JPH08248204A - 光学要素 - Google Patents

光学要素

Info

Publication number
JPH08248204A
JPH08248204A JP7045867A JP4586795A JPH08248204A JP H08248204 A JPH08248204 A JP H08248204A JP 7045867 A JP7045867 A JP 7045867A JP 4586795 A JP4586795 A JP 4586795A JP H08248204 A JPH08248204 A JP H08248204A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium oxide
oxide
fine particles
composite fine
based composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7045867A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirohisa Kato
裕久 加藤
Yukio Murai
幸雄 村井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Itoh Optical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Itoh Optical Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Itoh Optical Industrial Co Ltd filed Critical Itoh Optical Industrial Co Ltd
Priority to JP7045867A priority Critical patent/JPH08248204A/ja
Publication of JPH08248204A publication Critical patent/JPH08248204A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハードコート及び無機反射防止膜を有する光
学要素において、耐候性、特に、耐紫外線性に優れ、か
つ、有機ガラス基材が高屈折率であっても、光干渉を発
生させないプライマー層を、有機ガラスとハードコート
との間に有する光学要素を提供すること。 【構成】 有機ガラスの表面に、ハードコート及び単層
又は複層の無機反射防止膜が積層されてなる光学要素。
有機ガラスとハードコートとの間に、 (a) ウレタンエラストマー (b) 酸化チタン系複合微粒子 (c) オルガノアルコキシシランの加水分解物 を必須有効成分とする塗料で形成されるプライマー層が
介在されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機ガラスの表面に、
シリコーン硬化塗膜(ハードコート)及び無機反射防止
膜が積層されてなる光学要素に関する。
【0002】ここで、光学要素とは、有機ガラスをベー
スに製造される、レンズ、照明器具用カバー、反射鏡、
プリズム、フィルター、等を含む概念である。
【0003】以下の、説明は、眼鏡用レンズを主として
例に採り説明をするが、これに限られるものではない。
【0004】
【従来の技術】近年、眼鏡用レンズの材料としては、無
機ガラスに比して、軽くかつ割れにくい有機ガラスが普
及してきている。しかし、一般的に有機ガラスは、無機
ガラスに比して耐擦傷性が格段に低い。
【0005】そこで、通常、レンズの表面に、シリコー
ン系硬化塗膜(以下「ハードコート」と称する。)を有
する。さらにその上に、眼鏡レンズの場合、美観上等を
理由から、無機物質の蒸着等の乾式めっきによる無機反
射防止膜が設けられるようになった。
【0006】しかし、上記のように有機ガラス基材上
に、ハードコートと無機反射防止膜との双方を設けたレ
ンズは、耐衝撃性に劣るという不具合があった。
【0007】そこで、ハードコートの耐衝撃性を向上さ
せるために、基材とハードコートの間にポリウレタン系
塗料からなるプライマー層を介在させる技術的思想が開
示されている(特開昭63−87223・63−141
001号、特開平3−109502号等)。
【0008】他方、近年有機ガラス基材の材料が、脂肪
族アリルカーボネート系(CR−39,屈折率1.5
0)に代わって、より高屈折の、芳香族アリルカーボネ
ート系(屈折率1.57)、ポリチオウレタン系(屈折
率1.60〜1.70)等に代わりつつある。この場
合、ハードコートの屈折率も光による干渉を防ぐため、
基材と同等の屈折率を有するものとする必要がある。
【0009】しかし、上記ウレタン系塗料からなるプラ
イマー層を構成するの屈折率が1.50前後であるた
め、ハードコートの屈折率を基材のそれに近づけたとし
ても、光の干渉は避けられない。また、一般に、ウレタ
ン塗膜は、無黄変タイプであっても耐候性に劣り、屋外
で使用することが多い眼鏡レンズの場合、望ましくな
い。
【0010】このため、本発明者らは、先に、耐候性に
優れ、かつ、有機ガラス基材が高屈折であっても光干渉
を発生させないプライマ層を形成可能なプライマー塗料
−−−熱可塑性ウレタンエラストマー,無機微粒子,オ
ルガノアルコキシランからなる−−−を提案した(特開
平6−82604号)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、該無機微粒子
を使用した塗膜において、特に耐紫外線性試験での塗膜
の劣化等に問題が発生し易かった。
【0012】本発明の目的は、上記にかんがみて、ハー
ドコート及び反射防止膜を有する光学要素において、耐
候性,耐紫外線性に優れ、かつ、有機ガラス基材が高屈
折率であっても、光干渉を発生させないプライマー層
を、有機ガラスとハードコートとの間に有する光学要素
及びプライマー塗料を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記構
成の本発明を完成するに至った。
【0014】有機ガラスの表面に、ハードコート及び単
層又は複層の無機反射防止膜が積層されてなる光学要素
において、前記有機ガラスとハードコートとの間に、下
記成分を必須有効成分とする塗料で形成されてなるプラ
イマー層が介在されていることを特徴とする光学要素。
【0015】(a) ウレタンエラストマー (b) 酸化チタン系複合微粒子 (c) オルガノアルコキシシランの加水分解物
【0016】
【手段の詳細な説明】以下、本発明の各手段について詳
細に説明する。以下の説明で、配合単位は特に断らない
限り重量単位である。
【0017】A.本発明の光学要素は、有機ガラスの表
面に、ハードコート及び無機反射防止膜が積層されてな
ることを前提とする。
【0018】(1) 上記有機ガラス基材は、透明で屈折率
が1.40〜1.70のものならば、特に限定されな
い。基材材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポ
リカーボネート、脂肪族アリルカーボネート系、芳香族
アリルカーカーボネート系、ポリチオウレタン、等を挙
げることができる。
【0019】(2) 上記ハードコート(シリコーン系硬化
塗膜)は、シリコーン系のものならば特に限定されな
い。例えば、オルガノアルコキシシランの加水分解物
に、触媒、金属酸化物の微粒子・複合微粒子を加え、希
釈溶剤で適宜塗布可能な粘度になるようにハードコート
液を調製する。さらに、このハードコート液には、界面
滑性剤(レベリング剤)、紫外線吸収剤、等の薬剤を添
加することも可能である。こうして調製したハードコー
ト液を、慣用手段で基体に塗布し、乾燥硬化させてハー
ドコートを得る。このハードコートの膜厚は、通常、
0.5〜20μmである。
【0020】上記オルガノアルコキシシランとして
は、具体的には一般式で示されるものが使用可能であ
る。
【0021】R1 a2 bSi(OR34-(a+b) (但しR1 は炭素数1〜6のアルキル基、ビニル基、エ
ポキシ基、メタクリルオキシ基、フェニル基であり、R
2 は、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン化アルキル
基であり、R3 は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキ
シアルキル基であり、a及びbは0、1、2、であっ
て、a+b=1、2、3のいずれかである。) より、具体的には、メチルトリメトキシシラン、グリシ
ドキシメチルトリメトキシシラン、α−ギリシドキシエ
チルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリ
メトキシシラン、γ−グリコシドキシプロピルトリメト
キシシラン等を挙げることができる。これらは、単独で
も又2種以上併用することも可能である。
【0022】上記触媒としては、トリメリット酸、無
水トリメリット酸、などの有機カルボン酸、チタンアル
コキシド、ジルコニウムアルコキシド、ケイ素アルコキ
シド、等の金属アルコキシド、メチルイミダゾール、ジ
シアンジアミド、等の窒素含有有機化合物、アセチルア
セトンアルミニウム等の金属錯体、酢酸ナトリウム、酢
酸カリウム等のアルカリ金属有機カルボン酸塩を使用で
きる。
【0023】上記希釈溶剤としては、アルコール類、
ケトン類、エステル類、エーテル類、セロソルブ(エチ
レングリコールのモノアルキルエーテル)類の内、1種
又は2種以上を混合して使用できる。
【0024】上記金属酸化物としては、主として、酸
化ケイ素、酸化鉄(III)、酸化チタン(IV)、酸化セリウ
ム(IV)、酸化スズ(IV)、酸化タングステン(VI)、酸化タ
ンタル(V)、酸化アンチモン(III) 、酸化ジルコニウ
ム、酸化アルミニウム等を使用可能である。単一使用の
他に、2種以上を併用、又は、複合微粒子として使用す
ることもできる。
【0025】この、金属酸化物の上記加水分解物100
部に対する配合量は、0.2〜5部とする。また、粒径
は、1〜100nmとする。
【0026】上記塗布方法としては、はけ塗り塗装・
浸せき塗装・ローラ塗装・スプレ塗装・スピン塗装、等
を挙げることができる。また、乾燥硬化の条件は、例え
ば、80〜120℃×2hとする。
【0027】(3) 反射防止膜は、金属・金属酸化物・金
属フッ化物等の無機粉体を、真空蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等の乾式めっき法により形成
する。
【0028】上記酸化物としては、二酸化ケイ素、酸化
チタン(IV)、酸化タンタル(V)、酸化アンチモン(III)
、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、等を、金属
フッ化物としては、フッ化マグネシウム、等をそれぞれ
挙げることができる。
【0029】B.本発明の有機ガラス基材とハードコー
トとの間には、ポリウレタン系プライマー塗料からなる
プライマー層が介在される。
【0030】(1) 上記プライマー塗料は、(a) ウレタン
エラストマー、(b) 酸化チタン系複合微粒子、(c) オル
ガノアルコキシシランの加水分解物、の各成分を必須有
効成分とするものである。そして、通常、触媒を添加し
て使用し、必要により、レベリング剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤を添加する。
【0031】(a) 上記ウレタンエラストマーは、溶液タ
イプの形態で添加しても良いが、水性エマルションの形
態で添加することが望ましい。
【0032】このようなウレタンエラストマーは、通
常、長鎖ポリオールとポリイソシアネートからなる軟質
相(ソフトセグメント)と、短鎖ポリオールとポリイソ
シアネートからなる硬質相(ハードセグメント)とで構
成される熱可塑性エラストマーが望ましい。
【0033】そして、上記軟質相を形成する長鎖ポリオ
ールとしては、ポリアルキレングリコール(PTMG
等)のポリエーテル系、ポリアルキレンアジペート、ポ
リカプロラクトン、ポリカーボネート等のポリエステル
系や、両者が混在するポリエーテルポリエステル系など
任意である。これらの内で、ポリエステル系・ポリエー
テルポリエステル系が、耐衝撃性の見地から望ましい。
【0034】上記短鎖ポリオールとしては、エチレング
リコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6ヘキサ
ンジオール、ネオベンチルグリコール、ジエチレングリ
コールなどの挙げることができる。
【0035】上記ポリイソシアネートとしては、トリレ
ンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)、1、5−ナフタレンジイソシ
アネート等の芳香族系、1、6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加M
DI等の脂肪族・脂環式系のものを挙げることができ
る。耐候性の見地から、非黄変性タイプの脂肪族・脂環
式系が望ましい。
【0036】(b) 上記酸化チタン系複合微粒子は、屈折
率の調製及び耐候性向上の作用を担うと推定される。酸
化チタン系複合微粒子の粒子径は、通常、1〜100n
m、好ましくは10〜50nmとする。10nm未満で
は塗膜の屈折率の向上を期待し難く、50nmを越える
と塗膜が乱反射しやすく、曇り現象が発生し易い。
【0037】該酸化チタン系複合微粒子は、酸化チタン
に酸化ジルコニウムが一体的に結合されてなるものであ
る。
【0038】酸化チタンと酸化ジルコニウムとの結合態
様は、化学的に結合された複合酸化物タイプ、酸化
ジルコニウムが酸化チタンに、均一に溶解されてなる固
溶体タイプなどがある。
【0039】酸化チタン系複合微粒子は、従来の無機微
粒子(酸化チタンを含め)に比して、高屈折率の特性を
損なうことなく、光学活性を抑制することができる。従
って、塗膜(プライマー膜,ハード膜)及び有機ガラス
双方の紫外線による劣化作用を低減させることができ
る。
【0040】酸化チタン系複合微粒子の適性組成比は
酸化ジルコニウム/酸化チタン=0.001〜0.40
0(望ましくは0.05〜0.20)とする。0.00
1未満では、酸化チタンの光学活性をほとんど抑制でき
ない。このため、光学プラスチック成形品基体、及び塗
膜自体の劣化等が促進されて黄変密着不良を起し易い。
0.400を越すと塗膜の屈折率が下がり、高屈折率
(屈折率が1,60以上)の光学プラスチック成形品に
対し、光学的干渉を起こし、光学プラスチック成形品用
プライマーとしての用途が大幅に制限される。
【0041】なお、この酸化チタン系複合微粒子に
は、酸化ジルコニウムに加えて、酸化ケイ素を結合させ
ておくことが、塗料組成物の調製に際して、上記シラン
化合物との混和性(Compatibility)が増大するととも
に、耐光性も向上して望ましい。
【0042】この酸化チタン系複合微粒子の適性組成比
は、酸化ジルコニウム/酸化チタン=0.001〜0.
400(望ましくは、0.05〜0.20)、酸化ケイ
素/酸化チタン=0.073〜1.133(望ましくは
0.15〜0.7)とする。酸化ケイ素の組成比が0.
073未満においてはシラン化合物との混和性増大効果
が期待できず、このため、塗料の可使時間の延長が望め
ない。逆に1.133を超えると酸化チタンの塗膜の屈
折率向上作用が阻害され、高屈折対応が難しくなる。
【0043】上記酸化チタン系複合微粒子の製造方法
は、例えば、特開平2−178219号公報に記載され
ている方法と類似方法で行う。
【0044】酸化ジルコニウム/酸化チタンの組み合
わせの場合は、慣用の方法により、水和酸化チタンと水
和酸化ジルコニウムを作成し、酸で解膠させた後、過酸
化水素を加えて溶解させ、高温にて加水分解させる。
【0045】酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化ケ
イ素の組み合わせの場合は、水和酸化ジルコニウムゾル
と水和酸化チタンゾルを作成し、酸で解膠させた後、過
酸化水素を加えて溶解させ、さらにケイ酸分散液を加
え、高温にて加水分解させる。上記ケイ酸分散液は、例
えば、アルカリケイ酸水溶液を脱アルカリすることによ
り調製する。
【0046】上記加水分解物は、微粒子の分散液であ
る。この微粒子分散液は、イオン交換法・逆浸透法・限
外ろ過・真空蒸発法により精製処理して微粒子とするこ
とが望ましい。
【0047】なお、上記酸化チタン系複合微粒子は、シ
ランカップリング剤で表面改質して用いることが望まし
い。このように酸化チタン系複合微粒子を表面改質する
ことにより、シラン化合物との混和性がさらに向上し、
塗膜物性に耐擦傷性向上等の好影響を与える。
【0048】ここで表面改質とは、酸化チタン・酸化
ジルコニウム・酸化ケイ素に残存している水酸基をシラ
ンカップリング剤でブロックすることにより、複合微粒
子の分散性を良好する処理を言う。
【0049】上記シランカップリング剤(表面改質
剤)としては、下記のものを例示できる。
【0050】「テトラメトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン。」 上記表面改質方法としては、慣用の方法で行うことが
できる。例えば、上記有機シラン化合物を溶かしたアル
コール溶液に浸漬して行う。
【0051】上記酸化チタン系複合微粒子の配合量は、
塩・酸化物の種類、及び、要求される屈折率により異な
るが、通常、ポリウレタン100部に対して、10〜1
50部(好ましくは20〜150部)とする。10部未
満では金属化合物の添加効果(屈折率を高める)を奏し
難い。150部を越えると塗膜に曇りが発生し易い。
【0052】(c) 上記オルガノアルコキシシランは、ハ
ードコートとの密着性を確保する作用を有すると推定さ
れる。当該成分のポリウレタン100部に対する配合量
は、通常、1〜10部、好ましくは、3〜7部とする。
1部未満では本成分の添加効果(ハードコートとの密着
性の確保)を奏し難く、10部を越えると、耐衝撃性の
改善効果が阻害されるおそれがある。オルガノアルコキ
シシランとしては、前述の前述のシラン系硬化塗膜の説
明で例示したものを使用できる。
【0053】(d) 上記触媒としては、各種アミン、有機
錫化合物、有機亜鉛化合物、等を使用可能である。
【0054】(e) 上記において、溶液タイプを使用する
場合の溶媒としては、炭化水素類、ハロゲン化物、アル
コール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、等を挙
げることができる。
【0055】ウレタンエラストマーと無機微粒子を混合
して攪拌した後、オルガノアルコキシシランの加水分解
物を加える。
【0056】(2) このプライマー層の膜厚は、0.01
〜50μmである。0.01μm以下にすると耐衝撃性
の効果は余り望めないし、50μm以上にすると、面精
度(レベリング性)が低下する。プライマー層の屈折率
は、酸化チタン系複合微粒子の量にもよるが、1.40
〜1.70である。
【0057】コーティング方法としては、ディッピング
法、スピンコート法など公知の方法から選ばれる。乾燥
・硬化条件は、80℃〜120℃の範囲で1分〜60分
である。
【0058】
【発明の作用・効果】本発明の光学要素(プラスチック
レンズ)は、上記のような構成のプライマー層が、ハー
ドコートと有機ガラスとの間に介在することにより、従
来と同様又はそれ以上の耐衝撃性を、ハードコート上に
反射防止膜が形成された光学要素に付与できることは勿
論、そのプライマー層の屈折率を1.40〜1.70の
範囲に自由に調整できるので、どの有機ガラスにも応用
できる。又、今までのウレタン樹脂によるプライマー層
に比して、耐候性、特に耐紫外線性も向上する。
【0059】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために、比較
例とともに行なった実施例について説明をする。
【0060】A.プライマー塗料の調製 <実施例1>市販の水性エマルションポリウレタン「ス
ーパーフレックス150」(第一工業製薬株式会社製、
固形分濃度30%、無黄変型、エーテル・エステル系)
100部、純水200部、酸化チタン系複合微粒子「オ
プトレイク−1120z(s−7)触媒工業社製(Ti
2 /ZrO2 98.6/1.4,SiO2 =23/7
7,粒径15mμ,固形分濃度30%分散触媒:メチル
アルコール,表面改質剤:γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン)」60部に、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン8部を純水5部で加水分解した
ものを混合する。
【0061】<実施例2>実施例1において、該酸化チ
タン系複合微粒子の添加重量部を113部に変更した以
外は同様に行った。
【0062】<実施例3>実施例1において、使用した
水性エマルションポリウレタンを変更した以外は同様に
行った。水性エマルションポリウレタンとして、「スー
パーフレックス107」(第1工業製薬(株)製,固形
分濃度25%,無黄変型、エーテル・エステル系)を使
用した。
【0063】<比較例1>実施例1において、酸化チタ
ン系複合微粒子を添加しない以外は同様に行った。
【0064】<比較例2>実施例1において、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解物を添
加しない以外は同様に行った。
【0065】<比較例3>実施例1において、使用した
酸化チタン系複合微粒子を、Fe23 /TiO 2 複合
体の水性ゾル(Fe23 /TiO2 =2/97,平均
粒径30mμ,固形分濃度10%)180部に変える以
外は、同様に行った。
【0066】<実施例4>実施例3において、使用した
酸化チタン系複合微粒子を、「オプトレイク1120Z
(S−25)触媒化成工業(株)製(TiO2 /ZrO
2 =95.4/4.6,SiO2 /TiO2 =34/6
6,粒径15mμ,固形分濃度30%,分散触媒:メチ
ルアルコール,表面改質剤:テトラエトキシシラン)」
に変える以外は、同様に行った。
【0067】<比較例4>実施例4で使用した酸化チタ
ン系複合微粒子を酸化チタン微粒子に変える以外は、同
様に行った。
【0068】B.ハードコート液の調製 <ハードコート液a>γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン100部、ケイ酸エチル15部、メタノー
ル20部、10-2Nの塩酸水溶液25部を混合し、室温
にて24時間加水分解し、ZrO2 /TiO2 複合体の
アルコール性ゾル(ZrO2 /TiO 2 =2/98、平
均粒径30mμ,固形分濃度30%)100部、アセチ
ルアセトンアルミニウム20部、「FC−430」4部
を混合した。
【0069】<ハードコート液b>γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン100部、ケイ酸エチル15
部、メタノール20部、10-2Nの塩酸水溶液l25部
を混合し、室温にて24時間加水分解し、ZrO2 /S
iO2 /TiO2 の複合体のアルコールゾル(ZrO2
/SiO2 /TiO2 =3/25/72、平均粒径15
mμ,固形濃度30%)400部、アセチルアセトンア
ルミニウム20部、「FC−430」4部を混合した。
【0070】C.試験片の調製 (1) プライマー層の形成 表1に示す基材に、表示の各実施例のプライマー塗料
を、ディッピング法(引上げ速度100mm/sec )で塗
布し、100℃×10分の条件で硬化させた。なお、試
験片13は、プライマー層形成しなかった。
【0071】なお、使用した各基材の特性は下記の通り
である。
【0072】1.57レンズ:イソフタル酸ジアリル
・安息香酸アリル・メタクリル酸ベンジル共重合体,屈
折率1.57 1.60レンズ:ジフエン酸ジアリル・ウレタンアク
レート・ジイソプロピルパーオキシジカーボネート共重
合体,屈折率1.60 実施例2〜4と比較例は、 1.66レンズ:ポリオウレタン製レンズ,屈折率
1.66 (2) ハードコートの形成 上記プライマー層を形成した基材の上に(試験例10は
直接基材の上に)、前記ハードコート液a(試験例1・
2・5〜10)または同b(試験例3・4・11〜1
3)を、ディッピング法(引上げ速度100mm/sec )
で塗布し、100℃×2時間又は110℃×2時間の条
件で硬化させた。
【0073】(3) 反射防止膜の形成 上記ハードコートを形成した基材の上に、無機物質を以
下に示す構成で真空蒸着法によって蒸着膜を形成する。
【0074】SiO2 /ZrO2 :1/4 λ、ZrO2
1/4 λ、SiO2 :1/4 λ D.試験項目 上記の如く調製した各試験片について、下記各項目の試
験を行なった。
【0075】(1) プライマー層とシリコー系硬化塗膜と
の密着性試験 反射防止膜を形成する前の試験片について、1cm四方に
1mm間隔で100個のマス目を形成し、セロハン製粘着
テープを強く押しつけた後、90°方向に急激に剥離し
て、剥離しないます目の数を数えた。
【0076】(2) 耐擦傷性試験 スチールウール(#0000)で600gの荷重を作用
させて各試験片の反射防止膜の表面を30回こすったと
きの傷の入り具合を、下記基準で判定をした。
【0077】○傷の入った面積が10%以内。
【0078】△傷の入った面積が10%を越え30%以
内。
【0079】Χ傷の入った面積が30%を越える。
【0080】(3) 耐衝撃試験 鋼球(20g)を127cmの高さから、試験片の中心部
へ落下させ、割れるか否かで判定をした。
【0081】(4) 外観 背景を黒くした中に蛍光灯(三波長形中白色)「商品
名;ルピカエース15W三菱電機株式会社製」を置き、
蛍光灯の光りを試験片の反射防止膜表面で反射させ、対
象物表面にできる光り干渉色(虹模様)の有無により判
定した。
【0082】(5) 耐候性試験 促進耐候性試験(スガ試験機株式会社製「サインシャイ
ンスーパーロングライフウエザオメータ」)で200h
暴露して、外観等の以上の有無を目視判定した。
【0083】(6) 耐紫外線性試験 促進耐紫外線試験機(スガ試験(株)製「スーパーキセ
ノン促進耐候性試験機」で200h暴露し、外観等の異
常:黄変等の確認:該塗膜の(iv)密着性試験等の結果に
より判定した。
【0084】E.試験結果と評価 試験結果を示す表1から、本発明の各実施例を使用した
試験例1〜4・11は、全て項目において、良好である
ことが分かる。他方、酸化チタン系複合微粒子を含まな
いプライマー(比較例1)を使用した試験片5の場合
は、外観において干渉縞が入り、耐紫外線性において外
観の黄変と密着性の劣ることが分かり、また、オルガノ
アルコキシシランを含まないプライマー(比較例2)を
使用した試験例7・8の場合、ハードコートと基材との
密着性が劣ることが分かる。また、プライマー塗膜を有
しない試験片13の場合、耐衝撃性に劣ることが分か
る。
【0085】また、酸化チタン系複合微粒子を変更した
プライマー(比較例3・4)を使用した試験例9・10
・12場合は、耐紫外線性において、外観が黄変(緑が
かった)し、密着性も劣ることが分かる。
【0086】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 1/10 G02B 1/10 Z // B29K 83:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ガラスの表面に、シリコーン硬化塗
    膜及び無機反射防止膜が積層されてなる光学要素におい
    て、 前記有機ガラスとシリコーン硬化塗膜との間に、下記成
    分を必須有効成分とする塗料で形成されてなるプライマ
    ー層が介在されていることを特徴とする光学要素。 (a) ウレタンエラストマー (b) 酸化チタン系複合微粒子 (c) オルガノアルコキシシランの加水分解物
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ウレタンエラス
    トマーが、熱可塑性であることを特徴とする光学要素。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記酸化チ
    タン系複合微粒子として、酸化チタンに酸化ジルコニウ
    ムが、酸化ジルコニウム/酸化チタン=0.001〜
    0.400の重量組成比で一体的に結合されてなり、粒
    径が1〜100mμのものが使用されていることを特徴
    とする光学要素。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、前記酸化チ
    タン系複合微粒子として、酸化チタンに酸化ジルコニウ
    ム及び酸化ケイ素が、酸化ジルコニウム/酸化チタン=
    0.001〜0.400、酸化ケイ素/酸化チタン=
    0.073〜1.133の重量組成比で一体的に結合さ
    れてなり、粒径が1〜100mμのものが使用されてい
    ることを特徴とする光学要素。
  5. 【請求項5】 有機ガラスとシリコーン硬化塗膜との間
    にプライマー層を形成するためのプライマー塗料におい
    て、 下記成分を必須有効成分とすることを特徴とするプライ
    マー塗料。 (a) ウレタンエラストマー (b) 酸化チタン系複合微粒子 (c) オルガノアルコキシシランの加水分解物
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記ウレタンエラス
    トマーが、熱可塑性エラストマーの水性エマルションの
    形態で添加されてなることを特徴とするプライマー塗
    料。
  7. 【請求項7】 請求項5または6において、前記酸化チ
    タン系複合微粒子として、酸化チタンに酸化ジルコニウ
    ムが酸化ジルコニウム/酸化チタン=0.001〜0.
    400の重量組成比で一体的に結合されてなり、粒径が
    1〜100mμであるものが、使用されていることを特
    徴とするプライマー塗料。
  8. 【請求項8】 請求項5または6において、前記酸化チ
    タン系複合微粒子として、酸化チタンに酸化ジルコニウ
    ム及び酸化ケイ素が、酸化ジルコニウム/酸化チタン=
    0.001〜0.400、酸化ケイ素/酸化チタン=
    0.073〜1.133の重量組成比で一体的に結合さ
    れてなり、粒径が1〜100mμのものが使用されてい
    ることを特徴とするプライマー塗料。
JP7045867A 1995-03-06 1995-03-06 光学要素 Withdrawn JPH08248204A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7045867A JPH08248204A (ja) 1995-03-06 1995-03-06 光学要素

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7045867A JPH08248204A (ja) 1995-03-06 1995-03-06 光学要素

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08248204A true JPH08248204A (ja) 1996-09-27

Family

ID=12731164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7045867A Withdrawn JPH08248204A (ja) 1995-03-06 1995-03-06 光学要素

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08248204A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10306258A (ja) * 1997-03-04 1998-11-17 Nissan Chem Ind Ltd コーティング組成物及び光学部材
FR2781889A1 (fr) * 1998-07-31 2000-02-04 Essilor Int Lentille ophtalmique en verre organique comportant une couche de primaire anti-chocs a base de latex de polyurethanne et son procede de fabrication
JP2002254561A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Kimoto & Co Ltd ハードコートフィルム及び透明導電性フィルム
JP2003291236A (ja) * 2002-03-29 2003-10-14 Lintec Corp 光学用ハードコートフィルム
JP2010091995A (ja) * 2008-01-28 2010-04-22 Seiko Epson Corp 光学物品および光学物品の製造方法
JP2010262004A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Seiko Epson Corp 光学物品およびその製造方法
US8778483B2 (en) 2009-04-30 2014-07-15 Hoya Lens Manufacturing Philippines Inc. Optical article and method for producing the same
JP2018527466A (ja) * 2015-09-18 2018-09-20 ポスコPosco 片面メッキ鋼板の表面処理用組成物、これを用いて表面処理された鋼板、およびこれを用いた表面処理方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10306258A (ja) * 1997-03-04 1998-11-17 Nissan Chem Ind Ltd コーティング組成物及び光学部材
FR2781889A1 (fr) * 1998-07-31 2000-02-04 Essilor Int Lentille ophtalmique en verre organique comportant une couche de primaire anti-chocs a base de latex de polyurethanne et son procede de fabrication
WO2000008493A1 (fr) * 1998-07-31 2000-02-17 Essilor International Compagnie Generale D'optique Lentille ophtalmique en verre organique comportant une couche de primaire anti-chocs a base de latex de polyurethanne et son procede de fabrication
US6858305B2 (en) 1998-07-31 2005-02-22 Essilor International Compagnie Generale D'optique Organic glass ophthalmic lens having an impact-resistant primer layer based on a polyurethane latex and its manufacturing process
JP2002254561A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Kimoto & Co Ltd ハードコートフィルム及び透明導電性フィルム
JP4503216B2 (ja) * 2002-03-29 2010-07-14 リンテック株式会社 光学用ハードコートフィルム
JP2003291236A (ja) * 2002-03-29 2003-10-14 Lintec Corp 光学用ハードコートフィルム
JP2010091995A (ja) * 2008-01-28 2010-04-22 Seiko Epson Corp 光学物品および光学物品の製造方法
EP2083287B1 (en) * 2008-01-28 2018-08-29 EHS Lens Philippines, Inc. Process for producing an optical article
JP2010262004A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Seiko Epson Corp 光学物品およびその製造方法
US8647736B2 (en) 2009-04-30 2014-02-11 Hoya Lens Manufacturing Philippines Inc. Optical article and method for producing the same
US8778483B2 (en) 2009-04-30 2014-07-15 Hoya Lens Manufacturing Philippines Inc. Optical article and method for producing the same
JP2018527466A (ja) * 2015-09-18 2018-09-20 ポスコPosco 片面メッキ鋼板の表面処理用組成物、これを用いて表面処理された鋼板、およびこれを用いた表面処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101278212B (zh) 塑料镜片和塑料镜片的制造方法
KR100953230B1 (ko) 플라스틱 렌즈 및 플라스틱 렌즈의 제조 방법
CA2099892C (en) Coating compositions
EP2711741A1 (en) Optical element and manufacturing method thereof
WO2007046357A1 (ja) ハードコート層形成用組成物および光学レンズ
AU736533B2 (en) Coating liquid for forming hard coat film and substrate coated with such a film
EP0896229B1 (en) Anti-fogging and anti-reflection optical article
WO2018221466A1 (ja) 眼鏡レンズ、プライマー層形成用組成物、眼鏡レンズの製造方法
JP3779174B2 (ja) 蒸着組成物、それを利用した反射防止膜の形成方法及び光学部材
JPH0455615B2 (ja)
JPH09291227A (ja) 光学要素用プライマー塗料
JPH08248204A (ja) 光学要素
JP3031571B2 (ja) ハードコート膜およびハードコート膜付基材
JP2896546B2 (ja) 光学要素
JP4293593B2 (ja) 防曇性光学体及び光学体への防曇層形成方法
JP5564198B2 (ja) 光学要素
JPH03172369A (ja) 硬化膜およびその硬化膜を有する光学部材
JP2003055601A (ja) ハードコート組成物
JP3491164B2 (ja) 反射防止性プラスチックレンズ
JP3064605B2 (ja) 合成樹脂製レンズ
KR100778193B1 (ko) 코팅 조성물 및 투광성을 갖는 수지 제품
JP2684364B2 (ja) 高屈折率コーティング膜
JP4043207B2 (ja) 防曇性物品およびその形成方法
JP2001288412A (ja) コーティング用組成物およびプライマー付きハードコートレンズおよびハードマルチコートレンズ
JP3401303B2 (ja) プラスチックレンズ用プライマー組成物及びプラスチックレンズの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020507