JP2004212871A - 光ファイバ及び光ファイバケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】製造作業性を損なうことなく、被覆材との密着性が良好で、耐湿熱安定性、耐屈曲性に優れた光ファイバを提供する。
【解決手段】本発明の光ファイバは、芯材及びその外周に同心円状に形成された単層又は複層構造の鞘材を備えた光ファイバであり、鞘材の最外層が、カルボキシル基、カルボキシル誘導体基、エチレンオキシド基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)単位0.2〜40質量%と、単量体(a)とは異なる含フッ素エチレン性単量体(b)単位60〜99.8質量%とを含む含フッ素エチレン性共重合体(X)を主成分とすることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ファイバ及び光ファイバケーブルに係り、特に、被覆材との密着性が良好で、耐湿熱安定性、耐屈曲性に優れたプラスチック光ファイバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバとしては、広波長領域に渡って良好に光伝送を行うことができることから、石英系光ファイバが幹線系を中心に実用化されているが、高価で加工性が低いという難点がある。そのため、より安価で、軽量、大口径であり、端面加工や取り扱いが容易である等の長所を有するプラスチック光ファイバが開発され、ライティングやセンサー等の分野、FA、OA、LAN等の短・中距離通信用途の配線などの分野で実用化されている。本明細書では、特に断りがない限り、「光ファイバ」は「プラスチック光ファイバ」を意味しているものとする。
【0003】
現在実用化されている通信用光ファイバの多くは、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーボネート(PC)系樹脂を芯材とし、含フッ素エチレン性共重合体を鞘材とする芯鞘構造のステップインデックス型光ファイバであり、屋内配線や自動車内配線等の短・中距離通信用途における高速通信媒体としての利用が期待されている。
【0004】
光ファイバは一般に、その外周が被覆材により被覆された光ファイバケーブルの形態で用いられる。
ここで、自動車内通信用配線等の用途に使用される光ファイバケーブルでは、エンジン等の高温体の近傍など、高温高湿環境下に敷設されるため、耐湿熱安定性が要求される。また、オイルや電解液、ガソリン等の引火性物質の存在する環境下で使用されるため、被覆材には、耐熱性、耐熱寸法安定性に優れることに加えて、耐薬品性、難燃性に優れることが要求される。
【0005】
光ファイバケーブルにおいては、光ファイバと被覆材との密着性が高いことも要求される。光ファイバケーブルの末端にプラグ等を固定する端末処理を行う場合、光ファイバと被覆材とが強固に密着していれば、被覆材上からプラグ等を締め付けて固定できるので、端末処理を簡略化できる。被覆材上からプラグ等を固定できることは、光ファイバ保護の観点からも好ましい。さらに、光ファイバと被覆材との密着性が高ければ、光ファイバを振動などから保護することもできる。
【0006】
また、高温高湿下では、光ファイバに熱膨張・熱収縮等の形態変化が生じ、その結果、被覆材に対して光ファイバの突き出しや引っ込みなど(ピストニング)が生じる場合がある。ピストニングが生じると、光源あるいは受光素子と光ファイバケーブル端面との距離が変化して光損失が大きくなり、光ファイバから出射される光量が変動してシステムに障害が生じる恐れがある。それ故、光ファイバと被覆材との密着性が高く、しかも光ファイバが熱膨張・熱収縮しにくく、ピストニングが小さいことが要求される。
【0007】
さらに、光ファイバケーブルが、ロボットやセンサー、工作機械等の稼動部分に使用される場合、光ファイバは繰り返し屈曲や振動の作用を受けるため、光ファイバの芯材と鞘材間や、鞘材と被覆材間で剥離が発生し、光損失が大きくなる恐れがある。したがって、芯材と鞘材や、鞘材と被覆材が強固に密着していることが要求される。
【0008】
特許文献1〜3には、光ファイバケーブルに耐熱性、耐薬品性、耐熱寸法安定性等を付与することを目的として、被覆材にポリアミド系樹脂を用いる技術が提案されており、現在市販されている自動車用光ファイバケーブルにおいても、被覆材としてナイロン11やナイロン12等のポリアミド系樹脂が使用されている。
【0009】
高温環境下でも安定な光ファイバケーブルとして、特許文献4には、芯材がPMMAからなり、鞘材がフッ化ビニリデン(VdF)単位40〜62モル%とテトラフルオロエチレン(TFE)単位28〜40モル%とヘキサフルオロプロピレン(HFP)単位8〜22モル%との3元共重合体からなる光ファイバの外周に、ナイロン12からなる被覆材を設けた光ファイバケーブルが開示されている。特許文献5には、芯材がPMMAからなり、鞘材がエチレン単位5〜30wt%とTFE単位40〜75wt%とHFP単位15〜50wt%との3元共重合体からなる光ファイバの外周に、熱可塑性樹脂からなる被覆材を設けた光ファイバケーブルが開示されている。
【0010】
光ファイバと被覆材との密着性を高めピストニングを抑えた光ファイバケーブルとして、特許文献6には、光ファイバの外周に、被覆材として、マレイン酸無水物、フタル酸無水物、グルタル酸無水物等の有機酸無水物を含有するポリアミド系樹脂からなる一次被覆層を備え、さらにその外周に二次被覆層を設けた光ファイバケーブルが開示されている。特許文献7には、芯材がPMMAからなり、鞘材がフッ素含有合成樹脂からなる光ファイバの外周に、カルボキシル末端基濃度が最大15μAq/gであり、アミノ末端基濃度が50〜300μAq/gの範囲内にあるポリアミドまたはコポリアミドからなる被覆材を備え、該被覆材が鞘材に対して自己接着状態で接合した光ファイバケーブル(合成樹脂製光波伝送体、K−LWL)が開示されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平7−77642号公報
【特許文献2】
特開平10−319281号公報
【特許文献3】
特開平11−242142号公報
【特許文献4】
特開2000−266970号公報
【特許文献5】
特開2001−74944号公報
【特許文献6】
WO01/40841号公報
【特許文献7】
WO00/60382号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1〜3に開示されているように、被覆材にポリアミド系樹脂を用いることにより、光ファイバケーブルに耐熱性、耐薬品性、耐熱寸法安定性等を付与することができるが、例えば特許文献4に開示されているような通常のVdF系共重合体からなる鞘材に対して、市販のポリアミド系樹脂からなる被覆材を単に設けるだけでは、光ファイバと被覆材との密着性が良好な光ファイバケーブルを得ることは困難であった。
同様に、特許文献5に鞘材材料として記載されているエチレン/TFE/HFP共重合体は、低屈折率性、低結晶化性を有するため、透光損失を低減できることに加えて、機械的特性も良好であるが、ポリアミド系樹脂からなる被覆材との密着性を向上することは困難であった。
【0013】
特許文献6に記載されているように、有機酸無水物をポリアミド系樹脂に含有させてこれを被覆材として使用することにより、光ファイバと被覆材の密着性をある程度向上させることはできるものの、有機酸無水物をポリアミド系樹脂に混合する工程が必要になる上、有機酸無水物は刺激性があり取り扱いには注意を要するという点で、製造作業上の負担を増大させてしまう。
【0014】
特許文献7に記載されているように、特定濃度のカルボキシル末端基およびアミノ末端基を有するポリアミド系樹脂からなる被覆材を、自己接着状態で鞘材に接合させるには、鞘材材料のフッ素含有合成樹脂がVdF単位を一定量以上含有していることが必要であり、該技術を適用できる鞘材の種類が限られている。加えて、VdF単位の含有量が多くなる程、鞘材の熱変形温度やガラス転移点が低下するため光ファイバの耐熱性が低下する傾向にある。また、VdF単位の含有量が多くなる程、鞘材の屈折率を下げることが難しくなるため、光ファイバが小さい曲率半径で曲げられた際にも曲げ光量損失が少ない高開口数光ファイバを得ることが困難な傾向にある。
【0015】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、製造作業性を損なうことなく、被覆材との密着性が良好で、耐湿熱安定性、耐屈曲性に優れた光ファイバを提供することを目的とする。また、製造作業性を損なうことなく、光ファイバと被覆材との密着性が良好で、耐湿熱安定性、耐屈曲性に優れた光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討を行い、以下の光ファイバ及び光ファイバケーブルを発明した。
【0017】
本発明の光ファイバは、芯材及びその外周に同心円状に形成された単層又は複層構造の鞘材を備えた光ファイバにおいて、前記鞘材の最外層が、カルボキシル基、カルボキシル誘導体基、エチレンオキシド基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)単位0.2〜40質量%と、単量体(a)とは異なる含フッ素エチレン性単量体(b)単位60〜99.8質量%とを含む含フッ素エチレン性共重合体(X)を主成分とすることを特徴とする。
本明細書において、「主成分」とは含有量の最も多い成分と定義する。
【0018】
本発明の光ファイバにおいて、含フッ素エチレン性共重合体(X)の屈折率が1.30〜1.42の範囲にあり、結晶融点またはガラス転移点が230℃以下であることが好ましい。本明細書において、「屈折率」は、ナトリウムD線による25℃での屈折率を意味しているものとする。
【0019】
また、含フッ素エチレン性共重合体(X)が、官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)単位として、下記一般式(1)で表される少なくとも1種の単量体単位を含むことが好ましい。
CX =CX−R−Y・・・(1)
(但し、式中、X、Xは各々独立に水素原子又はフッ素原子を示し、Yはカルボキシル基、カルボキシルエステル基、エチレンオキシド基のうちいずれかの基を示し、Rは炭素数1〜5の含フッ素アルキレン基または一般式−OR(Rは炭素数1〜5の含フッ素アルキレン基)で表される基を示す。)
【0020】
また、含フッ素エチレン性共重合体(X)が、含フッ素エチレン性単量体(b)単位として、フッ化ビニリデン単位0〜20質量%とテトラフルオロエチレン単位30〜75質量%と下記一般式(2)で表される単量体単位30.1〜70質量%とを含むことが好ましい。
CF=CF−R・・・(2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基または一般式−OR(Rは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表される基を示す。)
【0021】
含フッ素エチレン性共重合体(X)は、含フッ素エチレン性単量体(b)単位として、テトラフルオロエチレン単位25〜70質量%とエチレン単位5〜60質量%と下記一般式(2)で表される単量体単位5〜45質量%とを含むものであっても良い。
CF=CF−R・・・(2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基または一般式−OR(Rは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表される基を示す。)
【0022】
含フッ素エチレン性共重合体(X)は、含フッ素エチレン性単量体(b)単位として、
フッ化ビニリデン単位70〜90質量%とテトラフルオロエチレン単位10〜30質量%の2成分、
もしくはフッ化ビニリデン単位10〜50質量%とテトラフルオロエチレン単位30〜70質量%とヘキサフルオロプロピレン単位15〜30質量%の3成分を含むものであっても良い。
【0023】
また、前記鞘材が2層構造であると共に、前記芯材、前記鞘材の内層、前記鞘材の外層の順に、屈折率が低下するように構成されていることが好ましい。
この場合、前記鞘材の内層が、下記一般式(3)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレート(c)単位15〜90質量%を含み、屈折率が1.39〜1.475の範囲にある共重合体を主成分とすることが好ましい。
CH=CX−COO(CH(CF・・・(3)
(但し、式中、Xは水素原子またはメチル基、Xは水素原子またはフッ素原子を示し、mは1又は2、nは1〜12の整数を示す。)
【0024】
本発明の光ファイバケーブルは、以上の本発明の光ファイバの外周が、熱可塑性樹脂からなる単層又は複層構造の被覆材により被覆されてなることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
[光ファイバ]
本発明の光ファイバは、芯材及びその外周に同心円状に形成された単層又は複層構造の鞘材からなる。
(芯材)
芯材は、透光性に優れることから、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、メタクリル酸メチルと少なくとも1種のビニル系単量体との共重合体から選ばれる少なくとも1種を主成分として構成することが好ましい。
メタクリル酸メチルの共重合体を用いる場合、透明性確保の観点から、メタクリル酸メチル単位の含有量は50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が特に好ましい。共重合可能なビニル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、n−アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸エステル類、マレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、スチレン等が挙げられる。
また、光ファイバに耐熱性が要求される場合には、ポリカーボネート(PC)系樹脂を主成分として構成しても良い。ポリカーボネート系樹脂は、公知のものを使用できる。
【0026】
(鞘材)
鞘材は単層構造と複層構造のいずれであっても良いが、少なくとも鞘材の最外層については、芯材とポリアミド系樹脂等を主成分とする被覆材の双方に対して高い密着性を発現するように、極性官能基を有する特定の含フッ素エチレン性共重合体を主成分として構成する。
かかる構成を採用することによって、被覆材に接着性向上剤を添加したり、光ファイバと被覆材との間に密着層を設けたりすることなく、簡易に光ファイバと被覆材とが強固に密着した光ファイバケーブルを提供できる。さらに、本発明の光ファイバを用いた光ファイバケーブルは、長期間、高温高湿環境下で使用されても、光ファイバと被覆材との密着性が低下することがない。
【0027】
鞘材の最外層の主成分である含フッ素エチレン性共重合体は、芯材と被覆材の双方に対して優れた密着性を発現するものであるだけでなく、低屈折率であり、良好な透明性を有し、さらに耐屈曲性および加工性に優れることが重要である。
かかる特性を有する含フッ素エチレン性共重合体として、本発明では、カルボキシル基、カルボキシル誘導体基、エチレンオキシド基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)単位と、単量体(a)とは異なる含フッ素エチレン性単量体(b)単位とを含む含フッ素エチレン性共重合体(X)を採用する。なお、含フッ素エチレン性共重合体(X)は、単量体(a)単位、単量体(b)単位として、各々1種又は複数種の単量体を含むものとする。
含フッ素エチレン性共重合体(X)の重合方法としては特に限定されず、懸濁重合法や乳化重合法など、公知の方法を採用することができる。
【0028】
含フッ素エチレン性共重合体(X)においては、単量体(a)単位の含有量を0.2〜40質量%とし、単量体(b)単位の含有量を60〜99.8質量%とする。
官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)単位の含有量が0.2質量%未満では、密着性向上効果が不十分となり、40質量%超では、共重合体(X)の成形安定性や耐熱性が低下する恐れがある。
【0029】
含フッ素エチレン性共重合体(X)の屈折率は1.30〜1.42の範囲にあることが好ましい。
屈折率が1.30未満では、エラストマー性が高くなる傾向にあり、溶融紡糸安定性が低下したり、光ファイバをボビンに巻き取る際に、光ファイバ同士が密着する恐れがある。屈折率が1.42超では、光ファイバの開口数が小さくなるため、光ファイバが屈曲半径15mm以下で屈曲された際に、曲げ光量損失が大きくなる傾向がある。
【0030】
含フッ素エチレン性共重合体(X)の結晶融点またはガラス転移点が230℃以下であることが好ましい。結晶融点とガラス転移点がいずれも230℃超では、PMMAやPC系樹脂等からなる芯材を備えた光ファイバの一般的な紡糸温度付近での成形が困難になる恐れがある。
【0031】
含フッ素エチレン性共重合体(X)は、官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)単位として、下記一般式(1)で表される少なくとも1種の単量体単位を含むことが好ましい。
CX =CX−R−Y・・・(1)
式(1)中、X、Xは各々独立に水素原子又はフッ素原子を示し、Rは炭素数1〜5の含フッ素アルキレン基または一般式−OR(Rは炭素数1〜5の含フッ素アルキレン基)で表される基を示す。
鞘材の最外層とその下地層(芯材または鞘材のその他の層)とを強固に密着できることから、Yはカルボキシル基、カルボキシルエステル基、エチレンオキシド基のうちいずれかの基であることが好ましい。
【0032】
上記一般式(1)で表される単量体単位としては、以下の構造式で示されるものが具体的に挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、いずれの式においても、nは1〜4の整数、mは0〜3の整数(但し、n+mは1〜5の整数)を示す。また、EOはエチレンオキシド基を示す。
CF=CF(CF(CHCOOH
CF=CF(CF(CHCOOCH
CF=CF(CF(CH−EO
CF=CFO(CF(CHCOOH
CF=CFO(CF(CHCOOCH
CF=CFO(CF(CH−EO
CH=CHO(CF(CHCOOH
CH=CHO(CF(CHCOOCH
CH=CHO(CF(CH−EO
【0033】
含フッ素エチレン性単量体(b)は、含フッ素エチレン性共重合体(X)の耐熱性、屈折率、成形安定性、溶融流動性等を調整するための成分である。
【0034】
(A)例えば、光ファイバに低曲げ損失が要求される場合には、低屈折率(高開口角)、透明性の観点から、含フッ素エチレン性共重合体(X)は、含フッ素エチレン性単量体(b)として、フッ化ビニリデン(VdF)単位0〜20質量%とテトラフルオロエチレン(TFE)単位30〜75質量%と下記一般式(2)で表される単量体単位30.1〜70質量%とを含むことが好ましい。
CF=CF−R・・・(2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基または一般式−OR(Rは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表される基を示す。)
VdF単位には成形安定性を向上する効果があり、TFE単位には、耐熱性を向上する効果があり、式(2)で表される単量体単位には、成形安定性や溶融流動性を調整する効果がある
なお、式(2)で表される単量体単位としては、具体的には、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)単位、オクタフルオロプロピレン単位や、パーフルオロトリフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロペンタフルオロエチルビニルエーテル等のパーフルオロアルキルビニルエーテル単位等が挙げられる。
【0035】
(B)光ファイバに耐熱性が要求される場合には、熱変形温度、成形安定性の観点から、含フッ素エチレン性共重合体(X)は、含フッ素エチレン性単量体(b)として、テトラフルオロエチレン(TFE)単位25〜70質量%とエチレン単位5〜60質量%と下記一般式(2)で表される単量体単位5〜45質量%とを含むことが好ましい。
CF=CF−R・・・(2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基または一般式−OR(Rは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表される基を示す。)
【0036】
(C)光ファイバに成形安定性や、鞘材の最外層とその下地層(芯材または鞘材のその他の層)とのより強い密着性が要求される場合には、メタクリレート系重合体等との密着性を向上する観点から、含フッ素エチレン性共重合体(X)は、含フッ素エチレン性単量体(b)として、フッ化ビニリデン(VdF)単位70〜90質量%とテトラフルオロエチレン(TFE)単位10〜30質量%の2成分、もしくはフッ化ビニリデン(VdF)単位10〜50質量%とテトラフルオロエチレン(TFE)単位30〜70質量%とヘキサフルオロプロピレン(HFP)単位15〜30質量%の3成分を含むことが好ましい。
【0037】
(B)に関して言えば、鞘材材料として、これまでエチレン単位とTFE単位とHFP単位とからなり、屈折率が1.42以下の3元共重合体(EFEP共重合体)は知られている。EFEP共重合体の成分のうちエチレン単位とTFE単位はもともと結晶性の高い成分である。加えて、屈折率を1.42以下とするにはTFE単位を高濃度で含有させる必要があるため、共重合体の結晶性が高くなる傾向がある。そのため、鞘材にEFEP共重合体を用いると、常温で白濁して透明性が低下する、融点が高くなり光ファイバの紡糸温度付近での流動性が低下するなどの不都合が生じ、初期伝送特性や耐熱特性の低下を招くことがあった。
これに対して、官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)と、エチレン単位とTFE単位とHFP単位とからなる共重合体(変性EFEP共重合体)は、屈折率が1.42以下であっても、透明性が高く融点が低く、しかもPMMA等を芯材とする光ファイバの紡糸温度付近での流動性に優れる。これは、官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)中の官能基構造によって、結晶性が低下するためと思われる。したがって、この共重合体を鞘材の最外層に用いることにより、初期伝送特性および耐熱特性に優れた光ファイバを提供できる。
【0038】
含フッ素エチレン性共重合体(X)は、官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)単位が、鞘材の最外層の下地層(芯材または鞘材のその他の層)を構成するメタクレート系重合体等との親和性が高いため、鞘材の最外層と下地層の界面にこれらが相溶してなる相溶層を設けなくても、鞘材の最外層と下地層とは強固に密着した状態となる。これによって、光ファイバが繰り返し屈曲を受けた際にも、芯材鞘材間や鞘材の層間の剥離が抑えられる。また、光ファイバが高温高湿環境下で長時間使用される場合にも、同界面における構造不整の増大に起因する伝送損失の増加が抑制される。そして、鞘材自身が持つ耐熱特性と相まって、光ファイバの耐湿熱性の向上が図られる。
【0039】
含フッ素エチレン性共重合体(X)の屈折率は1.42以下が好ましく、1.37以下がより好ましく、1.33以下が特に好ましい。かかる屈折率の共重合体(X)を鞘材の少なくとも最外層に用いることで、例えばワイヤーハーネス類と共に束ねられ車体に配設される場合などに半径15mm以下で屈曲されても、曲げ光量損失の少ない光ファイバを提供することができる。但し、共重合体(X)は、屈折率が小さくなる程、フルオロビニル化合物単位を多く含有することになるため、エラストマー性が高くなる傾向にある。したがって、共重合体(X)の屈折率は1.30以上が好ましい。
【0040】
含フッ素エチレン性共重合体(X)は、POFの成形安定性の点から、鞘材の最外層の荷重を5kgf(49N)として測定した230℃におけるメルトフローインデックスが、5〜100g/10分の範囲にあることが好ましく、10〜50g/10分の範囲にあることがより好ましい。メルトフローインデックスは、共重合体(X)の重合時に分子量を調整したり、低分子量の共重合体を適当量添加することで、適宜調整できる。
【0041】
以上説明したように、含フッ素エチレン性共重合体(X)は、低屈折率でありながら結晶性が低いため、透明性、成形安定性にも優れ、これを少なくとも鞘材の最外層として用いることにより、性能に優れた光ファイバを提供することができる。
【0042】
鞘材は単層構造と複層構造のいずれであっても良いことを述べたが、鞘材が複層構造である場合、製造コスト低減の観点から、第1層(内層)の外周に第2層(外層)を設けた2層構造とすることが好ましい。
このように鞘材を2層構造とする場合には、芯材、鞘材の第1層(内層)、鞘材の第2層(外層)の順に、屈折率が低下するように構成することが好ましい。
かかる構成を採用することにより、光ファイバが屈曲されて鞘材の第1層から光が漏れたとしても、その漏洩光を鞘材の第2層で芯材側に反射させることができるので、曲げ損失を低減できる。
【0043】
鞘材を2層構造とする場合、鞘材の第1層(内層)の構成材料については適宜設計することができる。
例えば、鞘材の第1層は、良好な透明性および耐熱性を有しながら、耐屈曲性および加工性に優れることから、下記一般式(3)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレート(c)単位15〜90質量%と、単量体(c)とは異なる単量体(d)単位85〜10質量%とからなり、屈折率が1.39〜1.475の範囲にある共重合体を主成分として構成することが好ましい。
CH=CX−COO(CH(CF・・・(3)
(但し、式中、Xは水素原子またはメチル基、Xは水素原子またはフッ素原子を示し、mは1又は2、nは1〜12の整数を示す。)
【0044】
光ファイバに対して高帯域伝送が要求される場合には、鞘材の第1層は、下記一般式(4)で表される長鎖フルオロアルキルメタクリレート単位0〜50質量%と、下記一般式(5)で表される短鎖フルオロアルキルメタクリレート単位0〜50質量%と、他の共重合可能な単量体単位50〜80質量%とからなり、屈折率が1.45〜1.48の範囲にある共重合体を主成分として構成することが好ましい。
CH=C(CH)COO(CH(CFCF・・・(4)
(但し、式中、mは1又は2、nは5〜12の整数を示す。)
CH=C(CH)COOCH(CFX・・・(5)
(但し、式中、Xは水素原子またはフッ素原子を示し、nは1〜4の整数を示す。)
なお、鞘材の第1層の屈折率が高すぎると、鞘材の第2層による曲げ光量損失の抑制効果が不十分となる傾向があるため、光ファイバが使用される環境に応じて伝送帯域と曲げ光量損失とのバランスをとることが望ましい。
【0045】
光ファイバに対して特に低曲げ損失が要求される場合には、鞘材の第1層は、上記一般式(4)で表される長鎖フルオロアルキルメタクリレート単位0〜80質量%と、上記一般式(5)で表される短鎖フルオロアルキルメタクリレート単位10〜90質量%と、他の共重合可能な単量体単位10〜50質量%とからなり、屈折率が1.39〜1.435の範囲にある共重合体を主成分として構成することが好ましい。
【0046】
光ファイバに対して特に耐熱性が要求される場合には、鞘材の第1層は、下記一般式(6)で表されるα−フルオロアクリル酸エステル単位を有し、屈折率が1.38〜1.435の範囲にあり、ガラス転移点が100℃以上の共重合体を主成分として構成することが好ましい。
CH=CF−COOCH(CFX・・・(6)
(但し、式中、Xは水素原子またはフッ素原子を示し、nは1〜4の整数を示す。)
上記式(6)で表されるα−フルオロアクリル酸エステルとしては、α−フルオロアクリル酸メチル、α−フルオロアクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、α−フルオロアクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル等が具体的に挙げられる。
【0047】
以上説明したように、鞘材の第2層を、官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)と含フッ素エチレン性単量体(b)との共重合体(X)を主成分として構成し、芯材、鞘材の第1層(内層)、鞘材の第2層(外層)の順に、屈折率が低下するように構成することにより、半径15mm以下での曲げ損失光量が低減され、耐湿熱安定性に優れた光ファイバを提供することができる。
【0048】
(保護層)
本発明の光ファイバにおいては、耐屈曲性および耐湿熱性等を一層向上させるために、鞘材の外周に保護層を設けても良い。
保護層材料としては、例えば、フッ素原子含有率が59質量%以上のフッ素系樹脂を用いることが好ましい。かかる材料を用いることにより、十分な耐屈曲性、耐湿熱性、耐薬品性の向上効果が得られる。
保護層材料としては、具体的には、VdF/TFE共重合体、VdF/TFE/HFP共重合体、VdF/TFE/HFP/(パーフルオロ)アルキルビニルエーテル共重合体、VdF/ヘキサフルオロアセトン共重合体、VdF/トリフルオロエチレン共重合体、VdF/HFP共重合体、VdF/TFE/ヘキサフルオロアセトン共重合体、エチレン/TFE/HFP共重合体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
[光ファイバケーブル]
本発明の光ファイバケーブルは、以上の本発明の光ファイバの外周が、単層又は複層構造の被覆材により被覆されたものである。光ファイバの外周にかかる被覆材を設け光ファイバケーブルとすることによって、より一層の耐屈曲性および耐湿熱性の向上が図られる。なお、被覆材は、芯材と直接接しないので、結晶化により透明性が低下しても特に問題は生じない。
【0050】
被覆材の各層は、光ファイバの被覆材として一般に用いられている種々の熱可塑性樹脂を主成分として構成することができるが、使用環境に応じて、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びフッ化ビニリデン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として構成することが好ましい。
【0051】
中でも、ポリアミド系樹脂は、耐熱性、耐屈曲性、耐溶剤特性に優れることから、耐熱性および耐環境特性を要求される用途向けの光ファイバケーブルの被覆材に用いて好適である。また、加工性に優れ、適度な融点を有しているため、光ファイバの伝送性能を低下させることなく、光ファイバを容易に被覆することができるという利点も持つ。
【0052】
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン66等の単独重合体や、これらの組み合わせからなる共重合体、柔軟なセグメントを導入したナイロン系エラストマー等が挙げられる。これらは1種を単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良く、また、必要に応じて、ポリアミド系樹脂以外の重合体や化合物を添加して使用することもできる。他の重合体や化合物などの他成分を配合する場合には、ポリアミド系樹脂の含有量が20質量%以上、好ましくは50質量%以上となるように、所望の効果が得られる範囲内で他成分を添加することが好ましい。
【0053】
ポリアミド系樹脂の中では、特に、ナイロン11又はナイロン12、あるいはこれらの組み合わせからなる共重合体が好ましい。これらは被覆工程における成形性が良好で、光ファイバに熱的および機械的なダメージを与えにくい。しかも、密着性および寸法安定性にも優れるため、ピストニングを効果的に防止する効果も奏する。
【0054】
従来の屈折率1.42以下の含フッ素エチレン性重合体からなる鞘材は、特に、被覆材がナイロン11やナイロン12等のポリアミド系樹脂からなる場合に、被覆材との密着性が低下する傾向にあった。光ファイバの鞘材と被覆材との密着性が低下すると、例えば車載された光ファイバケーブルにおいては、走行中の振動や、エンジン周辺あるいは夏場等の高温環境下で、光ファイバのコネクタの緩みや、ピストニング等が生じやすくなる。
しかしながら、本発明では、鞘材の最外層を官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)単位を含む特定の含フッ素エチレン性共重合体(X)により構成したので、かかる恐れはない。これは、官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)単位が、被覆材を構成するポリアミド系樹脂等との親和性が高く、鞘材の最外層と被覆材とが強固に密着した状態となるからである。したがって、高温下や高温高湿下等で長時間使用される場合にも、光ファイバのコネクタの緩みや、ピストニング等が抑制され、耐湿熱性の極めて良好な光ファイバケーブルが提供される。
【0055】
鞘材の最外層と被覆材との密着性をより強固なものとするために、被覆材の少なくとも最内層は、末端アミノ基含有量が30〜300μeq/gの範囲にあるポリアミド系樹脂を主成分として構成することが好ましい。かかるポリアミド系樹脂としては、例えば、EMS社製のGrilamide−L16A(商品名)等が市販されている。被覆材の最内層に用いるポリアミド系樹脂の末端アミノ基含有量が30μeq/g未満では、密着性向上効果が十分に発現しない恐れがあり、300μeq/g超では、樹脂の溶融流動性が低下したり、光ファイバケーブルの表面平滑性が低下する恐れがある。
【0056】
本発明の光ファイバケーブルでは、光ファイバへの外光の入射を防止するために、被覆材にカーボンブラック等の遮光剤を含有させることもできる。また、光ファイバケーブルの識別性、意匠性を高めるために、被覆材に着色剤を含有させることもできる。着色剤としては、染料系や無機系の公知のものが用いられるが、耐熱性の観点から無機顔料を用いることが好ましい。
その他、被覆材に難燃性を付与あるいは向上するために、難燃剤を含有させてもよい。難燃剤としては、金属水酸化物、燐化合物、トリアジン系化合物などの公知の難燃剤を用いることができる。ポリアミド系樹脂を被覆材の主成分として用いる場合は、トリアジン系化合物が好ましく、特にシアヌル酸メラミンが好ましい。
【0057】
以上説明したように、本発明によれば、鞘材の最外層を特定の含フッ素エチレン性共重合体(X)を主成分として構成したので、被覆材との密着性が良好で、伝送性能、耐湿熱安定性、耐屈曲性等に優れた光ファイバを提供することができる。本発明では、有機酸無水物のような刺激性物質を用いることなく、かかる効果を得ることができるので、製造作業性を損なうこともない。
そして、本発明の光ファイバを用いることにより、製造作業性を損なうことなく、光ファイバと被覆材との密着性が良好で、伝送性能、耐湿熱安定性、耐屈曲性等に優れた光ファイバケーブルを提供することができる。本発明の光ファイバケーブルは、難燃性、耐薬品性などにも優れる。
本発明によれば、光ファイバと被覆材との間の引抜強度が15N以上の光ファイバケーブルを提供することができ、光ファイバと被覆材との間の引抜強度が20N以上、さらには30N以上の光ファイバケーブルを提供することも可能である。光ファイバと被覆材との間の引抜強度が15以上、好ましくは20N以上、より好ましくは30N以上であれば、光ファイバと被覆材との密着性が十分に強いため、振動などの機械的作用によって、コネクタ部等における光ファイバの破断を防止することができる。
【0058】
【実施例】
次に、本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
(評価項目および評価方法)
各実施例、比較例における評価項目および評価方法は以下の通りとした。
<メルトフローインデックス(MFR)>
日本工業規格JIS K7210に準拠し、230℃、荷重5kgf(49N)の条件下で、直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間に吐出される樹脂量から、メルトフローインデックス(MFR)を測定した。
(屈折率)
溶融プレス法により厚さ200μmのフィルム状の試験片を作製し、アッベ屈折計を用い、25℃におけるナトリウムD線の屈折率(n 25)を測定した。
【0059】
(伝送損失)
25m−5mカットバック法により伝送損失(dB/km)を測定した。測定波長は650nm、入射光のNA(開口数)は0.1、0.65の光とした。なお、伝送損失は、初期と、光ファイバケーブルを温度85℃、相対湿度(RH)95%のオーブン内に1000時間静置した後の2回測定を行った。また、その差から、損失増加量を求めた。
【0060】
(曲げ損失)
長さ10mの光ファイバケーブルの一端から波長660nmのLED光を入射させた。その状態のまま、光ファイバケーブルの中央部を半径10mm(R10mm)の棒状物の外周に360°巻き付け、他端から出射される光量を測定した。このように屈曲させた光ファイバケーブルの出射光量と、非屈曲状態の同光ファイバケーブルについて同様に測定した出射光量の差から曲げ損失を算出した。
【0061】
(繰り返し屈曲回数)
長さ4mの光ファイバケーブルの一端に荷重500gf(4.9N)をかけ、光ファイバケーブルの中央部を直径15mmの2本の円管にて挟持した。この状態で、光ファイバケーブルの他端を一方の円管側に移動させて光ファイバケーブルが90°折れ曲がるように該円管の外周に巻き付け、さらに他方の円管側に移動させて光ファイバケーブルが90°折れ曲がるように該円管の外周に巻き付け、合計180°屈曲させた。この操作を繰り返し、光ファイバケーブルが破断するまでの曲げ回数を測定した。
【0062】
(被覆層の引抜強度)
被覆層の引抜強度(剥離強度)は、図1に示すように、光ファイバケーブル10を保持する治具12と、治具12の一端部に形成された突起14を把持するチャック8と、光ファイバケーブル10の剥離部分5を把持するチャック7とを備えた測定装置20を用いて測定した。治具12には、光ファイバケーブル10の被覆部分4が収容される保持室13と、光ファイバケーブル10の剥離部分5よりも大きく被覆部分4よりも狭い貫通孔15が形成されている。
測定にあたっては、一端側の被覆層を剥離した光ファイバケーブルを用意し、光ファイバケーブルの被覆部分4の長さが30mmになるように切断した。
次に、治具12に形成されている保持室13内に光ファイバケーブルの被覆部分4を収容し、光ファイバケーブルの剥離部分5を貫通孔15から抜き出した。
次に、治具12の一端部に形成されている突起14をチャック8で把持し、光ファイバケーブルの剥離部分5をチャック7で把持した。
次に、光ファイバケーブル10の中心軸方向(図中矢印方向)に沿って、一定速度50mm/minでチャック8を移動させて治具12を引っ張り、光ファイバケーブル10の被覆部分4において剥離部分5よりも厚い部分を引き抜いた。
このときの引き抜き応力と、光ファイバケーブル10の被覆部分4において剥離部分5よりも厚い部分の引き抜き方向へのずれ量との関係を示す曲線から、引き抜く際の応力のピーク値を読みとり引抜強度とした。
また、引抜強度の熱安定性を評価するため、長さ100cmの光ファイバケーブルを85℃、相対湿度(RH)95%のオーブン内に1000時間静置した後についても、同様に測定を行った。
【0063】
(ピストニング)
光ファイバケーブルの一端を、光ファイバケーブルの外径よりも50μm大きい内径を有するプラグに挿入し、被覆層をかしめ固定して、プラグ付き光ファイバケーブルを作製した。90℃の乾燥機内に、作製した長さ100cmのプラグ付き光ファイバケーブルを24時間静置した後の、プラグ端面からの光ファイバケーブルの突出または引込みの長さを測定した。
【0064】
(実施例1)
以下のようにして、単層構造の芯材と2層構造の鞘材とからなる光ファイバを、1層の被覆層からなる被覆材により被覆した光ファイバケーブルを得た。
芯材材料としてPMMA(屈折率1.492)、鞘材の第1層(鞘材の最内層)材料として、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(3FM)/2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート(17FM)/メタクリル酸メチル(MMA)/メタクリル酸(MAA)共重合体(各成分の質量比50/30/20/1、屈折率1.416)、鞘材の第2層(鞘材の最外層)材料として、構造式CF=CFCFCOOHで示されるカルボキシル基含有含フッ素エチレン単量体(I)/エチレン(Et)/テトラフルオロエチレン(TFE)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体(各成分の質量比2/45/28/25、屈折率1.408、MFR40、ガラス転移点60℃)を用いた。
これらの材料を溶融して220℃の紡糸ヘッドに供給し、同心円状複合ノズルを用いて複合紡糸した後、140℃の熱風加熱炉中で繊維軸方向に2倍に延伸し、鞘材の第1層と第2層の厚みがいずれも10μm、外径が1mmの光ファイバを得た。
この光ファイバに対して、クロスヘッドケーブル被覆装置を用いて、220℃に設定したクロスヘッドダイにて、変性ナイロン12(EMS社製、Grilamide−L16A、末端アミノ基含有量116μeq/g)を被覆し、厚み250μmの被覆層を形成し、外径1.5mmの光ファイバケーブルを得た。
【0065】
(実施例2〜6、比較例1、2)
組成を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様にして、光ファイバケーブルを得た。
【0066】
表1における各略号は以下の化合物を示す。
フッ素化メタクリレート共重合体:2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート/2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(各成分の質量比50/30/20/1)
単量体(I):構造式CF=CFCFCOOHで示されるカルボキシル基含有含フッ素エチレン単量体
単量体(II):構造式CF=CFOCFCFCOOCHで示されるカルボキシルエステル基含有含フッ素エチレン単量体
単量体(III):構造式CF=CFCFCFCH−EO(但し、式中、EOはエチレンオキシド基を示す。)で示されるエチレンオキシド基含有含フッ素エチレン単量体
Et:エチレン
TFE:テトラフルオロエチレン
HFP:ヘキサフルオロプロピレン
PFTFMVE:パーフルオロトリフルオロメチルビニルエーテル
PA12:ナイロン12(EMS社製、Grilamide−L16A)
【0067】
(結果)
各実施例、比較例において得られた結果を表2に示す。
表1、表2に示すように、鞘材の最外層を、カルボキシル基、カルボキシルエステル基、又はエチレンオキシド基を有する含フッ素エチレン性単量体(I)〜(III)のうちいずれかを含む含フッ素エチレン性共重合体により構成した実施例1〜6では、得られた光ファイバケーブルは、初期と高温高湿環境下に保存後の双方について伝送損失が小さく伝送性能が良好であった。また、曲げ損失が小さく、繰り返し屈曲回数が大きく、耐屈曲性に優れたものであった。さらに被覆層の引抜強度は初期と高温高湿環境下に保存後の双方について22N以上と大きく、光ファイバと被覆層の密着性が極めて良好であり、ピストニングも5μm未満と極めて良好であった。
【0068】
これに対して、鞘材の最外層を、Et/TFE/HFP共重合体、又はTFE/PFTFMVEにより構成した比較例1、2では、得られた光ファイバケーブルは、鞘材の最外層を同程度の屈折率を持つ材料により構成した実施例2、6と比較して、初期伝送損失は同程度であったが、繰り返し屈曲回数(耐屈曲性)および引抜強度(密着性)が著しく小さく、またピストニングが著しく大きく、性能が不良であった。
【0069】
【表1】
Figure 2004212871
【0070】
【表2】
Figure 2004212871
【0071】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、製造作業性を損なうことなく、被覆材との密着性が良好で、伝送性能、耐湿熱安定性、耐屈曲性に優れた光ファイバを提供することができる。また、同様の効果を奏する光ファイバケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る実施例及び比較例における引抜強度の測定方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
10 光ファイバケーブル
20 測定装置

Claims (14)

  1. 芯材及びその外周に同心円状に形成された単層又は複層構造の鞘材を備えた光ファイバにおいて、
    前記鞘材の最外層が、カルボキシル基、カルボキシル誘導体基、エチレンオキシド基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)単位0.2〜40質量%と、単量体(a)とは異なる含フッ素エチレン性単量体(b)単位60〜99.8質量%とを含む含フッ素エチレン性共重合体(X)を主成分とすることを特徴とする光ファイバ。
  2. 含フッ素エチレン性共重合体(X)の屈折率が1.30〜1.42の範囲にあり、結晶融点またはガラス転移点が230℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 含フッ素エチレン性共重合体(X)が、官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)単位として、下記一般式(1)で表される少なくとも1種の単量体単位を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファイバ。
    CX =CX−R−Y・・・(1)
    (但し、式中、X、Xは各々独立に水素原子又はフッ素原子を示し、Yはカルボキシル基、カルボキシルエステル基、エチレンオキシド基のうちいずれかの基を示し、Rは炭素数1〜5の含フッ素アルキレン基または一般式−OR(Rは炭素数1〜5の含フッ素アルキレン基)で表される基を示す。
  4. 含フッ素エチレン性共重合体(X)が、含フッ素エチレン性単量体(b)単位として、フッ化ビニリデン単位0〜20質量%とテトラフルオロエチレン単位30〜75質量%と下記一般式(2)で表される単量体単位30.1〜70質量%とを含むことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光ファイバ。
    CF=CF−R・・・(2)
    (但し、式中、Rは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基または一般式−OR(Rは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表される基を示す。)
  5. 含フッ素エチレン性共重合体(X)が、含フッ素エチレン性単量体(b)単位として、テトラフルオロエチレン単位25〜70質量%とエチレン単位5〜60質量%と下記一般式(2)で表される単量体単位5〜45質量%とを含むことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光ファイバ。
    CF=CF−R・・・(2)
    (但し、式中、Rは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基または一般式−OR(Rは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表される基を示す。)
  6. 含フッ素エチレン性共重合体(X)が、含フッ素エチレン性単量体(b)単位として、
    フッ化ビニリデン単位70〜90質量%とテトラフルオロエチレン単位10〜30質量%の2成分、
    もしくはフッ化ビニリデン単位10〜50質量%とテトラフルオロエチレン単位30〜70質量%とヘキサフルオロプロピレン単位15〜30質量%の3成分を含むことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光ファイバ。
  7. 前記鞘材の最外層の荷重を5kgfとして測定した230℃におけるメルトフローインデックスが、5〜100g/10分の範囲にあることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の光ファイバ。
  8. 前記鞘材が2層構造であると共に、
    前記芯材、前記鞘材の内層、前記鞘材の外層の順に、屈折率が低下するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の光ファイバ。
  9. 前記鞘材の内層が、下記一般式(3)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレート(c)単位15〜90質量%を含み、屈折率が1.39〜1.475の範囲にある共重合体を主成分とすることを特徴とする請求項8に記載の光ファイバ。
    CH=CX−COO(CH(CF・・・(3)
    (但し、式中、Xは水素原子またはメチル基、Xは水素原子またはフッ素原子を示し、mは1又は2、nは1〜12の整数を示す。)
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の光ファイバの外周が、熱可塑性樹脂からなる単層又は複層構造の被覆材により被覆されてなることを特徴とする光ファイバケーブル。
  11. 前記被覆材の各層が、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする請求項10に記載の光ファイバケーブル。
  12. 前記被覆材の各層が、ナイロン11又はナイロン12、あるいはこれらの組み合わせからなる共重合体を主成分とすることを特徴とする請求項11に記載の光ファイバケーブル。
  13. 前記被覆材の少なくとも最内層が、末端アミノ基含有量が30〜300μeq/gの範囲にあるポリアミド系樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の光ファイバケーブル。
  14. 前記光ファイバと前記被覆材との間の引抜強度が15N以上であることを特徴とする請求項10から請求項13までのいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
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