JP4783284B2 - プラスチック光ファイバケーブル - Google Patents

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Description

本発明はプラスチック光ファイバケーブルに関するものであって、特に100〜125℃程度の高温環境下における長期耐熱性に優れたプラスチック光ファイバケーブルに関する。
従来、光ファイバとしては、広い波長領域にわたって優れた光伝送を行うことができる石英系光ファイバが幹線系を中心に実用化されているが、この石英系光ファイバは高価で加工性が低い。そのため、より安価、軽量、大口径であり、端面加工や取り扱いが容易である等の長所を有するプラスチック光ファイバ(以下、POFと略する。)が、ライティング用途やセンサー用途、あるいはFA、OA、LAN等の屋内配線用途の分野で実用化されている。
なかでも、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)をコア材とし、低屈折率の含フッ素オレフィン系共重合体をクラッド材とするコア−クラッド構造からなるステップインデックス型(SI型)のPOFが、その外周に被覆層を形成したPOFケーブルとして、高速データ通信が可能で、軽量化や通信システムの低コスト化、電磁ノイズ対策等に優れる観点から自動車内LAN通信用配線として実用化されつつある。
上記のようなPOFケーブルが自動車内において使用される場合、環境温度が100〜125℃付近に達するため耐熱性に優れることが要求されており、特にエンジン近傍等のような高温環境下に敷設される場合にはオイルや電解液、ガソリン等の引火性物質が存在するため、耐熱性と同時に耐薬品性に優れることも要求される。そのため、POFケーブルの被覆材として耐熱性、耐薬品性等に優れるナイロン11やナイロン12、ナイロン612等のポリアミド系樹脂を用いる技術が数多く提案されている。
例えば、特許文献1(特開平11−101915号公報)、特許文献2(特開2001−324626号公報)及び特許文献3(特開2002―148451号公報)には、コア材にPMMA、クラッド材に結晶性の低い特定組成のフッ化ビニリデン(VdF)系の共重合体、被覆材にナイロン12樹脂を用いたPOFケーブルが提案されている。
上記の特許文献1〜2には、105℃環境下に1000時間保存した後の伝送損失の増加量が5〜6dB/km程度のPOFケーブルが開示されており、一定期間においては優れた耐熱性を示している。また、特許文献3には、85℃環境下に500時間保存した後、伝送損失の増加量が7.7〜26dB/km程度のPOFケーブルが開示されている。
特許文献1〜3に記載のPOFケーブルに被覆材として用いられているナイロン12等のポリアミド系樹脂は、工業的にはアミンとカルボン酸の重縮合反応により得られる。しかし、化学平衡により生成ポリマー中にポリアミド系樹脂原料に由来するモノマー、オリゴマーが含まれており、特許文献1〜3記載のPOFケーブルのようにPOFとポリアミド系樹脂からなる被覆層が密着した構成をとる場合には、高温環境下でこれらモノマー、オリゴマーがPOF内部に溶解・拡散して伝送損失の増大を引き起こし、特にクラッド最外層が含フッ素オレフィン系樹脂からなり、テトラフルオロエチレン(TFE)単位に加え、さらにフッ化ビニリデン(VdF)単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単位の少なくとも一方を有する場合に、この伝送損失の増大が顕著に発生する。
上記のポリアミド系樹脂原料に由来するモノマーとしては、ポリアミド系樹脂を構成する脂肪族ジアミノ酸化合物、脂肪族ジカルボン酸化合物、アミノ脂肪族カルボン酸化合物等があり、具体的には、ナイロン11では11−アミノウンデカン酸、ナイロン12では12−アミノドデカン酸、ナイロン612ではヘキサメチレンジアミンとドデカンニ酸塩、ナイロン610ではヘキサメチレンジアミンとセバシン酸塩、ナイロン6ではε−アミノカプロン酸、ナイロン66ではヘキサメチレンジアミンとアジピン酸、ナイロン1010では1,10−デカンジアミンと1,12−ドデカンジアミン、ナイロン1012では1,12−デカンジアミンと1,12−ドデカン二酸が挙げられる。さらに、アミノカルボン酸化合物の分子鎖末端が分子内でエステル環化結合して、環内にアミド結合(−CONH−)を有する環状ラクタム化合物も挙げられ、具体的には、ナイロン6ではε−カプロラクタム、ナイロン12ではω―ラウロラクタムが挙げられる。ここで、原料に由来するモノマーには原料合成時に副生成物として生成した低分子化合物も含まれる。
一方、オリゴマーとしては、ポリアミド系樹脂製造時の縮重合反応の過程で、前述した原料モノマー(前述の脂肪族ジアミノ酸化合物、脂肪族ジカルボン酸化合物、アミノ脂肪族カルボン酸化合物等)の2分子以上の分子鎖末端同士が分子間でエステル結合し、分子鎖末端にアミノ基(−NH)とカルボキシル基(−COOH)の両方、またはどちらか一方の官能基を有する化合物、あるいは、その化合物の分子鎖末端がさらに分子内でエステル環化結合して、環内にアミド結合(−CONH−)を有する環状ラクタム化合物、さらに、上記の化合物の分子間エステル結合した化合物、さらに分子内/分子間で副反応(脱アミノ化反応あるいは脱カルボキシル化反応)を起こし生成した化合物等が挙げられる。
前記モノマーやオリゴマーが直鎖状である場合は、末端アミノ基が含フッ素オレフィン系共重体と高い親和性を有し、含フッ素オレフィン系共重体からなるクラッド層の内部に留まる傾向が高いが、前記モノマーやオリゴマーが環状ラクタム化合物である場合は、該クラッド層の内層側(コアまたは第1クラッド層)の界面付近にまで移行して粒子状構造体を形成し、POFの界面での構造不整を増大させて、POFケーブルの伝送特性が著しく劣化させる傾向がある。
また上記オリゴマーは、低分子量である程、POF中への溶解・拡散が起こりやすくなる傾向があり、分子量2000以下ではその影響が特に顕著に表れる。
ところで、自動車内でPOFケーブルが使用される場合には、105℃環境下において5000時間を越える長期間にわたり伝送損失の増加量が小さいことが要求されている。しかし上記特許文献1〜3に記載のPOFケーブルは、POFに直接ポリアミド系樹脂を被覆した場合に上記の理由から高温環境下で伝送損失が増大するため、この要求性能を十分に満足できるものではなかった。
本発明の目的は、高温環境下での伝送損失の増加量が小さく長期耐熱性に優れたプラスチック光ファイバケーブル(POFケーブル)を提供することにある。
本発明者らは、上記のようにPOFケーブルの被覆層としてポリアミド系樹脂を用いた場合、ポリアミド系樹脂に含まれるモノマーやオリゴマーが、POFケーブルの伝送損失増加の要因となっていることを見出すとともに、POFケーブルを特定の構造とすることによってこの伝送損失の増加を防止できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記の態様を含むものである。
(1)コア/クラッド構造からなるプラスチック光ファイバと、その外周に設けられた光遮断被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルであって、
前記コア/クラッド構造の最外層が、少なくともテトラフルオロエチレン単位を有する結晶融解熱が59mJ/mg以下の含フッ素オレフィン系重合体からなり、
前記光遮断被覆層が、ポリアミド系樹脂を主成分とし、かつポリアミド系樹脂由来のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量が1.5質量%以下の範囲にある樹脂からなり、
前記コア/クラッド構造の最外層と前記光遮断被覆層との間には保護被覆層が設けられているプラスチック光ファイバケーブル。
(2)前記光遮断被覆層を構成する樹脂は、末端アミノ基の含有量が100μeq/g以下の範囲にある上記1項に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
(3)前記保護被覆層の相溶性パラメーター(SP値)をSP1、前記光遮断被覆層の主成分であるポリアミド系樹脂に含まれるモノマー及びオリゴマーの相溶性パラメーター(SP値)をSP2とする時、
|SP1−SP2|≧0.2
の関係を満たす上記1項又は2項に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
(4)前記保護被覆層が、(メタ)アクリル酸メチル単位を含有する樹脂、スチレン単位を主構成単位とする樹脂、ポリカーボネート系樹脂、プロピレン単位を主構成単位とする樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体を主成分とする樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリアセタール系樹脂のいずれかである上記1〜3項のいずれかに記載のプラスチック光ファイバケーブル。
(5)前記保護被覆層が、フッ化ビニリデン単位を85〜97質量%含有する樹脂からなる上記1〜3項のいずれかに記載のプラスチック光ファイバケーブル。
(6)前記保護被覆層が、酸無水物基、カルボン酸基、グリシジル基の少なくとも一つを有する共重合体単位を含む樹脂からなる上記1〜5項のいずれかに記載のプラスチック光ファイバケーブル。
本発明によれば、高温環境下における長期耐熱性に非常に優れたプラスチック光ファイバケーブルを提供することができる。
本発明のプラスチック光ファイバケーブルの断面図である。 被覆層の引抜強度の測定方法を説明するための図である。
以下に、本発明のPOFケーブルを構成するコア、クラッド、光遮断被覆層、保護被覆層について順次説明する。
本発明のPOFケーブルは、図1に示すように、コアとその外周に形成された少なくとも一層のクラッド(コア/クラッド構造)からなるプラスチック光ファイバ(POF)1と、その外周に設けられた保護被覆層2と、その外周に設けられた光遮断被覆層3を有する。
本発明のPOFケーブルのコアを構成する材料(コア材)としては、特に限定されるものではないが、POFケーブルとして100〜105℃付近での長期耐熱性を満足する観点からは、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、またはメタクリル酸メチル(MMA)単位と1種類以上のビニル系単量体単位からなる共重合体(以下、これらをPMMA系樹脂と呼ぶ。)が好ましい。なかでも透明性と機械的強度のバランスに優れたPMMAが特に好ましい。コア材がMMAとビニル系単量体との共重合体である場合には、透明性を十分に確保する点から、MMA単位の含有量は50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。MMAに対する共重合成分としては、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等の、POF用コア材の原料としてこれまでに提案されている材料を適宜選択することができる。
また、POFケーブルが105℃を超える高温環境下で用いられる場合には、透明性が高くかつTgが高く耐熱性に優れた樹脂として、ポリカーボネート系樹脂や環状ポリオレフィン系樹脂をコア材として用いてもよい。ポリカーボネート系樹脂や環状ポリオレフィン系樹脂としては、公知のものを使用できる。
コアの外周に形成されるクラッドは、1層から形成されていても2層以上の複数層から形成されても良い。しかし、少なくともクラッド最外層には、コアあるいは内層クラッドの保護材として機能するための機械特性と耐熱性を備え、かつ耐薬品性、耐衝撃性にも優れ、また光学的には屈曲時の光ロスを十分低減できる程度に低屈折率であるといった諸条件を満たす必要性がある点から、テトラフルオロエチレン(TFE)単位を少なくとも構成単位に有し、結晶融解熱が59mJ/mg以下の含フッ素オレフィン系重合体を用いる必要がある。
TFE単位を含む含フッ素オレフィン系重合体としては、TFE単位と、フッ化ビニリデン(VdF)単位、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)単位、パーフルオロ(フルオロ)アルキルビニルエーテル(FVE)単位のうちの少なくとも1種を共重合して得られる共重合体、VdF単位とTFE単位とヘキサフルオロアセトン単位との共重合体、TFE単位とHFP単位とエチレン単位との共重合体等が挙げられるがこれに限定されるものではない。TFEに対する共重合成分としては、低コストであり、TFE単位を用いて形成される共重合体は透明性が高く耐熱性に優れる点から、VdF単位、HFP単位あるいはFVE単位が特に好ましい。
また、TFE単位を含む含フッ素オレフィン系重合体中にVdF単位とHFP単位のうち少なくとも1種類を含む樹脂は、POFの溶融紡糸時の安定性に優れている点で好ましい。
上記のTFE単位を含む含フッ素オレフィン系重合体の具体例としては、VdF単位60〜90質量%とTFE単位10〜40質量%からなる2元共重合体、VdF単位10〜60質量%と、TFE単位20〜70質量%と、HFP単位5〜35質量%とからなる3元共重合体、VdF単位5〜25質量%と、TFE単位50〜80質量%と、FVE単位5〜25質量%からなる3元共重合体、エチレン単位5〜60質量%と、TFE単位25〜70質量%と、HFP単位5〜45質量%とからなる3元共重合体、VdF単位10〜30質量%と、TFE単位40〜80質量%と、HFP単位5〜40質量%と、FVE単位0.1〜15質量%とからなる4元共重合体、TFE単位40〜90質量%と、パーフルオロ(フルオロ)アルキルビニルエーテル単位10〜60質量%とからなる2元共重合体、TFE単位30〜75質量%とHFP単位25〜70質量%からなる2元共重合体、等を挙げることができる。
FVE単位としては、下記一般式(I)
CF=CF−(OCFCF(CF))aO−Rf (I)
(式中、Rfは炭素原子数が1〜8個のアルキル基もしくはフルオロアルキル基又はアルコキシルアルキル基もしくはフルオロアルコキシルアルキル基を示し、aは0〜3の整数である。)
で示される化合物の単位が挙げられる。
上記一般式(I)の中でも、下記の一般式(II)〜(V)
CF=CFO(CF)n−OCF (II)
(式中、nは1〜3の整数)
CF=CF(OCFCF(CF))nO(CF)mCF (III)
(式中、nは0〜3の整数、mは0〜3の整数)
CF=CFO(CH)n(CF)mCF (IV)
(式中、nは1〜3の整数、mは0〜3の整数)
CF=CFO(CH)nCH (V)
(式中、nは0〜3の整数)
の何れかで表わされる化合物の単位であることが好ましい。
さらに、CF=CFOCF、CF=CFOCFCF、CF=CFOCFCFCF、CF=CFOCHCF、CF=CFOCHCFCF、CF=CFOCHCFCFCF、CF=CFOCH、CF=CFOCHCH及びCF=CFOCHCHCHからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物の単位は、原料が低コストで得られる点からFVE単位として好ましい。
さらに、本発明においては、クラッド最外層を形成する含フッ素オレフィン系重合体として、結晶融解熱の値が59mJ/mg以下の樹脂を用いる必要があり、好ましくは40mJ/mg以下であり、より好ましくは20mJ/mg以下であり、さらに好ましくは15mJ/mg以下である。これは、結晶融解熱が高すぎると、特に59mJ/mgを超えると、樹脂の結晶性が高くなり、高温環境下においては樹脂の透明性の低下が起こって、POFケーブルの初期および高温環境下での伝送損失が悪化する原因となるためである。少なくともクラッド最外層を構成する樹脂として、結晶融解熱が上記の範囲内において、例えば1mJ/mg以上の樹脂を用いることができる。
クラッドが複数層で形成されている場合、その内層側の内層クラッドを形成する樹脂としては、フッ素化メタクリレート系重合体、フッ化ビニリデン系重合体等のPOF用クラッド材として提案されている材料を適宜選択することができる。特にフッ素化メタクリレート系重合体は、屈折率の調整が容易で、良好な透明性及び耐熱性を有しながら、屈曲性及び加工性に優れる重合体であるため好ましい。
上記フッ素化メタクリレート系重合体としては、例えば、良好な透明性及び耐熱性を有しながら、屈曲性及び加工性に優れる重合体として、
下記一般式(VI)
CH=CX−COO(CH)m−R1f (VI)
(式中、Xは水素原子、フッ素原子、又はメチル基、R1fは炭素数1〜12の(フルオロ)アルキル基、mは1又は2の整数を示す。)
で表される(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステルの単位(A)15〜90質量%と、単位(A)の単量体と共重合可能な単量体の単位(B)10〜85質量%からなり、屈折率が1.39〜1.475の範囲にある共重合体を用いることができる。
(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステルの単位(A)としては、下記一般式(VII)
CH=CX−COO(CH)m(CF)nY (VII)
(式中、Xは水素原子又はメチル基、Yは水素原子又はフッ素原子を示し、mは1又は2、nは1〜12の整数を示す。)
あるいは、下記一般式(VIII)
CH=CX−COO(CH)m−(C)R2fR3fR1 (VIII)
(式中、Xは水素原子又はメチル基を示し、R2f及びR3fは同一又は相異なるフルオロアルキル基、R1は水素原子、メチル基又はフッ素原子を示し、mは1又は2の整数を示す。)
で表される化合物の単位を挙げることができる。
一般式(VII)の例として、(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル(3FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(4FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(5FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(6FM)、(メタ)アクリル酸−1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(8FM)、(メタ)アクリル酸−2−(パーフルオロブチル)エチル(9FM)、(メタ)アクリル酸−2−(パーフルオロヘキシル)エチル(13FM)、(メタ)アクリル酸−1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(16FM)、(メタ)アクリル酸−2−(パーフルオロオクチル)エチル(17FM)、(メタ)アクリル酸−1H,1H,11H−(イコサフルオロウンデシル)(20FM)、(メタ)アクリル酸−2−(パーフルオロデシル)エチル(21FM)等の、直鎖状フッ素化アルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸フッ素化エステルを挙げることができる。一般式(VIII)の例として、(メタ)アクリル酸ヘキサフルオロネオペンチルや、(メタ)アクリル酸ヘキサフルオロイソブチル等の、分岐状フッ素化アルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸フッ素化エステル等を挙げることができる。
一方、単位(A)の単量体と共重合可能な単量体の単位(B)として、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル;(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸(1−メチルトリシクロヘプチル)、(メタ)アクリル酸(1−メチルヘキサシクロドデシル)等の、脂環式基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸脂環式エステル;N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のN−置換マレイミド;α−メチレン−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ−エチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ−シクロヘキシル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−β−エチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−β−メチル−γ−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−β−メチル−γ、γ−メチル−γ−ブチロラクトン等の化合物の単位を挙げることができる。この中から、クラッド材としての透明性や耐熱性を満足するように、1種類以上の化合物を適宜選択すれば良い。中でも、(メタ)アクリル酸メチルは、(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステルと共重合することによって、クラッド材の透明性や耐熱性、さらに機械的強度をバランス良く向上させることができる点から好ましい。また、メタアクリル酸の単位を、フッ素化メタクリレート系重合体中に0.5〜5質量%の範囲で含有させることによって、POFのコア材及びクラッド最外層の樹脂の両方に対する密着性を向上できる。
尚、前述のようにクラッド層は2層以上の複数層から形成されても良いが、製造コストを低減する観点からは、最外層クラッドとコアの間に内層クラッドとして第1クラッドのみを備え、第1クラッド及びその外周に最外層クラッドとして第2クラッド層を備えた2層構造とすることが好ましい。
クラッドが2層構造からなる場合、コアの屈折率をn1、第1クラッドの屈折率をn2、最外層クラッド(第2クラッド)の屈折率をn3として、POF屈曲時の曲げ損失を低減する観点から、n1、n2、n3が下記の関係式(1)
n1>n2>n3 (1)
を満たすことが好ましいが、下記の関係式(2)および(3)
n1>n2 (2)
n2<n3 (3)
を満たしていても良い。なお、本発明における屈折率とは、ナトリウムD線による25℃における屈折率をいう。
次に本発明のPOFケーブルを構成する光遮断被覆層について説明する。
本発明のPOFケーブルには、上述したコア−クラッド構造からなるPOFの外周に、外光の入射を防止するためカーボンブラック等の遮光剤を含有させた光遮断被覆層が少なくとも1層以上配設されている。
さらに、前記光遮断被覆層のうち少なくとも1層は、耐熱性、耐屈曲性、耐薬品性等に優れたポリアミド系樹脂によって構成される。
上記のポリアミド系樹脂としては、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン66等の単独重合体や、ナイロン612、ナイロン1010、ナイロン1012等の、これら単独重合体の構成単位の組み合わせからなる共重合体、柔軟なセグメントを導入したナイロン系エラストマー等を挙げることができる。これらは1種を単独で使用しても、2種類以上を混合して使用しても良く、また、必要に応じて、ポリアミド系樹脂以外の重合体や化合物を添加して使用することもできる。このように他の重合体や化合物などの他成分を配合する場合には、50質量%以下の範囲内で他成分を添加することが好ましい。すなわち、本発明における光遮断被覆層を構成する樹脂は、ポリアミド系樹脂を主成分とし、ポリアミド系樹脂成分の含有量は50質量%以上が好ましく、70質量%以上が好ましく、80質量%以上が好ましい。
上記ポリアミド系樹脂の中でも、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン612、あるいはこれらの組み合わせからなる樹脂は、被覆工程における成形性が良好で、かつ適度な融点を有しているため、POFの伝送性能を低下させることなく容易にPOFを被覆することができる。これらの樹脂は、さらにPOFとの密着性および寸法安定性にも優れることから、特にPOFケーブルが自動車内LAN用途として用いられる際に問題となる熱収縮やピストニングの発生を効果に防止できる点から好ましい。なお、本発明においてPOFと光遮断被覆層との密着性という場合、具体的には、POFの外周に設けた、後述する保護被覆層と光遮断被覆層とが密着することを意味する。
本発明のPOFケーブルでは、POFケーブルの長期耐熱性をより高いものとするために、光遮断被覆層が、ポリアミド系樹脂を主成分とする樹脂で形成され、かつ該樹脂中に含まれるポリアミド系樹脂由来のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量が1.5質量%以下の範囲にある樹脂を用いる必要がある。このモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量は1.3質量%以下の範囲にあることが好ましく、1.0質量%以下の範囲にあることがより好ましく、0.8質量%以下の範囲であれば特に好ましい。モノマー化合物及びオリゴマー化合物の含有量が多すぎると、特に1.5質量%より多ければ、保護被覆層によるモノマー化合物及びオリゴマー化合物の遮断効果が不十分となる。このように光遮断被覆層中のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量が上記の範囲内であれば、保護被覆層によるモノマー化合物及びオリゴマー化合物の遮断効果が得られ、例えば0.1質量%以上、さらには0.5質量%以上の含有量であっても十分な効果を得ることができる。
光遮断被覆層を構成するポリアミド系樹脂中のモノマー化合物は、前述したように、ポリアミド系樹脂を構成する脂肪族ジアミノ酸化合物、脂肪族ジカルボン酸化合物、アミノ脂肪族カルボン酸化合物等が挙げられ、また、アミノカルボン酸化合物の分子鎖末端が分子内でエステル環化結合して環内にアミド結合(−CONH−)を有する環状ラクタム化合物などの、ポリアミド系樹脂製造時の副生成物も含まれる。光遮断被覆層を構成するポリアミド系樹脂中のオリゴマー化合物は、前述したように、ポリアミド系樹脂製造時の縮重合反応の過程で、前述した原料モノマー(前述の脂肪族ジアミノ酸化合物、脂肪族ジカルボン酸化合物、アミノ脂肪族カルボン酸化合物等)の2分子以上の分子鎖末端同士が分子間でエステル結合し、分子鎖末端にアミノ基(−NH)とカルボキシル基(−COOH)の両方、またはどちらか一方の官能基を有する化合物、あるいは、その化合物の分子鎖末端がさらに分子内でエステル環化結合して環内にアミド結合(−CONH−)を有する環状ラクタム化合物、さらに、上記の化合物の分子間エステル結合した化合物、さらに分子内/分子間で副反応(脱アミノ化反応あるいは脱カルボキシル化反応)を起こし生成した化合物等が挙げられる。上記オリゴマーは、低分子量である程、POF中への溶解・拡散が起こりやすくなる傾向があり、分子量2000以下ではその影響が特に顕著に表れるため、分子量2000以下のオリゴマー及びモノマー化合物の合計含有量が1.5質量%以下であることが好ましい。
ポリアミド系樹脂中のモノマー化合物及びオリゴマー化合物を低減する方法としては、ポリアミド系樹脂の重縮合反応時の温度、水分率、反応系内の原料/生成物濃度を制御する方法や、重合後のポリアミド系樹脂を熱水抽出塔に供給して熱水で向流抽出する方法や、溶融したポリアミド樹脂を高温・高真空下で脱モノマー処理する方法など、公知の技術を用いることができる。
また、本発明のPOFケーブルでは、100℃以上でのPOFケーブルの長期耐熱性をより高いものとするために、光遮断被覆層を構成する樹脂が、ポリアミド系樹脂を主成分とし、末端アミノ基の含有量が100μeq/g以下の範囲にあること好ましく、30μeq/g以下の範囲にあることがより好ましく、10μeq/g以下の範囲にあることがさらに好ましい。
末端アミノ基の含有量を100μeq/g以下とする具体的な手法としては、ポリアミド系重合体のポリマー鎖末端部分をキャッピング処理したり、製造条件(重合工程や抽出工程)の最適化や、低分子アルコール中でポリアミド系重合体の還流抽出操作を行うことにより、残存する原料由来のモノマーまたはオリゴマー類を低減する方法が挙げられる。但し、末端アミノ基の含有量が減少する程、保護被覆層と光遮断被覆層との密着性が低下する傾向があるため、耐熱性と密着性のバランスを取りながら、材料の選定を行う必要がある。上記のような末端アミノ基の含有量が低減されたポリアミド系樹脂としては、例えば、ダイセル・デグサ社製のDaiamide−L1600、L1640(商品名)等が挙げられる。
本発明のPOFケーブルの特徴の一つは、上述の光遮断被覆層を形成するポリアミド系樹脂に含まれる原料由来のモノマー化合物及び/又はオリゴマー化合物がPOFに移行することを遮断するため、POFと光遮断被覆層間に保護被覆層を設けたことである。
このような保護被覆層を形成する樹脂としては、保護被覆層の相溶性パラメーター(SP値)をSP1、前記光遮断被覆層を構成するポリアミド系樹脂の原料モノマー及び該原料モノマーから形成されるオリゴマーの相溶性パラメーター(SP値)をSP2とする時、SP値間の差の絶対値|SP1−SP2|をΔSPとして、
ΔSP≧0.2
を満たす樹脂を保護被覆層の樹脂として選定することが好ましい。このΔSPは、
2.5≧ΔSP≧0.5
であることがより好ましく、
2.2≧ΔSP≧0.75
であることがさらに好ましい。
ΔSPが0.2より小さければ、光遮断被覆層を構成するポリアミド系樹脂由来のモノマーやオリゴマーと、保護被覆層の材料との相溶性が良くなり、モノマーやオリゴマーの透過性が高くなる傾向があり、保護被覆層による遮断効果が不十分となるおそれがある。
ここで相溶性パラメーター(SP値)とは、その化合物の溶解度パラメーターを表し、物の溶解性の尺度になるもので、各種算出する方法が提案されており、本発明においては、Fedorsの方法を採用した(Polymer Engineering and Science 14巻、147〜154頁を参照)。この方法に従った場合の光遮断被覆層を構成するポリアミド系樹脂の原料モノマーまたは該原料モノマーから形成されるオリゴマーの相溶性パラメーターSP2は、10.6〜11.5の範囲にある。
このような保護被覆層を形成する樹脂としては、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル単位を含有する樹脂(△SP=0.8〜2.0)、(メタ)アクリル酸メチル単位と(メタ)アクリル酸フッ素化アルキル単位を共に含有する樹脂(△SP=0.9〜2.2)、スチレン単位を主構成単位とする樹脂(△SP=0.9〜1.6)、ポリカーボネート(PC)系樹脂(△SP=1.7〜2.0)、プロピレン単位及び/又はポリエチレン単位を主構成単位とする樹脂(△SP=2.3〜2.9)、エチレン−ビニルアルコール共重合体を主成分とする樹脂(△SP=4.0〜6.2)、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(△SP=0.2〜2.0)、ポリアセタール系樹脂(△SP=0.7〜0.9)、あるいはフッ化ビニリデン単位を主構成単位とする樹脂(△SP=3.1〜4.2)が、モノマー及びオリゴマーの遮断効果や耐熱性に優れる観点から好ましい。なお、(メタ)アクリル酸メチル単位を主構成単位とする樹脂としては、樹脂中に(メタ)アクリル酸メチルの単位を50質量%以上含有する樹脂が好ましく、60質量%以上含有する樹脂がより好ましい。また、フッ化ビニリデン単位を主構成単位とする樹脂としては、該樹脂中にフッ化ビニリデン単位を好ましくは85〜97質量%、より好ましくは90〜97質量%の範囲で含有する樹脂を用いることができる。
以下、本発明のPOFケーブルの保護被覆層として好ましく用いることができる各種樹脂について説明する。
前記保護被覆層を構成する(メタ)アクリル酸メチル単位を含有する樹脂としては公知のものが使用できる。具体的な例としては、(メタ)アクリル酸メチルの単独重合体(PMMA)や、(メタ)アクリル酸メチル単位と他の単量体との共重合体等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸メチル単位の共重合成分として好ましくは、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、その他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、さらには下記一般式(IX)
CH=CX−COO(CH)m(CF)nY (IX)
(式中、Xは水素原子又はメチル基、Yは水素原子又はフッ素原子を示し、mは1又は2、nは1〜12の整数を示す。)
で表される、(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステルの単位が挙げられる。
なお、上記一般式(IX)において、含フッ素アルキル基の構造が嵩高くなると共重合時の重合性、共重合体の耐熱性が低下することから、含フッ素アルキル基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
上記一般式(IX)で表される(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステルとして、より詳しくは、(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル(3FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(4FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(5FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(6FM)、(メタ)アクリル酸−1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(8FM)、(メタ)アクリル酸―2−(パーフルオロブチル)エチル(9FM)、(メタ)アクリル酸―2−(パーフルオロヘキシル)エチル(13FM)、(メタ)アクリル酸―1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(16FM)、(メタ)アクリル酸―2−(パーフルオロオクチル)エチル(17FM)、(メタ)アクリル酸―1H,1H,11H−(イコサフルオロウンデシル)(20FM)、(メタ)アクリル酸―2−(パーフルオロデシル)エチル(21FM)等の、直鎖状フッ素化アルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸フッ素化エステルに加え、(メタ)アクリル酸ヘキサフルオロネオペンチルや(メタ)アクリル酸ヘキサフルオロイソブチル等の、分岐状フッ素化アルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸フッ素化エステル等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸メチル単位を含有する樹脂に上記の(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステル単位を含む場合には、保護被覆層としての機械的強度と、上述のポリアミド系樹脂に含まれるモノマー及びオリゴマーのPOF中への溶解・拡散を防止する効果に優れる点から、(メタ)アクリル酸メチル単位10〜95質量%と(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステル単位5〜90質量%とを含む共重合体とすることが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル単位50〜90質量%と(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステル単位10〜50質量%であればより好ましく、(メタ)アクリル酸メチル単位60〜90質量%と(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステル単位10〜40質量%であればさらに好ましい。
上記以外の(メタ)アクリル酸メチル単位の共重合成分としては、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸(1−メチルトリシクロヘプチル)、(メタ)アクリル酸(1−メチルヘキサシクロドデシル)、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕−デカ−8−イル等のその他の脂環式基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸脂環式エステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル;スチレンの他、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン等のα−置換スチレン、フルオロスチレン、メチルスチレン等の置換スチレン等の芳香族ビニル化合物等も挙げることができる。
保護被覆層を構成するポリカーボネート(PC)樹脂としては、公知のPC樹脂を使用することができ、耐熱性の点から芳香族系のPC樹脂が好ましく、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノールAF)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンの中から選ばれる1種または2種以上の2価フェノール化合物を含むビスフェノール含有成分にカーボネート前駆物質を反応させて得られる芳香族PC又はその共重合体がより好ましい。
上記の中でも、ビスフェノールAの含有量が50質量%以上であるビスフェノール含有成分にカーボネート前駆物質を反応させて得られる芳香族PCまたはその共重合体が、高温環境下におけるPOFケーブルの長寿命化という点から特に好ましい。
上記のカーボネート前駆物質としては公知の各種のものを用いることができ、例えばホスゲン、ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。
上記のPC樹脂としては、例えば、三菱エンジニアリング・プラスチック社製の商品名:ユーピロンH3000、H4000、ODX、バイエル製の商品名:マクロロン2205、2405、2605、CD2005、出光石油化学社製の商品名:タフロン#1700、#1900、#2200、MD1500、帝人化成製の商品名:パンライトL−1225L、L−1225Y、LV−2225Y、AD5503、帝人バイエルポリテック製の商品名:ST−3000、GE・プラスチック製の商品名:レキサン101R、121R、5221C、OQ1020C、住友ダウ・ケミカル製の商品名:カリバー301−15、301−22、301−30等が挙げられる。
保護被覆層を構成する樹脂としてスチレン単位を主構成単位とする樹脂を用いてもよい。ここでスチレン単位を主構成単位とする樹脂とは、樹脂中に50質量%以上のスチレン単位を含む樹脂を指し、スチレンの単独重合体や、スチレン単位を50質量%以上含有する共重合体等が挙げられる。尚、スチレン単位の共重合成分としては、上述した(メタ)アクリル酸メチル単位の共重合成分として挙げられた各種単量体成分も用いることもできる。
保護被覆層を構成するプロピレン単位を主構成単位とする樹脂とは、プロピレン単位の含有量が60質量%以上の樹脂であり、プロピレンの単独重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−エチレン共重合体等を挙げることができる。
前記プロピレン単位を主構成単位とする樹脂中には、少なくとも1種のビニル芳香族化合物を主構成単位とする重合体ブロック(A)および少なくとも1種の共役ジエン化合物を主構成単位とする重合体ブロック(B)を含むブロック共重合体、もしくはこのブロック共重合体に水素添加してなるブロック共重合体のうちのいずれかがブレンドされていてもよい。このような樹脂組成物を保護被覆層として用いることにより、光ファイバケーブルに適度な柔軟性を付与すると共に、光ファイバケーブルの熱収縮を抑制する効果が得られる。
ここで上記共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。上記ブロック共重合体としてより具体的には、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレンーブタジエンースチレン共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン共重合体(SBBS)、水添スチレン−ブタジエンラバー(HSBR)、スチレン−エチレン−ブチレン−オレフィン共重合体(CEBS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。
以上説明したプロピレン単位を主構成単位とする樹脂としては、例えば、チッソ社製の商品名:NEWCON、三井石油化学社製の商品名:ミラストマー、三菱化学社製の商品名:サーモラン、住友化学社製の商品名:住友TPE、アルケマ社製の商品名:OREVAC等が挙げられる。
保護被覆層を構成する樹脂として、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVAL共重合体と略する)とは、エチレン単位を20〜70モル%、ビニルアルコール単位を30〜80モル%含有する共重合体であり、特に共重合体の融点が195℃以下、より好ましくは180℃以下の範囲にあり、210℃、荷重5kgf(49N)で測定したメルトフローインデックスが25〜80g/10分の範囲にあるものが、上述の光遮蔽被覆層に含まれるモノマー及びオリゴマーのPOF中への溶解・拡散を防止する効果に優れるとともに、POFケーブルの成型安定性に優れる点から好ましい。
また、EVAL共重合体は、本発明におけるPOFのクラッド最外層を形成する含フッ素オレフィン系共重合体、及び光遮断被覆層を形成するポリアミド系樹脂の両方に対して極めて高い接着性を有することから、POFケーブルを機械的に保護できるとともに、高温環境下でのピストニングの発生も抑制できる。また、この共重合体は酸素遮断性が高いことから、高温環境下におけるPOFの酸化劣化による伝送損失の増大も抑制できる。
なお、上記EVAL共重合体に、保護被覆層としての機能を損なわない範囲であれば他の熱可塑性樹脂を含有させてもよいが、この場合樹脂混合物中のEVAL共重合体含有量は50質量%以上が好ましい。例えば、保護被覆層の水蒸気遮蔽効果を高めるために、EVAL共重合体100質量部に対して、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などを5〜80質量部の範囲で添加することができる。
上記のようなEVAL共重合体としては、例えば、クラレ社製の商品名:エバールE105、G156、F104、FP104、EP105、EU105等が挙げられる。
保護被覆層を構成する樹脂として、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(以下、PBT樹脂と略する)とは、1,4ブタンジオール(テトラメチレングリコール)とテレフタル酸のエステル化反応、または1,4ブタンジオールとテレフタル酸ジメチルのエステル交換反応により得られたビスヒドロキシブチルテレフタレート(BHT)ないしはそのオリゴマーを、さらに重縮合して合成された、下記一般式(X)で示されるオリゴポリ1,4ブチレンテレフタレートの単位
Figure 0004783284

を主構成単位として含有する重合体のことであり、このようなPBT樹脂としては融点が195℃以下、より好ましくは180℃以下の範囲にあるものが好ましい。
PBT樹脂として、より具体的には、上記一般式(X)で示されるオリゴポリ1,4ブチレンテレフタレートをハードセグメント単位(結晶相)とし、一方、ソフトセグメント単位(非晶相)として、分子量が200〜5000の範囲にある脂肪族ポリエーテル(例えば、ポリテトラメチレンオキシドグリコール(PTMG)など)とテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルとの重縮合で合成された、下記一般式(XI)で示される脂肪族ポリエーテルのブロック単位
Figure 0004783284

(式中、pは4〜12の整数、qは1〜20の整数を示す。)
または、ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)やポリブチレンアジペート(PBA)のような、下記一般式(XII)で示される脂肪族ポリエステルのブロック単位
Figure 0004783284
とブロック共重合した樹脂が挙げられる。このようなPBT樹脂の、POFケーブルの成形温度付近である190〜230℃付近における溶融粘度は、上記ハードセグメント単位と上記ソフトセグメント単位の構成比、あるいは重合体の分子量の調整によって容易に調整できる。
このようなPBT樹脂としては、例えば、東レ・デュポン社製の商品名:ハイトレル2551、4047、4057、4767や、ポリプラスチック社製の商品名:DYURANEX 400LP、帝人化成社製の商品名:ヌーベラン4400シリーズ、東洋紡社製の商品名:ペルプレンSタイプ、Pタイプ、三菱化学社製の商品名:プリマロイBシリーズ等が挙げられる。
保護被覆層を構成するポリアセタール系樹脂(以下、POM樹脂と略する)とは、オキシメチレン単位(−CHO−)を主構成単位とするポリマーであり、ホルムアルデヒドの単独重合により得られるオキシメチレン単位のみから構成される単独重合体や、トリオキサンと環状エーテルの共重合(カチオン重合など)により得られるポリアセタール基本骨格中にポリオレフィン成分が導入されたブロック共重合体等がある。これらのPOM樹脂は、上述のポリアミド系樹脂に含まれるモノマー及びオリゴマーのPOF中への溶解・拡散を防止する効果に優れている。さらに、一般的に、POM樹脂の融点は180℃以下と低いため、POFケーブルの被覆時にPOF(コア−クラッド構造)に熱損傷を与えることなく被覆できる。
このようなPOM樹脂としては、例えば、旭化成社製の商品名:テナック4010、5010、7010、5050、7054、9054、テナックCの4520、5520、7520、8520、HCシリーズ、ポリプラスチック社製の商品名:DYURACON M450、Du Pont社製の商品名:Derlin900シリーズ、1700シリーズ等が挙げられる。
保護被覆層を構成する樹脂としてフッ化ビニリデン単位を主構成単位とする樹脂を用いる場合には、樹脂中のフッ化ビニリデン単位の含有量が85〜97質量%、好ましくは90〜97質量%の範囲にある樹脂組成物を用いることが好ましい。
フッ化ビニリデン単位の含有量が85質量%以上であると、保護被覆層によるモノマー及びオリゴマーの遮断効果がより十分に得られ、97質量%以下であると、この樹脂のメルトフローインデックスを所望の範囲、例えば30〜80g/10分の範囲に調整することが容易になる。
以上のような各種樹脂を本発明のPOFケーブルの保護被覆層材料に好ましい樹脂として挙げることができるが、上記保護被覆層には、POFへの外光の入射を防止するために、光遮断被覆層と同様に、カーボンブラック等の遮光剤を含有させてもよく、十分な光遮断効果を得るために、保護被覆層の本来目的とする効果を損なわない範囲で、例えば0.1%以上含有させてもよい。
さらに、POF(クラッド最外層)と保護被覆層の密着性、および光遮断被覆層(ポリアミド系樹脂)と保護被覆層の密着性をより高めるために、前記保護被覆層を形成する樹脂中に、酸無水物基、カルボン酸基、グリシジル基のうちの少なくとも1つを含有する接着性成分を添加することが好ましい。例えば(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸グリシジル等から選ばれる少なくとも1種の単量体を、(メタ)アクリル酸メチル単位やスチレン単位の共重合成分としてこれらと共重合し、得られた共重合体を光遮断被覆層に用いたり、前記接着性成分である単量体単位を含む共重合体を、(メタ)アクリル酸メチル単位やスチレン単位を主構成単位とする樹脂あるいはPC樹脂等に目的の密着強度を達成するのに必要な量だけ添加し、得られた樹脂混合物を光遮断被覆層に用いたりする方法等をとればよい。特に(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸グリシジルの少なくとも1つから選ばれる単量体とMMA単位との共重合体、或いはそれらにさらにスチレン単位を共重合させた共重合体は、接着性の点で望ましい。
保護被覆層に用いる共重合体中における酸無水物基や、カルボン酸基、グリシジル基を有する接着性単量体の含有量は5質量%以下にすることが好ましく、3質量%以下とすることが更に好ましい。この含有量が5質量%以下であると、複合紡糸工程または被覆工程における溶融の際に十分な流動性が確保でき、安定した紡糸または被覆を行うことができ、また溶融の際、発泡を抑えることができる。
上記の接着性単量体成分の他に、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等のような(メタ)アクリル酸アルキル;(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸テトラフロロプロピル等のような(メタ)アクリル酸フロロアルキル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の脂環式(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等の芳香族(メタ)アクリル酸エステルのような共重合可能な成分から選ばれる1種以上を、所望の物性を損なわない範囲で、接着性単量体成分とともに共重合した樹脂を用いても良い。
上記のように接着性成分を含む樹脂を保護被覆層に用いることによって、POFと保護被覆層との間の密着性、および保護被覆層と光遮断被覆層との間の密着性が高まり、引き抜き強度(すなわちPOFと光遮断被覆層との間の引き抜き強度)を25N以上にまで高めることができ、35N以上とすることも可能である。POFと光遮断被覆層との間の引き抜き強度が25N以上であれば、高温環境下でのピストニングの発生をより一層抑制できる。また、POFケーブルの一端にプラグを固定し、プラグを介して他の機器等と接続した後に振動などの機械的作用を受けた際に、POFと光遮断被覆層との密着性が不十分な場合には、POFに過剰な力が作用してPOFが破断し易くなるが、このような破断も防止できる。
また、上述の保護被覆層の各種材料のガラス転移温度については、70℃以上、160℃以下の範囲にあることが好ましく、75℃以上、120℃以下の範囲にあることがより好ましい。ガラス転移温度が70℃以上であれば、POFケーブルが100〜105℃付近で使用された場合でも、保護被覆層による十分な遮断効果が得られる。160℃以下であれば、POF素線と保護被覆層の密着強度及び/又は保護被覆層と光遮蔽被覆層の密着強度が十分に得られ、POFケーブルを高温環境下で使用した時でもピストニングの発生を抑えることができる。
次に、本発明のPOFケーブルを構成する各層の厚みについて説明する。本発明では、コア−クラッド構造のPOFの直径は500〜1500μm程度とすることが好ましく、このうちクラッドの厚さが2〜30μm程度とすることが好ましい。前記POFの外周に設ける保護被覆層の厚さは5〜300μm程度であることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましい。保護被覆層の厚みが5μm以上であれば、POFの外周に均一に押出被覆することが容易になり、引き抜き強度を十分に維持でき、300μmを超える厚みとしても、それ以上の厚みによる保護層としての遮断効果を得ることは困難である。また、光遮断被覆層の厚みの範囲は100〜1000μmとすることが好ましく、100〜600μmであればより好ましい。光遮断被覆層の厚みを100μm以上とすることにより、十分な光の遮断効果を得ることができ、1000μmを超える厚みとしても、それ以上の厚みによる光遮断効果を得ることは困難である。
なお、本発明のPOFケーブルは、光遮断被覆層の外周部に、さらに複数の被覆層を形成してもよく、例えば、ポリアミド系樹脂を用いた光遮断被覆層の外周に、この光遮断層に用いたポリアミド系樹脂とは特性の異なるポリアミド系樹脂や、ポリアミド系樹脂以外の熱可塑性樹脂を使用することによって、1層の被覆層では達成できない複数の機能をPOFケーブルに容易に付与できる。具体的には、POFケーブルに難燃性を付与するには、難燃性にすぐれた樹脂(塩化ビニル樹脂等)を被覆層の最外層に用いればよく、また、POFケーブルの柔軟性をさらに向上させるには、被覆層の最外層にさらに柔軟な樹脂を用いることで、POFケーブルに曲げ癖が付き難くなり、取り扱い性が向上する。ポリアミド系樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂や、架橋ポリエチレン系樹脂、架橋ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
これらの樹脂の中でも、本発明のPOFケーブルの100〜105℃における長期耐熱性を満足する観点からは、ポリアミド系樹脂からなる光遮断被覆層の外周に、さらに架橋ポリエチレン系樹脂、架橋ポリプロピレン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂のうちの少なくとも一種を用いて形成される被覆層を設けることが好ましい。
POFケーブルの識別性、意匠性を高めるためには、被覆層最外層を構成する材料に着色剤を含有させればよい。着色剤としては、染料系や無機系の公知のものが用いられるが、耐熱性の観点から無機顔料を用いることが好ましい。
POFケーブルに難燃性を付与するために、被覆材に難燃剤を含有させてもよい。難燃剤としては、金属水酸化物、燐化合物、トリアジン系化合物等の公知の難燃剤を用いることができる。ポリアミド系樹脂を被覆材の主成分として用いる場合は、難燃剤としてトリアジン系化合物が好ましく、特にシアヌル酸メラミンが好ましい。
次に、本発明のPOFケーブルを製造する方法について代表的な2つの例について説明する。これらの製造方法は、使用する材料の流動特性や、装置の仕様によって適宜使い分ければよい。
第一の方法は、コアと、その外周に形成される少なくとも1層以上のクラッドと、さらにその外周に形成される保護被覆層とを複合紡糸して、POFと保護被覆層を一体に形成した後に、前記保護被覆層の外周にクロスヘッドダイを用いた被覆装置を用いて光遮断被覆層を形成し、POFケーブルを得る方法である。この方法は、POFに保護被覆層を厚み50μm以下で設ける場合に有効である。この場合、保護被覆層として用いる樹脂の、ISO−62に準拠して測定したメルトフローインデックス(MI)(温度230℃、荷重5kgfの条件で直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間に吐出される重合体の量(g))は、小さすぎると被覆層形成時の成形安定性が低下したり、クロスヘッド内部でPOFにかかる樹脂圧力が高くなり、POFケーブルの光学特性が低下したりするおそれがあり、また大きすぎると、保護被覆層の機械的強度が低下する傾向がある。これらの点を考慮すると、保護被覆層の樹脂のMIは10〜100の範囲とすることが好ましく、20〜80の範囲とすることがより好ましい。また、コア、クラッド、保護被覆層の材料のMIをそれぞれ、MI1、MI2、MI3として、下記式(4)
MI1>MI2>MI3 (4)
の関係を満たしていることが、複合紡糸時の安定性が良好となることから好ましい。なお、複合紡糸時の紡糸温度は200℃〜260℃の範囲が好ましく、220℃〜240℃の範囲がより好ましい。また、クロスヘッドダイの温度は190℃〜230℃の範囲が好ましく、200℃〜220℃の範囲がより好ましい。
第二の方法は、コアと、その外周に形成された少なくとも1層以上のクラッドからなるPOFを複合紡糸により予め形成した後に、クロスヘッドダイを用いた被覆装置を用いて、前記POFの外周に保護被覆層と光遮断被覆層とを同時に共押し出しにより被覆する方法である。この方法は、POFにタフネスを持たせるために加熱延伸操作を施す場合、POFのコア材およびクラッド材の樹脂のガラス転移温度及び/又は融点が、保護被覆層のガラス転移温度及び/又は融点より低いために、POFと保護被覆層を一体化して延伸すると保護被覆層が損傷する恐れがある場合に有効である。具体的には、POFのコア材がポリメタクリル酸メチルから形成され、保護被覆層がポリカーボネート系樹脂から形成される場合を挙げることができる。この場合、保護被覆層に用いる樹脂のメルトフローインデックス(MI3)(温度210℃、荷重5kgfの条件で直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間に吐出される重合体の量(g))は、小さすぎると樹脂の粘度が高くなるため被覆層形成時の成形安定性が低下したり、POFの外周に保護被覆層と光遮断層を同時に共押出しにより被覆する場合にクロスヘッド内部でPOFにかかる樹脂圧力が高くなり、POFが損傷するおそれがあり、大きすぎるとある一定以下の均一な厚みで保護被覆層を設けることが困難となる傾向があったり、POFケーブルを屈曲性した時に、保護被覆層が破断する傾向がある。これらの点を考慮すると、MI3は20〜200の範囲とすることが好ましく、30〜150の範囲とすることがより好ましく、50〜100の範囲とすることがさらに好ましい。また、光遮断被覆層の材料のメルトフローインデックスをMI4として、下記式(5)
MI3≧MI4 (5)
の関係を満たしていることが、共押し出し時の安定性が良好なことから好ましい。なお、共押し出し時の紡糸温度は200℃〜260℃の範囲が好ましく、220℃〜240℃の範囲がより好ましい。また、クロスヘッドダイの温度は210℃〜240℃の範囲が好ましく、215℃〜225℃がより好ましい。
保護被覆層を構成する樹脂のメルトフローインデックス(MI3)を上述した数値範囲に抑えるには、樹脂の分子量を調整したり、樹脂に適当な溶融粘度調整剤を添加すればよい。具体的には、高分子量の(メタ)アクリル酸メチル単位を主構成単位とする樹脂に低分子量(Mn=2000〜10000)の(メタ)アクリル酸メチルを主成分とする樹脂を添加する方法や、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジメチル等のフタル酸エステル化合物を可塑性として添加する方法などを挙げることができるが、これらの方法に特に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を説明する。なお、本発明の各実施例に対し実施した各種の評価は、下記に記載の方法に従って実施した。尚、評価に用いたPOFケーブルの構成を表1に、評価結果を表2に示した。
[結晶融解熱:△Hの測定]
示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:DSC−220)を使用した。サンプルを、昇温速度10℃/分で200℃まで昇温して5分間保持して溶融させた後、10℃/分で0℃まで降温して、再度昇温速度10℃/分で昇温、5分間保持、10℃/分で降温を行い、この時の結晶融解熱(△H)を求めた。
[屈折率の測定]
溶融プレスにより厚さ200μmのフィルム状の試験片を形成し、アッベの屈折計を用い、室温23℃におけるナトリウムD線の屈折率(23)を測定した。
[メルトフローインデックスの測定]
メルトフローインデックス(MI)は、日本工業規格JIS K7210に準じて測定した。210℃(または230℃)、荷重5kgf(49N)の条件下で直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間に吐出される重合体量を測定した。
[ポリアミド系樹脂中の低分子化合物(モノマー化合物およびオリゴマー化合物)の定量分析および定性分析方法]
ポリアミド系樹脂のペレット50gとメタノール100mlを300mlナスフラスコに入れ24時間、攪拌しながら還流した。還流後、メタノールをビーカーに移し、新たなメタノールをナスフラスコに入れて更に24時間還流操作を行った。還流後、抽出したメタノール溶液の合計200mlを乾固させ、得られた乾固物の重量(Xg)を測定した。この乾固物について、質量分析計(MS)(日本電子(株)製、商品名:SX−102)、熱抽出GC−MS(Agilent社製、商品名:HP5890/5972)による定性分析を行った。
また、この乾固物をメタノールに再度適当量溶解し、分取型サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(日本分析工業(株)製、LC−10)により、乾固物を分子量別に分けて採取した。さらに、採取物に対して、核磁気共鳴スペクトル測定(NMR)(日本電子(株)製、商品名:EX−270)による定性分析を行った。
なお、ポリアミド系樹脂のペレット中に含まれるモノマー化合物およびオリゴマー化合物の含有量は下記式により算出した。
〔含有量〕=X/50 ×100 (質量%)
[伝送損失の測定]
測定波長650nm、励振NA=0.1の光を用い、25−1mのカットバック法によりPOF及びPOFケーブルの伝送損失を測定した。
[耐熱試験方法]
POFケーブルを、105℃のオーブン内に5000時間放置した。
[末端アミノ基濃度の測定]
ポリアミド系樹脂の末端アミノ基濃度(μeq/g)の測定は、ポリアミド系樹脂をフェノール/メタノール(体積比10/1)の混合溶媒に溶解し、0.01N−HClを用いた電位差滴定法による中和滴定によって測定した。
[被覆層の引抜強度の測定]
POFと光遮断被覆層との間の引抜強度は、図2に示すように、POFケーブル10を保持する治具12と、治具12の一端部に形成された突起14を把持するチャック8と、POFケーブル10の剥離部分5を把持するチャック7とを備えた測定装置20を用いて測定した。治具12には、POFケーブル10の被覆部分4が収容される保持室13と、POFケーブル10の剥離部分5よりも大きく被覆部分4よりも狭い貫通孔15が形成されている。
測定にあたっては、一端側の光遮断被覆層を剥離したPOFケーブルを用意し、POFケーブルの光遮断被覆部分4の長さが30mmになるように切断した。次に、治具12に形成されている保持室13内にPOFケーブルの光遮断被覆部分4を収容し、POFケーブルの剥離部分5を貫通孔15から抜き出した。次に、治具12の一端部に形成されている突起14をチャック8で把持し、POFケーブルの剥離部分5をチャック7で把持した。
次に、POFケーブル10の中心軸方向(図中矢印方向)に沿って、一定速度50mm/minでチャック8を移動させて治具12を引っ張り、POFケーブル10の被覆部分4において剥離部分5よりも厚い部分を引き抜いた。このときの引き抜き応力と、POFケーブル10の被覆部分4において剥離部分5よりも厚い部分の引き抜き方向へのずれ量との関係を示す曲線から、引き抜く際の応力のピーク値を読みとり引抜強度とした。
[比較例1]
コア材としてPMMA(屈折率1.492)、第1クラッド材として3FM/17FM/MMA/MAA(組成比で51/31/17/1(質量%))からなる共重合体(屈折率1.416〜1.417)、第2クラッド材としてVdF/TFE/HFP(組成比で43/48/9(質量%)、屈折率1.375、結晶融解熱(△H)14mJ/mg)からなる共重合体をそれぞれ用いた。これらの重合体を溶融して、220℃の紡糸ヘッドに供給し、同心円状複合ノズルを用いて複合紡糸した後、140℃の熱風加熱炉中で繊維軸方向に2倍に延伸し、各クラッドの厚みが10μmで直径が1mmのPOFを得た。
得られたPOFの伝送損失は134dB/kmと良好で、しかも耐熱試験後の伝送損失も185dB/kmと良好であった。
作製したPOFの外周に、光遮断被覆層として、カーボンブラックを1質量%添加した、末端アミノ基濃度を120μeq/gの市販のナイロン12樹脂(EMS昭和電工製、商品名:Grilamide L16A)を、210℃に設定したクロスヘッドダイを用いたクロスヘッドケーブル被覆装置で被覆し、外径1.5mm(光遮断被覆層の厚み250μm)のPOFケーブルを得た。
光遮断被覆層のナイロン12樹脂に含まれるモノマーおよびオリゴマーの含有量は、1.69質量%であった。抽出後のメタノール溶液から得られた採取物の定性分析を行ったところ、抽出物は、ナイロン12樹脂の原料であるモノマー単量体(12−アミノドデカン酸およびω―ラウロラクタム)及びこのモノマーの二量体、三量体、四量体、さらにそれ以上の多量体(アミノ脂肪族カルボン酸化合物と環状ラクタム化合物)であった。
このようにして得られたPOFケーブルの各種評価を行い、その結果を表2に示した。得られたPOFケーブルは、初期の伝送損失が135dB/kmと良好であったが、耐熱試験後の伝送損失は1000dB/km以上であった。
[比較例2]
光遮断被覆層としてカーボンブラックを1質量%添加した末端アミノ基の含有量が2μeq/g以下である市販のナイロン12樹脂(ダイセル・デグッサ社製、商品名:ダイアミド−L1640)を用いた以外は、比較例1と同様にしてPOFケーブルを作製した。得られたPOFケーブルは、初期の伝送損失が135dB/kmと良好であったが、耐熱試験後の伝送損失は540dB/kmであった。
光遮断被覆層のナイロン12樹脂に含まれるモノマーおよびオリゴマーの含有量は、1.18質量%であった。抽出後のメタノール溶液から得られた採取物の定性分析を行ったところ、抽出物は、ナイロン12樹脂の原料であるモノマー単量体(12−アミノドデカン酸およびω―ラウロラクタム)及びこのモノマーの二量体、三量体、四量体、さらにそれ以上の多量体(アミノ脂肪族カルボン酸化合物と環状ラクタム化合物)であった。
[実施例1]
210℃に設定したクロスヘッドダイを備えたケーブル被覆装置を用いて、上記比較例1と同様にしてPOFを作製し、このPOFの外周に、保護被覆材料としてMMA/MAA共重合体(組成比98/2(質量%)メルトフローインデックス60g/分)を、さらにその外周に光遮断被覆層としてカーボンブラックを1質量%添加した末端アミノ基の含有量が2μeq/g以下である市販のナイロン12樹脂(ダイセル・デグッサ社製、商品名:ダイアミド−L1640)を共押し出し被覆し、保護被覆層(厚み60μm)、および光遮断被覆層(厚み190μm)を有する外径1.5mmのPOFケーブルを得た。このようにして得られたPOFケーブルの各種評価を実施し、その結果を表2に示した。
[実施例2]
コア材、第1クラッド材、第2クラッド材、及び保護被覆層には、実施例1と同様の材料を用い、これらの重合体を溶融して、230℃の紡糸ヘッドに供給し、同心円状複合ノズルを用いて複合紡糸した後、140℃の熱風加熱炉中で繊維軸方向に2倍に延伸し、第1クラッドと第2クラッドと保護被覆層の厚みがそれぞれ10μmで、直径が1mmのPOFを得た。得られたPOFは、初期の伝送損失が134dB/kmと良好であった。さらに、このPOFの外周に、実施例1と同じ光遮断被覆層を共押し出し被覆し、外径1.5mmのPOFケーブルを作製した。得られたPOFケーブルについて各種評価を実施した結果を表2に示した。
[実施例3]
コア材としてPMMA(屈折率1.492)、クラッド材としてVdF/TFE/HFP/PFPVE(組成比21/55/18/6(質量%)、屈折率1.350、結晶融解熱(△H)8mJ/mg)からなる共重合体、保護被覆層にはMMA/MAA/ブチルアクリレート(BA)共重合体(組成比88/2/10(質量%)、メルトフローインデックス61g/分)を用い、実施例2と同様の方法で、クラッドと保護被覆層の厚みがそれぞれ10μmで、直径が1mmのPOFを得た。得られたPOFは、初期の伝送損失が132dB/kmと良好であった。このPOFの外周に、光遮断被覆層として、カーボンブラックを1質量%添加した市販のナイロン11樹脂(アトフィナ社製、商品名:リルサンBMF−0)を実施例2と同様の方法で被覆し、POFケーブルを作製した。得られたPOFケーブルについて各種評価を実施した結果を表2に示した。また、光遮断被覆層のナイロン11樹脂に含まれるモノマーおよびオリゴマーの含有量は0.95質量%であった。
[実施例4〜18]
クラッドとして表1に記載した材料を用いた以外は、比較例1と同様の方法でPOFを作製した。さらに、このPOFの外周に、保護被覆層として表1に記載した材料を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、保護被覆層と光遮断被覆層を共押し出し被覆し、外径1.5mmのPOFケーブルを作製した。得られたPOFケーブルについて各種評価を実施した結果を表2に示した。
[比較例3]
第2クラッドにVdF/TFE共重合体(組成比80/20(質量%)、屈折率1.402、結晶融解熱(△H)60mJ/mg)を用いた以外は実施例7と同様にしてPOFケーブルを作製し、各種評価結果を表2に示した。
[比較例4]
光遮断被覆層として、カーボンブラックを1質量%添加した、末端アミノ基の含有量が120μeq/gである市販のナイロン12樹脂(EMS昭和電工製、商品名:Grilamide L16A)を用いた以外は、実施例7と同様にしてPOFケーブルを作製し、各種評価結果を表2に示した。
[比較例5〜6]
第2クラッド、保護被覆層として、表1に記載した材料を用いた以外は、比較例4と同様にしてPOFケーブルを作製し、各種評価結果を表2に示した。
表2から明らかなように、実施例1〜18のPOFケーブルは、初期の伝送特性が良好(140dB/km以下)であるだけではなく、POFの外周部に保護被覆層を設けずに直接ポリアミド系樹脂を被覆したPOFケーブル(比較例1、2)や、クラッドの最外層の結晶融解熱が59mJ/mgより大きいPOFケーブル(比較例3)、光遮断被覆層の末端アミノ基の含有量が大きいPOFケーブル(比較例4〜6)と比較して、105℃、5000時間後の伝送損失の増加が実用上問題ない程度に小さく抑えられていた。
Figure 0004783284
Figure 0004783284

表1中の略号は下記の化合物を示す。
VdF:フッ化ビニリデン
TFE:テトラフルオロエチレン
HFP:ヘキサフルオロプロピレン
TFMVE:パーフルオロトリフオロメチルビニルエーテル(CF=CFOCF
PFPVE:パーフルオロペンタフオロプロピルビニルエーテル(CF=CFOCHCFCF
MMA:メタクリル酸メチル
MAA:メタクリル酸
BA:アクリル酸ブチル
GMA:メタクリル酸グリシジル
3FM:メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル
4FM:メタクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル
5FM:メタクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル
17FM:メタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチル
BA:ブチルアクリレート
PA12(a):ナイロン12(ダイセル・デグッサ社製、商品名:ダイアミド−L1640)
PA12(b):ナイロン12(EMS昭和電工製、商品名:Grilamide L16A)
PA11:ナイロン11(アトフィナ社製、商品名:リルサンBMF−0)
PC(1):ポリカーボネート樹脂(GEプラスチック社製、商品名:レキサンOQ1020C)
PC(2):ポリカーボネート樹脂(特注品、ビスフェノールAとホスゲンから形成される構造を有する高分子化合物、MI=100g/10分)
PCオリゴマー:低分子量のポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリング・プラスチック社製、商品名:ユーピロンAL071)
PMMAオリゴマー:低分子量のポリメタクリル酸メチル(三菱レイヨン社製、Mn=4000)
PC−g−PSt:PC系樹脂にスチレンをグラフト重合した重合体(日本油脂社製、商品名:モディパーCL150D)
MMA−GMA:MMAとGMAの共重合体(組成比70/30、三菱レイヨン社製)
EVAL共重合体(1):エチレン−ビニルアルコール共重合体(組成比47/53mol%、クラレ社製、商品名:エバールG156)
EVAL共重合体(2):エチレン−ビニルアルコール共重合体(組成比32/68mol%、クラレ社製、商品名:エバールF104)
PBT樹脂(2):ボリブチレンテレフタレート系樹脂(東レ・デュポン社、商品名:ハイトレル4047)
PBT樹脂(3):ボリブチレンテレフタレート系樹脂(東レ・デュポン社、商品名:ハイトレル4057)
PBT樹脂(4):ボリブチレンテレフタレート系樹脂(東レ・デュポン社、商品名:ハイトレル4767)
POM樹脂(コポリマー):ポリアセタール樹脂(ポリプラスチック社、商品名:DYURACON M450)
POM樹脂(ホモポリマー):ポリアセタール樹脂(Du Pont社、商品名:Derlin1700P)
PVdF+VdF/TFE/HFP共重合体:ポリフッ化ビニリデン樹脂(アルケマ社製、商品名:KYNAR710)80質量部と低分子量のVdF/TFE/HFP共重合体(アルケマ社製、商品名:KYNAR9301)20質量部とカーボンブラック1質量部を混合してなる樹脂組成物

Claims (6)

  1. コア/クラッド構造からなるプラスチック光ファイバと、その外周に設けられた光遮断被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルであって、
    前記コア/クラッド構造の最外層が、少なくともテトラフルオロエチレン単位を有する結晶融解熱が59mJ/mg以下の含フッ素オレフィン系重合体からなり、
    前記光遮断被覆層が、ポリアミド系樹脂を主成分とし、かつポリアミド系樹脂由来のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量が1.5質量%以下の範囲にある樹脂からなり、
    前記コア/クラッド構造の最外層と前記光遮断被覆層との間には保護被覆層が設けられているプラスチック光ファイバケーブル。
  2. 前記光遮断被覆層を構成する樹脂は、末端アミノ基の含有量が100μeq/g以下の範囲にある請求項1に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  3. 前記保護被覆層の相溶性パラメーター(SP値)をSP1、前記光遮断被覆層の主成分であるポリアミド系樹脂に含まれるモノマー及びオリゴマーの相溶性パラメーター(SP値)をSP2とする時、
    |SP1−SP2|≧0.2
    の関係を満たす請求項1又は2に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  4. 前記保護被覆層が、(メタ)アクリル酸メチル単位を含有する樹脂、スチレン単位を主構成単位とする樹脂、ポリカーボネート系樹脂、プロピレン単位を主構成単位とする樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体を主成分とする樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリアセタール系樹脂のいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  5. 前記保護被覆層が、フッ化ビニリデン単位を85〜97質量%含有する樹脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  6. 前記保護被覆層が、酸無水物基、カルボン酸基、グリシジル基の少なくとも一つを有する共重合体単位を含む樹脂からなる請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチック光ファイバケーブル。
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