JP2003146645A - シリカ分散液 - Google Patents

シリカ分散液

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JP2003146645A
JP2003146645A JP2002277184A JP2002277184A JP2003146645A JP 2003146645 A JP2003146645 A JP 2003146645A JP 2002277184 A JP2002277184 A JP 2002277184A JP 2002277184 A JP2002277184 A JP 2002277184A JP 2003146645 A JP2003146645 A JP 2003146645A
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dispersion
silica dispersion
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JP2002277184A
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Hiroshi Kato
寛 加藤
Kenichi Ishizu
賢一 石津
Hiroyuki Kono
博之 河野
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】湿式シリカを原料に、研磨剤やコート剤の原料
として有用な、安定性の高い新規のシリカ分散液を提供
する。 【解決手段】平均粒子径100nm未満の粉砕湿式シリ
カ粒子を極性溶媒に分散してなるシリカ分散液であり、
且つシリカ粒子濃度が1.5重量%における光散乱指数
(n)が2.2以上であるシリカ分散液であって、湿式
シリカ粒子を極性溶媒に分散してなるシリカスラリーを
対向衝突させることによって平均粒子径100nm未満
に粉砕することによって得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はシリカ分散液及びそ
の製造方法に関する。さらに詳しくは、湿式シリカを原
料に、研磨剤やコート剤の原料として有用な、安定性の
高い新規のシリカ分散液及びその製造方法を提供するも
のである。 【0002】 【従来の技術】従来、シリコンに代表される半導体ウェ
ハーを研磨するときやIC製造工程中で絶縁層などを研
磨するために、研磨剤としてシリカ分散液が使われてい
る。 【0003】また、従来より、メガネレンズなどのプラ
スチック用ハードコート剤、インクジェット用の紙やO
HP用コート剤、さらには、各種フィルムのアンチブロ
ッキング剤、ガラス繊維等の接着助剤、エマルジョンや
ワックス等の安定剤としてもシリカ分散液が原料として
使用されている。 【0004】このようなシリカ分散液としては、珪酸ソ
ーダを原料としたコロイダルシリカが代表的であった。
即ち、コロイダルシリカは、液相中で合成し、乾燥させ
ずにそのまま生産されるため、極めて高い安定性を示す
シリカ分散液であり、上記用途において有用である。 【0005】ところが、上記コロイダルシリカは、その
製法上、生産性において改良の余地があり、より生産性
良く得られ、且つ安定性の良いシリカ分散液の開発が望
まれる。 【0006】上記要望に対して、生産性の面で、四塩化
珪素を原料として酸水素炎中で燃焼させて作る乾式シリ
カ、珪酸ソーダを中和して作る沈澱法シリカやゲル法シ
リカといった、いわゆる湿式シリカ、あるいは、珪素の
アルコキシドを原料としてアルカリ性もしくは酸性の含
水有機溶媒中で加水分解して作るゾル−ゲル法シリカが
優れており、かかるシリカを使用したシリカ分散液が注
目される。 【0007】特に、乾式シリカを使用した分散液はシリ
カの純度においてコロイダルシリカに対して有利であ
り、高純度であることが要求される半導体ウェハーの研
磨剤やICの研磨剤に有用であると考えられる。 【0008】また、湿式シリカを原料に用いたシリカ分
散液は、従来各種の用途に用いられているコロイダルシ
リカよりなるシリカ分散液の代替として極めて有用であ
る。コロイダルシリカがケイ酸ソーダという極めて安価
な原料を用いているにもかかわらず、製造工程が複雑な
ために製造コストがかかり過ぎるのに対して、ケイ酸ソ
ーダを酸で中和して製造される湿式シリカは極めて安価
で、非常に生産性の良いシリカであり、シリカ分散液の
製造を工業的に有利に実施できるものと考えられる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記乾
式シリカ、湿式シリカ、或いはゾル−ゲル法シリカは、
凝集状態で得られるため、これを分散性良く溶媒に分散
させることが困難で、通常の方法では平均粒子径が10
0nm未満のシリカ分散液を得た報告はない。 【0010】そのため、これらのシリカを使用して製造
されるシリカ分散液は、一概に安定性が悪く、数日でシ
リカの沈降が起こるため、実用的ではない。特に、湿式
シリカは、シリカ生成反応時に、溶液中で析出したシリ
カ粒子同士が強固に結合するため、安定したシリカ分散
液を得ることが困難である。 【0011】上記乾式シリカの水分散液に関しては、特
公平5−338号に表面シラノール基密度が1nm
り0.3個以上3個以下の乾式法で製造された無水ケイ
酸を水系溶媒に分散させたことを特徴とする無水ケイ酸
の水分散液組成物が開示されている。これには、表面シ
ラノール基密度を上記範囲にしなければ、粒子が沈降し
たり、粘度が極端に高くなったり、ゲル化したりする問
題が指摘されている。 【0012】従って、上記水分散液組成物では、該条件
を満足させるため、シリカを分散前に乾燥させたり、シ
ランカップリング剤等で表面処理しなければならなず、
操作が煩雑になり、生産性が悪いという問題があった。 【0013】従って、本発明の目的は、上記の背景の中
で、湿式シリカを用いて得られる保存安定性に優れたシ
リカ分散液を提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、上記平
均粒子径が大きい前記湿式シリカ粒子を平均粒子径が1
00nm未満にまで粉砕したシリカ分散液が、長期間の
保存においてゲル化しない、保存安定性、シリカ粒子の
沈降が起こらない、沈降安定性(以下、これらを単に安
定性ともいう)に優れていることを見い出したが、さら
に、該分散液が特定の条件を満たすことによって、より
安定な粉砕湿式シリカ粒子のシリカ分散液となることを
見い出し、本発明を完成するに至った。 【0015】即ち、本発明は、平均粒子径100nm未
満の粉砕湿式シリカ粒子を極性溶媒に分散してなるシリ
カ分散液であり、且つシリカ粒子濃度が1.5重量%に
おける光散乱指数(n)が2.2以上であるシリカ分散
液である。 【0016】尚、本発明において、シリカ分散液中の粉
砕湿式シリカの平均粒子径は、粒度分布計によって測定
したものである。粒度分布計には各種の原理を利用した
ものが市販されているが、100nm未満の粒子を正確
に測定するには装置を選ぶ必要がある。本発明におい
て、上記平均粒子径は、遠心沈降式光透過法の粒度分布
計(ブルックヘブン社製、BI−DCP)を用いて測定
した重量平均粒子径である。また、高分解能の走査型電
子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いることによって、上
記粒度分布計の測定結果の妥当性を確認することができ
る。 【0017】 【発明の実施の形態】本発明において、シリカ分散液を
構成する粉砕湿式シリカ粒子としては、公知の方法によ
り得られる湿式シリカの粉砕物が特に制限なく使用され
る。尚、ここで言う粉砕とは、強固な凝集粒子よりなる
シリカ粒子を砕くという意味だけではなく、緩やかな凝
集粒子よりなるシリカ粒子の凝集をほぐす意味での解砕
や分散をも意味する。 【0018】湿式シリカとしては、珪酸ソーダを鉱酸で
中和することによって溶液中でシリカを析出させる沈澱
法シリカが代表的である。一般的には、ホワイトカーボ
ンとも称されている。また、同様に珪酸ソーダを酸で中
和することによって作るゲル法シリカも湿式シリカの一
種であり、本発明の原料として用いることができる。湿
式シリカも製造条件を変えることにより各種のシリカが
得られており、比表面積がおよそ50〜1000m
gの範囲のものが得られている。湿式シリカは、その製
造方法より、一次粒子径がおよそ3〜50nmの微細粒
子が合成途中で凝集した凝集粒子であると考えられてい
る。これらの湿式シリカは、通常、中和反応後に濾過や
洗浄を行い、乾燥後、必要により粉砕して粉末として得
られる。一般的に、入手可能な湿式シリカ粒子の平均粒
子径は1〜数100μmである。 【0019】湿式シリカを100nm未満にまで粉砕さ
れた粉砕湿式シリカ粒子としてシリカ分散液中に存在さ
せた例は従来から無く、このような1μm程度のシリカ
粒子を極性溶媒に分散したシリカ分散液は、安定性が極
めて悪いという問題があった。 【0020】本発明にあっては、該湿式シリカを原料に
して平均粒子径100nm未満に粉砕することにより、
従来にない安定性の高いシリカ分散液を得ることに成功
したのである。 【0021】かかる本発明のシリカ分散液は、平均粒子
径が100nm未満であれば、安定性において高い効果
を発揮するが、特に、該平均粒子径が80nm以下であ
ることが好ましい。 【0022】本発明において、シリカ分散液を構成する
極性溶媒としては、シリカが分散し易い極性溶媒であれ
ば特に制限はない。かかる極性溶媒としては、水が代表
的である。水以外にもメタノールやエタノール、イソプ
ロパノール等のアルコール類、エーテル類、ケトン類な
どの極性溶媒が利用できるが、水と上記極性溶媒との混
合溶媒であっても良い。なお、シリカ粒子の安定性や分
散性を向上させるために界面活性剤や極性溶媒等を少量
添加しても良い。 【0023】本発明のシリカ分散液中の粉砕湿式シリカ
の濃度には特に制限はない。実用上特に問題のない範囲
が好適に採用されるが、一般的には1〜50重量%、特
に、5〜30重量%の範囲が好適である。 【0024】ところで、珪酸ソーダを原料としたコロイ
ダルシリカやゾル−ゲル法によって作られたコロイダル
シリカでは、平均粒子径が100nm未満のものは既に
知られているが、これらは一つ一つのシリカ粒子が独立
したほぼ球状の均一な形状を有していることが特徴であ
る。これに対して、本発明のシリカ分散液は、微粒子が
凝集した湿式シリカを粉砕したものであるため、該分散
液中のシリカ粒子は多少いびつな凹凸のある不均一な形
状が特徴である。このような特徴ある粒子形状を活かす
ことによって、コロイダルシリカとは異なる用途や効果
も期待できる。 【0025】例えば、研磨材としての用途においては、
研磨性において研磨速度の向上等を図ることができ有利
である。 【0026】上記シリカ分散液中のシリカが粉砕シリカ
であることは、高分解能の走査型電子顕微鏡や透過型電
子顕微鏡を用いて粒子形状を観察することによって確認
できる。 【0027】本発明のシリカ分散液の他の性状は特に制
限されないが、シリカ分散液のpHは、3〜11の範囲
が一般的である。 【0028】ここで、光散乱指数は、Journal
of Ceramic Society of Japan
101[6]707−712(1993)に記載の方
法に準じて求めた値である。 【0029】即ち、市販の分光光度計を用いて、光の波
長(λ)が460〜700nmの範囲において湿式シリ
カ分散液のスペクトルを測定することによりτを求め、
log(λ)とlog(τ)をプロットし、下記式
(1)を用いて直線の傾き(−n)を最小二乗法で求め
る。ここで、τの測定点数は最低でも6点以上、好まし
くは20点以上と多い方が精度が良くなるので好まし
い。 【0030】τ=αλ−n (1) (ここで、τは吸光度、αは定数、λは光の波長、nは
光散乱指数をそれぞれ示す。) 上記測定条件を具体的に示せば、まず、光路長10mm
のセルを用い、参照セルと試料セルにそれぞれイオン交
換水を満たし、460〜700nmの波長範囲にわたっ
てゼロ点校正を行う。次に、湿式シリカ分散液の濃度が
1.5重量%になるように湿式シリカ分散液をイオン交
換水で希釈し、試料セルに該希釈液を入れて波長(λ)
460〜700nmの範囲の吸光度(τ)を測定する。 【0031】吸光度を正確に測定するためには、測定機
器の感度等を勘案すると、吸光度の範囲としては0.0
1〜3の範囲が好ましい。湿式シリカ分散液の濃度が低
すぎたり、または高すぎたりすると吸光度としての十分
な感度が得られない場合がある。そのため、本発明で
は、吸光度を測定するときのセルの光路長を通常良く使
われている10mmとし、湿式シリカ分散液の濃度を
1.5重量%と定義した。 【0032】本発明において、湿式シリカを原料にした
シリカ分散液は、上記光散乱指数(n)を、2.2以
上、好ましくは2.5以上、さらに好ましくは3.0以
上にすることにより、沈降成分をほとんど含まない安定
性に優れたシリカ分散液となる。 【0033】即ち、原料に用いる湿式シリカの種類にも
よるが、光散乱指数が2.2未満では、長期間放置して
おくと沈殿を生じることがあるためシリカ分散液として
は使用し難い場合がある。 【0034】本発明におけるシリカ分散液は塩基性塩化
アルミニウム等を使用してカチオン変性を行うことがで
きる。ここで、カチオン変性とは、シリカ粒子表面の少
なくとも一部をシリカ以外の金属酸化物を用いて被覆す
ることであり、この方法としては、例えば特公昭47−
26959に示された方法を使用することができる。こ
のような処理を、本発明で使用する湿式シリカ原料また
はシリカ分散液に施すことにより、粒子表面を正に帯電
させたシリカ分散液を調製することが可能である。上記
処理は、酸性領域で行われるが、本発明のシリカ分散液
はpHの変化する酸性溶液中でも安定な特性を示し、得
られるシリカ分散液も安定性を持続する。 【0035】本発明のシリカ分散液の製造方法は特に制
限されないが、下記の方法が推奨される。 【0036】即ち、湿式シリカ粒子を極性溶媒に分散し
てなるシリカスラリーを対向衝突させることによって平
均粒子径100nm未満に粉砕することによってシリカ
分散液を製造することができる。 【0037】該シリカスラリーにおける粒子径は、平均
粒子径100nm未満にまで粉砕可能なものであれば特
に制限されず、一般に、0.2〜100μmの範囲のも
のが好適に使用される。 【0038】なお、湿式シリカにおいては、中和反応後
に濾過や洗浄を行った後の乾燥工程を施さないケークを
原料のシリカスラリーとして使用することもでき、より
微細なシリカ分散液を得る方法として有効である。 【0039】本発明において、シリカスラリーの対向衝
突は、湿式シリカを平均粒子径100nm未満の大きさ
に粉砕させる条件が特に制限なく採用される。かかる条
件を満足する装置としては、一般に、対向衝突ジェット
粉砕機と呼ばれている市販の装置が好適に使用できる。 【0040】対向衝突ジェット粉砕機とは、基本的に
は、シリカスラリーを加圧することによって出口側に導
き、該スラリーを2つの流路に分岐し、さらに流路を狭
めることによって流速を加速し、対向衝突させることに
よって該スラリー中のシリカ凝集体を粉砕する装置であ
る。 【0041】このような対向衝突ジェット粉砕機を使用
した粉砕条件は、機種によって各種の装置定数や効率が
異なるため、あるいは用いるシリカスラリーの種類によ
って粉砕の効率が異なるため、一概にその処理条件を定
めることはできない。 【0042】一般には、粉砕効率は処理圧力に依存する
ため、処理圧力が高いほど粉砕効率も高くなる。例え
ば、処理圧力は500kgf/cm以上、好ましくは
800kgf/cm以上、さらに好ましくは1200
kgf/cm以上の場合、粉砕効率の高い処理が可能
である。また、対向衝突する際のシリカスラリーの衝突
速度は、相対速度として50m/秒以上、好ましくは1
00m/秒以上、さらに好ましくは150m/秒以上で
あることが望ましい。 【0043】なお、対向衝突ジェット粉砕機でシリカス
ラリーを処理する回数は、1〜数十回の範囲から選ぶこ
とができる。 【0044】上記のようにシリカスラリーを加速したり
衝突させたりする部分を構成する材料としては、材料の
摩耗を抑えるためにダイヤモンドが好適に採用される。
このような装置の代表例を具体的に例示すると、ナノマ
イザー(株)製の商品名;ナノマイザー、マイクロフル
イディクス製の商品名;マイクロフルイダイザー、及び
スギノマシン製のアルティマイザーなどを挙げることが
できる。上記で例示した装置はいずれも流通式であるた
め、出口側で取り出されたシリカ分散液は一応に粉砕、
解砕または分散等の処理を受けたことになるため均一性
が高い点で、超音波分散やホモジナイザー等のバッチ式
とは異なり優れている。 【0045】また、粉砕、解砕または分散処理が高効率
で行われること、不純物の混入が極めて少ないこと、大
量処理にも適応可能なことなど、工業的に利用するのに
は適している。 【0046】本発明において、シリカスラリーの濃度
は、50重量%以下、好ましくは30重量%以下、さら
に好ましくは20重量%以下が好ましい。50重量%を
超えると、スラリーの流動性が極端に悪くなるため処理
が困難になる傾向がある。なお、粉砕後の平均粒子径が
小さくなればなるほど、あるいはシリカスラリーの濃度
が高くなればなるほどシリカスラリーの流動性が低下す
るため処理が困難になる。そのような場合には、まずス
ラリー濃度の低い原料スラリーを本発明の方法で処理し
粘度を下げた後に、徐々にシリカを添加してスラリー濃
度を上げて再び本発明の方法を適用するという方法が採
用できる。 【0047】本発明においては、上記方法において、さ
らに、シリカスラリーを対向衝突させる際のシリカスラ
リーのpHを8以上、さらに好ましくはpHを9以上と
することによってさらに保存安定性の優れたシリカ分散
液が得られることを見い出した。 【0048】即ち、従来の分散方法ではシリカスラリー
のpHを8以上にして分散させても、必ずしも長期的に
安定なシリカ分散液は得られなかった。それに対して、
本発明の方法を採用した場合では、シリカスラリーのp
Hを8以上としたシリカ分散液は、長時間放置しても、
あるいはさらにアルカリを添加しても再凝集する現象は
見られなかった。 【0049】アルカリの種類は公知のものが何等制限な
く使用できる。例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、テトラメチルアンモニウムハイ
ドライドなどを挙げることができる。 【0050】アルカリの添加量は、通常はpHメーター
でpHを確認しながら少量ずつアルカリを添加すれば良
い。但し、原料湿式シリカの一次粒子径が35nm以下
で、スラリー濃度が10重量%以上のシリカスラリーで
は、アルカリを添加するとゲル化してpHを測定できな
い場合がある。そのような場合には、シリカスラリーを
対向衝突させることによって該スラリーの粘度を下げた
後にpHを測定すれば良い。 【0051】 【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明の平均粒子径100nm未満の粉砕湿式シリカ粒子を
分散してなるシリカ分散液は、長期間放置してもゲル化
やシリカ粒子の沈降が起こらず、保存安定性、沈降安定
性に優れたものである。 【0052】 【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限され
るものではない。 【0053】以下の方法によって、原料の湿式シリカ及
び処理したシリカ分散液を分析した。 【0054】(比表面積)BET式の比表面積計(島津
製作所製、フローソーブII)を用いて測定した。 【0055】(平均粒子径)平均粒子径は、遠心沈降式
光透過法の粒度分布計(ブルックヘブン社製、BI−D
CP)を用いて重量平均粒子径を測定した。また、高分
解能の走査型電子顕微鏡(日本電子製、JSM−640
0F)を用いて、処理したシリカ分散液中のシリカ粒子
の形状と上記粒度分布計の値の妥当性を確認した。 【0056】(保存安定性及び沈降安定性)保存安定性
は、処理したシリカ分散液がゲル化して流動性がなくな
るまでの日数を調べた。 【0057】また、沈降安定性は、1ヶ月間静置後に生
じた沈降成分を計量し、初期のシリカ分に対する重量%
で示した。 【0058】(pHの測定)処理したシリカ分散液のp
HをpHメーター(堀場製作所製、M−13)を用いて
測定した。 【0059】(粘度の測定)シリカ分散液の粘度はB型
粘度計(トキメック製、BL型)を用いて、20℃で測
定した。 【0060】(nの測定)シリカ分散液のスペクトル
は、分光光度計(日本分光製、Ubest−35型)を
用いて測定した。まず、光路長10mmのセルを用い、
参照セルと試料セルにそれぞれイオン交換水を満たし、
全波長範囲にわたってゼロ点校正を行った。次に、シリ
カ分散液の濃度が1.5重量%になるようにシリカ分散
液をイオン交換水で希釈し、試料セルに該希釈液を入れ
て波長(λ)460〜700nmの範囲の吸光度(τ)
を1nm毎に241個測定した。log(λ)とlog
(τ)をプロットし、前述した式(1)を用いて直線の
傾き(−n)を最小二乗法で求めた。このときのnを光
散乱指数とした。 【0061】実施例1 市販の珪酸ソーダと純水を反応槽中にシリカ濃度が5%
となるように投入した。反応槽の温度を、90℃に昇温
した後、硫酸と珪酸ソーダとを反応槽中に一定の比率で
添加していった。添加終了後、さらに反応槽中に硫酸を
加えてpHを3にして反応を終了させた。生成したシリ
カに濾過と洗浄操作を繰り返し施し、得られた脱水ケー
クを静置乾燥後、粉砕した。このようにして得られたシ
リカ粉末は、平均粒子径が9.5μm、比表面積が20
0m/gであった。 【0062】5リットルのポリ容器にこのシリカ粉末3
60g、純水2580gを加え、棒でかき混ぜることに
よって予備混合を行った。できたペースト状のシリカス
ラリーを対向衝突ジェット粉砕機(ナノマイザー製;ナ
ノマイザー、LA−31)を用いて処理圧力1300k
gf/cm、衝突相対速度165m/秒で3回処理
し、分析を行った。この結果を表1に示すが、平均粒子
径が65nm、nが2.6であった。なお、該シリカ分
散液のpHは6.4であった。該シリカ分散液は保存安
定性も3カ月以上あり、さらに沈降安定性にも優れたて
いることがわかった。 【0063】なお、原料シリカと処理後のシリカを走査
型電子顕微鏡で観察したところ、処理前のシリカは1〜
30μmの範囲の凝集粒子であったものが、処理後にお
いてはそのような粗大粒子は見あたらず、40〜80n
mの範囲の比較的粒度分布のシャープな微細な粒子であ
った。該粒子の形状は、市販のコロイダルシリカのよう
に球状ではなく、多少いびつな凹凸のある不均一な形状
であった。 【0064】実施例2 シリカ反応液を洗浄した後に得られた脱水ケーク(シリ
カ含有量17wt%)を、静置乾燥を行わずに使用した
以外は実施例1と同様に処理を行った。結果を表1に示
す。このように、シリカ原料として未乾燥の脱水ケーク
を使用することにより、平均粒子径がより小さいシリカ
分散液が得られた。 【0065】実施例3 処理圧力を500kgf/cm、衝突相対速度80m
/秒とした以外は実施例2と同様の処理を行った。結果
を表1に示す。 【0066】比較例1 粉砕機にホモジナイザーを使用した以外は、実施例2と
同様にしてシリカ分散液を得た。結果を表1に示す。本
発明の方法ではなく、ホモジナイザーを用いた従来法で
は平均粒子径は100nm未満にはならず、そのために
沈降安定性も悪かった。 【0067】実施例4 市販の珪酸ソーダと純水を反応槽中にシリカ濃度が5%
となるように投入した。反応槽の温度を40℃として、
23wt%硫酸を用いて中和反応(中和率40%まで)
を行った後、反応液の温度を95℃とした。この反応液
に中和率が100%になるまで上記の硫酸を加えた。生
成したシリカに濾過、洗浄操作を繰り返し、脱水ケーク
(シリカ含有量15wt%)を得た。この脱水ケークを
乾燥させたシリカの比表面積は280m/gであっ
た。 【0068】上記の脱水ケーク2000gに、純水50
0gを加え、棒でかき混ぜることによって予備混合を行
った。できたペースト状のシリカスラリーを対向衝突ジ
ェット粉砕機(ナノマイザー製;ナノマイザー、LA−
31)を用いて処理圧力1500kgf/cm、衝突
相対速度180m/秒で3回処理し、分析を行った。結
果を表1に示す。 【0069】実施例5 処理圧力を500kgf/cm、衝突相対速度80m
/秒とした以外は実施例18と同様の処理を行った。結
果を表1に示す。 【0070】比較例2 粉砕装置として、ホモジナイザーを使用した以外は実施
例18と同様にしてシリカ分散液を得た。結果を表1に
示す。 【0071】比較例3 粉砕装置として、超音波ホモジナイザーを使用した以外
は実施例18と同様にしてシリカ分散液を得た。結果を
表1に示す。 【0072】実施例6 実施例5で得たシリカ分散液(シリカ濃度12重量%)
200gと塩基性塩化アルミニウム溶液50g(アルミ
ナとして4.8gを含む)とを混合し、70℃で1時間
加熱により熟成した。さらに、冷却後NaOHを加えp
Hを4.8に調整した。この分散液は酸性水溶液中にお
いても3カ月以上の保存安定性を示し、沈降安定性にも
優れたシリカ分散液であった。 【0073】 【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G072 AA28 BB05 CC04 CC05 CC13 DD09 EE01 GG02 HH21 JJ13 MM02 MM26 PP07 TT01 UU07

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 平均粒子径100nm未満の粉砕湿式シ
    リカ粒子を極性溶媒に分散してなるシリカ分散液であ
    り、且つシリカ粒子濃度が1.5重量%における光散乱
    指数(n)が2.2以上であるシリカ分散液。
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JP2005220010A (ja) * 2004-01-07 2005-08-18 Mitsubishi Paper Mills Ltd シリカ分散液及びそれを用いたインクジェット記録材料
JP4648708B2 (ja) * 2004-01-07 2011-03-09 三菱製紙株式会社 シリカ分散液

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