JP6483089B2 - コロイドゾルとその製造方法 - Google Patents

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Description

このPCT出願は、2013年4月17日に出願された米国特許仮出願番号61/812,936「Colloidal Sol And Method Of Making Same」の利益を主張するものであり、また2014年4月17日に出願された米国特許出願公開第14/255,477号「Colloidal Sol And Method Of Making Same」の利益を享受するものであり、これらの出願内容全体は、本願の開示内容の一部であるとみなされ、ここで参照を以て本願に組み込まれるものとする。
技術分野
本発明は、コロイドゾルと、生成する粒径を制御可能なコロイドゾルの製造方法に関し、より具体的には、水酸化カリウム法を用いて、唯一の平均粒径分布ピークを有する高純度のコロイドゾルを得る方法に関する。
背景技術
コロイドゾルを製造可能な方法は多数あるが、これらの方法によってたいていは、複数のピークを有する粒径が得られ、その粒径分散性は幅広い。近年、様々な用途(特に電子工学産業)のために不純物が少ない、高純度のコロイドゾルに対する要求が高まっている。コロイドゾルは、ウェハ(例えば半導体デバイス用のシリコンウェハ)の最終研磨を含む多くの工程のために使用できる。高純度のコロイドゾルは、シリコンウェハを汚染しないからである。シリカ粒子が小さいコロイドゾルは、傷が無く、マイクロレベルの構造であることが必要とされる研磨材料の精度が高い。従って、小さいシリカ粒子の粒径分布がほぼ一定に1つである高濃度のコロイドゾル(ここでシリカ粒子の大きさは、厳密に制御されている)が必要とされている。コロイドゾルを作るための最近の方法によって、様々な粒径が作製され、これにより異なる研磨特性が生じ、たいていのコロイドゾルは粒径分布を少なくとも2つ有する(図1参照)。より具体的には、粒径が分かっているコロイドゾルが望ましい。コロイドゾルの研磨特性は、高精度シリコンウェハを研磨する際に一定の結果を得ながら、繰り返し使用できるからである。
コロイドゾルを作製するための方法が幾つかあるが、それらにはたいてい、3つの大きな問題がある。最初の問題は、上述のように、たいていのコロイドゾルは、粒径分布のピークを複数有するということである。すなわち粒径は、大きさに対する強度をグラフにすると図1に示すように、ピークを少なくとも2つ有し、通常は、粒径ピークが大きく2つ生じる。また図1に示されるように、現在の方法ではたいてい、比較的大きな粒子についてピークが1つあり、比較的小さい粒子についてピークが1つあり、一方のピークは、もう一方のピークよりも大きい。これらの双峰性粒径組成ピークは、繰り返し作製することができるが、これにより研磨の際にある程度の一貫性が生じ、これは研磨で使用するためには、ピークが唯一の粒径組成ほど、好ましくはない。最近のシリカゾルについて、ピークが唯一の粒径分布が得られたとしても、粒径分布ピークの中心点は、最近のシリカであってもバッチごとに異なり、最良の場合でも±10nm、(一般的な大きさである)50〜70nmの粒子については、最大20%、大きさにばらつきがあり、これによって性能特性が実質的に異なってしまう。
第二に、粒子の大きさは通常、所望の研磨特性を得るために制御される。しかしながら、コロイドゾルの粒径を制御するための方法の多くでは、半導体デバイスとの関連で用いられると不純物となる成分が使用される。これらの方法はそれ自体、半導体デバイスとともに使用すべきコロイドゾルにとって望ましくない。痕跡量の金属によっても、不所望な様々な研磨特性につながることがある。
第三に、たいていのコロイドゾル生成物は、時間とともに粒径が成長する傾向があり、これによって予測不能な研磨特性が生じる。この成長速度は、貯蔵条件と輸送条件、また製造してからの時間に応じて一貫性無く変化することがあり、これによって、同じ組成のコロイドゾルに対しても、さらに時には同じバッチから作製したものであっても、研磨特性における非一貫性につながる。このため、貯蔵から輸送、最終的な用途設備での貯蔵への全ての要因を厳密に管理して、品質の一貫性を保証しなければならないが、これには非常にコストが掛かる。加えて、大量に注文すること、またこのような量を貯蔵すること、長期間にわたって使用、取り出すことは困難である。粒子が時間とともに成長する傾向を有するからである。さらに、粒径を制御し、コロイドゾルの製造後には成長特性を減少させるための多くの試みによって、コロイドゾルの粘度が増大し、これによって、半導体を効率的に研磨するためのコロイドゾルの性能が低下する。
現在手に入る多くのシリカゾルについては、別の問題が存在する。多くのシリカゾルはナトリウムを含有するが、これは電子工学産業における多くの用途では不所望の不純物とされる。また多くのシリカゾルには、シリカゾルの品質を低下させないため、狭い範囲の特別貯蔵と輸送温度が必要となる。現在のゾルは、温度が5℃を下回ると品質面で問題を起こすため、シリカゾルは凍らせてはならない。こうした温度制限によって、加熱、又は冷却を伴う輸送が必要となり、その実現は困難であるか、又は高コストである。
上記問題に鑑み本発明は、高度に濃縮された高純度コロイドゾルであって、長期間安定性、長期間の粒径安定性を有し、また粘度が低いものを提供し、これにより、製造後の長期間貯蔵性、及び一貫した性能特性が得られる。本発明によってまた、主に粒径ピークを1つ有する、粒径制御能が得られ、これにより半導体産業にとって格別の研磨特性を有する生成物が得られる。
発明の概要
本発明は、コロイドゾルと、生成する粒径を制御可能なコロイドゾルの製造方法に関し、より具体的には、水酸化カリウム法を用いて、唯一の平均粒径分布ピークを有する高純度のコロイドゾルを得る方法に関する。
本発明はさらに、シリカゾル材料を製造する方法に関し、この工程は、以下の工程:
(1)シリカ供給源、例えばTMOS、及びTEOSの少なくとも1つを加水分解して、シリカゾルを得る工程、
(2)メタノール、エタノール、及び水のうち少なくとも1つを除去するため、シリカゾルを蒸留する工程、及び
・塩基から酸、そして再度塩基へと、前記シリカゾルのpHを調整することにより粒径を調整して、唯一の粒径分布ピークを得る工程、
を有するものである。このシリカゾルは、KOH溶液中のものである。
この加水分解工程は、pHが少なくとも9.0、通常は約9.0〜11、好ましくは9.5〜10.5、より好ましくは9.6〜10.4、より好ましくは約10.0で行い、以下で説明する例ではほとんど、10.0である。pHを調整する工程により、pHを7.0未満に低下させるか、又は酸から塩基に、通常6.0〜7.0、好ましくは6.2〜6.9、より好ましくは6.4〜6.8に、又は約6.6に、上記の例では6.6にする。それからシリカゾルのpHを、酸から塩基に、通常は先と同じpHに戻し、例えば少なくとも9.0、通常は約9.0〜11、好ましくは9.5〜10.5、より好ましくは9.6〜10.4、より好ましくは約10.0に戻し、以下で説明する例ではほとんど、10.0で行う。
pHを酸性に調整する工程は、一般的に酸(好ましくは有機酸)により行われ、以下の例ではクエン酸を用いる。酸の添加を容易にするため酸を、後に加える塩基と同様の濃度にし、例えば10%の酸を加えて、シリカゾルを酸性にし、それから10%のKOH溶液を使用して、シリカゾルが塩基性になるまで、溶液に加える。
加水分解工程は、KOHを加える工程を有し、シリカゾルのpHを塩基から酸に、そして再度塩基に調整することによって唯一の粒径分布ピークを作り出すために、粒径を調整する工程は、クエン酸を加えて、シリカゾルを酸性に変え、それからKOHを加えて、シリカゾルを塩基に戻す工程を有する。
シリカゾルを作製するための、シリカ供給源(例えばTMOS及びTEOSの少なくとも1つ)を加水分解する工程はさらに、以下の工程を有する:(1)反応器に水を加える工程、(2)テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを反応器に加える工程、(3)反応器にKOHを加える工程、(4)水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、及びKOHを混合する工程、及び(5)TEOS、及びTMOSの少なくとも1つを、反応器に特定の時間にわたって(例えば少なくとも170分、好ましくは175〜185分、より好ましくは約180分)加える工程、及び反応器を還流条件に保つ工程(通常は、溶媒又は生成するアルコールについて、例えば生成するエタノールの沸点+少なくとも2℃、通常は最大+10℃、好ましくは最大+5℃)。TEOSを用いる場合、又はエタノールを溶媒として用いる場合、反応器は75〜83℃の還流条件に維持することができる。
シリカを作製するために、シリカ供給源(例えばTMOS、及びTEOSの少なくとも1つ)を加水分解する工程はさらに、シリカ供給源(例えば、TEOS、及びTMOSの少なくとも1つ)を反応器に加える前記工程の後に、反応器にモノエタノールアミンを加える工程を有する。
シリカゾルを作製するための、TMOS、及びTEOSの少なくとも1つを加水分解する工程はさらに、以下の工程:
(1)反応器に水を加える工程、
(2)溶媒、例えばエタノールを反応器に加える工程、
(3)テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを反応器に加える工程、
(4)KOHを反応器に加える工程、
(5)水、溶媒、例えばエタノール、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、及びKOHを混合する工程、及び
(6)シリカ供給源、例えばTEOS、及びTMOSの少なくとも1つを反応器に175〜185分にわたって加え、溶媒、例えばエタノールにとっての還流条件に反応器を保つ工程、エタノールについては、反応器を78〜83℃の温度に保つ工程
を有する。
蒸留工程は、以下の工程を有する:
(1)温度を上昇させて、反応器内を還流条件にする工程、
(2)塔頂部の温度が約95℃になるまで、大気によりストリッピングする工程、
(3)反応器を冷却する工程、
(4)610〜660mmHgの真空にする工程、
(5)還流条件になるまで、真空にした後に反応器を加熱する工程、及び
(6)真空下でストリッピングする工程。
シリカゾルのpHを塩基から酸に、そして再度塩基に調整することによって唯一の粒径分布ピークを作り出すために、粒径を調整する工程はさらに、(1)pHが約6.6になるまで、クエン酸を10%加える工程、シリカゾルを循環させる工程、pHが約10.0になるまで、10%のKOHを加える工程、及びシリカゾルを循環させる工程を有する。
この方法はさらに、シリカゾルを塩基から酸に、そして再度塩基に調整することによって唯一の粒径分布ピークを作り出すために、粒径を調整する工程の後に、過酸化水素を加える工程を有することができる。
この方法はさらに、シリカゾルを反応器から容器へと、5ミクロン、3ミクロン、1ミクロン、及び0.5ミクロンのフィルターを通じて排出する工程を有することができる。
本発明はさらに、シリカゾル材料を製造する方法に関し、この工程は、以下の工程:
(1)少なくとも9.0のpHでシリカ供給源を加水分解して、KOH溶液中にシリカゾルを得る工程、ここで前記シリカ供給源はテトラアルキルオルトケイ酸塩であり、
(2)少なくとも1種の溶媒及び水を除去するため、シリカゾルを蒸留する工程、及び
(3)塩基から酸、そして再度塩基へと、前記シリカゾルのpHを調整することにより粒径を調整して、唯一の粒径分布ピークを得る工程、
を有する。
加水分解工程は一般的に、約9.5〜10.5のpHで行い、ここで前記調整工程によってpHを約6.6に下げ、それからpHを約9.5〜10.5に上げる。
シリカのpHを調整することによって粒径を調整する工程は、シリカゾルに有機酸を加える工程を有し、ここで溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、及びペンタノールから成る群から選択され、有機酸は、コハク酸、酒石酸、フタル酸、酢酸、クエン酸、及びマレイン酸から成る群から選択される。
KOH溶液中でシリカゾルを作製するために、シリカ供給源を加水分解する工程はさらに、以下の工程:
(1)反応器に水を加える工程、
(2)前記溶媒を反応器に加える工程、
(3)テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを反応器に加える工程、
(4)KOHを反応器に加える工程、
(5)水、エタノール、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、及びKOHを混合する工程、及び
(6)前記シリカ供給源を反応器に170〜190分にわたって加え、前記溶媒にとっての還流条件に反応器を保つ工程
を有する。本発明者らは、60〜300分、好ましくは120〜240分、好ましくは150〜200分、さらに好ましくは160〜190分が、シリカ供給源の添加にとって効果的であることに気付いた。170〜190分という添加時間は、本発明の範囲にあり、本発明者らにより、最良の範囲は175〜185分であることが判明しており、本願の例では、シリカ供給源を反応器に加えるために180分を採用している。
シリカゾルのpHを塩基から酸に、そして再度塩基に調整することによって唯一の粒径分布ピークを作り出すために粒径を調整する工程はさらに、(1)pHが約6.6になるまで、クエン酸を10%加える工程、(2)シリカゾルを循環させる工程、(3)pHが約10.0になるまで、10%のKOHを加える工程、及び(4)シリカゾルを循環させる工程を有する。
テトラアルキルオルトケイ酸塩は一般的に、テトラプロピルオルトケイ酸塩(TPOS)、テトライソプロピルオルトケイ酸塩(TiPOS)、テトラブチルオルトケイ酸塩(TBOS)、テトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)、及びテトラメチルオルトケイ酸塩(TMOS)から成る群から選択される。
KOH溶液中にシリカゾルを作製するため、シリカ供給源を加水分解する方法はさらに、前記シリカ供給源を反応器に60〜300分、好ましくは120〜240分、より好ましくは150〜200分、さらにより好ましくは160〜190分、なお好ましくは170〜190分にわたって、加える工程を有し、本願実施例では、TEOSを175〜185分、通常は約180分の添加時間で用いる。
少なくとも1種の溶媒と水を除去するために、シリカゾルを蒸留する方法はさらに、塔頂部が、前記溶媒の沸点を15〜20℃上回る温度になるまで大気によりストリッピングする工程を有する。溶媒は、アルコール溶媒を生成することがあり、かつ/又は意図的に加えられたアルコール溶媒であり得る。蒸留工程の間、シリカゾルを蒸留して少なくとも1種の溶媒と水を除去する工程は、前記溶媒が、シリカゾルの前記合計質量に対して1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.3質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満しか残らなくなるまで行い、本明細書の実施例では0.05%未満、通常は0.03%未満、さらに0.01%未満にできる。
発明の詳細な説明
本発明は、コロイドゾルとその製造方法に関する。コロイドゾルは一般的に、水酸化カリウム(KOH)溶液中のシリカゾルであり、そのpHは約10、シリカゾルの粒径は1ナノメーター〜5,000ミクロンの範囲、通常は10〜500ナノメーターの範囲、さらに通常は15〜250ナノメーターの範囲である。210nm、310nm、及び450nmの粒子を作製するための例示的な方法は、以下に記載されている。本願で使用するように、「約」又は「ほぼ」という用語は、pH溶液とともに使用される場合、+0.5pH、好ましくは+0.2pH、より好ましくは+0.1pHである。
本発明者らはpH10が、製品の貯蔵寿命(shelf life)を伸ばして好ましいことを発見したが、より低いpH値も使用できる。しかしながら、pHが10より低下するにつれて、シリカ粒子は不安定になり、シリカ粒子の凝塊と凝集が起こり得る。pHが10から上昇するにつれて、シリカ粒子は溶解又は収縮し始める。シリカゾルの安定性はまた、SiO2濃度、粒径、貯蔵温度、輸送温度などによっても影響される。
一般的に、「約」や「ほぼ」という用語は、当業者であれば所望の方法に影響を与えない、又は最小限の影響しか与えないと考えるほどの僅かな工程の差違を言う。コロイドゾルに懸濁したシリカ粒子は形状の点で、研磨に適した球形からバリエーションがあってよいので、図示した粒径は直径と幅によって測定され、直径はこれら2つの数字のうち大きい方であり、この直径は、本願で粒径として使用される数である。実際に、本発明は優れて不規則な粒子、すなわち、研磨のために優れた特性を有する非球状粒子が製造できる。なぜならば、粒子がより不規則であれば、研磨特性はより良好になるからである。粒子は不規則であればあるほど、球の平滑で丸い外部表面に似ていないものになる。さらに、粒子の不規則性は、粒子ごとに変わる一方、本発明の方法により一定の平均的な不規則性が生じ、これによって各バッチは、使用する粒子の合計に対して、一定の研磨特性を有する。
本発明によるシリカゾル又はコロイドゾルは、実施例で使用するように、シリカを約20質量%含有する。本発明ではもちろん、より少ない、又はより多くのシリカを用いてシリカゾルを作製することができるが、本発明は5〜40%、好ましくは12〜30%、より好ましくは18〜24%シリカを有するシリカにとって、最も有用である。シリカの質量パーセンテージは変化するため、バッチごとの一定の品質において差違が生じることがある。例えば、シリカを33.0質量%超有するシリカゾルについては、ゾル粒子は凝集して、溶液又はゲルから沈殿してしまうことがあり、またゾルが5.0質量%未満のシリカゾルは、多くの用途にとって実用的ではない。
より具体的には、シリカゾルの使用者はたいてい、12%の飽和溶液を用いるが、本発明では容易に、30%以下の溶液を作製できる。15%未満の溶液のための粒子適用は、輸送性、及び貯蔵コストが原因で、制限されている。例えば、24%溶液(後に12%溶液に希釈する)は、輸送及び貯蔵にかかるコストが半分である。このため、輸送と貯蔵のコストを最小化する一方で、一定の品質を維持し、様々な条件(例えば温度被曝、輸送及び貯蔵の際の振動、及び製造からの時間)の下で溶液から粒子が沈殿することを防止するというバランスを取るため、本発明者らは、18〜24%の範囲、好ましくは19〜22%の範囲、及び約20%が、後述する3つの実施例で良好なバランスを示すことが判明した。以下に記載するように、粒径、及び形状の不規則性は、この工程で使用する様々な化学物質の性質によって調整できる。一般的に、この方法で用いられる工程と工程条件は同じままであるが、以下に記載するように、コロイドゾルの最終生成物を強化するため、また生成する最終生成物に所望の変化をもたらすために、幾つか若干の変更を加えてもよい。加えて、以下に特定する幾つかの製造工程は、最終生成物の点で異なっていてもよい。しかしながら、これらの工程、例えばTEOSの添加速度、反応器の温度、添加の間のTEOSの温度などは、制御するのが困難であるか、他の不所望又は一貫しない結果をもたらすことが判明しており、粒径におけるたいていの調整、及び一定の1つの粒径分布ピークを得ることは、加える化学物質の量の変更によって容易に起こることが実証されているので、工程パラメータを変えることは、特に記載しない限り、望ましくないことがある。
コロイドゾルは本発明において一般的に、シリカ供給源(例えばSilbond(登録商標)LBEG、高純度テトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS))を、水酸化カリウム(KOH)溶液に、pH約10で加熱しながら加える工程によって一般的に作製される。例示的な方法は全てTEOSを用いているものの、この方法に僅かな変更を加えることにより(例えば還流温度や選択する溶媒)、TEOS以外のシリカ供給源(例えばテトラアルキルオルトケイ酸塩)を使用できる。テトラアルキルオルトケイ酸塩としての許容可能なシリカ供給源には、テトラプロピルオルトケイ酸塩(TPOS)、テトライソプロピルオルトケイ酸塩(TiPOS)、テトラブチルオルトケイ酸塩(TBOS)、テトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)、及びテトラメチルオルトケイ酸塩(TMOS)が含まれる。使用される溶媒はまた、テトラアルキルオルトケイ酸塩と相関関係にあってもよく、例えばテトラエチルオルトケイ酸塩は、溶媒としてエタノールを用い、テトラメチルオルトケイ酸塩は、添加するのであれば、メタノールを溶媒として用いることになる。許容可能な高純度テトラメチルオルトケイ酸塩は一般的に全て、電子工学グレードのTEOSを有する。高純度とは、最低99.86%の純度を意味する。本発明がTEOSの純度グレードが低くてもうまく作用する一方、純度が95%超、より好ましくは97%超、そして電子工学産業については上記高純度のTEOSが好ましい。ゾルは他の産業においても有用であり、例えば塗料では通常、純度98%のTEOSが用いられる。電子工学産業以外の産業でも、標準的なグレード、又は工業的なグレードのKOHを用いることができる。本発明の方法により、TEOSを加水分解して、溶液中にシリカ粒子を作製する(シリカゾル)。TEOSの加水分解法により、副生成物としてエタノールが生成し、これを引き続き、蒸留、又はこれに変わる方法によって除去する。この方法のこの時点で粒子のサイズは、所望の最終粒径とは異なっていてよく、ゾルは粒径分布ピークを1つ以上有している。そこで、本発明による方法によって粒径を調整し、粒径分布ピークを1つにする。粒径を調整した後、本発明では、所望の特性を有するゾル寿命の改善と関連する工程を行うことができる。
調整工程前の、双峰性粒径ピークを示す図である。 調整工程後の、唯一の粒径ピークを示す図である。 フローチャートを示す。
表1と以下で述べるように、本発明による方法は、意図的に加えられたエタノールを含有する幾つかの方法では変更を加えてよく、その他の場合、意図的に加えられたエタノールを含有しない。もちろん、エタノールは幾分、工程の間にTEOSから生成するが、このようなエタノールは工程の生成物であり、意図的に加えられたエタノールではない。工程の一部として生成されたエタノールは、工程段階の一部として加えられるエタノールと区別するために、「生成エタノール」と呼ぶことがあり、これはまた、加えられた、又は意図的に加えられたエタノールのことも言う。TEOS、又は意図的に加えられたエタノールからエタノールを除去した後、シリカゾルがKOH中に残るが、これはこの方法のこの段階では、シリカ粒子に関して所望の粒径は未だ得られておらず、通常は、異なる粒径の高濃度を示すピークを複数有する(例えば図1に示したような双峰性の粒径ピーク)。シリカゾルについて所望の粒径と図2に示したような唯一の粒径ピークを得るため、粒子の粒径分布は、pHをまず、約6.0〜7.0に、好ましくは6.4〜6.8に、また実施例に記載したようにクエン酸の添加によって6.6に下げることによって調整する。pHが低過ぎれば、粒子の凝塊又は凝集が起こることがあり、pHが高過ぎれば、粒子は大きさが収縮するか、又は溶解することがある。それから、KOHを加えることによってpHを、9.5〜10.5、好ましくは9.8〜10.2、実施例に記載したように10.0に戻し、所望の粒径を最終的に得る。ここで用いるようにpHとの関連で、「約」という用語は通常、±0.5pH、好ましくは±0.2pHを表すが、以下で示すように、時には、特定の工程段階においてその変化が大きかったり、小さかったりしてよい。表1に示した例によって、ほぼ450nmという所望の粒径が得られる。KOHは電子工学的なグレードであり、これは不純物(例えば他の金属)が低い、又は最小化されているということであり、この不純物とは特にNaOHである。KOHの他のグレードも使用できるが、痕跡量の金属はより多くなるだろう。
以下でさらに述べるように、本発明のコロイドゾルは、痕跡量の金属に関連して、その純度が特徴的である。例えば、電子工学産業で使用される他の多くのコロイダルシリカは、コロイドゾルで使用されるシリカの低純度供給源から得られる(例えばフュームドシリカ、又はケイ酸ナトリウム)。痕跡量の金属を不含、又は実質的に含まない高純度シリカゾルを作製するため、フュームドシリカ、又はケイ酸ナトリウムは、本方法に対する投入物として使用するべきではない。その結果、本発明の基礎となるコロイドゾルは、非常に高い純度が必要とされる用途に非常に適している。フュームドシリカ、又はケイ酸ナトリウム、又は不所望の痕跡量の金属を含む他のシリカを使用しないからである。前述のように、シリカゾルの中には、高純度のものが存在するとは言え、現在これらは全て、長期間安定性、形状の不規則性、粒径分布、唯一の粒径分布ピーク、及び粒径成長のうち少なくとも1つに関して問題を有する。
粒径が450nmのコロイドゾルを作製するためのバッチの例を以下に示す。表1には、成分とそれぞれの質量が記載されている。本発明による方法は、不所望のアンモニアを用いることなく、行うことができる。
Figure 0006483089
この方法は、加水分解、蒸留、及び粒径調整という3つの基本的な段階に分類することができる。
加水分解
例示的な加水分解工程は、450nmのコロイドゾルを作製するため、以下の段階を有する:
1.電子工学グレードの水を200.5kg(442ポンド)、反応器に装入
2.意図的に加えたエタノールを60.24kg(132.8ポンド)、反応器に装入
3.25%の水性(aq)テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを527.1g(1.14ポンド)、反応器に装入
4.電子工学グレードのKOH(45%溶液)を3.35kg(7.38ポンド)反応器に装入
5.上記成分1〜4を、反応器内で約10分間、混合
6.TEOSを114.62kg(252.7ポンド)、別個の保持容器に装入し、22〜26℃の温度に保つ
7.反応器を78〜80℃に加熱
8.反応器内で78〜82℃の温度を保つ。添加の間、温度が上昇するにつれて、温度を83℃以下に保つことが望ましく、反応器の加熱を低下させる。
9.TEOS(高純度のテトラエチルオルトケイ酸塩)の添加を開始、1分あたり0.635kg(1.4ポンド)の速度で、別個の供給容器から反応器へと、TEOSを加え終えるまで。この添加速度は、バッチの量に応じて変えることができ、添加に必要とされる時間は通常制御して、例示的なバッチ量については、添加速度は1分あたり0.635kgであり、これは少なくとも160分、好ましくは少なくとも170分、より好ましくは少なくとも175分という添加時間に等しくなる。より具体的には、175〜185分という添加時間が特定されており、最適な添加時間は、180分と判明している。バッチの量に関係なく、一定の品質のためには、TEOSの所望の量を反応器に配分するのに180分が添加時間として好ましい。もちろん、添加時間を変えてもよく、その効果については表5を参照されたい。本発明者らは、60〜300分、好ましくは120〜240分、好ましくは150〜200分、さらに好ましくは160〜190分が、シリカ供給源の添加にとって効果的であることに気付いた。170〜190分という添加時間は、本発明の範囲にあり、本発明者らにより、最良の範囲は175〜185分であることが判明しており、本願の例では、シリカ供給源を反応器に加えるために180分を採用している。
10.TEOSの添加が完了した後、モノエタノールアミン99.8g(0.22ポンド)を電子工学グレードの水200gに入れた溶液を反応器に加える
11.一定の撹拌を保ち、反応器を一晩冷却して、周辺温度にする。
蒸留
コロイドゾルの蒸留手順は、一般的に上述したように、エタノールと水を除去するために、以下の具体的な段階を有する:
1.温度を徐々に78℃に上げ、還流条件にする
2.塔頂部が95℃の温度になるまで大気でストリッピング
3.真空でストリッピングする前に、反応器を50℃に冷却
4.真空ポンプ開始。初期真空は610〜660mmHgにすべき
5.真空が安定したら、還流条件が生じるまで系を加熱
6.還流条件下、塔頂温度が約45℃に達するまでストリッピング。この温度点のそばで、真空を放圧
7.反応器を室温に冷却。
粒径の調整
コロイドゾルの調整手順は、一般的に上述したように、450nmの粒径を得るために、以下の具体的な段階を有する:
1.10%のクエン酸溶液を、140g/分で、所望のpHになるまで反応器に秤量、通常はpH6.0〜7.0、好ましくは6.4〜6.8、最も好ましくは6.60
2.コロイドゾルを循環させる
3.電子工学グレードの10%KOH溶液を、140g/分で、pHが9.5〜10.5、好ましくは9.8〜10.2、最も好ましくは10.0になるまで反応器に秤量
4.コロイドゾルを循環させる
5.30%の過酸化水素793.8g(1.75ポンド)を反応器に装入
6.コロイドゾルを循環させる
7.コロイドゾルを循環させ、5ミクロン、3ミクロン、1ミクロン、及び/又は0.5ミクロンのフィルターを単独で、又は組み合わせて通して濾過。
方法の一部として、生成する粒子の大きさを制御するのみならず、形状も制御できる。粒径は好ましくは、KOHの濃度及び/又は量、及び/又はエタノールの量によって制御するが、以下に記載するように、方法の他の段階を、粒径を変えるために調整してもよい。KOHのパーセンテージを増加させれば、より大きな粒子が生じ、これを減らせばより小さな粒子が生じる。下記表2に示すように、KOHの濃度のみを変えることにより、他の変更可能な工程をすべて保ったまま、粒径が実質的に同じように変化する。
Figure 0006483089
エタノールのパーセンテージを増加させても、より大きな粒子が生じ、これを減らせばより小さな粒子が生じる。水対TEOSのモル比もまた、より大きい、又はより小さい粒子を作製するために、上げたり下げたりして調整できる。例えば、水をより多く使用すれば、粒径はより小さくなる。反応器の温度は、粒径を変化させることが判明しており、例えば3〜5℃の違いが、粒径において大きな差をもたらす。しかしながら、温度は工程の他の部分にも影響を与え得るので、本願実施例で用いた温度を保つのが望ましく、温度では無く、KOH及び/又はエタノールの量を変えて、粒径を調整するのが好ましい。下記表3に示すように、加水分解の間の反応器温度を変えることにより、他の変更可能な工程をすべて保ったまま、粒径が同じように変化する。
Figure 0006483089
この方法が、TEOSの使用により工程中でエタノールを生成させる一方(生成エタノール、留去される)、その代わりにテトラメチルオルトケイ酸塩(TMOS)を使用した場合、メタノールを留去することになることに留意すべきである。粒径に実質的な変化を起こすためには(例えば少なくとも200nm増大)、単にKOHの量を変える以上のことが必要となることもある。例えば、エタノールとKOHの量、及びKOHの濃度が、大きくサイズを変えるために必要となることがある。蒸留工程によって一般的に、アルコール溶媒(生成アルコール溶媒、又は意図的に加えたアルコール溶媒、例えば生成エタノール、若しくは意図的に加えられたエタノール)が留去され、シリカゾルの全質量に対して溶媒は1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.3質量%未満、さらに好ましくは0.1質量%未満となる。この方法は、一貫してアルコール溶媒を0.03%未満、さらには溶媒を0.01%未満に留去している。蒸留工程において、塔頂部がアルコール溶媒の沸点を15〜20℃上回る温度になるまでストリッピングすることにより、(生成した、又は意図的に加えた)アルコール溶媒が留去される。複数のアルコール溶媒を用いる場合、多段蒸留式の塔頂温度を用いるか、又は最も高い塔頂部の温度を15〜20℃高くする。
調整工程において、酸、好ましくは有機酸、例えばクエン酸を加えることにより、2つ以上の粒径分布ピークの代わりに、唯一の粒径分布のピークが得られる。クエン酸が格別に優れて作用することが判明している一方で、他の有機酸に含まれるのは(これらに限られるわけではない)、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コハク酸、マロン酸、フマル酸、フタル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリアン酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、及び乳酸である。無機酸も使用することができるが、有機酸を使用することが好ましいと判明している。許容可能な無機酸の例には(これらに限られるわけではない)、塩化水素酸、硫酸、硝酸、及びリン酸が含まれる。10%の有機酸(例えばクエン酸)を加えることによって(通常は一滴ずつ)、pHは6.4〜6.8に減少させることができ、それから所望の時間にわたって、静置する。それから、KOHで(通常は10%のKOH溶液で)pHを10に戻し、加えた体積が単純に、加えた有機酸の体積と等しくなるようにしてよい。その他の塩基は、pHを上昇させるために使用でき、これに含まれるのは(これらに限られるわけではない)、水酸化ナトリウム、水酸化銅、及び様々なアミンである。しかしながら、特定の金属を含有する酸は、不純物とみなされることがあり、幾つかの条件では、水酸化ナトリウムは避けることができる。有機酸を添加し、そして塩基をさらに添加した後には、図1のような双峰性分布ピークは無くなり、図2のようなピークがただ1つ残る。
長期間貯蔵のためにコロイドゾルをさらに安定化させるため、例えば粒径の増大を防止するため、そして殺菌剤を使用せずに細菌の成長を防止するため、前述のように過酸化水素を0.05%加える。過酸化水素により、粒子がダマになる、又はサイズが大きくなるのが防止される。過酸化水素を用いることによって、コロイドゾルが殺菌剤不含になる。
電子工学グレードの水はたいてい、pHが僅かに7未満であるが、しかしながら長期間貯蔵するにつれて、7に近づくことがあることに留意すべきである。よって、使用する電子工学グレードの水のpHは、KOHを一貫して用いるために調整するべきである。
エタノールを加えない場合、比較的小さい粒子(例えば60nm以下のもの)が一般的に作製される。表1に記載したように、意図的に加えたエタノールを用いると、450nmの粒子が得られる。この方法はエタノールを加えなくても使用できるが、エタノールを加えることにより、全てのH2Oに対するパーセンテージとして、KOHの使用量を少なくできる。よって、エタノールを加えると、同じ粒径を作製するために必要なKOHの量は少なくなる。エタノールの添加はまた、素早くゲル化してしまうこと、又は粒子が時間につれて成長することを防止するために、有用である。エタノールはそれ自体(意図的に加えられたエタノールではあるが)、表2及び3における60nm及び70nmの粒子を作製するためには必要では無い。しかしながらエタノールは上記理由で、これらの工程に添加される。エタノールの代わりに他のアルコール(最大5個又は6個の炭素分子)、例えばメタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールを使用することができる。しかしながらエタノールが、幾つかの理由で最も好ましいことが判明している。さらに、エタノールは普及しており、作業もしやすい。
水酸化カリウム、すなわちKOHに関連して、KOHの量は一般的に、ゾル中の全ての水(H2O)に対するパーセンテージとして言及する。KOHの濃度は変わることがあるため、少なくともKOHの最初の添加については、合計のH2Oに対するKOHの質量%としての量が、粒子の成長との関連で重要なことが判明している。当初溶液中にあるKOHが少なければ、一般的に粒子は小さくなり、例えばH2Oの合計質量に対してKOHが0.54質量%であれば、その他のパラメータは同じ場合、42nmの粒子に成長する。比較対象として、H2Oの合計質量に対してKOHが0.63質量%の場合、70nmの粒子に成長する。たいていの方法で使用される水酸化カリウム(KOH)は、45%溶液である。他の水酸化物については、金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、及び水酸化銅が使用できるが、シリカゾル用の工業用途ではたいてい、水酸化ナトリウムは望ましくないと考えられる。
シリカ粒子の濃度もまた、変わり得る。シリカ粒子濃度について望ましい下限は、全調製物に対して5.0質量%であり、銅濃度の望ましい上限は、調製物に対して32.0質量%である。通常、30質量%を超えると、時には25%を超えると、さらなる加工、輸送、及び貯蔵の問題が生じる。シリカ粒子が、シリカゾル溶液から析出しやすくなるからである。同様に、前述の通り、15%以上の質量%にすれば、貯蔵、及び輸送のコストは、特に不都合な作用無く下げられる。
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の25%水溶液が添加できる。テトラメチルアンモニウムヒドロキシドが必ずしも必要なわけでは無く、溶液から排除されていてもよいのだが、通常は全調製物に対して0.05質量%の量、最大0.11質量%で添加される。シリカは、正電荷を有する点で特徴的であり、TMAH、及びKOHはOHイオンを供給し、これによってシリカナノ粒子の周囲にバリアが形成される。このバリア層は有利なことに、正に帯電したカリウムイオンがSi−Oナノ粒子マトリックスを発達させることを防止する。ナノ粒子が成長するにつれて、バリア層は弱まり、カリウムイオンによって粒子の成長はゆっくりになり、最後に成長が止まる。系内で平衡状態が形成される。TMAHはまた、カリウムイオンがSiO2粒子に付着するのを最小化し、このことは粒子の成長を防止するのみならず、電子工学産業における一定で無い研磨特性をもたらすことができる。カリウムイオンは、研磨時の引掻性を増大させるからである。より具体的には、KOHからのカリウムイオンは、SiO2の成長を終わらせ、比較的小さいSiO2粒子をもたらす。加えて、TMAHは粒子の発達を補助する界面活性剤であり、SiO2粒子マトリックスに導入されるカリウムイオンを最小化する。表2に記載したように、他の全ての工程パラメータを保ったまま、TMAHを加えると、粒径が増大する。実際、少量のTMAHによって、粒子は20%超、成長することがある。
Figure 0006483089
本発明では、一般的に水対TEOSの最小モル比が、11:1、より好ましくは11.64:1である。同様に、水対TEOSの最大モル比は、好ましくは30.0:1であり、たいていの調製物では水対TEOSのモル比が18〜23:1、好ましくは19〜22:1、さらに好ましくは20〜21、実施例の方法では20.34:1である。ゾルを安定化させ、析出を防止するため、またシリカゾル中で錯化剤として作用させるために、モノエタノールアミンの5%溶液を、加水分解の最後に加えてよい。同様にモノエタノールアミンは、生成するスラリーの研磨特性を改善させることができる。他のアミン、例えばジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンも使用できる。
前述の通り、クエン酸に代えて他の有機酸、例えばコハク酸、酒石酸、フタル酸、酢酸、及びマレイン酸も使用できるが、クエン酸は最も不利益が少なく、良好に作用することが判明している。一般的に、pHを変化させるために酸(好ましくは有機酸)を加えることにより、粒径サイズの双峰性ピークに代えて、所望の唯一のピークが得られる。
これらの工程パラメータは、上記工程パラメータについての変法を有することもできる。添加時間が175分未満であれば、TEOS添加時間によって、あらゆる規定粒径の減少につながる。実験の観察によれば、所望の粒径について最も均一な再生産性は、添加時間を175〜185分にした場合に起こり、180分が最も好ましい。添加時間が185分を超える場合、あらゆる規定の粒径において粒径が増大し、このため最終生成物の品質が一定でなくなる。この時間が1時間に制限されていれば、粒子は凝集するために充分な時間が無く、小さすぎるか、又は一貫しない粒径となる。
TEOS添加の間の反応温度は、所定より高ければ、一般的に粒径が増大する。より具体的には、反応器温度が83℃超の場合、予測される標準的な粒径が増大する一方で、78〜82℃では一般的に、標準的に再生産可能な所望の粒径が、40nm〜500nmの間で得られ、70〜75℃であれば、予測される通常の標準的な粒径から減少する。より具体的には、反応器が規格品であれば、加水分解も起こらず、低温であれば、より多くのKOHが必要となり、これによってコストが増加する。KOHが多い場合の作用は、アルコール(例えばエタノール)の還流が大きくなることであり、このことは、粒子がどのように成長するかに影響を与え、若干の不確実性をもたらす。さらに、TEOSのための添加技術の種類によっても、結果が変わりうる。一般的にTEOSは、反応器の側方における材料堆積を防止するため、サブサーフェス法により添加され、オーバーサーフェス法とともに行ってもよい。反応器側方におけるこの堆積物は、効果的なKOHを低減させ、粒径を小さくする。
加水分解の最後と、蒸留反応の開始の間の時点を変えることによって、粒径が変化する。例えば、加水分解からストリッピングへの時間における遅れが1時間だけの場合、粒径は小さくなる。ストリッピングへの時間の遅れが少なくとも5時間、好ましくは少なくとも10時間、より好ましくは少なくとも12時間、実施例で行ったように15時間であるのが好ましい方法である。粒径の変化が最小化されるからである。加水分解から蒸留への時間を60時間に遅らせることにより、粒径が増大する。時間の遅れを変えることにより、粒子の凝集量に影響を与えることができる。
表5は、その他のパラメータは全て同じにしたまま、加水分解と蒸留との時間の遅れを変えることにより、粒径における変化を説明するものである。
Figure 0006483089
一般的に、標準的な粒径を製造するためには、反応器は接地していることが望ましいと判明している。接地していることにより、反応器内の反応器側面近くにおける堆積(イオンと粒子の成長に影響を与える)が最小化される。電子工学グレードの水のpHは、粒径に影響を与えることができ、このため、特定の粒径に制御するのが望ましい。水のpHは一般的に、5.0〜7.0の範囲にあるのが望ましい。5.0〜6.0のようにpHが比較的低いと、唯一の粒径分布ピークを有する標準的な粒径が得られる(例えば1〜500nmの所望の範囲)。しかしながら、電子工学グレードの水のpHが7を超えると、粒径は増大するようである。
上記全ての工程パラメータと方法段階に従った場合、±3nmの粒径の製造が一貫して可能になる一方、現行で最良のシリカゾルは(上記欠点を全て排除したとしても)、粒径分布は最良で±10nmである。
378.5リッター(100ガロン)中に210nmの粒子を作製するための第二の例示的なバッチが、以下の表6に記載されている。
Figure 0006483089
表6に記載の例のための加水分解工程には、以下のより具体的な段階が含まれる:
・加水分解手順
1.反応器を用意し、冷蔵ユニットのスイッチを入れ、約1.5℃(華氏35度)に設定
2.電子工学グレードの水を200.5kg(442ポンド)反応器に装入
3.エタノールを30.03kg(66.2ポンド)、反応器に装入
4.25%の水性(aq)テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを0.851ポンド(0.386kg)、反応器に装入
5.45%のEG KOHを6.86ポンド(3.11kg)、反応器に装入
6.反応器を閉鎖
7.温度を監視し、毎時間、最大温度20℃を記録
8.反応器のベントを閉鎖、反応器の撹拌開始、反応器循環ポンプの開始
9.反応器を10分間混合
10.pHを測定、読取って記録
11.TEOSを114.62kg、別個の保持タンクに装入
12.保持タンクのベントを閉鎖し、保持タンクをN2で与圧
13.反応器を78〜80℃に加熱。ホットオイルヒーターの設定温度は、当初110℃。反応器の温度が73℃に達したら、ホットオイルヒーターの設定温度を80℃に下げる。
14.保持タンクを22〜26℃に加熱。保持タンクにおける温度が24℃になったら停止。保持タンクの弁を閉鎖。TEOSは、室温、又は22〜26℃に温め、また反応器への添加の間は、22〜26℃でなければならない。
15.ホットオイルヒーターを反応器内で78〜82℃の温度に調整。温度は83℃を超えないようにする。
16.反応器の加熱を続けて、78℃の温度を保ち、保持タンクからTEOSの添加を開始
17.0.85に設定した反応器の秤量計(0.635kg/分)を通じてTEOSの添加を開始。ディップチューブを用いてTEOSを反応器へと秤量
18.弁の温度を測定して、20℃未満であるようにする
19.全てのTEOSが反応器に添加されるまで、0.85に設定したTEOSの添加を続け、これは所見にも記載の通り、約180分である。
20.モノエタノールアミン(MEA)0.22ポンド(99.8g)を、200ml(200g)の電子工学グレードの水と混合
21.TEOSの添加を完了し、MEAと水の混合物を、N2により反応器に装入
22.反応器を10分間循環させる。反応器からpHを読み取る
23.反応器を冷却させ、一晩撹拌。
ストリッピング工程(大気、及び真空による)には、以下のより具体的な段階が含まれる:
・ストリッピング(大気、及び真空による)手順:
1.ホットオイルヒーターの設定温度を上げて、還流条件にする
2.還流条件下で、スプリッターを開始させ、受け器で全量を取るように設定し、低沸点成分(lite)をカットして、別個のタンクに入れる
3.ホットオイルヒーターの設定温度を、還流を維持するために必要なだけ上昇させる
4.塔頂部が溶媒の沸点+10〜20℃の温度になるまで、ストリッピング(エタノールについては、95℃の温度)
5.大気による低沸点成分は、約165.1kg(364ポンド)と見積もられる。ストリッピングすべき低沸点成分は、170.1〜176.9kg(375〜390ポンド)
6.真空でストリッピングする前に、反応器を50℃に冷却
7.別個のタンクを空けて、大気中の低沸点成分を秤量し、その量を記録
8.真空ポンプを開始し、真空を徐々に適用し、カラム内に入る余剰な沸騰成分が最低限になるよう、留意する。当初の真空は、610〜660mmHgとなるべきである(24〜26インチHg)。
9.真空が安定的になったら、オイルの加熱を始める。オイルの設定温度を、80℃にする。還流条件が起こる時を特定するため、反応器を監視
10.還流条件下で、スプリッターを開始させ、受け器で全量を取るように設定し、低沸点成分をカットして、別個のタンクに入れる
11.低沸点成分が反応器から除去されるにつれて、真空は660〜686mmHg(26、又は27インチHg)に増大し、さらなる熱の投入が必要となることがある。
12.塔頂温度は、約686mmHg(27インチHg)の真空下で約45℃に達し、N2で真空を開放
13.別個のタンクを空けて、低沸点成分を秤量し、低沸点成分の最終的な量を記録(この量は、約30〜35ポンド、すなわち13.5〜16kgであるべき)。真空でストリッピングした量が13.6kg(30ポンド)未満であるか、又は、低沸点成分の合計が、170.1〜176.9kg(375〜390ポンド)であれば、ストリッピングを続ける。
14.低沸点成分の正確な量がストリッピングで除去されれば、真空をN2で開放して、反応器を30℃に冷却
15.任意で、真空ストリッピング後に1パイントの試料を取り、引火点とエタノールの合計質量%について品質を検査試験
16.反応器のpH試料を循環ライン、又は反応器に装入
17.10%の酢酸溶液を9600g作製し、この10%の酢酸溶液を反応器に140g/分で量り入れる。pH6.60で添加を停止。これにはほぼ1時間かかる。
18.反応器を循環させ、pHと10%の酢酸を使用した量を記録。
19.10%KOH溶液を8200g作製。
20.10%のKOH溶液を反応器に、140g/分で量り入れる。pH10.0で停止。この添加にはほぼ1時間かかる。
21.反応器を循環させ、pHと10%のKOHを使用した量を記録。
22.較正した実験室用pH測定器でpHを確認
23.30%の過酸化水素793.8g(1.75ポンド)を反応器に装入
24.反応器を20分間循環させる。
25.任意で、粒径、溶媒(エタノール)のパーセンテージ、及び迅速な固体について、品質制御実験にかける。
26.循環用反応器フィルターをセットし、5ミクロン、及び3ミクロンのフィルター要素を連続設置
27.フィルターへの圧力を監視しながら20分間、反応器のフィルターを通じて反応器を循環させる。
28.包装のため、生成物容器へとセッティングする。3ミクロンと1ミクロンのフィルターを反応器フィルターで連続して、そして特製0.5ミクロンを包装の間、充填ラインフィルターで使用。必要であれば、フィルターを取り替える。
29.包装の間、フィルターした生成物について1クォートの試料が得られ、これを複合材試料として品質管理室へ。シリカゾル(固体%)、引火点、KOH%、pH、比重、粘度、粒径、ゼータ電位、及びEtOH%。
30.正味45ポンドで、5ガロンのプラスチック容器内に包装。
Figure 0006483089
表7に記載されているのは、表6と同様の方法を用いて、許容可能な310nmの粒子を形成すると判明した成分である。
上述のように本発明により、バッチごとに粒径分布ピークの中心点から±3nm以下という一貫した粒径が可能になるが、これは他のいかなるシリカゾルによっても、なし得なかったことである。さらに、本発明における粒径ピーク分布は通常、図2の中心点における強度が増大することによって示されているように、より濃縮されている。これはつまり、粒径分布ピークの中心点に対する粒径において、比較的狭い範囲が存在するということである。このため、本発明によって顧客は、非常に貴重で、所望の性能目的に対して正確な性能特性を有する高品質シリカゾルの異なるバッチを、繰り返し得ることができる。
本発明は、好ましい態様との関連で記載されている一方で、本発明の請求項の範囲から外れない限り、変更と修正を加えることができる。

Claims (16)

  1. 以下の工程:
    ・少なくとも9.0のpHでシリカ供給源を加水分解して、KOH溶液中にシリカゾルを得る工程、ここで前記シリカ供給源は、テトラアルキルオルトケイ酸塩であり、
    ・前記シリカゾルを蒸留する工程、及び
    ・塩基から酸、そして再度塩基へと、前記シリカゾルのpHを調整することにより粒径を調整して、唯一の粒径分布ピークを得る工程、
    を有し、前記加水分解工程をpH約9.0〜11で行い、前記調整工程により、pHを約6.0〜7.0に下げ、それからpHを約9.0〜11.0に上げる、シリカゾル材料の製造方法。
  2. 前記加水分解工程をpH約9.5〜10.5で行い、前記調整工程によりpHを約6.6に下げ、それからpHを約9.5〜10.5に上げる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記テトラアルキルオルトケイ酸塩が、テトラプロピルオルトケイ酸塩(TPOS)、テトライソプロピルオルトケイ酸塩(TiPOS)、テトラブチルオルトケイ酸塩(TBOS)、テトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)、及びテトラメチルオルトケイ酸塩(TMOS)から成る群から選択されている、請求項1に記載の製造方法。
  4. シリカゾルのpHを調整することによって粒径を調整する前記工程が、前記シリカゾルに有機酸を加える工程を有する、請求項1に記載の製造方法。
  5. シリカゾルのpHを調整することによって粒径を調整する前記工程が、前記シリカゾルに有機酸を加える工程を有し、当該有機酸が、コハク酸、酒石酸、フタル酸、酢酸、クエン酸、及びマレイン酸から成る群から選択されている、請求項に記載の製造方法。
  6. シリカ供給源を加水分解して、KOH溶液中にシリカゾルを得る工程がさらに、以下の工程:
    ・反応器に水を加える工程、
    ・前記反応器に溶媒を加える工程、
    ・前記反応器にテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを加える工程、
    ・前記反応器にKOHを加える工程、
    ・水、前記溶媒、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、及びKOHを混合する工程、及び
    ・テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを前記反応器に加える前記工程の後に、前記シリカ供給源を前記反応器に60〜300分にわたって加え、反応器を前記溶媒について還流条件に保つ工程、
    を有する、請求項1に記載の製造方法。
  7. シリカ供給源を加水分解して、KOH溶液中にシリカゾルを得る前記工程の間に、さらに、アルコール溶媒を加える工程を有し、当該アルコール溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、及びペンタノールから成る群から選択される、請求項1、3、4、及び5に記載の製造方法。
  8. TEOS及びTMOSのうち少なくとも1つを前記反応器に、170〜190分にわたって加える工程、及び
    前記溶媒の沸点から、前記溶媒の沸点を最大10℃超える温度で、前記反応器を還流条件に保つ工程、
    を有する、請求項に記載の製造方法。
  9. 少なくとも1種の溶媒及び水を除去するために前記シリカゾルを蒸留する工程を、シリカゾルの全質量に対して、前記溶媒の残分が1質量%未満になるまで行う、請求項に記載の製造方法。
  10. 少なくとも1種の溶媒及び水を除去するために前記シリカゾルを蒸留する工程を、シリカゾルの全質量に対して、前記溶媒の残分が0.5質量%未満になるまで行う、請求項に記載の製造方法。
  11. 少なくとも1種の溶媒及び水を除去するために前記シリカゾルを蒸留する工程を、シリカゾルの全質量に対して、前記溶媒の残分が0.1質量%未満になるまで行う、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記蒸留工程が、以下の工程:
    ・温度を上昇させて、反応器内を還流条件にする工程、
    ・塔頂部の温度が、前記溶媒の沸点よりも約15〜20℃高い温度になるまで、大気によりストリッピングする工程、ここで前記溶媒は、アルコール溶媒であり、
    ・前記反応器を冷却する工程、
    ・610〜660mmHgの真空にする工程、
    ・真空にした後に前記反応器を加熱して、還流条件にする工程、及び
    ・真空下でストリッピングする工程
    を有する、請求項1に記載の製造方法。
  13. さらに、以下の工程:
    ・シリカゾルのpHを、塩基から酸に、そして再度塩基に調整することにより粒径を調整して、唯一の粒径分布ピークを得る前記工程の後、過酸化水素を加える工程、
    を有する、請求項1に記載の製造方法。
  14. さらに以下の工程:
    ・反応器からシリカゾルを、5ミクロン、3ミクロン、1ミクロン、及び0.5ミクロンの少なくとも1つのフィルターを通じて、容器内に排出する工程、
    を有する、請求項13に記載の製造方法。
  15. さらに以下の工程:
    ・モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンのうち少なくとも1つを、シリカ供給源を加水分解する前記工程の間に加える工程
    を有する、請求項1から14までのいずれか1項に記載の製造方法。
  16. シリカ供給源を加水分解する前記工程が、シリカを加水分解する前記工程の間にモノエタノールアミンを加える工程を有する、請求項1から14までのいずれか1項に記載の製造方法。
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