JP2003146644A - シリカ分散液 - Google Patents
シリカ分散液Info
- Publication number
- JP2003146644A JP2003146644A JP2002277185A JP2002277185A JP2003146644A JP 2003146644 A JP2003146644 A JP 2003146644A JP 2002277185 A JP2002277185 A JP 2002277185A JP 2002277185 A JP2002277185 A JP 2002277185A JP 2003146644 A JP2003146644 A JP 2003146644A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silica
- dispersion
- sol
- average particle
- slurry
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Silicon Compounds (AREA)
Abstract
ト剤の原料として有用な、安定性の高い新規のシリカ分
散液を提供する。 【解決手段】 平均粒子径100nm未満の粉砕ゾル−
ゲル法シリカ粒子を極性溶媒に分散してなるシリカ分散
液であり、ゾル−ゲル法シリカを1〜数100μmに粗
粉砕したゾル−ゲル法シリカ粒子を極性溶媒に分散して
なるシリカスラリーを対向衝突させることによって平均
粒子径100nm未満に粉砕することによって得ること
ができる。
Description
の製造方法に関する。さらに詳しくは、ゾル−ゲル法シ
リカを原料に、研磨剤やコート剤の原料として有用な、
安定性の高い新規のシリカ分散液及びその製造方法を提
供するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、シリコンに代表される半導体ウェ
ハーを研磨するときやIC製造工程中で絶縁層などを研
磨するために、研磨剤としてシリカ分散液が使われてい
る。 【0003】また、従来より、メガネレンズなどのプラ
スチック用ハードコート剤、インクジェット用の紙やO
HP用コート剤、さらには、各種フィルムのアンチブロ
ッキング剤、ガラス繊維等の接着助剤、エマルジョンや
ワックス等の安定剤としてもシリカ分散液が原料として
使用されている。 【0004】このようなシリカ分散液としては、珪酸ソ
ーダを原料としたコロイダルシリカが代表的であった。
即ち、コロイダルシリカは、液相中で合成し、乾燥させ
ずにそのまま生産されるため、極めて高い安定性を示す
シリカ分散液であり、上記用途において有用である。 【0005】ところが、上記コロイダルシリカは、その
製法上、生産性において改良の余地があり、より生産性
良く得られ、且つ安定性の良いシリカ分散液の開発が望
まれる。 【0006】上記要望に対して、生産性の面で、四塩化
珪素を原料として酸水素炎中で燃焼させて作る乾式シリ
カ、珪酸ソーダを中和して作る沈澱法シリカやゲル法シ
リカといった、いわゆる湿式シリカ、あるいは、珪素の
アルコキシドを原料としてアルカリ性もしくは酸性の含
水有機溶媒中で加水分解して作るゾル−ゲル法シリカが
優れており、かかるシリカを使用したシリカ分散液が注
目される。 【0007】特に、乾式シリカを使用した分散液はシリ
カの純度においてコロイダルシリカに対して有利であ
り、高純度であることが要求される半導体ウェハーの研
磨剤やICの研磨剤に有用であると考えられる。 【0008】また、沈澱法で作る湿式シリカは非常に生
産性の良いシリカであり、シリカ分散液の製造を工業的
に有利に実施できるものと考えられる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記乾
式シリカ、湿式シリカ、或いはゾル−ゲル法シリカは、
凝集状態で得られるため、これを分散性良く溶媒に分散
させることが困難で、通常の方法では平均粒子径が10
0nm未満のシリカ分散液を得た報告はない。 【0010】そのため、これらのシリカを使用して製造
されるシリカ分散液は、一概に安定性が悪く、数日でシ
リカの沈降が起こるため、実用的ではない。特に、湿式
シリカは、シリカ生成反応時に、溶液中で析出したシリ
カ粒子同士が強固に結合するため、安定したシリカ分散
液を得ることが困難である。 【0011】上記乾式シリカの水分散液に関しては、特
公平5−338号に表面シラノール基密度が1nm2当
り0.3個以上3個以下の乾式法で製造された無水ケイ
酸を水系溶媒に分散させたことを特徴とする無水ケイ酸
の水分散液組成物が開示されている。これには、表面シ
ラノール基密度を上記範囲にしなければ、粒子が沈降し
たり、粘度が極端に高くなったり、ゲル化したりする問
題が指摘されている。 【0012】従って、上記水分散液組成物では、該条件
を満足させるため、シリカを分散前に乾燥させたり、シ
ランカップリング剤等で表面処理しなければならなず、
操作が煩雑になり、生産性が悪いという問題があった。 【0013】従って、本発明の目的は、上記の背景の中
で、ゾル−ゲル法シリカを用いて得られる保存安定性に
優れたシリカ分散液及びその製造方法を提供することに
ある。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、上記平
均粒子径が大きいゾル−ゲル法シリカ粒子を平均粒子径
が100nm未満にまで粉砕したシリカ分散液が、長期
間の保存においてゲル化しない、保存安定性、シリカ粒
子の沈降が起こらない、沈降安定性(以下、これらを単
に安定性ともいう)に優れていることを見い出し、本発
明を完成するに至った。 【0015】即ち、本発明は、平均粒子径100nm未
満の粉砕ゾル−ゲル法シリカ粒子を極性溶媒に分散して
なるシリカ分散液である。 【0016】尚、本発明において、シリカ分散液中の粉
砕ゾル−ゲル法シリカの平均粒子径は、粒度分布計によ
って測定したものである。粒度分布計には各種の原理を
利用したものが市販されているが、100nm未満の粒
子を正確に測定するには装置を選ぶ必要がある。本発明
において、上記平均粒子径は、遠心沈降式光透過法の粒
度分布計(ブルックヘブン社製、BI−DCP)を用い
て測定した重量平均粒子径である。また、高分解能の走
査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いることによっ
て、上記粒度分布計の測定結果の妥当性を確認すること
ができる。 【0017】 【発明の実施の形態】本発明において、シリカ分散液を
構成する粉砕シリカ粒子としては、公知の方法により得
られるゾル−ゲル法シリカの粉砕物が特に制限なく使用
される。尚、ここで言う粉砕とは、強固な凝集粒子より
なるシリカ粒子を砕くという意味だけではなく、緩やか
な凝集粒子よりなるシリカ粒子の凝集をほぐす意味での
解砕や分散をも意味する。 【0018】ゾル−ゲル法シリカは、テトラメトキシシ
ランやテトラエトキシシランなどの珪素のアルコキシド
を酸性あるいはアルカリ性の含水有機溶媒中で加水分解
することによって作るものである。珪素のアルコキシド
は高価であるが、原料が蒸留によって高純度化できるた
め極めて高純度のシリカが得られるという特徴がある。
加水分解を酸性もしくはアルカリ性の濃厚溶液中で行う
と、バルク状のシリカが得られ、それを粉砕することに
よって、1〜数100μmの不定形のゾル−ゲル法シリ
カ粒子が得られる。 【0019】上記のゾル−ゲル法シリカとしては、シリ
カ−チタニア、シリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニア
などのいわゆるシリカ系複合酸化物も本発明のシリカ分
散液の原料シリカスラリーとして使用できる。これら
は、珪素のアルコキシドとチタニウム、アルミニウム、
ジルコニウムなどの金属アルコキシドを共加水分解する
ことによって得られる。これらのシリカ系複合酸化物
は、用いる珪素以外の金属酸化物の化学的及び物理的性
質によって通常のシリカにはない有用な特性を発現でき
る。例えば、金属酸化物の含有量を変えることによって
シリカ系複合酸化物の屈折率を調節することができる。 【0020】ゾル−ゲル法シリカを100nm未満にま
で粉砕された粉砕ゾル−ゲル法シリカ粒子としてシリカ
分散液中に存在させた例は従来から無く、このような1
μm程度のシリカ粒子を極性溶媒に分散したシリカ分散
液は、安定性が極めて悪いという問題があった。 【0021】本発明にあっては、該ゾル−ゲル法シリカ
を原料にして平均粒子径100nm未満に粉砕すること
により、従来にない安定性の高いシリカ分散液を得るこ
とに成功したのである。 【0022】かかる本発明のシリカ分散液は、平均粒子
径が100nm未満であれば、安定性において高い効果
を発揮するが、特に、該平均粒子径が80nm以下であ
ることが好ましい。 【0023】前記複合酸化物よりなるシリカ分散液は、
透明性が要求されるプラスチック用のハードコート剤あ
るいはインクジェット用のOHP用コート剤などの原
料、化学的性質を利用して各種の超微粒子触媒としても
有用である。 【0024】本発明において、シリカ分散液を構成する
極性溶媒としては、シリカが分散し易い極性溶媒であれ
ば特に制限はない。かかる極性溶媒としては、水が代表
的である。水以外にもメタノールやエタノール、イソプ
ロパノール等のアルコール類、エーテル類、ケトン類な
どの極性溶媒が利用できるが、水と上記極性溶媒との混
合溶媒であっても良い。なお、シリカ粒子の安定性や分
散性を向上させるために界面活性剤や極性溶媒等を少量
添加しても良い。 【0025】本発明のシリカ分散液中の粉砕ゾル−ゲル
法シリカの濃度には特に制限はない。実用上特に問題の
ない範囲が好適に採用されるが、一般的には1〜50重
量%、特に、5〜30重量%の範囲が好適である。 【0026】ところで、珪酸ソーダを原料としたコロイ
ダルシリカやゾル−ゲル法によって作られたコロイダル
シリカでは、平均粒子径が100nm未満のものは既に
知られているが、これらは一つ一つのシリカ粒子が独立
したほぼ球状の均一な形状を有していることが特徴であ
る。これに対して、本発明のシリカ分散液は、ゾル−ゲ
ル法シリカを粉砕したものであるため、該分散液中のシ
リカ粒子は多少いびつな凹凸のある不均一な形状が特徴
である。このような特徴ある粒子形状を活かすことによ
って、コロイダルシリカとは異なる用途や効果も期待で
きる。 【0027】例えば、研磨材としての用途においては、
研磨性において研磨速度の向上等を図ることができ有利
である。 【0028】上記シリカ分散液中のシリカが粉砕シリカ
であることは、高分解能の走査型電子顕微鏡や透過型電
子顕微鏡を用いて粒子形状を観察することによって確認
できる。 【0029】本発明のシリカ分散液の他の性状は特に制
限されないが、シリカ分散液のpHは、3〜11の範囲
が一般的である。 【0030】本発明におけるシリカ分散液は塩基性塩化
アルミニウム等を使用してカチオン変性を行うことがで
きる。ここで、カチオン変性とは、シリカ粒子表面の少
なくとも一部をシリカ以外の金属酸化物を用いて被覆す
ることであり、この方法としては、例えば特公昭47−
26959に示された方法を使用することができる。こ
のような処理を、本発明で使用するゾル−ゲル法シリカ
原料またはシリカ分散液に施すことにより、粒子表面を
正に帯電させたシリカ分散液を調製することが可能であ
る。上記処理は、酸性領域で行われるが、本発明のシリ
カ分散液はpHの変化する酸性溶液中でも安定な特性を
示し、得られるシリカ分散液も安定性を持続する。 【0031】本発明のシリカ分散液の製造方法は特に制
限されないが、下記の方法が推奨される。 【0032】即ち、ゾル−ゲル法シリカ粒子を極性溶媒
に分散してなるシリカスラリーを対向衝突させることに
よって平均粒子径100nm未満に粉砕することによっ
てシリカ分散液を製造することができる。 【0033】該シリカスラリーにおける粒子径は、平均
粒子径100nm未満にまで粉砕可能なものであれば特
に制限されず、一般に、0.2〜100μmの範囲のも
のが好適に使用される。 【0034】ゾル−ゲル法シリカにおいて、乾燥工程を
施さないバルク状のシリカを粗粉砕したものを原料のシ
リカスラリーとして使用することもでき、より微細なシ
リカ分散液を得る方法として有効である。 【0035】本発明において、シリカスラリーの対向衝
突は、ゾル−ゲル法シリカを平均粒子径100nm未満
の大きさに粉砕させる条件が特に制限なく採用される。
かかる条件を満足する装置としては、一般に、対向衝突
ジェット粉砕機と呼ばれている市販の装置が好適に使用
できる。 【0036】対向衝突ジェット粉砕機とは、基本的に
は、シリカスラリーを加圧することによって出口側に導
き、該スラリーを2つの流路に分岐し、さらに流路を狭
めることによって流速を加速し、対向衝突させることに
よって該スラリー中のシリカ凝集体を粉砕する装置であ
る。 【0037】このような対向衝突ジェット粉砕機を使用
した粉砕条件は、機種によって各種の装置定数や効率が
異なるため、あるいは用いるシリカスラリーの種類によ
って粉砕の効率が異なるため、一概にその処理条件を定
めることはできない。 【0038】一般には、粉砕効率は処理圧力に依存する
ため、処理圧力が高いほど粉砕効率も高くなる。例え
ば、処理圧力は500kgf/cm2以上、好ましくは
800kgf/cm2以上、さらに好ましくは1200
kgf/cm2以上の場合、粉砕効率の高い処理が可能
である。また、対向衝突する際のシリカスラリーの衝突
速度は、相対速度として50m/秒以上、好ましくは1
00m/秒以上、さらに好ましくは150m/秒以上で
あることが望ましい。 【0039】なお、対向衝突ジェット粉砕機でシリカス
ラリーを処理する回数は、1〜数十回の範囲から選ぶこ
とができる。 【0040】上記のようにシリカスラリーを加速したり
衝突させたりする部分を構成する材料としては、材料の
摩耗を抑えるためにダイヤモンドが好適に採用される。
このような装置の代表例を具体的に例示すると、ナノマ
イザー(株)製の商品名;ナノマイザー、マイクロフル
イディクス製の商品名;マイクロフルイダイザー、及び
スギノマシン製のアルティマイザーなどを挙げることが
できる。上記で例示した装置はいずれも流通式であるた
め、出口側で取り出されたシリカ分散液は一応に粉砕、
解砕または分散等の処理を受けたことになるため均一性
が高い点で、超音波分散やホモジナイザー等のバッチ式
とは異なり優れている。 【0041】また、粉砕、解砕または分散処理が高効率
で行われること、不純物の混入が極めて少ないこと、大
量処理にも適応可能なことなど、工業的に利用するのに
は適している。 【0042】本発明において、シリカスラリーの濃度
は、50重量%以下、好ましくは30重量%以下、さら
に好ましくは20重量%以下が好ましい。50重量%を
超えると、スラリーの流動性が極端に悪くなるため処理
が困難になる傾向がある。なお、粉砕後の平均粒子径が
小さくなればなるほど、あるいはシリカスラリーの濃度
が高くなればなるほどシリカスラリーの流動性が低下す
るため処理が困難になる。そのような場合には、まずス
ラリー濃度の低い原料スラリーを本発明の方法で処理し
粘度を下げた後に、徐々にシリカを添加してスラリー濃
度を上げて再び本発明の方法を適用するという方法が採
用できる。 【0043】本発明においては、上記方法において、さ
らに、シリカスラリーを対向衝突させる際のシリカスラ
リーのpHを8以上、さらに好ましくはpHを9以上と
することによってさらに保存安定性の優れたシリカ分散
液が得られることを見い出した。 【0044】即ち、従来の分散方法ではシリカスラリー
のpHを8以上にして分散させても、必ずしも長期的に
安定なシリカ分散液は得られなかった。それに対して、
本発明の方法を採用した場合では、シリカスラリーのp
Hを8以上としたシリカ分散液は、長時間放置しても、
あるいはさらにアルカリを添加しても再凝集する現象は
見られなかった。 【0045】アルカリの種類は公知のものが何等制限な
く使用できる。例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、テトラメチルアンモニウムハイ
ドライドなどを挙げることができる。 【0046】アルカリの添加量は、通常はpHメーター
でpHを確認しながら少量ずつアルカリを添加すれば良
い。但し、原料シリカの一次粒子径が35nm以下で、
スラリー濃度が10重量%以上のシリカスラリーでは、
アルカリを添加するとゲル化してpHを測定できない場
合がある。そのような場合には、シリカスラリーを対向
衝突させることによって該スラリーの粘度を下げた後に
pHを測定すれば良い。 【0047】 【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明の平均粒子径100nm未満の粉砕ゾル−ゲル法シリ
カ粒子を分散してなるシリカ分散液は、長期間放置して
もゲル化やシリカ粒子の沈降が起こらず、保存安定性、
沈降安定性に優れたものである。 【0048】 【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限され
るものではない。 【0049】以下の方法によって、原料のゾル−ゲル法
シリカ及び処理したシリカ分散液を分析した。 【0050】(比表面積)BET式の比表面積計(島津
製作所製、フローソーブII)を用いて測定した。 【0051】(平均粒子径)平均粒子径は、遠心沈降式
光透過法の粒度分布計(ブルックヘブン社製、BI−D
CP)を用いて重量平均粒子径を測定した。また、高分
解能の走査型電子顕微鏡(日本電子製、JSM−640
0F)を用いて、処理したシリカ分散液中のシリカ粒子
の形状と上記粒度分布計の値の妥当性を確認した。 【0052】(保存安定性及び沈降安定性)保存安定性
は、処理したシリカ分散液がゲル化して流動性がなくな
るまでの日数を調べた。 【0053】また、沈降安定性は、1ヶ月間静置後に生
じた沈降成分を計量し、初期のシリカ分に対する重量%
で示した。 【0054】(pHの測定)処理したシリカ分散液のp
HをpHメーター(堀場製作所製、M−13)を用いて
測定した。 【0055】実施例1 1リットルのテフロン(登録商標)製容器にSi(OM
e)4(コルコート製;メチルシリケート28)304
gとイオン交換水72gとメタノール64gの混合溶液
を加え、攪拌した。2時間後上記混合溶液が透明になっ
てから25重量%のアンモニア水0.068gを加え、
素早く攪拌し、蓋をした。しばらくすると溶液はゲル化
したので、そのまま室温で3日間放置した。イオン交換
水200gを加え、1mmのピンホールの開いた蓋に変
えて、80℃で24時間加熱して、ゾル−ゲル法による
バルク体シリカを合成した。上記シリカをボールミルで
粉砕したところ平均粒子径12μmのシリカ粉体が得ら
れた。 【0056】次に、5リットルのポリ容器に上記シリカ
粉体100gとイオン交換水840gと1N−水酸化カ
リウム水溶液60gを入れて、棒でかき混ぜることによ
って予備混合を行った。できたシリカスラリーを対向衝
突ジェット粉砕機(ナノマイザー製;ナノマイザー、L
A−31)を用いて処理圧力1300kgf/cm2、
衝突相対速度165m/秒で3回処理したところ、半透
明のシリカ分散液が得られた。 【0057】該シリカ分散液の一部を200℃で乾燥さ
せて比表面積を測定したところ724m2/gであっ
た。また、シリカ分散液のpHは8.6、平均粒子径は
32nm、保存安定性は30日以上であった。また、沈
降安定性に関しては、0wt%であった。 【0058】以上のように、平均粒子径が12μmのゾ
ル−ゲル法シリカからなるシリカスラリーを用いて、平
均粒子径32nmのコロイダル領域の安定なシリカ分散
液を得ることができた。シリカの原料に用いた珪素のア
ルコキシドが高純度であるため、できたシリカ分散液も
高純度であることが期待できる。 【0059】なお、上記の乾燥粉末の屈折率を液浸法で
測定したところ1.44であった。 【0060】また、原料シリカと処理後のシリカを走査
型電子顕微鏡で観察したところ、処理前のシリカは5〜
50μmの範囲の凝集粒子であったものが、処理後にお
いてはそのような粗大粒子は見あたらず、10〜80n
mの範囲の微細な不定形粒子であった。 【0061】実施例2 1リットルのテフロン(登録商標)製容器にSi(OM
e)4(コルコート製;メチルシリケート28)250
gを計り取り、0.035重量%の塩酸水溶液17gと
メタノール30gの溶液を加え室温で約10分間攪拌
し、Si(OMe)4の一部を予備加水分解した。続い
て、上記溶液にTi(O−i−Pr)4(日本曹達製、
TPT(A−1))66.8gを加え攪拌したところ透
明な均一溶液が得られた。次に、上記均一溶液を氷冷し
ながら、氷冷したイオン交換水120gと25重量%ア
ンモニア水0.11gを加え素早く攪拌したところしば
らく経つと溶液はゲル化したので、蓋をしてそのまま室
温で3日間放置した。イオン交換水200gを加え、1
mmのピンホールの開いた蓋に変えて、80℃で24時
間加熱して、ゾル−ゲル法によるバルク体シリカ−チタ
ニア複合酸化物を合成した。上記複合酸化物をボールミ
ルで粉砕したところ平均粒子径7μmの複合酸化物粉体
が得られた。 【0062】次に、5リットルのポリ容器に上記粉体1
00gとイオン交換水840gと1N−水酸化カリウム
水溶液60gを入れて、棒でかき混ぜることによって予
備混合を行った。できたシリカスラリーを対向衝突ジェ
ット粉砕機(ナノマイザー製;ナノマイザー、LA−3
1)を用いて処理圧力1300kgf/cm2、衝突相
対速度165m/秒で3回処理したところ、半透明のシ
リカ分散液が得られた。 【0063】該シリカ分散液の一部を200℃で乾燥さ
せて比表面積を測定したところ843m2/gであっ
た。また、シリカ分散液のpHは8.2、平均粒子径は
17nm、保存安定性は30日以上であった。また、沈
降安定性に関しては、0wt%であった。 【0064】なお、原料シリカと処理後のシリカを走査
型電子顕微鏡で観察したところ、処理前のシリカは1〜
30μmの範囲の凝集粒子であったものが、処理後にお
いてはそのような粗大粒子は見あたらず、5〜40nm
の範囲の微細な不定形粒子であった。 【0065】また、上記の乾燥粉末の屈折率を液浸法で
測定したところ、1.52であった。シリカ系複合酸化
物の原料の一部にチタニウムのアルコキサイドを使用し
たことによって、実施例1のシリカのみからなる粒子と
比べて、屈折率の高いシリカスラリーが得られたことが
わかった。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 平均粒子径100nm未満の粉砕ゾル−
ゲル法シリカ粒子を極性溶媒に分散してなるシリカ分散
液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002277185A JP2003146644A (ja) | 1995-09-12 | 2002-09-24 | シリカ分散液 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-234377 | 1995-09-12 | ||
JP23437795 | 1995-09-12 | ||
JP2002277185A JP2003146644A (ja) | 1995-09-12 | 2002-09-24 | シリカ分散液 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24238096A Division JPH09142827A (ja) | 1995-09-12 | 1996-09-12 | シリカ分散液及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003146644A true JP2003146644A (ja) | 2003-05-21 |
Family
ID=26531536
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002277185A Pending JP2003146644A (ja) | 1995-09-12 | 2002-09-24 | シリカ分散液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003146644A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012006834A (ja) * | 2005-02-17 | 2012-01-12 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | プルシアンブルー型金属錯体超微粒子、その分散液、及びそれらの製造方法 |
KR20160039148A (ko) * | 2013-04-17 | 2016-04-08 | 실본드 코포레이션 | 콜로이드 졸 및 그의 제조 방법 |
JP2017057116A (ja) * | 2015-09-16 | 2017-03-23 | 日東電工株式会社 | ゾル液およびその製造方法、積層フィルムの製造方法、積層フイルム、光学部材、並びに画像表示装置 |
JP2018177576A (ja) * | 2017-04-10 | 2018-11-15 | 日揮触媒化成株式会社 | 異形シリカ粒子の製造方法 |
-
2002
- 2002-09-24 JP JP2002277185A patent/JP2003146644A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012006834A (ja) * | 2005-02-17 | 2012-01-12 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | プルシアンブルー型金属錯体超微粒子、その分散液、及びそれらの製造方法 |
KR20160039148A (ko) * | 2013-04-17 | 2016-04-08 | 실본드 코포레이션 | 콜로이드 졸 및 그의 제조 방법 |
JP2016521242A (ja) * | 2013-04-17 | 2016-07-21 | シルボンド・コーポレイションSilbond Corporation | コロイドゾルとその製造方法 |
KR102242683B1 (ko) | 2013-04-17 | 2021-04-23 | 실본드 코포레이션 | 콜로이드 졸 및 그의 제조 방법 |
JP2017057116A (ja) * | 2015-09-16 | 2017-03-23 | 日東電工株式会社 | ゾル液およびその製造方法、積層フィルムの製造方法、積層フイルム、光学部材、並びに画像表示装置 |
JP2018177576A (ja) * | 2017-04-10 | 2018-11-15 | 日揮触媒化成株式会社 | 異形シリカ粒子の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6676719B2 (en) | Aqueous dispersion, a process for the preparation and the use thereof | |
JPH09142827A (ja) | シリカ分散液及びその製造方法 | |
JP2852487B2 (ja) | 二酸化チタン水性分散体 | |
KR20010079521A (ko) | 미세 다공성 무기 산화물 입자의 분산액 및 그의 제조 방법 | |
JP3922758B2 (ja) | シリカ分散液の製造方法 | |
JP2003238944A (ja) | 酸化物表面の化学的−機械的磨き仕上げのための水性分散液、その製法および使用 | |
Dong et al. | Preparation of ellipsoidal rod-shaped silica nanocomposite abrasives by Chromium ion/PEG200 induced method for sapphire substrates chemical mechanical polishing | |
JP2015063451A (ja) | 金属酸化物粒子およびその製造方法ならびに用途 | |
JP3020408B2 (ja) | 高濃度二酸化チタン水性分散体 | |
JP2015229621A (ja) | 疎水性エアロゲル粉体、その製造方法、および、それを用いた充填剤 | |
US7892510B2 (en) | Silicon dioxide dispersion | |
JP2004203729A (ja) | シリカゾルの製造方法およびシリカゾル | |
JP2003176123A (ja) | シリカ分散液 | |
JP5673957B2 (ja) | 多孔質2次凝集シリカゾル及びその製造方法 | |
JP2003146644A (ja) | シリカ分散液 | |
JP2004043298A (ja) | シリカ分散液の製造方法 | |
WO2014112526A1 (ja) | アルカリバリア層形成用コート液及び物品 | |
CN101302358A (zh) | 一种无水纳米锑酸锌溶胶及其制备方法 | |
JPH06136290A (ja) | 改質無機質粉粒体の製造法 | |
JP4184683B2 (ja) | 金属酸化物球状粒子およびその製造方法 | |
JP6195524B2 (ja) | 疎水性シリカ粉末およびその製造方法 | |
JPH0587445B2 (ja) | ||
JP2003146645A (ja) | シリカ分散液 | |
JPH0619074B2 (ja) | 導電性塗料 | |
JPH09286974A (ja) | 研磨剤の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20061218 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070216 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20070326 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20070524 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070713 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Effective date: 20070816 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Effective date: 20070921 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 |