JP2004203638A - 落花生様双子型コロイダルシリカ粒子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体基板やハードディスク基板などの研磨処理に用いられる研磨スラリー用として、優れた研磨性能を有するコロイダルシリカ粒子、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】長手方向に対する垂直方向の径が、長手方向中央付近において極小値を有し、かつその平均極小径と長手方向に対する垂直方向の平均最大径(平均短径)との比が、0.70〜0.90:1の範囲にある落花生様双子型コロイダルシリカ粒子、およびアンモニウムイオンを含む水性溶媒中に、テトラアルコキシシランを原料として連続的に添加し、加水分解、縮合させるに際し、前記原料の総添加量を、反応初期の段階における2個の単一シリカ粒子の合着までに要する原料添加量の2.0〜6.0倍の範囲になるように制御する落花生様双子型コロイダルシリカ粒子の製造方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】長手方向に対する垂直方向の径が、長手方向中央付近において極小値を有し、かつその平均極小径と長手方向に対する垂直方向の平均最大径(平均短径)との比が、0.70〜0.90:1の範囲にある落花生様双子型コロイダルシリカ粒子、およびアンモニウムイオンを含む水性溶媒中に、テトラアルコキシシランを原料として連続的に添加し、加水分解、縮合させるに際し、前記原料の総添加量を、反応初期の段階における2個の単一シリカ粒子の合着までに要する原料添加量の2.0〜6.0倍の範囲になるように制御する落花生様双子型コロイダルシリカ粒子の製造方法である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、落花生様双子型コロイダルシリカ粒子およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、半導体基板やハードディスク基板などの研磨処理に用いられる研磨スラリー用として好適な落花生様双子型コロイダルシリカ粒子、および落花生様双子型コロイダルシリカ粒子を効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータをはじめとするハイテク製品の進歩は目覚ましく、これに使用される半導体素子や各種装置、部品は年々高集積化、高速化、高容量化、小型化などの高機能化の一途をたどっている。
【0003】
それに伴い、半導体素子の製造においても、サブミクロン、ハーフミクロンの超微細パターンの加工精度が要求されており、基板であるシリコンウェハーも、極めて高い平坦性、無傷性の表面を有するものが求められている。また、ハードディスク基板においても、小型化、大容量化のために、表面の平坦性の高いものが求められている。
【0004】
このような表面をもつ材料は、鏡面研磨と呼ばれる微細な粒子による研磨処理によって得られるのが一般的である。例えば、半導体素子の製造において用いられるこのような鏡面をもつシリコンウェハーは、棒状シリコン単結晶を薄い円板状に切断した後、逐次、この薄い円板を鏡面状を呈するまで磨き上げていくことにより製造されている。通常、この研磨には、上記切断直後の粗い表面に施されるラッピング工程と、これに続く精密研磨のためのポリシング工程が採用されている。そしてこのポリシング工程において、粗研磨と仕上げ研磨が行われ、鏡面状を呈するシリコンウェハーが造られている。上記ラッピング工程には主としてアルミナ粉末等が使用されるが、上記粗研磨及び仕上げ研磨には、一般に、主成分としてシリカ微粒子を水に分散させたスラリーが使用されている。
【0005】
一方、ハードディスク基板には、アルミニウムやアルミニウムの表面に下地処理したものが使われ、Ni−Pを化学メッキしたものなどが一般的であり、一般的にこれがアルミニウム基板と呼ばれている。アルミニウム基板を研磨するときの研磨剤には、主成分としてアルミナを水に分散させたスラリーが広く使用されているが、このハードディスク基板に対しても、前記の半導体基板と同様に、高研磨速度と共に、表面の高い平坦性および無傷性が要求される。現在、ハードディスク基板として用いられる無電解Ni−Pメッキを施したサブストレート製造の仕上げ工程においては、研磨剤として、コロイダルシリカと研磨促進剤と湿潤剤を含む水系スラリーが用いられている。また、最近では、小型化、大容量化に対応するためにガラス基板も普及しつつあり、アルミニウム基板と併せてガラス基板用の研磨剤には酸化セリウム、酸化ジルコニウム、シリカなどを水に分散させたスラリーが使用される。
【0006】
このような鏡面研磨処理において、研磨剤として用いられるシリカ微粒子は、各種の方法、例えば焼成シリカゲルを粉砕分級する方法、四塩化ケイ素を高温で火炎加水分解する方法、ゾル−ゲル法などにより得られるが、これらの方法の中で、焼成シリカゲルを粉砕分級する方法や四塩化ケイ素を火炎加水分解する方法では、半導体に悪影響を及ぼす不純物が混入するおそれや、鋭利な表面を有するために、傷が発生するおそれなどがある。
【0007】
一方、コロイダルシリカとしては、例えば水ガラスなど、ケイ酸のアルカリ金属塩の水溶液を脱陽イオン処理することにより得られる球状のコロイダルシリカ、あるいはアルコキシシランを水性溶媒中で、アンモニアなどを用いて加水分解、縮合して得られる(ゾル−ゲル法)球状または長径/短径比1.4以上を有する繭状のコロイダルシリカなどが知られている。しかし、前者のケイ酸塩から得られるコロイダルシリカは半導体に悪影響を及ぼす遷移金属イオンなど不純物を含みやすい。この点で、後者のゾル−ゲル法によるコロイダルシリカは高純度なので好ましい。
【0008】
シリカ微粒子の性状としては、高い研磨速度を得るためには、該粒子の粒径を大きくすることが望ましいが、粒径を大きくすると、沈降しやすくなる上、鏡面性が低下するので、最適な粒径を選定することが肝要である。また、無傷性の点から、曲面状の表面を有することが望ましいが、球状粒子の場合、研磨時に粒子が転がりやすく、研磨効率が向上しないという問題がある。さらに、粒度分布が広いと、粗粒度の粒子が研磨面で嵩高となり、集中的に研磨圧力を受けるために、研磨面に損傷を与えやすいという問題が生じる。
【0009】
したがって、研磨速度、研磨効率、無傷性、分散性などのバランスに優れるシリカ微粒子が好ましく、このようなシリカ微粒子としては、連続した曲面を有し、かつ長径/短径比が1.2以上のコロイダルシリカが好適であると言われている。
【0010】
ところで、水、メタノール、アンモニアおよび所望によりアンモニウム塩を含む溶媒中で、テトラアルコキシシランを加水分解して、10〜200nmの短径と1.4〜2.2の長径/短径比を有する繭型コロイダルシリカ粒子を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。本発明者らは、この方法に基づき、コロイダルシリカ粒子の製造を試みた。その結果、まず、2個の単一粒子が合着して双子粒子が生成し、その後成長することがわかった。この成長初期段階の双子粒子を使用して研磨処理を行うと、双子粒子の結合力が弱く、すぐに単一粒子になってしまい、その結果研磨性能は向上するがその効果はあまり大きなものではないことがわかった。一方、粒子の成長が十分に進行すると、双子粒子の結合力は高まるが、形状が球形に近づくため、研磨性能が低下する。
【0011】
【特許文献1】
特許第3195569号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、半導体基板やハードディスク基板などの研磨処理に用いられる研磨スラリー用として、優れた研磨性能を有する落花生様双子型コロイダルシリカ粒子、およびこのコロイダルシリカ粒子を効率よく製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、落花生様双子型コロイダルシリカ粒子がその目的に適合しうること、特に長手方向に対する垂直方向の径が、長手方向中央付近において極小値を有し、かつその極小径の平均と長手方向に対する垂直方向の最大径の平均(平均短径)との比が特定の範囲にある落花生様双子型コロイダルシリカ粒子がその目的に適合し得ること、そして、アンモニウムイオンを含む水性溶媒中に、テトラアルコキシシランまたはテトラアルコキシシランと水混和性有機溶剤との混合物を原料として連続的に添加し、加水分解、縮合させるに際し、前記原料の総添加量を、反応初期の段階における2個の単一シリカ粒子の合着までに要する原料添加量に対して特定の割合になるように制御することにより、所望の落花生様双子型コロイダルシリカ粒子が効率よく得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、
(1)形状が落花生様双子型であり、長手方向に対する垂直方向の径が、長手方向中央付近において極小値を有し、かつその極小径の平均と長手方向に対する垂直方向の最大径の平均(平均短径)との比が、0.70〜0.90:1の範囲にあることを特徴とする落花生様双子型コロイダルシリカ粒子、
(2)長手方向の最大径の平均(平均長径)と長手方向に対する垂直方向の最大径の平均(平均短径)との比が1.2〜2.0:1であるである上記(1)項に記載の落花生様双子型コロイダルシリカ粒子、
(3)研磨スラリー用に用いられる上記(1)または(2)項に記載の落花生様双子型コロイダルシリカ粒子、
(4)アンモニウムイオンを含む水性溶媒中に、テトラアルコキシシランまたはテトラアルコキシシランと水混和性有機溶剤との混合物を原料として連続的に添加し、加水分解、縮合させるに際し、前記原料の総添加量を、反応初期の段階における2個の単一シリカ粒子の合着までに要する原料添加量の2.0〜6.0倍の範囲になるように制御することを特徴とする落花生様双子型コロイダルシリカ粒子の製造方法、
(5)反応初期段階での2個の単一シリカ粒子が合着後、関係式(I)
0.3d≦(L1−L0)/2≦0.9d …(I)
(ただし、L1は目的の落花生様双子型コロイダルシリカ粒子の平均長径、L0は合着時における合着粒子の平均長径、dは該合着粒子の平均短径である。)
を満たすように成長させる上記(4)項に記載の製造方法、
(6)上記(4)に記載の水性溶媒に含まれる水混和性有機溶剤およびテトラアルコキシシランに混合する水混和性有機溶剤が、メチルアルコールである上記(4)または(5)項に記載の製造方法、
(7)水性溶媒中のアンモニウムイオンが、NH3として0.5〜3重量%である上記(4)(5)または(6)項に記載の方法、および
(8)反応温度が−10〜30℃である上記(4)〜(7)項のいずれかに記載の方法、
を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の落花生様双子型(以下、単に落花生型と称す。)コロイダルシリカ粒子は、長手方向に対する垂直方向の径が、長手方向中央付近において極小値を有する落花生型の形状を有する粒子であって、以下に示す性状を有している。
【0016】
まず、上記の落花生型形状とは、長手方向中央付近における極小径の平均と長手方向に対する垂直方向の最大径の平均(平均短径)との比は、0.70〜0.90:1の範囲である。該比が上記範囲を逸脱するコロイダルシリカ粒子では、所望の研磨性能が得られない。研磨性能の点から、該比の好ましい範囲は、0.82〜0.90:1である。
【0017】
次に、長手方向の最大径の平均(平均長径)と長手方向に対する垂直方向の最大径の平均(平均短径)との比は、1.2〜2.0:1の範囲が好ましい。これは、平均長径/平均短径比が1.2未満では十分な研磨性能が得られにくく、また2.0を超えるものはゾル−ゲル法で製造することが困難であるからである。
【0018】
なお、前記平均長径、平均短径および平均極小径は、下記の方法により測定した値である。まずコロイダルシリカをメタノールに分散させ、これを電子顕微鏡の試料台に一滴のせ、メタノールに分散した粒子を即乾させることにより、粒子が凝集することなく均一に分散した試料が得られる。これを電子顕微鏡により観察・写真撮影し、写真中の任意の粒子100個について長径、短径、極小径を測定し、平均値を求める。
【0019】
このような性状を有する本発明の落花生型コロイダルシリカ粒子は、半導体基板やハードディスク基板などを研磨処理する際に用いられる研磨スラリー用として好適であり、分散安定性が良好で、かつ高い研磨速度を有する研磨スラリーを提供することができる。該研磨スラリーは、例えば無電解Ni−Pメッキが施されたハードディスク用サブストレートの研磨に用いる場合には、通常前記落花生型コロイダルシリカ粒子の他に、研磨促進剤として、適当量の過酸化水素、硝酸、硝酸アルミニウムなどの公知の添加剤を添加する。
【0020】
本発明の落花生型コロイダルシリカ粒子を製造する方法としては、前記の性状を有するものが得られる方法であればよく、特に制限はないが、以下に示す本発明の方法により、効率よく製造することができる。
【0021】
落花生型コロイダルシリカ粒子を製造する本発明の方法においては、アンモニウムイオンを含む水性溶媒中に、テトラアルコキシシランまたはテトラアルコキシシランと水混和性有機溶剤との混合物を原料として連続的に添加し、加水分解、縮合させるに際し、前記原料の総添加量を、反応初期の段階における2個の単一シリカ粒子の合着までに要する原料添加量の2.0〜6.0倍の範囲になるように制御することにより、落花生型コロイダルシリカ粒子を製造する。
【0022】
この方法において、原料のテトラアルコキシシランとしては、例えば一般式(II)
Si(OR)4 …(II)
で表される化合物を用いることができる。
【0023】
上記一般式(II)において、Rは炭素数1〜3のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基およびイソプロピル基である。4つのORはたがいに同一でも異なっていてもよい。
【0024】
この一般式(II)で表されるテトラアルコキシシランの例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、プロポキシトリメトキシシラン、イソプロポキシトリメトキシシラン、メトキシトリエトキシシラン、プロポキシトリエトキシシラン、イソプロポキシトリエトキシシラン、メトキシトリプロポキシシラン、エトキシトリプロポキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン、ジメトキシジプロポキシシランなどが挙げられるが、これらの中でテトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランが、加水分解性および入手の容易さなどの点で好ましい。
【0025】
また、水性溶媒としては、水と水混和性有機溶剤との混合溶剤が好ましく、上記水混和性有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコール類、アセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。これらは単独で水と混合してもよいし、2種以上を組み合わせて水と混合してもよいが、特にメタノールと水との混合溶剤が好適である。
【0026】
水性溶媒中の水の量は、使用するテトラアルコキシシランの加水分解に必要な理論値の2〜5倍程度が好ましい。また、本発明においては、この水性溶媒は、加水分解触媒として、アンモニウムイオンを含むものが用いられる。水性溶媒中のアンモニウムイオンの濃度は、通常NH3として0.5〜3重量%の範囲である。
【0027】
本発明の方法においては、前記のアンモニウムイオンを含む水性溶媒中に、前記テトラアルコキシシランを連続的に添加し、加水分解、縮合させるが、その際、原料としてテトラアルコキシシランのみを添加してもよいし、テトラアルコキシシランと水混和性有機溶剤との混合物を添加してもよい。該水混和性有機溶剤としては、前記水性溶媒の説明において、例示したものと同じものを挙げることができるが、特にメタノールが好ましい。
【0028】
また、この加水分解、縮合反応においては、前記原料の総添加量を、反応初期の段階における2個の単一シリカ粒子の合着までに要する原料添加量の2.0〜6.0倍の範囲になるように制御することが必要である。このように、原料の総添加量を制御することにより、目的の落花生型コロイダルシリカを形成させることができる。前記合着までに要する原料添加量に対する原料総添加量の割合は、好ましくは2.5〜5.0倍の範囲である。
【0029】
本発明の方法においては、反応初期の段階でまず単一シリカ粒子が生成する。そして、単一シリカ粒子2個が合着し、合着型コロイダルシリカ粒子が生成する。その後、合着型コロイダルシリカ粒子は成長して、落花生型コロイダルシリカ粒子となり、さらに繭型コロイダルシリカ粒子となる。この場合、最も効率よく落花生型コロイダルシリカ粒子をつくるためには、次の関係式(I)を満たすように反応させればよい。
関係式(I)
0.3d≦(L1−L0)/2≦0.9d …(I)
(ただし、L1は目的の落花生型コロイダルシリカ粒子の平均長径、L0は合着時における合着粒子の平均長径、dは該合着粒子の平均短径である。)
(L1−L0)/2の値が前記範囲を逸脱すると、研磨性能に優れる落花生型コロイダルシリカ粒子が得られない。
【0030】
反応温度は、−10〜30℃の範囲が好ましく、さらに0〜25℃の範囲が好ましい。また、反応時間は、加水分解温度や縮合温度などの反応温度やその他の条件により左右され、一概に定めることはできないが、通常5〜60分間程度である。
【0031】
次に、本発明の方法の具体的な態様について説明する。まず、メタノール、水、アンモニアを、それぞれ所定の割合で含む水性溶媒を反応槽に仕込んだのち、これにテトラアルコキシシランのメタノール溶液を、所定の反応温度を維持しながら添加開始する。反応液をサンプリングして、生成したシリカ粒子の形状をチェックしながら、加水分解、縮合反応を進め、2個の単一シリカ粒子の合着するまでに要した原料添加量を確認後、原料の総添加量を、前記合着までに要した添加量の2.0〜6.0倍に制御することにより、(L1−L0)/2の値が、前記関係式(I)を満たすことになるので、テトラアルコキシシランのメタノール溶液の滴下を終了する。簡便な方法としては、粒子が生成した時点で反応液の白濁が開始するので、完全な透明状態の段階から少しでも非透明な状態が観察された時点が初期的な粒子形成時といえる。この白濁開始を基準として、滴下開始からそれまでに滴下した原料液の2.0〜6.0倍を最終的に投入する。この際、全水性溶媒(テトラアルコキシシランのメタノール溶液中のメタノールも含む。)の量は、使用するテトラアルコキシシランの5倍重量以上であることが好ましい。滴下終了後、反応液を適当な濃度まで濃縮したのち、水置換して水分散落花生型コロイダルシリカ粒子を得、次いで必要により公知の方法で乾燥処理することにより、目的の落花生型コロイダルシリカ粒子が得られる。
【0032】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、コロイダルシリカ粒子の平均長径、平均短径および平均極小径は、明細書本文記載の方法に従って測定した。
実施例1
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0033】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が20℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、平均直径20nmの単一粒子であったが、4分経過した段階にサンプリングしたところ、平均短径21nm、平均長径41nmの2粒子合着型コロイダルシリカ粒子の形成が認められた。
【0034】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が10分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の2.5倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均短径38nm、平均長径67nmの落花生型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0035】
次に、濃縮器に反応生成液を移し、ジャケットにて加熱を開始し、溶媒の流出に伴い液面が低下することのないように、液面一定で反応液を補給した。全ての反応生成液を濃縮器に移し、6倍に濃縮された段階で、反応生成液の補給を純水に切り替え、水置換を行った。液温が101℃になった段階で水置換を終了し、そのまま室温まで冷却することにより、水分散の落花生型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。
【0036】
この落花生型コロイダルシリカ粒子は、平均長径67nm、平均短径38nm、平均極小径31nmであり、平均長径/平均短径比1.76、平均極小径/平均短径比0.82であった。また、(L1−L0)/2は、0.62dであった。
【0037】
次に、この落花生型コロイダルシリカ粒子13重量%を含む水性スラリー100重量部に、研磨促進剤として、30重量%過酸化水素水1.23重量部、70重量%硝酸0.05重量部および30重量%硝酸アルミニウム水溶液1.23重量部を添加し、研磨用組成物を調製した。この研磨用組成物と無電解Ni−Pメッキを施したサブストレートを用い、下記の条件にて研磨試験を実施した。
【0038】
研磨機:ナノファクター社製 片面研磨機「FACT−200」
研磨パッド:ロデール社製 「PolytexDG」
加工圧力:0.98N/cm2
常盤回転数:50rpm
研磨用組成物供給速度:5ml/min
研磨時間:5分
研磨後サブストレートを水にて洗浄・乾燥した後、研磨によるサブストレートの重量減を測定し研磨速度を算出した。その結果、研磨速度は0.10μm/minであった。
実施例2
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0039】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が20℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、平均直径20nmの単一粒子であったが、4分経過した段階にサンプリングしたところ、平均短径21nm、平均長径41nmの2粒子合着型コロイダルシリカ粒子の形成が認められた。
【0040】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が15分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の3.75倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均短径41nm、平均長径67nmの落花生型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0041】
以下、実施例1と同様にして、濃縮および水置換を行うことにより、水分散の落花生型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。
この落花生型コロイダルシリカ粒子は、平均長径67nm、平均短径41nm、平均極小径37nmであり、平均長径/平均短径比1.63、平均極小径/平均短径比0.9であった。また、(L1−L0)/2は、0.62dであった。
【0042】
次に、このゾルを用い、実施例1と同様にして研磨用組成物を調製し、さらに無電解Ni−Pメッキを施したサブストレートに対し、研磨試験を行った。その結果、研磨速度は0.14μm/minであった。
実施例3
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0043】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が20℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、平均直径20nmの単一粒子であったが、4分経過した段階にサンプリングしたところ、平均短径21nm、平均長径41nmの2粒子合着型コロイダルシリカ粒子の形成が認められた。
【0044】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が20分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の5.0倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均短径47nm、平均長径74nmの落花生型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0045】
以下、実施例1と同様にして、濃縮および水置換を行うことにより、水分散の落花生型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。
この落花生型コロイダルシリカ粒子は、平均長径74nm、平均短径47nm、平均極小径42nmであり、平均長径/平均短径比1.57、平均極小径/平均短径比0.89であった。また、(L1−L0)/2は、0.79dであった。
【0046】
次に、このゾルを用い、実施例1と同様にして研磨用組成物を調製し、さらに無電解Ni−Pメッキを施したサブストレートに対し、研磨試験を行った。その結果、研磨速度は0.11μm/minであった。
実施例4
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0047】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が20℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、平均直径20nmの単一粒子であったが、4分経過した段階にサンプリングしたところ、平均短径21nm、平均長径41nmの2粒子合着型コロイダルシリカ粒子の形成が認められた。
【0048】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が12.5分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の3.1倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均長径60nmの落花生型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0049】
以下、実施例1と同様にして、濃縮および水置換を行うことにより、水分散の落花生型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。
この落花生型コロイダルシリカ粒子は、平均長径60nmあった。
【0050】
つぎに、この落花生型コロイダルシリカ粒子0.5wt%、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を175wtppm、アンモニアを225wtppm含有する水性スラリーを調整し、以下の条件で結晶構造が1.0.0である2インチの単結晶シリコン・ウェハーを研磨した。
研磨機: (株)マルトー製精密研磨機、ML−150W
研磨パッド: フジボー製EXP−2
スラリー供給速度: 20ml/分
回転数: 80rpm
研磨圧力: 180g/cm2
研磨時間: 30分
研磨後、シリコン・ウェハーを水で洗浄・乾燥し、研磨によるウェーハの重量減を測定し研磨速度を算出した。その結果、研磨速度は0.015μm/分であった。
実施例5
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0051】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が0℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、白濁が開始した。
【0052】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が12.5分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の4.2倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均長径175nmの落花生型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0053】
以下、実施例1と同様にして、濃縮および水置換を行うことにより、水分散の落花生型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。
この落花生型コロイダルシリカ粒子は、平均長径175nmあった。
【0054】
つぎに、この落花生型コロイダルシリカ粒子を使って実施例4と同じように、研磨スラリーを調整し、実施例4と同じ条件でシリコン・ウェハーの研磨速度を測定した。その結果、研磨速度は0.013μm/分であった。
比較例1
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0055】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が20℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、平均直径20nmの単一粒子であったが、4分経過した段階にサンプリングしたところ、平均短径21nm、平均長径41nmの2粒子合着型コロイダルシリカ粒子の形成が認められた。
【0056】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が5分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の1.25倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均短径22nm、平均長径46nmの双子型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0057】
以下、実施例1と同様にして、濃縮および水置換を行うことにより、水分散の双子型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。この双子型コロイダルシリカ粒子は、平均長径46nm、平均短径22nm、平均極小径15nmであり、平均長径/平均短径比2.09、平均極小径/平均短径比0.68であった。また、(L1−L0)/2は、0.12dであった。
【0058】
次に、このゾルを用い、実施例1と同様にして研磨用組成物を調製し、さらに無電解Ni−Pメッキを施したサブストレートに対し、研磨試験を行った。その結果、研磨速度は0.05μm/minであった。
比較例2
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0059】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が20℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、平均直径20nmの単一粒子であったが、4分経過した段階にサンプリングしたところ、平均短径21nm、平均長径41nmの2粒子合着型コロイダルシリカ粒子の形成が認められた。
【0060】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が25分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の6.25倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均短径51nm、平均長径80nmの繭型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0061】
以下、実施例1と同様にして、濃縮および水置換を行うことにより、水分散の繭型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。
この繭型コロイダルシリカ粒子は、平均長径80nm、平均短径51nmでありかつ極小径が実質上存在せず、平均長径/平均短径比1.57であった。また、(L1−L0)/2は、0.92dであった。
【0062】
次に、このゾルを用い、実施例1と同様にして研磨用組成物を調製し、さらに無電解Ni−Pメッキを施したサブストレートに対し、研磨試験を行った。その結果、研磨速度は0.07μm/minであった。
比較例3
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0063】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が40℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、白濁が開始した。
【0064】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が12.5分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の4.2倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均長径22nmの落花生型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0065】
以下、実施例1と同様にして、濃縮および水置換を行うことにより、水分散の落花生型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。
この落花生型コロイダルシリカ粒子は、平均長径22nmあった。
【0066】
つぎに、この落花生型コロイダルシリカ粒子を使って実施例4と同じように、研磨スラリーを調整し、実施例4と同じ条件でシリコン・ウェハーの研磨速度を測定した。その結果、研磨速度は0.003μm/分であった。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体基板やハードディスク基板などの研磨処理に用いられる研磨スラリー用として、優れた研磨性能(ハードディスク研磨速度0.1μm/min以上)を有する落花生型コロイダルシリカ粒子を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、落花生様双子型コロイダルシリカ粒子およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、半導体基板やハードディスク基板などの研磨処理に用いられる研磨スラリー用として好適な落花生様双子型コロイダルシリカ粒子、および落花生様双子型コロイダルシリカ粒子を効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータをはじめとするハイテク製品の進歩は目覚ましく、これに使用される半導体素子や各種装置、部品は年々高集積化、高速化、高容量化、小型化などの高機能化の一途をたどっている。
【0003】
それに伴い、半導体素子の製造においても、サブミクロン、ハーフミクロンの超微細パターンの加工精度が要求されており、基板であるシリコンウェハーも、極めて高い平坦性、無傷性の表面を有するものが求められている。また、ハードディスク基板においても、小型化、大容量化のために、表面の平坦性の高いものが求められている。
【0004】
このような表面をもつ材料は、鏡面研磨と呼ばれる微細な粒子による研磨処理によって得られるのが一般的である。例えば、半導体素子の製造において用いられるこのような鏡面をもつシリコンウェハーは、棒状シリコン単結晶を薄い円板状に切断した後、逐次、この薄い円板を鏡面状を呈するまで磨き上げていくことにより製造されている。通常、この研磨には、上記切断直後の粗い表面に施されるラッピング工程と、これに続く精密研磨のためのポリシング工程が採用されている。そしてこのポリシング工程において、粗研磨と仕上げ研磨が行われ、鏡面状を呈するシリコンウェハーが造られている。上記ラッピング工程には主としてアルミナ粉末等が使用されるが、上記粗研磨及び仕上げ研磨には、一般に、主成分としてシリカ微粒子を水に分散させたスラリーが使用されている。
【0005】
一方、ハードディスク基板には、アルミニウムやアルミニウムの表面に下地処理したものが使われ、Ni−Pを化学メッキしたものなどが一般的であり、一般的にこれがアルミニウム基板と呼ばれている。アルミニウム基板を研磨するときの研磨剤には、主成分としてアルミナを水に分散させたスラリーが広く使用されているが、このハードディスク基板に対しても、前記の半導体基板と同様に、高研磨速度と共に、表面の高い平坦性および無傷性が要求される。現在、ハードディスク基板として用いられる無電解Ni−Pメッキを施したサブストレート製造の仕上げ工程においては、研磨剤として、コロイダルシリカと研磨促進剤と湿潤剤を含む水系スラリーが用いられている。また、最近では、小型化、大容量化に対応するためにガラス基板も普及しつつあり、アルミニウム基板と併せてガラス基板用の研磨剤には酸化セリウム、酸化ジルコニウム、シリカなどを水に分散させたスラリーが使用される。
【0006】
このような鏡面研磨処理において、研磨剤として用いられるシリカ微粒子は、各種の方法、例えば焼成シリカゲルを粉砕分級する方法、四塩化ケイ素を高温で火炎加水分解する方法、ゾル−ゲル法などにより得られるが、これらの方法の中で、焼成シリカゲルを粉砕分級する方法や四塩化ケイ素を火炎加水分解する方法では、半導体に悪影響を及ぼす不純物が混入するおそれや、鋭利な表面を有するために、傷が発生するおそれなどがある。
【0007】
一方、コロイダルシリカとしては、例えば水ガラスなど、ケイ酸のアルカリ金属塩の水溶液を脱陽イオン処理することにより得られる球状のコロイダルシリカ、あるいはアルコキシシランを水性溶媒中で、アンモニアなどを用いて加水分解、縮合して得られる(ゾル−ゲル法)球状または長径/短径比1.4以上を有する繭状のコロイダルシリカなどが知られている。しかし、前者のケイ酸塩から得られるコロイダルシリカは半導体に悪影響を及ぼす遷移金属イオンなど不純物を含みやすい。この点で、後者のゾル−ゲル法によるコロイダルシリカは高純度なので好ましい。
【0008】
シリカ微粒子の性状としては、高い研磨速度を得るためには、該粒子の粒径を大きくすることが望ましいが、粒径を大きくすると、沈降しやすくなる上、鏡面性が低下するので、最適な粒径を選定することが肝要である。また、無傷性の点から、曲面状の表面を有することが望ましいが、球状粒子の場合、研磨時に粒子が転がりやすく、研磨効率が向上しないという問題がある。さらに、粒度分布が広いと、粗粒度の粒子が研磨面で嵩高となり、集中的に研磨圧力を受けるために、研磨面に損傷を与えやすいという問題が生じる。
【0009】
したがって、研磨速度、研磨効率、無傷性、分散性などのバランスに優れるシリカ微粒子が好ましく、このようなシリカ微粒子としては、連続した曲面を有し、かつ長径/短径比が1.2以上のコロイダルシリカが好適であると言われている。
【0010】
ところで、水、メタノール、アンモニアおよび所望によりアンモニウム塩を含む溶媒中で、テトラアルコキシシランを加水分解して、10〜200nmの短径と1.4〜2.2の長径/短径比を有する繭型コロイダルシリカ粒子を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。本発明者らは、この方法に基づき、コロイダルシリカ粒子の製造を試みた。その結果、まず、2個の単一粒子が合着して双子粒子が生成し、その後成長することがわかった。この成長初期段階の双子粒子を使用して研磨処理を行うと、双子粒子の結合力が弱く、すぐに単一粒子になってしまい、その結果研磨性能は向上するがその効果はあまり大きなものではないことがわかった。一方、粒子の成長が十分に進行すると、双子粒子の結合力は高まるが、形状が球形に近づくため、研磨性能が低下する。
【0011】
【特許文献1】
特許第3195569号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、半導体基板やハードディスク基板などの研磨処理に用いられる研磨スラリー用として、優れた研磨性能を有する落花生様双子型コロイダルシリカ粒子、およびこのコロイダルシリカ粒子を効率よく製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、落花生様双子型コロイダルシリカ粒子がその目的に適合しうること、特に長手方向に対する垂直方向の径が、長手方向中央付近において極小値を有し、かつその極小径の平均と長手方向に対する垂直方向の最大径の平均(平均短径)との比が特定の範囲にある落花生様双子型コロイダルシリカ粒子がその目的に適合し得ること、そして、アンモニウムイオンを含む水性溶媒中に、テトラアルコキシシランまたはテトラアルコキシシランと水混和性有機溶剤との混合物を原料として連続的に添加し、加水分解、縮合させるに際し、前記原料の総添加量を、反応初期の段階における2個の単一シリカ粒子の合着までに要する原料添加量に対して特定の割合になるように制御することにより、所望の落花生様双子型コロイダルシリカ粒子が効率よく得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、
(1)形状が落花生様双子型であり、長手方向に対する垂直方向の径が、長手方向中央付近において極小値を有し、かつその極小径の平均と長手方向に対する垂直方向の最大径の平均(平均短径)との比が、0.70〜0.90:1の範囲にあることを特徴とする落花生様双子型コロイダルシリカ粒子、
(2)長手方向の最大径の平均(平均長径)と長手方向に対する垂直方向の最大径の平均(平均短径)との比が1.2〜2.0:1であるである上記(1)項に記載の落花生様双子型コロイダルシリカ粒子、
(3)研磨スラリー用に用いられる上記(1)または(2)項に記載の落花生様双子型コロイダルシリカ粒子、
(4)アンモニウムイオンを含む水性溶媒中に、テトラアルコキシシランまたはテトラアルコキシシランと水混和性有機溶剤との混合物を原料として連続的に添加し、加水分解、縮合させるに際し、前記原料の総添加量を、反応初期の段階における2個の単一シリカ粒子の合着までに要する原料添加量の2.0〜6.0倍の範囲になるように制御することを特徴とする落花生様双子型コロイダルシリカ粒子の製造方法、
(5)反応初期段階での2個の単一シリカ粒子が合着後、関係式(I)
0.3d≦(L1−L0)/2≦0.9d …(I)
(ただし、L1は目的の落花生様双子型コロイダルシリカ粒子の平均長径、L0は合着時における合着粒子の平均長径、dは該合着粒子の平均短径である。)
を満たすように成長させる上記(4)項に記載の製造方法、
(6)上記(4)に記載の水性溶媒に含まれる水混和性有機溶剤およびテトラアルコキシシランに混合する水混和性有機溶剤が、メチルアルコールである上記(4)または(5)項に記載の製造方法、
(7)水性溶媒中のアンモニウムイオンが、NH3として0.5〜3重量%である上記(4)(5)または(6)項に記載の方法、および
(8)反応温度が−10〜30℃である上記(4)〜(7)項のいずれかに記載の方法、
を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の落花生様双子型(以下、単に落花生型と称す。)コロイダルシリカ粒子は、長手方向に対する垂直方向の径が、長手方向中央付近において極小値を有する落花生型の形状を有する粒子であって、以下に示す性状を有している。
【0016】
まず、上記の落花生型形状とは、長手方向中央付近における極小径の平均と長手方向に対する垂直方向の最大径の平均(平均短径)との比は、0.70〜0.90:1の範囲である。該比が上記範囲を逸脱するコロイダルシリカ粒子では、所望の研磨性能が得られない。研磨性能の点から、該比の好ましい範囲は、0.82〜0.90:1である。
【0017】
次に、長手方向の最大径の平均(平均長径)と長手方向に対する垂直方向の最大径の平均(平均短径)との比は、1.2〜2.0:1の範囲が好ましい。これは、平均長径/平均短径比が1.2未満では十分な研磨性能が得られにくく、また2.0を超えるものはゾル−ゲル法で製造することが困難であるからである。
【0018】
なお、前記平均長径、平均短径および平均極小径は、下記の方法により測定した値である。まずコロイダルシリカをメタノールに分散させ、これを電子顕微鏡の試料台に一滴のせ、メタノールに分散した粒子を即乾させることにより、粒子が凝集することなく均一に分散した試料が得られる。これを電子顕微鏡により観察・写真撮影し、写真中の任意の粒子100個について長径、短径、極小径を測定し、平均値を求める。
【0019】
このような性状を有する本発明の落花生型コロイダルシリカ粒子は、半導体基板やハードディスク基板などを研磨処理する際に用いられる研磨スラリー用として好適であり、分散安定性が良好で、かつ高い研磨速度を有する研磨スラリーを提供することができる。該研磨スラリーは、例えば無電解Ni−Pメッキが施されたハードディスク用サブストレートの研磨に用いる場合には、通常前記落花生型コロイダルシリカ粒子の他に、研磨促進剤として、適当量の過酸化水素、硝酸、硝酸アルミニウムなどの公知の添加剤を添加する。
【0020】
本発明の落花生型コロイダルシリカ粒子を製造する方法としては、前記の性状を有するものが得られる方法であればよく、特に制限はないが、以下に示す本発明の方法により、効率よく製造することができる。
【0021】
落花生型コロイダルシリカ粒子を製造する本発明の方法においては、アンモニウムイオンを含む水性溶媒中に、テトラアルコキシシランまたはテトラアルコキシシランと水混和性有機溶剤との混合物を原料として連続的に添加し、加水分解、縮合させるに際し、前記原料の総添加量を、反応初期の段階における2個の単一シリカ粒子の合着までに要する原料添加量の2.0〜6.0倍の範囲になるように制御することにより、落花生型コロイダルシリカ粒子を製造する。
【0022】
この方法において、原料のテトラアルコキシシランとしては、例えば一般式(II)
Si(OR)4 …(II)
で表される化合物を用いることができる。
【0023】
上記一般式(II)において、Rは炭素数1〜3のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基およびイソプロピル基である。4つのORはたがいに同一でも異なっていてもよい。
【0024】
この一般式(II)で表されるテトラアルコキシシランの例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、プロポキシトリメトキシシラン、イソプロポキシトリメトキシシラン、メトキシトリエトキシシラン、プロポキシトリエトキシシラン、イソプロポキシトリエトキシシラン、メトキシトリプロポキシシラン、エトキシトリプロポキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン、ジメトキシジプロポキシシランなどが挙げられるが、これらの中でテトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランが、加水分解性および入手の容易さなどの点で好ましい。
【0025】
また、水性溶媒としては、水と水混和性有機溶剤との混合溶剤が好ましく、上記水混和性有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコール類、アセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。これらは単独で水と混合してもよいし、2種以上を組み合わせて水と混合してもよいが、特にメタノールと水との混合溶剤が好適である。
【0026】
水性溶媒中の水の量は、使用するテトラアルコキシシランの加水分解に必要な理論値の2〜5倍程度が好ましい。また、本発明においては、この水性溶媒は、加水分解触媒として、アンモニウムイオンを含むものが用いられる。水性溶媒中のアンモニウムイオンの濃度は、通常NH3として0.5〜3重量%の範囲である。
【0027】
本発明の方法においては、前記のアンモニウムイオンを含む水性溶媒中に、前記テトラアルコキシシランを連続的に添加し、加水分解、縮合させるが、その際、原料としてテトラアルコキシシランのみを添加してもよいし、テトラアルコキシシランと水混和性有機溶剤との混合物を添加してもよい。該水混和性有機溶剤としては、前記水性溶媒の説明において、例示したものと同じものを挙げることができるが、特にメタノールが好ましい。
【0028】
また、この加水分解、縮合反応においては、前記原料の総添加量を、反応初期の段階における2個の単一シリカ粒子の合着までに要する原料添加量の2.0〜6.0倍の範囲になるように制御することが必要である。このように、原料の総添加量を制御することにより、目的の落花生型コロイダルシリカを形成させることができる。前記合着までに要する原料添加量に対する原料総添加量の割合は、好ましくは2.5〜5.0倍の範囲である。
【0029】
本発明の方法においては、反応初期の段階でまず単一シリカ粒子が生成する。そして、単一シリカ粒子2個が合着し、合着型コロイダルシリカ粒子が生成する。その後、合着型コロイダルシリカ粒子は成長して、落花生型コロイダルシリカ粒子となり、さらに繭型コロイダルシリカ粒子となる。この場合、最も効率よく落花生型コロイダルシリカ粒子をつくるためには、次の関係式(I)を満たすように反応させればよい。
関係式(I)
0.3d≦(L1−L0)/2≦0.9d …(I)
(ただし、L1は目的の落花生型コロイダルシリカ粒子の平均長径、L0は合着時における合着粒子の平均長径、dは該合着粒子の平均短径である。)
(L1−L0)/2の値が前記範囲を逸脱すると、研磨性能に優れる落花生型コロイダルシリカ粒子が得られない。
【0030】
反応温度は、−10〜30℃の範囲が好ましく、さらに0〜25℃の範囲が好ましい。また、反応時間は、加水分解温度や縮合温度などの反応温度やその他の条件により左右され、一概に定めることはできないが、通常5〜60分間程度である。
【0031】
次に、本発明の方法の具体的な態様について説明する。まず、メタノール、水、アンモニアを、それぞれ所定の割合で含む水性溶媒を反応槽に仕込んだのち、これにテトラアルコキシシランのメタノール溶液を、所定の反応温度を維持しながら添加開始する。反応液をサンプリングして、生成したシリカ粒子の形状をチェックしながら、加水分解、縮合反応を進め、2個の単一シリカ粒子の合着するまでに要した原料添加量を確認後、原料の総添加量を、前記合着までに要した添加量の2.0〜6.0倍に制御することにより、(L1−L0)/2の値が、前記関係式(I)を満たすことになるので、テトラアルコキシシランのメタノール溶液の滴下を終了する。簡便な方法としては、粒子が生成した時点で反応液の白濁が開始するので、完全な透明状態の段階から少しでも非透明な状態が観察された時点が初期的な粒子形成時といえる。この白濁開始を基準として、滴下開始からそれまでに滴下した原料液の2.0〜6.0倍を最終的に投入する。この際、全水性溶媒(テトラアルコキシシランのメタノール溶液中のメタノールも含む。)の量は、使用するテトラアルコキシシランの5倍重量以上であることが好ましい。滴下終了後、反応液を適当な濃度まで濃縮したのち、水置換して水分散落花生型コロイダルシリカ粒子を得、次いで必要により公知の方法で乾燥処理することにより、目的の落花生型コロイダルシリカ粒子が得られる。
【0032】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、コロイダルシリカ粒子の平均長径、平均短径および平均極小径は、明細書本文記載の方法に従って測定した。
実施例1
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0033】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が20℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、平均直径20nmの単一粒子であったが、4分経過した段階にサンプリングしたところ、平均短径21nm、平均長径41nmの2粒子合着型コロイダルシリカ粒子の形成が認められた。
【0034】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が10分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の2.5倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均短径38nm、平均長径67nmの落花生型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0035】
次に、濃縮器に反応生成液を移し、ジャケットにて加熱を開始し、溶媒の流出に伴い液面が低下することのないように、液面一定で反応液を補給した。全ての反応生成液を濃縮器に移し、6倍に濃縮された段階で、反応生成液の補給を純水に切り替え、水置換を行った。液温が101℃になった段階で水置換を終了し、そのまま室温まで冷却することにより、水分散の落花生型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。
【0036】
この落花生型コロイダルシリカ粒子は、平均長径67nm、平均短径38nm、平均極小径31nmであり、平均長径/平均短径比1.76、平均極小径/平均短径比0.82であった。また、(L1−L0)/2は、0.62dであった。
【0037】
次に、この落花生型コロイダルシリカ粒子13重量%を含む水性スラリー100重量部に、研磨促進剤として、30重量%過酸化水素水1.23重量部、70重量%硝酸0.05重量部および30重量%硝酸アルミニウム水溶液1.23重量部を添加し、研磨用組成物を調製した。この研磨用組成物と無電解Ni−Pメッキを施したサブストレートを用い、下記の条件にて研磨試験を実施した。
【0038】
研磨機:ナノファクター社製 片面研磨機「FACT−200」
研磨パッド:ロデール社製 「PolytexDG」
加工圧力:0.98N/cm2
常盤回転数:50rpm
研磨用組成物供給速度:5ml/min
研磨時間:5分
研磨後サブストレートを水にて洗浄・乾燥した後、研磨によるサブストレートの重量減を測定し研磨速度を算出した。その結果、研磨速度は0.10μm/minであった。
実施例2
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0039】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が20℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、平均直径20nmの単一粒子であったが、4分経過した段階にサンプリングしたところ、平均短径21nm、平均長径41nmの2粒子合着型コロイダルシリカ粒子の形成が認められた。
【0040】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が15分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の3.75倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均短径41nm、平均長径67nmの落花生型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0041】
以下、実施例1と同様にして、濃縮および水置換を行うことにより、水分散の落花生型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。
この落花生型コロイダルシリカ粒子は、平均長径67nm、平均短径41nm、平均極小径37nmであり、平均長径/平均短径比1.63、平均極小径/平均短径比0.9であった。また、(L1−L0)/2は、0.62dであった。
【0042】
次に、このゾルを用い、実施例1と同様にして研磨用組成物を調製し、さらに無電解Ni−Pメッキを施したサブストレートに対し、研磨試験を行った。その結果、研磨速度は0.14μm/minであった。
実施例3
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0043】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が20℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、平均直径20nmの単一粒子であったが、4分経過した段階にサンプリングしたところ、平均短径21nm、平均長径41nmの2粒子合着型コロイダルシリカ粒子の形成が認められた。
【0044】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が20分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の5.0倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均短径47nm、平均長径74nmの落花生型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0045】
以下、実施例1と同様にして、濃縮および水置換を行うことにより、水分散の落花生型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。
この落花生型コロイダルシリカ粒子は、平均長径74nm、平均短径47nm、平均極小径42nmであり、平均長径/平均短径比1.57、平均極小径/平均短径比0.89であった。また、(L1−L0)/2は、0.79dであった。
【0046】
次に、このゾルを用い、実施例1と同様にして研磨用組成物を調製し、さらに無電解Ni−Pメッキを施したサブストレートに対し、研磨試験を行った。その結果、研磨速度は0.11μm/minであった。
実施例4
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0047】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が20℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、平均直径20nmの単一粒子であったが、4分経過した段階にサンプリングしたところ、平均短径21nm、平均長径41nmの2粒子合着型コロイダルシリカ粒子の形成が認められた。
【0048】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が12.5分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の3.1倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均長径60nmの落花生型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0049】
以下、実施例1と同様にして、濃縮および水置換を行うことにより、水分散の落花生型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。
この落花生型コロイダルシリカ粒子は、平均長径60nmあった。
【0050】
つぎに、この落花生型コロイダルシリカ粒子0.5wt%、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を175wtppm、アンモニアを225wtppm含有する水性スラリーを調整し、以下の条件で結晶構造が1.0.0である2インチの単結晶シリコン・ウェハーを研磨した。
研磨機: (株)マルトー製精密研磨機、ML−150W
研磨パッド: フジボー製EXP−2
スラリー供給速度: 20ml/分
回転数: 80rpm
研磨圧力: 180g/cm2
研磨時間: 30分
研磨後、シリコン・ウェハーを水で洗浄・乾燥し、研磨によるウェーハの重量減を測定し研磨速度を算出した。その結果、研磨速度は0.015μm/分であった。
実施例5
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0051】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が0℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、白濁が開始した。
【0052】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が12.5分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の4.2倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均長径175nmの落花生型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0053】
以下、実施例1と同様にして、濃縮および水置換を行うことにより、水分散の落花生型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。
この落花生型コロイダルシリカ粒子は、平均長径175nmあった。
【0054】
つぎに、この落花生型コロイダルシリカ粒子を使って実施例4と同じように、研磨スラリーを調整し、実施例4と同じ条件でシリコン・ウェハーの研磨速度を測定した。その結果、研磨速度は0.013μm/分であった。
比較例1
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0055】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が20℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、平均直径20nmの単一粒子であったが、4分経過した段階にサンプリングしたところ、平均短径21nm、平均長径41nmの2粒子合着型コロイダルシリカ粒子の形成が認められた。
【0056】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が5分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の1.25倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均短径22nm、平均長径46nmの双子型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0057】
以下、実施例1と同様にして、濃縮および水置換を行うことにより、水分散の双子型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。この双子型コロイダルシリカ粒子は、平均長径46nm、平均短径22nm、平均極小径15nmであり、平均長径/平均短径比2.09、平均極小径/平均短径比0.68であった。また、(L1−L0)/2は、0.12dであった。
【0058】
次に、このゾルを用い、実施例1と同様にして研磨用組成物を調製し、さらに無電解Ni−Pメッキを施したサブストレートに対し、研磨試験を行った。その結果、研磨速度は0.05μm/minであった。
比較例2
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0059】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が20℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、平均直径20nmの単一粒子であったが、4分経過した段階にサンプリングしたところ、平均短径21nm、平均長径41nmの2粒子合着型コロイダルシリカ粒子の形成が認められた。
【0060】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が25分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の6.25倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均短径51nm、平均長径80nmの繭型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0061】
以下、実施例1と同様にして、濃縮および水置換を行うことにより、水分散の繭型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。
この繭型コロイダルシリカ粒子は、平均長径80nm、平均短径51nmでありかつ極小径が実質上存在せず、平均長径/平均短径比1.57であった。また、(L1−L0)/2は、0.92dであった。
【0062】
次に、このゾルを用い、実施例1と同様にして研磨用組成物を調製し、さらに無電解Ni−Pメッキを施したサブストレートに対し、研磨試験を行った。その結果、研磨速度は0.07μm/minであった。
比較例3
テトラメトキシシラン3容量部とメタノール1容量部とを混合して原料溶液を調製した。
【0063】
一方、反応槽に反応溶媒としてメタノール1116gに反応溶媒中の水の濃度が14.7重量%、アンモニウムイオン濃度がNH3換算で0.93重量%となるように、水、アンモニアを仕込み、反応溶媒の温度が40℃に保持できるように冷却しながら、7g/minの添加速度にて原料溶液を添加した。添加開始後、3分経過した段階で、白濁が開始した。
【0064】
さらに原料添加を上記速度で継続し、全添加時間が12.5分間経過するまで添加した。つまり合着するまでに要した原料の4.2倍量まで原料を添加したところ、反応生成液中に平均長径22nmの落花生型コロイダルシリカ粒子が生成した。
【0065】
以下、実施例1と同様にして、濃縮および水置換を行うことにより、水分散の落花生型コロイダルシリカ粒子を含むゾルが得られた。
この落花生型コロイダルシリカ粒子は、平均長径22nmあった。
【0066】
つぎに、この落花生型コロイダルシリカ粒子を使って実施例4と同じように、研磨スラリーを調整し、実施例4と同じ条件でシリコン・ウェハーの研磨速度を測定した。その結果、研磨速度は0.003μm/分であった。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体基板やハードディスク基板などの研磨処理に用いられる研磨スラリー用として、優れた研磨性能(ハードディスク研磨速度0.1μm/min以上)を有する落花生型コロイダルシリカ粒子を提供することができる。
Claims (8)
- 形状が落花生様双子型であり、長手方向に対する垂直方向の径が、長手方向中央付近において極小値を有し、かつその極小径の平均と長手方向に対する垂直方向の最大径の平均(平均短径)との比が、0.70〜0.90:1の範囲にあることを特徴とする落花生様双子型コロイダルシリカ粒子。
- 長手方向の最大径の平均(平均長径)と長手方向に対する垂直方向の最大径の平均(平均短径)との比が1.2〜2.0:1である請求項1に記載の落花生様双子型コロイダルシリカ粒子。
- 研磨スラリー用に用いられる請求項1または2に記載の落花生様双子型コロイダルシリカ粒子。
- アンモニウムイオンを含む水性溶媒中に、テトラアルコキシシランまたはテトラアルコキシシランと水混和性有機溶剤との混合物を原料として連続的に添加し、加水分解、縮合させるに際し、前記原料の総添加量を、反応初期の段階における2個の単一シリカ粒子の合着までに要する原料添加量の2.0〜6.0倍の範囲になるように制御することを特徴とする落花生様双子型コロイダルシリカ粒子の製造方法。
- 反応初期段階での2個の単一シリカ粒子が合着後、関係式(I)
0.3d≦(L1−L0)/2≦0.9d …(I)
(ただし、L1は目的の落花生様双子型コロイダルシリカ粒子の平均長径、L0は合着時における合着粒子の平均長径、dは該合着粒子の平均短径である。)
を満たすように成長させる請求項4に記載の製造方法。 - 請求項4に記載の水性溶媒に含まれる水混和性有機溶剤およびテトラアルコキシシランに混合する水混和性有機溶剤が、メチルアルコールである請求項4または5に記載の製造方法。
- 水性溶媒中のアンモニウムイオンが、NH3として0.5〜3重量%である請求項4、5または6に記載の方法。
- 反応温度が−10〜30℃である請求項4〜7のいずれかに記載の方法。
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