JP6247067B2 - シリコーン用充填剤及びシリコーン組成物 - Google Patents

シリコーン用充填剤及びシリコーン組成物 Download PDF

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本発明は、シリコーンに充填した際に、優れた強度と透明性のあるシリコーンを得ることが可能なエアロゲル、及び当該エアロゲルを配合したシリコーン組成物に関する。
シリコーンは、優れた耐熱性、耐寒性、耐候性、電気絶縁性を示す材料であり、家電やOA機器用のパッキン類等や、LED用の封止材料として有用に用いられる。当該シリコーンには、粘度や強度を向上させる目的でシリカが添加されることが一般的に行われている。
上記のシリカとしては、強度を発現する効果に優れているという理由により、ヒュームドシリカが通常用いられる。しかしながら、ヒュームドシリカの充填量を増加すると、シリコーンが本来持っている透明性が損なわれるという問題がある。その問題を回避する手段としては、シリコーンゴムの屈折率をシリカの屈折率に合わせるといった方法がある。(特許文献1)しかしながら、上記手段によれば、室温においては、透明性の良いシリコーンゴムが得られるものの、シリカ、及びシリコーンゴムの屈折率の温度依存性が異なるため、高温領域では不透明になるという問題があった。そのため、LED用の封止材料のように、発熱により温度が変化する場合においては、温度が高くなるにつれて透過率が低下する等シリコーンの透明性において課題が残されていた。
特開平10−120906
従って本発明の目的は、シリコーンの透明性を損なわず、樹脂の強度や粘度を向上可能な、シリコーン充填用エアロゲルを提供することである。さらに、温度変化に対しても透明性を維持できる、透過率の温度依存性が小さいシリコーン充填用エアロゲル及びシリコーン組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、高比表面積を有し、且つ細孔容量が大きいことが特徴である特定のエアロゲルをシリコーン用充填剤として用いることにより、シリコーン特有の透明性を損なうことなく、優れた強度を有するシリコーンが得られることが分かった。本発明者らは、更に検討を進め、エアロゲルの体積基準累積50%径(D50径)を特定の範囲とすることにより、強度、透明性に優れ、且つ透過率の温度依存性が小さいシリコーンが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、エアロゲルからなるシリコーン用充填剤であって、
BET法による比表面積が400〜1000m/gであり、BJH法による細孔容積及び細孔半径のピークが各々4〜7ml/g、10〜50nmであり、レーザー回折式粒度分布により測定された体積基準累積50%径(D50)値が1〜20μmであるエアロゲルからなり、
充填されるシリコーンがシリコーンレジンまたはシリコーンゴム
であることを特徴とするシリコーン用充填剤である。
本発明のエアロゲルは、シリコーンに充填した際に、樹脂強度の向上に優れ、シリコーン特有の透明性を損なうことなく、また、温度変化に関係なく優れた透明性を維持することが可能となるため、シリコーン製の各種製品、例えば、電気機器の保護フィルム、安全ガラスの中間層、コンタクトレンズ等の充填剤として好適に使用できる。本発明のエアロゲルを充填することにより、強度と透明性に優れたシリコーンが得られるため、その産業的な利用価値は非常に大きい。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明のエアロゲルは高い空隙率を有し、分散媒体として気体を伴う固体材料であって、特に空隙率60%以上の固体材料をいう。なお、上記空隙率は、見掛けの体積中に含まれている気体の量を体積百分率で表した値である。
上記エアロゲルを構成する物質は特に限定されないが、金属酸化物であることが好ましく、該金属酸化物は、常温・常圧、大気中で安定な酸化物を構成する金属元素であれば特に限定されず、単独金属酸化物、及び2種以上の金属元素を含む複合酸化物とすることができる。
単独金属酸化物である場合、具体的には、シリカ(二酸化ケイ素)、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア(MgO)、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化錫、酸化タングステン、酸化バナジウム等が挙げられ、なかでも、樹脂組成物の軽量化、即ち嵩密度をより小さくできる点、及び安価で入手しやすい点から、シリカが好ましい。
複合酸化物である場合、具体的には、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−チタニア−ジルコニア等が挙げられ、また複合酸化物とする場合、単独酸化物が水分に対して比較的敏感なアルカリ金属やアルカリ土類金属(周期律第4周期(Ca)以降)を構成金属元素として含むことも可能であるが、シリカを主成分とする複合酸化物であることが好ましい。上記シリカを主成分とする複合酸化物は、当該複合酸化物が含む酸素以外の元素群に占めるケイ素(Si)のモル比率がモル比でシリカを50%以上100%未満であって、好ましくは65%以上であり、より好ましくは75%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。
上記シリカを主成分とする複合酸化物において、ケイ素以外に含有される金属元素として好ましいものとしては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の周期律表第II族金属;アルミニウム、イットリウム、インジウム、ホウ素、ランタン等の周期律表第III族金属(なお、ホウ素は金属元素として扱うものとする。);及び、チタニウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、スズ等の周期律表第IV族金属等を例示でき、これらの中でも、Al、Ti、及びZrを特に好ましく採用できる。シリカを主成分とする複合酸化物は、ケイ素以外に2種以上の金属元素を含有していてもよい。
尚、本発明において、シリカ系エアロゲルとは、上記シリカ、若しくは、シリカを主成分とする複合酸化物からなるエアロゲルをいう。
本発明のエアロゲルは、BET法による比表面積が400〜1000m/g、好ましくは500〜800m/g、更に好ましくは、500〜650m/gである。比表面積は、エアロゲルを構成する1次粒子の粒径に依存しており、大きくなればなるほど一次粒子の粒子径は小さく、例えば、比表面積が600m/gの場合には、1次粒子径は5nm程度となる。
比表面積が大きくなるほどシリコーンに充填した場合に、強度、増粘性が向上し、また透明性が良好になるが、上記範囲を超えて大きくなると、エアロゲルの細孔構造を維持することが難しくなり、細孔が潰れやすくなる。比表面積が上記範囲を超えて小さくなると、当該エアロゲルをシリコーンに充填した場合の樹脂強度、増粘性、透明性が低下する。
上記「BET法による比表面積」は、測定対象のサンプルを1kPa以下の真空下において150℃の温度で2時間以上乾燥させ、その後、液体窒素温度における窒素の吸着側のみの吸着等温線を測定し、該吸着等温線をBET法により解析して求めた値であって、その際の解析に用いる圧力範囲は、相対圧0.1〜0.25の範囲である。
本発明のエアロゲルは、BJH法による細孔容積が、3〜8ml/gであり、好ましくは4〜7ml/g、更に好ましくは4〜6ml/gである。エアロゲル特有の細孔構造は網目状であり、樹脂に充填した際には樹脂が該細孔の隙間に浸透するため、特に樹脂の強度向上に効果を奏することができる。そして、同じ重量のエアロゲルをシリコーンに充填した場合、上記単位重量当たりの細孔容積が大きければ大きいほど、シリコーン内における上記細孔構造の占める体積割合が大きく、即ち分散性に優れ、樹脂強度が向上する。細孔容積が上記範囲を超えて小さくなればなるほど、シリコーン内における上記細孔構造の占める体積割合が小さく、即ち分散性に劣るため樹脂強度を発現する効果が十分に得られない。その場合、充填量を増加し、上記細孔構造の占める体積割合を保つことにより樹脂強度を維持することも可能であるが、充填量を増加することにより透明性が低下するため好ましくない。
また、細孔容積が、上記範囲を超えて大きいエアロゲルを得ることは難しく、得られた場合でも、細孔構造を形成する骨組みの強度が小さくなるため、樹脂混練時にかかる負荷等により細孔が潰れる虞れがある。
上記「BJH法による細孔容積」は、測定対象のサンプルを、1kPa以下の真空下において、150℃の温度で2時間以上乾燥させ、その後液体窒素温度における窒素の吸着剤のみの吸着等温線を取得し、BJH法(Barrett,E.P.;Joyner,L.G.;Halenda,P.P.,J.Am.Chem.Soc.73,373(1951))により解析して得られる細孔半径1nm以上100nm以下の細孔に由来する細孔容積である。
本発明のエアロゲルのBJH法による細孔半径のピークは、10〜50nm、より好ましくは20〜40nmの範囲にある。上記BJH法による細孔半径のピークは、上記細孔容積と同様に吸着等温線をBJH法により解析して得られたものであり、細孔半径の対数による累積細孔容積の微分を縦軸にとり細孔半径を横軸にとってプロットした細孔分布曲線(体積分布曲線)が最大のピークをとる細孔半径である。
上記BJH法による細孔容積、及び細孔半径のピークが上記範囲である本発明のエアロゲルは、細孔構造を形成する骨組みが強固となり、混練時、成形時にかかる負荷に対して細孔構造を十分に保つことが可能となる。
上述の物性を有する本発明のエアロゲルが充填されたシリコーンは透明性に優れ、具体的には、高透過率で、且つ高いヘイズ値を有し、そして驚くべきことに、透過率の温度依存性が小さい。本発明のエアロゲルを充填したシリコーンが、高透過率を有する機構の詳細は明らかではないが、エアロゲルの細孔の隙間にシリコーンが浸透するため、シリコーンに入射した可視光を屈折・散乱する物質は、エアロゲルの細孔構造を構成する一次粒子となる。当該エアロゲルの一次粒子径は、数nm程度であり、一般的な可視光の波長(380nm〜750nm程度)と比較すると、数十分の1から数100分の1と小さいため、優れた透明性が得られたのではないかと推察する。尚、ヒュームドシリカの一次粒子径は、小さいもので10nm程度である。火炎加水分解によって製造されるヒュームドシリカにおいて、一次粒子径が数nmのものを製造することは困難である。
更に本発明のエアロゲルのレーザー回折式粒度分布により測定された体積基準累積50%径(以下、D50ともいう)は、1〜20μmの範囲にある。D50が上記範囲にあることにより、当該エアロゲルを添加したシリコーンは、強度が高く、透明性が良いものとなる。
そして、本発明者等は、エアロゲルにおいて上記D50が大きいほど透過した光のうち拡散した光の割合を示すヘイズ値が大きくなることを見出した。即ち、粉砕等により、D50を上記範囲内において変化させることによって、ヘイズ値を変化させることが可能となる。D50が、上記範囲を超えて大きくなるとシリコーンに充填する際に分散性が低下し、樹脂強度が低下する。上記範囲を超えて小さくなると、混練時の粉末の飛散等、取り扱いが困難となる。
本発明のエアロゲルは、シリコーンに充填した際に、強度と透明性に優れるため、シリコーン製の各種製品、例えば、電気機器の保護フィルム、安全ガラスの中間層、コンタクトレンズ等の充填剤として好適に使用できる。また、高透過率で、且つ高いヘイズ値を有し、更に透過率の温度依存性が小さいため、光を透過させると共に、拡散させたいという場合に、極めて有効に用いることができ、温度が変化する環境にも耐えうる。例えば、LED等の照明用途、照明用光拡散板等に好適に使用できる。
本発明のエアロゲルにおいて、レーザー回折式粒度分布により測定された体積基準累積10%径(以下、D10ともいう)と体積基準累積90%径(以下、D90ともいう)との比(D10/D90)が0.3以上であることが好ましい。上記(D10/D90)が大きいほど、粒度分布がシャープであり、粗大粒子を多く含まないため、樹脂への分散性が向上する。また、前記ヘイズ値は、エアロゲルの粒子径と相関関係があるため、粒度分布がシャープであると、所望のヘイズ値に近づけたい場合に好適に使用できる。
また、本発明のエアロゲルは、疎水化剤により表面処理されていることが好ましい。上記表面処理されたエアロゲルをシリコーンに充填した場合、エアロゲルの樹脂への分散性が向上し、また充填剤表面における樹脂との馴染みが良好となり、細孔構造の隙間の細部まで樹脂が浸透しやすくなるため、強度および透明性のより高いものが得られる。
上記疎水化剤としては公知のものが特に制限なく使用でき、一般式RSiX4−n(Rは、炭化水素基、Xは、アルコキシ基、ハロゲン、nは1〜3の整数)で示される構造のものや、一般式RSiNHSiRで示されるシラザン類が挙げられる。なかでも、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン(以下、DMDCS)、モノメチルトリクロロシラン(以下、MTS)、ヘキサメチルジシラザン等が好適に使用できる。
上述の物性を有する本発明のエアロゲルの製法は、特に限定されず、公知の方法により行うことが可能である。本発明者等の検討によれば、以下の方法により製造できる。
すなわち、本発明のシリコーン充填用のエアロゲルは、金属酸化物ゾルの作製、該ゾルをゲル化、熟成、洗浄、溶媒置換、疎水化処理、乾燥という工程を順番に行う常圧乾燥法により製造することができる。
以下では、金属酸化物がシリカ(SiO)である場合を例に挙げて、より詳しく説明する。
上記各工程のうち、シリカ(金属酸化物)ゾルの作製工程は、公知の方法を適宜選択して実施すればよい。該シリカゾル作製の原料としては、金属アルコキシド、ケイ酸アルカリ金属塩等を使用することができる。本発明のシリコーン充填用エアロゲルの原料として使用可能な金属アルコキシドを具体的に例示すると、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。また、ケイ酸アルカリ金属塩としては、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム等が挙げられ、化学式は、以下の式1で示される。
m(MO)・n(SiO) (式1)
(式中のm、nは正の整数を表し、Mはアルカリ金属原子を示す。)
上記のシリカゾル作製の原料のなかでも、安価な点でケイ酸アルカリ金属塩を好適に用いることができ、更には入手が容易であるケイ酸ナトリウムが好適である。
本発明のシリコーン充填剤に使用するエアロゲルのシリカゾル作製原料として、ケイ酸アルカリ金属塩を用いる場合には、塩酸、硫酸等の鉱酸により中和する方法か、あるいは対イオンがHとされている陽イオン交換樹脂(以下、「酸型陽イオン交換樹脂」)を用いる方法により、シリカゾルを作製することができる。
前述の酸により中和することによりシリカゾルを作製する方法としては、酸の溶液に対して、撹拌しながらケイ酸アルカリ金属塩の溶液を添加する方法や、配管内で衝突混合させる方法が挙げられる。用いる酸の量は、ケイ酸アルカリ金属塩のアルカリ分に対するモル比としては、1.05〜1.2とすることが好ましい。酸の量をこの範囲にした場合には、作製したシリカゾルのpHは、1〜3程度になる。
また、上記の酸型陽イオン交換樹脂を用いてシリカゾルを作製する方法は、公知の方法により行うことができ、酸型陽イオン交換樹脂を充填した充填層に適切な濃度のケイ酸アルカリ金属塩の溶液を通過させるか、あるいは、ケイ酸アルカリ金属塩の溶液に、酸型陽イオン交換樹脂を添加、混合し、アルカリ金属を除去した後に濾別するなどして酸型陽イオン交換樹脂を分離することにより行うことができる。その際に、用いる酸型陽イオン交換樹脂の量は、溶液に含まれるアルカリ金属を交換可能な量以上を用いる必要がある。
上記の酸型陽イオン交換樹脂としては、市販のものを使用することができる。例えば、スチレン系、アクリル系、メタクリル系等で、イオン交換性基としてはスルフォン酸基やカルボニル基が置換されたものを用いることができる。このうち、スルフォン酸基を有する、いわゆる強酸型の陽イオン交換樹脂を好適に用いることができる。
なお上記の酸型陽イオン交換樹脂は、アルカリ金属の交換に使用した後に、硫酸や塩酸を通過させることで、再生処理を行うことができる。再生に用いる酸の量は、通常は、イオン交換樹脂の交換容量に対して2〜10倍の量が用いられる。
上記の方法により作製したシリカゾルの濃度としては、シリカ分の濃度として、50〜150g/L程度とすることが好ましい。50g/L以上とすることによりゲル化の時間を適度に短くして効率的に製造できると共に、シリカゾル中のシリカ分が多いために、エアロゲルの骨格構造の形成が十分となり易く、乾燥時に収縮を起こし難いため細孔容積が大きくなる傾向にある。更に、密閉容器等に充填した際や、撹拌・混合した際の外圧によって、細孔が潰れてしまう可能性が低く、強固な凝集構造が得られ、良好なシリコーン充填剤としての性能が発揮できるようになる。
また150g/L以下とすることにより、エアロゲルの密度が小さくなり、単位質量当たりに含まれるシリカ粒子数が増大するため、少量の添加でも強度の高いシリコーンを得ることが可能になる。
本発明のエアロゲルを製造するには、上記のゾルの作製に引き続き、シリカゾルに対してアンモニア水(例えば5%程度)、苛性ソーダ、アルカリ金属塩等を加え、pHを3〜6に調整しゾルをゲル化させる。ゲルが適切な粒度(例えば150μm〜4mm程度)となるようにゲルをつぶしながら適切な目開きの篩を通して、粉砕し適切な粒度の水系ゲルスラリーとする。pHが3より低いとゲル化するのに時間を要し効率が悪く、またpHが6を超える場合、直ちにゲル化し、均一なゲルが形成しにくくなる。さらには、一次粒子の合一もしくは成長し一次粒子径が大きくなり、比表面積が小さくなる傾向があり微細な凝集構造が形成しにくく、細孔容積が低くなり目的のエアロゲルが出来ない傾向がある。
上記のゲル化にかかる時間は、温度やシリカゾルの濃度にもよるが、pH5.0、50℃、シリカゾル中のシリカ濃度が80g/Lの場合には、数分後にゲル化が起こる。
本発明のエアロゲルを製造するに際しては、上記のゲル化に引き続き、シリカ濃度50〜80g/Lと低い場合又はゲル化のpHが3〜4と低い場合には、ゲル化体のシリカ骨格構造強度を強固にするため、熟成を行うことが好ましい。この熟成時のpH、温度、時間によりエアロゲルの比表面積が変化する。pHが高いほど、温度が高いほど、時間が長いほど、比表面積は低下するが、エアロゲルの骨格構造が強くなるため、乾燥収縮を抑制し、細孔容積を高める効果がある、さらにはシリコーン充填剤として使用する際には細孔がつぶれないまま保持できることから、物性バランスを調整し条件を決めることが好ましい。
上記の熟成温度の範囲としては、好ましくは30〜80℃である。熟成温度がこの範囲を外れて高い場合には、温度を上昇させるために必要な熱量が多大となり、熟成温度がこの範囲を外れて低い場合には、熟成の効果を得るのに必要な時間が長くなる。また、上記の熟成時間の範囲としては、ゲル化させるpHが3〜4の場合、5〜24時間程度が好ましい。また、ゲル化させるpHが4〜6に場合は、ゲル化直後0〜24時間程度が好ましい。この熟成時間が24時間を超えると、熟成中にシリカ一次粒子の合一もしくは成長し一次粒子径が大きくなり、比表面積が低下し、微細の凝集構造が形成しにくくなり細孔容積が低くなる傾向がある。
なお洗浄操作は、水系ゲルスラリーを水により洗浄することで、ゲル中に含まれる塩を取り除く操作である。従って、酸型陽イオン交換樹脂を用いてゾルを作製した場合には、この洗浄操作は必要ない。シリコーン充填剤に使用するエアロゲルを製造するには、この洗浄は、洗浄液の伝導度が100μS/cm以下になるまで行うことが好ましい。当該洗浄操作は、公知の方法により行うことができる。例えば、ゲルに対して一定量の水を加え一定時間おいたのちに洗浄水を抜くことを繰り返す方法や、カラムに入れたゲルに対して水を一定量通過させる方法等が挙げられる。カラムにより洗浄を行う場合には、効率を上げる目的で、0.2〜1.0MPa程度の加圧下で行うことができる。
本発明のエアロゲルを製造するためには、溶媒置換が行われる。この溶媒置換は上記方法で得たゲルを乾燥するに際し、乾燥収縮を起こさないよう、ゲルの作製に用いた水を、表面張力の小さな溶媒に置き換えるものである。直接水を表面張力の小さな溶媒に置き換えることは困難なため、通常はこの溶媒置換は、2段階で行われる。1段目に用いる溶媒の選定基準としては、水、及び2段目の溶媒置換に用いられる溶媒に対して混和性が良いことが挙げられる。
1段目の溶媒置換には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン等の水と任意の割合で混合可能な、所謂、親水性有機溶媒を用いることができ、好適には、メタノール又はエタノールを用いることができる。また、2段目に用いる溶媒の選定基準としては、引き続き行われる疎水化処理に用いられる処理剤と反応しないこと、乾燥収縮を起こさないために表面張力が小さいことが挙げられる。2段目に用いる溶媒としては、ヘキサン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、ヘプタン等を用いることができ、好適にはヘキサンを用いることができる。むろん必要に応じて、上記1段目の溶媒置換と2段目の溶媒置換との間に、さらなる溶媒置換を行っても構わない。
上記の1段目の溶媒置換は、公知の方法により行うことができる。例えば、ゲルに対して一定量溶媒を加え一定時間置いた後に溶媒を抜くことを繰り返す方法や、カラムに入れたゲルに対して溶媒を一定量通過させる方法等が挙げられる。置換に用いる溶媒を節約する上では、カラムを用いた方法が好ましい。また、カラムにより置換を行う場合には、効率を上げる目的で、0.2〜1MPa程度の加圧下で行うことができる。
上記の溶媒置換に用いられる溶媒の量としては、ゲル中の水分を十分に置換できる量とすることが好ましい。置換後のゲル中の含水率としては、シリカ分に対して10%以下とすることが好ましい。上記のカラムにより方法を採用する場合には、ゲルの容量に対して5〜10倍の量の溶媒を用いることができる。
上記2段目の溶媒置換についても、1段目の溶媒置換と同様の方法で行うことができ、1段目に用いた溶媒を十分置換できる量で行うことができる。カラムによる方法を採用する場合には、ゲルの容量に対して5〜10倍量の溶媒を用いることができる。
なお、上記の置換のために用いた溶媒は、回収し、蒸留塔の精製を行った後に、繰り返し使用することが、溶媒にかかる費用を節約する上で好ましい。
本発明のシリコーン充填剤用エアロゲルは、上記の溶媒置換の後に、疎水化処理を行うことができる。疎水化処理に用いる処理剤としては、一般式RSiX4−n(Rは、炭化水素基、Xは、アルコキシ基、ハロゲン、nは1〜3の整数)で示される構造のものや、一般式RSiNHSiRで示されるシラザン類が好適に用いられる。好ましくは、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン(以下、DMDCS)、モノメチルトリクロロシラン(以下、MTS)、ヘキサメチルジシラザンである。
上記の疎水化処理の際に使用する処理剤の量としては、処理剤の種類にもよるが、例えばDMDCSを処理剤として用いる場合には、シリカ100質量部に対して50〜150質量部である。DMDCS処理剤の量が50質量部より少ないと、後工程の溶媒乾燥の際に乾燥収縮が起こり、目的の細孔容積が得られなかったり、目的の細孔容積が得られたエアロゲルであっても粒子同士の反撥(スプリングバック効果)が少なくなり、外力が加わった時に細孔の潰れを生じる。より好ましくは80〜130質量部である。
上記の疎水化処理の条件は、前記溶媒置換処理後のゲルを含む液に対して、一定量の溶媒を追加した後に疎水化処理剤を加え、一定時間反応させることにより行うことができる。疎水化処理剤としてDMDCSを用い、処理温度を50℃とした場合には、12時間程度以上保持することで行うことができる。
本発明のエアロゲルを得るためには、上記溶媒置換、若しくは疎水化処理の後に、濾別し、未反応の処理剤を溶媒で洗浄した後に、乾燥する。乾燥する際の温度は、溶媒の沸点以上で、表面処理剤の分解温度以下であることが好ましく、圧力は常圧、あるいは減圧下で行うことが好ましい。
本発明におけるエアロゲルは、上記のようにして得た塊粒状の乾燥エアロゲルを公知の方法で粉砕することにより得ることができる。
ただし、粒度分布がシャープなエアロゲルは、湿式粉砕では得られにくい為、乾式粉砕を行うことが好ましい。これらの原因機構は明らかでないが、湿式粉砕では粒子ひとつひとつに加わる粉砕エネルギーが大きすぎたり、粒子に均一にエネルギーが掛けづらい為、平均粒径を大幅に下回る小さな粒子の割合が増えたり、逆に、粉砕されずに残った粒径の大きな粗粒の割合が増えたり、または、その両方の現象が起こったりして、粒度分布のシャープなエアロゲルは得られにくいと考えられる。その為、本発明のエアロゲルを得るためには、乾式粉砕を行うことが好ましい。
そして、望ましくは乾式粉砕でも、ボールミルなど比較的長時間強い力を加え続ける方法よりもジェットミルなどの比較的短時間強い力を加える方法が、シャープな粒度分布を得るという点、エアロゲルの微細構造を破壊し難く、よって比表面積や細孔容積を減少させにくいという点で好ましい。
更には、目的の粒度分布を有するエアロゲルを得るためにジェットミルを用いて粉砕する際は、該ジェットミルでの粉砕条件として、圧縮空気またはNなどの不活性ガスにおける粉体濃度を10g/m以上220g/m以下、好ましくは15g/m以上190g/m以下、より好ましくは15g/m以上30g/m以下にすることが好ましい。該粉体濃度にすることによって、ジェットミルの粉砕室内における粉体濃度が高まり、粉砕能力が向上するが、粉体濃度を上げ過ぎても個々の粒子に加わる粉砕力が分散するため、該粉体濃度が好ましい。
更には、該供給量が得られにくい場合は一度粉砕したものを再度数回粉砕することによって、目的の粒度分布を有するエアロゲルを得られる。
なお前述のとおり、エアロゲルのネットワーク構造の強さは、ゲル熟成時のpHが高いほど、熟成時間が長いほど、熟成温度が高いほど強くなるため、粉砕され難くなる傾向にある。よって本発明のエアロゲルを得るためには、粉砕圧/風量を高くしたり、複数回の粉砕に供したりする必要性が高い傾向がある。
このような粉砕により、好ましくはD50が1〜20μmとなるまで粉砕を行えばよい。
なお無論、上述した製法は一例であり、本発明のエアロゲルが上記製造方法により得られたものに限定されるものではなく、他の公知の粉砕、解砕、分級等を適宜選択して実施し製造してもよい。
本発明のシリコーン組成物において、上述の物性を有する本発明のエアロゲルの配合量は、シリコーン100重量部に対し10〜150重量部であり、30〜100重量部であることが好ましい。エアロゲルの配合量が上記範囲よりも小さい場合、シリコーンの強度が得られにくく、上記範囲を超えて大きいとシリコーンに分散させることが困難である。
上記シリコーンは、ケイ素と酸素からなるシロキサン結合(−Si−O−)を主骨格とするオリゴマー及びポリマーであり、オルガノポリシロキサンにより構成される。その種類は特に限定されず、変性シリコーンも含む。例えば、分岐状や直鎖状の物が挙げられ、当該オルガノポリシロキサンの側鎖や末端が、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシルキ等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ポリエーテル基及びエポキシ基、あるいはこれらの基の水素原子の一部、又は全部をハロゲン原子又はシアノ基等で置換したものが挙げられる。
上記シリコーンの形状は、レジンおよびゴムに使用できる。レジン、ゴムに上記充填剤を充填して得られるシリコーンレジン、シリコーンゴムは、シリコーン特有の透明性を損なうことなく、強度に優れるため、シリコーン製の各種製品、例えば、電気機器の保護フィルム、安全ガラスの中間層、コンタクトレンズ、LED等の照明用途、照明用光拡散板等に好適に使用でき、本発明の効果を発揮することができる。

シリコーンに対するエアロゲルの配合量が上記範囲よりも小さい場合、シリコーンの強度が得られにくく、上記範囲を超えて大きいとシリコーンに分散させることが困難である。
本発明のシリコーン組成物において、エアロゲルの分散性を高めるため、公知の分散剤を配合することができる。分散剤の種類、配合量は特に制限されないが、たとえば、低分子量のαωヒドロキシポリシリキサンやヘキサメチルジシロキサン等の分散剤をシリコーン100重量部に対して、3〜30重量部程度配合してやればよい。
本発明のエアロゲルのシリコーンへの充填方法は特に限定されず、公知の方法、例えば、2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等により行うことができる。
さらに、本発明のエアロゲルを充填したシリコーン組成物に、有機過酸化物等の加硫剤や白金やパラジウム系の硬化触媒を添加し、所望の形に成形後、熱硬化や付加重合によって硬化させることができる。
尚、本発明のシリコーンの充填剤として、上記エアロゲルを充填していればよいのであって、その他の公知の金属酸化物等充填剤と併用することもできる。
以下、本発明を具体的に説明するため、実施例を示す。ただし本発明はこれらの実施例のみに制限されるものではない。
<エアロゲルの物性評価方法>
(レーザー回折による粒度分布の測定)
40mlのイソプロピルアルコールに対して当該球状金属酸化物を0.1g添加し、シャープマニュファクチュアリング株式会社製のUT−105Sを用いて、出力100wで6分間分散させた。その分散液の粒度分布を日揮装置株式会社社製 Microtrac MT3000を用いて測定を行った。溶媒の屈折率は1.38とし、粒子の屈折率は1.46とした。得られた粒度分布から、体積分布に対するD10、D50、D90を評価した。
(その他のエアロゲル物性値の測定)
BET比表面積、BJH細孔容積、及び細孔半径のピークの測定は、前述の定義に従って日本ベル株式会社製BELSORP−miniにより行った。
<シリコーンの物性評価方法>
(1)シリコーンゴムコンパウンド作成(ニーダー混練法)
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(MPM)製シリコーン生ゴムGS−610 50重量部、GS−620 50重量部に対して測定対象となるエアロゲル、又はヒュームドシリカを40重量部、分散剤(MPM製 XC96−723 粘度30mPa・s)8重量部を、加圧ニーダー(モリヤマ製 DS0.5−3MHB-E)を用いて加圧せずに50℃で30分間粉体混練し、その後加圧下で185℃まで昇温しながら混練した。その後加圧せずに解放したまま185℃で30分混練を行なってシリコーンゴムコンパウンドを作成した。
得られたシリコーンゴムコンパウンドを24時間放置後、4インチ2本ロールを用いてシリコーンゴムコンパウンド100重量部に対して、加硫剤(MPM製 TC−8)0.5重量部を添加して均一になるまで混練した。加硫は、一次加硫(180℃・15分)、二次加硫(200℃・4時間)行い、厚み2mmと12mmのシリコーンゴムシートとした。このシートを用い、ゴムの補強性、透明性、及び比重の評価を行った。
補強性の評価
引張強度、伸び:JIS K6251に準じて測定した。
引裂強度:JIS K6252に準じて測定した。
透明性の評価
厚み12mmのシリコーンゴムシートについて評価した。
ヘイズ、全光透過率:JIS K7136(ISO14782)、JIS K7361−1(ISO13468−1)に準じて測定した。
比重の評価
アルファーミラージュ製 SD−200Lを用いてアルキメデス法により測定した。
シリコーン粘度の評価
シリコーンオイル(東レダウコーニング製 SH200 1000cs)100重量部に対して、測定対象となるエアロゲル、ヒュームドシリカ5.5重量部添加し、ホモミキサー(プライミックス社製、T.K.HOMOMIKER MARK2)を用いて、10000rpmの条件で2分間混合した後に、BH型粘度計(ローターNO6)にて、60rpmの条件にて粘度を測定した。また6rpmの条件でも粘度を測定し、チキソトロピーインデックス(TI)を60rpmの粘度を6rpmの粘度で除することにより求めた。詳細な測定条件は、JIS K5400に準じて行った。
<実施例1>
以下の条件でエアロゲルを作製した。
3号ケイ酸ソーダ(JIS K1408)をSiO濃度が16.5g/100mLになるまで希釈し、このケイ酸ソーダと硫酸(9.5g/100mL)を室温で混合反応させ、シリカゾル(SiO濃度が8%、pH2)1000mlを製造した。前記シリカゾルに、3号ケイ酸ソーダをSiO濃度が8%に希釈したものを添加してpH6.0として、ゲル化させ、40℃のウォータバスにて24時間熟成した。その後、2mmの網を通して粉砕したゲルを通液カラムに入れ、導電率100μS以下まで通水し、ゲルの洗浄を行った。その後、通液カラムにて、水分濃度0.2wt%以下までエタノールで置換し、更にエタノール濃度0.1wt%以下までトルエンで置換した。
得られたトルエンを分散媒としたゲルを2000mlのガラス容器に入れ、DMDCSを60g加え、60℃で6時間撹拌反応させた。反応後、ゲルを吸引濾過により濾別し、常圧、窒素雰囲気下、120℃で12時間乾燥させて粗エアロゲルを得た。
こうして得られた粗エアロゲルの疎水性は、該エアロゲル1gを水100mLのビーカーに入れ、数十秒間撹拌した後、静置し、エアロゲル相と水相とに完全に分離することで確認した。
上記粗エアロゲルをジェットミル(セイシン企業株式会社製、STJ−100)で粉砕し、目的のエアロゲルを得た。このときのフィード圧とミル圧は共に0.1MPa、0.2m/minの圧縮空気を用い、原体の供給量は35g/min、単位風量当たり187g/mで行った。得られたエアロゲルは、比表面積が590m/g、細孔容積が4.1ml/g、細孔半径のピークが25nm、D50が7.6μm、D10/D90が0.13であった。当該エアロゲルを充填したシリコーンの物性値を表1に示す。
<実施例2>
実施例1で得られたエアロゲルをジェットミルで再度粉砕し、更にD50が小さいエアロゲルを得た。この再粉砕した際の条件は、フィード圧とミル圧は共に0.5MPa、0.9m/minの圧縮空気を用い、原体の供給量は24g/min、単位風量当たり26g/mで行った。得られたエアロゲルは、比表面積が590m/g、細孔容積が4.1ml/g、細孔半径のピークが25nm、D50が2.7μm、D10/D90が0.34であった。当該エアロゲルを充填したシリコーンの物性値を表1に示す。
<比較例1>
ヒュームドシリカとしてQS−30(株式会社トクヤマ製、親水性レオロシール、比表面積300m/g)を充填したシリコーンの物性を評価した。その結果を表1に示す。
<比較例2>
ヒュームドシリカとして疎水性のHM−30S(株式会社トクヤマ製、レオロシール、表面処理前の比表面積300m/g)を分散剤未添加で充填したシリコーンの物性を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0006247067

Claims (5)

  1. エアロゲルからなるシリコーン用充填剤であって、
    BET法による比表面積が400〜1000m/gであり、BJH法による細孔容積及び細孔半径のピークが各々4〜7ml/g、10〜50nmであり、レーザー回折式粒度分布により測定された体積基準累積50%径(D50)値が1〜20μmであるエアロゲルからなり、
    充填されるシリコーンがシリコーンレジンまたはシリコーンゴム
    であることを特徴とするシリコーン用充填剤。
  2. 上記エアロゲルが、シリカ系エアロゲルであることを特徴とする、請求項1に記載のシリコーン用充填剤。
  3. 上記エアロゲルの、レーザー回折式粒度分布により測定された体積基準累積10%径(D10)と体積基準累積90%径(D90)との比(D10/D90)が0.3以上であることを特徴とする、請求項1又は2記載のシリコーン用充填剤。
  4. 上記エアロゲルが、疎水化剤により疎水化処理されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリコーン用充填剤。
  5. 請求項1〜4に記載のエアロゲルを、シリコーン100重量部に対し10〜150重量部配合したことを特徴とするシリコーン組成物。
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