JP6436018B2 - 酸化物単結晶基板の研磨スラリー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化物単結晶基板の研磨スラリー及びその製造方法に関し、より詳しくは、特定の粒度分布を有するコロイダルシリカを用いることで、研磨速度を向上させたタンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウム等の酸化物単結晶基板の研磨スラリー及びその製造方法に関するものである。
近年急速に市場拡大している移動体通信機器(携帯電話、スマートフォン等)には、弾性表面波デバイスが使用されるが、その基板材料として、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の酸化物単結晶が必要不可欠な材料となっている。
弾性表面波デバイス用基板の表面は、通常、鏡面研磨が施されているが、酸化物単結晶基板の表面を鏡面にするには、メカノケミカルポリッシュ(あるいは単にポリッシュ)と呼ばれる研磨加工が広く採用されている。メカノケミカルポリッシュでは、コロイダルシリカと呼ばれる微粒子状の二酸化ケイ素(シリカ粒子)を水中に分散したスラリーを研磨剤として用い、不織布やウレタンなどからなる研磨パッドに基板を加圧することにより鏡面研磨する(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1によれば、ウェハ収容部を改良したので平坦度などの優れた加工精度が得られるが、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの酸化物単結晶はモース硬度で5〜6と硬度が高く、かつ、化学的にも極めて安定な材料であることから、研磨速度が非常に遅くて、十分な生産性が得られていない。
メカノケミカルポリッシュでは、研磨速度がコロイダルシリカ中のシリカ粒子の粒子径によって大きく影響されることが知られている。
例えば、特許文献2では、酸化物単結晶ウェハ用研磨組成物として、シリカ粒子を含み、BET法により測定した比表面積より真球換算で算出した平均一次粒子径Aが40〜150nmであり、かつマイクロトラックUPAによるレーザー散乱法で測定した平均二次粒子径Bとの径の比率B/Aを1以上1.4未満とすることが提案されている。
そして、シリカ粒子の平均粒子径が40nm以下では研磨速度が低下し、150nm以上ではスクラッチ等の欠点が発生しやすくなることから、40〜150nmのシリカ粒子が酸化物単結晶基板のポリッシュに有用であることが示されている。しかしながら、該文献においては、コロイダルシリカ一種を用いており、複数成分の混合による研磨速度の向上については検討されていない。
また、特許文献3では、第一のコロイダルシリカに対して、該第一のコロイダルシリカとは平均粒度が異なる第二のコロイダルシリカを添加、含有すると共に、更に、キレート性化合物を研磨促進剤として添加、含有させた硬脆材料用精密研磨組成物が提案されている。
ここには、平均粒子径が30〜60nmのコロイダルシリカに対し、5〜22nm、または、80〜100nmの第二のコロイダルシリカを添加することにより研磨速度が向上する事が示されている。しかし、コロイダルシリカの混合は、粒度分布をブロードにすることを目的としており、コロイダルシリカの粒度分布が最適化されたとは言い難い。
このような状況下、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなど硬度が高く、かつ、化学的にも極めて安定な酸化物単結晶材料の研磨速度を高め、生産性を向上しうるコロイダルシリカを原料とする研磨スラリーが必要とされている。
特開2011−206891号公報 特開2001−152134号公報 特開2007−321159号公報
本発明の目的は、特定の粒度分布を有するコロイダルシリカを用いることにより、研磨速度を向上させることができるタンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウム等の酸化物単結晶基板の研磨スラリー及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するために、コロイダルシリカの粒度分布が酸化物単結晶基板の研磨速度に与える影響について、シリカ粒子の粒子径を、5〜54nm、55〜94nm、および95〜144nmの三つの群に分けて鋭意研究を行った結果、各シリカ粒子の個数比率を相対的に調整して、特定の粒度分布にすると基板の研磨速度が大幅に改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、研磨剤としてコロイダルシリカを含む酸化物単結晶基板の研磨用スラリーであって、前記コロイダルシリカは、粒子径が5〜54nmのシリカ粒子A、55〜94nmのシリカ粒子B、95〜144nmのシリカ粒子Cを含み、しかもシリカ粒子Aとシリカ粒子Bの個数比率が40:60〜60:40の範囲であり、かつ、シリカ粒子Bとシリカ粒子Cの個数比率が65:35〜80:20の範囲に調整された粒度分布を有することを特徴とする酸化物単結晶基板の研磨用スラリーが提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、本発明の第1の発明において、シリカ粒子の粒子径が、走査型電子顕微鏡(SEM)で測定されることを特徴とする酸化物単結晶基板の研磨用スラリーが提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、本発明の第1の発明において、コロイダルシリカの含有量が、5〜50重量%であることを特徴とする酸化物単結晶基板の研磨用スラリーが提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、本発明の第1〜3のいずれかの発明において、粒子径が5〜54nmのシリカ粒子A、55〜94nmのシリカ粒子B、95〜144nmのシリカ粒子Cを含むコロイダルシリカ原料を用意し、各シリカ粒子を水に分散させてスラリーを調製した後、シリカ粒子Aとシリカ粒子Bの個数比率が40:60〜60:40の範囲となり、かつ、シリカ粒子Bとシリカ粒子Cの個数比率が65:35〜80:20の範囲となるように、スラリー同士を混合することを特徴とする酸化物単結晶基板の研磨用スラリーの製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、本発明の第4の発明において、コロイダルシリカ原料は、粒子径が5〜144nmのシリカ粒子を90%以上含むように製造され、これを予め粒子径が5〜54nmのシリカ粒子A、55〜94nmのシリカ粒子B、95〜144nmのシリカ粒子Cに分級することを特徴とする酸化物単結晶基板の研磨用スラリーの製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、本発明の第4又は5の発明において、コロイダルシリカ原料は、シリカ粒子の成長速度の制御によって、粒子径が5〜54nmのシリカ粒子A、55〜94nmのシリカ粒子B、95〜144nmのシリカ粒子Cが所定の割合で含まれるように粒度分布が調整されることを特徴とする酸化物単結晶基板の研磨用スラリーの製造方法が提供される。
本発明に依れば、シリカ粒子の粒子径を、5〜54nm、55〜94nm、および95〜144nmの三つの群に分けて、各シリカ粒子の個数比率を相対的に調整して、特定の粒度分布にしたコロイダルシリカを用いたので、これを含む研磨スラリーにより酸化物単結晶基板を鏡面研磨すると、従来の研磨スラリーよりも高い研磨速度を得ることができる。
また、コロイダルシリカの粒度分布は、比較的簡易な操作で最適化できるので、研磨スラリーの生産性を高め、製造コストを抑えることができる。
以下、本発明に係る酸化物単結晶基板の研磨スラリーとその製造方法について、実施形態を詳細に説明する。なお、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、本発明は以下の実施の形態によってのみ限定されるものではない。
1.酸化物単結晶基板の研磨スラリー
本発明の酸化物単結晶基板研磨用スラリーは、研磨粒子にコロイダルシリカを用い、水などの媒体中に分散させたスラリーであって、粒子径54nm以下のシリカ粒子A、55〜94nmのシリカ粒子B、95〜144nmのシリカ粒子Cを必須成分とし、これらシリカ粒子A、B、Cが特定の個数比率で含まれる研磨用スラリーである。
すなわち、本発明におけるコロイダルシリカは、粒子径が5〜54nmのシリカ粒子A、55〜94nmのシリカ粒子B、95〜144nmのシリカ粒子Cを必須とし、しかもシリカ粒子Aとシリカ粒子Bの個数比率が40:60〜60:40の範囲であり、かつ、シリカ粒子Bとシリカ粒子Cの個数比率が65:35〜80:20の範囲に調整された粒度分布を有している。
ここで、シリカ粒子の粒子径は、BET法や動的光散乱法(DLS法)、あるいは走査型電子顕微鏡(SEM)や透過電子顕微鏡(TEM)の観察画像から直接粒子径を測定することによって求めることができる。粒子径の測定方法は特に限定されないが、手法間で測定値のずれが生じる場合があるため、上記の粒子径は最大20%の測定誤差を考慮したものである。
すなわち、BET法では、粒子が凝集した場合に比表面積が小さくなるので、実際の粒子径よりも小さく測定される傾向がある。DLS法では、粒子が凝集するとその塊を一つの粒子として検出するため、小さい粒子が検出されず、実際には含まれない大きい粒子が検出される傾向がある。SEMでは、試料を乾燥させる過程で粒子に偏りが生じると、粒度分布がずれることがある。また、TEMでは、前記の3手法よりも薄い倍率に希釈する必要があるため、希釈過程で凝集と粒子の偏りが生じることがある。
本発明においては、いずれの手法で粒子径を測定しても良いが、上記の問題による測定誤差が小さくなるように正確に粒子径を測定する。本発明では、最も安定した測定値が得られるという観点からSEMによることが好ましい。
シリカ粒子Aの粒子径は、5〜54nmの範囲であり、好ましくは10〜50nmの範囲である。5nm未満の粒子は、ほとんど研磨速度の向上に寄与しないが、10%まで含まれても問題はない。
シリカ粒子Bの粒子径は、55〜94nmの範囲であり、好ましくは60〜90nmの範囲である。
シリカ粒子Cの粒子径は、95〜144nmの範囲であり、好ましくは100〜140nmの範囲である。145nm以上の粒子は、ほとんど研磨速度の向上に寄与しない上に非常に高価なので、実用的ではないが、3%まで含まれてもよい。
そして、シリカ粒子A、B、Cのいずれにおいても、それぞれの分布曲線における中央値が高く、すなわち粒度分布がよりシャープであるほど、本発明の効果はより顕著に表れる。シリカ粒子Aの平均粒子径は、20〜40nm、シリカ粒子Bの平均粒子径は、70〜90nm、シリカ粒子Cの平均粒子径は、100〜120nmであるものがより好ましい。
また、シリカ粒子Aとシリカ粒子Bの個数比率は、40:60〜60:40の範囲であり、かつ、シリカ粒子Bとシリカ粒子Cの個数比率は、65:35〜80:20の範囲に調整された粒度分布を有している。これは、シリカ粒子Bに対してシリカ粒子Aは同程度がよく、また、シリカ粒子Bに対してシリカ粒子Cはかなり少ないほうがよいことを意味している。
シリカ粒子Aとシリカ粒子Bの個数比率が、40:60〜60:40の範囲を外れると研磨速度が低下する。また、シリカ粒子Bとシリカ粒子Cの個数比率が65:35〜80:20の範囲から外れても研磨速度が低下する。本発明では、シリカ粒子Aとシリカ粒子Bの個数比率が45:55〜57:43の範囲であり、かつ、シリカ粒子Bとシリカ粒子Cの個数比率は、71:29〜78:22の範囲に調整された粒度分布を有しているのが好ましい。
研磨用スラリー中のシリカ粒子の含有量は、特に制限されないが、5〜50重量%であることが好ましい。5重量%未満では、研磨性能が不十分となる場合があり、50重量%を超えても研磨速度が向上しない場合がある。より好ましいのは、10〜30重量%である。
研磨スラリーは、コロイダルシリカと分散媒の水だけでよく、添加剤は特に必要としないが、コロイダルシリカに対する分散剤や沈降防止剤などを含有することもできる。
2.研磨スラリーの製造方法
本発明の酸化物単結晶基板の研磨用スラリーの製造方法は、粒子径が5〜54nmのシリカ粒子A、55〜94nmのシリカ粒子B、95〜144nmのシリカ粒子Cを含むコロイダルシリカ原料を用意し、各シリカ粒子を水に分散させてスラリーを調製した後、シリカ粒子Aとシリカ粒子Bの個数比率が40:60〜60:40の範囲となり、かつ、シリカ粒子Bとシリカ粒子Cの個数比率が65:35〜80:20の範囲となるように、スラリー同士を混合することを特徴とする。
コロイダルシリカの原料であるシリカ粒子は、一般に、水ガラス法とアルコキシド法によって製造されている。
水ガラス法とは、ケイ酸ソーダをイオン交換し、活性ケイ素を調整後、これを加熱下において、苛性ソーダでpH調整した種粒子含有水溶液中に添加し、粒子成長させる手法である。また、アルコキシド法とは、ケイ酸アルキル(テトラアルコキシシラン)を塩基性触媒存在下で加水分解すると同時に縮合、粒子成長を行いながらシリカ粒子を製造する手法である。なお、100nm以上の比較的大きい粒子については、予め大きめのシリカ粒子を作り、それを粉砕、分級して粒子径をそろえる手法も取ることができる。
本発明でも、シリカ粒子は、これら水ガラス法あるいはアルコキシド法で製造できる。ただし、これらの方法はコロイダルシリカスラリーを製造する方法の一例にすぎず、本発明においては、他の公知のいかなる手法を採用することもできる。
本発明では、コロイダルシリカ原料は、シリカ粒子の成長速度の制御によって、粒子径が5〜54nmのシリカ粒子A、55〜94nmのシリカ粒子B、95〜144nmのシリカ粒子Cが所定の割合で含まれるように粒度分布が調整される。また、コロイダルシリカ原料は、粒子径が5〜144nmのシリカ粒子を90%以上含むように製造されるのが望ましく、これを予め粒子径が5〜54nmのシリカ粒子A、55〜94nmのシリカ粒子B、95〜144nmのシリカ粒子Cに分級することが好ましい。
シリカ粒子の粒子径は、前記のとおり、BET法やDLS法、あるいはSEMやTEMの観察画像から直接粒子径を測定することによって求められる。
本発明において好ましいのは、SEMを用いた粒子径の測定法である。試料作製においては、粒度分布の偏りが生じないよう、例えば5時間以上の充分な時間をかけて乾燥を行うことが望ましい。また、同一コロイダルシリカスラリーから2つ以上の試料を作製し、500個以上の粒子を測定することにより、個数分布の偏りが生じることを防ぐことができる。
本発明により特定の粒度分布を再現できる最も簡便な方法は、上記の方法を用いて粒子径がシリカ粒子A、B、Cの範囲であるコロイダルシリカA、B、Cを製造し、所望の個数比率になるように各コロイダルシリカを混合する方法である。
すなわち、各シリカ粒子を水に分散させてスラリーを調製した後、シリカ粒子Aとシリカ粒子Bの個数比率が40:60〜60:40の範囲となり、かつ、シリカ粒子Bとシリカ粒子Cの個数比率が65:35〜80:20の範囲となるように、スラリー同士を混合することである。
一例を示せば、シリカ粒子A、B、Cがそれぞれ水に分散したコロイダルシリカスラリーA、B、Cを用い、シリカ粒子Aの個数が43%、シリカ粒子Bの個数が43%、シリカ粒子Cの個数が14%となるように各コロイダルシリカスラリーを混合する。これにより、シリカ粒子AとBの個数比率は50:50、シリカ粒子BとCの個数比率は75:25となり、本発明の条件を満たすものとなる。
本発明においては、所望の粒度分布を得るために3種類以上のコロイダルシリカを混合することも可能である。また、よりシャープな粒度分布を得るために、コロイダルシリカスラリーA、B、およびCを分級することも可能である。また、温度、pH等の制御により製造段階で所望の粒度分布を得ることもできる。
3.酸化物単結晶基板の研磨方法
本発明の研磨スラリーを用いて酸化物単結晶基板を研磨するには、研磨装置の基板(ウェハ)収容部に基板をワックスなどで貼り付けて保持した後、研磨定盤の上表面に研磨布を貼り付け、この研磨布上へ前記の研磨スラリーを供給して研磨することができる。
研磨対象物の酸化物単結晶基板は、そのサイズによって制限されず、4インチ以下の小さなものから、5インチを超えるような大きなものまで研磨することができる。
研磨定盤は、この定盤に連結された駆動軸を介してモーター制御等により任意の回転速度で回転駆動される。
そして、上記研磨布上へ研磨スラリーを供給しながら研磨定盤を回転させ、合せて押圧機構部を研磨定盤と逆方向へ回転させることで、研磨布に押圧されたウェハ基板表面の鏡面研磨加工が行われる。
定盤の回転数は、装置の種類などにもよるが、例えば50〜200rpmとし、研磨荷重は300〜600g/cm2とすることができる。
研磨時間は規定しにくいが、例えば30〜120分とし、所定の厚みに達したところで研磨加工を終了する。本発明では、前記のとおり、研磨スラリーの研磨速度が高いので、基板の種類によっては30分以内で研磨を終了できる場合もある。
以下に本発明の実施例を挙げて比較例と対比して具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の実施例においては、いずれも表1に示す条件にて研磨し、研磨後の基板厚をマイクロメーターで測定して研磨速度を計算して評価を行った。
Figure 0006436018
(実施例1)
市販のコロイダルシリカ、すなわち粒子径が5〜54nmの範囲にあるシリカ粒子A(日産化学(株)製、スノーテックス50)、55〜94nmの範囲にあるシリカ粒子B(日産化学(株)製、スノーテックスYL)、95〜144nmの範囲にあるシリカ粒子C(日産化学(株)製、MP−1040)を用意した。
次に、シリカ粒子AとBの個数比率が51:49、かつ、シリカ粒子BとCの個数比率が74:26になるようにコロイダルシリカA、B、Cを混合し、シリカ濃度が20%になるように純水で希釈した。
その後、研磨材料のタンタル酸リチウム基板(4インチ)を研磨装置(不二越機械工業社製SPM−12)の収容部(ブロック)に、ワックスを用いて貼り付けた。引き続き、研磨パッドとしてロデール社製SUBA800を用い、表1の条件で研削材料の研削を行い、研磨速度を求めて効果を評価した。結果を表2に記した。
表2のうち、”シリカ粒子数”は、シリカ粒子A、B、Cの個数を百分率で示したもので、”個数比率”は、シリカ粒子AとB、BとCの個数比率を示している。また、”研磨速度”は、研磨前後のマイクロメーターの測定値の差分を、研磨時間で割って算出した。結果を表2に示す。
(比較例1〜7)
10〜130nmのシリカ粒子がブロードに含まれるコロイダルシリカを比較例1とし、またコロイダルシリカA、B、Cをそれぞれ単体で用いた場合を比較例2〜4とし、さらにAとB、AとC、BとCで混合した場合を比較例5〜7として、実施例1と同様に表1の条件で研削材料の研削を行い、研磨速度を求めた。結果を表2に示す。
(実施例2〜4)
実施例1と同様に、コロイダルシリカA、B、Cを表2の範囲で混合し、シリカ濃度が20%になるように純水で希釈し、表1の条件でポリッシュを行った。研磨速度を求めて効果を評価した。結果を表2に記した。
(比較例8〜11)
実施例に対し、コロイダルシリカA、B、Cの混合割合を変え、本発明外の範囲で用いた場合について実験して、研磨速度を比較した。
Figure 0006436018
「評価」
上記実施例、比較例で得られた結果を表2に示したが、研磨速度の数値が大きいほど、研磨スラリーが好適な粒度分布であることを意味している。
比較例1は、コロイダルシリカがブロードな粒度分布をもち、シリカ粒子A、B、Cも所望の粒度分布を満たしていないため、研磨速度が上がっていない。比較例2は小さい粒子しか含まないため、非常に研磨速度が低くなっている。また、比較例3と4は、中くらいや大きい粒子を含んでいるため研磨速度は向上しているが、十分なレベルには達しているとはいえない。また、比較例5、6、7はコロイダルシリカ2種類を混合しているため、1種類よりは研磨速度が向上しているが、十分なレベルに達しているとはいえない。さらに比較例8〜11は、コロイダルシリカA、B、Cを混合しているが、粒度分布が適切ではないため、2種類混合と同様のレベルであった。
これに対し、本発明である実施例1〜4は、比較例1〜11のいずれよりも速い研磨速度が得られた。本発明は、コロイダルシリカA、B、Cを所望の個数比率で混合することにより、従来のような各コロイダルシリカを単体、あるいは二種類混合で用いるよりも好適な粒度分布が得られることを示している。
すなわち、本発明の研磨スラリーにおいては、コロイダルシリカのシリカ粒子が三種類混合されており、特定の比率となるように粒度分布が調整されることが重要であり、この範囲を外れると期待した効果が得られないことが分かる。
本発明の研磨スラリーは、酸化物単結晶基板を鏡面研磨する際に利用でき、生産性向上に寄与する。

Claims (6)

  1. 研磨剤としてコロイダルシリカを含む酸化物単結晶基板の研磨用スラリーであって、
    前記コロイダルシリカは、粒子径が5〜54nmのシリカ粒子A、55〜94nmのシリカ粒子B、95〜144nmのシリカ粒子Cを含み、しかもシリカ粒子Aとシリカ粒子Bの個数比率が40:60〜60:40の範囲であり、かつ、シリカ粒子Bとシリカ粒子Cの個数比率が65:35〜80:20の範囲に調整された粒度分布を有することを特徴とする酸化物単結晶基板の研磨用スラリー。
  2. シリカ粒子の粒子径が、走査型電子顕微鏡(SEM)で測定されることを特徴とする請求項1に記載の酸化物単結晶基板の研磨用スラリー。
  3. コロイダルシリカの含有量が、5〜50重量%であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物単結晶基板の研磨用スラリー。
  4. 粒子径が5〜54nmのシリカ粒子A、55〜94nmのシリカ粒子B、95〜144nmのシリカ粒子Cを含むコロイダルシリカ原料を用意し、各シリカ粒子を水に分散させてスラリーを調製した後、シリカ粒子Aとシリカ粒子Bの個数比率が40:60〜60:40の範囲となり、かつ、シリカ粒子Bとシリカ粒子Cの個数比率が65:35〜80:20の範囲となるように、スラリー同士を混合することを特徴とする酸化物単結晶基板の研磨用スラリーの製造方法。
  5. コロイダルシリカ原料は、粒子径が5〜144nmのシリカ粒子を90%以上含むように製造され、これを予め粒子径が5〜54nmのシリカ粒子A、55〜94nmのシリカ粒子B、95〜144nmのシリカ粒子Cに分級することを特徴とする請求項4に記載の酸化物単結晶基板の研磨用スラリーの製造方法。
  6. コロイダルシリカ原料は、シリカ粒子の成長速度の制御によって、粒子径が5〜54nmのシリカ粒子A、55〜94nmのシリカ粒子B、95〜144nmのシリカ粒子Cが所定の割合で含まれるように粒度分布が調整されることを特徴とする請求項4または5に記載の酸化物単結晶基板の研磨用スラリーの製造方法。
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