JP2005347737A - シリコンウェハー用研磨組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリコンウェハーの研磨において、ニッケル、クロム、鉄、銅などの金属汚染を効果的に防止することが可能な研磨組成物が必要とされてきた問題を解決するために、金属汚染、特に銅汚染を防止することのできるシリコンウェハー用研磨組成物を提供する。
【解決手段】平均粒子径5〜500nmで研磨組成物全量に対する濃度が0.05〜30質量%のシリカ、研磨組成物全量に対する濃度が0.01〜10質量%の塩基性物質、アミノポリホスホン酸及び水を含むシリコンウェハー用研磨組成物とする。
【選択図】 なし
【解決手段】平均粒子径5〜500nmで研磨組成物全量に対する濃度が0.05〜30質量%のシリカ、研磨組成物全量に対する濃度が0.01〜10質量%の塩基性物質、アミノポリホスホン酸及び水を含むシリコンウェハー用研磨組成物とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、シリコンウェハーに対する金属汚染を効率よく防止することを可能とする研磨組成物に関するものである。
一般に、半導体シリコンウェハーの製造方法は、単結晶インゴットをスライスして薄円板状のウェハーを得るスライス工程と、該スライス工程によって得られたウェハーの割れ、欠けを防止するためにその外周部を面取りする面取り工程と、この面取りされたウェハーを平坦化するラッピング工程と、面取り及びラッピングされたウェハーに残留する加工歪みを除去するエッチング工程と、このエッチングされたウェハー表面を鏡面化する研磨工程と研磨されたウェハーを洗浄してこれに付着した研磨剤や異物を除去する洗浄工程から構成されている。
上記研磨工程においては、一般に微細なシリカの砥粒を水中に均一に分散させ、さらにそれに無機アルカリやアンモニウム塩、アミンなどの化学的な研磨促進剤を添加した研磨組成物を用いて研磨が行われている。
しかし、このアルカリ性のシリカ含有研磨剤には微量ではあるが金属不純物が含まれている。研磨剤中に含まれる金属不純物としてはニッケル、クロム、鉄、銅などがあげられる。これらの金属不純物は、アルカリ溶液中において容易にシリコンウェハー表面に付着する。付着した金属不純物、とりわけ銅は拡散係数が大きく、シリコンウェハーの結晶内部へ容易に拡散する。結晶内部へ拡散してしまった金属不純物は、後の洗浄で除去することができないため、シリコンウェハーの品質を劣化させ、該ウェハーを用いた半導体デバイスの特性を低下させることが明らかとなっている。
上記のようなシリカ含有研磨組成物に起因する半導体ウェハーへの金属汚染に対する対策としては、高純度化した研磨組成物を用いる方法が考えられる。鉄・クロム・ニッケル・アルミニウム及び銅の含有量が、それぞれ1質量ppb未満であるシリカゾルを用いて、半導体ウェハーの研磨を行った例が開示されている(特許文献1 参照。)。しかし、このような高純度の研磨組成物は、一般に高価であるため研磨にかかるコストが問題となる。
また、組成物に高純度なものを用いたとしても実際に研磨を行う際、研磨パッド、研磨装置、配管類からの金属汚染が起こることは避けられない。そのため、たとえ高純度な組成物を準備したとしても半導体ウェハーへの金属汚染防止が困難であることが問題とされてきた。
このように、シリコンウェハーの研磨において、ニッケル、クロム、鉄、銅などの金属汚染を効果的に防止することが可能な研磨組成物が必要とされてきた。
特開平11−214338号公報(特許請求の範囲)
本発明はシリコンウェハーの研磨において、ニッケル、クロム、鉄、銅などの金属汚染を効果的に防止することが可能な研磨組成物が必要とされてきた問題を解決するために、金属汚染、特に銅汚染を防止することのできるシリコンウェハー用研磨組成物を提供することを目的とする。
本発明は、シリカ、塩基性物質、アミノポリホスホン酸及び水を含むシリコンウェハー用研磨組成物である。
この好ましい研磨組成物の態様として、以下が挙げられる。
前記シリカが、シリカゾルであること。
前記シリカの平均粒子径が、5〜500nmであり、その濃度が、研磨組成物全量の質量に対して0.05〜30質量%であること。
塩基性物質の濃度が、研磨組成物全量の質量に対して0.01〜10質量%であること。
前記塩基性物質がアルカリ金属の無機塩、アンモニウム塩及びアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種類であること。
前記アミノポリホスホン酸が、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン酸)及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種類であること。
特に前記塩基性物質において、好ましい態様として、以下が挙げられる。
前記アルカリ金属の無機塩が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類であること。
前記アンモニウム塩が、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム及び塩化テトラエチルアンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類であること。
前記アミン類がエチレンジアミン、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチル)アミノエタノールアミン及びピペラジンからなる群から選ばれる少なくとも1種類であること。
本発明によれば、シリカ含有研磨剤にアミノポリホスホン酸を添加することによって、研磨速度を維持しつつ、シリコンウェハー表面及び内部への金属汚染、特に銅汚染を抑制することができるという効果が得られることが分かった。特に、アミン類に対しても効果があることより、高い研磨速度を維持しつつ、銅汚染を抑制することができる。また、研磨剤を高純度にする必要が無いため、安価に金属汚染を抑制することができる。
本発明の実施形態を説明する。
本発明においては、砥粒としてシリカ(二酸化ケイ素)を用いる。シリコンウェハーを研削或いは研磨するための研磨剤として、セリアやアルミナによる加工が有効であることは知られているが、本発明における研磨組成物の研磨剤として使用するものは、シリカを好適とする。また、シリカとしては、シリカゾル、フュームドシリカ、沈殿法シリカ或いはその他形態の異なるシリカが知られており、これらのいずれも使用することが可能であるが、特に半導体表面を高精度に研磨するためには、粒子径の揃った、しかも平均粒子径がコロイド次元(ナノ次元)のシリカゾル(シリカ粒子の安定な分散液)であることが好ましい。
また、シリカの平均粒子径は、窒素吸着法(BET法)により測定した比表面積から求められる平均粒子径である。その平均粒子径は、一般的にはコロイド次元である3〜1000nm、好ましくは5〜500mであり、最も好ましくは10〜500mである。更に、シリカの添加質量割合は、研磨組成物全量の質量に対して、一般的には0.05〜30質量%、好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは1〜5質量%である。0.05質量%以下では十分な研磨速度を得られず、30質量%以上では研磨速度の向上は望めない。
本発明に用いる塩基性物質としては、アルカリ金属の無機塩、アンモニウム塩、又はアミン類である。アルカリ金属の塩としては、アルカリ金属の水酸化物又は炭酸塩などが挙げられる。具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが好ましく、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどがより好ましい。
アンモニウム塩としては、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、第四級アンモニウム塩などが好ましく、なかでも、水酸化アンモニウム、第四級アンモニウム塩がより好ましい。第四級アンモニウム塩の具体的な例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム又は塩化テトラエチルアンモニウムなどがあり、その中でも水酸化テトラメチルアンモニウムがより好ましい。
本発明に使用されるアミン類の具体例としてはエチレンジアミン、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチル)アミノエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる。アミン類としてはこれらのアミンのみならず、他のアミンを含んでいてもよい。
塩基性物質の好ましい添加量は、使用する物質によって異なるため、一概には決められないが、一般的には研磨組成物全体の質量に対して0.01〜10質量%である。特に、加工促進剤がアルカリ金属塩である場合、0.01〜1.0質量%、アンモニウム塩である場合、0.01〜5質量%、アミン類の場合は、0.1〜10質量%が好ましい。0.01質量%未満の添加では、加工促進剤としての作用が十分ではなく、逆に10質量%以上の添加を行ったとしても、研磨能率の更なる向上は期待でない。また、上記に示す塩基性物質のうち、2種以上を併用することも可能である。
アミノポリホスホン酸は、アミノポリカルボン酸のカルボキシル基(−COOH)をホスホン酸(−PO3H2)に変えたホスホン酸系キレート剤である。なお、アミノポリカルボン酸は、EDTAに代表される多座キレート剤で、分析化学の分野では非常にポピュラーな試薬である。本発明に使用されるアミノポリホスホン酸は、キレート剤として市販されており、容易に入手できる。具体的には、分子中に窒素原子に結合したメチレンホスホン酸基を2個以上有するキレート剤、又はこれらの塩(アンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩など)が挙げられる。好ましくは、分子中に窒素原子に結合したメチレンホスホン酸基を2〜6個有するものが挙げられる。具体的には、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(以下NTMPという)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)(以下ETMPという)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン酸)(以下EPMPという)及びこれらの塩などが挙げられる。これらの化合物は2種類以上併用することも可能である。
上記アミノポリホスホン酸の添加量は種類によって異なり、本発明の効果が達成される限り特別の限定はないが、研磨組成物全量の質量に対して0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%である。添加量が0.001質量%未満であれば、十分な添加効果が得られないため、金属汚染の防止効果が十分で無いことがある。逆に10質量%を越えて添加しても、添加による更なる効果は期待できない。
以下に本発明の実施例を説明する。なお、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
実施例1
研磨組成物(研磨液)の基材となるシリカゾル〔シリカ濃度3.0質量%、粒子径45nm、水酸化ナトリウム(以下NaOHという)でpH9に調整済み〕を用意し、前記シリカゾルに原子吸光分析用の標準銅溶液(銅濃度が1000質量ppmの硝酸銅溶液)を添加して銅濃度が10質量ppbになるように研磨液を強制的に銅で汚染させた。
研磨組成物(研磨液)の基材となるシリカゾル〔シリカ濃度3.0質量%、粒子径45nm、水酸化ナトリウム(以下NaOHという)でpH9に調整済み〕を用意し、前記シリカゾルに原子吸光分析用の標準銅溶液(銅濃度が1000質量ppmの硝酸銅溶液)を添加して銅濃度が10質量ppbになるように研磨液を強制的に銅で汚染させた。
上記のように銅で汚染したシリカゾルにNaOHが0.1質量%、NTMPが0.1質量%となるように添加し、研磨液を調製した。
上記研磨液を用いてP型(100)半導体シリコンウェハーを30分研磨した。研磨は市販の片面研磨機を用いて行った。
研磨ウェハーに公知のSC1洗浄(アンモニア:過酸化水素:水の混合比=1:1〜2:5〜7の洗浄液(SC1液)に75〜85℃、10〜20分浸漬処理)及びSC2洗浄(塩酸:過酸化水素:水=1:1〜2:5〜7の洗浄液(SC2液)に75〜85℃、10〜20分浸漬処理)を施し、ウェハー表面の不純物を除去した後、洗浄済みのウェハーを650℃で20分熱処理、HF/H2O2液滴でウェハー表面の銅を回収し、回収液中の金属不純物を誘導結合プラズマ質量分析(以下ICP−MSという)によって定量分析を行った。
実施例2
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにNaOHが0.1質量%、ETMPが0.05質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにNaOHが0.1質量%、ETMPが0.05質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例3
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにNaOHが0.1質量%、ETMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにNaOHが0.1質量%、ETMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例4
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにNaOHが0.1質量%、ETMPが0.5質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにNaOHが0.1質量%、ETMPが0.5質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例5
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにピペラジンが0.1質量%、ETMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにピペラジンが0.1質量%、ETMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例6
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにピペラジンが0.5質量%、ETMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにピペラジンが0.5質量%、ETMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例7
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにピペラジンが1.5質量%、ETMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにピペラジンが1.5質量%、ETMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例8
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルに水酸化テトラメチルアンモニウム(以下TMAHという)が0.1質量%、ETMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルに水酸化テトラメチルアンモニウム(以下TMAHという)が0.1質量%、ETMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例9
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにNaOHが0.1質量%、EPMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにNaOHが0.1質量%、EPMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例10
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにピペラジンが0.5質量%、EPMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにピペラジンが0.5質量%、EPMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例11
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにTMAHが0.1質量%、EPMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにTMAHが0.1質量%、EPMPが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
比較例1
実施例1と同じベースのシリカゾルに銅汚染を行わず、NaOHが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じベースのシリカゾルに銅汚染を行わず、NaOHが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
比較例2
実施例1と同じベースのシリカゾルに銅汚染を行わず、ピペラジンが0.5質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じベースのシリカゾルに銅汚染を行わず、ピペラジンが0.5質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
比較例3
実施例1と同じベースのシリカゾルに銅汚染を行わず、TMAHが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じベースのシリカゾルに銅汚染を行わず、TMAHが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
比較例4
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにNaOHが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにNaOHが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
比較例5
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにピペラジンが0.5質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにピペラジンが0.5質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
比較例6
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにTMAHが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
実施例1と同じ銅で汚染したシリカゾルにTMAHが0.1質量%になるように研磨液を調製し、この研磨液を用いて30分研磨を行い、銅の定量分析を行った。
表1及び表2に研磨ウェハーにおける銅汚染の測定結果と研磨速度を示す。比較例1〜3が示すようにアミノポリホスホン酸を添加しない場合、銅で強制汚染を行わなくても1010atom/cm2台の汚染が見られ、比較例4〜6のように強制汚染を行うことにより銅の汚染は更に増加した。よって、アミノポリホスホン酸を添加しない場合は銅汚染を回避することはできなかった。
ETMPを添加すると実施例3、実施例6、実施例8のように、銅で強制汚染を行っても、塩基性物質の種類によらず、研磨後のシリコンウェハーの銅汚染は109atom/cm2台とアミノポリホスホン酸を添加しない場合と比較して銅汚染を抑制することができた。また、アミノポリホスホン酸の種類をETMPからNTMP、EPMPに変えても実施例1、実施例9〜11のように同様の銅汚染抑制効果が見られた。
実施例1、実施例3、実施例6、実施例8〜11のようにアミノポリホスホン酸を添加した場合でも比較例4〜6と同程度の研磨速度が得られており、アミノポリホスホン酸を添加することによる研磨速度への影響は見られなかった。また、実施例5〜7のように塩基性物質を増加しても、銅汚染の程度には差が見られず、十分銅汚染の抑制効果があることが分かった。
以上述べたように、本発明によれば、シリカ含有研磨剤にアミノポリホスホン酸を添加することによって、研磨速度を維持しつつ金属汚染、特に銅汚染を抑制することができるという効果が得られることが分かった。特に、アミン類に対しても効果があることより、高い研磨速度を維持しつつ、銅汚染を抑制することができる。また、研磨剤を高純度にする必要が無いため、安価に金属汚染を抑制することができる。
Claims (9)
- シリカ、塩基性物質、アミノポリホスホン酸及び水を含むシリコンウェハー用研磨組成物。
- 前記シリカが、シリカゾルであることを特徴とする、請求項1に記載のシリコンウェハー用研磨組成物。
- 前記シリカの平均粒子径が、5〜500nmであり、その濃度が、研磨組成物全量の質量に対して0.05〜30質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシリコンウェハー用研磨組成物。
- 前記塩基性物質の濃度が、研磨組成物全量の質量に対して0.01〜10質量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコンウェハー用研磨組成物。
- 前記塩基性物質がアルカリ金属の無機塩、アンモニウム塩及びアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコンウェハー用研磨組成物。
- 前記アルカリ金属の無機塩が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする、請求項5に記載のシリコンウェハー用研磨組成物。
- 前記アンモニウム塩が、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム及び塩化テトラエチルアンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする、請求項5に記載のシリコンウェハー用研磨組成物。
- 前記アミン類がエチレンジアミン、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチル)アミノエタノールアミン及びピペラジンからなる群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする、請求項5に記載のシリコンウェハー用研磨組成物。
- 前記アミノポリホスホン酸がニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン酸)及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のシリコンウェハー用研磨組成物。
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