JP3876967B2 - 研磨剤及び研磨方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、半導体ウェーハ等、例えばシリコンウェーハ及び同様な材料を研磨するための研磨剤及びその研磨剤を用いた研磨方法に関する。
【0002】
【関連技術】
一般にシリコンウェーハの製造方法は、単結晶インゴットをスライスして薄円板状のウェーハを得るスライス工程と、該スライス工程によって得られたウェーハの割れ、欠けを防止するためにその外周部を面取りする面取り工程と、このウェーハを平坦化するラッピング工程と、面取り及びラッピングされたウェーハに残留する加工歪みを除去するエッチング工程と、そのウェーハ表面を鏡面化する研磨(ポリッシング)工程と、研磨されたウェーハを洗浄して、これに付着した研磨剤や異物を除去する洗浄工程を有している。上記工程は、主な工程を示したもので、他に熱処理工程や平面研削工程等の工程が加わったり、工程順が入れ換えられたりする。
【0003】
また、同一工程を複数段実施したりすることもある。その後検査等を行い、デバイス製造会社(工程)に送られ、前記シリコンウェーハ上に絶縁膜や金属配線を形成し、メモリー等のデバイスが製造される。
【0004】
上記研磨工程ではウェーハを高平坦度に鏡面研磨する事及び研磨能力の向上が望まれている。研磨工程で用いられる研磨剤は主にアルミナやコロイダルシリカ(SiO2)を含有した研磨剤が多く使用されている。このアルミナやコロイダルシリカ(SiO2)を水で希釈し更にアルカリが添加された懸濁液(スラリー)状の研磨剤が使用されている。
【0005】
研磨能力を向上する方法として、研磨に使用する研磨剤を工夫することがある。例えば、上記シリカ系の研磨剤は、粒径が10〜150nm程度のものが用いられている。研磨剤に含まれるシリカの粒度を大きくすればするほど研磨能力は向上する。しかし、粒径が大きくなるほどウェーハ表面に研磨ダメージ等が生じ易い。
【0006】
他の方法として研磨速度の向上のため、上記研磨剤に添加剤を入れることがある。一般に、シリコンウェーハの研磨用研磨剤に対する添加物として例えば、N−(β−アミノエチル)エタノールアミンのようなアミノアルコール(エタノールアミン)類を添加すると研磨能率が向上することが知られている。
【0007】
その他の添加剤としてはアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミンなど炭素原子数が5個以下の比較的低級アルキル基であるアミン、また環状化合物であるピペラジン等が使用されることがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、研磨速度の向上のために用いられるN−(β−アミノエチル)エタノールアミンなどの添加剤は、ウェーハ内への金属汚染、特にCu汚染を推進することがわかってきた。これは、添加剤であるN−(β−アミノエチル)エタノールアミン自体が汚染されやすく、この添加剤の汚染をスラリー中に持ち込んでしまいウェーハ表面と接触させ研磨するため、結果的にウェーハを汚染してしまうことが考えられる。
【0009】
そこで、添加剤による金属汚染を防ぐため、更にキレート化合物などを添加する事など考えられるが、添加剤同士が干渉したりし、研磨されるウェーハの表面状態の悪化や、研磨速度が遅くなってしまうなどの問題があった。
【0010】
また、従来は、研磨剤の安定性、特に研磨速度や表面状態を安定化させるため研磨剤のpH値の管理も重要であった。つまり研磨が続くと、pHが変動するため炭酸ナトリウムなどを添加しつつpHを調整し研磨する必要があった。
【0011】
そこで、研磨速度を向上しつつ、高平坦度なウェーハとし、且つ金属汚染もなく、研磨中も安定したpHが維持できる添加剤が要求されていた。
【0012】
本発明は、シリコンウェーハ及び同様の材料を研磨する際に用いられる研磨剤であって、研磨速度の向上による生産性の向上、及び金属汚染の防止によるウェーハ品質の向上を図ることができる研磨剤及びその研磨剤を用いる研磨方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
研磨剤は、ウェーハを研磨する為の研磨剤において、−NH基を含み、〔C(炭素原子)数/{N(窒素原子)数+O(酸素原子)数}〕の比が2.5以下である化合物を添加したことを特徴とする。研磨剤の研磨速度を向上するには、上記化合物におけるC(炭素原子)の数/{N(窒素原子)数+O(酸素原子)数}〕の比が重要であり、この値が小さい程研磨能力が高くなり、この比が2.5以下が有効である。
【0014】
上記化合物としては、N原子を含む環状化合物をベースとし、更にO(酸素原子)及び又はN(窒素原子)を含む置換基(官能基)を含む化合物を用いることができる。
【0015】
研磨剤に、アミノ基のような結合を含んでいる化合物を添加すると研磨速度は速くなる。しかし、アミノ基を含む直鎖状の化合物は毒性が高いことが多く、毒性のないものを使う必要がある。一般的に環状の化合物は毒性が低く環状化合物とすることが好ましい。
【0016】
上記化合物として、さらに具体的には、ウェーハを研磨する為の研磨剤にピペリジンをベースとした化合物の窒素原子とパラの位置に置換基(官能基)を含む化合物を用いることができる。
【0017】
ピペリジンをベースとした化合物としたのは、環状化合物であり、−NH結合を含んでいるためである。但し、ピペリジンのみでは、若干の研磨速度の向上は得られるが、十分な研磨速度は得られない。
【0018】
そこで、上述したように、研磨剤の研磨速度を更に向上(早く)するには、C(炭素原子)の数/{N(窒素原子)の数+O(酸素原子)の数}の比が重要であり、この値が小さいほど研磨能力が高くなることが明らかになった。特に上記比が2.5以下であることが好ましい。
【0019】
従って、置換基として、酸素原子や窒素原子を含む(又は、炭素原子の少ない)官能基をピペラジンの一部に置換する事によって研磨速度を向上する事ができる。
【0020】
つまり、例えばイオン性の置換基として、−COOH基(カルボキシル基)、−SO3H基(スルホン酸基)、−NH2基(アミノ基)、又は−PO4H2基(燐酸基)等が好適である。ピペリジンをベースとした環状化合物の一部に置換する事が好ましい。
【0021】
研磨速度を向上させるのみであれば、上記のような官能基を置換する事で実施できるが、特にN原子に対してパラ(p−)の位置にイオン性の置換基があると好ましい。これは金属汚染を防止する意味で重要である。ピペリジンは環状の化合物のため、立体障害となり金属などをそもそも補足しづらい。
【0022】
しかし、環状のN原子に対してメタ(m−)及びオルト(o−)の位置に置換基が存在した場合、キレート効果が生じる事があり、金属を捕獲しやすくなる。状態によっては汚染された添加剤を添加する事になる。この添加物は、研磨に作用するため徐々に分解等が行われ、その中で汚染物が放出され研磨対象であるウェーハ表面を汚染してしまう事になる。
【0023】
従って、研磨能力を向上させる対象となる研磨剤自体にはキレート効果がないことが好ましい。このような意味で、パラ(p−)の位置に置換基が存在する場合、キレート効果が殆ど無いので好ましい。
【0024】
研磨剤の研磨速度を向上し、更に汚染を抑えるには、パラ(p−)の位置に官能基を置換する事が重要である。
【0025】
また、研磨剤はアルミナベース及びコロイダルシリカベースなど様々な研磨剤があるが、特にシリコンウェーハを鏡面化するための研磨であれば、コロイダルシリカをベースとしたものであることが好ましい。
【0026】
本発明の研磨剤コロイダルシリカを含む研磨剤であって、ヘキサヒドロイソニコチン酸を添加したことを特徴とする。
【0027】
ヘキサヒドロイソニコチン酸は、イソニペコチン酸、ピペリジン−4−カルボン酸ともいい、水に易溶な針状晶である。水に溶けた状態でほぼ中性である。イソニぺコチン酸(ヘキサヒドロイソニコチン酸)は、ピペリジンをベースとした化合物でピペリジンの窒素原子とパラの位置に置換基(官能基)として−COOH基を持つ化合物である。分子式(C611NO2)でありC/(N+O)の比も2であり比較的小さいため、研磨速度が向上する。
【0028】
ヘキサヒドロイソニコチン酸を添加すると研磨剤を汚すことなく研磨することができるため、被研磨ウェーハへも金属汚染をすることはなく好ましい添加剤となる。また研磨速度も向上する。
【0029】
研磨剤は粒径10〜150nm程度のコロイダルシリカを純水中に1〜5wt%分散させたものが好適に用いられる。この研磨剤中に本発明のヘキサヒドロイソニコチン酸を添加するが、添加する量は、研磨剤1L(リットル)当たり0.001〜1.0mol程度の量で十分である。特に好ましくは0.01〜0.1mol/Lである。この範囲の量を添加すれば研磨速度も向上し、金属汚染も効果的に防止することができる。
【0030】
なお、コロイダルシリカはpHが低下した場合や、研磨剤中のアルカリ溶液の割合が増えた場合に凝集しやすい。ヘキサヒドロイソニコチン酸は中性であり研磨剤に添加する際に研磨剤のpHが低下しコロイダルシリカが凝集してしまう可能性がある。そこで予めヘキサヒドロイソニコチン酸と炭酸ナトリウムやNaOH等のアルカリ溶液を調合したものをベースとなる研磨剤中に添加すると良い。
【0031】
特にヘキサヒドロイソニコチン酸は中性であるため、ヘキサヒドロイソニコチン酸が消費されてもpHに影響する事がない。従って研磨前にNaOH等の強塩基によりpHをアルカリ性に調整することができる。好ましくはpHが10〜12になるようにする。NaOH等の強塩基のアルカリ溶液でpHを調整すると添加量が少なくてすみ、研磨剤中のアルカリ溶液の割合も少なくすることができコロイダルシリカの凝集を抑えることができる。
【0032】
また、従来アミノアルコールやピペラジン等を添加した場合、研磨するに従いpHが変化するため、炭酸ナトリウム等を研磨中に添加しpHを調整する必要があった。また、アミノアルコール等を添加した研磨剤はpHの減少する割合が比較的大きく、添加する炭酸ナトリウムの量も多くなってしまい、添加するアルカリ溶液の濃度が濃くなりコロイダルシリカが凝集しやすい。ヘキサヒドロイソニコチン酸を添加した場合はpHが安定しているため、pH調整も僅かですみ操業上安定して研磨することができる。
【0033】
これは、ヘキサヒドロイソニコチン酸がもつ、−NH基と−COOH基の作用によるものと考えられる。これらの基が存在する事により添加剤としては中性を維持するために、研磨剤全体のpHの変化を少なくし、安定な状態に維持できる。このようにpHの安定性については特に、−COOH基の官能基が好適であった。
【0034】
この研磨剤は種々の研磨装置で使用できる。つまり、ウェーハを保持した状態で研磨布の表面にウェーハを押し付け、同時に研磨剤を所定の流量で研磨布上に供給し、この研磨剤を介してウェーハの被研磨面が研磨布表面と摺擦されてウェーハを研磨するものであれば、好適にこの研磨剤が使用でき、高平坦度で、研磨速度も速く、金属汚染なども防止した研磨を行なうことができる。
【0035】
本発明の研磨方法は、ウェーハを保持した状態で研磨布の表面にウェーハを押し付け、同時に研磨剤を所定の流量で研磨布上に供給し、この研磨剤を介してウェーハの被研磨面が研磨布表面と摺擦されてウェーハを研磨する方法において、上記した本発明の研磨剤を用いるものである。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の研磨剤が適用されかつ本発明の研磨方法を実施する際に用いられる研磨装置について添付図面中、図4に基づいて説明する。図4は研磨装置の1例を示す概略側面説明図である。
【0037】
本発明の研磨剤が適用されかつ本発明の研磨方法を実施するための研磨装置については、特に限定されるものではないが、例えば、図4に示すような研磨装置が使用される。図4はバッチ式の研磨装置の一例を示すもので、研磨装置Aは回転軸37により所定の回転速度で回転せしめられる研磨定盤30を有している。該研磨定盤30の上面には研磨布Pが貼設されている。
【0038】
33はワーク保持盤で上部荷重35を介して回転シャフト38によって回転せしめられる。複数枚のウェーハWはワックス等の接着手段によってワーク保持盤33の下面に保持された状態で上記研磨布Pの表面に押し付けられ、同時に研磨剤供給装置(図示せず)より研磨剤供給配管34を通して所定の流量で、研磨剤溶液(スラリー)39を研磨布P上に供給し、この研磨剤溶液39を介してウェーハWの被研磨面が研磨布P表面と摺擦されてウェーハWの研磨が行われる。
【0039】
枚葉式の研磨装置でも、基本的な研磨機構の構成はバッチ式とほぼ同じである。バッチ式の研磨と大きく異なる点は、ウェーハを保持する部分に枚葉式のヘッドを有し、1ヘッド当たり1枚のウェーハを保持して研磨するという点である。
【0040】
研磨能力(研磨速度)を向上するには、ヘキサヒドロイソニコチン酸のようなピペリジンをベースとした化合物、つまり、−NH結合を含んでいる化合物が好ましい。特に該化合物の窒素原子とパラの位置にイオン性の置換基を含む化合物が好ましい。イオン性の置換基を有することで更に研磨速度が上昇する。
【0041】
ヘキサヒドロイソニコチン酸(ピペリジン−4−カルボン酸)はピペリジンをベースとし環状の化合物のため、立体障害となり、金属などをそもそも捕捉しづらい。しかし、環状のN原子に対してメタ(m−)、つまりピペリジン−3−カルボン酸及びオルト(o−)、つまりピペリジン−2−カルボン酸の位置に置換基が存在した場合、金属を捕獲しやすくなり、添加剤自体が汚染されやすくなる。このような添加剤はキレートを作る性質がある。
【0042】
このような状態では、研磨中、添加剤が徐々に分解され、キレート効果で保持していた金属を放出し研磨対象であるウェーハ表面を汚染してしまう事になる。従って、研磨能力を向上されるための研磨剤自体にはキレート効果がないことが好ましい。このような意味で、パラ(p−)つまり、ピペラジン−4−カルボン酸の位置に置換基が存在する場合、キレート効果が殆ど無いので好ましい。
【0043】
ヘキサヒドロイソニコチン酸は、ピペリジン−4−カルボン酸ともいい、ピペリジンのN原子から4つ目(つまりパラの位置)にカルボン酸が置換された化合物であり好適である。
【0044】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるものであって限定的に解釈すべきものではない。
【0045】
(実施例1)
研磨剤全体に対し平均粒度が50nmのコロイダルシリカ(SiO2)を約2.5wt%含有させたものをベースとなる研磨剤とした。
【0046】
あらかじめヘキサヒドロイソニコチン酸とNaOHを混合し、この混合液を上記ベースとなる研磨剤の入ったタンク(100リットル)にヘキサヒドロイソニコチン酸の濃度がスラリー1リットル当たり、0.1molとなるように及び研磨剤の初期pHが約11になるように調整した。この研磨剤を循環させて使用した。
【0047】
一般的なウェーハ製造工程でエッチング工程を経た直径150mmのシリコンウェーハ(CZ、p型、結晶方位<100>)に対し、上記の研磨剤を用い研磨した。図4の研磨装置と同様の装置を用い、発泡ウレタン樹脂製研磨パッドを使用し、上記研磨剤を10L/分で供給し、研磨荷重(250g/cm2)及び研磨時間(10分)の研磨条件で上記シリコンウェーハの研磨を行なった。
【0048】
(比較例1)
上記ベースとなる研磨剤に特別な添加物を加える事なく、炭酸ナトリウムによって初期pHを約11に調整し、実施例1と同様の条件でシリコンウェーハを研磨した。
【0049】
(比較例2)
上記ベースとなる研磨剤にN−(β−アミノエチル)エタノールアミンをスラリー1リットル当たり、0.1mol添加し、炭酸ナトリウムにより初期pHを約11に調整し、実施例1と同様の条件でシリコンウェーハを研磨した。
【0050】
上記実施例1及び比較例1〜2の添加物を添加した研磨剤によって研磨した後のウェーハの平坦度はいずれも良好であり、研磨傷等の発生もなかった。
【0051】
これらの研磨剤を使用した時の研磨速度及び汚染状況を確認した。研磨速度は10分間研磨した時点での研磨取り代から計算した。汚染状況としては研磨後のウェーハ表面に付着した金属不純物を確認した。これはVPD-AAS(Vapor Phase Decomposition and Atomic Absorption Spectroscopy)により評価した。VPD-AASはウェーハ表面の自然酸化膜をHF蒸気で気相分解し、その時同時に分解された不純物をHClやHF等の薬液で回収し原子吸光光度計で定量分析する手法である。
【0052】
その結果を図1及び図2に示す。研磨速度については、何も添加しない比較例1を1とした時の相対研磨速度で示した。図1に示すように実施例1のヘキサヒドロイソニコチン酸を添加した場合は、比較例2のN−(β−アミノエチル)エタノールアミンとほぼ同じ研磨能力であった。何も添加しない研磨剤(比較例1)に比べ、約1.4倍向上している。
【0053】
ウェーハ表面の汚染(金属不純物)量については、シリコンウェーハに付着した場合に特に問題となる銅(Cu)について観察した。図2に示すように、この金属不純物濃度は実施例1では約5.53×109atoms/cm2、比較例1では約3.35×109atoms/cm2、比較例2では約1.80×1010atoms/cm2であった。
【0054】
以上のようにヘキサヒドロイソニコチン酸を添加した実施例1の研磨速度は、比較例1に比べ30%以上向上している。また、ウェーハ表面の汚染も、ほぼ同じ研磨速度である比較例2に比べて半分以下に抑えられている。つまり従来の添加剤とほぼ同じ研磨能力を維持しながら、汚染も少ない研磨が行なえ、品質的に安定したウェーハの製造ができる。
【0055】
(実施例2):pHの安定性確認試験
研磨剤中のヘキサヒドロイソニコチン酸を0.01mol/Lとした以外は実施例1の研磨条件で、pHの調整をする事無く、繰り返しシリコンウェーハを研磨し、各バッチの研磨終了後にスラリータンクのpHの変化を確認した。その結果を図3に示す。
【0056】
(比較例3)
また、研磨剤中のN−(β−アミノエチル)エタノールアミンを0.01mol/Lとした以外は比較例2の研磨条件で研磨し、実施例2と同様に研磨途中、pHの調整をする事無く、繰り返しシリコンウェーハを研磨し、pHの変化を確認した。その結果を図3に示す。
【0057】
実施例2では、研磨により若干のpHの低下はあるものの繰り返し研磨を行なっても比較的安定したpHが得られた。一方、比較例3では実施例2に比べ2倍程度はやくpHが低下していく傾向にあった。これでは研磨速度が減少してしまい好ましくない。
【0058】
また、バッチ毎にpHを調整する際にも、比較例3のような場合、実施例2に比べ炭酸ナトリウム等の添加量を多くする必要がある。炭酸ナトリウム量を多く添加すると研磨剤自体が凝集してしまい使用できなくなる。従って研磨剤を使用できる回数が減ることになる。実施例2ではpHの低下の割合が少ないのでpH調整のための添加剤も少なくてすみ研磨剤も長時間繰り返し使用できる。
【0059】
【発明の効果】
上記のように本発明の研磨剤及び研磨方法によれば、研磨速度の向上による生産性向上、金属汚染防止によるウェーハ品質向上、及びpHの安定化による操業の安定性を図ることができる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1、2において各添加物を添加した研磨剤の相対研磨速度を示すグラフである。
【図2】実施例1及び比較例1、2において各添加物を添加した研磨剤により研磨した後のウェーハ表面の金属汚染量(濃度)を示すグラフである。
【図3】実施例2及び比較例3におけるpHの安定性を示すグラフである。
【図4】研磨装置の一例を示す概略側面説明図である。
【符号の説明】
30:研磨定盤、33:ワーク保持盤、34:研磨剤供給配管、35:上部荷重、37: 回転軸、38:回転シャフト、39:研磨剤溶液、P:研磨布、W:ウェーハ。

Claims (4)

  1. コロイダルシリカを含む研磨剤であって、ヘキサヒドロイソニコチン酸が添加されていることを特徴とする研磨剤。
  2. 前記ヘキサヒドロイソニコチン酸の添加量が0.001〜1.0mol/Lであることを特徴とする請求項
    記載の研磨剤。
  3. NaOHによりpHを10〜12の範囲に調整したことを特徴とする請求項又は記載の研磨剤。
  4. ウェーハを保持した状態で研磨布の表面にウェーハを押し付け、同時に研磨剤を所定の流量で研磨布上に供給し、この研磨剤を介してウェーハの被研磨面が研磨布表面と摺擦されてウェーハを研磨する方法において、上記研磨剤として請求項1〜のいずれか1項記載の研磨剤を用いることを特徴とする研磨方法。
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