JP2003139972A - プラスチック光ファイバ、プラスチック光ファイバケーブル及びプラグ付きプラスチック光ファイバケーブル - Google Patents

プラスチック光ファイバ、プラスチック光ファイバケーブル及びプラグ付きプラスチック光ファイバケーブル

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JP2003139972A
JP2003139972A JP2001337925A JP2001337925A JP2003139972A JP 2003139972 A JP2003139972 A JP 2003139972A JP 2001337925 A JP2001337925 A JP 2001337925A JP 2001337925 A JP2001337925 A JP 2001337925A JP 2003139972 A JP2003139972 A JP 2003139972A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿熱性および耐曲げ損失特性が優れたPO
Fを提供する。 【解決手段】 ポリメタクリル酸メチル又はビニル系単
量体とメタクリル酸メチルとの共重合体からなるコア
と、前記コアの外周に積層されたクラッドを有するプラ
スチック光ファイバにおいて、前記クラッドを、下記化
学式(II) 【化1】 で表される(1−メチルトリシクロヘプチル)メチルメ
タクリレートの単位(a)10〜70質量%と、下記一
般式(I) 【化2】 (式中、mは1又は2、nは5〜12の整数を示す。)
で表される長鎖フルオロアルキルメタクリレートの単位
(B)25〜85質量%と、メタクリル酸メチル単位
(C)5〜65質量%と、必要により他の共重合可能な
ビニル系単量体の単位(D)とからなり、単位(C)と
単位(D)の和が5〜65質量%である共重合体で構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭内ホームネッ
トワーク、および自動車や航空機、鉄道などのような移
動媒体中での光情報通信などに用いられるプラスチック
光ファイバ、プラスチック光ファイバケーブル及びプラ
グ付きプラスチック光ファイバケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバとしては、広い波長領
域にわたって優れた光伝送を行うことができる石英系光
ファイバが幹線系を中心に実用化されているが、この石
英系光ファイバは高価で加工性が低い。そのため、より
安価で、軽量、大口径であり、端面加工や取り扱いが容
易である等の長所を有するプラスチック光ファイバ(以
下適宜「POF」と略する)が開発され、例えばライテ
ィングやセンサー等の分野や、FA、OA、LAN等の
短・中距離通信用途の配線などの分野で用いられてい
る。
【0003】現在実用化されている通信用POFの大部
分は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)をコア材と
するコア−クラッド(芯鞘)構造を有するPOFが主流
であり、屋内配線あるいは自動車内配線のような短・中
距離通信用途における高速通信媒体としての利用が期待
されている。
【0004】上記の用途においては、POFは高温多湿
な環境下で、狭い空間に屈曲した状態で敷設されること
が一般的である。そのため、特に、自動車内通信媒体と
して用いられる場合には、POFと受発光素子との結合
光量ロスや屈曲による光量ロスに割り当てられるマージ
ンを大きく取るため伝送損失が小さいこと、温度85℃
〜95℃、湿度85〜95%の条件で長時間使用しても
伝送損失の変化がなく安定していること、また、POF
が半径10mmで屈曲されても、光ロスの少ないことな
どが要求されている。
【0005】しかし、従来のメタクリル酸メチル単位を
主成分とするコアを有するPOFは、湿熱環境下におか
れた場合に、コア材及び/又はクラッド材中へ吸収され
た水分とポリマーとの相分離による白濁化が原因で散乱
損失が増大し、水の吸着がいくつかの特定波長域におけ
る分子振動吸収をもたらすため、伝送損失が増大すると
いう問題があった。また、クラッドの強度不足による割
れや、コア−クラッド間の剥離、構造不整の増大などに
起因してPOFに曲げ損失が生じるという問題があっ
た。
【0006】POFの耐熱性を向上させる方法として
は、従来、コア材のガラス転移温度を上げる方法と耐熱
性の被覆層を施す方法が一般的である。
【0007】前者のコア材のガラス転移温度を上げる方
法として、例えば下記の種々の素材をコア材とするPO
Fが提案されている。(i)ポリマー単体で高いガラス
転移点を持つポリカーボネートをコア材に用いるもの
(特開平6−200004号公報、特開平6−2000
05号公報)、(ii)耐熱性の高い脂環式基を主鎖に有
する非晶性ポリオレフィンをコア材に用いるもの(第8
回POFコンソーシアム講演要旨集、1995年、p.4
〜6)、(iii)メチルメタクリレートモノマーと他の
高ガラス転移点のコモノマーとの共重合体をコア材に用
いるものであって、コモノマーとして芳香族マレイミド
を用いるもの(特公平5−82405号公報、特公平5
−82406号公報)及び脂肪族マレイミドを用いるも
の(特開昭63−80205号公報)、(iv)α−フル
オロアクリレート系重合体をコア材に用いるもの(特開
平4−191707号公報)。
【0008】しかしながら、前記のPOF(i)及び
(ii)は、高温下での寸法や機械的特性の安定性につい
ては十分であるが、ポリメタクリル酸メチル系のPOF
と比較すると伝送損失が大きく、かつ高温下での経時変
化が大きい。これはコア材の精製、異物除去等が困難で
あり、また副生成物や分解物によって着色が進行するた
めである。POF(iii)に用いられる、脂肪族マレイ
ミドや芳香族マレイミド系の共重合体は、耐熱性と機械
的特性の点では良好な特性を有するが、ポリメチルメタ
クリレートをコア材とするPOFと比較すると伝送損失
が大きい。POF(iv)に用いられるα−フルオロメタ
クリレート系重合体は耐熱分解性が低く分解物による着
色等によりPOFの伝送損失が増大するため、これをコ
ア材として用いたPOFは長期の熱安定性が低い。
【0009】特に、自動車内配線用途の要求特性に鑑み
ると、POF(i)〜(iii)は伝送損失が低く、PO
F(i)、(ii)及び(iv)は耐湿熱性が低いため、自
動車内配線用途への適用が困難である。
【0010】そこで、POFの耐湿熱性を向上させる方
法として、クラッド材に親水性の低い組成のポリマーを
用いる方法が知られている。
【0011】例えば、特開昭63−180907号公報
に、芯鞘構造を有し、そのクラッド成分が、エステル部
分に炭素数6以上の脂環式炭化水素基を有するメタクリ
ル酸エステルを主要構成成分としコア材より0.01以
上小さな屈折率をもつ重合体にて構成されたPOFが開
示されている。そして、良好な透明性を保持しながら、
屈曲性、加工性、耐熱性の向上がなし得たと記載されて
いる。脂環式炭化水素基をエステル部分に有する(メ
タ)アクリレートとしては、ボルニルメタクリレート、
アダマンチルメタクリレート、トリシクロデシルメタク
リレート等が例示されている。
【0012】また、WO01/48538パンフレット
には、ポリメタクリル酸メチル又はメタクリル酸メチル
を主成分とする共重合体からなるコア、及び炭素数7〜
14、フッ素原子数13〜25のフッ素化アルキル(メ
タ)アクリレートとメタクリル酸メチルと脂環式炭化水
素基を有するメタクリル酸エステルとを重合して得られ
る共重合体からなるクラッドを有するPOFが開示され
ている。
【0013】しかし、これらのPOFは耐湿熱性が依然
として十分ではなく、屈曲時の光伝送損失が大きい。
【0014】一方、POFの屈曲による光量ロスを低減
する方法としては、特開平11−101915号公報
に、第1クラッドの外側に第1クラッドより低屈折率の
第2クラッドが配設された2層構造のクラッドを有する
POFが開示されている。同公報では、第2クラッドと
して、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレ
ンとヘキサフルオロプロピレンからなる共重合体であっ
て、ビニリデンフルオライド成分が30〜92mol
%、テトロフルオロエチレン成分が0〜55mol%、
ヘキサフルオロプロピレン成分が8〜25mol%の範
囲の中にある樹脂を用いることが開示されている。ま
た、第1クラッドとして、ヘプタデカフルオロデシルメ
タクリレートと(メタ)アクリル酸短鎖フルオロアルキ
ルエステルと(メタ)アクリル酸メチルとからなる共重
合体が例示されている。しかし、この第1クラッド材
は、一般的に吸水率が高く耐熱分解性も低いために、こ
のクラッド材を用いたPOFは長期の熱安定性が低い。
また、この公報に記載の組成範囲にある第2クラッド材
は、第1クラッド材との相溶性が低いため、第1クラッ
ドと第2クラッドの界面に構造不整を生じやすく、PO
Fが繰り返し屈曲された時に第1クラッドと第2クラッ
ドの界面で剥離を起こしやすい傾向がある。この傾向
は、結晶性低減のための第2クラッドのヘキサフルオロ
プロピレン単位の含有量が高いほど大きい。さらに、高
温多湿条件下に長時間放置された場合、第1クラッドと
第2クラッドの界面における構造不整が増大し、全モー
ド光による励起条件では、伝送損失が著しく増加する傾
向があり、POFの熱安定性が低いという問題があっ
た。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、耐
湿熱性、さらには耐曲げ損失特性を満足するPOFは得
られていない。
【0016】そこで本発明の目的は、耐湿熱性に優れた
POF、さらには耐湿熱性および耐曲げ損失特性が優れ
たPOF、並びにPOFケーブルを提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリメタクリ
ル酸メチル又は1種類以上のビニル系単量体とメタクリ
ル酸メチルとの共重合体からなるコアと、前記コアの外
周に積層された第1クラッドおよび前記第1クラッドの
外周に積層された第2クラッドを含むクラッドとを有す
るプラスチック光ファイバであって、前記第1クラッド
は、炭素数8以上の脂環式炭化水素基をエステル基部分
に有する(メタ)アクリレートの単位(A)10〜70
質量%と、下記一般式(I)
【0018】
【化4】
【0019】(式中、mは1又は2、nは5〜12の整
数を示す。)で表される長鎖フルオロアルキルメタクリ
レートの単位(B)25〜85質量%と、メタクリル酸
メチル単位(C)5〜65質量%と、必要により他の共
重合可能なビニル系単量体の単位(D)とからなり、単
位(C)と単位(D)の和が5〜65質量%である共重
合体からなり、前記第2クラッドは、ビニリデンフルオ
ライド単位とテトラフルオロエチレン単位とヘキサフル
オロプロピレン単位を有する共重合体であって、これら
の単位の合計を100mol%としたとき、ビニリデン
フルオライド単位を37.01〜92mol%、テトラ
フルオロエチレン単位を0.01〜55mol%、ヘキ
サフルオロプロピレン単位を4.0〜7.99mol%
有する共重合体からなり、ナトリウムD線による25℃
での、コアの屈折率n1、第1クラッドの屈折率n2、第
2クラッドの屈折率n3が、下記の関係式(1)、(2)
及び(3) n2>n3 (1) 0.50≧(n1 2−n2 21/2≧0.25 (2) (n1 2−n3 21/2≧0.55 (3) を満たすことを特徴とするプラスチック光ファイバ。
【0020】また本発明は、ポリメタクリル酸メチル又
は1種類以上のビニル系単量体とメタクリル酸メチルと
の共重合体からなるコアと、前記コアの外周に積層され
たクラッドを有するプラスチック光ファイバであって、
前記クラッドは、下記化学式(II)
【0021】
【化5】
【0022】で表される(1−メチルトリシクロヘプチ
ル)メチルメタクリレートの単位(a)10〜70質量
%と、下記一般式(I)
【0023】
【化6】
【0024】(式中、mは1又は2、nは5〜12の整
数を示す。)で表される長鎖フルオロアルキルメタクリ
レートの単位(B)25〜85質量%と、メタクリル酸
メチル単位(C)5〜65質量%と、必要により他の共
重合可能なビニル系単量体の単位(D)とからなり、単
位(C)と単位(D)の和が5〜65質量%である共重
合体からなることを特徴とするプラスチック光ファイバ
に関する。
【0025】また本発明は、上記のプラスチック光ファ
イバの外周に被覆層を有するプラスチック光ファイバケ
ーブルに関する。
【0026】また本発明は、上記のプラスチック光ファ
イバケーブルの端にプラグが設置されてなるプラグ付き
プラスチック光ファイバケーブルに関する。
【0027】本発明のPOFは、クラッドに特定の共重
合体からなるクラッドを有することを主な特徴としてお
り、これにより耐湿熱性が改善されたものである。ま
た、クラッドの共重合体に、脂環式炭化水素基をエステ
ル部分に有するメタクリレート単位を含有させることで
耐湿熱性を向上させるとともに、長鎖フルオロメタクリ
レート単位を含有させることで機械的特性を向上し、P
OFの曲げ損失や耐繰り返し屈曲特性を改善することが
できる。
【0028】第1の発明のPOFにおいては、クラッド
に第1クラッド及び第2クラッドを有し、これらの材料
として特定の共重合体を用いることにより、広帯域であ
りながら耐湿熱性および耐曲げ損失特性が改善されたP
OFを提供できる。伝送帯域を向上させるためにコアと
クラッドの屈折率から計算される開口数をある程度小さ
くすると、曲げによる伝送損失(曲げ損失)が増大する
おそれがあるが、第1及び第2クラッドを有するPOF
では、広帯域としながら、曲げ損失を十分に低減するこ
とができる。すなわち、本発明のPOFは、第1クラッ
ドの屈折率を高くして開口数をある程度まで小さくする
ことにより伝送帯域を向上させ、第2クラッドの屈折率
を低くして開口数を大きくすることにより曲げ損失の増
加を抑えることが可能である。第2クラッドの共重合体
に、低屈折率のフッ素系樹脂を用いて開口数を高めるこ
とで耐曲げ損失特性を向上するとともに、第1クラッド
との相溶性の高い樹脂を用いることで、第1クラッド−
第2クラッド間界面の構造不整を抑えて伝送損失を低減
し、さらに高温高湿下における第1クラッド−第2クラ
ッド間界面の構造不整の増大を抑制して、全モード励起
時のPOFの耐湿熱特性を向上することができる。ま
た、第1クラッドとの相溶性の高い第2クラッドを用い
ることで同界面における剥離を抑制し、また強度に優れ
た第2クラッドが第1クラッドを保護することで、耐繰
り返し屈曲特性を向上することができる。
【0029】第2の発明のPOFにおいては、クラッド
の材料として特定の脂環式(メタ)アクリレートの単量
体単位を含む共重合体を用いることにより、耐湿熱性が
特に優れたPOFを提供できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、まず第1の発明のPOFに
ついて説明する。
【0031】本発明のPOFは、その好ましい一実施形
態として、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、又は
メタクリル酸メチル(MMA)単位を主成分とする共重
合体からなるコアと、このコアの外周に第1クラッド、
第2クラッドの順で同心円状に積層されたクラッドを有
する。
【0032】本発明において、第1クラッドに用いられ
る重合体は、エステル部分に炭素数8以上の脂環式炭化
水素基を有する(メタ)アクリレートの単位(A)と、
一般式(I)で表される長鎖フルオロアルキルメタクリ
レートの単位(B)と、メタクリル酸メチル単位(C)
と、必要により他の共重合可能なビニル系単量体の単位
(D)とから形成される。
【0033】本発明のPOFの第1クラッドに用いられ
る重合体は、良好な透明性、屈曲性および加工性を有し
ながら、優れた耐湿熱性を有する重合体として、エステ
ル部分に炭素数8以上の脂環式炭化水素基を有するメタ
クリレートの単位(A)が10〜70質量%の範囲にあ
ることが必要である。第1クラッド中の単位(A)は2
5質量%以上が好ましく、また65質量%以下であるこ
とが好ましい。単位(A)が10質量%未満であると十
分な耐湿熱性が得られず、70質量%を超えると、単位
(B)の含有量が少なくなり、充分な強度が得られなく
なる。
【0034】第1クラッドを形成するための、エステル
部分に炭素数8以上の脂環式炭化水素基を有する(メ
タ)アクリレートとしては、ボルニル(メタ)アクリレ
ート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロ
デシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリ
レート、イソボルニル(メタ)アクリレート、(1−メ
チルトリシクロヘプチル)メチル(メタ)アクリレート
等の脂環式(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0035】また脂環式(メタ)アクリレートの脂環式
基の炭素数は、30以下であることが好ましい。脂環式
(メタ)アクリレートの脂環式基の炭素数が31以上で
あると、メタクリル酸メチルとの共重合性が低下する傾
向があるため、得られる共重合体の機械的特性が低下し
たり、この共重合体を用いて得られるPOFの伝送損失
が低下するおそれがある。
【0036】これらの脂環式(メタ)アクリレートの中
でも、エステル結合部分における熱分解に起因するPO
Fの耐湿熱性の低下をより一層抑制する点から、(1−
メチルトリシクロヘプチル)メチルメタクリレート(以
下「MTCMA」と略す)を用いることが好ましい。
【0037】本発明のPOFの第1クラッドの共重合体
は、長鎖フルオロアルキルメタクリレート単位(B)を
25〜85質量%含有する。単位(B)はゴム成分とし
て機能し、共重合体の柔軟性や強度等の機械的特性を向
上することができる。
【0038】単位(B)を形成する一般式(I)で表さ
れる長鎖フルオロアルキルメタクリレートのフッ素化ア
ルキル基のフッ素原子数は、共重合体の機械的特性をよ
り向上させるためには13以上であることが好ましい。
具体的には、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタ
クリレート(13FM)、1H,1H−パーフルオロオ
クチルメタクリレート(15FM)、1H,1H,9H
−ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート(16F
M)、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレ
ート(17FM)、1H,1H−パーフルオロデシルメ
タクリレート(19FM)、1H,1H,11H−(イ
コサフルオロウンデシル)メタクリレート(20F
M)、2−(パーフルオロデシル)エチルメタクリレー
ト(21FM)等が挙げられる。これら化合物は単独で
用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
特に、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレ
ート(17FM)が、これを用いて形成されるPOFの
耐熱性、強度およびコストがバランスよく優れるため好
ましい。
【0039】第1クラッドの共重合体において、長鎖フ
ルオロアルキルメタクリレート単位(B)は25〜85
質量%の範囲にあるが、25質量%以上75質量%以下
が好ましい。共重合体中の単位(B)が25質量%未満
であると、十分な機械的特性を有する重合体が得られな
い。共重合体中の単位(B)が85質量%を超えると、
共重合体のガラス転移温度が低くなり、また単位(A)
の含有量が少なくなるため、十分な耐湿熱性が得られな
くなる。
【0040】本発明のPOFの第1クラッドの共重合体
において、メタクリル酸メチル単位(C)は5〜65質
量%の範囲にあり、好ましくは8質量%以上であり、ま
た30質量%以下である。単位(C)の含有量が5質量
%未満であると、十分な機械的特性を有する重合体が得
られない。また65質量%を超えると、単位(A)や長
鎖フルオロアルキルメタクリレート単位(B)の含有量
が低くなり、充分な耐湿熱性や機械的特性を有する共重
合体が得られない。
【0041】本発明のPOFにおいては、単位(A)、
(B)及び(C)の他に、必要に応じて他の共重合可能
なビニル系単量体の単位(D)を含有することができ
る。単位(D)の含有量は、単位(C)と単位(D)の
和が5〜65質量%の範囲にあるように設定する。単位
(D)は含有されていなくてもよく、上記の理由から単
量体(C)が5質量%以上含まれるため単量体(C)と
単位(D)の和は5質量%以上となる。単位(C)と単
位(D)の和が65質量%を超えると、単位(A)や、
機械的強度を向上させるために加えている長鎖フルオロ
アルキルメタクリレート単位(B)の含有量が減少する
ことになり、耐湿熱性や機械的特性が低下する傾向にあ
る。単位(C)と単位(D)の和が多くなりすぎないよ
うにするため、単位(D)の含有率は40質量%以下と
することが好ましい。
【0042】単位(D)を形成する単量体としては、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒロドロフ
ルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、グリシジルメタ
クリレート、メチルグリシジルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸
エステル類や、スチレン、α−メチルスチレン、アクリ
ル酸、メタアクリル酸、イソプロピルマレイミド等のマ
レイミド類、アクリルアミド等が挙げられ、これらの中
から1種以上を適宜選択して共重合成分とすることがで
きる。このような単量体の中でも、耐熱分解性を向上さ
せる点からはアクリル酸メチルが好ましく、POFのコ
ア−クラッド界面の密着性を向上させる点からはメタク
リル酸が好ましい。また、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、テトラヒロドロフルフリル(メタ)アクリレ
ート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−
メチルスチレンは、単位(A)を形成する脂環式メタク
リレートと、単位(C)を形成するメタクリル酸メチル
との交互共重合性を向上させ、クラッド材の機械的強度
を向上させるため好ましく、この場合、含有量を4質量
%以上の範囲とすることが好ましい。
【0043】また、単位(D)を形成する上記以外の単
量体として、多官能性化合物を用いてもよく、例えば、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,3-プロパンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメ
チロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチ
ロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、アリル(メ
タ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレー
ト、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンなどの多官
能性芳香族化合物を用いることができる。また、スチレ
ン誘導体、ビニルナフタレン誘導体を共重合成分に用い
てもよい。
【0044】本発明のPOFにおいて、第1クラッドの
屈折率(ナトリウムD線を用いた25℃での測定値)
は、POFの開口数を十分に小さくし、伝送帯域を向上
させる点から1.400以上であることが好ましい。ま
た屈折率が大きすぎるとPOFの曲げ損失が大きくなる
傾向があるので、第1クラッドの屈折率は1.470以
下であることが好ましい。
【0045】本発明のPOFの第1クラッドを構成する
共重合体は、230℃で荷重5kgf(49N)の条件
で直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間に吐出
される重合体の量(g)を示すメルトフローインデック
スが3〜80の範囲にあることが好ましく、8〜40の
範囲にあることがより好ましい。メルトフローインデッ
クスが大きすぎると、POFの屈曲性および加工性が低
下するおそれがある。逆に、小さすぎると、共重合体の
成形性が低下するおそれがある。
【0046】重合体のメルトフローインデックス値の制
御は、重合開始剤及び/又は連鎖移動剤の添加割合、重
合反応温度を調節することにより行うことができる。連
鎖移動剤としては、例えばn−ブチルメルカプタン、te
rt-ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、
n−ドデシルメルカプタン等が用いられ、単量体に対し
て約1mol%以下の割合で添加することが好ましい。
【0047】また、第1クラッドを構成する共重合体
は、DSCより求めたガラス転移温度(Tg)が75℃
以上であることが好ましい。Tgが低すぎると、紡糸安
定性が低下したり、POFの耐熱性が低下するおそれが
ある。逆に、Tgが高すぎると、クラッド材が固くなり
割れやすくなり、POFを屈曲したときの伝送損失が増
大するおそれがある。そのため、Tgは110℃以下が
好ましい。
【0048】本発明の第2クラッドは、ビニリデンフル
オライド単位とテトラフルオロエチレン単位とヘキサフ
ルオロプロピレン単位を有する共重合体からなり、これ
ら三種の単位の合計を100mol%としたとき、ビニ
リデンフルオライド単位が37.01〜92mol%、
テトラフルオロエチレン単位が0.01〜55mol
%、ヘキサフルオロプロピレン単位が4.0〜7.99
mol%の範囲にある共重合体である。この第2クラッ
ドの共重合体は、所望の特性が得られる範囲内で他の単
位を含有していてもよく、他の単位の含有率は、第2ク
ラッドの共重合体の全構成単位の合計を100mol%
としたとき、20mol%以下が好ましく、10mol
%以下が好ましく、5mol%以下がより好ましい。
【0049】本発明のPOFの第2クラッドは、曲げに
よる伝送損失の増加を抑える機能を有するとともに、コ
ア及び第1クラッドを保護し、POFの耐繰り返し屈曲
特性および耐湿熱性を向上させることができる。このよ
うな第2クラッドを有することにより、光伝送特性と機
械的特性を両立したPOFを得ることができる。また、
本発明のPOFの第2クラッドは、第1クラッド材と相
溶性の良好な樹脂からなり、第1クラッドと第2クラッ
ドの界面の構造不整を低減できるため、伝送損失を抑え
ることができる。また、高温高湿下(例えば、温度85
℃、湿度95%に3000時間)における第1クラッド
−第2クラッド間界面の構造不整の増大を抑制できるた
め、全モード光による励起条件で測定した伝送損失の増
加を抑制することができる。さらに、第1クラッド材と
第2クラッド材との相溶性が良好であるため、第1クラ
ッドと第2クラッドとの界面における剥離が起こりにく
く、POFが繰り返し屈曲された際の伝送損失の増大を
抑えることができる。
【0050】第2クラッドの共重合体におけるビニリデ
ンフルオライド単位の含有率が92mol%より多くな
ると、成形性が低下し、また屈折率が高くなるためPO
Fの開口数が大きくなり、曲げ損失光量が増加するおそ
れがある。また、37.01mol%より少なくなる
と、硬度および耐熱性が低下するおそれがある。ビニリ
デンフルオライド単位の含有率は、50〜70mol%
であることが好ましい。
【0051】テトラフルオロエチレン単位の含有量が5
5mol%より多くなると、硬度および成形性が低下す
るおそれがある。また、テトラフルオロエチレン単位を
含有させることにより、屈折率を低下させ、POFの開
口数を大きくでき、耐熱性を向上することができる。テ
トラフルオロエチレン単位の含有率は、22.5〜45
mol%であることが好ましい。
【0052】ヘキサフルオロプロピレンは対称性が低い
構造を有しているため、比較的少量共重合することで、
ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとの
共重合体が有している結晶性を低減できる。この結晶性
低減効果は、ヘキサフルオロプロピレン成分を4.0m
ol%以上含有することで十分に発現する。しかし、以
下に述べる3つの理由により、共重合組成におけるヘキ
サフルオロプロピレン単位は7.99mol%以下とす
ることが好ましい。
【0053】a)ヘキサフルオロプロピレン単位が7.
99mol%より多いと、第1クラッドと第2クラッド
との相溶性が低下し、第1クラッドと第2クラッドの界
面において構造不整が生じやすくなり、光伝送特性の低
下や機械的特性が低下する傾向にある。
【0054】b)ポリアミド系樹脂、特にナイロン11
又はナイロン12を用いた被覆層が第2クラッドの外周
に形成される場合には、第2クラッドのヘキサフルオロ
プロピレン単位の含有量が多いほど、第2クラッドと被
覆層との密着性が低下し、POFケーブルのストリッピ
ング性が低下する傾向がある。
【0055】c)第2クラッド中にも、第1クラッドか
ら漏れた光が反射しながら伝送する場合、第2クラッド
の透明性が高ければ、発生した高次モード光は損失する
ことなくファイバ中を伝送するため、帯域が低下する原
因となる。したがって、第2クラッドに適度な結晶性部
分を若干量残しておくことにより、高次モード光を低減
し、帯域を向上させることができる。
【0056】以上の理由から、第2クラッドの共重合体
のヘキサフルオロプロピレン単位の含有量は4.0〜
7.99mol%であることが好ましく、4.7モル%
以上がより好ましく、また7.5モル%以下がより好ま
しい。
【0057】第2クラッドを構成する共重合体のメルト
フローインデックス(230℃、荷重5kgf(49
N))は5〜200であることが、POFの紡糸安定性
の点から好ましい。
【0058】また、第2クラッドを構成する共重合体の
屈折率(ナトリウムD線を用いた25℃での測定値)
は、1.350〜1.380の間にあることが、曲げ損
失光量を十分に低減できるため好ましい。
【0059】本発明のPOF用クラッド材は、乳化重合
法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法などの公知の
方法で製造することができる。塊状重合法は不純物の混
入を避けることができる点で有利であり、溶液重合法
は、分子量、分子量分布、組成分布などを制御しやすい
点で有利である。
【0060】重合反応の開始剤としては、通常ラジカル
重合開始剤が用いられるが、アニオン重合開始剤、配位
アニオン重合開始剤、グループトランスファー重合用開
始剤系などを用いることもできる。
【0061】重合に用いられるラジカル重合開始剤とし
ては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、3,3,
5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジ−2−
エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、メチルエチ
ルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシフタレ
ート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブ
チルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソ
ブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−ヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘ
キサノエートなどの有機過酸化物、2,2'−アゾビス
(イソブチロニトリル)、1,1'−アゾビスイソブチ
ロニトリル、1,1'−アゾビスシクロヘキサンカルボ
ニトリル、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミ
ド、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)などのアゾ化合物が挙げられる。重合開始剤の添
加割合は単量体に対して0.001〜1mol%である
ことが好ましい。
【0062】本発明のPOFを構成するコアは、PMM
A、又はMMAとこのMMAと共重合可能な単量体との
共重合体(以下適宜「MMA系共重合体」という)から
なる。
【0063】MMA系共重合体としては、全共重合組成
を100質量%としたとき、透明性および耐熱性の点か
らMMA単位が50質量%以上であることが好ましく、
70質量%以上であることがより好ましい。
【0064】MMAと共重合可能な単量体としては、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアク
リレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート等のアクリル酸エステル、シクロヘキシルメ
タクリレート、ベンジルメタクリレート、エチルメタク
リレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ート等のメタクリル酸エステルなどが挙げられ、一種又
は二種以上を適宜選択してMMAと共重合させることが
できる。
【0065】PMMAやMMA系共重合体は、例えば特
公昭53−42260号公報に示されるような連続塊状
重合法により製造することができる。
【0066】これらのPMMAやMMA系共重合体をコ
アに用いることにより、光学特性に優れ、信頼性の高い
POFを形成することができる。
【0067】本発明のPOFは、ナトリウムD線による
25℃での、コアの屈折率n1、第1クラッドの屈折率
2、第2クラッドの屈折率n3が、関係式(1)、
(2)及び(3)を満たすものである。
【0068】関係式(1)を満たすことにより、すなわ
ちn2>n3の関係とすることにより、第1クラッドから
漏れた光を第2クラッドで反射させることができ、PO
Fを曲げたときの伝送損失を低減することができる。上
記の関係を満たさない、すなわちn2≦n3の関係を満た
す場合は、十分な耐曲げ損失特性を有することが困難に
なる。
【0069】関係式(2)については、(n1 2−n2 2
1/2が0.50より大きいと、十分な伝送帯域のPOF
を得ることが困難になる。また0.25より小さいと、
曲げによる損失光量を十分に低減することが困難にな
る。
【0070】関係式(3)については、(n1 2−n3 2
1/2が0.55より小さいと、曲げによる損失光量を十
分に低減することが困難になる。
【0071】上述した本発明のPOFは、次の如き特性
を備えている。すなわち、平均直径1000μm、ファ
イバ長7mのPOFに、波長650nmの平行光をその
一端から入射し他端から出射せしめたときの光の透過光
量をIo 、このPOFを直径10mmのマンドレルに1
00回巻付けた状態で同様にして測定したときの透過光
量をIa としたとき下記式(4) Ia /Io ×100≧20 (4) を満たすことができる。
【0072】また、この巻付けをほどき同様にして測定
したときの透過光量をIb としたとき、下記式(5) Ib /Io ×100≧80 (5) なる条件を満足することができる。
【0073】従来のフッ素化アルキルメタクリレート系
クラッド材を用いたPOFはIa /Io が小さい、すな
わちPOFの屈曲時に光の透過性が低いが、本発明のP
OFは屈曲時においても高い透過性を有する。
【0074】また、第1クラッド材と相溶性の無い第2
クラッド材を用いたPOFは、Ib/Io ×100の値
が80%未満であり、本発明のPOFに比較して耐曲げ
損失特性や加工特性が低かった。
【0075】本発明のPOFは、耐屈曲性および耐湿熱
性、耐薬品性を向上させるために第2クラッドの外周に
保護層を被覆することができる。保護層としては、フッ
素原子の割合が59質量%以上であるフッ素系樹脂を用
いることが好ましい。フッ素原子の割合が59質量%以
上であれば、充分な耐屈曲性、耐湿熱性、及び耐薬品性
を達成することができる。
【0076】保護層の材料としては、例えば、ビニリデ
ンフルオライド(フッ化ビニリデン)とテトラフルオロ
エチレンとの共重合体、ビニリデンフルオライドとヘキ
サフルオロアセトンとの共重合体ビニリデンフルオライ
ドとトリフルオロエチレンとの共重合体、ビニリデンフ
ルオライドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、
ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとヘ
キサフルオロプロピレンとの共重合体、ビニリデンフル
オライドとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロア
セトンとの共重合、エチレンとテトラフルオロエチレン
とヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ビニリデン
フルオライドとトリフルオロエチレンとヘキサフルオロ
アセトンとの共重合等が挙げられるが、これに限定され
るものではない。
【0077】次に第2の発明のPOFについて説明す
る。
【0078】第2の発明のPOFにおいてはクラッドの
材料として、MTCMAを単位(A)として用いた前記
第1の発明のPOFにおける第1クラッドの材料を用い
るものである。単位(A)としてMTCMAを用いるこ
とにより、エステル結合部分における熱分解に起因する
POFの耐湿熱性の低下がより一層抑制される。その他
の点(他の共重合成分など)については第1の発明につ
いて説明したとおりである。このクラッドの外周には第
2クラッドや保護層を設けることも可能である。第2ク
ラッドの材料としては前記第1の発明における第2クラ
ッドの材料を用いることが好ましいが、特に限定される
ものではない。その他の点(コアや保護層の材料など)
については第1の発明について説明したとおりである。
【0079】本発明(第1及び第2の発明)のPOF
は、耐屈曲性および耐湿熱性を向上させるためにクラッ
ドの外周あるいは保護層の外周に被覆層を密着配設して
POFケーブルとすることができる。この被覆層は、コ
アと直接接しないので、結晶化により透明性が低下して
も特に問題は生じない。
【0080】被覆層の材料としては、塩化ビニル樹脂、
塩素化ポリエチレン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素
樹脂、これらの2種以上の樹脂の混合物、あるいは各種
の紫外線硬化樹脂等、通常、被覆材として用いられてい
る公知の材料から適宜選択することが可能である。中で
も、ポリアミド系樹脂は、耐熱性、耐屈曲性、耐溶剤特
性に優れることから、耐熱性および耐環境特性を要求さ
れる用途向けのPOFの被覆材として好適である。特
に、上記ポリアミド系樹脂の中でも、ナイロン11、ナ
イロン12は、熱収縮性に優れ、しかも比較的融点が低
いために加工性が良いことから、POFの被覆材として
好ましい。
【0081】また、本発明のPOFケーブルは、耐久
性、耐環境特性を良好なものとするために、POFの外
周に設けた被覆層(第1被覆層)の外周に熱可塑性樹脂
からなる第2被覆層を設けてもよい。
【0082】この第2被覆層に用いられる熱可塑性樹脂
としては、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体からなる群から選ばれる1種又は2種以
上の混合物を用いることができる。中でも、使用される
環境により、POFに耐熱性、耐溶剤性が必要とされる
場合にはポリアミド系樹脂が好ましく、POFに耐屈曲
性が必要とされる場合にはポリエチレン樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等の弾性率の小さい樹脂がより好
ましく用いられる。
【0083】本発明においては、少なくとも一つの被覆
層が延伸されていない状態で被覆されたものであること
が好ましい。POFのコアであるメタクリル酸メチルを
主成分とした樹脂は、100℃を超えるとガラス転移温
度に近づきコア樹脂の分子配向が緩和されるため、熱収
縮がおこり、伝送損失が急激に増大する。しかし、被覆
層として、POFのクラッドあるいは保護層と密着性が
良く、耐熱性に優れた樹脂を、延伸させずに被覆するこ
とで、POFの熱収縮を効果的に抑えることができる。
【0084】また、被覆層を構成する樹脂には可塑剤を
添加してもよく、塩化ビニル樹脂の場合、例えばジオク
チルフタレート、トリオクチルトリメリテート、トリク
レジルフォスフェート等を添加することができる。可塑
剤の添加に際しては、添加された可塑剤がPOFへ移行
してPOFの光学性能や機械特性に支障を来すことのな
いように、適宜選択し、必要量を用いることが好まし
い。
【0085】本発明のPOFは、POFの一般的な製造
装置である複合溶融紡糸設備により製造できる。また、
コア材のみ溶融紡糸した後に、クラッド材をジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド等の溶媒に溶解して
ソルベントコーティングすることによっても製造でき
る。
【0086】本発明のPOFケーブルは、信号源である
光源や、検知器に組み込まれたユニットのハウジング
や、別のPOFケーブル等との接合のために、このケー
ブル端にプラグを取り付けたプラグ付き光ファイバケー
ブルとして使用することができる。このプラグは、プラ
グ本体と、プラグ本体に装着されてPOFケーブルを固
定するためのストッパーとを備えている。
【0087】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。なお、実施例における評価、測定は以下の方法
により実施した。
【0088】(メルトフローインデックス)メルトフロ
ーインデックスは、日本工業規格JIS K7210に
準じて測定した。230℃、荷重5kgf(49N)の
条件下で直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間
に吐出される重合体量を測定した。
【0089】(屈折率)溶融プレスにより厚さ200μ
mのフイルム状の試験片を作製し、アッベの屈折計を用
い、室温25℃におけるナトリウムD線の屈折率(nD
25)を測定した。
【0090】(ガラス転移温度)セイコーインスツルメ
ンツ社製の示差走査熱量計(DSC)(製品名:DSC
−220)を使用した。サンプルを、昇温速度10℃/
分で180℃まで昇温し10分間保持して溶融させた
後、10℃/分で0℃まで急冷し、再度昇温速度10℃
/分で昇温を行い、このときの発熱および吸熱挙動から
ガラス転移温度を求めた。
【0091】(全光線透過率)厚み2.0mmのフイル
ムを作製し、JIS K 7361−1規格に基づき、
積分球を用いて、全光線透過率を測定した。
【0092】(伝送損失)25m−5mカットバック法
により伝送損失(dB/km)を測定した。測定波長が
650nm、入射光のNA(開口数)が0.1、0.6
5の光を用いた。
【0093】(耐湿熱性試験)光ファイバケーブルを、
85℃で95%の湿度のオーブンに3000時間放置し
た時の伝送損失(dB/km)を、25m−5mカット
バック法により測定した。測定波長が650nm、40
0nm、入射光のNA(開口数)が0.1の光を用い
た。
【0094】(伝送帯域)長さ20mのPOFケーブル
を用意し、インパルス応答法により波長650nm、励
振NA=0.30、0.55における−3dB帯域を、
サンプリングオシロスコープを用いて測定した。
【0095】(曲げ損失の測定)長さ11mのPOFケ
ーブルの一端から光を入射させ、その状態で、POFケ
ーブルを、1m間隔の10箇所において、半径10mm
で90度づつ屈曲させ、他端から出射される光量を測定
した。このように屈曲させたPOFケーブルから出射さ
れる光量と、直線状に同POFケーブルについて同様に
測定した出射光量とから曲げ損失を算出した。
【0096】(繰り返し屈曲回数の測定)長さ4mのP
OFケーブルの一端に荷重500gf(4.9N)をか
け、このPOFケーブルの中央を直径15mmの2本の
円管にて挟持した。このPOFケーブルの他端を一方の
円管側に移動させてPOFケーブルが90度折れ曲がる
ように円管外周に巻き付けた後、他方の円管側に移動さ
せてPOFケーブルが90度折れ曲がるように円管外周
に巻き付けて合計180度屈曲させ、これを繰り返し、
POFケーブルが切断した際の曲げ回数を測定した。
【0097】(引抜き強度の測定)コアとクラッドから
なるPOF素線と被覆層との間の引抜き強度を測定し
た。まずPOFケーブル150mmをとり、片端から第
1被覆層と第2被覆層を10mmずつ注意深くはぎと
り、全部で片端から長さ50mmの被覆材をはぎとり、
長さ100mmの第1被覆層および第2被覆層を残し
た。被覆層が取り除かれたPOF素線の露出部分を厚さ
5mmのアクリル板の直径1.1mmの孔に貫通させ、
そのPOF素線を引き抜き速度100mm/分で引きな
がら、POFケーブルからPOF素線が引き抜かれる時
の応力を測定した。
【0098】〔実施例1〕第1クラッドの材料として、
MTCMA30質量%、2−(パーフルオロオクチル)
エチルメタクリレート(17FM)50質量%及びメタ
クリル酸メチル19質量%、メタクリル酸1質量%から
なるモノマー溶液に対して、アゾビスイソブチロニトリ
ル0.1質量%、n−オクチルメルカプタン0.09質
量%を添加し、窒素バブリングにより溶存酸素を完全に
除去した後、65℃にて5時間、次いで120℃にて2
時間重合して重合体を得た。得られた重合体を粉砕した
後、180℃で10時間真空乾燥を行った。この重合体
のメルトフローインデックスは20g/10分、屈折率
は1.434、ガラス転移温度は83℃であった。
【0099】第1クラッド材として上記重合体、第2ク
ラッド材としてビニリデンフルオライド/テトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(5
4.0/39.0/7.0mol%、屈折率1.36
9、メルトフローインデックス36.0)、コア材とし
てPMMA(屈折率1.492)を225℃の紡糸ヘッ
ドに供給し、同心円状複合ノズルを用いて紡糸した後、
150℃の熱風加熱炉中で繊維軸方向に2倍に延伸し、
第1クラッドの厚み10μm、第2クラッドの厚み10
μmの直径1mmのPOF素線を得た。
【0100】こうして得られたPOF素線を前記の方法
により評価した。結果を表1に示す。POFの第1クラ
ッドと第2クラッドの境界部を、透過型電子顕微鏡で2
万5000倍の倍率で観察したところ、第1クラッドと
第2クラッドの界面には中間的な相溶層が観察された。
【0101】第1クラッド材2gと第2クラッド材2g
を酢酸エチル16g中に充分溶解・攪拌し、ポリエステ
ルフィルム上に展開した後、溶媒を揮発除去することに
よって、混合重合体組成物を得た。この混合重合体組成
物の全光線透過率は92%であった。また、長期的(1
00時間、85℃、95%RH)に保持しておいても重
合体組成物の透明性は保持されていた。
【0102】〔実施例2〕実施例1で得られたPOF素
線に、T型ダイを用いてナイロン11を被覆して第1次
被覆層を形成し、直径1.5mmのPOFケーブルを得
た。さらに、このPOFケーブルの外周にナイロン12
を被覆して第2次被覆層を形成し、直径2.3mmのP
OFケーブルを得た。
【0103】このPOFケーブルを前記の方法により評
価した。結果を表1に示す。
【0104】また、上記の繰り返し屈曲試験後のPOF
について同様に第1クラッドと第2クラッドの境界部を
透過型電子顕微鏡で2万5000倍の倍率で観察した
が、第1クラッドと第2クラッドとの界面において、実
施例1の状態から変化は認められなかった。
【0105】このPOFケーブルの端部にプラグを取り
付けて信号伝送用ケーブルとして用い、安定に信号を送
れることを確認した。
【0106】〔実施例3〕第1クラッド材として、MT
CMA40質量%、17FM35質量%、メタクリル酸
シクロヘキシル10重量%、メタクリル酸メチル14質
量%、メタクリル酸1質量%を用いた以外は実施例1と
同様にして重合体(メルトフローインデックスは25g
/10分、屈折率は1.452、ガラス転移温度は95
℃)を得た。この重合体を第1クラッド材とした以外
は、実施例1と同様にしてPOF素線を作製した。
【0107】次いで、このPOF素線に、実施例2と同
様にして被覆層を設け、POFケーブルを得た。
【0108】このPOFケーブルについて前記の方法に
より評価を行った。結果を表1に示す。
【0109】このPOFの第1クラッドと第2クラッド
の境界部を透過型電子顕微鏡で2万5000倍の倍率で
観察したところ、第1クラッドと第2クラッドの界面に
は中間的な相溶層が観察された。また、上記の繰り返し
屈曲試験後のPOFについて同様に第1クラッドと第2
クラッドの境界部を透過型電子顕微鏡で2万5000倍
の倍率で観察したが、第1クラッドと第2クラッドとの
界面において変化は認められなかった。
【0110】実施例1と同様にして、第1クラッド材と
第2クラッド材との混合組成物のフイルムを調製したと
ころ、この混合重合体組成物の光線透過率は92%であ
った。また、長期的(100時間、85℃、95%R
H)に保持しておいても重合体組成物の透明性は保持さ
れていた。
【0111】〔実施例4〕第1クラッド材を、メタクリ
ル酸アダマンチル30質量%、17FM50質量%及び
メタクリル酸メチル19質量%、メタクリル酸1質量%
からなる共重合体(メルトフローインデックスは20g
/10分、屈折率は1.432、ガラス転移温度は87
℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてPOF素
線を作製した。
【0112】次いで、このPOF素線に、実施例2と同
様にして被覆層を設け、POFケーブルを得た。
【0113】このPOFケーブルを前記の方法により評
価した。結果を表1に示す。 〔実施例5〕第1クラッド材を、メタクリル酸トリシク
ロデシル30質量%、17FM50質量%及びメタクリ
ル酸メチル19質量%、メタクリル酸1質量%からなる
共重合体(メルトフローインデックスは20g/10
分、屈折率は1.440、ガラス転移温度は82℃)に
変更した以外は、実施例1と同様にしてPOF素線を作
製した。
【0114】次いで、このPOF素線に、実施例2と同
様にして被覆層を設け、POFケーブルを得た。
【0115】このPOFケーブルを前記の方法により評
価した。結果を表1に示す。
【0116】〔比較例1〕第1クラッド材として、17
FM50質量%、メタクリル酸メチル49質量%、メタ
クリル酸1質量%からなる共重合体(メルトフローイン
デックスは22g/10分、屈折率は1.435、ガラ
ス転移温度は71℃)に変更し、第2クラッド材をビニ
リデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体(53.0/38.0/
9.0mol%、屈折率1.365、メルトフローイン
デックス35.0)に変更した以外は、実施例3と同様
にしてPOF素線を作製した。
【0117】次いで、このPOF素線に、実施例2と同
様にして被覆層を設け、POFケーブルを得た。
【0118】このPOFケーブルを前記の方法により評
価した。結果を表1に示す。
【0119】
【表1】
【0120】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
十分な伝送帯域を有しながら、耐湿熱性に優れ、さらに
は耐曲げ損失特性にも優れたPOF及びPOFケーブル
を提供することができる。また、十分な引き抜き強度や
耐繰り返し屈曲性を有するPOFケーブルを提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 20/12 C08F 20/12 20/22 20/22 G02B 6/22 G02B 6/22 6/44 301 6/44 301A Fターム(参考) 2H050 AA15 AB43X AB43Y AB44Y AB48Y AB50X AB50Y AC36 AC71 AC86 BA34 BB03Q BB03R BB03S BB08Q BB08R BB10Q BB10R BB10S BB14Q BB14R BB14S BB15Q BB15R BB15S BB35S BC02 BC03 BC04 4F100 AK15E AK17B AK17D AK17J AK18C AK19C AK25A AK25B AK25J AK25K AK46E AK48E AL01A AL01B AL01C AL05B AL05C AL05E BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C DA11 EJ91E GB46 JA05B JA06B JJ03 JK04 JN18 4J100 AB02S AB03S AJ02S AL03R AL03S AL08P AL08Q AL08S AL10S AM15S AM45S BA03S BB18P BC01Q BC04S BC08Q BC43S BC53S CA05 CA06 DA22 DA36 JA35

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリメタクリル酸メチル又は1種類以上
    のビニル系単量体とメタクリル酸メチルとの共重合体か
    らなるコアと、前記コアの外周に積層された第1クラッ
    ドおよび前記第1クラッドの外周に積層された第2クラ
    ッドを含むクラッドとを有するプラスチック光ファイバ
    であって、 前記第1クラッドは、炭素数8以上の脂環式炭化水素基
    をエステル基部分に有する(メタ)アクリレートの単位
    (A)10〜70質量%と、下記一般式(I) 【化1】 (式中、mは1又は2、nは5〜12の整数を示す。)
    で表される長鎖フルオロアルキルメタクリレートの単位
    (B)25〜85質量%と、メタクリル酸メチル単位
    (C)5〜65質量%と、必要により他の共重合可能な
    ビニル系単量体の単位(D)とからなり、単位(C)と
    単位(D)の和が5〜65質量%である共重合体からな
    り、 前記第2クラッドは、ビニリデンフルオライド単位とテ
    トラフルオロエチレン単位とヘキサフルオロプロピレン
    単位を有する共重合体であって、これらの単位の合計を
    100mol%としたとき、ビニリデンフルオライド単
    位を37.01〜92mol%、テトラフルオロエチレ
    ン単位を0.01〜55mol%、ヘキサフルオロプロ
    ピレン単位を4.0〜7.99mol%有する共重合体
    からなり、 ナトリウムD線による25℃での、コアの屈折率n1
    第1クラッドの屈折率n2、第2クラッドの屈折率n
    3が、下記の関係式(1)、(2)及び(3) n2>n3 (1) 0.50≧(n1 2−n2 21/2≧0.25 (2) (n1 2−n3 21/2≧0.55 (3) を満たすことを特徴とするプラスチック光ファイバ。
  2. 【請求項2】 ポリメタクリル酸メチル又は1種類以上
    のビニル系単量体とメタクリル酸メチルとの共重合体か
    らなるコアと、前記コアの外周に積層されたクラッドを
    有するプラスチック光ファイバであって、前記クラッド
    は、下記化学式(II) 【化2】 で表される(1−メチルトリシクロヘプチル)メチルメ
    タクリレートの単位(a)10〜70質量%と、下記一
    般式(I) 【化3】 (式中、mは1又は2、nは5〜12の整数を示す。)
    で表される長鎖フルオロアルキルメタクリレートの単位
    (B)25〜85質量%と、メタクリル酸メチル単位
    (C)5〜65質量%と、必要により他の共重合可能な
    ビニル系単量体の単位(D)とからなり、単位(C)と
    単位(D)の和が5〜65質量%である共重合体からな
    ることを特徴とするプラスチック光ファイバ。
  3. 【請求項3】 前記第1クラッドは、ナトリウムD線に
    よる25℃での屈折率が1.400〜1.470の範囲
    内にある共重合体からなる請求項1に記載のプラスチッ
    ク光ファイバ。
  4. 【請求項4】 前記第1クラッドは、DSCより求めた
    ガラス転移温度(Tg)が75℃以上であり、230℃
    で荷重5kgf(49N)の条件で直径2mm、長さ8
    mmのノズルから10分間に吐出される重合体の量
    (g)を示すメルトフローインデックス値が3〜80の
    範囲にある共重合体からなる請求項1又は3に記載のプ
    ラスチック光ファイバ。
  5. 【請求項5】 前記クラッドは、DSCより求めたガラ
    ス転移温度(Tg)が75℃以上であり、230℃で荷
    重5kgf(49N)の条件で直径2mm、長さ8mm
    のノズルから10分間に吐出される重合体の量(g)を
    示すメルトフローインデックス値が3〜80の範囲にあ
    る共重合体からなる請求項2に記載のプラスチック光フ
    ァイバ。
  6. 【請求項6】 前記単位(D)は、シクロヘキシル(メ
    タ)アクリレート、テトラヒロドロフルフリル(メタ)
    アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレ
    ン、α−メチルスチレンから選ばれる1種又は2種以上
    の単量体の単位である請求項1〜5のいずれか一項に記
    載のプラスチック光ファイバ。
  7. 【請求項7】 前記クラッドの外周に、フッ素原子の割
    合が59質量%以上であるフッ素系樹脂からなる保護層
    を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のプラスチ
    ック光ファイバ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項に記載のプ
    ラスチック光ファイバの外周に被覆層を有するプラスチ
    ック光ファイバケーブル。
  9. 【請求項9】 前記被覆層が、ポリアミド系樹脂、塩化
    ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリエチレン樹
    脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、およびフッ素
    系樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合
    物からなる請求項8に記載のプラスチック光ファイバケ
    ーブル。
  10. 【請求項10】 前記被覆層がナイロン11又はナイロ
    ン12を主成分とする樹脂からなる請求項8又は9に記
    載のプラスチック光ファイバケーブル。
  11. 【請求項11】 前記被覆層の外周に熱可塑性樹脂から
    なる第2被覆層を有する請求項8、9又は10に記載の
    プラスチック光ファイバケーブル。
  12. 【請求項12】 前記第2被覆層がポリアミド系樹脂か
    らなる請求項11に記載のプラスチック光ファイバケー
    ブル。
  13. 【請求項13】 少なくとも1層の被覆層が延伸されて
    いないことを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項
    に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  14. 【請求項14】 請求項8〜13のいずれか一項に記載
    のプラスチック光ファイバケーブルの端にプラグが設置
    されてなるプラグ付きプラスチック光ファイバケーブ
    ル。
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