JP2002294223A - 研磨剤及び研磨方法 - Google Patents

研磨剤及び研磨方法

Info

Publication number
JP2002294223A
JP2002294223A JP2001093628A JP2001093628A JP2002294223A JP 2002294223 A JP2002294223 A JP 2002294223A JP 2001093628 A JP2001093628 A JP 2001093628A JP 2001093628 A JP2001093628 A JP 2001093628A JP 2002294223 A JP2002294223 A JP 2002294223A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
abrasive
wafer
compound
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001093628A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3876967B2 (ja
Inventor
Akira Miyashita
昭 宮下
Masahiro Ogiwara
正宏 荻原
Michihiko Mizuno
亨彦 水野
Shigeru Oba
茂 大葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority to JP2001093628A priority Critical patent/JP3876967B2/ja
Publication of JP2002294223A publication Critical patent/JP2002294223A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3876967B2 publication Critical patent/JP3876967B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Weting (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 シリコンウェーハ及び同様の材料の研磨剤で
あって、研磨速度の向上による生産性の向上、及び金属
汚染の防止によるウェーハ品質の向上を図る研磨剤及び
その研磨剤を用いる研磨方法を提供する。 【解決手段】 −NH基を含み、C数/{N数+O数}
比2.5以下である化合物を添加した研磨剤。化合物が
ピペリジンをベースとした化合物の窒素とパラの位置に
置換基(官能基)を含む化合物であり、パラの位置の置
換基が−COOH、−SOH、−NH又は−PO
である研磨剤(例えば、ヘキサヒドロイソニコチン
酸)。またコロイダルシルカを含む研磨剤であって、ヘ
キサヒドロイソニコチン酸が0.001〜1.0mol
/L添加され、NaOHによりpHを10〜12に調整
した研磨剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、半導体ウェーハ
等、例えばシリコンウェーハ及び同様な材料を研磨する
ための研磨剤及びその研磨剤を用いた研磨方法に関す
る。
【0002】
【関連技術】一般にシリコンウェーハの製造方法は、単
結晶インゴットをスライスして薄円板状のウェーハを得
るスライス工程と、該スライス工程によって得られたウ
ェーハの割れ、欠けを防止するためにその外周部を面取
りする面取り工程と、このウェーハを平坦化するラッピ
ング工程と、面取り及びラッピングされたウェーハに残
留する加工歪みを除去するエッチング工程と、そのウェ
ーハ表面を鏡面化する研磨(ポリッシング)工程と、研
磨されたウェーハを洗浄して、これに付着した研磨剤や
異物を除去する洗浄工程を有している。上記工程は、主
な工程を示したもので、他に熱処理工程や平面研削工程
等の工程が加わったり、工程順が入れ換えられたりす
る。
【0003】また、同一工程を複数段実施したりするこ
ともある。その後検査等を行い、デバイス製造会社(工
程)に送られ、前記シリコンウェーハ上に絶縁膜や金属
配線を形成し、メモリー等のデバイスが製造される。
【0004】上記研磨工程ではウェーハを高平坦度に鏡
面研磨する事及び研磨能力の向上が望まれている。研磨
工程で用いられる研磨剤は主にアルミナやコロイダルシ
リカ(SiO2)を含有した研磨剤が多く使用されてい
る。このアルミナやコロイダルシリカ(SiO2)を水
で希釈し更にアルカリが添加された懸濁液(スラリー)
状の研磨剤が使用されている。
【0005】研磨能力を向上する方法として、研磨に使
用する研磨剤を工夫することがある。例えば、上記シリ
カ系の研磨剤は、粒径が10〜150nm程度のものが
用いられている。研磨剤に含まれるシリカの粒度を大き
くすればするほど研磨能力は向上する。しかし、粒径が
大きくなるほどウェーハ表面に研磨ダメージ等が生じ易
い。
【0006】他の方法として研磨速度の向上のため、上
記研磨剤に添加剤を入れることがある。一般に、シリコ
ンウェーハの研磨用研磨剤に対する添加物として例え
ば、N−(β−アミノエチル)エタノールアミンのよう
なアミノアルコール(エタノールアミン)類を添加する
と研磨能率が向上することが知られている。
【0007】その他の添加剤としてはアンモニア、メチ
ルアミン、ジメチルアミンなど炭素原子数が5個以下の
比較的低級アルキル基であるアミン、また環状化合物で
あるピペラジン等が使用されることがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、研磨速度の向
上のために用いられるN−(β−アミノエチル)エタノ
ールアミンなどの添加剤は、ウェーハ内への金属汚染、
特にCu汚染を推進することがわかってきた。これは、
添加剤であるN−(β−アミノエチル)エタノールアミ
ン自体が汚染されやすく、この添加剤の汚染をスラリー
中に持ち込んでしまいウェーハ表面と接触させ研磨する
ため、結果的にウェーハを汚染してしまうことが考えら
れる。
【0009】そこで、添加剤による金属汚染を防ぐた
め、更にキレート化合物などを添加する事など考えられ
るが、添加剤同士が干渉したりし、研磨されるウェーハ
の表面状態の悪化や、研磨速度が遅くなってしまうなど
の問題があった。
【0010】また、従来は、研磨剤の安定性、特に研磨
速度や表面状態を安定化させるため研磨剤のpH値の管
理も重要であった。つまり研磨が続くと、pHが変動す
るため炭酸ナトリウムなどを添加しつつpHを調整し研
磨する必要があった。
【0011】そこで、研磨速度を向上しつつ、高平坦度
なウェーハとし、且つ金属汚染もなく、研磨中も安定し
たpHが維持できる添加剤が要求されていた。
【0012】本発明は、シリコンウェーハ及び同様の材
料を研磨する際に用いられる研磨剤であって、研磨速度
の向上による生産性の向上、及び金属汚染の防止による
ウェーハ品質の向上を図ることができる研磨剤及びその
研磨剤を用いる研磨方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の研磨剤の第1の態様は、ウェーハを研磨す
る為の研磨剤において、−NH基を含み、〔C(炭素原
子)数/{N(窒素原子)数+O(酸素原子)数}〕の
比が2.5以下である化合物を添加したことを特徴とす
る。研磨剤の研磨速度を向上するには、上記化合物にお
けるC(炭素原子)の数/{N(窒素原子)数+O(酸
素原子)数}〕の比が重要であり、この値が小さい程研
磨能力が高くなり、この比が2.5以下が有効である。
【0014】上記化合物としては、N原子を含む環状化
合物をベースとし、更にO(酸素原子)及び又はN(窒
素原子)を含む置換基(官能基)を含む化合物を用いる
ことができる。
【0015】研磨剤に、アミノ基のような結合を含んで
いる化合物を添加すると研磨速度は速くなる。しかし、
アミノ基を含む直鎖状の化合物は毒性が高いことが多
く、毒性のないものを使う必要がある。一般的に環状の
化合物は毒性が低く環状化合物とすることが好ましい。
【0016】上記化合物として、さらに具体的には、ウ
ェーハを研磨する為の研磨剤にピペリジンをベースとし
た化合物の窒素原子とパラの位置に置換基(官能基)を
含む化合物を用いることができる。
【0017】ピペリジンをベースとした化合物としたの
は、環状化合物であり、−NH結合を含んでいるためで
ある。但し、ピペリジンのみでは、若干の研磨速度の向
上は得られるが、十分な研磨速度は得られない。
【0018】そこで、上述したように、研磨剤の研磨速
度を更に向上(早く)するには、C(炭素原子)の数/
{N(窒素原子)の数+O(酸素原子)の数}の比が重
要であり、この値が小さいほど研磨能力が高くなること
が明らかになった。特に上記比が2.5以下であること
が好ましい。
【0019】従って、置換基として、酸素原子や窒素原
子を含む(又は、炭素原子の少ない)官能基をピペラジ
ンの一部に置換する事によって研磨速度を向上する事が
できる。
【0020】つまり、例えばイオン性の置換基として、
−COOH基(カルボキシル基)、−SO3H基(スル
ホン酸基)、−NH2基(アミノ基)、又は−PO4H2
(燐酸基)等が好適である。ピペリジンをベースとした
環状化合物の一部に置換する事が好ましい。
【0021】研磨速度を向上させるのみであれば、上記
のような官能基を置換する事で実施できるが、特にN原
子に対してパラ(p−)の位置にイオン性の置換基があ
ると好ましい。これは金属汚染を防止する意味で重要で
ある。ピペリジンは環状の化合物のため、立体障害とな
り金属などをそもそも補足しづらい。
【0022】しかし、環状のN原子に対してメタ(m
−)及びオルト(o−)の位置に置換基が存在した場
合、キレート効果が生じる事があり、金属を捕獲しやす
くなる。状態によっては汚染された添加剤を添加する事
になる。この添加物は、研磨に作用するため徐々に分解
等が行われ、その中で汚染物が放出され研磨対象である
ウェーハ表面を汚染してしまう事になる。
【0023】従って、研磨能力を向上させる対象となる
研磨剤自体にはキレート効果がないことが好ましい。こ
のような意味で、パラ(p−)の位置に置換基が存在す
る場合、キレート効果が殆ど無いので好ましい。
【0024】本発明の研磨剤の研磨速度を向上し、更に
汚染を抑えるには、パラ(p−)の位置に官能基を置換
する事が重要である。
【0025】また、研磨剤はアルミナベース及びコロイ
ダルシリカベースなど様々な研磨剤があるが、特にシリ
コンウェーハを鏡面化するための研磨であれば、コロイ
ダルシリカをベースとしたものであることが好ましい。
【0026】本発明の研磨剤の第2の態様はコロイダル
シリカを含む研磨剤であって、ヘキサヒドロイソニコチ
ン酸を添加したことを特徴とする。
【0027】ヘキサヒドロイソニコチン酸は、イソニペ
コチン酸、ピペリジン−4−カルボン酸ともいい、水に
易溶な針状晶である。水に溶けた状態でほぼ中性であ
る。イソニぺコチン酸(ヘキサヒドロイソニコチン酸)
は、ピペリジンをベースとした化合物でピペリジンの窒
素原子とパラの位置に置換基(官能基)として−COO
H基を持つ化合物である。分子式(C611NO2)であ
りC/(N+O)の比も2であり比較的小さいため、研
磨速度が向上する。
【0028】ヘキサヒドロイソニコチン酸を添加すると
研磨剤を汚すことなく研磨することができるため、被研
磨ウェーハへも金属汚染をすることはなく好ましい添加
剤となる。また研磨速度も向上する。
【0029】研磨剤は粒径10〜150nm程度のコロ
イダルシリカを純水中に1〜5wt%分散させたものが
好適に用いられる。この研磨剤中に本発明のヘキサヒド
ロイソニコチン酸を添加するが、添加する量は、研磨剤
1L(リットル)当たり0.001〜1.0mol程度
の量で十分である。特に好ましくは0.01〜0.1m
ol/Lである。この範囲の量を添加すれば研磨速度も
向上し、金属汚染も効果的に防止することができる。
【0030】なお、コロイダルシリカはpHが低下した
場合や、研磨剤中のアルカリ溶液の割合が増えた場合に
凝集しやすい。ヘキサヒドロイソニコチン酸は中性であ
り研磨剤に添加する際に研磨剤のpHが低下しコロイダ
ルシリカが凝集してしまう可能性がある。そこで予めヘ
キサヒドロイソニコチン酸と炭酸ナトリウムやNaOH
等のアルカリ溶液を調合したものをベースとなる研磨剤
中に添加すると良い。
【0031】特にヘキサヒドロイソニコチン酸は中性で
あるため、ヘキサヒドロイソニコチン酸が消費されても
pHに影響する事がない。従って研磨前にNaOH等の
強塩基によりpHをアルカリ性に調整することができ
る。好ましくはpHが10〜12になるようにする。N
aOH等の強塩基のアルカリ溶液でpHを調整すると添
加量が少なくてすみ、研磨剤中のアルカリ溶液の割合も
少なくすることができコロイダルシリカの凝集を抑える
ことができる。
【0032】また、従来アミノアルコールやピペラジン
等を添加した場合、研磨するに従いpHが変化するた
め、炭酸ナトリウム等を研磨中に添加しpHを調整する
必要があった。また、アミノアルコール等を添加した研
磨剤はpHの減少する割合が比較的大きく、添加する炭
酸ナトリウムの量も多くなってしまい、添加するアルカ
リ溶液の濃度が濃くなりコロイダルシリカが凝集しやす
い。ヘキサヒドロイソニコチン酸を添加した場合はpH
が安定しているため、pH調整も僅かですみ操業上安定
して研磨することができる。
【0033】これは、ヘキサヒドロイソニコチン酸がも
つ、−NH基と−COOH基の作用によるものと考えら
れる。これらの基が存在する事により添加剤としては中
性を維持するために、研磨剤全体のpHの変化を少なく
し、安定な状態に維持できる。このようにpHの安定性
については特に、−COOH基の官能基が好適であっ
た。
【0034】この研磨剤は種々の研磨装置で使用でき
る。つまり、ウェーハを保持した状態で研磨布の表面に
ウェーハを押し付け、同時に研磨剤を所定の流量で研磨
布上に供給し、この研磨剤を介してウェーハの被研磨面
が研磨布表面と摺擦されてウェーハを研磨するものであ
れば、好適にこの研磨剤が使用でき、高平坦度で、研磨
速度も速く、金属汚染なども防止した研磨を行なうこと
ができる。
【0035】本発明の研磨方法は、ウェーハを保持した
状態で研磨布の表面にウェーハを押し付け、同時に研磨
剤を所定の流量で研磨布上に供給し、この研磨剤を介し
てウェーハの被研磨面が研磨布表面と摺擦されてウェー
ハを研磨する方法において、上記した本発明の研磨剤を
用いるものである。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に本発明の研磨剤が適用され
かつ本発明の研磨方法を実施する際に用いられる研磨装
置について添付図面中、図4に基づいて説明する。図4
は研磨装置の1例を示す概略側面説明図である。
【0037】本発明の研磨剤が適用されかつ本発明の研
磨方法を実施するための研磨装置については、特に限定
されるものではないが、例えば、図4に示すような研磨
装置が使用される。図4はバッチ式の研磨装置の一例を
示すもので、研磨装置Aは回転軸37により所定の回転
速度で回転せしめられる研磨定盤30を有している。該
研磨定盤30の上面には研磨布Pが貼設されている。
【0038】33はワーク保持盤で上部荷重35を介し
て回転シャフト38によって回転せしめられる。複数枚
のウェーハWはワックス等の接着手段によってワーク保
持盤33の下面に保持された状態で上記研磨布Pの表面
に押し付けられ、同時に研磨剤供給装置(図示せず)よ
り研磨剤供給配管34を通して所定の流量で、研磨剤溶
液(スラリー)39を研磨布P上に供給し、この研磨剤
溶液39を介してウェーハWの被研磨面が研磨布P表面
と摺擦されてウェーハWの研磨が行われる。
【0039】枚葉式の研磨装置でも、基本的な研磨機構
の構成はバッチ式とほぼ同じである。バッチ式の研磨と
大きく異なる点は、ウェーハを保持する部分に枚葉式の
ヘッドを有し、1ヘッド当たり1枚のウェーハを保持し
て研磨するという点である。
【0040】研磨能力(研磨速度)を向上するには、ヘ
キサヒドロイソニコチン酸のようなピペリジンをベース
とした化合物、つまり、−NH結合を含んでいる化合物
が好ましい。特に該化合物の窒素原子とパラの位置にイ
オン性の置換基を含む化合物が好ましい。イオン性の置
換基を有することで更に研磨速度が上昇する。
【0041】ヘキサヒドロイソニコチン酸(ピペリジン
−4−カルボン酸)はピペリジンをベースとし環状の化
合物のため、立体障害となり、金属などをそもそも捕捉
しづらい。しかし、環状のN原子に対してメタ(m
−)、つまりピペリジン−3−カルボン酸及びオルト
(o−)、つまりピペリジン−2−カルボン酸の位置に
置換基が存在した場合、金属を捕獲しやすくなり、添加
剤自体が汚染されやすくなる。このような添加剤はキレ
ートを作る性質がある。
【0042】このような状態では、研磨中、添加剤が徐
々に分解され、キレート効果で保持していた金属を放出
し研磨対象であるウェーハ表面を汚染してしまう事にな
る。従って、研磨能力を向上されるための研磨剤自体に
はキレート効果がないことが好ましい。このような意味
で、パラ(p−)つまり、ピペラジン−4−カルボン酸
の位置に置換基が存在する場合、キレート効果が殆ど無
いので好ましい。
【0043】ヘキサヒドロイソニコチン酸は、ピペリジ
ン−4−カルボン酸ともいい、ピペリジンのN原子から
4つ目(つまりパラの位置)にカルボン酸が置換された
化合物であり好適である。
【0044】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもの
であって限定的に解釈すべきものではない。
【0045】(実施例1)研磨剤全体に対し平均粒度が
50nmのコロイダルシリカ(SiO2)を約2.5w
t%含有させたものをベースとなる研磨剤とした。
【0046】あらかじめヘキサヒドロイソニコチン酸と
NaOHを混合し、この混合液を上記ベースとなる研磨
剤の入ったタンク(100リットル)にヘキサヒドロイ
ソニコチン酸の濃度がスラリー1リットル当たり、0.
1molとなるように及び研磨剤の初期pHが約11に
なるように調整した。この研磨剤を循環させて使用し
た。
【0047】一般的なウェーハ製造工程でエッチング工
程を経た直径150mmのシリコンウェーハ(CZ、p
型、結晶方位<100>)に対し、上記の研磨剤を用い
研磨した。図4の研磨装置と同様の装置を用い、発泡ウ
レタン樹脂製研磨パッドを使用し、上記研磨剤を10L
/分で供給し、研磨荷重(250g/cm2)及び研磨
時間(10分)の研磨条件で上記シリコンウェーハの研
磨を行なった。
【0048】(比較例1)上記ベースとなる研磨剤に特
別な添加物を加える事なく、炭酸ナトリウムによって初
期pHを約11に調整し、実施例1と同様の条件でシリ
コンウェーハを研磨した。
【0049】(比較例2)上記ベースとなる研磨剤にN
−(β−アミノエチル)エタノールアミンをスラリー1
リットル当たり、0.1mol添加し、炭酸ナトリウム
により初期pHを約11に調整し、実施例1と同様の条
件でシリコンウェーハを研磨した。
【0050】上記実施例1及び比較例1〜2の添加物を
添加した研磨剤によって研磨した後のウェーハの平坦度
はいずれも良好であり、研磨傷等の発生もなかった。
【0051】これらの研磨剤を使用した時の研磨速度及
び汚染状況を確認した。研磨速度は10分間研磨した時
点での研磨取り代から計算した。汚染状況としては研磨
後のウェーハ表面に付着した金属不純物を確認した。こ
れはVPD-AAS(Vapor Phase Decomposition and Atomic
Absorption Spectroscopy)により評価した。VPD-AASは
ウェーハ表面の自然酸化膜をHF蒸気で気相分解し、そ
の時同時に分解された不純物をHClやHF等の薬液で
回収し原子吸光光度計で定量分析する手法である。
【0052】その結果を図1及び図2に示す。研磨速度
については、何も添加しない比較例1を1とした時の相
対研磨速度で示した。図1に示すように実施例1のヘキ
サヒドロイソニコチン酸を添加した場合は、比較例2の
N−(β−アミノエチル)エタノールアミンとほぼ同じ
研磨能力であった。何も添加しない研磨剤(比較例1)
に比べ、約1.4倍向上している。
【0053】ウェーハ表面の汚染(金属不純物)量につ
いては、シリコンウェーハに付着した場合に特に問題と
なる銅(Cu)について観察した。図2に示すように、
この金属不純物濃度は実施例1では約5.53×109
atoms/cm2、比較例1では約3.35×109
toms/cm2、比較例2では約1.80×1010
toms/cm2であった。
【0054】以上のようにヘキサヒドロイソニコチン酸
を添加した実施例1の研磨速度は、比較例1に比べ30
%以上向上している。また、ウェーハ表面の汚染も、ほ
ぼ同じ研磨速度である比較例2に比べて半分以下に抑え
られている。つまり従来の添加剤とほぼ同じ研磨能力を
維持しながら、汚染も少ない研磨が行なえ、品質的に安
定したウェーハの製造ができる。
【0055】(実施例2):pHの安定性確認試験 研磨剤中のヘキサヒドロイソニコチン酸を0.01mo
l/Lとした以外は実施例1の研磨条件で、pHの調整
をする事無く、繰り返しシリコンウェーハを研磨し、各
バッチの研磨終了後にスラリータンクのpHの変化を確
認した。その結果を図3に示す。
【0056】(比較例3)また、研磨剤中のN−(β−
アミノエチル)エタノールアミンを0.01mol/L
とした以外は比較例2の研磨条件で研磨し、実施例2と
同様に研磨途中、pHの調整をする事無く、繰り返しシ
リコンウェーハを研磨し、pHの変化を確認した。その
結果を図3に示す。
【0057】実施例2では、研磨により若干のpHの低
下はあるものの繰り返し研磨を行なっても比較的安定し
たpHが得られた。一方、比較例3では実施例2に比べ
2倍程度はやくpHが低下していく傾向にあった。これ
では研磨速度が減少してしまい好ましくない。
【0058】また、バッチ毎にpHを調整する際にも、
比較例3のような場合、実施例2に比べ炭酸ナトリウム
等の添加量を多くする必要がある。炭酸ナトリウム量を
多く添加すると研磨剤自体が凝集してしまい使用できな
くなる。従って研磨剤を使用できる回数が減ることにな
る。実施例2ではpHの低下の割合が少ないのでpH調
整のための添加剤も少なくてすみ研磨剤も長時間繰り返
し使用できる。
【0059】
【発明の効果】上記のように本発明の研磨剤及び研磨方
法によれば、研磨速度の向上による生産性向上、金属汚
染防止によるウェーハ品質向上、及びpHの安定化によ
る操業の安定性を図ることができる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1、2において各添加物を
添加した研磨剤の相対研磨速度を示すグラフである。
【図2】実施例1及び比較例1、2において各添加物を
添加した研磨剤により研磨した後のウェーハ表面の金属
汚染量(濃度)を示すグラフである。
【図3】実施例2及び比較例3におけるpHの安定性を
示すグラフである。
【図4】研磨装置の一例を示す概略側面説明図である。
【符号の説明】
30:研磨定盤、33:ワーク保持盤、34:研磨剤供
給配管、35:上部荷重、37: 回転軸、38:回転
シャフト、39:研磨剤溶液、P:研磨布、W:ウェー
ハ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 亨彦 福島県西白河郡西郷村小田倉字大平150番 地 信越半導体株式会社白河工場内 (72)発明者 大葉 茂 福島県西白河郡西郷村小田倉字大平150番 地 信越半導体株式会社白河工場内 Fターム(参考) 3C058 AA07 CB10 DA02 DA17 5F043 AA02 BB30 DD16 FF07 GG10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェーハを研磨する為の研磨剤におい
    て、−NH基を含み、〔C(炭素原子)数/{N(窒素
    原子)数+O(酸素原子)数}〕の比が2.5以下であ
    る化合物を添加したことを特徴とする研磨剤。
  2. 【請求項2】 前記化合物が、N原子を含む環状化合物
    をベースとし、更にO(酸素原子)及び又はN(窒素原
    子)を含む置換基(官能基)を含む化合物であることを
    特徴とする請求項1記載の研磨剤。
  3. 【請求項3】 前記化合物が、ピペリジンをベースとし
    た化合物の窒素原子とパラの位置に置換基(官能基)を
    含む化合物であることを特徴とする研磨剤。
  4. 【請求項4】 上記パラの位置の置換基が、−COOH
    基(カルボキシル基)、−SO3H基(スルホン酸
    基)、−NH2基(アミノ基)、又は−PO4H2基(燐酸
    基)であることを特徴とする請求項3記載の研磨剤。
  5. 【請求項5】 コロイダルシリカを含む研磨剤であっ
    て、ヘキサヒドロイソニコチン酸が添加されていること
    を特徴とする研磨剤。
  6. 【請求項6】 前記ヘキサヒドロイソニコチン酸の添加
    量が0.001〜1.0mol/Lであることを特徴と
    する請求項5記載の研磨剤。
  7. 【請求項7】 NaOHによりpHを10〜12の範囲
    に調整したことを特徴とする請求項5又は6記載の研磨
    剤。
  8. 【請求項8】 ウェーハを保持した状態で研磨布の表面
    にウェーハを押しつけ、同時に研磨剤を所定の流量で研
    磨布上に供給し、この研磨剤を介してウェーハの被研磨
    面が研磨布表面と摺擦されてウェーハを研磨する方法に
    おいて、上記研磨剤として請求項1〜7のいずれか1項
    に記載の研磨剤を用いることを特徴とする研磨方法。
JP2001093628A 2001-03-28 2001-03-28 研磨剤及び研磨方法 Expired - Fee Related JP3876967B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001093628A JP3876967B2 (ja) 2001-03-28 2001-03-28 研磨剤及び研磨方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001093628A JP3876967B2 (ja) 2001-03-28 2001-03-28 研磨剤及び研磨方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002294223A true JP2002294223A (ja) 2002-10-09
JP3876967B2 JP3876967B2 (ja) 2007-02-07

Family

ID=18947939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001093628A Expired - Fee Related JP3876967B2 (ja) 2001-03-28 2001-03-28 研磨剤及び研磨方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3876967B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015115653A1 (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 Hoya株式会社 磁気ディスク用基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6230333A (ja) * 1985-05-20 1987-02-09 ナルコ ケミカル カンパニ− シリコンウエ−ハの研磨方法及び組成物
JPH09193004A (ja) * 1995-11-10 1997-07-29 Tokuyama Corp 研磨剤
JPH10321569A (ja) * 1997-05-21 1998-12-04 Fujimi Inkooporeetetsudo:Kk 研磨用組成物
JPH11116942A (ja) * 1997-10-14 1999-04-27 Fujimi Inc 研磨用組成物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6230333A (ja) * 1985-05-20 1987-02-09 ナルコ ケミカル カンパニ− シリコンウエ−ハの研磨方法及び組成物
JPH09193004A (ja) * 1995-11-10 1997-07-29 Tokuyama Corp 研磨剤
JPH10321569A (ja) * 1997-05-21 1998-12-04 Fujimi Inkooporeetetsudo:Kk 研磨用組成物
JPH11116942A (ja) * 1997-10-14 1999-04-27 Fujimi Inc 研磨用組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015115653A1 (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 Hoya株式会社 磁気ディスク用基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3876967B2 (ja) 2007-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2365042B1 (en) Polishing composition and polishing method using the same
JP4113282B2 (ja) 研磨組成物及びそれを用いたエッジポリッシング方法
JP2002226836A (ja) 研磨用組成物およびそれを用いた研磨方法
JP2001003036A (ja) 研磨用組成物および表面処理用組成物
JP4608856B2 (ja) ウエーハの研磨方法
JP2005268667A (ja) 研磨用組成物
JP5493956B2 (ja) 半導体ウェーハの製造方法
JP3551238B2 (ja) シリコンウェーハの研磨液及びこれを用いた研磨方法
WO2014129328A1 (ja) 研磨用組成物
JP2005347737A (ja) シリコンウェハー用研磨組成物
US20080115423A1 (en) Polishing Composition For Silicon Wafer
JP6646062B2 (ja) 合成石英ガラス基板用研磨剤及びその製造方法、並びに合成石英ガラス基板の研磨方法
JP6393231B2 (ja) 合成石英ガラス基板用研磨剤及び合成石英ガラス基板の研磨方法
JP3456466B2 (ja) シリコンウェーハ用研磨剤及びその研磨方法
JP3219142B2 (ja) 半導体シリコンウエーハ研磨用研磨剤及び研磨方法
JP7253335B2 (ja) 研磨用組成物、その製造方法および研磨用組成物を用いた研磨方法
JPWO2019043890A1 (ja) 半導体ウェーハの製造方法
JP7319190B2 (ja) 研磨用組成物
US20210162558A1 (en) Polishing agent for synthetic quartz glass substrate, method for manufacturing the polishing agent, and method for polishing synthetic quartz glass substrate
JP3876967B2 (ja) 研磨剤及び研磨方法
JPH11186202A (ja) 半導体シリコンウエーハ研磨用研磨剤及び研磨方法
WO2008060505A1 (en) Methods for polishing aluminum nitride
JP4396963B2 (ja) 研磨用組成物、その調製方法及びそれを用いたウェーハの研磨方法
JP4546039B2 (ja) 半導体ウェハ研磨用組成物
JP4180282B2 (ja) シリコンウエーハ研磨用研磨剤及び研磨方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040420

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060725

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060915

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061011

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061024

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091110

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091110

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091110

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101110

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111110

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131110

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees