JP2015229621A - 疎水性エアロゲル粉体、その製造方法、および、それを用いた充填剤 - Google Patents

疎水性エアロゲル粉体、その製造方法、および、それを用いた充填剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 乾式粉砕により得られた、メジアン径が1〜15μmの疎水性エアロゲル粉体であって、エアロゲル特有の細孔構造を損なうことなく、樹脂や塗料に混練容易な、嵩密度の大きい新規な疎水性エアロゲル粉体を提供することである。
【解決手段】 コールターカウンター法によるメジアン径が1〜15μmの不定形粒子であって、BJH法による細孔容積が3mL/g以上、且つ、嵩密度が70〜150g/Lの疎水性エアロゲル粉体である。更に、乾式粉砕して得られたメジアン径が1〜15μmの嵩高い疎水性エアロゲル粉体を、有機溶媒で浸潤した後、乾燥することにより嵩密度の大きい疎水性エアロゲル粉体を得る疎水性エアロゲル粉体の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、元来嵩密度の小さな疎水性エアロゲル粉体を嵩密度の大きくした疎水性エアロゲル粉体、その製造方法、および、それを用いた充填剤に関する。
エアロゲルは、非常に小さい嵩密度、高い気孔率、および10〜100nm程度の細孔を有する。これらの特性から、エアロゲルは断熱材料、艶消し剤、触媒、化粧品など広範囲の用途において使用される。またエアロゲル単体で使用される場合の他に、樹脂に充填し、複合化して使用されることも多い。
例えば、アンチブロッキング剤としてフィルム等に充填する際には、粒径の大きなエアロゲルの脱落やダマの発生等の問題を防ぐため、数ミクロンオーダーの不定形な疎水性エアロゲルが使用される。該疎水性エアロゲルは一般に、粒径が数百μmから数mmのものを粉砕して得られ、該粉砕手段として、湿式粉砕と乾式粉砕が挙げられるが、上記湿式粉砕は、1μmよりも小さい粒子を得る場合に適した粉砕手段であって(特許文献1)、上記ミクロンオーダーの粒子を得ることは通常困難である。仮に得られたとしても、粒子にかかる粉砕エネルギーが大きいことや、粒子に均一にエネルギーが掛けづらい為、平均粒径を大幅に下回る微粒子や、粉砕されずに残った粗粒子の割合が増加し、粒度分布がシャープなエアロゲル粉体を得ることは困難である。
一方、乾式粉砕は、上記ミクロンオーダーの比較的粒度分布がシャープなエアロゲルが得られるが、得られたエアロゲルは非常に嵩高く、嵩比重が小さいため、樹脂や塗料等に充填しようとした場合に嵩比重の差が大きすぎて浮いてしまい、混合し難いという課題が残されていた。上記嵩高い疎水性エアロゲル粉体の嵩密度を大きくするために、吸引圧縮やローラー圧縮等の手段により機械的に圧密化を施すことが考えられるが、嵩密度を十分大きくする程度に加圧することは困難で、容易に元の嵩高い状態に戻ってしまう。仮に、加圧によって嵩密度を大きくすることができたとしても、その操作により細孔が破壊され、細孔を有することによるエアロゲルの特性効果を十分に活用できないという課題が残されていた。
特許出願公表番号2010-521399号
従って、本発明の課題は、乾式粉砕により得られた、メジアン径が1〜15μmの疎水性エアロゲル粉体であって、エアロゲルの特性を損なうことなく樹脂や塗料に混練可能な、嵩密度の大きい新規な疎水性エアロゲル粉体を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、乾式粉砕して得られた疎水性エアロゲル粉体を、有機溶剤に浸潤させた後、乾燥することにより、嵩密度の大きい疎水性エアロゲル粉体が得られること、また、当該方法によれば、エアロゲル特有の細孔を破壊することなく、エアロゲルの特性を維持したまま充填剤として好適に使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、コールターカウンター法によるメジアン径が1〜15μm、BJH法による細孔容積が3mL/g以上、且つ、嵩密度が70〜150g/Lであり、不定形粒子からなることを特徴とする疎水性エアロゲル粉体である。
本発明の疎水性エアロゲル粉体は、乾式粉砕されて得られた、メジアン径が1〜15μmの疎水性エアロゲル粉体でありながら、嵩比重が70〜150g/Lと大きいため、樹脂や塗料への混練が容易である。網目状の細孔構造や大きな空隙率による軽量といったエアロゲルの特性を損なうことなく樹脂や塗料への分散性にも優れ、充填剤として好適に用いることができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明の疎水性エアロゲル粉体は高い空隙率を有し、分散媒体として気体を伴う固体材料であり、特に空隙率60%以上の固体材料である。なお、上記空隙率は、見掛けの体積中に含まれている気体の量を体積百分率で表した値である。一般に、エアロゲルは粒径4〜8nmの一次粒子が網目状に凝集した二次粒子を形成しており、微細な細孔構造を有することを特徴とする。
本発明の疎水性エアロゲル粉体は、疎水性であって、水に対して分散しないという特徴を有する。より具体的には、室温下で、エアロゲル1gをイオン交換水100gと共に容器に入れ十数秒間振とう又は攪拌した後、静置するとエアロゲル相と水相とに完全に分離することをいう。
本発明の疎水性エアロゲル粉体のメジアン径は、1〜15μmであって、好ましくは1〜10μm、より好ましくは1.5〜5μmである。一般に、粒径が大きいほど嵩密度が大きくなり、樹脂に添加しやすくなるが、フィルム状に加工した際にダマやブツが発生し、フィルムの透明性を悪化させたり、添加物の脱落を誘発する。一方で、メジアン径が上記範囲より小さくなると塗料に充填した際の艶消し剤としての効果や、フィルムに充填した際のアンチブロッキング剤としての効果が得られない。上記艶消し剤は、塗料、フィルム等に添加した際に塗膜表面に凹凸を形成し、光を乱反射させる為に添加する添加剤であるが、この凹凸が可視光の波長よりも短いと散乱効果がなくなるため、凹凸は可視光の波長よりも大きいことが必要である。しかし、添加粒子の粒子径を大きくし過ぎると塗膜表面がザラザラと荒れることで平滑性が悪化し、なめらかなマット感を得ることが得難い傾向がある。また、上記アンチブロッキング剤は、フィルム等に添加した際にフィルム表面に凹凸を形成し、フィルム同士が接着することを防ぐために添加する添加剤である。
上記メジアン径は、コールターカウンター法により測定した値である。具体的には、エアロゲル試料0.005gをアルコール(例えば、日本アルコール販売株式会社製商品名「ソルミックスA−7」)50gに加えたものを入れた容器を、超音波洗浄機中にいれ、90Wで3分間分散したものを試料とし、コールターカウンター法により粒度分布を測定し、得られた体積基準の累積50%径がメジアン径であってD50で表す。なお、同様に体積基準累積10%径をD10、体積基準累積90%径をD90と表し、本発明の嵩密度の大きい疎水性エアロゲル粉体において、D10は0.7μm以上7μm以下であることが好ましく、0.8μm以上6μm以下であることがより好ましく、0.9μm以上5μm以下であることが更に好ましい。
D90は2μm以上50μm以下であることが好ましく、2.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、2.4μm以上30μm以下であることが更に好ましい。一般に、D10/D90の値が大きくなるほど該エアロゲルはシャープな粒度分布を有することを意味する。
本発明における疎水性エアロゲル粉体のBJH法による細孔容積は、3mL/g以上であって、好ましくは3〜8mL/g、より好ましくは3〜7mL/g、更に好ましくは3.5〜6mL/gである。エアロゲル特有の細孔構造は網目状であり、樹脂に充填した際には樹脂が該細孔の隙間に浸透するため、特に樹脂の強度向上に効果を奏することができる。そして、同じ重量のエアロゲルを樹脂に充填した場合、上記単位重量当たりの細孔容積が大きければ大きいほど、樹脂内における上記細孔構造の占める体積割合が大きく、即ち分散性に優れ、樹脂強度が向上する。細孔容積が上記範囲を超えて小さくなればなるほど、樹脂内における上記細孔構造の占める体積割合が小さく、即ち分散性に劣るため樹脂強度を発現する効果が十分に得られない。
また、細孔容積が、上記範囲を超えて大きいエアロゲルを得ることは難しく、得られた場合でも、細孔構造を形成する骨組みの強度が小さくなるため、樹脂混練時にかかる負荷等により細孔が潰れるおそれがある。
上記「BJH法による細孔容積」は、測定対象のサンプルを、1kPa以下の真空下において、150℃の温度で2時間以上乾燥させ、その後液体窒素温度における窒素の吸着剤のみの吸着等温線を取得し、BJH法(Barrett,E.P.;Joyner,L.G.;Halenda,P.P.,J.Am.Chem.Soc.73,373(1951))により解析して得られる細孔半径1nm以上100nm以下の細孔に由来する細孔容積である。
さらに、本発明の疎水性エアロゲル粉体の形状は、不定形である。不定形であることにより、樹脂に添加した際に樹脂に混練されやすく、またフィルムに添加した際には球状粒子よりも不定形粒子の方が脱落しにくい。
そして、本発明の疎水性エアロゲル粉体は、メジアン径、および細孔容積が上記範囲であって、且つ、嵩密度が70〜150g/Lであることを最大の特徴とする。該嵩密度は、好ましくは、75〜150g/L、より好ましくは80〜145g/Lである。該嵩密度が70g/L未満の場合、樹脂に添加した際にエアロゲルと樹脂との密度差が大きいため、エアロゲルが浮いてしまい混練が難しい。従って樹脂との混練性を考慮すれば嵩密度は大きい方が良いが、メジアン径が上記範囲であって、空隙率60%以上を有するエアロゲルにおいて、大きくても150g/L程度である。上記嵩密度は、JIS R−1628に準拠の方法で求めた嵩密度であって、いわゆるタップ嵩密度と呼ばれる値である。
ところで、前記メジアン径が1〜15μmの、不定形の疎水性エアロゲル粉体は、通常乾式粉砕により得られる。得られた疎水性エアロゲル粉体は、二次粒子同士の間に多量の空気を含み非常に嵩高くなる。一般に、乾式粉砕により得られた上記サイズの疎水性エアロゲル粉体の嵩密度は、約30g/L程度と小さい。
本発明の疎水性エアロゲル粉体の比表面積は特に制限されないが、BET法による比表面積の下限は好ましくは400m/gであり、より好ましくは500m/gである。上限は好ましくは1000m/gであり、より好ましくは800m/gである。該比表面積は、エアロゲルを構成する1次粒子の粒径に依存しており、比表面積が大きいほど、エアロゲルを構成する一次粒子径が小さく、より複雑な網目構造を有することにより粒子強度が向上し、樹脂との混練による細孔破壊を防止する上で好ましい。しかしながら、上記範囲を超えて大きくなると、エアロゲルの細孔構造を形成することが難しくなり、結果的に細孔が潰れてしまう。
比表面積は、例えば600m/gの場合には、1次粒子径は5nm程度である。一般に、比表面積が大きくなるほど、樹脂に充填した場合に増粘効果が高く、また、1次粒子の粒子径が小さいほど、光の散乱を起こし難くなるため、例えば、シリコーン樹脂やアクリル樹脂等の透明性を有する樹脂に充填した場合に樹脂の透明性が良好となる傾向がある。比表面積が上記範囲を超えて小さくなると、当該疎水性エアロゲルを樹脂に充填した際の分散性が低下するため、樹脂強度が低下する。また、比表面積が上記範囲を超えて大きくなると、樹脂に充填する際に飛散しやすく、取り扱いが困難である。
上記「BET法による比表面積」は、測定対象のサンプルを1kPa以下の真空下において150℃の温度で2時間以上乾燥させ、その後、液体窒素温度における窒素の吸着側のみの吸着等温線を測定し、該吸着等温線をBET法により解析して求めた値であって、その際の解析に用いる圧力範囲は、相対圧0.1〜0.25の範囲である。
本発明の疎水性エアロゲル粉体のBJH法による細孔半径のピークは、好ましくは10〜50nm、より好ましくは10〜40nm、更に好ましくは、20〜40nmの範囲にある。上記BJH法による細孔半径のピークは、前述の細孔容積と同様に吸着等温線をBJH法により解析して得られたものであり、細孔半径の対数による累積細孔容積の微分を縦軸にとり細孔半径を横軸にとってプロットした細孔分布曲線(体積分布曲線)が最大のピークをとる細孔半径である。
上記BJH法による細孔容積、及び細孔半径のピークが上記範囲である本発明のエアロゲルは、細孔構造の大きさがほぼ均一となる。即ち、細孔構造を形成する骨組みが強固となり、混練時、成形時にかかる負荷に対して細孔構造を十分に保つことが可能となる。また、上記均一な細孔の間隙に樹脂が浸透することによって、優れた樹脂強度が得られ、また、樹脂の増粘性が向上する。
また、本発明の疎水性エアロゲル粉体は、疎水化度が10〜70であり、好ましくは12〜70、より好ましくは、12〜68である。一般に、疎水化度が大きいほど吸湿現象が起こりにくく、また、樹脂との馴染みがよく、分散性に優れるという傾向がある。
なお、本発明における疎水化度の測定方法は、以下のとおりである。疎水性無機酸化物粒子である試料粉末を0.2gを、50mLの水が入った容量250mLのビーカーに加え、マグネチックスターラーにより攪拌する。ここに、ビュレットを使用してメタノールを試料粉末に直接接触しないように添加し、試料粉末の全量が溶液中に分散し懸濁したところを終点として滴定する。終点におけるメタノール−水混合溶媒中のメタノールの容量百分率(%)を疎水化度とする。
上述の物性を有する本発明のエアロゲルは、たとえば強度の向上を目的とする樹脂用充填剤として、特に制限なく公知の樹脂等に好適に使用することができる。樹脂として、たとえば、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、エポキシ、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂等が挙げられる。
また本発明のエアロゲルを艶消し剤、粘度調整剤等の目的で塗料充填剤として、特に制限なく公知の塗料に好適に使用することができる。例えば、樹脂の種類からいって、油性塗料、ニトロセルロース塗料、アルキッド樹脂塗料、アミノアルキッド塗料、ビニル樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、塩化ゴム系塗料等の慣用のそれ自体公知の塗料の他に、ロジン、エステルガム、ペンタレジン、クマロン・インデンレジン、フェノール系レジン、変性フェノール系レジン、マレイン系レジン、アルキド系レジン、アミノ系レジン、ビニル系レジン、石油レジン、エポキシ系レジン、ポリエステル系レジン、スチレン系レジン、アクリル系レジン、シリコーン系レジン、ゴムベース系レジン、塩素化物系レジン、ウレタン系レジン、ポリアミド系レジン、ポリイミド系レジン、フッ素系レジン、天然或いは合成の漆等の1種或いは2種以上を含有する塗料が挙げられる。
また、用いる塗料は、その用い方によって、溶剤型塗料、紫外線硬化型塗料、粉体塗料等の任意のものであってよい。上記溶剤型塗料の有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ヘプタン、n−ヘキサン、アイソパー等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;エタノール、プロパノール、ブタノール、ダイアセトンアルコール等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等の1種または2種以上を用いることができる。
紫外線(UV)硬化型塗料としては、ハイソリッドレジン、例えばUV硬化型のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が単独或いは2種以上の組み合わせで使用される。
粉体塗料としてはポリアミド、ポリエステル、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、セルロース誘導体、ポリエーテル、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂の他、エポキシ樹脂、エポキシ/ノボラック樹脂、イソシアネート或いはエポキシ硬化型ポリエステル樹脂等が挙げられる。
以下、本発明の疎水性エアロゲル粉体の製造方法について説明する。上記疎水性エアロゲルの製造方法は、特に限定されないが、分散媒の超臨界条件で乾燥する方法、あるいは分散媒を常圧乾燥する方法が挙げられる。超臨界条件で乾燥する方法として、具体的には、アルコキシシランを原料として加水分解し、重縮合して得られるゲル状化合物を、分散媒の超臨界状態で乾燥する方法(米国特許第4402927号公報参照)、あるいは、ケイ酸アルカリ金属塩を原料とし、陽イオン交換樹脂を通過させるか、鉱酸を添加することでゾルを作成し、ゲル化させた後に、分散媒の超臨界条件で乾燥する方法(特開平10−236817号公報参照)が挙げられ、得られるエアロゲルが親水性である場合は、後述する疎水化剤を用いて公知の方法で表面処理されたものが使用できる。
分散媒を常圧乾燥する方法としては、特に限定されないが、金属酸化物ゾルの作成、該ゾルをゲル化、熟成、洗浄、溶媒置換、疎水化処理、乾燥という工程を順番に行う方法(特開2013−203804号広報、特許第4960534号広報参照)が一般的であって、その製造工程において細孔構造を維持したまま乾燥するために乾燥前の疎水化処理が必須であり、得られるエアロゲルは疎水性である。
上記疎水化処理を行う際の疎水化剤は特に限定されず、公知のものを用いることができる。上記疎水化剤としては、公知のものが特に制限なく使用でき、一般式RSiX4−n(Rは、炭化水素基、Xは、アルコキシ基、ハロゲン、nは1〜3の整数)で示される構造のものや、一般式RSiNHSiRで示されるシラザン類が挙げられる。一例を示すと、トリメチルクロロシラン(以下、TMCS)、ジメチルジクロロシラン(以下、DMDCS)、モノメチルトリクロロシラン(以下、MTS)、モノメチルトリメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(以下、HMDS)、ヘキサメチルシクロトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
本発明において、上記方法等により得られた疎水性エアロゲルを公知の方法で乾式粉砕したものが好ましい。粉砕手段として、乾式粉砕の他に、湿式粉砕が挙げられるが、前述したとおり、湿式で粉砕した場合、得られる粒子が小さくなり、本発明のミクロンオーダーの粒子を効率良く得ることは困難であるため好ましくない。
上記乾式粉砕する手段は、特に制限されず、ボールミル、ローラーミル、ジェットミル等を用いた粉砕が挙げられる。なかでも、ジェットミルによる粉砕は、シャープな粒度分布が得られるという点、エアロゲルの微細構造を破壊し難く、よって比表面積や細孔容積を減少させにくいという点、添加剤、例えば、艶消し剤、アンチブロッキング剤に寄与しない小さな粒子の発生を防止するという点等から好ましい。以下、ジェットミルを用いた場合の粉砕を例に詳細に説明する。
例えば、上記常圧乾燥法により得られる疎水性エアロゲルは、一般に、数百μm〜数mmの塊粒状であるため、別途処理することなく、ジェットミル粉砕に供することができる。疎水性エアロゲルが上記塊粒状でなく、例えば、板状であったり、粒径が数cmと大きい場合には、ジェットミルに供給できる大きさになるまで、予め、乳鉢、コーヒーミル等を用いて粗粉砕してやればよい。
ジェットミルを用いて粉砕する場合の粉砕条件は、特に制限されないが、圧縮ガスとして空気、または、Nなどの不活性ガスを用い、該ガスにおける粉体濃度が10g/m以上220g/m以下、好ましくは15g/m以上190g/m以下、より好ましくは15g/m以上30g/m以下となるように実施することが好ましい。粉体濃度が高いほど粉砕能力が向上するが、粉体濃度が高すぎても、個々の粒子に加わる粉砕力が分散して粉砕効率が低下するため、粉体濃度が上記範囲であることが好ましい。上記粉体濃度が得られにくい場合、一度粉砕したものを、繰り返し粉砕することにより、所望の粉体物性となるまで粉砕してやればよい。
一般に、前記常圧乾燥法により得られるエアロゲルの網目構造の強さは、ゲル熟成時のpH、熟成時間、または、熟成温度等の製造条件によって強固となり、一般的な湿式シリカと比べて粉砕され難い傾向がある。よって、本発明のエアロゲルを得るためには、粉砕圧/風量を高くしたり、複数回の粉砕に供する等して、所望のメジアン径となるまで粉砕を行えばよい。
なお無論、上述したジェットミル粉砕は一例であり、他の公知の粉砕、解砕、分級等を適宜選択して所望のメジアン径を有する粉体とすればよい。斯様にして乾式粉砕されたエアロゲルの嵩密度は、前にも述べたが30g/L程度と小さい。
該粉体の嵩密度を大きくするための手段として、吸引圧縮、ローラー圧縮等により機械的に圧密化を施す方法が挙げられるが、この場合、嵩密度を十分大きくすることができないばかりか、圧密したはずの粉体が容易に元の嵩高い状態に戻ってしまう。
これは上記エアロゲルが疎水性である為、エアロゲル表面に存在する水酸基(−OH)の数が少ない。その為、一般的に親水性物質粉体を圧密した際に発生する水酸基の脱水縮合が起こりにくく、機械的に圧密化する方法では十分に加圧できないのではないかと推測する。
本発明者等は、上記乾式粉砕された嵩密度の小さい疎水性エアロゲルを、有機溶媒に浸潤させた後、乾燥することにより、驚くべきことに、エアロゲルの特性である細孔構造を破壊することなく、その細孔容積を維持したまま、該嵩密度を70〜150g/Lと格段に大きくできることを見出したのである。
本発明において、上記有機溶媒の種類は、特に限定されず、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘプタン、トルエン、アセトン、ジクロロメタン等任意の有機溶媒が使用できる。該有機溶媒の量は、処理する疎水性エアロゲル粉体が浸潤すれば良いのであって、特に限定されないが、疎水性エアロゲル粉体1質量部に対して、10質量部以上とすれば十分である。
上記有機溶媒を浸潤させるのに要する時間は、おおよそ数十秒である。また、有機溶媒の浸潤時に任意の方法で撹拌することができる。撹拌することにより、より短時間で、より均一に浸潤させることができるため好ましい。
更に、本発明において、上記有機溶媒に疎水化剤を添加し、有機溶媒を浸潤させると同時に疎水化処理を施すこともできる。当該エアロゲルは、もともと疎水性を有するが、上記粉砕により、粒子内部に存在していた水酸基(−OH基)が、粒子表面に出現する。そのため、当該疎水化処理を行うことにより、上記水酸基(−OH基)を、例えばシリル化剤などの疎水性有機基等によりエンドキャッピングし、不活性化することができるため好ましい。そうすることにより、最終的に、より疎水化度の高い疎水性エアロゲル粉体が得られ、例えば、樹脂に充填した場合、樹脂への分散性が向上し、また充填剤表面における樹脂との馴染みが良好となるため、強度および透明性のより高いものが得られる。
上記疎水化剤としては、前述と同様の疎水化剤が使用でき、なかでも、TMCS、DMDCS、MTS、HMDS等が好適に使用できる。
上記疎水化剤の量は、上記水酸基(−OH基)失活化できればよいのであって、処理する疎水性エアロゲル粉体100質量部に対して、50〜200質量部程度である。
上記疎水化処理の条件は、疎水性エアロゲル粉体に前記疎水化剤を添加した有機溶媒を加え、一定時間反応させることにより行うことができる。例えば、処理剤としてHMDSを用い、処理温度を70℃とした場合には、12時間程度以上保持することで行うことができる。
本発明において、上記有機溶媒が均一に浸潤したら、乾燥する。有機溶媒の量が多い場合、乾燥時間を短縮するため、予め濾別等により余分な有機溶媒を除去した後に、乾燥することが好ましい。有機溶媒を浸潤すると同時に疎水化処理を施した場合は、疎水化処理が十分に行われた後、濾別し、未反応の処理剤を溶媒で洗浄した後に、乾燥することが好ましい。また、未反応の塩素分を除去する目的で水洗浄しても良い。
乾燥する際の温度は、溶媒の沸点以上で、表面処理剤の分解温度以下であることが好ましく、圧力は常圧、あるいは減圧下で行うことが好ましい。なお、前述の有機溶媒に疎水化剤を添加しない場合であっても、もともと疎水性エアロゲルは表面処理されており、表面処理剤を被覆している。
上記乾燥は、二次粒子の解砕を防ぐ為、また、二次粒子間に空気を含まないよう、静置乾燥することが好ましい。なお、上記有機溶媒に浸潤して乾燥することにより、疎水性エアロゲルは細孔容積で数%程度凝縮する。従って所望の粉体物性が得られる様、有機溶媒に浸潤させる前の疎水性エアロゲルの粉体物性を適宜決定してやればよい。
上記方法により、エアロゲルに特有の細孔構造を維持したまま、嵩密度が70〜150g/Lの疎水性エアロゲル粉体を効率良く得ることができる。斯様に嵩密度が大きくなる理由として、有機溶媒を浸潤させ乾燥することにより、二次粒子間の空気が抜けると共に、二次粒子が至近距離に再配列され凝集体が形成され、その結果、嵩密度が上昇するのではないかと推測する。該凝集体は、二次粒子同士が、乾式の圧密化に比べて強固な結合をしている為、容易には元の嵩高い状態に戻らないが、充填剤として使用する場合には、樹脂や塗料等との混練時にかかるせん断応力によって容易に二次粒子まで解砕される。
前述の有機溶媒を浸潤すると同時に疎水化処理を施して得られる疎水性エアロゲル粉体は、乾式粉砕により表面に出現した水酸基(−OH基)が失活化されて疎水性が向上するばかりでなく、乾燥後に得られる前述の凝集体において、二次粒子同士の結合を弱めることができる。従って、より小さいせん断応力で二次粒子まで解砕される。
以下、本発明を具体的に説明するため、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
以下実施例、比較例で評価に用いる各物性の評価方法は以下の通りである。
(粒度分布)
まず、処理前の粒度分布については、日本アルコール販売株式会社製のソルミックスA−7(標準組成:エタノール85.5%、プロピルアルコール9.6%、メタノール4.9%、水0.2%)50gに試料を0.005g添加したものを、日本エマソン株式会社製の超音波洗浄機B1510J‐MTを用いて3分間分散して測定試料を作成した。該測定試料をベックマン・コールター株式会社製、マルチサイザーIIIを用い、アパーチャーチューブ50μmにより、粒度分布の測定を行った。なお、上記分散時間に関して、分散時間が1、3、5分でそれぞれのD50の値が0.1μm以上変化しないことを確認した。
次に、処理後の粒度分布については、本発明の疎水性エアロゲル粉体が、二次粒子が凝集した凝集体として得られるため、該疎水性エアロゲル粉体をエタノールまたはイソプロピルアルコール(IPA)に加え、日本エマソン株式会社製超音波洗浄機(型番:1510J‐MT)を用いて90Wの超音波を掛けて、超音波分散させ、もとの粒度分布に戻した後、粒度分布の評価を行った。このとき、上記超音波分散により、凝集体が二次粒子まで解砕されてもとの粒度分布に戻るまでに要した時間(以下、超音波分散時間ともいう)は、上記凝集体における二次粒子間の結合の強さに起因しており、小さいほど、樹脂や塗料に添加して混練する際のせん断応力により容易に二次粒子に解砕されることを示しており、解砕性の目安となる。
(嵩密度)
筒井理化学器械株式会社製、タッピング・粉体減少式密充填カサ密度測定器を用い、JIS R−1628に準じて嵩密度の測定を行った。
(疎水化度)
また、疎水化度の測定方法は、疎水性エアロゲル粉体0.2gを、50mLの水が入った容量250mLのビーカーに加え、マグネチックスターラーにより攪拌し、ここに、ビュレットを使用してメタノールを滴下し、試料粉末の全量が溶液中に分散し懸濁したところを終点として滴定した。該終点におけるメタノール−水混合溶媒中のメタノールの容量百分率(%)を疎水化度とした。
<実施例1>
以下の条件でエアロゲルを作製した。
3号ケイ酸ソーダ(JIS K1408)をSiO2濃度が16.5g/100mLになるまで希釈し、このケイ酸ソーダと硫酸(9.5g/100mL)を室温で混合反応させ、シリカゾル(SiO2濃度が8%、pH2)1000mlを製造した。前記シリカゾルに、3号ケイ酸ソーダをSiO2濃度が8%に希釈したものを添加してpH5.8として、ゲル化させ、40℃のウォータバスにて90分熟成した。その後、2mmの網を通して粉砕したゲルを通液カラムに入れ、導電率100μS以下まで通水し、ゲルの洗浄を行った。その後、通液カラムにて、水分濃度0.2wt%以下までエタノールで置換し、更にエタノール濃度0.1wt%以下までトルエンで置換した。
得られたトルエンを分散媒としたゲルを2000mlのガラス容器に入れ、疎水化剤としてDMDCSを60g加え、60℃で6時間撹拌反応させた。反応後、ゲルを吸引濾過により濾別し、常圧、窒素雰囲気下、120℃で12時間乾燥させて粗エアロゲルを得た。上記粗エアロゲル1gを水100mLのビーカーに入れ、数十秒間撹拌した後、静置し、エアロゲル相と水相とに完全に分離することを確認した。
上記粗エアロゲルを、ジェットミル(セイシン企業株式会社製、STJ−100)を用いて、フィード圧とミル圧は共に0.64MPa、1.2m/minの圧縮空気を用い、原体の供給量は24g/min、単位風量当たり20g/mで粉砕した。行った。
得られたエアロゲル(以下、エアロゲルA)は、比表面積が590m2/g、細孔容積が4.1cm/g、細孔半径のピークが25nm、D50が2.7μm、嵩密度が34g/L、D10/D90が0.34、疎水化度が50vol%であった。
このエアロゲルAに、有機溶媒/エアロゲル質量比で12.36の割合のヘプタンに浸潤させた後、ろ過して粗乾燥した後、150度で12時間乾燥させた。
得られたエアロゲルは、比表面積が573m/g、細孔容積が4.1cm/g、細孔半径のピークが25nm、D50が2.7μm、嵩密度が90g/L、D10/D90が0.36、疎水化度が50vol%であった。また該粒度分布が得られるまでの超音波分散時間は、90分であった。
得られたエアロゲルをポリプロピレン(PP)樹脂(真密度0.91g/cm)にエアロゲル濃度が2wt%となるように2軸混練押出機を用いて、混練した。エアロゲルのPP樹脂に対する分散性は良好であった。
<実施例2>
上記エアロゲルAを、有機溶媒をイソプロピルアルコール(IPA)とした他は、実施例1と同様の方法で処理した。
得られたエアロゲルは、比表面積が526m/g、細孔容積が3.9cm/g、細孔半径のピークが27nm、D50が2.7μm、嵩密度が112g/g、D10/D90が0.35、疎水化度が50vol%であった。また該粒度分布が得られるまでの超音波分散時間は、90分であった。
実施例1と同様に樹脂に混練したところ、エアロゲルの樹脂に対する分散性は良好であった。
<実施例3>
実施例1のエアロゲルの作成方法において、疎水剤をMTSに変更した他は実施例1と同様の手順とし、比表面積759m/g、細孔容積4.6cm/g、細孔半径のピークが25nmのエアロゲルを得た。
このエアロゲルを実施例1と同様の方法で粉砕した結果、D50が2.3μm、嵩密度が35g/L、D10/D90が0.39、疎水化度が40vol%のエアロゲル(エアロゲルB)を得た。
エアロゲルBを、有機溶媒/エアロゲル質量比で16のヘプタンに浸潤させた他は実施例1と同様の方法で処理した。
得られたエアロゲルは、比表面積が732m/g、細孔容積が4.3cm/g、細孔半径のピークが25nm、D50が2.4μm、嵩密度が80g/L、D10/D90が0.36、疎水化度が40vol%であった。また該粒度分布が得られるまでの超音波分散時間は、90分であった。
実施例1と同様に樹脂に混練したところ、エアロゲルの樹脂に対する分散性は良好であった。
<実施例4>
エアロゲルBを、実施例3においてヘプタンをIPAに変更した他は同様の方法で処理した。
得られたエアロゲルは、比表面積が738m/g、細孔容積が4.3cm/g、細孔半径のピークが20nm、D50が2.3μm、嵩密度が77g/L、D10/D90が0.37、疎水化度が40であった。また該粒度分布が得られるまでの超音波分散時間は、90分であった。
実施例1と同様の手法で樹脂に混練したところ、エアロゲルの樹脂に対する分散性は良好であった。
<実施例5>
エアロゲルBを、有機溶媒/エアロゲル質量比で30の、疎水化剤を添加したヘプタンに浸潤させた。具体的には、ヘプタン150g、エアロゲル5g、TMCS10gを、70℃で12時間混合し、その後、吸引濾過にて炉別後、200gの水で洗浄し、150℃で12時間乾燥させた。
得られたエアロゲルは、比表面積が646m/g、細孔容積が4.0cm/g、細孔半径のピークが22nm、D50が2.4μm、嵩密度が85g/L、D10/D90が0.38、疎水化度が57vol%であった。また該粒度分布が得られるまでの超音波分散時間は、15分であった。
実施例1と同様の手法で樹脂に混練したところ、エアロゲルの樹脂に対する分散性は良好であった。
<比較例1>
実施例3と同様の方法で粗エアロゲルを得、実施例3と同様に粉砕して、エアロゲル(エアロゲルC)を作製した。
エアロゲルCは、比表面積が666m/g、細孔容積が4.7cm/g、細孔半径のピークが30nm、D50が2.2μm、嵩密度が22g/L、D10/D90が0.38、疎水化度が50であった。
エアロゲルCをろ紙上で−90kPaGで吸引圧密した結果、比表面積が655m2/g、細孔容積が4.8cm/g、細孔半径のピークが27nm、D50が2.2μm、嵩密度が49g/L、D10/D90が0.38のエアロゲルを得た。
実施例1と同様の手法で樹脂に混練したところ、エアロゲルが樹脂に浮いたままで樹脂に分散せず、樹脂に対する分散性は不良であった。
尚、上記エアロゲルを瓶に入れ、数十秒間手動で振動させたところ、嵩密度は25g/Lとなり、容易に嵩高い状態に戻ることが確認された。
以下の表1に処理前のエアロゲルの物性、表2にそれぞれ処理条件と処理後のエアロゲルの物性、粒径測定に際しての超音波分散時間、及び樹脂との混練性を纏めて記した。
Figure 2015229621
Figure 2015229621

Claims (8)

  1. コールターカウンター法によるメジアン径が1〜15μm、BJH法による細孔容積が3mL/g以上、且つ、嵩密度が70〜150g/Lであり、不定形粒子からなることを特徴とする疎水性エアロゲル粉体。
  2. コールターカウンター法による粒度分布において、体積基準累積10%径(D10)が0.7μm以上であって、且つ体積基準累積90%径(D90)が50μm以下であることを特徴とする請求項1記載の疎水性エアロゲル粉体。
  3. BET法による比表面積が400〜1000m/g、BJH法による細孔半径のピークが10〜50nmである請求項1または請求項2記載の疎水性エアロゲル粉体。
  4. 疎水度が10〜70であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の疎水性エアロゲル粉体。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の疎水性エアロゲル粉体よりなる樹脂用充填剤。
  6. 請求項1〜4の何れか一項に記載の疎水性エアロゲル粉体よりなる塗料用充填剤。
  7. 常圧乾燥法により得られた疎水性エアロゲルを乾式粉砕し、得られた疎水性エアロゲル破砕物を、有機溶媒に浸潤させた後、乾燥することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の疎水性エアロゲル粉体の製造方法。
  8. 前記疎水性エアロゲル破砕物を、有機溶媒に浸潤させるに際し、該有機溶媒に表面処理剤を含有させて、該有機溶媒に浸潤させると同時に、前記乾式粉砕により生じた破砕面を疎水化処理することを特徴とする請求項7記載の疎水性エアロゲル粉体の製造方法。
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