JP5111421B2 - リチウム二次電池用正極材料,リチウム二次電池及びそれを用いた二次電池モジュール - Google Patents

リチウム二次電池用正極材料,リチウム二次電池及びそれを用いた二次電池モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP5111421B2
JP5111421B2 JP2009078004A JP2009078004A JP5111421B2 JP 5111421 B2 JP5111421 B2 JP 5111421B2 JP 2009078004 A JP2009078004 A JP 2009078004A JP 2009078004 A JP2009078004 A JP 2009078004A JP 5111421 B2 JP5111421 B2 JP 5111421B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
lithium
electrode material
secondary battery
composite oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009078004A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010232001A (ja
JP2010232001A5 (ja
Inventor
達哉 遠山
一重 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2009078004A priority Critical patent/JP5111421B2/ja
Priority to US12/695,879 priority patent/US20100247986A1/en
Priority to EP10001839.9A priority patent/EP2237348B1/en
Publication of JP2010232001A publication Critical patent/JP2010232001A/ja
Publication of JP2010232001A5 publication Critical patent/JP2010232001A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5111421B2 publication Critical patent/JP5111421B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/48Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides
    • H01M4/50Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides of manganese
    • H01M4/505Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides of manganese of mixed oxides or hydroxides containing manganese for inserting or intercalating light metals, e.g. LiMn2O4 or LiMn2OxFy
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/42Methods or arrangements for servicing or maintenance of secondary cells or secondary half-cells
    • H01M10/4235Safety or regulating additives or arrangements in electrodes, separators or electrolyte
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/362Composites
    • H01M4/366Composites as layered products
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/58Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic compounds other than oxides or hydroxides, e.g. sulfides, selenides, tellurides, halogenides or LiCoFy; of polyanionic structures, e.g. phosphates, silicates or borates
    • H01M4/5825Oxygenated metallic salts or polyanionic structures, e.g. borates, phosphates, silicates, olivines
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明はリチウム二次電池に関する。
近年、リチウム二次電池は高エネルギー密度であることから、パソコンや携帯機器等の小型機器の電源として広く使用されている。さらに、リチウム二次電池は、環境に配慮した電気自動車及びハイブリッド自動車用の電源や、太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギー発電と組み合わせて自然現象による出力変動を吸収するための定置用電源等へ適用が検討されている。これらの大型リチウム電池の分野では、特に、安価かつ長寿命といった点が要求される。
リチウム二次電池の正極材料としては、現在、コバルト酸リチウムが主流である。しかし、原料となるコバルトの産出量が少ないため高価であり、低コスト化が困難である。また、高電圧の状態で保持すると、正極材料からコバルトが溶出して電池寿命が大幅に低下するといった課題がある。
そのため、電池の低コスト化と長寿命化を目的として、コバルトの代替金属としてニッケル,鉄,マンガン等の利用が検討されているが、ニッケル酸リチウムは過充電時の安全性やサイクル時に容量が著しく低下するといった問題点を有している。一方、鉄は斜方晶のオリビン構造を有する鉄リン酸リチウムとして最近注目されていて、安全性に優れるが、導電性が低い或いは作動電圧が低いといった課題がある。
これらに対し、リチウムマンガン複合酸化物はコバルト酸リチウムと比較して結晶構造が安定なため、過充電時の安全性に優れる。さらに、導電性が約1桁高いので寿命特性に有利である。しかしながら、リチウムマンガン複合酸化物は、高温保存時にマンガンが電解液中に溶出するため、溶出したマンガンがセパレータの目詰まりをおこしたり負極上に被膜を形成したりして電池抵抗の上昇を招き、電池特性が劣化するといった課題がある。
リチウムマンガン複合酸化物からマンガンが溶出する原因は、3価のMnがヤーン・テラー効果(対称性の崩れた構造の方が安定になる)を有するためである。3価のMnはエネルギー的に不安定になると、より安定な2価のMnと4価のMnを生成して2価のMnがイオンとして溶出する。
そこで、例えば特許文献1では、正極材料中に含まれる3価のMnの割合を低減するため、スピネル構造を有するLiMn24のMnサイトの一部をLiや遷移金属で置換してサイクル特性を改善したと報告している。Mnの一部を3価以下の元素で置換すると、正極材料に含まれるMnの平均価数が上昇し、結果的に3価のMnの割合が低減される。しかし、元素置換だけでは、正極材料表面からのMn溶出を抑制するには不十分である。また、Mnの平均価数が上昇するため、容量が低下する。
正極材料表面からのMn溶出を抑制するため、特許文献2では、リチウムマンガン複合酸化物の表面を金属酸化物または金属硫化物で被覆し、また、特許文献3ではフッ素化合物で正極材料表面を被覆し、高温下での電池特性向上を図っている。しかしながら、高温・高電圧下という条件では、標準生成エンタルピーの低い金属酸化物や金属硫化物は不安定で、正極表面からのMn溶出を抑制には不十分である。また、フッ化化合物は電子伝導性を有さないため、正極表面を完全に被覆すると導電性が低下し、電池特性低下の原因となってしまう。
特許第3142522号公報 特許第3944899号公報 特表2008−536285号公報
そこで、本発明では、導電性を低下させることなく、高温・高電圧下でも安定的にMn溶出を抑制できる表面被覆リチウムマンガン複合酸化物を正極材料として用い、高温サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することにある。
本発明のリチウム二次電池用正極材料は、遷移金属として少なくともMnを含むリチウム遷移金属複合酸化物の表面に、金属フッ化物とリン酸リチウム化合物を有し、前記金属フッ化物が、AlF 3 ,NiF 2 ,MgF 2 からなる群より選択される一つ以上であり、前記リン酸リチウム化合物が、Li 3 PO 4 ,Li 4 2 7 ,LiPO 3 からなる群より選択される一つ以上であり、前記リチウム遷移金属複合酸化物が、六方晶の層状構造を有し、組成式LiMn x 1-x 2 (但し、0.3≦x≦0.6。MはLi,B,Mg,Al,Co,Niからなる群より選択される一つ以上の元素である)で表わされるリチウム遷移金属複合酸化物、或いは、立方晶のスピネル構造を有し、組成式LiMn y 2-y 4 (但し、1.5≦y≦1.9。NはLi,Mg,Al,Niからなる群より選択される一つ以上の元素である)で表わされるリチウム遷移金属複合酸化物であり、前記金属フッ化物の含有率が、前記リチウム遷移金属複合酸化物に対して0.1重量%以上3.0重量%以下であり、前記リン酸リチウム化合物の含有率が、前記リチウム遷移金属複合酸化物に対して0.1重量%以上3.0重量%以下であり、前記リチウム遷移金属複合酸化物の表面には、前記リン酸リチウム化合物よりも、金属フッ化物が多く配置されており、平均二次粒子径が3μm以上30μm以下であることを特徴とする。
また、本発明のリチウム二次電池は、上記のリチウム二次電池用正極材料を含むことを特徴とする。
本発明のリチウム二次電池は、特に、高温での長寿命化が可能である。
本発明の18650型リチウムイオン二次電池の断面図である。 本発明の正極材料のX線回折パターンを示す図である。 本発明の正極電極のXPSスペクトルを示す図である。 二次電池システムの概略を示す図である。
以下、本発明に係るリチウム二次電池用正極材料,リチウム二次電池及び二次電池モジュールの特徴について説明する。
本発明にかかるリチウム二次電池用正極材料及びリチウム二次電池は、遷移金属として少なくともMnを含むリチウム遷移金属複合酸化物の表面に、金属フッ化物とリン酸リチウム化合物を有することを特徴とする。なお、本発明にかかるリチウム二次電池は、リチウムを吸蔵放出可能な正極と、リチウムを吸蔵放出可能な負極と、が電解質を介して形成される。
また、そのリチウム遷移金属複合酸化物が、六方晶の層状構造を有し、組成式LiMnx1-x2(但し、0.3≦x≦0.6。MはLi,B,Mg,Al,Co,Niからなる群より選択される一つ以上の元素である)で表わされるリチウム遷移金属複合酸化物、或いは、立方晶のスピネル構造を有し、組成式LiMny 2-y4(但し、1.5≦y≦1.9。NはLi,Mg,Al,Niからなる群より選択される一つ以上の元素である)で表わされるリチウム遷移金属複合酸化物であることを特徴とする。
さらに、金属フッ化物が、AFz(但し、2.0≦z≦3.0であり、Aは2族以上13族以下の金属元素)であることが好ましく、AlF3,NiF2,MgF2からなる群より選択される一つ以上であることがより好ましい。その含有率は、リチウム遷移金属複合酸化物に対して0.1重量%以上3.0重量%以下であることが好ましい。
また、リン酸リチウム化合物が、Li3PO4,Li427,LiPO3からなる群より選択される一つ以上であることが好ましい。その含有率は、リチウム遷移金属複合酸化物に対して0.1重量%以上3.0重量%以下であることが好ましい。
さらに、本発明に係るリチウム二次電池は、50℃の環境下、充放電レート0.5Cで、2.7V以上4.2V以下の範囲を1000サイクルしたときの容量維持率が、75%以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る二次電池モジュールは、電気的に接続された複数の電池と、複数の電池の状態を管理及び制御する制御装置とを有する二次電池モジュールであって、制御装置は、複数の電池の端子間電圧を検知し、複数の電池は、電池缶に、正極,負極及び電解質を有する積層体を構成してなり、正極が、六方晶の層状構造を有し、かつ、組成式LiMnx1-x2(但し、0.3≦x≦0.6。MはLi,B,Mg,Al,Co,Niからなる群より選択される一つ以上の元素である)で表わされるリチウム遷移金属酸化物、或いは、立方晶のスピネル構造を有し、かつ、組成式LiMny 2-y4(但し、1.5≦y≦1.9。NはLi,Mg,Al,Niからなる群より選択される一つ以上の元素である)で表わされるリチウム遷移金属酸化物を有し、リチウム遷移金属酸化物の表面に、金属フッ化物と、リン酸リチウム化合物とを有することを特徴とする。
次に、本発明を実施するための形態の一つを詳細に示す。
図1は、リチウム二次電池の断面概略図を示したものである。
リチウム二次電池は、正極1と負極2との間にセパレータ3が介在する。これら正極1,負極2及びセパレータ3が捲回され、非水電解液とともにステンレス製またはアルミニウム製の電池缶4に封入される。正極1には正極リード7が、負極2には負極リード5が、それぞれ形成され、電流が取り出される。正極1と負極リード5との間、負極2と正極リード7との間には、それぞれ絶縁板9が形成される。また、負極リード5と接触している電池缶4と正極リード7と接触している蓋部6との間には、電解液の漏れ防止とともにプラス極とマイナス極とを分けるパッキン8が形成される。
正極1は、アルミニウム等からなる集電体に正極合剤を塗布して形成される。正極合剤は、リチウムの吸蔵放出に寄与する活物質,導電性を高めるための導電材,集電体との密着性を確保するための結着剤等を有する。
負極2は、銅等からなる集電体に負極合剤を塗布して形成される。負極合剤は、活物質,導電材,結着剤等を有する。負極2の活物質としては、金属リチウムや、炭素材料,リチウムを挿入もしくは化合物の形成が可能な材料を用いることができ、炭素材料が特に好適である。炭素材料としては、天然黒鉛,人造黒鉛等の黒鉛類及び石炭系コークス,石炭系ピッチの炭化物,石油系コークス,石油系ピッチの炭化物,ピッチコークスの炭化物等の非晶質炭素がある。好ましくは、これら上記の炭素材料に種々の表面処理を施したものが望ましい。これらの炭素材料は1種類で用いるだけでなく、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。また、リチウムを挿入もしくは化合物の形成が可能な材料としては、アルミニウム,スズ,ケイ素,インジウム,ガリウム,マグネシウム等の金属及びこれらの元素を含む合金,スズ,ケイ素等を含む金属酸化物が挙げられる。さらにまた、前述の金属や合金や金属酸化物と黒鉛系や非晶質炭素の炭素材料との複合材が挙げられる。
正極1の活物質としては、リチウム遷移金属複合酸化物を用いる。遷移金属として少なくとも安価なMnが含まれることが好ましく、リチウムマンガン複合酸化物(以下、「複合酸化物」と称する)を用いる。このような複合酸化物として、様々な結晶構造を有するものが知られているが、特に、六方晶の層状構造を有し、組成式LiMnx1-x2(但し、0.3≦x≦0.6。MはLi,B,Mg,Al,Co,Niからなる群より選択される一つ以上の元素である)で示されるものと、立方晶のスピネル構造を有し、組成式LiMny 2-y4(但し、1.5≦y≦1.9。NはLi,Mg,Al,Niからなる群より選択される一つ以上の元素である)で示されるものを用いるのが好ましい。LiMnx1-x2及びLiMny 2-y4はLiの拡散経路はそれぞれ2次元と3次元であり、例えばLiFePO4に代表される斜方晶のオリビン構造を有するものはLiの拡散経路が1次元なので、層状構造及びスピネル構造の正極材料はオリビン構造の正極材料よりもLi伝導度が高いといった長所を有する。しかし、層状構造及びスピネル構造の正極材料は、LiとMnのサイト交換によってLi拡散経路が阻害され、Li伝導度が低下することが知られている。このようなLiと遷移金属のサイト交換を抑制するには、遷移金属サイトの一部を異種金属と置換することで、リチウム拡散経路のMnの占有率を下げることができる。置換に用いる元素は、3価のMnの割合を低減させるため、3価以下のより価数の小さな元素が好ましい。本発明では、層状構造の正極材料には1価のLi、2価のMg,Ni、3価のB,Al,Coを、スピネル構造の正極材料には1価のLi、2価のMg,Ni、3価のAlを置換元素として用いることで、Li拡散を低下させることなく、3価のMnの割合を減らすことができた。
ここで、層状構造を有する正極材料のMnの含有量xは0.3≦x≦0.6であるが、x<0.3ではMnを用いたことによるリチウム二次電池の低コスト化への寄与が小さすぎる。一方、0.6<xでは電池反応に寄与しない不活性なMn23,Mn34,Li2MnO3といった不純物が多く生成し、電池容量の低下を招く。好ましくは0.3≦x≦0.5である。
スピネル構造を有する正極材料のMnの含有量yは、1.5≦y≦1.9であるが、y<1.5ではMnの平均価数が高く、Liの授受に寄与するMn量が少なくなり電池容量の低下を招く。一方、1.9<yではMn溶出が起こりやすく寿命低下の懸念がある。好ましくは、1.7≦y≦1.88である。
酸素量は層状構造では2、スピネル構造では4と規定しているが、焼成条件によって量論組成から多少ずれることが知られている。よって、酸素量が5%程度前後するのは本発明の趣旨から外れるものではないと考えられる。
また、高温保存時に正極材料表面からMnの溶出を抑制するには、複合酸化物表面に金属フッ化物とリン酸リチウム化合物を有することが好ましいことが分かった。金属フッ化物はAFz(但し、2.0≦z≦3.0であり、Aは2族以上13族以下の金属元素)で表わされ、酸化金属や硫化金属と比較して標準生成エンタルピーが高く、高温・高電圧といった過酷な状況下でも安定的に存在することができる。また、フッ化金属は、電解液中のリチウム塩の分解等で発生するフッ化水素に対して安定的に存在するため、耐酸性が著しく向上してMn溶出を抑制することができる。フッ化金属は、安価かつ軽量である方がよいので、MgF2,AlF3,NiF2が好ましい。
金属フッ化物の含有量は、複合酸化物に対して0.1重量%以上3.0重量%以下であることが好ましいことが分かった。複合酸化物表面に存在する金属フッ化物は、複合酸化物と電解液との接触面積を低減し、電解液中に含まれるフッ化水素等の活性成分によってMnが溶出するのを抑制する。したがって、金属酸化物の含有量が複合酸化物に対して0.1重量%未満では、複合酸化物と電解液との接触面積を低減させる役割を十分に果たせない。一方、金属フッ化物の含有量が3.0重量%を超える場合、金属フッ化物自体は絶縁体のため、大幅な容量低下を招く。ここで、MgF2,AlF3,NiF2の1mol当たりの重量はそれぞれ、62.3,84.0,96.7gである。上記フッ化金属はそれぞれ重量が異なるため、より好ましい重量範囲も異なる。MgF2,AlF3は複合酸化物に対して0.2重量%以上1.2重量%以下、NiF2は0.3重量%以上1.8重量%以下である。
金属フッ化物の種類や含有量はMn溶出を抑制するのに重要であるが、被覆状態もMn溶出抑制に欠かせないパラメータの一つである。金属フッ化物は、複合酸化物の表面の50%以上99%以下を覆うような形で存在することが好ましい。なぜなら、金属フッ化物自体は絶縁体であり、完全に被覆させると導電性が低下するからである。また、被膜の厚さも5nm以上50nm以下程度が好ましい。5nm未満では充放電時の正極材料の膨張収縮によって割れが生じ、Mn溶出を抑制することができなくなる。一方、50nmを超えると、電子導電性が急激に低下してしまう。
さらに、金属フッ化物で複合酸化物を被覆した後に熱処理を加えることによって、金属フッ化物と複合酸化物の界面に固溶層が形成される。この固溶層は、複合酸化物中のMnサイトに金属フッ化物中の金属元素が置換した構造を有すると考えられ、複合酸化物のMnの安定化に寄与する。熱処理しない場合、金属フッ化物と複合酸化物の密着性は低く、充放電反応時の正極材料の膨張収縮によって金属フッ化物からなる被膜が破壊され、被覆の効果が失われてしまう恐れがある。
さらに、複合酸化物を金属フッ化物単独で被覆すると導電性が低下するため、金属フッ化物と共にリン酸リチウム化合物を分布させると、導電性の低下を抑制できることが分かった。リチウムリン酸化合物としては導電性の高いLi3PO4,Li427,LiPO3や、電子伝導性は低いものの、リチウムの吸蔵放出が可能なLiFePO4,LiMnPO4,LiNiPO4,LiCoPO4等が挙げられる。本発明では、リン酸リチウム化合物は導電性が高いことが望ましく、Li3PO4,Li427,LiPO3を金属フッ化物と共に有するのが好ましい。特に、Li3PO4は熱安定性,導電性の面で他の化合物を上回っており、最適である。
また、リン酸リチウム化合物の分布も重要である。例えば、複合酸化物と金属フッ化物の間にあると、リン酸リチウム化合物による導電性向上の効果は小さく、その上、複合酸化物と金属フッ化物との密着性が低下し、金属フッ化物によるMn溶出抑制の効果が低減してしまうため、好ましくない。リン酸リチウム化合物は、金属フッ化物上か、金属フッ化物が被覆されていない複合酸化物表面に多く存在するのが好ましい。含有するリン酸リチウム化合物のうち少なくとも半分以上が上記の場所に分布することによって、金属フッ化物によるMn溶出抑制と、リン酸リチウム化合物による導電性の向上を両立することが可能になる。
リン酸リチウム化合物の含有量は、複合酸化物に対して0.1重量%以上3.0重量%以下であることが好ましいことが分かった。リン酸リチウム化合物の含有量が0.1重量%未満では導電性の低下を補うことができず、3.0重量%以上では複合酸化物から剥離し、異物として存在するため電池特性の低下を招く。より好ましくは0.2重量%以上2.0重量%以下である。
複合酸化物の表面に金属フッ化物やリン酸リチウム化合物を有するには、表面被覆処理が必要になる。まず初めに、金属フッ化物及びリン酸リチウム化合物を複合酸化物表面に被覆する段階として、粉末の状態,電極の状態,電池として作動した状態、の三パターンが考えられる。電極の状態で表面を被覆するには、通常、電極は集電体の両面に塗布されているので集電体の両面を被覆処理する必要があり、かつ電極未塗工部の集電箔を被覆しないようにしなければならないので、工程が煩雑になる。一方、電池として作動した状態で被覆するには、電解液中に金属フッ化物やリン酸リチウム化合物を添加剤として加えなければならない。この場合、添加剤の粒径がセパレータの空孔径より大きいと、セパレータの目詰まりの原因となって電池特性が大幅に低下してしまう。また、電気化学的に正極表面に被膜を形成した場合、熱処理を加えることが困難で、充放電による正極材料の膨張収縮によって表面被膜は破壊され、被覆の効果が得られないといった課題がある。
したがって、表面被覆処理は粉末の状態で行うのが好ましい。粉末の表面処理の手法に関しては、大別して固相法と液相法が挙げられるが、液相法が好ましい。液相法の利点は、複合酸化物の表面を均一に覆うことが可能,被覆材の粒子径のコントロールが可能,複合酸化物表面を物理的に傷つける可能性が小さい、等である。
本発明では、金属フッ化物とリン酸リチウム化合物の2種類が複合酸化物の表面に存在する。
金属フッ化物とリン酸リチウム化合物は、ただ存在すれば良いわけではなく、正極表面からのMn溶出抑制と導電性を両立させるには、被覆状態が重要になる。金属フッ化物は、正極材料と電解液との接触面積を低減させる役割があり、正極表面に広く分布するのが好ましい。一方、リン酸リチウム化合物は、フッ化金属によって低下する導電性を維持する役割があるので、金属フッ化物上か、金属フッ化物が被覆されていない複合酸化物表面に存在するのが好ましい。
したがって、表面処理工程では、まず金属フッ化物を正極表面に被覆させ、次にリン酸リチウム化合物を被覆させる。その後、熱処理することで正極材料と被膜の密着性向上を向上させる。この順序で被覆することによって、正極材料が充放電時に膨張収縮しても破壊されにくい強固な被膜を形成できることが分かった。
金属フッ化物を正極表面に被覆させるには、以下の手順を用いることもできる。まず初めに、正極表面に金属酸化物や金属硫化物を被覆させ、フッ素ガス雰囲気下で保持して表面の被膜をフッ化金属に変化させる。次にリン酸リチウム化合物を前記のように被覆させた後、熱処理する。
リチウム遷移金属複合酸化物の表面に、金属フッ化物とリン酸リチウム化合物を有することを特徴とするリチウム二次電池用正極材料は、単独で用いても良いし、正極材料や被覆化合物,被覆条件を変更した2種類以上を混合して用いても良い。また、被覆していない正極材料や、斜方晶のオリビン構造を有する正極材料と混合して用いても良い。
本発明におけるリチウム二次電池は、50℃の環境下、充放電レート0.5Cで、2.7V以上4.2V以下の範囲を1000サイクルしたときの容量維持率が75%以上であり、好ましくは80%以上である。
ここで、「充放電レート1C」とは、電池を放電し切った状態から充電する場合において、1時間で100%の充電を完了すること、及び電池を充電し切った状態から放電する場合において、1時間で100%の放電を完了することをいう。すなわち、充電または放電の速さが1時間当たり100%であることをいう。したがって、充放電レート0.5Cの場合、2時間当たり100%、すなわち2時間で100%の充電または放電が完了する速さである。
次に、複合酸化物を正極材料として場合の作製方法について説明する。
正極材料の原料として以下のものを用いることができる。
リチウム化合物としては、水酸化リチウム,炭酸リチウム,硝酸リチウム,酢酸リチウム,塩化リチウム,硫酸リチウム等を用いることができるが、好ましくは水酸化リチウム,炭酸リチウムである。
マンガン化合物としては、水酸化マンガン,炭酸マンガン,硝酸マンガン,酢酸マンガン,硫酸マンガン,酸化マンガン等を用いることができるが、好ましくは炭酸マンガン,酸化マンガンである。置換元素の化合物としては、水酸化物,炭酸塩,硝酸塩,酢酸塩,硫酸塩,酸化物等が挙げられる。
原料となる物質は、所定の組成比の粉体として供給し、これをボールミル等の機械的な方法で粉砕し混合する。粉砕混合は、乾式又は湿式のどちらの方法を用いてもよい。そして、得られた粉末を800℃以上1000℃以下、好ましくは850℃以上950℃以下で焼成する。焼成する際の雰囲気は酸素,空気といった酸化ガス雰囲気が好ましい。焼成後に得られる粉末の平均二次粒子径は、3μm以上30μm以下が好ましい。3μm未満では、比表面積が大きすぎて電解液と正極材料の接触面積が増加し、Mnが溶出しやすくなる。一方、30μmを超えると、正極材料内のLi拡散経路が長くなり、Liの吸蔵放出に不利である。より好ましくは、5μm以上25μm以下である。
このようにして得られた正極材料粉末を用い、次に表面処理を施す。
液相法による表面処理方法を以下に示す。
水や有機溶媒にMg,Al,Niの群から選ばれる金属元素を含む硝酸塩,酢酸塩,硫酸塩を所定量溶解させる。さらに、別途、同じ溶媒を用いてフッ素を含む化合物を溶解させる。フッ素を含む化合物としてはフッ化アンモニウムが好ましい。そして、2種の溶液を混合した後、水溶液のpHが8以上10以下の弱アルカリ性になるようにpH調整剤で調整する。ここで、pH調整剤としては、エタノールアミン,水酸化ナトリウム,アンモニア水等を挙げることができる。このように弱アルカリ性の溶液にすることで、金属源とフッ素源の化合物の反応が促進され、金属フッ化物が沈殿する。このようにして調整した溶液中に、前記正極材料を混合し、表面に金属フッ化物を付着させる。次に、リン酸塩を溶解させた水または有機溶媒を加えた後、溶液から溶媒を蒸発させた。溶媒の蒸発は加熱攪拌や噴霧乾燥で行うことが好ましい。最後に、得られた粉末を300℃以上700℃以下、好ましくは400℃以上600℃以下で加熱処理する。加熱処理することで、正極粒子表面に付着している沈殿物が反応し、金属フッ化物と正極材料の間に強固な密着性を付与できる。加熱処理時間は1時間以上20時間以下、好ましくは3時間以上8時間以下である。
或いは、フッ素化合物を添加せずに、フッ素ガス雰囲気中に保持して金属フッ化物を被覆させることもできる。フッ素ガスとしては三フッ化窒素ガスが好ましい。
(結晶構造の確認)
作製した正極材料の結晶構造は、自動X線回折装置(リガク社製 RINT−UltimaIII 以下、XRDと略す)を用い、線源CuKαで回折プロファイルを測定した。得られた回折プロファイルのピーク角度から結晶構造を確認した。
(平均粒径の測定法)
正極材料の平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA−920 堀場製作所社製)を用いて、レーザー回折/散乱法により以下のように測定した。まず、分散剤として純水に0.2重量%のヘキサメタリン酸ナトリウムを混合したものを使用し、材料を投入した。材料の凝集を抑制するため、5分間超音波をかけた後、メディアン径(相対粒子量が50%である粒子の粒子径)を測定して平均粒径とした。
(元素の重量比の測定法)
表面処理に用いた金属元素の重量比及び、電解液中に溶解したMnの重量比は、高周波誘導結合プラズマ発光分光(以下ICPと略す)分析装置(日立製作所製 P−4000)を用いて測定した。まず、ビーカーに入れた45mlのイオン交換水に5gの正極材料と2mlの硝酸、または5mlの電解液を投入し、スターラーで30分間攪拌した。5分間放置後、濾紙で濾過した炉液をアルゴンガスと共に高周波雰囲気中に噴霧し、励起された各元素特有の光の強度を測定して元素の重量比を算出した。
(被覆化合物の確認)
表面被覆化合物の結合状態は、X線光電子分光(以下XPSと略す)装置(島津/KRATOS社製 AXIS−HS)を用い、線源AlKαで各元素のスペクトルを測定した。被覆化合物に関しては、化合物中に含まれる金属元素のスペクトルを測定し、ピーク位置をNISTのStandard Reference Database 20 Version3.5と比較して化合物種を決定した。
リチウム二次電池の作製方法の一例を示すと以下のとおりである。
正極材料を炭素材料粉末の導電材及びポリフッ化ビニリデン等の結着剤と共に混合してスラリーを作製する。正極材料に対する導電材の混合比は3重量%以上10重量%以下が望ましい。また、正極材料に対する結着剤の混合比は2重量%以上10重量%以下が望ましい。
このとき、正極材料をスラリー中で均一に分散させるため、混練機を用いて充分な混練を行うことが好ましい。
得られたスラリーは、例えばロール転写機等によって、厚み15μm以上25μm以下のアルミ箔上に両面塗布する。両面塗布した後、プレス乾燥することによって正極板1の電極板を形成する。正極材料,導電材,結着剤を混合した合剤部分の厚さは200μm以上250μm以下が望ましい。
負極は、正極と同様に結着剤と混合して塗布プレスし、電極を形成する。ここで、電極合材の厚さは20μm以上70μm以下が望ましい。負極の場合は、集電体として厚さ7μm以上20μm以下の銅箔を用いる。塗布の混合比は、例えば負極材料と結着剤の重量比で90:10が望ましい。
塗布プレスした正極及び負極電極は所定の長さに切断し、電流引き出し用のタブ部をスポット溶接または超音波溶接により形成する。タブ部は長方形の形状をした集電体とそれぞれ同じ材質の金属箔からできており、電極から電流を取り出すために設置するものである。タブ付けされた正極及び負極の間に微多孔質膜、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等からなるセパレータを挟んで重ね、これを円筒状に捲いて電極群とし、円筒状容器に収納する。或いは、セパレータに袋状のものを用いてこの中に電極を収納し、これらを順次重ねて角型容器に収納しても良い。容器の材質はステンレスまたは、アルミが望ましい。電極群を電池容器に収納した後、電解液を注入し密封する。
電解液としてはジエチルカーボネート(DEC),ジメチルカーボネート(DMC),エチレンカーボネート(EC),プロピレンカーボネート(PC),ビニレンカーボネート(VC),メチルアセテート(MA),エチルメチルカーボネート(EMC),メチルプロピルカーボネート(MPC)等の溶媒に電解質として6フッ化リン酸リチウム(LiPF6),4フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4),過塩素酸リチウム(LiClO4)等を溶解させたものを用いるのが望ましい。電解質濃度は0.7M以上1.5M以下が望ましい。電解液を注液して、電池容器を密閉して電池が完成する。
以下、さらに詳細に実施例を説明するが、本発明はこうした実施例に限定されるものではない。
(正極材料の作製)
実施例1では、正極材料作製の原料として炭酸リチウム,四三酸化マンガン,二酸化コバルト,酸化ニッケルを使用し、原料比でLi:Mn:Co:Niが、1.02:0.34:0.5:0.14となるように秤量し、粉砕機で湿式粉砕混合した。粉末は乾燥した後、高純度アルミナ容器に入れ、焼結性を高めるため大気中600℃で12時間の仮焼成を行った。次に、再び高純度アルミナ容器に入れ、大気中900℃,12時間保持の条件で本焼成し、空冷後、解砕分級した。得られた正極材料のX線回折プロファイルを図2に示す。得られたピークをInternational Centre for Diffraction Dataカード(PDF−2)と照合し、六方晶の層状構造であることを確認した。よって、正極材料の組成はLiMn0.34(Li0.02Co0.5Ni0.14)O2である。また、正極材料の粒度分布を測定したところ、平均粒径は6μmであった。
表面処理工程について説明する。
硝酸アルミニウム2.3gを溶解させたイオン交換水100mlにフッ化アンモニウム0.66gを溶解させたイオン交換水100mlを加え、混合溶液を作製した。この混合溶液にpH調整剤として水酸化リチウム加え、混合溶液のpHを10.0とした。次に、正極材料100gを投入し、最後にリン酸水素二アンモニウム0.78gを溶解させたイオン交換水300mlを加えて常温で1時間攪拌した。そして、この溶液を噴霧乾燥機で乾燥し、得られた粉末を高純度アルミナ容器に入れ、600℃で5時間加熱した。
表面処理後の正極材料をXPS分析して得られたAl2pとP2pのスペクトルを図3に示す。Al2pは76.3eVにピークを有し、データベースからAlF3と一致した。また、P2pは133.6eVにピークを有し、データベースからLi3PO4と一致した。これらの結果から、正極材料の最表面にAlF3とLi3PO4が存在することが分かった。
正極材料をICP分析し、Mnに対するAl及びPの重量比から正極材料に対してAlF3が0.5重量%、Li3PO4が0.5重量%であることが分かった。
(正極電極の作製)
得られた正極材料を用いて正極電極を作製した。正極材料,炭素系導電材料及び、あらかじめ溶媒のN−メチル−2−ピロジノン(NMP)に溶解させた結着剤を質量パーセントで表してそれぞれ85:10:5の割合で混合し、均一に混合されたスラリーを厚み20μmのアルミ集電体箔上に塗布した。その後120℃で乾燥し、プレスにて電極密度が2.7g/cm3になるよう圧縮成形した。圧縮成形後、直径15mmの円盤状に打ち抜き金具を用いて打ち抜き、正極電極を作製した。
(試験電池の作製)
上記正極電極を用い、金属リチウムを負極、1.0モルのLiPF6を電解質としたエチルカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒を電解液として試験電池を作製した。
Mnの溶出量評価について説明する。
上記正極電極のMnの溶出量を以下の手順で評価した。試験電池を用い、充電レートを0.5Cとして4.3Vまで定電流/定電圧で充電した後、所望の電圧まで0.5Cの放電レートで定電流放電した。これを3サイクル繰り返した後、充電レートを0.5Cとして4.3Vまで定電流/定電圧で充電した。その後、試験電池を解体して正極電極を取り出し、アルゴン雰囲気中のグローブボックス内でフッ素樹脂(PFA)製容器に充電電極とECとMECを体積比で1:2となるよう混合した有機溶媒液にLiPF6を1mol/l溶解させた電解液5ccを入れて密封した。この容器をグローブボックスから取り出し、80℃の恒温槽に入れて1週間放置した。1週間後、恒温槽から容器を取り出し、アルゴン雰囲気中のグローブボックス内で電解液5ccを取り出した。取り出した電解液中に溶解したMnを、ICP装置を用いて定量した。
算出されたMn溶出量は7ppmであった。
実施例1で作製した正極材料の特性を表1に示す。
Figure 0005111421
18650(直径18mm×高さ650mm)型電池の作製について説明する。
得られた正極材料を用いて18650型電池を作製した。最初に、表面処理した正極材料,炭素材料粉末の導電材,PVdFの結着剤を、重量比で90:5:5となるよう混合し、適量のNMPを加えてスラリーを作製した。
作製されたスラリーをプラネタリーミキサーで3時間攪拌して、混練を行った。
次に、混練されたスラリーを、ロール転写機の塗布機を用いて、厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に塗布した。これをロールプレス機で合剤密度が2.70g/cm3となるようプレスし、正極を得た。
負極活物質として黒鉛を、導電材としてカーボンブラックを、結着剤としてPVdFを用い、重量比で92:2:6となるように混合し、スラリーミキサーで30分攪拌して混練を行った。
混練されたスラリーを、塗布機を用いて、厚さ10μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥した後に、ロールプレスでプレスし、負極を得た。
正極及び負極の電極を、それぞれ所定の大きさに裁断し、電極においてスラリーの未塗布部に集電タブを超音波溶接で設置した。
この正極及び負極の電極の間に多孔性のポリエチレンフィルムを挟んで円筒状に捲回した後に、18650型電池缶に挿入した。
集電タブと電池缶の蓋部とを接続した後、電池缶の蓋部と電池缶とをレーザー溶接により溶接して電池を密封した。
最後に、電池缶に設けた注液口から非水電解液を注入して18650型電池を得た。
レート特性の評価について説明する。
作製した18650型電池のレート特性は、以下の手順で評価した。最初に、充電レート0.2Cで4.2Vまで定電流/定電圧で充電した。1時間の休止を挟んだ後、放電レートそれぞれ0.2C以上10C以下の電流で2.5Vまで定電流放電した。このときの、0.2C放電時の放電容量に対する10C放電時の放電容量をレート率(%)と定義した。結果を表2に示す。
サイクル特性の評価について説明する。
作製した18650型電池のサイクル特性は、以下の手順で行った。0.5Cの電流を流して充電終止電圧4.2Vまで定電流充電し、1時間の休止をはさんだ後に、同じ電流値で2.7Vまで定電流放電した。これを1000サイクル繰り返し、1000サイクル/1サイクル目の容量維持率を算出した。試験環境温度は50℃とした。結果を表2に示す。
Figure 0005111421
本実施例では、原料として酸化ホウ素を追加し、原料比で、Li:Mn:Co:Ni:Bが、1.02:0.3:0.3:0.14:0.24となるように秤量し、実施例1と同様に正極材料を作製した。本実施例の結晶構造は六方晶の層状構造で、組成はLiMn0.3(Li0.02Co0.3Ni0.140.24)O2である。
そして、硝酸アルミニウムを4.6g、フッ化アンモニウムを1.3g用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にAlF3とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しAlF3が1.0重量%、Li3PO4が0.5重量%であることが分かった。本実施例では、Mn溶出量は9重量ppmであった。
実施例2で作製した正極材料の特性を表3に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表4に示す。
実施例2で作製した正極電極も、高い性能を示していることが分かる。
本実施例では、原料として二酸化コバルトの代わりに酸化アルミニウムを用い、原料比で、Li:Mn:Ni:Alが、1.02:0.5:0.2:0.27となるように秤量し、実施例1と同様に正極材料を作製した。本実施例の結晶構造は六方晶の層状構造で、組成はLiMn0.5(Li0.02Ni0.2Al0.27)O2である。
そして、硝酸アルミニウムの代わりに硝酸マグネシウム0.7gを、また、フッ化アンモニウム0.26g,リン酸水素二アンモニウム0.31gを用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にMgF2とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しMgF2が0.2重量%、Li3PO4が0.2重量%であることが分かった。本実施例では、Mn溶出量は12重量ppmであった。
実施例3で作製した正極材料の特性を表3に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表4に示す。
実施例3で作製した正極電極も、高い性能を示していることが分かる。
本実施例では、原料として二酸化コバルトの代わりに酸化アルミニウムと酸化ホウ素を用い、原料比で、Li:Mn:Ni:Al:Bが、1.02:0.3:0.1:0.27:0.2となるように秤量し、実施例1と同様に正極材料を作製した。本実施例の結晶構造は六方晶の層状構造で、組成はLiMn0.3(Li0.02Ni0.1Al0.270.2)O2である。
そして、硝酸アルミニウムの代わりに硝酸ニッケル0.64gを、また、フッ化アンモニウム1.3g,リン酸水素二アンモニウム3.1gを用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にNiF2とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しNiF2が0.5重量%、Li3PO4が2.0重量%であることが分かった。本実施例では、Mn溶出量は4重量ppmであった。
実施例4で作製した正極材料の特性を表3に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表4に示す。
実施例4で作製した正極電極も、高い性能を示していることが分かる。
本実施例では、原料として酸化アルミニウムを追加し、原料比で、Li:Mn:Co:Ni:Alが、1.05:0.4:0.3:0.15:0.1となるように秤量し、実施例1と同様に正極材料を作製した。本実施例の結晶構造は六方晶の層状構造で、組成はLiMn0.4(Li0.05Co0.3Ni0.15Al0.1)O2である。
そして、硝酸アルミニウムの代わりに硝酸マグネシウムを1.8g、また、リン酸水素二アンモニウムを1.6g用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にMgF2とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しMgF2が0.5重量%、Li3PO4が1.0重量%であることが分かった。本実施例では、Mn溶出量は1重量ppmであった。
実施例5で作製した正極材料の特性を表3に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表4に示す。
実施例5で作製した正極電極も、高い性能を示していることが分かる。
本実施例では、原料として酸化マグネシウムを追加し、原料比で、Li:Mn:Co:Ni:Mgが、1.02:0.4:0.35:0.20:0.03となるように秤量し、実施例1と同様に正極材料を作製した。本実施例の結晶構造は六方晶の層状構造で、組成はLiMn0.4(Li0.02Co0.35Ni0.2Mg0.03)O2である。
そして、リン酸水素二アンモニウムを1.6g用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にAlF3とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しAlF3が0.5重量%、Li3PO4が1.0重量%であることが分かった。本実施例では、Mn溶出量は5重量ppmであった。
実施例6で作製した正極材料の特性を表3に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表4に示す。
実施例6で作製した正極電極も、高い性能を示していることが分かる。
本実施例では、原料として二酸化コバルトの代わりに酸化マグネシウムを用い、原料比で、Li:Mn:Ni:Mgが、1.02:0.6:0.2:0.18となるように秤量し、実施例1と同様に正極材料を作製した。本実施例の結晶構造は六方晶の層状構造で、組成はLiMn0.6(Li0.02Ni0.2Mg0.18)O2である。
そして、硝酸アルミニウムの代わりに硝酸アルミニウムを1.4g、また、フッ化アンモニウム0.4g,リン酸水素二アンモニウム0.31gを用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にAlF3とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しAlF3が0.3重量%、Li3PO4が0.2重量%であることが分かった。本実施例では、Mn溶出量は5重量ppmであった。
実施例7で作製した正極材料の特性を表3に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表4に示す。
実施例7で作製した正極電極も、高い性能を示していることが分かる。
本実施例では、原料として炭酸リチウム,四三酸化マンガン,酸化マグネシウムを使用し、原料比でLi:Mn:Mgが、1.08:1.88:0.04となるように秤量し、実施例1と同様に正極材料を作製した。本実施例の結晶構造は立方晶のスピネル構造で、組成はLiMn1.88(Li0.08Mg0.04)O4である。
そして、硝酸アルミニウムを4.6g、また、フッ化アンモニウムを1.3g、リン酸水素二アンモニウムを2.3g用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にAlF3とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しAlF3が1.0重量%、Li3PO4が1.5重量%であることが分かった。本実施例では、Mn溶出量は21重量ppmであった。
実施例8で作製した正極材料の特性を表3に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表4に示す。
実施例8で作製した正極電極も、高い性能を示していることが分かる。
本実施例では、原料として炭酸リチウム,四三酸化マンガン,酸化ニッケルを使用し、原料比でLi:Mn:Niが、1.04:1.9:0.06となるように秤量し、実施例1と同様に正極材料を作製した。本実施例の結晶構造は立方晶のスピネル構造で、組成はLiMn1.9(Li0.04Ni0.06)O4である。
そして、硝酸アルミニウムの代わりに硝酸マグネシウムを14g、また、フッ化アンモニウムを4g,リン酸水素二アンモニウムを3.1g用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にMgF2とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しMgF2が3.0重量%、Li3PO4が2.0重量%であることが分かった。本実施例では、Mn溶出量は10重量ppmであった。
実施例9で作製した正極材料の特性を表3に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表4に示す。
実施例9で作製した正極電極も、高い性能を示していることが分かる。
本実施例では、原料として炭酸リチウム,四三酸化マンガン,酸化アルミニウムを使用し、原料比でLi:Mn:Alが、1.08:1.7:0.22となるように秤量し、実施例1と同様に正極材料を作製した。本実施例の結晶構造は立方晶のスピネル構造で、組成はLiMn1.7(Li0.08Al0.22)O4である。
そして、硝酸アルミニウムの代わりに硝酸ニッケルを2.5g、また、フッ化アンモニウム0.73g,リン酸水素二アンモニウムを3.1g用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にNiF2とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しNiF2が2.0重量%、Li3PO4が2.0重量%であることが分かった。本実施例では、Mn溶出量は14重量ppmであった。
実施例10で作製した正極材料の特性を表3に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表4に示す。
実施例10で作製した正極電極も、高い性能を示していることが分かる。
本実施例では、原料として炭酸リチウム,四三酸化マンガン,酸化ニッケル,酸化アルミニウムを使用し、原料比でLi:Mn:Ni:Alが、1.02:1.5:0.2:0.28となるように秤量し、実施例1と同様に正極材料を作製した。本実施例の結晶構造は立方晶のスピネル構造で、組成はLiMn1.5(Li0.02Ni0.2Al0.28)O4である。
そして、硝酸アルミニウムの代わりに硝酸マグネシウム3.5gを、また、フッ化アンモニウム1.3g,リン酸水素二アンモニウム1.6gを用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にMgF2とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しMgF2が1.0重量%、Li3PO4が1.0重量%であることが分かった。本実施例では、Mn溶出量は7重量ppmであった。
実施例11で作製した正極材料の特性を表3に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表4に示す。
実施例11で作製した正極電極も、高い性能を示していることが分かる。
本実施例では、原料として炭酸リチウム,四三酸化マンガン,酸化マグネシウム,酸化アルミニウムを使用し、原料比でLi:Mn:Mg:Alが、1.04:1.82:0.04:0.1となるように秤量し、実施例1と同様に正極材料を作製した。本実施例の結晶構造は立方晶のスピネル構造で、組成はLiMn1.82(Li0.04Mg0.04Al0.1)O4である。
そして、硝酸アルミニウムの代わりに硝酸ニッケル0.64gを、また、フッ化アンモニウム0.33g,リン酸水素二アンモニウム1.6gを用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にNiF2とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しNiF2が0.5重量%、Li3PO4が1.0重量%であることが分かった。本実施例では、Mn溶出量は18重量ppmであった。
実施例12で作製した正極材料の特性を表3に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表4に示す。
実施例12で作製した正極電極も、高い性能を示していることが分かる。
Figure 0005111421
Figure 0005111421
〔比較例1〕
本比較例では、実施例1と比較して、原料として四酸化三コバルトを除き、原料比でLi:Mn:Ni=1.02:0.8:0.18となるよう秤量し、実施例1と同様に正極材料を作製した。本実施例の結晶構造は六方晶の層状構造で、組成はLiMn0.8(Li0.02Ni0.18)O2である。
そして、硝酸アルミニウムの代わりに硝酸マグネシウム1.8gを用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にMgF2とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しMgF2が0.5重量%、Li3PO4が0.5重量%であることが分かった。本比較例では、Mn溶出量は65重量ppmであった。これは、正極材料のMn比が高く、Mnの平均価数が低すぎたためである。
比較例1で作製した正極材料の特性を表5に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表6に示す。
表5及び表6から、比較例1で作製した正極電極は、実施例で作製したものと比較して、レート率と容量維持率のいずれも劣ることが分かった。
Figure 0005111421
Figure 0005111421
〔比較例2〕
本比較例では、実施例1と同様に正極材料を作製した。
そして、硝酸アルミニウムとフッ化アンモニウムを除き、実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対し、Li3PO4が0.5重量%であることが分かった。本比較例では、Mn溶出量は308重量ppmであった。これは、フッ化金属による電解液と正極材料の接触面積低減が無くなったからである。
比較例2で作製した正極材料の特性を表5に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表6に示す。
表5及び表6から、比較例2で作製した正極電極は、実施例で作製したものと比較して、容量維持率が大きく劣ることが分かった。
〔比較例3〕
本比較例では、実施例2と同様に正極材料を作製した。
そして、硝酸アルミニウムの代わりに硝酸マグネシウム0.23gを、また、フッ化アンモニウムを0.07g、リン酸水素二アンモニウムを0.04g用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にMgF2とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しMgF2が0.05重量%、Li3PO4が0.1重量%であることが分かった。本比較例では、Mn溶出量は35重量ppmであった。これは、フッ化金属の量が少なく、正極表面を十分に被覆できなかったためである。
比較例3で作製した正極材料の特性を表5に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表6に示す。
表5及び表6から、比較例3で作製した正極電極は、実施例で作製したものと比較して、容量維持率が劣ることが分かった。
〔比較例4〕
本比較例では、実施例2と同様に正極材料を作製した。
そして、硝酸アルミニウムを41g、フッ化アンモニウムを12g、リン酸水素二アンモニウムを4.7g用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にAlF3とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しAlF3が9.0重量%、Li3PO4が3.0重量%であることが分かった。本比較例では、Mn溶出量は検出限界以下(0.5ppm未満)であった。
比較例4で作製した正極材料の特性を表5に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表6に示す。
表5及び表6から、比較例4で作製した正極電極は、実施例で作製したものと比較して、レート率と容量維持率のいずれも劣ることが分かった。これは、絶縁体である金属フッ化物が正極表面を完全に被覆し、導電性が低下したためである。
〔比較例5〕
本比較例では、実施例1と同様に正極材料を作製した。
そして、リン酸水素二アンモニウムを除き、硝酸アルミニウムを9.2g、フッ化アンモニウムを2.6g用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にAlF3の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対し、AlF3が2.0重量%であることが分かった。本比較例では、Mn溶出量は10重量ppmであった。
比較例5で作製した正極材料の特性を表5に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表6に示す。
表5及び表6から、比較例5で作製した正極電極は、実施例で作製したものと比較して、レート率が大きく劣ることが分かった。これは、絶縁体である金属フッ化物のみで被覆したためである。
〔比較例6〕
本比較例では、実施例2と同様に正極材料を作製した。
そして、硝酸アルミニウムの代わりに硝酸マグネシウムを3.6g、また、フッ化アンモニウムを1.3g、リン酸水素二アンモニウムを0.08g用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にMgF2とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しMgF3が1.0重量%、Li3PO4が0.05重量%であることが分かった。本比較例では、Mn溶出量は10重量ppmであった。
比較例6で作製した正極材料の特性を表5に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表6に示す。
表5及び表6から、比較例6で作製した正極電極は、実施例で作製したものと比較して、レート率が劣ることが分かった。これは、リン酸リチウム化合物が少なく、導電性には不十分だったためである。
〔比較例7〕
本比較例では、実施例2と同様に正極材料を作製した。
そして、硝酸アルミニウムの代わりに硝酸マグネシウムを3.6g、また、フッ化アンモニウムを1.3g、リン酸水素二アンモニウムを12g用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にMgF2とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しMgF2が1.0重量%、Li3PO4が8.0重量%であることが分かった。本比較例では、Mn溶出量は9重量ppmであった。
比較例7で作製した正極材料の特性を表5に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表6に示す。
表5及び表6から、比較例7で作製した正極電極は、実施例で作製したものと比較して、容量維持率が劣ることが分かった。これは、リン酸リチウム化合物が多すぎたためである。
〔比較例8〕
本比較例では、実施例8と同様に正極材料を作製した。
次に、表面処理工程では、まず初めにリン酸水素二アンモニウム2.3gを溶解させたイオン交換水300mlに正極材料100gを投入した。そして、硝酸ニッケル1.2gとフッ化アンモニウム0.38gを溶解させたイオン交換水200mlに水酸化リチウムを加えてpH10の混合溶液を準備し、正極材料入りの溶液に加えて常温で1時間攪拌した。その後は実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にNiF2とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しNiF2が1.0重量%、Li3PO4が1.5重量%であることが分かった。本比較例では、Mn溶出量は161重量ppmであった。これは、フッ化金属が正極表面を十分に被覆できていないためである。被覆する順番を変更したことによって、リン酸リチウム化合物が正極表面に存在し、金属フッ化物がその上から被覆するような形態になったと考えられる。
比較例8で作製した正極材料の特性を表5に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表6に示す。
表5及び表6から、比較例8で作製した正極電極は、実施例で作製したものと比較して、レート率と容量維持率のいずれも劣ることが分かった。
〔比較例9〕
本比較例では、原料として炭酸リチウム、四三酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化マグネシウムを使用し、原料比でLi:Mn:Mgが、1.02:1.96:0.02となるように秤量し、実施例1と同様に正極材料を作製した。本実施例の結晶構造は立方晶のスピネル構造で、組成はLiMn1.96(Li0.02Mg0.02)O4である。
そして、硝酸アルミニウムを4.6g、フッ化アンモニウム1.3g、リン酸水素二アンモニウム1.6gを用いて実施例1と同様に表面処理した。正極材料をXPS分析した結果、最表面にAlF3とLi3PO4の存在が確認でき、ICP分析結果から正極材料に対しAlF3が1.0重量%、Li3PO4が1.0重量%であることが分かった。本比較例では、Mn溶出量は117重量ppmであった。これは、立方晶のスピネル構造を有する正極材料に含まれるMn量が多すぎて、3価のマンガンの割合が増加したためである。
比較例9で作製した正極材料の特性を表5に示す。
実施例1と同様に、18650型電池を作製してエネルギー密度及び容量維持率を評価し、結果を表6に示す。
表5及び表6から、比較例9で作製した正極電極は、実施例で作製したものと比較して、レート率と容量維持率のいずれも劣ることが分かった。
本実施形態によれば、リチウム遷移金属複合酸化物の表面に、金属フッ化物とリン酸リチウム化合物を有することでMn溶出を抑制し、レート率及びサイクル寿命に優れたリチウム二次電池を提供できる。
また、図4は、本実施形態で作製したリチウム二次電池を搭載した二次電池システムの概略を示したものである。
リチウム二次電池10は、例えば、4個以上8個以下の複数個が直列に接続され、リチウム二次電池群を形成する。そして、こうしたリチウム二次電池群を、さらに複数個有して二次電池モジュールを構成する。
セルコントローラ11は、こうしたリチウム二次電池群に対応して形成され、リチウム二次電池10を制御する。セルコントローラ11は、リチウム二次電池10の過充電や過放電のモニターやリチウム二次電池の残存容量のモニターを行う。
バッテリーコントローラ12は、セルコントローラ11に信号を、例えば、通信手段を使用して与えると共に、セルコントローラ11から信号を、例えば、通信手段を使用して得る。
バッテリーコントローラ12は、セルコントローラ11に対する電力の入出力管理を行う。
バッテリーコントローラ12は、例えば、最初のセルコントローラ11の入力部111に信号を与える。こうした信号が、セルコントローラ11の出力部112から他のセルコントローラ11の入力部111にシリーズに伝えられる。こうした信号は、最後のセルコントローラ11の出力部112からバッテリーコントローラ12に与えられる。
こうしてバッテリーコントローラ12は、セルコントローラ11をモニターすることが可能となる。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電池缶
5 負極リード
6 蓋部
7 正極リード
8 パッキン
9 絶縁板
10 リチウム二次電池
11 セルコントローラ
12 バッテリーコントローラ
13 信号線
111 入力部
112 出力部

Claims (5)

  1. 遷移金属として少なくともMnを含むリチウム遷移金属複合酸化物の表面に、金属フッ化物とリン酸リチウム化合物を有し、
    前記金属フッ化物が、AlF,NiF,MgFからなる群より選択される一つ以上であり、
    前記リン酸リチウム化合物が、LiPO,Li,LiPOからなる群より選択される一つ以上であり、
    前記リチウム遷移金属複合酸化物が、六方晶の層状構造を有し、組成式LiMn1−x(但し、0.3≦x≦0.6。MはLi,B,Mg,Al,Co,Niからなる群より選択される一つ以上の元素である)で表わされるリチウム遷移金属複合酸化物、或いは、立方晶のスピネル構造を有し、組成式LiMn2−y(但し、1.5≦y≦1.9。NはLi,Mg,Al,Niからなる群より選択される一つ以上の元素である)で表わされるリチウム遷移金属複合酸化物であり、
    前記金属フッ化物の含有率が、前記リチウム遷移金属複合酸化物に対して0.1重量%以上3.0重量%以下であり、
    前記リン酸リチウム化合物の含有率が、前記リチウム遷移金属複合酸化物に対して0.1重量%以上3.0重量%以下であり、
    前記リチウム遷移金属複合酸化物の表面には、50%以上99%以下を覆う形で金属フッ化物が配置されており、
    前記リン酸リチウム化合物は、少なくとも半分以上が、前記金属フッ化物上か、金属フッ化物が被覆されていない前記リチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在しており、
    平均二次粒子径が3μm以上30μm以下であることを特徴とするリチウム二次電池用正極材料。
  2. 請求項1において、前記金属フッ化物の被膜の厚さが、5nm以上50nm以下であることを特徴とするリチウム二次電池用正極材料。
  3. 請求項1において、前記リチウム遷移金属複合酸化物に、金属フッ化物を被覆した後、リン酸リチウム化合物を被覆し、熱処理して形成されることを特徴とするリチウム二次電池用正極材料。
  4. リチウムを吸蔵放出可能な正極と、リチウムを吸蔵放出可能な負極と、が電解質を介して形成されるリチウム二次電池において、
    前記正極に、請求項1に記載のリチウム二次電池用正極材料を用いることを特徴とするリチウム二次電池。
  5. 電気的に接続された複数の電池と、前記複数の電池の状態を管理及び制御する制御装置と、を有する二次電池モジュールであって、
    前記制御装置は、前記複数の電池の端子間電圧を検知し、
    前記複数の電池は、電池缶に、正極,負極及び電解質を有する積層体を構成してなり、
    前記正極に、請求項1に記載のリチウム二次電池用正極材料を用いることを特徴とする二次電池モジュール。
JP2009078004A 2009-03-27 2009-03-27 リチウム二次電池用正極材料,リチウム二次電池及びそれを用いた二次電池モジュール Expired - Fee Related JP5111421B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009078004A JP5111421B2 (ja) 2009-03-27 2009-03-27 リチウム二次電池用正極材料,リチウム二次電池及びそれを用いた二次電池モジュール
US12/695,879 US20100247986A1 (en) 2009-03-27 2010-01-28 Positive electrode material for lithium secondary battery, lithium secondary battery, and secondary battery module using lithium secondary battery
EP10001839.9A EP2237348B1 (en) 2009-03-27 2010-02-23 Positive electrode material for lithium secondary battery, lithium secondary battery, and secondary battery module using lithium secondary battery

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009078004A JP5111421B2 (ja) 2009-03-27 2009-03-27 リチウム二次電池用正極材料,リチウム二次電池及びそれを用いた二次電池モジュール

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2010232001A JP2010232001A (ja) 2010-10-14
JP2010232001A5 JP2010232001A5 (ja) 2011-03-10
JP5111421B2 true JP5111421B2 (ja) 2013-01-09

Family

ID=42244358

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009078004A Expired - Fee Related JP5111421B2 (ja) 2009-03-27 2009-03-27 リチウム二次電池用正極材料,リチウム二次電池及びそれを用いた二次電池モジュール

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20100247986A1 (ja)
EP (1) EP2237348B1 (ja)
JP (1) JP5111421B2 (ja)

Families Citing this family (51)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007024556A2 (en) * 2005-08-19 2007-03-01 Houghton Metal Finishing Company Methods and compositions for acid treatment of a metal surface
JP5526636B2 (ja) * 2009-07-24 2014-06-18 ソニー株式会社 非水電解質二次電池の正極活物質、非水電解質二次電池の正極および非水電解質二次電池
JP5791877B2 (ja) * 2009-09-30 2015-10-07 三洋電機株式会社 正極活物質、この正極活物質の製造方法、及び、正極活物質を用いた非水電解質二次電池
JP5149927B2 (ja) * 2010-03-05 2013-02-20 株式会社日立製作所 リチウム二次電池用正極材料、リチウム二次電池及びそれを用いた二次電池モジュール
WO2012038270A2 (de) * 2010-09-21 2012-03-29 Basf Se Verfahren zur herstellung von modifizierten übergangsmetallmischoxiden
JP5601157B2 (ja) * 2010-11-01 2014-10-08 トヨタ自動車株式会社 正極活物質材料、正極活物質層、全固体電池および正極活物質材料の製造方法
ES2605782T3 (es) 2011-03-30 2017-03-16 Toda Kogyo Corporation Polvo granular de material activo de electrodo positivo y método de producción del mismo, y batería secundaria de electrolito no acuoso
JP2013084547A (ja) * 2011-09-28 2013-05-09 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
JP5958926B2 (ja) * 2011-11-08 2016-08-02 国立研究開発法人産業技術総合研究所 リチウムマンガン系複合酸化物およびその製造方法
KR101375701B1 (ko) * 2011-11-11 2014-03-20 에스케이씨 주식회사 플루오르화 포스페이트 함유 리튬이차전지용 양극활물질 및 이의 제조방법
RU2483401C1 (ru) * 2011-12-02 2013-05-27 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Московский государственный университет путей сообщения" (МИИТ) Способ циклирования щелочных аккумуляторных батарей и устройство для его реализации
US8999009B2 (en) * 2012-03-07 2015-04-07 A123 Systems Llc Surface modification of battery materials and method for making a battery
CN104221190B (zh) * 2012-03-29 2018-03-13 三洋电机株式会社 非水电解质二次电池
US9240595B2 (en) * 2012-08-24 2016-01-19 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. Spinel type lithium-manganese-nickel-containing composite oxide
KR101975394B1 (ko) 2012-09-12 2019-05-07 삼성에스디아이 주식회사 복합양극활물질, 이를 채용한 양극과 리튬전지 및 그 제조방법
KR101658503B1 (ko) 2012-11-06 2016-09-21 주식회사 엘지화학 이차전지용 양극 활물질 및 이를 포함하는 이차전지
KR101400593B1 (ko) * 2012-12-06 2014-05-27 삼성정밀화학 주식회사 양극 활물질, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
JP5920629B2 (ja) * 2012-12-28 2016-05-18 トヨタ自動車株式会社 非水電解質二次電池およびその製造方法
US20150357638A1 (en) * 2013-01-31 2015-12-10 Iucf-Hyu(Industry-University Cooperation Foundation Hanyang University) Cathode active material for lithium secondary battery, method for manufacturing the same, and lithium secondary battery using the same
KR101667968B1 (ko) * 2013-06-18 2016-10-20 주식회사 엘지화학 리튬이차전지용 양극 활물질 및 그의 제조방법
WO2015001631A1 (ja) * 2013-07-03 2015-01-08 株式会社日立製作所 リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池及びこれらの製造方法
CN103413931B (zh) * 2013-08-08 2016-01-20 北京大学 硼掺杂的锂离子电池富锂正极材料及其制备方法
KR101646729B1 (ko) * 2013-10-11 2016-08-08 주식회사 엘 앤 에프 리튬 이차 전지용 양극 활물질, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
WO2015053586A1 (ko) * 2013-10-11 2015-04-16 주식회사 엘앤에프신소재 리튬 이차 전지용 양극 활물질, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
JP6020490B2 (ja) * 2014-03-03 2016-11-02 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池の正極、及びリチウムイオン二次電池の製造方法
CN104332630B (zh) * 2014-10-22 2018-03-30 深圳市贝特瑞新能源材料股份有限公司 一种表面包覆的石墨负极材料及其制备方法及包含其的锂离子电池
KR102307907B1 (ko) * 2014-11-04 2021-10-01 삼성에스디아이 주식회사 양극 활물질, 이를 채용한 양극과 리튬 전지 및 이의 제조 방법
US10355269B2 (en) * 2015-01-14 2019-07-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Lithium ion secondary battery having positive electrode active material particle with fluorine and phosphorous containing film, and method of manufacturing the same
JP6202038B2 (ja) * 2015-01-14 2017-09-27 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池及びリチウムイオン二次電池の製造方法
CN107251303A (zh) * 2015-02-27 2017-10-13 三洋电机株式会社 非水电解质二次电池
JP6304198B2 (ja) * 2015-11-04 2018-04-04 トヨタ自動車株式会社 非水電解液二次電池および非水電解液二次電池の製造方法
US10833369B2 (en) 2015-12-02 2020-11-10 Nec Corporation Positive electrode active substance for lithium secondary battery, positive electrode for lithium secondary battery and lithium secondary battery, and methods for producing these
CN108475769A (zh) * 2015-12-11 2018-08-31 株式会社杰士汤浅国际 非水电解质蓄电元件及其制造方法
JP6655819B2 (ja) * 2016-02-29 2020-02-26 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池
DE112017002507T5 (de) 2016-07-05 2019-03-07 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Positivelektrodenaktivmaterial, Verfahren zum Herstellen des Positivelektrodenaktivmaterials undSekundärbatterie
JP6837780B2 (ja) * 2016-08-31 2021-03-03 積水化学工業株式会社 活物質−炭素材料複合体、非水電解質二次電池用正極、非水電解質二次電池及び炭素材料
KR20230101939A (ko) 2016-10-12 2023-07-06 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 양극 활물질 입자 및 양극 활물질 입자의 제작 방법
CN115966674A (zh) * 2016-11-24 2023-04-14 株式会社半导体能源研究所 正极活性物质粒子及正极活性物质粒子的制造方法
JP6901310B2 (ja) * 2017-04-25 2021-07-14 トヨタ自動車株式会社 複合粒子
US11489151B2 (en) 2017-05-12 2022-11-01 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Positive electrode active material particle
CN110574193B (zh) 2017-05-19 2023-08-29 株式会社半导体能源研究所 正极活性物质、正极活性物质的制造方法以及二次电池
KR102588500B1 (ko) * 2017-06-26 2023-10-11 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 양극 활물질의 제작 방법 및 이차 전지
JP7052799B2 (ja) * 2017-08-30 2022-04-12 株式会社村田製作所 正極活物質、正極、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム
US20190115591A1 (en) * 2017-10-16 2019-04-18 Nanotek Instruments, Inc. Surface-Stabilized Cathode Active Material Particles, Lithium Secondary Batteries Containing Same, and Method of Manufacturing
JP7096008B2 (ja) * 2018-02-19 2022-07-05 旭化成株式会社 非水系リチウム型蓄電素子の容量劣化率推定方法および容量劣化率推定装置、システム
CN108448109B (zh) * 2018-03-23 2021-07-02 中南大学 一种层状富锂锰基正极材料及其制备方法
JP7071697B2 (ja) * 2018-06-01 2022-05-19 トヨタ自動車株式会社 非水電解液二次電池
KR20210066723A (ko) 2019-11-28 2021-06-07 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 양극 활물질, 이차 전지, 전자 기기
CN112018378B (zh) * 2020-05-26 2023-03-21 宜宾锂宝新材料有限公司 一种减小高电压三元正极材料金属溶出的包覆改性方法
JP7320012B2 (ja) * 2021-03-15 2023-08-02 プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社 正極および当該正極を備える非水電解質二次電池
WO2023031729A1 (ja) * 2021-09-02 2023-03-09 株式会社半導体エネルギー研究所 正極および正極の作製方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL8803047A (nl) * 1988-12-13 1990-07-02 Philips Nv Oxydekathode.
JP3157413B2 (ja) * 1995-03-27 2001-04-16 三洋電機株式会社 リチウム二次電池
JP3142522B2 (ja) * 1998-07-13 2001-03-07 日本碍子株式会社 リチウム二次電池
JP3031546B1 (ja) * 1998-11-13 2000-04-10 宇部興産株式会社 リチウム遷移金属系ハロゲン化酸化物とその製造方法及びその用途
EP1020944B1 (en) * 1999-01-14 2011-12-07 Hitachi Chemical Company, Ltd. Lithium secondary battery, and process for producing the same
JP3944899B2 (ja) 2001-12-27 2007-07-18 株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション 非水系二次電池
EP1786052B1 (en) * 2004-08-18 2012-09-19 Central Research Institute of Electric Power Industry Organic electrolyte battery, and process for producing positive electrode sheet for use therein
JP4923397B2 (ja) * 2004-09-06 2012-04-25 日産自動車株式会社 非水電解質リチウムイオン二次電池用正極材料およびその製造方法
KR100822013B1 (ko) * 2005-04-15 2008-04-14 주식회사 에너세라믹 불소화합물코팅 리튬이차전지 양극 활물질 및 그 제조방법
JP5070686B2 (ja) * 2005-08-08 2012-11-14 日産自動車株式会社 非水電解質リチウムイオン電池用正極材料およびこれを用いた電池
JP5092224B2 (ja) * 2005-10-05 2012-12-05 パナソニック株式会社 非水電解液二次電池とその電池パックおよび電子機器
US10665892B2 (en) * 2007-01-10 2020-05-26 Eocell Limited Lithium batteries with nano-composite positive electrode material
JP5189384B2 (ja) * 2008-02-29 2013-04-24 株式会社日立製作所 リチウム二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010232001A (ja) 2010-10-14
US20100247986A1 (en) 2010-09-30
EP2237348A1 (en) 2010-10-06
EP2237348B1 (en) 2013-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5111421B2 (ja) リチウム二次電池用正極材料,リチウム二次電池及びそれを用いた二次電池モジュール
JP5205424B2 (ja) リチウム二次電池用正極材料,リチウム二次電池及びそれを用いた二次電池モジュール
JP5199844B2 (ja) リチウム二次電池
JP5149927B2 (ja) リチウム二次電池用正極材料、リチウム二次電池及びそれを用いた二次電池モジュール
JP5189384B2 (ja) リチウム二次電池
JP6015591B2 (ja) 非水電解液二次電池
KR101965016B1 (ko) 블렌딩된 캐소드 물질
JP6236197B2 (ja) リチウム電池用正極及びリチウム電池
JP2008277152A (ja) 活物質、電極、電池、及び活物質の製造方法
JP4706090B2 (ja) リチウム二次電池用正極材料及び正極、並びにリチウム二次電池
JP2005317512A (ja) 非水電解質電池
JP2011082133A (ja) 正極活物質、正極、非水電解質電池および正極活物質の製造方法
CN104703921A (zh) Li-Ni复合氧化物颗粒粉末和非水电解质二次电池
JP5621869B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP5610014B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2012160345A (ja) 非水電解質二次電池
JP2013187032A (ja) リチウム二次電池用正極材料及びリチウム二次電池
JP5262318B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質およびリチウム二次電池。
JP2006286208A (ja) リチウムイオン二次電池及び正極活物質
JP5017010B2 (ja) リチウム二次電池
JP2013114809A (ja) 非水電解質二次電池およびその製造方法
JP5195854B2 (ja) リチウムイオン二次電池
KR101675480B1 (ko) 리튬 이차 전지용 양극 활물질, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
JP2023101247A (ja) チタン酸リチウム粉末、それを用いた電極、及び蓄電デバイス
JP2010027603A (ja) リチウム二次電池用正極活物質およびリチウム二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110120

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120612

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120911

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121009

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees