JP6901310B2 - 複合粒子 - Google Patents

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Description

本開示は複合粒子に関する。
特開2016−076454号公報(特許文献1)は、リチウムイオン二次電池用正極活物質を開示している。当該リチウムイオン二次電池用正極活物質は、リチウムと遷移金属との複合酸化物、および該複合酸化物の表面に配置されている表面酸化物を含む。
特開2016−076454号公報
特許文献1では、正極活物質(複合酸化物)の表面に、表面酸化物が配置されている。表面酸化物は、フッ素化されており、かつ二価以上の金属元素を含むとされている。二価以上の金属元素は、具体的には、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、インジウム(In)、錫(Sn)およびタンタル(Ta)のうち少なくとも1種とされている。さらに表面酸化物がリチウム(Li)化していることにより、Liイオンの拡散速度が向上するとされている。すなわち表面酸化物は、Liイオン伝導性酸化物であり得る。
正極活物質の表面において、Liイオンの拡散速度が向上することにより、電池抵抗が低減されることが期待される。ただし低温での電池抵抗には、改善の余地が残されている。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、特許請求の範囲が限定されるべきではない。
[1]複合粒子は、基材粒子と被膜とを含む。基材粒子は、正極活物質を含む。被膜は、基材粒子の表面の少なくとも一部を被覆している。被膜は、リチウムイオン伝導性酸化物と、ハロゲン元素とを含む。リチウムイオン伝導性酸化物は、リチウム(Li)と、タングステン(W)およびリン(P)の少なくとも一方と、酸素(O)と、を含む。
本開示の被膜は、基材粒子(正極活物質)の表面の少なくとも一部を被覆している。被膜は、Liイオン伝導性酸化物と、ハロゲン元素とを含む。ハロゲン元素の周囲には、電荷の偏りが生じると考えられる。電荷の偏りによって生じた負電荷(δ−)は、電解液中のLiイオン(Li+)を引き寄せると考えられる。これにより、正極活物質の表面近傍において、Liイオン濃度が高まることが期待される。
Liイオン伝導性酸化物は、正極活物質の表面におけるLiイオンの拡散を促進することが期待される。本開示の新知見によれば、Liと、WおよびPの少なくとも一方と、Oとを含むLiイオン伝導性酸化物は、ハロゲン元素の共存下、大きな抵抗低減効果を発揮することが期待される。さらに抵抗低減効果は、特に低温において顕著となることが期待される。
[2]被膜において、リチウムおよび酸素以外の元素の合計物質量に対する、ハロゲン元素の物質量の比は、0.05以上0.1以下であってもよい。これにより低温における抵抗低減効果の増大が期待される。
[3]ハロゲン元素は、フッ素(F)であってもよい。これにより低温における抵抗低減効果の増大が期待される。Fの電気陰性度が大きいためと考えられる。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」とも記される)が説明される。ただし以下の説明は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<複合粒子>
本実施形態の複合粒子は、リチウムイオン二次電池の正極材料として使用され得る。本実施形態の複合粒子を備えるリチウムイオン二次電池は、低温において優れた入出力性能を有することが期待される。低温における優れた入出力性能は、たとえば、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車等の動力電源において、特に求められる性能である。ただし本実施形態の複合粒子を備えるリチウムイオン二次電池の用途は、こうした車載用途に限定されるべきではない。本実施形態の複合粒子を備えるリチウムイオン二次電池は、あらゆる用途に適用可能である。
本実施形態の複合粒子は、基材粒子と被膜とを含む。
《基材粒子》
基材粒子は、複合粒子のコアを構成する。基材粒子は、正極活物質を含む。正極活物質は、Liイオンを電気化学的に吸蔵し、かつ放出する。正極活物質は、特に限定されるべきではない。正極活物質は、たとえば、Liと、Li以外の元素とを含む複合酸化物であってもよい。Li以外の元素としては、たとえば、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)等の遷移金属元素;アルミニウム(Al)等の金属元素;ホウ素(B)、珪素(Si)等の半金属元素;P、硫黄(S)等の非金属元素;等が挙げられる。
正極活物質は、各種の結晶構造を有し得る。結晶構造は、たとえば、層状岩塩型であってもよいし、スピネル型であってもよいし、オリビン型であってもよい。正極活物質の結晶構造は、たとえば、電子線回折法、粉末X線回折(XRD)法等により同定され得る。
正極活物質の組成は、ICP発光分光分析法(ICP−AES)により測定され得る。測定は、少なくとも5回実施される。少なくとも5回の算術平均が測定結果として採用される。
正極活物質は、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24、LiNixCoyz2(ただし式中、MはAlまたはMnであり、0<x<1、0<y<1、0<z<1、x+y+z=1を満たす)、LiFePO4等であってもよい。
上記LiNixCoyz2は、三元系正極活物質とも称される。
式中のMがMnである場合、x、y、zは、0.2≦x≦0.4、0.2≦y≦0.4、0.2≦z≦0.4、x+y+z=1を満たしてもよい。
式中のMがAlである場合、x、y、zは、0.6≦x≦0.9、0.09≦y≦0.25、0.01≦z≦0.15、x+y+z=1を満たしてもよい。
基材粒子は、実質的に正極活物質のみからなる粒子であってもよい。基材粒子は、正極活物質に加えて、たとえば、ハロゲン元素をさらに含んでもよい。基材粒子におけるハロゲン元素の存在状態は特に限定されるべきではない。たとえば、正極活物質の結晶構造中、ハロゲン元素が酸素の一部を置換していてもよい。正極活物質の結晶構造中、ハロゲン元素が結晶格子間の隙間に侵入していてもよい。すなわちハロゲン元素は、置換型固溶元素であってもよいし、侵入型固溶元素であってもよい。基材粒子がハロゲン元素をさらに含むことにより、低温における抵抗低減効果の増大が期待される。
ハロゲン元素は、たとえば、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)であり得る。基材粒子は、1種のハロゲン元素を含んでもよいし、2種以上のハロゲン元素を含んでもよい。たとえば、基材粒子は、FまたはClを含んでもよいし、FおよびClの両方を含んでもよい。すなわち、ハロゲン元素は、FおよびClの少なくとも一方であってもよい。
基材粒子において、LiおよびO以外の元素の合計物質量に対する、ハロゲン元素の物質量の比(以下「基材粒子のハロゲン構成比」とも記される)は、たとえば、0.05以上0.1以下であってもよい。なお基材粒子が2種以上のハロゲン元素を含む場合、ハロゲン元素の物質量は、全ハロゲン元素の物質量の合計を示すものとする。
基材粒子に含まれるハロゲン元素種ならびにハロゲン構成比は、たとえば、次の手順により測定され得る。まず複合粒子が所定の樹脂に包埋される。集束イオンビーム(FIB)加工より、包埋試料が薄片化される。これにより複合粒子の断面試料が得られる。断面試料が透過型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析(TEM−EDX)法により分析される。断面試料において、基材粒子に相当する領域内で点分析が実施される。分析点は、基材粒子に相当する領域内の5点とされる。各分析点は、互いに異なる点とされる。これによりハロゲン元素種が特定され得る。さらに各分析点でハロゲン構成比がそれぞれ算出される。5点のハロゲン構成比の算術平均が測定結果として採用される。
基材粒子は、一次粒子が集合した二次粒子であり得る。基材粒子は、均一な組成を有していてもよいし、局所的に組成が異なっていてもよい。たとえば、基材粒子は、組成が互いに異なる2種以上の一次粒子(正極活物質)が集合した二次粒子であってもよい。基材粒子(二次粒子)は、たとえば、1〜30μmの平均粒径を有してもよいし、3〜20μmの平均粒径を有してもよいし、5〜15μmの平均粒径を有してもよい。本明細書の平均粒径は、レーザ回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において微粒側から累積50%の粒径を示す。
《被膜》
被膜は、複合粒子のシェルを構成する。すなわち被膜は、基材粒子の表面の少なくとも一部を被覆している。被膜は、Liイオン伝導性酸化物と、ハロゲン元素とを含む。被膜は、基材粒子の表面に複合化されていることが望ましい。「複合化されている」とは、結着材等を介さずに、被膜が基材粒子の表面に直接固着している状態を示す。たとえば、ゾル−ゲル法、水熱合成法等により、基材粒子の表面において、被膜が合成されることにより、基材粒子と被膜とが複合化され得る。
被膜は、基材粒子の表面全体を被覆していてもよいし、表面の一部を被覆していてもよい。基材粒子の表面の少なくとも一部が被膜によって被覆されていることにより、低温において抵抗低減効果が得られることが期待される。
さらに基材粒子の表面の少なくとも一部が被膜によって被覆されていることにより、サイクル耐久性の向上効果も期待される。被膜によって、電池抵抗が低減され、なおかつ基材粒子(正極活物質)と電解液とが直接接触することが抑制されるためと考えられる。
被膜は、Liイオン伝導性酸化物を含む。Liイオン伝導性酸化物は、(i)Liと、(ii)WおよびPの少なくとも一方と、(iii)Oとを含む。Liイオン伝導性酸化物は、これらの元素を含む限り、結晶質であってもよいし、非晶質であってもよい。
被膜は、ハロゲン元素をさらに含む。被膜中のハロゲン元素の存在状態は、特に限定されるべきではない。たとえば、Liイオン伝導性酸化物がハロゲン元素を含んでもよい。たとえば、Liイオン伝導性酸化物が結晶質である場合、ハロゲン元素は、Liイオン伝導性酸化物の酸素の一部を置換していてもよいし、結晶格子間の隙間に侵入していてもよい。すなわち、ハロゲン元素は、置換型固溶元素であってもよいし、侵入型置換元素であってもよい。
Liイオン伝導性酸化物の結晶構造は、粉末XRD法、または複合粒子内の被膜が存在する位置での局所的な電子線回折法により同定され得る。
被膜中にハロゲン元素が存在することにより、ハロゲン元素の周囲には、電荷の偏りが生じると考えられる。電荷の偏りによって生じた負電荷(δ−)は、電解液中のLiイオンを引き寄せると考えられる。これにより、正極活物質の表面近傍において、Liイオン濃度が高まることが期待される。さらにLiと、WおよびPの少なくとも一方と、Oとを含むLiイオン伝導性酸化物は、ハロゲン元素の共存下、大きな抵抗低減効果を発揮することが期待される。さらに抵抗低減効果は、特に低温において顕著となることが期待される。
被膜に含まれるハロゲン元素は、Fであってもよい。これにより低温における抵抗低減効果の増大が期待される。Fの電気陰性度が大きいためと考えられる。被膜は、1種のハロゲン元素を含んでもよいし、2種以上のハロゲン元素を含んでもよい。たとえば、被膜は、FまたはClを含んでもよいし、FおよびClの両方を含んでもよい。すなわちハロゲン元素は、FおよびClの少なくとも一方であってもよい。
被膜において、LiおよびO以外の元素の合計物質量に対する、ハロゲン元素の物質量の比(以下「被膜のハロゲン構成比」とも記される)は、たとえば、0.05以上0.1以下であってもよい。これにより低温における抵抗低減効果の増大が期待される。なお被膜が2種以上のハロゲン元素を含む場合、ハロゲン元素の物質量は、全ハロゲン元素の物質量の合計を示すものとする。
Liイオン伝導性酸化物の組成は、ICP−AESにより測定され得る。測定は、少なくとも5回実施される。少なくとも5回の算術平均が測定結果として採用される。Liイオン伝導性酸化物は、たとえば、Li3PO4およびLi2WO4の少なくとも一方であってもよい。
被膜に含まれるハロゲン元素種ならびにハロゲン構成比は、たとえば、次の手順により測定され得る。まず複合粒子が所定の樹脂に包埋される。FIB加工より、包埋試料が薄片化される。これにより複合粒子の断面試料が得られる。断面試料がTEM−EDX法により分析される。断面試料において、被膜に相当する領域内で点分析が実施される。分析点は、被膜に相当する領域内の5点とされる。各分析点は、互いに異なる点とされる。これによりハロゲン元素種が特定され得る。さらに各分析点でハロゲン構成比がそれぞれ算出される。5点のハロゲン構成比の算術平均が測定結果として採用される。
以下、本開示の実施例が説明される。ただし以下の例は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<比較例1>
1.基材粒子の調製
Ni、CoおよびMnのモル比が、Ni:Co:Mn=3:4:3となるように、Niの硫酸塩、Coの硫酸塩およびMnの硫酸塩が純水に溶解された。これにより硫酸塩水溶液が得られた。水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液が、硫酸塩水溶液に滴下された。これにより基材粒子の前駆体(共沈水酸化物)が生成された。純水により前駆体が洗浄された。洗浄後の前駆体が乾燥された。乾燥後の前駆体が所定量の炭酸リチウム(Li2CO3)と混合された。これにより混合物が得られた。混合物が900℃で15時間加熱された。これにより焼成物が得られた。ボールミルにより焼成物が粉砕された。以上より、基材粒子が調製された。基材粒子は、正極活物質(LiNi0.3Co0.4Mn0.32)を含む。この基材粒子は、10μmの平均粒径を有するものであった。
2.正極の製造
以下の材料が準備された。
導電材:アセチレンブラック
結着材:ポリフッ化ビニリデン
溶媒 :N−メチル−2−ピロリドン
プラネタリミキサにより、上記で得られた基材粒子、導電材、結着材および溶媒が混合された。これにより正極ペーストが調製された。正極ペーストの固形分組成は、質量比で「基材粒子:導電材:結着材=84:12:4」とされた。正極ペーストの固形分比率は50質量%とされた。
ダイコータにより、上記で得られた正極ペーストが帯状のAl箔の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥された。これによりAl箔の表面に正極活物質層が形成された。ロール圧延機により、正極活物質層およびAl箔が圧延された。以上より帯状の正極が製造された。
3.リチウムイオン二次電池の製造
帯状の負極および帯状のセパレータがそれぞれ準備された。セパレータを挟んで、正極と負極とが対向するように、正極、セパレータおよび負極が積層され、さらに渦巻状に巻回された。これにより電極群が構成された。正極および負極に外部端子がそれぞれ接続された。電極群が電池ケースに収納された。電池ケースに電解液が注入された。電池ケースが密閉された。以上より、リチウムイオン二次電池が製造された。
<比較例2>
比較例1で得られた乾燥後の前駆体が、所定量のLi2CO3およびフッ化リチウム(LiF)と混合された。これにより混合物が得られた。混合物が900℃で15時間加熱された。これにより焼成物が得られた。ボールミルにより焼成物が粉砕された。以上より、基材粒子が調製された。この基材粒子は正極活物質(LiNi0.3Co0.4Mn0.32)を含む。この基材粒子は、ハロゲン元素(F)をさらに含むと考えられる。この基材粒子が使用されることを除いては、比較例1と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
<比較例3>
ニオブペンタエトキシドがエタノールに溶解された。これにより金属アルコキシド溶液が調製された。金属アルコキシド溶液に、比較例1で得られた基材粒子が投入された。基材粒子が50℃の金属アルコキシド溶液中で10時間攪拌された。これにより、基材粒子が金属アルコキシドによって被覆された。濾過により、基材粒子が回収された。回収後の基材粒子が乾燥された。乾燥後の基材粒子が、水酸化リチウム(LiOH)と混合された。これにより混合物が得られた。混合物が400℃で10時間加熱された。以上より複合粒子が調製された。この複合粒子は、基材粒子と被膜とを含む。基材粒子は正極活物質(LiNi0.3Co0.4Mn0.32)を含む。被膜は、基材粒子の表面の少なくとも一部を被覆していると考えられる。被膜は、Liイオン伝導性酸化物(Li3NbO3)を含む。
プラネタリミキサにより、上記で得られた複合粒子、導電材、結着材および溶媒が混合された。これにより正極ペーストが調製された。正極ペーストの固形分組成は、質量比で「複合粒子:導電材:結着材=84:12:4」とされた。正極ペーストの固形分比率は50質量%とされた。これらを除いては、比較例1と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
<比較例4>
比較例3と同じ手順により、基材粒子が金属アルコキシドによって被覆された。濾過により、基材粒子が回収された。回収後の基材粒子が乾燥された。乾燥後の基材粒子が、LiOHおよびLiFと混合された。これにより混合物が得られた。混合物が400℃で10時間加熱された。以上より複合粒子が調製された。この複合粒子は、基材粒子と被膜とを含む。基材粒子は正極活物質(LiNi0.3Co0.4Mn0.32)を含む。被膜は、基材粒子の表面の少なくとも一部を被覆していると考えられる。被膜は、Liイオン伝導性酸化物(Li3NbO3)とハロゲン元素(F)とを含むと考えられる。これらを除いては、比較例3と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
<比較例5>
比較例1で得られた基材粒子が25℃のリン酸二水素アンモニウム水溶液中で10時間攪拌された。これにより、基材粒子がリン酸塩によって被覆された。濾過により、基材粒子が回収された。回収後の基材粒子が乾燥された。乾燥後の基材粒子が、LiOHと混合された。これにより混合物が得られた。混合物が400℃で10時間加熱された。以上より、複合粒子が調製された。この複合粒子は、基材粒子と被膜とを含む。基材粒子は正極活物質(LiNi0.3Co0.4Mn0.32)を含む。被膜は、基材粒子の表面の少なくとも一部を被覆していると考えられる。被膜は、Liイオン伝導性酸化物(Li3PO4)を含む。これらを除いては、比較例3と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
<実施例1>
比較例5と同じ手順により、基材粒子がリン酸塩によって被覆された。濾過により、基材粒子が回収された。回収後の基材粒子が乾燥された。乾燥後の基材粒子がLiFと混合された。これにより混合物が得られた。混合物が400℃で10時間加熱された。以上より、複合粒子が調製された。この複合粒子は、基材粒子と被膜とを含む。基材粒子は正極活物質(LiNi0.3Co0.4Mn0.32)を含む。被膜は、基材粒子の表面の少なくとも一部を被覆していると考えられる。被膜は、Liイオン伝導性酸化物(Li3PO4)とハロゲン元素(F)とを含む。これらを除いては、比較例5と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
<実施例2>
正極活物質(LiNi0.3Co0.4Mn0.32)とハロゲン元素(F)とを含む基材粒子が合成され、さらに基材粒子の表面において、Liイオン伝導性酸化物(Li3PO4)とハロゲン元素(F)とを含む被膜が合成されることを除いては、実施例1と同じ手順により、複合粒子が調製され、リチウムイオン二次電池が製造された。
<実施例3>
下記表1に示されるように、ハロゲン構成比が異なる基材粒子が合成されることを除いては、実施例1と同じ手順により、複合粒子が調製され、リチウムイオン二次電池が製造された。
<比較例6>
基材粒子の表面において、Liイオン伝導性酸化物(Li4SiO4)を含む被膜が合成されることを除いては、比較例3と同じ手順により、複合粒子が調製され、リチウムイオン二次電池が製造された。
<比較例7>
基材粒子の表面において、Liイオン伝導性酸化物(Li4SiO4)とハロゲン元素(F)とを含む被膜が合成されることを除いては、比較例4と同じ手順により、複合粒子が調製され、リチウムイオン二次電池が製造された。
<比較例8>
基材粒子の表面において、Liイオン伝導性酸化物(Li2WO4)を含む被膜が合成されることを除いては、比較例3と同じ手順により、複合粒子が調製され、リチウムイオン二次電池が製造された。
<実施例4>
基材粒子の表面において、Liイオン伝導性酸化物(Li2WO4)とハロゲン元素(F)とを含む被膜が合成されることを除いては、比較例4と同じ手順により、複合粒子が調製され、リチウムイオン二次電池が製造された。
<比較例9>
正極活物質(LiNi0.7Co0.2Al0.12)を含む基材粒子が合成されることを除いては、比較例5と同じ手順により、複合粒子が調製され、リチウムイオン二次電池が製造された。
<実施例5>
正極活物質(LiNi0.7Co0.2Al0.12)を含む基材粒子が合成されることを除いては、実施例1と同じ手順により、複合粒子が調製され、リチウムイオン二次電池が製造された。
<評価>
1.電池の活性化および初期容量の測定
25℃において、以下の定電流−定電圧方式充電(CCCV充電)により、電池が満充電にされた。次いで以下の定電流方式放電(CC放電)により、電池が放電された。このときの放電容量が初期容量とされた。なお「1C」は、満充電容量を1時間で放電する電流を示す。
CCCV充電:CC電流=1/3C、CV電圧=4.2V、終止電流=1/50C
CC放電 :電流=1/3C、終止電圧=3.0V
2.抵抗の測定
電池のSOC(State Of Charge)が50%に調整された。このとき、電池の開放電圧は3.7Vであった。25℃環境において、端子間電圧が3.0Vになるまで、電池が放電された。放電はCC放電とされた。放電開始から5秒後の端子間電圧と、放電電流とから、電池抵抗が算出された。結果は下記表1の「25℃電池抵抗」の欄に示されている。ここに示される値は、比較例1の電池抵抗が100とされた場合の相対値である。値が小さい程、常温での電池抵抗が低減されていることを示している。
−30℃環境において、25℃環境と同様に、電池抵抗が測定された。結果は下記表1の「−30℃電池抵抗」の欄に示されている。ここに示される値は、比較例1の電池抵抗が100とされた場合の相対値である。値が小さい程、低温での電池抵抗が低減されていることを示している。
3.サイクル耐久性の評価
60℃環境において、以下の定電流充電(CC充電)およびCC放電の一巡が1サイクルとされ、200サイクルが実施された。
CC充電:電流=2C、終止電圧=4.3V
CC放電:電流=2C、終止電圧=3.0V
200サイクル後、初期容量と同じ条件により、サイクル後容量が測定された。サイクル後容量が初期容量で除されることにより、容量維持率が算出された。結果は、下記表1の「サイクル容量維持率」の欄に示されている。サイクル容量維持率が高い程、サイクル耐久性が良好であることを示している。
Figure 0006901310
<結果>
実施例では、比較例4および比較例7に比して、低温において顕著な抵抗低減効果が認められる。Li3PO4およびLi2WO4が、ハロゲン元素(F)の共存下において、LiNbO3およびLi4SiO4よりも大きな抵抗低減効果を発揮するためと考えられる。
今回の実施例において、LiおよびO以外の元素の合計物質量に対する、ハロゲン元素(F)の物質量の比は、0.05以上0.1以下である。
実施例では、比較例に比してサイクル耐久性も向上している。被膜によって、電池抵抗が低減され、なおかつ被膜が正極活物質と電解液との直接接触を抑制するためと考えられる。
実施例1および3の結果から、基材粒子が正極活物質に加えてハロゲン元素(F)をさらに含むことにより、低温での抵抗低減効果が大きくなる傾向が認められる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。特許請求の範囲によって定められる技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。

Claims (2)

  1. 基材粒子と
    被膜と
    を含み、
    前記基材粒子は、正極活物質を含み、
    前記被膜は、前記基材粒子の表面の少なくとも一部を被覆しており、
    前記被膜は、リチウムイオン伝導性酸化物と、ハロゲン元素とを含み、
    前記リチウムイオン伝導性酸化物は、リチウムと、タングステンと、酸素と、を含み、
    前記被膜において、リチウムおよび酸素以外の元素の合計物質量に対する、前記ハロゲン元素の物質量の比は、0.05以上0.1以下である、
    複合粒子。
  2. 前記ハロゲン元素は、フッ素である、
    請求項1に記載の複合粒子。
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