JP5059369B2 - アルカリ性シリカ分散液及びその製造方法 - Google Patents

アルカリ性シリカ分散液及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ヒュームドシリカをアルカリ性水溶液に分散した、新規なアルカリ性シリカ分散液に関する。詳しくは、経時的な粗粒の生成が極めて少なく、特に、半導体用研磨剤として使用した場合、長期間にわたり品質が安定し、スクラッチ等の問題を効果的に回避することが可能なアルカリ性シリカ分散液及びその製造方法を提供するものである。
従来、シリコンに代表される半導体ウェハーを研磨するときやIC製造工程中で絶縁層などを研磨するために、研磨剤として、pHがアルカリ性に調整されたシリカ分散液が使われている。
特に、シリカとしてヒュームドシリカを使用した分散液はシリカの純度において有利であり、高純度であることが要求される半導体ウェハーの研磨剤やICの研磨剤に有用であると考えられる。
従来、上記ヒュームドシリカを使用した研磨剤として、ヒュームドシリカを高圧ホモジナイザーによって分散することによって保存安定性を改良したシリカ分散液よりなる研磨剤が提案されている(特許文献1)。
上記研磨剤は、分散したヒュームドシリカ粒子が長期間沈降すること無く十分安定に分散状態を維持することはできる。ところが、本発明者らの確認によれば、上記シリカ分散液は経時的に、粒度分布における粗粒部分、例えば、0.6μm以上の粒子径を有する粒子が増加する傾向があることが判明した。このような粗粒の発生は、特に研磨剤としてシリカ分散液を使用する場合においては、研磨速度を調整するために、シリカ分散液をアルカリ性に調整した場合に起こり易い。
そして、このようにして粗粒が増加したシリカ分散液を研磨剤として使用すると、粗粒による研磨面へのスクラッチが発生し易くなり、研磨後の製品の歩留りを低下させる原因となるという問題を有する。
また、アルカリ性シリカ分散液における粗粒は、一旦除去しても、経時的に生成して増加する。そのため、例えば、研磨剤を循環使用する工程の場合や、粗粒を除去後に暫く保管しておいた場合などにおいては、使用直前にフィルターによって粗粒を除去する粗粒除去工程を設ける必要があり、しかも、かかる粗粒除去工程における負担も多大なものとなるという問題があった。
特開平9−193004号
従って、本発明の目的は、室温での環境において、前記粗粒の生成が極めて少なく抑えられ、特に、半導体用研磨剤として使用した場合、長期間にわたり粗粒の少ない安定した品質を維持できるアルカリ性シリカ分散液を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、ヒュームドシリカを水系溶媒に分散した、アルカリ領域の特定のpHを有する水溶液を、特定の高温度で保持する加熱処理を行うことにより、室温下において、粗粒の生成が極めて少ない、安定したアルカリ性シリカ分散液を得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、水系媒体にヒュームドシリカを分散したpH8〜12のシリカ分散液であって、25℃において1週間放置した後の0.6μm以上の粗粒の増加率が15%以下であることを特徴とするアルカリ性シリカ分散液である。
また、本発明は、上記アルカリ性シリカ分散液を製造する好適な方法をも提供する。
即ち、本発明によれば、水系媒体にヒュームドシリカを分散したpH8〜12のシリカ分散液を、加熱温度(T℃)が40〜100℃の範囲で、且つ、該加熱温度(T℃)による加熱時間(t時間)が下記式(1)を満足する条件で加熱処理することを特徴とする、アルカリ性シリカ分散液の製造方法が提供される。
t≧2×10(−4.8) (1)
上記本発明のアルカリ性シリカ分散液は、ヒュームドシリカをアルカリ性水溶液に分散した従来のアルカリ性シリカ分散液に比べて、室温下での長期保存中における粗粒の発生が極めて少ないものである。
従って、本発明のアルカリ性シリカ分散液は、必要に応じて希釈し、半導体用研磨剤として使用した場合、長期間にわたり粗粒の発生が少ないことにより、品質が安定し、スクラッチ等の問題を効果的に回避することが可能である。
また、本発明のアルカリ性シリカ分散液は、上記特性より、新聞紙の内填剤、インクジェット用記録紙の塗工液等の調製にも使用することができる。
また、本発明の製造方法は、前記加熱処理を行うことを特徴とするものであり、かかる方法によって、再現性良く本発明のアルカリ性シリカ分散液を得ることができる。
尚、前記加熱処理によって、アルカリ性シリカ分散液の粗粒の生成が抑制できる機構は明らかではないが、本発明者らは、かかる加熱処理により、アルカリ性シリカ分散液におけるアルカリ性領域で経時的に溶解する微粒が減少することにより、該微粒が徐々に溶解して粗粒を生成する現象が防止できたことによるものと推定している。
(アルカリ性シリカ分散液)
本発明のアルカリ性シリカ分散液に分散せしめるヒュームドシリカとしては、公知の方法により得られるヒュームドシリカが特に制限なく使用される。例えば、四塩化珪素を酸水素炎中で燃焼させて得られるものが好適である。かかる方法によって得られるフュームドシリカは製造条件を変えることにより、比表面積がおよそ50〜500m/gの範囲のシリカが得られる。比表面積より計算されるシリカの一次粒子径は、およそ5〜50nmの範囲であるが、通常は1μm以上の凝集体として存在している。
上記ヒュームドシリカは、水系溶媒に分散するに際し、加湿処理を行い、その表面のシラノール基濃度を上昇せしめることが分散の効率を向上させるために好ましい。上記加湿処理は、ヒュームドシリカを製造する工程において、ヒュームドシリカを捕集する前に、水蒸気と接触させる方法、ヒュームドシリカを貯蔵するタンク等において、水蒸気を適量導入する方法等が好適である。
本発明のアルカリ性シリカ分散液は、上記ヒュームドシリカを後述の水系媒体中に分散したものであるが、シリカ粒子の沈降安定性を維持するために、その粒子径は、0.05〜0.3μm、特に、0.08〜0.2μmの大きさに微粒化して分散されたものであることが好ましい。
尚、上記平均粒子径は、シリカ分散液中のシリカ凝集粒子の平均粒子径を指しており、光散乱回折方式の粒度分布計で測定した時の体積基準算術平均径のことである。
また、ここで言う微粒化とは、強固な凝集粒子よりなるシリカ粒子を砕くという意味だけではなく、緩やかな凝集粒子よりなるシリカ粒子の凝集をほぐす意味での解砕や分散をも意味する。
本発明において、アルカリ性シリカ分散液を構成する水系溶媒としては、水が代表的である。また、水と共に、メタノールやエタノール、イソプロパノール等のアルコール類、エーテル類、ケトン類などの極性溶媒を併用することも可能である。
更に、本発明のアルカリ性シリカ分散液には、シリカ粒子の安定性や分散性を向上させるために界面活性剤等を適宜添加しても良い。
本発明のアルカリ性シリカ分散液のpHは、8〜12、特に、8〜11が好ましい。即ち、pHが8未満の場合は、分散液が不安定となり、ゲル化を起こし易く、また、pHが12を超えると分散しているシリカ粒子の溶解が起こり易くなり、安定性が低下する。
本発明において、アルカリ性シリカ分散液を上記pHに調整するためのアルカリとしては、KOH等の水酸化アルカリを始めとし、アンモニア、アミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどの公知のものが特に制限なく使用される。
そのうち、後述の研磨剤としての使用において、シリコンウェハー用の研磨剤には、上記アルカリとして、モノエタノールアミン、イソプロピルアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリエタノールアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、N−メチルピペラジン、ビスアミノプロピルピペラジン、2−アミノメチルピペリジン、2−ピペリジンエタノール、トリエチレンテトラミン、アミノエチルエタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどのアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイドなどのテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドが好適に使用できる。また、IC製造工程中で絶縁膜を研磨するための研磨剤には、上記アルカリとして、KOH、アンモニア、又は、テトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドが好適に用いられる。
本発明のアルカリ性シリカ分散液中のヒュームドシリカの濃度は、用途によって適宜決定されるが、上限は40重量%であることが好ましい。すなわち、40重量%を越えると、シリカ分散液の流動性が極端に悪くなるため製造が困難になる傾向がある。
また、アルカリ性シリカ分散液のヒュームドシリカの濃度の下限は、0.1重量%程度である。例えば、研磨剤の用途においては、上記濃度未満では、研磨効率が低下する傾向にある。
本発明のアルカリ性シリカ分散液の最大の特徴は、25℃において1週間放置した後の0.6μm以上の粗粒の増加率が15%以下、好ましくは、10%以下であることにある。
尚、本発明において上記増加率は、下記(2)式によって算出された値である。
Figure 0005059369
前記したように、pHが8〜12のヒュームドシリカの分散液は、室温においては、経時的な粗粒の生成は止まることがなく、一度粗粒を分離しても、また、該分散液として存在している間起こるものである。
従って、上記「測定開始時」とは、アルカリ性シリカ分散液の調製後からの時間に関係なく、また、測定開始時のアルカリ性シリカ分散液は、分散液中に前記粗粒が存在していても、粗粒を除去した後であってもよい。
但し、シリカ分散液の調製後時間が経過し過ぎたアルカリ性シリカ分散液は、他の特性も劣化するため、一般には、アルカリ性シリカ分散液の調製後、1ヶ月以内を測定開始時とすることが望ましい。
本発明において、アルカリ性シリカ分散液中の0.6μm以上の粗粒の個数は、個数カウント粒度分布測定装置を使用して測定された値である。詳細は後述の実施例に示す。
また、アルカリ性シリカ分散液を25℃で一週間放置する方法は、該分散液中の水分が蒸発しないよう、密閉容器中で実施される。そして、放置後のアルカリ性シリカ分散液について、上記と同様にして0.6μm以上の粗粒の個数が測定される。
後述の実施例より理解されるように、従来の方法によって調製されたpH8〜12のヒュームドシリカの分散液の増加率が20%を超えるのに対して、本発明のアルカリ性シリカ分散液は、その増加率が、15%以下、特に、10%以下と極めて少ないという極めて優れた安定性を有する。
また、本発明のアルカリ性シリカ分散液液は、これを水系媒体によって希釈した場合であっても、上記特性は変わることが無く、同等の特性を有する。
(半導体用研磨剤としての使用)
本発明のアルカリ性シリカ分散液は、上記特性により、研磨剤として有用である。即ち、保管後、或いは、研磨工程での循環工程において、研磨機に供給される前に実施される粗粒の除去工程において、使用されるフィルターへの負荷を著しく軽減することができ、安定したプロセスを達成することができる。
また、本発明のアルカリ性シリカ分散液は、原料が高純度であるヒュームドシリカを使用しているため、高純度が要求されるシリコンウェハー用研磨剤、IC用研磨剤等の各種の研磨剤等として好適に使用される。
上記研磨剤として使用される場合のアルカリ性シリカ分散液中のシリカの濃度は、前記範囲内で、目的の濃度に適宜調節すればよい。例えば、シリコンウェハーなどの超精密な仕上げ研磨などでは、0.5〜5重量%程度の低いシリカ濃度の分散液が用いられる。また、研磨剤を輸送する場合、輸送コストを軽減するために、20重量%以上の高濃度にシリカ濃度を調節する場合もある。この場合、使用時に水系溶媒で希望の濃度に希釈して使用される。勿論、研磨対象によっては、その様な高いシリカ濃度で使用してもよい。
(アルカリ性シリカ分散液の製造方法)
本発明のアルカリ性シリカ分散液を製造する方法は、特に制限されるものではないが、代表的な方法を例示すれば、水系媒体にヒュームドシリカを分散したpH8〜12のシリカ分散液を、加熱温度(T℃)が40〜100℃の範囲で、且つ、該加熱温度(T℃)による加熱時間(t時間)が下記式(1)を満足する条件で加熱処理する方法を挙げることができる。
t≧2×10(−4.8) (1)
上記アルカリ性シリカ分散液の製造方法において、特徴的な手段は、水系媒体にヒュームドシリカを分散したpH8〜12のシリカ分散液を、40℃以上、好ましくは、50℃以上の高い温度において、所定の時間加熱処理を行うことにある。かかる処理により、前記0.6μm以上の粗粒の増加率が極めて低く抑えられたアルカリ性シリカ分散液を得ることができる。
即ち、加熱処理の温度が、上記範囲より低い場合、得られるアルカリ性シリカ分散液の0.6μm以上の粗粒の増加率を低くすることが困難である。
本発明の製造方法において、加熱処理温度と共に加熱処理時間も重要である。即ち、前記加熱処理温度によって、得られるアルカリ性シリカ分散液を安定化するための処理時間の下限は変化し、処理時間がかかる時間未満の場合、たとえ温度を高くしても、本発明のアルカリ性シリカ分散液を得ることができない。そして、前記式(1)は、加熱処理温度(T℃)における処理時間(t時間)の下限を示す式である。
また、前記加熱処理時間の上限は、特に制限されないが、工業的には、50時間以内、好ましくは、10時間以内である。
本発明において、前記水系媒体にヒュームドシリカを分散したpH8〜12のシリカ分散液は、公知の方法によって得られたシリカ分散液が特に制限なく使用されるが、シリカ粒子が沈降すること無く安定に分散したものであることが好ましい。例えば、前記したヒュームドシリカ、アルカリ及び水系溶媒を任意の順序で混合しヒュームドシリカを分散処理して得られるシリカスラリーを、シリカの平均粒子径が、0.05〜0.3μm、特に、0.08〜0.2μmとなるように微粒化処理することによって得られたものが好適である。
尚、上記アルカリの添加量は用いるアルカリの種類によって異なるため一概には特定できない。通常はpHメーターでpHを確認しながら、目的のpHとなるように少量ずつアルカリを添加するか、或いは、予めアルカリの添加量に対するpHの検量線を作成しておけば良い。
上記の分散処理を行うための方法としては、特に制限されず、公知の分散装置を使用した方法が採用される。具体的には、プロペラ羽根、タービン羽根、パドル翼を有する一般撹拌機、ディスパーミキサー等の高速回転遠心放射型撹拌機、ホモジナイザー、ホモミキサー、ウルトラミキサー等の高速回転せん断型撹拌機、コロイドミル、プラネタリーミキサー、吸引式分散機などの分散機、更に、上記高速回転せん断型撹拌機とプロペラ羽根及びパドル翼を組み合わせた複合型分散機、プラネタリーミキサーと高速回転遠心放射型撹拌機又は高速回転せん断型撹拌機を組み合わせた複合型分散機等を使用した分散処理が挙げられる。
また、上記の微粒化処理を行うための方法としては、特に制限されず、公知の微粒化装置を使用した方法が採用される。具体的には、サンドミル、ビーズミル等の湿式メディア型分散機、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等を使用した微粒化方法が挙げられる。中でも高圧ホモジナイザーを用いた微粒化方法が好ましい。
高圧ホモジナイザーの代表例を具体的に例示すると、ナノマイザー製の商品名;ナノマイザー、マイクロフルイディクス製の商品名;マイクロフルイダイザー、及びスギノマシン製の商品名;アルティマイザー等を挙げることができる。
高圧ホモジナイザーとは、シリカスラリーを、処理圧力30MPa以上で対向衝突させるか、或いはオリフィスの入口側と出口側の差圧が30MPa以上の条件でオリフィスを通過させることによって、該スラリー中のシリカ凝集粒子を微粒化する装置である。
このような高圧ホモジナイザーを使用した微粒化処理条件は、機種によって各種の装置定数や効率が異なるため、あるいは用いるシリカスラリーの種類によって微粒化効率が異なるため、一概にその処理条件を定めることはできない。
一般には、微粒化効率は処理圧力に依存するため、処理圧力が高いほど微粒化効率も高くなる。例えば、処理圧力は50MPa以上、好ましくは80MPa以上、さらに好ましくは120MPa以上の場合、微粒化効率の高い処理が可能である。
対向衝突する際のシリカスラリーの衝突速度は、相対速度として50m/秒以上、好ましくは100m/秒以上、さらに好ましくは150m/秒以上であることが望ましい。
また、オリフィスを通過する際のシリカスラリーの線速度は、用いるオリフィスの孔径にも依存するため一概には決められないが、上記の対向衝突の際の衝突速度と同様に50m/秒以上、好ましくは100m/秒以上、さらに好ましくは150m/秒以上であることが望ましい。
なお、高圧ホモジナイザーでシリカスラリーを処理する回数は、目的とするシリカ分散液中のシリカ粒子の粒子径に応じて、1〜数十回の範囲から選ぶことができる。
上記のようにシリカスラリーを加速したり衝突させたりする部分を構成する材料としては、材料の摩耗を抑えるためにダイヤモンドが好適に採用される。
本発明において、上記の分散処理、微粒化処理の途中で増粘・ゲル化などを起こすことなく、より安定的に製造するために、分散処理及び微粒化処理中の液温は、40℃未満、特に15〜30℃の温度範囲に制御することが好ましい。
上記温度範囲に制御する方式は特に制限されず、液の組成に影響を与えない公知の冷却手段が特に制限なく採用される。例えば、各分散槽外部へのジャケット式冷却機の設置、各分散槽内部への冷却配管設置、各機器入口又は出口配管部への熱交換器の設置、等の冷却手段を、適宜選択して適用すれば良い。
上記方法によって得られるシリカ分散液のシリカ濃度は、前記シリカスラリーの調製時における各原料の配合割合で決定される。そして、上記シリカ濃度は、目的とするアルカリ性シリカ分散液のシリカ濃度を満足させるため、前記アルカリ性シリカ分散液のシリカ濃度の範囲内、即ち、0.1〜40重量%の範囲で決定される。
しかし、前記シリカ分散液の微粒化時の効率を考慮すれば、かかるシリカ濃度は、ある程度濃い方が好ましく、5重量%以上、特に、10重量%以上の濃度が好ましい。また、前記加熱処理においても、上記濃度を採用することにより、加熱のための熱量を低減することができるため、工業的に有利であり、好ましい態様である。
尚、この場合、高いシリカ濃度の採用より、加熱処理により得られるアルカリ性シリカ分散液のシリカ濃度が目的とするシリカ濃度より高い場合は、前記水系溶媒或いは、他の添加剤を添加することにより希望する濃度に希釈すればよい。そして、希釈されたアルカリ性シリカ分散液においても、本発明の効果は変わりなく発揮することができる。
以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。尚、アルカリ性シリカ分散液の物性測定は以下の方法によって行った。
(1)pH
アルカリ性シリカ分散液のpHを、pHメーター(堀場製作所製、F−22)を用いて測定した。
(2)平均粒子径測定
アルカリ性シリカ分散液のシリカ濃度が10重量%となるように、該分散液をイオン交換水で希釈した後、光散乱回折式の粒度分布測定装置(コールター製、コールターLS−230)を用いて、体積基準算術平均径を測定し、この値を平均粒子径として採用した。
尚、測定に際しては、水(分散媒)の屈折率1.332及びシリカの屈折率1.458をパラメーターとして入力した。
(3)粗大粒子数測定
アルカリ性シリカ分散液中の0.6μm以上の粗大粒子数を、個数カウント粒度分布測定装置(パーティクルサイジングシステム製、アキュサイザー)を用いて測定し、シリカ粒子1g当たりの粗大粒子数を換算し、この値を粗大粒子数として採用した。
実施例1
比表面積が90m/gのヒュームドシリカ(トクヤマ製、レオロシールQS−09)をpH調整剤として水酸化カリウムを添加したイオン交換水中で、高速回転せん断型分散機(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)を用いて分散処理することにより、シリカ濃度20重量%、pH10.1のシリカスラリーを得た。このシリカスラリーを高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザー、LA−31)を用いて、処理圧力80MPaの条件で微粒化処理することによりシリカ分散液を得た。尚、分散処理及び微粒化処理中の液温度は25℃に維持した。このシリカ分散液を表1に示した条件で加熱処理を行い、アルカリ性シリカ分散液を得た。得られたアルカリ性シリカ分散液の物性を表1に示した。
実施例2〜3、比較例1〜3
表1に示した条件で加熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして、アルカリ性シリカ分散液を得た。得られたアルカリ性シリカ分散液の物性を表1に示した。
実施例4〜5、比較例4
シリカ分散液をろ過精度3μmのフィルターでフィルター処理を行った以外は、実施例1〜2、比較例1と同様にして、アルカリ性シリカ分散液を得た。得られたアルカリ性シリカ分散液の物性を表1に示した。
Figure 0005059369

Claims (4)

  1. 水系媒体にヒュームドシリカを分散したpH8〜12のシリカ分散液を、加熱温度(T℃)が40〜100℃の範囲で、且つ、該加熱温度(T℃)による加熱時間(t時間)が下記式(1)
    t≧2×10 (−4.8) (1)
    を満足する条件で加熱処理して製造された、水系媒体にヒュームドシリカを分散したpH8〜12のシリカ分散液であって、25℃において1週間放置した後の0.6μm以上の粗粒の増加率が15%以下であることを特徴とするアルカリ性シリカ分散液。
  2. 平均粒子径が0.05〜0.3μmである請求項1記載のアルカリ性シリカ分散液。
  3. 請求項1又は2に記載のアルカリ性シリカ分散液の半導体用研磨剤としての使用。
  4. 水系媒体にヒュームドシリカを分散したpH8〜12のシリカ分散液を、加熱温度(T℃)が40〜100℃の範囲で、且つ、該加熱温度(T℃)による加熱時間(t時間)が下記式(1)を満足する条件で加熱処理することを特徴とする、アルカリ性シリカ分散液の製造方法。
    t≧2×10(−4.8) (1)
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