JP5155185B2 - コロイダルシリカの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
シリコンウェハー化合物半導体、ガラス、ハードデスク等の基板の研磨剤等として好適に用いられる新規コロイダルシリカの製造方法に関し、詳細には、アルカリ性触媒及び分散剤を含む水溶液中で、金属珪素(Si)と水を反応させてコロイダルシリカを得る工程を含むコロイダルシリカの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属材料の研磨剤や滑り防止剤等には、コロイダルシリカが使用されている。このコロイダルシリカの製造方法としては、金属珪素を原料としたアルコキシシランを加水分解・重縮合することによって得る方法、金属珪素をアルカリ溶解した水ガラスにイオン交換樹脂等を作用させることにより中性又は酸性化することによって得る方法、及び無機アルカリ一価金属化合物、アンモニア、アミンを含んだ水溶液を加温し、金属珪素の粉末または塊を混合して反応させる方法が挙げられる。特許文献1〜4に記載の製造方法は、金属珪素と水を反応させて二酸化珪素を得る工程を含み、一つの反応工程でコロイダルシリカを得ることができるため、工程数が少ないという点において、他の製造方法と比較して有利である。
【0003】
特許文献5には、金属珪素を原料とするコロイダルシリカの製造方法で、反応工程のみで約30%の高濃度で且つ80%以上の高収率でコロイダルシリカを得る方法が挙げられている。この文献に記載される二酸化珪素を得る反応式は以下の通りである。
溶解反応:Si+2OH−+H2O→SiO3 2−+2H2↑(1)
重合反応:SiO3 2−+H2O→SiO2+2OH−(2)
総括反応式:Si+2H2O→SiO2+2H2↑(3)
反応が完全に進行すれば(3)式に示すように、アルカリ性触媒の存在下で、金属珪素からコロイダルシリカが生成し、この場合、金属珪素1molに対し水2molが消費され、1molのシリカと2molの水素が生成することになる。
【0004】
しかしながら、この製造方法は、水と金属珪素の反応工程において、反応液が高濃度になるにつれて、その粘度が上昇するという問題を有している。そして、この粘度上昇は、反応液を未反応残渣と濾別する精製工程において、濾過性と収率の低下を引き起こす。
逆に、コロイダルシリカの濾過性や収率を向上させるために、低粘度で且つ高濃度のコロイダルシリカを得ようとすると、反応液の濃縮工程を、別途踏む必要があり、余計な経費と時間を要するという問題を有していた。
【0005】
特許文献6には、硫酸ナトリウムや塩化ナトリウムなどの無機塩の添加でコロイダルシリカを高濃度化させる方法が記載されている。しかしながら、この方法は、ある程度の高濃度のコロイダルシリカを得ることは出来るものの、金属珪素粉末とアルカリ水溶液を反応させてコロイダルシリカを得る方法ではない。つまり、特許文献6に記載の製造方法は、非常に複雑な工程を経てコロイダルシリカ粒子を所定の大きさに生成した後、前記無機塩を添加し高濃度に濃縮するというものである。即ち、特許文献6に記載の方法においては、その無機塩は、反応中の反応液に添加されるものではなく、シリカ粒子生成後に限定されるため、製造効率が低い。もし、シリカ粒子生成前に分散剤が添加されると、低粘度で且つ高濃度なコロイダルシリカを製造することができないばかりか、粘度上昇により、作業効率が極端に低下する。
即ち、金属珪素を原料としてコロイダルシリカを製造するにあたり、工程数を最小限に抑えて簡便な製造方法を提供するために、濃縮することなく高濃度及び低粘度なコロイダルシリカを生成できる製造方法の発明は、未だ創出されてはいない。
【0006】
更に言えば、様々な用途に適用するコロイダルシリカを製造するにあたり、これに含まれるシリカの粒子径の調節が必要となってくる。例えば、精密鋳造鋳型、セラミックスファイバー成型、耐火物成型などのバインダーに使用されるコロイダルシリカに含まれるシリカは、結合力の強い小粒子径が好ましい。一方、つや消しペイントのフィラーや基板の研磨剤、紙製品や繊維の滑り防止剤等に使用されるコロイダルシリカに含まれるシリカは大粒子径が望まれる。大粒子径のシリカは、高い陰蔽性や滑り防止効果をもたらす。
【0007】
粒子径制御に関して言えば、特許文献1〜4に記載の方法は、金属珪素を効率よく溶解しゾル化する手法に関し、粒子の大きさを調節することは何ら述べられてない。
例えば、特許文献7には、水酸化アンモニウムを含有する水性コロイダルシリカのヒール(元粒子)に金属珪素を添加することによって水性コロイダルシリカ中のヒール粒子の大きさを積み上げて、粒子調節できるコロイダルシリカの製造方法が紹介されている。
【0008】
しかしながら、この特許文献7に記載の発明によると、コロイダルシリカの粒子調節は、コロイダルシリカを製造した後に、粒子調節工程を必要とするものであり、余計な時間や経費がかかるという問題を有していた。
即ち、金属珪素を原料として製造されるコロイダルシリカにおいて、工程数を抑えて簡便な製造方法であるとともに、反応工程においてコロイダルシリカに含まれるシリカの粒子径を調節できることが求められている。しかしながら、そのような発明は創出されていないのが現状である。
【0009】
また、汎用コロイダルシリカの製造法として、所謂イオン交換法として良く知られているところの、希薄水ガラスを陽イオン交換樹脂で処理し、脱ナトリウムした活性珪酸水溶液を作り、これの一部を熱熟成してシリカ粒子の核を生成させ、この核を含む加熱分散液を攪拌しているところに、前記活性珪酸水溶液を、時間をかけて添加することにより、シリカ粒子を雪ダルマ状に成長させる方法が挙げられる。この方法によると、小粒子から大粒子の任意の粒子径のシリカを含むコロイダルシリカを製造し、最終的には、このシリカ濃度2〜5重量%の希薄コロイダルシリカを蒸発濃縮や限外ろ過濃縮によりシリカ濃度20〜50重量%の水性コロイダルシリカが得られる(非特許文献1参照)。
つまり、非特許文献1に記載のコロイダルシリカの製造方法は、シリカ粒子の核を含む加熱分散液のモル比(SiO2/Na2O)を限定し、珪酸水溶液の添加速度をコントロールすることにより粒子径を制御するものである。これにより、所望の粒子径を有するシリカを含むコロイダルシリカを得ることができるものの、熱熟成やイオン交換処理の工程、さらにはシリカ濃度を上げるための濃縮操作等の工程を踏む必要があり、結局、所望の粒径のコロイダルシリカを得るためには、余計な時間や経費がかかるという問題を有する。
特許文献1:米国特許第2614993号
特許文献2:米国特許第2614994号
特許文献3:米国特許第2614995号
特許文献4:特公昭49−4637号
特許文献5:特開昭49−64595号公報
特許文献6:特公昭37−9961号公報
特許文献7:特公昭48−13833号
非特許文献1:吉田明利著,化学と工業,第45巻 第5号p45(1992)
発明の開示
[0010]
発明が解決しようとする課題
本発明の課題は、金属珪素を原料とするコロイダルシリカの製造方法において、高濃度で且つ低粘度のコロイダルシリカを生成することにある。
本発明の他の課題は、金属珪素を原料とするコロイダルシリカの製造方法において、金属珪素と水との反応により得られたコロイダルシリカを濃縮することなく、短時間で高い収率で、未反応残渣と濾別してコロイダルシリカを精製することができるコロイダルシリカの製造方法を提供することである。
本発明の他の課題は、アルカリ性水溶液及び金属珪素を含む反応液中で水と金属珪素を反応させてコロイダルシリカを得る製造過程において、少ない工程で簡便にコロイダルシリカに含まれるシリカの粒子径を調節し小粒子から大粒子のシリカを含むコロイダルシリカの製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段
【0011】
請求項1に係る発明は、アルカリ性触媒及び分散剤を含む水溶液中で、金属珪素(Si)と水を反応させてコロイダルシリカを得る工程を含むコロイダルシリカの製造方法であって、前記工程で得られる反応液のシリカ濃度が20〜50重量%であって、前記アルカリ性触媒が、ナトリウム(Na)、カリウム(K)又はリチウム(Li)を含む金属一価水酸化物の1種または複数の混合物であり、前記アルカリ性触媒の添加量が、前記アルカリ性触媒が水酸化ナトリウムである場合は金属珪素と水酸化ナトリウムのモル比:Si/NaOH(mol比)が10〜100となる量であって、前記アルカリ性触媒が他の金属一価水酸化物又は前記金属一価水酸化物の混合物である場合は前記水酸化ナトリウムの添加量における化学当量に等しい量であって、前記分散剤が、塩酸、硝酸又は硫酸から選ばれる一種以上の無機酸及び/又はその塩、あるいはシュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コハク酸、マロン酸、フマル酸、フタル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ペプタン酸、2−メチルへキサン酸、n−オクタン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸又は乳酸から選ばれる一種以上の有機酸及び/又はその塩であり、前記分散剤の添加量が、使用される金属珪素全量に対して、0.1〜2.5重量%であることを特徴とするコロイダルシリカの製造方法に関する。
請求項2に係る発明は、前記工程で得られる反応液を濾過することによりコロイダルシリカを精製する工程を更に含むことを特徴とする請求項1記載のコロイダルシリカの製造方法に関する。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記分散剤が無機酸塩又は有機酸塩であって、該塩がNa、K、Li、NH4、アミン又は第四級アンモニウム水酸化物との塩から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコロイダルシリカの製造方法に関する。
請求項4に係る発明は、前記分散剤が、クエン酸三アンモニウム、硫酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、塩化ナトリウム及び硝酸カリウムから選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のコロイダルシリカの製造方法に関する。
【0014】
請求項5に係る発明は、前記コロイダルシリカを孔径1μmのメンブランフィルターで濾過精製した後の動粘度が4mm2/s以下であることを特徴とする請求項2乃至4いずれかに記載のコロイダルシリカの製造方法に関する。
【0015】
請求項6に係る発明は、少なくとも下記の段階を備える請求項1乃至5いずれかに記載のコロイダルシリカの製造方法に関する。
[段階1]水、アルカリ性触媒及び分散剤を含む水溶液を作製する
[段階2]金属珪素を水に分散させたスラリー状液又は金属珪素を準備する
[段解3]段階1で得られた水溶液に、段階2で準備したスラリー状液又は金属珪素を略一定速度で添加する、又は段階1で得られた水溶液に、段階2で準備したスラリー状液又は金属珪素を略一定速度で添加することと並行してアルカリ性触媒を略一定速度で添加する
請求項7に係る発明は、前記段階3において、前記スラリー状液又は金属珪素の添加速度を制御することにより所望の粒子径のシリカを含むコロイダルシリカを得ることを特徴とする請求項6に記載のコロイダルシリカの製造方法に関する。
【0016】
請求項8に係る発明は、前記添加速度として、1時間あたりの金属珪素の添加量が、1時間あたりの反応液量の1〜9.5重量%の重量であることを特徴とする請求項6又は7に記載のコロイダルシリカの製造方法に関する。
請求項9に係る発明は、前記段階3で得られるコロイダルシリカに含まれるシリカの粒子径が、その一次粒子径として6〜80nmであることを特徴とする請求項6乃至8いずれかに記載のコロイダルシリカの製造方法に関する。
[0017]
発明の効果
[0018]
本発明のコロイダルシリカの製造方法は、金属珪素(Si)を原料とするコロイダルシリカの製造方法であって、アルカリ性触媒及び分散剤を含む水溶液中で、金属珪素と水を反応させてコロイダルシリカを得る反応工程を含む。得られたコロイダルシリカは高濃度で且つ低粘度である。詳細には、そのシリカ濃度は、コロイダルシリカが利用される用途を考慮した場合、好ましくは20重量%以上で50重量%以下である。従って、反応工程の後、コロイダルシリカを濃縮する必要がないから経済的である、また、このコロイダルシリカが低粘度であるため、濾過性が良く、短時間で且つ高い収率で精製できるから、金属珪素を原料とするコロイダルシリカの製造方法によって、コロイダルシリカを工業的に製造することができる。
本発明の製造方法によると、分散剤をシリカ粒子生成の前でも後でも使用してもよいから、作業効率が高い。たとえ、シリカ粒子生成の前に分散剤が添加されても、コロイダルシリカの粘度が上昇しない。
さらに、本発明の製造方法によると、金属珪素(Si)を原料とするコロイダルシリカの製造方法であって、反応工程においてコロイダルシリカに含まれるシリカの粒子径を調節することができる。従って、コロイダルシリカ生成後に粒子径調節工程を含まないため、所望の粒子径を有するシリカを含むコロイダルシリカを少ない工程で簡便に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のコロイダルシリカの製造方法は、少なくとも、アルカリ性触媒及び分散剤を含む水溶液中で、金属珪素(Si)と水を反応させてコロイダルシリカを得る工程を含むことを特徴とする。以下、本発明のコロイダルシリカの製造方法を詳細に説明する。
【0020】
本発明に係るコロイダルシリカは、好ましくは以下の4つの工程から製造される。
(1)金属珪素の粒子化工程(以下、単に工程(1)という場合がある)
(2)金属珪素の不活性処理工程(以下、単に工程(2)という場合がある)
(3)金属珪素と水の反応工程(以下、単に工程(3)という場合がある)
(4)コロイダルシリカの濾過精製工程(以下、単に工程(4)という場合がある)
【0021】
前記工程(1)は、原料となる金属珪素を粒子化する工程である。
原料として使用する金属珪素は特に限定されず、合金を使用しても良い。但し、使用される金属珪素が、作製されるコロイダルシリカの純度に直接影響するため、好ましくは純度の高い金属珪素を使用する。
工程(1)において金属珪素を粒子化する方法は特に限定されないが、好ましくは金属珪素を粉砕する方法が挙げられる。この工程で、好ましくは粒径が2〜40μmとされる。この理由は、2μm未満の場合は、粉砕に多大な労力と経費がかかり、一方、40μmを超える場合は、反応が進行しにくい傾向になるからである。
【0022】
前記工程(2)は、工程(1)で得られた金属粒子を不活性化する工程である。
工程(1)で粉砕されて粒子状となった金属珪素は、特に粉砕直後の金属珪素は、そのまま使用すると、表面活性が高すぎる為、工程(3)の前に、金属珪素に不活性化処理を施すことが望ましい。前記不活性化処理としては、例えば、酸化ガスなどを用いる表面酸化処理が挙げられる。
【0023】
次に、工程(3)の金属珪素と水の反応工程について説明する。本発明のコロイダルシリカの製造方法において、この工程(3)は本発明のコロイダルシリカの製造方法に含まれる必須工程である。
工程(3)において、アルカリ性触媒及び分散剤を含む水溶液中で、金属珪素と水を反応させてコロイダルシリカを得る。工程(3)で好適に使用される水、アルカリ性触媒、分散剤は下記のとおりである。
【0024】
工程(3)で使用される金属珪素としては、工程(1)及び工程(2)を施した金属珪素粒子が好適に使用される。
工程(3)で使用される水は、超純水でも構わないが、イオン性不純物質を多く含んでなる水道水、天然水、工業用水、回収水なども好適に使用される。
工程(3)で使用されるアルカリ性触媒は特に限定されないが、好ましくは塩基性金属一価水酸化物が使用される。詳細には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム又は水酸化ルビジウムが挙げられ、これらを単独で、或いは混合して使用してもよい。とりわけ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの金属水酸化物のような強塩基を用いることが好ましく、最も好ましくは、水酸化ナトリウムを用いる。この理由は、これらの金属水酸化物は金属珪素の溶解性に優れるためである。
【0025】
工程(3)で使用される分散剤としては、無機酸、無機酸塩、有機酸、有機酸塩から選ばれるイオン性物質であれば特に限定されないが、好ましくは、このイオン性物質は、水を分散媒とするコロイダルシリカの粘度を低減しうる。本発明に係る分散剤は、単独で、或いは複数種を組み合わせて用いても構わない。ただし、コロイダルシリカのpHが7以下になると凝集が起こるため、分散剤を添加した後もコロイダルシリカのpHが7以下にならないように添加することが好ましい。
無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、アルキルリン酸エステル、ホウ酸、ピロリン酸、ホウフッ酸、4フッ化ホウ酸、6フッ化リン酸、ベンゼンスルホン酸及びナフタレンスルホン酸が挙げられ、このうち、塩酸、硝酸、硫酸が好ましく用いられる。
有機酸としては、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コハク酸、マロン酸、フマル酸、フタル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコ−ル酸、サリチル酸、グリセリン酸及び乳酸が挙げられる。
前記無機酸及び有機酸の塩としては、好ましくは、Na、K、Li、NH4、アミン、第四級アンモニウム水酸化物との塩が例示できる。
好ましく使用される無機酸塩としては、無機アンモニウム塩である硫酸アンモニウム、塩酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、ホウ酸アンモニウム八水和物などが挙げられる。有機酸塩としては、有機アンモニウム塩である安息香酸アンモニウム、クエン酸三アンモニウム、クエン酸水素二アンモニウム、シュウ酸アンモニウム一水和物、ギ酸アンモニウム、サリチル酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム及びクエン酸テトラメチルアンモニウムが挙げられる。
前記分散剤のうち、最も好ましく用いられる分散剤は、クエン酸三アンモニウム、硫酸ナトリウム、硝酸アンモニウム及び/又は塩化ナトリウムである。
【0026】
本発明に係る分散剤は、コロイダルシリカの用途を考慮して、より効果的な物質を無機酸、有機酸又はその塩の中から自由に選択できるという利点がある。
【0027】
工程(3)において、アルカリ性触媒及び分散剤を含む水溶液中で、金属珪素と水を反応させる反応液の温度は、比較的高いことが好ましい。この理由は、高い温度である程コロイダルシリカの収率が向上するからである。詳細には、反応液の温度は、好ましくは、60〜90℃の範囲に調整される。尚、本明細書でいう「反応液」とは、アルカリ性触媒及び分散剤を含む水溶液にさらに金属珪素が含まれてなり、金属珪素と水が反応している水溶液のことをいう。
【0028】
工程(3)における、アルカリ性触媒の添加量は以下のように設定される。本発明の製造方法において、アルカリ性触媒として水酸化ナトリウムが使用される場合、金属珪素および水酸化ナトリウムの全量のモル比:Si/NaOH(mol比)が10〜100の間とされることが好ましい。このモル比を実現するために、例えば、30重量%のコロイダルシリカを作製する場合、反応液に対し、水酸化ナトリウムが0.15〜1.7重量%となるように含まれることが好ましい。他の金属水酸化物をアルカリ性触媒として使用した場合、反応性を保つ為に化学当量に匹敵する量を添加することが望ましい。
尚、反応液中の水酸化ナトリウムの濃度は、反応途中に反応液へ水酸化ナトリウムを添加することにより、好ましくは、ある程度一定に保たれる。アルカリ性触媒は工程(3)の反応速度及び金属珪素の溶解性を向上させ、常に一定な収率を得るためには、反応途中にも触媒を添加する分割添加が好ましい。
【0029】
工程(3)における、分散剤の添加量は特に限定されないが、使用される金属珪素全量に対して、0.1〜2.5重量%の範囲内とされる。この理由は、2.5重量%を超えて添加してもそれ以上の分散効果は見られず、また0.1重量%未満の場合は分散剤としての効果が期待できないためいずれの場合も好ましくないからである。また、反応工程(3)における分散剤の添加は、反応工程のはじめ、途中、終わりのいずれで添加してもよく、また分割して複数回添加してもよい。好ましくは、反応前及び/又は反応途中に添加される。例えば、反応工程中で特に粘度の上昇が見られない場合は、反応が終了してコロイダルシリカが生成した後添加しても構わない。
【0030】
工程(3)において、好ましくは、以下の手順A又は手順Bが採用される。
(手順A)
[段階1]水、アルカリ性触媒及び分散剤を含む水溶液を作製する。
[段階2]金属珪素を水に分散させてスラリー状液又は金属珪素を準備する。
[段階3]段階1で得られた水溶液に、段階2で準備したスラリー状液又は金属珪素を略一定速度で添加する、又は段階1で得られた水溶液に、段階2で準備したスラリー状液又は金属珪素を略一定速度で添加することと並行してアルカリ性触媒を略一定速度で添加する
【0031】
前記段階1及び段階2は、いずれを先に行っても構わない。段階2において、予め金属珪素を水で分散させてスラリー状としてからアルカリ性触媒を含む水溶液に添加することにより、金属珪素とアルカリ性触媒が直接接触して反応した際に生じる急激な発熱、発泡を防ぐことができる。
【0032】
段階3において、段階1の水溶液に、段階2で準備されたスラリー状溶液又は金属珪素が添加されるが、この添加速度は、定量ポンプ等を用いて略一定に保つことが好ましい。
【0033】
前述のとおり、反応液に対するアルカリ性触媒の含量を実現するために、好ましくは、段階1において作製される水溶液のアルカリ性触媒の濃度は、0.05〜4.0重量%が好ましく、特に水酸化ナトリウムの場合は0.1〜2.0重量%、他の金属水酸化物の場合も、大体その化学当量とアルカリの強さに匹敵する濃度であることが望ましい。
【0034】
段階3において、段階1で得られた水溶液に、段階2で準備したスラリー状液又は金属珪素を略一定速度で添加して反応液を作成する。この反応液において、金属珪素と水が反応して、コロイダルシリカが生成される。
前述の如く、反応液中のアルカリ性触媒濃度は、ある程度一定にすることが望ましいから、段階3において、好ましくは、前記反応液に、アルカリ性触媒を略一定速度で添加する。詳細には、反応液中のアルカリ性触媒の濃度を、水酸化ナトリウムの場合、0.1〜2.0重量%の範囲内に保つために、金属珪素の添加と平行して水酸化ナトリウムを添加する。反応液へのアルカリ性触媒の添加は、好ましくは定量ポンプ等を使用して行われる。
例えば、反応液中のアルカリ濃度が急激に上昇した場合(即ち、アルカリ性触媒を添加速度が速すぎる場合)は、激しく発熱がおこり、水素がおびただしく発生するため、安全性に欠ける。また、アルカリ濃度が前記濃度範囲を下回る場合、反応性が悪くなるためいずれの場合も好ましくない。
【0035】
次に手順Bについて説明する。手順Bは以下の構成を有する。
[段階a]水、アルカリ性触媒及び分散剤を含む水溶液を作製する。
[段階b]金属珪素を水に分散させたスラリー状液又は金属珪素を準備する。
[段階c]段階aで得られた水溶液に、段階bで準備したスラリー状液又は金属珪素を略一定速度で添加する、又は段階aで得られた水溶液に、段階bで準備したスラリー状液又は金属珪素を略一定速度で添加することと並行してアルカリ性触媒を略一定速度で添加する段階において、前記スラリー状液又は金属珪素の添加速度を制御して所望の粒子径のシリカを含むコロイダルシリカを得る。
【0036】
前記段階a及び段階bの順序、及び段階cにおいて略一定速度で添加されるアルカリ性触媒の添加速度及び添加量は、前述の手順Aで述べたものが好適に採用される。
【0037】
段階cにおける、添加速度の制御によるシリカの粒子径の調節について説明する。即ち、手順Aと手順Bの異なる点は、手順Bの段階cにおいてシリカの粒子径が、添加速度の制御により意図的に制御されるという点である。
【0038】
詳細には、添加速度として、1時間あたりの金属珪素の添加量が、1時間あたりの反応液量の1〜9.5重量%の重量であることが望ましい。
例えば、金属珪素の1時間あたりの添加量が、1時間あたりの反応液量の4.3〜9.5重量%の重量とした場合、即ち、添加速度を比較的速めると、粒子径がおおよそ6〜19nmの比較的小さなシリカ粒子が出来る。
一方、金属珪素の1時間あたりの添加量が、1時間あたりの反応液量の1〜4.2重量%の重量とした場合、即ち、添加速度を比較的遅くすると、粒子径がおおよそ20〜80nmの比較的大きな粒子が出来る。従って、スラリー状液又は金属珪素の反応液への添加速度を制御することで所望の粒子径を有するコロイダルシリカを得ることが可能となる。
【0039】
添加速度が速すぎると、水素が著しく発生し、安全性に欠け、遅すぎると反応性が悪くなるため好ましくない。従って、添加速度として、1時間あたりの金属珪素の添加量が、1時間あたりの反応液量の1〜9.5重量%の重量とすることが望ましい。
詳細には、アルカリ性水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合は、1時間あたりの金属珪素の添加量が、1時間あたりの反応液量の3〜5.7重量%の重量とすることが望ましい。前記の如く粒子径を制御することにより、粒子径がおおよそ6〜80nmであるシリカを含むコロイダルシリカが効率よく製造できる。
反応終了後、フィルター濾過により未反応金属珪素残渣を濾別し、コロイダルシリカを生成する。
粒子径によって様々な用途に展開でき、特に40〜80nmのコロイダルシリカは粒子の硬さに起因する研磨力を利用して、好ましくは、研磨性と表面精度のバランスのよさからアルミディスク、ガラス、熱酸化膜基板、シリコンウェハー等の仕上げ研磨に使用される。また、40nm、好ましくは30nm以下の粒子径のコロイダルシリカは透明度が高いため、プラスチックの硬度を向上させるフィラーとして好適に用いられている。
【0040】
前述の手順A及び手順Bにおける、段階1とaにおいて、水、アルカリ性触媒及び分散剤を含む水溶液が作成され、段階2とbにおいては、金属珪素を水に分散させたスラリー状液又は金属珪素が準備される。しかしながら、本発明の変更例として、段階1とaにおいて、水とアルカリ性触媒を含む水溶液が作成され、段階2とbにおいては、分散剤と金属珪素を水に分散させたスラリー状液が準備されてもよい。この場合、段階3とcにおいて、水、アルカリ性触媒を含む水溶液に、金属珪素と分散剤を含むスラリー状液が略一定速度で添加される。この変更例においても、高濃度で且つ低粘度のコロイダルシリカを生成することができ、コロイダルシリカを濃縮することなく、短時間で高い収率で、未反応残渣と濾別してコロイダルシリカを精製することができる。
【0041】
本発明に係る工程(3)で得られたコロイダルシリカは高濃度で且つ低粘度である。従って、この工程の後、コロイダルシリカを濃縮する必要がない(即ち、本発明のコロイダルシリカの製造方法は、濃縮工程を含まない製造方法であってもよい)。また、このコロイダルシリカが低粘度であるから、濾過性が良く、短時間で且つ高い収率で精製できるから、金属珪素を原料とするコロイダルシリカの製造方法によって、コロイダルシリカを工業的に製造することができる。さらに、工程(3)で使用される分散剤は、シリカ粒子生成の前でも後でも添加してもよいから、作業効率が高い。即ち、たとえ、シリカ粒子生成の前に分散剤が添加されても、コロイダルシリカの粘度が上昇しない。
【0042】
本発明に係る工程(3)において、前記手順Bが採用されると、上記利点に加えて、水と金属珪素との反応工程中にシリカの粒子径を調節することができる。従って、コロイダルシリカ生成後に粒子径調節工程を含まないため、所望の粒子径を有するシリカを含むコロイダルシリカを少ない工程で簡便に製造することができる。また、反応液には分散剤が含有されているから、生成されたシリカの分散性が高いため、粒子径制御を効率よく行うことが可能となる。さらに言えば、この手順Bにより製造されたコロイダルシリカは、コロイダルシリカは低粘度且つ高濃度であり、しかも粒子径が数nm微小粒子から100nm程度の間で自由に設計できる。従って、高濃度で透明性を必要とするフィラーから、研磨速度を重視した砥粒まで極めて広い用途範囲で利用することが可能である。
【0043】
工程(3)が完了した後(スラリー状液又は金属珪素の反応液への添加が完了した後)、反応液は、一定時間保持されて金属珪素の溶解反応を促し、その後冷却される。前記溶解反応のための保持時間は特に限定されないが、好ましくは水素発生が収まってから2〜10時間とされる。
工程(3)で得られる反応液のコロイダルシリカのシリカ濃度は、好ましくは20〜50重量%である。
【0044】
尚、前記段階1又はaで作成される水溶液に分散剤を含まない場合、即ち反応液中に分散剤を含んでいない場合においても、添加速度による粒子径制御を行うことが可能である。このことは、以下の実施例7乃至12で示されている。この場合、コロイダルシリカは、下記の段階I〜IIIを備える手順Cを含む製造方法により製造される。使用されるアルカリ性触媒、水、金属珪素は、前述の手順A及び手順Bと同じものが好適に使用される。
[段階I] 水及びアルカリ性触媒を含む水溶液を作製する
[段階II] 金属珪素を水に分散させたスラリー状液又は金属珪素を準備する
[段階III] 段階Iで得られた水溶液に、段階IIで準備したスラリー状液又は金属珪素を略一定速度で添加する、又は段階Iで得られた水溶液に、段階IIで準備したスラリー状液又は金属珪素を略一定速度で添加することと並行してアルカリ性触媒を略一定速度で添加する段階において、前記スラリー状液又は金属珪素の添加速度を制御することにより所望の粒子径のシリカを含むコロイダルシリカを得る。
【0045】
この手順Cにおいても、手順Bの説明で記載したとおり、前記添加速度として、1時間あたりの金属珪素の添加量が、1時間あたりの反応液量の1〜9.5重量%の重量であることが望ましい。
例えば、金属珪素の1時間あたりの添加量が、1時間あたりの反応液量の4.3〜9.5重量%の重量とした場合、即ち、添加速度を比較的速めると、粒子径がおおよそ6〜19nmの比較的小さなシリカ粒子が出来る。
一方、金属珪素の1時間あたりの添加量が、1時間あたりの反応液量の1〜4.2重量%の重量とした場合、即ち、添加速度を比較的遅くすると、粒子径がおおよそ20〜80nmの比較的大きな粒子が出来る。従って、スラリー状液又は金属珪素の反応液への添加速度を制御することで、好ましくは、粒子径6〜80nmの間の所望の粒子径を有するコロイダルシリカを得ることが可能となる。
【0046】
次に工程(4)について説明する。
工程(3)で得られた反応液は、必要に応じて、濾過することにより未反応残渣と濾別してコロイダルシリカを精製する工程(工程(4))を加えてもよい。
前記濾過方法は特に限定されないが、フィルター濾過、減圧濾過、加圧濾過等が挙げられる。詳細には、減圧し、ケーキ残渣にして分離する方法が作業的に容易であるばかりか、コロイダルシリカの収率を高めるために好ましい。
この工程(4)の濾過精製する工程で得られるコロイダルシリカの収率は、工程(3)で得たシリカ濃度20〜50重量%のコロイダルシリカを、25℃において孔径1μm、直径90mmのメンブランフィルターで0.075mPaの減圧濾過10分間の濾過量に基づく収率が60%以上、より望ましくは収率80%以上である。
尚、本明細書中でいう「収率」とは、(生成シリカ量mol/添加した金属珪素量mol)×100(%)で算出されるものである。
【0047】
前記工程(4)の後に得られるコロイダルシリカは、好ましくは、シリカ濃度が30重量%以上、より望ましくは35重量%以上であり極めて高濃度である。さらに、その動粘度は4mm2/s以下、好ましくは2.73mm2/s以下であり低粘度である。
コロイダルシリカに含まれるシリカ粒子の一次粒子径は7〜80nm、望ましくは10〜40nm、その二次粒子径は10〜150nm、望ましくは12〜120nmの範囲内である。これら粒子径のシリカ粒子を含むコロイダルシリカは、低粘度で非常に安定であり、有用性が高く、商品価値が高い。
尚、本明細書でいう一次粒子径とは、窒素吸着法(BET法)により求められた比表面積から算出される平均粒径であり、二次粒子径とは、光学散乱法(測定機器として大塚電子社製のELS−8000を使用)にて測定される平均粒径を示す。
【0048】
工程(4)により得られたコロイダルシリカは、精密鋳造、耐火物、セラミックスファイバー等のバインダーとして、繊維製品、プラスチックス等の滑り防止剤として、プラスチックス、金属表面処理等のマイクロフィラーとして、シリコンウェハー化合物半導体、ガラス、ハードデスク等の基板の研磨剤として、或いは、触媒や触媒担体、土壌硬化剤等として好適に用いられる。
【実施例】
【0049】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<工程(3)の手順Aを含むコロイダルシリカの製造方法>
[実施例1]
平均粒度40μm金属珪素粉を粉砕し、平均粒度5μmの金属珪素を作製した。この金属珪素を、大気中雰囲気の乾燥機で酸化させ、不活性処理を施した。
1L容量の攪拌機と還流装置を備えたテフロン(登録商標)ライニング反応フラスコに、水道水165.1g、アルカリ性触媒として水酸化ナトリウム(特級97%含有)1.33g、分散剤として硝酸アンモニウム1.06gを添加し、攪拌中、液温を80℃に昇温し、そこに不活性処理を施した金属珪素98.8gを水道水334.8gに分散させてスラリー状にしたものを、定量ポンプにより4時間かけて一定速度で添加した。これと平行して、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液22.9gを、定量ポンプにより4時間かけて、一定速度で添加した。
更に2時間溶解反応を続け、冷却後、1μ、90diammのメンブランフィルターで0.075mPaの減圧濾過で、未反応残渣と濾別した。生成したコロイダルシリカは、濃度34.7重量%、一次粒子径22nm、二次粒子径33nmの単分散状の粒子であり、動粘度は2.73mm2/sであった。尚、減圧濾過で10分の濾過量は、214.6g、収率は81%であった。
【0050】
[実施例2]
分散剤として硝酸アンモニウムを添加する代わりに塩化ナトリウムを添加(硝酸アンモニウムと同化学当量)し、それ以外は実施例1と同様に行った。生成したコロイダルシリカは、濃度34.34重量%、一次粒子径23.46nm、二次粒子径47.4nmの単分散状の粒子であった。動粘度は2.49mm2/sであった。また、減圧濾過で10分の濾過量は、228.8g、収率は80%であった。
【0051】
[実施例3]
分散剤として硝酸アンモニウムを添加する代わりにクエン酸三アンモニウムを添加(硝酸アンモニウムと同化学当量)し、それ以外は実施例1と同様に行った。生成したコロイダルシリカは、濃度31.26重量%、一次粒子径19nm、二次粒子径27.8nmの単分散状の粒子であった。動粘度は3.54mm2/sであった。また、減圧濾過で10分の濾過量は、220.4g、収率は81%であった。
【0052】
[実施例4]
分散剤として硝酸アンモニウムを添加する代わりに硫酸ナトリウムを添加(硝酸アンモニウムと同化学当量)し、それ以外は実施例1と同様に行った。生成したコロイダルシリカは、濃度32.08重量%、一次粒子径19.45nm、二次粒子径30.7nmの粒子であった。動粘度は2.44mm2/sであった。また、減圧濾過で10分の濾過量は、208.8g、収率は80%であった。
【0053】
[実施例5]
1L容量の攪拌機と還流装置を備えたテフロン(登録商標)ライニング反応フラスコに、水道水198.1g、アルカリ性触媒として、水酸化ナトリウム(特級97%含有)0.89gを添加し、攪拌中、液温を80℃に昇温し、そこに実施例1の不活性処理を施した金属珪素66.2gを水道水427.6gに分散させてスラリー状にしたものを、定量ポンプにより4時間かけて一定速度で添加した。これと平行して、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液15.3gを、定量ポンプにより3時間かけて均等に添加した。その後10重量%硝酸カリウム水溶液6.0gを添加混合し、更に2時間溶解反応を続け、冷却後、1μ、90diammのメンブランフィルターで0.075mPaの減圧濾過で、未反応残渣と濾別した。生成したコロイダルシリカは、濃度23.2重量%、一次粒子径18nm、二次粒子径26nmの単分散状の粒子であり、動粘度は2.15mm2/sであった。尚、減圧濾過で10分の濾過量は、145.8g、収率は83%であった。このコロイダルシリカは3ヶ月室温保存した後も、粘度は2.28mm2/sとほとんど変わらず低粘度で安定なゾルであった。
【0054】
[比較例1]
分散剤を添加しないことを除けば、実施例1と同様に行った。生成したコロイダルシリカは、濃度29重量%、一次粒子径21nm、二次粒子径22nmの単分散状の粒子であった。動粘度は4.95mPaと高く、また、減圧濾過で10分の濾過量は6.5gであり、収率は58%であった。
【0055】
[比較例2]
分散剤を添加しないことを除けば、実施例5と同様に行った。生成したコロイダルシリカは、濃度19.6重量%、一次粒子径18nm、二次粒子径28nmの単分散状の粒子であった。動粘度は2.60mPaとわずかに高かった。また、減圧濾過で10分の濾過量は131.0gであり、収率は74.6%であった。このコロイダルシリカは3ヶ月室温保存後に粘度が増し、6.34mm2/s増粘したゾルであった。
【0056】
<試験例1:分散剤添加量の濾過性への影響>
平均粒度40μm金属珪素粉を粉砕し、平均粒度5μmの金属珪素を作製した。この金属珪素を、大気中雰囲気の乾燥機で酸化させ、不活性処理を施した。それ以外は、実施例1に記載した方法と同様に行った。前記実施例1に記載した方法に基づいて、分散剤の添加量の変化に伴う濾過性の変化を確認した。結果を表1に示す。表1中、硝酸アンモニウム添加量(重量%)は、金属珪素の添加量に対するものである。
【0057】
【表1】
【0058】
表1が示すとおり、金属珪素を原料とするコロイダルシリカの製造方法において、アルカリ性触媒の存在下で、金属珪素と水を反応させる反応工程で分散剤を添加することにより、低粘度のコロイダルシリカを生成することができる。そのため、本発明の製造方法によると高い濾過性と収率でコロイダルシリカを得ることができる。
【0059】
特に、分散剤の添加量が、使用される金属珪素全量に対して、0.54〜1.71重量%である場合には、73%以上の収率、3.592mm2/s以下の動粘度、63.1g以上の濾過性が確認できた。
【0060】
<シリカ粒子径と金属珪素の添加速度の関係>
以下の如く実施例6及び比較例3を作製して、シリカ粒子径と金属珪素の添加速度の関係を調べた。
[実施例6]
平均粒度40μ金属珪素粉を粉砕し、平均粒度5μmの金属珪素を作製した。この金属珪素を、大気中雰囲気の乾燥機で酸化させ、不活性処理を施した。得られた金属珪素粉末98.8gを超純水334.8gに分散させてスラリー状溶液を調製した。
1L攪拌機及び還流装置を備えたテフロン(登録商標)ライニング反応フラスコに、NaOH0.8重量%を含有した超純水溶液166.43gを液温80℃で仕込んだ。そこに、前記スラリー状溶液全てを、4時間かけて定量ポンプを用いて一定速度で添加した。これと平行して、NaOH10重量%の水溶液22.9gを4時間かけて一定速度で定量ポンプを用いて添加した。
更に2時間、溶解反応を続け、冷却後、1μ、90diammのメンブランフィルターで0.075mPaの減圧濾過で、未反応残渣と濾別した。生成したコロイダルシリカに含まれるシリカの一次粒子径は22nmであった。
【0061】
[比較例3]
不活性化処理した金属珪素98.8gを超純水334.8gに分散させて調製したスラリー状溶液の全てを、8時間かけて定量ポンプを用いて一定速度で添加し、これと平行して、NaOH10重量%の水溶液22.9gを8時間かけて一定速度で定量ポンプを用いて添加した以外は実施例6と同様に行った。生成したコロイダルシリカに含まれるシリカの粒子径は35.8nmであった。
【0062】
以上の通り、金属珪素の、アルカリ性水溶液への添加速度を制御することにより、得られるコロイダルシリカに含まれるシリカの一次粒子径を調節できる。即ち、速度が速い程小さな粒子が生成し、遅いほど大きな粒子が生成している。
【0063】
<コロイダルシリカのシリカの粒子径制御方法>
アルカリ性触媒を含む水溶液に、金属珪素のスラリー状液を添加する工程において、この添加速度の変化に伴うシリカ粒子径の変化を確認した。尚、以下の実施例においては、分散剤を使用していない。
[実施例7]
平均粒度40μm、Si含有量97%以上の金属珪素を粉砕し、平均粒度5μmの金属珪素を作製した。この金属珪素を、大気雰囲気中の乾燥機で酸化させ、不活性化処理を施した。得られた金属珪素粉末45.2gを超純水531.69gに分散させてスラリー状溶液を調製した。
1L攪拌機及び還流装置を備えたテフロン(登録商標)ライニング反応フラスコに、NaOH0.5重量%を含有した超純水溶液223gを液温100℃で仕込んだ。そこに、前記スラリー状溶液の全てを、1時間かけて定量ポンプを用いて一定速度で添加した。
更に4時間溶解反応を続け、冷却後、1μm、90diammのメンブランフィルターを用いて0.075mPaの減圧濾過を行い、未反応残渣を濾別して高純度コロイダルシリカを作製した。このコロイダルシリカの粒子径は、21.6nmであり、純度は98%であった。
【0064】
[実施例8]
不活性化処理した金属珪素粉末45.2gを超純水531.69gに分散させて調製したスラリー状溶液の全てを、10分かけて添加した以外は実施例7と同様に行った。生成したコロイダルシリカに含まれるシリカの粒子径は8.5nmであった。
【0065】
[実施例9]
不活性化処理した金属珪素粉末45.2gを超純水531.69gに分散させて調製したスラリー状溶液の全てを、20分かけて添加した以外は実施例7と同様に行った。生成したコロイダルシリカに含まれるシリカの粒子径は17.7nmであった。
【0066】
[実施例10]
不活性化処理した金属珪素粉末45.2gを超純水531.69gに分散させて調製したスラリー状溶液の全てを、3時間かけて添加した以外は実施例7と同様に行った。生成したコロイダルシリカに含まれるシリカの粒子径は24.6nmであった。
【0067】
[実施例11]
不活性化処理した金属珪素粉末45.2gを超純水531.69gに分散させて調製したスラリー状溶液の全てを、4時間かけて添加した以外は実施例7と同様に行った。生成したコロイダルシリカに含まれるシリカの粒子径は28.2nmであった。
【0068】
[実施例12]
不活性化処理した金属珪素粉末45.2gを超純水531.69gに分散させて調製したスラリー状溶液の全てを、2時間かけて添加した以外は実施例7と同様に行った。生成したコロイダルシリカに含まれるシリカの粒子径は22.6nmであった。
【0069】
実施例7〜12の金属珪素スラリーの添加時間、一次粒子径及び収率を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
表2に示されるとおり、金属珪素を含むスラリー状溶液の添加速度を制御することにより、得られるコロイダルシリカの一次粒子径を調節できる。即ち、速度が速い程小さな粒子が生成し、遅いほど大きな粒子が生成している。
以上の通り、金属珪素の、アルカリ性水溶液への添加速度を制御することにより、得られるコロイダルシリカの一次粒子径を調節できる。
Claims (9)
- アルカリ性触媒及び分散剤を含む水溶液中で、金属珪素(Si)と水を反応させてコロイダルシリカを得る工程を含むコロイダルシリカの製造方法であって、前記工程で得られる反応液のシリカ濃度が20〜50重量%であって、
前記アルカリ性触媒が、ナトリウム(Na)、カリウム(K)又はリチウム(Li)を含む金属一価水酸化物の1種または複数の混合物であり、
前記アルカリ性触媒の添加量が、前記アルカリ性触媒が水酸化ナトリウムである場合は金属珪素と水酸化ナトリウムのモル比:Si/NaOH(mol比)が10〜100となる量であって、前記アルカリ性触媒が他の金属一価水酸化物又は前記金属一価水酸化物の混合物である場合は前記水酸化ナトリウムの添加量における化学当量に等しい量であって、
前記分散剤が、塩酸、硝酸又は硫酸から選ばれる一種以上の無機酸及び/又はその塩、あるいはシュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コハク酸、マロン酸、フマル酸、フタル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ペプタン酸、2−メチルへキサン酸、n−オクタン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸又は乳酸から選ばれる一種以上の有機酸及び/又はその塩であり、
前記分散剤の添加量が、使用される金属珪素全量に対して、0.1〜2.5重量%であることを特徴とするコロイダルシリカの製造方法。 - 前記工程で得られる反応液を濾過することによりコロイダルシリカを精製する工程を更に含むことを特徴とする請求項1記載のコロイダルシリカの製造方法。
- 前記分散剤が無機酸塩又は有機酸塩であって、該塩がNa、K、Li、NH4、アミン又は第四級アンモニウム水酸化物との塩から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコロイダルシリカの製造方法。
- 前記分散剤が、クエン酸三アンモニウム、硫酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、塩化ナトリウム及び硝酸カリウムから選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のコロイダルシリカの製造方法。
- 前記コロイダルシリカを孔径1μmのメンブランフィルターで濾過精製した後の動粘度が4mm2/s以下であることを特徴とする請求項2乃至4いずれかに記載のコロイダルシリカの製造方法。
- 少なくとも下記の段階を備える請求項1乃至5いずれかに記載のコロイダルシリカの製造方法。
[段階1]水、アルカリ性触媒及び分散剤を含む水溶液を作製する
[段階2]金属珪素を水に分散させたスラリー状液又は金属珪素を準備する
[段解3]段階1で得られた水溶液に、段階2で準備したスラリー状液又は金属珪素を略一定速度で添加する、又は段階1で得られた水溶液に、段階2で準備したスラリー状液又は金属珪素を略一定速度で添加することと並行してアルカリ性触媒を略一定速度で添加する - 前記段階3において、前記スラリー状液又は金属珪素の添加速度を制御することにより所望の粒子径のシリカを含むコロイダルシリカを得ることを特徴とする請求項6に記載のコロイダルシリカの製造方法。
- 前記添加速度として、1時間あたりの金属珪素の添加量が、1時間あたりの反応液量の1〜9.5重量%の重量であることを特徴とする請求項6又は7に記載のコロイダルシリカの製造方法。
- 前記段階3で得られるコロイダルシリカに含まれるシリカの粒子径が、その一次粒子径として6〜80nmであることを特徴とする請求項6乃至8いずれかに記載のコロイダルシリカの製造方法。
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