JP2008257039A - プラスチック光ファイバケーブルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】伝送損失の増大を抑えながらナイロン系樹脂を良好に被覆でき、耐熱性に優れたプラスチック光ファイバケーブルを製造可能な方法を提供する。
【解決手段】プラスチック光ファイバ素線と、その外周に設けられた一次被覆層と、この一次被覆層の外周に設けられた二次被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルの製造方法において、プラスチック光ファイバ素線の外周に一次被覆層が設けられた一次ケーブルを用意する工程と、この一次ケーブルの外周に二次被覆層を形成する工程とを有し、二次被覆層は、ナイロン系樹脂を主成分とし、融点が215℃〜280℃であり、特定のせん断粘度を有する二次被覆材を用いて、ドローダウン比1.3〜5.0の範囲でチューブ式ニップルとダイスを用いて押出被覆することにより形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ナイロン系樹脂からなる被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルの製造方法に関し、特に100〜125℃程度の高温環境下における耐熱性に優れたプラスチック光ファイバケーブルの製造方法に関する。
従来、光ファイバとしては、広い波長領域にわたって優れた光伝送を行うことができる石英系光ファイバが幹線系を中心に実用化されているが、この石英系光ファイバは高価で加工性が低い。そのため、より安価で軽量、大口径であり、端面加工や取り扱いが容易である等の長所を有するプラスチック光ファイバ(以下、POFと略する。)が、ライティング用途やセンサー用途、あるいはFA、OA、LAN等の屋内配線用途の分野で実用化されている。
なかでも、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)をコア材とし、低屈折率の含フッ素オレフィン系共重合体をクラッド材とするコア−クラッド構造を有するステップインデックス型(SI型)のPOFの外周に被覆層が形成されたPOFケーブルは、高速データ通信が可能で、軽量化や通信システムの低コスト化、電磁ノイズ対策等に優れる観点から、自動車内LAN通信用配線として実用化されつつある。
上記のようなPOFケーブルが自動車内において使用される場合、環境温度が100〜125℃付近に達することから、耐熱性に優れることが要求されている。特に、エンジン近傍等のような高温環境下に敷設される場合には、オイルや電解液、ガソリン等の引火性物質が存在するため、耐熱性と同時に耐薬品性に優れることも要求される。そのため、POFケーブルの被覆材として、耐熱性、耐薬品性等に優れるナイロン系樹脂を用いる技術が数多く提案されている。特にナイロン11やナイロン12、ナイロン6−12は、自動車内通信用途向けPOFケーブルの被覆材として、実際に使用されている。
特許文献1(特開2000−231045号公報)には、POFの外周に融点が200℃以下のナイロン系樹脂からなる一次被覆層が設けられ、この一次被覆層の外周に酸素指数25以上のナイロン12や塩化ビニル樹脂等からなる二次被覆層が設けられたPOFケーブルが記載されている。
また、特許文献2(特開平10-319281号公報)、特許文献3(特開平11−242142号公報)には、POFの外周に黒色ポリアミド樹脂からなる一次被覆層と、着色ポリアミド樹脂からなる二次被覆層が形成されたPOFケーブルが提案されており、ポリアミド樹脂としてナイロン6やナイロン11、ナイロン12が挙げられている。
また、特許文献4(国際公開第01/048526号パンフレット)や特許文献5(特開2003−315638号公報)、特許文献6(特開平2003−255202号公報)、特許文献7(特開平2004−226925号公報)には、POFの外周に、ポリアミド系重合体からなる少なくとも1層以上の被覆層を形成したPOFケーブルが開示されており、ポリアミド系重合体の一例として、ナイロン11、ナイロン12の他、ナイロン6又は/及びナイロン66が挙げられている。
しかしながら、POFケーブルの被覆層の材料にナイロン系樹脂を用いると次のような問題が生じる。
一般的に、ナイロン系樹脂(ポリアミド系樹脂)は、工業的にはアミンとカルボン酸の重縮合反応により得られる。しかし、ナイロン系樹脂の重合は化学平衡反応であるため、生成ポリマー中に原料に由来するモノマー、オリゴマーが残存することは避けられない。
本発明者らの検討によれば、被覆材として、特にナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12樹脂が用いられたPOFケーブルは、100℃以上の高温環境下に長期間放置された場合、POFの伝送損失が著しく増大する現象が見られた。
本発明者らは、この原因についての詳細な解析を行ない、その結果、上記の伝送損失が増大する原因は、これら原料由来の残存モノマーやオリゴマーが、被覆層からPOFの内部に溶解・拡散して、POFの伝送損失の増大を引き起こしていることをつき止めた。さらに、この現象は、ナイロン系樹脂の中でも融点が160〜190℃付近の低い範囲にあるナイロン11やナイロン12、ナイロン6−12に特有の現象であることを見出した。
そこで、本発明者らは、POFケーブルの被覆材に、これらナイロン11やナイロン12、ナイロン6−12よりも、融点が高いナイロン系樹脂を用いることができれば、上記の残存モノマーやオリゴマーの影響を抑制できるのではないかと考え、検討を行った。
しかし、被覆材に融点が高いナイロン系樹脂を用いると、実用上、技術的な問題が多い。
一般的に、ナイロン6やナイロンナイロン66などの融点が高いナイロン系樹脂は、一般に被覆材として使用されている融点の比較的低い、ナイロン11やナイロン12などのナイロン系樹脂や、ポリオレフィン系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂などと比較して、結晶化する速度が速く、しかも融点付近で粘度が急激に変化するという特徴がある。そのため、POFもしくはPOFケーブルにナイロン6樹脂やナイロン66樹脂を被覆する際に、POFもしくはPOFケーブルに過剰なストレスが加わり、POFの光学性能を著しく損なってしまう例が報告されている。
例えば、特許文献1(特開2000−231045号公報)には、提案された発明に対する比較例(比較例2、比較例8)として、POFの外周に、ナイロン66樹脂からなる一次被覆材を直接形成したPOFケーブルが開示されている。このPOFケーブルにおいては、高融点のポリアミド66樹脂を、高い被覆温度でPOFの外周に直接被覆しているために、POFの外形の変化や伝送損失の増大が生じ、高融点のナイロン系樹脂は、POFの被覆材料としては適さない旨が記載されている。
特開2000−231045号公報 特開平10-319281号公報 特開平11−242142号公報 国際公開01/48526号パンフレット 特開2003−315638号公報 特開平2003−255202号公報 特開平2004−226925号公報
本発明の目的は、伝送損失の増大を抑えながらナイロン系樹脂を良好に被覆でき、耐熱性に優れたプラスチック光ファイバケーブルを製造可能な方法を提供することにある。
本発明によれば、プラスチック光ファイバ素線と、このプラスチック光ファイバ素線の外周に設けられた一次被覆層と、この一次被覆層の外周に設けられた二次被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルの製造方法であって、
前記プラスチック光ファイバ素線の外周に一次被覆層が設けられた一次ケーブルを用意する工程と、この一次ケーブルの外周に二次被覆層を形成する工程とを有し、
前記二次被覆層の形成は、ナイロン系樹脂を主成分とし、前記一次被覆層を構成する一次被覆材の融点より高い215℃〜280℃の融点を持ち、且つ、二次被覆層形成時の温度と同じ温度条件下で、せん断速度が500〜10,000(1/sec)の範囲において、せん断粘度が50〜800(Pa・s)の範囲にある二次被覆材を用い、この二次被覆材をドローダウン比1.3〜5.0の範囲でチューブ式ニップルを用いて押出被覆することにより行う、プラスチック光ファイバケーブルの製造方法が提供される。
本発明によれば、伝送損失の増大を抑えながらナイロン系樹脂を良好に被覆でき、耐熱性に優れたプラスチック光ファイバケーブルを製造可能な方法を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のプラスチック光ファイバケーブル(POFケーブル)の製造方法は、プラスチック光ファイバ素線(POF素線)の外周に一次被覆層が設けられた一次ケーブルを用意する工程と、この一次ケーブルの外周に二次被覆層を設けて二次ケーブルを形成する工程を有する。その際、二次被覆層は、ナイロン系樹脂を主成分とし、一次被覆層を形成する一次被覆材の融点より高い215℃〜280℃の融点をもつ二次被覆材で形成する。このような融点が高い二次被覆材は、POFケーブルが100℃以上の環境下に長期間おかれた場合であっても、二次被覆層のナイロン系樹脂の原料に由来する残存モノマーやオリゴマーのブリードアウトが抑えられる。また、被覆層の高温環境下での機械的保護性能を高めることができる。
二次被覆材の融点が高すぎると、二次被覆層を一次被覆層の外周に形成する温度を高く設定しなければならないため、特に300℃以上に設定すると、ポリメチルメタクリレート(PMMA)をコアとするPOF素線や、一次被覆層が熱変形しやすくなり、POFケーブルの光学特性や熱収縮特性が損なわれるおそれがある。
二次被覆材の融点は225℃以上が好ましく、235℃以上がより好ましく、260℃以上が特に好ましい。一方、二次被覆材の融点は、275℃以下が好ましく、270℃以下がより好ましい。
二次被覆材に用いられるナイロン系樹脂としては、ナイロン6の単独重合体、ナイロン66の単独重合体、ナイロン610の共重合体、ナイロン6/66の共重合体、これらの2種以上の混合物を挙げることができる。中でも、ナイロン6の単独重合体(融点225℃、Bril温度の最大値は約195℃、Polymer,42(2001)、p10119−10132)、ナイロン66の単独重合体(融点265℃、Bril温度の最大値は約150−160℃、Polymer,42(2001)、p10119−10132)は、成形材料として安価な製品が容易に入手できることから好ましい。
さらに、二次被覆材は、この二次被覆材を一次ケーブルの外周に被覆する時の温度条件下で、せん断速度が500〜10,000(1/sec)の範囲において、せん断粘度が50〜800(Pa・s)の範囲にあることが必要である。このせん断粘度が小さすぎると、賦形時に断面形状が偏芯しやすくなる傾向がある。このせん断粘度が800(Pa・s)より大きすぎると、ダイスウエルが発生しやすくなる上に、押出し被覆の安定性が低下したり、外観形状や表面平滑性の劣化がおこりやすくなるという傾向がある。このせん断粘度は、700(Pa・s)以下が好ましく、600(Pa・s)以下がより好ましく、560(Pa・s)以下が特に好ましい。
ナイロン6としては、宇部興産社製のUBEナイロン1011B、1015B、1022B、1018SE(商品名)や、東レ社製のアミランCM1007、CM1017、CM1021、CM1026、CM1014(商品名)、BASF社製のUltramid8200、8202、8270、B27、B3K、B3S、8232G(商品名)、EMS社製のGRILON BSシリーズ、BZシリーズ、BRZシリーズ(商品名)を挙げることができる。
ナイロン66としては、宇部興産社製のUBEナイロン2015B、2020B、2026B(商品名)や、東レ社製のアミランCM3007、CM3001−N、CM3006、CM3301、CM3304、CM3004(商品名)、旭化成社製のレオナ1200S,1300S、1500、1700(商品名)、BASF社製のUltramid 1000、1003、A3、N322、A3X2G5(商品名)、EMS社製のGRILON ASシリーズ、AZシリーズ、AR、ATシリーズ(商品名)、DuPont社製のZytel 101、103、42A、408(商品名)を挙げることができる。
ナイロン610としては、東レ社製のアミランCM2001、CM2006(商品名)を挙げることができる。
ナイロン6/66としては、BASF社製のUltramid C3U、C33、C40(商品名)を挙げることができる。
一次ケーブルの外周に二次被覆材を被覆する方法は、クロスヘッド方式による押出被覆装置を使用し、チューブ式ニップル(チューブ式ワイヤーガイド)とダイスを用いて行なう。その際、ドローダウン比1.3〜5.0の範囲で押出被覆する。このドローダウン比は2以上が好ましく、2.4以上がより好ましく、また4.5以下が好ましく、4.1以下がより好ましい。
ここでドローダウン比(引き落とし率)とは、ダイスの開口部(ダイス孔)から吐出する際の被覆材の断面積と、POFケーブルにおける被覆材の断面積の比であり、チューブ式ニップルとダイスを備えた押出被覆装置を用いる場合のドローダウン比は次式で示される。
ドローダウン比=(Dd2−Dg2)/(Dc2−Dw2
(式中、Ddはダイス開口部の内径、Dgはニップル先端の外径、Dcは二次ケーブルにおける被覆層の外径、Dwは一次ケーブルにおける被覆層の外径をそれぞれ示す)。
ドローダウン比が小さすぎると、被覆材のポリマーの分子配向が充分かかっていないので、ケーブルの機械的強度(例えば、繰り返し屈曲性)が低下するというおそれがあり、またナイロン6やナイロン66等の結晶化速度が比較的速いナイロン系樹脂を用いた場合は、ダイスから吐出された樹脂が一次ケーブルを覆った直後に樹脂が固化しやすくなり、被覆安定性が低下したり、光学性能が低下したりする傾向がある。ドローダウン比が大きすぎると、被覆層の熱収縮性が大きくなるために、POFケーブルが高温環境下に放置された時に光学性能が低下するおそれがある。
前述の通り、本発明における二次被覆材には、ナイロン系樹脂を主成分とする融点が215℃〜280℃の被覆材を好適に用いることができ、特に、ナイロン6、ナイロン66、又はナイロン6若しくはナイロン66を主成分とする樹脂組成物が好ましい。
ナイロン系樹脂においては、Brill転移温度と呼ばれる温度が存在することが知られている。このBrill転移温度においては、Brill転移と呼ばれる現象、すなわちポリマー主鎖のメチレン−アミド基間のねじれ運動が活発となり、アミド基の水素結合は保持されつつも、メチレン鎖のコンフォメーションの揺らぎや規則性の乱れを伴った大きな運動がおこりはじめる現象が起こり始める(Polymer,44(2003)、p6407−6417)。
Brill転移現象は、約40℃の温度範囲にわたって発現し、そのピーク最大値の温度がBrill転移温度と呼ばれている。ナイロン12(融点約180℃)のBrill転移温度は約140〜150℃付近、ナイロン6−12(融点約155〜160℃)のBrill転移温度は約120〜130℃付近に存在することが知られている。本発明者らの検討によれば、ナイロン12やナイロン6−12からなる被覆材を用いた場合、POFケーブルが100℃の環境下に長期間放置された場合、ナイロン12やナイロン6−12中に含まれるナイロン樹脂由来の残存モノマーや残存オリゴマーがPOF素線中に移行して、光伝送性能が著しく低下することが判明した。そこで、本発明者らは、このナイロン12やナイロン6−12では、Brill転移温度は約120〜150℃付近に存在することから、残存モノマーや残存オリゴマーのブリーディングが起こりやすいと考え、より高いBrill転移温度を有するナイロン系樹脂を被覆材として用いれば、この問題は改善できると考えた。
しかし、Brill転移温度は測定に特別な装置を使用するため、容易に測定できる指標値ではない。そこで本発明者らは、比較的容易に測定可能な指標値として、示差走査型熱量分析計(DSC)により測定する結晶融解温度(融点)を用いることを検討した。その結果、被覆材の融点をある温度範囲に設定することにより、POFケーブルの耐久性能を十分なものにできることを見出し、本発明を完成することができた。
二次被覆材には、ナイロン系樹脂単体、あるいはナイロン系樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いる。ナイロン系樹脂を主成分とする樹脂組成物とは、ナイロン系樹脂を50質量%以上含有する樹脂組成物を意味し、ナイロン系樹脂の含有量は60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。ナイロン系樹脂を50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有することにより、耐熱寸法安定性や、機械的強度、耐薬品性の十分なPOFケーブルを得ることができる。ナイロン系樹脂としては、ナイロン6又はナイロン66が好ましく、これらの少なくとも一方を含有することができる。
二次被覆材に用いられるナイロン系樹脂と混合される樹脂は、本発明における二次被覆材に求められる特性を損なわない範囲内で、POF素線の被覆材として一般に用いられている熱可塑性樹脂を用いることができる。例えば、POFケーブルの柔軟性を高めるためのポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、POFケーブルの一次被覆層と二次被覆層の間の引抜強度を制御するためのフッ化ビニリデン系共重合体等の含フッ素オレフィン系樹脂やシリコン系樹脂、POFケーブルの難燃性を高めるための臭素化ポリスチレン系樹脂等の臭素を含有する樹脂等が挙げられる。
二次被覆材には、彩色を施すために顔料や染料を含有させることができる。
二次被覆層の内側には一次被覆層が設けられる。一次被覆層を設けることにより、二次被覆層の形成によるPOF素線へのストレス等の影響を緩和することができる。一次被覆材に、比較的融点の低い、例えば200℃以下の熱可塑性樹脂を用いることで、POF素線の被覆を容易に行うことができるとともに、POF素線への影響も抑えることができる。融点が160℃以上の熱可塑性樹脂を一次被覆材に用いることにより耐熱性も確保することができる。
一次被覆材の熱可塑性樹脂としては、ナイロン系樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂、架橋ポリプロピレン系樹脂、フッ素系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系樹脂等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。これらの中でも、耐熱性、耐屈曲性、耐薬品性等に優れたナイロン系樹脂が好ましい。ここで、一次被覆材は、熱可塑性樹脂単独、あるいは熱可塑性樹脂を90質量%以上含有する樹脂組成物を意味する。必要に応じて、ナイロン系樹脂とその他の熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物を用いることができる。
一次被覆材用のナイロン系樹脂としては、耐熱性、耐屈曲性、耐薬品性等に優れたナイロン11(の単独重合体)又はナイロン12(の単独重合体)が好ましく、これらの少なくとも一方を含有することができる。ナイロン11やナイロン12は、被覆工程における成形性が良好で、かつ適度な融点を有しているため、ポリメタクリル酸メチルの単独重合体又はメタクリル酸メチルを主成分とする共重合体をコア材とするPOF素線の伝送性能を低下させることなく容易にPOF素線を被覆することができる。また、これらの樹脂は、寸法安定性、およびPOF素線との密着性にも優れるため、特にPOFケーブルが自動車内LAN用途として用いられる際に問題となる熱収縮やピストニングの発生を効果的に防止できる。また、自動車内通信用途では、POFケーブルにバッテリー液耐性が要求されるが、ナイロン11やナイロン12は、ナイロン系樹脂の中でも特に優れたバッテリー液耐性を有する。ナイロン11としては、アトフィナ社製のリルサンBMF−0(商品名)、ナイロン12としては、ダイセル・デグサ社製のDaiamide−L1600、L1640(商品名)等が挙げられる。
さらに本発明では、一次被覆材にナイロン系樹脂、特にナイロン11やナイロン12を用いる場合、一次被覆層の内側に、ナイロン系樹脂以外の熱可塑性樹脂を用いた保護被覆層を設ける。
この保護被覆層は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、(メタ)アクリル酸メチル単位を含むメチル(メタ)アクリレート系樹脂、スチレン単位を主構成単位とするスチレン系樹脂、フッ化ビニリデンの単独重合体であるポリフッ化ビニリデン樹脂から選ばれる少なくとも一種の保護被覆用樹脂材料からなることが好ましい。
本発明者らの検討によれば、POF素線の外周に直接ナイロン11やナイロン12を一次被覆層として形成したPOFケーブルが100℃の環境下に長期間放置された場合、一次被覆層のナイロン11やナイロン12中に含まれるナイロン樹脂由来の残存モノマーや残存オリゴマーがPOF素線中に移行して、光伝送性能が著しく低下することが判明した。しかし、ナイロン11やナイロン12からなる層の内側に、上記の保護被覆用樹脂材料からなる保護被覆層を設けると、このナイロン11やナイロン12樹脂由来の残存モノマーや残存オリゴマーがPOF素線中に移行することが妨げられて、POFケーブルの伝送損失の増加を抑制できることを見出した。
保護被覆用樹脂として、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(以下、PBT樹脂と略する)とは、1,4−ブタンジオール(テトラメチレングリコール)とテレフタル酸のエステル化反応、または1,4−ブタンジオールとテレフタル酸ジメチルのエステル交換反応により得られたビスヒドロキシブチルテレフタレート(BHT)ないしはそのオリゴマーを重縮合して合成された、下記式(1)
Figure 2008257039
で示されるオリゴポリ1,4−ブチレンテレフタレートの単位を主構成単位として含有する重合体のことである。
本発明に適しているPBT樹脂として、より具体的には、上記の式(1)で示されるオリゴポリ1,4−ブチレンテレフタレートをハードセグメント単位(結晶相)として含有し、ソフトセグメント単位(非晶相)として、分子量が200〜5000の範囲にある脂肪族ポリエーテル(例えば、ポリテトラメチレンオキシドグリコール(PTMG)など)と、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジプロピル、テレフタル酸ジブチルのうち少なくとも1種類との重縮合で合成された下記の式(2)
Figure 2008257039
(式中、pは4〜12の整数、qは1〜20の整数を示す。)
で示される脂肪族ポリエーテルのブロック単位とを含むブロック共重合体であるPBT樹脂が挙げられる。
または、上記の式(1)で示されるオリゴポリ1,4−ブチレンテレフタレートをハードセグメント単位(結晶相)として含有し、ソフトセグメント単位(非晶相)としてポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)やポリブチレンアジペート(PBA)のような、下記の式(3)
Figure 2008257039
で示される脂肪族ポリエステルのブロック単位とを含有するブロック共重合体からなるPBT樹脂が挙げられる。
上記のPBT樹脂の中でも、特に、高温高湿下における、POFケーブルの光学性能や被覆層の引抜強度の耐久性を維持する点で、上記一般式(2)で示される脂肪族ポリエーテルのブロック単位をソフトセグメント単位として有するPBT樹脂が好適である。特に、オリゴポリ1,4−ブチレンテレフタレートからなるハードセグメント部分(A)と、テレフタル酸ジブチル単位および分子量が200〜600の範囲にあるPTMG単位を有する重縮合体からなるソフトセグメント部分(B)とを含むブロック共重合体であるPBT樹脂が、高温高湿下における、POFケーブルの光学性能や被覆層の引抜強度の耐久性に優れていることから好ましい。
さらに、上記PBT樹脂においては、ハードセグメント部分(A)に含まれる1,4−ブチレンテレフタレート単位の総モル数(a)と、ソフトセグメント部分(B)に含まれる1,4−ブチレンテレフタレート単位の総モル数(b)の比(a/b)は、15/85〜30/70の範囲が好ましい。この比(a/b)が15/85より小さければ、ポリマー主鎖中のエーテル結合単位の数が増えるため、高温高湿下でPBT樹脂が加水分解による劣化を受けやすくなったり、ソフトセグメント含有量が増大するため、材料自体が柔軟で変形を受け易くなるために引抜強度が低下したり、一次被覆層のナイロン系樹脂由来のモノマーやオリゴマーを遮断する効果が低下する。逆に、この比(a/b)が30/70より大きければ、ハードセグメントの含有量が増大するために、融点が高くなり、保護被覆層の被覆安定性が低下したり、被覆工程におけるPOF素線と保護被覆層の間、及び/又は保護被覆層と一次被覆層の間の熱融着性が低下する傾向がある。この比(a/b)の下限は18/82以上がより好ましく、22/78以上がさらに好ましい。一方、上限は27/73以下がより好ましく、25/75以下がさらに好ましい。
さらに、上記PBT樹脂の融点は、155℃以上、205℃以下の範囲にあることが好ましい。融点が155℃より低ければ、モノマーやオリゴマーのPOF素線への移行を遮断する機能が不十分となるおそれがある。一方、融点が205℃より高ければ、共押出被覆装置を用いて、POF素線の外周に保護被覆層を設ける際の成形安定性が低下するおそれがある。融点の上限は205℃以下が好ましく、195℃以下がより好ましく、185℃以下がさらに好ましい。融点の下限は155℃以上が好ましく、165℃以上がより好ましく、175℃以上がさらに好ましい。
さらに、上記PBT樹脂は、JIS K7215規格に準じて測定したショアD硬度が38〜65の範囲にあることが好ましい。ショアD硬度が低すぎると、高温での流動性が高くなる傾向があるため、被覆安定性が低下したり、材料自体が柔軟で変形しやすくなる傾向があるため、POF素線と一次被覆層との間の引き抜き強度が低下する。ショアD硬度が高すぎると、被覆工程における、POF素線と保護被覆層の間、及び/又は保護被覆層と一次被覆層の間の熱融着性が低下するため、POF素線と一次被覆層との間の引き抜き強度が低下する。このショアD硬度の下限は38以上が好ましく、40以上がより好ましく、45以上がさらに好ましい。このショアD硬度の上限は65以下が好ましく、60以下がより好ましく、55以下がさらに好ましい。
このようなPBT樹脂の融点やショアD硬度は、上記ハードセグメント単位と上記ソフトセグメント単位の構成比や各々の分子量、あるいは重合体全体の分子量を調整することによって調整できる。
このようなPBT樹脂としては、例えば、東レ・デュポン社製のハイトレル(Hytrel)2551、2474、4047、4057、4767(商品名)や、ポリプラスチック社製のDYURANEX 400LP(商品名)、帝人化成社製のヌーベラン4400シリーズ(商品名)、東洋紡社製のペルプレンSタイプ、Pタイプ(P150M)(商品名)、三菱化学社製のプリマロイBシリーズ(商品名)等の中から選ぶことができる。
保護被覆層を構成するメチル(メタ)アクリレート系樹脂としては公知のものが使用でき、例えば、(メタ)アクリル酸メチルの単独重合体(PMMA)や、(メタ)アクリル酸メチルと他の単量体との共重合体等が挙げられる。メチル(メタ)アクリレート系樹脂中の(メタ)アクリル酸メチル単位の含有量は、10質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。
(メタ)アクリル酸メチル単位の共重合成分としては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、その他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、さらには下記の式(4)
Figure 2008257039
(式中、Xは水素原子又はメチル基、Yは水素原子又はフッ素原子を示し、mは1又は2、nは1〜12の整数を示す。)で表される、(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステルが挙げられる。
なお、上記の式(4)において、含フッ素アルキル基の構造が嵩高くなると共重合時の重合性、共重合体の耐熱性が低下することから、含フッ素アルキル基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
上記の式(4)で表される(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル(3FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(4FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(5FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(6FM)、(メタ)アクリル酸−1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(8FM)、(メタ)アクリル酸−2−(パーフルオロブチル)エチル(9FM)、(メタ)アクリル酸−2−(パーフルオロヘキシル)エチル(13FM)、(メタ)アクリル酸−1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(16FM)、(メタ)アクリル酸−2−(パーフルオロオクチル)エチル(17FM)、(メタ)アクリル酸−1H,1H,11H−(イコサフルオロウンデシル)(20FM)、(メタ)アクリル酸−2−(パーフルオロデシル)エチル(21FM)等の、直鎖状フッ素化アルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸フッ素化エステルが挙げられ、また、(メタ)アクリル酸ヘキサフルオロネオペンチルや(メタ)アクリル酸ヘキサフルオロイソブチル等の、分岐状フッ素化アルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸フッ素化エステル等を挙げることができる。
メチル(メタ)アクリレート系樹脂が、上記の(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステル単位を含む場合には、保護被覆層としての機械的強度と、上述のナイロン系樹脂に含まれるモノマー及びオリゴマーのPOF素線中への溶解・拡散を防止する点から、(メタ)アクリル酸メチル単位10〜95質量%と(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステル単位5〜90質量%とを含む共重合体とすることが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル単位50〜90質量%と(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステル単位10〜50質量%であればより好ましく、(メタ)アクリル酸メチル単位60〜90質量%と(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステル単位10〜40質量%であればさらに好ましい。
保護被覆層を構成する樹脂として、スチレン単位を主構成単位とするスチレン系樹脂を用いてもよい。ここでスチレン系樹脂とは、樹脂中に80質量%以上のスチレン単位を含む樹脂を指し、スチレンの単独重合体や、スチレン単位を80質量%以上含有する共重合体等が挙げられる。スチレンの単独重合体としては、アタクチックポリスチレンが好ましい。アタクチックポリスチレンは、ガラス転移温度を100℃付近に有する非晶性高分子であり、明確な融点を有さないために比較的低い温度(220℃以下)で、PMMAをコアとするPOF素線に直接被覆することが可能である。一方、アイソタクチックポリスチレンやシンジオタクチックポリスチレンは、融点が240℃以上であり、POF素線の外周に保護被覆層を形成する時に、高い被覆温度(260℃以上)が必要となる。被覆温度が低いほうが、POF素線への被覆時の影響を抑えることができるため好ましい。なお、スチレン単位の共重合成分としては、上述した(メタ)アクリル酸メチル単位の共重合成分として挙げられた各種単量体成分を用いることができる。
このようなスチレン系樹脂としては、例えば、PSジャパン社製のGPPSシリーズのHF10、NF20、HT52、HF77、679、433(商品名)、日本ポリスチレン社製の日本ポリスチG120K,G440K、G430(商品名)等の中から選ぶことができる。
保護被覆層を構成する樹脂としてフッ化ビニリデン系樹脂を用いる場合は、フッ化ビニリデン単位(VdF単位)のみからなる樹脂(フッ化ビニリデン単独重合体:PVDF)でなければならない。市販されているフッ化ビニリデン系樹脂としては、VdF単位70〜90質量%と、テトラフルオロエチレン単位(TFE単位)又はヘキサフルオロプロピレン単位(HFP単位)10〜30質量%の共重合体、VdF単位15〜50質量%とTFE単位30〜70質量%とHFP単位15〜25質量%の共重合体が知られているが、これらの材料を保護被覆層に用いても、POFケーブルの十分な耐熱性向上効果を得ることができない。
このようなPVDF樹脂としては、例えば、アルケマ社製のKYNAR710、720(商品名)、アウジモント社製のHYLAR−MP10、MP20(商品名)、呉羽化学社製のKFポリマー850、1000、1100、1300(商品名)等の中から選ぶことができる。
一次被覆層を構成する一次被覆材にナイロン11又はナイロン12樹脂等のナイロン系樹脂を用いる場合は、所望の特性に応じて他の熱可塑性樹脂を混合した樹脂組成物を使用してもよい。ナイロン11及びナイロン12の少なくとも一種を主成分とする樹脂組成物を用いる場合は、ナイロン11又はナイロン12(両方を含む場合は合計量)の含有量が50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
一次被覆材層およびその内側の保護被覆層には、外光の入射を防止するための遮光剤として、カーボンブラックを0.2〜5質量%の範囲で含有させることができる。
上述の一次被覆層がPOF素線の外周に設けられた一次ケーブルの外周に二次被覆層を形成するときの温度は次のように設定することが好ましい。
ナイロン6を主成分とするナイロン系樹脂組成物を二次被覆材として被覆する場合は、235℃〜270℃の範囲で行なうことが好ましく、240℃〜270℃がより好ましい。被覆する時の温度が低すぎると溶融が不十分で未溶融樹脂が吐出して押出し不良を起こすおそれがあり、この温度が高すぎるとナイロン6が分解し炭化物が発生し外観不良を起こしたり、一次ケーブルが伸びてしまい光学性能の劣化を引き起こすおそれがある。
ナイロン66を主成分とするナイロン系樹脂組成物を二次被覆材として被覆する場合は、265℃〜290℃の範囲で行なうことが好ましく、265℃〜280℃の範囲がより好ましい。被覆する時の温度が低すぎると溶融が不十分で未溶融樹脂が吐出して押出し不良を起こすおそれがあり、この温度が高すぎると二次被覆層の形成時に一次ケーブルが伸びてしまい光学性能の劣化を引き起こすおそれがある。
一次ケーブルの形成においては、一次ケーブルの外径が1.3mm〜1.7mmの範囲にあり、一次被覆層の厚みが150μm〜350μmの範囲に形成することが好ましい。保護被覆層を設ける場合はその厚みも含めた合計の厚みがこの範囲にあることが好ましい。保護被覆層の厚みは10μm〜100μmの範囲に設定することができる。一次被覆層が薄すぎると、二次被覆層の形成時に、被覆のための温度の影響によりPOF素線が熱劣化するおそれがある。一次被覆層が厚すぎると、二次被覆層の厚みが十分に確保できなくなったり、一次被覆層の厚みが必要以上に厚くなることからコスト高になる。保護被覆層が薄すぎると、外側からの残存モノマーやオリゴマーの遮蔽効果が不十分になり、保護被覆層が厚すぎると、一次被覆層の形成効果が低下する。
上記の一次ケーブルの外周に二次被覆層を形成する二次ケーブルの形成においては、二次ケーブルの外径が2.1mm〜2.5mmの範囲にあることが好ましい。二次ケーブルの外径が小さすぎると、二次被覆層の厚みが十分に確保することが困難になり、結果、高温環境下の機械的保護性能や、耐薬品性が低下するおそれがある。逆に二次ケーブルの外径が大きすぎると、二次被覆層が必要以上に厚くなり、結果、二次被覆層の形成時の冷却に時間がかかり、一次ケーブルとPOF素線が熱劣化するおそれがある。
本発明の製造方法は、二次被覆層を設ける前の一次ケーブル、及び二次被覆層を設けた後の二次ケーブルから二次被覆を剥いで除去した一次ケーブルについて、105℃で24時間放置した時の熱収縮率を各々L1(%)、L2(%)とすると、熱収縮率の比(L2/L1)が、0.9〜1.25の範囲にあることが好ましく、0.9〜1.2の範囲にあることがより好ましく、0.9〜1.1の範囲にあることがさらに好ましい。熱収縮率の比(L2/L1)が小さすぎる条件で形成されたPOFケーブルは、延伸によって付与されたPOF素線自体、及び/又は一次被覆層自体の分子配向、高分子間の絡み合いが緩和されすぎている状態であるため、POFケーブルの機械的特性(例えば、繰返屈曲性等)が低下するおそれがある。熱収縮率の比(L2/L1)が大きすぎる条件で形成されたPOFケーブルは、二次被覆層の形成中に一次ケーブルが過剰に引き伸ばされるために、光学特性の低下や、POFケーブルのピストニングが増大するおそれがある。
以上に説明した本発明のPOFケーブルの製造方法は、POF素線として、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)の単独重合体又はメタクリル酸メチル(MMA)を主成分とする共重合体からなるコアとその外周に設けられたクラッドを有するPOF素線を使用する場合に特に好適である。なお、このMMAを主成分とする共重合体は、MMAを50質量%以上含むものを意味し、60質量%以上含むものが好ましく、70質量%以上含むものがより好ましい。
以下、実施例により本発明を説明する。なお、本発明の各実施例に対して行った各種の評価は、下記に記載の方法に従って実施した。尚、評価に用いたPOFケーブルの製造条件を表1に、評価結果を表2に示した。
[伝送損失]
測定波長650nm、励振NA=0.1の光を用い、25−1mのカットバック法によりPOFケーブルの伝送損失を測定した。
[耐熱試験方法]
POFケーブルを、105℃のオーブン内に5000時間放置した後に、測定波長650nm、励振NA=0.1の光を用い、25−1mのカットバック法によりPOFケーブルの伝送損失を測定した。
[偏芯の大きさ]
市販のマイクロスコープを用いて、POFケーブルの断面を観察し、二次被覆層の外周上に等間隔に3点とり、その3点を通る真円を描いた。また、一次被覆層の外周上に等間隔に3点とり、その3点を通る真円を描いた。この2つの真円の中心点の距離を測定し、これを、二次被覆層と一次被覆層との間の偏芯の大きさとした。
なお、偏芯の判定は、次のように行なった。
◎:偏芯の大きさが30μm以下、
○:偏芯の大きさが60μm以下、
△:偏芯の大きさが80μm以下、
×:偏芯の大きさが80μm超過。
[二次被覆層の被覆安定性]
POF一次ケーブルの外周に二次被覆層を形成する時に、外径測定機を用いてPOF二次ケーブルの外径を連続で測定して、POF二次ケーブルの外径の変動幅を測定した。この結果から、二次被覆層の被覆安定性の判定を、次のように行なった。
◎:変動幅が、±20μm以内、
○:変動幅が、±20μmを超え、±40μm以内、
△:変動幅が、±40μmを超え、±70μm以内、
×:変動幅が、±70μm超過、又は被覆ができても二次被覆層の樹脂の吐出が不安定であり長時間に渡って連続して被覆を行うことができない。
[二次ケーブル表面の外観]
POF二次ケーブル表面の外観を目視で観察して、ケーブル表面の外観の判定を、次のように行なった。
◎:二次ケーブルの表面の外観は円滑である、
○:二次ケーブルの表面の外観は円滑だが、表面になだらかな凸凹が観察される、
△:二次ケーブルの表面に著しい凸凹が観察される、
×:二次ケーブルの表面に凸凹及び樹脂劣化物が観察される。
[繰り返し屈曲試験時の二次ケーブルの外観]
長さ1mのPOF二次ケーブルの一端に荷重500gf(4.9N)をかけ、このPOF二次ケーブルの中央を直径15mmの2本の円管にて挟持した。このPOF二次ケーブルの他端を一方の円管側に移動させてPOFケーブルが90度折れ曲がるように円管外周に巻き付けた後、他方の円管側に移動させてPOFケーブルが90度折れ曲がるように円管外周に巻き付けて合計180度屈曲させ、これを10000回繰り返し、POF二次ケーブルの表面状態を観察した。
この繰り返し屈曲試験時の二次ケーブルの外観の判定は、次のように行なった。
◎:二次ケーブルの表面の外観に変化は見られない、
○:二次ケーブルの表面に白化現象が見られた、
△:二次ケーブルの表面にひび割れが発生した、
×:二次ケーブルが破断した。
[POF二次ケーブルの熱収縮率]
試長間距離(測定部)を1mとしたPOF二次ケーブルを105℃の乾燥機内に吊り下げ、24時間後、測定部の長さ(cm)を測定し、下記式によりPOF二次ケーブルの繊維軸方向の収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=((100−(24時間後の測定部長さ))/100)×100
なお、熱収縮率の判定は、次のように行なった。
◎:熱収縮率が0.45%以下、
○:熱収縮率が0.45%を超え、0.55%以下、
△:熱収縮率が0.55%を超え、0.7%以下、
×:熱収縮率が0.7%超過。
[POF二次ケーブルのピストニング]
試長50cmのPOF二次ケーブルの端部を十分研磨した後に、その二次ケーブルを105℃の乾燥機内に24時間吊り下げて熱処理を行った。その後に、POF二次ケーブルの端面を光学顕微鏡で観察して、POF二次ケーブルの二次被覆層端面に対する、POF一次ケーブルの一次被覆層端面の引き込み長さ(又は突き出し長さ)を測定して、ピストニング量を求めた。
なお、ピストニングの判定は、次のように行なった。
◎:ピストニングが25μm以下、
○:ピストニングが25μmを超え、40μm以下、
△:ピストニングが40μmを超え、50μm以下、
×:ピストニングが50μm超過。
[融点(Tm)の測定]
示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:DSC−220)を使用した。サンプルを、昇温速度10℃/分で200℃まで昇温して5分間保持して溶融させた後、10℃/分で0℃まで降温して、再度昇温速度10℃/分で昇温、5分間保持、10℃/分で降温を行い、結晶融解ピークの最大点を融点とした。
[せん断粘度の測定]
ロザンド社製ツインキャピラリーレオメーター(RH7−2)を用い、ダイ直径1mm、ダイ全長16mm、二次被覆材を一次ケーブルの外周に設ける時の温度の条件下で、せん断速度500〜10,000(1/sec)の時のせん断粘度(Pa・s)を測定した。
表1及び表3には、せん断速度がそれぞれ500(1/sec)及び10,000(1/sec)の時のせん断粘度(Pa・s)を記載した。
[POF素線の作製]
コア材としてPMMA(屈折率1.492)、第1クラッド材として3FM/17FM/MMA/MAA(組成比で51/31/17/1(質量%))からなる共重合体(屈折率1.416〜1.417)、第2クラッド材としてVdF/TFE/HFP(組成比で43/48/9(質量%)、屈折率1.375、結晶融解熱(△H)14mJ/mg)からなる共重合体をそれぞれ用いた。これらの重合体を溶融して、220℃の紡糸ヘッドに供給し、同心円状複合ノズルを用いて複合紡糸した後、140℃の熱風加熱炉中で繊維軸方向に1.4倍に延伸し、各クラッドの厚みが10μmで直径が1mmのPOF素線を得た。得られたPOF素線の伝送損失は130dB/kmと良好であった。
なお、MAAはメタクリル酸、3FMは2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、17FMは2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート、VdFはフッ化ビニリデン(ビニリデンフルオライド)、TFEはテトラフルオロエチレン、HFPはヘキサフルオロプロピレンを示す。
[POF一次ケーブルの作製]
上記POF素線の外周に、保護被覆層としてボリブチレンテレフタレート系樹脂(東レ・デュポン社製、商品名:ハイトレル4767)、一次被覆層としてカーボンブラックを1質量%添加した、市販のナイロン12(ダイセル・デグッサ社製、商品名:ダイアミド−L1640)を、210℃に設定したクロスヘッドダイを用いたクロスヘッドケーブル被覆装置で被覆し、保護被覆層(厚み80μm)および一次被覆層(厚み175μm)を有する外径1.51mmのPOF一次ケーブルを得た。得られたPOF一次ケーブルは、初期の伝送損失が133dB/kmと良好であった。なお、表中の一次被覆厚は保護被覆層と一次被覆層の厚みの合計を示す。
〔実施例1〕
上記のPOF一次ケーブルの外周に、二次被覆材として、ナイロン6(宇部興産社製、商品名:UBEナイロン1011FB)を83.5質量%、臭素化ポリスチレン(アルベマール社製、商品名:HP−3010、GPCで測定したPSt(ポリスチレン)換算分子量50,000)を10質量%、五酸化アンチモン(日産化学社製、商品名:サンエポック)を5質量%、群青を1.5質量%の比率で配合した樹脂組成物を、240℃に設定したクロスヘッドダイを用いたクロスヘッドケーブル被覆装置(図1、図2)で被覆し、二次被覆層(厚み400μm)を有する外径2.31mmのPOF二次ケーブルを得た。なお、このナイロン6樹脂組成物は融点が220℃であり、温度240℃でせん断速度500〜10,000(1/sec)の範囲における、せん断粘度は52(Pa・s)であった。
その際のダイス開口部の内径Ddは3.9mmでありチューブ式ニップル先端の外径Dgは2.5mmであり、POF二次ケーブルにおける被覆層の外径Dcは2.31mm、一次ケーブルにおける被覆層の外径Dwは1.51mmであったのでドローダウン比(引き落とし率)は2.93であった。またクロスヘッドダイ部の温度条件は240℃であった。二次被覆層の被覆安定性は良好であった。
図1に、二次被覆層を形成するための装置の構成図を示す。図1において、101は押出し装置、102はホッパー、103はヘッド、104はガイドロール、105は送線機、106は冷却水槽、107はニップロール、108は巻き取り機、109はPOF一次ケーブル、110はPOF二次ケーブルを示す。図2に、二次被覆層を形成するための装置のヘッド及びダイ部の拡大断面図を示す。図2において、201はチューブ式ニップル(チューブ式のワイヤーガイド)、202はダイス、203はクロスヘッド、204は押出し機スクリュー、205はナイロン樹脂組成物の流路、206はPOF一次ケーブル、207はPOF二次ケーブルを示す。
得られたPOF二次ケーブルは、伝送損失が135dB/kmと良好であった。しかも耐熱試験後の伝送損失も190dB/kmと良好であった。二次被覆層と一次被覆層の偏芯は21μmと良好であった。POF二次ケーブルの表面の外観は円滑であり、良好であった。また、このPOF二次ケーブルを用いて、繰り返し屈曲試験を行った後の二次ケーブルの外観に変化は見られなかった。POF二次ケーブルの熱収縮率は0.5%であり、ピストニング量は20μmであり共に良好であった。熱収縮比(L2/L1)は1.05であった。
〔実施例2〜3、参考例1〜2〕
クロスヘッドケーブル被覆装置の温度を、表1に示す通りにした以外は、実施例1と同様にしてPOF二次ケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例4〜7、比較例1〜2〕
クロスヘッドケーブル被覆装置のクロスヘッドダイに装着するダイスとチューブ式ニップルの寸法を変更してドローダウン比を、表1に示す通りにした以外は、実施例1と同様にしてPOF二次ケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例8〜9、参考例3〜4〕
保護被覆層にボリブチレンテレフタレート系樹脂(東レ・デュポン社製、商品名:ハイトレル4047)、一次被覆層としてカーボンブラックを1質量%添加した、市販のナイロン11(アルケマ社製、商品名:Rilsan BMF−0)を用いて、さらに一次被覆層の厚みを表1に示す通りにした以外は、上記のPOF一次ケーブルと同様にしてPOF一次ケーブルを作製した。得られたPOF一次ケーブルを用いた以外は、実施例1と同様にしてPOF二次ケーブルを作製した(保護被覆層の厚みは80μm)。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例10〜11、参考例5〜6〕
二次ケーブルの外径を表1に示す通りにした以外は、実施例1と同様にしてPOF二次ケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例12〜15、比較例3〜4〕
二次被覆層のナイロン6樹脂組成物を構成しているナイロン6樹脂を、宇部興産社製、のUBEナイロン1011FBに可塑剤を適当量添加したもの(比較例3)、UBEナイロン1013B(実施例12)、UBEナイロン1015B(実施例13)、UBEナイロン1022B(実施例14)、UBEナイロン1024B(実施例15)、UBEナイロン1030B(比較例4)を用いて、せん断粘度を表1に示す通りにした以外は、実施例1と同様にしてPOF二次ケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例16〕
上記の外径1.51mmのPOF一次ケーブルの外周に、二次被覆材として、ナイロン66(宇部興産社製、商品名:UBEナイロン2015FB)を83.5質量%、臭素化ポリスチレン(アルベマール社製、商品名:HP−3010、GPCで測定したPSt換算分子量50,000)を10質量%、五酸化アンチモン(日産化学社製、商品名:サンエポック)を5質量%、群青を1.5質量%の比率で配合した樹脂組成物を、270℃に設定したクロスヘッドダイを用いたクロスヘッドケーブル被覆装置(図1、図2)で被覆し、二次被覆層(厚み400μm)を有する外径2.31mmのPOF二次ケーブルを得た。なお、このナイロン66樹脂組成物は融点が260℃であり、温度270℃でせん断速度500〜10,000(1/sec)の範囲における、せん断粘度は55(Pa・s)であった。上記以外は、実施例1と同様にしてPOF二次ケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例17〜20、比較例5〜6〕
二次被覆層のナイロン66樹脂組成物を構成しているナイロン66樹脂を、宇部興産社製のUBEナイロン2015FBに可塑剤を適当量添加したもの(比較例5)、UBEナイロン2020Bに可塑剤を適当量添加したもの(実施例17)、UBEナイロン2020B(実施例18)、UBEナイロン2020B1(実施例19)、UBEナイロン2026Bに可塑剤を適当量添加したもの(実施例20)、UBEナイロン2026B(比較例6)を用いて、せん断粘度を表1に示す通りにした以外は、実施例16と同様にしてPOF二次ケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例21〜24、比較例7〜8〕
保護被覆層にボリブチレンテレフタレート系樹脂(東レ・デュポン社製、商品名:ハイトレル4047)、一次被覆層としてカーボンブラックを1質量%添加した、市販のナイロン11(アルケマ社製、商品名:Rilsan BMF−0)を用い、さらにクロスヘッドケーブル被覆装置のクロスヘッドダイに装着するダイスとチューブ式ニップルの寸法を変更してドローダウン比を、表1に示す通りにした以外は、実施例16と同様にしてPOF二次ケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例25〜26、参考例7〜8〕
クロスヘッドケーブル被覆装置の温度を、表1に示す通りに変更した以外は、実施例16と同様にしてPOF二次ケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例27〜30〕
保護被覆層に、MMA/MAA(組成比で98/2(質量%))からなる共重合体を用い、一次被覆層(ナイロン11又はナイロン12)を表3に示す材料にした以外は、上記と同様にしてPOF一次ケーブルを作製した。次いで、二次被覆層(ナイロン6またはナイロン66)を表3に示す通りにした以外は、実施例1または実施例16と同様にしてPOF二次ケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表4に示した。
〔実施例31〜34〕
保護被覆層に、市販のフッ化ビニリデン樹脂(アルケマ社製、商品名:KYNAR710)を用い、一次被覆層(ナイロン11又はナイロン12)を表3に示す材料にした以外は、上記と同様にしてPOF一次ケーブルを作製した。次いで、二次被覆層(ナイロン6またはナイロン66)を表3に示す通りにした以外は、実施例1または実施例16と同様にしてPOF二次ケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表4に示した。
〔実施例35〜38〕
保護被覆層に、市販のポリスチレン樹脂(PSジャパン社製、商品名:GPPS679)を用い、一次被覆層(ナイロン11又はナイロン12)を表3に示す材料にした以外は、上記と同様にしてPOF一次ケーブルを作製した。次いで、二次被覆層(ナイロン6またはナイロン66)を表3に示す通りにした以外は、実施例1または実施例16と同様にしてPOF二次ケーブルを作製した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、その結果を表4に示した。
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二次被覆層を形成するための装置の構成図。 二次被覆層を形成するための装置のヘッド及びダイ部の拡大断面図。
符号の説明
101 押出し装置
102 ホッパー
103 ヘッド
104 ガイドロール
105 送線機
106 冷却水槽
107 ニップロール
108 巻き取り機
109 光ファイバ一次ケーブル
110 二次被覆後の光ファイバケーブル
201 チューブ式ニップル
202 ダイス
203 クロスヘッド
204 押出し機スクリュー
205 ナイロン樹脂流路
206 光ファイバ一次ケーブル
207 二次被覆後の光ファイバケーブル

Claims (8)

  1. プラスチック光ファイバ素線と、このプラスチック光ファイバ素線の外周に設けられた一次被覆層と、この一次被覆層の外周に設けられた二次被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルの製造方法であって、
    前記プラスチック光ファイバ素線の外周に一次被覆層が設けられた一次ケーブルを用意する工程と、この一次ケーブルの外周に二次被覆層を形成する工程とを有し、
    前記二次被覆層の形成は、ナイロン系樹脂を主成分とし、前記一次被覆層を構成する一次被覆材の融点より高い215℃〜280℃の融点を持ち、且つ、二次被覆層形成時の温度と同じ温度条件下で、せん断速度が500〜10,000(1/sec)の範囲において、せん断粘度が50〜800(Pa・s)の範囲にある二次被覆材を用い、この二次被覆材をドローダウン比1.3〜5.0の範囲でチューブ式ニップルを用いて押出被覆することにより行う、プラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
  2. 前記二次被覆材のナイロン系樹脂は、ナイロン6又はナイロン66である請求項1に記載のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
  3. 前記二次被覆材のナイロン系樹脂は、ナイロン6であり、この二次被覆材を一次ケーブルの外周に形成する時の温度が235℃〜270℃の範囲にある請求項1に記載のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
  4. 前記二次被覆材のナイロン系樹脂は、ナイロン66であり、この二次被覆材を一次ケーブルの外周に形成する時の温度が265℃〜290℃の範囲にある請求項1に記載のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
  5. 前記プラスチック光ファイバ素線の外周に保護被覆層を形成する工程をさらに有し、
    前記一次被覆層は、ナイロン系樹脂を主成分とする一次被覆材を用いて、前記保護被覆層の外周に形成する請求項1から4のいずれかに記載のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
  6. 前記一次被覆層は、ナイロン11、ナイロン12の少なくとも一種を主成分とする一次被覆材を用いて形成する請求項5に記載のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
  7. 前記保護被覆層は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、メチル(メタ)アクリレート系樹脂、スチレン系樹脂、フッ化ビニリデン単独重合体から選ばれる少なくとも一種を用いて形成する請求項5又は6に記載のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
  8. 前記一次ケーブルの外径が1.3mm〜1.7mmの範囲にあり、その一次被覆層の厚みが150μm〜350μmの範囲にあり、前記二次ケーブルの外径が2.1mm〜2.5mmの範囲にある請求項1〜7のいずれかに記載のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
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