JP3993995B2 - シリカゾルの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属やアルカリ金属などの不純物の極めて少ない、高純度水性シリカゾルの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、例えば半導体の集積回路付基板の製造においては、シリコンウェハー上に銅などの金属で回路を形成する際に凹凸あるいは段差が生じるので、これを研磨して表面の段差がなくなるように回路の金属部分を優先的に除去することが行われている。また、シリコンウェハー上にアルミ配線を形成し、この上に絶縁膜としてシリカ等の酸化膜を設けると配線による凹凸が生じるので、この酸化膜を研磨して平坦化することが行われている。
このような基板の研磨においては、研磨後の表面は段差や凹凸がなく平坦で、さらにミクロな傷等もなく平滑であることが求められており、また研磨速度が速いことも必要である。さらに、半導体材料は電気・電子製品の小型化や高性能化に伴い高集積化が進展しているが、たとえばトランジスタ分離層に不純物等が残存するすると性能が発揮できなかったり、不具合の原因となることがある。特に研磨した半導体基板や酸化膜表面にアルカリ金属、中でもNaが付着すると、Naは拡散性が高く、酸化膜中の欠陥などに捕獲され、半導体基板に回路を形成しても絶縁不良を起こしたり回路が短絡することがあり、また誘電率が低下することがあった。このため使用条件や使用が長期にわたった場合に前記不具合を生じることがあり、金属、アルカリ金属などの不純物が殆どない研磨用粒子が求められている。
【0003】
研磨用粒子としては、従来、シリカゾルやヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナなどが用いられているが、例えばシリカゾルの場合には、珪砂をアルカリ溶融したカレットを水に溶解させて得られる水硝子を脱アルカリし、得られた珪酸液(珪酸モノマーを多く含む)を塩基性溶媒中で重合させることにより得られる。しかしながら、珪砂中にはAlが多く、得られるシリカゾルにはこのAlの量と連動してアルカリ金属(通常Na)が多く残存し、半導体基板の研磨材として用いるには不向きな場合があった。
上記シリカゾルは酸やキレート剤等で処理することによって、ある程度AlやNaを低減することができるものの、半導体基板の研磨材としては純度が不十分である。そこで、珪砂の代わりに高純度シリカ粉を用いることも行われているが、高純度シリカが高価であることに加え、アルカリ溶融に時間がかかるなどの問題があった。
【0004】
一方、高純度シリカゾルの製造方法として、不純物の少ないアルコキシシランを出発原料とする方法が知られており、特開平6−316407号公報にはアルキルシリケートをアルカリ存在下で加水分解しながら、生成した珪酸を重合させてシリカゾルを得る方法が開示されている。
また、特開2001−2411号公報等には、アルコキシシランを酸性溶媒中で加水分解し、これによって生成した珪酸モノマーを塩基性溶媒中で重合させて水性シリカゾルを得る方法が開示されている。これらの方法では、得られるシリカゾルの安定性が不充分であったり、また、アルコキシ基(OR基)が残存して得られる粒子の密度が低く、研磨材に用いた場合に充分な研磨速度が得られないという課題が残されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、アルカリ金属や多価金属等の不純物が極めて少なく、また、アルコキシ残基(OR基)もなく、安定性にも優れたシリカゾルの製造方法を提供するものである。また、半導体基板等の研磨材として好適なシリカゾルの製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のシリカゾルの製造方法は、(a)アルカリ金属水酸化物水溶液および/または有機塩基水溶液に有機ケイ素化合物を加えてアルカリ金属珪酸塩水溶液および/または有機塩基珪酸水溶液を得、(b)該アルカリ金属珪酸塩水溶液および/または有機塩基珪酸水溶液からアルカリ金属カチオンおよび/または有機カチオンを除去して酸性珪酸液を調製し、(c)該珪酸液を塩基性の水性溶媒または塩基性の核粒子分散液に加えて珪酸を重合させる、各工程からなることを特徴とするものである。
前記有機ケイ素化合物はアルコキシシランであることが好ましい。
前記アルカリ金属水酸化物水溶液および/または有機塩基水溶液のアルカリ金属および/または塩基のモル数(MB )と前記有機ケイ素化合物のモル数(MOS)の比(MOS/MB )は1〜4の範囲にあることが好ましい。
前記製造方法によって得られるシリカゾル中のNa量を5ppm以下として、研磨材用シリカゾルを製造する。
前記製造方法によって得られるシリカゾル中のNa以外のアルカリ金属量を100ppm以下として、研磨材用シリカゾルを製造する。
【0007】
【発明の具体的な説明】
以下、本発明のシリカゾルの製造方法を前記した工程(a)〜工程(c)の順に説明する。
【0008】
工程(a)
工程(a)で用いる有機ケイ素化合物には下記一般式で表される有機ケイ素化合物およびこれらの混合物が用いられる。式中、R1 は置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の炭化水素基を示し、R2 は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアシル基を示し、nは0または1の整数である。
一般式: R1 n Si(OR2 4-n
上記式(1)のなかでも、n=0の有機ケイ素化合物は、ケイ素に直接結合した炭化水素基を待たないので、得られるシリカ粒子の密度が高く、研磨材に用いた場合、高い研磨速度が得られる。これらの有機ケイ素化合物として、具体的にはテトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラプロポキシシラン(TPOS)、テトラブトキシシラン(TBOS)等の4官能のアルコキシシランが挙げられる。
【0009】
アルカリ金属水酸化物としてはLiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOHおよびこれらの混合物があるが、通常、NaOH、KOHの水溶液を用いる。また、有機塩基の水溶液としては第4級アンモニウムハイドロオキサイドが好ましく、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイドなどの水溶液が好ましい。
【0010】
アルカリ金属水酸化物水溶液および/または有機塩基水溶液に加える有機ケイ素化合物の添加量は、水溶液中の濃度がSiO2 に換算して1〜30重量%、特に3〜15重量%の範囲にあることが好ましい。添加量が1重量%未満の場合は、加水分解で経時的に珪酸のオリゴメリゼーションなどが起き、後工程の脱カチオンにより得られる珪酸液において珪酸モノマーの割合が低く、珪酸オリゴマーの割合の高い珪酸液が得られることがある。このような珪酸液を用いて得られるシリカゾルは安定性が不充分であったり、シリカ粒子密度が低く、研磨材に用いた場合、研磨速度が低下することがある。他方、添加量が30重量%を越えると、得られるアルカリ金属珪酸塩水溶液および/または有機塩基珪酸水溶液の粘度が高く、後工程で、イオン交換樹脂などによるアルカリ金属カチオンおよび/または有機カチオンの除去が困難になるとともに、得られる珪酸液の安定性が低くゲル化することがある。
【0011】
アルカリ金属水酸化物水溶液および/または有機塩基水溶液のアルカリ金属および/または塩基のモル数(MB )と有機ケイ素化合物のモル数(MOS)の比(MOS/MB )は1〜4、さらには2〜3. 5の範囲にあることが好ましい。モル比(MOS/MB )が1未満の場合、即ちシリカに対してアルカリ金属および/または塩基が多い場合は、後工程で、イオン交換樹脂を多く必要とし珪酸液の生産効率が低下する。モル比(MOS/MB )が4を越えると、得られるシリカ粒子中に有機ケイ素化合物に由来するアルコキシ基(前記一般式におけるOR2 基)が残存したり、シリカが析出することがある。
なお、アルカリ金属水酸化物水溶液および/または有機塩基水溶液に有機ケイ素化合物を添加するときの温度は、安定なアルカリ金属珪酸塩水溶液および/または有機塩基珪酸水溶液が得られれば特に制限はなく、50〜150℃、さらには70〜105℃の範囲が好ましい。また、有機ケイ素化合物の添加時間も特に制限はなく、通常2分〜60分で添加される。
【0012】
工程(b)
アルカリ金属カチオンおよび/または有機カチオンの除去方法としては、アルカリ金属を除去して安定な珪酸液が得られれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えばイオン交換樹脂法、イオン交換膜法等が挙げられる。
即ち、先ず、工程(a)で得たアルカリ金属珪酸塩水溶液および/または有機塩基珪酸水溶液の濃度をSiO2 に換算して1〜10重量%、特に2〜6重量%の範囲に調整する。当該濃度が1重量%未満の場合は、工程(c)においてシリカ粒子を成長させる際の濃度が低くなり、酸性珪酸液の利用率が低下するとともに生産速度が低下して好ましくない。当該濃度が10重量%を越えると、得られる酸性珪酸液の安定性が不充分となる。
次いで、上記濃度範囲のアルカリ金属珪酸塩水溶液および/または有機塩基珪酸水溶液を、例えばイオン交換樹脂でイオン交換処理してアルカリ金属カチオンおよび/または有機カチオンを除去する。このとき、得られる珪酸液の濃度はSiO2 に換算して1〜10重量%、さらには2〜6重量%の範囲となる。また、珪酸液のpHは1〜3. 5の範囲にあることが好ましく、特にpH2〜3の範囲にあれば、珪酸液中の残存カチオンが少なく安定性に優れるので、望ましい。
【0013】
珪酸液中の残存アルカリ金属の量は、珪酸液をSiO2 で表したとき、アルカリ金属がNaの場合は、SiO2 中に10ppm以下、特に5ppm以下とすることが好ましく、アルカリ金属がNa以外の場合はSiO2 中に200ppm以下、特に100ppm以下とすることが好ましい。珪酸液中のアルカリ金属の量がこの範囲にあれば、得られるシリカゾル中のアルカリ金属の量がSiO2 中にNaであれば5ppm以下、Na以外のアルカリ金属であれば100ppm以下の低アルカリ量のシリカゾルを得ることができる。
また、有機カチオンの場合は、得られる珪酸液のpHが3. 5以下となれば特に制限はないが、概ねSiO2 中に1000ppm以下、特に500ppm以下とすることが好ましい。
【0014】
工程(c)
工程(c)において、塩基性の水性溶媒としては水に塩基を加えたものを用いるが、このときの塩基としては、アンモニアの他、テトラエチルアンモニウムハイドライド、エチレンジアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどのアルカリ金属以外の有機塩基を用いることが好ましい。なお、NaOH以外のアルカリ金属水酸化物は、得られるシリカゾル中のNa以外のアルカリ金属がSiO2 中に100ppm以下となるような量で存在してもよく、また必要に応じて添加することもできる。Na以外のアルカリ金属が存在すると得られるシリカゾルの安定性が向上すると共に、Na含有量のより低下したシリカゾルを得ることができる。また、前記Na以外のアルカリ金属の代わりにNa以外のアルカリ金属の珪酸塩、例えばケイ酸カリウムなどを用いることもできる。この場合、アルカリ金属珪酸塩水溶液に珪酸液を加えていくとシリカ濃度が高くなったところで核粒子が発生し、ついで珪酸液の添加により核粒子が粒子成長してシリカゾルを得ることができる。
【0015】
工程(c)では、前記塩基性の水性溶媒に核粒子が分散した核粒子分散液も好適である。そのような核粒子分散液としては、得られるシリカゾル中のNa、Na以外のアルカリ金属が前記した濃度範囲であれば特に制限はなく、従来公知のシリカ、アルミナ、ジルコニア、シリカ・アルミナ等の微粒子の分散液を用いることができる。なかでも、本願出願人の出願による特開平5−132309号公報に開示したシリカゾルは粒子径分布が均一であり、このため均一な粒子径分布のシリカゾルが得られるので好ましい。また、核粒子分散液にはアルカリ金属珪酸塩が加えられていることが好ましい。アルカリ金属珪酸塩が加えられていると、次いで粒子成長用の珪酸液を加える際に、分散媒中に溶解したSiO2 濃度が予め高くされているので核粒子への珪酸の析出が早く起こる。なお、ここで用いるアルカリ金属珪酸塩としては、珪酸ナトリウム(ナトリウム水硝子)以外の珪酸カリウム(カリ水硝子)等のアルカリ金属珪酸塩あるいは4級アミンなど有機塩基にシリカを溶解した溶液を用いることが好ましい。また、必要に応じてNaOH以外のアルカリ金属水酸化物、アンモニア、4級アンモニウムハイドロオキサイドを添加することができる。
【0016】
核粒子分散液の濃度は核粒子の大きさによっても異なるが、SiO2 として0. 005〜20重量%、特に0. 01〜10重量%の範囲にあることが好ましい。核粒子の濃度が0. 005重量%未満の場合は、粒子成長を行うために温度を高めた場合核粒子の一部または全部が溶解することがあり、核粒子の全部が溶解すると核粒子分散液を用いる効果が得られず、核粒子の一部が溶解した場合は得られるシリカ粒子の粒子径が不均一になる傾向があり、この場合も核粒子分散液を用いる効果が得られない。核粒子の濃度が20重量%を越えると、核粒子当たりの珪酸液の添加割合を低濃度の場合と同一成長速度にするには珪酸液の添加速度を速めることになるが、この場合、珪酸液の核粒子表面への析出が追随できず、このため核粒子分散液中の溶解したシリカ濃度が過飽和となり、新たに微細な核粒子が発生して得られるシリカ粒子の粒子径が不均一になることがある。
【0017】
前記塩基性の水性溶媒または塩基性の核粒子分散液のpHおよび珪酸液添加中の分散液のpHは概ね8〜12、好ましくは9. 5〜11. 5の範囲に調整することが望ましい。水性溶媒または核粒子分散液のpHが前記範囲にあれば単分散で安定性に優れたシリカゾルを得ることができる。
塩基性の水性溶媒または塩基性の核粒子分散液に珪酸液を添加する際の温度は50〜150℃、さらには70〜120℃の範囲にあることが好ましい。
また、珪酸液の添加速度は珪酸液を添加する際の温度、核粒子の有無、核粒子分散液の核粒子の濃度、平均粒子径、用いる珪酸液の濃度等によって異なり特に限定されるものでなく、成長粒子がゲル化しないように添加速度を設定することが肝要である。
【0018】
本発明のシリカゾルの製造方法においては、工程(a)で有機ケイ素化合物の加水分解によって生成したアルコールを、工程(a)以降のいずれかの工程で除去することが好ましい。特に、前記工程(c)における温度を生成アルコールの沸点以上にした場合は容易にアルコールを留出させることができる。また、前記珪酸液の添加を終了した後は、生成アルコールの沸点以上にしてアルコールを留出させても、あるいは減圧にしてアルコールを留出させてもよい。
上記のようにして得られたシリカゾルの濃度はSiO2 として概ね5〜50重量%の範囲にある。シリカゾルは更に必要に応じて希釈したり、濃縮して用いることができ、濃縮する方法としては限外濾過膜法等が挙げられる。
【0019】
本発明で得られるシリカゾル中のNaの量はSiO2 中に5ppm以下、特に2ppm以下とすることが好ましい。Na量が5ppm以下であれば、半導体基板の研磨材等として用いても、Naが半導体基板に残存することがなく、このため半導体基板に回路を形成しても長期にわたって絶縁不良を起こしたり回路が短絡することがなく、また誘電率の低下等が少なく、半導体材料等の製造に好適に用いることができる。
上記Na量の少ないシリカゾルは、さらにNa以外のアルカリ金属の量がSiO2 中に100ppm以下、特に50ppm以下の範囲にあることが好ましい。この範囲にあれば、やはり半導体基板の研磨材等に用いても、Na以外のアルカリ金属が半導体基板に残存することがなく、半導体基板に回路を形成しても長期にわたって絶縁不良を起こしたり回路が短絡することがなく、また誘電率の低下等が少ないので、半導体材料等の製造に好適である。
【0020】
【発明の効果】
本発明方法では、有機ケイ素化合物を加水分解するとともに、アルカリ金属水酸化物および/または有機塩基と反応させてアルカリ金属珪酸塩水溶液および/または有機塩基珪酸水溶液とするので、未加水分解のアルコキシ基が残存することがなく緻密なシリカ粒子が分散したシリカゾルが得られる。このため本発明方法で得られたシリカゾルを研磨材に用いると研磨速度が早く、得られる研磨面が平滑である。
また、本発明方法では、アルカリ金属の少ないシリカゾル、特に実質的にNaを含まないシリカゾルを得ることができる。このため研磨に用いてもNaが半導体基板に残存することがなく、このため半導体基板に回路を形成しても長期にわたって絶縁不良を起こしたり回路が短絡することがなく、また誘電率の低下等が少なく、半導体材料等の製造に好適に用いることができる。
【0021】
【実施例1】
シリカゾル(A)の調製
正珪酸エチル(多摩化学(株)製:Na含有量0. 01ppm)をKOHに溶解して珪酸カリウム溶液(カリウム水硝子、SiO2 濃度21重量%、MOS/MB =3. 5)を得た。ついで、これを希釈して得た希釈水硝子(SiO2 濃度5重量%)をイオン交換樹脂で脱アルカリして酸性珪酸液(pH2. 2、SiO2 濃度3重量%)3508gを調製した。
純水243gに、上記で調製した酸性珪酸液121gと濃度20重量%のKOH水溶液8. 8gとを混合し、ついで83℃に昇温し、30分間熟成して核粒子分散液を調製した。分散液のpHは10. 5であり、核粒子の平均粒子径は3.4nmであった。
この核粒子分散液に、上記で調製した酸性珪酸液3383gを17時間で添加し、ついで1時間熟成した後、限外濾過膜にてシリカ粒子分散液のpHが10になるまで洗浄し、加熱しながらアルコールを留去して濃縮し、SiO2 濃度30重量%のシリカゾル(A-1) を調製した。
シリカゾル(A-1) をイオン交換樹脂にてイオン交換してシリカゾル(A)を調製した。製造条件を表1に示す。得られたシリカゾル(A)についてシリカ粒子中のNa、Kを分析した。また、アルコキシ残基の有無を確認するために炭素を分析した。さらに、乾燥したシリカ粒子を400℃で2時間焼成し、ピクノメーター法で粒子密度を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0022】
研磨材(A)の調製
上記で得たシリカゾル(A)をSiO2 濃度20重量%に調整し、これに濃度15重量%のNH4 OH水溶液を添加して分散液のpHを10. 5に調整して研磨材(A)を調製した。
被研磨基板として熱酸化膜を形成したシリコンウェーハ(研磨試験用:30mm□)を用い、研磨装置(ナノファクター(株)製:NF300)にセットし、基板荷重0. 12MPa、テーブル回転速度30rpmで研磨材(A)を1ml/秒の速度で30秒間供給して研磨し、研磨前後の厚みを求めて研磨速度を算出し、また研磨前後の基板の平滑性を評価し、結果を表2に示した。平滑性の評価は、研磨後の表面を光学顕微鏡で観察して行い、次の基準で評価した。
○:研磨前の傷、筋等が殆ど無くなり、表面が平滑である。
△:研磨前の傷、筋等が半分以下に減少し、表面が平滑である。
×:研磨前の傷、筋等が僅かに減少しているが、表面は粗い。
【0023】
【実施例2】
正珪酸エチルの代わりに正珪酸メチルを用いた以外は実施例1と同様にしてシリカゾル(B)を調製した。
また、シリカゾル(B)を用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(B)を調製し、被研磨基板を研磨し、研磨前後の基板の凹凸、研磨速度を測定した。
【0024】
【実施例3】
実施例1で得たシリカゾル(A)62. 9gを純水3494gに混合し、これに実施例1で調製した珪酸カリウム水溶液25. 8gを添加して核粒子分散液を調製した。このときの核粒子分散液のpHは10. 5であった。
核粒子分散液を95℃に昇温し、これに実施例1と同様にして得た酸性珪酸液3713gを15時間で添加し、ついで1時間熟成を行った後、限外濾過膜にてシリカ粒子分散液のpHが10になるまで洗浄し、加熱しながらアルコールを留去して濃縮し、SiO2 濃度30重量%のシリカゾル(C-1) 分散液を調製した。次いで、シリカゾル(C-1) をイオン交換樹脂にてイオン交換してシリカゾル(C)を調製した。
また、シリカゾル(C)を用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(C)を調製し、被研磨基板を研磨し、研磨前後の基板の凹凸、研磨速度を測定した。
【0025】
【実施例4】
実施例3で得たシリカゾル(C)62. 9gを純水3494gに混合し、これに実施例1で調製した珪酸カリウム水溶液25. 8gを添加して核粒子分散液を調製した。このときの核粒子分散液のpHは10. 5であった。
核粒子分散液を95℃に昇温し、これに実施例1と同様にして得た酸性珪酸液3713gを15時間で添加し、ついで1時間熟成を行った後、限外濾過膜にてシリカ粒子分散液のpHが10になるまで洗浄し、加熱しながらアルコールを留去して濃縮し、SiO2 濃度30重量%のシリカゾル(D-1) を調製した。次いで、シリカゾル(D-1) をイオン交換樹脂にてイオン交換してシリカゾル(D)を調製した。
また、シリカゾル(D)を用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(D)を調製し、被研磨基板を研磨し、研磨前後の基板の凹凸、研磨速度を測定した。
【0026】
【実施例5】
正珪酸エチル(多摩化学(株)製:Na含有量0. 01ppm)をKOHに溶解してMOS/MB 比が3. 2の珪酸カリウム溶液(カリウム水硝子、SiO2 濃度21重量%)を得た。ついで、これを希釈して得た希釈水硝子(SiO2 濃度5重量%)をイオン交換樹脂で脱アルカリして酸性珪酸液(pH2. 2、SiO2 濃度3重量%)3027gを調製した。
この酸性珪酸液を用いた以外は実施例3と同様にしてシリカゾル(E)を調製した。
また、シリカゾル(E)を用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(E)を調製し、被研磨基板を研磨し、研磨前後の基板の凹凸、研磨速度を測定した。
【0027】
【比較例1】
イオン交換水71重量部に0. 1N塩酸4. 5重量部を溶解したpH3. 4の塩酸酸性水性溶媒に、正珪酸エチル(多摩化学(株)製:Na含有量0. 01ppm)45重量部を加えて常温にて50分撹拌してSiO2 濃度3重量%の酸性珪酸液を得た。
一方、撹拌機、冷却器付きの容器に、イオン交換水130重量部にエチレンジアミン0. 5重量部を溶解してpH11. 1の塩基性水性溶媒を用意した。ついで、塩基性水性溶媒の温度を70℃とした後、窒素気流下で上記の酸性珪酸液100重量部を2. 5時間かけて添加し、その後95℃で1時間熟成を行った後、限外濾過膜にてシリカ粒子分散液のpHが10になるまで洗浄し、加熱しながらアルコールを留去して濃縮し、SiO2 濃度30重量%のシリカゾル(F-1) を調製した。シリカゾル(F-1) をイオン交換樹脂にてイオン交換してシリカゾル(F)を調製した。
また、シリカゾル(F)を用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(F)を調製し、被研磨基板を研磨し、研磨前後の基板の凹凸、研磨速度を測定した。
【0028】
【比較例2】
比較例1で得たシリカゾル(F)62. 9gを純水3494gに混合し、これに実施例1で調製した珪酸カリウム水溶液25. 8gを添加して核粒子分散液を調製した。このときの核粒子分散液のpHは10. 5であった。
核粒子分散液を95℃に昇温し、これに比較例1と同様にして得た酸性珪酸液8352gを15時間で添加し、ついで1時間熟成を行った後、限外濾過膜にてシリカ粒子分散液のpHが10になるまで洗浄し、加熱しながらアルコールを留去して濃縮し、SiO2 濃度30重量%のシリカゾル(G-1) を調製した。
ついで、シリカゾル(G-1) をイオン交換樹脂にてイオン交換してシリカゾル(G)を調製した。
また、シリカゾル(G)を用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(G)を調製し、被研磨基板を研磨し、研磨前後の基板の凹凸、研磨速度を測定した。
【0029】
【比較例3】
比較例2で得たシリカゾル(G)62. 9gを純水3494gに混合し、これに実施例1で調製した珪酸カリウム水溶液25. 8gを添加して核粒子分散液を調製した。このときの核粒子分散液のpHは10. 5であった。
核粒子分散液を95℃に昇温し、これに比較例1と同様にして得た酸性珪酸液3535gを15時間で添加し、ついで1時間熟成を行った後、限外濾過膜にてシリカ粒子分散液のpHが10になるまで洗浄し、加熱しながらアルコールを留去して濃縮し、SiO2 濃度30重量%のシリカゾル(H-1) を調製した。
ついで、シリカゾル(H-1) をイオン交換樹脂にてイオン交換してシリカゾル(H)を調製した。
また、シリカゾル(H)を用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(H)を調製し、被研磨基板を研磨し、研磨前後の基板の凹凸、研磨速度を測定した。
【0030】
【表1】
Figure 0003993995
【0031】
【表2】
Figure 0003993995

Claims (4)

  1. (a)水酸化カリウム水溶液に有機ケイ素化合物を加えて珪酸カリウム水溶液を得、(b)該珪酸カリウム水溶液からカリウムイオンを除去して酸性珪酸液を調製し、(c)該珪酸液を水酸化カリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液を溶媒とする核粒子分散液に加えて珪酸を重合させることからなる、シリカゾルの製造方法であって、前記工程(a)における前記水酸化カリウム水溶液のカリウムのモル数(M B )と前記有機ケイ素化合物のモル数(M OS )の比(M OS /M B )が1〜4の範囲にあるシリカゾルの製造方法
  2. 前記有機ケイ素化合物がアルコキシシランである請求項1記載のシリカゾルの製造方法。
  3. 得られるシリカゾル中のNa量を5ppm以下とする、請求項1または2記載の研磨材用シリカゾルの製造方法。
  4. 得られるシリカゾル中のNa以外のアルカリ金属量を100ppm以下とする、請求項記載の研磨材用シリカゾルの製造方法。
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