JP5270303B2 - 研磨用シリカゾルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハ、ガラス製ハードデイスク、アルミナ製ハードデイスクなどを研磨するために好適な研磨用粒子分散液およびその製造方法に関するものであり、さらには、該研磨用粒子分散液を含む研磨用組成物に関するものである。
半導体基板、配線基板などの半導体デバイス、アルミナ製ハードデイスク、ガラス製ハードデイスクまたは光学材料などにおいては、これらの表面状態が、半導体特性または光学特性に影響する。このためこれらの部品の表面や端面は極めて高精度に研磨されることが要求される。従来、このような部材の研磨処理方法として、例えば、比較的粗い1次研磨処理を行った後、精密な2次研磨処理を行うことにより、線上痕あるいはスクラッチなどの傷が少ない極めて高精度の表面を得る方法がとられてきている。
この2次研磨のような仕上げ研磨用には、シリカゾルを含む研磨用組成物が使用されている。例えば、特許文献1には、平均粒子径が10〜100nmの真球状のコロイダルシリカを分散させた研磨材を用いて二酸化シリコン膜を研磨する例が記載されている。特許文献2には、長径が7〜1000nmで(短径/長径)=0.3〜0.7である特殊な形状のコロイダルシリカが半導体ウエハ研磨に適していることが記載されている。特許文献3には、研磨剤粒子として優れた性能を示す板状酸化アルミニウム粒子が記載されている。しかしながら、この種の公知の板状酸化アルミニウム粒子は、粒子径がサブミクロンサイズと大きく、粗研磨用途には適しているが、仕上げ研磨のような精密研磨用としては不適である。
一方、2次研磨のような精密な研磨処理用の研磨材としては、例えば、酸化セリウム粒子が知られている。例えば特許文献4には、酸化セリウム粒子の水分散体を使ったSiO2 絶縁膜の研磨例が開示されている。酸化セリウム粒子は、上記のシリカ系やアルミナ系の研磨剤粒子に比べて硬度は低いが、優れた仕上げ研磨特性を示す。すなわち、従来の研磨剤粒子と異なり、その化学的性質を利用することにより、他の研磨材では得られない、優れた仕上げ研磨性を示す。しかし, その反面、本質的に材料としての硬度が低く、研磨力も弱いため、その適用範囲も限られていた。
酸化セリウム系研磨材に、他の研磨剤粒子を混合して使用することも知られている。例えば特許文献5には、酸化セリウム粒子とコロイダルシリカ粒子を混合使用する例が開示されている。この場合、酸化セリウム粒子とコロイダルシリカ粒子の中間の特性は得られるものの、本質的に前記の問題を解決するには至っていない。また、2種類以上の研磨粒子を混合して研磨用組成物(スラリー)とした場合、粒子の媒体中での分散性や沈降性が異なるため、スラリーとしての安定性が低下する傾向がある。また、比較的柔らかいシリカと酸化セリウム粒子の混合物を使用して研磨力を高くするためには、粒子径の大きな粒子を使用することが有効である。この場合、高レートの研磨力が得られる反面、スクラッチが多数発生し、表面を精密に仕上げることが難しくなる。
特許文献7には、半導体用シリコンウェーハの製造に際してメカノケミカルポリシング初期研磨にて必要とする形状、厚みにポリシングしたのち、ファイナルポリシングを施し、加工歪の少ない高精度な鏡面を得る研磨方法において、メカノケミカルポリシングの初期研磨工程で、少なくとも2段階の研磨圧力差を設けて多段研磨を行うに際して、少なくとも最終段階で最も低圧力による研磨を行うことを特徴とする半導体用シリコンウェーハの研磨方法が記載されている。
半導体の集積回路付基板の製造においては、シリコンウェーハ上に銅などの金属で回路を形成する際に凹凸あるいは段差が生じるので、これを研磨して表面の段差がなくなるように回路の金属部分を優先的に除去することが行われている。また、シリコンウェーハ上にアルミ配線を形成し、この上に絶縁膜としてシリカ等の酸化膜を設けると配線による凹凸が生じるので、この酸化膜を研磨して平坦化することが行われている。このような基板の研磨においては、研磨後の表面は段差や凹凸がなく平坦で、さらにミクロな傷等もなく平滑であることが求められており、また研磨速度が速いことも必要である。
特開平8−267356号公報 特開平7−221059号公報 特開平1−109082号公報 特開平9−270402号公報 特開平9−132770号公報 特開2001−348563号公報 特開平5−177534号公報 特開2001−57350号公報
本発明の目的は、半導体ウエハ、ガラス製ハードデイスク、アルミナ製ハードデイスクなどLSI等を高速かつ安定した研磨速度で研磨することができ、また研磨時に線上痕などの傷の発生が少ない研磨用シリカゾルおよび研磨用組成物を提供すること、ならびにそのような研磨用シリカゾルの効率的な製造方法を提供することにある。
前記目的を達成する本発明は、シリカ微粒子が分散媒に分散してなるシリカゾルであって、該シリカ微粒子の粒子径分布における最頻値粒子径が5〜100nmの範囲にあり、更に以下の1)および2)の条件を満たすことを特徴とする研磨用シリカゾルである。
1)最頻値粒子径を超えるシリカ微粒子の割合が、全シリカ微粒子に対して0.1〜30体積%の範囲である。
2)最頻値粒子径以下の粒子径分布における粒子径変動係数が、8〜70%の範囲である。
前記研磨用シリカゾルの好適な態様として、
前記シリカ微粒子のシリカ濃度が1〜30質量%の範囲である。
他の発明は、前記研磨用シリカゾルと、研磨促進剤、界面活性剤、複素環化合物、pH調整剤およびpH緩衝剤から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする研磨用組成物である。
他の発明は、シリカ微粒子が分散媒に分散してなるシリカゾルに、該シリカゾルに含まれるシリカ微粒子とヘテロ凝集することが可能な無機酸化物微粒子を含む無機酸化物微粒子分散液を添加し、得られたゾルを5〜100℃に保持することにより前記シリカ微粒子の一部と前記無機酸化物微粒子とをヘテロ凝集させて凝集体を生成させた後、該凝集体を除去することを特徴とする研磨用シリカゾルの製造方法である。
前記研磨用シリカゾルの製造方法の好適な態様として、
前記無機酸化物微粒子分散液が次の1)または2)に示される無機酸化物微粒子分散液である。
1)前記シリカゾルのゼータ電位値と異なる符号のゼータ電位値を示す無機酸化物微粒子分散液
2)前記シリカゾルのゼータ電位値と同符号のゼータ電位値を示し、前記シリカゾルのゼータ電位との差が2〜50mVの範囲にあるゼータ電位値を有する無機酸化物微粒子分散液
他の発明は、pH3.5〜7.0の範囲内の特定pHにおけるゼータ電位(Z1)が−70〜−20mVの範囲にあり、平均粒子径(DA)が5〜100nmの範囲にあるシリカ微粒子が分散媒に分散してなるシリカゾルに、前記pHにおけるゼータ電位(Z2)が+5〜+40mVの範囲にあり、平均粒子径が5〜90nmの範囲にある無機酸化物微粒子を含む無機酸化物微粒子分散液を添加し、得られた粒子分散液を前記pHで、温度5〜100℃に保持することにより前記シリカ微粒子の一部と前記無機酸化物微粒子とをヘテロ凝集させて凝集体を生成させた後、該凝集体を除去することを特徴とする研磨用シリカゾルの製造方法である。
他の発明は、pH3.5〜7.0の範囲内の特定pHにおけるゼータ電位(Z1)が−60〜−10mVの範囲にあり、平均粒子径(DA)が5〜100nmの範囲にあるシリカ微粒子が分散媒に分散してなるシリカゾルに、前記pHにおけるゼータ電位(Z2)が−40〜−20mVの範囲(但し、2mV≦|Z2−Z1|≦50mV)にあり、平均粒子径が5〜90nmの範囲にある無機酸化物微粒子を含む無機酸化物微粒子分散液を添加し、得られた粒子分散液を前記pHで、温度5〜100℃に保持することにより前記シリカ微粒子の一部と前記無機酸化物微粒子とをヘテロ凝集させて凝集体を生成させた後、該凝集体を除去することを特徴とする研磨用シリカゾルの製造方法である。
前記研磨用シリカゾルの製造方法の好適な態様として、前記凝集体を遠心分離により除去する。
本発明に係る研磨用シリカゾルは、最頻値粒子径を超える大きさのシリカ微粒子が全体の0.1〜30体積%の範囲であり、最頻値粒子径を超える粗大粒子の割合が低く抑えられたものである。また、この研磨用シリカゾルの最頻値粒子径以下の大きさのシリカ微粒子については、その粒子径変動係数(CV値)が8〜70%の範囲であり、最頻値粒子径以下の小粒子および微小粒子を比較的多く含むものである。この様な特異な粒子径分布を有する研磨用シリカゾルは、研磨用途に適用して、線状痕やスクラッチ等の発生が抑制され、優れた研磨速度を持続して示すことが可能となった。
本発明に係る製造方法によれば、この様な研磨用シリカゾルを、ヘテロ凝集現象を利用して、効率的に調製することができる。
[研磨用シリカゾル]
本発明に係る研磨用シリカゾルは、シリカ微粒子が分散媒に分散してなるシリカゾルであって、該シリカ微粒子の粒子径分布における最頻値粒子径が5〜100nmの範囲にあり、更に以下の1)および2)の条件を満たすことを特徴とする。
1)最頻値粒子径を超えるシリカ微粒子の割合が、全シリカ微粒子に対して0.1〜30体積%の範囲である。
2)最頻値粒子径以下の粒子径分布における粒子径変動係数が、8〜70%の範囲である。
ここで、最頻値粒子径(以下、「Dm」ともいう)とは、シリカ微粒子が有する粒子径分布曲線の頂点における粒子径を意味する。
本発明に係る研磨用シリカゾルに含有されるシリカ微粒子の最頻値粒子径は、5〜100nmの範囲であり、好ましくは10〜95nmの範囲であり、さらに好ましくは15〜
90nmの範囲である。前記最頻値粒子径が5nmより小さいと、スクラッチは良好であるが、研磨速度が著しく低下し、生産性も悪くなり、100nmより大きいと、研磨速度は良好であるが、スクラッチの発生が多くなる。なお、前記粒子径は、画像解析法により得られた数値である。その具体的な測定方法については、実施例にて記した。
本発明に係る研磨用シリカゾルにおいては、最頻値粒子径(Dm)を超える粒子径を有するシリカ微粒子の体積割合は、全シリカ微粒子の占める体積に対して0.1〜30体積%の範囲であることが望ましい。
一般に研磨の際に、研磨粒子の中に粗大粒子が含まれる場合、線状痕やスクラッチ等の発生の原因となることが知られている。本発明に係る研磨用シリカゾルでは、この様な粗大粒子に相当する「最頻値粒子径(Dm)より大きい粒子径を有するシリカ微粒子」の占める体積が、最頻値粒子径(Dm)以下の粒子径を有するシリカ微粒子の占める体積より少ないため、研磨を行ったときに線状痕やスクラッチ等の発生が抑制される。最頻値粒子径(Dm)を超える粒子径を有するシリカ微粒子の占める体積が、全シリカ微粒子の占める体積の30体積%より大きいと、研磨時のスクラッチ増加が顕著となる。前記最頻値粒子径(Dm)を超える粒子径を有するシリカ微粒子の占める体積の割合としては、より好ましくは0.1〜28体積%の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜26体積%の範囲である。
なお、本発明に係る研磨用シリカゾルにおいては、前記最頻値粒子径(Dm)より大きい粒子径を有するシリカ微粒子以外は、粒子径が最頻値粒子径(Dm)以下のシリカ微粒子となる。
粒子径が最頻値粒子径(Dm)以下のシリカ微粒子については、広い粒子径分布である場合の方が線状痕の発生抑止に好ましい。この原因については明らかではないが、特に微小粒子の存在に原因する粒子間の凝集が関係しているものと推察される。粒子径が最頻値粒子径(Dm)以下のシリカ微粒子については、具体的には粒子径変動係数(以下、「CV値」ともいう)が、8〜70%の範囲であることが望ましい。
前記粒子径変動係数(CV値)が8%より小さい場合は、線状痕の発生抑止効果が充分ではない。また、粒子径変動係数(CV値)が70%より大きいと、研磨速度は高いが、スクラッチが増加する。前記粒子径変動係数(CV値)としては、より好ましくは8〜50%の範囲であり、さらに好ましくは9〜40%の範囲である。
本発明に係る研磨用シリカゾルに含有されるシリカ微粒子は、以上のような性質を有することから、横軸に粒子径、縦軸に粒子個数をとって粒子径分布曲線を描いた場合、たとえば図1に示されるような粒子径分布曲線を有している。すなわち、上記のとおり、最頻値粒子径(Dm)より大きい粒子径を有するシリカ微粒子の割合が全シリカ微粒子に対して0.1〜30体積%の範囲にあることから、粒子径が最頻値粒子径(Dm)を超えると、前記粒子径分布曲線は急激に横軸に近づく。一方、最頻値粒子径(Dm)以下の粒子径分布における粒子径変動係数(CV値)が8〜70%の範囲にあることから、最頻値粒子径(Dm)より小さい粒子径範囲においては、前記粒子径分布曲線はなだらかな裾を有している。
前記シリカ微粒子の形状としては、本発明の目的とする研磨が可能である限り特に制限はなく、たとえば、球形、回転楕円形、金平糖状、多孔質状等を挙げることができる。
本発明に係る研磨用シリカゾルにおけるシリカ微粒子の濃度は、1〜30質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、5〜25質量%の範囲である。前記シリカ微粒子の濃度が1質量%未満の場合には、研磨速度が小さく、生産性が悪い。30質量%より
大きい場合は、研磨速度は大きいが、研磨時に研磨液が乾燥して、凝集粒子が混入し、スクラッチの発生が多くなる等の傾向がある。
前記分散媒としては、前記微シリカ微粒子を分散でき、研磨処理に供することができれば特に制限はなく、たとえば、水、可溶性有機物のアルコ―ル、グリコール等を挙げることができる。
本発明に係る研磨用シリカゾルは、好適には、以下に示す研磨用シリカゾルの製造方法により製造される。
[研磨用シリカゾルの製造方法]
本発明に係る研磨用シリカゾルの製造方法は、シリカ微粒子が分散媒に分散してなるシリカゾルに、該シリカゾルに含まれるシリカ微粒子とヘテロ凝集することが可能な無機酸化物微粒子を含む無機酸化物微粒子分散液を添加し、得られたゾルを5〜100℃に保持することにより前記シリカ微粒子の一部と前記無機酸化物微粒子とをヘテロ凝集させて凝集体を生成させた後、該凝集体を除去することを特徴とする。ヘテロ凝集とは、異種粒子間に生ずる凝集現象である。
無機酸化物微粒子は、シリカ微粒子とヘテロ凝集する場合、粒子径の小さいシリカ微粒子よりも粒子径の大きいシリカ微粒子と凝集しやすい性質がある。したがって、シリカゾルと無機酸化物微粒子分散液とを混合すると、無機酸化物微粒子は、主として粒子径の大きいシリカ微粒子とヘテロ凝集する。このため、シリカゾルに含まれるシリカ微粒子のうち、粒子径の小さいシリカ微粒子はほとんど凝集しないので、もとの粒子径および質量のままであるが、粒子径の大きいシリカ微粒子は凝集によりさらに粒子径および質量の大きな凝集体に変化する。この結果、もとのシリカゾルにおける質量の小さい微粒子と質量の大きい微粒子との質量差よりも、ヘテロ凝集後のゾルにおける質量の小さい微粒子と質量の大きい微粒子、すなわち前記凝集体との質量差の方が大きくなる。このため、もとのシリカゾルよりもヘテロ凝集後のゾルの方が、遠心分離等の質量差を利用した分離方法により、大きな微粒子を分離除去しやすくなる。
本発明に係る研磨用シリカゾルの製造方法は、以上のような原理に基づき、上記研磨用シリカゾルを製造する方法である。
前記シリカ微粒子の画像解析法で求められる平均粒子径(DA)としては、好ましくは5〜100nmの範囲であり、より好ましくは10〜60nmの範囲である。前記平均粒子径が5nmより小さい場合は、得られるシリカゾルのスクラッチの抑止効果は良好であ
るが、研磨速度が著しく低下する。また、前記平均粒子径が100nmより大きい場合は
、得られるシリカゾルの研磨速度は実用上充分なレベルとなるが、スクラッチ抑止効果が低下する傾向がある。
前記シリカゾルにおけるシリカ微粒子の濃度は、好ましくは1〜30質量%の範囲であり、より好ましくは、5〜25質量%の範囲である。前記シリカ微粒子の濃度が1質量%未満の場合には、得られるシリカゾルの研磨速度が小さく、生産性が悪い。30質量%より大きい場合は、得られるシリカゾルの研磨速度は大きい、研磨時に研磨液が乾燥して、凝集粒子が混入して、スクラッチの発生が多くなる等の傾向がある。
前記シリカゾルにおける分散媒としては、たとえば、水、可溶性有機物のアルコ―ル、グリコール等を挙げることができる。
前記シリカゾルに無機酸化物微粒子分散液を添加する。無機酸化物微粒子分散液は、無機酸化物微粒子が分散媒に分散してなる分散液である。前記無機酸化物微粒子としては、前記シリカ微粒子とヘテロ凝集することができる微粒子が選ばれる。
この様な無機酸化物微粒子としては、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニアおよびシリカからなる群より選ばれる無機酸化物からなる無機酸化物微粒子が好ましい。また無機酸化物微粒子として、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニアおよびシリカからなる群より選ばれる2種以上の無機酸化物からなる無機酸化物微粒子も好ましい。
前記無機酸化物微粒子の平均粒子径は、好ましくは5〜90nmの範囲であり、より好ましくは10〜85nmの範囲である。
この様な無機酸化物微粒子は、その粒子径より大きいなシリカ微粒子とヘテロ凝集する傾向がある。このため、シリカゾル中の粒子径分布に応じて、好適な平均粒子径の無機酸化物微粒子分散液を添加してヘテロ凝集を生じさせることができる。
前記無機酸化物微粒子分散液における無機酸化物微粒子の濃度は、好ましくは1〜30質量%の範囲であり、より好ましくは5〜25質量%の範囲である。
前記無機酸化物微粒子分散液における分散媒としては、たとえば、水、可溶性有機物のアルコ―ル、グリコール等を挙げることができる。
無機酸化物微粒子分散液としては、前記シリカゾルに含まれるシリカ微粒子とヘテロ凝集することが可能な無機酸化物微粒子を含む分散液が使用される。
シリカ微粒子と無機酸化物微粒子とのヘテロ凝集が起こるか否かは、微粒子を含むシリカゾルと無機酸化物微粒子分散液のそれぞれのゼータ電位が関係する。なお、ゼータ電位はpHにより変動する。前記無機酸化物微粒子分散液が次の1)または2)に該当する場合には、この無機酸化物微粒子分散液とシリカゾルに含まれるシリカ微粒子との間でヘテロ凝集を起こすことができる。
1)シリカゾルのゼータ電位値と異なる符号のゼータ電位値を示す無機酸化物微粒子分散液
2)シリカゾルのゼータ電位値と同符号のゼータ電位値を示し、前記シリカゾルのゼータ電位との差が2〜50mVの範囲にあるゼータ電位値を有する無機酸化物微粒子分散液
前記1)の無機酸化物微粒子分散液の場合には、シリカゾルのゼータ電位と無機酸化物微粒子分散液のゼータ電位との差には、特に制限はない。つまり、シリカゾルのゼータ電位と無機酸化物微粒子分散液のゼータ電位とが異符合である限り、ヘテロ凝集させることができる。
前記1)の無機酸化物微粒子分散液を用いる場合、pH3.5〜7.0の範囲内の特定pHにおけるゼータ電位(Z1)が−70〜−20mVの範囲にあり、平均粒子径(DA)が5〜100nmの範囲にあるシリカ微粒子が分散媒に分散してなるシリカゾルに、前記pHにおけるゼータ電位(Z2)が+5〜+40mVの範囲にあり、平均粒子径が5〜90nmの範囲にある無機酸化物微粒子を含む無機酸化物微粒子分散液を添加することが好ましい。
前記pHにおいて、シリカゾルのゼータ電位(Z1)が−70〜−20mVの範囲にあり、無機酸化物微粒子分散液のゼータ電位(Z2)が+5〜+40mVの範囲にあると、均一な凝集体を形成する点で好ましい。
前記pHにおいて、シリカゾルのゼータ電位(Z1)としては、より好ましくは−60〜−30mVであり、無機酸化物微粒子分散液のゼータ電位(Z2)としては、より好ましくは+10〜+30mVである。
pH3.5〜7.0の範囲内でのゼータ電位を規定したのは、酸性及びアルカリ性物質の含有量が多いと凝集体の制御範囲が困難となるからである。
前記2)の無機酸化物微粒子分散液の場合には、この無機酸化物微粒子分散液のゼータ
電位は、シリカゾルのゼータ電位との差が2〜50mVの範囲にあることが望ましい。無機酸化物微粒子分散液のゼータ電位とシリカゾルのゼータ電位との差としては、より好ましくは3〜30mVの範囲であり、さらに好ましくは3〜20mVの範囲である。
前記2)の無機酸化物微粒子分散液を用いる場合、具体的には、pH3.5〜7.0の範囲内の特定pHにおけるゼータ電位(Z1)が−60〜−10mVの範囲にあり、平均粒子径(DA)が5〜100nmの範囲にあるシリカ微粒子が分散媒に分散してなるシリカゾルに、前記pHにおけるゼータ電位(Z2)が−40〜−20mVの範囲(但し、2mV≦|Z2−Z1|≦50mV)にあり、平均粒子径が5〜90nmの範囲にある無機酸化物微粒子を含む無機酸化物微粒子分散液を添加することが好ましい。
前記pHにおいて、シリカゾルのゼータ電位(Z1)としては、より好ましくは−40〜−20mVであり、無機酸化物微粒子分散液のゼータ電位(Z2)としては、より好ましくは−35〜−22mVである。
pH3.5〜7.0の範囲内でのゼータ電位を規定したのは、酸性及びアルカリ性物質の含有量が多いと凝集体の制御範囲が困難となるからである。
また、前記2)の無機酸化物微粒子分散液を用いる場合、無機酸化物微粒子の平均粒子径が5〜90nmの範囲にあると、研磨速度とスクラッチの好適範囲が選択できる点で好ましい。前記2)の無機酸化物微粒子分散液を用いる場合、無機酸化物微粒子の平均粒子径としては、より好ましくは8〜85nmである。
前記シリカゾルに対する前記無機酸化物微粒子分散液の添加量は、後述の凝集体の分離工程により凝集体が分離除去されて、上述の研磨用シリカゾルが得られるように凝集体が生成されるような量に決定される。凝集体の生成は、ゼータ電位および微粒子の粒子径等に影響を受けるので、これらの条件の下で適宜前記添加量が決定される。たとえば、平均粒子径50nmの無機酸化物粒子として5nmのジルコニアゾルを用いた場合のヘテロ凝集体を形成するという条件の下では、シリカゾルに含まれるシリカ微粒子100質量部に対して、無機酸化物微粒子が1〜20質量部となる量の無機酸化物微粒子分散液を添加することが好ましい。
シリカゾルに無機酸化物微粒子分散液を添加する場合には、それぞれのpHを前記特定のpHに調整した後に添加してもよく、または、両者のpHを前記特定のpHとは異なるpHに調整し、もしくは、いずれか一方を前記特定のpHに調整し、他方のpHを前記特定のpHとは異なるpHに調整し、添加した後にその粒子分散液のpHを前記特定のpHに調整してもよい。前記粒子分散液のpHを調整するときに添加する物質としては、特に制限はなく、アンモニアや塩酸等を適宜使用することができる。
前記シリカゾルに前記無機酸化物微粒子分散液を添加して得られた粒子分散液を前記pHで5〜100℃に保持することにより、前記シリカ微粒子の一部と前記無機酸化物微粒子とをヘテロ凝集させて凝集体を生成させる。
前記粒子分散液の保持温度が5〜100℃であると、前記ヘテロ凝集が速やかに行われる。前記保持温度が、5℃より低いと、ヘテロ凝集体の形成速度が遅く、凝集体の強度が弱く崩壊し易いものとなり、100℃より高いと、急速な凝集反応が起こり、均一な凝集体を形成することが困難となる。前記保持温度としては、より好ましくは10〜60℃である。
前記粒子分散液を前記温度に保持するときのpHは、シリカゾルおよび無機酸化物微粒子分散液のゼータ電位が前記の条件を満たすpHである。
前記ゾルの保持時間は、前記へテロ凝集が十分に行われる時間に適宜決定され、たとえば10〜120分間である。
次に、ヘテロ凝集により生成した凝集体を含むゾルから、この凝集体を除去する。
凝集体を除去する方法としては、質量差を利用した分離方法および粒子径の差を利用した分離方法等を利用することができる。これらの方法の中でも、操作が簡便であることから、遠心分離が好適に用いられる。
遠心分離における回転速度および回転時間等の操作条件としては、通常、1000G〜30000Gの範囲で前記凝集体が分離除去されて、上述の研磨用シリカゾルが得られるような条件が適宜決定される。
[研磨用組成物]
本発明に係る研磨用組成物は、前記研磨用シリカゾルと、研磨促進剤、界面活性剤、複素環化合物、pH調整剤およびpH緩衝剤から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする。
本発明に係る研磨用粒子分散液は、それ自体で研摩剤として使用可能なものであるが、所望により、添加剤として、研磨促進剤、界面活性剤、複素環化合物、pH調整剤およびpH緩衝剤からなる群より選ばれる1種以上を添加して使用しても構わない。前記研磨用粒子分散液にこれらの成分を添加して得られる混合物を本発明においては、「研磨用組成物」と呼称する。
研磨促進剤
本発明に係る研磨用組成物には、被研磨材の種類によっても異なるが、必要に応じて従来公知の研磨促進剤を使用することができる。この様な例としては、過酸化水素、過酢酸、過酸化尿素などおよびこれらの混合物を挙げることができる。このような過酸化水素等の研磨促進剤を含む研磨剤組成物を用いると、被研磨材が金属の場合には効果的に研磨速度を向上させることができる。
研磨促進剤の別の例としては、硫酸、硝酸、リン酸、シュウ酸、フッ酸等の酸、あるいはこれら酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩およびこれらの混合物などを挙げることができる。これらの研磨促進剤を含む研磨用組成物の場合、複合成分からなる被研磨材を研磨する際に、被研磨材の特定の成分についての研磨速度を促進することにより、最終的に平坦な研磨面を得ることができる。
本発明に係る研磨用組成物が研磨促進剤を含有する場合、その含有量としては、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
界面活性剤及び/又は親水性化合物
研磨用組成物の分散性や安定性を向上させるためにカチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性系の界面活性剤または親水性化合物を添加することができる。
界面活性剤と親水性化合物は、いずれも被研磨面への接触角を低下させる作用を有し、均一な研磨を促す作用を有する。界面活性剤及び/又は親水性化合物としては、例えば、以下の群から選ばれるものを使用することができる。
陰イオン界面活性剤として、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、カルボン酸塩として、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;スルホン酸塩として、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼン及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩;硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アル
キルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を挙げることができる。
陽イオン界面活性剤として、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩;両性界面活性剤として、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができる。
非イオン界面活性剤として、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、エーテル型として、ポリオキシエチレンアルキルおよびアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられ、エーテルエステル型として、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、エステル型として、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステル、含窒素型として、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示される。その他に、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤としては陰イオン界面活性剤もしくはノ非イオン系界面活性剤が好ましく、また、塩としては、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられ、特にアンモニウム塩およびカリウム塩が好ましい。
さらに、その他の界面活性剤、親水性化合物等としては、グリセリンエステル、ソルビタンエステルおよびアラニンエチルエステル等のエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリエチレングリコール、アルキルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリエチレングリコール、アルケニルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルケニルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリプロピレングリコール、アルキルポリプロピレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリプロピレングリコール等のエーテル;アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、カードラン及びプルラン等の多糖類;グリシンアンモニウム塩及びグリシンナトリウム塩等のアミノ酸塩;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマ;メチルタウリン酸アンモニウム塩、メチルタウリン酸ナトリウム塩、硫酸メチルナトリウム塩、硫酸エチルアンモニウム塩、硫酸ブチルアンモニウム塩、ビニルスルホン酸ナトリウム塩、1−アリルスルホン酸ナトリウム塩、2−アリルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩等のスルホン酸及びその塩;プ
ロピオンアミド、アクリルアミド、メチル尿素、ニコチンアミド、コハク酸アミド及びスルファニルアミド等のアミド等を挙げることができる。
なお、適用する被研磨基材がガラス基板等である場合は何れの界面活性剤であっても好適に使用できるが、半導体集積回路用シリコン基板などの場合であって、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはハロゲン化物等による汚染の影響を嫌う場合にあっては、酸もしくはそのアンモニウム塩系の界面活性剤を使用することが望ましい。
本発明に係る研磨用組成物が界面活性剤及び/又は親水性化合物を含有する場合、その含有量は、総量として、研磨用組成物の1L中、0.001〜10gとすることが好ましく、0.01〜5gとすることがより好ましく0.1〜3gとすることが特に好ましい。
界面活性剤及び/又は親水性化合物の含有量は、充分な効果を得る上で、研磨用組成物の1L中、0.001g以上が好ましく、研磨速度低下防止の点から10g以下が好ましい。
界面活性剤または親水性化合物は1種のみでもよいし、2種以上を使用してもよく、異なる種類のものを併用することもできる。
複素環化合物
本発明の研磨用組成物については、被研磨基材に金属が含まれる場合に、金属に不動態層または溶解抑制層を形成させて、被研磨基材の侵食を抑制する目的で、複素環化合物を含有させても構わない。ここで、「複素環化合物」とはヘテロ原子を1個以上含んだ複素環を有する化合物であり、前記研磨促進剤、界面活性剤、pH調整剤およびpH緩衝剤以外の物質である。ヘテロ原子とは、炭素原子、又は水素原子以外の原子を意味する。複素環とはヘテロ原子を少なくとも一つ持つ環状化合物を意味する。ヘテロ原子は複素環の環系の構成部分を形成する原子のみを意味し、環系に対して外部に位置していたり、少なくとも一つの非共役単結合により環系から分離していたり、環系のさらなる置換基の一部分であるような原子は意味しない。ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、及びホウ素原子などを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。複素環化合物の例として、イミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、テトラゾールなどを用いることができる。より具体的には、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾールなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係る研磨用組成物に複素環化合物を配合する場合の含有量については、0.001〜1.0質量%であることが好ましく、0.001〜0.7質量%であることがより好ましく、0.002〜0.4質量%であることがさらに好ましい。
pH調整剤
上記各添加剤の効果を高めるためなどに必要に応じて酸または塩基を添加して研磨用組成物のpHを調節することができる。
研磨用組成物をpH7以上に調整するときは、pH調整剤として、アルカリ性のものを使用する。望ましくは、水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、エチルアミン、メチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルアミンなどのアミンが使用される。
研磨用組成物をpH7未満に調整するときは、pH調整剤として、酸性のものが使用される。例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリセリン酸などのヒドロキシ酸類が使用される。
pH緩衝剤
研磨用組成物のpH値を一定に保持するために、pH緩衝剤を使用しても構わない。pH緩衝剤としては、例えば、リン酸2水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム、4ホウ酸アンモ四水和水まどのリン酸塩及びホウ酸塩または有機酸などを使用することができる。
溶媒
本発明に係る研磨用組成物については、必要に応じて溶媒を用いることができる。溶媒としては通常、水を用いるが、必要に応じてメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類を用いることができ、他にエーテル類、エステル類、ケトン類など水溶性の有機溶媒を用いることができる。また、水と有機溶媒からなる混合溶媒であっても構わない。
本発明に係る研磨用粒子分散液または研磨用組成物は、半導体ウエハ、ガラス製ハードデイスク、アルミナ製ハードデイスクなどの研磨用途に好適に使用することができる。
[1]粒度分布の測定
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製:JSM−5300型)を用いて粒子を撮影(倍率250,000倍)し、この画像の250個の粒子について、画像解析装置(旭化成株式会社製:IP−1000)を用いて、粒子径を測定し、粒子径分布を求めた。
そして、粒子径分布から最頻値粒子径(Dm)、Dmを超える粒子径の体積%を求めた。
また、Dm以下の粒子径については、平均値(Ds)および標準偏差(σ)を求め、下式(1)から変動係数(CV値)を算定した。
変動係数(CV値)=(標準偏差(σ)/平均値(Ds))×100・・・(1)
なお、原料として使用するシリカゾルまたは無機酸化物ゾルについては、粒子径分布から平均粒子径を求めた(画像解析法)。
[2]ゼータ電位測定
超音波方式ゼータ電位測定装置(MAtec社製、ESA8000)にて測定した。測定条件としては、予め希釈塩酸水溶液でシリカゾルまたは無機酸化物微粒子分散液のpHを所定の値(pH4またはpH6)に調整し、同ゾルまたは分散液の微粒子濃度を5質量%、温度を25℃としてゼータ電位を測定した。
[3]pH測定
シリカゾルおよび無機酸化物微粒子分散液のpH測定については、測定用サンプル約50gをポリエチレン製のサンプル瓶に採取し、これを25℃の恒温槽に30分以上浸漬した後、pH4、7および9の標準液で更正が完了した株式会社堀場製作所製のpHメータF22のガラス電極を挿入して実施した。
[4]アルミニウム基板に対する研磨特性の評価方法
被研磨基板
被研磨基板として、アルミニウムデイスク用基板を使用した。このアルミニウムデイスク用基板は、アルミニウム基板にNi−Pを10μmの厚さに無電解メッキ(Ni88%とP12%の組成の硬質Ni−Pメッキ層)をした基板(95mmΦ/25mmΦ−1.27mmt)である。なお、この基板は一次研磨済みで、表面粗さ(RA)は0.17nmであった。
研磨試験
上記被研磨基板を研磨装置(ナノファクター(株)製:NF300)にセットし、研磨パッド(ロデール社製「アポロン」)を使用し、基板荷重0.05MPA、テーブル回転速度30rpmで研磨用スラリーを20g/分の速度で5分間供給して研磨を行った。
研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度〔nm/分〕を計算した。
同一の研磨用スラリーについて、上記操作を更に2回行い、それぞれ研磨速度を求めた。
研磨速度減少率は、下記式により求めた。
研磨速度減少率(%)=[1−(研磨3回目の研磨速度/研磨1回目の研磨速度)]×100
スクラッチ(線状痕)の測定
スクラッチの発生状況については、アルミニウムディスク用基板を上記と同様に研磨処理した後、超微細欠陥・可視化マクロ装置(VISION PSYTEC社製、製品名:Micro−MAX)を使用し、Zoom15にて全面観察し、65.97cm2に相当
する研磨処理された基板表面に存在するスクラッチ(線状痕)の個数を数えて合計した。[実施例1]
〔シリカゾル〕
シリカゾルとして、画像解析法により測定された平均粒子径27nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が10質量%であるシリカゾルAを使用した。このシリカゾルAは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−21mVであった。
〔無機酸化物微粒子分散液〕
無機酸化物微粒子分散液として、画像解析法により測定された平均粒子径80nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が5質量%である無機酸化物微粒子分散液Aを使用した。この無機酸化物微粒子分散液Aは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−30mVであった。
〔研磨用シリカゾルの調製〕
シリカゾルA1,000gに、無機酸化物微粒子分散液A50gを徐々に混合し、10%塩酸水溶液を加えて、pH4.0に調整し、この分散液を60℃で5時間保持し、攪拌することにより、ヘテロ凝集を生じさせた粒子分散液を得た。
この粒子分散液の5Lを遠心分離機(株式会社コクサン製、連続高速遠心機H−660)のローター(型式:QNS、容量:1L)に連続的に注入し、20000Gにて15g/分の速度で通液し、液を連続して回収することにより、粗大粒子の遠心分離処理を行った。粗大粒子はローター内に沈殿した。
以上の操作条件を表1にまとめた。
回収した粒子分散液のシリカ濃度を20質量%に調整した。得られた分散液を研磨用シリカゾルAとした。この研磨用シリカゾルAについて、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製:JSM−5300型)を用いて粒子を撮影(倍率250,000倍)し、この画像の500個の粒子について、画像解析装置(旭化成株式会社製:IP−1000)を用いて、粒子径分布を測定し、最頻値粒子径(Dm)を求めた。また、Dmを超える粒子径の粒子の体積%及びDm以下の粒子の粒子径変動係数(CV値)を算定した。これらの結果を表2に示した。
〔研磨用組成物の調製〕
研磨用シリカゾルAにH22、HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸)および超純水を加えて、シリカ9重量%、H220.5重量%、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸0.5重量%のスラリーを調製し、さらに必要に応じてHNO3を加えて、pH2の研磨用スラリーAすなわち研磨用組成物Aを調製した。
この研磨用スラリーAを用いて前記研磨試験を行い、研磨速度、研磨速度減少率および線状痕の個数を求めた。これらの結果を表2に示した。
[実施例2]
〔シリカゾル〕
シリカゾルとして、画像解析法により測定された平均粒子径52nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が20質量%であるシリカゾルBを使用した。このシリカゾルBは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−29mVであった。
〔無機酸化物微粒子分散液〕
無機酸化物微粒子分散液として、画像解析法により測定された平均粒子径80nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が10質量%である無機酸化物微粒子分散液Bを使用した。この無機酸化物微粒子分散液Bは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−33mVであった。
〔研磨用シリカゾルの調製〕
シリカゾルB500gに、無機酸化物微粒子分散液B20gを徐々に混合し、10%塩酸水溶液を加えて、pH4.0に調整し、この分散液を25℃で5時間保持し、攪拌することにより、ヘテロ凝集を生じさせた粒子分散液を得た。
この粒子分散液の5Lを遠心分離機(株式会社コクサン製、連続高速遠心機H−660)のローター(型式:QNS、容量:1L)に連続的に注入し、10000Gにて15g/分の速度で通液し、液を連続して回収することにより、粗大粒子の遠心分離処理を行った。粗大粒子はローター内に沈殿した。
以上の操作条件を表1にまとめた。
回収した粒子分散液のシリカ濃度を20質量%に調整した。得られた分散液を研磨用シリカゾルBとした。この研磨用シリカゾルBについて、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製:JSM−5300型)を用いて粒子を撮影(倍率250,000倍)し、この画像の500個の粒子について、画像解析装置(旭化成株式会社製:IP−1000)を用いて、粒子径分布を測定し、最頻値粒子径(Dm)を求めた。また、Dmを超える粒子径の粒子の体積%及びDm以下の粒子の粒子径変動係数(CV値)を算定した。これらの結果を表2に示した。
〔研磨用組成物の調製〕
研磨用シリカゾルBにH22、HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸)および超純水を加えて、シリカ9重量%、H220.5重量%、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸0.5重量%のスラリーを調製し、さらに必要に応じてHNO3を加えて、pH2の研磨用スラリーBすなわち研磨用組成物Bを調製した。
この研磨用スラリーBを用いて前記研磨試験を行い、研磨速度、研磨速度減少率および線状痕の個数を求めた。これらの結果を表2に示した。
[実施例3]
〔シリカゾル〕
シリカゾルとして、画像解析法により測定された平均粒子径52nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が20質量%であるシリカゾルCを使用した。このシリカ
ゾルCは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−29mVであった。
〔無機酸化物微粒子分散液〕
無機酸化物微粒子分散液として、画像解析法により測定された平均粒子径80nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が10質量%である無機酸化物微粒子分散液Cを使用した。この無機酸化物微粒子分散液Cは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−32mVであった。
〔研磨用シリカゾルの調製〕
シリカゾルC500gに、無機酸化物微粒子分散液C20gを徐々に混合し、10%塩
酸水溶液を加えて、pH4.0に調整し、この分散液を25℃で5時間保持し、攪拌することにより、ヘテロ凝集を生じさせた粒子分散液を得た。
この粒子分散液の5Lを遠心分離機(株式会社コクサン製、連続高速遠心機H−660)のローター(型式:QNS、容量:1L)に連続的に注入し、10000Gにて15g/分の速度で通液し、液を連続して回収することにより、粗大粒子の遠心分離処理を行った。粗大粒子はローター内に沈殿した。
以上の操作条件を表1にまとめた。
回収した粒子分散液のシリカ濃度を20質量%に調整した。得られた分散液を研磨用シリカゾルCとした。この研磨用シリカゾルCについて、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製:JSM−5300型)を用いて粒子を撮影(倍率250,000倍)し、この画像の500個の粒子について、画像解析装置(旭化成株式会社製:IP−1000)を用いて、粒子径分布を測定し、最頻値粒子径(Dm)を求めた。また、Dmを超える粒子径の粒子の体積%及びDm以下の粒子の粒子径変動係数(CV値)を算定した。これらの結果を表2に示した。
〔研磨用組成物の調製〕
研磨用シリカゾルCにH22、HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸)および超純水を加えて、シリカ9重量%、H220.5重量%、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸0.5重量%のスラリーを調製し、さらに必要に応じてHNO3を加えて、pH2の研磨用スラリーCすなわち研磨用組成物Cを調製した。
この研磨用スラリーCを用いて前記研磨試験を行い、研磨速度、研磨速度減少率および線状痕の個数を求めた。これらの結果を表2に示した。
[実施例4]
〔シリカゾル〕
シリカゾルとして、画像解析法により測定された平均粒子径81nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が20質量%であるシリカゾルDを使用した。このシリカゾルDは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−32mVであった。
〔無機酸化物微粒子分散液〕
無機酸化物微粒子分散液として、画像解析法により測定された平均粒子径45nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が10質量%である無機酸化物微粒子分散液Dを使用した。この無機酸化物微粒子分散液Dは、pH4.0(25℃)におけるゼータ
電位が−25mVであった。
〔研磨用シリカゾルの調製〕
シリカゾルD500gに、無機酸化物微粒子分散液D30gを徐々に混合し、10%塩酸水溶液を加えて、pH4.0に調整し、この分散液を40℃で1時間保持し、攪拌することにより、ヘテロ凝集を生じさせた粒子分散液を得た。
この粒子分散液の5Lを遠心分離機(株式会社コクサン製、連続高速遠心機H−660)のローター(型式:QNS、容量:1L)に連続的に注入し、5000Gにて32g/分の速度で通液し、液を連続して回収することにより、粗大粒子の遠心分離処理を行った。粗大粒子はローター内に沈殿した。
以上の操作条件を表1にまとめた。
回収した粒子分散液のシリカ濃度を20質量%に調整した。得られた分散液を研磨用シリカゾルDとした。この研磨用シリカゾルDについて、走査型電子顕微鏡(日本電子株式
会社製:JSM−5300型)を用いて粒子を撮影(倍率250,000倍)し、この画像の500個の粒子について、画像解析装置(旭化成株式会社製:IP−1000)を用いて、粒子径分布を測定し、最頻値粒子径(Dm)を求めた。また、Dmを超える粒子径の粒子の体積%及びDm以下の粒子の粒子径変動係数(CV値)を算定した。これらの結
果を表2に示した。
〔研磨用組成物の調製〕
研磨用シリカゾルDにH22、HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸)および超純水を加えて、シリカ9重量%、H220.5重量%、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸0.5重量%のスラリーを調製し、さらに必要に応じてHNO3を加えて、pH2の研磨用スラリーDすなわち研磨用組成物Dを調製した。
この研磨用スラリーDを用いて前記研磨試験を行い、研磨速度、研磨速度減少率および線状痕の個数を求めた。これらの結果を表2に示した。
[実施例5]
〔シリカゾル〕
シリカゾルとして、画像解析法により測定された平均粒子径81nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が20質量%であるシリカゾルEを使用した。このシリカ
ゾルEは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−32mVであった。
〔無機酸化物微粒子分散液〕
無機酸化物微粒子分散液として、画像解析法により測定された平均粒子径10nmのチタニア微粒子が水に分散してなり、チタニア濃度が10質量%である無機酸化物微粒子分散液Eを使用した。この無機酸化物微粒子分散液Eは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が13mVであった。
〔研磨用シリカゾルの調製〕
シリカゾルE500gに、無機酸化物微粒子分散液E10gを徐々に混合し、10%塩酸水溶液を加えて、pH4.0に調整し、この分散液を10℃で10分間保持し、攪拌することにより、ヘテロ凝集を生じさせた粒子分散液を得た。
この粒子分散液の5Lを遠心分離機(株式会社コクサン製、連続高速遠心機H−660)のローター(型式:QNS、容量:1L)に連続的に注入し、5000Gにて40g/分の速度で通液し、液を連続して回収することにより、粗大粒子の遠心分離処理を行った。粗大粒子はローター内に沈殿した。
以上の操作条件を表1にまとめた。
回収した粒子分散液のシリカ濃度を20質量%に調整した。得られた分散液を研磨用シリカゾルEとした。この研磨用シリカゾルEについて、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製:JSM−5300型)を用いて粒子を撮影(倍率250,000倍)し、この画像の500個の粒子について、画像解析装置(旭化成株式会社製:IP−1000)を用いて、粒子径分布を測定し、最頻値粒子径(Dm)を求めた。また、Dmを超える粒子径の粒子の体積%及びDm以下の粒子の粒子径変動係数(CV値)を算定した。これらの結果を表2に示した。
〔研磨用組成物の調製〕
研磨用シリカゾルEにH22、HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸)および超純水を加えて、シリカ9重量%、H220.5重量%、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸0.5重量%のスラリーを調製し、さらに必要に応じてHNO3を加えて、pH2の研磨用スラリーEすなわち研磨用組成物Eを調製した。
この研磨用スラリーEを用いて前記研磨試験を行い、研磨速度、研磨速度減少率および線状痕の個数を求めた。これらの結果を表2に示した。
[比較例1]
〔シリカゾル〕
シリカゾルとして、画像解析法により測定された平均粒子径52nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が20質量%であるシリカゾルFを使用した。このシリカゾルFは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−29mVであった。
〔無機酸化物微粒子分散液〕
無機酸化物微粒子分散液として、画像解析法により測定された平均粒子径80nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が10質量%である無機酸化物微粒子分散液Fを使用した。この無機酸化物微粒子分散液Fは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−60mVであった。
〔研磨用シリカゾルの調製〕
シリカゾルF500gに、無機酸化物微粒子分散液F20gを徐々に混合し、10%塩酸水溶液を加えて、pH4.0に調整し、この分散液を25℃で1時間保持し、攪拌することにより、ヘテロ凝集を生じさせた粒子分散液を得た。
この粒子分散液の5Lを遠心分離機(株式会社コクサン製、連続高速遠心機H−660)のローター(型式:QNS、容量:1L)に連続的に注入し、10000Gにて15g/分の速度で通液し、液を連続して回収することにより、粗大粒子の遠心分離処理を行った。粗大粒子はローター内に沈殿した。
以上の操作条件を表1にまとめた。
回収した粒子分散液のシリカ濃度を20質量%に調整した。得られた分散液を研磨用シリカゾルFとした。この研磨用シリカゾルFについて、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製:JSM−5300型)を用いて粒子を撮影(倍率250,000倍)し、この画像の500個の粒子について、画像解析装置(旭化成株式会社製:IP−1000)を用いて、粒子径分布を測定し、最頻値粒子径(Dm)を求めた。また、Dmを超える粒子径の粒子の体積%及びDm以下の粒子の粒子径変動係数(CV値)を算定した。これらの結果を表2に示した。
〔研磨用組成物の調製〕
研磨用シリカゾルFにH22、HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸)および超純水を加えて、シリカ9重量%、H220.5重量%、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸0.5重量%のスラリーを調製し、さらに必要に応じてHNO3を加えて、pH2の研磨用スラリーFすなわち研磨用組成物Fを調製した。
この研磨用スラリーFを用いて前記研磨試験を行い、研磨速度、研磨速度減少率および線状痕の個数を求めた。これらの結果を表2に示した。
[比較例2]
〔シリカゾル〕
シリカゾルとして、画像解析法により測定された平均粒子径20nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が10質量%であるシリカゾルGを使用した。このシリカゾルGは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−18mVであった。
〔無機酸化物微粒子分散液〕
無機酸化物微粒子分散液として、画像解析法により測定された平均粒子径17nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が5質量%である無機酸化物微粒子分散液Gを使用した。この無機酸化物微粒子分散液Gは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−18mVであった。
〔研磨用シリカゾルの調製〕
シリカゾルG1000gに、無機酸化物微粒子分散液G1000gを徐々に混合し、10%塩酸水溶液を加えて、pH4.0に調整し、この分散液を60℃で5時間保持し、攪拌することにより、ヘテロ凝集を生じさせた粒子分散液を得た。
この粒子分散液の5Lを遠心分離機(株式会社コクサン製、連続高速遠心機H−660)のローター(型式:QNS、容量:1L)に連続的に注入し、20000Gにて50g/分の速度で通液し、液を連続して回収することにより、粗大粒子の遠心分離処理を行った。粗大粒子はローター内に沈殿した。
以上の操作条件を表1にまとめた。
回収した粒子分散液のシリカ濃度を20質量%に調整した。得られた分散液を研磨用シリカゾルGとした。この研磨用シリカゾルGについて、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製:JSM−5300型)を用いて粒子を撮影(倍率250,000倍)し、この画像の500個の粒子について、画像解析装置(旭化成株式会社製:IP−1000)を用いて、粒子径分布を測定し、最頻値粒子径(Dm)を求めた。また、Dmを超える粒子径の粒子の体積%及びDm以下の粒子の粒子径変動係数(CV値)を算定した。これらの結果を表2に示した。
〔研磨用組成物の調製〕
研磨用シリカゾルGにH22、HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸)および超純水を加えて、シリカ9重量%、H220.5重量%、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸0.5重量%のスラリーを調製し、さらに必要に応じてHNO3を加えて、pH2の研磨用スラリーGすなわち研磨用組成物Gを調製した。
この研磨用スラリーGを用いて前記研磨試験を行い、研磨速度、研磨速度減少率および線状痕の個数を求めた。これらの結果を表2に示した。
[比較例3]
〔シリカゾル〕
シリカゾルとして、画像解析法により測定された平均粒子径281nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が20質量%であるシリカゾルHを使用した。このシリカゾルHは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−40mVであった。
〔無機酸化物微粒子分散液〕
無機酸化物微粒子分散液として、画像解析法により測定された平均粒子径150nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が10質量%である無機酸化物微粒子分散液Hを使用した。この無機酸化物微粒子分散液Hは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−30mVであった。
〔研磨用シリカゾルの調製〕
シリカゾルH500gに、無機酸化物微粒子分散液H20gを徐々に混合し、10%塩酸水溶液を加えて、pH4.0に調整し、この分散液を25℃で8時間保持し、攪拌することにより、ヘテロ凝集を生じさせた粒子分散液を得た。
この粒子分散液の5Lを遠心分離機(株式会社コクサン製、連続高速遠心機H−660)のローター(型式:QNS、容量:1L)に連続的に注入し、2000Gにて6g/分の速度で通液し、液を連続して回収することにより、粗大粒子の遠心分離処理を行った。粗大粒子はローター内に沈殿した。
以上の操作条件を表1にまとめた。
回収した粒子分散液のシリカ濃度を20質量%に調整した。得られた分散液を研磨用シリカゾルHとした。この研磨用シリカゾルHについて、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製:JSM−5300型)を用いて粒子を撮影(倍率250,000倍)し、この画像の500個の粒子について、画像解析装置(旭化成株式会社製:IP−1000)を用いて、粒子径分布を測定し、最頻値粒子径(Dm)を求めた。また、Dmを超える粒子径の粒子の体積%及びDm以下の粒子の粒子径変動係数(CV値)を算定した。これらの結果を表2に示した。
〔研磨用組成物の調製〕
研磨用シリカゾルHにH22、HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸)および超純水を加えて、シリカ9重量%、H220.5重量%、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸0.5重量%のスラリーを調製し、さらに必要に応じてHNO3を加えて、pH2の研磨用スラリーHすなわち研磨用組成物Hを調製した。
この研磨用スラリーHを用いて前記研磨試験を行い、研磨速度、研磨速度減少率および線状痕の個数を求めた。これらの結果を表2に示した。
[比較例4]
〔シリカゾル〕
シリカゾルとして、画像解析法により測定された平均粒子径20nmのシリカ微粒子が水に分散してなり、シリカ濃度が10質量%であるシリカゾルIを使用した。このシリカ
ゾルIは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が−18mVであった。
〔無機酸化物微粒子分散液〕
無機酸化物微粒子分散液として、画像解析法により測定された平均粒子径10nmのチタニア微粒子が水に分散してなり、チタニア濃度が40質量%である無機酸化物微粒子分散液Iを使用した。この無機酸化物微粒子分散液Iは、pH4.0(25℃)におけるゼータ電位が50mVであった。
〔研磨用シリカゾルの調製〕
シリカゾルI1000gに、無機酸化物微粒子分散液I10gを徐々に混合し、10%塩酸水溶液を加えて、pH4.0に調整し、この分散液を10℃で10分間保持し、攪拌することにより、ヘテロ凝集を生じさせた粒子分散液を得た。
この粒子分散液の5Lを遠心分離機(株式会社コクサン製、連続高速遠心機H−660)のローター(型式:QNS、容量:1L)に連続的に注入し、20000Gにて40g/分の速度で通液し、液を連続して回収することにより、粗大粒子の遠心分離処理を行った。粗大粒子はローター内に沈殿した。
以上の操作条件を表1にまとめた。
回収した粒子分散液のシリカ濃度を20質量%に調整した。得られた分散液を研磨用シリカゾルIとした。この研磨用シリカゾルIについて、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製:JSM−5300型)を用いて粒子を撮影(倍率250,000倍)し、この画像の500個の粒子について、画像解析装置(旭化成株式会社製:IP−1000)を用いて、粒子径分布を測定し、最頻値粒子径(Dm)を求めた。また、Dmを超える粒子径の粒子の体積%及びDm以下の粒子の粒子径変動係数(CV値)を算定した。これらの結果を表2に示した。
〔研磨用組成物の調製〕
研磨用シリカゾルIにH22、HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスル
ホン酸)および超純水を加えて、シリカ9重量%、H220.5重量%、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸0.5重量%のスラリーを調製し、さらに必要に応じてHNO3を加えて、pH2の研磨用スラリーIすなわち研磨用組成物Iを調製した。
この研磨用スラリーIを用いて前記研磨試験を行い、研磨速度、研磨速度減少率および線状痕の個数を求めた。これらの結果を表2に示した。
Figure 0005270303
Figure 0005270303
図1は、本発明に係る研磨用シリカゾルに含まれるシリカ微粒子の粒子径分布曲線の一例を示す図である。

Claims (2)

  1. pH3.5〜7.0の範囲内の特定pHにおけるゼータ電位(Z1)が−60〜−10mVの範囲にあり、平均粒子径(DA)が5〜100nmの範囲にあるシリカ微粒子が分散媒に分散してなるシリカゾルに、前記pHにおけるゼータ電位(Z2)が−40〜−20mVの範囲(但し、2mV≦|Z2−Z1|≦50mV)にあり、平均粒子径が5〜90nmの範囲にある無機酸化物微粒子を含む無機酸化物微粒子分散液を添加し、得られた粒子分散液を前記pHで、温度5〜100℃に保持することにより前記シリカ微粒子の一部と前記無機酸化物微粒子とをヘテロ凝集させて凝集体を生成させた後、該凝集体を除去することを特徴とする研磨用シリカゾルの製造方法。
  2. 前記凝集体を遠心分離により除去することを特徴とする請求項に記載の研磨用シリカゾルの製造方法。
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