JPH09291227A - 光学要素用プライマー塗料 - Google Patents
光学要素用プライマー塗料Info
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- JPH09291227A JPH09291227A JP8302000A JP30200096A JPH09291227A JP H09291227 A JPH09291227 A JP H09291227A JP 8302000 A JP8302000 A JP 8302000A JP 30200096 A JP30200096 A JP 30200096A JP H09291227 A JPH09291227 A JP H09291227A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ポットライフに問題が発生し難く、さらに
は、光学要素表面処理面の他の諸物性においても改善さ
れる光学要素用プライマー塗料を提供すること。 【解決手段】 有機ガラスとシリコーン硬化塗膜との間
にプライマー層を形成するためのプライマー塗料におい
て、下記成分を必須有効成分とすることを特徴とするプ
ライマー塗料。 (a) ウレタンエラストマー (b) オルガノアルコキシシランの加水分解物で表面処理
した無機微粒子
は、光学要素表面処理面の他の諸物性においても改善さ
れる光学要素用プライマー塗料を提供すること。 【解決手段】 有機ガラスとシリコーン硬化塗膜との間
にプライマー層を形成するためのプライマー塗料におい
て、下記成分を必須有効成分とすることを特徴とするプ
ライマー塗料。 (a) ウレタンエラストマー (b) オルガノアルコキシシランの加水分解物で表面処理
した無機微粒子
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機ガラスの表面に、
シリコーン硬化塗膜(ハードコート)及び無機反射防止
膜が積層されてなる光学要素に適用するプライマー塗料
に関する。
シリコーン硬化塗膜(ハードコート)及び無機反射防止
膜が積層されてなる光学要素に適用するプライマー塗料
に関する。
【0002】ここで、光学要素とは、有機ガラスをベー
スに製造される、レンズ、照明器具用カバー、反射鏡、
プリズム、フィルター、等を含む概念である。
スに製造される、レンズ、照明器具用カバー、反射鏡、
プリズム、フィルター、等を含む概念である。
【0003】以下の、説明は、眼鏡用レンズを主として
例に採り説明をするが、これに限られるものではない。
例に採り説明をするが、これに限られるものではない。
【0004】
【従来の技術】近年、眼鏡用レンズの材料としては、無
機ガラスに比して、軽くかつ割れにくい有機ガラスが普
及してきている。しかし、一般的に有機ガラスは、無機
ガラスに比して耐擦傷性が格段に低い。
機ガラスに比して、軽くかつ割れにくい有機ガラスが普
及してきている。しかし、一般的に有機ガラスは、無機
ガラスに比して耐擦傷性が格段に低い。
【0005】そこで、通常、レンズの表面に、シリコー
ン系硬化塗膜(以下「ハードコート」と称する。)を有
する。さらにその上に、眼鏡レンズの場合、美感上等を
理由から、無機物質の蒸着等の乾式めっきによる無機反
射防止膜が設けられるようになった。
ン系硬化塗膜(以下「ハードコート」と称する。)を有
する。さらにその上に、眼鏡レンズの場合、美感上等を
理由から、無機物質の蒸着等の乾式めっきによる無機反
射防止膜が設けられるようになった。
【0006】ところが、上記のように有機ガラス基材上
に、ハードコートと無機反射防止膜との双方を設けたレ
ンズは、耐衝撃性に劣るという不具合があった。
に、ハードコートと無機反射防止膜との双方を設けたレ
ンズは、耐衝撃性に劣るという不具合があった。
【0007】そこで、ハードコートの耐衝撃性を向上さ
せるために、基材とハードコートの間にポリウレタン系
塗料からなるプライマー層を介在させる技術的思想が開
示されている(特開昭63−87223・63−141
001号、特開平3−109502号、特開平5−25
299号等)。
せるために、基材とハードコートの間にポリウレタン系
塗料からなるプライマー層を介在させる技術的思想が開
示されている(特開昭63−87223・63−141
001号、特開平3−109502号、特開平5−25
299号等)。
【0008】他方、近年、有機ガラス基材の材料が、脂
肪族アリルカーボネート系(例えば、「CR−39」
(PPG社登録商標)ポリ(ジエチレングリコールビス
アリルカーボネート);屈折率1.50)に代わって、
より高屈折の、芳香族アリルカーボネート系(屈折率
1.57)、ポリチオウレタン系(屈折率1.60〜
1.70)等に代わりつつある。この場合、ハードコー
トの屈折率も光による干渉を防ぐため、基材と同等の屈
折率を有するものとする必要がある。
肪族アリルカーボネート系(例えば、「CR−39」
(PPG社登録商標)ポリ(ジエチレングリコールビス
アリルカーボネート);屈折率1.50)に代わって、
より高屈折の、芳香族アリルカーボネート系(屈折率
1.57)、ポリチオウレタン系(屈折率1.60〜
1.70)等に代わりつつある。この場合、ハードコー
トの屈折率も光による干渉を防ぐため、基材と同等の屈
折率を有するものとする必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記ウレタン
系塗料からなるプライマー層を構成するの屈折率が1.
50前後であるため、ハードコートの屈折率を基材のそ
れに近づけたとしても、光の干渉は避けられない。ま
た、一般に、ウレタン塗膜は、無黄変タイプであっても
耐候性に劣り、屋外で使用することが多い眼鏡レンズの
場合、望ましくない。
系塗料からなるプライマー層を構成するの屈折率が1.
50前後であるため、ハードコートの屈折率を基材のそ
れに近づけたとしても、光の干渉は避けられない。ま
た、一般に、ウレタン塗膜は、無黄変タイプであっても
耐候性に劣り、屋外で使用することが多い眼鏡レンズの
場合、望ましくない。
【0010】そこで、ハードコート及び反射防止膜を有
する光学要素において、耐候性に優れ、かつ、有機ガラ
ス基材が高屈折率であっても、光干渉を発生させないプ
ライマー層を、有機ガラスとハードコートとの間に有す
る光学要素を提供することを目的として、本願出願人
は、下記構成の光学要素を提案した(特開平6−826
04号公報)。「有機ガラスの表面に、ハードコート及
び単層又は複層の無機反射防止膜が積層されてなる光学
要素において、前記有機ガラスとハードコートとの間
に、下記成分を必須有効成分とする塗料で形成されてな
るプライマー層が介在されていることを特徴とする光学
要素。
する光学要素において、耐候性に優れ、かつ、有機ガラ
ス基材が高屈折率であっても、光干渉を発生させないプ
ライマー層を、有機ガラスとハードコートとの間に有す
る光学要素を提供することを目的として、本願出願人
は、下記構成の光学要素を提案した(特開平6−826
04号公報)。「有機ガラスの表面に、ハードコート及
び単層又は複層の無機反射防止膜が積層されてなる光学
要素において、前記有機ガラスとハードコートとの間
に、下記成分を必須有効成分とする塗料で形成されてな
るプライマー層が介在されていることを特徴とする光学
要素。
【0011】(a) ウレタンエラストマー (b) 無機微粒子 (c) オルガノアルコキシシランの加水分解物」
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そして、上記構成のプ
ライマー塗料は、水性エマルションの場合、通常、ウレ
タンエラストマーと無機微粒子を混合して攪拌した後、
オルガノアルコキシシランの加水分解物を加えて調製す
る。しかし、当該プライマー塗料は、ゲル化が早期に発
生し、ポットライフの点で問題があることが分かった。
さらに、光学要素に適用した場合、ハードコートを有
する光学要素の外観・染色性・耐候性等において、必ず
しも十分とは言えない場合があることが分かった(表3
製品比較例1参照)。
ライマー塗料は、水性エマルションの場合、通常、ウレ
タンエラストマーと無機微粒子を混合して攪拌した後、
オルガノアルコキシシランの加水分解物を加えて調製す
る。しかし、当該プライマー塗料は、ゲル化が早期に発
生し、ポットライフの点で問題があることが分かった。
さらに、光学要素に適用した場合、ハードコートを有
する光学要素の外観・染色性・耐候性等において、必ず
しも十分とは言えない場合があることが分かった(表3
製品比較例1参照)。
【0013】本発明は、上記にかんがみて、ポットライ
フに問題が発生し難く、さらには、光学要素表面処理面
の他の諸物性においても改善される光学要素用プライマ
ー塗料を提供することを目的とする。
フに問題が発生し難く、さらには、光学要素表面処理面
の他の諸物性においても改善される光学要素用プライマ
ー塗料を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記構
成の光学要素用プライマー塗料に想到した。
を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記構
成の光学要素用プライマー塗料に想到した。
【0015】有機ガラスとシリコーン硬化塗膜との間に
プライマー層を形成するためのプライマー塗料におい
て、下記成分を必須有効成分とすることを特徴とするプ
ライマー塗料。
プライマー層を形成するためのプライマー塗料におい
て、下記成分を必須有効成分とすることを特徴とするプ
ライマー塗料。
【0016】(a) ウレタンエラストマー (b) オルガノアルコキシシランの加水分解物で表面処理
した無機微粒子
した無機微粒子
【0017】
【手段の詳細な説明】以下、本発明の各手段について詳
細に説明する。以下の説明で、配合単位は特に断らない
限り重量単位とする。
細に説明する。以下の説明で、配合単位は特に断らない
限り重量単位とする。
【0018】A.本発明のプライマー塗料は、有機ガラ
ス12とシリコーン硬化塗膜(ハードコート)14との
間にプライマー層16を形成するために使用するもので
ある。なお、ハードコート14の上面には、通常、反射
防止膜18を形成する。(図1参照) (1) 上記プライマー塗料は、(a) ウレタンエラストマ
ー、(b) オルガノアルコキシシランの加水分解物で表面
処理した無機微粒子を必須有効成分とするものである。
そして、必要により、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤を添加する。
ス12とシリコーン硬化塗膜(ハードコート)14との
間にプライマー層16を形成するために使用するもので
ある。なお、ハードコート14の上面には、通常、反射
防止膜18を形成する。(図1参照) (1) 上記プライマー塗料は、(a) ウレタンエラストマ
ー、(b) オルガノアルコキシシランの加水分解物で表面
処理した無機微粒子を必須有効成分とするものである。
そして、必要により、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤を添加する。
【0019】(a) 上記ウレタンエラストマーは、溶液タ
イプの形態で添加しても良いが、水性エマルションの形
態で添加することが望ましい。
イプの形態で添加しても良いが、水性エマルションの形
態で添加することが望ましい。
【0020】このようなウレタンエラストマーは、通
常、長鎖ポリオールとポリイソシアネートからなる軟質
相(ソフトセグメント)と、短鎖ポリオールとポリイソ
シアネートからなる硬質相(ハードセグメント)とで構
成される熱可塑性エラストマーが望ましい。さらには、
それらに、塗布後、部分架橋可能にポリアミン等の反応
性成分を添加したものが望ましい。
常、長鎖ポリオールとポリイソシアネートからなる軟質
相(ソフトセグメント)と、短鎖ポリオールとポリイソ
シアネートからなる硬質相(ハードセグメント)とで構
成される熱可塑性エラストマーが望ましい。さらには、
それらに、塗布後、部分架橋可能にポリアミン等の反応
性成分を添加したものが望ましい。
【0021】そして、上記軟質相を形成する長鎖ポリオ
ールとしては、ポリアルキレングリコール(PTMG
等)のポリエーテル系、ポリアルキレンアジペート、ポ
リカプロラクトン、ポリカーボネート等のポリエステル
系や、両者が混在するポリエーテルポリエステル系など
任意である。これらの内で、ポリエステル系・ポリエー
テルポリエステル系が、耐衝撃性の見地から望ましい。
ールとしては、ポリアルキレングリコール(PTMG
等)のポリエーテル系、ポリアルキレンアジペート、ポ
リカプロラクトン、ポリカーボネート等のポリエステル
系や、両者が混在するポリエーテルポリエステル系など
任意である。これらの内で、ポリエステル系・ポリエー
テルポリエステル系が、耐衝撃性の見地から望ましい。
【0022】上記短鎖ポリオールとしては、エチレング
リコール、1.2−プロピレングリコール、1.3−ブ
タンジオール、1.4−ブタンジオール、1.6−ヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレング
リコールなどを挙げることができる。
リコール、1.2−プロピレングリコール、1.3−ブ
タンジオール、1.4−ブタンジオール、1.6−ヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレング
リコールなどを挙げることができる。
【0023】上記ポリイソシアネートとしては、トリレ
ンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)、1、5−ナフタレンジイソシ
アネート等の芳香族系、1、6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加M
DI等の脂肪族・脂環式系のものを挙げることができ
る。耐候性の見地から、非黄変性タイプの脂肪族・脂環
式系が望ましい。
ンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)、1、5−ナフタレンジイソシ
アネート等の芳香族系、1、6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加M
DI等の脂肪族・脂環式系のものを挙げることができ
る。耐候性の見地から、非黄変性タイプの脂肪族・脂環
式系が望ましい。
【0024】(b) 上記無機微粒子は、屈折率の調製及び
耐候性向上の作用を担うと推定される。また、無機微粒
子をオルガノアルコキシシラン加水分解物で表面処理し
たものを使用するのは、ハードコートを有する光学要素
の諸物性の改善を図るとともに、無機微粒子を表面処理
することによりプライマー塗料のゲル化を抑制して、ポ
ットライフに問題を発生し難くするためである。
耐候性向上の作用を担うと推定される。また、無機微粒
子をオルガノアルコキシシラン加水分解物で表面処理し
たものを使用するのは、ハードコートを有する光学要素
の諸物性の改善を図るとともに、無機微粒子を表面処理
することによりプライマー塗料のゲル化を抑制して、ポ
ットライフに問題を発生し難くするためである。
【0025】無機微粒子の表面処理は、例えば、下記の
如く行う。
如く行う。
【0026】水を分散媒とするシリカ濃度10%前後の
コロイド液(粒子径:10〜20nm)100部に、低
級アルコール 500〜1000部を加えてからオルガ
ノアルコキシシラン2〜10部を添加する。当該分散液
に加水分解触媒を加えて、低級アルコールで10〜24
時間還流を行う。これを、濃縮して必要な固形分濃度に
調製して表面処理無機微粒子とする。
コロイド液(粒子径:10〜20nm)100部に、低
級アルコール 500〜1000部を加えてからオルガ
ノアルコキシシラン2〜10部を添加する。当該分散液
に加水分解触媒を加えて、低級アルコールで10〜24
時間還流を行う。これを、濃縮して必要な固形分濃度に
調製して表面処理無機微粒子とする。
【0027】この表面処理の際における、無機微粒子に
対するオルガノアルコキシシランの配合比は、前者/後
者=1/2.2〜5/2.2、望ましくは、1/1.5
〜2/1とする。オルガノアルコキシシランが過少では
本成分の添加効果(ハードコートとの密着性の確保)を
奏し難く、他方過多では耐衝撃性の改善効果が阻害され
るおそれがある。
対するオルガノアルコキシシランの配合比は、前者/後
者=1/2.2〜5/2.2、望ましくは、1/1.5
〜2/1とする。オルガノアルコキシシランが過少では
本成分の添加効果(ハードコートとの密着性の確保)を
奏し難く、他方過多では耐衝撃性の改善効果が阻害され
るおそれがある。
【0028】上記無機微粒子の粒子径(処理前)は、通
常、1〜100nm、好ましくは10〜50nmとす
る。10nm未満では塗膜の屈折率の向上を期待し難
く、50nmを越えると塗膜が乱反射しやすく、曇り現
象が発生し易い。
常、1〜100nm、好ましくは10〜50nmとす
る。10nm未満では塗膜の屈折率の向上を期待し難
く、50nmを越えると塗膜が乱反射しやすく、曇り現
象が発生し易い。
【0029】表面処理無機微粒子の配合量は、無機微粒
子の種類、及び、要求される屈折率により異なるが、通
常、ウレタンエラストマー100部に対して、10〜2
00部、望ましくは、20〜150部とする。10部未
満では金属化合物の添加効果(屈折率を高める)を奏し
難く、200部を越えると塗膜に曇りが発生し易い。
子の種類、及び、要求される屈折率により異なるが、通
常、ウレタンエラストマー100部に対して、10〜2
00部、望ましくは、20〜150部とする。10部未
満では金属化合物の添加効果(屈折率を高める)を奏し
難く、200部を越えると塗膜に曇りが発生し易い。
【0030】上記無機微粒子は、通常、金属酸化物のう
ちから、単独、又は、複合微粒子として適宜選択して使
用することができる。金属酸化物としては、旧族番号IV
A・IVB族に属する金属元素の酸化物が望ましく、具体
的には、酸化ケイ素、チタニア、酸化ゲルマニウム、酸
化ニオブ、酸化錫、酸化ハフニウム、酸化鉛等を挙げる
ことができる。
ちから、単独、又は、複合微粒子として適宜選択して使
用することができる。金属酸化物としては、旧族番号IV
A・IVB族に属する金属元素の酸化物が望ましく、具体
的には、酸化ケイ素、チタニア、酸化ゲルマニウム、酸
化ニオブ、酸化錫、酸化ハフニウム、酸化鉛等を挙げる
ことができる。
【0031】なお、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒
化ケイ素、等の窒化物、さらには、ホウ化物、硫化物、
フッ化物、金属塩等の内からも、適宜選択して使用する
ことも可能である。
化ケイ素、等の窒化物、さらには、ホウ化物、硫化物、
フッ化物、金属塩等の内からも、適宜選択して使用する
ことも可能である。
【0032】特に、複合微粒子の内、チタニア系複合微
粒子であるチタニア/ジルコニア複合微粒子、チタ
ニア/ジルコニア/シリカ複合微粒子が、屈折率の調製
及び耐候性向上の作用を担うと推定され望ましい。
粒子であるチタニア/ジルコニア複合微粒子、チタ
ニア/ジルコニア/シリカ複合微粒子が、屈折率の調製
及び耐候性向上の作用を担うと推定され望ましい。
【0033】チタニア系複合微粒子の粒子径は、通常、
1〜100nm、好ましくは1〜50nmとする。1n
m未満では塗膜の屈折率の向上を期待し難く、50nm
を越えると塗膜が乱反射しやすく、曇り現象が発生し易
い。
1〜100nm、好ましくは1〜50nmとする。1n
m未満では塗膜の屈折率の向上を期待し難く、50nm
を越えると塗膜が乱反射しやすく、曇り現象が発生し易
い。
【0034】該チタニア系複合微粒子の一つは、チタニ
アにジルコニアが一体的に結合されてなるチタニア/ジ
ルコニア複合微粒子である。
アにジルコニアが一体的に結合されてなるチタニア/ジ
ルコニア複合微粒子である。
【0035】チタニアとジルコニアとの結合態様は、
化学的に結合された複合酸化物タイプ、ジルコニアが
チタニアに、均一に溶解されてなる固溶体タイプなどが
ある。このチタニア系複合微粒子は、従来の無機微粒子
(チタニアを含め)に比して、高屈折率の特性を損なう
ことなく、光学活性を抑制することができる。従って、
塗膜(プライマー膜)及び有機ガラス双方の紫外線によ
る劣化作用を低減させることができる。
化学的に結合された複合酸化物タイプ、ジルコニアが
チタニアに、均一に溶解されてなる固溶体タイプなどが
ある。このチタニア系複合微粒子は、従来の無機微粒子
(チタニアを含め)に比して、高屈折率の特性を損なう
ことなく、光学活性を抑制することができる。従って、
塗膜(プライマー膜)及び有機ガラス双方の紫外線によ
る劣化作用を低減させることができる。
【0036】チタニア系複合微粒子の適性組成比はジ
ルコニア/チタニア=0.001〜0.400(望まし
くは0.05〜0.20)とする。0.001未満で
は、チタニアの光学活性をほとんど抑制できない。この
ため、光学プラスチック成形品基体、及び塗膜自体の劣
化等が促進されて黄変密着不良を起し易い。0.400
を越すと塗膜の屈折率が下がり、高屈折率(屈折率が
1,60以上)の光学プラスチック成形品に対し、光学
的干渉を起こし、光学プラスチック成形品用プライマー
としての用途が大幅に制限される。
ルコニア/チタニア=0.001〜0.400(望まし
くは0.05〜0.20)とする。0.001未満で
は、チタニアの光学活性をほとんど抑制できない。この
ため、光学プラスチック成形品基体、及び塗膜自体の劣
化等が促進されて黄変密着不良を起し易い。0.400
を越すと塗膜の屈折率が下がり、高屈折率(屈折率が
1,60以上)の光学プラスチック成形品に対し、光学
的干渉を起こし、光学プラスチック成形品用プライマー
としての用途が大幅に制限される。
【0037】なお、チタニア系複合微粒子として、ジ
ルコニアに加えて、酸化ケイ素を結合させたチタニア/
ジルコニア/シリカ複合微粒子が、塗料組成物の調製に
際して、上記シラン化合物との混和性(Compatibility)
が増大するとともに、耐光性も向上して望ましい。
ルコニアに加えて、酸化ケイ素を結合させたチタニア/
ジルコニア/シリカ複合微粒子が、塗料組成物の調製に
際して、上記シラン化合物との混和性(Compatibility)
が増大するとともに、耐光性も向上して望ましい。
【0038】このチタニア系複合微粒子の適性組成比
は、ジルコニア/チタニア=0.001〜0.400
(望ましくは、0.05〜0.20)、酸化ケイ素/チ
タニア=0.073〜1.133(望ましくは0.15
〜0.7)とする。酸化ケイ素の組成比が0.073未
満においてはシラン化合物との混和性増大効果が期待で
きず、このため、塗料の可使時間の延長が望めない。逆
に1.133を超えるとチタニアの塗膜の屈折率向上作
用が阻害され、高屈折対応が難しくなる。
は、ジルコニア/チタニア=0.001〜0.400
(望ましくは、0.05〜0.20)、酸化ケイ素/チ
タニア=0.073〜1.133(望ましくは0.15
〜0.7)とする。酸化ケイ素の組成比が0.073未
満においてはシラン化合物との混和性増大効果が期待で
きず、このため、塗料の可使時間の延長が望めない。逆
に1.133を超えるとチタニアの塗膜の屈折率向上作
用が阻害され、高屈折対応が難しくなる。
【0039】上記チタニア系複合微粒子の製造方法は、
例えば、特開平2−178219号公報に記載されてい
る方法と類似方法で行う。
例えば、特開平2−178219号公報に記載されてい
る方法と類似方法で行う。
【0040】ジルコニア/チタニアの組み合わせの場
合は、慣用の方法により、水和チタニアと水和ジルコニ
アを作成し、酸で解膠させた後、過酸化水素を加えて溶
解させ、高温にて加水分解させる。
合は、慣用の方法により、水和チタニアと水和ジルコニ
アを作成し、酸で解膠させた後、過酸化水素を加えて溶
解させ、高温にて加水分解させる。
【0041】チタニア/ジルコニア/酸化ケイ素の組
み合わせの場合は、水和ジルコニアゾルと水和チタニア
ゾルを作成し、酸で解膠させた後、過酸化水素を加えて
溶解させ、さらにケイ酸分散液を加え、高温にて加水分
解させる。上記ケイ酸分散液は、例えば、アルカリケイ
酸水溶液を脱アルカリすることにより調製する。
み合わせの場合は、水和ジルコニアゾルと水和チタニア
ゾルを作成し、酸で解膠させた後、過酸化水素を加えて
溶解させ、さらにケイ酸分散液を加え、高温にて加水分
解させる。上記ケイ酸分散液は、例えば、アルカリケイ
酸水溶液を脱アルカリすることにより調製する。
【0042】上記加水分解物は、微粒子の分散液であ
る。この微粒子分散液は、イオン交換法・逆浸透法・限
外ろ過・真空蒸発法により精製処理して微粒子とするこ
とが望ましい。
る。この微粒子分散液は、イオン交換法・逆浸透法・限
外ろ過・真空蒸発法により精製処理して微粒子とするこ
とが望ましい。
【0043】(c) 上記オルガノアルコキシシランとして
は、具体的には一般式で示されるものが使用可能であ
る。
は、具体的には一般式で示されるものが使用可能であ
る。
【0044】R1 a R2 bSi(OR3 )4-(a+b) (但しR1 は炭素数1〜6のアルキル基、ビニル基、エ
ポキシ基、メタクリルオキシ基、フェニル基であり、R
2 は、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン化アルキル
基であり、R3 は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキ
シアルキル基であり、a及びbは0、1、2、であっ
て、a+b=0、1、2、3のいずれかである。) より、具体的には、テトラメトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメチルク
ロロシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、
α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリ
シドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。こ
れらは、単独でも又2種以上併用することも可能であ
る。
ポキシ基、メタクリルオキシ基、フェニル基であり、R
2 は、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン化アルキル
基であり、R3 は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキ
シアルキル基であり、a及びbは0、1、2、であっ
て、a+b=0、1、2、3のいずれかである。) より、具体的には、テトラメトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメチルク
ロロシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、
α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリ
シドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。こ
れらは、単独でも又2種以上併用することも可能であ
る。
【0045】(d) 上記において、溶液タイプを使用する
場合の溶媒としては、炭化水素類、ハロゲン化物、アル
コール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、等を挙
げることができる。
場合の溶媒としては、炭化水素類、ハロゲン化物、アル
コール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、等を挙
げることができる。
【0046】(e) プライマー塗料の調製方法は、水性エ
マルションの場合、下記の如く行なう。
マルションの場合、下記の如く行なう。
【0047】水分散型ポリウレタン溶液(水性エマルシ
ョン)、上記オルガノシラン加水分解物表面処理無機微
粒子、及び、界面活性剤を所定比で、極性溶剤中で、均
一な状態になるまで攪拌混合する。このときの極性溶剤
の配合量は、ポリウレタン溶液、無機微粒子の合計量の
約3〜6倍、望ましくは、約4〜5倍とする。
ョン)、上記オルガノシラン加水分解物表面処理無機微
粒子、及び、界面活性剤を所定比で、極性溶剤中で、均
一な状態になるまで攪拌混合する。このときの極性溶剤
の配合量は、ポリウレタン溶液、無機微粒子の合計量の
約3〜6倍、望ましくは、約4〜5倍とする。
【0048】(2) このプライマー層の膜厚は、通常、
0.01〜50μm(10〜50000nm)、望まし
くは、0.01〜15μm(10〜1500nm)、さ
らに望ましくは、0.02〜1.0μm(20〜100
0nm)とする。0.01μm以下にすると耐衝撃性の
効果は余り望ず、50μmを越えると面精度(レベリン
グ性)が低下する。なお、1.5μmを越えてもよい
が、塗膜密着性及び曇り等の観点からは1.5μm以下
が望ましい(試験例18参照)。プライマー層の屈折率
は、無機微粒子の種類や量にもよるが、1.40〜1.
70である。
0.01〜50μm(10〜50000nm)、望まし
くは、0.01〜15μm(10〜1500nm)、さ
らに望ましくは、0.02〜1.0μm(20〜100
0nm)とする。0.01μm以下にすると耐衝撃性の
効果は余り望ず、50μmを越えると面精度(レベリン
グ性)が低下する。なお、1.5μmを越えてもよい
が、塗膜密着性及び曇り等の観点からは1.5μm以下
が望ましい(試験例18参照)。プライマー層の屈折率
は、無機微粒子の種類や量にもよるが、1.40〜1.
70である。
【0049】コーティング方法としては、ディッピング
法、スピンコート法など公知の方法から選ばれる。例え
ば、ディッピング法でコーティングする場合は、上記膜
厚にするために、引き上げ速度は、50〜2000mm/
min とする。硬化条件は、80〜120℃の範囲で1〜
60分である。
法、スピンコート法など公知の方法から選ばれる。例え
ば、ディッピング法でコーティングする場合は、上記膜
厚にするために、引き上げ速度は、50〜2000mm/
min とする。硬化条件は、80〜120℃の範囲で1〜
60分である。
【0050】B.本発明を適用する光学要素は、有機ガ
ラスの表面に、ハードコート及び無機反射防止膜が積層
されてなることを前提とする。
ラスの表面に、ハードコート及び無機反射防止膜が積層
されてなることを前提とする。
【0051】(1) 上記有機ガラス基材は、透明で屈折率
が1.40〜1.70のものならば、特に限定されな
い。基材材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポ
リカーボネート、脂肪族アリルカーボネート系、芳香族
アリルカーカーボネート系、ポリチオウレタン、等を挙
げることができる。さらに具体的には、脂肪族アリルカ
ーボネート系としては「CR39」(PPG社製ポリ
(ジエチレングリコールビスアリルカーボネート)の商
品名)、ポリチオウレタン系としては、「MR6」(三
井東圧化学社製の商品名)等を挙げることができる。
が1.40〜1.70のものならば、特に限定されな
い。基材材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポ
リカーボネート、脂肪族アリルカーボネート系、芳香族
アリルカーカーボネート系、ポリチオウレタン、等を挙
げることができる。さらに具体的には、脂肪族アリルカ
ーボネート系としては「CR39」(PPG社製ポリ
(ジエチレングリコールビスアリルカーボネート)の商
品名)、ポリチオウレタン系としては、「MR6」(三
井東圧化学社製の商品名)等を挙げることができる。
【0052】(2) 上記ハードコート(シリコーン系硬化
塗膜)は、シリコーン系のものならば特に限定されな
い。例えば、オルガノアルコキシシランの加水分解物
に、触媒、金属酸化物の微粒子・複合微粒子を加え、希
釈溶剤で適宜塗布可能な粘度になるようにハードコート
液を調製する。さらに、このハードコート液には、界面
滑性剤(レベリング剤)、紫外線吸収剤、等の薬剤を添
加することも可能である。こうして調製したハードコー
ト液を、慣用手段で基体に塗布し、乾燥硬化させてハー
ドコートを得る。このハードコートの膜厚は、通常、
0.5〜20μmとする。
塗膜)は、シリコーン系のものならば特に限定されな
い。例えば、オルガノアルコキシシランの加水分解物
に、触媒、金属酸化物の微粒子・複合微粒子を加え、希
釈溶剤で適宜塗布可能な粘度になるようにハードコート
液を調製する。さらに、このハードコート液には、界面
滑性剤(レベリング剤)、紫外線吸収剤、等の薬剤を添
加することも可能である。こうして調製したハードコー
ト液を、慣用手段で基体に塗布し、乾燥硬化させてハー
ドコートを得る。このハードコートの膜厚は、通常、
0.5〜20μmとする。
【0053】上記オルガノアルコキシシランとして
は、前記無機微粒子の表面処理に使用するものが使用可
能である。
は、前記無機微粒子の表面処理に使用するものが使用可
能である。
【0054】上記触媒としては、トリメリット酸、無
水トリメリット酸などの有機カルボン酸;チタンアルコ
キシド、ジルコアルコキシド、シリカアルコキシドなど
の金属アルコキシド;メチルイミダゾール、ジシアンア
ミドなどの窒素含有有機化合物;アセチルアセトンアル
ミニウム等の金属錯体;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム
等のアルカリ金属有機カルボン酸塩を使用できる。
水トリメリット酸などの有機カルボン酸;チタンアルコ
キシド、ジルコアルコキシド、シリカアルコキシドなど
の金属アルコキシド;メチルイミダゾール、ジシアンア
ミドなどの窒素含有有機化合物;アセチルアセトンアル
ミニウム等の金属錯体;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム
等のアルカリ金属有機カルボン酸塩を使用できる。
【0055】上記希釈溶剤としては、アルコール類、
ケトン類、エステル類、エーテル類、セロソルブ(エチ
レングリコールのモノアルキルエーテル)類、の内、1
種又は2種以上を混合して使用できる。
ケトン類、エステル類、エーテル類、セロソルブ(エチ
レングリコールのモノアルキルエーテル)類、の内、1
種又は2種以上を混合して使用できる。
【0056】上記金属酸化物としては、主として、酸
化ケイ素、酸化鉄(III)、チタニア(IV)、酸化セリウム
(IV)、酸化スズ(IV)、酸化タングステン(VI)、酸化タン
タル(V)、酸化アンチモン(III) 、ジルコニア、酸化ア
ルミニウム等を使用可能である。単一使用の他に、2種
以上を併用、又は、複合微粒子として使用することもで
きる。
化ケイ素、酸化鉄(III)、チタニア(IV)、酸化セリウム
(IV)、酸化スズ(IV)、酸化タングステン(VI)、酸化タン
タル(V)、酸化アンチモン(III) 、ジルコニア、酸化ア
ルミニウム等を使用可能である。単一使用の他に、2種
以上を併用、又は、複合微粒子として使用することもで
きる。
【0057】この、金属酸化物の上記加水分解物100
部に対する配合量は、20〜500部、望ましくは、2
0〜300部とする。また、粒径は、1〜100nmと
する。
部に対する配合量は、20〜500部、望ましくは、2
0〜300部とする。また、粒径は、1〜100nmと
する。
【0058】上記塗布方法としては、はけ塗り塗装・
浸せき塗装・ローラ塗装・スプレ塗装・スピン塗装、等
を挙げることができる。また、乾燥硬化の条件は、例え
ば、80〜120℃×2hとする。
浸せき塗装・ローラ塗装・スプレ塗装・スピン塗装、等
を挙げることができる。また、乾燥硬化の条件は、例え
ば、80〜120℃×2hとする。
【0059】(3) 反射防止膜は、金属・金属酸化物・金
属フッ化物等の無機粉体を、真空蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等の乾式めっき法により形成
する。
属フッ化物等の無機粉体を、真空蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等の乾式めっき法により形成
する。
【0060】上記酸化物としては、二酸化ケイ素、チタ
ニア(IV)、酸化タンタル(V)、酸化アンチモン(III) 、
ジルコニア、酸化アルミニウム、等を、金属フッ化物と
しては、フッ化マグネシウム、等をそれぞれ挙げること
ができる。
ニア(IV)、酸化タンタル(V)、酸化アンチモン(III) 、
ジルコニア、酸化アルミニウム、等を、金属フッ化物と
しては、フッ化マグネシウム、等をそれぞれ挙げること
ができる。
【0061】
【発明の作用・効果】本発明の光学要素(プラスチック
レンズ)用プライマーは、(a) ウレタンエラストマー、
(b) オルガノアルコキシシランの加水分解物で表面処理
した無機微粒子を、必須有効成分とすることにより、後
述の実施例で支持される如く、ポットライフに問題が発
生し難く、さらには、ハードコートを有する光学要素に
適用した場合、表面処理面の外観、耐候性、染色性等の
諸物性も改善される。特にジルコニアを含む特定のチタ
ニア系複合微粒子を使用した場合、耐候性、特に、耐紫
外線性の向上効果が大きい。
レンズ)用プライマーは、(a) ウレタンエラストマー、
(b) オルガノアルコキシシランの加水分解物で表面処理
した無機微粒子を、必須有効成分とすることにより、後
述の実施例で支持される如く、ポットライフに問題が発
生し難く、さらには、ハードコートを有する光学要素に
適用した場合、表面処理面の外観、耐候性、染色性等の
諸物性も改善される。特にジルコニアを含む特定のチタ
ニア系複合微粒子を使用した場合、耐候性、特に、耐紫
外線性の向上効果が大きい。
【0062】そして当該プライマーを使用して、有機ガ
ラス上にプライマー層を形成した場合は、当該プライマ
ー層がハードコートと有機ガラスとの間に介在すること
により、当該プライマー層がハードコートとの密着性を
改善できる。
ラス上にプライマー層を形成した場合は、当該プライマ
ー層がハードコートと有機ガラスとの間に介在すること
により、当該プライマー層がハードコートとの密着性を
改善できる。
【0063】当然、プライマー層の存在により、従来と
同様にして、耐衝撃性を、ハードコート上に反射防止膜
が形成された光学要素に付与できるとともに、そのプラ
イマー層の屈折率を1.40〜1.70の範囲に自由に
調整できるので、どの有機ガラスにも応用できる。又、
今までのウレタン樹脂によるプライマー層に比して、耐
候性も向上する。特にジルコニアを含む特定のチタニア
系複合微粒子を使用した場合、耐候性、特に、耐紫外線
性の向上効果が大きい。
同様にして、耐衝撃性を、ハードコート上に反射防止膜
が形成された光学要素に付与できるとともに、そのプラ
イマー層の屈折率を1.40〜1.70の範囲に自由に
調整できるので、どの有機ガラスにも応用できる。又、
今までのウレタン樹脂によるプライマー層に比して、耐
候性も向上する。特にジルコニアを含む特定のチタニア
系複合微粒子を使用した場合、耐候性、特に、耐紫外線
性の向上効果が大きい。
【0064】なお、特開平8−248204号公報(特
願平7−45867号)には、明細書比較例2に、本発
明の実施例に類似する技術が開示されている。
願平7−45867号)には、明細書比較例2に、本発
明の実施例に類似する技術が開示されている。
【0065】しかし、当該比較例2は、密着性の失敗例
であり、そのプライマー層の膜厚は約2μm以上であ
り、本願発明の望ましい範囲0.1〜1.5μmから、
中心点がシフトしている。この膜厚の違いにより、本願
発明においては、密着性(耐紫外線性におけるものも含
めて)を確保できるとともに、オルガノアルコキシシラ
ンで無機微粒子を表面処理するだけで、オルガノアルコ
キシシランを添加含有させなくても、密着性を確保でき
るとともに、耐衝撃性が薄くても確保できることを見出
し本願発明を完成したものである(表7試験例17・1
8参照)。
であり、そのプライマー層の膜厚は約2μm以上であ
り、本願発明の望ましい範囲0.1〜1.5μmから、
中心点がシフトしている。この膜厚の違いにより、本願
発明においては、密着性(耐紫外線性におけるものも含
めて)を確保できるとともに、オルガノアルコキシシラ
ンで無機微粒子を表面処理するだけで、オルガノアルコ
キシシランを添加含有させなくても、密着性を確保でき
るとともに、耐衝撃性が薄くても確保できることを見出
し本願発明を完成したものである(表7試験例17・1
8参照)。
【0066】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために、比較
例とともに行なった実施例について説明をする。
例とともに行なった実施例について説明をする。
【0067】A.プライマー塗料の調製: <実施例1−1>不揮発分25%水分散型ポリウレタン
(商品名「スーパーフレックス107」第一工業製薬社
製):130部、メチルアルコール分散型表面処理シリ
カ微粒子(商品名「オスカル1122G」触媒化成社
製;γ−グリシドキシメチルプロピルトリメトキシシラ
ンの加水分解物の表面処理品、固形分20%):35
部、及び界面活性剤(商品名「フロラードFC430」
住友3M社製;フッ素アルキルエステル):1.5部を
混合溶剤(メチルアルコール600部、純水55部、イ
ソプロピルアルコール10部)中で均一な状態になるま
で攪拌して調製した。
(商品名「スーパーフレックス107」第一工業製薬社
製):130部、メチルアルコール分散型表面処理シリ
カ微粒子(商品名「オスカル1122G」触媒化成社
製;γ−グリシドキシメチルプロピルトリメトキシシラ
ンの加水分解物の表面処理品、固形分20%):35
部、及び界面活性剤(商品名「フロラードFC430」
住友3M社製;フッ素アルキルエステル):1.5部を
混合溶剤(メチルアルコール600部、純水55部、イ
ソプロピルアルコール10部)中で均一な状態になるま
で攪拌して調製した。
【0068】<実施例1−2>不揮発分30%水分散型
ポリウレタン(商品名「スーパーフレックス160」第
一工業製薬社製):112部、メチルアルコール分散型
表面処理シリカ微粒子(実施例1−1と同じ):35
部、及び界面活性剤(実施例1−1と同じ):1.5部
を、混合溶剤(実施例1−1と同じ)中で均一な状態に
なるまで攪拌して調製した。
ポリウレタン(商品名「スーパーフレックス160」第
一工業製薬社製):112部、メチルアルコール分散型
表面処理シリカ微粒子(実施例1−1と同じ):35
部、及び界面活性剤(実施例1−1と同じ):1.5部
を、混合溶剤(実施例1−1と同じ)中で均一な状態に
なるまで攪拌して調製した。
【0069】<実施例1−3>不揮発分33%水分散型
ポリウレタン(商品名「スーパーフレックス190」第
一工業製薬社製):100部、メチルアルコール分散型
表面処理酸化ケイ素微粒子(実施例1と同様):35
部、及び界面活性剤(実施例1と同様):1.5部を混
合溶剤(メチルアルコール630部、純水55部、イソ
プロピルアルコール10部)中で均一な状態になるまで
攪拌して調製した。
ポリウレタン(商品名「スーパーフレックス190」第
一工業製薬社製):100部、メチルアルコール分散型
表面処理酸化ケイ素微粒子(実施例1と同様):35
部、及び界面活性剤(実施例1と同様):1.5部を混
合溶剤(メチルアルコール630部、純水55部、イソ
プロピルアルコール10部)中で均一な状態になるまで
攪拌して調製した。
【0070】<比較例1−1>不揮発分25%水分散型
ポリウレタン(商品名「スーパーフレックス107」第
一工業製薬製):200部 不揮発分30%シリカ微粒子(商品名「Cataloi
d SA」触媒化成社製):120部 アルコキシシラン加水分解物(γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン加水分解物16部を純水10部で
加水分解したもの):16部、及び、界面活性剤(実施
例1−1と同じ):1.5部を、混合溶剤(ジアセトン
アルコール95部、メチルアルコール435部、イソプ
ロピルアルコール10部)中で均一な状態になるまで攪
拌して調製した。
ポリウレタン(商品名「スーパーフレックス107」第
一工業製薬製):200部 不揮発分30%シリカ微粒子(商品名「Cataloi
d SA」触媒化成社製):120部 アルコキシシラン加水分解物(γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン加水分解物16部を純水10部で
加水分解したもの):16部、及び、界面活性剤(実施
例1−1と同じ):1.5部を、混合溶剤(ジアセトン
アルコール95部、メチルアルコール435部、イソプ
ロピルアルコール10部)中で均一な状態になるまで攪
拌して調製した。
【0071】<比較例1−2>不揮発分25%水分散型
ポリウレタン(比較例1と同じ):160部、及び界面
活性剤(実施例1−1と同じ):1.5部を、混合溶剤
(メチルアルコール660部、イソプロピルアルコール
10部)中で均一な状態になるまで攪拌して調製した。
ポリウレタン(比較例1と同じ):160部、及び界面
活性剤(実施例1−1と同じ):1.5部を、混合溶剤
(メチルアルコール660部、イソプロピルアルコール
10部)中で均一な状態になるまで攪拌して調製した。
【0072】<比較例1−3>不揮発分25%水分散型
ポリウレタン(比較例1と同じ)):400部、及び界
面活性剤(実施例1−1と同じ):1.5部を、混合溶
剤(メチルアルコール473部、イソプロピルアルコー
ル10部)中で均一な状態になるまで攪拌して調製し
た。
ポリウレタン(比較例1と同じ)):400部、及び界
面活性剤(実施例1−1と同じ):1.5部を、混合溶
剤(メチルアルコール473部、イソプロピルアルコー
ル10部)中で均一な状態になるまで攪拌して調製し
た。
【0073】<比較例1−4>ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー(商品名「LQ3510」三洋化成社製)30
部、及び、界面活性剤(実施例1−1と同じ):1.5
部を、混合溶媒(トルエン40部、イソプロピルアルコ
ール20部)中で均一な状態になるまで攪拌して調製し
た。
ストマー(商品名「LQ3510」三洋化成社製)30
部、及び、界面活性剤(実施例1−1と同じ):1.5
部を、混合溶媒(トルエン40部、イソプロピルアルコ
ール20部)中で均一な状態になるまで攪拌して調製し
た。
【0074】<従来例−1(特開平5−25299号対
応例)>ポリエステルタイプのポリオール(商品名「デ
スモフェン670−80B」住友バイエル(株)製):
131.9部 ブロック型ポリイソシアネート(商品名「デスモジュー
ルS−2759」住友バイエル(株)製):126部、
及び、界面活性剤(商品名「フロラードFC430」住
友3M社製;フッ素アルキルエステル):0.5部を溶
剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル):74
1.6部中で均一な状態になるまで攪拌して調製した。
応例)>ポリエステルタイプのポリオール(商品名「デ
スモフェン670−80B」住友バイエル(株)製):
131.9部 ブロック型ポリイソシアネート(商品名「デスモジュー
ルS−2759」住友バイエル(株)製):126部、
及び、界面活性剤(商品名「フロラードFC430」住
友3M社製;フッ素アルキルエステル):0.5部を溶
剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル):74
1.6部中で均一な状態になるまで攪拌して調製した。
【0075】<従来例−2(米国特許第 5316791号対応
例)>不揮発分30%、水分散型ポリウレタン(商品名
「Witco Bond W-240」WitcoCorpolation 製):115
部、界面活性剤(商品名「フロラードFC430」住友
3M社製;フッ素アルキルエステル):1.5部を、混
合溶剤(メチルアルコール620、純水55、イソプロ
ピルアルコール10)中で均一な状態になるまで攪拌し
て調製した。
例)>不揮発分30%、水分散型ポリウレタン(商品名
「Witco Bond W-240」WitcoCorpolation 製):115
部、界面活性剤(商品名「フロラードFC430」住友
3M社製;フッ素アルキルエステル):1.5部を、混
合溶剤(メチルアルコール620、純水55、イソプロ
ピルアルコール10)中で均一な状態になるまで攪拌し
て調製した。
【0076】<実施例2−1>市販の水性エマルション
ポリウレタン「スーパーフレックス150」(第一工業
製薬製、固形分濃度30%、無黄変型、エステル・エ−
テル系)83部、メチルアルコール300部,チタニア
系複合微粒子「オプトレイク1120Z(S−25、A
−8)」(触媒化成工業製,ZrO2 /TiO2 =0.
07、SiO2/TiO2 =0.50、粒径10mμ、
固形分濃度20%、分散媒体メチルアルコール、表面改
質剤テトラエトキシシラン)60部に、レベリング剤
「SILWET L−77」(日本ユニカー製)3部を
加え、60rpmで24時間攪拌し、塗料組成物とし
た。
ポリウレタン「スーパーフレックス150」(第一工業
製薬製、固形分濃度30%、無黄変型、エステル・エ−
テル系)83部、メチルアルコール300部,チタニア
系複合微粒子「オプトレイク1120Z(S−25、A
−8)」(触媒化成工業製,ZrO2 /TiO2 =0.
07、SiO2/TiO2 =0.50、粒径10mμ、
固形分濃度20%、分散媒体メチルアルコール、表面改
質剤テトラエトキシシラン)60部に、レベリング剤
「SILWET L−77」(日本ユニカー製)3部を
加え、60rpmで24時間攪拌し、塗料組成物とし
た。
【0077】<実施例2−2>実施例2−1において、
使用した水性エマルションポリウレタンを、「スーパー
フレックス190」(第一工業製薬製、固形分濃度33
%、無黄変型、エステル系)75部に変える以外は、同
様に行った。
使用した水性エマルションポリウレタンを、「スーパー
フレックス190」(第一工業製薬製、固形分濃度33
%、無黄変型、エステル系)75部に変える以外は、同
様に行った。
【0078】<実施例2−3>実施例2−1において、
使用した水性エマルションポリウレタンを、「スーパー
フレックス107」(第一工業製薬製、固形分濃度25
%、無黄変型、エステル系)100部に変える以外は、
同様に行った。
使用した水性エマルションポリウレタンを、「スーパー
フレックス107」(第一工業製薬製、固形分濃度25
%、無黄変型、エステル系)100部に変える以外は、
同様に行った。
【0079】<実施例2−4>実施例2−1において、
使用したチタニア系複合微粒子を、「オプトレイク11
20Z(S−7,G)」(触媒化成工業製、ZrO2 /
TiO2 =0.02、SiO2 /TiO2 =0.22、
粒径10mμ、固形分濃度20%、分散溶媒メチルアル
コ−ル、表面改質剤γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン)55部に変える以外は、同様に行った。
使用したチタニア系複合微粒子を、「オプトレイク11
20Z(S−7,G)」(触媒化成工業製、ZrO2 /
TiO2 =0.02、SiO2 /TiO2 =0.22、
粒径10mμ、固形分濃度20%、分散溶媒メチルアル
コ−ル、表面改質剤γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン)55部に変える以外は、同様に行った。
【0080】<実施例2−5>実施例2−1において、
使用したチタニア系複合微粒子を変更した以外は、同様
に行った。使用したチタニア系複合微粒子は、ZrO2
/TiO2 =0.16、SiO2 /TiO2 =0.6
5、粒径6mμ、固形分濃度20%、分散溶媒メチルア
ルコール、表面改質剤γ−グリシドキシプルピルトリメ
トキシシランよりなるものを70部添加した。
使用したチタニア系複合微粒子を変更した以外は、同様
に行った。使用したチタニア系複合微粒子は、ZrO2
/TiO2 =0.16、SiO2 /TiO2 =0.6
5、粒径6mμ、固形分濃度20%、分散溶媒メチルア
ルコール、表面改質剤γ−グリシドキシプルピルトリメ
トキシシランよりなるものを70部添加した。
【0081】<実施例2−6>実施例2−1において、
該チタニア系複合微粒子の添加量を130部に変える以
外は、同様に行った。
該チタニア系複合微粒子の添加量を130部に変える以
外は、同様に行った。
【0082】<実施例2−7>実施例2−3において、
該チタニア系複合微粒子の添加量を130部に変える以
外は、同様に行った。
該チタニア系複合微粒子の添加量を130部に変える以
外は、同様に行った。
【0083】<実施例2−8>実施例2−5において、
該チタニア系複合微粒子の添加量を140部に変える以
外は、同様に行った。
該チタニア系複合微粒子の添加量を140部に変える以
外は、同様に行った。
【0084】<比較例2−1>実施例2−1において、
使用したチタニア系複合微粒子を、「オプトレイク11
30F−2(A−8)」(触媒化成工業製、Fe2 O3
/TiO2 =0.02、SiO2 /TiO2 =0.1
1、粒径10mμ、固形分濃度30%、分散溶媒メチル
アルコール、表面改質剤テトラメトキシシラン)37部
に変える以外は、同様に行った。
使用したチタニア系複合微粒子を、「オプトレイク11
30F−2(A−8)」(触媒化成工業製、Fe2 O3
/TiO2 =0.02、SiO2 /TiO2 =0.1
1、粒径10mμ、固形分濃度30%、分散溶媒メチル
アルコール、表面改質剤テトラメトキシシラン)37部
に変える以外は、同様に行った。
【0085】<比較例2−2>実施例2−3において、
使用したチタニア系複合微粒子を、「オプトレイク11
30F−2(A−8)」(前述)37部に変える以外
は、同様に行った。
使用したチタニア系複合微粒子を、「オプトレイク11
30F−2(A−8)」(前述)37部に変える以外
は、同様に行った。
【0086】<比較例2−3>実施例2−6において、
使用したチタニア系複合微粒子を、「オプトレイク11
30F−2(A−8)」(前述)80部に変える以外
は、同様に行った。
使用したチタニア系複合微粒子を、「オプトレイク11
30F−2(A−8)」(前述)80部に変える以外
は、同様に行った。
【0087】<比較例2−4>実施例2−7において、
使用したチタニア系複合微粒子を、「オプトレイク11
30F−2(A−8)」(前述)80部に変える以外
は、同様に行った。
使用したチタニア系複合微粒子を、「オプトレイク11
30F−2(A−8)」(前述)80部に変える以外
は、同様に行った。
【0088】<比較例2−5>実施例2−3において、
チタニア系複合微粒子を、コロイダルシリカ「カタロイ
ドSA」(触媒化成工業製、固形分濃度30%、分散溶
媒メチルアルコール)に変える以外は、同様に行った。
チタニア系複合微粒子を、コロイダルシリカ「カタロイ
ドSA」(触媒化成工業製、固形分濃度30%、分散溶
媒メチルアルコール)に変える以外は、同様に行った。
【0089】<比較例2−6>実施例2−3において、
チタニア系複合微粒子を添加しない以外は、同様に行っ
た。
チタニア系複合微粒子を添加しない以外は、同様に行っ
た。
【0090】<参照例>実施例2−6において、γ−グ
リシドキシトリメトキシシラン18部を純水12部で加
水分解したものを加えた以外は、同様に行った。
リシドキシトリメトキシシラン18部を純水12部で加
水分解したものを加えた以外は、同様に行った。
【0091】B.ハードコート液の調製 <ハードコート液1−a>γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン109部、ケイ酸エチル40部、γ−
グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン27部
に、メチルアルコール320部を加え攪拌しながら、
0.01規定の塩酸38部を滴下して、一昼夜加水分解
を行う。
リメトキシシラン109部、ケイ酸エチル40部、γ−
グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン27部
に、メチルアルコール320部を加え攪拌しながら、
0.01規定の塩酸38部を滴下して、一昼夜加水分解
を行う。
【0092】続いて、該加水分解物に、メタノール分散
シリカゾル(商品名「メタノールシリカゾル」日産化学
工業社製、固形分30%)390部、イソプロピルアル
コール9.9部、界面活性剤(商品名「フロラードFC
430」住友3M社製;フッ素アルキルエステル)1.
5部、及び触媒(アセチルアセトン鉄)1.5部を加
え、一昼夜攪拌後、濾過して調製した。
シリカゾル(商品名「メタノールシリカゾル」日産化学
工業社製、固形分30%)390部、イソプロピルアル
コール9.9部、界面活性剤(商品名「フロラードFC
430」住友3M社製;フッ素アルキルエステル)1.
5部、及び触媒(アセチルアセトン鉄)1.5部を加
え、一昼夜攪拌後、濾過して調製した。
【0093】<ハードコート液1−b>γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン100部に、0.01規
定の塩酸100部を加えて2時間還流にて加水分解を行
なう。 続いて、該加水分解物に、メタノール分散シリ
カゾル(ハードコート液1−aと同じ)1200部、メ
チルアルコール200部、界面活性剤(ハードコート液
a.と同じ)0.4部、及び、触媒(アセチルアセトン
アルミニウム)7部を加えて、一昼夜攪拌後、濾過して
調製した。
シプロピルトリメトキシシラン100部に、0.01規
定の塩酸100部を加えて2時間還流にて加水分解を行
なう。 続いて、該加水分解物に、メタノール分散シリ
カゾル(ハードコート液1−aと同じ)1200部、メ
チルアルコール200部、界面活性剤(ハードコート液
a.と同じ)0.4部、及び、触媒(アセチルアセトン
アルミニウム)7部を加えて、一昼夜攪拌後、濾過して
調製した。
【0094】<ハードコート液1−c>γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン150部に、0.05規
定の塩酸20部を加えて加水分解を行なう。
シプロピルトリメトキシシラン150部に、0.05規
定の塩酸20部を加えて加水分解を行なう。
【0095】続いて、メタノール分散シリカシリカゾル
(ハードコート液1−aと同じ)350部、メチルセロ
ソルブ50部、イソプロピルアルコール210部、n−
ブタノール105部、界面活性剤(ハードコート液1−
aと同じ)1.5部を加え、一昼夜攪拌後、濾過して調
製した。
(ハードコート液1−aと同じ)350部、メチルセロ
ソルブ50部、イソプロピルアルコール210部、n−
ブタノール105部、界面活性剤(ハードコート液1−
aと同じ)1.5部を加え、一昼夜攪拌後、濾過して調
製した。
【0096】<ハードコート液2−a>γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン100部、メチルアルコ
ール200部とを加え攪拌しながら、0.01規定の塩
酸25部を滴下して、一昼夜加水分解を行う。
シプロピルトリメトキシシラン100部、メチルアルコ
ール200部とを加え攪拌しながら、0.01規定の塩
酸25部を滴下して、一昼夜加水分解を行う。
【0097】続いて、該加水分解物に、チタニア系複合
微粒子「オプトレイク1130F−2(A−8)」(前
述)220部、触媒(アセチルアセトンアルミニウム)
20部、レベリング剤「サーフロンS−381」(旭ガ
ラス社製)2部を加え混合した。
微粒子「オプトレイク1130F−2(A−8)」(前
述)220部、触媒(アセチルアセトンアルミニウム)
20部、レベリング剤「サーフロンS−381」(旭ガ
ラス社製)2部を加え混合した。
【0098】<ハードコート液2−b>γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン100部に、ケイ酸エチ
ル15部、メチルアルコール200部、0.01規定の
塩酸25部を加えて、室温において一昼夜加水分解を行
なう。
シプロピルトリメトキシシラン100部に、ケイ酸エチ
ル15部、メチルアルコール200部、0.01規定の
塩酸25部を加えて、室温において一昼夜加水分解を行
なう。
【0099】続いて、該加水分解物に、チタニア系複合
微粒子「オプトレイク1130F−2(A−8)」(前
述)115部、触媒(アセチルアセトンアルミニウム)
20部、レベリング剤「サーフロンS−381」(旭ガ
ラス社製)2部を加え混合した。
微粒子「オプトレイク1130F−2(A−8)」(前
述)115部、触媒(アセチルアセトンアルミニウム)
20部、レベリング剤「サーフロンS−381」(旭ガ
ラス社製)2部を加え混合した。
【0100】C.製品試験片の調製 (1) プライマー層の形成 <実施例1−1〜3、比較例1−1〜3及び従来例1・
2>表1に示す各基材(プラスチックレンズ)に、表示
の各実施例・比較例のプライマー塗料を、ディッピング
法(引上げ速度105mm/min 、但し、比較例1−1〜
4:100mm/min 、従来例1:10mm/sec )で塗布
し、110℃×20分(但し、比較例1−4:120℃
×30分、従来例:90℃×30分)の条件で硬化させ
た。
2>表1に示す各基材(プラスチックレンズ)に、表示
の各実施例・比較例のプライマー塗料を、ディッピング
法(引上げ速度105mm/min 、但し、比較例1−1〜
4:100mm/min 、従来例1:10mm/sec )で塗布
し、110℃×20分(但し、比較例1−4:120℃
×30分、従来例:90℃×30分)の条件で硬化させ
た。
【0101】<実施例2−1〜8及び比較例2−1〜
6、参考例>表4〜5に示す各基材(プラスチックレン
ズ)に、表示の各実施例・比較例のプライマー塗料を、
ディッピング法(引上げ速度100mm/min 、但し、試
験片18は100mm/sec )で塗布し、100℃×10
分の条件で硬化させた。
6、参考例>表4〜5に示す各基材(プラスチックレン
ズ)に、表示の各実施例・比較例のプライマー塗料を、
ディッピング法(引上げ速度100mm/min 、但し、試
験片18は100mm/sec )で塗布し、100℃×10
分の条件で硬化させた。
【0102】なお、使用した基材の各仕様は下記の通り
である。なお、試験片10・16は、プライマー塗膜を
形成しなかった。
である。なお、試験片10・16は、プライマー塗膜を
形成しなかった。
【0103】CRー39:ポリグリコールビスアリル
カーボネート製レンズ、屈折率:1.498 MR6:ジフェン酸ジアリル・ウレタンアクリレート
・ジイソプロピルパーオキシジカーボネート共重合体、
屈折率 1.60 TU:チオウレタン樹脂、屈折率 1.66 (2) ハードコートの形成 <実施例1−1〜3及び比較例1−1〜3>上記プライ
マー塗膜を形成した基材の上に、表示の各ハードコート
液を、ディッピング法(引上げ速度105mm/min 、但
し、ハードコート液1−cは100mm/min )で塗布
し、100℃×20分予備乾燥した後、110℃×2時
間(但し、ハードコート液1−cは120℃×3時間)
の条件で加熱硬化させた。
カーボネート製レンズ、屈折率:1.498 MR6:ジフェン酸ジアリル・ウレタンアクリレート
・ジイソプロピルパーオキシジカーボネート共重合体、
屈折率 1.60 TU:チオウレタン樹脂、屈折率 1.66 (2) ハードコートの形成 <実施例1−1〜3及び比較例1−1〜3>上記プライ
マー塗膜を形成した基材の上に、表示の各ハードコート
液を、ディッピング法(引上げ速度105mm/min 、但
し、ハードコート液1−cは100mm/min )で塗布
し、100℃×20分予備乾燥した後、110℃×2時
間(但し、ハードコート液1−cは120℃×3時間)
の条件で加熱硬化させた。
【0104】<実施例2−1〜8、比較例2−1〜8及
び参考例>上記プライマー塗膜を形成した基材の上に、
表示の各ハードコート液(2−a、2−b)を、ディッ
ピング法(引上げ速度100mm/min 、但し、試験例1
8は100mm/sec )塗布し、100℃×2時間の条件
で加熱硬化させた。
び参考例>上記プライマー塗膜を形成した基材の上に、
表示の各ハードコート液(2−a、2−b)を、ディッ
ピング法(引上げ速度100mm/min 、但し、試験例1
8は100mm/sec )塗布し、100℃×2時間の条件
で加熱硬化させた。
【0105】(3) 反射防止膜の形成 上記ハードコートを形成した基材の上に、無機物質を以
下に示す構成で真空蒸着法によって蒸着膜を形成する。
下に示す構成で真空蒸着法によって蒸着膜を形成する。
【0106】SiO2 /ZrO2 :1/4 λ、ZrO2 :
1/4 λ、SiO2 :1/4 λ D.試験項目 上記の如く調製した各試験片(製品実施例・比較例・従
来例)について、下記各項目の試験を行なった。
1/4 λ、SiO2 :1/4 λ D.試験項目 上記の如く調製した各試験片(製品実施例・比較例・従
来例)について、下記各項目の試験を行なった。
【0107】(1) プライマー層とハードコートとの密着
性 塗膜面に1mmの基材に達するゴバン目を塗膜の上から鋼
ナイフで100個入れて、セロハン粘着テープ(ニチバ
ン製)を強くはりつけ、90度方向に急速にはがし、下
記の基準にて評価を行う。
性 塗膜面に1mmの基材に達するゴバン目を塗膜の上から鋼
ナイフで100個入れて、セロハン粘着テープ(ニチバ
ン製)を強くはりつけ、90度方向に急速にはがし、下
記の基準にて評価を行う。
【0108】(実施例1−1〜3及び比較例1−1〜
3) 3A:10回以上剥離なし 2A:5〜9回の剥離なし A:1〜4回の剥離なし AB:キザミ線に沿い、点状もしくは線状剥離 B:キザミ線に沿い、面状剥離(20%以下)但し1マ
ス目の剥離面積1/2以下 C:キザミ線に沿い、面状剥離(20%以上)但し1升
目の剥離面積1/2以下 D:キザミ線に沿い、面状剥離但し1升目の剥離面積全
面 二次密着性に関しては、80℃で10分間の温水に浸漬
後、上記と同様の方法で判定を行う。
3) 3A:10回以上剥離なし 2A:5〜9回の剥離なし A:1〜4回の剥離なし AB:キザミ線に沿い、点状もしくは線状剥離 B:キザミ線に沿い、面状剥離(20%以下)但し1マ
ス目の剥離面積1/2以下 C:キザミ線に沿い、面状剥離(20%以上)但し1升
目の剥離面積1/2以下 D:キザミ線に沿い、面状剥離但し1升目の剥離面積全
面 二次密着性に関しては、80℃で10分間の温水に浸漬
後、上記と同様の方法で判定を行う。
【0109】(実施例2−1〜8及び比較例2−1〜
8)剥離しない升目の数。
8)剥離しない升目の数。
【0110】(2) 耐擦傷性 (実施例1−1〜3及び比較例1−1〜3)スチールウ
ール(#0000)で硬化塗膜の上を擦り、その結果を
肉眼により判定評価を行う。
ール(#0000)で硬化塗膜の上を擦り、その結果を
肉眼により判定評価を行う。
【0111】3A:キズの面積が0% 2A:キズの面積が1%を超え2%未満 A:キズの面積が3%を超え10%未満 AB:キズの面積が10%を超え30%未満 B:キズの面積が30%を超え60%未満 C:キズの面積が60%以上 D:キズの面積が全面 塗膜なしの状態で擦った判定はCであった。
【0112】(実施例2−1〜8及び比較例2−1〜
8) ○:傷の入った面積が10%以下 △:傷の入った面積が10%を越えて30%以下 Χ:傷の入った面積が30%を越える (3) 耐衝撃性 鋼球落下試験を行なった。具体的には、127cmの高さ
から、サンプルの中心部へ鋼球(37g)を落下させ、
割れないものを合格とした。
8) ○:傷の入った面積が10%以下 △:傷の入った面積が10%を越えて30%以下 Χ:傷の入った面積が30%を越える (3) 耐衝撃性 鋼球落下試験を行なった。具体的には、127cmの高さ
から、サンプルの中心部へ鋼球(37g)を落下させ、
割れないものを合格とした。
【0113】(4) 耐熱性 (実施例1−1〜3及び比較例1−1〜3)各設定温度
のパーフェクトオーブンに5分間入れ、直後及び30分
間放置後における、表面処理面のクラック発生の有無を
判定する。
のパーフェクトオーブンに5分間入れ、直後及び30分
間放置後における、表面処理面のクラック発生の有無を
判定する。
【0114】 ◎:変化なし ○:直後細く発生、30分後消失 △:直後太く、30分後細い Χ:直後太く、30分後も太い状態のまま (実施例2−1〜8及び比較例2−1〜8)パーフェク
トオーブンにて70℃×5分間の条件で加熱し、30分
間室温放置後における表面処理面のクラック発生の有無
にて判定する。
トオーブンにて70℃×5分間の条件で加熱し、30分
間室温放置後における表面処理面のクラック発生の有無
にて判定する。
【0115】(5) 外観 (実施例1−1〜3及び比較例1−1〜3)レンズに蛍
光灯の光を当て、目視で表面処理面の透明度・異物の発
生・塗装状態、及び、クラック発生の有無を下記の評価
方法で判定を行う。
光灯の光を当て、目視で表面処理面の透明度・異物の発
生・塗装状態、及び、クラック発生の有無を下記の評価
方法で判定を行う。
【0116】透明度: ◎:クモリなし(プライマー層なしHDMCコートプラ
スチックレンズと同等) ○:少しクモリがあるが眼鏡レンズとして支障を来さな
い △:クモリが目立つ Χ:白く濁って見える 異物の発生: ○:無し良好、Χ:異物の発生 塗装状態: ○:良好、△:レンズ外周より10mm以内に面タレあ
り、Χ:全面に面タレあり クラック発生の有無: ○:無し、Χ:あり (実施例2−1〜3及び比較例2−1〜3)背景を黒く
した中に蛍光灯「商品名:メロウ5N」(東芝ライテッ
ク社製、三波長型昼白色蛍光灯)をおき、蛍光灯の光を
反射防止膜表面で反射させ、対象物表面にできる干渉膜
(虹模様)の有無により判定した。
スチックレンズと同等) ○:少しクモリがあるが眼鏡レンズとして支障を来さな
い △:クモリが目立つ Χ:白く濁って見える 異物の発生: ○:無し良好、Χ:異物の発生 塗装状態: ○:良好、△:レンズ外周より10mm以内に面タレあ
り、Χ:全面に面タレあり クラック発生の有無: ○:無し、Χ:あり (実施例2−1〜3及び比較例2−1〜3)背景を黒く
した中に蛍光灯「商品名:メロウ5N」(東芝ライテッ
ク社製、三波長型昼白色蛍光灯)をおき、蛍光灯の光を
反射防止膜表面で反射させ、対象物表面にできる干渉膜
(虹模様)の有無により判定した。
【0117】(6) 染色性 一般的な分散染料であるニコライトブラウン7部を、純
水1000部に添加した溶液中で、90℃10分間の条
件で浸漬処理にて染色する。視感透過計で測定し、この
値が80%以下で、外観(表面処理面)においてもクラ
ック及び膜剥離等がないものを良好と判断する。
水1000部に添加した溶液中で、90℃10分間の条
件で浸漬処理にて染色する。視感透過計で測定し、この
値が80%以下で、外観(表面処理面)においてもクラ
ック及び膜剥離等がないものを良好と判断する。
【0118】 ○:全て良好 △:染色性もしくは外観でどちらか一方が良好なもの Χ:染色性と外観ともに問題があるもの (7) 耐候性試験 促進耐候性試験機(スガ試験機株式会社製「サンシャイ
ンスーパーロングライフウェザーメーター」)で200
時間暴露して、外観等の異常の有無を目視判定した。
ンスーパーロングライフウェザーメーター」)で200
時間暴露して、外観等の異常の有無を目視判定した。
【0119】○:良好、Χ:クラック等の発生 (8) 耐紫外線性試験 促進耐紫外線試験機(スガ試験機株式会社製「スーパー
キセノン促進耐候性試験機」)で200時間暴露して、
外観等の異常、黄変等の確認、視感度透過率の変化(視
感度透過率系:富士光電工業社製「STS−1」、密着
性試験等の結果により判定した。
キセノン促進耐候性試験機」)で200時間暴露して、
外観等の異常、黄変等の確認、視感度透過率の変化(視
感度透過率系:富士光電工業社製「STS−1」、密着
性試験等の結果により判定した。
【0120】(9) プライマー液安定度 プライマー液作成後、24時間攪拌と凝集物の有無の調
査 ○:凝集物発生無し、△:少量の凝集物あり、Χ:ゲル
化 E.試験結果と評価 (1) <実施例1−1〜3、比較例1−1〜3及び従来例
1・2> 試験結果を示す表2〜3から、各実施例のプライマー
は、安定性に優れ、また、各実施例のプライマーを用い
た、各試験例は、全ての項目において、優れた物性を示
すことが分かる。特に、従来例に比して、密着性、耐久
性、耐熱性、及び、染色性、及び、耐候性等の点に比し
て、格段に優れていることが分かる。
査 ○:凝集物発生無し、△:少量の凝集物あり、Χ:ゲル
化 E.試験結果と評価 (1) <実施例1−1〜3、比較例1−1〜3及び従来例
1・2> 試験結果を示す表2〜3から、各実施例のプライマー
は、安定性に優れ、また、各実施例のプライマーを用い
た、各試験例は、全ての項目において、優れた物性を示
すことが分かる。特に、従来例に比して、密着性、耐久
性、耐熱性、及び、染色性、及び、耐候性等の点に比し
て、格段に優れていることが分かる。
【0121】他方、比較例1−1の如く、無機微粒子と
オルガノアルコキシシラン加水分解物を別に添加したも
のは、プライマー安定性に劣るとともに、外観、染色
性、耐候性等において、若干劣ることが分かる。また、
オルガノアルコキシシラン加水分解物表面処理無機微粒
子を含まない場合は、いずれかの耐熱性、外観、耐候性
等の物性において劣ることがわかる。
オルガノアルコキシシラン加水分解物を別に添加したも
のは、プライマー安定性に劣るとともに、外観、染色
性、耐候性等において、若干劣ることが分かる。また、
オルガノアルコキシシラン加水分解物表面処理無機微粒
子を含まない場合は、いずれかの耐熱性、外観、耐候性
等の物性において劣ることがわかる。
【0122】即ち、比較例1−2・3は、本発明の表面
処理無機微粒子を含まない水分散型プライマーを用いて
プライマー層膜厚を変えたもので、膜厚が薄い比較例2
は、耐熱性、耐候性等において劣り、膜厚が厚い製品比
較例3は、耐熱性、外観(クラック発生)、耐候性等に
おいて劣る。
処理無機微粒子を含まない水分散型プライマーを用いて
プライマー層膜厚を変えたもので、膜厚が薄い比較例2
は、耐熱性、耐候性等において劣り、膜厚が厚い製品比
較例3は、耐熱性、外観(クラック発生)、耐候性等に
おいて劣る。
【0123】ラッカー分散型プライマーを用いた比較例
1−4は、外観において劣る。
1−4は、外観において劣る。
【0124】(2) <実施例2−1〜8、比較例2−2〜
4及び参考例> 試験結果を示す表6〜7から、各実施例のプライマーを
用いた各試験例は、全ての項目において、優れた物性を
示すことが分かる。他方、チタニア系複合微粒子中にチ
タニア系複合微粒子中にジルコニアを含まない比較例2
−1〜4は、耐紫外線性において、黄変が見られ、視感
度透過率の変化も大きいことが分かる。当然、無機微粒
子としてコロイダルシリカを使用した比較例2−5及び
無機微粒子を含まない比較例2−6は、干渉縞が目立
ち、更には、後者は、耐熱性・耐候性試験においてクラ
ックが入った。また、プライマー層を有しない試験片1
016は、耐衝撃性がほとんどないことが分かる。
4及び参考例> 試験結果を示す表6〜7から、各実施例のプライマーを
用いた各試験例は、全ての項目において、優れた物性を
示すことが分かる。他方、チタニア系複合微粒子中にチ
タニア系複合微粒子中にジルコニアを含まない比較例2
−1〜4は、耐紫外線性において、黄変が見られ、視感
度透過率の変化も大きいことが分かる。当然、無機微粒
子としてコロイダルシリカを使用した比較例2−5及び
無機微粒子を含まない比較例2−6は、干渉縞が目立
ち、更には、後者は、耐熱性・耐候性試験においてクラ
ックが入った。また、プライマー層を有しない試験片1
016は、耐衝撃性がほとんどないことが分かる。
【0125】なお、実施例2−6においてオルガノシラ
ン加水分解物を添加した参照例を用いた試験例17は、
ほとんどの物性において問題はないが、実施例6に比し
て、耐衝撃性に劣ることが分かる。また、プライマーの
膜厚が1.5μmを超えている試験例18は密着性に劣
っている。
ン加水分解物を添加した参照例を用いた試験例17は、
ほとんどの物性において問題はないが、実施例6に比し
て、耐衝撃性に劣ることが分かる。また、プライマーの
膜厚が1.5μmを超えている試験例18は密着性に劣
っている。
【0126】これら耐衝撃性の数量標示は、前記耐衝撃
性試験において、16・37・50・50・100・1
50・200・250・300・350・400gの各
鋼球を落下させ、未破壊の最高重量を表示したものであ
る。
性試験において、16・37・50・50・100・1
50・200・250・300・350・400gの各
鋼球を落下させ、未破壊の最高重量を表示したものであ
る。
【0127】
【表1】
【0128】
【表2】
【0129】
【表3】
【0130】
【表4】
【0131】
【表5】
【0132】
【表6】
【0133】
【表7】
【図1】本発明のプライマを適用した光学要素の部分モ
デル断面図
デル断面図
【符号の説明】 12 有機ガラス 14 シリコーン硬化塗膜(ハードコート) 16 プライマー層 18 反射防止膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/04 PHW C09D 175/04 PHW G02B 1/11 B29D 11/00 1/10 G02B 1/10 A // B29D 11/00 Z
Claims (11)
- 【請求項1】 有機ガラスとシリコーン硬化塗膜との間
にプライマー層を形成するためのプライマー塗料におい
て、 下記成分を必須有効成分とすることを特徴とするプライ
マー塗料。 (a) ウレタンエラストマー (b) オルガノアルコキシシランの加水分解物で表面処理
した無機微粒子 - 【請求項2】 請求項1において、前記無機微粒子が金
属酸化物であることを特徴とするプライマー塗料。 - 【請求項3】 請求項1において、前記無機微粒子がチ
タニアとジルコニアが、後者/前者=0.001〜0.
40の重量比で一体的に結合され、粒径が1〜100n
mのものであるチタニア/ジルコニア複合微粒子である
ことを特徴とするプライマー塗料。 - 【請求項4】 請求項1において、前記無機微粒子がチ
タニア、ジルコニア及びシリカが、ジルコニア/チタニ
ア=0.001〜0.40、シリカ/チタニア=0.0
73〜1.133の重量比で一体的に結合され、粒径が
1〜100nmのものであるチタニア/ジルコニア/シ
リカ複合微粒子であることを特徴とするプライマー塗
料。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記
ウレタンエラストマーが、熱可塑性エラストマーの水性
エマルションの形態で添加されてなることを特徴とする
プライマー塗料。 - 【請求項6】 有機ガラスの表面に、シリコーン硬化塗
膜及び無機反射防止膜が積層されてなる光学要素におい
て、 前記有機ガラスとシリコーン硬化塗膜との間に、下記成
分を必須有効成分とする塗料で形成されてなるプライマ
ー層が介在されていることを特徴とする光学要素。 (a) ウレタンエラストマー (b) オルガノアルコキシシランの加水分解物で表面処理
した無機微粒子 - 【請求項7】 請求項6において、前記プライマー層の
膜厚が約0.01〜1.5μmであることを特徴とする
光学要素。 - 【請求項8】 請求項6において、前記無機微粒子が金
属酸化物であることを特徴とする光学要素。 - 【請求項9】 請求項6において、前記無機微粒子がチ
タニアとジルコニアが、ジルコニア/チタニア=0.0
01〜0.40の重量比で一体的に結合され、粒径が1
〜100nmのものであるチタニア/ジルコニア複合微
粒子であることを特徴とする光学要素。 - 【請求項10】 請求項6において、前記無機微粒子が
チタニア、ジルコニア及びシリカが、ジルコニア/チタ
ニア=0.001〜0.40、シリカ/チタニア=0.
073〜1.133の重量比で一体的に結合され、粒径
が1〜100nmのものであるチタニア/ジルコニア/
シリカ複合微粒子であることを特徴とする光学要素。 - 【請求項11】 請求項6〜10のいずれかにおいて、
前記ウレタンエラストマーが、熱可塑性であることを特
徴とする光学要素。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8302000A JPH09291227A (ja) | 1996-02-26 | 1996-11-13 | 光学要素用プライマー塗料 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3840296 | 1996-02-26 | ||
JP8-38402 | 1996-02-26 | ||
JP8302000A JPH09291227A (ja) | 1996-02-26 | 1996-11-13 | 光学要素用プライマー塗料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09291227A true JPH09291227A (ja) | 1997-11-11 |
Family
ID=26377647
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8302000A Withdrawn JPH09291227A (ja) | 1996-02-26 | 1996-11-13 | 光学要素用プライマー塗料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09291227A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6248431B1 (en) | 1998-06-12 | 2001-06-19 | Hoya Corporation | Coating composition for optical parts thin film layer made of it and optical part comprising |
JP2001330706A (ja) * | 2000-05-19 | 2001-11-30 | Nof Corp | 減反射材およびその用途 |
US6890644B2 (en) | 2000-07-05 | 2005-05-10 | Nippon Arc Co., Ltd. | Transparent laminate, plastic lens for eyeglass and primer composition |
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WO2020129671A1 (ja) * | 2018-12-21 | 2020-06-25 | Dic株式会社 | ウレタン樹脂組成物、表面処理剤、及び、物品 |
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-
1996
- 1996-11-13 JP JP8302000A patent/JPH09291227A/ja not_active Withdrawn
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JPWO2020129671A1 (ja) * | 2018-12-21 | 2021-11-04 | Dic株式会社 | ウレタン樹脂組成物、表面処理剤、及び、物品 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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