JP2004002723A - 研磨用粒子とその製造方法および研磨材 - Google Patents

研磨用粒子とその製造方法および研磨材 Download PDF

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西田 広泰
Yoshinori Wakamiya
若宮 義憲
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Abstract

【課題】コア・シェル構造を有する研磨用粒子においてシェル部の厚さおよび/または密度を調節することによって研磨速度をコントロールする。
【解決手段】研磨用粒子は、平均粒子径(D)が5〜300nmの範囲にあるコア・シェル構造を有し、シェル部の厚さ(ST )が1〜50nmの範囲にあるシリカからなり、シェル部の密度は1.6〜2.2g/ccの範囲にあり、シェル部のNa含有量は10ppm以下である。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、コア・シェル構造を有する研磨用粒子とその製造方法および該研磨用粒子を含んでなる研磨材に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、半導体の集積回路付基板の製造においては、例えばシリコンウェハー上に銅などの金属で回路を形成する際に凹凸あるいは段差が生じるので、これを研磨して表面の段差がなくなるように回路の金属部分を優先的に除去することが行われている。また、シリコンウェハー上にアルミ配線を形成し、この上に絶縁膜としてSiO2 等の酸化膜を設けると配線による凹凸が生じるので、この酸化膜を研磨して平坦化することが行われている。
このような研磨方法として、化学機械研磨法(CMP)が良く知られている。同法は、凹凸を有する基板を回転している研磨パッドに押し付けると共に、基板自体も回転させながら研磨材スラリー中に浸漬することにより、該スラリー中に含まれる研磨用粒子が加重により凹凸を有する基板に押しつけられ、この結果、基板の凸部金属部分が除去されて平坦化されるものである。さらに、基板上に形成された酸化膜の表面を平坦化するため、または回路上に形成された絶縁膜(酸化膜)の凹凸を平坦化する目的等にも、同様の研磨が行われている。
【0003】
このとき、研磨用粒子としてはヒュームドアルミナあるいはヒュームドシリカ等の平均粒子径が200nm程度の球状粒子が用いられている。研磨材としては、このような研磨用粒子と共に、被研磨材の種類により、金属の研磨速度を高めるために過酸化水素等の酸化剤や、金属の腐食あるいは酸化を抑制するためにベンゾトリアゾール(BTA)や、更に酸等の化学的研磨材、pH調整剤等を加えた水系の研磨材スラリーが用いられている。
このような基板の研磨においては、研磨後の表面は段差や凹凸がなく平坦で、さらにミクロな傷等もなく平滑であることが求められており、また研磨速度が速いことも必要である。さらに、半導体材料は電気・電子製品の小型化や高性能化に伴い高集積化が進展しているが、たとえばトランジスタ分離層に不純物等が残存すると性能が発揮できなかったり、不具合の原因となることがある。特に研磨した半導体基板、酸化膜表面にアルカリ金属の中でもNaが付着すると拡散性が高く、酸化膜中の欠陥などに捕獲され、半導体基板に回路を形成しても絶縁不良を起こしたり回路が短絡することがあり、また誘電率が低下することがあった。このため使用条件や使用が長期にわたった場合に前記不具合を生じることがあった。
【0004】
また、アルミニウムで被覆した微細な酸化珪素微粒子を含むコロイドが、未被覆の酸化珪素微粒子を含む通常のコロイダルシリカよりも高アルカリ領域で安定であるという知見に基づき、研磨用組成物溶液として前記アルミニウムで被覆した微細な酸化珪素粒子を含むコロイドであって、pHの緩衝作用を有し、導電率の高い溶液を研磨用組成物溶液とすることが公知である(例えば、特許文献1参照)。同特許文献1には、当該研磨用組成物は高pH領域でpHの変化が少なく、かつ研磨加工速度が高速で安定している旨の記載もある。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−302635号公報
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、コア・シェル構造を有する研磨用粒子においてシェル部の厚さおよび/または密度を調節することによって研磨速度をコントロールし、かつ前記課題を解決することのできる研磨用粒子とその製造方法および該研磨用粒子を含んでなる研磨材を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】
本発明の研磨用粒子は、平均粒子径(D)が5〜300nmの範囲にあるコア・シェル構造を有し、シェル部の厚さ(ST )が1〜50nmの範囲にあるシリカからなることを特徴とするものである。
前記シェル部の密度は1.6〜2.2g/ccの範囲にあることが好ましい。前記シェル部のNa含有量は10ppm以下であることが好ましい。前記コア部がSiO2 、Al2 3 、ZrO2 、SnO2 、ZnO、CeO2 、TiO2 、MnOから選ばれる1種または2種以上の酸化物からなることが好ましい。
本発明の研磨用粒子の製造方法は、温度範囲が50〜200℃であるコア粒子の分散液に、酸性珪酸液を連続的または断続的に添加して該コア粒子にシェル部を形成することを特徴とするものである。なお、前記酸性珪酸液の添加後更に、70〜150℃の温度範囲で0.5〜5時間熟成することが好ましい。
本発明の研磨材は前記研磨用粒子を含んでなる。
【0008】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
研磨用粒子
本発明に係る研磨用粒子はコア・シェル構造を有し、その平均粒子径(D)は5〜300nm、好ましくは10〜200nm、さらに好ましくは10〜45nmの範囲にある。平均粒子径が5nm未満の場合は、研磨用粒子分散液あるいは研磨材の安定性が不充分となる傾向にあり、また粒子径が小さすぎて充分な研磨速度が得られないことがある。一方、平均粒子径が300nmを越えると、基板または絶縁膜の種類にもよるが傷(スクラッチ)が残存し、充分な平滑性が得られないことがある。従って、要求される研磨速度、研磨精度等を考慮して前記範囲の中から研磨用粒子の平均粒子径を選択することが望ましい。
【0009】
研磨用粒子のシェル部はシリカからなり、その厚さ(ST )は1〜50nm、好ましくは2〜30nm、さらに好ましくは5〜26nmの範囲にある。シェル部の厚さ(ST )が1nm未満の場合は、シェル部を設ける効果が得られ難い。即ち、コア部のアルカリ金属が多い場合にあっても該アルカリ金属の粒子外への拡散を防止したり、または、シェル部の密度を変えることによって、研磨材の研磨速度を調整することができるといった効果が得られないことがある。シェル部の厚さ(ST )が50nmを越えても前記効果がさらに向上することがなく、コア部の粒子径にもよるが実質的にシェル部のみからなる研磨用粒子を作るのと相違がなく、経済性が低下することがある。シェル部の厚さ(ST )と研磨用粒子の平均粒子径(D)との比(ST )/(D)は概ね1/100〜1/2の範囲にあることが好ましい。
【0010】
シェル部の密度は1.6〜2.2g/cc、さらに1.8〜2.2g/ccの範囲にあることが好ましい。前記のように、本発明においてシェル部はシリカからなるためその密度が2.2g/ccを越えることはない。シェル部の密度が1.6g/cc未満の場合は、シェル部の強度が低下し、研磨に際して剥離したり破壊することがあり、スクラッチの原因となることがある。シェル部の密度を上記範囲で変更することにより研磨速度および研磨面の平滑性を調節することができ、シェル部の密度が高い場合は研磨速度を速めることができ、シェル部の密度が低い場合は研磨速度を低下させたり、研磨面にスクラッチがなく平滑にすることができる。
シェル部の密度(Ds)を測定するには、先ずコア粒子の密度(Dc)をピクノメーター法で求めた後、走査透過型電子顕微鏡(STEM)により、コア粒子のZ−コントラスト(Zc)(単位厚み当たりの強度(cps))を測定する。次に、研磨用粒子についてSTEMによりシェル部のZ−コントラスト(Zs)(単位厚み当たりの強度(cps))を求め、Ds=Dc×Zs/Zcにより算出して求めることができる。
【0011】
シェル部のNa含有量はNaとして10ppm以下、好ましくは5ppm以下、特に好ましくは1ppm以下である。このNa含有量が10ppmを越えると、研磨した基板にNaが残存し、Naが半導体基板に形成された回路の絶縁不良を起こしたり回路が短絡することがあり、絶縁用に設けた膜(絶縁膜)の誘電率が低下し金属配線にインピーダンスが増大し、応答速度の遅れ、消費電力の増大等が起きることがある。またNaイオンが移動(拡散)し、使用条件や使用が長期にわたった場合に前記不具合を生じることがある。
【0012】
コア粒子
本発明に用いる研磨用粒子のコア部はSiO2 、Al2 3 、ZrO2 、SnO2 、ZnO、CeO2 、TiO2 、MnOから選ばれる1種または2種以上の酸化物であることが好ましく、被研磨基板の種類、要求される研磨速度や研磨精度等によって適宜選択して用いることができる。なお、本発明ではコア部のNa含有量は必ずしも10ppm以下とする必要はない。これは、シェル部の厚みにもよるが、例えばシェル部の密度が2.0〜2.2の範囲にあれば、シェル部が緻密となりNaが外部に容易には拡散しないからである。
コア部は球状粒子であることが好ましく、コア粒子の平均粒子径は4〜250nmの範囲にあることが好ましい。
【0013】
本発明の研磨用粒子は水および/または有機溶媒に分散させて用いることができる。有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類が好ましく、他にエーテル類、エステル類、ケトン類など水溶性の有機溶媒を用いることができる。研磨用粒子分散液の濃度は固形分として概ね5〜50重量%の範囲にあることが好ましい。濃度が5重量%未満の場合は、配合して得られる研磨材中の研磨用粒子の濃度が低くなり過ぎて充分な研磨速度が得られないことがあり、分散液の濃度が50重量%を越えると、分散液の安定性が低下する傾向にあり、また研磨処理のために分散液を供給する工程で乾燥物が生成して付着することがあり、スクラッチ発生の原因となることがある。
【0014】
研磨用粒子の製造方法
次いで、上記した研磨用粒子の製造方法について説明する。
先ず、前記したコア粒子の分散液を調製し、これに酸性珪酸液を加えてシリカを析出させてシェルを形成する。
このときのコア粒子分散液の濃度は酸化物として0.005〜20重量%、さらには0.01〜10重量%の範囲にあることが好ましい。コア粒子の濃度が0.005重量%未満の場合は生産性が低く、コア粒子の濃度が20重量%を越えると、酸性珪酸液の添加速度にもよるが、シェル部の密度が1.6未満となることがあり、さらに得られる研磨用粒子が凝集することがある。また、分散液の温度は50〜200℃、さらには80〜150℃の範囲にあることが好ましい。
【0015】
酸性珪酸液としては、(1)アルカリ金属珪酸塩水溶液をイオン交換樹脂等で脱アルカリして得られる酸性珪酸液、(2)有機ケイ素化合物を塩酸、硝酸、硫酸などの酸で加水分解して得られる酸性珪酸液、(3)アルカリ金属水酸化物水溶液および/または有機塩基水溶液に有機ケイ素化合物を加えた水溶液をイオン交換樹脂等で脱アルカリまたは脱有機塩基して得られる従来公知の酸性珪酸液等、を用いることができる。前記アルカリ金属珪酸塩水溶液、アルカリ金属水酸化物水溶液のアルカリとしてはNa以外のアルカリ、特にKが好ましく、この場合得られる酸性珪酸液中にNaが実質的に存在しないので、シェル部にNaを実質的に含有しない研磨用粒子が得られる。
【0016】
上記有機ケイ素化合物としては下記化学式で表される有機ケイ素化合物およびその混合物を用いることができる。但し、式中、R1 は置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の炭化水素基を示し、R2 は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアシル基を示し、nは0または1の整数である。
1  n Si(OR2 4−n 
上記化学式において、n=0の有機ケイ素化合物は、ケイ素に直接結合した炭化水素基を待たないので、得られるシェル部の密度が高く、研磨に用いた場合、高い研磨速度が得られる。具体的にはテトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラプロポキシシラン(TPOS)、テトラブトキシシラン(TBOS)等の4官能の有機ケイ素化合物が挙げられる。
【0017】
アルカリ金属水酸化物水溶液としてはLiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOHおよびこれらの混合物を用いることができるが、通常、KOH水溶液が好適に用いられる。
また、有機塩基水溶液としては第4級アンモニウムハイドロオキサイドが好ましく、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイドなどが好ましい。
【0018】
アルカリ金属水酸化物水溶液および/または有機塩基水溶液に加える有機ケイ素化合物の量は、水溶液中の濃度がSiO2 に換算して1〜10重量%、さらには2〜7重量%の範囲にあることが好ましい。添加量がSiO2 に換算して1重量%未満の場合は、経時的に加水分解して珪酸のオリゴメリゼーションなどが起き、後工程の脱カチオンにより得られる珪酸液において珪酸モノマーの割合が低く、珪酸オリゴマーの割合の高い珪酸液が得られることがある。このような酸性珪酸液を用いて得られるシェルは密度が低く、研磨に用いた場合、研磨速度が低下することがある。有機ケイ素化合物の添加量がSiO2 に換算して10重量%を越えると、得られるアルカリ金属珪酸塩水溶液および/または有機塩基珪酸水溶液の粘度が高く、後工程で、イオン交換樹脂などによるアルカリカチオンおよび/または有機カチオンの除去が困難になるとともに、得られる酸性珪酸液の安定性が低くゲル化することがある。
このような酸性珪酸液の濃度はSiO2 に換算して1〜10重量%、さらには2〜7重量%の範囲にある。また、珪酸液のpHは1〜5.0、さらには1.5〜4.0の範囲にあることが好ましい。特に珪酸液のpHが1.5〜4.0の範囲にあれば、酸性珪酸液中の残存カチオンが少なく安定性に優れている。
【0019】
次いで、上記コア粒子分散液の温度を50〜200℃、好ましくは60〜150℃に維持しながらこれに前記酸性珪酸液を連続的または断続的に添加してシェルを形成する。酸性珪酸液の添加速度は、コア粒子の平均粒子径や分散液中の濃度によって異なり、概ねコア粒子の合計外部表面積に比例させて変えることができる。酸性珪酸液の添加速度が早過ぎるとシェルの密度が低下して1.6g/cc未満となることがある。酸性珪酸液の添加は所望の厚みのシェルが形成できるまで1回で、連続的または断続的に添加しても良いし、あるいは複数回に分けて添加しても良い。また、複数回繰り返して添加する際には、次に述べる熟成工程を入れることが好ましい。
酸性珪酸液を添加した後、必要に応じて70〜150℃の温度範囲で0.5〜5時間熟成することができる。このような熟成を行うと、得られる粒子のシェル部密度を高め緻密なシェル部を形成することができる。さらに必要に応じて、酸性珪酸液の添加後および/または熟成後、限外濾過膜などを用いてイオンを除去したり、所望の濃度に濃縮したりあるいは希釈して研磨用粒子の分散液を得ることができる。また、限外濾過膜法、蒸留法などで水溶媒を前記した有機溶媒に溶媒置換した研磨用粒子の分散液を得ることができる。
このようにして得られる研磨用粒子のシェル部のNa含有量は10ppm以下となる。
【0020】
研磨材
本発明の研磨材は前記研磨用粒子を含んでなる。研磨用粒子として上記研磨用粒子を用いる他、必要に応じて研磨用粒子が分散した分散液の形態とすることができる。分散媒としては一般に水を用いるが、必要に応じて、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、その他、エーテル類、エステル類、ケトン類など水溶性の有機溶媒を用いることができる。
研磨材中の研磨用粒子の濃度は5〜50重量%、さらには5〜30重量%の範囲にあることが好ましい。濃度が5重量%未満の場合は、基材や絶縁膜の種類によっては濃度が低過ぎて研磨速度が遅く生産性が問題となることがあり、一方、濃度が50重量%を越えると研磨材の安定性が不充分となり、研磨速度や研磨効率がさらに向上することもなく、また研磨処理のために分散液を供給する工程で乾燥物が生成して付着することがあり傷(スクラッチ)発生の原因となることがある。
【0021】
本発明の研磨材には、被研磨基板の種類によっても異なるが、必要に応じて従来公知の過酸化水素、過酢酸、過酸化尿素など、およびこれらの混合物を添加して用いることができる。このような過酸化水素等を添加して用いると被研磨基板が金属の場合に効果的に研磨精度を向上させることができる。さらに、錯生成剤としてフタル酸、クエン酸等の有機酸あるいはこれらの有機酸塩を添加して用いることができる。また、酸化を抑制するためにベンゾトリアゾール(BTA)等を用いたり、酸あるいは塩基を用いて研磨材のpHを調整することもできる。研磨材の分散性や安定性を高めるために界面活性剤などを添加してもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係る研磨用粒子は、シリカからなる所定厚のシェル部を有しており、その厚さを調節することによって所望の研磨速度の研磨用粒子および研磨材を得ることができる。特に、シェル部の密度を1.6〜2.2g/ccの範囲に調節して、前記研磨速度の他、研磨面が平滑でスクラッチがない所望の研磨精度を有する研磨用粒子および研磨材を得ることができる。
さらに、シェル部のNa含有量を10ppm以下とすることにより、この研磨用粒子および研磨材を用いて研磨した半導体基板等にNaが残存する虞がなくなる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0024】
〔実施例1〕
研磨用粒子(A)分散液の調製
正珪酸エチル(多摩化学(株)製:Na含有量0.01ppm)をKOHに溶解して珪酸カリウム水溶液(SiO2 濃度21重量%、SiO2 /K2 Oモル比=3.5)を得た。ついで、これを希釈して得た希釈水硝子(SiO2 濃度5重量%)をイオン交換樹脂で脱アルカリして酸性珪酸液(pH2.2、SiO2 濃度3重量%)4050gを調製した。
シリカゾル(触媒化成工業(株)製:SI−50、平均粒子径25nm、SiO2 濃度48重量%、Na含有量0.37重量%)を希釈して得たSiO2 濃度5重量%のコア粒子分散液500gを83℃に昇温し、濃度20重量%のKOH水溶液にて分散液のpHを10.5に調整した。ついで、上記で得た酸性珪酸液4025gを17時間で添加してシェルを形成し、ついで1時間熟成した後、限外濾過膜にてシリカ粒子分散液のpHが10になるまで洗浄し、加熱しながらアルコールを留去して濃縮し、SiO2 濃度20重量%のシリカ粒子分散液を調製した。
ついで、シリカ粒子分散液をイオン交換樹脂にてイオン交換し、SiO2 濃度20重量%の研磨用粒子(A)分散液を調製した。得られた研磨用粒子(A)について粒子中のNa、Kを分析した。シェル部のNa含有量はコア粒子および得られたシリカ粒子のNa含有量から算出し、平均粒子径、シェル部の密度を測定し、これらの結果を表1に示した。
【0025】
研磨材(A)の調製
上記で得たSiO2 濃度20重量%の研磨用粒子(A)分散液に濃度15重量%のNH4 OH水溶液を添加して分散液のpHを10.5に調整して研磨材(A)を調製した。
研磨
被研磨基板として熱酸化膜を形成したシリコンウェーハ(研磨試験用:30mm□)を用い、研磨装置(ナノファクター(株)製:NF300)にセットし、基板荷重0.12MPa、テーブル回転速度30rpmで研磨材(A)を1ml/秒の速度で30秒間供給して研磨を行った。研磨前後の厚みを求めて研磨速度を算出し、また研磨前後の基板の平滑性を評価し、結果を表2に示した。平滑性の評価は、研磨後の表面を光学顕微鏡で観察して行い、次の基準で評価した。
○:研磨前の傷、筋等が殆ど無くなり、表面が平滑である。
△:研磨前の傷、筋等が半分以下に減少し、表面が平滑である。
×:研磨前の傷、筋等が僅かに減少しているが、表面は粗い。
【0026】
〔実施例2〕
研磨用粒子(B)分散液と研磨材(B)の調製
正珪酸メチル(多摩化学(株)製:Na含有量0.01ppm)水溶液(SiO2 濃度3重量%、温度50℃)に塩酸を加えて加水分解し、酸性珪酸液(pH2.2、SiO2 濃度3重量%)4100gを調製した。この酸性珪酸液を用いた以外は実施例1と同様にしてSiO2 濃度20重量%の研磨用粒子(B)分散液を調製した。
研磨用粒子(B)分散液を用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(B)を調製し、研磨試験を行った。
【0027】
〔実施例3〕
研磨用粒子(C)分散液と研磨材(C)の調製
水硝子(洞海化学(株)製:JIS3号水硝子、SiO2 濃度24重量%)を希釈して得た希釈水硝子(SiO2 濃度5重量%)をイオン交換樹脂で脱アルカリして酸性珪酸液(pH2.2、SiO2 濃度3重量%)4050gを調製した。この酸性珪酸液を用いた以外は実施例1と同様にしてSiO2 濃度20重量%の研磨用粒子(C)分散液を調製した。
研磨用粒子(C)分散液を用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(C)を調製し、研磨試験を行った。
【0028】
〔実施例4〕
研磨用粒子(D)分散液と研磨材(D)の調製
コア粒子分散液の調製に、シリカゾル(触媒化成工業(株)製:カタロイドSI−45P、平均粒子径45nm、SiO2 濃度40重量%、Na含有量0.30重量%)を用いた以外は実施例1と同様にしてSiO2 濃度20重量%の研磨用粒子(D)分散液を調製した。
研磨用粒子(D)分散液を用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(D)を調製し、研磨試験を行った。
【0029】
〔実施例5〕
研磨用粒子(E)分散液と研磨材(E)の調製
実施例4において、酸性珪酸液8000gを34時間で添加した以外は同様にしてSiO2 濃度20重量%の研磨用粒子(E)分散液を調製した。
研磨用粒子(E)分散液を用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(E)を調製し、研磨試験を行った。
【0030】
〔実施例6〕
研磨用粒子(F)分散液と研磨材(F)の調製
コア粒子分散液として、チタニアゾルゾル(触媒化成工業(株)製:ネオサンベールPW−1010、平均粒子径10nm、TiO2 濃度10重量%、Na含有量0.01重量%)を用いた以外は実施例1と同様にしてチタニア・シリカ濃度20重量%の研磨用粒子(F)分散液を調製した。
研磨用粒子(F)分散液を用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(F)を調製し、研磨試験を行った。
【0031】
〔比較例1〕
研磨材(G)の調製
シリカゾル(触媒化成工業(株)製:SI−50、平均粒子径25nm、SiO2 濃度48重量%、Na含有量0.37重量%)を希釈してSiO2 濃度20重量%とし、これに濃度15重量%のNH4 OH水溶液を添加してpH10.5の分散液からなる研磨材(G)を調製した。研磨材(G)について研磨試験を行った。
【0032】
〔比較例2〕
研磨材(H)の調製
シリカゾル(触媒化成工業(株)製:SI−45P、平均粒子径45nm、SiO2 濃度40重量%、Na含有量0.30重量%)を希釈してSiO2 濃度20重量%とし、これに濃度15重量%のNH4 OH水溶液を添加してpH10.5の分散液からなる研磨材(H)を調製した。研磨材(H)について研磨試験を行った。
【0033】
〔比較例3〕
研磨用粒子(I)分散液と研磨材(I)の調製
実施例1において、酸性珪酸液の添加時間を3時間で添加した以外は同様にしてSiO2 濃度20重量%の研磨用粒子(I)分散液を調製した。
研磨用粒子(I)分散液を用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(I)を調製し、研磨試験を行った。
【0034】
〔比較例4〕
研磨用粒子(J)分散液と研磨材(J)の調製
正珪酸エチル(多摩化学(株)製:Na含有量0.01ppm)をKOHに溶解して珪酸カリウム水溶液(SiO2 濃度21重量%、SiO2 /K2 Oモル比=3.5)を得た。ついで、これを希釈して得た希釈水硝子(SiO2 濃度5重量%)をイオン交換樹脂で脱アルカリして酸性珪酸液(pH2.2、SiO2 濃度3重量%)4050gを調製した。
シリカゾル(触媒化成工業(株)製:SI−50、平均粒子径25nm、SiO2 濃度48重量%、Na含有量0.37重量%)を希釈して得たSiO2 濃度5重量%のコア粒子分散液500gを83℃に昇温し、濃度20重量%のKOH水溶液にて分散液のpHを10.5に調整した。ついで、上記で得た酸性珪酸液4025gを一時に添加し、ついで2時間熟成した後、限外濾過膜にてシリカ粒子分散液のpHが10になるまで洗浄し、加熱しながらアルコールを留去して濃縮し、SiO2 濃度20重量%のシリカ粒子分散液を調製した。このシリカ粒子分散液には、新たな微粒子の生成による白濁が観察されると共にコア粒子が凝集した粒子が認められた。
ついで、シリカ粒子分散液をイオン交換樹脂にてイオン交換し、SiO2 濃度20重量%の研磨用粒子(J)分散液を調製した。
研磨用粒子(J)分散液を用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(J)を調製し、研磨試験を行った。
【0035】
【表1】
Figure 2004002723
【0036】
【表2】
Figure 2004002723

Claims (7)

  1. 平均粒子径(D)が5〜300nmの範囲にあるコア・シェル構造を有し、シェル部の厚さ(ST )が1〜50nmの範囲にあるシリカからなることを特徴とする研磨用粒子。
  2. 前記シェル部の密度が1.6〜2.2g/ccの範囲にある請求項1に記載の研磨用粒子。
  3. 前記シェル部のNa含有量が10ppm以下である請求項1または請求項2に記載の研磨用粒子。
  4. 前記コア部がSiO2 、Al2 3 、ZrO2 、SnO2 、ZnO、CeO2 、TiO2 、MnOから選ばれる1種または2種以上の酸化物からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の研磨用粒子。
  5. 温度範囲が50〜200℃であるコア粒子の分散液に、酸性珪酸液を連続的または断続的に添加して該コア粒子にシェル部を形成することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の研磨用粒子の製造方法。
  6. 請求項5に記載した酸性珪酸液の添加後更に、70〜150℃の温度範囲で0.5〜5時間熟成することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の研磨用粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の研磨用粒子を含んでなる研磨材。
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