JP3437900B2 - 研磨剤 - Google Patents

研磨剤

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JP3437900B2
JP3437900B2 JP28863396A JP28863396A JP3437900B2 JP 3437900 B2 JP3437900 B2 JP 3437900B2 JP 28863396 A JP28863396 A JP 28863396A JP 28863396 A JP28863396 A JP 28863396A JP 3437900 B2 JP3437900 B2 JP 3437900B2
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンに代表さ
れる半導体ウェハーの研磨やIC製造工程中での絶縁膜
の研磨(以下、CMP研磨とも言う)等に好適に使用さ
れる新規な研磨剤に関する。詳しくは、水系溶媒にヒュ
ームドシリカ粒子を分散させたシリカ分散液よりなり、
高純度で且つ研磨性能及び保存安定性に優れた研磨剤で
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、シリカ分散液よりなる研磨剤とし
ては、ケイ酸ソーダを原料として製造されるコロイダル
シリカよりなる研磨剤が知られている。例えば、ニュー
セラミックス(1995)No.2、45〜46頁に
は、珪酸ソーダから得られたコロイダルシリカよりなる
シリコンウェハー用研磨剤が示されている。このコロイ
ダルシリカは、液相中で合成し、乾燥させずに分散液の
まま使用するため、平均粒子径が小さく、且つ分散性が
よく、溶液中で極めて安定である。
【0003】ところが、かかるコロイダルシリカは一般
に純度が悪いため、高純度であることが要求される半導
体ウェハー用研磨剤、更には、IC製造工程中の絶縁膜
用研磨剤には使い難かった。特に、上記絶縁膜用研磨剤
は重金属等の陽イオンによる汚染が大きな問題となるた
め、高純度が要求される。
【0004】これらの要求に対して、上記文献には、コ
ロイダルシリカの原料としてアルコキサイドのような有
機珪素化合物を使用してコロイダルシリカを得る方法が
提案されている。
【0005】ところが、コロイダルシリカの製造は、工
業的な実施において生産性が悪く、しかも、上記有機珪
素化合物を使用する方法にあっては、原料に起因する製
造コストの上昇という問題を有する。
【0006】また、上記コロイダルシリカは、粒子が軟
らかく、研磨後に被研磨面に強固に付着し易いため、こ
れを洗浄により十分除去することが困難である。このこ
とは、特に前記ケイ酸ソーダを原料として得られる不純
物の多いコロイダルシリカを使用した場合、被研磨面の
汚染を増長する。
【0007】上記コロイダルシリカに対して、工業的な
実施において生産性が良い微細シリカとして、四塩化ケ
イ素を原料として酸水素炎中で燃焼させて製造されるヒ
ュームドシリカがある。かかるヒュームドシリカは、一
次粒子径がコロイダルシリカと同様に小さく、しかも高
純度であるため、該コロイダルシリカを使用した研磨剤
に代わる研磨剤として使用が検討されている。
【0008】例えば、特公昭57−20350号、特開
平3−60420号等には、ヒュームドシリカを水系溶
媒に分散させたシリカ分散液及び該シリカ分散液のシリ
コンウェハー用研磨剤が示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヒュー
ムドシリカは乾燥状態で凝集粉末として提供されるた
め、特に、比表面積が大きい(一次粒子径の小さい)も
のは、これを水系溶媒に安定にしかも微粒子として分散
させることが極めて難しかった。
【0010】そこで、上記文献においては、シリカ粒子
の分散性の良いシリカ分散液を製造するため、ヒューム
ドシリカの比表面積が75m2/g以下のものを用いる
ことが望ましいと記載されている。
【0011】このように、比表面積が75m2/g以下
のヒュームドシリカは、後述する比表面積より換算され
る平均一次粒子径が36nm以上と比較的大きいため、
分散性の良いシリカ分散液を製造することが比較的容易
である。ところが、ヒュームドシリカは、火炎中で生成
するため、その粒子が硬いという特性を有しており、得
られるシリカ分散液を研磨剤として使用した場合には、
被研磨面に傷が付きやすく、それによって平坦性も悪く
なるため、半導体ウェハー用やIC製造工程中で絶縁膜
用の研磨剤としては問題があった。特に、最近注目され
ているIC製造工程中でガラス膜を代表とする絶縁膜
(配線層とも言う。)を研磨するCMP研磨において
は、配線層上に形成された傷のために、その上に形成さ
れた配線が断線するなどの問題が指摘されている。更
に、本発明者らの確認によれば、上記シリカ分散液は、
数ヶ月放置すると上澄みが生じ易く、保存安定性が悪い
という問題をも有する。
【0012】一方、比表面積が75m2/gを越える、
一次粒子径の小さいヒュームドシリカを用いてシリカ分
散液を製造しようとした場合は、従来より分散に用いら
れているような高せん断ミキサーを用いた方法では、シ
リカの分散性が悪いため、分散安定性も悪く、しかも該
分散液の粘度が高くなるなど、シリカ分散液としては使
い難いものであった。また、適当な粘度のものが得られ
たとしても、かかるシリカ分散液よりなる研磨剤は、一
次粒子が凝集した多様な大きさの凝集粒子が存在するた
め、研磨性能の再現性が悪く、しかも、研磨速度も低い
という問題があった。
【0013】また、上記のヒュームドシリカを使用した
シリカ分散液の安定性を改良するため、特公平5−33
8号には表面シラノール基密度が1nm2当り0.3個
以上3個以下の乾式法で製造された無水ケイ酸を水系溶
媒に分散させたことを特徴とする無水ケイ酸の水分散液
組成物(シリカ分散液)が開示されている。
【0014】上記のシリカ分散液は、良好な安定性を有
すると記載されているものの、シリカ分散液を得るため
には、該条件を満足させるため、シリカを分散前に乾燥
させ、シランカップリング剤で処理する等の表面処理を
行わなければならず、操作が煩雑になる。また、上記表
面処理されたシリカの分散液の製造方法として例示され
ている分散機は前記の従来技術と同様、高せん断型の分
散機を使用するものであり、かかる分散機を使用して得
られたシリカ分散液は、前記したように多様な大きさの
凝集粒子が存在するため、研磨剤としての研磨性能につ
いて未だ改良の余地がある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、平均一次粒
子径が特定の値以下のヒュームドシリカを用い、該ヒュ
ームドシリカを水系溶媒に分散せしめたシリカ分散液の
光散乱指数及び該分散液の平均二次粒子径が特定の範囲
となるように調製されたシリカ分散液を研磨剤として使
用することによりその目的を達成し得ることを見い出
し、本発明を提案するに至った。
【0016】即ち、本発明は、水系溶媒に、平均一次粒
子径が5〜30nmのヒュームドシリカを分散してな
り、シリカ濃度1.5重量%における光散乱指数(n)
が3〜6であり、且つ該分散されたヒュームドシリカの
重量基準の平均二次粒子径が30〜100nmであるこ
とを特徴とするシリカ分散液よりなる研磨剤である。
【0017】また、本発明は、水系溶媒にヒュームドシ
リカを分散してなるシリカ分散液を高圧ホモジナイザー
により、重量基準の平均二次粒子径が30〜100nm
となるように粉砕することを特徴とする上記の研磨剤の
製造方法である。
【0018】尚、本明細書において、ヒュームドシリカ
の平均一次粒子径は、その比表面積より下記の式(1)
によって算出した値である。
【0019】d=6/(S×D) (1) (尚、dは平均一次粒子径、Sは比表面積、Dはヒュー
ムドシリカの密度(2.2g/cm3)を示す。) また、光散乱指数(n)の値は、市販の分光光度計を用
いて、シリカ分散液のスペクトルを測定することにより
求めたものである。具体的に説明すると、まず、光路長
10mmのセルを用い、参照セルと試料セルにそれぞれ
イオン交換水を満たし、460〜700nmの波長範囲
にわたってゼロ点校正を行う。次に、シリカ分散液のシ
リカ濃度が1.5重量%になるようにシリカ分散液をイ
オン交換水で希釈し、試料セルに該濃度調製されたシリ
カ分散液を入れて波長(λ)460〜700nmの範囲
の吸光度(τ)を測定する。log(λ)とlog
(τ)をプロットし、下記式 τ=αλ-n (2) を用いて直線の傾き(−n)を最小二乗法で求めること
ができる。そして、この時のnが光散乱指数である。上
記τの測定点の数は多くとる方がnの精度が向上するた
めに好ましく、本発明においては241点測定した。
【0020】吸光度を正確に測定するためには、測定機
器の感度等を勘案すると、吸光度の範囲としては0.0
1〜3の範囲が適当であるため、吸光度を測定するとき
のセルの光路長を10mmとし、研磨剤のシリカ分散液
のシリカ濃度を1.5重量%とすることにより、吸光度
の範囲をほぼ0.01〜3の範囲で測定できるようにし
た。また、吸光度を測定する波長範囲としては、log
(λ)とlog(τ)をプロットしたときに直線性が成
り立ち且つ感度の高い460〜700nmの範囲を選択
した。
【0021】更に、上記平均二次粒子径は、遠心沈降方
式の粒度分布計を使用して測定した値である。即ち、上
記粒度分布計による測定値より重量基準の平均を求めた
値である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明において、シリカ分散液を
構成するシリカとしては、ヒュームドシリカが用いられ
る。ヒュームドシリカは、四塩化ケイ素を酸水素炎中で
燃焼させて製造する公知の方法によって得ることができ
る。ヒュームドシリカは製造条件を変えることにより、
比表面積がおよそ50〜500m2/gの範囲のものが
得られている。前記の式(1)を用いて計算すると、比
表面積が50〜500m2/gの範囲のシリカの平均一
次粒子径は、およそ55〜5nmの範囲である。
【0023】本発明の研磨剤においては、上記ヒューム
ドシリカの内、平均一次粒子径が5〜30nm、好まし
くは5〜27nm、さらに好ましくは5〜23nmのも
のを使用することが、得られる研磨剤に良好な保存安定
性を与え、且つ被研磨面への傷の発生を防止するために
必要である。
【0024】即ち、平均一次粒子径が30nmよりも大
きいヒュームドシリカを用いた場合、シリカ分散液は、
分散性は良好であるが、数か月間放置していると上澄み
が透明になり、容器の底に沈殿物が堆積してくる現象が
見られ、保存安定性が悪い。また、このような平均一次
粒子径が大きなヒュームドシリカを用いた研磨剤は、ヒ
ュームドシリカの有する高い硬度に起因して被研磨面に
傷が付き易いという問題を有する。
【0025】一方、5nmより小さい平均一次粒子径を
有するものは製造上困難である。
【0026】前記したように、従来より、ヒュームドシ
リカを水系溶媒に分散した研磨剤が知られているが、具
体的に示されている研磨剤は、その分散性を考慮して、
比表面積が75m2以下(平均一次粒子径36nm以
上)のヒュームドシリカを使用したものである。従っ
て、かかるヒュームドシリカを使用した研磨剤は、保存
安定性が悪く、しかも、被研磨面に傷が付き易いもので
ある。
【0027】本発明の研磨剤において、上記平均一次粒
子径と共に重要な構成は、上記ヒュームドシリカを分散
したシリカ分散液の、シリカ濃度1.5重量%における
光散乱指数(以下、単に「n」ともいう)が3〜6、好
ましくは3〜5、さらに好ましくは3.1〜5であるこ
とにある。
【0028】即ち、上記nの値が3より小さい上記シリ
カ分散液を研磨剤として使用した場合、粗大な凝集粒子
の存在割合が多くなり、被研磨面に傷が付き易いという
現象が生じると共に、研磨速度も低下する。また、nの
値が6を超えるものは製造上困難である。
【0029】従って、前記平均一次粒子径を満足すると
共に、nの値が3以上のシリカ分散液よりなる研磨剤は
保存安定性に優れるばかりでなく、従来の方法によって
同一の比表面積を有するヒュームドシリカを分散させた
場合に得られるnが3未満のシリカ分散液よりなる研磨
剤と比較して研磨性能が著しく向上する。
【0030】因みに、従来のシリカ分散液の製造方法に
おいて代表的なホモジナイザー等の分散機を用いてヒュ
ームドシリカを水系溶媒に分散しようとした場合、nが
3以上のものを得ることが困難であり、特に、分散せし
めるヒュームドシリカの一次粒子径が小さいものほど、
かかるnの値が小さくなる傾向がある。
【0031】本発明の研磨剤においては、上記光散乱指
数(n)が3以上であると共に、シリカ分散液中に分散
したヒュームドシリカの平均二次粒子径が30〜100
nm、特に30〜90nmであることが、被研磨面での
傷の発生を抑えると共に、良好な保存安定性を得るため
に必要である。
【0032】尚、ヒュームドシリカを分散させる手段と
して、Jounal of Ceramic Societyof Japan 101(6)の7
07〜712頁には、超音波により処理したシリカ分散
液が示されている。しかし、上記文献に示されている超
音波処理により得られたシリカ分散液は、実験室レベル
で製造されるため、均一な分散性を示し、前記nの値は
本発明と同様、良好な値を示すものの、ヒュームドシリ
カ粒子の二次凝集粒子の破砕が不十分であり、上記10
0nm以下の平均二次粒子径を達成することができな
い。因みに、上記文献のFig.4に示されている粒度
分布曲線より求められる平均二次粒子径は、160nm
程度であり、これを本発明と同様の測定条件で測定した
場合、130nm程度となる。そして、かかる100n
mを超える平均二次粒子径を持つシリカ分散液は、被研
磨面への傷の発生が大きく、保存安定性においても改良
の余地がある。
【0033】また、超音波処理においては、超音波の発
振素子である金属の溶出が従来より指摘されており、こ
れにより得られるシリカ分散液は純度においても改良の
余地がある。
【0034】また、上記シリカ分散液において、単分散
度が1.2〜2であるものは、研磨剤としての研磨特性
がさらに優れており好適である。
【0035】ここで、上記単分散度は、遠心沈降方式の
粒度分布計を使用して測定される測定値より作成される
粒度分布曲線において、粒子径が小さい方から粒子の重
量を積算し、全体の25重量%となる粒子径をD25、同
じく全体の75重量%となる粒子径をD75としたとき、
該D75をD25で割った値(D75/D25)である。
【0036】上記特定の平均二次粒子径及び単分散度を
かかる範囲に調整することによる効果の発現は、ヒュー
ムドシリカがより微分散しており、且つより粗粒の少な
いことによって、研磨後の試料表面に傷が付き難く平坦
性に優れた研磨特性を示すことによるものと推定され
る。
【0037】本発明において、研磨剤を構成する水系溶
媒としては水又は水を含有する混合溶媒が特に制限なく
使用される。上記混合溶媒に使用する他の溶媒として
は、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール類、エーテル類、ケトン類などの極性溶媒が挙
げられ、一種又は二種以上混合して用いることができ
る。
【0038】上記極性溶媒は、全溶媒の10重量%以
下、好ましくは、3重量%以下、更に好ましくは1重量
%以下で使用するのが一般的である。
【0039】また、上記水系溶媒には、必要に応じて、
公知の界面活性剤などの分散助剤を10%以下、好まし
くは3%以下、更に好ましくは1%以下の濃度で添加し
ても良い。
【0040】本発明の研磨剤のpHは特に限定されず、
目的とする研磨用途に応じて適宜決定すればよい。但
し、酸性域から弱アルカリの範囲のシリカ分散液は、シ
リカ分散液の粘度が高くなるという問題がある。そのよ
うな場合には、上述の分散助剤として界面活性剤の他に
塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸カ
リウム、酢酸カリウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモ
ニウム、炭酸アンモニウム、硫酸マグネシウムといった
各種の塩を添加することによって、シリカ分散液の粘度
を下げ、使い易くすることができる。上記塩は、シリカ
分散液に対して10ppm〜1重量%が適当である。
【0041】また、上記水系溶媒には、シリカ分散液の
粘度を下げ、且つ、研磨速度を制御するためにアルカリ
を添加してもよい。上記のアルカリとしては、KOH等
の水酸化アルカリを始めとし、アンモニア、アミン、テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど、通
常、研磨剤の組成として知られているアルカリが特に制
限なく使用される。シリコンウェハー用の研磨剤には、
上記アルカリとして、モノエタノールアミン、イソプロ
ピルアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ジ
エタノールアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミ
ン、トリエタノールアミン、ピペラジン、2−メチルピ
ペラジン、N−メチルピペラジン、ビスアミノプロピル
ピペラジン、2−アミノメチルピペリジン、2−ピペリ
ジンエタノール、トリエチレンテトラミン、アミノエチ
ルエタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイ
ドなどのアミンが好適に使用できる。また、IC製造工
程中で絶縁膜を研磨するための研磨剤には、上記アルカ
リとして、KOHやアンモニアが好適に用いられる。
【0042】該アルカリの添加量は、目的のpHになる
だけ添加すればよい。一般に、目的のpHとするにはヒ
ュームドシリカの比表面積が大きいほどアルカリの添加
量を多く必要とする。具体的には、シリコンウェハーや
IC製造工程中で絶縁膜を研磨するためには、研磨剤の
pHを8〜13、特に8〜12の範囲になるように添加
すればよい。
【0043】本発明において、シリカ分散液のシリカ濃
度は、使用目的に応じて適宜決定すればよい。一般に
は、0.1〜40重量%、特に1〜30重量%の範囲が
好適である。すなわち、40重量%を越えると、シリカ
分散液の流動性が極端に悪くなるため製造が困難になる
傾向がある。また、0.1重量%未満では研磨効率が低
下する傾向にある。
【0044】従って、上記範囲内で目的の濃度となるよ
うにシリカ濃度を調節すればよい。例えば、シリコンウ
ェハーなどの超精密な仕上げ研磨などでは、0.5〜5
重量%程度の低いシリカ濃度の分散液が用いられる。ま
た、研磨剤を輸送する場合、輸送コストを軽減するため
に、20重量%以上の高濃度にシリカ濃度を調節する場
合もある。この場合、使用時に水系溶媒で希望の濃度に
希釈して使用される。勿論、研磨対象によっては、その
様な高いシリカ濃度で使用してもよい。
【0045】本発明の研磨剤は、シリコンウェハーやI
C製造工程中で絶縁膜を研磨する場合、特に、重金属等
の金属元素による汚染が問題となるIC製造工程中で絶
縁膜を研磨する場合は特に、pH調整用のカリウムを除
く金属元素の含有量が10ppm以下、好ましくは5p
pm以下となるようにシリカ分散液を調製することが望
ましい。
【0046】本発明において、上記の諸物性を有するシ
リカ分散液を製造する方法は特に限定されないが、下記
の方法が推奨される。
【0047】即ち、水系溶媒にヒュームドシリカを分散
してなるシリカ分散液を高圧ホモジナイザーにより、重
量基準の平均二次粒子径が30〜100nmとなるよう
に粉砕することによってシリカ分散液を製造することが
できる。
【0048】尚、ここで言う粉砕とは、砕くと言う意味
だけではなく、ヒュームドシリカの凝集体をほぐす意味
での解砕や、粉砕や解砕したシリカ粒子を引き続き水系
溶媒中に分散させる意味を含んでいる。
【0049】本発明において、高圧ホモジナイザーによ
る粉砕処理は、シリカ分散液をオリフィスを高圧で連続
的に通過させてヒュームドシリカを粉砕する方法であ
る。また、上記粉砕において、粉砕の程度は、平均二次
粒子径が30〜100nm、特に、30〜90nmとな
るように粉砕することが望ましい。
【0050】かかる条件を満足する装置としては、シリ
カ分散液を500〜3500kgf/cm2の処理圧
力、好ましくは、800〜3500kgf/cm2、さ
らに好ましくは1200〜3500kgf/cm2の処
理圧力で高圧粉砕し得るものが好適である。これにより
粉砕効率の高い処理が可能である。
【0051】上記高圧粉砕により処理することにより良
好な粉砕が実施できるが、更に粉砕を好適に実施するに
は、該高圧でオリフィスを通過させる手段に加えて、該
オリフィス通過後のシリカ分散液を対向衝突させる手段
を実施することが好ましい。かかる装置として、一般
に、対向衝突ジェット粉砕機と呼ばれている市販の装置
が好適に使用できる。
【0052】従来、上記対向衝突ジェット粉砕機は、塗
料、顔料、インキ、医薬品、感光材料、磁気記録媒体等
の乳化の用途に使用されるものであり、本発明の方法の
ように、ヒュームドシリカの分散に使用された例はな
い。
【0053】上記対向衝突ジェット粉砕機によれば、基
本的には、シリカ分散液を加圧することによって出口側
に導き、該シリカ分散液を2つの流路に分岐し、さらに
流路をオリフィスにより狭めることによって流速を加速
し、対向衝突させることによって該シリカ分散液中のヒ
ュームドシリカ凝集体を粉砕することができる。
【0054】このような対向衝突ジェット粉砕機を使用
した粉砕条件は、その機種によって各種の装置定数や効
率が異なり、あるいは用いるシリカ分散液の種類によっ
て粉砕の効率が異なるため、一概にその処理条件を定め
ることはできない。
【0055】一般には、粉砕効率は処理圧力に依存する
ため、処理圧力が高いほど粉砕効率も高くなる。
【0056】また、対向衝突する際のシリカ分散液の衝
突速度は、前記処理圧力下で、相対速度として50m/
秒以上、更に、100m/秒以上、場合によっては15
0m/秒以上を達成することができる。
【0057】なお、対向衝突ジェット粉砕機でシリカ分
散液を対向衝突させる処理回数は1〜数十回の範囲から
選ぶことができる。
【0058】上記のようにシリカ分散液を加速したり衝
突させたりする部分を構成する材料としては、材料の摩
耗を抑えるためにダイヤモンドが好適に採用される。こ
のような装置の代表例を具体的に例示すると、ナノマイ
ザー(株)製の商品名;ナノマイザー、マイクロフルイ
ディクス製の商品名;マイクロフルイダイザー、及びス
ギノマシン製のアルティマイザーなどを挙げることがで
きる。上記で例示した装置はいずれも連続流通式である
ため、出口側で取り出されたシリカ分散液は一様に粉
砕、解砕または分散等の処理を受けたことになり、処理
の均一性が高い点で、超音波分散やホモジナイザー等の
バッチ式とは異なり優れている。
【0059】また、粉砕、解砕または分散処理が高効率
で行われること、不純物の混入が極めて少ないこと、大
量処理にも適応可能なことなど、工業的に利用するのに
は適している。
【0060】本発明において、シリカ分散液の濃度は、
40重量%以下、好ましくは30重量%以下、さらに好
ましくは20重量%以下が好ましい。40重量%を超え
ると、スラリーの流動性が極端に悪くなるため粉砕処理
が困難になる傾向がある。なお、粉砕後の平均粒子径が
小さくなればなるほど、あるいはシリカ分散液の濃度が
高くなればなるほどシリカ分散液の流動性が低下するた
め処理が困難になる。そのような場合には、まずシリカ
濃度の低い原料スラリーを本発明の方法で処理し粘度を
下げた後に、徐々にシリカを添加してスラリー濃度を上
げて再び本発明の方法を適用するという方法が採用でき
る。
【0061】本発明においては、上記方法において、さ
らに、シリカ分散液を対向衝突させる際のシリカ分散液
のpHを8〜13、さらに好ましくはpHを9〜12と
することによってさらに保存安定性の優れたシリカ分散
液が得られることが出来るため好ましい。
【0062】即ち、従来の分散方法ではシリカ分散液の
pHを8以上にして分散させても、必ずしも長期的に安
定なシリカ分散液は得られなかった。それに対して、本
発明の方法を採用した場合では、シリカ分散液のpHを
8以上としたシリカ分散液は、長時間放置しても、ある
いはさらにアルカリを添加しても再凝集する現象は見ら
れなかった。
【0063】上記アルカリの種類としては前述したもの
が何等制限なく使用できる。また、該アルカリの添加量
は用いるシリカの種類によって異なるため一概には特定
できない。通常はpHメーターでpHを確認しながら、
目的のpHとなるように少量ずつアルカリを添加すれば
良い。
【0064】なお、前述したように、酸性域から弱アル
カリ性の範囲のシリカ分散液に関しては、該分散液の粘
度が高くなる場合があるが、そのような場合には、原料
であるシリカ分散液の粘度も当然高く、分散処理に手間
取る場合がある。そのような場合には、対向衝突の前
に、分散助剤として前記したような各種の塩を添加する
ことによって、シリカ分散液の粘度を下げて対向衝突を
行うことにより分散処理を容易にすることができる。
【0065】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明の研磨剤は、平均一次粒子径が30nm以下のヒュー
ムドシリカをシリカ濃度1.5重量%における光散乱指
数(n)が3〜6に、また、重量基準の平均二次粒子径
が30〜100nmとなるように調製したシリカ分散液
よりなるため、保存安定性が高く、しかも研磨速度が速
く、被研磨面に傷が付き難い等の研磨特性にも優れた研
磨剤であり、シリコンウエハー用研磨剤、IC製造工程
における絶縁膜の研磨剤等の用途に好適に使用すること
ができる。
【0066】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限され
るものではない。
【0067】以下の方法によって、原料のシリカ及びシ
リカ分散液よりなる研磨剤を分析、評価した。
【0068】1.比表面積 BET式の比表面積計(島津製作所製、フローソーブI
I)を用いて測定した。
【0069】2.平均一次粒子径 平均一次粒子径は、比表面積より前記式(1)を用いて
算出した。
【0070】3.平均二次粒子径 平均二次粒子径は、ディスク式高速遠心沈降法の粒度分
布計(日機装製、BI−DCP)を用いて測定した。
【0071】4.保存安定性 研磨剤を静置してその一部がゲル化して流動性がなくな
るまでの日数を調べた。
【0072】5.pHの測定 pHメーター(堀場製作所製、F−22)を用いて、2
5℃で測定した。
【0073】6.粘度の測定 B型粘度計(トキメック製、BL型)を用いて、25℃
で測定した。なお、15mPa・s以下のサンプルは低
粘度測定用アダプターを取り付けて測定した。
【0074】7.光散乱指数(n)の測定 分光光度計(日本分光製、Ubest−35型)を用い
て測定した。まず、光路長10mmのセルを用い、参照
セルと試料セルにそれぞれイオン交換水を満たし、全波
長範囲にわたってゼロ点校正を行った。次に、シリカ分
散液の濃度が1.5重量%になるように研磨剤をイオン
交換水で希釈し、試料セルに該希釈液を入れて波長
(λ)460〜700nmの範囲の吸光度(τ)を1n
m毎に241個測定した。log(λ)とlog(τ)
をプロットし、前述した式(2)を用いて直線の傾き
(−n)を最小二乗法で求めた。この時のnを光散乱指
数とした。
【0075】8.研磨速度 絶縁膜用の研磨用試料には、厚さ約1μmのSiO2
酸化膜付きの4インチのシリコンウェハーを用いた。研
磨装置にはエンギス社製、EJ−380IN−Sを用
い、荷重500g/cm2、定盤の回転速度40rp
m、研磨剤の供給速度80ml/minの条件で研磨試
験を行った。研磨パッドにはロデ−ル製のIC1000
/Suba400を用いた。研磨速度は、エリプソメー
ターを用いて研磨前後のSiO2膜の厚み変化を測定す
ることによって求めた。
【0076】また、シリコンウェハー用の研磨用試料に
は、市販の4インチのシリコンウェハーを用いた。研磨
装置にはエンギス社製、EJ−380IN−Sを用い、
荷重400g/cm2、定盤の回転速度40rpm、研
磨剤の供給速度80ml/minの条件で研磨試験を行
った。研磨パッドにはロデ−ル製のSuba400を用
いた。研磨速度は、研磨前後のシリコンウェハーの重量
減少から計算により求めた。なお、シリコンウェハーの
研磨試験では、試作研磨剤を1/10に希釈して、シリ
カ濃度1重量%にして用いた。
【0077】9.研磨後の平坦性の評価 研磨後の試料の平坦性は、原子間力顕微鏡(東陽テクニ
カ製、ナノスコ−プIII)を用いて任意の1×1μm
角の面積における表面粗さ(Ra)を計測した。
【0078】10.カリウム以外の金属元素の含有量 フッ硝酸処理した研磨剤をIPC−MSを用いて無機元
素の定性、定量を以下のようにして行った。対象の無機
元素は、Na、Al、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、
Cu、Znである。
【0079】尚、上記以外で、原子番号がNaよりも大
きな元素については、検出感度以下であることを確認し
た。また、上記元素の検出下限は、Crが0.5ppm
以下、Niが0.4ppm以下、その他がそれぞれ0.
1ppm以下であった。従って、上記9元素の総検出限
界は1.6ppmである。
【0080】実施例1 5リットルのポリ容器にイオン交換水2472gと1N
の水酸化カリウム水溶液168gを計り取り、混合し
た。次に、ヒュームドシリカ(トクヤマ製;レオロシー
ルQS−10、比表面積;138m2/g、比表面積換
算の平均一次粒子径;20nm)360gを上記アルカ
リ水溶液に投入し、棒でかき混ぜることによって予備混
合を行った。上記の方法で得られたシリカ分散液のpH
は、10.6であり、これを対向衝突ジェット粉砕機
(ナノマイザー製;ナノマイザー、LA−31)を用い
て処理圧力800kgf/cm2で3回対向衝突処理し
てシリカ分散液を製造した。
【0081】得られたシリカ分散液の各測定項目を測定
して表1に示した。また、該シリカ分散液のシリカ濃度
は12重量%で、乳白色の均質なシリカ分散液であっ
た。
【0082】上記シリカ分散液を絶縁膜用研磨剤として
用い、研磨特性、保存安定性等を測定し、その結果を表
1に併せて示した。
【0083】以上の結果より、本発明の絶縁膜用研磨剤
はヒュームドシリカが微分散したシリカ分散液よりな
り、それによって極めて安定が高く、しかも研磨性能に
も優れていることがわかった。また、原料が高純度であ
るため、研磨剤の金属元素量、特に重金属元素が極めて
少なく、絶縁膜の汚染も極めて少なかった。
【0084】実施例2〜3 実施例1のシリカ分散液の製造において、対向衝突の処
理圧力を実施例2では500kgf/cm2、実施例3
では、1100kgf/cm2とした以外は実施例1と
同様にしてシリカ分散液を調製し、各測定項目を測定し
て表1に示した。また、該シリカ分散液を絶縁膜用研磨
剤として使用して研磨特性、保存安定性等を測定した。
結果を表1に示した。また、原料が高純度であるため、
研磨剤の金属元素量、特に重金属元素が極めて少なく、
絶縁膜の汚染も極めて少なかった。
【0085】実施例4〜 実施例1のシリカ分散液の製造において、比表面積の異
なる各種ヒュームドシリカを用いて実施例1と同様にシ
リカ分散液を調製し、各測定項目を測定して表1に示し
た。また、該シリカ分散液を絶縁膜用研磨剤として使用
して研磨特性、保存安定性等を測定した。結果を表1に
示した。また、原料が高純度であるため、研磨剤の金属
元素量、特に重金属元素が極めて少なく、絶縁膜の汚染
も極めて少なかった。
【0086】
【表1】
【0087】以上の実施例より、nが3以上であるシリ
カ分散液よりなる研磨剤は、保存安定性並びに研磨速度
が優れていることがわかる。さらに、平均二次粒子径が
30〜100nmであり、且つ単分散度が1.2〜2で
あるシリカ分散液よりなる研磨剤は、研磨後の試料の平
坦性に優れていることがわかる。
【0088】比較例1 実施例1に記載のシリカ分散液の製造方法において、粉
砕機としてホモジナイザー(イカ製ウルトラタラック
ス、T−25)を用いた以外は実施例1と同様にシリカ
分散液を調製し、各測定項目を測定した。結果を表2に
示した。また、該シリカ分散液を絶縁膜用研磨剤として
使用して研磨特性、保存安定性等を測定した。結果を表
2に示した。
【0089】尚、処理した分散液の量は実施例1の1/
3の量で、処理時間は30分とした。
【0090】この方法で得られたシリカ分散液よりなる
研磨剤のnは2.77であり、実施例1と比較するとシ
リカの分散状態が良くなかった。そのため、保存安定性
も実施例に比べると悪く、また研磨速度も低かった。ま
た、研磨後の試料の表面粗さは0.33nmと実施例に
比べると低下した。
【0091】以上の結果からわかるように、本発明の方
法は、従来法に比べて、ヒュームドシリカを超微分散さ
せることが可能であり、これにより得られた本発明の研
磨剤は、保存安定性並びに各種研磨特性に優れているこ
とが理解される。
【0092】比較例2〜6 比較例1に記載の方法により、表2に示すような平均一
次粒子径(比表面積)の異なる各種ヒュームドシリカを
それぞれ用いてシリカ分散液を製造した。得られたシリ
カ分散液について各測定項目を測定した結果を表2に示
した。また、該シリカ分散液を絶縁膜用研磨剤として使
用して研磨特性、保存安定性等を測定した。結果を表2
に併せて示した。
【0093】結果より理解されるように、比表面積が小
さくなるにしたがってnは3に近づいてくるが3を越え
ることはできなかった。なお、比較例3と4は、ヒュー
ムドシリカの比表面積が大きいため、従来法では安定な
シリカ分散液を調製することができなかった。そのため
一部の試験は省略した。
【0094】
【表2】
【0095】実施例 5リットルのポリ容器にイオン交換水2550gとピペ
ラジン150gを計り取り、混合した。次に、ヒューム
ドシリカ(トクヤマ製;レオロシールQS−10、比表
面積;138m/g、比表面積換算の平均一次粒子
径;20nm)300gを上記アルカリ水溶液に投入
し、棒でかき混ぜることによって予備混合を行った。上
記の方法で得られたシリカ分散液のpHは、11.2で
あり、該シリカ分散液を対向衝突ジェット粉砕機(ナノ
マイザー製;ナノマイザー、LA−31)を用いて処理
圧力800kgf/cmで3回対向衝突処理し、シリ
カ分散液を得た。
【0096】得られたシリカ分散液の各測定項目を測定
して表3に示した。また、このときのシリカ濃度は10
重量%で、乳白色の均質なシリカ分散液であった。
【0097】該シリカ分散液をシリコンウェハー用研磨
剤として用い、各種の物性及び研磨特性を測定した。な
お、研磨試験には、上記シリカ分散液を純水で希釈し、
シリカ濃度を1重量%にしたものを用いた。結果を表3
に示す。
【0098】以上の結果より、本発明のシリコンウェハ
ー用研磨剤はヒュームドシリカが微分散したシリカ分散
液よりなり、それによって極めて安定が高く、しかも研
磨性能にも優れていることがわかった。また、原料が高
純度であるため、研磨剤の金属元素量、特に重金属元素
が極めて少なく、シリコンウエハーの汚染も極めて少な
かった。
【0099】実施例8〜9 実施例のシリカ分散液の製造において、比表面積の異
なる各種ヒュームドシリカを用いて実施例と同様にシ
リカ分散液を調製し、各測定項目を測定して表1に示し
た。また、該シリカ分散液をシリコンウエハー用研磨剤
として使用して研磨特性、保存安定性等を測定した。結
果を表3に示した。また、原料が高純度であるため、研
磨剤の金属元素量、特に重金属元素が極めて少なく、シ
リコンウエハーの汚染も極めて少なかった。
【0100】以上の実施例より、nが3以上であるシリ
カ分散液よりなる研磨剤は、保存安定性並びに研磨速度
が優れていることがわかる。さらに、平均粒子径が30
〜100nmであり、且つ単分散度が1.2〜2である
シリカ分散液よりなる研磨剤は、研磨後の試料の平坦性
に優れていることがわかる。
【0101】比較例7〜9 実施例7〜9に記載のシリカ分散液の製造方法におい
て、粉砕機としてホモジナイザー(イカ製ウルトラタラ
ックス、T−25)を用いた以外は実施例7〜9と同様
にシリカ分散液を調製し、各測定項目を測定した。結果
を表3に示した。また、該シリカ分散液を絶縁膜用研磨
剤として使用して研磨特性、保存安定性等を測定した。
結果を表3に示した。
【0102】尚、処理した分散液の量は実施例の1/
3の量で、処理時間は30分とした。 この方法ではn
は3未満であった。つまり、実施例7〜9と比較すると
シリカの分散状態が良くなかった。そのため、保存安定
性も実施例に比べると悪く、また研磨速度も低かった。
また、研磨後の試料の表面粗さも実施例に比べると低下
した。
【0103】以上の結果からわかるように、本発明の方
法により得られたシリカ分散液は、上記比較例に比べ
て、ヒュームドシリカを超微分散させることができ、こ
れによって得られる研磨剤は、保存安定性並びに研磨特
性に優れたものであることが理解される。
【0104】
【表3】
【0105】比較例10 ケイ酸ソーダを原料にしたコロイダルシリカ(日産化学
工業社製スノーテックス20L)を用いて、イオン交換
により不純物イオンを極力除去したシリカ分散液を得
た。該シリカ分散液を純粋で希釈することにより、シリ
カ濃度12重量%年、さらに水酸化カリウムを少しずつ
添加してpH10.3のシリカ分散液を得た。
【0106】得られたシリカ分散液の物性は、平均一次
粒子径:46nm、n値:3.92、粘度:2.2mP
a・s、pH:10.3、平均二次粒径:57nm、単
分散度:1.33であり、絶縁膜用研磨剤として用いた
ときの研磨特性、保存安定性は、本発明の研磨剤とほぼ
同等であった。
【0107】しかし、純度は金属元素を750ppm含
有し、ヒュームドシリカを使用する本実施例に比べてか
なり劣ることがわかった。
【0108】また、研磨後の試料を洗浄後、試料表面の
酸化膜をフッ酸で溶解させ、該溶液を前述したICP−
MSの分析に供した。その結果、前述の9つの金属元素
の総計は、試料ウェハーの表面積当たりに換算すると、
7.2×1013atoms/cm2であった。
【0109】これに対して、実施例3で試験した試料に
ついても同様に汚染金属の分析を行ったところ、3.8
×1011atoms/cm2であり、これより、本発明
の高純度の研磨剤を使用することにより、被研磨面への
金属汚染を小さくできることが理解される。
【0110】比較例11、12 シリカ分散液の製造に超音波破砕器(大缶製作所製SO
NICATOR M15型)を用い、150Wで10分
間処理した以外は実施例4及び6と同様にしてシリカ分
散液を製造した。但し、1回当たりの処理量は約50m
lとし、数十回処理を行って必要量のシリカ分散液を得
た。
【0111】得られたシリカ分散液の各測定項目と絶縁
膜用研磨剤として用いたときの性能を表4に示した。
【0112】何れの結果もnは3以上の数値を示したも
のの、平均二次粒子径は100nmよりも大きなものし
かできなかった。そのため、研磨速度、表面粗さ及び保
存安定性等の研磨剤としての性能には劣ることがわかっ
た。
【0113】また、金属元素濃度も実施例に比べると若
干高めであったが、これは超音波照射装置の材質がステ
ンレス製であり、その浸食によるものであると予想され
る。
【0114】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 37/00 C09K 3/14 H01L 21/304

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水系溶媒に、平均一次粒子径が5〜30
    nmのヒュームドシリカを分散してなり、シリカ濃度
    1.5重量%における光散乱指数(n)が3〜6であ
    り、且つ該分散されたヒュームドシリカの重量基準の平
    均二次粒子径が30〜100nmであることを特徴とす
    るシリカ分散液よりなる研磨剤。
  2. 【請求項2】 シリカ分散液中のカリウム以外の金属元
    素の含有量が10ppm以下である請求項1記載の研磨
    剤。
  3. 【請求項3】 シリカ分散液のpHが8〜13である請
    求項1記載の研磨剤。
  4. 【請求項4】 水系溶媒にヒュームドシリカを分散して
    なるシリカ分散液を高圧ホモジナイザーにより、重量基
    準の平均二次粒子径が30〜100nmとなるように粉
    砕することを特徴とする請求項1記載の研磨剤の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 pHが8以上のシリカ分散液を粉砕する
    請求項4記載の研磨剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 シリカ分散液を500〜3500kgf
    /cmの処理圧力で高圧ホモジナイザーにより粉砕す
    る請求項4記載の研磨剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 研磨すべき材料を請求項1記載の研磨剤
    を用いて研磨することを特徴とする研磨方法。
  8. 【請求項8】 研磨すべき材料が集積回路製造工程中の
    絶縁膜である請求項7記載の研磨方法。
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