JP2003139973A - プラスチック光ファイバ、プラスチック光ファイバケーブル及びプラグ付きプラスチック光ファイバケーブル - Google Patents

プラスチック光ファイバ、プラスチック光ファイバケーブル及びプラグ付きプラスチック光ファイバケーブル

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JP2003139973A
JP2003139973A JP2002027328A JP2002027328A JP2003139973A JP 2003139973 A JP2003139973 A JP 2003139973A JP 2002027328 A JP2002027328 A JP 2002027328A JP 2002027328 A JP2002027328 A JP 2002027328A JP 2003139973 A JP2003139973 A JP 2003139973A
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吉弘 魚津
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿熱性や耐曲げ損失特性が優れ、好ましく
は伝送帯域にも優れたプラスチック光ファイバ、プラス
チック光ファイバケーブル及びプラグ付きプラスチック
光ファイバケーブルを提供する。 【解決手段】 ポリメタクリル酸メチルからなるコア
と、その外周に第1クラッド、第2クラッドの順で同心
円状に積層されたクラッドを有するプラスチック光ファ
イバにおいて、第1クラッドに、下記一般式(I) 【化1】 (式中、mは1又は2、nは5〜12の整数を示す。)
で表わされる長鎖フルオロアルキルメタクリレートの単
位(A)と、下記一般式(II) 【化2】 (式中、Xは水素原子又はフッ素原子、mは1〜4の整
数を示す。)で表わされる短鎖フルオロアルキルメタク
リレートの単位(B)と、必要により他の共重合可能な
単量体の単位(C)とからなる特定組成の共重合体を用
い、第2クラッドには、ビニリデンフルオライド単位と
テトラフルオロエチレン単位とヘキサフルオロプロピレ
ン単位とからなる特定組成の共重合体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭内ホームネッ
トワーク、および自動車や航空機、鉄道などのような移
動媒体中での光情報通信などに用いられるプラスチック
光ファイバ、並びにそれを用いたプラスチック光ファイ
バケーブル及びプラグ付きプラスチック光ファイバケー
ブルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバとしては、広い波長領
域にわたって優れた光伝送を行うことができる石英系光
ファイバが幹線系を中心に実用化されているが、この石
英系光ファイバは高価で加工性が低い。そのため、より
安価で、軽量、大口径であり、端面加工や取り扱いが容
易である等の長所を有するプラスチック光ファイバ(以
下適宜「POF」と略する)が開発され、例えばライテ
ィングやセンサー等の分野や、FA、OA、LAN等の
短・中距離通信用途の配線などの分野で実用化されてい
る。
【0003】現在実用化されている通信用POFの大部
分は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)をコア材と
するコア−クラッド(芯鞘)構造からなるステップイン
デックス型POFであり、屋内配線あるいは自動車内配
線のような短・中距離通信用途における高速通信媒体と
しての利用が期待されている。このような用途における
POFは、高温多湿な環境下に屈曲した状態で敷設され
ることが多く、耐湿熱性や耐曲げ損失特性などが要求さ
れる。特に、自動車内通信媒体として用いられる場合に
は、POFが半径10mmで屈曲されても、光ロスの少
ないことが要求されている。
【0004】従来、ステップインデックス型POFのク
ラッド材としては、フッ化ビニリデン/テトラフルオロ
エチレン共重合体(質量比約80/20)を用いた広開
口角(NA約0.5)のPOFが一般的に知られてい
る。しかし、この共重合体は、70℃以上の湿熱雰囲気
下に長期間保持された場合、クラッド材の透明性が著し
く低下するため、伝送損失が著しく低下するという問題
を有していた。
【0005】そこで、POFのクラッド材の耐湿熱特性
を改善することを目的として、メタクリレート系共重合
体からなるクラッド材の開発が行われ、その中でも特
に、通常の広開口角(NA約0.5)を有するPOFに
おいて、クラッド材の強度不足を改善するために多くの
改善策が提案されてきた。例えば、特公平7−1160
4号公報、特公平7−11605号公報、特開昭01−
076003号公報、特開平01−105205号公
報、特開平01−223104号公報、特開平03−0
62809号公報、特開平04−051206号公報に
は、ゴム成分として機能するメタクリル酸−1,1,
2,2−テトラハイドロパーフルオロデシル(17F
M)を共重合成分に加えてクラッド材の強度を向上する
という技術が記載されている。通常の共重合の組成範囲
では17FM成分が多くなるほど、クラッド材の強度が
向上する。
【0006】これらの技術に加え、特開平4−5120
6号公報には、第1クラッドの外側に第2クラッドが設
けられた構造を有し、第1クラッドに長鎖フルオロアル
キルメタクリレート/短鎖フルオロアルキルメタクリレ
ート/メチルメタクリレート共重合体、第2クラッドに
フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体
(質量比約80/20)を用いたPOFが記載されてい
る。上記公報に記載の技術は、ファイバの耐屈曲性、耐
熱性等の特性改善を目的としたものであるが、同公報の
実施例1〜3において、直径10mmのマンドレルに1
5mの光ファイバを100回巻き付けたときの巻付光量
保持率は47〜56%であり、耐屈曲性は充分ではなか
った。また、保護層樹脂の屈折率は1.402程度であ
り、コアの屈折率n1と第2クラッドの屈折率n3から、
N.A=(n1 2−n3 21/2で計算される開口数は0.
5程度であり、POFが屈曲された時に第1クラッドを
透過した光の一部を反射する、いわゆる曲げによる光ロ
スの低減効果は充分ではなかった。
【0007】近年、この問題を解決することを目的とし
て、第2クラッドとして更に低屈折率であるビニリデン
フロライドとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロ
プロピレンからなる3元共重合体を用い、更に曲げ特性
を向上させる技術が提案されている。
【0008】特開平10−221543号公報において
は、コアと、メタクリル酸短鎖フルオロアルキルエステ
ル10〜40モル%とメタクリル酸メチル60〜90モ
ル%からなる第1クラッドと、ビニリデンフロライド/
テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共
重合体からなる第2クラッドからなるPOFが開示され
ている。また、特開平11−101915号公報におい
ては、第1クラッドが第2クラッドより屈折率の高い樹
脂からなり、第2クラッドがビニリデンフロライドとテ
トラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンから
なる3元共重合体であって、ビニリデンフロライド成分
が30〜92モル%、テトラフルオロエチレン成分が0
〜55モル%、ヘキサフルオロプロピレン成分が8〜2
5モル%の範囲にある樹脂からなるPOFが開示されて
いる。また、第1クラッドに最適なものとして(メタ)
アクリル酸長鎖フルオロアルキルエステル/(メタ)ア
クリル酸短鎖フルオロアルキルエステル/(メタ)アク
リル酸メチル共重合体が例示されている。
【0009】しかし、特開平10−221543号公報
及び特開平11−101915号公報に開示される組成
範囲にある第2クラッド樹脂は、第1クラッド樹脂とし
て一般的に知られている、(メタ)アクリル酸長鎖フル
オロアルキルエステル/(メタ)アクリル酸短鎖フルオ
ロアルキルエステル/(メタ)アクリル酸メチル共重合
体、または(メタ)アクリル酸長鎖フルオロアルキルエ
ステル/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)
アクリル酸短鎖フルオロアルキルエステル/(メタ)ア
クリル酸メチル共重合体等に対して相溶性が低いため、
第1クラッドと第2クラッドの界面に構造不整を生じや
すく、またPOFが繰り返し屈曲された時に、第1クラ
ッドと第2クラッドの界面で剥離を起こしやすいという
問題がある。また、これらのPOFは、高温多湿条件下
に長時間放置した場合、第1クラッドと第2クラッドの
界面における構造不整が増大し、全モード光による励起
条件では、伝送損失が著しく増加する傾向にあるため、
耐湿熱性が低いという問題がある。さらに、第2クラッ
ド樹脂自体の透明性が高いために、ファイバ内を入射光
が反射しながら伝送していく際に発生する高次モード光
の減衰が小さく、伝送帯域が充分ではないという問題が
ある。
【0010】一方、POFが自動車内配線として用いら
れる場合、夏期の高温環境下やエンジン等の高温部付
近、さらにはオイルや電解液、ガソリン等の引火性物質
にふれる環境下に配設されることから、POF素線の外
周部に被覆層を設けたPOFケーブルの形態で用いられ
ることが一般的であり、被覆層の材料には耐熱性、耐熱
寸法安定性、耐薬品性、難燃性に優れていることが要求
されている。
【0011】また、POFケーブルの末端へのコネクタ
ーの固定などの端末処理を行う場合、POF素線と被覆
層との強固な密着性も要求されている。この密着性に優
れると、POF素線と被覆層を一体として、その上から
コネクターを締め付けて固定することが容易になり、ま
た、振動に対するPOF素線の保護という観点からも、
POF素線と被覆層とが強く密着していることが要求さ
れている。
【0012】POFケーブルに耐熱性、耐薬品性、耐熱
寸法安定性等を付与する手段としては、被覆層にナイロ
ンを始めとするポリアミド系重合体を用いる技術が、特
開平7−77642号公報、特開平10−319281
公報、特開平11−242142号公報などで提案され
ている。現在使用されている自動車用POFケーブルに
おいてもナイロン11やナイロン12などのポリアミド
樹脂が使用されている。このような材料からなる被覆層
とPOF素線との密着性についてはさらなる改善が求め
られている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐湿
熱性や耐曲げ損失特性が優れ、好ましくは伝送帯域にも
優れたプラスチック光ファイバ、プラスチック光ファイ
バケーブル及びプラグ付きプラスチック光ファイバケー
ブルを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリメタクリ
ル酸メチル、又は1種類以上のビニル系単量体とメタク
リル酸メチルとの共重合体からなるコアと、前記コアの
外周に第1クラッド、第2クラッドの順で同心円状に積
層されたクラッドを有するプラスチック光ファイバであ
って、前記第1クラッドは、下記一般式(I)
【0015】
【化3】
【0016】(式中、mは1又は2、nは5〜12の整
数を示す。)で表わされる長鎖フルオロアルキルメタク
リレートの単位(A)10〜50質量%と、下記一般式
(II)
【0017】
【化4】
【0018】(式中、Xは水素原子又はフッ素原子、m
は1〜4の整数を示す。)で表わされる短鎖フルオロア
ルキルメタクリレートの単位(B)20〜90質量%
と、他の共重合可能な単量体の単位(C)0〜50質量
%とからなる共重合体からなり、前記第2クラッドは、
ビニリデンフルオライド単位とテトラフルオロエチレン
単位とヘキサフルオロプロピレン単位とを含み、ビニリ
デンフルオライド単位37.01〜92モル%とテトラ
フルオロエチレン単位0.01〜55モル%とヘキサフ
ルオロプロピレン単位4.0〜7.99モル%とからな
る共重合体からなることを特徴とするプラスチック光フ
ァイバに関する。
【0019】また本発明は、前記第1クラッドが、長鎖
フルオロアルキルメタクリレート単位(A)25〜40
質量%と、短鎖フルオロアルキルメタクリレート単位
(B)40〜70質量%と、他の共重合可能な単量体の
単位(C)としてメタクリル酸メチル単位5〜20質量
%及びメタクリル酸単位0〜2質量%とからなる共重合
体からなる上記のプラスチック光ファイバに関する。
【0020】また本発明は、前記第1クラッドが、長鎖
フルオロアルキルメタクリレート単位(A)10〜40
質量%と、短鎖フルオロアルキルメタクリレート単位
(B)40〜90質量%と、他の共重合可能な単量体の
単位(C)0〜20質量%とからなる共重合体からなる
上記のプラスチック光ファイバに関する。
【0021】また本発明は、前記第1クラッドが、長鎖
フルオロアルキルメタクリレート単位(A)10〜2
9.95質量%と、短鎖フルオロアルキルメタクリレー
ト単位(B)20.05〜90質量%と、他の共重合可
能な単量体の単位(C)20〜50質量%とからなる共
重合体からなる上記のプラスチック光ファイバに関す
る。
【0022】また本発明は、長鎖フルオロアルキルメタ
クリレート単位(A)が、下記式(III) CH2=C(CH3)COO-(CH22(CF27CF3 (III) で表わされる単量体からなる単位であり、短鎖フルオロ
アルキルメタクリレート単位(B)が、下記式(IV) CH2=C(CH3)COO-CH2(CF2mX (IV) (式中、Xは水素原子又はフッ素原子、mは1又は2を
示す。)で表わされる単量体からなる単位であることを
特徴とする上記のいずれかのプラスチック光ファイバに
関する。
【0023】また本発明は、前記第2クラッドがショア
D硬度(ASTM D2240)の値が59以下、アッ
ベ屈折率計で測定したナトリウムD線による25℃での
屈折率が1.350〜1.385の範囲にある上記のい
ずれかのプラスチック光ファイバに関する。
【0024】また本発明は、ナトリウムD線による25
℃での、コアの屈折率n1、第1クラッドの屈折率n2
第2クラッドの屈折率n3が、下記の関係式(1)、
(2)及び(3) n2>n3 (1) 0.55≧(n1 2−n2 21/2≧0.40 (2) (n1 2−n3 21/2≧0.55 (3) を満たすことを特徴とする上記のいずれかのプラスチッ
ク光ファイバに関する。
【0025】また本発明は、光ファイバの中心軸に対し
てなす角度が、以下の関係式(4) sinΘ=(n1 2−n3 21/2 (4) で規定される光ファイバの開口角Θの90%の角度Θ90
である平行光を光ファイバに入射させ、入射項が光ファ
イバ中を20000×Dcore(Dcore:コアの直径)の
距離を伝搬した後の出射FFP(Far Field P
attern)において、光量角度分布のピーク半値幅
を(Θ901/2とした時に、sin(Θ901/2の値が
0.2以下である上記のいずれかのプラスチック光ファ
イバに関する。
【0026】また本発明は、ポリメタクリル酸メチル、
又は1種類以上のビニル系単量体とメタクリル酸メチル
との共重合体からなるコアと、前記コアの外周に第1ク
ラッド、第2クラッドの順で同心円状に積層されたクラ
ッドを有するプラスチック光ファイバであって、前記第
1クラッドは、下記式(III) CH2=C(CH3)COO-(CH22(CF27CF3 (III) で表わされる長鎖フルオロアルキルメタクリレートの単
位と、下記式(IV) CH2=C(CH3)COO-CH2(CF2mX (IV) (式中、Xは水素原子又はフッ素原子、mは1又は2を
示す。)で表わされる短鎖フルオロアルキルメタクリレ
ートの単位と、メタクリル酸メチル単位とを有する共重
合体からなり、前記第2クラッドは、ビニリデンフロラ
イド単位とテトラフルオロエチレン単位とヘキサフルオ
ロプロピレン単位を有する共重合体からなるプラスチッ
ク光ファイバであって、ナトリウムD線による25℃で
の、コアの屈折率n1、第1クラッドの屈折率n2、第2
クラッドの屈折率n3が、下記の関係式(1)、(2)
及び(3)を満たし、 n2>n3 (1) 0.55≧(n1 2−n2 21/2≧0.40 (2) (n1 2−n3 21/2≧0.55 (3) かつ、光ファイバの中心軸に対してなす角度が、下記の
関係式(4) sinΘ=(n1 2−n3 21/2 (4) で規定される光ファイバの開口角Θの90%の角度Θ90
である平行光を光ファイバに入射させ、入射光が光ファ
イバ中を20000×Dcore(Dcore:コアの直径)の
距離を伝搬した後の出射FFP(Far Field P
attern)において、光量角度分布のピーク半値幅
を(Θ901/2とした時に、sin(Θ901/2の値が
0.2以下であるプラスチック光ファイバに関する。
【0027】また本発明は、第1クラッドと第2クラッ
ドに用いられる共重合体を混合して得られる混合重合体
組成物からなる厚さ2.0mmのフィルムの光線透過率
が90%以上であることを特徴とする上記のいずれかの
プラスチック光ファイバに関する。
【0028】また本発明は、上記のいずれかのプラスチ
ック光ファイバの外周に被覆層を有するプラスチック光
ファイバケーブルに関する。
【0029】また本発明は、上記のプラスチック光ファ
イバケーブルの端にプラグが設置されてなるプラグ付き
プラスチック光ファイバケーブルに関する。
【0030】
【発明の実施の形態】メタクリル酸メチルを主成分とす
るコアを有するPOFは、湿熱環境下におかれた場合
に、コア材及び/又はクラッド材中へ吸収された水分と
ポリマーとの相分離による白濁化が原因で散乱損失が増
大し、水の吸着がいくつかの特定波長域における分子振
動吸収をもたらすため、伝送損失が増大する場合があ
る。一方、POFの曲げ損失の原因としては、クラッド
の強度不足による割れや、コア−クラッド間の剥離、構
造不整の増大などがある。本発明のPOFは、第1クラ
ッド及び第2クラッドを備え、これらの材料として特定
の共重合体を用いることを主な特徴としており、これに
より、POFの耐湿熱性及び曲げ損失を改善することを
可能としたものである。
【0031】本発明のPOFは、ポリメタクリル酸メチ
ル(PMMA)、又はメタクリル酸メチル(MMA)単
位を主成分とする共重合体からなるコアと、この外周に
第1クラッド、第2クラッドの順で同心円状に積層され
たクラッドを有する。
【0032】本発明のPOFの第1クラッドに用いられ
る重合体は、良好な透明性および耐熱性を有しながら、
屈曲性および加工性に優れる重合体として、前記一般式
(I)で表される長鎖フルオロアルキルメタクリレート
の単位(A)、前記一般式(II)で表される短鎖フルオ
ロアルキルメタクリレートの単位(B)、及び必要によ
り他の共重合可能な単量体の単位(C)からなる共重合
体が用いられる。
【0033】単位(A)を形成する長鎖フルオロアルキ
ルメタクリレートのフッ素化アルキル基のフッ素原子数
は、共重合体の機械的特性を向上させるためには13以
上であることが好ましく、具体的には、2−(パーフル
オロヘキシル)エチルメタクリレート(13FM)、1
H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルメタクリレ
ート(16FM)、2−(パーフルオロオクチル)エチ
ルメタクリレート(17FM)、1H,1H,11H−
(イコサフルオロウンデシル)メタクリレート(20F
M)、2−(パーフルオロデシル)エチルメタクリレー
ト(21FM)等の単量体単位が挙げられる。これら単
量体単位は単独で用いてもよく、また2種以上を併用し
てもよい。コストの点から2−(パーフルオロオクチ
ル)エチルメタクリレート(17FM)が好ましい。
【0034】第1クラッドを構成する共重合体中の長鎖
フルオロアルキルメタクリレート単位(A)の含有量
は、10〜50質量%の範囲にあることが好ましいが、
10〜40質量%がより好ましく、あるいは10〜2
9.95質量%がより好ましく、25質量%以上が特に
好ましい。単位(A)の含有量が10質量%より少ない
と、柔軟性や機械的特性が不十分になるおそれがあり、
50質量%を超えると、重合体のガラス転移温度が低く
なり十分な耐熱性が得られないおそれや、クラッド材の
透明性が低下してPOFの伝送損失が増大するおそれが
ある。
【0035】単位(B)を形成する短鎖フルオロアルキ
ルメタクリレートのフッ素化アルキル基のフッ素原子数
は、共重合体の透明性を向上させるためには9以下であ
ることが好ましく、具体的には、2,2,2−トリフル
オロエチルメタクリレート(3FM)、2,2,3,3
−テトラフルオロプロピルメタクリレート(4FM)、
2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリ
レート(5FM)、2,2,3,4,4,4−ヘキサフ
ルオロブチルメタクリレート(6FM)、1H,1H,
5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート(8F
M)、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレー
ト(9FM)等の単量体単位が挙げられる。これら単量
体単位は単独で用いてもよく、また2種以上を併用して
もよい。コストの点から、3FMまたは5FMの単位、
すなわち一般式(II)においてmが1又は2の場合(す
なわち一般式(IV))で示される単量体の単位が好まし
い。
【0036】第1クラッドを構成する共重合体中の短鎖
フルオロアルキルメタクリレート単位(B)の含有量
は、20〜90質量%の範囲にあることが好ましいが、
40〜90質量%がより好ましく、あるいは20.05
〜90質量%がより好ましく、70質量%以下が特に好
ましい。単位(B)の含有量が20質量%より少ない
と、重合体が白濁化して伝送損失が増大したり、耐湿熱
性が低下するおそれがあり、また重合体中の長鎖フルオ
ロアルキルメタクリレート単位(A)の割合が増えガラ
ス転移温度が下がるため、十分な耐熱性が得られないお
それがある。単位(B)の含有量が90質量%を超える
と、重合体は脆くなり強度が低下するおそれがある。
【0037】単位(C)を形成する他の共重合可能な単
量体は、必要に応じて用いることができ、鎖状アルキル
(メタ)アクリレート、環式炭化水素基を有するメタク
リル酸エステル、親水性単独重合体を形成しうるビニル
系単量体が用いられる。
【0038】鎖状アルキル(メタ)アクリレートとして
は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)ア
クリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸−sec-ブチル等が挙げられる。
中でもメタクリル酸メチルが好ましい。環状炭化水素基
を有するメタクリル酸エステルとしては、フェニルメタ
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アダマン
チルメタクリレート、(イソ)ボルニルメタクリレー
ト、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02.6 ]−
デカ−8−イル等が用いられる。親水性単独重合体を形
成しうるビニル系単量体としては、(メタ)アクリル
酸、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルメタ
クリレート、アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。中でもメタクリル酸
が好ましい。
【0039】単位(C)を形成する単量体は、耐熱分解
性を向上させる点からはアクリル酸メチルを使用するこ
とが好ましく、機械的特性の点からはメタクリル酸メチ
ルが好ましく、コア−クラッド界面の密着性を向上させ
る点からはメタクリル酸を用いることが好ましい。
【0040】クラッドの機械的特性およびコア−クラッ
ド界面の密着性の向上の点から、単位(C)としてメタ
クリル酸メチル単位とメタクリル酸単位の両方を有する
第クラッドとすることもできる。
【0041】第1クラッドを構成する共重合体中の単位
(C)の含有量は、0〜50質量%の範囲にあり、単位
(A)及び単位(B)の含有量に応じて適宜設定され
る。単位(C)の含有量が50質量%を超えると、重合
体中の単位(A)及び単位(B)の割合が減少し、単位
(A)及び単位(B)由来の所望の特性が得られないお
それがある。
【0042】第1クラッドを構成する共重合体の組成
は、POFに耐湿熱性を付与するためには、長鎖フルオ
ロアルキルメタクリレート単位(A)を10〜40質量
%、短鎖フルオロアルキルメタクリレート単位(B)を
40〜90質量%、他の共重合可能な単量体の単位
(C)を0〜20質量%とすることが好ましく、POF
の伝送帯域を高めるためには、長鎖フルオロアルキルメ
タクリレート単位(A)を10〜29.95質量%、短
鎖フルオロアルキルメタクリレート単位(B)を20.
05〜90質量%、他の共重合可能な単量体の単位
(C)を20〜50質量%とすることが好ましい。
【0043】また、クラッドの機械的特性やコア−クラ
ッド界面の密着性を向上させ、耐湿熱性や耐屈曲性を高
める点から、単位(A)25〜40質量%と、単位
(B)40〜70質量%と、単位(C)としてメタクリ
ル酸メチル単位5〜20質量%及びメタクリル酸単位0
〜2質量%とからなる第1クラッドを用いることが好ま
しい。この場合、単位(B)は40〜60質量%がより
好ましく、40〜55質量%が特に好ましい。メタクリ
ル酸メチル単位は10〜20質量%がより好ましい。メ
タクリル酸単位は0.05〜2質量%がより好ましい。
これらの範囲の量にすることにより所望の特性をより十
分に得ることができる。
【0044】第1クラッドを構成する共重合体は、23
0℃で荷重5kgf(49N)の条件で直径2mm、長
さ8mmのノズルから10分間に吐出される重合体の量
(g)を示すメルトフローインデックス(MI)が5〜
40であることが好ましい。メルトフローインデックス
が大きすぎると、POFの屈曲性および加工性が低下す
るおそれがある。逆に、小さすぎると、共重合体の成形
性が低下するおそれがある。
【0045】また、第1クラッドを構成する共重合体
は、DSCより求めたガラス転移温度(Tg)が75℃
以上であることが好ましい。Tgが低すぎると、紡糸安
定性が低下したり、POFの耐熱性が低下するおそれが
ある。逆に、Tgが高すぎると、クラッド材が固くなり
割れやすくなり、POFを屈曲したときの伝送損失が増
大するおそれがある。そのため、Tgは110℃以下が
好ましい。
【0046】本発明のPOFにおける第2クラッドは、
ビニリデンフルオライド単位とテトラフルオロエチレン
単位とヘキサフルオロプロピレン単位とを有する共重合
体である。これらの三種の単位の合計を100モル%と
としたとき、ビニリデンフルオライド単位37.01〜
92モル%とテトラフルオロエチレン単位0.01〜5
5モル%とヘキサフルオロプロピレン単位4.0〜7.
99モル%とからなる共重合体であることが好ましい。
この第2クラッドの共重合体は、所望の特性が得られる
範囲内で他の単位を含有していてもよく、他の単位の含
有率は、第2クラッドの共重合体の全構成単位を100
モル%としたとき、20モル%以下が好ましく、10モ
ル%以下がより好ましく、5モル%以下がさらに好まし
い。
【0047】この共重合体は、上記の第1クラッドとの
相溶性が良好であるため、第1クラッドと第2クラッド
の界面の構造不整を低減し、伝送損失の低減が可能とな
るだけでなく、POFが高温高湿条件下に置かれた場合
(例えば温度85℃、湿度95%、3000時間)に、
同界面における構造不整の増大に起因する伝送損失の増
加を抑制することができ、第2クラッドそのものが有す
る耐湿熱特性と相まって、POFの耐湿熱性をより向上
させることができる。このような第1クラッドと第2ク
ラッドの界面での構造不整は、全モード光による励起条
件でのPOFの伝送損失に特に影響する。また、第1ク
ラッドと第2クラッドの相溶性が優れていることから、
これらの界面における剥離を抑制し、また強度に優れた
第2クラッドが第1クラッドを効果的に保護して第1ク
ラッドの割れを抑制することができるため、POFが繰
り返し屈曲された場合の伝送損失の増大を抑制すること
が可能となる。すなわち、本発明のPOFにおいては、
特定の第1クラッドと第2クラッドを組み合わせること
により、POFの伝送損失を低減させ、第2クラッドそ
のものが有する特徴と相まってPOFの耐湿熱性や、耐
繰り返し屈曲性などの機械的特性を向上させることがで
きる。
【0048】第1クラッドと第2クラッドに用いられる
重合体の相溶性やその耐湿熱特性は、重合体をそれぞれ
共通の溶媒に溶解させ、フィルム上に展開させた後、溶
媒を揮発除去して得られる混合重合体組成物を湿熱環境
に保持し、湿熱環境保持前後の光線透過率を測定するこ
とにより知ることができる。本発明において第1クラッ
ドと第2クラッドに用いられる重合体の相溶性は良好で
あることが好ましいので、第1クラッドと第2クラッド
に用いられる重合体を混合して得られる混合重合体組成
物の光線透過率は、厚さ2mmのフィルムにおいて、9
0%以上であることが好ましい。表1は、重合体(A)
と重合体(B)の相溶性と耐湿熱特性を測定した結果を
示す。表1で示す組成の重合体(A)2gと重合体
(B)2gを酢酸エチル16g中に充分溶解・攪拌し、
ポリエステルフィルム上に展開した後、窒素ガスを流し
たデシケーター内に、同フィルムを入れた。次いで、8
0℃に設定した恒温槽中に48時間放置して、酢酸エチ
ルを揮発除去することによって、混合重合体組成物を得
た。実験例1及び2では、この混合重合体組成物の光線
透過率は各々92%、93%であった。また、湿熱環境
下(85℃、95%RH)に100時間保持しておいて
も重合体組成物の透明性は保持されていた。実験例3及
び4では、この混合重合体組成物は溶媒の揮発除去の過
程で白濁し、白化したフィルムが得られた。このフィル
ムの光線透過率は1%以下であった。同フィルムを、湿
熱環境下(85℃、95%RH)に100時間保持して
おいても白濁したままであり、このフィルムの光線透過
率を測定したところ、1%以下であった。
【0049】
【表1】
【0050】本発明の第2クラッドを構成する共重合体
において、ビニリデンフルオライド単位の含有量が92
モル%より多くなると、成形性が低下し、また屈折率が
高くなるため光ファイバの開口角が大きくなり、曲げ損
失光量が増加するおそれがある。また、37.01モル
%より少なくなると、硬度および耐熱性が低下するおそ
れがある。ビニリデンフルオライド単位の含有率は、4
0〜92モル%であることが好ましく、50〜70モル
%であることがより好ましい。
【0051】テトラフルオロエチレン単位の含有量が5
5モル%より多くなると、硬度および成形性が低下する
おそれがある。また、テトラフルオロエチレン単位を含
有させることにより、屈折率を低下させ、POFの開口
数を大きくでき、耐熱性を向上することができる。テト
ラフルオロエチレン単位の含有率は、22.5〜45モ
ル%であることが好ましい。
【0052】ヘキサフルオロプロピレンは対称性が低い
構造を有しているため、比較的少量共重合することで、
ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとの
共重合体が有している結晶性を低減できる。この結晶性
低減効果は、ヘキサフルオロプロピレン単位を4.0モ
ル%以上含有することで十分に発現する。しかし、以下
に述べる3つの理由により、共重合組成におけるヘキサ
フルオロプロピレン単位は7.99モル%以下であるこ
とが好ましい。
【0053】1)ヘキサフルオロプロピレン単位が7.
99モル%より多いと、上記したような第1クラッドと
第2クラッドとの相溶性が低下し、第1クラッドと第2
クラッドの界面において構造不整が生じやすくなり、光
伝送特性、耐湿熱性、機械的特性が低下する。
【0054】2)ポリアミド系樹脂、特にナイロン11
又はナイロン12を用いた被覆層が第2クラッドの外周
に形成される場合には、ヘキサフルオロプロピレン単位
の含有量が多いほど、第2クラッドと被覆層との密着性
が低下し、POFケーブルの引き抜き強度が低下する。
【0055】3)第2クラッド中にも、第1クラッドか
ら漏れた光が反射しながら伝送する場合、第2クラッド
の透明性が高ければ、発生した高次モード光は損失する
ことなくファイバ中を伝送するため、帯域が低下する原
因となる。したがって、第2クラッドに適度な結晶性部
分を若干量残しておくことにより、高次モード光を低減
し、帯域を向上させることができる。
【0056】以上の理由から、第2クラッドのヘキサフ
ルオロプロピレン単位の含有量は4.0〜7.99モル
%であることが好ましい。ヘキサフルオロプロピレンの
含有量は4.7モル%以上であることがより好ましい。
また、7.9モル%以下であることがより好ましく、
7.5モル%以下であることがさらに好ましく、7.0
モル%以下であることが特に好ましい。また、第2クラ
ッドを構成する共重合体のメルトフローインデックスは
5〜200であることが、POFの紡糸安定性の点から
好ましい。
【0057】また、第2クラッドの共重合体としては、
23℃におけるショアD硬度(ASTM D2240)
の値が59以下のものを使用することが好ましく、50
以下のものがより好ましい。このようなショアD硬度を
有し、柔軟性を有する上記共重合体から第2クラッドを
形成すると、詳しくは後述するように、第2クラッドの
外周に直接特定のポリアミド系樹脂材料からなる一次被
覆層を形成した場合に、第2クラッドと一次被覆層との
間に強い密着性が発現し、ピストニングを抑制すること
ができる。
【0058】すなわち、ビニリデンフルオライド単位と
テトラフルオロエチレン単位とヘキサフルオロプロピレ
ン単位からなる3元共重合体とポリアミド系樹脂とは相
溶性が低いために、第2クラッドと一次被覆層との間
に、これらが相溶してなる相溶層は存在せず、第2クラ
ッドと一次被覆層とは密着しただけの状態となる。この
場合に、第2クラッドの共重合体が上述のようなショア
D硬度を有し適度な柔軟性を備えていると、一次被覆層
からPOFを引き抜こうとする力がPOFの軸方向に加
わった場合、POFと一次被覆層との界面に応力が生
じ、実質的にPOFと一次被覆層の間の引き抜き強度を
高めることが可能となる。なお、本発明における引き抜
き強度の測定方法は、後述の実施例において説明する。
【0059】また、ショアD硬度が30未満の3次元共
重合体は、熱変形温度が低下する傾向にある。よって、
自動車内などの高温条件下で使用されるPOFケーブル
については、ショアD硬度が30以上であり、59以下
の3元共重合体を使用することが好ましい。
【0060】また、第2クラッドを構成する共重合体の
屈折率(ナトリウムD線を用いた25℃で測定)は、
1.350〜1.385の間にあることが、曲げ損失光
量を十分に低減できるため好ましく、1.350〜1.
380の間にあることがより好ましい。
【0061】本発明のPOFは、ナトリウムD線による
25℃での、コアの屈折率n1、第1クラッドの屈折率
2、第2クラッドの屈折率n3が、関係式(1)、
(2)及び(3)を満たすものであることが好ましい。 n2>n3 (1) 0.55≧(n1 2−n2 21/2≧0.40 (2) (n1 2−n3 21/2≧0.55 (3)
【0062】関係式(1)を満たすことにより、すなわ
ち第1クラッドの屈折率n2、第2クラッドの屈折率n3
を、n2>n3の関係とすることにより、POFを屈曲さ
せた場合に、第1クラッドから漏れた光が第2クラッド
で反射させることができ、POFを曲げたときの伝送損
失を低減することができる。
【0063】また、関係式(2)については、(n1 2
2 21/2 が0.55より大きいと、長鎖フッ素化アル
キルメタクリレート含量が多くなりガラス転移温度が低
くなるため、十分な耐熱性が得られないおそれがあるこ
と、及び短鎖フッ素化アルキルメタクリレート含量が減
少することによりクラッド材の透明性が低下するため、
POFの伝送損失が増大する傾向がある。また、0.5
5を超えると十分な伝送帯域のPOFを得ることが困難
になるおそれがある。(n1 2−n2 21/2が0.40未
満であると、POFを屈曲させた時の曲げ損失光量を充
分に低減することが困難になるおそれがある。(n1 2
2 21/2を上記のような値に設定するためには、第1
クラッドの屈折率n2は、1.380以上であることが
好ましく、1.390以上であることがより好ましい。
また、第1クラッドの屈折率n2は1.450以下であ
ることが好ましい。
【0064】さらに、関係式(3)については、(n1 2
−n3 21/2が0.55未満であると、POFを屈曲さ
せた時の曲げ損失光量を充分に低減することが困難にな
るおそれがある。
【0065】本発明においては、第1クラッド及び第2
クラッドとして前述の特定の材料を用いることにより、
関係式(1)〜関係式(3)を満たすことができ、伝送
帯域を高くし、曲げ損失光量を低減することが可能とな
る。本発明のPOFケーブルでは、光ファイバの中心軸
に対してなす角度が、下記の関係式(4) sinΘ=(n1 2−n3 21/2 (4) で規定される光ファイバのファイバ開口角Θの90%の
角度Θ90である平行光を光ファイバに入射させ、入射光
が光ファイバ中を20000×Dcore(Dcore:コアの
直径)の距離を伝搬した後の出射FFP(Far Fi
eld Pattern)において、光量角度分布のピ
ーク半値幅を(Θ901/2とした時に、sin(Θ90
1/2の値が0.2以下であることが好ましく、1.5以
下であることがより好ましい。このsin(Θ901/2
の値が0.2以下であることにより、本発明のPOFあ
るいはPOFケーブルでは、第1クラッドと第2クラッ
ドとの界面の構造不整が小さく、伝送損失が低いだけで
なく、POFが高温高湿条件下に置かれた場合(例えば
温度85℃、湿度95%、3000時間)における、同
界面における構造不整の増大に起因する伝送損失の増加
を抑制することができ、第2クラッドそのものが有する
耐湿熱特性と相まって、POFあるいはPOFケーブル
の耐湿熱性を向上させることができる。
【0066】なお、FFPとは、POFの光出射端面が
点と見なせる程度に充分離れた距離の位置から見たPO
Fの出射光量の出射角分布のことである。POFの光出
射端面と出射角分布の検出位置の距離は、200×D
core以上(Dcore:コアの直径)の距離であれば十分で
ある。POFの光出射端面と検出位置の距離を実際に離
して測定することも可能であるが、通常はFFP測定用
の光学系をPOFの光出射端面に配置することにより距
離を実際に離した場合と同様にFFPを測定することが
可能である。伝搬光のモードの高低は伝搬角度の大小に
対応するので、FFPはPOFの伝搬光のモード分布を
現している。
【0067】本発明のPOFを構成するコアは、PMM
A、又はMMAとこのMMAと共重合可能な単量体との
共重合体(以下「MMA系共重合体」という)が用いら
れる。これらの(共)重合体を用いることにより、光学
特性に優れ、信頼性の高いPOFを得ることができる。
【0068】MMA系共重合体としては、全共重合組成
を100質量%としたとき、透明性及び耐熱性の点から
MMA単位が50質量%以上であることが好ましく、6
0質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに
好ましい。
【0069】MMAと共重合可能な単量体としては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル
等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
シクロヘキシル、フッ素化アルキルメタクリレート等の
メタクリル酸エステル類、イソプロピルマレイミド等の
マレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン等
が挙げられ、これらの中から1種以上を適宜選択してM
MAと共重合させることができる。
【0070】本発明のPOFは、耐屈曲性および耐湿熱
性を向上させるために第2クラッドの外側に保護層を被
覆することができる。この保護層としては、フッ素原子
の割合が59質量%以上であるフッ素系樹脂を用いるこ
とができる。フッ素原子の割合が59質量%以上であれ
ば、十分な耐屈曲性、耐湿熱性、及び耐薬品性を達成す
ることができる。
【0071】保護層の材料としては、例えば、ビニリデ
ンフルオライド(フッ化ビニリデン)とテトラフルオロ
エチレンとの共重合体、ビニリデンフルオライドとヘキ
サフルオロアセトンとの共重合体、ビニリデンフルオラ
イドとトリフルオロエチレンとの共重合体、ビニリデン
フルオライドとヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビ
ニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとヘキ
サフルオロプロピレンとの共重合体、ビニリデンフルオ
ライドとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロアセ
トンとの共重合、エチレンとテトラフルオロエチレンと
ヘキサフルオロプロピレンとの共重合体等が挙げられる
が、これに限定されるものではない。
【0072】本発明のPOFケーブルは、耐屈曲性およ
び耐湿熱性を向上させるためにクラッドの外周あるいは
保護層の外周に被覆層を密着配設してPOFケーブルと
することができる。この被覆層は、コアと直接接しない
ので、結晶化により透明性が低下しても特に問題は生じ
ない。
【0073】被覆層の材料としては、塩化ビニル樹脂、
塩素化ポリエチレン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、および
フッ素系樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上
の混合物を用いることができ、通常被覆材として用いら
れている公知の材料から適宜選択することができる。中
でも、ポリアミド系樹脂は、耐熱性、耐屈曲性、耐溶剤
特性に優れることから、耐熱性および耐環境特性を要求
される用途向けのPOFの被覆材として好適である。ま
た、加工性が良く、適度な融点を有しているため、PO
Fの伝送性能を低下させることなく、容易にPOF素線
を被覆することができる。
【0074】ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイ
ロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、これ
ら各ナイロンの構成成分の2種以上からなるナイロン共
重合体、これらナイロンの構成成分に加え他の単量体成
分を有する共重合体、これらナイロンの構成成分に加え
他の成分として柔軟なセグメントが導入されたナイロン
系エラストマーが挙げられる。これらは、単独で使用し
ても2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、ポ
リアミド系樹脂に由来の所望の特性を損なわない範囲内
で他の樹脂や化合物を混合してもよい。
【0075】特に、上記ポリアミド系樹脂の中でも、ナ
イロン11、ナイロン12は、熱収縮性、耐屈曲性、耐
摩耗性に優れ、しかも比較的融点が低いために加工性が
良いことから、POFの被覆材として好ましい。また、
ナイロン11やナイロン12は、上述した本発明のPO
Fの第2クラッドのすぐ外側に被覆すると、第2クラッ
ドと被覆層との密着性が優れ、被覆層の寸法安定性と相
まってピストニング現象を効果的に防止できるため好ま
しく、ナイロン11がより好ましい。ナイロン11は、
低温衝撃性、耐屈曲疲労性、引っ張り破断伸び、曲げ弾
性等の力学的特性、耐摩耗性、線膨張係数、ガス透過性
等の点でより優れ、ナイロン11を被覆層に用いること
により、耐屈曲疲労性に優れ、高温環境下でのピストニ
ングや伝送特性劣化、ナイロンの結晶化による硬化が抑
えられたPOFケーブルを得ることができる。また、ナ
イロン11は、耐屈曲性や耐摩耗性、引っ張り破断伸
び、低曲げ弾性、低線膨張係数等の点で被覆材に適した
力学的特性を有するため、POFケーブルが変形した場
合にPOFに加わる応力等の力学的緩衝作用に優れるば
かりでなく、高温環境下でのPOFの収縮をより抑制す
ることができる。
【0076】本発明のPOFケーブルでは、被覆層に、
有機酸あるいは有機酸無水物を添加してもよい。これに
より、POF素線と被覆層との密着性をより一層向上さ
せることができる。有機酸あるいは有機酸無水物の添加
量は、被覆層を構成する樹脂に対して0.2〜10質量
%とすることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質
量%である。添加量が0.2質量%未満では所望の効果
が十分に得られない傾向にあり、10質量%を超えると
樹脂の流動性が低下したり、POFケーブル表面の平滑
性が低下するおそれがある。使用する有機酸、有機酸無
水物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマール酸、サリチル酸、コハク酸、グルタ
ル酸、フタル酸、及びこれらの無水物などを挙げること
ができる。その中でも、無水マレイン酸が、少量の添加
量で高い密着効果が得られることから、特に好ましい。
【0077】また、本発明のPOFケーブルでは、被覆
層に末端アミノ基の含有量が30〜300μeq/gの
範囲にあるポリアミド系樹脂を用いることでも、POF
素線と被覆層との密着性をより一層向上させることがで
きる。末端アミノ基の含有量が30μeq/g未満では
所望の効果が十分に得られない傾向にあり、300μe
q/gを超える樹脂の流動性が低下したり、POFケー
ブル表面の平滑性が低下するおそれがある。このような
樹脂としては、例えば、EMS社製のGrilamid
e-L16A(商品名)等が挙げられる。
【0078】また、本発明のPOFケーブルでは、PO
Fへの外光の入射を防止するために、被覆層にカーボン
ブラック等の黒色無機成分を含有させることもできる。
【0079】また、本発明のPOFケーブルは、耐久
性、耐環境特性をさらに良好なものとするために、PO
Fの外周に設けた被覆層の外周に熱可塑性樹脂からなる
第2被覆層を設けてもよい。
【0080】この第2被覆層に用いられる熱可塑性樹脂
としては、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素系樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる1種又は2種
以上の混合物を用いることができる。中でも、使用され
る環境により、POFに耐熱性、耐溶剤性が必要とされ
る場合にはポリアミド系樹脂が好ましく、POFに耐屈
曲性が必要とされる場合にはポリエチレン樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体等の弾性率の小さい樹脂がより
好ましく用いられる。
【0081】ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイ
ロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、これ
ら各ナイロンの構成成分の2種以上からなるナイロン共
重合体、これらナイロンの構成成分に加え他の単量体成
分を有する共重合体、これらナイロンの構成成分に加え
他の成分として柔軟なセグメントが導入されたナイロン
系エラストマーが挙げられる。これらは、単独で使用し
ても2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、ポ
リアミド系樹脂に由来の所望の特性を損なわない範囲内
で他の樹脂や化合物を混合してもよい。これらの中で
は、被覆工程における成形性が良好で、POFに熱的お
よび機械的なダメージを与えにくい、ナイロン系エラス
トマーや、ナイロン系エラストマーと他のポリアミド系
樹脂との混合物が好ましく、ナイロン11、ナイロン1
2又はナイロン612を主成分とする樹脂が好ましい。
【0082】本発明においては、少なくとも一つの被覆
層が延伸されていない状態で被覆されたものであること
が好ましい。POFのコアであるメタクリル酸メチルを
主成分とした重合体は、100℃を超えるとガラス転移
温度に近づきコアの分子配向が緩和されるため、熱収縮
が起こる。しかし、被覆層として、POFのクラッドあ
るいは保護層と密着性が良く、耐熱性に優れた樹脂を、
延伸させずに被覆することで、POFの熱収縮を効果的
に抑えることができる。
【0083】また、被覆層を構成する樹脂には可塑剤を
添加してもよく、塩化ビニル樹脂の場合、例えばジオク
チルフタレート、トリオクチルトリメリテート、トリク
レジルフォスフェート等を添加することができる。可塑
剤の添加に際しては、添加された可塑剤がPOFへ移行
してPOFの光学性能や機械特性に支障を来すことのな
いように、適宜選択し、必要量を用いることが好まし
い。
【0084】また、本発明のPOFケーブルでは、難燃
性を付与あるいは向上するために、被覆層を形成する材
料に難燃剤を含有させてもよい。難燃剤としては、金属
水酸化物、燐化合物、トリアジン系化合物などの公知の
難燃剤を用いることができるが、ポリアミド系樹脂を被
覆層の主成分として用いる場合は、トリアジン系化合物
を用いることが好ましく、この中でもシアヌル酸メラミ
ンがより好ましい。
【0085】また、本発明のPOFケーブルでは、少な
くとも最外層を構成する被覆層に着色剤等を添加しても
よい。これにより、POFケーブルの識別性、意匠性を
容易に高めることができる。着色剤としては公知のもの
が用いられるが、染料系の着色剤は高温下などで光ファ
イバに移行し伝送損失を増加させるおそれがあるため、
無機顔料を用いることが好ましい。
【0086】以上に説明した本発明のPOFケーブル
は、コアの直径が0.5〜1.5mmの範囲であること
が好ましい。コアの直径が0.5mm以上であると、P
OFがより充分な光量の信号を取り込むことができ、通
信の信頼性をより向上させることができる。コアの直径
を1.5mm以下とすると、より低コストでPOFケー
ブルを作製することができる。
【0087】本発明のPOFケーブルは、20mのファ
イバ長で測定した全モード励振条件における伝送帯域が
80〜230MHzであることが好ましく、100〜1
50MHzがより好ましい。伝送帯域が上記の範囲にあ
ることにより、カーナビゲーションシステムや、DVD
プレーヤ、CDプレーヤ等の映像・音楽デジタル機器、
ゲーム機器などの自動車内マルチメデイア通信に対応が
可能となる。
【0088】また、本発明のPOFケーブルは、初期伝
送損失が200dB/km以下であることが好ましく、
且つ、温度85℃、湿度85%の恒温恒湿槽に1000
時間放置した時の伝送損失の、前記初期伝送損失に対す
る変化(放置後の伝送損失と初期伝送損失との差)が8
0dB/km以下(NA=0.65)であることが好ま
しく、60dB/km以下がより好ましく、40dB/
km以下がさらに好ましい。この伝送損失の変化(増
加)が80dB/km以下であることにより、本発明の
POFケーブルが自動車内等における高湿熱環境下で用
いられ場合において、十分な耐熱損失特性を有すること
ができる。
【0089】本発明のPOFは、公知の方法により製造
され、例えばPOFの一般的な製造装置である複合溶融
紡糸設備により製造できる。また、コア材のみ溶融紡糸
した後に、クラッド材をジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド等の溶媒に溶解してソルベントコーティ
ングすることによっても製造できる。
【0090】本発明のPOFケーブルは、信号源である
光源や、検知器に組み込まれたユニットのハウジング
や、別のPOFケーブル等との接合のために、このケー
ブル端にプラグを取り付けたプラグ付き光ファイバケー
ブルとして使用することができる。このプラグには、プ
ラグ本体と、プラグ本体に装着されてPOFケーブルを
固定するためのストッパーとを備えたものを用いること
ができる。
【0091】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。なお、実施例における評価、測定は以下の方法
により実施した。
【0092】(メルトフローインデックス)メルトフロ
ーインデックスは、日本工業規格JIS K7210に
準じて測定した。230℃、荷重5kgf(49N)の
条件下で直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間
に吐出される重合体量を測定した。
【0093】(屈折率)溶融プレスにより厚さ200μ
mのフィルム状の試験片を形成し、アッベの屈折計を用
い、室温25℃におけるナトリウムD線の屈折率(nD
25)を測定した。
【0094】(伝送損失)25m−5mカットバック法
により伝送損失(dB/km)を測定した。測定波長が
650nm、入射光のNA(開口数)が、0.1、0.
65の光を用いた。
【0095】(ガラス転移温度(Tg))示差走査熱量
計(DSC)(セイコーインスツルメンツ社製、DSC
−220)を使用した。サンプルを、昇温速度10℃/
分で180℃まで昇温し10分間保持して溶融させた
後、10℃/分で0℃まで急冷し、再度昇温速度10℃
/分で昇温を行い、このときの発熱および吸熱挙動から
ガラス転移温度を求めた。
【0096】(光線透過率)厚み2.0mmのフィルム
を作製し、JIS K 7361−1規格に基づき、積
分球を用いて、光線透過率を測定した。
【0097】(伝送帯域)長さ20mの光ファイバケー
ブルを用意し、インパルス応答法により波長650n
m、励振NA=0.30、0.55における−3dB帯
域を、サンプリングオシロスコープを用いて測定した。
【0098】(曲げ損失の測定)長さ11mのPOFケ
ーブルの一端から光を入射させ、その状態で、POFケ
ーブルを、1m間隔の10箇所において、半径10mm
で90度づつ屈曲させ、他端から出射される光量を測定
した。このように屈曲させたPOFケーブルから出射さ
れる光量と、直線状の同POFケーブルについて同様に
測定した出射光量とから曲げ損失を算出した。
【0099】(繰り返し屈曲回数の測定)長さ4mのP
OFケーブルの一端に荷重500gf(4.9N)をか
け、このPOFケーブルの中央を直径15mmの2本の
円管にて挟持した。このPOFケーブルの他端を一方の
円管側に移動させてPOFケーブルが90度折れ曲がる
ように円管外周に巻き付けた後、他方の円管側に移動さ
せてPOFケーブルが90度折れ曲がるように円管外周
に巻き付けて合計180度屈曲させ、これを繰り返し、
POFケーブルが切断した際の曲げ回数を測定した。
【0100】(引抜き強度の測定)POF素線と被覆層
との間の引抜き強度を測定した。まずPOFケーブル1
50mmをとり、片端から第1被覆層と第2被覆層を1
0mmずつ注意深くはぎとり、全部で片側から長さ50
mmの被覆材をはぎとり、長さ100mmの第1被覆層
および第2被覆層を残した。被覆層が取り除かれたPO
F素線の露出部分を厚さ5mmのアクリル板の直径1.
1mmの孔に貫通させ、このPOF素線を引き抜き速度
100mm/分で引きながら、POFケーブルからPO
F素線が引き抜かれる時の応力を測定した。
【0101】(耐湿熱試験)POFを、温度85℃、湿
度(RH)95%のオーブンに3000時間放置した時
の伝送損失(dB/km)を、25m−5mカットバッ
ク法により測定した。測定波長が650nm、入射光の
NA(開口数)が、0.1、0.65の光を用いた。
【0102】(ショアD硬度)高分子計器(株)製AS
KER CL−150を用い、ASTM D2240に
準拠して測定した。
【0103】(出射FFP)HeNeレーザー(MEL
LES GRIOT社製、発振波長632.8nm)の出
射光をレンズで平行光にした後、光ファイバ中心軸に対
して角度Θ90でPOFに入射し、POFの20m伝搬後
の出射光のFFPを図1に示すフーリエ変換光学系を用
いて測定した。なお出射光の検出には、浜松ホトニクス
社製の、干渉縞対策可視検出器(製品名:C5948)
を装着したFFP光学系(製品名:A3267−07)
を使用した。図1において、符号1はPOF、符号5は
フーリエ変換光学系、符号6はLD光源、符号7はCC
D素子である。図2は、FFPの測定結果を示す図であ
る。縦軸はPOFからの出射光量であり、最大角を1.
0とする相対値で表示されている。横軸はファイバから
の出射角である。
【0104】〔実施例1〕第1クラッドの材料として、
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(3F
M)51質量部、2−(パーフルオロオクチル)エチル
メタクリレート(17FM)31質量%、メタクリル酸
メチル17質量%、メタクリル酸1質量%からなるモノ
マー溶液に対して、アゾビスイソブチロニトリル0.0
5質量%、n−オクチルメルカプタン0.05質量%を
添加し、窒素バブリングにより溶存酸素を完全に除去し
た後65℃にて5時間、次いで120℃にて2時間重合
して重合体を得た。得られた重合体を粉砕した後、18
0℃で10時間真空乾燥を行った。この重合体のメルト
フローインデックスは20、屈折率は1.412、ガラ
ス転移温度は78.4℃であった。
【0105】第1クラッド材として上記共重合体、第2
クラッド材としてビニリデンフルオラオド/テトラフル
オロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(5
2.1/40.0/7.9mol%、屈折率1.36
9、メルトフローインデックス42.7)、コア材とし
てPMMA(屈折率1.492)を225℃の紡糸ヘッ
ドに供給し、同心円状複合ノズルを用いて紡糸した後、
150℃の熱風加熱炉中で繊維軸方向に2倍に延伸し、
第1クラッド厚み10μm、第2クラッドの厚み10μ
mの直径1mmのPOF素線を得た。
【0106】こうして得られたPOF素線を前記の方法
により評価した。このPOF素線の伝送損失は入射NA
0.1で測定したときは132dB/kmであり、入射
NA0.65では165dB/kmであり、非常に良好
な伝送特性を示した。また伝送帯域は、NA=0.3
0、0.55においてそれぞれ315MHz、149M
Hzであった。
【0107】〔実施例2〕実施例1で得られたPOF素
線に、T型ダイを用いてナイロン12を被覆して第1被
覆層を形成して、直径1.5mmのPOFケーブルを得
た。さらに、このPOFケーブルの外周にナイロン12
を被覆して第2被覆層を形成し、直径2.2mmのPO
Fケーブルを得た。
【0108】このPOFケーブルを前記の方法により評
価した。このPOFケーブルの伝送損失は入射NA0.
1で測定したときは137dB/kmであり、入射NA
0.65では176dB/kmであった。また伝送帯域
は、NA=0.30、0.55においてそれぞれ315
MHz、143MHzであり、POFをケーブル化して
も伝送損失、伝送帯域は良好であった。また、繰り返し
屈曲回数は17100回、曲げ損失は0.3dB、引き
抜き強度は65Nであった。また、湿熱試験後のPOF
ケーブルの伝送損失は、NA=0.10、0.65にお
いてそれぞれ172dB/km、225dB/kmであ
った。
【0109】このPOFケーブルの端部にプラグを取り
付けて信号伝送用ケーブルとして用い、安定に信号を送
れることを確認した。
【0110】〔実施例3〕第2クラッド材をビニリデン
フルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(54.0/39.0/7.0m
ol%、屈折率1.370、メルトフローインデックス
36.0)に変更した以外は、実施例1と同様にしてP
OF素線を作製した。
【0111】次いで、このPOF素線に、実施例2と同
様にして、ナイロン12に代えて黒色ポリエチレンから
なる被覆層を設け、POFケーブルを得た。
【0112】このPOFケーブルについて前記の方法に
より評価を行った。このPOFケーブルの伝送損失は入
射NA0.1で測定したときは138dB/kmであ
り、入射NA0.65では186dB/kmであった。
また伝送帯域は、NA=0.30、0.55においてそ
れぞれ320MH、160MHzであった。また、繰り
返し屈曲回数は28800回、曲げ損失は0.4dBで
あった。また、湿熱試験後のPOFケーブルの伝送損失
は、NA=0.10、0.65においてそれぞれ162
dB/km、210dB/kmであった。
【0113】このPOFケーブルの端部にプラグを取り
付けて信号伝送用ケーブルとして用い、安定に信号を送
れることを確認した。
【0114】POFの第1クラッドと第2クラッドの境
界部を透過型電子顕微鏡で2万5000倍の倍率で観察
したところ、第1クラッドと第2クラッドの界面には中
間的な相溶層が観察された。
【0115】また、上記の繰り返し屈曲試験後のPOF
について同様に第1クラッドと第2クラッドの境界部を
透過型電子顕微鏡で2万5000倍の倍率で観察した
が、第1クラッドと第2クラッドとの界面において変化
は認められなかった。
【0116】また、第1クラッド材2gと第2クラッド
材2gを酢酸エチル16g中に充分溶解・攪拌し、ポリ
エステルフィルム上に展開した後、溶媒を揮発除去する
ことによって、混合重合体組成物を得た。この混合重合
体組成物の光線透過率は92%であった。また、湿熱環
境下(85℃、95%RH)に100時間保持しておい
ても重合体組成物の透明性は保持されていた。
【0117】〔比較例1〕第2クラッドの共重合体をビ
ニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体(53.0/38.0/
9.0mol%、屈折率1.365、メルトフローイン
デックス35.0)に変更した以外は、実施例1と同様
にしてPOF素線を作製した。
【0118】次いで、このPOF素線に、実施例2と同
様にして被覆層を設け、POFケーブルを得た。
【0119】このPOFケーブルについて前記の方法に
より評価を行った。このPOFケーブルの伝送損失は入
射NA0.1で測定したときは141dB/kmであ
り、入射NA0.65では195dB/kmであった。
また伝送帯域は、NA=0.30、0.55においてそ
れぞれ301MHz、131MHzであった。また、曲
げ損失は0.6dB、引き抜き強度42Nであった。ま
た、繰り返し屈曲回数は9300回であり、実施例2と
比較して大幅に低下した。また、湿熱試験後のPOFケ
ーブルの伝送損失は、NA=0.10、0.65におい
てそれぞれ160dB/km、320dB/kmであっ
た。
【0120】POFの第1クラッドと第2クラッドの境
界部を透過型電子顕微鏡で2万5000倍の倍率で観察
したところ、第1クラッドと第2クラッドとの界面にお
いて中間的な相溶層は観測されず、両クラッドは明瞭に
2つに分かれていた。
【0121】また、上記の繰り返し屈曲試験後のPOF
について同様に第1クラッドと第2クラッドの境界部を
透過型電子顕微鏡で2万5000倍の倍率で観察したと
ころ、第1クラッドと第2クラッドとの界面において、
ところどころで両クラッドの剥離が起きていることが観
察された。
【0122】実施例3と同様にして、第1クラッド材と
第2クラッド材との混合重合体組成物のフィルムを作製
したところ、溶媒の揮発除去の過程で白濁し、白化した
フィルムが得られた。このフィルムを、湿熱環境下(8
5℃、95%RH)に100時間保持しておいても白濁
したままであった。
【0123】〔比較例2〕第1クラッド材を2,2,
3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート(4F
M)15質量%、17FM15質量%、MMA69質量
%、メタクリル酸1質量%からなる共重合体(屈折率
1.457、メルトフローインデックス29.0、ガラ
ス転移温度93.0℃)に変更し、第2クラッドをビニ
リデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体(54.0/39.0/
7.0mol%、屈折率1.370)に変更した以外
は、実施例1と同様にしてPOF素線を作製した。
【0124】次いで、このPOF素線に、第1被覆層に
ナイロン11を用いた以外は実施例2と同様にして被覆
層を設け、POFケーブルを得た。
【0125】このPOFケーブルについて前記の方法に
より評価を行った。このPOFケーブルの伝送損失は入
射NA0.1で測定したとき140dB/kmであり、
入射NA0.65では190dB/kmであった。また
伝送帯域は、NA=0.30、0.55においてそれぞ
れ420MH、175MHzであった。また、繰り返し
屈曲回数は21000回、曲げ損失は2.0dB、引き
抜き強度61Nであった。また、湿熱試験後の伝送損失
は、NA=0.10、0.65においてそれぞれ194
dB/km、281dB/kmであった。
【0126】〔実施例4〜9及び比較例3〜13〕第1
クラッド及び第2クラッドを構成する共重合体を表2の
とおりに変更した以外は実施例1と同様にしてPOF素
線を作製し、このPOF素線に実施例2と同様にして表
2に示した被覆層を設けてPOFケーブルを得た。
【0127】これらのPOFケーブルについて評価を行
い、その結果を表2に示した。
【0128】実施例4〜9の評価結果から、第2クラッ
ドとしてヘキサフルオロプロピレン単位の含有量が7.
99mol%以下である共重合体を用いたPOFは、伝
送帯域、耐湿熱性、曲げ損失、引き抜き強度等が優れて
いた。一方、比較例3〜13のように、ヘキサフルオロ
プロピレン単位含有量が7.99mol%より多いもの
は、耐湿熱性、引き抜き強度および繰り返し屈曲性が劣
っていた。また、比較例2のように第1クラッドの組成
が、本発明の範囲外であるものは曲げ損失、耐湿熱性が
劣っていた。
【0129】
【表2】
【0130】PMMA:ポリメチルメタクリレート、M
MA:メタクリル酸メチル、MAA:メタクリル酸、3
FM:2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレー
ト、4FM:2,2,3,3−テトラフルオロプロピル
メタクリレート、5FM:2,2,3,3,3−ペンタ
フルオロプロピルメタクリレート、17FM:2−(パ
ーフルオロオクチル)エチルメタクリレート、2F:ビ
ニリデンフルオライド、4F:テトラフルオロエチレ
ン、6F:ヘキサフルオロプロピレン、PA11:ナイ
ロン11、PA12:ナイロン12、PE:ポリエチレ
ン。
【0131】〔実施例10〕コア材としてPMMA(屈
折率1.492)、第1クラッド材料として2,2,2
−トリフルオロエチルメタクリレート(3FM)/2−
(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート(17
FM)/メタクリル酸メチル/メタクリル酸(51/3
1/17/1(質量%))の共重合体、第2クラッド材
としてビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレ
ン/ヘキサフルオロプロピレン(60.5/34.5/
5.0(mol%))の共重合体、ショアD硬度の値4
2、屈折率1.374)を、225℃の紡糸ヘッドに供
給し、同心円状複合ノズルにより紡糸し、その後、15
0℃の熱風加熱炉中で繊維軸方向に2倍に延伸し、第1
クラッド厚み10μm、第2クラッドの厚み10μmの
直径1mmのPOF素線を得た。
【0132】このPOF素線に、220℃に設定したク
ロスヘッドダイにて、無水マレイン酸を1質量%含有し
たナイロン11(アトフィナジャパン社製、リルサンB
MF−O)をクロスヘッドケーブル被覆装置を用いて上
記POF素線に被覆して厚みが250μmの第1被覆層
を形成し、外径1.5mmのPOF一次ケーブルを得
た。このPOF一次ケーブルの外周部に、ナイロン61
2(ダイセルヒュルス社製、ダイアミド N190
1、)を、クロスヘッドケーブル被覆装置を用いて被覆
して厚みが350μmの第2被覆層を形成し、外径2.
2mmのPOFケーブルを得た。
【0133】得られたPOFケーブルの各種評価を行っ
た。得られた結果を表3に示す。このPOFケーブルの
伝送損失は650nmの波長で入射NA0.1では13
3dB/kmであり、入射NA0.65では189dB
/kmであった。また伝送帯域は、NA=0.30、
0.55においてそれぞれ325MHz、157MHz
であった。また、曲げ損失は0.5dBであった。ま
た、湿熱試験後のPOFケーブルの伝送損失は、NA=
0.10、0.65においてそれぞれ158dB/k
m、200dB/kmであった。
【0134】また、このPOFケーブルの出射FFPを
測定し、図2の結果を得た。出射光量分布のピーク半値
幅から得られるsin(Θ901/2の値は0.12であ
った。このPOFケーブルの端部にプラグを取り付けて
信号伝送用ケーブルとして用い、安定に信号を送れるこ
とを確認した。
【0135】〔比較例14〕第2クラッドの共重合体を
ビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘ
キサフルオロプロピレン(28/52/20(mol
%))の共重合体(ショアD硬度の値37、屈折率1.
365)に変更した以外は、実施例10と同様にしてP
OF素線を作製した。
【0136】次いで、このPOF素線に、実施例10と
同様にして第1被覆層及び第2被覆層を設けてPOFケ
ーブルを得た。
【0137】このPOF二次ケーブルについて前記の方
法により評価を行った。その結果を表3に示した。この
POFケーブルの伝送損失は650nmの波長で入射N
A0.1では135dB/kmであり、入射NA0.6
5では190dB/kmであった。また伝送帯域は、N
A=0.30、0.55においてそれぞれ290MH
z、155MHzであった。また、曲げ損失は0.4d
Bであった。また、湿熱試験後のPOFケーブルの伝送
損失は、NA=0.10、0.65においてそれぞれ2
05dB/km、350dB/kmであり、耐湿熱性が
大きく劣っていた。
【0138】また、このPOF二次ケーブルの出射FF
Pを測定し、図2の結果を得た。出射光量分布のピーク
半値幅から得られるsin(Θ901/2の値は0.27
であった。
【0139】〔比較例15〕第2クラッドの共重合体を
ビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン(8
0/20(mol%))の共重合体(ショアD硬度の値
60、屈折率1.402)に変更した以外は、実施例1
0と同様にしてPOF素線を作製した。
【0140】次いで、このPOF素線に、実施例10と
同様にして第1被覆層及び第2被覆層を設けてPOFケ
ーブルを得た。
【0141】このPOFケーブルについて前記の方法に
より評価を行った。その結果を表3に示した。このPO
Fケーブルの伝送損失は650nmの波長で入射NA
0.1では135dB/kmであり、入射NA0.65
では180dB/kmであった。また伝送帯域は、NA
=0.30、0.55においてそれぞれ336MHz、
183MHzであった。また、曲げ損失は4.0dBで
あり、実施例10と比較して大きく劣っていた。また、
湿熱試験後のPOFケーブルの伝送損失は、NA=0.
10、0.65においてそれぞれ155dB/km、1
85dB/kmであった。また、このPOF二次ケーブ
ルの出射FFPを測定し、図2の結果を得た。出射光量
分布のピーク半値幅から得られるsin(Θ901/2
値は0.10であった。
【0142】〔実施例11、12、比較例16、17〕
第2クラッドを構成する共重合体を表3のとおりに変更
した以外は、実施例10と同様にしてPOF素線を作製
し、このPOF素線に、実施例10と同様にして第1被
覆層及び第2被覆層を設けてPOFケーブルを得た。こ
のPOFケーブルについて前記の方法により評価を行っ
た。その結果を表3に示した。
【0143】実施例10、11、12のPOFは、伝送
帯域、耐湿熱性、曲げ損失がバランスよく優れていた。
また、出射光量分布のピーク半値幅から得られるsin
(Θ 901/2の値は、いずれも0.20以下であった。
比較例15のように、第2クラッドが、フッ化ビニリデ
ン/テトラフルオロエチレン共重合体であるものは、静
置曲げ損失の値が大きかった。
【0144】一方、比較例16、17のPOFは、耐湿
熱性が大きく劣っていた。また、出射光量分布のピーク
半値幅から得られるsin(Θ901/2の値はいずれも
0.20以上であった。
【0145】〔光線透過率の測定結果〕実施例3〜7、
実施例10〜12、比較例1、比較例3〜9、及び比較
例14〜17で用いた、第1クラッドの重合体と、第2
クラッドの重合体の組み合わせを用いて、製造した混合
重合体組成物のフィルムについて光線透過率の測定を行
った。結果を表2及び表3に示した。各実施例において
は、フイルムの光線透過率は90%以上であったが、各
比較例においては、光線透過率は90%未満であり、特
に比較例3,4,7,9及び14の場合は、フイルムは
白濁した。
【0146】
【表3】
【0147】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
耐湿熱性や耐曲げ損失特性が優れ、好ましくは伝送帯域
にも優れたPOF、POFケーブル及びプラグ付きPO
Fケーブルを提供することができる。また、十分な引き
抜き強度や繰り返し屈曲耐性を持つPOFケーブル及び
プラグ付きPOFケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPOFのFFPの測定に用いたフーリ
エ変換光学系の説明図である。
【図2】本発明のPOFのFFPの測定結果を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 POF 5 フーリエ変換光学系 6 LD光源 7 CCD素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 一己 東京都港区港南1丁目6番41号 三菱レイ ヨン株式会社内 Fターム(参考) 2H050 AB44Z BB03W BB08W BB10W BB14W 4J100 AJ02R AJ02S AL03R AL08P AL08Q AL08R AL09R AL10R AM15R BB12P BB18P BB18Q BC04R BC07R BC08R BC09R BC43R CA04 CA05 CA06 DA25 DA62 DA63 JA35

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリメタクリル酸メチル、又は1種類以
    上のビニル系単量体とメタクリル酸メチルとの共重合体
    からなるコアと、前記コアの外周に第1クラッド、第2
    クラッドの順で同心円状に積層されたクラッドを有する
    プラスチック光ファイバであって、 前記第1クラッドは、下記一般式(I) 【化1】 (式中、mは1又は2、nは5〜12の整数を示す。)
    で表わされる長鎖フルオロアルキルメタクリレートの単
    位(A)10〜50質量%と、下記一般式(II) 【化2】 (式中、Xは水素原子又はフッ素原子、mは1〜4の整
    数を示す。)で表わされる短鎖フルオロアルキルメタク
    リレートの単位(B)20〜90質量%と、他の共重合
    可能な単量体の単位(C)0〜50質量%とからなる共
    重合体からなり、 前記第2クラッドは、ビニリデンフルオライド単位とテ
    トラフルオロエチレン単位とヘキサフルオロプロピレン
    単位とを含み、ビニリデンフルオライド単位37.01
    〜92モル%とテトラフルオロエチレン単位0.01〜
    55モル%とヘキサフルオロプロピレン単位4.0〜
    7.99モル%とからなる共重合体からなるプラスチッ
    ク光ファイバ。
  2. 【請求項2】 前記第1クラッドは、長鎖フルオロアル
    キルメタクリレート単位(A)25〜40質量%と、短
    鎖フルオロアルキルメタクリレート単位(B)40〜7
    0質量%と、他の共重合可能な単量体の単位(C)とし
    てメタクリル酸メチル単位5〜20質量%及びメタクリ
    ル酸単位0〜2質量%とからなる共重合体からなる請求
    項1に記載のプラスチック光ファイバ。
  3. 【請求項3】 前記第1クラッドは、長鎖フルオロアル
    キルメタクリレート単位(A)10〜40質量%と、短
    鎖フルオロアルキルメタクリレート単位(B)40〜9
    0質量%と、他の共重合可能な単量体の単位(C)0〜
    20質量%とからなる共重合体からなる請求項1に記載
    のプラスチック光ファイバ。
  4. 【請求項4】 前記第1クラッドは、長鎖フルオロアル
    キルメタクリレート単位(A)10〜29.95質量%
    と、短鎖フルオロアルキルメタクリレート単位(B)2
    0.05〜90質量%と、他の共重合可能な単量体の単
    位(C)20〜50質量%とからなる共重合体からなる
    請求項1に記載のプラスチック光ファイバ。
  5. 【請求項5】 長鎖フルオロアルキルメタクリレート単
    位(A)が、下記式(III) CH2=C(CH3)COO-(CH22(CF27CF3 (III) で表わされる単量体からなる単位であり、短鎖フルオロ
    アルキルメタクリレート単位(B)が、下記式(IV) CH2=C(CH3)COO-CH2(CF2mX (IV) (式中、Xは水素原子又はフッ素原子、mは1又は2を
    示す。)で表わされる単量体からなる単位であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラス
    チック光ファイバ。
  6. 【請求項6】 前記第1クラッドは、DSCより求めた
    ガラス転移温度(Tg)が75℃以上である共重合体か
    らなる請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラスチッ
    ク光ファイバ。
  7. 【請求項7】 前記第2クラッドがショアD硬度(AS
    TM D2240)の値が59以下、アッベ屈折率計で
    測定したナトリウムD線による25℃での屈折率が1.
    350〜1.385の範囲にある請求項1〜6のいずれ
    か一項に記載のプラスチック光ファイバ。
  8. 【請求項8】 ナトリウムD線による25℃での、コア
    の屈折率n1、第1クラッドの屈折率n2、第2クラッド
    の屈折率n3が、下記の関係式(1)、(2)及び(3) n2>n3 (1) 0.55≧(n1 2−n2 21/2≧0.40 (2) (n1 2−n3 21/2≧0.55 (3) を満たす請求項1〜7のいずれか一項に記載のプラスチ
    ック光ファイバ。
  9. 【請求項9】 光ファイバの中心軸に対してなす角度
    が、以下の関係式(4) sinΘ=(n1 2−n3 21/2 (4) で規定される光ファイバの開口角Θの90%の角度Θ90
    である平行光を光ファイバに入射させ、入射光が光ファ
    イバ中を20000×Dcore(Dcore:コアの直径)の
    距離を伝搬した後の出射FFP(Far Field P
    attern)において、光量角度分布のピーク半値幅
    を(Θ901/2とした時に、sin(Θ901/2の値が
    0.2以下である請求項8に記載のプラスチック光ファ
    イバ。
  10. 【請求項10】 前記第2クラッドの外周に、フッ素原
    子の割合が59質量%以上であるフッ素系樹脂からなる
    保護層を有する請求項1〜9のいずれか一項に記載のプ
    ラスチック光ファイバ。
  11. 【請求項11】 第1クラッドと第2クラッドに用いら
    れる共重合体を混合して得られる混合重合体組成物から
    なる厚さ2.0mmのフィルムの光線透過率が90%以
    上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一
    項に記載のプラスチック光ファイバ。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    のプラスチック光ファイバの外周に被覆層を有するプラ
    スチック光ファイバケーブル。
  13. 【請求項13】 前記被覆層が、ポリアミド系樹脂、塩
    化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリエチレン
    樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、およびフッ
    素系樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混
    合物からなる請求項12に記載のプラスチック光ファイ
    バケーブル。
  14. 【請求項14】 前記被覆層がポリアミド系樹脂からな
    り、前記プラスチック光ファイバのコアの直径が0.5
    〜1.5mm、20mのファイバ長で測定した全モード
    励振条件における伝送帯域が80〜230MHz、初期
    伝送損失が200dB/km以下、温度85℃、湿度9
    5%の恒温恒湿槽に3000時間放置した時の伝送損失
    の前記初期伝送損失に対する変化が80dB/km以下
    (NA=0.65)である請求項12に記載のプラスチ
    ック光ファイバケーブル。
  15. 【請求項15】 前記被覆層がナイロン11又はナイロ
    ン12を主成分とする樹脂からなる請求項13又は14
    に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  16. 【請求項16】 前記被覆層が、有機酸あるいは有機酸
    無水物を0.2〜10質量%含有する請求項13、14
    又は15に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  17. 【請求項17】 前記被覆層の外周に熱可塑性樹脂から
    なる第2被覆層を有する請求項12〜16のいずれか一
    項に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  18. 【請求項18】 前記第2被覆層がポリアミド系樹脂か
    らなる請求項17に記載のプラスチック光ファイバケー
    ブル。
  19. 【請求項19】 上記第2被覆層が、ナイロン11、ナ
    イロン12又はナイロン612を主成分とする樹脂から
    なる請求項18に記載のプラスチック光ファイバケーブ
    ル。
  20. 【請求項20】 少なくとも1層の被覆層が延伸されて
    いないことを特徴とする請求項12〜19のいずれか一
    項に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  21. 【請求項21】 請求項12〜20のいずれか一項に記
    載のプラスチック光ファイバケーブルの端にプラグが設
    置されてなるプラグ付きプラスチック光ファイバケーブ
    ル。
  22. 【請求項22】 ポリメタクリル酸メチル、又は1種類
    以上のビニル系単量体とメタクリル酸メチルとの共重合
    体からなるコアと、前記コアの外周に第1クラッド、第
    2クラッドの順で同心円状に積層されたクラッドを有す
    るプラスチック光ファイバであって、 前記第1クラッドは、下記式(III) CH2=C(CH3)COO-(CH22(CF27CF3 (III) で表わされる長鎖フルオロアルキルメタクリレートの単
    位と、下記式(IV) CH2=C(CH3)COO-CH2(CF2mX (IV) (式中、Xは水素原子又はフッ素原子、mは1又は2を
    示す。)で表わされる短鎖フルオロアルキルメタクリレ
    ートの単位と、メタクリル酸メチル単位とを有する共重
    合体からなり、 前記第2クラッドは、ビニリデンフロライド単位とテト
    ラフルオロエチレン単位とヘキサフルオロプロピレン単
    位を有する共重合体からなるプラスチック光ファイバで
    あって、 ナトリウムD線による25℃での、コアの屈折率n1
    第1クラッドの屈折率n2、第2クラッドの屈折率n
    3が、下記の関係式(1)、(2)及び(3)を満たし、 n2>n3 (1) 0.55≧(n1 2−n2 21/2≧0.40 (2) (n1 2−n3 21/2≧0.55 (3) かつ、光ファイバの中心軸に対してなす角度が、下記の
    関係式(4) sinΘ=(n1 2−n3 21/2 (4) で規定される光ファイバの開口角Θの90%の角度Θ90
    である平行光を光ファイバに入射させ、入射光が光ファ
    イバ中を20000×Dcore(Dcore:コアの直径)の
    距離を伝搬した後の出射FFP(Far Field P
    attern)において、光量角度分布のピーク半値幅
    を(Θ901/2とした時に、sin(Θ901/2の値が
    0.2以下であるプラスチック光ファイバ。
  23. 【請求項23】 第1クラッドと第2クラッドに用いら
    れる共重合体を混合して得られる混合重合体組成物から
    なる厚さ2.0mmのフィルムの光線透過率が90%以
    上であることを特徴とする請求項22に記載のプラスチ
    ック光ファイバ。
  24. 【請求項24】 請求項22又は23に記載のプラスチ
    ック光ファイバの外周に被覆層を有するプラスチック光
    ファイバケーブルであって、前記被覆層がポリアミド系
    樹脂からなり、前記プラスチック光ファイバのコアの直
    径が0.5〜1.5mm、20mのファイバ長で測定し
    た全モード励振条件における伝送帯域が80〜230M
    Hz、初期伝送損失が200dB/km以下、温度85
    ℃、湿度95%の恒温恒湿槽に3000時間放置した時
    の伝送損失値の変化が80dB/km以下(NA=0.
    65)であるプラスチック光ファイバケーブル。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載のプラスチック光フ
    ァイバケーブルの端にプラグが設置されてなるプラグ付
    きプラスチック光ファイバケーブル。
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