JP5296279B2 - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子およびそれを用いた発泡体 - Google Patents

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Description

本発明は発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子、その樹脂粒子の製造法、それを用いた耐割れ性および緩衝性のバランスに優れた発泡体、およびその発泡体の製造法に関する。
ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡成形して得られる発泡成形体が割れやすいことはよく知られている。この点を改善するべく、スチレンとブタジエンのブロック共重合体をポリスチレン系樹脂に機械的にブレンドする方法(特許文献1、特許文献2参照)、スチレンとブタジエンのブロック共重合体と、ポリブタジエン系樹脂を溶媒中で混合し、溶媒キャスト法によりミクロ相分離構造を得る方法(特許文献3参照)、共役ジエン系重合体の存在下にスチレン単量体を重合して得られる耐衝撃性に優れた樹脂、いわゆる耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)粒子を用いる方法(特許文献4、特許文献5参照)が提案されている。
しかし、これらの発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は押出し成形によるペレット化工程を経る必要があり、コスト高になってしまう。さらに、市販の耐衝撃性ポリスチレン樹脂は製造法上の問題からポリスチレンの分子量をある程度以上の大きなものにしにくい。
そこで、低コストで耐割れ性を改善する方法として粒子状スチレン系重合体に共役ジエン単量体等を含浸させて重合する含浸重合法が提案されている。
たとえば特許文献6では、スチレン系単量体と共役ジエン単量体との混合単量体を粒子状スチレン系重合体の表面付近に含浸させた状態で共重合させ、ポリスチレン系樹脂粒子の表面部分に生成した共役ジエン系共重合体が密に集まった粒子を得、これに発泡剤を含浸させた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が記載されている。そして、この発泡性樹脂粒子は中心部分がポリスチレンに富んだ部分であり、その部分に発泡剤が保持されるので高発泡倍率のものが得られると記載されている。また、混合単量体はスチレン系単量体と共役ジエン系単量体とがそれぞれ10〜55重量%および90〜45重量%の割合で混合されたものであると記載されているが、実施例ではすべて共役ジエン系単量体がスチレン系単量体の1.5倍量以上の混合単量体を使用しており、また、粒子が表面部分に生成した共役ジエン系共重合体が密に集まり、かつ粒子の中心部分がポリスチレンに富んだ粒子を得ることを目的としていることから、実質的には共役ジエン系単量体の割合が多い混合単量体しか開示していないものである。
そしてこの方法によれば、ペレット化工程は不要であってコストの面からは優れているが、得られる発泡体、特に予備発泡した粒子を型内成形して得られる発泡体は、共役ジエン系重合体粒子が表面に密に存在するため予備発泡粒子同士の融着率が低く、また、耐割れ性(落球衝撃強度)が不充分である。
また、特許文献7では、ポリスチレン系樹脂粒子中で共役ジエン系単量体を重合させて該ポリスチレン系樹脂粒子中に共役ジエン系重合体のゴム粒子を均一に分散状態で形成し、得られるゴム粒子含有ポリスチレン系樹脂にスチレン系単量体を含浸重合させて得られる改質ポリスチレン系樹脂に発泡剤を含浸させた発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子が記載されている。そして、この発泡性樹脂粒子は発泡させたときのゴム粒子が発泡の前後で実質的に変形せず、また、発泡前の改質ポリスチレン系樹脂自体のアイゾット強度は一般の耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)と称される樹脂よりも低いという特徴をもっている。そして、この特許文献7にはスチレン系単量体と共役ジエン系単量体を含浸重合することも開示しているが、具体的な混合割合は実施例における5:10(重量比)だけであり、これまた共役ジエン系単量体がリッチな混合単量体を使用している。
この方法によれば、確かにペレット化工程は不要でコストの面からは優れており、また型内成形して得られる発泡体の予備発泡粒子同士の融着率も高くなっており、耐割れ性(落球衝撃強度)も前記の特許文献6記載の発泡体よりは改善しているが、密度が0.02g/cm3以下の高発泡(約50倍以上の発泡倍率)の発泡成形体に成形した場合では市販の耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)の発泡体には及んでいなかった。
このように含浸重合法ではペレット化工程を経ることがなく、低コストでポリスチレン系樹脂発泡体の耐割れ性を向上させ得るが、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)粒子を用いる方法で得られる発泡体と同等の耐割れ性を達成することは難しかった。
特公昭47−17465号公報 特開昭54−158467号公報 特開昭56−67344号公報 特公昭47−18428号公報 特開平7−90105号公報 特開平6−49263号公報 国際公開第98/29485号
本発明は、ペレット化工程を経ずに製造でき、しかも、高発泡においても優れた耐割れ性と緩衝性をもつ発泡体を与える発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子、その製造法、およびそれを発泡させて得られる発泡体を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、ポリスチレン系樹脂にゴム状重合体粒子(b)が分散している改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)に発泡剤(e)が含有されている発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)であって、
ゴム状重合体粒子(b)の分散状態が、ポリスチレン系樹脂の連続相にゴム状重合体粒子(b)が全体にわたって均一な状態または表層部より中心部の方がゴム状重合体粒子(b)の密度が高い状態であり、
改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)が、ポリスチレン系重合体粒子(a)に、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体とから本質的になりかつスチレン系単量体の割合が多い混合単量体を含浸させた状態で共重合して得られた改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)である発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子に関する。
前記改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)は、
ポリスチレン系重合体粒子(a)に、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体とから本質的になりかつスチレン系単量体の割合が多い混合単量体を含浸させた状態で共重合して得られた改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)に、さらにスチレン系単量体を含浸重合して得られた改質ポリスチレン系樹脂粒子(c2)であってもよい。
また、前記ゴム状重合体粒子(b)は、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体の共重合体で本質的に構成される粒子であることが望ましい。
前記改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)は、60〜90重量部のポリスチレン系重合体粒子(a)に40〜10重量部の混合単量体を含浸させた状態で共重合して得られた粒子であり、かつ該混合単量体が55重量%を超え90重量%以下のスチレン系単量体と10重量%以上45重量%未満の共役ジエン系単量体の混合単量体であることが好ましい。
かかる発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)を密度0.02g/cm3の改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体としたときの緩衝係数をAとし、該改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体の落球衝撃試験の半数破壊高さをBとし、ポリスチレン系樹脂粒子(a)に発泡剤(e)を含浸させた発泡性未改質ポリスチレン系樹脂粒子(f)を密度0.02g/cm3の未改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体としたときの緩衝係数をCとし、該未改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体の落球衝撃試験の半数破壊高さをDとしたとき、A/C=1.00〜1.08でかつB/D=1.35〜2.35の関係を有していることが好ましい。
また前記発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)の中心部分に存在するゴム状重合体粒子(b)は、その平均面積円相当径が0.01〜0.20μmであること、または前記改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)中のゲル量が15〜40重量%であることが好ましい。
さらに前記ゴム状重合体粒子(b)が、前記発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させることにより得られる改質ポリスチレン系樹脂発泡体のセル膜中で扁平するゴム状重合体粒子であり、特に前記発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)を密度0.02g/cm3にまで発泡させることにより得られる改質ポリスチレン系樹脂発泡体のセル膜中で扁平しているゴム状重合体粒子(b)の平均扁平度が、1.1〜9の範囲内であることが好ましい。
本発明はまた、ポリスチレン系樹脂にゴム状重合体粒子(b)が分散している改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)に発泡剤(e)が含有されている発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)であって、
ゴム状重合体粒子(b)の分散状態が、ポリスチレン系樹脂の連続相にゴム状重合体粒子(b)が全体にわたって均一な状態または表層部より中心部の方がゴム状重合体粒子(b)の密度が高い状態であり、
該発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)を密度0.02g/cm3の改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体としたときの緩衝係数をAとし、該改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体の落球衝撃試験の半数破壊高さをBとし、ポリスチレン系樹脂粒子(a)に発泡剤(e)を含浸させた発泡性未改質ポリスチレン系樹脂粒子(f)を密度0.02g/cm3の未改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体としたときの緩衝係数をCとし、該未改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体の落球衝撃試験の半数破壊高さをDとしたとき、A/C=1.00〜1.08でかつB/D=1.35〜2.35の関係を有する
発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子にも関する。
この発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子においても、前記ゴム状重合体粒子(b)がスチレン系単量体と共役ジエン系単量体の共重合体で本質的に構成される粒子であることが望ましい。
また、前記発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)の中心部分に存在するゴム状重合体粒子(b)の平均面積円相当径が0.01〜0.20μmであること、または前記改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)中のゲル量が15〜40重量%であることが好ましい。
さらにまた本発明は、ポリスチレン系樹脂にゴム状重合体粒子(b)が分散している改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)に発泡剤(e)が含有されている発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)であって、
ゴム状重合体粒子(b)の分散状態が、ポリスチレン系樹脂の連続相にゴム状重合体粒子(b)が全体にわたって均一な状態または表層部より中心部の方がゴム状重合体粒子(b)の密度が高い状態であり、
該ゴム状重合体粒子(b)が、前記発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)を発泡させることにより得られる改質ポリスチレン系樹脂発泡体のセル膜中で扁平するゴム状重合体粒子である
発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子にも関する。
前記ゴム状重合体粒子(b)が、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体の共重合体で本質的に構成される粒子であることが望ましい。
また前記発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)を密度0.02g/cm3の改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体としたときの緩衝係数をAとし、該改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体の落球衝撃試験の半数破壊高さをBとし、ポリスチレン系樹脂粒子(a)に発泡剤(e)を含浸させた発泡性未改質ポリスチレン系樹脂粒子(f)を密度0.02g/cm3の未改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体としたときの緩衝係数をCとし、該未改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体の落球衝撃試験の半数破壊高さをDとしたとき、A/C=1.00〜1.08でかつB/D=1.35〜2.35の関係を有していることが好ましい。
さらに前記発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)の中心部分に存在するゴム状重合体粒子(b)の平均面積円相当径が0.01〜0.20μmであること、または前記改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)中のゲル量が15〜40重量%であることが好ましい。
前記発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)を密度0.02g.cm3にまで発泡させることにより得られる改質ポリスチレン系樹脂発泡体のセル膜中で扁平しているゴム状重合体粒子(b)の平均扁平度は、1.1〜9の範囲内であることが好ましい。
本発明はまた、ポリスチレン系樹脂にゴム状重合体粒子(b)が分散している改質ポリスチレン系樹脂をセル膜とする改質ポリスチレン系樹脂発泡体であって、
該セル膜中でゴム状重合体粒子(b)が扁平しており、かつ
密度0.02g/cm3の改質ポリスチレン系樹脂発泡体のセル膜中で扁平しているゴム状重合体粒子(b)の平均扁平度が1.5〜8倍の範囲内である
改質ポリスチレン系樹脂発泡体に関する。
前記ゴム状重合体粒子(b)が、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体の共重合体で本質的に構成される粒子であることが望ましい。
また、密度0.02g/cm3の改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体の緩衝係数をAとし、該改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体の落球衝撃試験の半数破壊高さをBとし、ゴム状重合体粒子を含まない密度0.02g/cm3の未改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体の緩衝係数をCとし、該未改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体の落球衝撃試験の半数破壊高さをDとしたとき、A/C=1.00〜1.08でかつB/D=1.35〜2.35の関係を有していることが好ましい。
本発明はさらにまた、前記の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させることにより得られる改質ポリスチレン系樹脂発泡体、および前記の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させる改質ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法にも関する。
さらに本発明は、ポリスチレン系重合体粒子(a)に、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体とから本質的になりかつスチレン系単量体の割合が多い混合単量体を含浸させた状態で共重合してポリスチレン系樹脂の連続相にゴム状重合体粒子(b)が全体にわたって均一な状態または表層部より中心部の方がゴム状重合体粒子(b)の密度が高い状態で分散している改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)を得、ついで該改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)に発泡剤(e)を含浸する発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法、また該改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)に、さらにスチレン系単量体を含浸重合して改質ポリスチレン系樹脂粒子(c2)を得、ついで該改質ポリスチレン系樹脂粒子(c2)に発泡剤(e)を含浸する発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に関する。
これらの製造方法における前記改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)を得る含浸重合において、60〜90重量部のポリスチレン系重合体粒子(a)に対して40〜10重量部の混合単量体を含浸させ、かつ該混合単量体として55重量%を超え90重量%以下のスチレン系単量体と10重量%以上45重量%未満の共役ジエン系単量体の混合単量体を用いることが好ましい。
なお、本明細書における「発泡体」には、後述する発泡性樹脂粒子を発泡させて得られる予備発泡粒子および該予備発泡粒子を型内成形して得られる型内成形体をも含むものであり、特に断らない限り、「発泡体」という用語は両者を指すものとして用いている。
具体的な説明に入る前に、本発明における用語などについて説明しておく。
本発明において、ゴム状重合体粒子(b)がポリスチレン系樹脂粒子(a)中に「全体にわたって均一または表層部より中心部の方がゴムの分布が高い」状態とは、ポリスチレン系樹脂粒子(a)の表層部と中心部との間でゴム状重合体粒子(b)の分布状態に変化がないか、表層部の方が粗である状態をいう。
本発明において「表層部」とは改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)の表面から中心に向けて2μm〜6μmの深さの領域をいい、「中心部」とは改質ポリスチレン系樹脂粒子を真球とみなし、その中心から半径50μmの球内の領域をいう。
具体的な計測法について、後述する実施例2で製造した改質ポリスチレン系樹脂粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真に基づいて説明する。図1は「中心部」のTEM写真(4万倍)であり、図2は「表層部」のTEM写真(4万倍)である。そして図3(図3中、×印は粒子の中心を示す。)および図4はそれぞれ図1および図2のゴム部面積割合(%)を計測するための模式図(複写)である。
ゴム部面積割合(%)はつぎのように測定する。
まず、図3および図4にそれぞれ示す実線で囲まれた領域A(1.25μm×1.25μm)を4倍に拡大複写し、その重量を量る。ついで黒い部分(酸化オスミウムで染色されたゴム状重合体粒子)を切り取り(ただし、内部にオクルージョンポリスチレン粒子を含むようなゴム状重合体粒子の場合はオクルージョンポリスチレン粒子を含んだままの状態のゴム状重合体粒子を切り取る)、切り取った部分B(残部でもよい)の重量を計る。ゴム部面積割合は、(切り取った部分B/全領域A)×100で表される。図1(図3)および図2(図4)では、それぞれ38.4%および25.5%である。
ついで「表層部」と「中心部」の「ゴム部面積比」を次式にしたがって算出する。
Figure 0005296279
本発明において、「全体にわたって均一または表層部より中心部の方がゴムの分布が高い」状態は前述のとおりであるが、この関係を「ゴム部面積比」で表すと、好ましくはゴム部面積比が0.10〜1.15、さらに好ましくは0.30〜1.15、特に好ましくは0.50〜1.15となる。
ゴム部面積比が1.15を超えるときは型内成形時の予備発泡粒子同士の融着に劣る傾向にある。本発明の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子は全体にわたって均一または表層部より中心部の方がゴム状重合体粒子の分布が高い状態であるので予備発泡粒子同士の融着が容易であり、型内成形しやすい。
本発明における「緩衝係数比(A/C)」とはつぎの値をいう。
まず、緩衝係数は、JIS Z 0235に準拠し、90mm×90mm×50mmの発泡成形体試料に14kgの錘を60cmの高さから落下させ、発泡成形体試料が試験前の50%〜65%歪んだときの最小の緩衝係数である。具体的な測定および算出は、基準として未改質ポリスチレン系樹脂粒子を後述する発泡成形条件で発泡させ型内成形して得られた発泡成形体の緩衝係数Cを測定し、ついで被験ポリスチレン系樹脂粒子を同一の発泡成形条件で発泡成形して得られた発泡成形体の緩衝係数Aを測定する。このA/Cを緩衝係数比といい、数値が小さいほど緩衝性能がよいことを示す。
また本発明における「落球衝撃強度比(B/D)」とはつぎの値をいう。
半数破壊高さは、JIS K 7211に準拠し、200mm×20mm×40mmの発泡成形体試料に321gの剛球を落とし、所定の計算式:
Figure 0005296279
ここに
50:半数破壊高さ(cm)
i:高さ水準(i)が0のときの試験高さ(cm)であり、試験片が破壊することが予測される高さ。
d:試験高さを上下させるときの高さ間隔(cm)
i:H1のときを0とし、1つずつ増減する高さ水準(i=…−3、−2、−1、0、1、2、3、…)
i:各水準において破壊した(または破壊しなかった)試験片の数
N:破壊した(または破壊しなかった)試験片の総数(N=Σni)。いずれか多いほうのデータを使用する。なお、同数の場合はどちらを使用してもよい。
±0.5:破壊したデータを使用するときは負を、破壊しなかったデータを使用するときは正とする。

により算出する。具体的な測定および算出は、基準として未改質ポリスチレン系樹脂粒子を後述する発泡成形条件で発泡させ型内成形してえられた発泡成形体の半数破壊高さDを測定し、ついで被験ポリスチレン系樹脂粒子を同一の発泡成形条件で発泡成形してえられた発泡成形体の半数破壊高さBを測定する。このB/Dを落球衝撃強度比といい、数値が大きいほど耐割れ性が大きいことを示す。
また本発明における「密度」とはつぎの値をいう。
JIS K 6767に準拠して以下の式により発泡成形体の密度D(g/cm3)を求める。
D=G/V
ただし、
G:発泡成形体の重量(g)、
V:発泡成形体の体積(cm3
Vは発泡成形体の一部を直方体に切り出し、直方体の縦、横、高さの寸法を測定し算出する。測定用具、および精度はJIS K 6767による。
以上の落球衝撃強度比および緩衝係数比の測定に用いる発泡成形体の発泡成形条件は、つぎのとおりである。なお、後述する実施例および比較例においてもこの条件を採用している。
(予備発泡条件)
発泡性樹脂粒子
平均粒径:1mm
発泡剤 :ペンタン(ノルマル/イソ=40/60)
予熱した常圧予備発泡器に発泡性樹脂粒子を1〜2kg投入し、撹拌しながら約0.061MPaの設定で蒸気を吹き込みつつ、適当に空気も供給して、約1〜3分間で所定の倍率まで発泡させる。
(型内成形条件)
つぎの条件で成形したのち、真空放冷する。
成形機 :東洋機械金属(株) TH90VMII
成形後密度:0.02g/cm3(発泡倍率:約50倍)
成形条件
予備加熱 :3秒
一方加熱 :4秒
逆一方加熱:1秒
両面加熱 :12秒
補助加熱 :3秒
保熱 :3秒
水冷 :20秒
両面加熱時の設定蒸気圧:キャビティ/コア=0.066/0.087(MPa)
また、本発明におけるゴム状重合体粒子(b)の発泡体セル膜内における「平均扁平度」はつぎのようにして調べる。なお、後述する実施例、比較例においてもこの条件を採用している。
発泡性樹脂粒子を上記の方法で発泡成形し、0.02g/cm3の発泡成形体とする。この発泡成形体のセル膜中のゴム状重合体粒子を酸化オスミウムで染色したのち透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製のJEM−1200EX。7200倍〜4万倍)にかけ、扁平しているゴム状重合体粒子100個のセル膜の膜面方向の寸法およびセル膜の厚さ方向の寸法を測定する。そしてゴム粒子のセル膜面方向の寸法をセル膜厚さ方向の寸法で除した値を扁平度とし、この扁平度が1.1以上のゴム状重合体粒子の扁平度の平均値を平均扁平度とする。
本発明における発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)の中心部分のゴム状重合体粒子(b)の「平均面積円相当径」はつぎのようにして調べる。なお、後述する実施例、比較例においてもこの条件を採用している。
発泡性樹脂粒子中のゴム状重合体粒子を酸化オスミウムで染色したのち透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製のJEM−1200EX。4万倍)にかけ、撮影した写真のスケール目盛り(0.5μm)から計算した3.76μm2相当部分を4倍に拡大複写し、複写紙の酸化オスミウムで染色された黒いゴム部分を切り取り(ただし、内部にオクルージョンポリスチレン粒子を含むようなゴム状重合体粒子の場合はオクルージョンポリスチレン粒子を含んだままの状態のゴム状重合体粒子を切り取る)、全ての切り取ったゴム状重合体粒子部分の紙の重さEgを測定する。この紙の重さEgをゴム状重合体粒子の個数Fで除してゴム状重合体粒子1個の平均重さGgを計算する。別途この写真のスケール目盛り(0.5μm)を含む部分を同様に4倍に拡大複写し、拡大されている0.25μm2相当の大きさの部分を切り取り、その重さを測定し、0.25μm2相当の大きさの紙の重量Hgを求める。0.25μm2を0.25μm2相当の大きさの紙の重量Hgで除して紙1gあたりの面積Iμm2/gを計算する。ゴム状重合体粒子1個の平均重さGgと紙1gあたりの面積Iμm2/gを乗じてゴム状重合体粒子の平均面積Jμm2を算出する。このゴム状重合体粒子の平均面積Jμm2を円周率πで除したものの平方根に2をかけて得られた値を平均面積円相当径Kμmとする。本明細書において具体的には、前記のゴム部面積比を求めた図1および図2を使用して測定を行なっている。
「中心部分」とは改質ポリスチレン系樹脂粒子を真球とみなし、その中心から半径50μmの球内の領域をいう。
本発明において「ゲル量」は、つぎのように求めた値である。
発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子0.5gをメチルエチルケトン31.8ml、メタノール3.2mlからなる溶液に入れる。8時間以上撹拌した後、遠心分離(15000rpmで30分)により溶液成分(溶解した部分)とゲル分(不溶部分)を分離する。溶液成分を取り除き、さらにメチルエチルケトン31.8ml、メタノール3.2mlからなる溶液を加えて30℃で30分撹拌した後、遠心分離(15000rpmで30分)により溶液成分とゲル分を分離し、溶液成分を取り除く。さらにメチルエチルケトン31.8ml、メタノール3.2mlからなる溶液を加えて50℃で30分撹拌した後、遠心分離(15000rpmで30分)により溶液成分とゲル分を分離し、溶液成分を取り除く。このゲル分を60℃で8時間乾燥させてゲル分の重量を測定する。発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子0.5g中に含まれるゲル分の重量%を求めて、これをゲル量とする。
本発明によれば優れた耐割れ性と融着率をもつ改質ポリスチレン系発泡体およびその原料である発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子を提供することができ、HIPSを使用する場合は高価であった改質ポリスチレン樹脂発泡成形体を比較的安価に製造できる。
本発明の実施例2で製造した発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子の中心部の透過型電子顕微鏡写真(倍率4万倍)である。 本発明の実施例2で製造した発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子の表面付近の透過型電子顕微鏡写真(倍率4万倍)である。 図1からゴム部面積割合およびゴム部面積比の測定方法を説明するための模式図である。 図2からゴム部面積割合およびゴム部面積比の測定方法を説明するための模式図である。 本発明の実施例2で製造した改質ポリスチレン系樹脂発泡体の透過型電子顕微鏡写真(倍率4万倍)である。 比較例3で製造した発泡体の透過型電子顕微鏡写真(倍率4万倍)である。 比較例4で製造した発泡体の透過型電子顕微鏡写真(倍率4万倍)である。
まず、本発明の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子の好ましい製造法について説明する。
この製造方法は、改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)を、ポリスチレン系重合体粒子(a)に、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体とから本質的になりかつスチレン系単量体の割合が多い混合単量体を含浸させた状態で共重合することにより製造する方法である。以下、この含浸重合を第1含浸重合といい、得られたポリスチレン系樹脂粒子を改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)という。さらに要すれば、後述する第2含浸重合を施してもよい。
かかる製造法は前記特開平6−49263号公報またはWO98/29485号パンフレットに記載された製造法と類似してはいるが、含浸重合に用いる混合単量体中のスチレン系単量体の割合を共役ジエン系単量体よりも多くしている点で本質的に異なり、その結果、得られる改質樹脂粒子さらにはそれを発泡させて得られる発泡体において物性および性能において大きな差が生じている。
前記の公報などに記載の発明では、ゴム成分を多くしようとするあまり、共役ジエン系単量体の混合割合を多くしている。しかし、本発明ではその発想を全く逆転し、混合単量体中のスチレン系単量体量を共役ジエン系単量体よりも多くしたものである。
その結果、
(1)ゴム状重合体粒子(b)の分散状態が、ポリスチレン系樹脂の連続相にゴム状重合体粒子(b)が全体にわたって均一な状態または表層部より中心部の方がゴムの密度が高い状態のものが得られるので、発泡成形体を型内成形で製造する際に予備発泡粒子同士の融着が良好になる、
さらに、
(2)得られるポリスチレン系樹脂にゴム状重合体粒子(b)が分散している改質ポリスチレン系樹脂をセル膜とする改質ポリスチレン系樹脂発泡体のセル膜中のゴム系重合体粒子(b)が適度に扁平し、耐割れ性に富み緩衝性とのバランスに優れた発泡体を提供できる
のである。
なお、本発明の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)は、上記(1)の点で表面にゴム状重合体粒子が密に存在する特開平6−49263号公報のものと、さらに明確に異なる。また、上記(2)の点で発泡の前後でゴム状重合体粒子が実質的に変形しないWO98/29485号パンフレットに記載されたものと、さらに明確に異なる。さらにまた、発泡したときにセル膜内でゴム状重合体粒子が大きく糸状に扁平する一般の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(HIPS)粒子とも、上記(2)の点で明確に異なる。HIPSとの相違はさらに後述する。
以下、各製造工程や条件などを具体的に説明するが、本発明はこれらの説明に限定されるものではない。
ポリスチレン系樹脂粒子(a)の好ましくは60〜90重量部に、スチレン系単量体の割合が多い共役ジエン単量体との混合単量体の好ましくは40〜10重量部をまず含浸させ重合させる。この重合を第1含浸重合という。混合単量体はポリスチレン系樹脂粒子中で混合されればよく、スチレン系単量体と共役ジエン単量体を別々にポリスチレン系樹脂粒子に含浸させてもよい。ポリスチレン系樹脂粒子(a)は60重量部よりも少なくなると混合単量体を含浸させたときに重合系が不安定となったり、90重量部を超えると得られた樹脂粒子を発泡成形体としたときの耐割れ性が不充分となることがある。ポリスチレン系樹脂粒子(a)の量は、さらに好ましくは65〜85重量部である。
混合単量体中のスチレン系単量体量は共役ジエン系単量体よりも多く、耐割れ性を向上させる観点から、好ましくは55重量%を超え90重量%以下、より好ましくは60〜85重量%、さらに好ましくは60〜80重量%である。
この混合単量体のポリスチレン系樹脂粒子(a)への含浸は、ポリスチレン系樹脂粒子(a)の内部までよく含浸させて重合させることが重要である。
本発明で用いる原料のポリスチレン系樹脂粒子(a)におけるポリスチレン系樹脂は通常のポリスチレン系樹脂でよく、スチレンの単独重合体のほか、メチルメタクリレート、ブチルアクリレートなどの不飽和脂肪酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和脂肪酸;α−メチルスチレン、アクリロニトリルなどの他の単量体とスチレンとの共重合体であってもよい。従来の耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)とは異なり、重量平均分子量は約15万〜60万の範囲で任意に調整できるが、発泡体に良好な耐割れ性を与える点から約25万以上、好ましくは30万以上、発泡速度が適切な範囲となる点から約50万以下、好ましくは約40万以下である。
このポリスチレン系樹脂粒子(a)は従来の懸濁重合法で製造したものがそのまま使用できるので、特段のペレット化工程は不要である。もちろん、塊状重合法、乳化重合法、溶液重合法などで重合し、必要に応じ粉砕したものも使用できる。平均粒径は約0.1〜3mm、通常0.5〜1.5mmのものが好ましい。
原料のポリスチレン系樹脂粒子(a)は、造核剤、充填材、可塑剤、難燃剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの通常の添加剤を本発明の効果を損なわない量で含んでいてもよい。
つぎに本発明で用いる混合単量体について説明する。本発明で用いる共役ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンなどの1種または2種以上があげられ、ブタジエンが特に好ましい。また、含浸重合に供する共役ジエン系単量体量は、発泡体に良好な耐割れ性を与える点から、改質ポリスチレン系樹脂粒子(a)に対して3〜18重量%が好ましく、さらに好ましくは5〜15重量%である。特に好ましくは5〜10重量%である。
また、スチレン系単量体にはスチレンのほか、スチレン誘導体が含まれる。スチレン誘導体としては、たとえばα−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−クロロスチレンなどのほか、ジビニルベンゼンも含まれる。これらのスチレン系単量体は、単独でまたは混合して用いることができる。なお、ジビニルベンゼンは併用の場合に有用である。
さらに非本質的、すなわちゴム系重合体粒子(b)の性質を本質的に変えない程度に他の単量体を共単量体成分として加えてもよい。
混合単量体の重合は重合開始剤によって行なう。重合開始剤は混合単量体に予め加えて樹脂粒子(a)に含浸させてもよいが、ゴム系重合体粒子(b)をより一層均一な分散状態で得るためには、混合単量体を均一に含浸させた後、重合開始剤を均一に含浸させ、重合を開始することが好ましい。
重合開始剤としては、たとえばベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ2,4−ジ−t−ブチルシクロヘキサンなどのラジカル重合開始剤があげられる。その量は共役ジエン系単量体を基準として0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%である。
この第1含浸重合は、ポリスチレン系樹脂粒子(a)を水に分散懸濁させた系で、混合単量体および重合開始剤を重合温度か、それより低い温度で均一に含浸させたのち重合温度(通常50〜100℃)で1〜20時間保持することにより行なうことができる(懸濁含浸重合法)。
またこの懸濁含浸重合法においては、ポリスチレン系樹脂粒子(a)の分散性を高めるために、たとえば部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの有機系分散剤や、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどの無機系分散剤などの分散剤を用いることができる。無機系分散剤を用いる場合は界面活性剤を併用するのが好ましい。
得られた改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)では、ポリスチレン系樹脂の連続相の全体にわたって均一にゴム状重合体粒子(b)が分散している状態か、または表層部より中心部の方がゴム状重合体粒子(b)の密度が高い状態でゴム状重合体粒子(b)が分散している。また、中心部分に存在するゴム状重合体粒子(b)の平均面積円相当径は、0.01〜0.20μmであることが好ましい。
その後得られる発泡予備粒子同士を型内成形により融着させるときの融着性を向上させる観点から、改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)に、さらにスチレン系単量体を含浸重合させてもよい。この含浸重合を第2含浸重合といい、その結果得られる改質ポリスチレン系樹脂粒子を改質ポリスチレン系樹脂粒子(c2)という。第2含浸重合に用いるスチレン系単量体としては第1含浸重合で使用したスチレン系単量体で例示したものがあげられ、混合単量体中のスチレン系単量体と同種でも異種のものを含んでもよい。
また、第2含浸重合で含浸させるスチレン系単量体の量はポリスチレン系樹脂粒子(a)基準で3〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。50重量%を超えると相対的にゴム状重合体粒子量が少なくなりすぎて発泡成形体としたときの耐割れ性が充分でなくなることがある。3重量%を下回ると融着性の改善効果が小さくなる傾向にある。
さらに、第2含浸重合において、融着性向上効果に影響を与えない程度に共役ジエン系単量体を加えてもよい。用いる共役ジエン系単量体としては第1含浸重合で使用した共役ジエン系単量体として例示したものがあげられ、混合単量体中の共役ジエン系単量体と同種でも異種のものを含んでもよい。また目的とする耐割れ性、粒子同士の融着性、緩衝性に影響を与えない程度に他の単量体を加えてもよい。
重合開始剤は第1含浸重合で使用するラジカル重合開始剤と同じでよく、その量は通常、第2含浸重合で使用するスチレン系単量体を基準として0.05〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%であるが、第1含浸重合で未消費のものが残存している場合は減量してもよい。
かくして得られる改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)に含まれるゴム状重合体粒子(b)におけるゴム状重合体は、ポリスチレン系樹脂粒子(a)の内部にスチレン系単量体と共役ジエン単量体の両方が均一に含まれた状態でそれらがラジカル重合しているため、スチレン系単量体と共役ジエン単量体のランダム共重合体を基本構造としており、このランダム共重合体の一部はポリスチレン系樹脂粒子(a)のポリスチレン鎖にグラフトしたり、第2含浸重合で含浸したスチレン系単量体の重合体が第1含浸重合で得られた重合体にグラフト重合したりしており、さらにこれらが架橋した構造をも有している状態となっている。このように改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)は、共役ジエン単量体単位のみからなるブロック部分を含まない構造となっている。すなわち本発明の改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)が含むゴム状重合体粒子(b)は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体や直鎖状ポリブタジエンなどをスチレン系単量体に溶解した状態でスチレン系単量体を単独重合して製造される一般の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(HIPS)に含まれるゴム状重合体粒子(ブタジエン単位のみからなる長い連鎖を有する)とは全く異なる構造からなるものであり、この点でもさらに一般の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(たとえば特公昭47−18428号公報、特開平7−90105号公報、特開平5−116227号公報、特開平8−188669号公報、特開平8−245822号公報、米国特許第4,409,338号明細書、米国特許第5,880,166号明細書、米国特許第5,661,191号明細書など)と区分けできる。
さらに本発明における改質ポリスチレン系樹脂粒子は上記のようなグラフト構造や架橋構造などを含むため、従来のHIPSよりも高いゲル量となっている。好ましいゲル量は、15〜40重量%、さらには20〜35重量%、特に23〜35重量%である。ゲル量がこの範囲にあることにより、発泡粒子同士の融着も良好でかつ発泡体の耐割れ性および緩衝性が優れたものになる。なお、特開平6−49263号公報(表面にゴム状重合体粒子が密に存在している粒子)では、その粒子のゲル量は0.1〜35重量%と広い範囲が記載されているが、実際に得られたもののゲル量は1.8〜9.3重量%と小さいと記載されていて、15重量%以上のものは製造されていない。
また、上記のとおり、一般の耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)はゴム状重合体をスチレン系単量体に溶解したのちスチレン系単量体を重合して製造されるため、HIPS中に存在するゴム状重合体粒子中にポリスチレン系樹脂微粒子が本質的に内包される(一般にオクルージョンポリスチレン(内包PS)と呼ばれる。酸化オスミウム染色による透過型電子顕微鏡観察で確認できる。図7参照)。しかし、ポリスチレン系樹脂粒子(a)に前記混合単量体を含浸重合させてゴム状重合体粒子(b)を形成させる本発明における製法では、得られる改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)に含有されるゴム状重合体粒子(b)に、オクルージョンポリスチレンと呼ばれるものは、酸化オスミウム染色による透過型電子顕微鏡観察などを4万倍の倍率で行なっても確認できない(図1参照)。すなわちゴム状重合体粒子(b)が、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体との共重合体から本質的に構成される粒子であるという特徴を有しており、この点でも前記一般のHIPSと区分けできる。ただし、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体との共重合体は、ゴム状重合体粒子(b)のゴムとしての性質に影響を与えない範囲で、すなわち非本質的な成分として他の単量体などの第3成分を含んでもよいことは前述したとおりである。また、含浸重合させる混合単量体中のスチレン系単量体量がかなり多い場合はスチレン系単量体単位に富む共重合体が並存することもあるが、そうした共重合体はオクルージョンポリスチレンではない。
さらに本発明における改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)に含まれるゴム状重合体粒子(b)には、上記のとおり一般の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(HIPS)とは製法が異なるため、球形とは呼べないような形のゴム状重合体粒子が多く存在する。特に、比較的大きなゴム状重合体粒子は角を有していたり、曲がっていたりしているという特徴を有している(図1参照)。この点でもさらに従来のHIPSや特開平6−49263号公報またはWO98/29485号パンフレット記載の含浸重合粒子と区分けできる。
本発明の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)は、かかる改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)中に発泡剤(e)が含浸されているものである。発泡剤(e)は改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)に後から含浸させてもよいし、第1含浸重合中に混合単量体と一緒に含浸させてもよいし、第2含浸重合中にスチレン系単量体と一緒に含浸させてもよい。しかし、缶内圧力を高くしなくてよい点および分散安定性が良好な点から、第2含浸重合を行なう場合は第2含浸重合以降に発泡剤を含浸させる方が好ましい。
発泡剤(e)としては揮発型発泡剤が好ましく、たとえばブタン、ペンタンなどの1種または2種以上があげられる。これらのうちブタンもしくはペンタンの単独または混合使用が好ましく、また、シクロヘキサン、シクロペンタン、ヘキサンなどを少量併用してもよい。特にペンタン(ノルマルペンタン、イソペンタンの単独または混合物を含む)が好ましい。
発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)における発泡剤の含有量は、未改質のポリスチレン系樹脂粒子の場合と同じでよく、目的とする発泡倍率などを考慮して樹脂粒子100重量部に対して3〜15重量部、通常5〜10重量部の範囲内で選定すればよい。
さらに、発泡速度を改善するために溶剤を用いてもよい。溶剤としては、たとえばシクロヘキサンのほか、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素が好適である。
本発明はさらに、本発明の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)を発泡させて発泡体を製造する方法およびその発泡体に関する。本発明の発泡体は、前記のとおり、発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させてえられる予備発泡粒子、および該予備発泡粒子を用いて型内成形してえられる発泡成形体をも含む。
まず、予備発泡粒子について説明する。一般に予備発泡粒子は、改質または未改質のポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させたのち、たとえば水蒸気などにより加熱して発泡させることによりえられるものである。予備発泡法は周知の技術であり、本発明にもそのまま採用できる。
本発明の予備発泡粒子自身も耐割れ性を有しており、そのままでバラ緩衝材などにも利用できるが、つぎに説明する型内成形法による発泡成形体の原料として特に有用である。
型内成形法は、予備発泡粒子を型内に充填し、加熱することによって予備発泡粒子同士を融着させて発泡成形体を得る方法であり、周知の成形法である。本発明においても従来の条件などを適宜選定して採用すればよい。
かくして得られる発泡成形体は予備発泡粒子同士が充分融着しており、かつ高い耐割れ性が発現している。
さらに本発明者らは、ポリスチレン系樹脂の連続相にゴム状重合体粒子(b)が分散している改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)に発泡剤(e)が含有されている発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)を用いて発泡成形体としたときの落球衝撃試験の半数破壊高さと緩衝係数が特定の関係式を満たす場合、特に耐割れ性と緩衝性とのバランスに優れていることを見出した。
すなわち、発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)から得られる密度0.02g/cm3の改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体の緩衝係数をAとし、該改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体の落球衝撃試験の半数破壊高さをBとし、ゴム状重合体粒子を含まない密度0.02g/cm3の未改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体の緩衝係数をCとし、該未改質ポリスチレン系樹脂発泡成形体の落球衝撃試験の半数破壊高さをDとしたとき、緩衝係数比A/Cが1.00〜1.08でかつ落球衝撃強度比B/Dが1.35〜2.35の関係を有するものが緩衝用材料として特に有用であり、好ましくはA/C=1.00〜1.06かつB/D=1.45〜2.35であり、さらに好ましくはA/C=1.00〜1.05かつB/D=1.45〜2.35である。緩衝係数比(A/C)が1.08以上のもの(従来のHIPSの発泡体に代表される)であれば緩衝材としてのエネルギー吸収能力が弱く緩衝性能が劣り、落球衝撃強度比(B/D)が1.35以下のもの(未改質ポリスチレン系樹脂発泡体に代表される)であれば耐割れ性が充分でなくなる傾向がある。
またさらに本発明者らは、ポリスチレン系樹脂の連続相にゴム状重合体粒子が全体にわたって均一な状態または表層部より中心部の方がゴム状重合体粒子(b)の密度が高い状態で分散している改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)に発泡剤(e)が含有されている発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)を発泡させることにより得られる改質ポリスチレン系樹脂発泡体が、該発泡体のセル膜中に存在するゴム状重合体粒子が扁平しており、特に平均扁平度が1.1〜9の範囲で扁平していると優れた耐割れ性と緩衝性が発現することを見出した。好ましくは平均扁平度は1.5〜8である。ゴム状重合体粒子が実質上扁平していない(平均扁平度が1.1未満)と密度が0.02g/cm3以下の高発泡の発泡体に成形した場合では耐割れ性が充分でなく、平均扁平度が大きくなると予備発泡粒子の収縮が大きくなるほか、緩衝係数が大きくなり、緩衝性がわるくなる傾向にある。
図5に実施例2に相当する発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子を0.02g/cm3の発泡成形体としたときのセル膜中のゴム状重合体粒子を、そして図6にWO98/29485号パンフレットに記載の発泡性樹脂粒子に相当する比較例3の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子を0.02g/cm3の発泡成形体としたときのセル膜中のゴム状重合体粒子を示す。図5と図6を比較すれば明らかなように、本発明におけるゴム状重合体粒子はセル膜中で適度に扁平しており、ゴム状重合体粒子が変形していないWO98/29485号パンフレット記載の発泡性樹脂粒子とは発泡性改質ポリスチレン系樹脂中に存在するゴム状重合体粒子の性質自体が異なることがわかる。
さらにまた本発明者らは、ポリスチレン系樹脂の連続相にゴム状重合体粒子が全体にわたって均一な状態または表層部より中心部の方がゴム状重合体粒子の分布が高い状態で分散している改質ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤が含有されている発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子の中心部分の該ゴム状重合体粒子の平均面積円相当径が0.01〜0.20μmの範囲であると、発泡して発泡成形体としたときに、耐割れ性および緩衝性のバランスにさらに優れていることを見出した。平均面積円相当径が0.01μm以下であると落球衝撃強度が弱くなり、0.20μm以上であると緩衝係数が大きくなり緩衝性能がわるくなる傾向にある。好ましい平均面積円相当径は0.02〜0.18μm、さらに好ましくは0.04〜0.16μm、特に好ましくは0.05〜0.14μmである。
本発明における改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)中のゴム状重合体粒子(b)には実質的に球形でないゴム状重合体粒子が含まれており、この点も本発明の特徴の1つである。この場合、通常の平均粒径としてゴム状重合体粒子の粒径を求めることが困難な場合があるため、前記のようにゴム状重合体粒子の面積から導き出した平均面積円相当径を用いて表現している。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子(d)と幾つかの従来の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子との相違については前述したが、ここではさらに別の公知の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子および発泡体との相違を別の観点から簡単に説明する。
一般の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(HIPS)の発泡成形体は、0.6〜2.0という広い幅の落球衝撃強度比を有している。しかし、ゴム状重合体の存在下(溶解した状態)でスチレン系単量体を単独重合して製造するという制約から、ポリスチレン部分の分子量が上がりにくいうえ、粒子状にするために再度ペレット化する工程が必要であり製造コストが高くなる。また、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)の発泡成形体の緩衝係数比は1.08以上となり、緩衝性はそれほど優れているとはいい難い。なお、一般的にゴム状重合体粒子が比較的大きい、たとえば粒径が1〜2μmまたはそれ以上でないと良好な物性を示さないとされている。
特開平8−188669号公報には、1,4−シス構造の割合が70重量%以上含まれる平均粒径1.5〜3.0μmのブタジエンゴム粒子8〜15重量%とスチレン系樹脂(Z平均分子量35万以上)とからなるゴム変性スチレン系樹脂粒子に、鉱油3重量%以下、発泡剤1〜20重量%を含ませた発泡性ゴム変性スチレン系樹脂粒子が記載されている。1,4−シス構造の割合を70重量%以上にするにはイオン重合など特別に規制された特殊な重合方法で製造する必要がある。一方、本発明では全く規制のない状態でスチレン系単量体と共役ジエン系単量体とをラジカル共重合してランダム共重合体としており、この場合1,4−シス構造の割合は非常に低いものとなる。この点でまず特開平8−188669号公報記載のゴム状重合体粒子とは全く異なるものである。さらに特開平8−188669号公報記載のゴム状重合体粒子の粒径も一般のHIPS樹脂粒子と同じ大きさであり、この点でも比較的小さな粒径のゴム状重合体粒子を含む本発明とは異なるものである。
また特開平7−11043号公報には、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(HIPS)の発泡体でゴム状重合体粒子がL/D=10〜70の範囲で扁平した発泡体が、高い耐割れ性を有していると記載されている。しかし、あくまでHIPSであり本発明とは製法が異なるうえ、ゴム状重合体粒子の構造がサラミ構造またはコア−シェル構造であってその構造および性質が全く異なり、それゆえ良好な平均扁平度が完全に異なる範囲になっている。
また、特開昭56−67344号公報には通常のHIPS系樹脂でも本発明の含浸重合法による樹脂でもない、全く異なる製法の重合体組成物が記載されている。すなわち直鎖状スチレン−ブタジエンブロック共重合体と直鎖状ポリブタジエンをトルエン中に溶解し、溶媒キャスト法でトルエンを除去した後、140℃でポリブタジエンを架橋させるという製法で耐衝撃性樹脂粒子を製造している。この発明では、一度溶媒に溶かして溶媒キャスト法で溶媒を除去しているのでスチレン成分と共役ジエン系重合体成分のミクロ相分離構造となり、そのゴム部分の粒径はブロック共重合体である点で共通しているHIPS系樹脂と比べても小さなものになっている。しかし、この操作はコストが高すぎて実用的でない。さらにこのゴム部分を構成する粒子はポリブタジエンブロック部分を大量に含んでおり、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体のランダム共重合体を基本とする本発明におけるゴム状重合体粒子とは構造、性質、特性において相違する。
以上に本発明の特徴および好適な実施形態、さらには公知技術との相違を説明したが、つづいて以下に本発明を実施例に基づいて説明する。しかし、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1〜5
内容積5リットルの攪拌機付き反応器内に、水性懸濁液として水110部(重量部、以下同様)と、α−オレフィンスルフォン酸ナトリウム0.013部、リン酸カルシウム0.44部および平均粒径1mmの表1に示す量のポリスチレン粒子を仕込み、反応器を密閉した。つぎに攪拌下、80℃まで昇温し、表1に示す量の混合単量体を含浸し、開始剤としてラウロイルパーオキサイドを0.066部加えて6時間第1含浸重合をした。
その後、90℃に昇温し、スチレン10.1部、ベンゾイルパーオキサイド0.049部を1時間で追加し、さらに1時間で115℃まで昇温し、2時間第2含浸重合をした。
その後、発泡剤としてペンタン(ノルマルペンタン/イソペンタン=40/60)6.6部を圧入した。115℃で2時間含浸させたのち、30℃まで冷却して反応器から取り出し、脱水乾燥して本発明の発泡性改質ポリスチレン粒子を得た。
この発泡性樹脂粒子を用い前述の条件で約50倍に予備発泡して密度0.02g/cm3の予備発泡粒子を製造した。この予備発泡粒子を24時間放置したのち、前述の条件で発泡成形体を型内成形法で製造した。
実施例6
内容積5リットルの攪拌機付き反応器内に、水性懸濁液として水110部と、α−オレフィンスルフォン酸ナトリウム0.013部、リン酸カルシウム0.44部および平均粒径1mmの表1に示す量のポリスチレン粒子を仕込み、反応器を密閉した。つぎに攪拌下、80℃まで昇温し、表1に示す量の混合単量体を含浸し、開始剤としてラウロイルパーオキサイドを0.066部加えて6時間第1含浸重合をした。さらに115℃まで昇温し、2時間後重合を行なった。
その後、発泡剤としてペンタン(ノルマルペンタン/イソペンタン=40/60)6.6部を圧入した。115℃で2時間含浸させたのち、30℃まで冷却して反応器から取り出し、脱水乾燥して本発明の発泡性改質ポリスチレン粒子を得た。
この発泡性樹脂粒子を用いて実施例1と同様に約50倍に予備発泡して密度0.02g/cm3の予備発泡粒子を製造し、ついで発泡成形体を型内成形法で製造した。
比較例1
実施例1において原料ポリスチレン粒子を改質(含浸重合)せずにそのまま発泡剤(ノルマルペンタン/イソペンタンの40/60混合物)を含浸させたほかは同様にして発泡性ポリスチレン粒子を製造した。この発泡性樹脂粒子を実施例1と同様にして予備発泡し型内成形して発泡成形体を製造した。
比較例2
内容積5リットルの攪拌機付き反応器内に、水性懸濁液として水96部と、α−オレフィンスルフォン酸ナトリウム0.0096部、リン酸カルシウム0.32部および平均粒径1mmのポリスチレン粒子80部を仕込み、反応器を密閉した。
別に、スチレン単量体8部とブタジエン12部とを加圧下に混合して、液状の混合単量体をつくり、これに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.1部とt−ブチルパーオキシベンゾエート0.025部とを加えて混合物とした。
上記反応器中に上記混合物を加えて、混合物をポリスチレン粒子と共に水性媒体中に分散させ、分散液を60℃で2時間攪拌して混合物をポリスチレン粒子に吸収させた。引き続き分散液を90℃に4時間保持し、さらに125℃に2時間保持して、スチレンとブタジエンを共重合させた。その後、100℃にまで冷却したのち、ペンタン10部を圧入し、6時間保持して粒子に発泡剤を含浸させた。ついで、30℃まで冷却して反応器から取り出し、脱水乾燥して発泡性ポリスチレン粒子を製造した。
なお、この比較例は特開平6−49263号公報記載の発明に対応する。
比較例3
実施例1において混合単量体を表2に示す量としたほかは同様にして発泡性ポリスチレン粒子を製造した。この発泡性樹脂粒子を実施例1と同様にして予備発泡し型内成形して発泡成形体を製造した。
なお、この比較例はWO98/29485記載の発明に対応する。
比較例4
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(HIPS。ゴム量8%、ポリスチレン部分の分子量23万)を押し出した後切断し、約1mgの小さな粒子とした。この樹脂粒子に発泡剤を実施例1と同様にして含浸し、発泡性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂粒子とし、実施例1と同様にして予備発泡し、型内成形をして発泡成形体を製造した。
比較例5
実施例1において混合単量体を表2に示す量としたほかは同様にして発泡性ポリスチレン粒子を製造した。この発泡性樹脂粒子を実施例1と同様にして予備発泡し型内成形して発泡成形体を製造した。
なお、比較例5はWO98/29485号パンフレット記載の発明に対応する。
実施例1〜6および比較例1〜5における発泡性改質ポリスチレン系樹脂および発泡成形体の評価結果を表1(実施例)および表2(比較例)に示す。表1中、Bdはブタジエン、Stはスチレンを示す。
Figure 0005296279
Figure 0005296279
このように、本発明の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子および発泡体は表1に示すように耐割れ性に優れた発泡体を提供できるものである。表2に示す比較例、特にゴム状重合体粒子が発泡の前後で実質的に変形しない発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(WO98/29485号パンフレット)を用いた比較例3および比較例5とは耐衝撃性および耐割れ性において向上しているものである。
本発明の発泡体は従来の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂系の発泡成形体が使用されていた用途にそのまま置き換えて使用することができ、特にCRT、プリンターなどのOA機器やオーディオ、ビデオなどのAV機器のような精密電気製品の緩衝用材料として有用である。

Claims (12)

  1. ポリスチレン系樹脂にスチレン系単量体と共役ジエン系単量体の共重合体で構成されるゴム状重合体粒子(b)が分散している改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)に発泡剤(e)が含有されている発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)であって、
    ゴム状重合体粒子(b)の分散状態が、ポリスチレン系樹脂の連続相にゴム状重合体粒子(b)が全体にわたって均一な状態または表層部より中心部の方がゴム状重合体粒子(b)の密度が高い状態であり、
    改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)が、ポリスチレン系重合体粒子(a)に、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体とを含みかつスチレン系単量体の割合が多い混合単量体を含浸させた状態で共重合して得られた改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)に、さらにスチレン系単量体を含浸重合して得られた改質ポリスチレン系樹脂粒子(c2)であり、
    前記ゴム状重合体粒子(b)が、前記発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させることにより得られる改質ポリスチレン系樹脂発泡体のセル膜中で扁平するゴム状重合体粒子であり、該ゴム状重合体粒子(b)の平均扁平度が1.1〜9の範囲内である
    発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子。
  2. 前記改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)が、
    60〜90重量部のポリスチレン系重合体粒子(a)に40〜10重量部の混合単量体を含浸させた状態で共重合して得られた粒子であり、かつ該混合単量体が55重量%を超え90重量%以下のスチレン系単量体と10重量%以上45重量%未満の共役ジエン系単量体の混合単量体である
    請求項記載の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子。
  3. 前記発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)の中心部分に存在するゴム状重合体粒子(b)の平均面積円相当径が0.01〜0.20μmである請求項1または2記載の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子。
  4. 前記改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)中のゲル量が、15〜40重量%である請求項1〜のいずれかに記載の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子。
  5. 前記発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)を密度0.02g/cm3にまで発泡させることにより得られる改質ポリスチレン系樹脂発泡体のセル膜中で扁平しているゴム状重合体粒子(b)の平均扁平度が、1.5〜9の範囲内である請求項1〜のいずれかに記載の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子。
  6. 改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)に発泡剤(e)が含有されている発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)を発泡させることにより得られる、ポリスチレン系樹脂にゴム状重合体粒子(b)が分散している改質ポリスチレン系樹脂をセル膜とする改質ポリスチレン系樹脂発泡体であって、
    該ゴム状重合体粒子(b)が、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体の共重合体で構成される粒子であり、
    該セル膜中でゴム状重合体粒子(b)が扁平しており、
    密度0.02g/cm3の改質ポリスチレン系樹脂発泡体のセル膜中で扁平しているゴム状重合体粒子(b)の平均扁平度が1.1〜9の範囲内であり、かつ
    前記改質ポリスチレン系樹脂粒子(c)が、ポリスチレン系重合体粒子(a)に、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体とを含みかつスチレン系単量体の割合が多い混合単量体を含浸させた状態で共重合して得られた改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)に、さらにスチレン系単量体を含浸重合して得られた改質ポリスチレン系樹脂粒子(c2)である
    改質ポリスチレン系樹脂発泡体。
  7. 密度0.02g/cm3の改質ポリスチレン系樹脂発泡体のセル膜中で扁平しているゴム状重合体粒子(b)の平均扁平度が、1.5〜9の範囲内である請求項記載の改質ポリスチレン系樹脂発泡体。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させることにより得られる改質ポリスチレン系樹脂発泡体。
  9. ポリスチレン系重合体粒子(a)に、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体とを含みかつスチレン系単量体の割合が多い混合単量体を含浸させた状態で共重合して改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)を得、該改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)に、さらにスチレン系単量体を含浸重合して改質ポリスチレン系樹脂粒子(c2)を得、ついで該改質ポリスチレン系樹脂粒子(c2)に発泡剤(e)を含浸することを含む発泡性改質ポリスチレン系樹脂の製造方法であって
    該改質ポリスチレン系樹脂粒子(c2)にはスチレン系単量体と共役ジエン系単量体の共重合体で構成されるゴム状重合体粒子(b)が分散しており、
    ゴム状重合体粒子(b)が、発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させることにより得られる改質ポリスチレン系樹脂発泡体のセル膜中で扁平するゴム状重合体粒子であり、該ゴム状重合体粒子(b)の平均扁平度が1.1〜9の範囲内である
    発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  10. 前記改質ポリスチレン系樹脂粒子(c1)を得る含浸重合において、60〜90重量部のポリスチレン系重合体粒子(a)に対して40〜10重量部の混合単量体を含浸させ、かつ該混合単量体として55重量%を超え90重量%以下のスチレン系単量体と10重量%以上45重量%未満の共役ジエン系単量体の混合単量体を用いる請求項記載の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  11. 前記発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子を密度0.02g/cm3にまで発泡させることにより得られる改質ポリスチレン系樹脂発泡体のセル膜中で扁平しているゴム状重合体粒子(b)の平均扁平度が、1.5〜9の範囲内である請求項9または10記載の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  12. 請求項1〜のいずれかに記載の発泡性改質ポリスチレン系樹脂粒子(d)を発泡させる改質ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
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