JP2005296940A - 変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合ゾル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属スズと有機酸と過酸化水素との反応により得られた酸化第二スズのコロイド粒子と、酸化ジルコニウムのコロイド粒子とが結合した酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子を核として、その表面が酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子で被覆された変性酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子からなる安定なゾル。
【選択図】なし
Description
本発明のゾルは、プラスチックレンズの表面に施されるハードコート剤の成分として、その他種々の用途に用いられる。
近年多用されるようになってきたプラスチックレンズの表面を改良するために、この表面に適用されるハードコート剤の成分として、高い屈折率を有する金属酸化物のゾルが用いられている。
Al、Ti、Zr、Sn、Sb等の金属酸化物の1〜300nm粒子を含有させたハードコート剤が記載されている。(例えば、特許文献1を参照)
酸化タングステン単独の安定なゾルは未だ知られていないが、珪酸塩の添加によって得られるWO3:SiO2:M2O(但し、Mはアルカリ金属原子又はアンモニウム基を表わ
す。)モル比が4〜15:2〜5:1であるゾルが提案されている。(例えば、特許文献2を参照)
Si:Snのモル比が2〜1000:1であるケイ酸−スズ酸複合ゾルが提案されている。(例えば、特許文献3を参照)
4〜50nmの粒子径を有する原子価3、4又は5の金属酸化物のコロイド粒子を核としてその表面がWO3/SnO2重量比0.5〜100であって粒子径2〜7nmである酸化タングステン−酸化第二スズ複合体のコロイド粒子で被覆されることによって形成された粒子径4.5〜60nmの変性金属酸化物コロイドからなり、そしてこれら全金属酸化物を2〜50重量%含む安定なゾルが提案されている。(例えば、特許文献4を参照)
ZrO2/SnO2として0.02〜1.0の重量比と4〜50nmの粒子径を有するSnO2−ZrO2複合体コロイド粒子を核として、その表面を、0.5〜100のWO3/
SnO2重量比と2〜7nmの粒子径を有するWO3−SnO2複合コロイド粒子で被覆し
た構造の粒子からなる変性されたSnO2−ZrO2複合体の安定なゾルが提案されている。(例えば、特許文献5を参照)
また、酸化第二スズのコロイド粒子と酸化ジルコニウムのコロイド粒子とがこれらの酸化物の重量に基づいてZrO2/SnO2として0.02〜1.0の比率に結合した構造と4〜50nmの粒子径を有する酸化第二スズ−酸化ジルコニウムの複合体コロイド粒子を核としてその表面が、0.1〜100のWO3/SnO2重量比と、0.1〜100のSiO2/SnO2重量比と2〜7nmの粒子径を有する酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子で被覆されることによって形成された粒子径4.5〜60nmの変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子からなり、そしてこれら全金属酸化物を2〜50重量%含む安定なゾルが開示されている。(例えば、特許文献6を参照)
特公昭50−40119号公報に記載のケイ酸−スズ酸複合ゾルは、ケイ酸アルカリとスズ酸アルカリの混合水溶液を脱陽イオン処理することにより得られているが、上記同様、やはりハードコート剤の成分として用いる場合には、塗膜の屈折率を向上させる効果は小さい。
特開昭54−52686号公報に記載の酸化タングステンのゾルは、タングステン酸塩の水溶液を脱陽イオン処理することにより得られるタングステン酸の水溶液に、珪酸塩を加えることにより得られているが、強酸性においてのみ安定であり、また、ハードコート剤の成分として用いる場合には、塗膜の屈折率を向上させる効果は小さい。
特開平3−217230に記載の変性金属酸化物ゾルは屈折率が1.7以上で、安定であり、プラスチックレンズ用のハードコート剤の成分として用いることができ、要求されるハードコート膜の性能、例えば耐擦傷性、透明性、密着性、耐水性、耐候性などの性能をほぼ満足する事ができる。しかし、上記同様にレンズのプラスチック基材の屈折率が1.7以上のときには、もはや硬化被膜の屈折率が充分に向上しない。
特開平6−24746に記載の変性酸化第二スズ−酸化ジルコニウムゾルは屈折率が1.7以上で、安定であり、プラスチックレンズ用のハードコート剤の成分として用いることができ、要求されるハードコート膜の性能、例えば耐擦傷性、透明性、密着性などの性能をほぼ満足する事ができる。しかし、レンズのプラスチック基材の屈折率が1.7以上のときには、被膜物性の更なる向上が望まれる。
特開2000−281344に記載の変性酸化第二スズ−酸化ジルコニウムゾルは屈折率が1.7以上で安定であり、プラスチックレンズ用のハードコート剤の成分として用いることができ、従来の金属酸化物ゾルを用いたときに見られる紫外線による黄変や耐水性、耐湿性および耐候性能の問題を克服、その他のハードコート膜の性能、例えば耐擦傷性、透明性、密着性などの性能をもほぼ満足する事ができる。しかし、レンズのプラスチック基材の屈折率が1.7以上のときには、被膜物性の更なる向上が望まれる。
本発明の変性された金属酸化物ゾルはハードコート剤成分として用いたときに、従来の金属酸化物ゾルを用いたときに見られる紫外線照射による黄変や、耐水性、耐湿性の問題を克服し、耐水性、耐湿性及び耐候性能の良好な高い屈折率を有する変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子の安定なゾルを提供し、プラスチックレンズ表面に施されるハードコート膜の性能向上成分として、そのハードコート用塗料に混合して用いることができる金属酸化物ゾルを提供することにある。
O2重量比と2〜7nmの粒子径を有する酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素
複合体のコロイド粒子で被覆されることによって形成された粒子径4.5〜60nmの変
性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子からなり、そしてこれら全金属酸化物を2〜60重量%含む安定なゾル、
第2観点として、有機酸が、シュウ酸又はシュウ酸を主成分として含む有機酸である第1観点に記載のゾル、
第3観点として、下記(a)工程、(b)工程、(c)工程、(d)工程、(e)工程及び(f)工程:
(a)工程:有機酸水溶液に過酸化水素水と金属スズをH2O2/Snモル比が2〜4の範囲を保ち、酸化スズの濃度が40重量%以下になるように反応させ、粒子径が4〜50nmの酸化第二スズのコロイドを生成する工程
(b)工程:(a)工程で得た4〜50nmの粒子径を有する酸化第二スズのコロイド粒子をその酸化物SnO2として0.5〜50重量%の濃度に含有する酸化第二スズ水性ゾ
ルと、ZrO2として0.5〜50重量%の濃度のオキシジルコニウム塩の水溶液とを、
これらに基づくZrO2/SnO2として0.02〜1.0の重量比に混合する工程、
(c)工程:(b)工程によって得られた混合液を60〜200℃で、0.1〜50時間加熱することにより、4〜50nmの粒子径を有する酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾルを生成させる工程、
(d)工程:タングステン酸塩、スズ酸塩及び珪酸塩をWO3/SnO2重量比として0.1〜100、SiO2/SnO2重量比として0.1〜100の比率に含有する水溶液を調製し、その水溶液中に存在する陽イオンを除去して得られる酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾルを生成させる工程、
(e)工程:(c)工程で得られた酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾルを、それに含まれるZrO2とSnO2の合計として100重量部と、(d)工程で得られた2〜7nmの粒子径と0.1〜100のWO3/SnO2重量比と0.1〜100のSiO2
/SnO2重量比を有する酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾルを、
これに含まれるWO3とSnO2とSiO2の合計として2〜100重量部の比率に0〜1
00℃で混合する工程、及び
(f)工程:(e)工程で得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾルを陰イオン交換体と接触させることにより、当該ゾル中に存在する陰イオンを除去する工程、を含む第1観点又は第2観点に記載の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子の安定なゾルの製造方法、及び
第4観点として、有機酸水溶液が、シュウ酸水溶液又はシュウ酸を主成分として含む有機酸水溶液である第3観点に記載のゾルの製造方法である。
従来の方法で得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウムの複合体コロイド粒子のゾルは、ゾル中の粒子の形状が紡錘状であり、高濃度で安定に存在することが困難であったのに対して、本発明の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウムの複合体コロイド粒子のゾルは球状の粒子形状を有し、高濃度でも安定に存在することが可能である。
例えば、従来の方法で得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウムの複合体コロイド粒子のゾルは、粒子濃度が47.0重量%として、100ccのメスシリンダーにB型粘度計のNo.1のローターで60rpmの回転速度で粘度を測定した場合に、15c.p.(15mPa・s)である。
一方、本発明の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウムの複合体コロイド粒子のゾルは、粒子濃度が47.4重量%として、100ccのメスシリンダー中でB型粘度計のNo.1のローターで60rpmの回転速度で粘度を測定した場合に、5.5c.p.(5.5mPa・s)である。
この様に従来品に比べ高濃度で好適なコーティング剤として使用できるため、塗膜中に粒子が多く存在し、耐水性、耐湿性、耐光性、帯電防止性、耐熱性、耐摩耗性等も良好である。
また、本発明の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウムの複合体コロイド粒子のゾルは特に塗膜とした場合の膜硬度が従来のものに比べ格段に向上している。これは従来の紡錘状の粒子形状とは異なり、球状の粒子形状を有しているため、塗膜中での粒子のパッキング性が向上したためと推測される。
このゾルは、pHほぼ1〜10において安定であり、工業製品として供給されるに充分な安定性も与えることができる。
このゾルは、そのコロイド粒子が負に帯電しているから、他の負帯電のコロイド粒子からなるゾルなどとの混和性が良好であり、例えばシリカゾル、五酸化アンチモンゾル、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤、ポリビニルアルコール等の水溶液、アニオン性又はノニオン性の樹脂エマルジョン、水ガラス、リン酸アルミニウム等の水溶液、エチルシリケイトの加水分解液、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤の加水分解液などの如き分散体と安定に混合し得る。
このような性質を有する本発明のゾルは、このゾルを用いて得られるハードコート剤がメガネ用プラスチックレンズ上に硬化膜を形成させ、メガネ用プラスチックレンズの屈折率、染色性、耐薬品性、耐水性、耐湿性、耐光性、耐候性、耐摩耗性等の向上成分として特に有効である。
また、これらの特性を利用してその他種々の用途に用いることができる。
このゾルを有機質の繊維、繊維製品、紙などの表面に適用することによって、これら材料の難燃性、表面滑り防止性、帯電防止性、染色性等を向上させることができる。また、これらのゾルは、セラミックファイバー、ガラスファイバー、セラミックス等の結合剤として用いることができる。更に、各種塗料、各種接着剤等に混入して用いることによって、それらの硬化塗膜の耐水性、耐薬品性、耐光性、耐候性、耐摩耗性、難燃性等を向上させることができる。その他、これらのゾルは、一般に、金属材料、セラミックス材料、ガラス材料、プラスチック材料などの表面処理剤としても用いることができる。更に触媒成分としても有用である。
上記のシュウ酸を主成分として含む有機酸とは、全有機酸中に80重量%以上のシュウ酸を含む有機酸であり、残部はギ酸、酢酸等の有機酸を含有することができる。
本発明のゾルの製造に用いられる核粒子としての酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子のゾルは、上記(a)工程と(b)工程からなる方法で製造する事ができる。
(a)工程に用いられる酸化第二スズのコロイド粒子は、有機酸水溶液中で過酸化水素水と金属スズをH2O2/Snモル比が2〜4の範囲を保ち、酸化スズの濃度が40重量%以下になるように反応させ生成した粒子径が4〜50nmの酸化第二スズのコロイド粒子から得ることができる。
即ち、有機酸水溶液中に、過酸化水素水と金属スズをH2O2/Snモル比が2〜4の範囲に保ちながら添加するものである。過酸化水素水と金属スズはそれらの全量を一度に有機酸水溶液中に添加することもできるが、数回に分け、交互に添加する方法が好ましい。過酸化水素水と金属スズの添加順序に定めはないが、H2O2/Snモル比が2〜4の範囲に保たれている必要がある。通常は、過酸化水素水と金属スズを添加して、その反応が終了するのを待って次の過酸化水素水と金属スズの添加に移る。1回の反応時間は添加量にもよるが、通常5〜10分程度であり、次の過酸化水素水と金属スズの添加を行う。
有機酸水溶液は、シュウ酸水溶液又はシュウ酸を主成分として含む有機酸水溶液であるが、好ましくは、シュウ酸水溶液である。シュウ酸を主成分として含む有機酸水溶液とは、全有機酸中で80重量%以上のシュウ酸を含む有機酸の水溶液であり、残部はギ酸、酢酸等の有機酸を含有することができる。これらの有機酸水溶液は濃度1〜30重量%、さらに好ましくは4〜10重量%の範囲で使用することができる。
酸化第二スズゾルの媒体は、水、親水性有機溶媒のいずれでもよいが、媒体が水である水性ゾルが好ましい。また、ゾルのpHとしては、ゾルを安定ならしめる値がよく、通常、0.2〜11程度がよい。本発明の目的が達成される限り、酸化第二スズゾルには、任意の成分、例えば、ゾルの安定化のためのアルカリ性物質、酸性物質、オキシカルボン酸等が含まれていてもよい。用いられる酸化第二スズゾルの濃度としては、酸化第二スズとして0.5〜50重量%程度であるが、この濃度は低い方がよく、好ましくは1〜30重量%である。
用いるオキシジルコニウム塩としては、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ硫酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコニウムなどのオキシ有機酸ジルコニウム、オキシ炭酸ジルコニウム等がある。これらのオキシジルコニウム塩は固体又は水溶液として用いることができるが、ZrO2として0.5〜50重量%程度の水溶液として用
いるのが好ましい。オキシ炭酸ジルコニウムのように、水に不溶の塩も混合する酸化第二スズが酸性ゾルの場合は使用することが可能である。
酸化第二スズゾルは特にアミンなどの有機塩基で安定化されたアルカリ性のゾルを用いるのが特に好ましく、オキシジルコニウム塩との混合は0〜100℃、好ましくは室温〜60℃が好ましい。そしてこの混合は撹拌下で酸化第二スズゾルにオキシジルコニウム塩を加えても、オキシジルコニウム塩水溶液に酸化第二スズゾルを加えてもよいが、後者の方が好ましい。この混合は充分行われる必要があり、0.5〜3時間が好ましい。
は、電子顕微鏡によって粒子径を観測することができ、その粒子径は1〜50nm、好ましくは2〜7nm、特に好ましくは2〜5nmである。このゾルのコロイド粒子の分散溶媒としては、水、親水性有機溶媒のいずれも可能である。このゾルは、WO3、SnO2及びSiO2をWO3/SnO2重量比として0.1〜100、SiO2/SnO2重量比とし
て0.1〜100の比率に含有する。このゾルに含まれるWO3、SnO2及びSiO2の
合計の濃度は、通常40重量%以下、実用上好ましくは2重量%以上、好ましくは5〜30重量%である。このゾルは、1〜9のpHを示し、無色透明乃至僅かにコロイド色を有する液である。そして、室温では3ケ月以上、60℃でも1ケ月以上安定であり、このゾル中に沈降物が生成することがなく、また、このゾルが増粘したり、ゲル化を起すような
ことはない。
(d)工程で得られる酸化タングステン(WO3)、酸化第二スズ(SnO2)及び二酸化珪素(SiO2)の複合体コロイド粒子を含有することを特徴とする安定な酸化タング
ステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾルの製造方法は、
(d−1)工程:タングステン酸塩、スズ酸塩及び珪酸塩をWO3/SnO2重量比として0.1〜100、SiO2/SnO2重量比として0.1〜100の比率に含有した水溶液を調製する工程、及び
(d−2)工程:(d−1)工程で得られた水溶液中に存在する陽イオンを除去する工程からなる。
(d−1)工程で用いられるタングステン酸塩、スズ酸塩および珪酸塩の例としては、アルカリ金属、アンモニウム、アミン等のタングステン酸塩、スズ酸塩および珪酸塩等が挙げられる。これらアルカリ金属、アンモニウム及びアミンの好ましい例としては、Li、Na、K、Rb、Cs、NH4、エチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミ
ン、n−プロピルアミン、イソブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン等のアルキルアミン;ベンジルアミン等のアラルキルアミン;ピペリジン等の脂環式アミン;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。特に、タングステン酸ナトリウム(Na2WO4・2H2O)、スズ酸ナト
リウム(Na2SnO3・3H2O)及び珪酸ナトリウム(水ガラス)が好ましい。また、
酸化タングステン、タングステン酸、スズ酸、珪酸等をアルカリ金属水酸化物の水溶液に溶解したものも使用することが出来る。また珪酸塩として活性珪酸にエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン、イソブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン等のアルキルアミンを添加して得られるアミンシリケートや第4級アンモニウムシリケートも使用する事ができる。
(d−1)工程の水溶液の調製方法としては、タングステン酸塩、スズ酸塩、珪酸塩の各粉末を水に溶解させ水溶液を調製する方法や、タングステン酸塩水溶液、スズ酸塩水溶液、及び珪酸塩水溶液を混合して水溶液を調製する方法や、タングステン酸塩とスズ酸塩の粉末及び珪酸塩の水溶液を水に添加して水溶液を調製する方法等が挙げられる。
(d)工程のゾルの製造に用いられるタングステン酸塩の水溶液としては、WO3の濃
度が0.1〜15重量%のものが好ましいが、これ以上の濃度のものも使用可能である。
(d)工程のゾルの製造に用いられるスズ酸塩の水溶液としては、SnO2の濃度が0
.1〜30重量%程度のものが好ましいが、これ以上の濃度のものも使用可能である。
本発明のゾルの製造に用いられる珪酸塩の水溶液としては、SiO2の濃度が0.1〜
30重量%程度のものが好ましいが、これ以上の濃度のものも使用可能である。
(d−1)工程での水溶液の調製は攪拌下で、室温〜100℃、好ましくは、室温〜60℃位で行うのがよい。混合すべき水溶液は、WO3/SnO2重量比として0.1〜100、SiO2/SnO2重量比として0.1〜100が好ましい。
(d−2)工程では(d−1)工程で得られた水溶液中に存在する陽イオンを除去する工程である。脱陽イオン処理の方法としては水素型イオン交換体と接触させる方法や塩析により行うことができる。ここで用いられる水素型陽イオン交換体は、通常用いられるものであり、市販品の水素型陽イオン交換樹脂を都合良く用いることが出来る。
(d−1)工程及び(d−2)工程を経て得られた水性ゾルは、濃度が低いときには所望に応じ、この水性ゾルを通常の濃縮方法、例えば、蒸発法、限外濾過法等により、ゾルの濃度を高めることができる。特に、限外濾過法が好ましい。この濃縮においても、ゾルの温度は約100℃以下、特に60℃以下に保つことが好ましい。
(d)工程の水性ゾルの水を親水性有機溶媒で置換することによりオルガノゾルと呼ばれる親水性有機溶媒ゾルが得られる。
(d)工程で得られた酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾルは、酸化第二スズと酸化タングステンと二酸化珪素が原子レベルで均一に複合(固溶)して得られた酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素からなる複合体粒子を含有する。従って、酸化タングステンゾル、酸化第二スズゾル及び二酸化珪素ゾルの3種のゾルを単に混
合して得られるものではない。
酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素の複合体ゾルは、酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素の複合体粒子が固溶体を形成している為に、溶媒置換によっても酸化タングステン粒子、酸化第二スズ粒子及び二酸化珪素粒子に分解する事はない。
酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素の複合体ゾルは、酸化タングステン−酸化第二スズの複合体ゾルに比べ、基材に被覆して被膜を形成した際に、耐水性、耐湿性、及び耐候性が向上する。
(d)工程で得られたゾル中のWO3/SnO2重量比が0.1未満では、不安定であり、また、この重量比が100を越えると、やはりゾルは安定性を示さない。高いpHの水性ゾルから上記オルガノゾルをつくる際に加えられるオキシカルボン酸も、ゾルの安定化に貢献するが、その添加量がゾル中のWO3、SnO2及びSiO2の合計に対し30重量
%以上と多いと、このようなゾルを用いて得られる乾燥塗膜の耐水性が低下する。用いられるオキシカルボン酸の例としては、乳酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、グリコール等が挙げられる。また、アルカリ成分としては、Li、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属水酸化物、NH4、エチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルア
ミン、n−プロピルアミン等のアルキルアミン;ベンジルアミン等のアラルキルアミン;ピペリジン等の脂環式アミン;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。これらの2種類以上を混合して含有することもできる。また、これらを上記の酸性成分と併用することもできる。ゾル中のアルカリ金属、アンモニウム、アミン、オキシカルボン酸等の量に対応して、そのゾルのpHが変わる。ゾルのpHが1未満ではゾルは不安定であり、pHが9を越えると、酸化タングステン、酸化第二スズおよび二酸化珪素の複合体コロイド粒子が液中で溶解し易い。ゾル中のWO3、Sn
O2及びSiO2の合計濃度が40重量%以上であると、ゾルはやはり安定性に乏しい。この濃度が薄すぎると非実用的であり、工業製品として好ましい濃度は5〜30重量%である。
濃縮法として限外濾過法を用いると、ゾル中に共存しているポリアニオン、極微小粒子等が水と一緒に限外濾過膜を通過するので、ゾルの不安定化の原因であるこれらポリアニオン、極微小粒子等をゾルから除去することができる。
00℃で混合する工程である。
(e)工程により、酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾルのコロイド粒子を酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾルのコロイド粒子表面に結合させて、当該表面を上記酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子で被覆することにより、そのコロイド粒子を核としてその表面が酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体の性質を有するように変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウムの複合体コロイド粒子を生成させることができ、そしてこの変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子が液媒体に安定に分散したゾルとして得ることができる。
(e)工程では、(d)工程で調製した酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合ゾルと、(c)工程で調製した酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合ゾルを混合した後、更にアミンで安定化した活性ケイ酸を添加して1〜3時間攪拌することにより、(e)工程の複合体コロイド粒子が液媒体に分散したゾルとすることもできる。アミンで安定化した活性ケイ酸は、例えばケイ酸ソーダを陽イオン交換した後に、以下に例示されるアミンを添加して得られる。そのアミンは例えばエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン、ジイソブチルアミン等のアルキルアミン;ベンジル
アミン等のアラルキルアミン;ピペリジン等の脂環式アミン;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンが例示され、好ましくはジイソブチルアミン等のアルキルアミンが例示される。
酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子によって変性されたこれらの酸化第二スズ−酸化ジルコニウムの複合体コロイド粒子のゾルは、この酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体ゾルをその金属酸化物(ZrO2+SnO2)として100重量部と、上記酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾルをこのゾルのWO3、SnO2及びSiO2の合計として2〜100重量部の比率に、好ましくは強撹拌
下に混合する(e)工程、次いでこの混合ゾルからゾル中の陰イオンを除去する工程(f)工程により得られる。
上記(e)工程の混合によって得られたゾル中の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子は、電子顕微鏡によって観察することができ、ほぼ4.5〜60nmの粒子径を有する。上記混合によって得られたゾルはpHほぼ1〜9を有しているが、改質のために用いたオキシジルコニウム塩に由来するCl-、NO2-、CH3COO-
などのアニオンを多く含有しているために、コロイド粒子はミクロ凝集を起こしており、ゾルの透明性が低くなっている。
上記混合によって得られたゾル中のアニオンを(f)工程の陰イオンを除去することにより、透明性の良い、安定な変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子のゾルを得ることができる。
(f)工程の水酸基型陰イオン交換樹脂による処理は(e)工程での混合によって得られたゾルの金属酸化物濃度が1〜10重量%で行うのが特に好ましい。
(a)〜(f)工程により得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体ゾルの濃度を更に高めたいときには、最大約50重量%まで常法、例えば蒸発法、限外濾過法等により濃縮することができる。またこのゾルのpHを調整したい時には、濃縮後に、前記アルカリ金属、アンモニウム等の水酸化物、前記アミン、オキシカルボン酸等をゾルに加えることができる。特に、上記金属酸化物(ZrO2+SnO2)と(WO3+Sn
O2+SiO2)の合計濃度が10〜50重量%であるゾルは実用的に好ましい。
(f)工程より得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体ゾル中のコロイド粒子は、エチルシリケート、メチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン化合物又はその加水分解物で、部分的に又は全面的に表面を被覆する事ができる。
上記混合によって得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体ゾルが水性ゾルであるときは、この水性ゾルの水媒体を親水性有機溶媒で置換することによりオルガノゾルが得られる。この置換は、蒸留法、限外濾過法等通常の方法により行うことができる。この親水性有機溶媒の例としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、N,N'−ジメチルアセト
アミド等の直鎖アミド類;N−メチル−2−ピロリドン等の環状アミド類;エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール等のグリコール類等が挙げられる。
上記水と親水性有機溶媒との置換は、通常の方法、例えば、蒸留置換法、限外濾過法等によって容易に行うことができる。
陽に帯電しており、酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子は負に帯電している。従って、(e)工程の混合によりこの陽に帯電している酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子の周りに負に帯電している酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子が電気的に引き寄せられ、そして陽帯電のコロイド粒子表面上に化学結合によって酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子が結合し、この陽帯電の粒子を核としてその表面を酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体が覆ってしまうことによって、変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子が生成したものと考えられる。
けれども、核ゾルとしての粒子径4〜50nmの酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子と、被覆ゾルとしての酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体コロイド粒子とを混合するときに、核ゾルの金属酸化物(ZrO2とSnO2)100重量部に対し、被覆ゾルの金属酸化物(WO3+SnO2+SiO2)の合計量が2重量部よ
り少ないと、安定なゾルが得られない。このことは、酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子の量が不足するときには、この複合体のコロイド粒子による酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子を核とするその表面の被覆が不充分となり、生成コロイド粒子の凝集が起こり易く、生成ゾルを不安定ならしめるものと考えられる。従って、混合すべき酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体コロイド粒子の量は、酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子の全表面を覆う量より少なくてもよいが、安定な変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子のゾルを生成せしめるに必要な最小量以上の量である。この表面被覆に用いられる量を越える量の酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体コロイド粒子が上記混合に用いられたときには、得られたゾルは、酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体コロイド粒子のゾルと、生じた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子のゾルの安定な混合ゾルに過ぎない。
好ましくは、酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子をその表面被覆によって変性するには、用いられる酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子の量は、核ゾルの金属酸化物(ZrO2+SnO2)100重量部に対し、被覆ゾル中の金属酸化物(WO3+SnO2+SiO2)の合計として100重量部以下がよい
。
O2)と(WO3+SnO2+SiO2)の合計濃度が60重量%を越えるときにも、このようなゾルは不安定となり易い。工業製品として好ましい濃度は10〜50重量%程度である。
酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体コロイド粒子は高温で加水分解を受け易いことから、(e)工程の混合、(f)工程の陰イオン交換および(f)工程後の濃縮、pH調整、溶媒置換等の際には100℃以下が好ましい。
(a)工程
シュウ酸((COOH)2・2H2O)37.5kgを純水220kgに溶解し、これを500Lの容器にとり、攪拌下で70℃まで加温し、35%過酸化水素水150kgと金属スズ(山石金属社製 AT−SNNO200N)75kgを添加した。
過酸化水素水と金属スズの添加は交互に行った。初めに35%過酸化水素水10kgを次いで金属スズ5kgを添加した。反応が終了するのを待って(5〜10分)この操作を繰
り返した。添加に要した時間は2.5時間で、添加終了後、更に90℃で1時間加熱し、反応を終了させた。過酸化水素水と金属スズのモル比はH2O2/Snとして2.48であった。
得られた酸化スズゾルは非常に透明性が良好であった。この酸化スズゾルの収量は、352kgで比重1.312、pH1.49、粘度44cp、SnO2は26.1重量%であ
った。
得られたゾルを電子顕微鏡で観察したところ、10〜15nmの球状の分散性の良い粒子であった。このゾルは放置によりやや増粘傾向を示したが、室温6ヶ月放置ではゲル化は認められず安定であった。
得られたゾル230kgを純水にてSnO2として5重量%に希釈し、イソプロピルアミ
ンを3kg添加し、陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに通液し、ついで90℃で1時間加熱熟成し、さらに陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに通液し、アルカリ性の酸化スズゾル1431kgを得た。
得られたゾル400kgを140℃で5時間加熱処理した。
(b)工程
オキシ塩化ジルコニウム水溶液(ZrO2濃度は18.4重量%であり、ZrO2として160g含有する。)870gに純水1kgを添加し、ついで撹拌下で、室温において、(a)工程で得られたアルカリ性の酸化第二スズ水性ゾル25.7kg(SnO2として
1068g)を添加した。混合液はZrO2/SnO2の重量比が0.15でコロイド色を有する透明性の良好なゾルであった。
(c)工程
(b)工程で調製した混合液を撹拌下で、90℃において5時間加熱処理を行い、酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル27.6kgを得た。このゾルはSnO2と
して3.37重量%、ZrO2として0.50重量%、SnO2+ZrO2として3.87
重量%でコロイド色を有するが、透明性は良好であった。
(d)工程
3号珪そう(SiO2として29.0重量%含有する。)207gを水2650gに溶
解し、ついでタングステン酸ナトリウムNa2WO4・2H2O(WO3として74重量%含有する)60.8gおよびスズ酸ナトリウムNaSnO3・H2O(SnO2として55重
量%含有する)81.8gを溶解する。次いでこれを水素型陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B)のカラムに通すことにより酸性の酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾル(pH2.1、WO3として1.3重量%、SnO2として1.3重量%、SiO2として1.7重量%を含有し、WO3/SnO2重量比1.0、SiO2/SnO2重量比1.33、粒子径2.5nmであった。)3450gを得た。
(e)工程
(d)工程で調製した酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾル3450g(WO3+SnO2+SiO2として150gを含有する。)の撹拌下に、室温で(c
)工程で調製した酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル12200g(ZrO2+SnO2として500g含有する。)を20分で添加し、更に30分間撹拌を続行した。得られた混合液は酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド(ZrO2+SnO2)と酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体コロイド(WO3+SnO2+SiO2)の重量比((WO3+SnO2+SiO2)/(ZrO2+SnO2))が0.30であり、全金属酸化物の濃度が4.2重量%であり、コロイド粒子のミクロ凝集による白濁傾向を示した。
(f)工程
(e)工程で得た混合液15650gにジイソブチルアミンを11.0g添加し、水酸基型陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに室温で通液し、次いで80〜90℃で1時間加熱熟成することにより変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル(希薄液)19680gを得た。このゾルは全金属酸化物濃
度3.3重量%、pH10.64で、コロイド色は呈するが透明性は良好であった。
(f)工程で得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル(希薄液)を、分画分子量10万の限外濾過膜の濾過装置により室温で濃縮し、高濃度の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル2641gを得た。このゾルは全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)の濃度が24.6重量%で、安定であった。
上記高濃度の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル2641gの撹拌下に、室温で酒石酸6.5g、ジイソブチルアミン9.8g、消泡剤(サンノプコ社製SNディフォーマー483)1滴を加え、1時間撹拌した。このゾルを攪拌機付き反応フラスコ内で常圧下において、メタノール24リットルを少しずつ加えながら水を留去することにより、水性ゾルの水をメタノールで置換した変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル1620gを得た。このゾルは比重1.244、pH6.78(水との等重量混合物)、粘度1.3mPa・s、全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)濃度40.5重量%、水分0.59重量%であり、電子顕微鏡観察による粒子径は10〜15nmであった。
このゾルを全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)濃度として、47重量%まで濃縮したものを、100ccのメスシリンダーに入れ、B型粘度計のNo.1ローターを用い60rpmの回転数で測定した粘度は、
6.5mPa・sであった。
このゾルはコロイド色を呈し、透明性が高く、室温で3ケ月放置後も沈降物の生成、白濁、増粘などの異常は認められず安定であった。またこのゾルの乾燥物の屈折率は1.85であった。
実施例2は、実施例1の(a)工程、(b)工程、(c)工程と同様に行った。その後、以下の工程を行った。
(d)工程
3号珪そう(SiO2として29.0重量%含有する。)138gを水1766gに溶
解し、ついでタングステン酸ナトリウムNa2WO4・2H2O(WO3として74重量%含有する)40.5gおよびスズ酸ナトリウムNaSnO3・H2O(SnO2として55重
量%含有する)55.6gを溶解した。次いでこれを水素型陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B)のカラムに通すことにより酸性の酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾル(pH2.0、WO3として1.2重量%、SnO2として1.2重量%、SiO2として1.6重量%を含有し、WO3/SnO2重量比1.0、SiO2/SnO2重量比1.33、粒子径2.5nmであった。)2520gを得た。
(e)工程
(d)工程で調製した酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾル2520g(WO3+SnO2+SiO2として150gを含有する。)の撹拌下に、室温で実施
例1の(c)工程で調製した酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル12200g(ZrO2+SnO2として500g含有する。)を20分で添加し、更に30分間撹拌を続行した。得られた混合液は酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド(ZrO2+SnO2)と酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体コロイド(WO3+
SnO2+SiO2)の重量比((WO3+SnO2+SiO2)/(ZrO2+SnO2))
が0.20であり、全金属酸化物の濃度が4.1重量%であり、コロイド粒子のミクロ凝集による白濁傾向を示した。
(f)工程
(e)工程で得た混合液14720gにジイソブチルアミンを11.0g添加し、水酸基型陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに室温で通液し、次いで80〜90℃で1時間加熱熟成することにより変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル(希薄液)18480gを得た。このゾルは全金属酸化物濃
度3.2重量%、pH10.23で、コロイド色は呈するが透明性は良好であった。
(f)工程で得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル(希薄液)を、分画分子量10万の限外濾過膜の濾過装置により室温で濃縮し、高濃度の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル3458gを得た。このゾルは全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)の濃度が14.8重量%で、安定であった。
上記高濃度の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル3243gの撹拌下に、室温で酒石酸4.8g、ジイソブチルアミン7.2g、消泡剤(サンノプコ社製SNディフォーマー483)1滴を加え、1時間撹拌した。このゾルを攪拌機付き反応フラスコ内で常圧下において、メタノール26リットルを少しずつ加えながら水を留去することにより、水性ゾルの水をメタノールで置換した変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル1240gを得た。このゾルは比重1.235、pH6.95(水との等重量混合物)、粘度1.5mPa・s、全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)濃度40.2重量%、水分0.90重量%であり、電子顕微鏡観察による粒子径は10〜15nmであった。
このゾルはコロイド色を呈し、透明性が高く、室温で3ケ月放置後も沈降物の生成、白濁、増粘などの異常は認められず安定であった。またこのゾルの乾燥物の屈折率は1.85であった。
実施例3は、実施例1の(a)工程、(b)工程、(c)工程と同様に行った。その後、以下の工程を行った。
(d)工程
3号珪そう(SiO2として29.0重量%含有する。)101.6gを水1825g
に溶解し、ついでタングステン酸ナトリウムNa2WO4・2H2O(WO3として74重量%含有する)32.3gおよびスズ酸ナトリウムNaSnO3・H2O(SnO2として5
5重量%含有する)40.8gを溶解した。次いでこれを水素型陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B)のカラムに通すことにより酸性の酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾル(pH2.1、WO3として0.9重量%、SnO2として0.9重量%、SiO2として1.1重量%を含有し、WO3/SnO2重量比1.0、S
iO2/SnO2重量比1.33、粒子径2.5nmであった。)2640gを得た。
(e)工程
(d)工程で調製した酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾル2640g(WO3+SnO2+SiO2として75gを含有する。)の撹拌下に、室温で(c)
工程で調製した酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体ゾル12200g(ZrO2+S
nO2として500g含有する。)を20分で添加し、更に30分間撹拌を続行した。
得られた混合液は酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド(ZrO2+SnO2)と酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体コロイド(WO3+SnO2+SiO2)の重量比((WO3+SnO2+SiO2)/(ZrO2+SnO2))が0.14であり、全金属酸化物の濃度が3.9重量%であり、コロイド粒子のミクロ凝集による白濁傾向を示した。
(f)工程
(e)工程で得た混合液14840gにジイソブチルアミンを11.0g添加し、水酸基型陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに室温で通液し、次いで80〜90℃で1時間加熱熟成することにより変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル(希薄液)19360gを得た。このゾルは全金属酸化物濃度3.0重量%、pH10.50で、コロイド色は呈するが透明性は良好であった。
(f)工程で得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル(希薄液)を、分画分子量10万の限外濾過膜の濾過装置により室温で濃縮し、高濃度の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル2352gを得た。このゾルは全
金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)の濃度は22.0重量%で、安定であった。
上記高濃度の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル2272gの撹拌下に、室温で酒石酸5.0g、ジイソブチルアミン7.5g、消泡剤(サンノプコ社製SNディフォーマー483)1滴を加え、1時間撹拌した。このゾルを攪拌機付き反応フラスコ内で常圧下において、メタノール22リットルを少しずつ加えながら水を留去することにより、水性ゾルの水をメタノールで置換した変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル1190gを得た。このゾルは比重1.232、pH6.92(水との等重量混合物)、粘度1.3mPa・s、全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)濃度40.3重量%、水分0.43重量%であり、電子顕微鏡観察による粒子径は10〜15nmであった。
このゾルはコロイド色を呈し、透明性が高く、室温で3ケ月放置後も沈降物の生成、白濁、増粘などの異常は認められず安定であった。またこのゾルの乾燥物の屈折率は1.85であった
(a)工程
シュウ酸((COOH)2・2H2O)37.5kgを純水363kgに溶解し、これを500Lの容器にとり、攪拌下に70℃まで加温し、35%過酸化水素水150kgと金属スズ(山石金属社製、AT−SN、No200N)75kgを添加した。
過酸化水素水と金属スズの添加は交互に行った。初めに35%過酸化水素水10kgを次いで金属スズ5kgを添加した。反応が終了するのを待って(5〜10分)この操作を繰り返した。添加に要した時間は2.5時間で、添加終了後、35%過酸化水素水10kgを更に添加し、90℃で1時間加熱、反応を終了させた。過酸化水素水と金属スズのモル比はH2O2/Sn2.60であった。
得られた酸化スズゾルは非常に透明性が良好であった。この酸化スズゾルの収量は、622kgで比重1.156、pH1.56、SnO2は15.0重量%であった。
得られたゾルを電子顕微鏡で観察したところ、10〜15nmの球状の分散性の良い粒子であった。このゾルは放置によりやや増粘傾向を示したが、ゲル化は認められず安定であった。
得られたゾル622kgを純水にてSnO2として5重量%に希釈し、イソプロピルアミ
ンを4.7kg添加し、陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに通液し、ついで95℃で1時間加熱熟成し、さらに陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに通液し、アルカリ性の酸化スズゾル2194kgを得た。ついで、得られたゾルを140℃で5時間加熱処理した。
(b)工程
オキシ塩化ジルコニウム水溶液(ZrO2濃度は17.68重量%であり、ZrO2として13.5kg含有する。)76.1kgに純水330kgおよび35%塩酸3.2kgを添加し、ついで撹拌下で、室温において、(a)工程で得られたアルカリ性の酸化第二スズ水性ゾル2597kg(SnO2として89.7kg)を添加した。混合液はZrO2/SnO2の重量比が0.15でコロイド色を有する透明性の良好なゾルであった。
(c)工程
(b)工程で調製した混合液を撹拌下で、95℃において5時間加熱処理を行い、酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル2958kgを得た。このゾルはSnO2と
して3.03重量%、ZrO2として0.46重量%、SnO2+ZrO2として3.49
重量%でコロイド色を有するが、透明性は良好であった。
(d)工程
3号珪そう(SiO2として29.3重量%含有する。)38.9kgを純水830k
gに溶解し、ついでタングステン酸ナトリウムNa2WO4・2H2O(WO3として69.8重量%含有する)12.2kgおよびスズ酸ナトリウムNaSnO3・H2O(SnO2
として55.7重量%含有する)15.3kgを溶解した。次いでこれを水素型陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B)のカラムに通すことにより酸性の酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾル(pH2.2、WO3として0.7重量%
、SnO2として0.7重量%、SiO2として0.9重量%を含有し、WO3/SnO2重量比1.0、SiO2/SnO2重量比1.33であった。)1201kgを得た。
(e)工程
(d)工程で調製した酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾル1179kg(WO3+SnO2+SiO2として28.4kgを含有する。)の撹拌下に、室温
で(c)工程で調製した酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル2958kg(ZrO2+SnO2として103.2kg含有する。)を60分で添加し、更に10分間撹拌を続行した。得られた混合液は酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド(ZrO2+SnO2)と酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体コロイド(WO3
+SnO2+SiO2)の重量比((WO3+SnO2+SiO2)/(ZrO2+SnO2)
)が0.25であり、全金属酸化物の濃度は3.46重量%であり、コロイド粒子のミクロ凝集による白濁傾向を示した。
(f)工程
(e)工程で得た混合液3798kgにジイソブチルアミンを2.3kg添加し、水酸基型陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに室温で通液し、次いで90℃で1時間加熱熟成することにより変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル(希薄液)を得た。このゾルは、pH9.59で、コロイド色は呈するが透明性は良好であった。
(f)工程で得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル(希薄液)を、分画分子量10万の限外濾過膜の濾過装置により40〜50℃で濃縮し、高濃度の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル365kgを得た。このゾルは全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)の濃度が33.5重量%で、安定であった。
上記高濃度の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル350kgの撹拌下に、室温で酒石酸1.1kg、ジイソブチルアミン1.7kg、消泡剤(サンノプコ社製SNディフォーマー483)1滴を加え、1時間撹拌した。このゾルを攪拌機付き反応容器内で常圧下において、メタノール4203kgを添加しながら水を留去することにより、水性ゾルの水をメタノールで置換した変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル218kgを得た。このゾルは比重1.285、pH6.40(水との等重量混合物)、粘度1.3mPa・s、全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3
+SiO2)濃度42.8重量%、水分0.34重量%であり、電子顕微鏡観察による粒
子径は10〜15nmであった。
このメタノールゾルを全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)濃度として、47.8重量%まで濃縮したものを、100ccのメスシリンダーに入れ、B型粘度計のNo.1ローターを用い60rpmの回転数で測定した粘度は、5.5mPa・sであった。
このゾルはコロイド色を呈し、透明性が高く、室温で沈降物の生成、白濁、増粘などの異常は認められず安定であった。またこのゾルの乾燥物の屈折率は1.85であった。
(a)工程
シュウ酸((COOH)2・2H2O)37.5kgを純水363kgに溶解し、これを500Lの容器にとり、攪拌下で70℃まで加温し、35%過酸化水素水150kgと金属スズ(山石金属社製、AT−SN、No200N)75kgを添加した。
過酸化水素水と金属スズの添加は交互に行った。初めに35%過酸化水素水10kgを次いで金属スズ5kgを添加した。反応が終了するのを待って(5〜10分)この操作を繰り返した。添加に要した時間は2.5時間で、添加終了後、35%過酸化水素水10kg
を更に添加し、90℃で1時間加熱し、反応を終了させた。過酸化水素水と金属スズのモル比はH2O2/Snは2.60であった。
得られた酸化スズゾルは非常に透明性が良好であった。この酸化スズゾルの収量は、626kgで比重1.154、pH1.56、SnO2濃度は14.9%であった。
得られたゾルを電子顕微鏡で観察したところ、10〜15nmの球状の分散性の良い粒子であった。このゾルは放置によりやや増粘傾向を示したが、ゲル化は認められず安定であった。
得られたゾル626kgを純水にてSnO2として5重量%に希釈し、イソプロピルアミ
ンを4.66kg添加し、陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに通液し、ついで95℃で1時間加熱熟成し、さらに陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに通液し、アルカリ性の酸化スズゾル2535kgを得た。ついで、得られたゾルを140℃で5時間加熱処理した。
(b)工程
オキシ塩化ジルコニウム水溶液(ZrO2濃度は17.68重量%であり、ZrO2として13.8kg含有する。)78.2kgに純水300kgおよび35%塩酸3.3kgを添加し、ついで撹拌下で、室温において、(a)工程で得られたアルカリ性の酸化第二スズ水性ゾル2529kg(SnO2として91.0kg)を添加した。混合液はZrO2/SnO2重量比0.15でコロイド色を有する透明性の良好なゾルであった。
(c)工程
(b)工程で調製した混合液を撹拌下で、95℃において5時間加熱処理を行い、酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル3471kgを得た。このゾルはSnO2と
して2.62重量%、ZrO2として0.40重量%、SnO2+ZrO2として3.01
重量%でコロイド色を有するが、透明性は良好であった。
(d)工程
3号珪そう(SiO2として29.3重量%含有する。)49.8kgを純水898k
gに溶解し、ついでタングステン酸ナトリウムNa2WO4・2H2O(WO3として69.8重量%含有する)10.5kgおよびスズ酸ナトリウムNaSnO3・H2O(SnO2
として55.7重量%含有する)13.1kgを溶解した。次いでこれを水素型陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B)のカラムに通すことにより酸性の酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾル(pH2.0、WO3として0.6重量%
、SnO2として0.6重量%、SiO2として1.2重量%を含有し、WO3/SnO2重量比1.0、SiO2/SnO2重量比2.0であった。)1179kgを得た。
(e)工程
(d)工程で調製した酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾル1179kg(WO3+SnO2+SiO2として29.2kgを含有する。)の撹拌下に、室温
で(c)工程で調製した酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル3471kg(ZrO2+SnO2として104.8kg含有する。)を60分で添加し、更に10分間撹拌を続行した。得られた混合液は酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド(ZrO2+SnO2)と酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体コロイド(WO3
+SnO2+SiO2)の重量比((WO3+SnO2+SiO2)/(ZrO2+SnO2)
)が0.25であり、全金属酸化物の濃度は2.9重量%であり、コロイド粒子のミクロ凝集による白濁傾向を示した。
(f)工程
(e)工程で得た混合液4650kgにジイソブチルアミンを2.3kg添加し、水酸基型陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに室温で通液し、次いで90℃で時間加熱熟成することにより変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル(希薄液)を得た。このゾルは、pH9.10で、コロイド色は呈するが透明性は良好であった。
(f)工程で得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル(希薄液)を、分画分子量10万の限外濾過膜の濾過装置により40〜50℃で濃縮し、高濃
度の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル358kgを得た。このゾルは全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)の濃度は31.9重量%で、安定であった。
上記高濃度の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル358kgの撹拌下に、室温で酒石酸1.1kg、ジイソブチルアミン1.7kg、消泡剤(サンノプコ社製SNディフォーマー483)1滴を加え、1時間撹拌した。このゾルを攪拌機付き反応容器内で常圧下において、メタノール5010リットルを添加しながら水を留去することにより、水性ゾルの水をメタノールで置換した変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル220kgを得た。このゾルは比重1.280、pH6.59(水との等重量混合物)、粘度2.1mPa・s、全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)濃度42.8重量%、水分0.43重量%であり、電子顕微鏡観察による粒子径は10〜15nmであった。
このメタノールゾルを全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)濃度として、46.8重量%まで濃縮したものを、100ccのメスシリンダーに入れ、B型粘度計のNo.1ローターを用い60rpmの回転数で測定した粘度は、
6.3mPa・sであった。
このゾルはコロイド色を呈し、透明性が高く、室温で沈降物の生成、白濁、増粘などの異常は認められず安定であった。またこのゾルの乾燥物の屈折率は1.85であった。
(a)工程
しゅう酸((COOH)2・2H2O)37.5kgを純水383kgに溶解し、これを500Lベッセルにとり、攪拌下70℃まで加温し、35%過酸化水素水150kgと金属スズ(山石金属社製 AT−SNNO200N)75kgを添加した。
過酸化水素水と金属スズの添加は交代に行った。初めに35%過酸化水素水10kgを次いで金属スズ5kgを添加した。反応が終了するのを待って(5〜10分)この操作を繰り返した。全量添加後、更に35%過酸化水素水10Kg追加した。添加に要した時間は2.5時間で、添加終了後、更に95℃で1時間加熱し、反応を終了させた。過酸化水素水と金属スズのモル比はH2O2/Snとして2.61であった。
得られた酸化スズゾルは非常に透明性が良好であった。この酸化スズゾルの収量は、630kgで比重1.154、pH1.51、SnO2として14.7重量%であった。
得られたゾルを電子顕微鏡で観察したところ、10〜15nmの球状の分散性の良い粒子であった。このゾルは放置によりやや増粘傾向を示したが、室温6ヶ月放置ではゲル化は認められず安定であった。
得られたゾル629kgに35%過酸化水素水231Kg、純水52Kgを添加し、SnO2として10重量%、仕込み時のしゅう酸に対してH2O2/(COOH)2 モル比8.0
になるように希釈し、95℃に加温、5時間熟成を行った。この操作により含有するしゅう酸を過酸化水素との反応により炭酸ガスと水に分解させた。得られた酸化第二スズスラリーを約40℃まで冷却後、イソプロピルアミンを2.7kg添加、解膠した後、白金系触媒{N−220(ズードケミー触媒(株)製)を約15L充填した触媒塔に通液、循環し、過剰な過酸化水素の分解処理を行った。通液速度は約30L/min.で5時間、循環を行った。更に陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに通液し、アルカリ性の酸化スズゾル、1545kgを得た。次いで得られたゾル全量にイソプロピルアミン1.8Kgを追加添加した後、140℃で5hr加熱処理した。
(b)工程
純水1238kgにオキシ塩化ジルコニウム水溶液(ZrO2濃度は17.68重量%
)を76Kg(ZrO2として13.4Kg含有。)、35%塩酸3.2Kgを添加し、
ついで撹拌下に、室温で、(a)工程で得られたアルカリ性の酸化第二スズ水性ゾル1538kg(SnO2として102.9Kg)を添加した。混合液はZrO2/SnO2重量
比0.15でコロイド色を有する透明性の良好なゾルであった。
(c)工程
(b)工程で調製した混合液を撹拌下に、90℃で5時間加熱処理を行い、冷却抜出後、酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合ゾル3224kg(水押し分含)を得た。このゾルはSnO2として2.78重量%、ZrO2として0.41重量%、SnO2+ZrO2として3.19重量%でコロイド色を有するが、透明性は良好であった。
(d)工程
3号珪そう(SiO2として29.0重量%含有する。)59.5gを水1083gに
溶解し、ついでタングステン酸ナトリウムNa2WO4・2H2O(WO3として70重量%含有する)12.6gおよびスズ酸ナトリウムNaSnO3・H2O(SnO2として55
重量%含有する)16.2gを溶解する。次いでこれを水素型陽イオン交換樹脂(IR−120B)のカラムに通すことにより酸性の酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合ゾル(pH2.3、WO3として0.6重量%、SnO2として0.6重量%、SiO2として1.2重量%を含有し、WO3/SnO2重量比1.0、SiO2/SnO2重量
比2.0)1520gを得た。
また、別途、3号珪そう(SiO2として29.0重量%含有する。)112gを水54
0gに溶解し、これを水素型陽イオン交換樹脂(IR−120B)のカラムに通すことにより活性ケイ酸を得て、これにジイソブチルアミンを6.9g添加、ジイソブチルアミンで定化した活性ケイ酸930gを得た。
(e)工程
(d)工程で調製した酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合ゾル1520g(WO3+SnO2+SiO2として35.1gを含有する。)に撹拌下に、室温で(c
)工程で調製した酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合ゾル15656g(ZrO2+S
nO2として501g含有する。)を20分で添加し、30分間撹拌を続行した。さらに
ジイソブチルアミンで安定化した活性ケイ酸を添加、更に攪拌を1hr続行した。得られた混合液は酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合コロイド(ZrO2+SnO2)と酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合コロイド(WO3+SnO2+SiO2)の比
は(WO3+SnO2+SiO2)/(ZrO2+SnO2)重量比0.135、全金属酸化
物3.1重量%であり、コロイド粒子のミクロ凝集による白濁傾向を示した。
(f)工程
(e)工程で得た混合液18106gにジイソブチルアミンを5.0g添加し、水酸基型陰イオン交換樹脂(アンバーライト410)を充填したカラムに室温で通液、次いで80〜90℃で1hr加熱熟成することにより変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合水性ゾル(希薄液)24050gを得た。このゾルは全金属酸化物2.4重量%、pH9.25で、コロイド色は呈するが透明性は良好であった。
(f)工程で得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合水性ゾル(希薄液)を、分画分子量10万の限外濾過膜の濾過装置により室温で濃縮し、高濃度の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合水性ゾル2010gを得た。このゾルは全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)濃度28.2重量%で、安定であった。
上記高濃度の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合水性ゾル2010gを攪拌機付き反応フラスコで常圧下、メタノール28リットルを少しずつ加えながら水を留去することにより、水性ゾルの水をメタノールで置換した変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル1310gを得た。このゾルは比重1.264、pH8.3(水との等重量混合物)、粘度2.7mPa・s、全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)濃度は42.5重量%、水分1.0重量%、電子顕微鏡観察による粒子径は10〜15nmであった。
このゾルはコロイド色を呈し、透明性が高く、室温で3ケ月放置後も沈降物の生成、白濁、増粘などの異常は認められず安定であった。またこのゾルの乾燥物の屈折率は1.85であった。
(a)工程
35%塩酸41kgを純水110kgに溶解し、これを500Lの容器にとり、攪拌下で50℃まで加温し、35%過酸化水素水185kgと金属スズ(山石金属社製AT−SN、No200N)90kgを添加した。
過酸化水素水と金属スズの添加は交互に行った。初めに35%過酸化水素水10kgを次いで金属スズ5kgを添加した。反応が終了するのを待って(5〜10分)この操作を繰り返した。添加に要した時間は約4時間で、添加終了後、35%過酸化水素水5kgを更に添加し、80〜90℃で1時間加熱、反応を終了させた。過酸化水素水と金属スズのモル比はH2O2/Sn2.58であった。
得られた酸化スズゾルは非常に透明性が良好であった。この酸化スズゾルの収量は、342kgでSnO2含量33.0重量%、HCl含量2.56重量%、電子顕微鏡による
紡錘状コロイド粒子径10nm以下、米国コールター社製N4装置による動的光散乱法粒子径107nmであった。淡黄色透明の酸化第二スズ水性ゾル342kgを水1550kgに分散させた後、これにイソプロピルアミン2.16kgを加え、次いで、この液を水酸基型陰イオン交換樹脂充填のカラムに通すことにより、アルカリ性の酸化第二水性ゾル2138kgを得た。このゾルは、安定であり、コロイド色を呈しているが、透明性が非常に高く、pH9.65、粘度1.4mPa・s、SnO2含量5.15重量%、イソプ
ロピルアミン含量0.10重量%であった。
(b)工程
オキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl2・8H2O)を水に溶解して調製したオキシ塩化ジルコニウム水溶液(ZrO2として17.68重量%)93.4kg(ZrO2として16.52kg含有する。)および純水733kgの撹拌下に、室温で、上記(a)工程で調製したアルカリ性の酸化第二スズ水性ゾル2138kg(SnO2として110.1k
g)を添加し、1時間撹拌を続行した。混合液はZrO2/SnO2重量比0.15でコロイド色を有する透明性の良好なゾルであった。
(c)工程
(b)工程で調製した混合液を撹拌下で、90℃において5時間加熱処理を行い、酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル2994kgを得た。このゾルはSnO2とし
て3.68重量%、ZrO2として0.55重量%、SnO2+ZrO2として4.23重
量%、pH1.43、粒子径9.0nmであり、コロイド色を有するが、透明性は良好であった。
(d)工程
3号珪そう(SiO2として29.4重量%含有する。)37.93kgを水834k
gに溶解し、ついでタングステン酸ナトリウムNa2WO4・2H2O(WO3として70重量%含有する。)12.02kgおよびスズ酸ナトリウムNaSnO3・H2O(SnO2
として55重量%含有する。)15.19kgを溶解した。次いでこれを水素型陽イオン交換樹脂のカラムに通すことにより酸性の酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾル(pH2.1、WO3として0.75重量%、SnO2として0.75重量%、SiO2として1.00重量%を含有し、WO3/SnO2重量比1.0、SiO2/SnO2重量比1.33であり、粒子径2.5nmであった。)1111kgを得た。
(e)工程
(d)工程で調製した酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾル1111kg(WO3+SnO2+SiO2として27.36kgを含有する。)の撹拌下に、室温
で(c)工程で調製した酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル2994kg(ZrO2+SnO2として126.63kg含有する。)を60分で添加し、その後更に60分間撹拌を続行した。得られた混合液は酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド(ZrO2+SnO2)と酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体コロイド(WO3+SnO2+SiO2)の重量比((WO3+SnO2+SiO2)/(ZrO2+S
nO2))0.20であり、全金属酸化物の濃度が3.8重量%であり、コロイド粒子の
ミクロ凝集による白濁傾向を示した。
(f)工程
(e)工程で得た混合液4105kgにジイソブチルアミンを3.09kg添加し、次いで水酸基型陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに通液し、次いで80℃で1時間加熱熟成することにより変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル(希薄液)4685kgを得た。このゾルは全金属酸化物濃度3.30重量%、pH7.73で、コロイド色は呈するが透明性は良好であった。
(f)工程で得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル(希薄液)を、分画分子量10万の限外濾過膜の濾過装置により室温で濃縮し、高濃度の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル377kgを得た。このゾルはpH7.70、全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)濃度37.0重量%で安定であった。
上記高濃度の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾル377kgの撹拌下に、室温で酒石酸1.40kg、ジイソブチルアミン2.10kg、消泡剤(サンノプコ社製SNディフォーマー483)少量加え、1時間撹拌した。このゾルを攪拌機付き反応装置内で750Torrで、メタノール5417kgを少しずつ加えながら水を留去することにより、水性ゾルの水をメタノールで置換した変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル428kgを得た。このゾルは比重1.123、pH7.4(水との等重量混合物)、粘度2.5mPa・s、全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)濃度32.6重量%、水分0.62重量%であり、電子顕微鏡観察による粒子径は10〜15nmであった。
このメタノールゾルを全金属酸化物(ZrO2+SnO2+WO3+SiO2)濃度として、47.0重量%まで濃縮したものを、100ccのメスシリンダーに入れ、B型粘度計のNo.1ローターを用い60rpmの回転数で測定した粘度は、15.0mPa・sであった。
このゾルはコロイド色を呈し、透明性が高く、室温で3ケ月放置後も沈降物の生成、白濁、増粘などの異常は認められず安定であった。またこのゾルの乾燥物の屈折率は1.76であった。
本発明のゾルは、このゾルを用いて得られるハードコート剤がメガネ用プラスチックレンズ上に硬化膜を形成させ、メガネ用プラスチックレンズの屈折率、染色性、耐薬品性、耐水性、耐湿性、耐光性、耐候性、耐摩耗性等の向上成分として特に有効である。
また、これらの特性を利用してその他種々の用途に用いることができる。
このゾルを有機質の繊維、繊維製品、紙などの表面に適用することによって、これら材料の難燃性、表面滑り防止性、帯電防止性、染色性等を向上させることができる。また、これらのゾルは、セラミックファイバー、ガラスファイバー、セラミックス等の結合剤として用いることができる。更に、各種塗料、各種接着剤等に混入して用いることによって、それらの硬化塗膜の耐水性、耐薬品性、耐光性、耐候性、耐摩耗性、難燃性等を向上させることができる。その他、これらのゾルは、一般に、金属材料、セラミックス材料、ガラス材料、プラスチック材料などの表面処理剤としても用いることができる。更に触媒成分としても有用である。
Claims (4)
- 金属スズと有機酸と過酸化水素との反応により得られた酸化第二スズのコロイド粒子と、酸化ジルコニウムのコロイド粒子とが、これらの酸化物の重量に基づいてZrO2/Sn
O2として0.02〜1.0の比率に結合した構造と4〜50nmの粒子径を有する酸化
第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子を核として、その表面が0.1〜100のWO3/SnO2重量比と、0.1〜100のSiO2/SnO2重量比と2〜7nmの粒子径を有する酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子で被覆されることによって形成された粒子径4.5〜60nmの変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子からなり、そしてこれら全金属酸化物を2〜60重量%含む安定なゾル。 - 有機酸が、シュウ酸又はシュウ酸を主成分として含む有機酸である請求項1に記載のゾル。
- 下記(a)工程、(b)工程、(c)工程、(d)工程、(e)工程及び(f)工程:
(a)工程:有機酸水溶液に過酸化水素水と金属スズをH2O2/Snモル比が2〜4の範囲を保ち、酸化スズの濃度が40重量%以下になるように反応させ、粒子径が4〜50nmの酸化第二スズのコロイドを生成する工程
(b)工程:(a)工程で得た4〜50nmの粒子径を有する酸化第二スズのコロイド粒子をその酸化物SnO2として0.5〜50重量%の濃度に含有する酸化第二スズ水性ゾ
ルと、ZrO2として0.5〜50重量%の濃度のオキシジルコニウム塩の水溶液とを、
これらに基づくZrO2/SnO2として0.02〜1.0の重量比に混合する工程、
(c)工程:(b)工程によって得られた混合液を60〜200℃で、0.1〜50時間加熱することにより、4〜50nmの粒子径を有する酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾルを生成させる工程、
(d)工程:タングステン酸塩、スズ酸塩及び珪酸塩をWO3/SnO2重量比として0.1〜100、SiO2/SnO2重量比として0.1〜100の比率に含有する水溶液を調製し、その水溶液中に存在する陽イオンを除去して得られる酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾルを生成させる工程、
(e)工程:(c)工程で得られた酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾルを、それに含まれるZrO2とSnO2の合計として100重量部と、(d)工程で得られた2〜7nmの粒子径と0.1〜100のWO3/SnO2重量比と0.1〜100のSiO2
/SnO2重量比を有する酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾルを、
これに含まれるWO3とSnO2とSiO2の合計として2〜100重量部の比率に0〜1
00℃で混合する工程、及び
(f)工程:(e)工程で得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体水性ゾルを陰イオン交換体と接触させることにより、当該ゾル中に存在する陰イオンを除去する工程、を含む請求項1又は請求項2に記載の変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体コロイド粒子の安定なゾルの製造方法。 - 有機酸水溶液が、シュウ酸水溶液又はシュウ酸を主成分として含む有機酸水溶液である請求項3に記載のゾルの製造方法。
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