JP5333743B2 - 化学機械研磨用水系分散体およびその製造方法、ならびに化学機械研磨方法 - Google Patents

化学機械研磨用水系分散体およびその製造方法、ならびに化学機械研磨方法 Download PDF

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本発明は、化学機械研磨用水系分散体およびその製造方法、ならびに化学機械研磨方法に関する。
近年、半導体装置の多層配線化に起因する信号遅延の増加を防ぐために低誘電率の層間絶縁膜(以下、「低誘電率絶縁膜」ともいう。)の使用が検討されている。このような低誘電率絶縁膜としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されている材料が検討されている。層間絶縁膜として前記のような低誘電率絶縁膜を用いる場合、配線材料には高い導電性が要求されるため、通常銅または銅合金が用いられる。このような半導体装置をダマシン法で製造する場合、通常バリアメタル膜上の配線材料を化学機械研磨にて除去する工程(第1研磨工程)と、その後、バリアメタル膜を研磨により除去し、必要に応じて配線材料および層間絶縁膜をさらに研磨して平坦化を行う工程(第2研磨工程)を実施する必要がある。
第1研磨工程では、配線材料を高速で研磨する特性が要求されるが、第2研磨工程では被研磨面を平滑に研磨する特性が特に要求される。第2研磨工程における被研磨面の平坦性をさらに向上させるために半導体装置構造の設計変更が検討されている。具体的には、機械的強度の弱い低誘電率絶縁膜を使用する場合には、(1)化学機械研磨によって、剥がれやスクラッチと呼ばれる表面欠陥が被研磨面に発生すること、(2)微細配線構造を有するウエハを研磨する際、低誘電率絶縁膜の研磨速度が著しく高くなるため、平坦化された精度の高い仕上げ面を得ることができなくなること、(3)バリアメタル膜と低誘電率絶縁膜との密着性がよくないこと、などの理由から、二酸化ケイ素等からなるキャップ層と呼ばれる被覆膜を低誘電率絶縁膜の上層に形成する構造等が検討されている。
かかる構造における第2研磨工程では、上層のキャップ層を速やかに研磨除去して、下層の低誘電率絶縁膜の研磨速度を極力抑える必要がある。すなわち、キャップ層の研磨速度(RR1)と低誘電率絶縁膜の研磨速度(RR2)との関係が、RR1>RR2を満たすようにすることが要求されている。
一方、低誘電率絶縁膜の破壊や他の積層材料との界面剥離を防ぐために、研磨する際の印加圧力を下げてウエハにかかる摩擦力を低減させる方法がある。ところが、この方法では研磨する際の印加圧力を低減することにより研磨速度の低下をもたらすため、半導体装置の生産効率を著しく低下させてしまう。この課題を解決すべく特許文献3には、化学機械研磨用水系分散体中に水溶性高分子を含有させることにより、研磨速度を向上させることができる技術について記載されているが、この方法でも第2研磨工程における研磨速度が十分であるとは言えなかった。以上のように、低誘電率絶縁膜の損傷を防ぎつつ、バリアメタル膜およびキャップ層に対する高研磨速度ならびに高平坦化特性を備えた新たな化学機械研磨用水系分散体の開発が求められていた。
特開2001−308089号公報 特開2001−298023号公報 国際公開第2007/116770号パンフレット
本発明の目的は、低誘電率絶縁膜に対する研磨速度を低減すると共に、TEOS膜等の層間絶縁膜(キャップ層)に対する高研磨速度と高平坦化特性を両立させ、かつ、ディッシング、エロージョン、スクラッチないしファング等の表面欠陥の発生を抑制できる化学機械研磨用水系分散体、およびそれを用いた化学機械研磨方法を提供する。
前記「ファング」とは、本願発明が解決しようとする新たな課題である。以下、「ファング」について詳細に説明する。
本明細書において「ファング」とは、特に金属膜が銅または銅合金からなる場合において顕著に発生する現象であって、銅または銅合金の微細配線を含む領域と、銅または銅合金の微細配線を含まない領域(フィールド部分)との界面において、化学機械研磨により局所的にディッシングないしエロージョンが発生する研磨欠陥をいう。
ファングが発生する一要因として、銅または銅合金の微細配線を含む領域と、銅または銅合金の微細配線を含まない領域との界面において、化学機械研磨用水系分散体に含まれる成分が不均一に局在化し、界面近傍が過度に研磨されることが考えられる。例えば、化学機械研磨用水系分散体に含まれる砥粒成分が前記界面近傍に高い濃度で存在すると、該界面における研磨速度が局所的に増大し過度に研磨されてしまう。このように過度に研磨されると、平坦性不良が現れる。すなわち、これが「ファング」と呼ばれる研磨欠陥である。
ファングは、配線パターンにより多様な発生態様があるが、本願発明が解決しようとするファングの発生要因について、図1〜図4に示す被処理体100を一例として具体的に説明する。
被処理体100は、図1に示すように、基体10の上に、溝等の配線用凹部20が形成された絶縁膜12、絶縁膜12の表面ならびに配線用凹部20の底部および内壁面を覆うように設けられたバリアメタル膜14、配線用凹部20を充填し、かつバリアメタル膜14の上に形成された銅または銅合金からなる膜16が順次積層されて構成される。また、被処理体100は、銅または銅合金の微細配線を含む領域22と、銅または銅合金の微細配線を含まない領域24と、を含む。なお、微細配線を含む領域22では、図1に示すように銅または銅合金の凸部が形成されやすい。
図2は、バリアメタル膜14が表面に現れるまで、銅または銅合金からなる膜16を化学機械研磨により研磨した後の状態を示している。この段階では、まだファングは発生していない。
図3は、バリアメタル膜14を削り、絶縁膜12が表面に現れるまで化学機械研磨を行った後の状態を示している。バリアメタル膜14を化学機械研磨すると、銅または銅合金の微細配線を含む領域22と銅または銅合金の微細配線を含まない領域24との界面において、微細な傷26が発生することがある。
図4は、さらに化学機械研磨を行い、絶縁膜12を削り込んだ後の状態を示している。この段階において、微細な傷26は、溝状の傷ファング28となる。
このファングは、半導体装置として欠陥となることがあり、半導体装置製造の歩留まりを低下させてしまう観点から好ましくない。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、
(A)シリカ粒子と、
(B)有機酸と、
(C)非イオン性界面活性剤と、
を含有する化学機械研磨用水系分散体であって、前記(A)シリカ粒子は、下記の化学的性質を有することを特徴とする。
29Si−NMRスペクトルのシグナル面積から算出されるシラノール基数が、2.0〜3.0×1021個/gである。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記(C)非イオン性界面活性剤は、少なくとも1個のアセチレン基を有することができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記(C)非イオン性界面活性剤は、下記一般式(1)で示される化合物であることができる。
Figure 0005333743
(式中、mおよびnはそれぞれ独立に1以上の整数であり、m+n≦50を満たす。)
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記(B)有機酸は、2個以上のカルボキシル基を有する有機酸であることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記2個以上のカルボキシル基を有する有機酸は、酒石酸、フマル酸、マロン酸およびマレイン酸から選択される少なくとも1種であることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、さらに、前記(A)シリカ粒子は、下記の化学的性質を有することができる。
ICP発光分析法またはICP質量分析法による元素分析およびイオンクロマト法によるアンモニウムイオンの定量分析から測定されるナトリウム、カリウムおよびアンモニウムイオンの含有量が、ナトリウムの含有量:5〜500ppm、カリウムおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種の含有量:100〜20000ppmの関係を満たす。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記(A)シリカ粒子の長径(Rmax)と短径(Rmin)との比率(Rmax/Rmin)は、1.0〜1.5であることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記(A)シリカ粒子のBET法を用いて測定した比表面積から算出される平均粒径は、10nm〜100nmであることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、さらに、水溶性高分子を含有することができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、pHは、6〜12であることができる。
本発明に係る化学機械研磨方法は、上記の化学機械研磨用水系分散体を用いて、金属膜、バリアメタル膜および絶縁膜から選択される少なくとも1種を有する半導体装置の被研磨面を研磨することを特徴とする。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体の製造方法は、少なくとも(A)シリカ粒子と、(B)有機酸と、(C)非イオン性界面活性剤と、を混合して化学機械研磨用水系分散体を製造する方法であって、前記(A)シリカ粒子は、下記の化学的性質を有することを特徴とする。
29Si−NMRスペクトルのシグナル面積から算出されるシラノール基数が、2.0〜3.0×1021個/gである。
上記化学機械研磨用水系分散体によれば、低誘電率絶縁膜に対する研磨速度を低減すると共に、TEOS膜等の層間絶縁膜(キャップ層)に対する高研磨速度と高平坦化特性を両立させ、かつ、ディッシング、エロージョン、スクラッチないしファング等の表面欠陥の発生を抑制することができる。
ファングの発生過程を説明するための断面図である。 ファングの発生過程を説明するための断面図である。 ファングの発生過程を説明するための断面図である。 ファングの発生過程を説明するための断面図である。 シリカ粒子の長径および短径を模式的に示した概念図である。 シリカ粒子の長径および短径を模式的に示した概念図である。 シリカ粒子の長径および短径を模式的に示した概念図である。 本発明の化学機械研磨方法に用いられる被処理体を示した断面図である。 本発明の化学機械研磨方法の研磨工程を説明するための断面図である。 本発明の化学機械研磨方法の研磨工程を説明するための断面図である。 本発明の化学機械研磨方法の研磨工程を説明するための断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
1.化学機械研磨用水系分散体
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)シリカ粒子と、(B)有機酸と、(C)非イオン性界面活性剤と、を含有する化学機械研磨用水系分散体であって、前記(A)シリカ粒子は、「29Si−NMRスペクトルのシグナル面積から算出されるシラノール基数が、2.0〜3.0×1021個/gである。」という化学的性質を有する。まず、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体を構成する各成分について説明する。
1.1 (A)シリカ粒子
本実施形態におけるシリカ粒子の「シラノール基」とは、シリカ粒子のケイ素原子に直接結合したヒドロキシル基をいい、立体配置または立体配位については特に限定しない。また、シラノール基の生成条件等も問わない。
本実施形態における「シラノール基数」とは、シリカ粒子全体における単位質量当たりのシラノール基数であり、シリカ粒子の縮合度を表す指標である。シリカ粒子の縮合度はシリカ粒子の硬度と密接に関連するため、シラノール基数からシリカ粒子の硬度を推測することができる。シラノール基数は、29Si−NMRスペクトルのシグナル面積から算出することができる。
29Si−NMRスペクトルのシグナル面積から算出されるシラノール基数は、化学機械研磨用水系分散体中に含まれる種々の添加剤や水と接することのできるシリカ粒子表面に存在するシラノール基数と、接することのできないシリカ粒子内部に存在するシラノール基数と、を総合的に表すことのできる指標である。
シラノール基は、化学機械研磨用水系分散体中ではSiOHのHが解離してSiOの状態で安定して存在しているため、通常マイナスにチャージしている。これにより、シリカ粒子の電気的特性または化学的特性が発現する。シリカ粒子表面近傍の有機酸や水溶性高分子等の添加剤成分は、この電気的特性または化学的特性によりシリカ粒子に誘引あるいは排斥される。その結果、化学機械研磨用水系分散体中で添加剤成分がシリカ粒子の周囲で微小な濃度勾配を生じさせ、良好な研磨特性を実現するために最適な化学機械研磨用水系分散体を形成することができると考えられる。
本実施形態に用いられる(A)シリカ粒子の29Si−NMRスペクトルのシグナル面積から算出されるシラノール基数は2.0〜3.0×1021個/gであり、好ましくは2.1〜2.9×1021個/gである。
シラノール基数が前記範囲内であると、シリカ粒子全体のシラノール基が緻密であるためにシリカ粒子の機械的強度が向上し、十分な研磨速度が得られる。さらに、シリカ粒子表面に存在するシラノール基により発現する電気的特性または化学的特性は、シリカ粒子表面近傍に存在する有機酸や水溶性高分子を誘引あるいは排斥させる。その結果、化学機械研磨用水系分散体中で添加剤成分がシリカ粒子の周囲で微小な濃度勾配を生じさせ、良好な研磨特性を実現するために最適な化学機械研磨用水系分散体を形成することができるものと考えられる。これにより、上述した新たな課題である「ファング」の発生を抑制することもできる。さらに、シラノール基数が前記範囲内であると、化学機械研磨用水系分散体中においてシリカ粒子と他の添加剤との相互作用により適度に安定化され、シリカ粒子の分散安定性を確保でき、研磨の際に欠陥の原因となる凝集が発生しない。
シラノール基数が3.0×1021個/gを超えると、前記のようなバランスの取れた分散状態が得られないために不十分な研磨速度比や平坦化特性となるため好ましくないばかりでなく、バリアメタル膜に対する研磨速度が大きくなる傾向があり、エロージョンの発生を促進するため好ましくない。一方、シラノール基数が2.0×1021個/g未満であると、シリカ粒子の分散安定性に劣り、シリカ粒子が凝集し保存安定性が悪化するために好ましくない。また、機械的強度が大きすぎるためにディッシングの発生を促進したり、スクラッチ等の研磨欠陥の原因となる場合があり好ましくない。
(A)シリカ粒子の29Si−NMRスペクトルは、(A)シリカ粒子を含有する化学機械研磨用水系分散体、あるいは化学機械研磨用水系分散体から遠心分離や限外ろ過などの公知の方法により回収された(A)シリカ粒子成分、(A)シリカ粒子の分散体、(A)シリカ粒子を周知の方法で測定することにより得ることができる。シラノール基数は、前記のようにして得られた29Si−NMRスペクトルの29Siに由来するシグナル面積から下記式(2)により算出することができる。
(A)シリカ粒子の29Si−NMRスペクトルをピーク分離処理によってピーク分離し、テトラメチルシランのシリコン原子を0ppmとした場合のケミカルシフトが約−84ppmのピークをQ1と判断し、そのシグナル面積をa、約−92ppmのピークをQ2と判断し、そのシグナル面積をa、約−101ppmのピークをQ3と判断し、そのシグナル面積をa、約−111ppmのピークをQ4と判断し、シグナル面積をaとする。
一般的に、Q1は酸素原子に隣接するシリコン原子の配位数が1のシリコン原子に由来すると考えられており、組成式としてSiO1/2(OH)と表現でき、その式量は87.11g/molである。Q2は酸素原子に隣接するシリコン原子の配位数が2のシリコン原子に由来すると考えられており、組成式としてSiO(OH)と表現でき、その式量は78.10g/molである。Q3は酸素原子に隣接するシリコン原子の配位数が3のシリコン原子に由来すると考えられており、組成式としてSiO3/2(OH)と表現でき、その式量は69.09g/molである。Q4は酸素原子に隣接するシリコン原子の配位数が4のシリコン原子に由来すると考えられており、組成式としてSiOと表現でき、その式量は60.08g/molである。
シリカ粒子に含まれるシラノール基数は、シリコン原子の配位数、前記シグナル面積a、a、a、aおよびQ1、Q2、Q3、Q4成分の式量から、下記式(2)により算出することができる。
Figure 0005333743
ここで、Nはアボガドロ数:6.022×1023を表す。
本実施形態に用いられる(A)シリカ粒子は、ナトリウムを好ましくは5〜500ppm、より好ましくは10〜400ppm、特に好ましくは15〜300ppm含有することができる。さらに、カリウムおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種を100〜20000ppm含有することができる。前記(A)シリカ粒子がカリウムを含有する場合、カリウムの含有量は、好ましくは100〜20000ppm、より好ましくは500〜15000ppm、特に好ましくは1000〜10000ppmである。前記(A)シリカ粒子がアンモニウムイオンを含有する場合、アンモニウムイオンの含有量は、好ましくは100〜20000ppm、より好ましくは200〜10000ppm、特に好ましくは500〜8000ppmである。また、前記(A)シリカ粒子に含まれるカリウムあるいはアンモニウムイオンが前記範囲内にない場合でも、カリウムおよびアンモニウムイオンの含有量の合計が、100〜20000ppm、好ましくは500〜15000ppm、より好ましくは1000〜10000ppmの範囲内にあればよい。
ナトリウムが500ppmを超えると、研磨後のウエハ汚染が発生するため好ましくない。一方、ナトリウムを5ppm未満とするためには、イオン交換処理を複数回行う必要があり技術的困難を伴う。
カリウムおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種が20000ppmを超えると、シリカ粒子分散体のpHが高くなりすぎてシリカが溶解することがある。一方、カリウムおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種が100ppm未満であると、シリカ粒子の分散安定性が低下しシリカ粒子の凝集を引き起こすことにより、ウエハ上に欠陥が発生してしまうため好ましくない。
なお、上述したシリカ粒子に含有されるナトリウムの含有量およびカリウムの含有量は、ICP発光分析法(ICP−AES)またはICP質量分析法(ICP−MS)を用いて定量した値である。ICP発光分析装置として、例えば「ICPE−9000(島津製作所社製)」等を使用することができる。ICP質量分析装置として、例えば「ICPM−8500(島津製作所社製)」、「ELAN DRC PLUS(パーキンエルマー社製)」等を使用することができる。また、上述したシリカ粒子に含有されるアンモニウムイオンの含有量は、イオンクロマト法を用いて定量した値である。イオンクロマト法として、例えばノンサプレッサイオンクロマトグラフ「HIS−NS(島津製作所社製)」、「ICS−1000(DIONEX社製)」等を使用することができる。また、シリカ粒子に含有されるナトリウム、カリウムは、それぞれナトリウムイオン、カリウムイオンであってもよい。ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンの含有量を測定することで、シリカ粒子中に含有されるナトリウム、カリウム、アンモニウムイオンを定量することができる。なお、本明細書に記載されているナトリウム、カリウム、アンモニウムイオンの含有量は、シリカ粒子の重量に対するナトリウム、カリウム、アンモニウムイオンの重量である。
前記範囲内でナトリウムと、カリウムおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種とを含有することにより、化学機械研磨用水系分散体中でシリカ粒子が安定的に分散することが可能となり、研磨の際に欠陥の原因となるシリカ粒子の凝集が発生しない。また、前記範囲内であれば、研磨後のウエハの金属汚染を防ぐことができる。
シリカ粒子のBET法を用いて測定した比表面積から算出される平均粒径は、好ましくは10〜100nmであり、より好ましくは10〜90nmであり、特に好ましくは10〜80nmである。シリカ粒子の平均粒径が前記範囲内にあると、化学機械研磨用水系分散体としての保存安定性に優れ、欠陥のない平滑な研磨面を得ることができる。シリカ粒子の平均粒径が前記範囲未満であると、TEOS膜等の層間絶縁膜(キャップ層)に対する研磨速度が小さくなりすぎるため実用的ではない。一方、シリカ粒子の平均粒径が前記範囲を超えると、シリカ粒子の保存安定性に劣るため好ましくない。
シリカ粒子の平均粒径は、例えば、流動式比表面積自動測定装置「micrometrics FlowSorb II 2300(島津製作所社製)」により、BET法を用いて測定した比表面積から算出される。
以下に、シリカ粒子の比表面積から平均粒径を算出する方法について説明する。
シリカ粒子の形状を真球状であると仮定し、粒子の直径をd(nm)、比重をρ(g/cm)とすると、粒子n個の表面積Aは、A=nπdとなる。粒子n個の質量Nは、N=ρnπd/6となる。比表面積Sは、粉体の単位質量当たりの全構成粒子の表面積で表される。そうすると、粒子n個の比表面積Sは、S=A/N=6/ρdとなる。この式に、シリカ粒子の比重ρ=2.2を代入し、単位を換算すると、下記式(3)を導き出すことができる。
平均粒径(nm)=2727/S(m/g)…(3)
なお、本明細書中におけるシリカ粒子の平均粒径は、全て(3)式に基づいて計算している。
シリカ粒子の長径(Rmax)と短径(Rmin)の比率Rmax/Rminは1.0〜1.5、好ましくは1.0〜1.4、さらに好ましくは1.0〜1.3である。Rmax/Rminが前記範囲内であると金属膜や絶縁膜に欠陥を引き起こすことなく、高い研磨速度と高平坦化特性を発現できる。Rmax/Rminが1.5より大きいと研磨後の欠陥が発生し、好ましくない。
ここで、シリカ粒子の長径(Rmax)とは、透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子の像について、像の端部と端部を結んだ距離のうち最も長い距離を意味する。シリカ粒子の短径(Rmin)とは、透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子の像について、像の端部と端部を結んだ距離のうち最も短い距離を意味する。
例えば、図5に示すように透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子30aの像が楕円形状である場合、楕円形状の長軸aをシリカ粒子の長径(Rmax)と判断し、楕円形状の短軸bをシリカ粒子の短径(Rmin)と判断する。図6に示すように、透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子30bの像が2つの粒子の凝集体である場合、像の端部と端部を結んだ最も長い距離cをシリカ粒子の長径(Rmax)と判断し、像の端部と端部を結んだ最も短い距離dをシリカ粒子の短径(Rmin)と判断する。図7に示すように、透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子30cの像が3以上の粒子の凝集体である場合、像の端部と端部を結んだ最も長い距離eをシリカ粒子の長径(Rmax)と判断し、像の端部と端部を結んだ最も短い距離fをシリカ粒子の短径(Rmin)と判断する。
前記のような判断手法により、例えば、50個のシリカ粒子の長径(Rmax)と短径(Rmin)を測定し、長径(Rmax)と短径(Rmin)の平均値を算出したあと、長径と短径との比率(Rmax/Rmin)を計算して求めることができる。
前記(A)シリカ粒子の含有量は、使用時における化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは1〜20質量%であり、より好ましくは1〜15質量%であり、特に好ましくは1〜10質量%である。(A)シリカ粒子の含有量が前記範囲未満になると十分な研磨速度が得られず実用的ではない。一方、(A)シリカ粒子の含有量が前記範囲を超えるとコストが高くなるとともに安定した化学機械研磨用水系分散体を得られないことがある。
本実施形態に用いられる(A)シリカ粒子の作製方法は、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウムイオンの含有量が前記範囲内となるシリカ粒子が得られれば特に制限はなく、従来の公知の方法を適用することができる。例えば、特開2003−109921号公報や特開2006−80406号公報に記載のシリカ粒子分散液の製造方法に準じて作製することができる。
また、従来の公知の方法として、ケイ酸アルカリ水溶液からアルカリを除去することによりシリカ粒子を作製する方法がある。ケイ酸アルカリ水溶液としては、一般に水ガラスとして知られているケイ酸ナトリウム水溶液、ケイ酸アンモニウム水溶液、ケイ酸リチウム水溶液、ケイ酸カリウム水溶液等が挙げられる。また、ケイ酸アンモニウムとしては、水酸化アンモニウム、テトラメチルアンモニウム水酸化物からなるケイ酸塩が挙げられる。
以下に、本実施形態に用いられる(A)シリカ粒子の具体的な作製方法の一つについて説明する。シリカを20〜38質量%含み、SiO/NaOのモル比が2.0〜3.8であるケイ酸ナトリウム水溶液を水で希釈し、シリカ濃度が2〜5質量%の希釈ケイ酸ナトリウム水溶液とする。続いて、希釈ケイ酸ナトリウム水溶液を水素型陽イオン交換樹脂層に通過させ、ナトリウムイオンの大部分を除去した活性ケイ酸水溶液を生成させる。このケイ酸水溶液を撹拌下、pHを通常7〜9にアルカリで調整しながら熱熟成し、目的とする粒子径となるまで成長させコロイド状のシリカ粒子を生成する。この熱熟成中、さらに活性ケイ酸水溶液や小さい粒子のコロイダルシリカを少量ずつ添加することにより、例えば平均粒径が10〜100nmの範囲で目的とする粒子径のシリカ粒子を調製する。このようにして得られたシリカ粒子分散液を濃縮してシリカ濃度を20〜30質量%へ上げ、続いて再度水素型陽イオン交換樹脂層に通過させ、ナトリウムイオンのほとんどを除去しアルカリでpHを調整することにより、ナトリウムを5〜500ppm、カリウムおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種を100〜20000ppm含有するシリカ粒子を作製することができる。
また、(A)シリカ粒子に含まれるナトリウム、カリウム、アンモニウムイオンの含有量は、シリカ粒子を含む化学機械水系分散体を、遠心分離、限外濾過等、公知の方法によりシリカ成分を回収し、回収したシリカ成分中に含有されるナトリウム、カリウム、アンモニウムイオンを定量することにより算出することができる。したがって、化学機械研磨用水系分散体から前記の方法で回収したシリカ成分を公知の方法で分析することにより、本願発明の構成要件を充足していることを確認することもできる。
1.2 (B)有機酸
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(B)有機酸を含有する。(B)有機酸を添加することにより、銅膜上のスクラッチ等の金属膜の表面欠陥を低減することができる。
本実施形態に用いられる(B)有機酸としては、2個以上のカルボキシル基を有する有機酸であることが好ましい。2個以上のカルボキシル基を有する有機酸を添加することにより、銅膜に対する研磨速度を高めることができるだけでなくタンタル等のバリアメタル膜に対する研磨速度を高めることもできる。
また、2個以上のカルボキシル基を有する有機酸は、銅などの配線金属だけでなく、バリアメタル膜に使用される安定な多価イオンを生成する金属種に対しても高い配位能力を有するため、配線金属やバリアメタル膜の研磨により発生する多価イオンを安定化し、金属塩の析出を抑制することができる。これにより、被研磨面の表面荒れを抑制し高度な平坦性が得られるとともに、スクラッチ等の研磨欠陥を抑制することができる。一方で、2個以上のカルボキシル基を有する有機酸は被研磨面を化学的にエッチングする作用効果を奏し、上記のように金属塩の析出を抑制することにより、その作用効果をいかんなく発揮することが可能となる。さらに、このような有機酸を含有することで、前記(A)シリカ粒子の有するシラノール基と適度に相互作用することができ、研磨組成物中でのシリカ粒子の分散安定性を向上させることができる。
また、2個以上のカルボキシル基を有する有機酸を含有することで、研磨中に破砕されて(A)シリカ粒子から溶出するナトリウムイオン、カリウムイオンなどを効率良く捕捉することができ、被研磨物表面から効果的に除去することが可能となる。これに対して、1個のカルボキシル基を有するギ酸、酢酸、プロピオン酸などを添加してもこのような多価金属への高い配位能力は期待できず、バリアメタル膜に対する研磨速度を高めることは困難である。
さらに、本実施形態に用いられる(B)有機酸は、前記(A)シリカ粒子と組み合わせることで、シリカ粒子表面へ吸着するなどして粒子の分散安定性を高めることができると考えられる。その結果、粒子の保存安定性や、凝集した粒子が原因と推測されるスクラッチ数を大幅に抑制することが可能となる。
本実施形態に用いられる(B)有機酸として、例えば、酒石酸、フマル酸、フタル酸、マレイン酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、キノリン酸などが挙げられる。また、2個以上のカルボキシル基を有するグルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸が挙げられる。
2個以上のカルボキシル基を有する有機酸の1個目のカルボキシル基が解離するpKa値をpKa1とした場合、pKa1は4以下であることが好ましい。pKa1が4以下の有機酸を添加することにより、シリカ粒子の保存安定性を高めることができる。また、pKa1が4以下である有機酸は、研磨中に破砕されてシリカ粒子から溶出されるナトリウムイオンやカリウムイオンなどを効率良く捕捉することができ、被研磨面からナトリウムイオンやカリウムイオンを効果的に除去することができる。
以上の観点から、本実施形態に用いられる(B)有機酸は、好ましくは酒石酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸であり、より好ましくはマレイン酸である。なお、上記2個以上のカルボキシル基を有する有機酸を少なくとも1種含有していれば、本願発明の効果が得られる。したがって、本願発明では、その他の目的で2個以上のカルボキシル基を有する有機酸以外の有機酸を添加してもよい。
前記(B)有機酸の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.001〜3.0質量%、より好ましくは0.01〜2.0質量%である。(B)有機酸の含有量が前記範囲未満であると、銅膜上のスクラッチが多数発生するなどの表面欠陥を引き起こすことがある。一方、(B)有機酸の含有量が前記範囲を超えると、(A)シリカ粒子の凝集を引き起こし保存安定性が損なわれることがある。なお、前記(B)有機酸は1種単独で用いることができるが、2種以上を併用してもよい。
1.3 (C)非イオン性界面活性剤
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(C)非イオン性界面活性剤を含有する。(C)非イオン性界面活性剤を添加することにより、層間絶縁膜に対する研磨速度をコントロールすることができる。すなわち、低誘電率絶縁膜に対する研磨速度を抑制し、TEOS膜などのキャップ層に対する研磨速度を大きくすることができる。
(C)非イオン性界面活性剤としては、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物、アセチレンアルコールなど少なくとも1個のアセチレン基を有する非イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アルキルエーテル系界面活性剤、ポリビニルアルコール、シクロデキストリン、ポリビニルメチルエーテル、およびヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。前記例示した(C)非イオン性界面活性剤は1種単独で用いることができるが、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、少なくとも1個のアセチレン基を有する非イオン性界面活性剤であることが好ましく、下記一般式(1)で示される非イオン性界面活性剤であることがより好ましい。
Figure 0005333743
(式中、mおよびnはそれぞれ独立に1以上の整数であり、m+n≦50を満たす。)
上記一般式(1)において、エチレンオキサイドの付加モル数を表すmおよびnをコントロールすることによって、親水親油バランス(HLB)を調整することができる。上記一般式(1)において、mおよびnは、好ましくは20≦m+n≦50であり、より好ましくは20≦m+n≦40である。
上記一般式(1)で示される非イオン性界面活性剤の市販品として、例えば、サーフィノール440(HLB値=8)、サーフィノール465(HLB値=13)、サーフィノール485(HLB値=17)(以上、エアープロダクツジャパン社製)が挙げられる。
本実施形態で用いられる非イオン性界面活性剤のHLB値は、好ましくは5〜20であり、より好ましくは8〜17である。HLB値が5よりも小さいと、水への溶解度が小さすぎるため使用に適さないことがある。
また、一般的に、化学機械研磨用水系分散体にナトリウムやカリウムの含有量が多いシリカ粒子を使用すると、研磨後の洗浄操作によってもシリカ粒子に由来するナトリウムやカリウムが被研磨物表面に残留し、デバイスの電気特性を悪化させる原因となると考えられており、その使用は避けられてきた。しかしながら、非イオン性界面活性剤のHLB値にも依存するが、本実施形態に用いられる(C)非イオン性界面活性剤は、比較的高い疎水性を有する低誘電率絶縁膜の表面に、イオン性界面活性剤等よりも容易に吸着する傾向があると推測される。その結果、研磨中に破砕されてシリカ粒子から溶出するナトリウムイオンやカリウムイオンの低誘電率絶縁膜への吸着を抑制することができ、洗浄により容易に被研磨物表面からナトリウムやカリウムを除去することが可能となる。さらに吸着した(C)非イオン性界面活性剤は、分子極性が小さいために洗浄操作により容易に除去可能であることから被研磨物表面へ残留してデバイスの電気特性を悪化させることもない。
本実施形態に用いられる(A)シリカ粒子は、被研磨物との親和性が高いため、機械的強度の低い低誘電率絶縁膜を過剰に研磨してしまうことがある。一方、(C)非イオン性界面活性剤は、上記のとおり低誘電率絶縁膜の表面に容易に吸着するため、低誘電率絶縁膜を効果的に保護することができる。よって、(A)シリカ粒子と(C)非イオン性界面活性剤を併用することにより、低誘電率絶縁膜の過剰研磨を防ぎつつ、良好な平坦性と研磨速度を両立させることができるものと考えられる。
(C)非イオン性界面活性剤の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.001〜1.0質量%、より好ましくは0.005〜0.5質量%である。(C)非イオン性界面活性剤の含有量が前記範囲内にあると、適度な研磨速度と良好な被研磨面との両立を達成することができる。
1.4 その他の添加剤
1.4.1 酸化剤
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、必要に応じて酸化剤を含有することができる。酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、硝酸第二鉄、硝酸二アンモニウムセリウム、硫酸鉄、オゾン、次亜塩素酸とその塩、過ヨウ素酸カリウム、過酢酸などが挙げられる。これらの酸化剤は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの酸化剤のうち、酸化力、保護膜との相性、および取り扱いやすさなどの観点から、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、および過酸化水素が特に好ましい。酸化剤の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.08〜3質量%である。酸化剤の含有量が前記範囲未満の場合には、十分な研磨速度を確保できないことがあり、一方、前記範囲を超えると、銅膜のディッシングやエロージョンが大きくなるおそれがある。
1.4.2 水溶性高分子
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、必要に応じて水溶性高分子を含有することができる。水溶性高分子を添加することにより、銅膜のディッシングやコロージョンの発生を効果的に抑制することができる。
前記水溶性高分子は、銅膜表面に配位して効果的に保護することができる。これにより、(A)シリカ粒子が銅膜表面に過剰吸着するのを防ぎ、銅膜に対する研磨速度を制御できる。また、前記水溶性高分子がシリカ粒子の被研磨面への吸着を抑制するため、研磨完了後には洗浄により容易に被研磨物の表面からシリカ粒子を除去することが可能となる。さらに、前記水溶性高分子は洗浄操作により容易に除去可能であることから、被研磨面に残留してデバイスの電気特性を悪化させることもない。
前記水溶性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらの水溶性高分子のうち、繰り返し単位中にカルボキシル基を有するポリメタクリル酸およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、またはこれらの誘導体であることが好ましい。ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸は、(A)シリカ粒子の安定性に影響を与えない点でより好ましい。ポリアクリル酸は、本実施形態に係る化学機械研磨水系分散体に適切な粘性を付与できるため、特に好ましい。
前記水溶性高分子の重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定されたポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)を適用できる。前記水溶性高分子の重量平均分子量(Mw)は5万以上500万以下であればよいが、好ましくは20万以上500万以下、より好ましくは20万以上150万以下である。重量平均分子量が前記範囲内にあると、研磨摩擦を大幅に低減できるため銅膜のディッシングやエロージョンの発生を抑制することができる。重量平均分子量が前記下限より小さいと研磨摩擦の低減効果が小さく、銅膜のディッシングやエロージョンの抑制効果に劣る。一方、重量平均分子量が前記上限より大きいとシリカ粒子の保存安定性が損なわれることがあり、また、化学機械研磨用水系分散体の粘度が過度に上昇して、研磨液供給装置に負荷がかかるなどの問題が生じることがある。
前記水溶性高分子の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.001〜1.0質量%であり、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。水溶性高分子の含有量が前記範囲未満であると、研磨摩擦の低減効果が小さく、銅膜のディッシングやエロージョンの抑制効果に劣る。一方、水溶性高分子の含有量が前記範囲を超えると、(A)シリカ粒子の凝集を引き起こすことがある。
前記水溶性高分子の種類、重量平均分子量、含有量を適宜調整することにより、銅膜、バリアメタル膜、絶縁膜等の種々の材質から構成される被研磨面の研磨速度バランスを最適の状態へと導くことができ、スクラッチやコロージョン等の表面欠陥を抑制して平坦性を向上させることができる。
1.4.3 界面活性剤
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、必要に応じて前記(C)非イオン性界面活性剤以外の他の界面活性剤を含有することができる。他の界面活性剤としては、アニオン界面活性剤またはカチオン界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤またはカチオン界面活性剤を添加することにより、銅膜に対する研磨速度をコントロールすることができる。
前記アニオン界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などが挙げられる。カルボン酸塩としては、例えば、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩などが挙げられる。スルホン酸塩としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などが挙げられる。硫酸エステル塩としては、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩などが挙げられる。リン酸エステル塩としては、例えば、アルキルリン酸エステル塩などが挙げられる。
前記カチオン界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩および脂肪族アンモニウム塩などが挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
界面活性剤の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.001〜1.0質量%、より好ましくは0.005〜0.5質量%である。界面活性剤の含有量が前記範囲内にあると、適度な研磨速度と良好な被研磨面との両立を達成することができる。
1.4.4 含窒素複素環およびカルボキシル基を有する有機酸
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、任意成分として含窒素複素環およびカルボキシル基を有する有機酸を含有することができる。前記含窒素複素環およびカルボキシル基を有する有機酸は、特に銅イオンと配位結合を形成しやすい性質があり、被研磨面たる銅膜の表面に配位結合を形成する。これにより、銅膜の表面荒れを抑制し高い平坦性を維持しつつ、銅および銅イオンとの親和性を高め、銅膜に対する研磨速度を促進させることができる。含窒素複素環およびカルボキシル基を有する有機酸として、例えば少なくとも1個の窒素原子を有する複素六員環を含む有機酸、複素五員環からなるヘテロ化合物を含む有機酸等が挙げられる。より具体的には、キナルジン酸、キノリン酸、キノリン−8−カルボン酸、ピコリン酸、キサンツレン酸、キヌレン酸、ニコチン酸、インドールカルボン酸およびアントラニル酸等が挙げられる。
前記含窒素複素環およびカルボキシル基を有する有機酸の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.001〜3.0質量%、より好ましくは0.01〜2.0質量%である。含窒素複素環およびカルボキシル基を有する有機酸の含有量が前記範囲未満であると、銅膜のディッシングを引き起こすおそれがある。一方、含窒素複素環およびカルボキシル基を有する有機酸の含有量が前記範囲を超えると、シリカ粒子が凝集するおそれがある。
1.5 pH
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体のpHは、好ましくは6〜12、より好ましくは7〜11.5、特に好ましくは8〜11である。pHが6未満であると、(A)シリカ粒子の表面に存在するシラノール基同士の水素結合を切ることができず、シリカ粒子の凝集を引き起こすことがある。一方、pHが12よりも大きいと、塩基性が強すぎるためウエハの欠陥を引き起こすことがある。pHを調整するための手段としては、例えば、水酸化カリウム、アンモニア、エチレンジアミン、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)等の塩基性塩に代表されるpH調整剤を添加することによりpHを調整することができる。
1.6 化学機械研磨用水系分散体の製造方法
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、純水に直接(A)シリカ粒子、(B)有機酸、(C)非イオン性界面活性剤およびその他の添加剤を添加して混合・撹拌することにより調製することができる。このようにして得られた化学機械研磨用水系分散体をそのまま使用してもよいが、各成分を高濃度で含有する(濃縮された)化学機械研磨用水系分散体を調製し、使用時に所望の濃度に希釈して使用してもよい。
また、前記成分のいずれかを含む複数の液(例えば、2つまたは3つの液)を調製し、これらを使用時に混合して使用することもできる。この場合、複数の液を混合して化学機械研磨用水系分散体を調製した後、これを化学機械研磨装置に供給してもよいし、複数の液を個別に化学機械研磨装置に供給して定盤上で化学機械研磨用水系分散体を形成してもよい。
具体例として、少なくとも水および(A)シリカ粒子を含む水系分散体である液(I)、少なくとも水、(B)有機酸および(C)非イオン性界面活性剤を含む液(II)からなり、これらの液を混合して前記化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットが挙げられる。
前記液(I)および(II)における各成分の濃度は、これらの液を混合して最終的に調製される化学機械研磨用水系分散体中の各成分の濃度が前記範囲内であれば特に限定されない。例えば、各成分を化学機械研磨用水系分散体の濃度よりも高濃度で含有する液(I)および(II)を調製し、使用時に、必要に応じて液(I)および(II)を希釈して、これらを混合し、各成分の濃度が前期範囲にある化学機械研磨用水系分散体を調製する。具体的には、前記液(I)と(II)とを1:1の重量比で混合する場合には、化学機械研磨用水系分散体の濃度の2倍の濃度の液(I)および(II)を調製すればよい。また、化学機械研磨用水系分散体の濃度の2倍以上の濃度の液(I)および(II)を調製し、これらを1:1の重量比で混合した後、各成分が前記範囲となるように水で希釈してもよい。以上のように、液(I)と液(II)とを別々に調製することにより、化学機械研磨用水系分散体の保存安定性を向上させることができる。
前記のキットを使用する場合、研磨時に前記化学機械研磨用水系分散体が形成されていれば、液(I)と液(II)との混合の方法およびタイミングは特に限定されない。例えば、液(I)と液(II)とを混合して前記化学機械研磨用水系分散体を調製した後、これを化学機械研磨装置に供給してもよいし、液(I)と液(II)とを独立して化学機械研磨装置に供給し、定盤上で混合してもよい。あるいは、液(I)と液(II)とを独立して化学機械研磨装置に供給し、装置内でライン混合してもよいし、化学機械研磨装置に混合タンクを設けて、混合タンク内で混合してもよい。また、ライン混合の際には、より均一な水系分散体を得るために、ラインミキサー等を用いてもよい。
2.化学機械研磨方法
本実施形態に係る化学機械研磨方法の一具体例について、図面を用いて詳細に説明する。
2.1 被処理体
図8に、本実施形態に係る化学機械研磨方法に用いられる被処理体200を示す。
(1)まず、低誘電率絶縁膜40を塗布法またはプラズマCVD法により形成する。低誘電率絶縁膜40として、無機絶縁膜および有機絶縁膜が挙げられる。無機絶縁膜としては、例えば、SiOF膜(k=3.5〜3.7)、Si−H含有SiO膜(k=2.8〜3.0)などが挙げられる。有機絶縁膜としては、カーボン含有SiO膜(k=2.7〜2.9)、メチル基含有SiO膜(k=2.7〜2.9)、ポリイミド系膜(k=3.0〜3.5)、パリレン系膜(k=2.7〜3.0)、テフロン(登録商標)系膜(k=2.0〜2.4)、アモルファスカーボン(k=<2.5)などが挙げられる(上記のkは誘電率を表す。)。
(2)低誘電率絶縁膜40の上に、CVD法または熱酸化法を用いて絶縁膜50を形成する。絶縁膜50として、例えば、TEOS膜などが挙げられる。
(3)低誘電率絶縁膜40および絶縁膜50を連通するようにエッチングして配線用凹部60を形成する。
(4)CVD法を用いて絶縁膜50の表面ならびに配線用凹部60の底部および内壁面を覆うようにバリアメタル膜70を形成する。バリアメタル膜70は、銅膜との接着性および銅膜に対する拡散バリア性に優れる観点から、TaまたはTaNであることが好ましいが、これに限らずTi、TiN、Co、Mn、Ru等であってもよい。
(5)バリアメタル膜70の上に銅を堆積させて銅膜80を形成することにより、被処理体200が得られる。
2.2 化学機械研磨方法
(1)まず、被処理体200のバリアメタル膜70の上に堆積した銅膜80を除去するために、銅膜用の化学機械研磨用水系分散体を用いて化学機械研磨を行う。図9に示すように、バリアメタル膜70が表出した時点で化学機械研磨をストップさせる。
(2)次いで、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体を用いて、バリアメタル膜70および銅膜80を同時に化学機械研磨する。図10に示すように、絶縁膜50が表出した後も、なお引き続き化学機械研磨を進めて絶縁膜50を除去する。図11に示すように、低誘電率絶縁膜40が表出した時点で化学機械研磨をストップさせることにより、半導体装置90が得られる。本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、低誘電率絶縁膜に対する研磨速度が小さいため、低誘電率絶縁膜を過剰に研磨することなく容易に研磨をストップさせることができる。
本実施形態に係る化学機械研磨方法では、市販の化学機械研磨装置を用いることができる。市販の化学機械研磨装置として、例えば、荏原製作所社製、型式「EPO−112」、「EPO−222」;ラップマスターSFT社製、型式「LGP−510」、「LGP−552」;アプライドマテリアル社製、型式「Mirra」等が挙げられる。
好ましい研磨条件としては、使用する化学機械研磨装置により適宜設定されるべきであるが、例えば化学機械研磨装置として「EPO−112」を使用する場合には下記の条件とすることができる。
・定盤回転数;好ましくは30〜120rpm、より好ましくは40〜100rpm
・ヘッド回転数;好ましくは30〜120rpm、より好ましくは40〜100rpm
・定盤回転数/ヘッド回転数比;好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.7〜1.5
・研磨圧力;好ましくは60〜200gf/cm、より好ましくは100〜150gf/cm
・化学機械研磨用水系分散体供給速度;好ましくは50〜300mL/分、より好ましくは100〜200mL/分
3.実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
3.1 シリカ粒子分散体の作製
3号水硝子(シリカ濃度24質量%)を水で希釈し、シリカ濃度3.0質量%の希釈ケイ酸ナトリウム水溶液とした。この希釈ケイ酸ナトリウム水溶液を、水素型陽イオン交換樹脂層を通過させ、ナトリウムイオンの大部分を除去したpH3.1の活性ケイ酸水溶液とした。その後、すぐに撹拌下10質量%水酸化カリウム水溶液を加えてpHを7.2に調整し、さらに続けて加熱し沸騰させて3時間熱熟成した。得られた水溶液に、先にpHを7.2に調整した活性ケイ酸水溶液の10倍量を6時間かけ少量ずつ添加し、シリカ粒子の平均粒径を26nmに成長させた。
次に、前記シリカ粒子を含有する分散体水溶液を減圧濃縮(沸点78℃)し、シリカ濃度:32.0質量%、シリカの平均粒径:26nm、pH:9.8であるシリカ粒子分散体を得た。このシリカ粒子分散体を、再度水素型陽イオン交換樹脂層を通過させ、ナトリウムの大部分を除去した後、10質量%の水酸化カリウム水溶液を加え、シリカ粒子濃度:28.0質量%、pH:10.0であるシリカ粒子分散体Aを得た。
得られたシリカ粒子分散体Aを、ブルカー社製「固体測定用核磁気共鳴分光計 AVANCE300」を用いて、DD−MAS法により29Si−NMRスペクトル測定を行い、ピーク分離ソフトWinFitを用いてピーク分離し、Q1、Q2、Q3、Q4状態のシリコンのシグナル面積比を求めて、上記一般式(2)にしたがってシラノール基数を算出したところ、2.3×1021個/gであった。
シリカ粒子分散体Aから遠心分離によりシリカ粒子を回収し、希フッ化水素酸で回収されたシリカ粒子を溶解し、ICP−MS(パーキンエルマー社製、型番「ELAN DRC PLUS」)を用いてナトリウムおよびカリウムを測定した。さらに、イオンクロマトグラフィー(DIONEX社製、型番「ICS−1000」)を用いてアンモニウムイオンを測定した。その結果、ナトリウム含有量:88ppm、カリウム含有量:5500ppm、アンモニウムイオン含有量:5ppmであった。
シリカ粒子分散体Aをイオン交換水にて0.01%に希釈し、メッシュサイズが150μmのCuグリットを有するコロジオン膜に1滴載せ、室温にて乾燥した。こうして、Cuグリット上に粒子形状を崩さないように観察用のサンプルを調製した後、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、「H−7650」)を用いて撮影倍率20000倍にて粒子の画像を撮影し、50個のコロイダルシリカ粒子の長径および短径を測定し、その平均値を算出した。長径の平均値(Rmax)および短径の平均値(Rmin)から、その比率(Rmax/Rmin)を算出したところ1.1であった。
BET法を用いて測定した比表面積から算出した平均粒径は、26nmであった。なお、BET法によるコロイダルシリカ粒子の表面積測定では、シリカ粒子分散体Aを濃縮・乾固して回収されたシリカ粒子を測定した値を用いた。
シリカ粒子分散体B〜D、Fは、熱熟成の時間、塩基性化合物の種類および添加量などをコントロールしながら上記と同様の方法により得たものである。
シリカ粒子分散体Eは、下記の方法により作製した。まず、扶桑化学工業社製の高純度コロイダルシリカ(品番:PL−2;固形分濃度20質量%、pH7.4、二次粒子径66nm)35kgとイオン交換水140kgを40Lオートクレーブに投入し、160℃で3時間、0.5MPaの加圧下で水熱処理を行った。次に、前記シリカ粒子を含有する分散体水溶液を沸点78℃で減圧濃縮し、シリカ濃度が固形分濃度20質量%、二次粒子径62nm、pHが7.5であるシリカ粒子分散体Eを得た。得られたシリカ粒子分散体Eをブルカー社製「固体測定用核磁気共鳴分光計 AVANCE300」を用いてDD−MAS法で29Si−NMRスペクトル測定を行い、ピーク分離ソフトWinFitを用いてピーク分離し、Q1、Q2、Q3、Q4状態のシリコンのシグナル面積比を求めて、上記一般式(2)にしたがってシラノール基数を算出したところ、2.9×1021個/gであった。
シリカ粒子分散体Gは、テトラエトキシシランを原料とし、ゾルゲル法を用いて公知の方法により作製した。
シリカ粒子分散体Hは、上記のシリカ粒子分散体Aの作製方法と同様の方法により分散体を得た後、さらに水熱処理(前記のシリカ粒子分散体Aの作製において、オートクレーブ処理をさらに長時間行い、シラノール縮合を進めた)を行って作製した。
表1に作製したシリカ粒子分散体A〜Hの物性値についてまとめた。
Figure 0005333743
3.2 水溶性高分子の合成
3.2.1 ポリビニルピロリドン水溶液の調製
フラスコに、N−ビニル−2−ピロリドン60g、水240g、10質量%の亜硫酸ナトリウム水溶液0.3gおよび10質量%のt−ブチルヒドロパーオキシド水溶液0.3gを添加し60℃窒素雰囲気下で5時間撹拌することによりポリビニルピロリドン(K30)を生成させた。得られたポリビニルピロリドン(K30)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、装置型番「HLC−8120」、カラム型番「TSK−GEL α−M」、溶離液はNaCl水溶液/アセトニトリル)にて測定した結果、ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)は4万であった。また、モノマーの仕込み量より計算されるアミノ基の量は0モル/gであり、カチオン性官能基の量は0モル/gであった。
3.2.2 ポリアクリル酸
イオン交換水1000gおよび5質量%過硫酸アンモニウム水溶液1gを仕込んだ内容積2リットルの容器中に、20質量%のアクリル酸水溶液500gを70℃還流下で撹拌しながら8時間かけて均等に滴下した。滴下終了後、更に2時間還流下で保持することにより、ポリアクリル酸を含む水溶液を得た。得られたポリアクリル酸をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、装置型番「HLC−8120」、カラム型番「TSK−GEL α−M」、溶離液はNaCl水溶液/アセトニトリル)にて測定した結果、ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)は100万であった。
また、上記成分の添加量、反応温度、および反応時間を適宜調整することにより、重量平均分子量(Mw)20万のポリアクリル酸を得た。
3.3 化学機械研磨用水系分散体の調製
イオン交換水50質量部、シリカに換算して5質量部を含有するシリカ粒子分散体Aをポリエチレン製の瓶に入れ、これにマロン酸を1質量部、キナルジン酸を0.2質量部、アセチレンジオール型ノニオン系界面活性剤(商品名「サーフィノール465」、エアープロダクツジャパン社製)を0.1質量部、ポリアクリル酸水溶液(重量平均分子量20万)をポリマー量に換算して0.05質量部に相当する量を添加し、さらに10質量%の水酸化カリウム水溶液を添加して化学機械研磨用水系分散体のpHを10.0に調整した。次いで、30質量%の過酸化水素水を過酸化水素に換算して0.05質量部に相当する量を添加し、15分間撹拌した。最後に、全成分の合計量が100質量部となるようにイオン交換水を加えた後、孔径5μmのフィルターでろ過することにより、pHが10.0の化学機械研磨用水系分散体S1を得た。
化学機械研磨用水系分散体S1から遠心分離によりシリカ粒子を回収し、ブルカー社製「固体測定用核磁気共鳴分光計 AVANCE300」を用いてDD−MAS法で29Si−NMRスペクトル測定を行い、ピーク分離ソフトWinFitを用いてピーク分離し、Q1、Q2、Q3、Q4状態のシリコンのシグナル面積比を求めて、上記一般式(2)にしたがってシラノール基数を算出したところ、2.3×1021個/gであった。この結果より、化学機械研磨用水系分散体からシリカ粒子を回収してもシリカ粒子中のシラノール基数を定量することができ、シリカ粒子分散体と同様の結果が得られることがわかった。
化学機械研磨用水系分散体S1から遠心分離によりシリカ粒子を回収し、希フッ化水素酸で回収されたシリカ粒子を溶解し、ICP−MS(パーキンエルマー社製、型番「ELAN DRC PLUS」)を用いてナトリウムおよびカリウムを測定した。さらに、イオンクロマトグラフィー(DIONEX社製、型番「ICS−1000」)を用いてアンモニウムイオンを測定した。その結果、ナトリウム含有量:88ppm、カリウム含有量:5500ppm、アンモニウムイオン含有量:5ppmであった。この結果より、化学機械研磨用水系分散体からシリカ粒子を回収してもシリカ粒子に含有されるナトリウム、カリウム、およびアンモニウムイオンを定量することができ、シリカ粒子分散体Aと同様の結果が得られることがわかった。
化学機械研磨用水系分散体S2〜S12は、シリカ粒子分散体、有機酸、水溶性高分子、界面活性剤、酸化剤の種類および含有量を表2〜表3に記載のとおりに変更したこと以外は、上記の化学機械研磨用水系分散体S1と同様にして作製した。
表2〜表3において、「サーフィノール465」、「サーフィノール485」(以上、エアープロダクツジャパン社製)は、共に2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール−ジポリオキシエチレンエーテルであるが、ポリオキシエチレン付加モル数が異なるものである。「サーフィノール465」のHLB値は13であり、「サーフィノール485」のHLB値は17である。「エマルゲン120」(花王社製)は、ポリオキシエチレンラウリルエーテルであり、そのHLB値は15.3である。
得られた化学機械研磨用水系分散体S1〜S12を100ccのガラス管に入れ、25℃で6ヶ月静置保管し沈降の有無を目視により確認した。結果を表2〜表3に示す。表2〜表3において、粒子の沈降および濃淡差が認められない場合を「○」、濃淡差のみが認められた場合を「△」、粒子の沈降および濃淡差のいずれも認められた場合を「×」と評価した。
Figure 0005333743
Figure 0005333743
3.4 化学機械研磨試験
化学機械研磨装置(荏原製作所社製、型式「EPO112」)に多孔質ポリウレタン製研磨パッド(ニッタ・ハース社製、品番「IC1000」)を装着し、化学機械研磨用水系分散体S1〜S12のいずれか1種を供給しながら、下記の各種研磨速度測定用基板につき、下記の研磨条件にて1分間研磨処理を行い、下記の手法によって研磨速度、ウエハ汚染を評価した。その結果を表2〜表3に併せて示す。
3.4.1 パターンなし基板の研磨評価
3.4.1a 研磨速度の測定
(1)研磨速度測定用基板
・膜厚15,000オングストロームの銅膜が積層された8インチ熱酸化膜付きシリコン基板。
・膜厚2,000オングストロームのタンタル膜が積層された8インチ熱酸化膜付きシリコン基板。
・膜厚10,000オングストロームの低誘電率絶縁膜(アプライド・マテリアルズ社製、商品名「Black Diamond」)が積層された8インチシリコン基板。
・膜厚10,000オングストロームのPETEOS膜が積層された8インチシリコン基板。
(2)研磨条件
・ヘッド回転数:70rpm
・ヘッド荷重:200gf/cm
・テーブル回転数:70rpm
・化学機械研磨水系分散体の供給速度:200mL/分
この場合における化学機械研磨用水系分散体の供給速度とは、全供給液の供給量の合計を単位時間当たりで割り付けた値をいう。
(3)研磨速度の算出方法
銅膜およびタンタル膜については、電気伝導式膜厚測定器(KLAテンコール社製、形式「オムニマップRS75」)を用いて、研磨処理後の膜厚を測定し、化学機械研磨により減少した膜厚および研磨時間から研磨速度を算出した。
PETEOS膜および低誘電率絶縁膜については、光干渉式膜厚測定器(ナノメトリクス・ジャパン社製、型式「Nanospec6100」)を用いて、研磨処理後の膜厚を測定し、化学機械研磨により減少した膜厚および研磨時間から研磨速度を算出した。
3.4.1b ウエハ汚染
前記「3.4.1a 研磨速度の測定」と同様にして、PETEOS膜および低誘電率絶縁膜を研磨処理した。PETEOS膜については、基板を気相分解処理し、表面に希フッ化水素酸を滴下して表面酸化膜を溶解した後、その溶解した液をICP−MS(パーキンエルマー社製、型番「ELAN DRC PLUS」)にて定量した。低誘電率絶縁膜については、基板表面に超純水を滴下し、低誘電率絶縁膜表面の残留金属を抽出した後、抽出液をICP−MS(横河アナリティカルシステムズ社製、型番「Agilent7500s」)にて定量した。ウエハ汚染は、3.0atom/cm以下であることが好ましく、2.5atom/cm以下であることがより好ましい。
3.4.2 パターン付きウエハの研磨評価
化学機械研磨装置(荏原製作所社製、型式「EPO112」)に多孔質ポリウレタン製研磨パッド(ニッタ・ハース社製、品番「IC1000」)を装着し、化学機械研磨用水系分散体S1〜S12のいずれか1種を供給しながら、下記のパターン付きウエハにつき、下記の研磨条件にて研磨処理を行い、下記の手法によって平坦性、欠陥の有無を評価した。その結果を表2〜表3に併せて示す。
(1)パターン付きウエハ
シリコン基板上にシリコン窒化膜1,000オングストロームを堆積させ、その上に低誘電率絶縁膜(Black Diamond膜)を4,500オングストローム、更にPETEOS膜を500オングストローム順次積層させた後、「SEMATECH 854」マスクパターン加工し、その上に250オングストロームのタンタル膜、1,000オングストロームの銅シード膜および10,000オングストロームの銅メッキ膜を順次積層させたテスト用の基板を用いた。
(2)第1の研磨処理工程の研磨条件
・第1の研磨処理工程用の化学機械研磨用水系分散体としては、「CMS7401」、「CMS7452」(いずれもJSR(株)製)、イオン交換水、および4質量%過硫酸アンモニウム水溶液を質量比1:1:2:4の割合で混合したものを用いた。
・ヘッド回転数:70rpm
・ヘッド荷重:200gf/cm
・テーブル回転数:70rpm
・化学機械研磨水系分散体の供給速度:200mL/分
この場合における化学機械研磨用水系分散体の供給速度とは、全供給液の供給量の合計を単位時間当たりで割り付けた値をいう。
・研磨時間:2.75分
(3)第2の研磨処理工程の研磨条件
・第2の研磨処理工程用の水系分散体としては、化学機械研磨用水系分散体S1〜S12を用いた。
・ヘッド回転数:70rpm
・ヘッド荷重:200gf/cm
・テーブル回転数:70rpm
・化学機械研磨水系分散体の供給速度:200mL/分
この場合における化学機械研磨用水系分散体の供給速度とは、全供給液の供給量の合計を単位時間当たりで割り付けた値をいう。
・研磨時間:被研磨面からPETEOS膜が除去される時点から、さらに30秒研磨を行った時点を研磨終点とし、表2〜表3に「パターン付きウエハ研磨時間」として記載した。
3.4.2a 平坦性評価
第2の研磨処理工程後のパターン付きウエハの被研磨面につき、高解像度プロファイラー(KLAテンコール社製、形式「HRP240ETCH」)を用いて、銅配線幅(ライン、L)/絶縁膜幅(スペース、S)がそれぞれ100μm/100μmの銅配線部分におけるディッシング量(nm)を測定した。その結果を表2〜表3に併せて示す。なお、ディッシング量は、銅配線上面が基準面(絶縁膜上面)よりも上に凸である場合はマイナスで表示した。ディッシング量は、−5〜30nmであることが好ましく、−2〜20nmであることがより好ましい。
第2の研磨処理工程後のパターン付きウエハの被研磨面につき、銅配線幅(ライン、L)/絶縁膜幅(スペース、S)がそれぞれ9μm/1μmのパターンにおける微細配線長が1000μm連続した部分におけるエロージョン量(nm)を測定した。その結果を表2〜表3に併せて示す。なお、エロージョン量は、銅配線上面が基準面(絶縁膜上面)よりも上に凸である場合はマイナスで表示した。エロージョン量は、−5〜30nmであることが好ましく、−2〜20nmであることがより好ましい。
3.4.2b 欠陥評価
第2の研磨処理工程後のパターン付きウエハの被研磨面につき、100μm配線パターン部分のファングを触針式段差計(KLAテンコール社製、形式「HRP240」)を使用して評価した。なお、「ファング」の評価は、ウエハの絶縁膜またはバリアメタル膜と配線部分の界面に形成される絶縁膜またはバリアメタル膜のえぐれについて行った。このファングが小さいほど配線部の平坦化性能が優れていることを表し、ファングは0〜30nmであることが好ましく、0〜25nmであることがより好ましい。
また、第2の研磨処理工程後のパターン付きウエハの被研磨面を、欠陥検査装置(KLAテンコール社製、形式「2351」)を使用して研磨傷(スクラッチ)の数を測定した。表2〜表3において、ウエハ一枚あたりのスクラッチ個数を「個/ウエハ」という単位を付して記す。スクラッチ個数は、100個/ウエハ以下であることが好ましい。
3.4.3 評価結果
実施例1〜5では、研磨速度測定用基板の研磨試験において、PETEOS膜に対する研磨速度が550オングストローム/分以上と十分高く、低誘電率絶縁膜に対する研磨速度が130オングストローム/分以下と低かった。また、パターン付きウエハの研磨試験では、被研磨面の平坦性に優れており、スクラッチの個数も100個以下に抑えられていた。
これに対して、比較例1で使用したS6は、アニオン性界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム)を使用しているため、研磨速度測定用基板の研磨試験では、低誘電率絶縁膜(BD膜)に対する研磨速度を低減することができなかった。一方、パターン付きウエハの研磨試験では、銅膜上のスクラッチが105個/ウエハ発生し被研磨面の状態は良好ではなかった。
比較例2で使用したS7は、実施例4で使用したS4から「有機酸」に相当する成分を削除した組成に該当する。実施例4と比較例2の結果を比較すると、いずれもシリカ粒子の保存安定性は良好であった。しかしながら、研磨速度測定用基板の研磨試験において、比較例2では実施例4よりもタンタル膜に対する研磨速度が著しく低下した(900→200オングストローム/分)。また、パターン付きウエハの研磨試験において、比較例2では実施例4よりも銅膜上のスクラッチ数が大幅に増大していた(45→120個/ウエハ)。この結果より、有機酸を用いることの有利な効果が示された。
比較例3で使用したS8は、実施例3で使用したS3から「界面活性剤」に相当する成分を削除した組成に該当する。実施例3と比較例3の結果を比較すると、いずれもシリカ粒子の保存安定性は良好であった。しかしながら、研磨速度測定用基板の研磨試験において、比較例3では実施例3よりも低誘電率絶縁膜に対する研磨速度が著しく大きくなった(110→800オングストローム/分)。この結果より、非イオン性界面活性剤を用いることの有利な効果が示された。
比較例4で使用したS9は、実施例3で使用したS3の「サーフィノール465」の代わりにアニオン界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム)を用いた組成に該当する。実施例3と比較例4の結果を比較すると、いずれもシリカ粒子の保存安定性は良好であった。しかしながら、研磨速度測定用基板の研磨試験において、比較例4では実施例3よりも低誘電率絶縁膜に対する研磨速度が著しく大きくなった(110→650オングストローム/分)。この結果より、界面活性剤として非イオン性界面活性剤を用いることの有利な効果が示された。
比較例5で使用したS10は、実施例2で使用したS2から「シリカ粒子」に相当する成分を削除した組成に該当する。研磨速度測定用基板の研磨試験では、いずれの膜についても研磨速度が小さすぎるため、実用的とは言えなかった。
比較例6で使用したS11は、シラノール基数が3.0×1021個/gを超えるシリカ粒子分散体Gを使用している。そのため、パターン付きウエハの研磨試験では、ファングが増大する傾向が認められ、多数のスクラッチが発生し、良好な被研磨面が得られなかった。
比較例7で使用したS12は、シラノール基数が2.0×1021個/g未満のシリカ粒子分散体Hを使用しているため、シリカ粒子の凝集が発生し保存安定性が良好ではなかった。これにより、パターン付きウエハの研磨試験では、多数のスクラッチが発生し、良好な被研磨面が得られなかった。
以上の結果より、実施例1〜5の化学機械研磨用水系分散体は、低誘電率絶縁膜に対する研磨速度を低減すると共に、TEOS膜等の層間絶縁膜(キャップ層)に対する高研磨速度と高平坦化特性を両立させ、かつ、ディッシング、エロージョン、スクラッチないしファング等の表面欠陥の発生を抑制することができることがわかった。
10…基体、12…絶縁膜、14…バリアメタル膜、16…銅膜、20…配線用凹部、22…微細配線を含む領域、24…微細配線を含まない領域、26…微細な傷、28…ファング、30a・30b・30c…シリカ粒子、40…低誘電率絶縁膜、50…絶縁膜(キャップ層)、60…配線用凹部、70…バリアメタル膜、80…銅膜、90…半導体装置、100・200…被処理体

Claims (12)

  1. (A)シリカ粒子と、
    (B)有機酸と、
    (C)非イオン性界面活性剤と、
    を含有する化学機械研磨用水系分散体であって、
    前記(A)シリカ粒子は、下記の化学的性質を有する、化学機械研磨用水系分散体。
    29Si−NMRスペクトルのシグナル面積から算出されるシラノール基数が、2.0〜3.0×1021個/gである。
  2. 請求項1において、
    前記(C)非イオン性界面活性剤は、少なくとも1個のアセチレン基を有する、化学機械研磨用水系分散体。
  3. 請求項1または2において、
    前記(C)非イオン性界面活性剤は、下記一般式(1)で示される化合物である、化学機械研磨用水系分散体。
    Figure 0005333743
    (式中、mおよびnはそれぞれ独立に1以上の整数であり、m+n≦50を満たす。)
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項において、
    前記(B)有機酸は、2個以上のカルボキシル基を有する有機酸である、化学機械研磨用水系分散体。
  5. 請求項4において、
    前記2個以上のカルボキシル基を有する有機酸は、酒石酸、フマル酸、マロン酸およびマレイン酸から選択される少なくとも1種である、化学機械研磨用水系分散体。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項において、
    さらに、前記(A)シリカ粒子は、下記の化学的性質を有する、化学機械研磨用水系分散体。
    ICP発光分析法またはICP質量分析法による元素分析およびイオンクロマト法によるアンモニウムイオンの定量分析から測定されるナトリウム、カリウムおよびアンモニウムイオンの含有量が、ナトリウムの含有量:5〜500ppm、カリウムおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種の含有量:100〜20000ppmの関係を満たす。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項において、
    前記(A)シリカ粒子の長径(Rmax)と短径(Rmin)との比率(Rmax/Rmin)は、1.0〜1.5である、化学機械研磨用水系分散体。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項において、
    前記(A)シリカ粒子のBET法を用いて測定した比表面積から算出される平均粒径は、10nm〜100nmである、化学機械研磨用水系分散体。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項において、
    さらに、水溶性高分子を含有する、化学機械研磨用水系分散体。
  10. 請求項1ないし9のいずれか一項において、
    pHは、6〜12である、化学機械研磨用水系分散体。
  11. 請求項1ないし10のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体を用いて、金属膜、バリアメタル膜および絶縁膜から選択される少なくとも1種を有する半導体装置の被研磨面を研磨する、化学機械研磨方法。
  12. 少なくとも(A)シリカ粒子と、(B)有機酸と、(C)非イオン性界面活性剤と、を混合して化学機械研磨用水系分散体を製造する方法であって、
    前記(A)シリカ粒子は、下記の化学的性質を有する、化学機械研磨用水系分散体の製造方法。
    29Si−NMRスペクトルのシグナル面積から算出されるシラノール基数が、2.0〜3.0×1021個/gである。
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