JP5080567B2 - 質量分析計の制御方法及び質量分析計 - Google Patents

質量分析計の制御方法及び質量分析計 Download PDF

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Description

本発明は、質量分析計の制御方法及び質量分析計に関する。
本出願は、特願2007−106878号を基礎出願とし、その内容を取り込む。
真空装置の残留ガスを分析する分析計として、例えば四重極型質量分析計が知られている。四重極型質量分析計は、一般的に、イオン源、フィルタ部及び検出部から構成されている。イオン源には、フィラメント(カソード電極)とグリッド(アノード電極)とが設けられており、フィラメントにフィラメント電流を供給するとこのフィラメントが加熱され、グリッドに向けて熱電子が放出される。
フィルタ部は、イオン源と検出部との間に配列された4本の棒状電極(四重電極)を備える。4本の棒状電極は、格子状に対称かつ平行に配置された形状を有しており、対向に位置する棒状電極が同電位となるように配線されている。これら2対の棒状電極には、同じ大きさで正負が逆の直流電圧Uと、位相が180度異なる交流電圧Vcosωtとが重畳した電圧(+U+Vcosωtおよび−U−Vcosωt)が印加される。
検出部は、例えば2次電子倍増管やファラデーカップなどを利用してイオン電流を検出する。
分圧測定を行う場合には、フィラメントにフィラメント電流を供給して熱電子を放出させる。フィラメントから放出された熱電子は、被測定ガスの気体分子と衝突し、この気体分子がイオン化される。また、この熱電子は、グリッドによって捕集され、エミッション電流となってグリッドとフィラメントとの間を流れる。フィラメント電流を供給する際には、このエミッション電流が一定になるように、このフィラメント電流を制御しながら供給する。
イオン化された気体分子のうち、交流電圧の振幅Vの大きさに対応した質量電荷比を有するイオンのみが四重電極内を安定的に振動して通過し、イオン検出部に到達する。それ以外のイオンは途中で発散し、四重電極に衝突するか、四重電極の外側の空間に導かれる。イオン検出部に到達したイオンからは、イオン電流が出力として検出される。
このような四重極型分析計においては、分圧測定を行わない場合、原理的にはフィラメントにフィラメント電流を供給する必要はない。しかし、電流が供給されていない状態のフィラメントに電流を供給すると、フィラメントが加熱され、放出ガスが発生する。また、フィラメントが加熱されると、その輻射熱によりフィラメント近傍のグリッドなども加熱され、フィラメント近傍からも放出ガスが発生する。この放出ガスは分圧の測定結果に影響を及ぼすため、正確な分圧測定を行うためには、放出ガスの発生が停止するまで待つ必要がある。そこで、従来では、分圧の測定を行っていない場合にも、フィラメント電流をフィラメントに供給していた(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2002−33075号公報
しかしながら、特許文献1に開示の手法では、フィラメントにフィラメント電流を常に供給し続けることになるため、消費電力が大きくなってしまうとともにフィラメントの寿命が短くなってしまう。四重極型分析計に限らず、フィラメントに電流を供給して電子を放出させる構成の質量分析計では、同様の問題が発生しうる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、消費電力を低減し、なおかつカソード電極の寿命短縮を抑えることが可能な質量分析計の制御方法及び質量分析計の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
(1)本発明の質量分析計の制御方法は、カソード電極及びアノード電極を有するイオン源の前記カソード電極に電流を供給して被測定ガスの分子をイオン化する工程と;前記イオン源で生成されたイオンを質量電荷比ごとに選別する工程と;選別した前記イオンのイオン電流値を検出する工程と;を備えた質量分析計の制御方法であって、前記質量分析計が、前記イオン源で生成された前記イオンを質量電荷比ごとに選別するフィルタ部を有し;前記イオン電流値の検出結果に基づいて前記被測定ガスの分圧測定を行う場合には、前記カソード電極と前記アノード電極との間を流れるエミッション電流が一定となるように前記カソード電極にカソード電流を供給し;前記被測定ガスの分圧測定を行わない場合には、前記カソード電流よりも電流値の小さい定電流を前記カソード電極に供給前記カソード電極に前記カソード電流を供給する前に、前記フィルタ部において選別可能な最大質量電荷比を有するイオンを選別する工程を備える;
ことを特徴とする
上記質量分析計の制御方法によれば、被測定ガスの分圧測定を行う場合は、カソード電極と前記アノード電極との間のエミッション電流が一定になるようにカソード電極にカソード電流を供給し、被測定ガスの分圧測定を行わない場合は、カソード電流よりも電流値の小さい定電流を前記カソード電極に供給する。よって、このカソード電極にカソード電流を供給し続ける場合に比べて、消費電力を低減することができるとともにカソード電極の寿命短縮を抑制することができる。
(2)前記質量分析計が、前記定電流を供給制御する電源を含む複数の電源を有し;前記被測定ガスの分圧測定を行わない場合には、前記定電流を供給制御する電源以外の電源のうち少なくとも一部を遮断する;構成を採用としても良い。
この場合、被測定ガスの分圧測定を行わないときは、定電流を制御する電源以外の電源が、動作に必要のない電源となる。よって、このような動作に必要のない電源のうちの少なくとも一部を遮断することで、その分、消費電力を低減させることができる。
(3)前記被測定ガスの分圧測定を行わない状態になってから所定の時間が経過した時に、前記定電流を供給制御する電源以外の電源のうち少なくとも一部を自動的に遮断するようにしてもよい。
この場合、被測定ガスの分圧測定を行わない状態になってから所定の時間が経過した時に、この定電流を供給制御する電源以外の電源のうち少なくとも一部を自動的に遮断するので、この電源を遮断する手間を省くことができる。なお、「所定の時間」については適宜設定することが可能であり、例えば被測定ガスの分圧測定を行わない状態になった直後に自動的に遮断しても構わない。
この場合、最大質量電荷比とは、個々の質量分析計が選別しうる最大の質量電荷比を意味するものであり、この最大質量電荷比の大きさが質量分析計ごとに設定されている。質量分析計において、フィルタ部に印加する交流電圧が大きいほど、大きな質量電荷比を有するイオンを測定できることが知られている。フィルタ部に供給する交流電圧の範囲は、質量分析計ごとに個別に設定されている。この交流電圧を最大にしたときの電圧に対応する質量電荷比が、この質量分析計によって選別可能な最大の質量電荷比(最大質量電荷比)となる。
一般に、イオン選別の動作を制御するためには、直流電圧を印加する回路や、交流電圧(高周波電圧)を生成・増幅する回路(コイルを含む)、高周波電圧を取り出して整流・平滑化する検波回路などが設けられている。検波回路は、交流電圧を増幅するコイルの近傍に設けられることが多い。質量分析計のカソード電極に電流を供給したときには、カソード電極にカソード電流を供給する電源が発熱し、この発熱によって交流回路(特にコイル)の温度が上昇し、このコイルの温度上昇に伴って検波回路周辺の温度が上昇することが知られている。検波回路周辺の温度が変化すると、この変化に伴って分解能が変化する。分解能が変化する間、質量分析計の動作を行うことができないため、この検波回路周辺の温度変化の時間は短い方が好ましい。
例えば、質量分析計の電源をオンにした直後には、カソード電極に電流が供給されておらず、このカソード電極に電流を供給する電源の温度が低い状態になっている。また、カソード電極にカソード電流よりも電流値の小さい電流を供給する場合には、カソード電流を供給する場合に比べて電源の発熱量が小さいため、検波回路周辺の温度が低くなる。このように質量分析計の電源をオンにした直後や、カソード電極にカソード電流よりも電流値の小さい電流を供給した後など、検波回路周辺の温度が低い状態でカソード電極にカソード電流を供給すると、検波回路周辺の温度が上昇して飽和するまで、分解能が長時間変化し続けることになる。そうなると、質量分析計の立ち上がりに時間が掛かってしまう。
そこで、本発明では、カソード電極にカソード電流を供給する前に、フィルタ部において最大質量電荷比を有するイオンを選別する動作が行われるように制御する。最大質量電荷比を有するイオンを選別する動作を行うことによって、高周波を発生するコイルにおいて最大限の熱を発生させることができる。このコイルの発熱によって検波回路周辺の温度をある程度上昇させることができるので、カソード電極にカソード電流を供給したときの検波回路周辺の温度変化に要する時間を短くすることができ、分解能が変化する期間を短くすることができる。これにより、スムーズな分圧測定が可能となる。
(4)本発明の質量分析計は、被測定ガスの分圧測定を行う質量分析計であって、カソード電極及びアノード電極を有し、前記カソード電極に電流を供給して前記被測定ガスの分子をイオン化するイオン源と;このイオン源で生成されたイオンを質量電荷比ごとに選別して通過させるフィルタ部と;このフィルタ部を通過した前記イオンのイオン電流値を測定する検出部と;前記イオン源、前記フィルタ部、及び前記検出部の各動作を制御する制御部と;を具備し、前記制御部が、前記被測定ガスの分圧測定を行う場合には、前記カソード電極と前記アノード電極との間のエミッション電流が一定になるように前記カソード電極にカソード電流を供給し;前記被測定ガスの分圧測定を行わない場合には、前記カソード電流よりも電流値の小さい定電流を前記カソード電極に供給し;前記制御部が、前記カソード電極に前記カソード電流を供給する前に、前記フィルタ部において前記イオン源によって選別可能な最大質量電荷比を有するイオンが選別されるように制御する
上記質量分析計によれば、イオン源、フィルタ部及び検出部の動作を制御する制御部が、被測定ガスの分圧測定を行うときには、カソード電極とアノード電極との間のエミッション電流が一定になるようにカソード電極にカソード電流を供給し、被測定ガスの分圧測定を行わないときには、カソード電流よりも電流値の小さい定電流をカソード電極に供給する。よって、このカソード電極にカソード電流を供給し続ける場合に比べて、消費電力を低減することができるとともにカソード電極の寿命短縮を抑制することもできる。
(5)前記制御部が、前記定電流を供給制御する電源を含む複数の電源を有するとともに、前記被測定ガスの分圧測定を行わない場合に、前記定電流を供給制御する電源以外の電源のうち少なくとも一部を遮断するようにしてもよい。
この場合、被測定ガスの分圧測定を行わないときに、この定電流を供給制御する電源以外の電源のうち少なくとも一部を遮断するので、その分、消費電力を低減することができる。
本発明の質量分析計の制御方法及び質量分析計によれば、被測定ガスの分圧測定を行うときには、カソード電極と前記アノード電極との間のエミッション電流が一定になるようにカソード電極にカソード電流を供給し、被測定ガスの分圧測定を行わないときには、カソード電流よりも電流値の小さい定電流を前記カソード電極に供給する。よって、カソード電極にカソード電流を供給し続ける場合に比べて消費電力を低減することができるとともに、カソード電極の寿命短縮を抑制することもできる。
図1は、本発明の一実施形態に係る質量分析計の斜視図である。 図2は、同実施形態に係る質量分析管の斜視図である。 図3は、同質量分析管の制御部の構成を示すブロック図である。 図4は、同制御部のエミッション回路部の回路図である。 図5は、同制御部のDC+RF回路部のブロック図である。 図6は、同制御部の電源回路部を示す図である。 図7は、同質量分析計の動作を示すフローチャートである。 図8は、従来のエミッション回路部を示す参考図である。 図9は、測定時及び非測定時における消費電力を示すグラフである。 図10は、分圧測定を行ったときのイオン電流値の時間変化を示すグラフ(その1)である。 図11は、分圧測定を行ったときのイオン電流値の時間変化を示すグラフ(その2)である。
符号の説明
1 質量分析計
2 質量分析管
3 制御部
4 イオン源
5 フィルタ部
6 検出部
31 エミッション回路部
31a フィラメント電流電源
31b 定電流電源
31c 切替スイッチ
31d エミッション電流制御部
31e グリッド電圧制御部
32 RF回路部
33 SEM用高圧回路部
34 微小電流検出回路部
35 CPU回路部
36 電源回路部
41 フィラメント
42 グリッド
本発明の一実施形態を、図面に基づき説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、構成要素を認識可能な大きさにするため、適宜縮尺を変更している。
図1は、本実施形態に係る質量分析計1の構成を示す斜視図である。
同図に示す質量分析計1は、例えば真空装置の残留ガス(被測定ガス)を分析するために用いられる測定装置である。本実施形態では、質量分析計1として四重電極型質量分析計を例に挙げて説明する。この質量分析計1は、被測定ガスの分圧を検出する質量分析管2と、この質量分析管2の動作を制御する制御部3とを主な構成要素としている。
図2は、質量分析管2の内部構成を示す斜視図である。
同図に示すように、質量分析管2は、真空装置のチャンバ内に収容可能な寸法を有しており、イオン源4と、フィルタ部5と、検出部6とを主な構成要素としている。イオン源4、フィルタ部5及び検出部6は、この順に一方向に沿って配列されている。質量分析管2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータどの外部機器(図示せず)に接続することが可能である。
イオン源4は、被測定ガスを取り込んでイオン化する部分であり、フィラメント(カソード電極)41と、グリッド(アノード電極)42と、イオン化室43と、引出電極44とを主な構成要素としている。
フィラメント41は、線状に形成された電極部材であり、グリッド42の周囲を半周程度囲うように設けられている。このフィラメント41は、フィラメント電流(カソード電流)の供給を受けて熱電子を放出する。
グリッド42は、円筒状に形成された電極部材であり、円筒壁部分が格子状に形成されている。グリッド42は、フィラメント41に対して正の電位を保つように電位が制御されている。
イオン化室43は、グリッド42によって区切られた領域であり、被測定ガスがイオン化される部分である。
引き出し電極44は、グリッド42の一端(フィルタ5側)の近傍に設けられており、イオン化室43で生成されたイオンの一部をフィルタ部5へと導く。
フィルタ部5は、イオンを選別して通過させる部分であり、4本の棒状電極51を主な構成要素としている。
各棒状電極51は、イオンの進行方向に沿った方向がそれらの長手方向となっている。各棒状電極51は、格子状に対称かつ平行に配置された形状をしており、対向に位置する棒状電極51が同電位となるように配線されている。
2対の棒状電極51のうち、同じ大きさで正負が逆の直流電圧Uと位相が180度異なる交流電圧(高周波電圧)Vcosωtとが重畳した電圧(+U+Vcosωtおよび−U−Vcosωt)が印加されるようになっている。U及びVの大きさは所定の範囲内で変化させることが可能になっている。Uの値を変化させることよって分解能を設定することが可能になっている。また、Vの値を大きくすることにより、大きな質量電荷比を有するイオンを選別することが可能になっている。
装置によって印加可能なU及びVの範囲は予め定められている。Vを最大にしたときの電圧に対応する質量電荷比が、この装置によって選別可能な最大の質量電荷比(最大質量電荷比)となる。最大質量電荷比は、質量分析計1の製品設計時に適宜決定される。質量分析計によっては最大質量電荷比が100のものもあれば400のものもある。本実施形態に係る質量分析計1については、最大質量電荷比が100である場合を例として説明する。
検出部6は、フィルタ部5を通過したイオンが到達する部位であり、2次電子倍増管61を利用してイオン電流を検出する。2次電子倍増管61の代わりにファラデーカップを用いても構わない。
図3は、制御部3の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部3は、エミッション回路部31と、DC+RF回路部32と、SEM用高圧回路部33と、微小電流検出回路部34と、CPU回路部35と、電源回路部36とを有している。
エミッション回路部31は、フィラメント41を加熱させることにより熱電子を放出させ、フィラメント41とグリッド42との間に供給されるエミッション電流を一定になるように制御する。
DC+RF回路部32は、棒状電極51に印加する直流電圧及び交流電圧(高周波電圧)を制御する。
SEM用高圧回路部33は、2次電子倍増管61に電気的に接続されており、この2次電子倍増管61に印加する高電圧(−1kV〜−3kV)を発生させる。
微小電流検出回路部34は、2次電子倍増管61に電気的に接続されており、フィルタ部5を通過したイオン又は2次電子倍増管61によって増幅された電子を検出する。
CPU回路部35は、制御部3を構成するエミッション回路部31、DC+RF回路部32、SEM用高圧回路部33、微小電流検出回路部34及び電源回路部36の各動作を統括的に制御したり、検出結果を分析・算出したりする部分である。CPU回路部35は、この他に例えば例えば外部機器との間での通信も行う。
電源回路部36は、エミッション回路部31、DC+RF回路部32、SEM用高圧回路部33、微小電流検出回路部34、CPU回路部35の各回路部が動作するための電源を供給する。
図4は、エミッション回路部31の構成を示す回路図である。
同図に示すように、エミッション回路部31は、フィラメント電流電源31aと、定電流電源31bと、切替スイッチ31cと、エミッション電流制御部31dと、グリッド電圧制御部31eとを有している。
フィラメント電流電源31aは、フィラメント41にフィラメント電流を供給する。
定電流電源31bは、フィラメント41に定電流を供給する電源である。定電流電源31bによってフィラメント41に供給される定電流は、フィラメント電流よりも小さい値になっている。
切替スイッチ31cは、フィラメント電流電源31a及び定電流電源31bのうちいずれか一方がフィラメント41に接続されるように、フィラメント41の接続元を切り替える。切替スイッチ31cを切り替えるタイミング制御は、例えば上述したCPU回路部35によって行われるようになっている。また、このCPU回路部35によって、切替スイッチ31cが定電流電源31bに接続されてからの時間も測定できる。
エミッション電流制御部31dは、フィラメント41及びグリッド42に供給されるエミッション電流が一定となるようにフィラメント電流を制御する。例えば、2A程度の大きさのフィラメント電流がフィラメント41に供給されるようになっている。なお、フィラメント41に供給される定電流値としては、この2Aよりも小さな値、例えば1Aの電流が供給される。グリッド電圧制御部31eは、グリッド42に印加される電圧を制御する。
図5は、DC+RF回路部32の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、DC+RF回路部32は、発振回路32aと、変調回路32bと、高周波トランス32cと、同調回路32dと、CPU32eと、D/Aコンバータ32fと、直流増幅器32gと、検波回路32hと、比較器32iとを有している。
発振回路32a及び変調回路32bは、高周波電圧を生成する。高周波トランス32cは、高周波電圧を増幅するコイルを含む回路である。同調回路32dは、例えばコンデンサからなり、高周波電圧を分離して取り出す。
CPU32eは、直流電圧の目標値を設定・制御する。D/Aコンバータ32fは、CPU32eからの電圧信号をアナログ変換する。直流増幅器32gは、アナログ変換された直流電圧を増幅する。
検波回路32hは、高周波電圧を取り出して整流・平滑化し、検波信号を生成する回路であり、高周波トランス32cの近傍に配置されている。比較器32iは、検波信号と目標電圧とを比較し、その差を変調回路32bにフィードバックさせる。
図6は、電源回路部36の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、電源回路部36は、+12V電源36aと、±12V電源36bと、+5V電源36cと、+200V/−100V電源36dと、+90V電源36eとを有している。
+12V電源36aは、主としてエミッション回路部31のフィラメント電流電源31a及び定電流電源31bに用いられる。
±12V電源36bは、主としてSEM用高圧回路部33やICなどの動作に用いられる。
+5V電源36cは、主としてCPU回路部35やICなどの動作に用いられる。
+200V/−100V電源36dは、主としてDC+RF回路部32において直流電圧を形成するために用いられる。
+90V電源36eは、主としてDC+RF回路部32において交流電圧を形成するために用いられる。
上記電源のうち、±12V電源36b、+200V/−100V電源36d及び+90V電源36eについては、例えばCPU回路部35の制御によって遮断したり、その後再び投入したりすることができる。
次に、上記のように構成された質量分析計1の動作を説明する。
図7は、質量分析計1の動作を示すフローチャートである。
まず、質量分析計1を図示しない真空装置内に収容しておくと共に、真空装置内を図示しない真空ポンプなどにより排気し、質量分析計1が動作可能な圧力以下にしておく。
この状態で、質量分析計1の電源をオンにすると初期設定が行われる(ステップ01)。初期設定が完了した後、真空装置内の被測定ガスの分圧測定を開始する(ステップ02)。分圧測定を行う場合には、フィラメント41にフィラメント電流を供給して熱電子を放出させる。フィラメント41から放出された熱電子は、被測定ガスの気体分子と衝突し、この気体分子がイオン化される。また、この熱電子は、グリッド42によって捕集され、エミッション電流となってグリッド42とフィラメント41との間を流れる。フィラメント電流を供給する際には、このエミッション電流が一定となるようにこのフィラメント電流を制御しながら供給する。
イオン化された気体分子のうち、交流電圧の振幅Vの大きさに対応した質量電荷比を有するイオンのみが4本の棒状電極51内を安定的に振動しながら通過し、イオン検出部6に到達する。それ以外のイオンは途中で発散し、棒状電極51に衝突するか、棒状電極51の外側の空間に導かれる。イオン検出部6に到達したイオンからは、イオン電流が出力として検出され、分圧の測定が終了する(ステップ03)。
分圧の測定が終了したら、CPU回路部35は、エミッション回路部31の切替スイッチ31cを定電流電源31b側に接続するように制御する(ステップ04)。この制御により、フィラメント41が定電流電源31bに電気的に接続され、フィラメント41に定電流が供給される。
CPU回路部35は、切替スイッチ31cを定電流電源31b側に接続する際に、接続開始からの時間を測定する(ステップ05)。接続開始から一定時間が経過したら、CPU回路部35は、±12V電源36b、+200V/−100V電源36d及び+90V電源36eを遮断する(オフにする)ように制御する(ステップ06)。この制御により、質量分析計1において、エミッション回路部31による定電流の供給動作及びCPU回路部35の制御動作以外の動作が行われないようになる。
各電源が遮断された後は、質量分析計1による分圧測定開始の信号があるまで、この状態を保持する(ステップ07のNO)。このように、分圧測定を開始するまでの間は、分圧測定が行われない期間であり、この期間にはフィラメント41に定電流が供給され続ける。
分圧測定開始の信号があった場合(ステップ07のYES)、CPU回路部35は、±12V電源36b、+200V/−100V電源36d及び+90V電源36eをオンにすると共に(ステップ08)、切替スイッチ31cが定電流電源31b側からフィラメント電流電源31a側に接続されるように切り替える(ステップ09)。この制御により、フィラメント41がフィラメント電流電源31aに電気的に接続され、フィラメント41に供給される電流が定電流からフィラメント電流に切り替わる。
フィラメント41にフィラメント電流が供給されると、フィラメント電流電源31aからの発熱量が増大する。フィラメント電流電源31a発熱量が増大すると、その分DC+RF回路部32の高周波トランス32cの温度が上昇し、この温度上昇に伴って検波回路32h周辺の温度が上昇する。検波回路32h周辺の温度が変化することによって分解能が変化する。したがって、検波回路32h周辺の温度変化については短時間で終了させるようにすることが好ましい。
そこで、切替スイッチ31cの切り替えが行われた後、CPU回路部35は、棒状電極51に最大の交流電圧Vが印加されるようにDC+RF回路部32を制御する(ステップ10)。この制御により、フィルタ部5は最大質量電荷比に対応するイオンを連続で選別する状態になり、DC+RF回路部32の高周波トランス32cが発熱する。
この高周波トランス32cの発熱によってDC+RF回路部32の検波回路32h周辺の温度が短時間で上昇し、温度変化が短時間で終了する。例えば、ほぼ5分間連続でイオンを選別し続けると、検波回路32h周辺の温度は37℃程度まで上昇する。このとき、1回あたりの測定時間は18秒程度であり、測定回数は17回程度である。
最大質量電荷比でのイオン選別動作の後、真空装置内の被測定ガスの分圧測定が行われる(ステップ11、ステップ12)。分圧測定時には、ステップ02の動作が再度行われる。上記同様、分圧測定を行っている間は、フィラメント41にフィラメント電流が供給され続ける。分圧の測定が終了した後は、電源オフの信号があるまで、上記のステップ04〜ステップ12の動作を繰り返す。
図8は、従来の質量分析計のエミッション回路部131の構成を示す図である。このエミッション回路部131では、フィラメント141とフィラメント電流電源131aとが常に接続された状態になっている。この構成では、フィラメント141にフィラメント電流を常に供給し続けることになるため、消費電力が大きくなってしまうと共にフィラメント141の寿命が短くなってしまう。
これに対して、本実施形態によれば、被測定ガスの分圧測定を行うときにはフィラメント電流をフィラメント41に供給し、被測定ガスの分圧測定を行わないときにはフィラメント電流よりも電流値の小さい定電流をフィラメント41に供給するので、フィラメント41にフィラメント電流を供給し続ける場合に比べて消費電力を低減することができるとともに、フィラメント41の寿命短縮を抑制することができる。
また、本実施形態では、フィラメント電流を供給する前に、最大質量電荷比を有するイオンを選別する動作を連続して行うので、DC+RF回路部32の高周波トランス32cにおいて最大限の熱を発生させることができる。この高周波トランス32cの発熱によって検波回路32h周辺の温度を短時間で上昇させることができるので、フィラメント電流を供給したときのこの検波回路32h周辺の温度変化に要する時間を短くすることができ、分解能が変化する期間を短くすることができる。これにより、スムーズな分圧測定が可能となる。
また、本実施形態によれば、定電流の供給を開始してから所定の時間が経過したときにこの定電流を制御する電源以外の電源(±12V電源36b、+200V/−100V電源36d及び+90V電源36e)を遮断するので、その分、消費電力を低減することができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、質量分析計1の最大質量電荷比を100として説明したが、これに限られることは無く、最大質量電荷比の値を他の値にしてもよい。この場合、イオンを選別する動作を行う時間を別途設定することが好ましい。
また、上記実施形態では、フィラメント電流を供給する直前(ステップ10)において、最大質量電荷比を有するイオンを選別する動作を行ったが、例えば質量分析計1の電源をオンにした直後(ステップ01とステップ02との間)にこの動作を行うようにしても構わない。質量分析計1の電源をオンにした直後は、フィラメント電流が供給されておらず、検波回路32h周辺の温度が低い状態になっている。この状態で最大質量電荷比を有するイオンを選別する動作を行うことにより、検波回路32h周辺の温度を短時間で上昇させることができる。よって、フィラメント電流を供給したときの検波回路32h周辺の温度変化に要する時間を短くすることができ、分解能が変化する期間を短くすることができる。
また、上記実施形態では、切替スイッチ31cを定電流電源31b側に接続する際に、接続開始から一定時間が経過した後、CPU回路部35が各電源を遮断するように制御したが、これに限られることは無く、例えば接続開始の直後に各電源を遮断するように制御してもよい。この場合、消費電力の一層の低減を図ることができる。
また、上記実施形態では、四重電極型質量分析計などの質量分析計1を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えばフィラメントを加熱させることにより熱電子を放出させ、フィラメントとグリッドとの間に供給されるエミッション電流が一定になるように制御する電離真空計、質量分析計を利用したヘリウムリークディテクタなどにおいても、本発明は適用可能である。
本実施形態の質量分析計1は、スパッタリング装置や真空蒸着装置、CVD装置のような成膜装置の他、ドライエッチング装置や表面改質装置等の種々の真空装置に用いることができる。
図9は、本実施形態の質量分析計1及び従来の質量分析計(図8参照)において、所定の動作を行ったときの消費電力を示すグラフである。グラフの縦軸は消費電力(W)の大きさを示す。
同グラフにおける(1)は、本実施形態の質量分析計1及び従来の質量分析計において分圧測定を行っている状態の消費電力の大きさを示している。電源回路部36のうち、+12V電源36a、±12V電源36b、+5V電源36c、+200V/−100V電源36d及び+90V電源36eの全ての電源(従来の質量分析計においては、これらに対応するそれぞれの電源)がオンの状態になっている。このときの消費電力は25W程度である。本実施形態の質量分析計1と従来の質量分析計とでは、分圧測定を行ったときの消費電力に差はない。
同グラフの(2)は、従来の構成において、フィラメント141にはフィラメント電流が供給されており、本実施形態の棒状電極51及び2次電子倍増管61に対応する部分には電圧が印加されていない状態(分圧の測定は行われていない)の消費電力の大きさを示している。電源回路部のうち、本実施形態の+12V電源36a、±12V電源36b及び+5V電源36cに対応する各電源がオンの状態になっており、本実施形態の+200V/−100V電源36d及び+90V電源36eに対応する各電源がオフの状態になっている。このときの消費電力は13W程度である。
グラフの(3)は、本実施形態の構成において、フィラメント41に定電流が供給されており、棒状電極51及び2次電子倍増管61に電圧が印加されていない状態(分圧の測定は行われていない)の消費電力の大きさを示している。電源回路部36のうち、+12V電源36a、±12V電源36b及び+5V電源36cがオンの状態になっている。また、+200V/−100V電源36d及び+90V電源36eがオフの状態になっている。このときの消費電力は9W程度である。上記(2)の場合に比べて、この(3)では、+12V電源36aによる消費電力が低くなっていることがわかる。このように、分圧測定を行わないときにフィラメント電流よりも電流値の小さい定電流を供給することにより、フィラメント電流を供給し続ける場合に比べて、消費電力が低くなる。
同グラフの(4)は、本実施形態の構成において、フィラメント41に定電流が供給されており、棒状電極51及び2次電子倍増管61に電圧が印加されていない状態(分圧の測定は行われていない)の消費電力の大きさを示している。電源回路部36のうち、+12V電源36a及び+5V電源36cがオンの状態になっており、±12V電源36b、+90V電源36d及び+200/−100V電源36eがオフの状態になっている。このときの消費電力は6W程度である。上記(3)の場合に比べて、この(4)では、±12V電源36bが遮断されている分、消費電力が低くなっていることがわかる。このことから、分圧を測定していないときに、電源部のうち動作に必要の無い部分を遮断することで、消費電力が低くなるといえる。
上記実施形態の比較例を説明する。
本実施例では、上記実施形態のステップ10(最大質量電荷比を連続測定する動作)を行う代わりに、質量電荷比を1から100まで1ずつ大きくして連続測定した。1回あたりの測定時間は18秒程度であり、測定回数は100回であった。この場合、検波回路周辺の温度が37℃程度に上昇するまで30分程度を要した。
質量電荷比を最大質量電荷比とした場合に比べて、検波回路周辺の温度が上記実施形態における温度と同程度に上昇するまでの時間が25分程度長くなっている。このことから、ステップ08での質量電荷比はできるだけ大きな値であることが好ましく、最大質量電荷比として測定することが最も好ましいことがわかる。
上記実施形態の比較例を説明する。
図10及び図11は、上記実施形態の構成の質量分析計によって分圧測定を行ったときのイオン電流値(A)の時間変化を示すグラフである。
図10は、分圧測定を行わない間、フィラメント41に電流を供給しなかった場合についてのグラフである。図11は、分圧測定を行わない間、フィラメント41に1Aの定電流を供給した場合についてのグラフである。図10及び図11のグラフにおいて、縦軸がイオン電流値(A)であり、横軸が分圧測定開始からの時間(分)である。グラフ内には、複数のイオンのイオン電流値が示されている。図10及び図11のグラフに示されているように、分圧測定の結果、それぞれH(太実線)、HO(二点鎖線)、N+CO(細実線)、CO(一点鎖線)が検出されている。
図10に示すように、分圧測定を行わない間、フィラメント41に電流を供給しない場合には、フィラメント41にフィラメント電流を供給したときに放出ガスが発生し、分解能が変化する。このため、分圧測定開始から各イオン電流の値が大きく立ち上がっており、平衡状態になるまで1分以上かかっている。
これに対して、図11に示すように、分圧測定を行わない間、フィラメント41に1Aの定電流を供給した場合には、放出ガスの発生が抑制されているため、分圧測定開始から各イオン電流の値がそれほど大きく立ち上がることなく、30秒程度で平衡状態に達している。
このように、分圧測定を行わない間、フィラメントに電流を供給しない場合に比べて、分圧測定を行わない間、フィラメント41に例えば1Aの定電流を供給する場合の方が、より短時間で正確な分圧測定が可能になることがわかる。
本発明によれば、消費電力を低減し、かつ、カソード電極の寿命の短縮を抑えることが可能な質量分析計の制御方法及び質量分析計を提供することができる。

Claims (5)

  1. カソード電極及びアノード電極を有するイオン源の前記カソード電極に電流を供給して被測定ガスの分子をイオン化する工程と;
    前記イオン源で生成されたイオンを質量電荷比ごとに選別する工程と;
    選別した前記イオンのイオン電流値を検出する工程と;
    を備えた質量分析計の制御方法であって、
    前記質量分析計が、前記イオン源で生成された前記イオンを質量電荷比ごとに選別するフィルタ部を有し;
    前記イオン電流値の検出結果に基づいて前記被測定ガスの分圧測定を行う場合には、前記カソード電極と前記アノード電極との間を流れるエミッション電流が一定となるように前記カソード電極にカソード電流を供給し;
    前記被測定ガスの分圧測定を行わない場合には、前記カソード電流よりも電流値の小さい定電流を前記カソード電極に供給
    前記カソード電極に前記カソード電流を供給する前に、前記フィルタ部において選別可能な最大質量電荷比を有するイオンを選別する工程を備える;
    ことを特徴とする質量分析計の制御方法。
  2. 請求項1に記載の質量分析計の制御方法であって、
    前記質量分析計が、前記定電流を供給制御する電源を含む複数の電源を有し;
    前記被測定ガスの分圧測定を行わない場合には、前記定電流を供給制御する電源以外の電源のうち少なくとも一部を遮断する。
  3. 請求項2に記載の質量分析計の制御方法であって、
    前記被測定ガスの分圧測定を行わない状態になってから所定の時間が経過した時に、前記定電流を供給制御する電源以外の電源のうち少なくとも一部を自動的に遮断する。
  4. 被測定ガスの分圧測定を行う質量分析計であって、
    カソード電極及びアノード電極を有し、前記カソード電極に電流を供給して前記被測定ガスの分子をイオン化するイオン源と;
    このイオン源で生成されたイオンを質量電荷比ごとに選別して通過させるフィルタ部と;
    このフィルタ部を通過した前記イオンのイオン電流値を測定する検出部と;
    前記イオン源、前記フィルタ部、及び前記検出部の各動作を制御する制御部と;
    を具備し、
    前記制御部が、
    前記被測定ガスの分圧測定を行う場合には、前記カソード電極と前記アノード電極との間のエミッション電流が一定になるように前記カソード電極にカソード電流を供給し;
    前記被測定ガスの分圧測定を行わない場合には、前記カソード電流よりも電流値の小さい定電流を前記カソード電極に供給し;
    前記制御部が、前記カソード電極に前記カソード電流を供給する前に、前記フィルタ部において前記イオン源によって選別可能な最大質量電荷比を有するイオンが選別されるように制御することを特徴とする質量分析計。
  5. 請求項に記載の質量分析計であって、
    前記制御部が、前記定電流を供給制御する電源を含む複数の電源を有するとともに、前記被測定ガスの分圧測定を行わない場合に、前記定電流を供給制御する電源以外の電源のうち少なくとも一部を遮断する。
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