JPH10245224A - 酸化チタン−酸化スズ複合ゾルの製造方法 - Google Patents
酸化チタン−酸化スズ複合ゾルの製造方法Info
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- JPH10245224A JPH10245224A JP4783297A JP4783297A JPH10245224A JP H10245224 A JPH10245224 A JP H10245224A JP 4783297 A JP4783297 A JP 4783297A JP 4783297 A JP4783297 A JP 4783297A JP H10245224 A JPH10245224 A JP H10245224A
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Abstract
スチックス成形品の表面に施される高屈折率ハードコー
ト剤の成分や、ガラス、セラミックスの表面処理剤、触
媒及び触媒用結合剤、各種ファインセラミックス用原
料、無機質陰イオン交換体などの用途に用いられる酸化
チタン(TiO2 )−酸化スズ(SnO2 )複合ゾルの
製造方法を提供する。 【解決手段】 チタン塩及び金属スズを、過酸化水素の
存在下に水性媒体中で反応させる酸化チタン−酸化スズ
複合ゾルの製造方法である。
Description
O2 )−酸化スズ(SnO2 )複合ゾルの製造方法に関
する。本願発明で得られる酸化チタン(TiO2 )−酸
化スズ(SnO2)複合ゾルはプラスチックスレンズ、
フィルム、プラスチックス成形品の表面に施される高屈
折率ハードコート剤の成分や、ガラス、セラミックスの
表面処理剤、触媒及び触媒用結合剤、各種ファインセラ
ミックス用原料、無機質陰イオン交換体などの用途に用
いられる。
チックレンズの表面を改良するために、この表面に適用
されるハードコート剤の成分として高い屈折率を有する
金属酸化物のゾルが用いられている。例えば特公昭63
−37142号公報には、1〜300nmの粒子径を有
するAl、Ti、Zr、Sn、Sbから選ばれる1種以
上の金属酸化物からなる微粒子状無機物の粒子を含有さ
せた透明被覆層を有する成形体が記載されている。
50nm以下の粒子を有する結晶性酸化チタン−酸化ス
ズゾルが開示されている。水溶性チタン化合物及び水溶
性スズ化合物と、アルカリ金属の水酸化物又はその炭酸
塩及び/又はアンモニウム化合物とを反応させ水熱処理
する方法で得られる。特公平5−29363号公報に
は、水和酸化チタン及び水和酸化セリウムの分散液に過
酸化水素を加えて、水和酸化チタン及び水和酸化セリウ
ムを溶解し、そして加熱して得られる酸化チタン−酸化
セリウム複合系ゾルが配合された化粧料が開示されてい
る。
特公平4−45453号公報には、酸化チタン−酸化鉄
複合系ゾルの製造方法が開示されている。
2号公報記載の1〜300nmの粒子径を有するAl、
Ti、Zr、Sn、Sb等の金属酸化物の粒子は、ハー
ドコート剤成分としてそれぞれ単独で用いてもレンズな
どのプラスチックス基材に塗布して硬化させた場合に、
得られる塗膜の耐水性が十分ではなく好ましくない。ま
た特に屈折率の高い酸化チタンをこの用途に用いる場
合、透明性との関係で一次粒子径を20nm以下、好ま
しくは15nm以下にする必要があるが、紫外線照射に
より青色に着色するという問題を有している。
178219号公報また特公平5−29363号公報記
載のゾルを用いた場合には、酸化チタンに少量の酸化鉄
や酸化セリウムを含有させれば紫外線照射による変色を
抑制することができる。しかし着色を抑制できる程度に
添加した酸化鉄や酸化セリウムのため、それらゾル自体
が褐色や黄色を呈し、これらを使用したコート膜が着色
されるために好ましくない。
晶質酸化チタン−酸化スズゾルは複合化させるために1
00℃以上の水熱処理が不可欠となり、このため強固な
二次凝集体が生成し得られるゾルの透明性が著しく低下
するので好ましくない。本願発明は、上記問題点を克服
する事ができる酸化チタン−酸化スズ複合ゾルの製造方
法を提供する。
び金属スズを、過酸化水素の存在下に水性媒体中で反応
させる酸化チタン−酸化スズ複合ゾルの製造方法であ
る。更には、本願発明は、下記(a)工程、(b)工程
及び(c)工程; (a):過酸化水素水及び金属スズを、2〜3のH2O2
/Snモル比に保持しつつ同時に又は交互にチタン塩水
溶液に添加して、チタン成分とスズ成分がTiO 2とS
nO2に換算して0.25〜10のTiO2/SnO2モ
ル比と、TiO2とSnO2に換算した総濃度が5〜50
重量%となるチタン−スズの塩基性塩水溶液を生成する
工程、 (b):(a)工程で得られたチタン−スズの塩基性塩
水溶液を0.1〜100時間かけて50〜100℃の温
度で保持して酸化チタン−酸化スズ複合コロイドの凝集
体を生成させる工程、及び (c):(b)工程で生成した酸化チタン−酸化スズ複
合コロイドの凝集体スラリー中の電解質を除去する工
程、より成る酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾルの製造
方法である。
るチタン塩としては四塩化チタン、硫酸チタン、硝酸チ
タン等が挙げられる。これらのチタン塩は水溶液で用い
る事が好ましい。金属スズは粉末状又は粒状で用いるこ
とが出来る。例えばインゴットを溶融し噴霧凝固させて
得られるアトマイゼーション法による金属スズ粉末や、
インゴットを旋盤やヤスリ等により切削し製造されたフ
レーク状金属スズ粉末を用いる事が出来る。
溶液を所望の濃度で用いる事が出来る。(a)工程では
チタン塩水溶液に過酸化水素水及び金属スズを、同時に
又は交互に添加してチタン−スズの塩基性塩水溶液を得
る工程である。撹拌機を備えた反応容器にチタン塩水溶
液を入れ、撹拌下に過酸化水素水と金属スズを各々、別
々の添加口から同時に又は交互に添加する。(a)工程
の塩基性塩水溶液、及び以下に続く(b)工程の酸化チ
タン−酸化スズ複合コロイドの凝集体を含むスラリーは
酸性であるため、それら工程で使用される反応装置はガ
ラス製反応装置やグラスライニング(ホウロウ)製反応
装置を用いる事が好ましい。
ル比は2〜3に保持しつつチタン塩水溶液中に添加す
る。より詳しくは、過酸化水素水及び金属スズの添加す
べき全重量部に対して1/3〜1/30重量部をそれぞ
れ分収して、チタン塩水溶液への過酸化水素水の添加と
それに続く金属スズの添加そして2〜20分間反応を行
う一連の工程を、3〜30回繰り返す分割添加の方法が
挙げられる。また、過酸化水素水及び金属スズの添加す
べき全重量部に対して1/3〜1/30重量部をそれぞ
れ分収して、チタン塩水溶液への金属スズの添加とそれ
に続く過酸化水素水の添加そして2〜20分間反応を行
う一連の工程を、3〜30回繰り返す分割添加の方法も
挙げられる。この時、初めに全量の過酸化水素を酸性の
チタン塩水溶液に加え、これに金属スズを加えると過酸
化水素の大部分が反応の初期に分解してしまい過酸化水
素の量が不足し、また過酸化水素の分解反応は発熱反応
のため危険であり好ましくない。H2O2/Snモル比が
3を少し越えても反応は可能であるが、大幅に越えるこ
とは上記理由から好ましくない。H2O2/Snモル比が
2未満では酸化不充分となるため好ましくない。過酸化
水素水と金属スズの添加時間は、例えばチタン塩1モル
が溶存するチタン塩水溶液を用いた場合に0.4〜10
時間、好ましくは0.4〜5時間をかけて添加すること
が出来る。この添加時間が0.4時間以下では発熱反応
が激しくコントロールが出来なくなり、また未反応の金
属スズが残存し易くなるため好ましくない。また、10
時間以上でも良いが経済的ではないので好ましくない。
の塩基性塩は、チタン成分とスズ成分を酸化チタン(T
iO2)と酸化スズ(SnO2)に換算したTiO2/S
nO2モル比が0.25〜10、好ましくは0.4〜
4.0とする事が出来る。このモル比が0.25未満で
もチタン−スズの塩基性塩水溶液を作成できるが、カウ
ンターアニオンのモル比が低下しコロイドが生成しやす
く、また屈折率も低下するため好ましくない。また、こ
のモル比が10を越えてもチタン−スズの塩基性塩水溶
液を作成できるが、これを用いて製造した酸化チタン−
酸化スズ複合ゾルの紫外線による変色の抑制効果が低下
するため好ましくない。(a)工程のチタン−スズの塩
基性塩水溶液中の(TiO2+SnO2)に換算した総濃
度は5〜50重量%が好ましい。5重量%未満でも可能
であるが、効率が悪く経済的でない。また50重量%を
越える事も可能であるが、粘度が高く、撹拌しにくくな
り、反応が不均一になるために好ましくない。
塩、金属スズ及び過酸化水素水の反応は30〜95℃、
好ましくは40〜85℃で行われる。過酸化水素と金属
スズとの反応は酸化反応であるため発熱反応となり、ま
た過酸化水素の分解反応も同時に起こりこの反応も発熱
反応であるため反応時の温度コントロールには注意が必
要であり、必要に応じて冷却する事が出来る。反応温度
は30℃未満でもよいが、発熱反応であるために過剰の
冷却が必要となり、反応に時間が懸かり過ぎ、経済的で
ない。反応温度が95℃以上の沸騰状態では(a)工程
で粗大なコロイド粒子が生成してしまうため好ましくな
い。
タン−スズの塩基性塩を加水分解することによって、酸
化チタン−酸化スズ複合コロイドの凝集体を得る工程で
ある。(b)工程においてチタン−スズの塩基性塩水溶
液は、酸化チタン(TiO2)と酸化スズ(SnO2)に
換算した総濃度(TiO2+SnO2)が2〜15重量%
に調製する事が好ましい。2重量%未満でも可能である
が、効率が悪く経済的でない。また15重量%を越える
事も可能であるが、粘度が高く、撹拌しにくくなり、加
水分解反応が不均一になるために好ましくない。また粒
子径をコントロールするために予め塩基性物質を添加し
pH調整してから加水分解を行うことが出来る。上記の
塩基性物質は例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アンモニア、及びエチルアミン、n−プロピルアミ
ン、イソプロピルアミン等のアルキルアミン、トリエタ
ノールアミン等のアルカノールアミン、及び第4級アン
モニウム水酸化物等が挙げられ、そしてpHは1〜2に
調製する事が好ましい。
〜100℃の温度が好ましい。50℃未満でもよいが加
水分解に時間が懸かりすぎるために好ましくない。10
0℃を越えて行ってもよいが、オートクレーブなどの特
殊な水熱処理装置が必要となり、また水熱処理により生
成したコロイドの二次凝集体が強固になり、得られる酸
化チタン−酸化スズ複合ゾルの透明性が低下するために
好ましくない。
は0.1〜100時間が好ましい。0.1時間未満では
加水分解が不充分となり好ましくない。また100時間
を越えた場合は、一次粒子径が大きくなりまた強固な二
次凝集体が形成されるために好ましくない。この(b)
工程により得られる酸化チタン−酸化スズ複合コロイド
粒子の一次粒子径は2〜20nm(ナノメートル)であ
る。
チタン−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリー中から
過剰な電解質(主にアニオン)を除去して、酸化チタン
−酸化スズ複合コロイド粒子を解膠させてゾルを得る工
程である。過剰な電解質を除去することにより酸化チタ
ン−酸化スズ複合コロイド粒子が一次粒子に近い状態で
分散したゾルを得ることが出来る。この洗浄は凝集沈降
させ、上澄みをデカンテーションする方法、限外濾過
法、イオン交換法などにより行うことができるが、多量
の電解質を含む場合は限外濾過→注水→限外濾過の繰り
返しによる洗浄方法が特に好ましい。
合水性ゾルが得られる。この(c)工程で得られるゾル
中の酸化チタン−酸化スズ複合コロイド粒子の一次粒子
径は2〜20nmである。一次粒子径とは凝集形態にあ
る酸化チタン−酸化スズ複合コロイド粒子の直径ではな
く、個々に分離した時の1個の酸化チタン−酸化スズ複
合コロイド粒子の直径であり、電子顕微鏡で測定するこ
とが出来る。この一次粒子径が2nm未満であると、こ
れを用いて製造した酸化チタン−酸化スズ複合ゾルの粘
度が高くなり、耐水性も低下するので好ましくない。ま
た一次粒子径が20nm以上の場合は、これを用いて製
造した酸化チタン−酸化スズ複合ゾルの透明性が低下す
るために好ましくない。
酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾルを陰イオン交換する
工程を付加する事が出来る。この陰イオン交換処理によ
り高濃度でも安定なゾルを得ることが出来る。(d)工
程における陰イオン交換は市販の陰イオン交換樹脂を用
いることができ、陰イオン交換樹脂は水酸基型に調整後
に使用する。陰イオン交換樹脂を充填したカラムに酸化
チタン−酸化スズ複合水性ゾルを通液することにより容
易に陰イオン交換できる。通液温度は0〜60℃,通液
速度は空間速度SV1〜10時間が好ましい。(d)工
程では陰イオン交換処理の前及び/又は後に、塩基性物
質を酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾルに添加して安定
性を増大させることが出来る。(d)工程において用い
られる塩基性物質としては有機塩基が好ましく、例えば
エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミ
ンなどのアルキルアミン、トリエタノールアミンなどの
アルカノールアミン、及び第4級アンモニウム水酸化物
等が用いられる。
−酸化スズ複合ゾルはそのままでも安定であるが、必要
に応じて限外濾過法や蒸発法により濃縮し、高濃度で安
定なゾルを得ることが出来る。(e)工程として、
(c)工程又は(d)工程で得られた酸化チタン−酸化
スズ複合水性ゾルの水性媒体を有機溶媒に置換する工程
を付加する事が出来る。
て少量の有機塩基及び/又は有機酸等が添加される事に
より溶媒置換を安定に行うことができる。この有機塩基
としては例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、
イソプロピルアミン等のアルキルアミン、トリエタノー
ルアミン等のアルカノールアミン、及び第4級アンモニ
ウム水酸化物等が挙げられ、有機酸としては例えば、グ
リコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸等のオキシカ
ルボン酸、及びフェニルホスホン酸等が挙げられる。こ
の溶媒置換は蒸留法、限外濾過法などの通常に用いられ
る方法により行うことができる。この有機溶媒としては
メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級ア
ルコール;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド等の直鎖アミド類;N−メチル−2−ピロリ
ドン等の環状アミド類;エチルセロソルブ等のグリコー
ルエーテル類;エチレングリコール等が挙げられる。
ゾル中の酸化チタン−酸化スズ複合コロイド粒子の一次
粒子径は、やはり2〜20nmである。酸化チタン(T
iO2)は、紫外線吸収能を有しているため耐紫外線顔
料やフィラーとして各種プラスチックス、繊維などに
0.1〜10μm程度の粒子径のパウダーが添加され、
使用されている。また、光学関連用途、例えば光学部材
や透明性フィルムなどに塗布されるコ−ティング組成物
にマイクロフィラーとして使用される酸化チタンは、一
次粒子径が100nm以下、好ましくは20nm以下の
ゾルとして用いられている。一次粒子径が小さな酸化チ
タンは紫外線に対して非常に敏感になるため紫外線吸収
効果が向上する反面、酸化チタンが紫外線により部分的
にTiO2→TiOへの還元反応が起こり、濃青色に呈
するという欠点を持っている。酸化第二スズ(Sn
O2)も一次粒子径が100nm以下、特に30nm以
下のゾルになると紫外線により部分的にSnO2→Sn
Oへの還元反応が起こるため褐色あるいは青緑色を呈す
るという欠点を持っている。
は、予めチタン塩水溶液に過酸化水素と金属スズをH2
O2/Snモル比が2〜3の範囲に保持しつつ添加、反
応させてチタン−スズの塩基性塩水溶液を作成し、これ
を加水分解することより酸化チタン−酸化スズ複合コロ
イド水溶液が形成される。従って、
に、紫外線照射によってもそれぞれ単独の酸化物の時、
又はそれぞれの酸化物が混合された時に比べてTiOや
SnOへの還元が著しく抑制され、ほとんど変色しなく
なる。また、本願発明で製造されたゾルは、(c)工
程、(d)工程及び(e)工程で電解質の除去、イオン
交換、溶媒置換等の操作を行った後でもTiO2粒子や
SnO2粒子に分離する様な事はないので、原子レベル
で
また本願発明の酸化チタン−酸化スズ複合ゾルは原子レ
ベルで均一に複合(固溶)されているため、各種セラミ
ックス用材料として用いた場合、焼結温度の低減や、酸
化チタン−酸化スズ系のより均一な材料特性を供与する
ことができる。
2重量%、Cl32.0重量%、住友シチックス(株)
製)587.5g(TiO2に換算して159.8g)
と水477.8gを、3リットルのジャケット付きガラ
ス製セパラブルフラスコにとり塩化チタン水溶液106
5.3g(TiO2に換算して15.0重量%濃度)を
作成した。
ら60℃まで加温した後、冷却しながら35重量%濃度
の過酸化水素水(工業用)486.0gと金属スズ粉末
(山石金属(株)製、商品名AT−Sn、No.20
0)237.4gを添加した。過酸化水素水と金属スズ
の添加は、はじめに過酸化水素水24.3g(0.25
モル)を、次いで金属スズ11.87g(0.1モル)
を徐々に加えた。この反応が終了するのを待って(5〜
10分)、過酸化水素水24.3g(0.25モル)
を、次いで金属スズ11.87g(0.1モル)を徐々
に加えた。この様に過酸化水素水の添加に続く金属スズ
の添加を、5〜10分の間隔を置いて合計20回繰り返
すことにより、(過酸化水素水を24.3gと金属スズ
を11.87g)×20回の分割添加を行った。
り80〜85℃になり反応が終了すると冷却されて60
〜70℃に低下した。従って上記の添加の間は反応温度
は60〜85℃であった。添加時の過酸化水素水と金属
スズの割合はH2O2/Snモル比で2.50であった。
過酸化水素水と金属スズの添加に要した時間は2.5時
間であった。なお、反応により水が蒸発するので適量の
補充を行った。反応終了後、淡黄色透明な塩基性塩化チ
タン−スズ複合塩水溶液2258gを得た。得られた塩
基性塩化チタン−スズ複合塩水溶液中では、チタン成分
は酸化チタン(TiO2)に換算した濃度として7.0
8重量%、スズ成分は酸化スズ(SnO2)に換算した
濃度として13.35重量%、TiO2/SnO2に換算
したモル比1.0であった。また(Ti+Sn)/Cl
モル比は0.73であった。
塩化チタン−スズ複合塩水溶液980.4gに水301
9.6gを添加し、TiO2+SnO2に換算した濃度で
5重量%まで希釈した。この水溶液を95〜98℃で1
2時間加水分解を行い、一次粒子径4〜8nmの酸化チ
タン−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリーを得た。
−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリーを限外濾過装
置にて水約8リットルを用いて濃縮→注水→濃縮の操作
を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去した後、解膠させ
て酸性の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル3624g
を得た。電子顕微鏡で測定した酸化チタン−酸化スズ複
合コロイド粒子の一次粒子径は、4〜8nmであった。
チタン−酸化スズ複合水性ゾル3624gにイソプロピ
ルアミン6.0gを添加した後、陰イオン交換樹脂(ア
ンバーライトIRA−410、オルガノ(株)製)20
0ミリリットルを詰めたカラムに通液し、アルカリ性の
酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル4696gを得た。
このゾルをロータリーエバポレーターにて減圧下、濃縮
を行ない、酸化チタン−酸化スズ複合水性濃縮ゾル18
20.8gを得た。得られたゾルは比重1.100、粘
度16.3mPa・s、pH8.91、電導度1005
μs/cm、TiO2に換算した濃度は3.8重量%、
SnO2に換算した濃度は7.2重量%であった。
リ性酸化チタン−酸化スズ複合水性濃縮ゾル1877.
1gに撹拌下、酒石酸12g、ジイソプロピルアミン1
8gを添加した後、ロータリーエバポレーターを用いて
減圧下、メタノール40リットルを徐々に添加しながら
水を留去する方法で水媒体をメタノールに置換させ、酸
化チタン−酸化スズ複合メタノールゾル915gを作成
した。得られたメタノールゾルは比重1.096、酸化
チタン−酸化スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は4〜
8nm、粘度4.3mPa・s、pH(1+1)7.4
0、電導度(1+1)1405μs/cm、TiO2に
換算した濃度は10.6重量%、SnO2に換算した濃
度は19.9重量%、水分0.44重量%であった。
2重量%、Cl32.0重量%、住友シチックス(株)
製)587.5g(TiO2に換算して159.8g)
と水744.2gを、3リットルのジャケット付きガラ
ス製セパラブルフラスコにとり塩化チタン水溶液133
1.7g(TiO2に換算して12.0重量%濃度)を
作成した。この水溶液をガラス製撹拌棒で撹拌しながら
50℃まで加温した後、冷却しながら35重量%濃度の
過酸化水素水(工業用)797.0gと金属スズ粉末
(山石金属(株)製、商品名AT−Sn、No.20
0)474.8gを添加した。
に金属スズ26.4g(0.22モル)を、次いで過酸
化水素水44.3g(0.46モル)を徐々に加えた。
この反応が終了するのを待って(5〜10分)、金属ス
ズ26.4g(0.22モル)を、次いで過酸化水素水
44.3g(0.46モル)を徐々に加えた。この様に
金属スズの添加に続く過酸化水素水の添加を、5〜10
分の間隔を置いて合計17回繰り返すことにより、(金
属スズを26.4gと過酸化水素水を44.3g)×1
7回の分割添加を行った後、最後に金属スズ26.0g
を次いで過酸化水素水43.9gを添加し、トータル1
8回の分割添加を行った。
り70〜75℃になり反応が終了すると冷却のために5
0〜60℃に低下した。従って反応温度は50〜75℃
であった。添加時の過酸化水素と金属スズの割合はH2
O2/Snモル比で2.09であった。過酸化水素水と
金属スズの添加に要した時間は3.0時間であった。
尚、反応により水が蒸発するので適量の補充を行った。
反応終了後、淡黄色透明な塩基性塩化チタン−スズ複合
塩水溶液2730.9gを得た。得られた塩基性塩化チ
タン−スズ複合塩水溶液中では、チタン成分は酸化チタ
ン(TiO2)に換算した濃度として5.85重量%、
スズ成分は酸化スズ(SnO2)に換算した濃度として
22.07重量%、TiO2/SnO2に換算したモル比
0.5であった。また(Ti+Sn)/Clモル比は
1.10であった。
塩化チタン−スズ複合塩水溶液2569.7gに水11
407g、28重量%濃度のアンモニア水211gを添
加し、TiO2+SnO2に換算した濃度で5重量%まで
希釈した。この水溶液を95℃で10時間加水分解を行
い、一次粒子径4〜8nmの酸化チタン−酸化スズ複合
コロイドの凝集体スラリーを得た。
−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリーを限外濾過装
置にて水約15リットルを用いて濃縮→注水→濃縮の操
作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去した後、解膠さ
せて酸性の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル1583
0gを得た。電子顕微鏡で測定した酸化チタン−酸化ス
ズ複合コロイド粒子の一次粒子径は、4〜8nmであっ
た。
チタン−酸化スズ複合ゾル15830gにイソプロピル
アミン137gを添加してアルカリ性にした後、限外濾
過装置にて水約24リットルを用いて濃縮→注水→濃縮
の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去してアルカ
リ性の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル14602g
を得た。更に陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA
−410、オルガノ(株)製)200ミリリットルを詰
めたカラムに通液し、陰イオン含有量の少ないアルカリ
性の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル15273gを
得た。このゾルをロータリーエバポレーターにて減圧下
で濃縮を行ない、アルカリ性の酸化チタン−酸化スズ複
合水性濃縮ゾル4848.9gを得た。得られたゾルは
比重1.120、粘度5.5mPa・s、pH9.9
2、電導度1230μs/cm、TiO2に換算した濃
度は3.04重量%、SnO2に換算した濃度は11.
46重量%であった。
リ性酸化チタン−酸化スズ複合水性濃縮ゾル1924.
7gに撹拌下、酒石酸12g、ジイソプロピルアミン1
8gを添加した後、ロータリーエバポレーターを用いて
減圧下にメタノール40リットルを徐々に添加しながら
水を留去する方法で水媒体をメタノールに置換させ、酸
化チタン−酸化スズ複合メタノールゾル915gを作成
した。得られたメタノールゾルは比重1.096、酸化
チタン−酸化スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は4〜
8nm、粘度3.5mPa・s、pH(1+1)7.3
8、電導度(1+1)1305μs/cm、TiO2に
換算した濃度は6.4重量%、SnO2に換算した濃度
は24.1重量%、水分0.41重量%であった。
2重量%、Cl32.0重量%、住友シチックス(株)
製)587.5g(TiO2に換算して159.8g)
と水744.2gを、3リットルのジャケット付きガラ
ス製セパラブルフラスコにとり塩化チタン水溶液133
1.7g(TiO2に換算して12.0重量%濃度)を
作成した。
ら50℃まで加温した後、冷却しながら35重量%濃度
の過酸化水素水(工業用)255.0gと金属スズ粉末
(山石金属(株)製、商品名AT−Sn、No.20
0)118.7gを添加した。過酸化水素水と金属スズ
の添加は、はじめに過酸化水素水51.0g(0.52
モル)を、次いで金属スズ23.74g(0.2モル)
を徐々に加えた。この反応が終了するのを待って(3〜
7分)、過酸化水素水51.0g(0.52モル)を、
次いで金属スズ23.74g(0.2モル)を徐々に加
えた。この様に過酸化水素水の添加に続く金属スズの添
加を、3〜7分の間隔を置いて合計5回繰り返すことに
より、(過酸化水素水を51.0gと金属スズ23.7
4g)×5回の分割添加を行った。
り70〜75℃になり、反応が終了すると冷却のために
50〜60℃に低下した。従って反応温度は50〜75
℃であった。添加時の過酸化水素と金属スズの割合はH
2O2/Snモル比で2.62であった。過酸化水素水と
金属スズの添加に要した時間は1.0時間であった。な
お、反応により水が蒸発するので適量の補充を行った。
反応終了後、淡黄色透明な塩基性塩化チタン−スズ複合
塩水溶液1683.6gを得た。得られた塩基性塩化チ
タン−スズ複合塩水溶液中では、チタン成分は酸化チタ
ン(TiO2)に換算した濃度として9.49重量%、
スズ成分は酸化スズ(SnO2)に換算した濃度として
8.95重量%、TiO2/SnO2に換算したモル比
2.0であった。また(Ti+Sn)/Clモル比は
0.57であった。
塩化チタン−スズ複合塩水溶液1683.6gに水42
86.4g、28重量%濃度のアンモニア水240gを
添加し、TiO2+SnO2に換算した濃度で5重量%ま
で希釈した。この水溶液を94℃で10時間加水分解を
行い、一次粒子径4〜8nmの酸化チタン−酸化スズ複
合コロイドの凝集体スラリーを得た。
−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリーを限外濾過装
置にて水約15リットルを用いて濃縮→注水→濃縮の操
作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去した後、解膠さ
せて酸性の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル1583
0gを得た。電子顕微鏡で測定した酸化チタン−酸化ス
ズ複合コロイド粒子の一次粒子径は、4〜8nmであっ
た。
チタン−酸化スズ複合ゾル7920gにイソプロピルア
ミン137gを添加し、アルカリ性にした後、限外濾過
装置にて水約24リットルを用いて濃縮→注水→濃縮の
操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去し、アルカリ
性の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル14602gを
得た。更に陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−
410、オルガノ(株)製)600ミリリットルを詰め
たカラムに通液し、陰イオン含有量の少ないアルカリ性
の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル15273gを得
た。このゾルをロータリーエバポレーターにて減圧下、
濃縮を行ない、アルカリ性酸化チタン−酸化スズ複合水
性濃縮ゾル2112.8gを得た。得られたゾルは比重
1.132、粘度12.0mPa・s、pH9.61、
電導度1320μs/cm、TiO2に換算した濃度は
7.4重量%、SnO2に換算した濃度は7.0重量%
であった。
リ性酸化チタン−酸化スズ複合水性濃縮ゾル1877.
1gに撹拌下、酒石酸12g、ジイソプロピルアミン1
8gを添加した後、ロータリーエバポレーターを用いて
減圧下、メタノール40リットルを徐々に添加しながら
水を留去する方法で水媒体をメタノールに置換させ、酸
化チタン−酸化スズ複合メタノールゾル915gを作成
した。得られたメタノールゾルは比重1.078、酸化
チタン−酸化スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は4〜
8nm、粘度6.8mPa・s、pH(1+1)7.6
4、電導度(1+1)1150μs/cm、TiO2に
換算した濃度は15.44重量%、SnO2に換算した
濃度は14.56重量%、水分0.50重量%であっ
た。
l32.0重量%、住友シチックス(株)製)587.
5g(TiO2に換算して159.8g)と水260
8.5gを、3リットルのジャケット付きガラス製セパ
ラブルフラスコにとり塩化チタン水溶液3196g(T
iO2に換算して5.0重量%濃度)を作成した。この
水溶液に28重量%濃度のアンモニア水50gをガラス
製撹拌棒で撹拌しながら添加した後、この水溶液を95
℃で10時間加水分解を行い、一次粒子径4〜8nmの
酸化チタンコロイドの凝集体スラリーを得た。
を5B濾紙を用いて吸引濾過を行い、次いで水約40リ
ットルを用いて注水洗浄し、過剰な電解質を除去し、酸
化チタンのウェットケーキ620gを得た。得られたウ
ェットケーキを水2576gに分散させた後、イソプロ
ピルアミン8.0gを添加し、アルカリ性とした後、陰
イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410、オル
ガノ(株)製)200ミリリットルを詰めたカラムに通
液し、アルカリ性の酸化チタン水性ゾル3890gを得
た。このゾルをロータリーエバポレーターにて減圧下、
濃縮を行ない、アルカリ性酸化チタン水性濃縮ゾル10
70gを得た。得られたゾルに撹拌下、酒石酸12.1
g、ジイソプロピルアミン26.1gを添加した後、ロ
ータリーエバポレーターを用いて減圧下、メタノール2
5リットルを徐々に添加しながら水を留去する方法で水
媒体をメタノールに置換させ、酸化チタンメタノールゾ
ル775.2gを作成した。得られたメタノールゾルは
比重0.970、酸化チタン粒子の一次粒子径は4〜8
nm、粘度4.5mPa・s、pH(1+1)8.9
8、電導度1600μs/cm、TiO2濃度は20.
2重量%、水分3.4重量%であった。
の状態では極薄いコロイド色を呈するが、ガラス板上で
乾燥するとコロイド色を示さず、無色透明であった。実
施例1〜3と比較例1のゾルをアプリケーターにてガラ
ス板上に薄膜の状態でコーティングし、150℃で乾燥
した後、これにUV照射装置OHD−320CM(オー
ク社製)で1時間紫外線を照射して耐光性の試験を行っ
た。紫外線照射前後の被膜の色の変化を目視で観察して
耐光性を評価した。結果を下記に示す。変化の大きいも
の(すなわち淡青色となるもの)は ×印で、変化の小
さいものを○印で表した。
なる混合物ではなく、酸化チタン成分と酸化スズ成分が
原子レベルで
法に基づくゾルは、耐光性おいて優れた性質を示す。
酸化スズ複合ゾルは透明性が高く、その乾燥被膜は約
1.8〜2.0の屈折率を示し、また結合強度、硬度の
いずれもが高く、耐光性、耐候性、帯電防止性、耐摩耗
性、付着性なども良好である。このゾルは、工業製品と
して供給されるに充分な安定性を持っている。このゾル
は樹脂エマルジョン、界面活性剤やエチルシリケートな
どのシラン類、シランカップリング剤の部分加水分解物
などと安定に混合することが出来る。
プラスチックスレンズ、フィルム、プラスチックス成形
品の表面上にハードコート膜を形成させて屈折率、染色
性、耐薬品性、耐水性、耐光性、耐候性、耐摩耗性、耐
擦傷性等を向上させる成分として特に有効である。本願
発明のゾルは、誘電体材料、圧電体材料、センサー材料
等のセラミックス原料や触媒や耐火物用結合剤、繊維、
紙、プラスチックスなどの帯電防止剤、無機イオン交換
体、紫外線吸収用マイクロフィラー、遠赤外線放射用マ
イクロフィラー、金属、ガラス、セラミックスの表面処
理剤などの用途に使用することが出来る。
Claims (4)
- 【請求項1】 チタン塩及び金属スズを、過酸化水素の
存在下に水性媒体中で反応させる酸化チタン−酸化スズ
複合ゾルの製造方法。 - 【請求項2】 下記(a)工程、(b)工程及び(c)
工程; (a):過酸化水素水及び金属スズを、2〜3のH2O2
/Snモル比に保持しつつ同時に又は交互にチタン塩水
溶液に添加して、チタン成分とスズ成分がTiO 2とS
nO2に換算して0.25〜10のTiO2/SnO2モ
ル比と、TiO2とSnO2に換算した総濃度が5〜50
重量%となるチタン−スズの塩基性塩水溶液を生成する
工程、 (b):(a)工程で得られたチタン−スズの塩基性塩
水溶液を0.1〜100時間かけて50〜100℃の温
度で保持して酸化チタン−酸化スズ複合コロイドの凝集
体を生成させる工程、及び (c):(b)工程で生成した酸化チタン−酸化スズ複
合コロイドの凝集体スラリー中の電解質を除去する工
程、より成る酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾルの製造
方法。 - 【請求項3】 上記(a)工程、(b)工程、(c)工
程及び下記(d)工程; (d):(c)工程で得られた酸化チタン−酸化スズ複
合水性ゾルを陰イオン交換する工程、より成る酸化チタ
ン−酸化スズ複合水性ゾルの製造方法。 - 【請求項4】 上記(a)工程、(b)工程、(c)工
程、(d)工程及び下記(e)工程; (e):(d)工程で得られた酸化チタン−酸化スズ複
合水性ゾルの水性媒体を有機溶媒に置換する工程、より
成る酸化チタン−酸化スズ複合オルガノゾルの製造方
法。
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