JPH10306258A - コーティング組成物及び光学部材 - Google Patents

コーティング組成物及び光学部材

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JPH10306258A
JPH10306258A JP10031136A JP3113698A JPH10306258A JP H10306258 A JPH10306258 A JP H10306258A JP 10031136 A JP10031136 A JP 10031136A JP 3113698 A JP3113698 A JP 3113698A JP H10306258 A JPH10306258 A JP H10306258A
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JP
Japan
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group
oxide
weight
tin
titanium
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Pending
Application number
JP10031136A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitane Watabe
淑胤 渡部
Keitaro Suzuki
啓太郎 鈴木
Kinya Koyama
欣也 小山
Motoko Iijima
根子 飯島
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 眼鏡レンズ、カメラ用レンズ、自動車用
窓ガラス、液晶ディスプレイや、プラズマディスプレイ
等に付設する光学フィルター等の光学部材に耐擦傷性、
表面硬度、耐摩耗性、透明性、耐熱性、耐光性、耐候
性、耐水性に優れたコーティング膜を得るためのコーテ
ィング組成物及び、そのコーティング組成物を利用した
光学部材に関する。 【解決手段】 下記(A)成分及び(B)成分:(A)
成分:(R1a(R3bSi(OR24-(a+b)及び、
〔(R4cSi(OX)3-c2Yで表される有機ケイ素
化合物、並びにその加水分解物からなる群より選ばれた
少なくとも1種のケイ素含有物質、(B)成分:2〜2
0nmの一次粒子径を有する酸化チタン−酸化ジルコニ
ウム−酸化スズ複合コロイド粒子、を含有するコーティ
ング組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、眼鏡レンズ、カ
メラ用レンズ、自動車用窓ガラス、液晶ディスプレイ
や、プラズマディスプレイ等に付設する光学フィルター
等の光学部材に耐擦傷性、表面硬度、耐摩耗性、透明
性、耐熱性、耐光性、耐候性、耐水性に優れたコーティ
ング膜を得るためのコーティング組成物及び、そのコー
ティング組成物を利用した光学部材に関する。
【0002】本願発明は、形成された被覆物が耐温水性
に優れ、更にこの被覆物上に無機酸化物の蒸着膜(反射
防止膜など)を施した場合でも被覆物の耐候性、耐光性
が低下しないコーティング組成物及び光学部材に関す
る。
【0003】
【従来の技術】プラスチック成形物は、軽量、易加工
性、耐衝撃性等の長所を生かして多量に使用されている
が、反面、硬度が不十分で傷が付きやすい、溶媒に侵さ
れやすい、帯電してほこりを吸着する、耐熱性が不十分
等の欠点があり、眼鏡レンズ、窓材等として使用するに
は、無機ガラス成形体に比べ実用上不十分であった。
【0004】そこでプラスチック成形体に保護コートを
施すことが提案されている。コートに使用されるコーテ
ィング組成物は、実に多数の種類が提案されており、例
えば有機ケイ素化合物又はその加水分解物を主成分(樹
脂成分又は塗膜形成成分)とするコーティング組成物が
眼鏡レンズのハードコートに使用されている。しかし、
このコーティング剤は、耐擦傷性が十分ではない。更に
特開昭53−111336号公報には、シリカゾルを添
加してコロイド状シリカ粒子を含有したコーティング剤
を眼鏡レンズ用ハードコートに使用することが開示され
ている。
【0005】従来、プラスチック製眼鏡レンズは、大半
がジエチレングリコールビスアリルカーボネートをモノ
マーの状態で注型重合することによって製造されてい
た。この様に製造されたレンズは屈折率が約1.50で
あり、ガラスレンズの屈折率の1.52に比べて低いこ
とから、近視用レンズの場合は縁の厚みが増すという問
題がある。そのために近年、ジエチレングリコールビス
アリルカーボネートより屈折率の高いモノマーの開発が
進められている。それらの高屈折率樹脂材料は例えば、
特開昭55−13747号公報、特開昭56−1662
14号公報、特開昭57−23611号公報、特開昭5
7−54901号公報、特開昭59−133211号公
報、特開昭60−199016号公報、特開昭64−5
4021号公報に開示されている。
【0006】上記の高屈折率樹脂材料を用いた高屈折率
レンズに対して、特開昭62−151801号公報や特
開昭63−275682号公報では、SbやTiの金属
酸化物微粒子のコロイド分散体を含有したコーティング
剤が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】シリカゾルを添加する
ことによってコロイド状シリカを含有したコーティング
剤は、そのコーティング剤の塗布と硬化によって得られ
る膜が干渉縞を発生し、レンズの外観が好ましくないと
いう問題がある。また、レンズでは、塗膜の上に反射防
止膜(光学干渉理論に基づく無機酸化物薄膜の多層構造
膜からなる)を形成することが多い。この場合、反射防
止膜が例えば、極薄い緑色の反射色を呈するが、この反
射色がレンズ表面の位置に応じて変わり、むらがあると
いう問題点もあった。
【0008】酸化スズゾルを添加することによってコロ
イド状酸化スズを含有したコーティング剤は、酸化スズ
ゾルがシランカップリング剤等の有機ケイ素化合物やそ
の加水分解物等のケイ素含有物質との相溶性が低く安定
性が低下するために、そのコーティング剤の塗布と硬化
によって得られる膜は耐水性が十分ではない。酸化チタ
ンゾルを添加することによってコロイド状酸化チタンを
含有したコーティング剤は、やはり、酸化チタンゾルが
シランカップリング剤等の有機ケイ素化合物やその加水
分解物等のケイ素含有物質との相溶性が低く安定性が低
下するために、そのコーティング剤の塗布と硬化によっ
て得られる膜は耐水性が十分ではない。また、紫外線照
射により青色に変色するという問題があった。
【0009】酸化アンチモンゾルを添加することによっ
てコロイド状酸化アンチモンを含有したコーティング剤
は、酸化アンチモンゾルとシランカップリング剤等の有
機ケイ素化合物やその加水分解物等のケイ素含有物質と
の相溶性は高く安定性は向上するが、そのコーティング
剤の塗布と硬化によって得られる膜は屈折率が十分に高
くないという問題がある。
【0010】本願発明は、nd=1.54〜1.70の
高い屈折率を有する高屈折率樹脂材料を用いた高屈折率
光学部材に対して、コーティング剤の塗布と硬化によっ
て得られる膜に干渉縞が見えず、且つ反射色に斑のない
膜を与えるコーティング組成物及びそのコーティング組
成物を利用した光学部材を提供することにある。また、
本願発明は、耐擦傷性、表面硬度、耐摩耗性、可とう
性、透明性、帯電防止性、染色性、耐熱性、耐水性、耐
薬品性等に優れたプラスチック用コーティング組成物及
びそのコーティング組成物を利用した光学部材を提供す
ることにある。特に、本願発明は、耐擦傷性、密着性、
耐水性、透明性、耐光性に優れ、干渉縞の発生がない膜
を与えるコーティング剤を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願発明は、下記(A)
成分及び(B)成分: (A)成分:一般式(I) (R1a(R3bSi(OR24-(a+b) (I) (但し、R1及びR3は、それぞれアルキル基、アリール
基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ア
ルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタク
リロイル基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ
基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子
と結合しているものであり、R2は炭素数1〜8のアル
キル基、アルコキシアルキル基、又はアシル基であり、
a及びbはそれぞれ0、1、又は2の整数であり、a+
bは0、1、又は2の整数である。)及び、一般式(I
I) 〔(R4cSi(OX)3-c2Y (II) (但し、R4は炭素数1〜5のアルキル基を示し、Xは炭
素数1〜4のアルキル基又はアシル基を示し、Yはメチ
レン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは
0又は1の整数である。)で表される有機ケイ素化合
物、並びにその加水分解物からなる群より選ばれた少な
くとも1種のケイ素含有物質、 (B)成分:2〜20nmの一次粒子径を有する酸化チ
タン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイド粒子、
を含有するコーティング組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】本願発明のコーティング組成物に
使用される(A)成分中の一般式(I)、 (R1a(R3bSi(OR24-(a+b) (I) においては、R1とR3が同一の有機基又は異なる有機基
である場合や、aとbが同一の整数又は異なる整数であ
る場合の有機ケイ素化合物を含む。上記(A)成分中の
一般式(I)で示される有機ケイ素化合物は、例えば、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ
n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、
テトラn−ブトキシシラン、テトラアセトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリアセチキシシラン、メチルトリブトキシ
シラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアミ
ロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルト
リベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシ
シラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリ
シドキシメチルトリエトキシシラン、αーグリシドキシ
エチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルト
リエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキ
シシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラ
ン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロ
ポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラ
ン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−
グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシド
キシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエ
トキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシ
ラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキ
シシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル
トリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロ
ポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメト
キシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキ
シシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラ
ン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−
グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリ
シドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシド
キシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシ
エチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエ
チルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
プロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
ブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフ
ェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェ
ニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメ
トキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、
3、3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエ
トキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロ
ロメチルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β
−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロ
ピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−ク
ロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシ
ラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、メチル
ビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラ
ン等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わ
せて使用することが出来る。
【0013】また、本願発明のコーティング組成物に使
用される(A)成分中の一般式(I)の有機ケイ素化合
物の加水分解物は、上記一般式(I)の有機ケイ素化合
物が加水分解される事により、上記R2の一部又は全部
が水素原子に置換された化合物となる。これらの一般式
(I)の有機ケイ素化合物の加水分解物は、単独で又は
2種以上組み合わせて使用する事が出来る。加水分解
は、上記の有機ケイ素化合物中に、塩酸水溶液、硫酸水
溶液、酢酸水溶液等の酸性水溶液を添加し撹拌すること
により行われる。
【0014】本願発明のコーティング組成物に使用され
る(A)成分中の一般式(II)、 〔(R4cSi(OX)3-c2Y (II) 表される有機ケイ素化合物は、例えば、メチレンビスメ
チルジメトキシシラン、エチレンビスエチルジメトキシ
シラン、プロピレンビスエチルジエトキシシラン、ブチ
レンビスメチルジエトキシシラン等が挙げられ、これら
を単独で又は2種以上組み合わせて使用することが出来
る。
【0015】また、本願発明のコーティング組成物に使
用される(A)成分中の一般式(II)の有機ケイ素化
合物の加水分解物は、上記一般式(II)の有機ケイ素
化合物が加水分解される事により、上記Xの一部又は全
部が水素原子に置換された化合物となる。これらの一般
式(II)の有機ケイ素化合物の加水分解物は、単独で
又は2種以上組み合わせて使用することが出来る。加水
分解は、上記の有機ケイ素化合物中に、塩酸水溶液、硫
酸水溶液、酢酸水溶液等の酸性水溶液を添加し撹拌する
ことにより行われる。
【0016】本願発明のコーティング組成物に使用され
る(A)成分は、一般式(I)及び一般式(II)で表
される有機ケイ素化合物、並びにその加水分解物から成
る群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質であ
る。本願発明のコーティング組成物に使用される(A)
成分は、好ましくは一般式(I)で表される有機ケイ素
化合物、及びその加水分解物から成る群より選ばれた少
なくとも1種のケイ素含有物質である。特に、R1及び
3のいずれか一方がエポキシ基を有する有機基であ
り、R2がアルキル基であり、且つa及びbがそれぞれ
0又は1であり、a+bが1又は2の条件を満たす一般
式(I)の有機ケイ素化合物及びその加水分解物が好ま
しく、その好ましい有機ケイ素化合物の例としては、グ
リシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメ
チルトリエトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリ
メトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシ
シラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、
β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グ
リシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキ
シブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチル
トリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラ
ン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−
グリシドキシブチルトリエトキシシラン、グリシドキシ
メチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメ
チルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチル
ジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエ
トキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキ
シシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシ
ラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン
である。
【0017】更に、好ましくはγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジメトキシシラン及びこれらの加水分解物であり、これ
らを単独で又は混合物として使用する事が出来る。ま
た、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン又はこれ
らの加水分解物は、更に、一般式(I)においてa+b
=0に相当する4官能の化合物を併用する事が出来る。
4官能に相当する化合物の例としては、テトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシ
シラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラn−ブト
キシシラン、テトラtert-ブトキシシラン、テトラsec-
ブトキシシラン等が挙げられる。
【0018】本願発明のコーティング組成物に使用され
る(B)成分は、2〜20nmの一次粒子径を有する酸
化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイド粒
子である。上記の酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化
スズ複合コロイド粒子は、酸化チタン−酸化ジルコニウ
ム−酸化スズ複合コロイド粒子を液状媒体に分散させた
ゾルとして利用することが好ましい。上記の酸化チタン
−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイド粒子を分散
させる液状媒体としては、水性媒体や、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール等の親水性有機溶媒が好ま
しい。酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コ
ロイド粒子は、一次粒子径が2〜20nm(ナノメート
ル)である。ここで、一次粒子径とは凝集形態にある酸
化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイド粒
子の直径ではなく、個々に分離した時の1個の酸化チタ
ン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイド粒子の直
径であり、電子顕微鏡によって測定する事が出来る。
【0019】本願発明に用いる酸化チタン−酸化ジルコ
ニウム−酸化スズ複合コロイド粒子を含有するゾルは、
如何なる方法で製造されたものを使用することが出来
る。この酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合
コロイド粒子を含有するゾルは、特に以下の方法によっ
て製造されたものが好ましい。即ち、チタン塩、オキシ
ジルコニウム塩及び金属スズを、過酸化水素の存在下に
水性媒体中で反応させる方法により製造することが出来
る。
【0020】更に詳しくは、下記(a)工程、(b)工
程及び(c)工程: (a):過酸化水素水及び金属スズを、2〜3のH22
/Snモル比に保持しつつ同時に又は交互にチタン塩及
びオキシジルコニウム塩の混合物水溶液に添加して、チ
タン成分、ジルコニウム成分及びスズ成分がTiO2
ZrO2及びSnO 2に換算して0.05〜1.0のZr
2/TiO2モル比、0.25〜10のTiO2/(Z
rO2+SnO2)モル比と、TiO2、ZrO2及びSn
2に換算した総濃度が5〜50重量%となるチタン−
ジルコニウム−スズの塩基性塩水溶液を生成する工程、 (b):(a)工程で得られたチタン−ジルコニウム−
スズの塩基性塩水溶液を0.1〜100時間かけて50
〜100℃の温度で保持して酸化チタン−酸化ジルコニ
ウム−酸化スズ複合コロイドの凝集体を生成させる工
程、及び (c):(b)工程で生成した酸化チタン−酸化ジルコ
ニウム−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリー中の電
解質を除去する工程、より成る酸化チタン−酸化ジルコ
ニウム−酸化スズ複合水性ゾルの製造方法である。
【0021】上記の(a)工程で使用されるチタン塩と
しては四塩化チタン、硫酸チタン、硝酸チタン等が挙げ
られる。これらのチタン塩は水溶液で用いる事が好まし
い。上記の(a)工程で使用されるオキシジルコニウム
塩としては、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硫酸ジル
コニウム、オキシ硝酸ジルコニウム若しくはオキシ炭酸
ジルコニウム等のオキシ無機酸ジルコニウム、又はオキ
シ酢酸ジルコニウム等のオキシ有機酸ジルコニウムが挙
げられる。
【0022】上記の(a)工程で使用される金属スズは
粉末状又は粒状で用いることが出来る。例えばインゴッ
トを溶融し噴霧凝固させて得られるアトマイゼーション
法による金属スズ粉末や、インゴットを旋盤やヤスリ等
により切削し製造されたフレーク状金属スズ粉末を用い
る事が出来る。過酸化水素は、市販の35重量%濃度の
水溶液を所望の濃度で用いる事が出来る。
【0023】(a)工程ではチタン塩とオキシジルコニ
ウム塩の混合水溶液に、過酸化水素水と金属スズを同時
に又は交互に添加して、チタン−ジルコニウム−スズの
塩基性塩水溶液を生成する工程である。撹拌機を備えた
反応容器にチタン塩とオキシジルコニウムの混合物水溶
液を入れ、撹拌下に過酸化水素水と金属スズを各々、別
々の添加口から同時に又は交互に添加する。上記の混合
物水溶液は、純水中にチタン塩とオキシジルコニウム塩
を溶解する方法、チタン塩水溶液とオキシジルコニウム
水溶液を混合する方法、チタン塩水溶液にオキシジルコ
ニウム塩を添加する方法、又はオキシジルコニウム塩水
溶液にチタン塩を添加する方法で得られる。(a)工程
の塩基性塩水溶液、及び以下に続く(b)工程の酸化チ
タン−酸化スズ複合コロイドの凝集体を含むスラリーは
酸性であるため、それら工程で使用される反応装置はガ
ラス製反応装置やグラスライニング(ホウロウ)製反応
装置を用いる事が好ましい。
【0024】過酸化水素水と金属スズのH22/Snモ
ル比は2〜3に保持しつつチタン塩とオキシジルコニウ
ム塩の混合物水溶液中に添加する。より詳しくは、過酸
化水素水及び金属スズの添加すべき全重量部に対して1
/3〜1/30重量部をそれぞれ分収して、チタン塩と
オキシジルコニウム塩の混合物水溶液への過酸化水素水
の添加と、それに続く金属スズの添加そして2〜20分
間反応を行う一連の工程を、3〜30回繰り返す分割添
加の方法が挙げられる。また、過酸化水素水及び金属ス
ズの添加すべき全重量部に対して1/3〜1/30重量
部をそれぞれ分収して、チタン塩とオキシジルコニウム
塩の混合物水溶液への金属スズの添加と、それに続く過
酸化水素水の添加そして2〜20分間反応を行う一連の
工程を、3〜30回繰り返す分割添加の方法も挙げられ
る。
【0025】この時に、初めに全量の過酸化水素を酸性
のチタン塩とオキシジルコニウム塩の混合物水溶液に加
え、これに金属スズを加えると過酸化水素の大部分が反
応の初期に分解してしまい過酸化水素の量が不足し、ま
た過酸化水素の分解反応は発熱反応のため危険であり好
ましくない。H22/Snモル比が3を少し越えても反
応は可能であるが、大幅に越えることは上記理由から好
ましくない。H22/Snモル比が2未満では酸化不充
分となるため好ましくない。過酸化水素水と金属スズの
添加時間は、例えばチタン塩とオキシジルコニウム塩の
合計モル数で1モルが溶存する混合物水溶液を用いた場
合に、0.4〜10時間、好ましくは0.4〜5時間を
かけて添加することが出来る。この添加時間が0.4時
間以下では発熱反応が激しくコントロールが出来なくな
り、また未反応の金属スズが残存し易くなるため好まし
くない。また、10時間以上でも良いが経済的でないた
め好ましくない。
【0026】(a)工程において生成するチタン−ジル
コニウム−スズの塩基性塩は、チタン成分、ジルコニウ
ム成分及びスズ成分を酸化チタン(TiO2)、酸化ジ
ルコニウム(ZrO2)及び酸化スズ(SnO2)に換算
したZrO2/TiO2モル比が0.05〜1.0、好ま
しくは0.1〜0.5である。また、TiO2/(Zr
2+SnO2)モル比が0.25〜10、好ましくは
0.4〜4.0である。
【0027】TiO2/(ZrO2+SnO2)モル比が
0.25未満でもチタン−ジルコニウム−スズの塩基性
塩水溶液を作成できるが、カウンターアニオンのモル比
が低下しコロイドが生成しやすく、また屈折率も低下す
るために好ましくない。またモル比が10を越えてもチ
タン−ジルコニウム−スズの塩基性塩水溶液を作成でき
るが、これを用いて製造した酸化チタン−酸化ジルコニ
ウム−酸化スズ複合ゾルの紫外線による変色の抑制効果
が低下するために好ましくない。(a)工程のチタン−
ジルコニウム−スズの塩基性塩水溶液中の(TiO2
ZrO2+SnO 2)に換算した総濃度は5〜50重量%
が好ましい。5重量%未満でも可能であるが、効率が悪
く経済的でない。また50重量%を越える事も可能であ
るが、粘度が高く、撹拌しにくくなり、反応が不均一に
なるために好ましくない。
【0028】(a)工程において、水性媒体中でのチタ
ン塩、オキシジルコニウム塩、金属スズ及び過酸化水素
水の反応は、30〜95℃、好ましくは40〜85℃で
行われる。過酸化水素と金属スズとの反応は酸化反応で
あるため発熱反応となり、また過酸化水素の分解反応も
同時に起こりこの反応も発熱反応であるため反応時の温
度コントロールには注意が必要であり、必要に応じて冷
却する事が出来る。反応温度は30℃未満でもよいが、
発熱反応であるために過剰の冷却が必要となり、反応に
時間が懸かり過ぎ、経済的でない。反応温度が95℃以
上の沸騰状態では(a)工程で粗大なコロイド粒子が生
成してしまうため好ましくない。
【0029】(b)工程では、(a)工程で得られたチ
タン−ジルコニウム−スズの塩基性塩を加水分解する事
によって、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複
合コロイドの凝集体を得る工程である。(b)工程にお
いてチタン−ジルコニウム−スズの塩基性塩水溶液は、
酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(Zr
2)、及び酸化スズ(SnO2)に換算した総濃度(T
iO2+ZrO2+SnO2)が2〜15重量%に調製す
る事が好ましい。2重量%未満でも可能であるが、効率
が悪く経済的でない。また15重量%を越える事も可能
であるが、粘度が高く、撹拌しにくくなり、加水分解反
応が不均一になるために好ましくない。また粒子径をコ
ントロールするために予め塩基性物質を添加しpH調整
してから加水分解を行うことが出来る。上記の塩基性物
質は例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アン
モニウム、及びエチルアミン、n−プロピルアミン、イ
ソプロピルアミン等のアルキルアミン、トリエタノール
アミン等のアルカノールアミン、又は第4級アンモニウ
ム水酸化物等が挙げられる。そしてpHは1〜2に調製
する事が好ましい。
【0030】(b)工程において加水分解の温度は50
〜100℃の温度が好ましい。50℃未満でもよいが加
水分解に時間が懸かりすぎるために好ましくない。10
0℃を越えて行ってもよいが、オートクレーブなどの特
殊な水熱処理装置が必要となり、また水熱処理により生
成したコロイドの二次凝集体が強固になり、得られる酸
化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合ゾルの透明
性が低下するために好ましくない。
【0031】(b)工程において加水分解に要する時間
は0.1〜100時間が好ましい。0.1時間未満では
加水分解が不充分となり好ましくない。また100時間
を越えた場合は、一次粒子径が大きくなりまた強固な二
次凝集体が形成されるために好ましくない。この(b)
工程により得られる酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸
化スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は2〜20nm
(ナノメートル)である。
【0032】(c)工程は、(b)工程で得られた酸化
チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイドの凝
集体スラリー中から過剰な電解質(主にアニオン)を除
去して、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合
コロイド粒子を解膠させてゾルを得る工程である。過剰
な電解質を除去することにより酸化チタン−酸化ジルコ
ニウム−酸化スズ複合コロイド粒子が一次粒子に近い状
態で分散したゾルを得ることが出来る。この洗浄は凝集
沈降させ、上澄みをデカンテーションする方法、限外濾
過法、イオン交換法などにより行うことができるが、多
量の電解質を含む場合は限外濾過→注水→限外濾過の繰
り返しによる洗浄方法が特に好ましい。
【0033】(c)工程を経て酸化チタン−酸化ジルコ
ニウム−酸化スズ複合水性ゾルが得られる。この(c)
工程で得られるゾル中の酸化チタン−酸化ジルコニウム
−酸化スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は2〜20n
mである。この一次粒子径が2nm未満であると、これ
を用いて製造した酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化
スズ複合ゾルの粘度が高くなり、耐水性も低下するので
好ましくない。また一次粒子径が20nm以上の場合
は、これを用いて製造した酸化チタン−酸化ジルコニウ
ム−酸化スズ複合ゾルの透明性が低下するために好まし
くない。
【0034】(d)工程として、(c)工程で得られた
酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合水性ゾル
を陰イオン交換する工程を付加する事が出来る。この陰
イオン交換処理により高濃度でも安定なゾルを得ること
が出来る。(d)工程における陰イオン交換は市販の陰
イオン交換樹脂を用いることができ、陰イオン交換樹脂
は水酸基型に調整後に使用する。陰イオン交換樹脂を充
填したカラムに酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化ス
ズ複合水性ゾルを通液することにより容易に陰イオン交
換できる。通液温度は0〜60℃,通液速度は空間速度
SV1〜10時間が好ましい。(d)工程では陰イオン
交換処理の前及び/又は後に、塩基性物質を酸化チタン
−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合水性ゾルに添加して
安定性を増大させることが出来る。(d)工程において
用いられる塩基性物質としては有機塩基が好ましく例え
ば、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピル
アミンなどのアルキルアミン、トリエタノールアミンな
どのアルカノールアミン、及び第4級アンモニウム水酸
化物等が用いられる。
【0035】(d)工程で得たアルカリ性の酸化チタン
−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合ゾルはそのままでも
安定であるが、必要に応じて限外濾過法や蒸発法により
濃縮し、高濃度で安定なゾルを得ることが出来る。
(e)工程として、(c)工程又は(d)工程で得られ
た酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾルの水性媒体を有機
溶媒に置換する工程を付加する事が出来る。
【0036】(e)工程の溶媒置換の際、安定化剤とし
て少量の有機塩基及び/又は有機酸等が添加される事に
より溶媒置換を安定に行うことができる。この有機塩基
としてはエチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロ
ピルアミン、ジイソブチルアミン等のアルキルアミン、
トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、及び第
4級アンモニウム水酸化物等が挙げられ、有機酸として
はグリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸等のオキ
シカルボン酸やフェニルホスホン酸等が挙げられる。こ
の溶媒置換は蒸留法、限外濾過法などの通常に用いられ
る方法により行うことができる。この有機溶媒としては
メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級ア
ルコール;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド等の直鎖アミド類;N−メチル−2−ピロリ
ドン等の環状アミド類;エチルセロソルブ等のグリコー
ルエーテル類;エチレングリコール等が挙げられる。
【0037】(d)工程及び(e)工程を経て得られる
ゾル中の酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合
コロイド粒子の一次粒子径は、やはり2〜20nmであ
る。酸化チタン(TiO2)は、紫外線吸収能を有して
いるため耐紫外線顔料やフィラーとして各種プラスチッ
クス、繊維などに0.1〜10μm程度の粒子径のパウ
ダーが添加され、使用されている。また、光学関連用
途、例えば光学部材や透明性フィルムなどに塗布される
コ−ティング組成物にマイクロフィラーとして使用され
る酸化チタンは、一次粒子径が100nm以下、好まし
くは20nm以下のゾルとして用いられている。一次粒
子径が小さな酸化チタンは紫外線に対して非常に敏感に
なるため紫外線吸収効果が向上する反面、酸化チタンが
紫外線により部分的にTiO2→TiOへの還元反応が
起こり、濃青色に呈するという欠点を持っている。酸化
第二スズ(SnO2)も一次粒子径が100nm以下、
特に30nm以下のゾルになると紫外線により部分的に
SnO2→SnOへの還元反応が起こるため褐色あるい
は青緑色を呈するという欠点を持っている。
【0038】本願発明に用いられる酸化チタン−酸化ジ
ルコニウム−酸化スズ複合ゾルは、予めチタン塩とオキ
シジルコニウム塩の混合物水溶液に、過酸化水素と金属
スズをH22/Snモル比が2〜3の範囲に保持しつつ
添加、反応させてチタン−ジルコニウム−スズの塩基性
塩水溶液を作成し、これを加水分解することより酸化チ
タン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイド水溶液
が形成される。従って、
【0039】
【化1】
【0040】という結合が生成すると考えられるため
に、紫外線照射によってもそれぞれ単独の酸化物の時、
又はそれぞれの酸化物が混合された時に比べてTiOや
SnOへの還元が著しく抑制され、ほとんど変色しなく
なる。また、本願発明の用いられるゾルは、(c)工
程、(d)工程及び(e)工程で電解質の除去、イオン
交換、溶媒置換等の操作を行った後でもTiO2粒子、
ZrO2粒子、及びSnO2粒子に分離する様な事はない
ので、原子レベルで
【0041】
【化2】
【0042】の結合が生成しているものと考えられる。
また本願発明に用いられる酸化チタン−酸化ジルコニウ
ム−酸化スズ複合ゾルは原子レベルで均一に複合(固
溶)されているため、各種セラミックス用材料として用
いた場合、焼結温度の低減や、酸化チタン−酸化ジルコ
ニウム−酸化スズ系のより均一な材料特性を供与するこ
とができる。
【0043】本願発明のコーティング組成物は、(C)
成分として金属塩、金属アルコキシド及び金属キレート
から成る群より選ばれた少なくとも1種の金属化合物を
硬化触媒として含有する事が出来る。上記の(C)成分
を添加することにより、本願発明のコーティング組成物
を光学基材表面に塗布して硬化させる時に、硬化反応を
促進させ、短時間に十分に硬化させた膜を得ることが出
来る。
【0044】上記の(C)成分は、有機カルボン酸、ク
ロム酸、次亜塩素酸、ほう酸、過塩素酸、臭素酸、亜セ
レン酸、チオ硫酸、オルトケイ酸、チオシアン酸、亜硝
酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩、及び多価金属塩、更にアルミニウム、ジル
コニウム、チタニウムを有する金属アルコキシド及びこ
れらの金属キレート化合物があげられる。特に上記の
(C)成分は金属キレート化合物が好ましい。この金属
キレート化合物としては、アセチルアセトナト錯体が挙
げられ、例えば、アルミニウムアセチルアセトネートが
挙げられる。アセチルアセトンCH3COCH2COCH
3のCH2基からプロトンが1個解離した陰イオンはアセ
チルアセトナト配位子(略号acac)であって、アルミニ
ウムアセチルアセトネートは、Al(acac)3の構造を有
する。
【0045】また、上記(C)成分は、アリルアミン、
エチルアミン等のアミン類、またルイス酸やルイス塩基
を含む各種酸や塩基を使用することも出来る。本願発明
のコーティング組成物は、種々の光学部材、例えばレン
ズとの屈折率に合わせるために微粒子状金属酸化物を含
有することが出来る。これらの微粒子状金属酸化物とし
ては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化アンチモ
ン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化セリウム等が
挙げられる。
【0046】また、本願発明のコーティング組成物は、
光学部材の表面に塗布する時の濡れ性向上と、硬化して
得られる膜の平滑性を向上させるために各種の界面活性
剤を含有する事が出来る。更に、紫外線吸収剤、酸化防
止剤等も得られる膜の物性に影響を与えない限り添加す
ることが出来る。本願発明のコーティング組成物は、
(A)成分のケイ素含有物質100重量部に対して、酸
化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイド粒
子を1〜500重量部、好ましくは100〜300重量
部の割合で含有することが出来る。酸化チタン−酸化ジ
ルコニウム−酸化スズ複合コロイド粒子が、1重量部未
満では得られる膜の屈折率が低くなり、基材への応用範
囲が著しく限定される。また、500重量部を越えると
硬化膜と基板との間にクラック等が生じやすくなり、さ
らに透明性の低下を起こす可能性が大きくなるために好
ましくない。
【0047】本願発明では、上記のコーティング組成物
から成る硬化膜を表面に有する光学部材が得られる。本
願発明のコーティング組成物よりなる硬化膜を光学部材
上に形成する方法としては、上述したコーティング組成
物を光学部材に塗布し、その後硬化する方法があげられ
る。塗布手段としてはディッピング法、スピン法、スプ
レー法等の通常行われる方法が適用できるが、得られる
膜の表面平滑性の点からディッピング法、スピン法が特
に好ましい。
【0048】さらに上述したコーティング組成物を光学
部材に塗布する前に、酸、アルカリ、各種有機溶媒によ
る化学処理、プラズマ、紫外線等による物理的処理、各
種洗剤を用いる洗剤処理、さらには、各種樹脂を用いた
プライマー処理を用いることによって光学部材と硬化膜
との密着性を向上させることができる。本願発明のコー
ティング組成物は、光学部材上に塗布し、その後に硬化
する事によって硬化膜とすることができる。本願発明の
コーティング組成物の硬化は、熱風乾燥または活性エネ
ルギー線照射によって行うことが出来る。熱風乾燥を用
いる場合は、70〜200℃の熱風中で行うことがよ
く、特に好ましくは90〜150℃が好ましい。また、
活性エネルギー線としては、遠赤外線を用いる事がで
き、熱による損傷を低く抑えることができる。
【0049】本願発明では、上記のコーティング組成物
から成る硬化膜と反射防止膜とを積層した膜を表面に有
する光学部材を得ることが出来る。この反射防止膜は、
本願発明のコーティング組成物から成る硬化膜の上に設
けることが出来る。この反射防止膜は、多層膜とするこ
とが好ましく、低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層
して得られる。この反射防止膜に用いる高屈折率膜とし
ては、酸化ジルコニウム蒸着膜、又は酸化ジルコニウム
に酸化タンタル及び酸化イットリウムを含む金属酸化物
の混合蒸着膜があり、また、この反射防止膜に用いる低
屈折率膜としてはシリカの蒸着膜が挙げられる。上記の
酸化ジルコニウム蒸着膜、又は酸化ジルコニウムに酸化
タンタル及び酸化イットリウムを含む金属酸化物の混合
蒸着膜は、酸化ジルコニウム粉末を単独で、又は酸化ジ
ルコニウム粉末に酸化タンタル粉末、酸化イットリウム
粉末を混合し、加圧プレス、焼結等によりペレット状に
したものを電子ビーム加熱法により、本願発明のコーテ
ィング組成物から成る膜上に蒸着させることにより反射
防止膜を設けることが出来る。
【0050】また、本願発明のコーティング組成物より
なる硬化膜は、高い屈折率を有する為にそれ自体で反射
防止膜として使用する事ができ、更に、防曇、フォトク
ロミック、防汚等の機能成分を加えることにより、多機
能膜として使用することもできる。本願発明に用いられ
る光学部材は、透明性プラスチック成形体が好ましく、
その透明性プラスチックとしては、例えば眼鏡レンズの
ほか、カメラ用レンズ、自動車の窓ガラス、液晶ディス
プレイやプラズマディスプレイなどに付設する光学フィ
ルターなどが挙げられる。
【0051】本願発明のコーティング組成物は、(A)
成分として一般式(I)及び一般式(II)で表される
有機ケイ素化合物、並びにその加水分解物から成る群よ
り選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質と、(B)
成分として酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複
合コロイド粒子を含有する。本願発明のコーティング組
成物は、(A)成分の有機ケイ素化合物を酸性水溶液で
加水分解し、(B)成分を含有する酸化チタン−酸化ジ
ルコニウム−酸化スズ複合コロイド粒子を含有するオル
ガノゾルと混合する事によって製造することが出来る。
この酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロ
イド粒子を含有するオルガノゾルは、メタノール溶媒に
酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイド
粒子を分散したゾルを好ましく用いることが出来る。
【0052】上記のコーティング組成物は、光学部材に
塗布し硬化させることにより、耐擦傷性、表面硬度、耐
摩耗性、透明性、耐熱性、耐光性、耐候性、耐水性に優
れ、しかも屈折率が1.54以上の高屈折率の部材に塗
工しても干渉縞の見られない高透明性で外観良好の光学
部材が得られる。以下の実施例に具体例を詳述する。し
かし、本願発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0053】
【実施例】
参考例1(酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複
合ゾルの調製) (a)工程:四塩化チタン(TiO2に換算して27.
2重量%、Cl32.0重量%、住友シチックス(株)
製)587.5g(TiO2に換算して159.8g)
とオキシ炭酸ジルコニウム(ZrO2に換算して43.
0重量%、第一希元素化学(株)製)57.2g(Zr
2に換算して24.6g)と水686.99gを、3
リットルのジャケット付きガラス製セパラブルフラスコ
にとり塩化チタンとオキシ塩化ジルコニウムの混合物水
溶液1331.7g(TiO2に換算して12.0重量
%、ZrO2に換算して1.85重量%)を作成した。
この水溶液をガラス製撹拌棒で撹拌しながら60℃まで
加温した後、冷却しながら35重量%濃度の過酸化水素
水(工業用)923.5gと金属スズ粉末(山石金属
(株)製、商品名AT−Sn、No.200)451.
1gを添加した。
【0054】過酸化水素水と金属スズの添加は、はじめ
に金属スズ25.0g(0.21モル)を、次いで過酸
化水素水51.3g(0.53モル)を徐々に加えた。
この反応が終了するのを待って(5〜10分)、金属ス
ズ25.0g(0.21モル)を、次いで過酸化水素水
51.3g(0.53モル)を徐々に加えた。この様に
金属スズの添加に続く過酸化水素水の添加を、5〜10
分の間隔を置いて合計17回繰り返すことにより、(金
属スズ25.0gと過酸化水素水51.3g)×17回
の分割添加を行った後、最後に金属スズ26.1gを次
いで過酸化水素水51.4gを添加し、トータル18回
の分割添加を行った。
【0055】反応は発熱反応のため金属スズの添加によ
り80〜85℃になり反応が終了すると冷却のために6
0〜70℃に低下した。従って反応温度は60〜85℃
であった。添加時の過酸化水素水と金属スズの割合はH
22/Snモル比で2.52であった。過酸化水素水と
金属スズの添加に要した時間は2.5時間であった。な
お、反応により水が蒸発するので適量の補充を行った。
反応終了後、淡黄色透明な塩基性塩化チタン−ジルコニ
ウム−スズ複合塩水溶液2680gを得た。得られた塩
基性塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液中で
は、チタン成分は酸化チタン(TiO2)に換算した濃
度として5.96重量%、ジルコニウム成分は酸化ジル
コニウム(ZrO2)に換算した濃度として0.92重
量%、スズ成分は酸化スズ(SnO2)に換算した濃度
として21.37重量%、ZrO2/TiO2モル比は
0.1で、TiO2/(ZrO2+SnO2)モル比0.
5であった。また(Ti+Zr+Sn)/Clモル比は
1.13であった。
【0056】(b)工程:(a)工程で得られた塩基性
塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液177
0.5gに28重量%濃度のアンモニア水155.4
g、水8074.1gを添加し、TiO2+ZrO2+S
nO2に換算した濃度で5重量%のまで希釈した。この
水溶液を95〜98℃で12時間加水分解を行い、一次
粒子径4〜8nmの酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸
化スズ複合コロイドの凝集体スラリーを得た。
【0057】(c)工程:(b)工程で得た酸化チタン
−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイドの凝集体ス
ラリーを限外濾過装置にて水約20リットルを用いて濃
縮→注水→濃縮の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄
除去、解膠させ、酸性の酸化チタン−酸化ジルコニウム
−酸化スズ複合水性ゾル7400gを得た。電子顕微鏡
で測定した酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複
合コロイド粒子の一次粒子径は、4〜8nmであった。 (d)工程:(c)工程で得た酸性の酸化チタン−酸化
ジルコニウム−酸化スズ複合水性ゾル9000gにイソ
プロピルアミン10.0gを添加した後、陰イオン交換
樹脂(アンバーライトIRA−410、オルガノ(株)
製)500mlを詰めたカラムに通液し、アルカリ性の
酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合水性ゾル
10277gを得た。このゾルを限外濾過装置にて、濃
縮を行ない、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ
複合水性濃縮ゾル3506.4gを得た。得られたゾル
は比重1.138、粘度7.5mPa・s、pH10.
11、電導度970μs/cm、TiO2に換算した濃
度は3.0重量%、ZrO2に換算した濃度は0.46
重量%、SnO2に換算した濃度は10.8重量%であ
った。 (e)工程:(d)工程で得られたアルカリ性酸化チタ
ン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合水性濃縮ゾル12
05.3gに撹拌下、酒石酸6.85g、ジイソプロピ
ルアミン10.3gを添加した後、ロータリーエバポレ
ーターを用いて減圧下、メタノール20Lを徐々に添加
しながら水を留去する方法で水媒体をメタノールに置換
させ、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合メ
タノールゾル563gを作成した。得られたメタノール
ゾルは比重1.104、酸化チタン−酸化ジルコニウム
−酸化スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は4〜8n
m、粘度3.4mPa・s、pH(1+1)7.50、
電導度(1+1)1335μs/cm、TiO2に換算
した濃度は6.42重量%、ZrO2に換算した濃度は
0.98重量%、SnO2に換算した濃度は23.1重
量%、水分0.46重量%であった。
【0058】参考例2(酸化チタン−酸化ジルコニウム
−酸化スズ複合ゾルの調製) (a)工程:四塩化チタン(TiO2に換算して27.
2重量%、Cl32.0重量%、住友シチックス(株)
製)587.5g(TiO2に換算して159.8g)
とオキシ炭酸ジルコニウム(ZrO2に換算して43.
0重量%、第一希元素化学(株)製)114.6g(Z
rO2に換算して49.2g)と水629.6gを、3
リットルのジャケット付きガラス製セパラブルフラスコ
にとり塩化チタンとオキシ塩化ジルコニウムの混合物水
溶液1331.7g(TiO2に換算して12.0重量
%、ZrO2に換算して3.7重量%)を作成した。
【0059】この水溶液をガラス製撹拌棒で撹拌しなが
ら60℃まで加温した後、冷却しながら35重量%濃度
の過酸化水素水(工業用)358.0gと金属スズ粉末
(山石金属(株)製、商品名AT−Sn、No.20
0)190.0gを添加した。過酸化水素水と金属スズ
の添加は、はじめに過酸化水素水35.8g(0.37
モル)を、次いで金属スズ19.0g(0.16モル)
を徐々に加えた。反応が終了するのを待って(5〜10
分)、過酸化水素水35.8g(0.37モル)を、次
いで金属スズ19.0g(0.16モル)を徐々に加え
た。この様に過酸化水素水の添加に続く金属スズの添加
を、5〜10分の間隔を置いて合計10回繰り返すこと
により、(過酸化水素水35.8gと金属スズ19.0
g)×10回の分割添加を行った。
【0060】反応は発熱反応のため金属スズの添加によ
り80〜85℃になり反応が終了すると冷却のために6
0〜70℃に低下した。従って反応温度は60〜85℃
であった。添加時の過酸化水素水と金属スズの割合はH
22/Snモル比で2.3であった。過酸化水素水と金
属スズの添加に要した時間は2.5時間であった。な
お、反応により水が蒸発するので適量の補充を行った。
反応終了後、淡黄色透明な塩基性塩化チタン−ジルコニ
ウム−スズ複合塩水溶液1780gを得た。得られた塩
基性塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液中で
は、チタン成分は酸化チタン(TiO2)に換算した濃
度として8.98重量%、ジルコニウム成分は酸化ジル
コニウム(ZrO2)に換算した濃度として2.76重
量%、スズ成分は酸化スズ(SnO2)に換算した濃度
として13.55重量%、ZrO2/TiO2モル比は
0.2で、TiO2/(ZrO2+SnO2)モル比1.
0であった。また(Ti+Zr+Sn)/Clモル比は
0.76であった。
【0061】(b)工程:(a)工程で得られた塩基性
塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液1780
gに28重量%濃度のアンモニア水259g、水696
4gを添加し、TiO2+ZrO2+SnO2に換算した
濃度で5重量%まで希釈した。この水溶液を95〜98
℃で12時間加水分解を行い、一次粒子径4〜8nmの
酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイド
の凝集体を得た。
【0062】(c)工程:(b)工程で得た酸化チタン
−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイドの凝集体ス
ラリーを限外濾過装置にて水約20リットルを用いて濃
縮→注水→濃縮の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄
除去、解膠させ、酸性の酸化チタン−酸化ジルコニウム
−酸化スズ複合水性ゾル8400gを得た。電子顕微鏡
の測定による酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ
複合コロイド粒子の一次粒子径は、4〜8nmであっ
た。
【0063】(d)工程:(c)工程で得た酸性の酸化
チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合水性ゾル90
00gにイソプロピルアミン27.0gを添加し、アル
カリ性にした後、更に限外濾過装置にて水約20リット
ルを用いて濃縮→注水→濃縮の操作を繰り返し、過剰な
電解質を洗浄除去し、アルカリ性の酸化チタン−酸化ジ
ルコニウム−酸化スズ複合水性ゾル8000gを得た。
このゾルを陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−
410、オルガノ(株)製)500ミリリットルを詰め
たカラムに通液し、電解質(アニオン)の非常に少ない
アルカリ性の酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ
複合水性ゾル9050gを得た。このゾルを限外濾過装
置にて、濃縮を行ない、酸化チタン−酸化ジルコニウム
−酸化スズ複合水性濃縮ゾル3100gを得た。得られ
たゾルは比重1.140、粘度10.3mPa・s、p
H10.31、電導度1105μs/cm、TiO2
換算した濃度は5.18重量%、ZrO2に換算した濃
度は1.58重量%、SnO2に換算した濃度は7.7
7重量%であった。
【0064】(e)工程:(d)工程で得られたアルカ
リ性酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合水性
濃縮ゾル1180.4gに撹拌下、酒石酸6.85g、
ジイソプロピルアミン10.3gを添加した後、ロータ
リーエバポレーターを用いて減圧下、メタノール20リ
ットルを徐々に添加しながら水を留去する方法で水媒体
をメタノールに置換させ、酸化チタン−酸化ジルコニウ
ム−酸化スズ複合メタノールゾル563gを作成した。
得られたメタノールゾルは比重1.106、酸化チタン
−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイド粒子の一次
粒子径は4〜8nm、粘度3.8mPa・s、pH(1
+1)7.85、電導度(1+1)1465μs/c
m、TiO2に換算した濃度は10.87重量%、Zr
2に換算した濃度は3.33重量%、SnO2に換算し
た濃度は16.4重量%、水分0.42重量%であっ
た。
【0065】参考例3(酸化チタンメタノールゾルの調
製) 四塩化チタン(TiO2に換算して27.2重量%、C
l32.0重量%、住友シチックス(株)製)587.
5g(TiO2に換算して159.8g)と水260
8.5gを、3リットルのジャケット付きガラス製セパ
ラブルフラスコにとり塩化チタン水溶液3196g(T
iO2に換算して5.0重量%)を作成した。この水溶
液に28重量%濃度のアンモニア水50gをガラス製撹
拌棒で撹拌しながら添加した後、この水溶液を95℃で
10時間加水分解を行い、一次粒子径4〜8nmの酸化
チタンコロイドの凝集体を得た。
【0066】この酸化チタンコロイドの凝集体スラリー
を5B濾紙を用いて吸引濾過を行い、次いで水約40リ
ットルを用いて注水洗浄し、過剰な電解質を除去し、酸
化チタンのウェットケーキ620gを得た。得られたウ
ェットケーキを水2576gに分散させた後、イソプロ
ピルアミン8.0gを添加し、アルカリ性とした後、陰
イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410、オル
ガノ(株)製)200ミリリットルを詰めたカラムに通
液し、アルカリ性の酸化チタン水性ゾル3890gを得
た。このゾルをロータリーエバポレーターにて減圧下、
濃縮を行ない、アルカリ性酸化チタン水性濃縮ゾル10
70gを得た。得られたゾルに撹拌下、酒石酸12.1
g、ジイソプロピルアミン26.1gを添加した後、ロ
ータリーエバポレーターを用いて減圧下、メタノール2
5リットルを徐々に添加しながら水を留去する方法で水
媒体をメタノールに置換させ、酸化チタンメタノールゾ
ル775.2gを作成した。得られたメタノールゾルは
比重0.970、酸化チタン粒子の一次粒子径は4〜8
nm、粘度4.5mPa・s、pH(1+1)8.9
8、電導度1600μs/cm、TiO220.2重量
%、水分3.4重量%であった。
【0067】参考例4(酸化チタン−酸化スズ複合ゾル
の調製) (a)工程:四塩化チタン(TiO2に換算して27.
2重量%、Cl32.0重量%、住友シチックス(株)
製)587.5g(TiO2に換算して159.8g)
と水744.2gを、3リットルのジャケット付きガラ
ス製セパラブルフラスコにとり塩化チタン水溶液133
1.7g(TiO2に換算して12.0重量%濃度)を
作成した。この水溶液をガラス製撹拌棒で撹拌しながら
50℃まで加温した後、冷却しながら35重量%濃度の
過酸化水素水(工業用)797.0gと金属スズ粉末
(山石金属(株)製、商品名AT−Sn、No.20
0)474.8gを添加した。
【0068】過酸化水素水と金属スズの添加は、はじめ
に金属スズ26.4g(0.22モル)を、次いで過酸
化水素水44.3g(0.46モル)を徐々に加えた。
この反応が終了するのを待って(5〜10分)、金属ス
ズ26.4g(0.22モル)を、次いで過酸化水素水
44.3g(0.46モル)を徐々に加えた。この様に
金属スズの添加に続く過酸化水素水の添加を、5〜10
分の間隔を置いて合計17回繰り返すことにより、(金
属スズを26.4gと過酸化水素水を44.3g)×1
7回の分割添加を行った後、最後に金属スズ26.0g
を次いで過酸化水素水43.9gを添加し、トータル1
8回の分割添加を行った。
【0069】反応は発熱反応のため金属スズの添加によ
り70〜75℃になり反応が終了すると冷却のために5
0〜60℃に低下した。従って反応温度は50〜75℃
であった。添加時の過酸化水素と金属スズの割合はH2
2/Snモル比で2.09であった。過酸化水素水と
金属スズの添加に要した時間は3.0時間であった。
尚、反応により水が蒸発するので適量の補充を行った。
反応終了後、淡黄色透明な塩基性塩化チタン−スズ複合
塩水溶液2730.9gを得た。得られた塩基性塩化チ
タン−スズ複合塩水溶液中では、チタン成分は酸化チタ
ン(TiO2)に換算した濃度として5.85重量%、
スズ成分は酸化スズ(SnO2)に換算した濃度として
22.07重量%、TiO2/SnO2に換算したモル比
0.5であった。また(Ti+Sn)/Clモル比は
1.10であった。
【0070】(b)工程:(a)工程で得られた塩基性
塩化チタン−スズ複合塩水溶液2569.7gに水11
407g、28重量%濃度のアンモニア水211gを添
加し、TiO2+SnO2に換算した濃度で5重量%まで
希釈した。この水溶液を95℃で10時間加水分解を行
い、一次粒子径4〜8nmの酸化チタン−酸化スズ複合
コロイドの凝集体スラリーを得た。
【0071】(c)工程:(b)工程で得た酸化チタン
−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリーを限外濾過装
置にて水約15リットルを用いて濃縮→注水→濃縮の操
作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去した後、解膠さ
せて酸性の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル1583
0gを得た。電子顕微鏡で測定した酸化チタン−酸化ス
ズ複合コロイド粒子の一次粒子径は、4〜8nmであっ
た。
【0072】(d)工程:(c)工程で得た酸性の酸化
チタン−酸化スズ複合ゾル15830gにイソプロピル
アミン137gを添加してアルカリ性にした後、限外濾
過装置にて水約24リットルを用いて濃縮→注水→濃縮
の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去してアルカ
リ性の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル14602g
を得た。更に陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA
−410、オルガノ(株)製)200ミリリットルを詰
めたカラムに通液し、陰イオン含有量の少ないアルカリ
性の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル15273gを
得た。このゾルをロータリーエバポレーターにて減圧下
で濃縮を行ない、アルカリ性の酸化チタン−酸化スズ複
合水性濃縮ゾル4848.9gを得た。得られたゾルは
比重1.120、粘度5.5mPa・s、pH9.9
2、電導度1230μs/cm、TiO2に換算した濃
度は3.04重量%、SnO2に換算した濃度は11.
46重量%であった。
【0073】(e)工程:(d)工程で得られたアルカ
リ性酸化チタン−酸化スズ複合水性濃縮ゾル1924.
7gに撹拌下、酒石酸12g、ジイソプロピルアミン1
8gを添加した後、ロータリーエバポレーターを用いて
減圧下にメタノール40リットルを徐々に添加しながら
水を留去する方法で水媒体をメタノールに置換させ、酸
化チタン−酸化スズ複合メタノールゾル915gを作成
した。得られたメタノールゾルは比重1.096、酸化
チタン−酸化スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は4〜
8nm、粘度3.5mPa・s、pH(1+1)7.3
8、電導度(1+1)1305μs/cm、TiO2
換算した濃度は6.4重量%、SnO2に換算した濃度
は24.1重量%、水分0.41重量%であった。
【0074】参考例5 参考例4で得られた酸化チタン−酸化スズ複合ゾルと、
参考例1で得られた酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸
化スズ複合ゾルを濃度20重量%に調製し、30ミリリ
ットルのスクリュー式サンプルビンに充填し、紫外線ラ
ンプで紫外線を30分間照射した。紫外線ランプからサ
ンプルビンまでの距離は18cmとした。照射後(5分
経過後、30分経過後、60分経過後)のゾルの色の変
化を色差計を用いてYI(イエローインデックス値)を
測定し評価した。なお、YI(イエローインデックス)
は黄色度の意味で対象物の黄色を示す指標である。紫外
線ランプはOHD−320M(ORC(株)製)を使用
した。色差計はTC−1800MKII(東京電色
(株)製)を使用し、2C光源を用い反射光にて測定し
た。YIの測定結果を以下に示す。
【0075】
【表1】 表1 YI(イエローインテ゛ックス値) UV照射前 照射後のYI値の変化 の値(フ゛ランク) 5分経過後 30分経過後 60分経過後 参考例4 33.37 −44.53 −39.54 −40.62 参考例1 30.30 25.27 32.38 34.17 酸化チタン−酸化スズ複合ゾルと、酸化チタン−酸化ジ
ルコニウム−酸化スズ複合ゾルは、紫外線照射前は共に
目視で淡黄色の液体である。
【0076】酸化チタン−酸化スズ複合ゾルは、紫外線
照射後のYI値がマイナス側(青みを帯びる方向)に大
きく変化した。この原因は酸化チタン−酸化スズ複合ゾ
ル中でTiが4価から2価に還元されたものと考えられ
る。一方、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複
合ゾルは、紫外線照射後のYI値の変化が少なく、目視
でも色の変化はなかった。これは酸化ジルコニウム成分
の添加により、Tiの4価から2価への還元が抑制され
たものと考えられる。 (コーティング液の作製) 実施例1 マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前
述したA成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン105.3重量部を加え、液温を5〜1
0℃に保ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.8
重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪
拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンの部分加水分解物を得た。つぎに前述の参考例1で得
た酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合メタノ
ールゾル(TiO2+ZrO2+SnO2に換算した濃度
は30.5重量%)397.8重量部、ブチルセロソル
ブ65重量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチル
アセトネート4.2重量部を、前述したγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物14
2.1重量部に加え、十分に攪拌した後でろ過を行って
コーティング液を作製した。
【0077】実施例2 マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前
述したA成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン105.3重量部を加え、液温を5〜1
0℃に保ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.8
重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪
拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンの部分加水分解物を得た。つぎに前述の参考例2で得
た酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合メタノ
ールゾル(TiO2+ZrO2+SnO2に換算した濃度
は30.5重量%)397.8重量部、ブチルセロソル
ブ65重量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチル
アセトネート4.2重量部を、前述したγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物14
2.1重量部に加え、十分に攪拌した後でろ過を行って
コーティング液を作製した。
【0078】実施例3 マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前
述したA成分に該当するテトラエトキシシラン22.3
重量部およびγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン77.9重量部を加え、液温を5〜10℃に保
ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.8重量部を
3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪拌を行
い、テトラエトキシシランおよびγ−グリシドキシプロ
ピルメチルジエトキシシランの部分加水分解物を得た。
つぎに前述の参考例1で得た酸化チタン−酸化ジルコニ
ウム−酸化スズ複合メタノールゾル(TiO2+ZrO2
+SnO2に換算した濃度は30.5重量%)397.
8重量部、ブチルセロソルブ65重量部、更に硬化剤と
してアルミニウムアセチルアセトネート2.6重量部、
過塩素酸アンモニウム0.5重量部を、前述したテトラ
エトキシシランおよびγ−グリシドキシプロピルメチル
ジエトキシシランの部分加水分解物137重量部に加
え、十分に攪拌した後でろ過を行ってコーティング液を
作製した。
【0079】実施例4 マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前
述したA成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン74.2重量部およびγ−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン31.1重量部を加
え、液温を5〜10℃に保ち、攪拌しながら0.01規
定の塩酸36.8重量部を3時間で滴下した。滴下終了
後、0.5時間攪拌を行い、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン74.2重量部およびγ−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシラン31.1重量部の
部分加水分解物を得た。つぎに前述の参考例2で得た酸
化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合メタノール
ゾル(TiO2+ZrO2+SnO2に換算した濃度は3
0.5重量%)397.8重量部、ブチルセロソルブ6
5重量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセ
トネート4.2重量部を、前述したγ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシランおよびγ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシランの部分加水分解物142.
1重量部に加え、十分に攪拌した後でろ過を行ってコー
ティング液を作製した。
【0080】実施例5 マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前
述したA成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン37.1重量部、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシランを37.1重量部およびテ
トラエトキシシラン23.7重量部を加え、液温を5〜
10℃に保ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.
8重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間
攪拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンおよびテトラエトキシシランの部分加水分解物を得
た。つぎに前述の参考例2で得た酸化チタン−酸化ジル
コニウム−酸化スズ複合メタノールゾル(TiO2+Z
rO2+SnO2に換算した濃度は30.5重量%)39
7.8重量部、ブチルセロソルブ65重量部、更に硬化
剤としてアルミニウムアセチルアセトネート4.2重量
部を、前述したγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシ
ランおよびテトラエトキシシランの部分加水分解物13
4.7重量部に加え、十分に攪拌した後でろ過を行って
コーティング液を作製した。
【0081】比較例1 マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前
述したA成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン105.3重量部を加え、液温を5〜1
0℃に保ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.8
重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪
拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンの部分加水分解物を得た。つぎに前述の参考例3で得
た酸化チタンメタノールゾル(TiO2濃度は20.2
重量%)を643.6重量部、ブチルセロソルブ65重
量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネ
ート4.2重量部を、前述したγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシランの部分加水分解物142.1重量
部に加え、十分に攪拌した後でろ過を行ってコーティン
グ液を作製した。
【0082】比較例2 マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前
述したA成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン105.3重量部を加え、液温を5〜1
0℃に保ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.8
重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪
拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンの部分加水分解物を得た。つぎに7.2nmの粒子径
を有する酸化スズのコロイド粒子を核として、その表面
がWO3/SnO2重量比5.12であって粒子径5nm
である酸化タングステン−酸化スズ複合体のコロイド粒
子で被覆されることによって形成された粒子径約18n
mの変性酸化スズメタノールゾル〔(WO3+SnO2
/SnO2の重量比0.46、WO3+SnO2に換算し
た全金属酸化物を30.0重量%含有する〕433.3
重量部、ブチルセロソルブ65重量部、更に硬化剤とし
てアルミニウムアセチルアセトネート4.2重量部を、
前述したγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
の部分加水分解物142.1重量部に加え、十分に攪拌
した後でろ過を行ってコーティング液を作製した。
【0083】比較例3 マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前
述したA成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン105.3重量部を加え、液温を5〜1
0℃に保ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.8
重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪
拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンの部分加水分解物を得た。つぎにコロイダルシリカ
(メタノールゾル、固形分20%、平均粒子径15n
m)を650.0重量部、ブチルセロソルブ65重量
部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネー
ト4.2重量部を、前述したγ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシランの部分加水分解物142.1重量部
に加え、十分に攪拌した後でろ過を行ってコーティング
液を作製した。
【0084】(硬化膜の形成)市販の屈折率nD=1.
59のポリカーボネートの板を用意し、これにスピンコ
ート法で上記の実施例1〜5及び比較例1〜3で得られ
たコーティング組成物を塗布して、120℃で2時間の
加熱処理をして塗膜を硬化させ試験サンプル(光学部
材)を作成した。
【0085】実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた
コーティング組成物から成るポリカーボネート上の膜
を、それぞれ実施例膜1〜5及び比較例膜1〜3として
以下の試験を行い、その結果を表2及び表3に示した。 (耐擦傷性試験)スチールウール#0000で上記光学
部材の試験サンプルを擦って傷の付きにくさを目視で判
断した。判断基準は次のようにした。
【0086】 A・・・強く擦ってもほとんど傷が付かない B・・・強く擦るとかなり傷がつく C・・・光学基材と同等の傷が付く (干渉縞の有無の試験)蛍光灯下で上記光学部材の試験
サンプルを目視で判断した。判断基準は次の通りであ
る。
【0087】 A・・・干渉縞がほとんど見えない B・・・少し見える C・・・かなり見える (密着性試験)上記光学部材の試験サンプルに1mm間
隔で、100目クロスカットし、このクロスカットした
所に粘着テープ(商品名セロテープ、ニチバン(株)
製)を強く貼り付けた後、粘着テープを急速に剥がし、
粘着テープを剥がした後の硬化膜の剥離の有無を調べ
た。硬化膜に剥離が起こらなければ良好として、剥離の
発生するものは不良とした。
【0088】(耐温水性試験)80℃の温水に上記光学
部材の試験サンプルを2時間浸漬し、前述した同様の密
着性試験を行った。 (透明性試験)暗室内、蛍光灯下で上記光学部材の試験
サンプルにくもりがあるかどうか目視で調べた。判断基
準は次の通りである。
【0089】 A・・・くもりがほとんど見えない。 B・・・少し見える。 C・・・かなり見える。 (耐候性試験)上記光学部材の試験サンプルの硬化膜上
に、更に無機酸化物の蒸着膜から成る反射防止膜を設け
た試験サンプル(光学部材)を1ヶ月間屋外暴露を行
い、暴露後の試験サンプル(光学部材)の外観の変化を
黙視で判断した。
【0090】
【表2】 表2 実施例膜 耐擦傷性 干渉縞 密着性 耐温水性 透明性 耐候性 1 A A 良好 良好 A 異常なし 2 A A 良好 良好 A 異常なし 3 A A 良好 良好 A 異常なし 4 A A 良好 良好 A 異常なし 5 A A 良好 良好 A 異常なし
【0091】
【表3】 表3 比較例膜 耐擦傷性 干渉縞 密着性 耐温水性 透明性 耐候性 1 A A 良好 剥離 A 青変 2 A A 良好 一部剥離 A 僅か黄変 3 A C 良好 良好 A 異常なし 本願発明のコーティング組成物から成る硬化膜を有する
光学部材は、上記の試験で良好な結果が得られた。
【0092】一方、(B)成分を酸化チタン−酸化ジル
コニウム−酸化スズ複合コロイド粒子に代えて、酸化チ
タン粒子を使用した場合は、耐温水性に劣り、太陽光線
により硬化膜が青変する現象があり耐候性に劣る。
(B)成分を酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ
複合コロイド粒子に代えて、酸化スズのコロイド粒子を
核としてその表面を酸化タングステン−酸化スズ複合体
のコロイド粒子で被覆した変性酸化スズコロイド粒子を
使用した場合は、耐温水性に劣り、太陽光線により硬化
膜が黄変する現象があり耐候性に劣る。
【0093】(B)成分を酸化チタン−酸化ジルコニウ
ム−酸化スズ複合コロイド粒子に代えて、シリカコロイ
ド粒子を使用した場合は、硬化膜の屈折率が低くプラス
チックス基材との間に屈折率の差を生じた為に、光学部
材の表面に干渉縞が発生して好ましくない。
【0094】
【発明の効果】本願発明のコーティング組成物によって
得られる硬化膜は、耐擦傷性、表面硬度、耐摩耗性、透
明性、耐熱性、耐光性、耐候性や、特に耐水性の向上し
たコーティング層となる。さらにこのコーティング層の
上に形成される反射防止膜(無機酸化物やフッ化物な
ど)、金属蒸着膜などとの接着性も良好である。
【0095】本願発明の光学部材は、耐擦傷性、表面硬
度、耐摩耗性、透明性、耐熱性、耐光性、耐候性や、特
に耐水性に優れたものであり、しかも屈折率が1.54
以上の高屈折率の部材に塗工しても干渉縞の見られない
高透明性で外観良好の光学部材となる。本願発明のコー
ティング組成物よりなる硬化膜を有する光学部材は、眼
鏡レンズのほか、カメラ用レンズ、自動車の窓ガラス、
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどに付設す
る光学フィルターなどに使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯島 根子 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)成分及び(B)成分: (A)成分:一般式(I) (R1a(R3bSi(OR24-(a+b) (I) (但し、R1及びR3は、それぞれアルキル基、アリール
    基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ア
    ルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタク
    リロイル基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ
    基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子
    と結合しているものであり、R2は炭素数1〜8のアル
    キル基、アルコキシアルキル基、又はアシル基であり、
    a及びbはそれぞれ0、1、又は2の整数であり、a+
    bは0、1、又は2の整数である。)及び、一般式(I
    I) 〔(R4cSi(OX)3-c2Y (II) (但し、R4は炭素数1〜5のアルキル基を示し、Xは炭
    素数1〜4のアルキル基又はアシル基を示し、Yはメチ
    レン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは
    0又は1の整数である。)で表される有機ケイ素化合
    物、並びにその加水分解物からなる群より選ばれた少な
    くとも1種のケイ素含有物質、 (B)成分:2〜20nmの一次粒子径を有する酸化チ
    タン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイド粒子、
    を含有するコーティング組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分が、一般式(I)で表される
    有機ケイ素化合物、及びその加水分解物からなる群より
    選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質である請求項
    1に記載のコーティング組成物。
  3. 【請求項3】 (C)成分として、金属塩、金属アルコ
    キシド及び金属キレートからなる群より選ばれた少なく
    とも1種の金属化合物を硬化触媒として含有する請求項
    1又は請求項2に記載のコーティング組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載のコーティング組成物から成る硬化膜を表面に有す
    る光学部材。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載のコーティング組成物から成る硬化膜と反射防止膜
    とを積層した膜を表面に有する光学部材。
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