JP2010016344A - 化学機械研磨用水系分散体およびその製造方法、ならびに化学機械研磨方法 - Google Patents

化学機械研磨用水系分散体およびその製造方法、ならびに化学機械研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通常の圧力条件下においても銅膜および低誘電率絶縁膜に欠陥を引き起こすことなく、銅膜に対する高研磨速度および高研磨選択性を有し、かつ、ウエハの金属汚染の少ない化学機械研磨用水系分散体、ならびにこれを用いた化学機械研磨方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)シリカ粒子と、(B)有機酸と、(C)重量平均分子量が1万以上150万以下のルイス塩基としての性質を有する水溶性高分子と、を含有する銅膜を研磨するための化学機械研磨用水系分散体であって、前記(A)シリカ粒子は、下記の化学的性質を有することを特徴とする。
BET法を用いて測定される比表面積および滴定により測定されるシラノール基量から算出されるシラノール基密度は、1.0〜3.0個/nmである。
【選択図】なし

Description

本発明は、化学機械研磨用水系分散体およびその製造方法、ならびに化学機械研磨方法に関する。
近年、半導体装置の多層配線化に起因する信号遅延の増加を防ぐために低誘電率の層間絶縁膜(以下、「低誘電率絶縁膜」ともいう。)の使用が検討されている。このような低誘電率絶縁膜としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されている材料が検討されている。層間絶縁膜として前記のような低誘電率絶縁膜を用いる場合、配線材料には高い導電性が要求されるため、一般的に銅または銅合金が用いられる。このような半導体装置をダマシン法で製造する場合、通常バリアメタル膜上の配線材料を化学機械研磨にて除去する工程(第1研磨工程)と、その後バリアメタル膜を研磨により除去し必要に応じて配線材料および層間絶縁膜をさらに研磨して平坦化を行う工程(第2研磨工程)を実施する必要がある。
上記の第1研磨工程では、高速で配線材料のみを選択的に研磨することが要求される。しかしながら、第1研磨工程の終了時(バリアメタル膜等の他種材料膜が露出した時点)において、配線材料に対する高研磨速度を維持させた状態で配線部分のディッシングやエロージョンを抑制することは非常に困難である。例えば、研磨速度を大きくするだけであれば研磨する際の印加圧力を上げてウエハにかかる摩擦力を大きくすることにより達成できる場合があるが、配線部分のディッシングやエロージョンも研磨速度の向上に伴い悪化してしまうために、研磨方法からのアプローチには限界があった。さらに、第2研磨工程において良好な研磨面を得るためには、第1研磨工程の終了時における微細配線パターン上の銅残り(銅残渣)を抑制する必要がある。
以上のように、高速研磨性能および高平坦化特性に加えて第1研磨工程の終了時にそのまま、あるいは簡単な洗浄工程を経ることにより銅残りを除去することは現在の研磨方法の工夫では達成することが困難であり、それを補完するためにも上記特性を満たすことのできる新たな化学機械研磨用水系分散体の開発が要求されている。
ところで、一般的に化学機械研磨用水系分散体の組成は、砥粒と添加剤成分により構成されている。近年、化学機械研磨用水系分散体の開発は添加剤成分の組み合わせに着目した検討が中心であるが、その一方で砥粒の性状をコントロールすることによって研磨特性の改善を行う検討が行われている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、例えば特許文献3に記載の砥粒を使用した場合には、ディッシングやエロージョン、微細配線パターン上の銅残りの抑制が困難であり、さらに粒子分散液の安定性に欠けるため、保存安定性が悪いという問題があった。
特開2001−308089号公報 特開2001−298023号公報 特開2006−26885号公報
通常の圧力条件下においても銅膜および低誘電率絶縁膜に欠陥を引き起こすことなく、銅膜に対する高研磨速度および高研磨選択性を有し、かつ、ウエハの金属汚染の少ない化学機械研磨用水系分散体、ならびにこれを用いた化学機械研磨方法を提供する。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、
(A)シリカ粒子と、
(B)有機酸と、
(C)重量平均分子量が1万以上150万以下のルイス塩基としての性質を有する水溶性高分子と、
を含有する銅膜を研磨するための化学機械研磨用水系分散体であって、前記(A)シリカ粒子は、下記の化学的性質を有することを特徴とする。
BET法を用いて測定される比表面積および滴定により測定されるシラノール基量から算出されるシラノール基密度は、1.0〜3.0個/nmである。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記(C)水溶性高分子は、含窒素複素環およびカチオン性官能基から選択される少なくとも1種の分子構造を有することができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記(C)水溶性高分子は、窒素含有モノマーを繰り返し単位とする単重合体、または、窒素含有モノマーを繰り返し単位として含む共重合体であることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記窒素含有モノマーは、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドおよびそのジエチル硫酸塩、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸およびそのジエチル硫酸塩、ならびにN−ビニルホルムアミドから選択される少なくとも1種であることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記窒素含有モノマーは、N−ビニルピロリドンであることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記(B)有機酸は、アミノ酸であることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、さらに、前記(A)シリカ粒子は、下記の化学的性質を有することができる。
ICP発光分析法またはICP質量分析法による元素分析およびイオンクロマト法によるアンモニウムイオンの定量分析から測定されるナトリウム、カリウムおよびアンモニウムイオンの含有量が、ナトリウムの含有量:5〜500ppm、カリウムおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種の含有量:100〜20000ppmの関係を満たす。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記(A)シリカ粒子の長径(Rmax)と短径(Rmin)との比率(Rmax/Rmin)は、1.0〜1.5であることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、前記(A)シリカ粒子のBET法を用いて測定した比表面積から算出される平均粒径は、10nm〜100nmであることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体において、pHは、6〜12であることができる。
本発明に係る化学機械研磨方法は、バリアメタル膜上に銅膜が形成された被処理体を化学機械研磨する方法であって、前記の化学機械研磨用水系分散体を用いて、前記銅膜を化学機械研磨し、前記バリアメタル膜が表出した時点で化学機械研磨を自己停止させることを特徴とする。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体の製造方法は、少なくとも(A)シリカ粒子と、(B)有機酸と、(C)重量平均分子量が1万以上150万以下のルイス塩基としての性質を有する水溶性高分子と、を混合して、化学機械研磨用水系分散体を製造する方法であって、前記(A)シリカ粒子は、下記の化学的性質を有することを特徴とする。
BET法を用いて測定される比表面積および滴定により測定されるシラノール基量から算出されるシラノール基密度は、1.0〜3.0個/nmである。
上記化学機械研磨用水系分散体によれば、銅膜を高速かつ選択的に研磨することができる。また、上記化学機械研磨用水系分散体によれば、通常の圧力条件下であっても、銅膜および低誘電率絶縁膜に欠陥を引き起こすことがなく、かつ、ウエハの金属汚染を低減することができる。
シリカ粒子の長径および短径を模式的に示した概念図である。 シリカ粒子の長径および短径を模式的に示した概念図である。 シリカ粒子の長径および短径を模式的に示した概念図である。 本発明の化学機械研磨方法に用いられる被処理体を示した断面図である。 本発明の化学機械研磨方法の研磨工程を説明するための断面図である。 本発明の化学機械研磨方法の研磨工程を説明するための断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
1.化学機械研磨用水系分散体
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)シリカ粒子と、(B)有機酸と、(C)重量平均分子量が1万以上150万以下のルイス塩基としての性質を有する水溶性高分子と、を含有する銅膜を研磨するための化学機械研磨用水系分散体であって、前記(A)シリカ粒子は、「BET法を用いて測定される比表面積および滴定により測定されるシラノール基量から算出されるシラノール基密度は、1.0〜3.0個/nmである。」という化学的性質を有する。まず、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体を構成する各成分について説明する。
1.1 (A)シリカ粒子
本実施形態におけるシリカ粒子の「シラノール基」とは、シリカ粒子の表面のケイ素原子に直接結合したヒドロキシル基をいい、立体配置または立体配位については特に限定されない。また、シラノール基の生成条件等も問わない。
本実施形態における「シラノール基密度」とは、シリカ粒子表面における単位面積当たりのシラノール基数であり、シリカ粒子表面の電気的特性または化学的特性を表す指標となる。シラノール基は、化学機械研磨用水系分散体中ではSiOHのHがとれてSiOの状態で安定して存在しているため、通常マイナスにチャージしている。これにより、シリカ粒子の電気的特性または化学的特性が発現する。シラノール基密度の単位は、個/nmで表される。
本実施形態に用いられる(A)シリカ粒子のシラノール基密度は、BET法を用いて測定されたシリカ粒子の表面積および滴定により測定されたシラノール基量から算出したものである。シリカ粒子のシラノール基量は、一般的に知られている電位差滴定や、2005年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集p847〜848に記載されているようなシリカ粒子の水分散体、あるいはシリカ粒子が分散した化学機械研磨用水系分散体を水酸化ナトリウムのような公知の塩基で滴定することにより測定することが可能である。
本実施形態に用いられる(A)シリカ粒子は、シラノール基密度が1.0〜3.0個/nmであり、より好ましくは1.1〜2.8個/nmであり、特に好ましくは1.2〜2.6個/nmである。シラノール基密度が前記範囲内であると、シリカ粒子表面の電気的特性または化学的特性により化学機械研磨用水系分散体中に含まれる有機酸や水溶性高分子等の添加剤成分を誘引または排斥する。その結果、化学機械研磨用水系分散体中で添加剤成分がシリカ粒子の周囲で微小な濃度勾配を生じさせ、良好な研磨特性を実現するために最適な化学機械研磨用水系分散体を形成することができるものと考えられる。
また、シラノール基密度が前記範囲内であると、化学機械研磨用水系分散体中においてシリカ粒子と他の添加剤との相互作用により適度に安定化され、シリカ粒子が化学機械研磨用水系分散体中で安定的に分散することが可能となり、研磨の際に欠陥の原因となる凝集が発生しない。シラノール基密度が3.0個/nmを超えると、このようなバランスの取れた分散状態が得られないために、不十分な研磨速度比や不十分な平坦化特性となるため好ましくない。一方、シラノール基密度が1.0個/nm未満である場合、化学機械研磨用水系分散体中におけるシリカ粒子の分散安定性に劣り、シリカ粒子が凝集し、保存安定性が悪化するために好ましくない。
本実施形態に用いられる(A)シリカ粒子は、ナトリウムを好ましくは5〜500ppm、より好ましくは10〜400ppm、特に好ましくは15〜300ppm含有することができる。さらに、カリウムおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種を100〜20000ppm含有することができる。前記(A)シリカ粒子がカリウムを含有する場合、カリウムの含有量は、好ましくは100〜20000ppm、より好ましくは500〜15000ppm、特に好ましくは1000〜10000ppmである。前記(A)シリカ粒子がアンモニウムイオンを含有する場合、アンモニウムイオンの含有量は、好ましくは100〜20000ppm、より好ましくは200〜10000ppm、特に好ましくは500〜8000ppmである。また、前記(A)シリカ粒子に含まれるカリウムあるいはアンモニウムイオンが前記範囲内にない場合でも、カリウムおよびアンモニウムイオンの含有量の合計が、好ましくは100〜20000ppm、より好ましくは500〜15000ppm、特に好ましくは1000〜10000ppmの範囲内にあればよい。
ナトリウムが500ppmを超えると、研磨後のウエハ汚染が発生するため好ましくない。一方、ナトリウムを5ppm未満とするためには、イオン交換処理を複数回行う必要があり技術的困難を伴う。
カリウムおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種が20000ppmを超えると、シリカ粒子分散体のpHが高くなりすぎてシリカが溶解することがある。一方、カリウムおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種が100ppm未満であると、シリカ粒子の分散安定性が低下しシリカ粒子の凝集を引き起こすことにより、ウエハ上に欠陥が発生してしまうため好ましくない。
なお、上述したシリカ粒子に含有されるナトリウムおよびカリウムの含有量は、ICP発光分析法(ICP−AES)またはICP質量分析法(ICP−MS)を用いて定量した値である。ICP発光分析装置として、例えば「ICPE−9000(島津製作所社製)」等を使用することができる。ICP質量分析装置として、例えば「ICPM−8500(島津製作所社製)」、「ELAN DRC PLUS(パーキンエルマー社製)」等を使用することができる。また、上述したシリカ粒子に含有されるアンモニウムイオンの含有量は、イオンクロマト法を用いて定量した値である。イオンクロマト法として、例えばノンサプレッサイオンクロマトグラフ「HIS−NS(島津製作所社製)」、「ICS−1000(DIONEX社製)」等を使用することができる。また、シリカ粒子に含有されるナトリウム、カリウムは、それぞれナトリウムイオン、カリウムイオンであってもよい。ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンの含有量を測定することで、シリカ粒子中に含有されるナトリウム、カリウム、アンモニウムイオンを定量することができる。なお、本明細書に記載されているナトリウム、カリウム、アンモニウムイオンの含有量は、シリカ粒子の重量に対するナトリウム、カリウム、アンモニウムイオンの重量である。
前記範囲内でナトリウムと、カリウムおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種とを含有することにより、化学機械研磨用水系分散体中でシリカ粒子が安定的に分散することが可能となり、研磨の際に欠陥の原因となるシリカ粒子の凝集が発生しない。また、前記範囲内であれば、研磨後のウエハの金属汚染を防ぐことができる。
シリカ粒子のBET法を用いて測定した比表面積から算出される平均粒径は、好ましくは10〜100nmであり、より好ましくは10〜90nmであり、特に好ましくは10〜80nmである。シリカ粒子の平均粒径が前記範囲内にあると、化学機械研磨用水系分散体としての保存安定性に優れ、欠陥のない平滑な研磨面を得ることができる。シリカ粒子の平均粒径が前記範囲未満であると、銅膜に対する研磨速度が小さくなりすぎるため実用的ではない。一方、シリカ粒子の平均粒径が前記範囲を超えると、シリカ粒子の保存安定性に劣るため好ましくない。
シリカ粒子の平均粒径は、例えば、流動式比表面積自動測定装置「micrometrics FlowSorb II 2300(島津製作所社製)」により、BET法を用いて測定した比表面積から算出される。
以下に、シリカ粒子の比表面積から平均粒径を算出する方法について説明する。
シリカ粒子の形状を真球状であると仮定し、粒子の直径をd(nm)、比重をρ(g/cm)とすると、粒子n個の表面積Aは、A=nπdとなる。粒子n個の質量Nは、N=ρnπd/6となる。比表面積Sは、粉体の単位質量当たりの全構成粒子の表面積で表される。そうすると、粒子n個の比表面積Sは、S=A/N=6/ρdとなる。この式に、シリカ粒子の比重ρ=2.2を代入し、単位を換算すると、下記式(1)を導き出すことができる。
平均粒径(nm)=2727/S(m/g)…(1)
なお、本明細書中におけるシリカ粒子の平均粒径は、全て(1)式に基づいて計算している。
シリカ粒子の長径(Rmax)と短径(Rmin)の比率Rmax/Rminは、好ましくは1.0〜1.5、より好ましくは1.0〜1.4、特に好ましくは1.0〜1.3である。Rmax/Rminが前記範囲内であると金属膜や絶縁膜に欠陥を引き起こすことなく、高い研磨速度と高平坦化特性を発現できる。Rmax/Rminが1.5より大きいと研磨後の欠陥が発生し、好ましくない。
ここで、シリカ粒子の長径(Rmax)とは、透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子の像について、像の端部と端部を結んだ距離のうち最も長い距離を意味する。シリカ粒子の短径(Rmin)とは、透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子の像について、像の端部と端部を結んだ距離のうち最も短い距離を意味する。
例えば、図1に示すように透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子10aの像が楕円形状である場合、楕円形状の長軸aをシリカ粒子の長径(Rmax)と判断し、楕円形状の短軸bをシリカ粒子の短径(Rmin)と判断する。図2に示すように、透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子10bの像が2つの粒子の凝集体である場合、像の端部と端部を結んだ最も長い距離cをシリカ粒子の長径(Rmax)と判断し、像の端部と端部を結んだ最も短い距離dをシリカ粒子の短径(Rmin)と判断する。図3に示すように、透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子10cの像が3以上の粒子の凝集体である場合、像の端部と端部を結んだ最も長い距離eをシリカ粒子の長径(Rmax)と判断し、像の端部と端部を結んだ最も短い距離fをシリカ粒子の短径(Rmin)と判断する。
前記のような判断手法により、例えば、50個のシリカ粒子の長径(Rmax)と短径(Rmin)を測定し、長径(Rmax)と短径(Rmin)の平均値を算出したあと、長径と短径との比率(Rmax/Rmin)を計算して求めることができる。
前記(A)シリカ粒子の含有量は、使用時における化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは1〜20質量%であり、より好ましくは1〜15質量%であり、特に好ましくは1〜10質量%である。前記シリカ粒子の含有量が前記範囲未満になると十分な研磨速度が得られず実用的ではない。一方、前記シリカ粒子の含有量が前記範囲を超えるとコストが高くなるとともに安定した化学機械研磨用水系分散体を得られないことがある。
本実施形態に用いられる(A)シリカ粒子の作製方法は、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウムイオンの含有量が前記範囲内となるシリカ粒子が得られれば特に制限はなく、従来の公知の方法を適用することができる。例えば、特開2003−109921号公報や特開2006−80406号公報に記載のシリカ粒子分散液の製造方法に準じて作製することができる。
また、従来の公知の方法として、ケイ酸アルカリ水溶液からアルカリを除去することによりシリカ粒子を作製する方法がある。ケイ酸アルカリ水溶液としては、一般に水ガラスとして知られているケイ酸ナトリウム水溶液、ケイ酸アンモニウム水溶液、ケイ酸リチウム水溶液、ケイ酸カリウム水溶液等が挙げられる。また、ケイ酸アンモニウムとしては、水酸化アンモニウム、テトラメチルアンモニウム水酸化物からなるケイ酸塩が挙げられる。
以下に、本実施形態に用いられる(A)シリカ粒子の具体的な作製方法の一つについて説明する。シリカを20〜38質量%含み、SiO/NaOのモル比が2.0〜3.8であるケイ酸ナトリウム水溶液を水で希釈し、シリカ濃度が2〜5質量%の希釈ケイ酸ナトリウム水溶液とする。続いて、希釈ケイ酸ナトリウム水溶液を水素型陽イオン交換樹脂層に通過させ、ナトリウムイオンの大部分を除去した活性ケイ酸水溶液を生成させる。このケイ酸水溶液を撹拌下、pHを通常7〜9にアルカリで調整しながら熱熟成し、目的とする粒子径となるまで成長させコロイド状のシリカ粒子を生成する。この熱熟成中、さらに活性ケイ酸水溶液や小さい粒子のコロイダルシリカを少量ずつ添加することにより、例えば平均粒径が10〜100nmの範囲で目的とする粒子径のシリカ粒子を調製する。このようにして得られたシリカ粒子分散液を濃縮してシリカ濃度を20〜30質量%へ上げ、続いて再度水素型陽イオン交換樹脂層に通過させ、ナトリウムイオンのほとんどを除去しアルカリでpHを調整することにより、ナトリウムを5〜500ppm、カリウムおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種を100〜20000ppm含有するシリカ粒子を作製することができる。
また、(A)シリカ粒子に含まれるナトリウム、カリウム、アンモニウムイオンの含有量は、シリカ粒子を含む化学機械水系分散体を、遠心分離、限外濾過等、公知の方法によりシリカ成分を回収し、回収したシリカ成分中に含有されるナトリウム、カリウム、アンモニウムイオンを定量することにより算出することができる。したがって、化学機械研磨用水系分散体から前記の方法で回収したシリカ成分を公知の方法で分析することにより、本願発明の構成要件を充足していることを確認することもできる。
1.2 (B)有機酸
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(B)有機酸を含有する。前記(B)有機酸の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.001〜3.0質量%、より好ましくは0.01〜2.0質量%である。(B)有機酸の含有量が前記範囲未満であると、銅膜のディッシングを30nm以下に抑制できないことがある。一方、(B)有機酸の含有量が前記範囲を超えると、シリカ粒子が凝集するおそれがある。
前記(B)有機酸としては、アミノ酸が好ましい。アミノ酸は、銅イオンと配位結合を形成しやすく、銅膜の表面に対してキレート配位能力を有する。これにより、銅膜の表面に吸着して表面荒れを抑制し高い平坦性を維持しつつ、銅および銅イオンとの親和性を高め研磨速度を促進させることができる。特に好ましいアミノ酸としては、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシルグリシンおよびトリプトファン等が挙げられる。前記例示したアミノ酸は、銅膜の研磨により化学機械研磨用水系分散体へ溶出してくる銅イオンへ容易に配位することができるので、銅の析出を防ぐことができる。その結果、スクラッチ等の研磨欠陥を抑制することができる。さらに、後述する(C)水溶性高分子は、その種類、添加量により銅膜の表面に吸着し、その研磨を阻害し研磨速度を低下させる場合があるが、前記例示したアミノ酸を併用することで、(C)水溶性高分子の添加にもかかわらず銅膜の研磨速度を増大させる効果がある。また、前記例示したアミノ酸を含有することで、研磨中に破砕されてシリカ粒子から溶出するナトリウムイオン、カリウムイオンが銅膜表面へ吸着されるのを阻害して溶液中への遊離を促すことができ、その結果被研磨物表面から効果的に除去することが可能となる。
前記(A)シリカ粒子の有するシラノール基と前記(B)有機酸とは適度に相互作用することができるため、研磨組成物中でのシリカ粒子の分散安定性を向上させることができる。
また、アミノ酸以外の(B)有機酸としては、アミド硫酸、ギ酸、乳酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、グリコール酸、フタル酸、マレイン酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、アントラニル酸、マロン酸およびグルタル酸等が挙げられる。
以上例示した有機酸以外の(B)有機酸として、少なくとも1個のN原子および複素六員環を含む有機酸、複素五員環からなるヘテロ環化合物を含む有機酸等が挙げられる。より具体的には、キナルジン酸、キノリン酸、8−キノリノール、8−アミノキノリン、キノリン−8−カルボン酸、2−ピリジンカルボン酸、キサンツレン酸、キヌレン酸、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、7−ヒドリキシ−5−メチル−1,3,4−トリアザインドリジン、アロプリノール、ヒポキサンチン、ニコチン酸、ピコリン酸、ピコリン酸メチルおよびピコリオン酸等が挙げられる。
1.3 (C)水溶性高分子
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(C)重量平均分子量が1万以上150万以下のルイス塩基としての性質を有する水溶性高分子を含有する。前記(C)水溶性高分子は、ルイス塩基としての性質を有することにより銅膜の表面に吸着(配位結合)しやすく、銅膜のディッシングおよびコロージョンの発生を抑制する効果がある。
前記(C)水溶性高分子は、含窒素複素環およびカチオン性官能基から選択される少なくとも1種の分子構造を有することが好ましい。また、カチオン性官能基としては、アミノ基であることがさらに好ましい。含窒素複素環およびカチオン性官能基はルイス塩基としての性質を有し、効果的に銅膜の表面に吸着(配位結合)し、銅膜のディッシングおよびコロージョンの発生を抑制する効果がある。また、洗浄工程において容易に除去することができるため、被研磨物を汚染することがなく好ましい。
前記(C)水溶性高分子は、窒素含有モノマーを繰り返し単位とする単重合体、または、窒素含有モノマーを繰り返し単位として含有する共重合体であることがさらに好ましい。窒素含有モノマーとしては、例えば、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドおよびそのジエチル硫酸塩、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸およびそのジエチル硫酸塩、ならびにN−ビニルホルムアミドが挙げられる。これらのモノマーの中でも、分子構造中に窒素含有複素五員環を有するN−ビニルピロリドンであることが特に好ましい。N−ビニルピロリドンは、環上の窒素原子を介して銅イオンと配位結合を形成しやすく、銅および銅イオンとの親和性を高め、銅膜の表面に吸着して適度に保護することができる。
前記(C)水溶性高分子が窒素含有モノマーを繰り返し単位として含有する共重合体である場合には、全てのモノマーが窒素含有モノマーである必要はなく、前記の窒素含有モノマーのうち少なくとも1種が含まれていればよい。窒素含有モノマーと共重合できるモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ビニルエチルエーテル、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。
前記(C)水溶性高分子は、カチオン性官能基を有する単重合体または共重合体であることが好ましく、例えば、下記一般式(2)または(3)で表される繰り返し単位の少なくとも一方を含有する単重合体または共重合体(以下、「特定重合体」ともいう。)であってもよい。
Figure 2010016344
Figure 2010016344
(上記一般式(2)および(3)において、Rは水素原子または炭素数が1〜6の置換もしくは非置換アルキル基を表し、Rは置換もしくは非置換のメチレン基もしくは炭素数が2〜8の置換もしくは非置換アルキレン基を表し、R、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数が1〜10の置換もしくは無置換アルキル基を表し、Aは単結合もしくは−O−もしくは−NH−を表す。Mは陰イオンを表す。)
上記一般式(2)および(3)で表される繰り返し単位中のAは、−O−または−NH−を表すが、−O−の方がより好ましい。Aが−NH−の場合、特定重合体または他の成分の含有量との関係でシリカ粒子の安定性が低下し、長時間保存した場合に砥粒が沈降することがある。このような場合、使用前に超音波分散などの再分散化処理が必要となり作業上の負担が大きくなってしまう。
対アニオン(M)は、ハロゲン化物イオン、有機アニオン、無機アニオンであることが好ましい。より好ましくは水酸化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、NHの共役塩基NH 、アルキル硫酸イオン、過塩素酸イオン、硫酸水素イオン、酢酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオンである。特に好ましいのは塩化物イオン、アルキル硫酸イオン、硫酸水素イオン、酢酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオンである。有機アニオンを用いることにより被研磨物の金属汚染を避けることができ、研磨終了後に容易に除去できることからアルキル硫酸イオンが特に好ましい。
さらに、特定重合体は、下記一般式(4)で表される繰り返し単位を含有する共重合体であることがより好ましい。また、下記一般式(4)で表される繰り返し単位を含有する共重合体は、前記一般式(2)および前記一般式(3)で表される繰り返し単位と下記一般式(4)で表される繰り返し単位がランダムに結合した重合体であってもよく、前記一般式(2)および前記一般式(3)で表される繰り返し単位と下記一般式(4)で表される繰り返し単位のブロックコポリマーであってもよい。
Figure 2010016344
(上記一般式(4)において、Rは水素原子または炭素数が1〜6の置換もしくは非置換アルキル基を表す。)
特定重合体は、上記一般式(2)で表される繰り返し単位と上記一般式(3)で表される繰り返し単位を含む共重合体である場合、上記一般式(2)で表される繰り返し単位のモル数をn、上記一般式(3)で表される繰り返し単位のモル数をmとすると、モル比n/mが10/0〜0/10の比率であっても十分な性能を得ることができるが、好ましくは10/0〜1/9、より好ましくは10/0〜2/8、特に好ましくは9/1〜3/7の比率である場合に良好な結果を得ることができる。
なお、上記一般式(2)で表される繰り返し単位および上記一般式(3)で表される繰り返し単位の含有量は、アミノ基を含有するモノマーの仕込量とその後の中和量から算出することができ、また特定重合体を酸あるいは塩基で滴定することにより測定することもできる。
特定重合体は、上記一般式(2)または(3)で表される繰り返し単位と上記一般式(4)で表される繰り返し単位を含む共重合体である場合、上記一般式(4)で表される繰り返し単位のモル数をq、上記一般式(2)または(3)で表される繰り返し単位のモル数をpとすると、モル比q/pが、9/1〜1/9の範囲内である場合に特に良好な結果を得ることができる。
特定重合体のアミノ基含量は、モノマーの仕込量より計算した場合、0〜0.100モル/gであることができるが、好ましくは0.0005〜0.010モル/gであり、より好ましくは0.002〜0.006モル/gである。
特定重合体のカチオン性官能基含量は、モノマーの仕込量より計算した場合、0〜0.100モル/gであることができるが、好ましくは0.0005〜0.010モル/gであり、さらに好ましくは0.002〜0.006モル/gである。
前記(C)水溶性高分子の重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定されたポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)を適用できる。前記(C)水溶性高分子の重量平均分子量(Mw)は、1万以上150万以下、好ましくは4万以上120万以下である。重量平均分子量が前記範囲内にあると、研磨摩擦を低減することができ、銅膜のディッシングやコロージョンを抑制することができる。また、銅膜を安定して研磨することができる。重量平均分子量が1万未満であると、研磨摩擦の低減効果が小さいため、銅膜のディッシングやコロージョンを抑制できないことがある。一方、重量平均分子量が150万を超えると、シリカ粒子の分散安定性を損ない、凝集したシリカ粒子により銅膜上のスクラッチが増加するおそれがある。また、化学機械研磨用水系分散体の粘度が過度に上昇してスラリー供給装置に負荷を及ぼす等の問題が生じることがある。さらに、微細配線パターンを研磨する際に、パターン上の銅残りの発生が顕著となり実用的ではない。
前記(C)水溶性高分子の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.001〜1.0質量%であり、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。水溶性高分子の含有量が前記範囲未満であると、銅膜のディッシングを効果的に抑制することができない。一方、水溶性高分子の含有量が前記範囲を超えると、シリカ粒子の凝集や研磨速度の低下を引き起こすことがある。
シリカ粒子の表面に存在するシラノール基は、HがとれてSiOの状態で安定に存在しているため、該シリカ粒子が銅膜の表面に過剰吸着することがある。前記(C)水溶性高分子はルイス塩基としての性質を有するため、被研磨面たる銅膜の表面へ効率よく配位することができる。これにより、銅膜の表面が効果的に保護され、銅膜の表面へのシリカ粒子の過剰吸着を抑制することができ、エロージョンやコロージョンを抑制して平坦性を向上させるとともに、洗浄により容易に銅膜の表面からシリカ粒子を除去することが可能となる。さらに、前記(C)水溶性高分子は洗浄操作により容易に除去可能であることから、銅膜の表面に残留してデバイスの電気特性を悪化させることもない。
一般的に、化学機械研磨用水系分散体にナトリウムやカリウムの含有量が多い砥粒を使用すると、研磨後の洗浄操作によっても砥粒に由来するナトリウムやカリウムが被研磨物表面に残留し、デバイスの電気特性を悪化させる原因になると考えられており、その使用は避けられてきた。しかしながら、前記(C)水溶性高分子はルイス塩基としての性質を有するため、被研磨面たる銅膜の表面へ効率よく配位することができる。これにより、銅膜の表面が効果的に保護され、銅膜の表面へのナトリウムやカリウムの吸着を抑制することができ、洗浄により容易に銅膜の表面からナトリウムやカリウムを除去することが可能となる。さらに、前記(C)水溶性高分子は洗浄操作により容易に除去可能であることから、銅膜の表面に残留してデバイスの電気特性を悪化させることもない。
1.4 その他の添加剤
1.4.1 酸化剤
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、必要に応じて酸化剤を含有することができる。酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、硝酸第二鉄、硝酸二アンモニウムセリウム、硫酸鉄、オゾン、次亜塩素酸とその塩、過ヨウ素酸カリウム、過酢酸などが挙げられる。これらの酸化剤は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの酸化剤のうち、酸化力、保護膜との相性、および取り扱いやすさ等を考慮すると、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、および過酸化水素が特に好ましい。酸化剤の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.08〜3質量%である。酸化剤の含有量が前記範囲未満の場合には、銅膜に対する十分な研磨速度が得られないことがあり、一方、前記範囲を超えると、銅膜のディッシングやコロージョンを引き起こすおそれがある。
1.4.2 界面活性剤
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、必要に応じて界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤またはカチオン界面活性剤が挙げられる。
前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、三重結合を有する非イオン性界面活性剤が挙げられる。具体的には、アセチレングリコールおよびそのエチレンオキサイド付加物、アセチレンアルコール等が挙げられる。また、シリコーン系界面活性剤、ポリビニルアルコール、シクロデキストリン、ポリビニルメチルエーテルおよびヒドロキシエチルセルロース等も挙げられる。
前記アニオン界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等が挙げられる。カルボン酸塩としては、例えば、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。スルホン酸塩としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等が挙げられる。硫酸エステル塩としては、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等が挙げられる。リン酸エステル塩としては、例えば、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。
前記カチオン界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩および脂肪族アンモニウム塩等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
界面活性剤の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.001〜1.0質量%、より好ましくは0.005〜0.5質量%である。界面活性剤の含有量が前記範囲内にあると、適度な研磨速度と良好な被研磨面との両立を達成することができる。
1.5 pH
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体のpHは、好ましくは6〜12、より好ましくは7〜11.5、特に好ましくは8〜11である。pHが6未満であると、シリカ粒子の表面に存在するシラノール基同士の水素結合を切ることができず、シリカ粒子の凝集を引き起こすことがある。一方、pHが12よりも大きいと、塩基性が強すぎるためウエハの欠陥を引き起こすことがある。pHを調整するための手段としては、例えば、水酸化カリウム、アンモニア、エチレンジアミン、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)等の塩基性塩に代表されるpH調整剤を添加することによりpHを調整することができる。
1.6 化学機械研磨用水系分散体の製造方法
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、純水に直接(A)シリカ粒子、(B)有機酸、(C)重量平均分子量が1万以上150万以下のルイス塩基としての性質を有する水溶性高分子、およびその他の添加剤を添加して混合・撹拌することにより調製することができる。このようにして得られた化学機械研磨用水系分散体をそのまま使用してもよいが、各成分を高濃度で含有する(濃縮された)化学機械研磨用水系分散体を調製し、使用時に所望の濃度に希釈して使用してもよい。
また、前記成分のいずれかを含む複数の液(例えば、2つまたは3つの液)を調製し、これらを使用時に混合して使用することもできる。この場合、複数の液を混合して化学機械研磨用水系分散体を調製した後、これを化学機械研磨装置に供給してもよいし、複数の液を個別に化学機械研磨装置に供給して定盤上で化学機械研磨用水系分散体を形成してもよい。
具体例として、水および(A)シリカ粒子を含む水系分散体である液(I)、水、(B)有機酸および(C)重量平均分子量が1万以上150万以下のルイス塩基としての性質を有する水溶性高分子を含む液(II)からなり、これらの液を混合して前記化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットが挙げられる。
前記液(I)および(II)における各成分の濃度は、これらの液を混合して最終的に調製される化学機械研磨用水系分散体中の各成分の濃度が前記範囲内であれば特に限定されない。例えば、各成分を化学機械研磨用水系分散体の濃度よりも高濃度で含有する液(I)および(II)を調製し、使用時に、必要に応じて液(I)および(II)を希釈して、これらを混合し、各成分の濃度が前記範囲にある化学機械研磨用水系分散体を調製する。具体的には、上記液(I)と(II)とを1:1の重量比で混合する場合には、化学機械研磨用水系分散体の濃度の2倍の濃度の液(I)および(II)を調製すればよい。また、化学機械研磨用水系分散体の濃度の2倍以上の濃度の液(I)および(II)を調製し、これらを1:1の重量比で混合した後、各成分が前記範囲となるように水で希釈してもよい。以上のように、液(I)と液(II)とを別々に調製することにより、化学機械研磨用水系分散体の保存安定性を向上させることができる。
前記のキットを使用する場合、研磨時に前記化学機械研磨用水系分散体が形成されていれば、液(I)と液(II)との混合の方法およびタイミングは特に限定されない。例えば、液(I)と液(II)とを混合して前記化学機械研磨用水系分散体を調製した後、これを化学機械研磨装置に供給してもよいし、液(I)と液(II)とを独立して化学機械研磨装置に供給し、定盤上で混合してもよい。あるいは、液(I)と液(II)とを独立して化学機械研磨装置に供給し、装置内でライン混合してもよいし、化学機械研磨装置に混合タンクを設けて、混合タンク内で混合してもよい。また、ライン混合の際には、より均一な水系分散体を得るために、ラインミキサー等を用いてもよい。
1.7 用途
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、銅膜を表面に有する被処理体(例えば、半導体装置)の化学機械研磨に好適に用いることができる。すなわち、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体によれば、特定の物性を有する水溶性高分子を含有することにより被研磨面との研磨摩擦を低減することができるため、通常の研磨圧力条件下においても銅膜および低誘電率絶縁膜に欠陥を引き起こすことなく、表面の銅膜を高速かつ選択的に研磨することができる。また、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体によれば、ウエハの金属汚染を低減することができる。
より具体的には、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、例えば絶縁膜として低誘電率絶縁膜を用い、かつ、配線材料として銅または銅合金を用いた半導体装置をダマシン法で製造する工程において、バリアメタル膜上の銅膜を化学機械研磨にて除去する工程(第1研磨処理工程)に適用することができる。
本明細書において、「銅膜」とは、銅または銅合金から形成される膜のことをいい、銅合金中の銅含有量としては、95質量%以上であることが好ましい。
2.化学機械研磨方法
本実施形態に係る化学機械研磨方法の一具体例について、図面を用いて詳細に説明する。
2.1 被処理体
図4に、本実施形態に係る化学機械研磨方法に用いられる被処理体100を示す。
(1)まず、低誘電率絶縁膜20を塗布法またはプラズマCVD法により形成する。低誘電率絶縁膜20として、無機絶縁膜および有機絶縁膜が挙げられる。無機絶縁膜としては、例えば、SiOF膜(k=3.5〜3.7)、Si−H含有SiO膜(k=2.8〜3.0)等が挙げられる。有機絶縁膜としては、カーボン含有SiO膜(k=2.7〜2.9)、メチル基含有SiO膜(k=2.7〜2.9)、ポリイミド系膜(k=3.0〜3.5)、パリレン系膜(k=2.7〜3.0)、テフロン(登録商標)系膜(k=2.0〜2.4)、アモルファスカーボン(k=<2.5)等が挙げられる(上記のkは誘電率を表す。)。
(2)低誘電率絶縁膜20の上に、CVD法または熱酸化法を用いて絶縁膜30を形成する。絶縁膜30として、例えば、TEOS膜等が挙げられる。
(3)低誘電率絶縁膜20および絶縁膜30を連通するようにエッチングして配線用凹部40を形成する。
(4)CVD法を用いて絶縁膜30の表面ならびに配線用凹部40の底部および内壁面を覆うようにバリアメタル膜50を形成する。バリアメタル膜50は、銅膜との接着性および銅膜に対する拡散バリア性に優れる観点から、TaまたはTaNであることが好ましいが、これに限らずTi、TiN、Co、Mn、Ru等であってもよい。
(5)バリアメタル膜50の上に銅を堆積させて銅膜60を形成することにより、被処理体100が得られる。
2.2 化学機械研磨方法
被処理体100のバリアメタル膜50の上に堆積した銅膜60を除去するために、本発明に係る化学機械研磨用水系分散体を用いて化学機械研磨を行う。まず、化学機械研磨により、バリアメタル膜50が表出するまで銅膜60を研磨し続ける。通常バリアメタル膜50が表出したことを確認した上で研磨を停止させる必要がある。しかしながら、本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、銅膜に対する研磨速度が非常に高い反面、バリアメタル膜をほとんど研磨しない。このため、図5に示すように、バリアメタル膜50が表出した時点で化学機械研磨を進行できなくなるため、化学機械研磨を自己停止(セルフストップ)させることができる。
また、本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、(C)重量平均分子量が1万以上150万以下のルイス塩基としての性質を有する水溶性高分子を含有しているため、研磨摩擦を大幅に低減することができる。これにより、バリアメタル膜50が表出した後、化学機械研磨を続行させたとしても、図6に示すような銅膜のディッシングが発生することがない。
本実施形態に係る化学機械研磨方法では、市販の化学機械研磨装置を用いることができる。市販の化学機械研磨装置として、例えば、荏原製作所社製、型式「EPO−112」、「EPO−222」;ラップマスターSFT社製、型式「LGP−510」、「LGP−552」;アプライドマテリアル社製、型式「Mirra」等が挙げられる。
好ましい研磨条件としては、使用する化学機械研磨装置により適宜設定されるべきであるが、例えば化学機械研磨装置として「EPO−112」を使用する場合には下記の条件とすることができる。
・定盤回転数;好ましくは30〜120rpm、より好ましくは40〜100rpm
・ヘッド回転数;好ましくは30〜120rpm、より好ましくは40〜100rpm
・定盤回転数/ヘッド回転数比;好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.7〜1.5
・研磨圧力;好ましくは60〜200gf/cm、より好ましくは100〜150gf/cm
・化学機械研磨用水系分散体供給速度;好ましくは50〜400mL/分、より好ましくは100〜300mL/分
以上のように、本具体例では、被研磨面の平坦性に優れた半導体装置が得られるとともに、銅膜を過剰に研磨することなく化学機械研磨をセルフストップさせることができる。また、通常の研磨圧力で研磨しても研磨摩擦を大幅に低減することができるため、下層の絶縁膜30や低誘電率絶縁膜20に及ぼす負荷を低減できる。
3.実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
3.1 シリカ粒子分散体の作製
3号水硝子(シリカ濃度24質量%)を水で希釈し、シリカ濃度3.0質量%の希釈ケイ酸ナトリウム水溶液とした。この希釈ケイ酸ナトリウム水溶液を、水素型陽イオン交換樹脂層を通過させ、ナトリウムイオンの大部分を除去したpH3.1の活性ケイ酸水溶液とした。その後、すぐに撹拌下10質量%水酸化カリウム水溶液を加えてpHを7.2に調整し、さらに続けて加熱し沸騰させて3時間熱熟成した。得られた水溶液に、先にpHを7.2に調整した活性ケイ酸水溶液の10倍量を6時間かけ少量ずつ添加し、シリカ粒子の平均粒径を26nmに成長させた。
次に、前記シリカ粒子を含有する分散体水溶液を減圧濃縮(沸点78℃)し、シリカ濃度:32.0質量%、シリカの平均粒径:26nm、pH:9.8であるシリカ粒子分散体を得た。このシリカ粒子分散体を、再度水素型陽イオン交換樹脂層を通過させ、ナトリウムの大部分を除去した後、10質量%の水酸化カリウム水溶液を加え、シリカ粒子濃度:28.0質量%、pH:10.0であるシリカ粒子分散体Aを得た。
得られたシリカ粒子分散体Aを0.1N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH4〜9の範囲で滴定し、滴定値とBET比表面積の値からシラノール基密度を算出したところ、2.0個/nmであった。
シリカ粒子分散体Aから遠心分離によりシリカ粒子を回収し、希フッ化水素酸で回収されたシリカ粒子を溶解し、ICP−MS(パーキンエルマー社製、型番「ELAN DRC PLUS」)を用いてナトリウムおよびカリウムを測定した。さらに、イオンクロマトグラフィー(DIONEX社製、型番「ICS−1000」)を用いてアンモニウムイオンを測定した。その結果、ナトリウム含有量:88ppm、カリウム含有量:5500ppm、アンモニウムイオン含有量:5ppmであった。
シリカ粒子分散体Aをイオン交換水にて0.01%に希釈し、メッシュサイズが150μmのCuグリットを有するコロジオン膜に1滴載せ、室温にて乾燥した。こうして、Cuグリット上に粒子形状を崩さないように観察用のサンプルを調製した後、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、「H−7650」)を用いて撮影倍率20000倍にて粒子の画像を撮影し、50個のコロイダルシリカ粒子の長径および短径を測定し、その平均値を算出した。長径の平均値(Rmax)および短径の平均値(Rmin)から、その比率(Rmax/Rmin)を算出したところ1.1であった。
BET法を用いて測定した比表面積から算出した平均粒径は、26nmであった。なお、BET法によるコロイダルシリカ粒子の表面積測定では、シリカ粒子分散体Aを濃縮・乾固して回収されたシリカ粒子を測定した値を用いた。
シリカ粒子分散体B〜E、G〜Iは、熱熟成の時間、塩基性化合物の種類および添加量などをコントロールしながら上記と同様の方法により得たものである。
シリカ粒子分散体Fは、以下のように作製した。まず、扶桑化学工業社製の高純度コロイダルシリカ(品番:PL−2;固形分濃度20質量%、pH7.4、平均二次粒子径66nm)35kgとイオン交換水140kgを40Lオートクレーブに投入し、160℃で3時間、0.5MPaの加圧下で水熱処理を行った。次に、前記シリカ粒子を含有する分散体水溶液を沸点78℃での減圧濃縮し、シリカ濃度が固形分濃度20質量%、平均二次粒子径62nm、pH7.5のシリカ粒子分散体Fを得た。得られたシリカ粒子分散体Fを0.1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH4〜9の範囲で滴定し、滴定値とBET比表面積の値からシラノール基密度を算出したところ、1.5個/nmであった。
シリカ粒子分散体Jは、上記のシリカ粒子分散体Aの作製方法と同様の方法により分散体を得た後、さらに水熱処理(前記のシリカ粒子分散体Aの作製において、オートクレーブ処理をさらに長時間行い、シラノール縮合を進めた)を行って作製した。
シリカ粒子分散体Kは、以下のように作製した。まず、扶桑化学工業社製の高純度コロイダルシリカ(品番:PL−2;固形分濃度20質量%、pH7.4、平均二次粒子径66nm)35kgをイオン交換水140kgに分散させて、シリカ濃度が固形分濃度20質量%、平均二次粒子径62nm、pH7.5であるシリカ粒子分散体Kを得た。得られたシリカ粒子分散体Kを0.1N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH4〜9の範囲で滴定し、滴定値とBET比表面積の値からシラノール基密度を算出したところ、3.83個/nmであった。
シリカ粒子分散体Lは、テトラエトキシシランを原料としたゾルゲル法によって、公知の方法により調製した。表1に作製したシリカ粒子分散体A〜Lの物性値についてまとめた。
Figure 2010016344
3.2 水溶性高分子の合成
3.2.1 ポリビニルピロリドン水溶液の調製
フラスコに、N−ビニル−2−ピロリドン60g、水240g、10質量%の亜硫酸ナトリウム水溶液0.3gおよび10質量%のt−ブチルヒドロパーオキシド水溶液0.3gを添加し60℃窒素雰囲気下で5時間撹拌することによりポリビニルピロリドン(K30)を生成させた。得られたポリビニルピロリドン(K30)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、装置型番「HLC−8120」、カラム型番「TSK−GEL α−M」、溶離液はNaCl水溶液/アセトニトリル)にて測定した結果、ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)は4万であった。また、モノマーの仕込み量より計算されるアミノ基の量は0モル/gであり、カチオン性官能基の量は0モル/gであった。
また、上記成分の添加量、反応温度、および反応時間を適宜調整することによりポリビニルピロリドン(K60)およびポリビニルピロリドン(K90)を生成させた。なお、上記と同様の方法により、得られたポリビニルピロリドン(K60)およびポリビニルピロリドン(K90)の重量平均分子量(Mw)を測定した結果、それぞれ70万、120万であった。モノマーの仕込み量より計算されるアミノ基の量は0モル/gであり、カチオン性官能基の量は0モル/gであった。
3.2.2 ビニルピロリドン/メタクリル酸ジエチルアミノメチル共重合体
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素置換用ガラス管、および撹拌装置を取り付けたフラスコに、ジエチルアミノメチルメタクリレート70質量部、セチルアクリレート5質量部、ステアリルメタクリレート10質量部、N−ビニルピロリドン10質量部、ブチルメタアクリレート5質量部、およびイソプロピルアルコール100質量部を入れ、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.3質量部加え、窒素気流下60℃で15時間重合反応させた。次いで、ジエチルアミノエチルメタクリレートを1モルに対して0.35倍のモル数の硫酸ジエチルを添加し、窒素気流下50℃で10時間還流加熱してビニルピロリドン/メタクリル酸ジエチルアミノメチル共重合体を合成した。
得られた共重合体をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、装置型番「HLC−8120」、カラム型番「TSK−GEL α−M」、溶離液はNaCl水溶液/アセトニトリル)にて測定した結果、ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)は10万であった。また、モノマーの仕込み量より計算されるアミノ基の量は、0.001モル/gであり、カチオン性官能基の量は0.0006モル/gであった。
また、上記成分の添加量、反応温度、および反応時間を適宜調整することにより、重量平均分子量がそれぞれ40万、180万のビニルピロリドン/メタクリル酸ジエチルアミノメチル共重合体を合成した。
3.2.3 ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体
「PVP/VAコポリマーW−735(分子量32,000、ビニルピロリドン:酢酸ビニル=70:30)」(ISPジャパン社製)を用いた。
3.2.4 ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルアクリルアミド共重合体
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素置換用ガラス管、および撹拌装置を取り付けたフラスコに、水、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業社製、商品名「V−50」)0.6質量部を加え70℃に昇温した。次いで、N−ビニルピロリドン70質量部、DMAPAA(N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)30質量部を入れ、窒素気流下75℃で5時間重合反応させた。次いで、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業社製、商品名「V−50」)0.2質量部を添加し、窒素気流下70℃で6時間還流加熱しビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルアクリルアミド共重合体を11質量%含む水分散体を得た。重合収率は99%であった。
次いで、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業社製、商品名「V−50」)1モルに対して0.30倍のモル数の硫酸ジエチルを添加し、窒素気流下50℃で10時間還流加熱してアミノ基を一部カチオン化した。
得られた共重合体をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、装置型番「HLC−8120」、カラム型番「TSK−GEL α−M」、溶離液はNaCl水溶液/アセトニトリル)にて測定した結果、ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)は60万であった。また、モノマーの仕込み量より計算されるアミノ基の量は0.0010モル/gであり、カチオン性官能基の量は0.0006モル/gである。
3.2.5 ポリアクリル酸
イオン交換水1000gおよび5質量%過硫酸アンモニウム水溶液1gを仕込んだ内容積2リットルの容器中に、20質量%のアクリル酸水溶液500gを70℃還流下で撹拌しながら8時間かけて均等に滴下した。滴下終了後、更に2時間還流下で保持することにより、ポリアクリル酸を含む水溶液を得た。得られたポリアクリル酸をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、装置型番「HLC−8120」、カラム型番「TSK−GEL α−M」、溶離液はNaCl水溶液/アセトニトリル)にて測定した結果、ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)は100万であった。
3.2.6 ポリエチレングリコール
ポリエチレングリコールは、三洋化成社製、商品名「PEG−1500」(分子量550)を用いた。
3.2.7 ヒドロキシエチルセルロース
ヒドロキシエチルセルロースは、ダイセル化学社製、商品名「ダイセルHEC SP900」(分子量140万)を用いた。
3.3 化学機械研磨用水系分散体の調製
イオン交換水50質量部、シリカに換算して0.5質量部を含有するシリカ粒子分散体Aをポリエチレン製の瓶に入れ、これにアラニンを1.2質量部、アセチレンジオール型ノニオン系界面活性剤(商品名「サーフィノール485」、エアープロダクト社製)を0.03質量部、ポリビニルピロリドン(K30)水溶液(重量平均分子量4万)をポリマー量に換算して0.05質量部に相当する量を添加し、さらに10質量%の水酸化カリウム水溶液を添加して化学機械研磨用水系分散体のpHを9.3に調整した。次いで、過硫酸アンモニウムを1.5質量部添加し、15分間撹拌した。最後に、全成分の合計量が100質量部となるようにイオン交換水を加えた後、孔径5μmのフィルターでろ過することにより、pHが9.3の化学機械研磨用水系分散体S1を得た。
化学機械研磨用水系分散体S1から遠心分離によりシリカ粒子を回収し、シリカ粒子濃度が28.0重量%となるように純水を加えて分散させ、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH4〜pH9の範囲で滴定し、滴定値とBET比表面積の値からシラノール基密度を算出したところ、2.0個/nmであった。この結果より、化学機械研磨用水系分散体からシリカ粒子を回収してもシリカ粒子中のシラノール密度を定量することができ、シリカ粒子分散体と同様の結果が得られることがわかった。
化学機械研磨用水系分散体S1から遠心分離によりシリカ粒子を回収し、希フッ化水素酸で回収されたシリカ粒子を溶解し、ICP−MS(パーキンエルマー社製、型番「ELAN DRC PLUS」)を用いてナトリウムおよびカリウムを測定した。さらに、イオンクロマトグラフィー(DIONEX社製、型番「ICS−1000」)を用いてアンモニウムイオンを測定した。その結果、ナトリウム含有量:88ppm、カリウム含有量:5500ppm、アンモニウムイオン含有量:5ppmであった。この結果より、化学機械研磨用水系分散体からシリカ粒子を回収してもシリカ粒子に含有されるナトリウム、カリウム、およびアンモニウムイオンを定量することができ、シリカ粒子分散体と同様の結果が得られることがわかった。
化学機械研磨用水系分散体S2〜S21は、シリカ粒子分散体、有機酸、水溶性高分子、その他の添加剤の種類および含有量を表2〜表3に記載のとおりに変更したこと以外は、上記の化学機械研磨用水系分散体S1と同様にして作製した。なお、表2〜表3において、「アルキルエーテル型ノニオン系界面活性剤」は、商品名「エマルゲン104P」(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル)を用いた。表2〜表3において、アセチレンジオール型ノニオン系界面活性剤は、商品名「サーフィノール485」(エアープロダクト社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール−ジポリオキシエチレンエーテル)を用いた。
得られた化学機械研磨用水系分散体S1〜S21を100ccのガラス管に入れ、25℃で6ヶ月静置保管し沈降の有無を目視により確認した。結果を表2〜表3に示す。表2〜表3において、粒子の沈降および濃淡差が認められない場合を「○」、濃淡差のみが認められた場合を「△」、粒子の沈降および濃淡差のいずれも認められた場合を「×」と評価した。
Figure 2010016344
Figure 2010016344
3.4 化学機械研磨試験
3.4.1 パターンなし基板の研磨評価
化学機械研磨装置(荏原製作所社製、型式「EPO112」)に多孔質ポリウレタン製研磨パッド(ニッタ・ハース社製、品番「IC1000」)を装着し、化学機械研磨用水系分散体S1〜S21のいずれか1種を供給しながら、下記の各種研磨速度測定用基板につき、下記の研磨条件にて1分間研磨処理を行い、下記の手法によって研磨速度、ウエハ汚染を評価した。その結果を表2〜表3に併せて示す。
3.4.1a 研磨速度の測定
(1)研磨速度測定用基板
・膜厚15,000オングストロームの銅膜が積層された8インチ熱酸化膜付きシリコン基板。
・膜厚2,000オングストロームのタンタル膜が積層された8インチ熱酸化膜付きシリコン基板。
(2)研磨条件
・ヘッド回転数:70rpm
・ヘッド荷重:200gf/cm
・テーブル回転数:70rpm
・化学機械研磨水系分散体の供給速度:200mL/分
この場合における化学機械研磨用水系分散体の供給速度とは、全供給液の供給量の合計を単位時間当たりで割り付けた値をいう。
(3)研磨速度の算出方法
銅膜およびタンタル膜について、電気伝導式膜厚測定器(KLAテンコール社製、形式「オムニマップRS75」)を用いて、研磨処理後の膜厚を測定し、化学機械研磨により減少した膜厚および研磨時間から研磨速度を算出した。
3.4.1b ウエハ汚染
前記「3.4.1a 研磨速度の測定」と同様にして、銅膜を研磨処理した。次いで試料表面に超純水を滴下し、銅膜表面上の残留金属を抽出した後、その抽出液についてICP−MS(横河アナリティカルシステムズ社製、型番「Agilent7500s」)にて定量した。その結果を表2〜表3に併せて示す。ウエハ汚染は、3.0atom/cm以下であることが好ましく、2.5atom/cm以下であることがより好ましい。
3.4.2 パターン付きウエハの研磨評価
化学機械研磨装置(荏原製作所社製、型式「EPO112」)に多孔質ポリウレタン製研磨パッド(ニッタ・ハース社製、品番「IC1000」)を装着し、化学機械研磨用水系分散体S1〜S21のいずれか1種を供給しながら、下記のパターン付きウエハにつき、被研磨面にタンタル膜が検出された時点を研磨終点としたこと以外は、前記「3.4.1a 研磨速度の測定」における研磨条件と同様に研磨処理を行い、下記の手法によって平坦性および欠陥の有無を評価した。その結果を表2〜表3に併せて示す。
(1)パターン付きウエハ
シリコン基板上にシリコン窒化膜1,000オングストロームを堆積させ、その上に低誘電率絶縁膜(Black Diamond膜)を4,500オングストローム、更にPETEOS膜を500オングストローム順次積層させた後、「SEMATECH 854」マスクパターン加工し、その上に250オングストロームのタンタル膜、1,000オングストロームの銅シード膜および10,000オングストロームの銅メッキ膜を順次積層させたテスト用の基板を用いた。
3.4.2a 平坦性評価
研磨処理工程後のパターン付きウエハの被研磨面につき、高解像度プロファイラー(KLAテンコール社製、形式「HRP240ETCH」)を用いて、銅配線幅(ライン、L)/絶縁膜幅(スペース、S)がそれぞれ100μm/100μmの銅配線部分におけるディッシング量(nm)を測定した。その結果を表2〜表3に併せて示す。なお、ディッシング量は、銅配線上面が基準面(絶縁膜上面)よりも上に凸である場合はマイナスで表示した。ディッシング量は、−5〜30nmであることが好ましく、−2〜20nmであることがより好ましい。
研磨処理工程後のパターン付きウエハの被研磨面につき、銅配線幅(ライン、L)/絶縁膜幅(スペース、S)がそれぞれ9μm/1μmのパターンにおける微細配線長が1000μm連続した部分におけるエロージョン量(nm)を測定した。その結果を表2〜表3に併せて示す。なお、エロージョン量は、微細配線部の絶縁層上面がフィールド面(配線部でない広い絶縁層上面)よりも上に凸である場合は、マイナスで表示した。エロージョン量は、−5〜30nmであることが好ましく、−2〜20nmであることがより好ましい。
3.4.2b コロージョン評価
研磨処理工程後のパターン付きウエハの被研磨面につき、1cm×1cmの銅の領域について、欠陥検査装置(KLAテンコール社製、形式「2351」)を使用して10nm〜100nmの大きさの欠陥数を評価した。表2〜表3において、○はコロージョンの数が0〜10個であり最も好ましい状態である。△は11個〜100個でありやや好ましい状態である。×は101個以上のコロージョンが存在する状態であり、研磨性能不良と判断される。
3.4.2c 微細配線パターン上の銅残り評価
研磨処理工程後のパターン付きウエハの被研磨面につき、幅0.18μmの配線部および幅0.18μmの絶縁部(ともに長さは1.6mmである)が交互に連続したパターンが、長さ方向に垂直な方向に1.25mm連続した部分について、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡「S−4800(日立ハイテクノロジー社製)」を用いて幅0.18μmの孤立配線部の銅残り(銅残渣)の有無を評価した。銅残りの評価結果を表2〜表3に示す。表中の評価項目「銅残り」は、前記パターン上の銅残渣を表し、「○」は銅残渣が完全に解消されており、最も好ましい状態であることを表す。「△」は一部のパターンに銅残渣が存在し、やや好ましい状態を表す。「×」は銅残渣がすべてのパターンに発生しており、研磨性能不良であることを表す。
3.4.3 評価結果
実施例1〜11では、いずれも銅膜に対する研磨速度が8,000オングストローム/分以上と十分高く、バリアメタル膜に対する研磨速度が1〜2オングストローム/分と十分に低い。したがって、銅膜に対する研磨選択性に優れていることがわかった。また、いずれの実施例においてもウエハ汚染はほとんどなく欠陥も認められず、化学機械研磨用水系分散体の保存安定性も良好であった。
これに対して、比較例1で使用したS12は、重量平均分子量が180万の水溶性高分子を用いている。そのため、研磨速度測定用基板の研磨試験では、銅膜に対する研磨速度が4,000オングストローム/分と小さくなった。また、パターン付きウエハの研磨試験では、銅残りが発生し良好な被研磨面が得られなかった。
比較例2で使用したS13は、(C)水溶性高分子が含有されていない。そのため、パターン付きウエハの研磨試験では、銅膜ディッシングや絶縁膜エロージョンの発生を抑制できず良好な被研磨面が得られなかった。
比較例3で使用したS14は、重量平均分子量が550のポリエチレングリコールを用いているため、保存安定性がやや不良であった。また、パターン付きウエハの研磨試験では、銅膜ディッシングや絶縁膜エロージョンの発生を抑制することができず良好な被研磨面が得られなかった。
比較例4で使用したS15は、(C)水溶性高分子が含有されていない。そのため、パターン付きウエハの研磨試験では、銅膜ディッシングや絶縁膜エロージョンを抑制できず、コロージョンの発生も認められ、良好な被研磨面が得られなかった。
比較例5で使用したS16は、シラノール基密度が1.0個/nm未満のシリカ粒子分散体Jを使用しているため、シリカ粒子が凝集し、保存安定性が不良であった。
比較例6で使用したS17は、(B)有機酸が含有されていない。そのため、研磨速度測定用基板の研磨試験では、銅膜に対する研磨速度が著しく低下した。また、パターン付きウエハの研磨試験では、銅膜ディッシングを抑制することもできなかった。さらに、水溶性高分子による保護だけでは銅配線が腐食しやすく、コロージョンが発生した。
比較例7で使用したS18は、(A)シリカ粒子が含有されていない。そのため、銅膜に対する研磨速度が著しく低下し、実用的なスラリーとはいえない。
比較例8で使用したS19は、シラノール基密度が1.0個/nm未満のシリカ粒子分散体Jを使用しているが、比較例5とは異なり組成のバランスを図ることにより保存安定性は良好であった。しかしながら、研磨速度測定用基板の研磨試験では、ウエハ汚染の発生が認められた。また、パターン付きウエハの研磨試験では、銅膜ディッシング、コロージョン、銅残りの発生を抑制することができず、良好な被研磨面が得られなかった。
比較例9で使用したS20は、シラノール基密度が3.0個/nmを超えたシリカ粒子分散体Kを使用している。そのため、研磨速度測定用基板の研磨試験では、銅膜に対する研磨速度が著しく低下した。一方、タンタル膜に対する研磨速度が著しく上昇しており、銅膜に対する研磨選択性が優れているとはいえなかった。
比較例10で使用したS21は、シラノール基密度が3.0個/nmを超えたシリカ粒子分散体Lを使用している。そのため、研磨速度測定用基板の研磨試験では、銅膜に対する研磨速度が低下する一方、バリアメタル膜に対する研磨速度が30オングストローム/分と大きくなった。さらに、パターン付きウエハの研磨試験では、銅膜ディッシング、絶縁膜エロージョン、コロージョン、銅残りの発生が認められ、良好な被研磨面が得られなかった。
以上の結果より、実施例1〜11の化学機械研磨用水系分散体は、銅膜に対する高研磨速度および高研磨選択性を有し、ウエハの金属汚染や研磨欠陥を低減できることがわかった。
10a・10b・10c…シリカ粒子、20…低誘電率絶縁膜、30…絶縁膜(キャップ層)、40…配線用凹部、50…バリアメタル膜、60…銅膜、100…被処理体

Claims (12)

  1. (A)シリカ粒子と、
    (B)有機酸と、
    (C)重量平均分子量が1万以上150万以下のルイス塩基としての性質を有する水溶性高分子と、
    を含有する銅膜を研磨するための化学機械研磨用水系分散体であって、
    前記(A)シリカ粒子は、下記の化学的性質を有する、化学機械研磨用水系分散体。
    BET法を用いて測定される比表面積および滴定により測定されるシラノール基量から算出されるシラノール基密度は、1.0〜3.0個/nmである。
  2. 請求項1において、
    前記(C)水溶性高分子は、含窒素複素環およびカチオン性官能基から選択される少なくとも1種の分子構造を有する、化学機械研磨用水系分散体。
  3. 請求項1において、
    前記(C)水溶性高分子は、窒素含有モノマーを繰り返し単位とする単重合体、または、窒素含有モノマーを繰り返し単位として含む共重合体である、化学機械研磨用水系分散体。
  4. 請求項3において、
    前記窒素含有モノマーは、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドおよびそのジエチル硫酸塩、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸およびそのジエチル硫酸塩、ならびにN−ビニルホルムアミドから選択される少なくとも1種である、化学機械研磨用水系分散体。
  5. 請求項3において、
    前記窒素含有モノマーは、N−ビニルピロリドンである、化学機械研磨用水系分散体。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項において、
    前記(B)有機酸は、アミノ酸である、化学機械研磨用水系分散体。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項において、
    さらに、前記(A)シリカ粒子は、下記の化学的性質を有する、化学機械研磨用水系分散体。
    ICP発光分析法またはICP質量分析法による元素分析およびイオンクロマト法によるアンモニウムイオンの定量分析から測定されるナトリウム、カリウムおよびアンモニウムイオンの含有量が、ナトリウムの含有量:5〜500ppm、カリウムおよびアンモニウムイオンから選択される少なくとも1種の含有量:100〜20000ppmの関係を満たす。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項において、
    前記(A)シリカ粒子の長径(Rmax)と短径(Rmin)との比率(Rmax/Rmin)は、1.0〜1.5である、化学機械研磨用水系分散体。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項において、
    前記(A)シリカ粒子のBET法を用いて測定した比表面積から算出される平均粒径は、10nm〜100nmである、化学機械研磨用水系分散体。
  10. 請求項1ないし9のいずれか一項において、
    pHは、6〜12である、化学機械研磨用水系分散体。
  11. バリアメタル膜上に銅膜が形成された被処理体を化学機械研磨する方法であって、
    請求項1ないし10のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体を用いて、前記銅膜を化学機械研磨し、前記バリアメタル膜が表出した時点で化学機械研磨を自己停止させる、化学機械研磨方法。
  12. 少なくとも(A)シリカ粒子と、(B)有機酸と、(C)重量平均分子量が1万以上150万以下のルイス塩基としての性質を有する水溶性高分子と、を混合して、化学機械研磨用水系分散体を製造する方法であって、
    前記(A)シリカ粒子は、下記の化学的性質を有する、化学機械研磨用水系分散体の製造方法。
    BET法を用いて測定される比表面積および滴定により測定されるシラノール基量から算出されるシラノール基密度は、1.0〜3.0個/nmである。
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