JP5127452B2 - 異形シリカゾルの製造方法 - Google Patents
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Description
研磨用粒子としては、従来、シリカゾルやヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナなどが用いられている。
また、この様な異形粒子群を含む研磨材の用途としては、アルミニウムディスク(アルミニウムまたはその基材上のメッキ層)や半導体多層配線基板のアルミニウム配線、光ディスクや磁気ディスク用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、ガラス質材料の鏡面加工などへの適用が期待されている。
このような異形粒子を含むシリカゾルにおいてもNaやKなどの含有量が少ない高純度なシリカゾルが求められていた。
しかしながら、珪砂中には不純分としてAl、Ti、Fe、Mg、Caなどの金属が多く含まれるため、得られる水性シリカゾルにはこれらの金属イオン量と連動してアルカリ金属(通常Na)が多く残存し、半導体基板の研磨材として用いるには不向きな場合があった。
この様な水性シリカゾルは酸やキレート剤等で処理することによって、ある程度はAlやNaを低減することができるものの、半導体基板の研磨材としては純度が不十分であった。また、珪砂の代わりに高純度シリカ粉を用いることも行われているが、高純度シリカは高価であり、更にアルカリ溶融に時間がかかるなどの問題があった。
さらに、キレート剤を添加して金属イオンを捕捉する場合は、残存するキレート剤及び金属イオンを捕捉したキレート剤を除去するために、限外濾過膜で繰り返し洗浄する必要があり、生産効率が悪いという問題点がある上に、繰り返し洗浄を行っても完全にはキレート剤を除去できず、残存したキレート剤が研磨特性に影響を及ぼす可能性があった。
また、本発明は、前記異形シリカゾルの製造工程に、シリカゾルの高純度化工程を繰り入れることにより、Na、K、Cl、Cu、Ni、Feなどの不純物が極めて少ない高純度な異形シリカゾルを製造することを目的とする。
前記異形シリカ微粒子については、炭素を含むものではない。
前記高純度化された異形シリカゾルは、前記異形シリカゾルの製造方法において、 珪酸液に強酸性陽イオン交換体または強塩基性陰イオン交換体をそれぞれ別々に接触させて、高純度化処理を行なって得られる高純度化珪酸液を使用してビルトアップしてなる製造方法で調製されることが好ましい。
また、前記高純度化された異形シリカゾルは、前記製造方法により得られた異形シリカゾルに更に陽イオン交換体に接触させ、更に陰イオン交換体に接触させることからなる高純度化処理を行うことによって得ることが好ましい。
また、本発明の異形シリカゾルのうち、会合比(r/r′)が1.2〜4.0の範囲にあり、rが10〜150nmの範囲にあるシリカ微粒子が分散してなり、pH5とpH9におけるゼータ電位の差の絶対値が1〜9mVの範囲にあるものが特に好適である。
(1)珪酸塩を酸で中和して得られるシリカヒドロゲルを洗浄することにより、塩類を除去し、SiO2/M2O(M:Na,K,NH3 )のモル比が30〜500となるようにアルカリを添加した後、60〜200℃の範囲に加熱してシリカゾルを得る工程。
(2)該シリカゾルをシードゾルとし、必要に応じてアルカリを加え、pH9〜12.5、温度60〜200℃の条件下、珪酸液を連続的にまたは断続的に添加する工程。
前記(2)におけるシードゾルは、動的光散乱法で測定した平均粒子径が5〜80nmのシリカ微粒子が分散したゾルであることが好ましい。
前記(2)における珪酸液は、珪酸アルカリ塩を脱アルカリして得られる酸性珪酸液であることが好ましい。
前記第2の製造方法により得られた異形シリカゾルに更に高純度化処理を行なうことが好ましい。
前記異形シリカゾルについては、研磨剤の成分として使用可能である。
また、本発明に係る異形シリカゾルの製造方法は、研磨用途に適用して優れた研磨特性を発揮できる異形シリカゾルを製造することを可能とするものであり、工程上、従来技術で見られるようなカルシウム塩やマグネシウム塩の添加を行なう必要がないため、それらの除去操作も不要であり、従来より簡便に異形シリカゾルを得ることができる。
本発明の異形シリカゾルは、大別して二つの大きな特徴を有するものであり、これらは異形シリカゾルの製造方法に原因するものである。本発明の異形シリカゾルは、溶媒に分散したシリカ微粒子の形状が均一なものではなく、形状が不均一な異形シリカ微粒子が溶媒に分散していることが第一に特徴的な点である。異形シリカ微粒子の形状としては、柱状、卵状、勾玉状、枝別れ状など多様な形状となる。
この様な異形シリカ微粒子については、動的光散乱法の測定により得られた平均粒子径(r)と窒素吸着法により測定された平均比表面積から算出した等価球換算粒子径(r′)の比(r/r′、以下「会合比」と称する。)が1.2〜10の範囲のものである。会合比が1.2未満の場合は、極めて球状に近くなり、研磨用途に使用した場合、充分な研磨レートを得られない場合がある。他方、会合比が10を越える場合、研磨特性が低下する場合がある。
BET法により測定される比表面積から算定される平均粒子径(r′)については、窒素吸着法(BET法)を用いて、窒素の吸着量から、BET1点法により比表面積を算出し、等価球換算粒子径(r′)=6000/(SA×密度)の式から、シリカの密度を2.2として(r′)を求めた。
平均粒子径が5nm未満では、研磨材として使用した場合、充分な研磨速度を得られない場合がある。他方、平均粒子径が200nmを越える場合は、シリカゾルの状態で研磨用途に適用した場合、単位体積当たりの研磨粒子の量が不足する場合があり、充分な研磨特性を得られない場合がある。平均粒子径としては、より望ましくは10〜150nmの範囲が推奨される。
本発明の異形シリカゾルの第1の製造方法について、原料となる珪酸液の調製工程、珪酸液の熟成工程、シード液調製工程、ビルトアップ工程、高純度化処理工程の順で以下に述べる。
本発明の製造方法において、原料として使用する珪酸液とは、珪酸アルカリの水溶液を陽イオン交換樹脂で処理することによって、アルカリを除去して得られる珪酸の低重合物の溶液を意味する。
珪酸アルカリとしては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、第4級アンモニウムシリケートなどが何れも使用可能であり、好適には1号水ガラス、2号水ガラス、3号水ガラス等の名称で市販されている珪酸ナトリウムまたは珪酸カリウムが選ばれる。また、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)などの加水分解性有機化合物を過剰のNaOHなどを用いて加水分解して得られる珪酸アルカリ水溶液なども好適である。
本発明の製造方法において、原料として使用される珪酸液の製造方法については、前記の通りであるが、好適には、珪酸液の製造後に強酸性陽イオン交換体や強塩基性陰イオン交換体と接触させて、高純度化処理を行っても良い。なお、この場合、強酸性陽イオン交換体、強塩基性陰イオン交換体の順番で接触させることが好ましいが、必要に応じて、強塩基性陰イオン交換体、強酸性陽イオン交換体の順番で接触させても良い。
本発明の異形シリカゾルの製造方法において、使用される珪酸液は、pHが1.0〜7.0の範囲にあり、そのシリカ濃度が0.05〜3重量%の範囲にあるものが使用される。珪酸液を調製した段階で、pHが上記範囲にあるものについては、特段のpH調整は必要なく、そのまま本発明の製造方法に適用することができる。他方、pHが1.0未満の場合は、アルカリを添加して、pHを1.0〜7.0の範囲に調整して、本発明の製造方法に適用する。また、pHが7.0より大きい場合は、酸を添加して、同様にpH範囲を調整して、本発明の製造方法に適用する。
本発明においては、pHが1.0〜7.0の範囲にあり、そのシリカ濃度が0.05〜3重量%の範囲にある珪酸液を1〜98℃で熟成して、珪酸の粘度が0.9〜100mPa・sの範囲にある重合珪酸液を調製する。この粘度範囲の重合珪酸液を得るには、通常は数分〜100時間程度かけて静置することにより熟成される。
粘度が0.9〜100mPa・sの範囲にある前記重合珪酸液にアルカリを加えて、加熱する。ここで使用するアルカリについては、アンモニア水、水溶性アミン類などが使用されるがこれらに限定されるものではない。また、アンモニアガスを前記珪酸液に供給してもよい。
前記シード液に必要に応じてアルカリを加え、pHを10〜12.5の範囲に調整する。シード液のpHが10〜12.5の範囲にある場合は、アルカリ添加によるpH調整の必要はない。
pH調整は、アンモニア水、水溶性アミン類、珪酸アルカリなどをシード液に添加して行うか、アンモニアガスを前記シード液に供給しても良い。珪酸アルカリとしては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、第4級アンモニウムシリケートなどが何れも使用可能であり、好適には1号水ガラス、2号水ガラス、3号水ガラス等の名称で市販されている珪酸ナトリウムまたは珪酸カリウムが選ばれる。また、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)などの加水分解性有機化合物を過剰のNaOHなどを用いて加水分解して得られる珪酸アルカリ水溶液なども好適である。pHが12.5を超えると、得られる異形シリカゾルが異形化していない粒子を多く含むものとなり、pHが10を下回る場合は、新たな核が生成し、異形粒子の成長が不充分となる。
尚、所望によりシード液に珪酸液を添加した後に、20〜98℃で0.5〜12時間程、加温を続けても良い。加温を続けることにより、より安定な異形シリカゾルを得ることができる。
所望により、ビルトアップ工程終了後、得られた異形シリカゾルに、強塩基性陰イオン交換体を接触させ、好適にはpHを9以上に調整し、更に強酸性陽イオン交換体を接触させて、好適にはpHを6以下に調整して、溶出した不純物イオンを除去する。接触方法としては、例えば、陰イオン交換体または陽イオン交換体が充填されたカラム中に水性シリカゾルを通液させることにより行うことができ、シリカゾルについては、強塩基性陰イオン交換体および強酸性陽イオン交換体に接触させる前に純水を加えてシリカ濃度を調整しても良い。
会合比が2.7未満の異形シリカゾルは、濾過性に優れ、研磨特性に優れたものであり、例えば、0.45μm平板フィルターによる濾過通液量がフィルター1枚当たり、30g以上である。また、本発明の異形シリカゾルを含む研磨剤は、従来の球状シリカゾルを含む研磨剤の場合に比べて、研磨レートに優れ、少なくとも問題となるような大きなスクラッチの発生も抑制可能なものである。
本発明に係る異形シリカゾルのうち、例えば、会合比(r/r′)が1.2〜4.0の範囲にあり、動的光散乱法による平均粒子径(r)が10〜150nmの範囲にあるシリカ微粒子が分散してなり、かつ、pH5とpH9におけるゼータ電位の差の絶対値が1〜9mVの範囲にあるので、研磨用粒子として特に優れた研磨特性を有している。
会合比の値が1.2未満の場合は、粒子形状による効果が少なく、研磨速度は小さい。会合比の値が1.2〜4.0の範囲では、特に高粘度化しにくく、研磨パッドへの目詰まりも生じにくく、高研磨速度であっても、スクラッチも生じにくい。会合比が4.0を超えると、このような特性はやや低下するものの会合比10までは実用上問題なく使用することができる。
pH5とpH9におけるゼータ電位の差の絶対値が1mV未満ではシリカ粒子が凝集しやすい場合があり、9mVを超える場合は、他のカチオン性イオンとの相互作用が起こり、凝集が起き易い場合があるため、pH5とpH9におけるゼータ電位の差の絶対値がこの範囲にある場合は、シリカ粒子の凝集を防ぐ上では特に好ましい。
本発明の異形シリカゾルを研磨用粒子とする場合には、必要に応じて濃縮したり、希釈したりして用いることができる。濃縮方法としては、加熱して水分を蒸発させる方法、限外濾過膜を用いる方法などがある。シリカゾルの濃度はSiO2として通常、10〜50重量%の範囲に調整される。
本発明に係る異形シリカゾルの第2の製造方法を工程順に説明する。
本工程で原料として使用する珪酸塩としては、アルカリ金属珪酸塩、アンモニウム珪酸塩および有機塩基の珪酸塩から選ばれる1種または2種以上の珪酸塩が好ましい。アルカリ金属珪酸塩としては、珪酸ナトリウム(水ガラス)や珪酸カリウムが、有機塩基としては、テトラエチルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類を挙げることができ、アンモニウムの珪酸塩または有機塩基の珪酸塩には、珪酸液にアンモニア、第4級アンモニウム水酸化物、アミン化合物などを添加したアルカリ性溶液も含まれる。
この濃度がSiO2として1重量%未満の場合は、珪酸の重合(ゲル化)が不充分で、得られる実用的な条件でヒドロゲルを得ることが容易ではなくなる。他方、この濃度がSiO2として10重量%を越えると、均一に中和することができず珪酸の重合が不均一となり、最終的に得られる異形シリカゾルの大きさのばらつきが増大する。
例えば、硫酸ナトリウムが生成した場合、洗浄後の硫酸ナトリウムの濃度は、望ましくは、SiO2の固形分に対して、0.05%以下が好ましく、少ないほど解膠時間が短い。尚、塩類の濃度が高いと解膠しても、ゾル粒子の負電位が小さく、凝集体が出来易いために、安定なゾル液を得ることが出来ない。
このとき、シリカヒドロゲルの分散液の濃度は、SiO2として0.5〜10重量%、さらには3〜7重量%の範囲にあることが好ましい。この濃度が0.5重量%未満の場合は、溶解するシリカの割合が増加し、得られるシリカ微粒子の平均粒子径が小さくなるため、(2)の工程で行うビルドアップの際の粒子成長速度が著しく遅くなる傾向がある。また、この濃度がSiO2として10重量%を越えると、解膠して得られるシリカ微粒子の平均粒子径が不均一となりやすい。このため(2)の工程により得られる異形シリカゾルの粒子径分布が不均一になりやすくなる。
アルカリの使用量は、シリカヒドロゲルの分散液中のSiO2のモル数とアルカリのモル数との比(SiO2)/(M2O)が30〜500、さらには40〜200の範囲となるように使用することが好ましい。前記モル比(SiO2)/(M2O)が30未満の場合は、溶解したシリカの割合が増加し、最終的に異形シリカゾルの生産効率や収率が低下する。他方、前記モル比(SiO2)/(M2O)が500を越えると、解膠が不充分となり、(2)の工程で行なうビルドアップに供される種粒子となるシリカゾルの粒子径分布が不均一となるため、最終的に得られる異形シリカゾルの粒子径分布もブロードなものとなる。
上記シリカヒドロゲルをアルカリで解膠する際の温度は60〜200℃、さらには70〜170℃の範囲にあることが好ましい。60℃未満の場合は、充分に均一な解膠ができないことがある。温度が200℃を越えると、得られるシリカゾルの粒子径の形状が球状となり易い傾向がある。
前記(1)の工程で得られたシリカゾルをシードゾルとし、60〜200℃の範囲にて、珪酸液を連続的にまたは断続的に添加することにより異形シリカゾルを調製する。シードゾルについては、必要に応じて、純水による希釈とアルカリまたはケイ酸塩の添加を行い、シリカ固形分濃度を2〜10重量%に、pHを9〜12.5の範囲に調整する。pHが9未満の場合は、粒子の電位が小さくなり、凝集し、分布が大きくなる。12.5を超えると粒子の溶解性が増加し、粒子成長しにくい。
次に、シ−ドゾルの温度を60〜200℃の範囲に保持しながら、珪酸液を連続的に、または断続的に添加して、シリカ微粒子を成長させる。珪酸液の添加量については、所望する異形シリカゾルの粒子径の大きさに応じて、調整される。
ここで使用する珪酸液については、望ましくは、珪酸アルカリ塩を脱アルカリして得られる珪酸液が使用される。このような珪酸液は、通常は珪酸アルカリ塩の水溶液を陽イオン交換樹脂で処理することによって、アルカリを除去して得られる珪酸の低重合物の溶液であり、一般に酸性珪酸液とも称される。通常はSiO2濃度が1〜10重量%の珪酸液が使用される。
前記珪酸液は、強塩基性陰イオン交換体や強酸性陽イオン交換体と接触させて、不純物除去を行ったものを使用することが望ましい。また、珪酸液に必要に応じて、酸を加え、40℃〜300℃で加熱することにより、粒子表面及び内部からアルカリを放出させてものを使用しても良い。
珪酸液を添加する際に、新たなシ−ドを発生しないようにしなければならない。このためシ−ド液中への珪酸液の添加速度は、最終製品のシリカ微粒子の粒径、粒度分布、形状に大きな影響を与える。本発明の製造方法においては、30分〜72時間かけて連続的にまたは断続的に珪酸液を添加することが望ましい。これにより、異形シリカゾルを得ることができる。
本発明の異形シリカゾルは、研磨材として有用なものであり、本発明の異形シリカゾルを含む研磨剤は、ハードディスク用研磨剤、ウエハ用研磨剤またはCu−CMP研磨用研磨剤として利用可能である。
1-1)珪酸液の調製
7%濃度の珪酸ナトリウム(3号水硝子)の7,000gを限外モジュール(旭化成社製SIP−1013)に通液し濾水を回収し精製水硝子を得た。この精製水硝子のシリカ濃度が5%になるように純水を添加した。そして、このシリカ濃度5%の水硝子6,500gを強酸性陽イオン交換樹脂SK1BH(三菱化学社製)2.2Lに空間速度3.1で通液させることで珪酸液6,650gを得た。得られた珪酸液のシリカ濃度は4.7%であった。
上記珪酸液6,650gを再度強酸性陽イオン交換樹脂SK1BH(三菱化学社製)0.4Lに空間速度3.1で通液させ、次いで強塩基性イオン交換樹脂SANUPC(三菱化学社製)0.4Lに空間速度3.1で通液させる事で、シリカ濃度4.4%の高純度珪酸液を得た。
得られた珪酸液の不純分については、後記1-9)不純分測定に記載する方法で測定した。その結果、Naが50ppb以下、Kが50ppb以下、Clは1ppm以下であった。
上記で得られた珪酸液454.5gに純水545.5gを添加してシリカ濃度を2%に調整し、10分間攪拌した。この時点でのpHは3.8だった。そして1%濃度のアンモニア水0.4gを添加してpHを4.5に調整し、室温で2時間保つことにより熟成し、重合珪酸液1,000gを得た。この重合珪酸液の粘度をTOKI(株)製:B型粘度計を用いて測定したところ、1.3mPa・sであった。尚、以下の実施例および比較例において粘度測定には、全てこの装置を使用した。
重合珪酸液1,000gに15%濃度のアンモニア水を61.2g添加してpHを10.4に調整し、温度を95℃に昇温して、1時間保つことにより加熱し、室温まで冷却し、透明性の青白いゾルを得た。得られたゾルは動的光散乱法により測定した平均粒子径が20nmであり、シリカ濃度は1.9%であった。なお、動的光散乱法により平均粒子径の測定には、粒子径分布測定装置(大塚電子社製、PAR−III)を使用した。尚、以下の実施例および比較例において動的光散乱法による平均粒子径の測定には、全てこの装置を使用した。
加熱して得られたゾル284.7gに15%アンモニア水79.68gを添加してpHを11.4に調整し、83℃に昇温し30分間保った。
別途、前記1-1)〜1-2)と同様の製造方法により4.4%濃度の高純度酸性ケイ酸液2,954.3gを調製し、これに1%濃度の硫酸を38g添加し、さらに純水を添加して3重量%の高純度ケイ酸液4,333gを調製した。
この高純度珪酸液4,333gを前記昇温保持したゾルに18時間かけて添加した。添加終了後さらに83℃で1時間保ちその後室温まで冷却した。
ここまでのシリカゾルの調製条件を表1に示す。
ビルドアップ後のゾルを限外ろ過膜(旭化成社製、SIP−1013)で10%濃度まで濃縮した。
さらにロータリーエバポレーターで16%濃度まで濃縮した。
得られたゾルの動的光散乱法による平均粒子径(r)は37nmであった。また、比表面積は118m2/gであり、比表面積からの等価球換算粒子径(r′)は23.1nmであった。従って、会合比(r/r′)は1.6であった。
[粒径測定装置(1)の概要]
大塚電子(株)製造、型番「レーザー粒径解析システム、LP−510モデルPAR−III」、測定原理:動的光散乱法、測定角度:90°、受光素子:光電子倍増管2インチ、測定範囲:3nm〜5μm、光源:He−Neレーザー 5mW 632.8nm、温度調整範囲:5〜90℃、温度調整方式:ペルチェ素子(冷却)、セラミックヒーター(加熱)、セル:10mm角のプラスチックセル。
実施例1〜実施例12および比較例1〜5については、この測定方法(1)によった。
[粒径測定装置(2)の概要]
PARTICLE SIZING SYSTEMS Co.製造、型番「NICOMP 380」、測定原理:動的光散乱法(ホモダイン/粒度分布)、光源:He−Neレーザー 5mW、検出器:フォトカウント用光電子増倍管、コーリレーター:32bitデジタルオートコーリレーター(DSP搭載)、測定セル:四面透過型角セル(ディスポーザブル)、温度制御方式:ペルチェ素子(コンピュータ制御)、設定範囲:5℃〜80℃、測定粒度分布範囲:1nm〜5μm。
具体的には、試料0.5gを測定セルに取り、窒素30容量%とヘリウム70容量%の混合ガス気流中、300℃で20分間脱ガス処理を行い、その上で試料を上記混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させる。次に、上記混合ガスを流しながら試料温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に脱離した窒素の量を検出し、予め作成した検量線により、シリカゾルの比表面積を算出した。
[式1] 等価球換算粒子径(r′)=6000/[比表面積(SA)×密度(ρ)]
測定結果を表2に示す。尚、以下の実施例および比較例においても全てこの装置を使用した。
(1)金属(Ca、Mg、Na、K、Cu、NiまたはFe)含有量
1)試料シリカゾル約10gを白金皿に採取し、0.1mgまで秤量する。
2)硝酸5mlと弗化水素酸20mlを加えて、サンドバス上で加熱し、蒸発乾固する。
3)液量が少なくなったら、更に弗化水素酸20mlを加えてサンドバス上で加熱し、蒸発乾固する。
4)室温まで冷却後、硝酸2mlと水約50ml加えて、サンドバス上で加熱溶解する。
5)室温まで冷却後、フラスコ(100ml)に入れ、水で100mlに希釈して試料溶液とする。
6)下記測定装置により試料溶液中に存在する各金属の含有量を測定した。
誘導結合プラズマ発光分光分析装置(セイコーインスツル(株)製、SPS1200A、高周波誘導結合アルゴンプラズマ中に溶液化した試料を導入し、試料中の各元素を励起発光させ、発光スペクトルにより定量、定性分析を行う装置。測定波長範囲は175〜500nm。)により測定した。シリカ試料の場合における各元素の検出波長は、Ca:393.366nm、Mg:279.553nm、Fe:259.940nmである。
原子吸光分光光度計(日立製作所(株)製、Z-8200、フレームにより試料を原子蒸気化し、その原子蒸気層に適当な波長の光を照射する。その際、原子によって吸収された光の強さを測定し、これにより試料中の元素濃度を定量する。グラファイト炉を使用する。測定モード:原子吸光、測定波長範囲は190〜900nm。)を使用した。シリカ試料の場合における各元素の検出波長は、Cu:324.8nm、Ni:232.0nmである。
[NaおよびKの含有量]
原子吸光分光光度計(日立製作所(株)製、Z-5300、測定波長範囲は190〜900nm。)を使用した。シリカ試料の場合における各元素の検出波長は、Na:589.0nm、K:766.5nmである。
8)上記6)と7)の結果からSiO2分に対する各金属の割合を算出した。なお、CaとMgについては、それぞれ酸化物に換算してSiO2に対する割合を算出し、Na、K、Cu、NiまたはFeについては、金属単体としてSiO2に対する割合を算出した。
なお、後記(2)Cの含有量と(3)Clの含有量においても、試料シリカゾル中のSiO2の量については、上記7)の方法で求めたシリカ含有量を使用した。
試料シリカゾルを110℃で12時間乾燥させたもの0.1gを「炭素・硫黄分析装置」((株)堀場製作所製、EMIA-320V/FA)にて測定した。この炭素・硫黄分析装置の分析原理は、酸素気流中高周波加熱燃焼−赤外線吸収法による。最小読取感度:0.01ppm、分析時間:30〜60秒、燃焼炉方式は燃焼コントロール機能付の高周波誘導加熱炉方式、陽極出力:2.3KW、周波数:18MHzである。
1)試料シリカゾルの約20gを200mlビーカーに採取し、0.1mgまで秤量する。
2)アセトン100ml、酢酸5mlおよび0.002mol/lの塩化ナトリウム溶液4mlを加え、試料溶液とする。
3)電位差自動滴定装置(京都電子工業(株)製、AT−610、検出範囲:−2000〜2000mV、pH0〜14、温度0〜100℃)を使用して、試料溶液に対する硝酸銀のアルコール溶液(硝酸銀濃度0.002mol/l)の滴定量を求める。
また、試料シリカゾルを添加しない他は上記2)と同様にして空試験溶液を調製し、これについても同様に滴定量を求めた。そして、次の[式2]から試料中の塩素含有量を求めた。
A:試料溶液に対する硝酸銀アルコール溶液の滴定量(ml)
B:空試験溶液に対する硝酸銀アルコール溶液の滴定量(ml)
f:硝酸銀アルコール溶液の力価
C:硝酸銀アルコール溶液1mlにおけるCl滴定量=71(μg)
W:試料採取量(g)
尚、以下の実施例および比較例における不純分の測定には、全てこれらの装置を使用した。
実施例2〜9の分析結果を表2に示す。実施例13〜23の分析結果については表4に示す。
この重合珪酸液1,000gに15%濃度のアンモニア水をpHが10.4になるように添加し、温度を95℃に昇温して、1時間保つことにより加熱し、室温まで冷却し、透明性の青白いゾルを得た。得られたゾルは動的光散乱法により測定した平均粒子径が16nmであり、シリカ濃度は1.9%であった。
そして、実施例1の1-6)および1-7)と同様に限外濃縮およびロータリーエバポレータによる濃縮を行い、物性を測定した。最終的に得られたゾルの平均粒子径(r)は33nmであった。また比表面積は137m2/g、比表面積から算出した等価球換算粒子径(r′)は19.9nmであり、会合比(r/r′)は1.61であった。
この重合珪酸液1,000gに15%濃度のアンモニア水をpHが10.4になるように添加し、温度を95℃に昇温して、1時間保つことにより加熱し、室温まで冷却し、透明性の青白いゾルを得た。得られたゾルは動的光散乱法により測定した平均粒子径が33nmであり、固形分濃度は1.9%であった。
そして、実施例1の1-6)および1-7)と同様に限外濃縮およびロータリーエバポレータによる濃縮を行い、物性を測定した。最終的に得られたゾルの平均粒子径(r)は62nmであった。また比表面積は102m2/g、比表面積から算出した等価球換算粒子径(r′)は26.7nmであり、会合比(r/r′)は2.32であった。
この重合珪酸液1,000gに15%濃度のアンモニア水をpHが10.4になるように添加し、温度を95℃に昇温して、1時間保つことにより加熱し、室温まで冷却し、透明性の青白いゾルを得た。得られたゾルは動的光散乱法により測定した平均粒子径が12nmであり、固形分濃度は1.9%であった。
そして、実施例1の1-6)および1-7)と同様に限外濃縮およびロータリーエバポレータによる濃縮を行い、物性を測定した。最終的に得られたゾルの平均粒子径(r)は27nmであった。また比表面積は157m2/g、比表面積から算出した等価球換算粒子径(r′)は17.4nmであり、会合比(r/r′)は1.55であった。
この重合珪酸液1,000gに15%濃度のアンモニア水をpHが10.4になるように添加し、温度を95℃に昇温して、1時間保つことにより加熱し、室温まで冷却し、透明性の青白いゾルを得た。得られたゾルは動的光散乱法により測定した平均粒子径が13nmであり、固形分濃度は1.9%であった。
そして、実施例1の1-6)および1-7)と同様に限外濃縮およびロータリーエバポレータによる濃縮を行い、物性を測定した。最終的に得られたゾルの平均粒子径(r)は32nmであった。また比表面積は139m2/g、比表面積から算出した等価球換算粒子径(r′)は19.6nmであり、会合比(r/r′)は1.63であった。
この重合珪酸液1,000gに15%濃度のアンモニア水をpHが10.4になるように添加し、温度を95℃に昇温して、1時間保つことにより加熱し、室温まで冷却し、透明性の青白いゾルを得た。得られたゾルは動的光散乱法により測定した平均粒子径が18nmであり、固形分濃度は1.81%であった。
そして、実施例1の1-6)および1-7)と同様に限外濃縮およびロータリーエバポレータによる濃縮を行い、物性を測定した。最終的に得られたゾルの平均粒子径(r)は34nmであった。また比表面積は128m2/g、比表面積から算出した等価球換算粒子径(r′)は21.3nmであり、会合比(r/r′)は1.60であった。
この重合珪酸液1,000gに15%濃度のアンモニア水をpHが10.4になるように添加し、温度を95℃に昇温して、1時間保つことにより加熱し、室温まで冷却し、透明性の青白いゾルを得た。得られたゾルは動的光散乱法により測定した平均粒子径が60.4nmであり、固形分濃度は1.89%であった。
そして、実施例1の1-6)および1-7)と同様に限外濃縮およびロータリーエバポレータによる濃縮を行い、物性を測定した。最終的に得られたゾルの平均粒子径(r)は80nmであった。また比表面積は89m2/g、比表面積から算出した等価球換算粒子径(r′)は30.6nmであり、会合比(r/r′)は2.61であった。
この重合珪酸液1,000gに15%濃度のアンモニア水をpHが10.4になるように添加し、温度を95℃に昇温して、1時間保つことにより加熱し、室温まで冷却し、透明性の青白いゾルを得た。得られたゾルは動的光散乱法により測定した平均粒子径が27nmであり、固形分濃度は1.9%であった。
そして、実施例1の1-6)および1-7)と同様に限外濃縮およびロータリーエバポレータによる濃縮を行い、物性を測定した。最終的に得られたゾルの平均粒子径(r)は53nmであった。また比表面積は112m2/g、比表面積から算出した等価球換算粒子径(r′)は24.3nmであり、会合比(r/r′)は2.18であった。
この重合珪酸液1,000gに15%濃度のアンモニア水をpHが10.4になるように添加し、温度を95℃に昇温して、1時間保つことにより加熱し、室温まで冷却し、透明性の青白いゾルを得た。得られたゾルは動的光散乱法により測定した平均粒子径が27nmであり、固形分濃度は1.9%であった。
そして、実施例1の1-6)および1-7)と同様に限外濃縮およびロータリーエバポレータによる濃縮を行い、物性を測定した。最終的に得られたゾルの平均粒子径(r)は35nmであった。また比表面積は195m2/g、比表面積から算出した等価球換算粒子径(r′)は14nmであり、会合比(r/r′)は2.5であった。
このゲル1,000gを薬さじで攪拌し、超純水600gを添加し、ゲルをほぐしながら、pH10.4になるように15%濃度のアンモニア水を添加した。温度を95℃に昇温して、1時間保つことにより加熱し、室温まで冷却し、ゾルを得た。得られたゾルは動的光散乱法により測定した平均粒子径が53nmであり、固形分濃度は4.2%であった。
そして、実施例1の1-6)および1-7)と同様に限外濃縮およびロータリーエバポレータによる濃縮を行い、物性を測定した。最終的に得られたゾルの平均粒子径(r)は68nmであった。また比表面積は125m2/g、比表面積から算出した等価球換算粒子径(r′)は21.8nmであり、会合比(r/r′)は3.12であった。
このゲル1,000gを薬さじで攪拌しゲルをほぐしながら、pH10.4になるように15%濃度のアンモニア水を添加した。温度を95℃に昇温して、1時間保つことにより加熱し、室温まで冷却し、ゾルを得た。得られたゾルは動的光散乱法により測定した平均粒子径が44nmであり、固形分濃度は4.2%であった。
そして、実施例1の1-6)および1-7)と同様に限外濃縮およびロータリーエバポレータによる濃縮を行い、物性を測定した。最終的に得られたゾルの平均粒子径(r)は53nmであった。また比表面積は144m2/g、比表面積から算出した等価球換算粒子径(r′)は18.9nmであり、会合比(r/r′)は2.8であった。
このゲル1,000gを薬さじで攪拌しゲルをほぐしながら、pH10.4になるように15%濃度のアンモニア水を添加した。温度を95℃に昇温して、1時間保つことにより加熱し、室温まで冷却し、ゾルを得た。得られたゾルは動的光散乱法により測定した平均粒子径が56nmであり、固形分濃度は1.9%であった。
そして、実施例1の1-6)および1-7)と同様に限外濃縮(ただし、シリカ濃度12%)およびロータリーエバポレータによる濃縮(ただし、シリカ濃度30.5%)を行い、物性を測定した。最終的に得られたゾルの平均粒子径(r)は65nmであった。また比表面積は124m2/g、比表面積から算出した等価球換算粒子径(r′)は22.0nmであり、会合比(r/r′)は2.96であった。
実施例1〜9及び比較例1〜3で得られたシリカゾルと、比較例4、5で準備したシリカゾルを47mm径の0.45μの平板フィルターで減圧濾過を行い、通液したゾルの重量を測定した。評価結果を表2に示す。
研磨用スラリーの調製
上記実施例1〜9で得たシリカ濃度16重量%の異形シリカゾルに、H2O2、HEDP(1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸)および超純水を加えて、シリカ9重量%、H2O20. 5重量%、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸0.5重量%の研磨用スラリーを調製し、さらに必要に応じてHNO3を添加することにより、pH2.0の研磨用スラリーを調製した。
また、比較例1〜3で得られたシリカゾルおよび比較例4の球状シリカゾルについても同様に調製し研磨用スラリーを得た。
被研磨基板として、アルミニウムディスク用基板を使用した。
このアルミニウムディスク用基板は、アルミニウム基板にNi−Pを10μmの厚さに無電解メッキ(Ni88%とP12%の組成の硬質Ni−Pメッキ層)をした基板(95mmφ/25mmφ−1.27mmt)を使用した。尚、この基板は1次研磨してあり、表面粗さは最大0.17μmである。
上記被研磨基板を、研磨装置(ナノファクター(株)製:NF300)にセットし、研磨パッドとして、ロデール社製「アポロン」を使用し、基板荷重0.05MPa、テーブル回転速度30rpmで研磨用スラリーを20g/分の速度で10分間供給して研磨を行った。
研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度を計算した。そして、比較例4の場合の研磨速度を1としたときの、実施例1〜9および比較例1〜3の研磨速度の比率を研磨レートとして、表2に記した。
スクラッチが認められなかった : ◎
小さなスクラッチが僅かに認められた : ○
小さなスクラッチが広範囲に認められた: △
大きなスクラッチが点在して認められた: ×
研磨用スラリーの調製
上記実施例1〜9で得たシリカ濃度16重量%の異形シリカゾルに、5%水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、シリカ濃度9重量%、pH10.5の研磨用スラリーを調製した。また、比較例1〜3で得られたシリカゾルおよび比較例5の球状シリカゾルについても同様に調製し研磨用スラリーを得た。
被研磨基板として、65mmφの強化ガラス製のハードディスク用ガラス基板を使用した。このハードディスク用ガラス基板は、一次研磨済みであり、表面粗さは最大で0.21μmである。
上記被研磨基板を、研磨装置(ナノファクター(株)製:NF300)にセットし、研磨パッドとして、ロデール社製「アポロン」を使用し、基板荷重0.18MPa、テーブル回転速度30rpmで研磨用スラリーを20g/分の速度で10分間供給して研磨を行った。
研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度を計算した。そして、比較例5の場合の研磨速度を1としたときの、実施例1〜9および比較例1〜3の研磨速度の比率を研磨レートとして、表2に記した。
スクラッチが認められなかった : ◎
小さなスクラッチが僅かに認められた : ○
小さなスクラッチが広範囲に認められた: △
大きなスクラッチが点在して認められた: ×
この珪酸ソーダ水溶液のpHが6.5になるように、硫酸を加えて中和し、常温で1時間保持して、シリカヒドロゲルを調製した。このシリカヒドロゲルをオリバーフィルターにて純水(SiO2固形分の約120倍相当量)で充分に洗浄し、塩類を除去した。洗浄後の硫酸ナトリウム濃度は、SiO2固形分に対して、0.01%未満だった。
得られたシリカヒドロゲルを純水に分散し(シリカ濃度3重量%)、強力攪拌機にて流動性のあるスラリー状態としたシリカヒドロゲル分散液とし、これに濃度5重量%のNaOH水溶液をSiO2/Na2Oモル比が75となるように添加し、160℃で1時間加熱した。ここまでの(1)の工程の調製条件を表3に示す。
次にこのシードゾルを83℃に維持しながら、これに後記するSiO2濃度3重量%の珪酸液175.8Kgを14時間かけて添加した。
この異形シリカゾルを試料として、動的光散乱法により測定される平均粒子径(r)、BET法により測定される比表面積から算定される平均粒子径(r′)およびpH5とpH9でのゼータ電位の測定を行なった。その結果と(2)の工程の調製条件を表4に示す。また、以下の実施例および比較例においても同様にr、r′およびゼータ電位の測定を行なった。
シリカ濃度24%の珪酸ナトリウム(3号水ガラス)0.8Kgを限外モジュール(旭化成社製SIP1013)に通液し、濾水を回収し精製水ガラスを得た。得られた精製水ガラスに純水を添加しシリカ濃度3.2%に調整した。この希釈水ガラス6,500gを強酸性陽イオン交換樹脂SK1BH(三菱化学社製)2.2Lに、3L/時間の速度で通液させることで酸性珪酸液6,650gを得た。得られた珪酸液のシリカ濃度は 3.0%であった。
以下の実施例および比較例においても同様な製造方法によって得られた珪酸液を濃度調整して使用した。実施例13〜23の分析結果については表4に示す。
添加終了後、室温まで冷却させ、得られたシリカゾルを限外濾過膜でSiO2濃度10重量%まで濃縮した。
Claims (6)
- 動的光散乱法の測定により得られた平均粒子径(r)と窒素吸着法により測定された平均比表面積から算出した等価球換算粒子径(r′)の比(r/r′、以下「会合比」と称する。)が1.2〜10の範囲にあり、等価球換算粒子径(r′)が5〜200nmの範囲にあり、比表面積が13〜550m 2 /gの範囲にあって、形状が不均一な異形シリカ微粒子が溶媒に分散した異形シリカゾルであって、該異形シリカ微粒子の含有するCaおよびMgの割合(酸化物換算)が、SiO 2 分に対してそれぞれ1000ppm以下である異形シリカゾルの製造方法において、
pH1.0〜7.0の範囲にあり、シリカ濃度が0.05〜3.0重量%の珪酸液を、1〜98℃で熟成することにより、珪酸の粘度が0.9〜100mPa・sの範囲にある重合珪酸液を調製し、該重合珪酸液にそのpHが9〜12.5の範囲になるようにアルカリを加え、50〜150℃で加熱することによりシード液を調製し、得られたシード液のpHを10〜12.5に調整し、20〜98℃の温度範囲において、シード液に前記珪酸液または高純度珪酸液を連続的または断続的に滴下することによりビルドアップさせることを特徴とする異形シリカゾルの製造方法。 - 前記滴下を30分〜72時間かけて行う請求項1記載の異形シリカゾルの製造方法。
- 前記珪酸液が、珪酸液にアルカリまたは酸を加えてpH1.0〜7.0の範囲に調整したものである請求項1または2記載の異形シリカゾルの製造方法。
- 前記高純度珪酸液が、珪酸液に強酸性陽イオン交換体または強塩基性陰イオン交換体をそれぞれ別々に接触させて、高純度化処理を行なったものであることを特徴とする請求項1記載の異形シリカゾルの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか記載の製造方法により得られた異形シリカゾルに更に高純度化処理を行うことを特徴とする異形シリカゾルの製造方法。
- 前記高純度化処理が異形シリカゾルを陽イオン交換体に接触させ、更に陰イオン交換体に接触させる処理である請求項5記載の異形シリカゾルの製造方法。
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