JP6207345B2 - シリカ粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は所定の平均一次粒子径を有するシリカ一次粒子が少なくとも4個以上クラスター化(融着)してなるシリカ粒子の製造および該シリカ粒子を含む研磨剤に関する。
研磨用粒子としては、従来、シリカゾルやヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナなどが用いられている。
半導体の集積回路付基板の製造においては、シリコンウェハー上にアルミ配線を形成し、この上に絶縁膜としてシリカ等の酸化膜を設けると配線による凹凸が生じるので、この酸化膜を研磨して平坦化することが行われている。このような基板の研磨においては、研磨後の表面は段差や凹凸がなく平坦で、さらにミクロな傷等もなく平滑であることが求められており、また研磨速度が速いことも必要である。
化学的機械的研磨(CMP)で使用される研磨材は、通常、シリカ、アルミナ等の金属酸化物からなる平均粒子径が200nm程度の球状の研磨用粒子と、配線・回路用金属の研磨速度を早めるための酸化剤、有機酸等の添加剤及び純水などの溶媒から構成されているが、被研磨材の表面には下地の絶縁膜に形成した配線用の溝パターンに起因した段差(凹凸)が存在する場合、主に凸部を研磨除去しながら共面まで研磨し、平坦な研磨面とすることが求められている。しかしながら、従来の球状の研磨用粒子では共面より上の部分を研磨した際に、凹部の下部にあった配線溝内の回路用金属が共面以下まで研磨される問題(ディッシングと呼ばれている。)があった。このようなディッシング(過研磨)が起きると配線の厚みが減少して配線抵抗が増加したり、また、この上に形成される絶縁膜の平坦性が低下するなどの問題が生じるので、ディッシングを抑制することが求められている。
近年、研磨用粒子として、従来の球状粒子に代わり、非球状の粒子が提案されている。
異形粒子を含むシリカゾルの製造方法としては、特開平4−187512号公報(特許文献1)にSiOとして0.05〜5.0重量%のアルカリ金属珪酸塩水溶液に、珪酸液を添加して混合液のSiO/MO(モル比、M はアルカリ金属又は第4級アンモニウム)を30〜60とした後に、Ca,Mg,Al,In,Ti,Zr,Sn,Si,Sb,Fe,Cuおよび希土類金属からなる群から選ばれた1種または2種以上の金属の化合物を添加し(添加時期は、前記珪酸液添加の前または添加中でも良い)、この混合液を60℃以上の任意の温度で一定時間維持し、更に珪酸液を添加して反応液中のSiO/MO(モル比)を60〜100としてなる実質的に異形形状のシリカ微粒子が分散したゾルの製法が開示されている。
特開平7−118008号公報(特許文献2)には、活性珪酸のコロイド水溶液に、水溶性のカルシウム塩、マグネシウム塩又はこれらの混合物の水溶液を添加し、得られた水溶液にアルカリ性物質を加え、得られた混合物の一部を60℃以上に加熱してヒール液とし、残部をフィード液として、当該ヒール液に当該フィード液を添加し、当該添加の間に、水を蒸発させることによりSiO濃度6〜30重量%まで濃縮することよりなる細長い形状のシリカゾルの製造法が開示されている。
特開2001−11433号公報(特許文献3)には、SiOとして0.5〜10重量%を含有し、かつ、pHが2〜6である活性珪酸のコロイド水溶液に、水溶性のII価又はIII価の金属の塩を単独又は混合して含有する水溶液を、同活性珪酸のコロイド水溶液のSiOに対して、金属酸化物(II価の金属の塩の場合はMOとし、III価の金属の塩の場合はMとする。但し、MはII価又はIII価の金属原子を表し、Oは酸素原子を表す。) として1〜10重量%となる量を加えて混合し、得られた混合液(1)に、平均粒子径10〜120nm 、pH2〜6の酸性球状シリカゾルを、この酸性球状シリカゾルに由来するシリカ含量(A)とこの混合液(1)に由来するシリカ含量(B)の比A/B(重量比) が5〜100、かつ、この酸性球状シリカゾルとこの混合液(1)との混合により得られる混合液(2)の全シリカ含量(A+B)が混合液(2)においてSiO濃度5〜40重量%となるように加えて混合し混合液(2)にアルカリ金属水酸化物等をpHが7〜11となるように加えて混合し、得られた混合液(3)を100〜200℃で0.5〜50時間加熱してなる数珠状のシリカゾルの製造方法が記載されている。
特開2001−48520号公報(特許文献4)には、シリカ濃度1〜8モル/リットル、酸濃度0.0018〜0.18モル/リットルで水濃度2〜30モル/リットルの範囲の組成で、溶剤を使用しないでアルキルシリケートを酸触媒で加水分解した後、シリカ濃度が0.2〜1.5モル/リットルの範囲となるように水で希釈し、次いでpHが7以上となるようにアルカリ触媒を加え加熱して珪酸の重合を進行させて、電子顕微鏡観察による太さ方向の平均直径が5〜100nmであり、長さがその1.5〜50倍の長さの細長い形状の非晶質シリカ粒子が液状分散体中に分散されているシリカゾルの製造方法が記載されている。
特開2001−150334号公報(特許文献5)には、水ガラスなどのアルカリ金属珪酸塩の水溶液を脱陽イオン処理することにより得られるSiO濃度2〜6質量%程度の活性珪酸の酸性水溶液に、アルカリ土類金属、例えば、Ca、Mg、Baなどの塩をその酸化物換算で上記活性珪酸のSiOに対し100〜1500ppmの重量比に添加し、更にこの液中SiO/MO(Mは、アルカリ金属原子、NH又は第4級アンモニウム基を表す。) モル比が20〜150となる量の同アルカリ物質を添加することにより得られる液を当初ヒール液とし、同様にして得られる2〜6質量%のSiO濃度と20〜150のSiO/MO(Mは、上記と同じ。) モル比を有する活性珪酸水溶液をチャージ液として、60〜150℃で前記当初ヒール液に前記チャージ液を、1時間当たり、チャージ液SiO/当初ヒール液SiOの重量比として0.05〜1.0の速度で、液から水を蒸発除去しながら(又はせずに)、添加してなる歪な形状を有するシリカゾルの製造方法が記載されている。
特開平8−279480号公報(特許文献6)には、(1)珪酸アルカリ水溶液を鉱酸で中和しアルカリ性物質を添加して加熱熟成する方法、(2)珪酸アルカリ水溶液を陽イオン交換処理して得られる活性珪酸にアルカリ性物質を添加して加熱熟成する方法、(3)エチルシリケート等のアルコキシシランを加水分解して得られる活性珪酸を加熱熟成する方法、または、(4)シリカ微粉末を水性媒体中で直接に分散する方法等によって製造されるコロイダルシリカ水溶液は、通常、4〜1,000nm(ナノメートル)、好ましくは7〜500nmの粒子径を有するコロイド状シリカ粒子が水性媒体に分散したものであり、SiOとして0.5〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%の濃度を有する。上記シリカ粒子の粒子形状は、球状、いびつ状、偏平状、板状、細長い形状、繊維状等が挙げられることが記載されている。
特表2003−529662号公報(特許文献7)には、互いにボンドによって連結していない球形の、分離したシリカ粒子を含む研磨剤であって、a)寸法5−50nmのシリカ粒子5−95質量% 、及びb)寸法50−200nmのシリカ粒子95−5質量%を含む、但し粒子の全体がバイモーダルな粒径分布を有する研磨剤が高い研磨速度を与えることを報告している。
また、本願出願人は異形度が1.55〜4の範囲にあり、動的光散乱法による粒子径分布において30〜70nmの粒子径範囲と71〜150nmの粒子径範囲に粒子径分布のピークがあり、両ピークの粒子径差が50〜100nmの範囲にある研磨用シリカゾルを用いると優れた研磨レートが達成されることを開示している。(特開2007−137972号公報:特許文献8)
さらに、本願出願人は真球度が0.9以上の球状粒子とこの球状粒子に該当しない非球状粒子を所定重量比で含む研磨用組成物は被研磨面が凹凸を有していても研磨後の表面が平坦性に優れ、長時間の研磨に供しても研磨性能の低下が抑制できることを開示している。
(特開2006−80406号公報:特許文献9)
また、特開2011−98859号公報には、電子材料用研磨剤等に有用なコロイダルシリカとして、ケイ酸アルカリ水溶液をカチオン交換樹脂に接触させて活性珪酸を調製し、これにカリウムイオンの供給源となる化合物とアルカリ剤として水酸化アルカリ金属あるいは水酸化第4級アンモニウム等を添加してアルカリ性にした後、加熱してシリカ粒子を形成し、続いて加熱下に、アルカリ性を維持しながら、活性珪酸水溶液とアルカリ剤とカリウムイオンの供給源となる化合物を添加してシリカ粒子を成長させ、透過型電子顕微鏡写真観察による長径/短径比が1.2〜10のカリウムイオンを含む異形シリカ粒子群が開示されている。
特開平4−187512号公報 特開平7−118008号公報 特開2001−11433号公報 特開2001−48520号公報 特開2001−150334号公報 特開平8−279480号公報 特表2003−529662号公報 特開2007−137972号公報 特開2006−80406号公報 特開2011−98859号公報
しかしながら、前記した従来公知の球状でないシリカ粒子(異形シリカ粒子ということがある)を含むシリカ粒子は、球状粒子に比較して研磨速度は向上するものもスクラッチを生成したり、研磨後の表面平滑性に劣る場合があり、研磨対象に制限があった。
本発明者等は鋭意検討した結果、(a)珪酸アルカリ水溶液と酸性珪酸液とを混合して種粒子前駆体を発生させ、ついで(b)加熱熟成して種粒子を調製し、ついで、(c)所定のレイノルズ数の範囲で撹拌しながら酸性珪酸液を添加すると、シリカの一次粒子が融着した状態でクラスター化したシリカ粒子が得られ、この粒子を研磨剤として用いると、研磨速度が大きく向上することを見出して本発明を完成するに至った。
本発明の課題は、ガラスハードディスク、石英ガラス、水晶、アルミニウムハードディスク、半導体デバイスのSiO酸化膜、珪素半導体ウェハー、化合物半導体ウェハーなどに対して、優れた研磨特性を発揮するシリカ粒子の製造方法および該シリカ粒子を含む研磨剤を提供するものである。
本発明に係るシリカ粒子の製造方法は、下記の工程(a)〜(c)を含んでなり、平均一次粒子径(D)が20〜100nmの範囲にあるシリカ一次粒子が少なくとも4個以上クラスター化し、平均粒子径(DCL)が40〜300nmの範囲にあり、アスペクト比(D)/(D)が1.5〜5の範囲にあることを特徴としている。
(a)珪酸アルカリ水溶液と酸性珪酸液とを混合する工程
(b)加熱熟成する工程
(c)酸性珪酸液を添加する工程
(但し、(D)、(D)は、透過型電子顕微鏡により写真撮影して得られる写真投影図における任意の50個の粒子について、それぞれその最大径(D)と、これと直交する短径(D)を求めた各々の平均値。)
前記工程(c)についで、下記工程(d)を行うことが好ましい。
(d)加熱熟成する工程
前記工程(c)の酸性珪酸液を添加する際、下記式(1)で表されるレイノルズ数(Re)が2000〜1,000,000の範囲で撹拌することが好ましい。
Re=ndρ/μ・・・・・・・(1)
(但し、nは撹拌翼の回転数[s−1]、dは撹拌翼径[m]、ρは分散液の密度[kg/m]、μは分散液の粘度[Pa・s]である)
前記工程(a)において、さらにアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンから選ばれる少なくとも1種のカチオンおよび/またはハロゲンイオン、硝酸イオン、硫酸イオンから選ばれる少なくとも1種のアニオンを含む水溶液を混合することが好ましい。
前記カチオンおよび/またはアニオンの混合量が、分散液中のSiOを1モルに対してカチオンおよび/またはアニオンのモル数(M)が0.01〜0.5モルの範囲にあることが好ましい。
前記工程(a)におけるSiOの濃度が1〜10質量%の範囲にあり、pHが9〜12.5の範囲にあることが好ましい。
前記工程(b)における加熱熟成温度が50〜100℃の範囲にあることが好ましい。
前記工程(c)における酸性珪酸液の添加量が、前記工程(b)におけるSiOを1モルとしたときに酸性珪酸液のSiOのモル数(MSA2)が2〜50モルの範囲にあり、分散液の温度が60〜100℃の範囲にあり、pHが9〜12.5の範囲にあることが好ましい。
前記工程(d)における加熱熟成温度が50〜100℃の範囲にあることが好ましい。
本発明に係る研磨剤は、前記いずれかに記載のシリカ粒子の製造方法によって得られたシリカ粒子を含んでなることを特徴としている。
本発明によれば、優れた研磨特性を有するシリカ粒子の製造方法および該シリカ粒子を含む研磨剤を提供することができる。
[シリカ粒子の製造方法]
以下、本発明に係るシリカ粒子の製造方法について説明する。
本発明に係るシリカ粒子の製造方法は、下記の工程(a)〜(c)を含んでなることを特徴としている。
(a)珪酸アルカリ水溶液と酸性珪酸液とを混合する工程
(b)加熱熟成する工程
(c)酸性珪酸液を添加する工程
工程(a)
珪酸アルカリ水溶液と酸性珪酸液とを混合する。
両液を混合することにより不規則に凝集したゲル状の微粒子(これをシリカ粒子の種粒子前駆体ということもある。)を生成する。種粒子前駆体を含む分散液は透明性の液体である。
珪酸アルカリ水溶液
珪酸アルカリ水溶液としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、第4級アンモニウムシリケートなどが何れも使用可能であり、好適には1号水ガラス、2号水ガラス、3号水ガラス等の名称で市販されている珪酸ナトリウムまたは珪酸カリウム等が選ばれる。また、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)等の加水分解性有機化合物を過剰のNaOHなどを用いて加水分解して得られる珪酸アルカリ水溶液なども好適である。
珪酸アルカリ水溶液の濃度はSiOとして1〜15質量%、さらには2〜10質量%の範囲にあることが好ましい。
酸性珪酸液
酸性珪酸液としては、通常、珪酸アルカリ水溶液を陽イオン交換樹脂で脱アルカリして得られる酸性珪酸液が使用される。酸性珪酸液としてはSiO濃度が概ね0.1〜10質量%、さらには1〜7質量%の範囲にあり、pHが概ね1〜3のものが好適に使用される。
珪酸アルカリ水溶液と酸性珪酸液を混合するが、混合方法としては珪酸アルカリを撹拌しながら酸性珪酸液を連続的に添加し混合するのが好ましい。
珪酸アルカリ水溶液と酸性珪酸液の混合割合は、珪酸アルカリ水溶液のシリカのモル数(MWG)と酸性珪酸液のシリカのモル数(MSA1)とのモル比(MSA1)/(MWG)が0.001〜1、さらには0.002〜0.6の範囲にあることが好ましい。
モル比(MSA1)/(MWG)が0.001未満の場合は、種粒子前駆体の生成量が少ないためか、後述する工程(c)の後、所望のシリカ粒子が得られない場合があり、粗大粒子の割合が多くなる傾向がある。
モル比(MSA1)/(MWG)が1を超えると、後述する、必要に応じて添加するカチオンおよび/またはアニオンの有無、あるいはその量によっても異なるが、生成する種粒子前駆体が小さく生成量が多いためか、平均粒子径(DCL)の小さいシリカ粒子となる傾向にある。また、珪酸液の添加によって分散液のpHが暫時低下し、微細な種粒子前駆体が過剰に生成するためか、平均粒子径(DCL)の小さいシリカ粒子となる傾向にある。
また、珪酸アルカリ水溶液と酸性珪酸液を混合する際には、さらに、アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンから選ばれる少なくとも1種のカチオンおよび/またはハロゲンイオン、硝酸イオン、硫酸イオンから選ばれる少なくとも1種のアニオンを含む水溶液を混合することが好ましい。
アルカリ金属イオンとして、カリウムイオンは後述する凝集効果が適度であり、非球状の種粒子前駆体が生成するためか好適に用いることができる。
なお、珪酸アルカリ水溶液として珪酸カリウム水溶液を用いた場合は必ずしも新たに添加する必要がない場合がある。
アルカリ土類金属イオンとしてはマグネシウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン等が挙げられる。
具体的な化合物として、アルカリ金属塩としてはアルカリ金属の塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩等を用いることが好ましい。また、KOH等の水酸化物を用いることもできる。
アルカリ土類金属塩としてはアルカリ土類金属の塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩を用いることが好ましい。また、Mg(OH)、Ca(OH)、Ba(OH)等の水酸化物を用いることもできる。
また、ハロゲンイオン、硝酸イオン、硫酸イオン等としては、上記塩の他、塩酸、硝酸、硫酸等を用いることもできる。
これらカチオン、アニオンを混合すると、種粒子前駆体が生成し易く、後述する工程(b)、(c)を経た後に、より大きなクラスター化した粒子を得ることができる。
前記カチオンおよび/またはアニオンの混合量は、所定の酸性珪酸液または珪酸アルカリ水溶液を混合後の分散液中のSiOを1モルに対してカチオンおよび/またはアニオンのモル数(M)は0.01〜0.5モル、さらには0.025〜0.4モルの範囲にあることが好ましい。
カチオンおよび/またはアニオンのモル数(M)が0.01モル未満の場合は、粒子の凝集効果が小さく、シリカ一次粒子がクラスター化(融着)した本願所定の粒子径を有するシリカ粒子が得られない場合がある。このため研磨剤として用いた場合に充分な研摩性能が得られない場合がある。
カチオンおよび/またはアニオンのモル数(M)が0.5モルを超えると、粒子の凝集が進みすぎて粗大粒子が多く発生する場合があり、研磨剤として用いた場合にスクラッチ(研磨傷)が発生する場合がある。
珪酸アルカリ水溶液と酸性珪酸液を混合する際の混合速度、例えば、珪酸アルカリ水溶液への酸性珪酸液の添加速度は、SiO濃度、温度、pH等が本願所定の範囲にあれば特に制限はなく混合することができる。
また、混合する際の撹拌条件については、特に制限はないが、珪酸アルカリ水溶液と酸性珪酸液とがほぼ均一に混合できれよく、後述する工程(c)のRe数の概ね1/10〜1の範囲にあればよい。
混合する際の温度は概10〜50℃の範囲が好ましく、通常、常温で混合する。
混合する際の温度が前記範囲にあれば、工程(b)、工程(c)、必要に応じて工程(d)の後、研磨性能に優れた本願所定のシリカ粒子を得ることができる。
珪酸アルカリ水溶液と酸性珪酸液を混合した混合液は、シリカヒドロゲルが生成した透明性を有する分散液である。
シリカヒドロゲル分散液の濃度は、SiOとして1〜10質量%、さらには2〜8質量%の範囲にあることが好ましい。
シリカヒドロゲル分散液の濃度が前記範囲にあれば、工程(b)、工程(c)、必要に応じて工程(d)の後、研磨性能に優れた本願所定のシリカ粒子を得ることができる。
また、シリカヒドロゲル分散液のpHは9〜12.5、さらには10〜12.0の範囲にあることが好ましい。
シリカヒドロゲル分散液のpHが9未満の場合は、シリカヒドロゲル(種粒子前駆体粒子)が不安定化し、凝集が進み過ぎて工程(b)、工程(c)の後、得られるシリカ粒子中に後述する粗大粒子が増加する場合がある。
シリカヒドロゲル分散液のpHが12.5を超えると、シリカの溶解度が高まるために工程(b)、工程(c)の後、本願所定のシリカ一次粒子が少なくとも4個以上クラスター化したシリカ粒子が得られない場合がある。
上記したように、珪酸アルカリ水溶液と酸性珪酸液を混合することによって、必要に応じて前記カチオンおよび/またはアニオンの存在下で混合することによって凝集状態あるいは鎖状の種粒子前駆体粒子であるシリカヒドロゲルが生成する。
なお、前記カチオンおよび/またはアニオンの混合は、最終的に平均粒子径(DCL)が80nm以上、特に100nm以上のシリカ粒子を調製する場合に特に有効である。
工程(b)
種粒子前駆体粒子分散液を加熱熟成する。
加熱熟成により種粒子前駆体粒子の凝集化、鎖状化を進め、シリカの種粒子分散液を調製する。この分散液も透明性の液体である。
熟成温度(Tb)は50〜100℃、さらには60〜98℃の範囲にあることが好ましい。
熟成温度(Tb)が50℃未満の場合は、種粒子前駆体の凝集が遅く、種粒子前駆体のクラスター化(種粒子化)が不充分となるためか、工程(c)を経た後に本願所定のシリカ粒子が得られない場合がある。また、粗大粒子の割合が増加する傾向にある。
また、熟成温度(Tb)が100℃を超えると種粒子前駆体粒子の凝集が進み過ぎるためか、工程(c)を経た後に本願所定のシリカ粒子中の粗大粒子の割合が増加する傾向にある。
熟成時間は、熟成温度(Tb)、濃度等によっても異なるが、概ね24時間以内であることが好ましい。
加熱熟成時においても撹拌を行うが、前記工程(a)と同様である。
このようにして、種粒子分散液を調製するが、種粒子分散液も透明性を有する分散液である。
工程(c)
種粒子分散液に酸性珪酸液を添加する。
工程(c)では種粒子が成長して融着し(クラスター化)、クラスター粒子が生成する。
酸性珪酸液としては、前記した酸性珪酸液を添加する。
酸性珪酸液は、工程(b)におけるSiOを1モルとしたときに酸性珪酸液のSiOのモル数(MSA2)が2〜50モル、さらには5〜40モルとなるように添加するのが好ましい。
前記酸性珪酸液のSiOのモル数(MSA2)が2未満の場合は、得られるシリカ粒子の粒子径が小さく、研磨に使用しても研磨速度が不十分となる場合がある。
前記酸性珪酸液のSiOのモル数(MSA2)が50を超えると、得られるシリカ粒子が大きくなるとともに、形状がクラスター状から球状へ近づき(後述するアスペクト比が小さくなり)、研磨に使用しても研磨速度が不充分となる場合がある。
種粒子分散液に酸性珪酸液を添加するときは、下記式(1)で表されるレイノルズ数(Re)が2,000〜1,000,000、さらには5,000〜500,000の範囲で撹拌を行うことが好ましい。
Re=ndρ/μ・・・・・・・(1)
(但し、nは撹拌翼の回転数[s−1]、dは撹拌翼径[m]、ρは分散液の密度[kg/m]、μは分散液の粘度[Pa・s]である)
レイノルズ数(Re)が2,000未満の場合は、酸性珪酸液が充分に拡散せず、部分的凝集あるいは新たな微細ゲルが生じ、目的とする本願所定のシリカ粒子が得られない場合がある。
レイノルズ数(Re)が1000,000を超えると、成長中の種粒子あるいは生成したシリカ粒子同士の凝集あるいは結合(クラスター化)が促進されるためか、粗大粒子が増加し、研磨剤として用いた場合にスクラッチ(研磨傷)が発生する場合がある。
酸性珪酸液を添加する際の温度は60〜100℃、さらには80〜100℃の範囲にあることが好ましい。
温度が60℃未満の場合は、種粒子表面へのシリカの析出が遅くなり、あらたなシリカ微粒子が副生する場合がある。
温度が100℃を超えて高い場合は、クラスター化が進み過ぎるためか粗大粒子が増加し、研磨剤として用いた場合にスクラッチ(研磨傷)が発生する場合がある。
また、酸性珪酸液を添加する際のpHは9〜12.5、さらには10〜12.0の範囲にあることが好ましい。
pHが9未満の場合は、種粒子の分散安定性が低下してクラスター化が進行し、粗大粒子を生じる場合がある。また、酸性珪酸液があらたなシリカ微粒子を副生する場合がある。
pHが12.5を超えて高い場合、シリカの溶解度が高まるためアスペクト比が小さく球状の粒子になる傾向があり、本願所定のクラスター化したシリカ粒子が得られない場合がある。
工程(c)では酸性珪酸液を添加する際に分散液のpHを前記範囲に調整するには必要に応じてpH調整剤として、酸または塩基を添加することができる。
酸としては、塩酸、硝酸、硫酸などの鉱酸を用いることができる。
また、塩基としてはNaOH、KOH等のアルカリ金属水酸化物、酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどの金属炭酸塩、アンモニア、モノエタノールアミン、ピペラジンなどのアミン類、テトラメチルアンモニウムなどの第4級アンモニウム水酸化物等の塩基性窒素化合物を用いることができる。
本発明では、前記工程(c)で得られたシリカ粒子をそのまま研磨用途に用いることもできるが、ついで、下記工程(d)を行うこともできる。
工程(d)では、工程(c)で得られたシリカ粒子のクラスター化が更に進行する。
工程(d)
工程(c)で得られたシリカ粒子を加熱熟成する。
熟成温度(Tc)は50〜100℃、さらには60〜100℃の範囲にあることが好ましい。
熟成温度(Tc)が50℃未満の場合は、粒子径の小さい粒子が残存し、研磨速度を向上させる効果が充分得られない場合がある。
熟成温度(Tc)が100℃を超えると、生成したシリカ粒子同士の結合が促進されるためか、粗大粒子が増加し、研磨剤として用いた場合にスクラッチ(研磨傷)が発生する場合がある。
熟成時間は、熟成温度(Tc)によっても異なるが、概ね24時間以内であることが好ましい。
前記工程(c)または前記工程(d)についで、洗浄することもできる。
洗浄することによってシリカ粒子分散液に残存する不純物、例えば、原料由来のNa、K等、クラスター化のために使用したカチオン、アニオン、あるいはpH調整に使用した酸あるいは塩基等を除去し、研磨時の悪影響、あるいは被研磨基板を電子デバイス等に用いた場合の悪影響を抑制することができる。
洗浄方法としては、限外濾過膜法、イオン交換樹脂法等従来公知の方法を採用することができる。
さらに、本発明では、前記工程(c)または前記工程(d)についで、あるいは前記洗浄の後、所望の粒子径以外の粒子(特に粒子径が過大な粗大粒子)、所望の形状以外の粒子が存在している場合、必要に応じてこれを分離除去することができる。このような粒子が残存していると、残存量によっても異なるが、研磨速度が不充分となる場合、スクラッチ発生の原因になる場合あるいは研磨基板の平滑性が悪化する場合がある。
分離方法としては、所望の粒子径以外の粒子、所望の形状以外の粒子を除去できれば特に制限はなく従来公知の方法を採用することができる。例えば、各種フィルター、遠心分離機等が挙げられる。
なお、本発明の方法では、前記工程(c)において、Re数を所定の範囲に調整しているので粗大粒子が少なく、このような分離工程を必ずしも必要としない。
工程(d)においても、熟成時の撹拌条件は、前記工程(a)、工程(b)と同様に、前記工程(c)のRe数の1/10〜1の範囲にあればよい。
本発明のシリカ粒子の製造方法では、工程(c)あるいは工程(d)を経てシリカ粒子分散液として得られ、このまま研磨剤等に使用することができるが、必要に応じて常法により乾燥して用いることもでき、さらに必要に応じて常法により焼成して用いることもできる。
[シリカ粒子]
本発明に係るシリカ粒子は、平均一次粒子径(D)が20〜100nmの範囲にあるシリカ一次粒子が少なくとも4個以上クラスター化(融着)してなるシリカ粒子を含んでなり、平均粒子径(DCL)が40〜300nmの範囲にあり、アスペクト比(D)/(D)が1.5〜10の範囲にあることを特徴としている。
平均一次粒子径(D)は20〜100nm、さらには40〜80nmの範囲にあることが好ましい。
平均一次粒子径(D)が20nm未満の場合は、得られるシリカ粒子のアスペクト比が小さく球状粒子に近い粒子となり、また、表面の凹凸が小さくなるためか、研磨速度を向上させる効果が充分得られない場合がある。
平均一次粒子径(D)が100nmを超えると、得られるシリカ粒子の平均粒子径(DCL)も大きくなり過ぎ、研磨剤に用いた場合、研磨剤中で沈降したり分離する場合があり、研磨時に均一研磨できない場合がある。また、クラスター化したシリカ粒子を構成するシリカ一次粒子が少なく、このため表面凹凸が少なくなり、研磨速度が不充分となる場合がある。
つぎに、シリカ粒子の平均粒子径(DCL)は40〜300nm、さらには80〜250nmの範囲にあることが好ましい。
シリカ粒子の平均粒子径(DCL)が40nm未満の場合は、粒子が小さく研磨速度が不十分となる場合がある。
シリカ粒子の平均粒子径(DCL)が300nmを超えると、後述する粗大粒子の割合が増加し、研磨傷が多発することがある。また、研磨剤中で沈降したり分離する場合があり、均一研磨できない場合がある。
平均粒子径(DCL)は、動的光散乱法により測定される平均粒子径とする。具体的にはSiO濃度が0.1〜5質量%の範囲のシリカ粒子水分散液を調製し、粒子径分布測定装置(Particle Sizing Systems社製:NICOMP MODEL380)を用いて測定した。分散媒には水を使用した。
つぎに、シリカ粒子は長径と短径を有し、前記シリカ一次粒子が非球状にクラスター化した粒子であり、その長径(D)と短径(D)との比(D)/(D)(アスペクト比と言うことがある)は1.5〜10、さらには2〜5の範囲にあることが好ましい。
アスペクト比(D)/(D)が1.5未満の場合は、形状が球形に近く、研磨速度を向上させる効果が不充分となる場合がある。
アスペクト比(D)/(D)が10を超えると均一な研磨ができない場合、研磨傷が増加する場合がある。
アスペクト比(D)/(D)は、透過型電子顕微鏡により写真撮影して得られる写真投影図における任意の50個の粒子について、それぞれその最大径(D)と、これと直交する短径(D)を測定し、比(D/D)を求め、その平均値とした。
また、シリカ粒子はシリカ一次粒子が少なくとも4個以上クラスター化(融着)してなるシリカ粒子であるが、シリカ粒子を構成するシリカ一次粒子の数は透過型電子顕微鏡により写真撮影して得られる写真投影図におけるシリカ粒子1個当たりのシリカ一次粒子数を求め、写真の裏面にも存在することを考慮してその倍の数値とした。なお、内部に存在して写真で観察できない粒子については算入しないこととした。
また、本発明に係るシリカ粒子は平均粒子径(DCL)が大きい場合であっても粗大粒子の発生が抑制されている。ここで、粗大粒子とは粒子径が0.5μm以上の粒子を意味している。
粗大粒子の割合は、SiO濃度1質量%のシリカ粒子分散液中の粗大粒子の個数とした場合、7,000個/cc以下、さらには5,000個/cc以下であることが好ましい。
粗大粒子の個数が7,000個/ccを超えると、研磨時に研磨傷が発生する場合がある。
粗大粒子の個数は、SiO濃度1質量%のシリカ粒子分散液を調製し、個数カウント方式粒度分布計(Particle Sizing Systems(株)製:Accusizer APS)にて測定した、1質量%濃度のシリカ粒子分散液1cc中に含まれる0.5μm以上のシリカ粒子の個数(個/cc)とした。
このようなシリカ粒子は、前記した本発明に係るシリカ粒子の製造方法によって得られたシリカ粒子であることが好ましい。
[研磨剤]
つぎに、本発明に係る研磨剤について説明する。
本発明に係る研磨剤は前記したシリカ粒子の製造方法によって得られたシリカ粒子を含んでなることを特徴としている。
本発明の研磨剤には、本発明のシリカ粒子とともに他の成分も使用される。他の成分の例を以下に列挙するが、これらに限定されるものではない。
シリコンウェハー、ガラスディスクなどを対象とする研磨用組成物の場合、上記他の成分としては、研磨促進剤として、アルカリ系では、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどの金属炭酸塩、アンモニア、モノエタノールアミン、ピペラジンなどのアミン類、テトラメチルアンモニウムなどの第4級アンモニウム水酸化物など、酸化物系では、過酸化水素、塩素化合物などが挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性の界面活性剤を使用
することができる。
緩衝剤として利用されるイオンとしては、調整するpH範囲にもよるが、陽イオンが第四級アンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンの少なくとも1種以上であり、陰イオンが炭酸イオン、炭酸水素イオン、ホウ酸イオン、及びフェノールの少なくとも1種以上であることが好ましい。特に好適なのは炭酸イオンと炭酸水素イオンの混合物、あるいはホウ酸イオンなどを挙げることができる。
安定剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース類、ポリビニルアルコールのような水溶性高分子類、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンのような水溶性アルコール類、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダなどの界面活性剤、ポリアクリル酸塩のような有機系ポリアニオン系物質、塩化マグネシウム、酢酸カリウムのような無機塩等を挙げることができる。
研磨剤における、シリカ粒子の濃度は、通常は3〜20重量%で使用されるが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
シリカ粒子(1)分散液の製造
まず、SiO濃度5質量%の珪酸ナトリウム(3号水硝子)水溶液512kgを強酸性イオン交換樹脂SK1BH(三菱化学社製)22Lに空間速度3.1L/Hrで通液して酸性珪酸液299kgを得た。得られた酸性珪酸液のシリカ濃度は4.5質量%、pHは2.7であった。
ついで、純水9,483gに珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度24.3質量%)3,294gを添加して均一になるまで撹拌した後、酸性珪酸液347gと濃度20質量%のKCl水溶液254gを5分間で添加して混合した。(工程(a))
ついでこれを97℃へ昇温し、97℃で30分間保持した。(工程(b))
工程(a)および工程(b)における撹拌羽根の回転数を2.50/secとし、Re数を、下記工程(c)におけると同様に計算し、結果を表に示す。
その後、酸性珪酸液(SiO濃度4.5重量%)281.8kgを15時間かけて添加し、添加終了後も97℃で30分放置した。(工程(c)、工程(d))
工程(c)におけるRe数を以下の式に基づいて計算し、結果を表に示す。
Re=ndρ/μ・・・・・・・(1)
製造容器は直径0.62mの円筒形タンク、撹拌翼径0.2m、撹拌翼幅0.03m、撹拌羽根枚数2枚のパドル型撹拌羽根を使用した。上記時点での分散液密度ρは1070kg/m、粘度μは0.001Pa・sであった。撹拌回転数は3.17/secであり、このときのレイノルズ数は以下の通り算出された。
Re=3.17×0.2×1070/0.001=1.36×10
工程(d)では、工程(a)と撹拌羽根の回転数を同じとし、Re数を表に示す。
続いて室温まで冷却し、限外モジュールを用いて濃縮して固形分濃度10質量%のシリカ粒子(1)分散液を調製した。
得られたシリカ粒子(1)について、平均粒子径(DCL)、平均長径(D)、平均短径(D)、アスペクト比、シリカ粒子中の一次粒子数、粗大粒子数を測定し、結果を表に示す。
また、シリカ粒子(1)について、SEM写真を図1に示す。
研磨用スラリー(1)の調製
SiO濃度10質量%のシリカ粒子(1)分散液に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量% 、pH10.5の研磨用スラリー(1)を調製した。
被研磨基板
被研磨基板として、65mmφの強化ガラス製のハードディスク用ガラス基板を使用した。このハードディスク用ガラス基板は、一次研磨済みであり、表面粗さは最大で0.21μmである。
研磨試験
上記被研磨基板を、研磨装置(ナノファクター(株)製:NF300)にセットし、研磨パッドとして、ロデール社製「アポロン」を使用し、基板荷重0.18MPa、テーブル回転速度30rpmで研磨用スラリー(1)を20g/分の速度で10分間供給して研磨を行った。
研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度を計算した。そして、後記比較例1における研磨速度を1としたときの、研磨速度の比率を研磨レートとした。
また、表面の平滑性を(株)日立ハイテクサイエンス社製:原子間力顕微鏡(AFM)で測定し、結果を表に示す。
[実施例2]
シリカ粒子(2)分散液の製造
実施例1の工程(a)、工程(b)、工程(d)での撹拌羽根の回転数を2.50/secとし、工程(c)での撹拌羽根の回転数を1.00/secとした以外は同様にして固形分濃度10質量%のシリカ粒子(2)分散液を調製した。
得られたシリカ粒子(2)について、平均粒子径(DCL)、平均長径(D)、平均短径(D)、アスペクト比、シリカ粒子中の一次粒子数、粗大粒子数を測定し、結果を表に示す。
研磨用スラリー(2)の調製
SiO濃度10質量%のシリカ粒子(2)分散液に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量% 、pH10.5の研磨用スラリー(2)を調製した。
研磨試験
実施例1において、研磨用スラリー(2)を用いた以外は同様にして研磨を行った。
研磨速度および表面の平滑性を測定し、結果を表に示す。
[実施例3]
シリカ粒子(3)分散液の製造
実施例1の工程(a)、工程(b)、工程(d)での撹拌羽根の回転数を2.50/secとし、工程(c)での撹拌羽根の回転数を6.00/secとした以外は同様にして固形分濃度10質量%のシリカ粒子(3)分散液を調製した。
得られたシリカ粒子(3)について、平均粒子径(DCL)、平均長径(D)、平均短径(D)、アスペクト比、シリカ粒子中の一次粒子数、粗大粒子数を測定し、結果を表に示す。
研磨用スラリー(3)の調製
SiO濃度10質量%のシリカ粒子(3)分散液に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量% 、pH10.5の研磨用スラリー(3)を調製した。
研磨試験
実施例1において、研磨用スラリー(3)を用いた以外は同様にして研磨を行った。
研磨速度および表面の平滑性を測定し、結果を表に示す。
[実施例4]
シリカ粒子(4)分散液の製造
実施例1と同様にしてシリカ濃度4.5質量%の酸性珪酸液を調製した。
ついで、純水9,610gに珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度24.3質量%)3,294gを添加して均一になるまで撹拌した後、酸性珪酸液347gと濃度20質量%のKCL水溶液128gを5分間で添加して混合した。(工程(a))
ついでこれを97℃へ昇温し、97℃で30分間保持した。(工程(b))
工程(a)、工程(b)での撹拌条件は、実施例1と同一装置で、撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
その後、酸性珪酸液(SiO濃度4.5質量%)281.8kgを15時間かけて添加し、添加終了後も97℃で30分放置した。(工程(c)、工程(d))
工程(c)での撹拌回転数は3.17/secとし、工程(d)での撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
続いて室温まで冷却し、限外モジュールを用いて濃縮して固形分濃度10質量%のシリカ粒子(4)分散液を調製した。
得られたシリカ粒子(4)について、平均粒子径(DCL)、平均長径(D)、平均短径(D)、アスペクト比、シリカ粒子中の一次粒子数、粗大粒子数を測定し、結果を表に示す。
研磨用スラリー(4)の調製
SiO濃度10質量%のシリカ粒子(4)分散液に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量% 、pH10.5の研磨用スラリー(4)を調製した。
研磨試験
実施例1において、研磨用スラリー(4)を用いた以外は同様にして研磨を行った。
研磨速度および表面の平滑性を測定し、結果を表に示す。
[実施例5]
シリカ粒子(5)分散液の製造
実施例1と同様にしてシリカ濃度4.5質量%の酸性珪酸液を調製した。
ついで、純水10,130gに珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度24.3質量%)3,294gを添加して均一になるまで撹拌した後、酸性珪酸液347gと濃度20質量%のKCL水溶液298gを5分間で添加して混合した。(工程(a))
ついでこれを97℃へ昇温し、97℃で30分間保持した。(工程(b))
工程(a)、工程(b)での撹拌条件は、実施例1と同一装置で、撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
その後、酸性珪酸液(SiO濃度4.5質量%)281.8kgを15時間かけて添加し、添加終了後も97℃で30分放置した。(工程(c)、工程(d))
工程(c)での撹拌回転数は3.17/secとし、工程(d)での撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
続いて室温まで冷却し、限外モジュールを用いて濃縮して固形分濃度10質量%のシリカ粒子(5)分散液を調製した。
得られたシリカ粒子(5)について、平均粒子径(DCL)、平均長径(D)、平均短径(D)、アスペクト比、シリカ粒子中の一次粒子数、粗大粒子数を測定し、結果を表に示す。
研磨用スラリー(5)の調製
SiO濃度10質量%のシリカ粒子(5)分散液に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量% 、pH10.5の研磨用スラリー(5)を調製した。
研磨試験
実施例1において、研磨用スラリー(5)を用いた以外は同様にして研磨を行った。
研磨速度および表面の平滑性を測定し、結果を表に示す。
[実施例6]
シリカ粒子(6)分散液の製造
実施例1と同様にしてシリカ濃度4.5質量%の酸性珪酸液を調製した。
ついで、純水9,516gに珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度24.3質量%)3,294gを添加して均一になるまで撹拌した後、酸性珪酸液347gと濃度20質量%のKCL水溶液220gを5分間で添加して混合した。(工程(a))
ついでこれを97℃へ昇温し、97℃で30分間保持した。(工程(b))
工程(a)、工程(b)での撹拌条件は、実施例1と同一装置で、撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
その後、酸性珪酸液(シリカ濃度4.5質量%)371.2kgを20時間かけて添加し、添加終了後も97℃で30分放置した。(工程(c)、工程(d))
工程(c)での撹拌回転数は3.17/secとし、工程(d)での撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
続いて室温まで冷却し、限外モジュールを用いて濃縮してSiO濃度10質量%のシリカ粒子(6)分散液を調製した。
得られたシリカ粒子(6)について、平均粒子径(DCL)、平均長径(D)、平均短径(D)、アスペクト比、シリカ粒子中の一次粒子数、粗大粒子数を測定し、結果を表に示す。
研磨用スラリー(6)の調製
SiO濃度10質量%のシリカ粒子(6)分散液に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量%、pH10.5の研磨用スラリー(6)を調製した。
研磨試験
実施例1において、研磨用スラリー(6)を用いた以外は同様にして研磨を行った。
研磨速度および表面の平滑性を測定し、結果を表に示す。
[実施例7]
シリカ粒子(7)分散液の製造
実施例1と同様にしてシリカ濃度4.5質量%の酸性珪酸液を調製した。
ついで、純水9,438gに珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度24.3質量%)3,294gを添加して均一になるまで撹拌した後、酸性珪酸液347gと濃度20質量%のKCL水溶液298gを5分間で添加して混合した。(工程(a))
ついでこれを97℃へ昇温し、97℃で30分間保持した。(工程(b))
工程(a)、工程(b)での撹拌条件は、実施例1と同一装置で、撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
その後、酸性珪酸液(シリカ濃度 4.5質量%)200.0kgを12時間かけて添加し、添加終了後も97℃で30分放置した。(工程(c)、工程(d))
工程(c)での撹拌回転数は3.17/secとし、工程(d)での撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
続いて室温まで冷却し、限外モジュールを用いて濃縮して固形分濃度10質量%のシリカ粒子(7)分散液を調製した。
得られたシリカ粒子(7)について、平均粒子径(DCL)、平均長径(D)、平均短径(D)、アスペクト比、シリカ粒子中の一次粒子数、粗大粒子数を測定し、結果を表に示す。
研磨用スラリー(7)の調製
SiO濃度10質量%のシリカ粒子(7)分散液に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量%、pH10.5の研磨用スラリー(7)を調製した。
研磨試験
実施例1において、研磨用スラリー(7)を用いた以外は同様にして研磨を行った。
研磨速度および表面の平滑性を測定し、結果を表に示す。
比較例7
シリカ粒子(8)分散液の製造
実施例1と同様にしてシリカ濃度4.5質量%の酸性珪酸液を調製した。
ついで、純水9,109gに珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度24.3質量%)3,294gを添加して均一になるまで撹拌した後、酸性珪酸液347gを5分間で添加して混合した。(工程(a))
ついでこれを97℃へ昇温し、97℃で30分間保持した。(工程(b))
工程(a)、工程(b)での撹拌条件は、実施例1と同一装置で、撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
その後、酸性珪酸液(シリカ濃度4.5重量%)371.2kgを20時間かけて添加し、添加終了後も97℃で30分放置した。(工程(c)、工程(d))
工程(c)での撹拌回転数は3.17/secとし、工程(d)での撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
続いて室温まで冷却し、限外モジュールを用いて濃縮して固形分濃度10質量%のシリカ粒子(8)分散液を調製した。
得られたシリカ粒子(8)について、平均粒子径(DCL)、平均長径(D)、平均短径(D)、アスペクト比、シリカ粒子中の一次粒子数、粗大粒子数を測定し、結果を表に示す。
研磨用スラリー(8)の調製
SiO濃度10質量%のシリカ粒子(8)分散液に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量%、pH10.5の研磨用スラリー(8)を調製した。
研磨試験
実施例1において、研磨用スラリー(8)を用いた以外は同様にして研磨を行った。
研磨速度および表面の平滑性を測定し、結果を表に示す。
[実施例9]
シリカ粒子(9)分散液の製造
実施例1の工程(c)において、酸性珪酸液を15時間かけて添加後、工程(d)を実施することなく、速やかに室温に冷却した以外は同様にして固形分濃度10質量%のシリカ粒子(9)分散液を調製した。
得られたシリカ粒子(9)について、平均粒子径(DCL)、平均長径(D)、平均短径(D)、アスペクト比、シリカ粒子中の一次粒子数、粗大粒子数を測定し、結果を表に示す。
研磨用スラリー(9)の調製
SiO濃度10質量%のシリカ粒子(9)分散液に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量%、pH10.5の研磨用スラリー(9)を調製した。
研磨試験
実施例1において、研磨用スラリー(9)を用いた以外は同様にして研磨を行った。
研磨速度および表面の平滑性を測定し、結果を表に示す。
[比較例1]
研磨用スラリー(R1)の調製
研磨用粒子(R1)としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、平均粒子径80nm、SiO濃度20質量%、pH10.2)に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量% 、pH10.5の研磨用スラリー(R1)を調製した。
なお、使用したシリカ粒子(R1)の性状は表に示す。
研磨試験
実施例1において、研磨用スラリー(7)を用いた以外は同様にして研磨を行った。
研磨速度および表面の平滑性を測定し、結果を表に示す。
[比較例2]
シリカ粒子(R2)分散液の製造
実施例1と同様にしてシリカ濃度4.5質量%の酸性珪酸液を調製した。
ついで、純水9,109gに珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度24.3質量%)3,294gを添加して均一になるまで撹拌した後、酸性珪酸液347gを5分間で添加して混合した。(工程(a))
ついでこれを97℃へ昇温し、97℃で30分間保持した。(工程(b))
工程(a)、工程(b)での撹拌条件は、実施例1と同一装置で、撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
その後、酸性珪酸液(シリカ濃度 4.5質量%)77.4kgを7時間かけて添加し、添加終了後も97℃で30分放置した。(工程(c)、工程(d))
工程(c)での撹拌回転数は3.17/secとし、工程(d)での撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
続いて室温まで冷却し、限外モジュールを用いて濃縮して固形分濃度10質量%のシリカ粒子(R2)分散液を調製した。
得られたシリカ粒子(R2)について、平均粒子径(DCL)、平均長径(D)、平均短径(D)、アスペクト比、シリカ粒子中の一次粒子数、粗大粒子数を測定し、結果を表に示す。
研磨用スラリー(R2)の調製
SiO濃度10質量%のシリカ粒子(R2)分散液に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量%、pH10.5の研磨用スラリー(R2)を調製した。
研磨試験
実施例1において、研磨用スラリー(R2)を用いた以外は同様にして研磨を行った。
研磨速度および表面の平滑性を測定し、結果を表に示す。
[比較例3]
シリカ粒子(R3)分散液の製造
実施例1と同様にしてシリカ濃度4.5質量%の酸性珪酸液を調製した。
ついで、純水8,811gに珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度24.3質量%)3,294gを添加して均一になるまで撹拌した後、酸性珪酸液347gと濃度20質量%のKCl水溶液298gを5分間で添加して混合した。(工程(a))
ついでこれを97℃へ昇温し、97℃で30分間保持した。(工程(b))
工程(a)、工程(b)での撹拌条件は、実施例1と同一装置で、撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
その後、酸性珪酸液(シリカ濃度4.5質量%)281.8kgを15時間かけて添加し、添加終了後も97℃で30分放置した。(工程(c)、工程(d))
工程(c)での撹拌回転数は3.17/secとし、工程(d)での撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
続いて室温まで冷却し、限外モジュールを用いて濃縮して固形分濃度10質量%のシリカ粒子(5)分散液を調製した。
得られたシリカ粒子(R3)について、平均粒子径(DCL)、平均長径(D)、平均短径(D)、アスペクト比、シリカ粒子中の一次粒子数、粗大粒子数を測定し、結果を表に示す。
研磨用スラリー(R3)の調製
SiO濃度10質量%のシリカ粒子(R3)分散液に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量%、pH10.5の研磨用スラリー(R3)を調製した。
研磨試験
実施例1において、研磨用スラリー(R3)を用いた以外は同様にして研磨を行った。
研磨速度および表面の平滑性を測定し、結果を表に示す。
[比較例4]
シリカ粒子(R4)分散液の製造
実施例1と同様にしてシリカ濃度4.5質量%の酸性珪酸液を調製した。
ついで、純水9,516gに珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度24.3質量%)3,294gを添加して均一になるまで撹拌した後、酸性珪酸液347gと濃度20質量%のKCL水溶液220gを5分間で添加して混合した。(工程(a))
ついでこれを97℃へ昇温し、97℃で30分間保持した。(工程(b))
工程(a)、工程(b)での撹拌条件は、実施例1と同一装置で、撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
その後、酸性珪酸液(シリカ濃度 4.5質量%)460.6kgを30時間かけて添加し、添加終了後も97℃で30分放置した。(工程(c)、工程(d))
工程(c)での撹拌回転数は3.17/secとし、工程(d)での撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
続いて室温まで冷却し、限外モジュールを用いて濃縮して固形分濃度10質量%のシリカ粒子(R4)分散液を調製した。
得られたシリカ粒子(R4)について、平均粒子径(DCL)、平均長径(D)、平均短径(D)、アスペクト比、シリカ粒子中の一次粒子数、粗大粒子数を測定し、結果を表に示す。
研磨用スラリー(R4)の調製
SiO濃度10質量%のシリカ粒子(R4)分散液に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量%、pH10.5の研磨用スラリー(R4)を調製した。
研磨試験
実施例1において、研磨用スラリー(R4)を用いた以外は同様にして研磨を行った。
研磨速度および表面の平滑性を測定し、結果を表に示す。
[比較例5]
シリカ粒子(R5)分散液の製造
実施例1と同様にしてシリカ濃度4.5質量%の酸性珪酸液を調製した。
ついで、純水8,811gに珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度24.3質量%)3,294gを添加して均一になるまで撹拌した後、酸性珪酸液347gと濃度20質量%のKCL水溶液298gを5分間で添加して混合した。(工程(a))
ついでこれを97℃へ昇温し、97℃で30分間保持した。(工程(b))
工程(a)、工程(b)での撹拌条件は、実施例1と同一装置で、撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
その後、酸性珪酸液(シリカ濃度 4.5質量%)200.0kgを12時間かけて添加し、添加終了後も97℃で30分放置した。(工程(c)、工程(d))
工程(c)での撹拌回転数は3.17/secとし、工程(d)での撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
続いて室温まで冷却し、限外モジュールを用いて濃縮して固形分濃度10質量%のシリカ粒子(R5)分散液を調製した。
得られたシリカ粒子(R5)について、平均粒子径(DCL)、平均長径(D)、平均短径(D)、アスペクト比、シリカ粒子中の一次粒子数、粗大粒子数を測定し、結果を表に示す。
研磨用スラリー(R5)の調製
SiO濃度10質量%のシリカ粒子(R5)分散液に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量%、pH10.5の研磨用スラリー(R5)を調製した。
研磨試験
実施例1において、研磨用スラリー(R5)を用いた以外は同様にして研磨を行った。
研磨速度および表面の平滑性を測定し、結果を表に示す。
[参考比較例6]
シリカ粒子(R6)分散液の製造
実施例1と同様にしてシリカ濃度4.5質量%の酸性珪酸液を調製した。
ついで、純水8,811gに珪酸ナトリウム水溶液(SiO24.3質量%)3,294gを添加して均一になるまで撹拌した後、酸性珪酸液347gと濃度20質量%のKCL水溶液298gを5分間で添加して混合した。(工程(a))
ついでこれを97℃へ昇温し、97℃で30分間保持した。(工程(b))
このとき、製造容器は直径0.62mの円筒形タンク、撹拌翼径0.4m、撹拌翼幅0.03m、撹拌羽根枚数2枚のパドル型撹拌羽根を使用した。
工程(a)、工程(b)での撹拌条件は、撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
その後、酸性珪酸液(シリカ濃度4.5質量%)281.8kgを15時間かけて添加し、添加終了後も97℃で30分放置した。(工程(c)、工程(d))
工程(c)での撹拌回転数は7.50/secとし、工程(d)での撹拌回転数は2.50/secとし、このときのRe数を表に示す。
続いて室温まで冷却し、限外モジュールを用いて濃縮して固形分濃度10質量%のシリカ粒子(R6)分散液を調製した。
得られたシリカ粒子(R6)について、平均粒子径(DCL)、平均長径(D)、平均短径(D)、アスペクト比、シリカ粒子中の一次粒子数、粗大粒子数を測定し、結果を表に示す。
研磨用スラリー(R6)の調製
SiO濃度10質量%のシリカ粒子(R6)分散液に、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液および超純水を加え、SiO濃度9質量%、pH10.5の研磨用スラリー(R6)を調製した。
研磨試験
実施例1において、研磨用スラリー(R6)を用いた以外は同様にして研磨を行った。
研磨速度および表面の平滑性を測定し、結果を表に示す。
実施例1におけるシリカ粒子(1)について撮影したSEM写真である。

Claims (5)

  1. 下記の工程(a)〜(c)を含んでなり、平均一次粒子径(D)が20〜100nmの範囲にあるシリカ一次粒子が少なくとも4個以上クラスター化し、平均粒子径(DCL)が40〜300nmの範囲にあり、アスペクト比(D)/(D)が1.5〜5の範囲にあることを特徴とするシリカ粒子の製造方法。
    (a)珪酸アルカリ水溶液酸性珪酸液とハロゲン化アルカリとを、珪酸アルカリ水溶液のシリカのモル数(M WG )と酸性珪酸液のシリカのモル数(M SA1 )とのモル比(M SA1 )/(M WG )が0.001〜1の範囲となり、前記シリカの合計モル数((M WG )+(M SA1 ))に対するハロゲン化アルカリのモル数(M )の比((M )/((M WG )+(M SA1 )))が0.01〜0.5の範囲となるように混合して、シリカ粒子の種粒子前駆体を含む分散液とする工程
    (b)前記分散液を50〜100℃の範囲で加熱熟成する工程
    (c)前記加熱熟成した分散液に、該分散液中のSiO を1モルとしたときに酸性珪酸液のSiO のモル数(M SA2 )が2〜50モルの範囲となり、かつ、下記式(1)で表されるレイノルズ数(Re)が2000〜1,000,000の範囲で撹拌しながら酸性珪酸液を添加する工程
    Re=nd ρ/μ・・・・・・・(1)
    (但し、nは撹拌翼の回転数[s −1 ]、dは撹拌翼径[m]、ρは分散液の密度[kg/m ]、μは分散液の粘度[Pa・s]である)
    (但し、(D)、(D)は、透過型電子顕微鏡により写真撮影して得られる写真投影図における任意の50個の粒子について、それぞれその最大径(D)と、これと直交する短径(D)を求めた各々の平均値。)
  2. 前記工程(c)についで、下記工程(d)を行うことを特徴とする請求項1に記載のシリカ粒子の製造方法。
    (d)分散液を50〜100℃の範囲で加熱熟成する工程
  3. 前記ハロゲン化アルカリが塩化カリウムである請求項1または2に記載のシリカ粒子の製造方法。
  4. 前記工程(a)における分散液のSiOの濃度が1〜10質量%の範囲にあり、pHが9〜12.5の範囲にあることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のシリカ粒子の製造方法。
  5. 前記工程(c)における分散液の温度が60〜100℃の範囲にあり、pHが9〜12.5の範囲にあることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の研磨用シリカ微粒子の製造方法。
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