4を少なくとも2気圧以
上の圧で固定する力が必要となる。従って、上記した外
殻部2の上蓋3を開閉と同時に密封する機構とは別に、
上下蓋3及び4を閉めた後に、陽圧に負けて上蓋3が浮
かないように、例えば、上下蓋3及び4の間を機械的に
ロックする方法を用いることも好ましい。
【0024】次に、上記外殻部2の内部に収納される内
殻部1について説明する。内殻部1は、上下に開口部、
及び排液を排出するための排出孔9が設けられ、内殻部
1の内壁には、処理対象とする基板20を処理空間に保
持するための保持部材8が設けられている。更に、内殻
部1は、保持部材8によって基板20を保持した状態
で、内殻部1が水平方向に回転するように構成されてい
る。このような構成を有する内殻部1は、基板20を保
持した状態で回転させることで浄化処理を効果的に行う
と共に、基板20を処理する際に排出される汚染液から
基板を保護する役目を有する。このため、浄化処理に用
いる高濃度のガスや薬液に触れるので、内殻部1は、耐
薬品性に優れるフッ素樹脂で形成するか、或いは少なく
とも内殻部1の内部をフッ素樹脂で被覆したものとする
ことが好ましい。内殻部1の好ましい形態としては、図
3及び4に示したようなものが挙げられる。以下、図3
及び4に示した形態について説明する。
【0025】図3Aに、内殻部1の好ましい形態の概略
斜視図を示したが、その外観は、内部に処理空間を有す
る上下が開放された円錐台形をしており、内殻部1の上
部材6の外周面には内殻部1を水平回転させるための車
輪11が複数個取り付けられている。図3及び4に示し
た形態では、車輪11は、内殻部1の外周面に6箇所設
けられている。これらの車輪11が、外殻部2の下蓋4
の内部に設けられているレール5(図1及び2参照)の
上を走ることで、内殻部1が水平方向に回転する。車輪
11を回転させる方法としてはいずれのものでもよく、
内殻部1にモーターを配置し、これを駆動力として車輪
11そのものを回転させる方法や、内殻部1に永久磁石
を配置し、外殻部2に設けられているレール5に電磁石
を入れることで、リニアモーターを駆動力として車輪1
1を回転させる方法等を用いることができる。この際、
車輪11の回転が、0から少なくとも3000回転まで
の間で任意に制御できるようにすることが望ましい。本
発明では、上記したようにして内殻部1自体が、基板を
保持した状態で回転するように構成されているため、従
来のチャンバーが固定され、基板のみを回転させて浄化
処理を行う装置において生じることのあった、急速な加
減速によって基板が保持具から滑った状態で回転して基
板の洗浄不良を生じるという課題を有効に防止できる。
【0026】上記の水平回転する内殻部1の内壁には、
基板を保持するための保持部材8が設けられている。こ
れらの保持部材8は、図3Bの断面図に示したように、
内殻部1の内壁等によって取り囲まれて形成される気密
性の高い処理空間の略中央に、基板20が、水平に保持
されるように設けることが好ましい。このようにすれ
ば、基板の浄化処理が効果的に行われると同時に、洗浄
に用いられた薬液や水等の汚染液による基板の再汚染を
有効に防止できる。
【0027】保持部材8は、基板を処理空間に安定な状
態で強固に保持することができるものであれば、いずれ
のものでもよく、例えば、保持部材が、基板端部を上下
から挟むチャック機構を有するものや、基板の側面を点
接点で保持する機構を有するものを使用することができ
る。図3及び4に示した形態では、内殻部1内の処理空
間に円板状の基板を挿入した場合に、該基板端部が、6
個の保持部材8によって均等な間隔で6点で保持され、
これによって基板が、処理空間内の水平な位置に保持さ
れる。
【0028】先に述べたように、処理される基板は、処
理空間の略中央に水平の状態で安定に保持されることが
好ましいが、図5に示したように、本発明の装置の使用
に際して、基板20は、例えば、昇降装置16の作用に
よって外殻部2の上蓋3が開いた状態のところに、搬送
用ロボット50によって運ばれて、その後、内殻部1内
の所望の位置に収納される。この場合、搬送ロボット5
0が、例えば、上から爪でウェハーのエッジのみを支持
し、処理空間の中央にそのまま搬送できるものであれば
問題ないが、図5に示したような搬送ロボットを使用し
た場合は、搬送用のアームが邪魔になって基板を処理空
間内に円滑に設置できないことが考えられる。従って、
このような場合には、例えば、図6に示したような、昇
降動作を有するチャック機構を使用し、昇降動作によっ
て複数の保持部材を持ち上げて、その状態で基板を受け
取ってから処理空間内に設置するような動作が必要とな
る。
【0029】図6は、チャック機構の動きを段階的に示
す模式図である。先ず、基板20が、内殻部1の上部開
口部に近づくと、上側の保持部材8aが持ち上がり、保
持部材8aの内側にある爪の部分に基板20が保持され
る(図6A参照)。次に、基板20を爪の部分に保持し
た状態で保持部材8aが下降すると同時に、下側の保持
部材8bが上昇する(図6B参照)。更に、上側の保持
部材8aが回転することで、保持部材8aの内側にある
爪の部分から下側の保持部材8bへと基板が移動する
(図6C参照)。最後に、下側の保持部材8bの上に置
かれた基板20の上に、上側の保持部材8aの挟む部分
が降りてきて、保持部材8a及び8bの間に基板20が
しっかりと挟まれて固定される(図6B参照)。更に、
このような機構を有する保持部8を複数個設けること
で、処理空間内の略中央に水平の状態で安定して基板を
保持することが可能となる。
【0030】更に、図4に示したように、上記で説明し
た6箇所の保持部材8を、対峙する3対のチャック機構
がそれぞれ対の状態で作動し、これら3対のチャック機
構が順に基板の保持と開放を繰り返すことができる構造
とすることが好ましい。このようにすれば、後述するよ
うに、保持部材8が基板20と接触している部分が浄化
されずに残るという問題を解決することができ、基板2
0の表裏面を完全に浄化処理することが可能となる。
【0031】これに対し、従来の、基板の裏面側から真
空で引いた状態で基板を保持するバキュームチャック機
構を用いた保持方法の場合は、保持具が基板の裏面全体
を覆うことになるので、裏面側の洗浄ができないことは
勿論、裏面部分が汚染源となる場合がある。また、基板
の一端のみを掴む従来のメカニカルチャック機構を採用
した保持具の場合は、基板との接触部が大きいものでは
基板を安定に固定することができるが、掴まれている部
分の浄化処理ができずに、処理残りが生じてしまう。こ
の場合に、保持具の基板との接触部を非常に少なくすれ
ば、処理残りの部分を非常に少なくできるが、この場合
には、高速回転から低速回転に急変したとき等に基板が
保持具から滑って回転し易くなるので、回転の与え方に
制限を生じ、十分な洗浄ができにくくなるという別の問
題が生じる。更に、気流を利用するベルヌーイチャック
と呼ばれる保持方法では、密封系の装置を作ることが困
難であり、使用できる処理薬液に制限があるという問題
もある。
【0032】以下に、先に説明した6箇所の保持部材8
を設ける方法によって、安定な基板の保持を可能とする
接触面積をもちつつも、基板の端部部や裏面まで、くま
なく浄化処理をすることを可能とする機構について説明
する。例えば、上記6箇所の保持部材8の場合、基板を
介して対峙するa〜cの記号で示した3対の保持部材8
が、それぞれ対の状態で作動するように構成する。この
ようにすれば、例えば、(a,a)を持ち上げて残り4
点(b,b,c,c)で基板を保持し、この状態での浄
化処理を保持点を順次切り替えて行い、保持部材8に接
触している部分を順に露出させて処理することが可能と
なる。この結果、基板の表裏面を全面にわたって浄化処
理することが可能となる。本発明者らの検討によれば、
内殻部1の内壁に設ける保持部材の数は、基板を安定に
保持し、その状態で内殻部と共に回転させるためには、
6箇所以上であることが好ましかった。また、その場合
に、例えば、正三角形に配置された3点で基板を保持
し、次に、別の3点に切り替えて保持して基板の浄化処
理を行うことも可能であるが、本発明者らの検討によれ
ば、上記した対峙する2箇所の保持部材を対として作動
させ、常に4点で基板を保持する方法が、安定に基板を
保持でき、しかも保持部材と接触する部分の浄化も完全
に行うことができることがわかった。
【0033】更に、図1及び図2に示すように、内殻部
1の上部材6と下部材7との間には、浄化処理に使用し
た薬液や水等の廃液を排出するための排出孔9が設けら
れている。この排出孔9の数は限定されないが、図3及
び4に示した形態では、6箇所設けられている。これら
の排出孔9から廃液が自然流下によっても円滑に排出さ
れ、しかも廃液によって基板が再汚染されないようにす
るため、図3Bに示したように、排出孔9の位置を基板
が設置される位置よりも下側になるようにし、排出孔9
に至る迄の水路10を設け、該水路10の構造を排出孔
9に向けて下り方向に傾斜させたものとすることが好ま
しい。水路10の形状も特に限定されないが、例えば、
図4Aに示したように直線状であっても、図4Bに示し
たように内殻部1が回転する方向に曲がった形状であっ
てもよい。このようにすれば、内殻部1を回転させた場
合に、排出液の基板への跳ね返りが有効に防止され、基
板への再汚染をより生じにくくすることができ、ガスを
含めた液体の排出を効率よく行うことが可能になる。
【0034】本発明の装置では、図1及び図2に示すよ
うに、上記したように構成されている内殻部1の上下開
口部に上下1対のディスペンス部13及び14が挿入さ
れることで、内殻部1の内壁と、ディスペンス部13及
び14の端部との間に気密性の高い処理空間の形成が可
能となる。ディスペンス部13及び14には、内殻部側
のそれぞれの端部に少なくとも1のノズルを有する平面
部分が設けられており、基板20が内殻部1内に設置さ
れた場合に、これらの平面部分が基板と略平行の位置に
配置される。更に、ディスペンス部13及び14は、内
殻部1内に耐圧密封条件を満足する処理空間を生む外殻
部2の中に置かれて(図1及び2参照)、且つディスペ
ンス部の上下動によって処理空間の密封が破られないよ
うに構成される。ディスペンス部を上下動させる方法と
しては、モーターを駆動源とする従来の方法等を適宜に
選択して用いることができる。更に、種々の形態の浄化
処理を効率よく実行することを可能とするため、ディス
ペンス部の端部にある平面部分と基板面との距離を自在
に且つ正確に調整可能とするため、ディスペンス部の上
下動を精度よく制御できる手段を設けることが好まし
い。
【0035】上記のような上下1対のディスペンス部
は、基板が配置された場合に、その端部にある平面部分
が基板の表裏の面に対峙して置かれるが、平面部分に設
けられた少なくとも1のノズルから、液体或いはガスが
供給できるように構成されている(図7の模式図参
照)。ディスペンス部先端にある平面部分に、基板との
距離を計るためのセンサーを設けておくことが好まし
く、更には、ディスペンス部の位置合せにおいて、この
センサーからの情報を用いてフィードバック制御ができ
るように構成することが望ましい。ディスペンス部への
液体或いはガスの供給は、処理空間における気密性の高
い状態を保持しつつ、図2及び図7に示した供給部12
を通してなされる。
【0036】ディスペンス部には、端部にある平面部分
に少なくとも1のノズルが設けられている。このノズル
の数及び設ける位置は、いずれも限定されず、例えば、
図8Aに示したように、平面部分の中央近傍にノズル2
1を1個設けた形態であっても、図8Bに示したよう
に、平面部分の全面にわたりノズル21を複数個設けた
形態であってもよい。更に、図9に示したように、ノズ
ル21が同心円状に等間隔に複数個並ぶように設けて
も、図10に示したように、ノズル21が直線状に等間
隔に複数個並ぶように設けてもよい。更に、これらのノ
ズル21から、ガスや、処理液若しくはリンス水等の液
体が供給できるように構成する。本発明の装置では、デ
ィスペンス部の平面部分に設けられたこれらのノズルの
配置や、これらのノズルから供給されるガスや液体を適
宜に選択することで、多種多様な基板の浄化処理が可能
となる。
【0037】例えば、ディスペンス部の平面部分の適宜
な位置にノズル21を複数設けた場合は、基板の回転に
よる流れに頼ることなく基板全面に液を供給することが
可能となる。また、例えば、図9Aに示したように、同
心円状に等間隔にノズル21を並べたものを、同一平面
部分に複数箇所設けておくことで、ガスや、処理液若し
くはリンス水等を供給する部分を面単位で切り替えるこ
とが可能になる。このようにすれば、ノズル21から供
給されてくるガスや液体に、基板上でのガスと液の接触
や、異なる液同士の混合等の機能を付加させることがで
き、種々の処理が可能となる。これを実現するための機
構としては、例えば、図9B及び図10Bのような構造
を内部に含ませることで実現できる。
【0038】次に、上記した構成を有する本発明の装置
の使用形態について説明する。本発明の装置は、例え
ば、図11に示したように、先に説明した外殻部、内殻
部及びディスペンス部を主体とする処理部(以下、チャ
ンバーと呼ぶ)を中央に配置し、かかる処理部の下部に
ガス及び液体の輸送/プロセス実施部23を配置し、上
部に電気制御システム22を置くことで、床面積を小さ
くすることができ、且つ安全上望ましい構成とすること
ができる。
【0039】浄化処理に際しては、先ず、先に説明した
ような手順によって、内殻部1内に基板を設置した後、
チャンバー内を処理において必要とする雰囲気条件を満
たすようにする。この際のチャンバー内の雰囲気条件に
は、化学的な雰囲気と、排気とのバランスによる気流の
状態がある。本発明の装置では、前者に対しては、供給
ガスを選択することによって、後者に対しては、図2に
示した排気管17とチャンバーを繋ぐ、処理廃液ドレン
18のバルブや排気開閉バルブ19(以下、単にバルブ
18及び19と言う)の開閉、若しくは外殻部2の上蓋
3自体を開閉することで、チャンバー内を密封条件や開
放条件に調節できる。
【0040】図2を参照しながらチャンバー内の雰囲気
条件の制御方法について説明する。チャンバーは、基板
20を内殻部1内に設置する際には内部が空気で満たさ
れる状態になるため、基板20を内殻部1内に設置後、
先ず、バルブ18及び19を開いた状態で、チャンバー
内に所望のガスをディスペンス部13及び14から導入
し、チャンバー内の空気を所望のガスに置換する。置換
できた状態より後は、これらのバルブ18及び19を閉
めてチャンバーを密封状態にし、所定の内圧に到達する
までガスの供給を続ける。このように密封系にして基板
の処理を行う理由としては、(1)少量のガスで、浄化
処理に必要な所望の化学的雰囲気を作ること、(2)ガ
ス圧を高くすることで処理液へ溶け込ますガス量を増や
すこと、(3)排気圧等の変動に影響されない処理を実
現すること、及び(4)危険なガスがチャンバー外部に
漏れることを防止すること等が挙げられる。
【0041】例えば、基板面上に形成したレジストを剥
離処理する場合には、オゾン/温水処理に続けて、アン
モニア/酸素/温水による洗浄を行うが、この場合を例
にとって具体的に説明する。先ず、基板20を内殻部1
内に設置し、チャンバー内の空気をオゾンガスに置換し
た後、排気管17及びバルブ18及び19を閉じてオゾ
ンガスを充填する。そして、密封下でオゾンガス/温水
処理を実施後、更に、基板20をリンスしつつ窒素ガス
を出しながらバルブ18及び19及び排気管17を開放
して、チャンバー内のオゾンガス及び廃液を排出する。
次に、再びチャンバー内を密封条件下にした後、アンモ
ニアと酸素ガスを所定の圧になるまで注入し、温水処理
を施すという手順でガス雰囲気の調整を行う。上記の場
合、ガスの温水への溶解量は、温水に接するガスの分圧
によって定まるので、チャンバー内を1気圧以上に保つ
ことが望ましい。この際のノズルからのガスや液体の供
給機構は、いずれもののでもよいが、例えば、1のノズ
ルへの供給ラインに、エアオペバルブ等を介してガス
や、処理液又はリンス水が合流するようにし、必要に応
じて開くバルブを選択することによって実現することが
可能となる。
【0042】図12を参照しながら、本発明の装置にお
けるガスや液体の供給プロセスについて説明する。図中
の23は、反応ガス濃度の希釈或いは搬送等に用いられ
る窒素ガスの経路を示し、24は、オゾンやアンモニア
等の反応性ガスの経路を示し、25は、洗浄やリンスに
用いる純水の経路を示している。27は調圧弁、28は
流量計、29は流量調整弁を示し、30は、供給するガ
スや液体を混合するためのスタテックミキサー(混合
機)、31はアスピレーター(吸引機)である。図12
に示したように配管し、処理の目的に合致したガス及び
液体を適宜に選択し、調圧弁27及び流量調整弁29の
開閉条件、スタテックミキサー30やアスピレーター3
1の稼動条件を、処理条件に合わせて適確に制御するこ
とで、ディスペンス部13及び14から基板20に向け
て供給されるガスや液体の種類や量を任意に設計するこ
とが可能となる。
【0043】次に、ディスペンス部13及び14の端部
の平面部分(以下、単に平面部分と呼ぶ)に設けられた
ノズル21から、ガスや、処理液若しくはリンス水等の
液体を供給する種々の方法について説明する。先に説明
したように、本発明の装置によれば、ノズル21の数や
設ける位置、更には、下記に述べるように基板と上記平
面部分との距離によって、様々な態様の処理が可能とな
る。先ず、基板と平面部分をある程度接近させると、図
13に示したように、水の表面張力を利用して、液膜で
基板と平面部分との隙間を埋めることができる。本発明
者らの検討によれば、この状態を実現するためには、少
なくとも、平面部分を基板表面に接触させることなく3
mm以下の距離まで接近させることを要することがわか
った。従って、このためには基板と平面部分の間隔を3
mm以下にまで精度よく制御することが必要となる。更
に、上記した条件下で形成される液膜を安定に保持する
ためには、処理する基板を水平に置くことが重要であ
り、従って、これを実現するためには、基板を保持する
内殻部、及びこの内殻部をレールにて支える外殻部を水
平に配置することが必要となる。
【0044】更に、図14に示したように、基板を回転
させつつ水を出しながらディスペンス部13及び14の
ノズルを接近させ、基板20と平面部分との間を水で満
たすようにした状態でガスを流し込むと(図14A〜C
参照)、気泡Gを基板上に走らせることができる(図1
4C及びD参照)。従って、例えば、液膜を保持した状
態で水の供給を停止し、低速回転のもとにアンモニアガ
ス等を供給すれば、外殻部をアンモニアガスで高圧に満
たすまでもなく、非常に少ないガス流量で高濃度のガス
と水とを基板に接触させることが可能となる。その場合
でも安全のため、外殻部を密閉状態として外部にガスが
漏れないようにすることが望ましい。また、上記した方
法を薬液処理に適用する場合には、薬液を垂れ流すこと
なく、基板と平面部分との間を薬液で満たして液膜と
し、この状態で長時間均一に保持することができるの
で、薬液の使用液量を大幅に削減することが可能とな
る。
【0045】更に、本発明の装置によれば、薬液による
処理後の乾燥処理を基板を再汚染させることなく確実に
行うことができる。従来の基板浄化処理装置において
は、乾燥工程で起こり易い問題として、基板が乾いても
チャンバー壁に水滴が残っていたり、或いはチャンバー
内部の気体がミストを多く含む場合においては、処理後
の乾燥工程において基板の再汚染を生じることがあっ
た。これに対し、本発明の装置は、先に述べたように、
チャンバーが、外殻部と、該外殻部に収納される内殻部
の2重構造になっており、基板は、内殻部の内壁及びデ
ィスペンス部端部によって取り囲まれ、更にこれらを密
封可能な外殻部が取り囲む構造をしており、処理空間
が、他の部分と隔離された状態にある。このため、従来
の2重構造を有さない装置のチャンバー内における処理
空間が露出した形で基板が回転台に載せられて処理され
る場合と比較し、本発明の装置によれば、上記した乾燥
工程における基板の再汚染の抑制に関しても顕著な効果
が得られる。
【0046】本発明者らの乾燥工程における基板の再汚
染の問題に対する検討によれば、リンスによって基板を
濡らした後、3000回転で30秒回転させた実験を行
った場合に、本発明の装置では、基板と処理空間の両方
に液残りは見られなかった。これに対し、従来の装置で
は、チャンバー壁面に水滴の残留が見られ、乾燥工程に
おける基板が、これらの水滴によって再汚染される可能
性があることがわかった。
【0047】また、本発明の装置における特有の問題と
して、ディスペンス部の平面部分に多くのノズルを持た
せた場合には、浄化処理中に、これらのノズルに液が入
り込み、孔の径によっては、乾燥工程等において液垂れ
を起こし、基板の再汚染を完全に防止できないことが考
えられる。これに対しては、図12に示したように、乾
燥工程等における、ディスペンス部内の液残りが気にな
る場合には、基板に液を落とさないように、乾燥工程に
入る前にアスピレーター31で液を引き込むことで解決
できる。
【0048】更に、本発明の装置を基板裏面の洗浄用と
して使用する場合における問題として、この場合は基板
の裏面が汚染された状態で装置に供給されてくるが、搬
送用ロボット50に、図5Bに示すような方式のものを
使用すると、そのままこのロボットで処理後の基板を搬
送すると再汚染を生じることが考えられる。従って、こ
の場合には、基板を設置する場合のロボットと、処理後
に取り出すロボットを別なものにするか、基板を設置後
に、搬送用ロボットの基板を保持する部分の洗浄を行う
ようにすることが好ましい。
【0049】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 CVD(Chemical Vapor Deposition)にて、基板上に
Tiを製膜後、Wを連続して製膜するような工程の後の
洗浄においては、表面のW膜や、その下のTi膜を溶解
することなく、基板の端部や裏面に付着したTi或いは
Wによる汚染を除去したい場合がある。本実施例では、
この浄化処理工程に本発明の装置を適用した。処理に
は、そのモデル実験用に作製した10nmの厚さの熱酸
化膜付きの8インチのシリコン基板を使用した。かかる
基板に対し、裏面及び端部のみを選択的にエッチング処
理することを目的とする処理を行った。処理装置には、
先に説明した図1〜4に示す構成を有し、図6に示した
機構を有する保持部材が6箇所設けたものを使用した。
【0050】W膜の露出した面を上にし、熱酸化膜の露
出した面を下にして内殻部1に設置した。先ず、表面及
び裏面が共にディスペンス部13及び14から3cmの
距離になるようにして、基板の回転が10RPMとなる
ように、内殻部を回転させながら基板全面が均一に濡れ
るように10秒間リンスを行った。リンスは、上下それ
ぞれのディスペンス部から1リットル/minの速度で
純水を供給することで行った。次に、リンス流量を20
0ml/minに切り替えてから、上面側のディスペン
ス部13を基板の上面から3mmの距離まで近付けた。
そして、15秒後に、図13に示したように基板上面と
平面部分との間に液膜が形成され、これが安定したとこ
ろで、ディスペンス部13及び14から、0.5%フッ
化水素(HF)溶液を供給した。この際、基板の上面側
のディスペンス部13からは、図15に示したAの部分
のみから上記HF溶液を100ml/minの流量で供
給し、下面側のディスペンス部14からは、図15に示
したA及びBの両方の部分から、常温で上記HF溶液を
500ml/min流量で供給し、1分間処理した。次
に、ディスペンス部13を基板の上面から3cmの位置
まで離した後、純水によるリンスを行った後、乾燥処理
をして処理を終了した。
【0051】その結果、以下の表1に示したように、H
F溶液を施した基板の端部及び裏面部分と、水膜で保護
した基板の表面部分とでは、HF溶液による処理の有無
が明確なエッチング量の違いとして認められた。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、下
記の優れた効果を有する基板浄化処理装置、ディスペン
サー、基板保持機構、基板の浄化処理用チャンバー、及
びこれらを用いた基板浄化処理方法が提供される。 (1)本発明の基板浄化処理装置は、処理空間が周辺部
と隔離された2重構造を有するため、処理する基板と外
界との接触を最小限に低減できる結果、安全で高精度の
浄化処理が可能となる。即ち、上記2重構造を有するた
め、処理空間で人体に有害なガスや薬液を用いた場合に
も、有害なガスを外界に漏らすことがないので安全に所
望する処理を実施することができる。また、上記2重構
造を有するため、処理空間において非常に高い密閉性が
実現され、所望の処理条件に合わせて、処理空間の圧
力、温度、湿度等の各物理量を容易に制御することが可
能であり、高精度の浄化処理が可能にできる。更に、処
理空間と周辺部との間に任意の空間を設け、該周辺部の
密閉性を高めることで、周辺部が、処理空間に対する外
部環境からの影響を最小限に食い止めるバッファーの役
割を果たすようにでき、この点でも高精度の基板浄化を
可能とすることができる。
【0053】(2)本発明の基板保持機構によれば、基
板の端部を複数の点で保持し、しかも基板と接触する保
持部分を順に持ち替えることができるので、基板表面を
全面に渡って完全に処理することが可能となる。また、
基板の保持部分を最小限となるように工夫することで、
従来の装置の場合のように、裏面全面を保持具と接触さ
せることなく基板を安定に保持できると同時に、保持具
との接触による汚染を最小限に抑制できる。更に、本発
明の基板保持機構によれば、基板の両面、及び端面を同
時に且つ同一の処理空間内で処理することが可能になる
ため、特定の部分を処理するための複数の装置を用意す
る必要がなくなり、経済的な処理が可能となる。
【0054】(3)本発明の基板の浄化処理用チャンバ
ーは、処理空間を有する内殻部自身が基板と共に回転す
る機構を有するため、従来の装置において認められた、
保持部材と直接接触している基板部分が摩擦して基板自
身を著しく損傷することが抑制され、処理効率を高める
ことができる。
【0055】(4)本発明の基板の浄化処理用チャンバ
ーによれば、内部に設けられた排出孔から、遠心力或い
は液流によって基板から飛散した液やミスト等の不要物
が適切且つ迅速に排出させることができる。また、その
際に飛散した液体の運動エネルギーを利用して処理空間
外に迅速に排出される構造とすることで、基板の浄化処
理に用いる薬液によって処理空間内が曝され、これによ
って基板の再汚染が生じることを有効に防止でき、高精
度の浄化処理を達成できる。更に、上記排出孔を、基板
が配置される水平の位置よりも低い位置に複数設けるこ
とで、処理に用いられた液体やガスが全て排出孔から滑
らかに流れ出るようにできる結果、薬液やリンス水、或
いはミストが基板側に逆流することが有効に防止され
る。また、上記のような処理が可能であるため、処理空
間内を洗浄或いは乾燥するための特別の機構を必要とす
ることなく、処理と同時に処理空間内を洗浄或いは乾燥
できるので経済的である。
【0056】(5)本発明のディスペンサーは、基板の
表裏面と対峙する位置にそれぞれ平面部分が設けられた
上下動可能な上下1対の部材からなり、上記平面部分を
基板の表裏面と接触することなく任意の間隔をもって基
板と略平行な位置に固定させることができるような上下
動制御機構を有するため、基板と平面部分との間に液体
の表面張力を利用した液膜を形成し、これを保持した状
態で浄化処理を行うことができ、基板表面の任意の部分
を液膜によって保護しながら浄化処理することが可能で
ある。また、平面部分に設ける基板に液体やガスを供給
するためのノズルの数及び位置を適宜に設計すること
で、基板の浄化処理の領域を任意に設定できる。これら
の構成を有するディスペンサー使用する結果、従来の基
板の浄化処理においては、特定の部分を専門に浄化処理
するための装置をそれぞれ用意する必要があったのに対
し、本発明によれば、基板の所望する面に、任意に且つ
同一処理空間内で浄化処理することが可能となる。更
に、上記液膜の形成は、最小の液量で形成できるため、
この点でも経済性に優れる。
【0057】(6)更に、本発明のディスペンサーを用
いることで、基板と平面部分との間を接近させて、その
間に液膜を形成した後、液膜内にガスを供給すること
で、気泡を保持した状態で基板と平面部分との間に液を
通過させる処理ができる。このような処理によって、少
量の反応性ガスを希釈することなく基板に接触させるこ
とが可能であり、加えて、気泡の界面が基板上を走るた
め、物理的な汚染物質の引き離し等の洗浄効果も期待で
き、高精度の基板浄化を経済的に行うことが可能とな
る。
【0058】(7)本発明のディスペンサーは、平面部
分に設けるノズルの位置や数や大きさを工夫すること
で、所望する位置に正確に液を供給して処理することが
可能となり、均一処理の達成が図れる。
【0059】(8)基板の浄化処理に多種多様な薬液や
ガスが必要となる場合は装置が大型化するが、本発明の
装置によれば、薬液供給のための機構の削減が可能であ
るため、装置の小型化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置の主要部を示す断面図である。
【図2】 本発明の装置の主要部を示す図1と異なる角
度における断面図である。
【図3】 本発明の装置の内殻部の構造を説明するため
の図である。
【図4】 本発明の装置の内殻部の構造を説明するため
の図である。
【図5】 本発明の装置の処理空間に基板を自動的に設
置する方法を説明するための斜視図である。
【図6】 本発明の装置の内殻部に適用可能な保持部材
の機構を説明するための図である。
【図7】 本発明の装置の浄化処理の方法を模式的に説
明するための図である。
【図8】 本発明の装置のディスペンス部の構造の一例
を示す斜視図である。
【図9】 本発明の装置のディスペンス部の構造の別の
例を示す図である。
【図10】 本発明の装置のディスペンス部の構造の別
の例を示す図である。
【図11】 本発明の装置の一例を示す外観図である。
【図12】 本発明の装置へのガス及び液体の供給例を
示すフロー図である。
【図13】 本発明の装置で処理した場合の基板近傍の
状態の一例を示す模式図である。
【図14】 本発明の装置で別の条件で処理を行った場
合の基板近傍の状態を示す一連の模式図である。
【図15】 実施例で行った処理を説明する図である。
【符号の説明】
1:外殻部 2:内殻部 3:外殻部の上蓋 4:外殻部の下蓋 5:レール 6:内殻部の上部材 7:内殻部の下部材 8:保持部材 8a:上側保持部材 8b:下側保持部材 9:排出孔 10:水路 11:車輪 12:供給部 13:基板上面用のディスペンス部 14:基板下面用のディスペンス部 15:ディスペンスの高さ調整部分 16:外殻部の開閉駆動用昇降装置 17:排気管 18:処理廃液ドレン 19:気密空間作成用の排気開閉バルブ 20:基板 21:ノズル 22:電気制御部 23:ガス及び液体の輸送/プロセス実施部 24:窒素ガス 25:純水 26:反応性ガス/薬液 27:調圧弁 28:流量計 29:流量調節弁 30:混合機 31:吸引機 50:搬送用ロボット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金安 淳 岡山県岡山市芳賀5311 エム・エフエス アイ株式会社 岡山技術センター内 (72)発明者 爾見 聡 岡山県岡山市芳賀5311 エム・エフエス アイ株式会社 岡山技術センター内 (56)参考文献 特開 平3−80537(JP,A) 特開 平11−330031(JP,A) 特開2000−49135(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 643 H01L 21/304 645 H01L 21/68

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、開閉及び密閉可能に構成さ
    れた耐圧容器からなる外殻部と、該外殻部内に収納され
    た基板を保持するための保持部材を有する内殻部と、該
    内殻部内へとガス及び/又は液体を供給するためのディ
    スペンス部を有し、上記外殻部によって形成される密封
    空間内に更に上記内殻部によって気密性の高い空間が形
    成され、該空間内で基板の浄化処理が行われるように構
    成されていることを特徴とする基板浄化処理装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも、開閉及び密閉可能に構成さ
    れた外殻部と、該外殻部内に収納された基板を保持する
    ための保持部材を有する内殻部と、該内殻部内へとガス
    及び/又は液体を供給するためのディスペンス部を有
    る基板浄化処理装置であって上記内殻部自身が基板と
    共に回転する機構を有し、且つ、上記外殻部によって形
    成される密封空間内に更に上記内殻部によって気密性の
    高い空間が形成され、該空間内で基板の浄化処理が行わ
    れるように構成されていることを特徴とする基板浄化処
    理装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも、開閉及び密閉可能に構成さ
    れた耐圧容器からなる外殻部と、該外殻部内に収納され
    た基板を保持するための保持部材を有する内殻部と、該
    内殻部内へとガス及び/又は液体を供給するためのディ
    スペンス部を有する基板浄化処理装置であって上記内
    殻部自身が基板と共に回転する機構を有し、且つ、上記
    外殻部によって形成される密封空間内に更に上記内殻部
    によって気密性の高い空間が形成され、該空間内で基板
    の浄化処理が行われるように構成されていることを特徴
    とする基板浄化処理装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも、開閉及び密閉可能に構成さ
    れた外殻部と、該外殻部内に収納された上下の開口部と
    排液を排出するための排出孔とを有する内殻部と、これ
    らの開口部にそれぞれ挿入される上下1対の上下動可能
    なディスペンス部とが設けられ、該ディスペンス部が、
    その内殻部側のそれぞれの端部に少なくとも1のノズル
    を有する平面部分を有し、これらの端部と上記内殻部の
    内壁とによって気密性の高い空間が形成される基板浄化
    処理装置において、上記空間内の内殻部の内壁に、廃ガ
    ス及び/又は廃液を排出するための排出孔と、上記ディ
    スペンス部のそれぞれの端部に接触しない状態で処理対
    象とする基板を保持するための保持部材とが設けられ、
    且つ、該保持部材によって処理対象の基板が保持された
    状態で内殻部が水平方向に回転するように構成されてい
    ることを特徴とする基板浄化処理装置。
  5. 【請求項5】 保持部材が、基板端部を上下から挟むチ
    ャック機構を有し、該チャック機構が、空間内に円板状
    の基板を挿入した場合に該基板端部を挟むことのできる
    位置に等間隔に6箇所設けられ、且つ、対峙する3対の
    チャック機構がそれぞれ対の状態で作動し、これら3対
    のチャック機構が順に基板の保持と開放を繰り返すこと
    ができるように構成されている請求項に記載の基板浄
    化処理装置。
  6. 【請求項6】 保持部材が、基板の側面を点接点で保持
    する機構を有し、且つ、該機構により保持された基板
    が、ディスペンス部端部にある平面部分に対して略平行
    な位置に配置されるように構成されている請求項に記
    載の基板浄化処理装置。
  7. 【請求項7】 ディスペンス部の平面部分に設けられた
    ノズルから空間内にガス及び/又は液体が供給されるよ
    うに構成されている請求項のいずれか1項に記載
    の基板浄化処理装置。
  8. 【請求項8】 外殻部を排気する機構と内殻部を排気す
    る機構とを有する請求項1〜のいずれか1項に記載の
    基板浄化処理装置。
  9. 【請求項9】 更に、外殻部及び/又は内殻部の内部を
    洗浄するためのリンスノズルが設けられている請求項1
    のいずれか1項に記載の基板浄化処理装置。
  10. 【請求項10】 基板が、シリコンウェハ、金属化合物
    ウェハ、ガラス、石英及び金属板からなる群から選択さ
    れる請求項1〜のいずれか1項に記載の基板浄化処理
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    基板浄化処理装置のディスペンス部に使用されるディス
    ペンサーであって、その端部に基板の表裏面の少なくと
    も一部を覆うことができる平面部分を有する上下1対の
    部材からな、上記平面部分をそれぞれ、基板の表裏面
    と接触することなく任意の間隔をもって基板と略平行な
    位置に固定させるための上下動制御機構と、上記平面部
    分に、ガス及び/又は液体を基板の表裏面に供給させる
    ための少なくとも1のノズルを有することを特徴とする
    ディスペンサー。
  12. 【請求項12】 平面部分のノズルが、同心円状又は直
    線状に等間隔に、或いは全面にわたって複数設けられて
    いる請求項11に記載のディスペンサー。
  13. 【請求項13】 請求項11又は1に記載のディスペ
    ンサーを用いる基板の浄化方法であって、少なくとも、
    ノズルから液体を供給し、且つ基板面と平面部分との間
    隔を3mm以下に保持することで基板面と平面部分との
    間に液膜を形成させる工程を有することを特徴とする基
    板の浄化処理方法。
  14. 【請求項14】 基板の浄化処理に用いられる気密性の
    高い空間の形成が可能な基板の浄化処理用チャンバーで
    あって、基板を水平に保持するための複数の保持部材
    と、該保持部材によって設置された基板の表裏面にガス
    及び/又は液体を供給するための少なくとも1のノズル
    と、基板が設置された水平の位置よりも低い位置に設け
    られたガス及び/又は液体を排出するための排出孔とを
    有し、且つ基板を保持した状態でチャンバー自身が水平
    方向に回転可能に構成されていることを特徴とする基板
    の浄化処理用チャンバー。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の浄化処理用チャン
    バーを用いる基板の浄化方法であって、基板を保持した
    状態で浄化処理用チャンバーを水平回転させながら、設
    置した基板の表裏面にノズルからガス及び/又は液体を
    供給することで基板及び/又はチャンバー内の洗浄処理
    及び/又はリンス処理を行うことを特徴とする基板の浄
    化処理方法。
  16. 【請求項16】 基板の浄化処理に用いられる基板保持
    機構であって、基板端部を上下部材によって挟むための
    チャック機構を複数有し、該複数のチャック機構により
    基板を略水平な位置に保持し、且つ基板を浄化する際に
    複数のチャック機構によって挟まれている部分が順次基
    板の保持と開放とを繰り返すように構成されていること
    を特徴とする基板保持機構。
  17. 【請求項17】 チャック機構が基板端部を略等間隔な
    6点で挟む位置に設けられ、且つ対峙する3対のチャッ
    ク機構がそれぞれ対の状態で作動し、これら3対のチャ
    ック機構が順に基板の保持と開放とを繰り返すように構
    成されている請求項1に記載の基板保持機構。
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