JP2003322776A - 光ファイバケーブル、及びプラグ付き光ファイバケーブル - Google Patents

光ファイバケーブル、及びプラグ付き光ファイバケーブル

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JP2003322776A
JP2003322776A JP2002129982A JP2002129982A JP2003322776A JP 2003322776 A JP2003322776 A JP 2003322776A JP 2002129982 A JP2002129982 A JP 2002129982A JP 2002129982 A JP2002129982 A JP 2002129982A JP 2003322776 A JP2003322776 A JP 2003322776A
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武史 北山
Hiroe Kubo
洋恵 窪
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバ素線と被覆層との密着性に優れる
と共に、柔軟で取り扱い性に優れ、安価な光ファイバケ
ーブルを提供する。 【解決手段】 本発明の光ファイバケーブルは、芯材及
びその外周に形成された単層又は複層構造の鞘材からな
る光ファイバ素線が、少なくとも1層の被覆層からなる
被覆材により被覆されたもので、前記鞘材と前記被覆材
との間には、密着層が設けられていると共に、前記鞘材
の最外層が、フッ化ビニリデン単位を有する共重合体を
主成分とし、前記密着層が、熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマ−共重合体を主成分とし、前記被覆材の一次被覆
層が、熱可塑性樹脂を主成分とすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバケーブ
ル、及びプラグ付き光ファイバケーブルに係り、特に、
光ファイバ素線と一次被覆層との密着性に優れた光ファ
イバケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック光ファイバ(以下、単に
「光ファイバ」と称す。)は、端面加工や取り扱いが容
易であり、安価で軽量、大口径が得られる等の利点を有
し、FA、OA、LAN等の短・中距離通信用等に利用
されている。また、近年、短・中距離通信用途の中で
も、特に自動車内通信分野では、CD、DVD等の車内
オーディオシステムや、カーナビゲーションシステムの
普及、ITC/ETCシステム導入等の構想を背景とし
た通信情報量の増加への対応として、ハーネスケーブル
の軽量化、安価な通信システムの構築等に対する要求が
高まってきており、光ファイバの自動車内通信分野への
展開が行われつつある。
【0003】光ファイバは一般に、その外周が被覆層に
より被覆された光ファイバケーブルの形態で用いられ
る。以下、本明細書では、光ファイバケーブルを構成す
る光ファイバのことを「光ファイバ素線」と称す。自動
車内通信用として用いる場合、光ファイバケーブルは、
エンジン等の高温体の近傍や夏季の高温化した車内な
ど、高温雰囲気下で使用されることが多い。また、自動
車内には、オイル、電解液、ガソリン等の引火性物質も
存在する。そのため、被覆層には、耐熱性、耐熱寸法安
定性、耐薬品性、難燃性等の化学的安定性に優れている
ことが重要である。ここで、耐熱性、耐薬品性、耐熱寸
法安定性等を付与する手段として、特開平7−7764
2号公報、特開平10−319281号公報、特開平1
1−242142号公報等には、被覆層にナイロン等の
ポリアミド系樹脂を用いることが提案されている。ま
た、現在市販されている自動車用光ファイバケーブルに
おいても、被覆層としてナイロン11やナイロン12等
のポリアミド系樹脂が使用されている。
【0004】一方、光ファイバケーブルでは、光ファイ
バ素線と被覆層との密着性が高いことが重要である。す
なわち、光ファイバケーブルにおいて、光ファイバ素線
と被覆層との密着性が高ければ、光ファイバ素線を振動
などから保護することができる。また、光ファイバケー
ブルの末端にプラグ等を固定する場合、光ファイバ素線
と被覆層との密着性が高ければ、被覆層上からプラグ等
を締め付けて固定すれば良いので、端末処理を簡略化で
きる。また、被覆層上からプラグ等を固定できること
は、光ファイバ素線保護の観点からも好ましい。なお、
密着性の指標としては引き抜き強度が挙げられる。
【0005】ここで、耐熱性、耐薬品性、耐熱寸法安定
性等を確保しつつ、光ファイバ素線と被覆層との密着性
を向上させることが可能な光ファイバケーブルとして、
国際公開WO01/40841には、光ファイバ素線の
外周に、有機酸無水物(マレイン酸無水物、フタル酸無
水物、グルタル酸無水物等)を含有するポリアミド系樹
脂からなる一次被覆層を備えた光ファイバケーブルが開
示されている。また、特開2000−249879号公
報には、光ファイバ素線の外周に、酸無水物構造又はカ
ルボキシル基を有するポリマーを含有するフッ化ビニリ
デン系樹脂からなる密着層を備え、さらにその外周に、
ナイロン12からなる被覆層を備えた光ファイバケーブ
ルが開示されている。また、特開2000−27848
1号公報、特開2000−292659号公報、特開2
000−329980号公報には、光ファイバ素線の外
周に、特定のフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン3元共重合体、又はフッ
化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン2元共重合体
を主成分とする密着層を備え、さらにその外周にナイロ
ン12からなる被覆層を備えた光ファイバケーブルが開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】光ファイバ素線と一次
被覆層との間に、特定のポリアミド系樹脂又はフッ化ビ
ニリデン系樹脂からなる密着層を形成する場合、光ファ
イバ素線と被覆層との密着性を向上させることができる
ものの、ポリアミド系樹脂又はフッ化ビニリデン系樹脂
は高価であることなどから、光ファイバケーブルの製造
コストが増大するという問題点があった。また、一次被
覆層として、有機酸無水物を含有するポリアミド系樹脂
を用いる場合、光ファイバ素線と被覆層の密着性を向上
させることは可能であるが、有機酸無水物は人体への刺
激性を有するため、取り扱いにくいという問題があっ
た。
【0007】そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなさ
れたものであり、光ファイバ素線と被覆層との密着性に
優れると共に、柔軟で取り扱い性に優れ、安価な光ファ
イバケーブル、及び該光ファイバケーブルを用いたプラ
グ付光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するべく鋭意検討を行い、以下の光ファイバケーブル
及びプラグ付き光ファイバケーブルを発明した。本発明
の光ファイバケーブルは、芯材及びその外周に形成され
た単層又は複層構造の鞘材からなる光ファイバ素線が、
少なくとも1層の被覆層からなる被覆材により被覆され
た光ファイバケーブルにおいて、前記鞘材と前記被覆材
との間には、これらの密着性を向上させるための密着層
が設けられていると共に、前記鞘材の最外層が、フッ化
ビニリデン単位を有する共重合体を主成分とし、前記密
着層が、熱可塑性ポリウレタンエラストマ−共重合体を
主成分とし、前記被覆材の一次被覆層が、熱可塑性樹脂
を主成分とすることを特徴とする。なお、本明細書にお
いて、「主成分」とは、含有率が60質量%以上、好ま
しくは70質量%以上の成分であると定義する。また、
被覆材を構成する被覆層のうち、最内層からn番目の層
を「n次被覆層」と定義する。
【0009】また、本発明の光ファイバケーブルにおい
て、前記密着層が、ポリカーボネート系熱可塑性ポリウ
レタンエラストマ−共重合体、又はポリエーテル系熱可
塑性ポリウレタンエラストマ−共重合体のうち、少なく
とも1種を主成分とすることが好ましい。
【0010】ここで、ポリカーボネート系熱可塑性ポリ
ウレタンエラストマ−共重合体としては、数平均分子量
500〜10,000のポリカーボネートジオール単位
(A)と有機ジイソシアネ−ト単位(B)とを有するソ
フトセグメントブロック、及び数平均分子量60〜40
0の有機ジオールから選択される鎖伸長剤(C)と有機
ジイソシアネ−ト単位(D)とを有するハードセグメン
トブロックを有するものが好適である。中でも、前記ソ
フトセグメントブロックとして、ジエチルカーボネート
単位又はジフェニルカーボネート単位と、1,6−ヘキ
サンジオール単位とを有するポリエステル型ポリオール
からなる長鎖ポリオール単位と、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート単位とを有し、前記ハードセグ
メントブロックとして、1,4−ブタンジオール単位と
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート単位とを
有するものが特に好適である。
【0011】また、ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマ−共重合体としては、ポリエーテルジオー
ル単位(E)と有機ジイソシアネ−ト単位(B)とを有
するソフトセグメントブロック、及び数平均分子量60
〜400の有機ジオールから選択される鎖伸長剤(C)
と有機ジイソシアネ−ト単位(D)とを有するハードセ
グメントブロックを有するものが好適である。中でも、
前記ソフトセグメントブロックとして、ポリオキシプロ
ピレングリコール単位又はポリオキシテトラメチレング
リコール単位と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート単位とを有し、前記ハードセグメントブロック
として、1,4−ブタンジオール単位と4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート単位とを有するものが特
に好適である。
【0012】また、本発明の光ファイバケーブルにおい
て、前記密着層を構成する熱可塑性ポリウレタンエラス
トマ−共重合体の数平均分子量が30,000〜50,
000であり、荷重を5kgとして測定した230℃に
おけるメルトフローインデックスが50〜200g/1
0分であることが好ましい。なお、本明細書において、
「メルトフローインデックス」は、オリフィスの直径を
1mm、長さを8mmとして測定されるものとする。ま
た、前記密着層を構成する熱可塑性ポリウレタンエラス
トマ−共重合体のショアA硬度が70以上であることが
好ましい。また、前記密着層の厚みが5〜600μmで
あることが好ましい。
【0013】また、本発明の光ファイバケーブルにおい
て、前記鞘材の最外層を構成するフッ化ビニリデン単位
を有する共重合体としては、フッ化ビニリデン単位60
〜85質量%とテトラフルオロエチレン単位15〜40
質量%との2元共重合体、又はフッ化ビニリデン単位1
0〜50質量%とテトラフルオロエチレン単位20〜8
5質量%とヘキサフルオロプロピレン単位5〜35質量
%との3元共重合体が好適である。
【0014】また、本発明の光ファイバケーブルにおい
て、前記一次被覆層を構成する熱可塑性樹脂が、ポリア
ミド系樹脂を主成分とすることが好ましい。また、前記
一次被覆層を構成するポリアミド系樹脂としては、ナイ
ロン11又はナイロン12が好適である。
【0015】以上の本発明の光ファイバケーブルによれ
ば、前記光ファイバ素線と前記密着層との間、及び前記
密着層と前記一次被覆層との間の初期引き抜き強度をい
ずれも25N以上とすることができる。
【0016】また、本発明の光ファイバケーブルにおい
て、前記被覆材が、ポリアミド系樹脂を主成分とする二
次被覆層を有することが好ましく、さらに、前記一次被
覆層と前記二次被覆層との間の引き抜き強度が10〜3
0Nであることが好ましい。
【0017】また、本発明のプラグ付き光ファイバケー
ブルは、以上の本発明の光ファイバケーブルの少なくと
も一端に、プラグが固定されたことを特徴とする。ま
た、本発明のプラグ付き光ファイバケーブルにおいて、
プラグ引き抜き強度が50N以上であることが好まし
い。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 [光ファイバケーブル]本発明の光ファイバケーブル
は、光ファイバ素線と、光ファイバ素線を被覆する少な
くとも1層の被覆層からなる被覆材とを備えると共に、
これら光ファイバ素線と被覆材との間に密着層が形成さ
れたものである。
【0019】(光ファイバ素線)本発明の光ファイバケ
ーブルを構成する光ファイバ素線は、芯材とその外周に
形成された鞘材とからなる。芯材としては、公知の材料
が使用可能であり、例えば、メタクリル酸メチルの単独
重合体(PMMA)又は共重合体を主成分として構成す
ることができる。これらの中でも、透光性・耐久性に優
れると共に安価なことから、PMMAを主成分として構
成することがより好ましい。なお、メタクリル酸メチル
の共重合体を用いる場合、メタクリル酸メチル単位の含
有量は50質量%以上とすることが好ましい。また、共
重合可能な単量体としては、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、n−アクリル酸ブチル等のアクリル酸エス
テル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸エステル
類、マレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸、スチレン等を例示できる。また、例示した材
料の他、耐熱性が要求される場合などには、ポリカーボ
ネート系樹脂や、脂環式ポリオレフィン系樹脂を用いる
こともできる。
【0020】鞘材は、単層構造であっても複層構造であ
っても良いが、少なくとも密着層と接する最外層につい
ては、フッ化ビニリデン単位を有する共重合体(フッ化
ビニリデン系共重合体)を主成分として構成する。ま
た、フッ化ビニリデン系共重合体の中でも、フッ素原子
の含有率が59質量%以上のものが、後述する密着層と
の密着性に優れると共に、耐屈曲性、耐湿熱性、耐薬品
性を向上することができ、取り込み可能な光量を増大す
ることができるので好ましい。
【0021】鞘材の最外層に用いて好適なフッ化ビニリ
デン系共重合体としては、フッ化ビニリデンとテトラフ
ルオロエチレンとの2元共重合体、フッ化ビニリデンと
ヘキサフルオロアセトンとの2元共重合体、フッ化ビニ
リデンとトリフルオロエチレンとの2元共重合体、フッ
化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの2元共重
合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとヘ
キサフルオロプロピレンとの3元共重合体、フッ化ビニ
リデンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロアセ
トンとの3元共重合体、エチレンとテトラフルオロエチ
レンとヘキサフルオロプロピレンとの3元共重合体等を
例示できる。
【0022】これらの中でも、芯材との密着性に優れ、
機械的特性が良好な光ファイバ素線が得られることか
ら、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの2
元共重合体が好適である。また、フッ化ビニリデン単位
60〜85質量%とテトラフルオロエチレン単位15〜
40質量%とからなる2元共重合体は、安価に入手可能
であると共に、熱変形温度が高く、耐薬品性、成形加工
性に優れることから、特に好適である。
【0023】また、低屈折率であり光ファイバ素線を高
開口数化(高NA化)することができると共に、光ファ
イバ素線の曲げ損失光量を低減できることから、フッ化
ビニリデンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロ
プロピレンとの3元共重合体がより好適である。中で
も、フッ化ビニリデン単位10〜50質量%とテトラフ
ルオロエチレン単位20〜85質量%とヘキサフルオロ
プロピレン単位5〜35質量%との3元共重合体は、熱
変形温度が実用範囲内にあり、成形加工性、耐屈曲性、
耐湿熱性、耐薬品性に優れることから、特に好適であ
る。
【0024】また、鞘材の最外層を構成するフッ化ビニ
リデン系共重合体のメルトフローインデックスは、光フ
ァイバ素線の紡糸安定性の観点から、5〜200である
ことが好ましい。また、光ファイバの曲げ損失光量を十
分に低減できることから、鞘材の最外層を構成するフッ
化ビニリデン系共重合体のアッべ屈折率計(ナトリウム
D線)を用いて25℃で測定した屈折率が1.350〜
1.380であることが好ましい。
【0025】なお、鞘材が複層構造からなる場合、最外
層以外の層については特に限定されるものではなく、適
宜設計することが可能である。具体的には、最外層と同
一材料により構成しても良いし、公知のフルオロアルキ
ルメタクリレート系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂、フ
ッ化ビニリデン系樹脂とメタクリレート系樹脂の混合物
等により構成しても良い。但し、第1層(鞘材の最内
層)としては、比較的透明性に優れると共に、芯材や鞘
材の第2層(第1層に隣接する層)に対する密着性に優
れたものを用いることが好ましい。
【0026】(密着層)本発明の光ファイバケーブルに
おいて、光ファイバ素線と被覆材との間に形成する密着
層は、熱可塑性ポリウレタンエラストマ−共重合体(以
下、「TPU」と略す。)を主成分として構成する。T
PUは、光ファイバ素線の鞘材及び一次被覆層との密着
性に優れると共に、ウレタン結合に由来する分子凝集エ
ネルギーが、他の一般的な官能基の結合(アミド結合、
芳香族環、エステル結合、エーテル結合等)と比較して
強固であり、一般的な熱可塑性樹脂の中でも、コスト、
耐熱劣化性、耐加水分解性、圧縮永久歪み性、機械的強
度に優れるため、密着層材料として好適である。また、
耐屈曲性にも優れるため、これを密着層として用いるこ
とにより、光ファイバケーブルが変形した場合でも、光
ファイバ素線に加わる応力などの力学的作用を緩衝効果
により抑制することもできる。
【0027】また、一般に車載用途の被覆材に用いられ
るポリアミド樹脂は、高価であるとともに、一般的な熱
可塑性樹脂の中でも弾性率が高く、これを用いた光ファ
イバケーブルが硬くなる傾向にあることや、成形直後か
ら結晶化が徐々に進行するため、ボビンに光ファイバケ
ーブルを巻いて保管した場合、巻き癖がついて、光ファ
イバケーブルの取り扱い性が低下するという問題があ
る。しかしながら、本発明においては、被覆材に用いら
れるポリアミド樹脂の一部をTPUにおきかえているの
で、上記のような光ファイバケーブルの巻き癖等の問題
を低減することができる。
【0028】TPUはソフトセグメントブロックの構造
によって分類されるが、本発明の密着層に用いて好適な
TPUとしては、ポリカーボネート系TPU、ポリエー
テル系TPU、アジペート系TPU、ラクトン系TPU
等を例示できる。これらは、いずれも比較的溶融温度が
低く、比較的低温で光ファイバ素線の外周に形成するこ
とができるため、光ファイバ素線の伝送性能を熱劣化さ
せずに密着層を形成することができ、好適である。
【0029】また、例示したTPUの中でも、ポリカー
ボネート系TPUは、カーボネート構造単位中のベンゼ
ン環同士の疎水性相互作用に由来する、分子鎖間の結合
力が強固であるため、耐熱安定性に優れると共に、単位
質量当たりのウレタン結合数が多いため、鞘材の最外層
を構成するフッ化ビニリデン系樹脂、及び後述する一次
被覆層を構成するポリアミド系樹脂との初期密着強度が
大きく、光ファイバケーブルに耐熱性が要求される場合
に用いて好適である。
【0030】ポリカーボネート系TPUは、ポリカーボ
ネートジオール単位(A)と有機ジイソシアネ−ト単位
(B)とを有するソフトセグメントブロック、及び特定
の数平均分子量の有機ジオールから選択される鎖伸長剤
(C)と有機ジイソシアネ−ト単位(D)とを有するハ
ードセグメントブロックとにより構成される。
【0031】ポリカーボネート系TPUのソフトセグメ
ントブロックを構成するポリカーボネートジオール単位
(A)は、カーボネート化合物とジオールとを反応させ
て得ることができる。ここで、カーボネート化合物とし
ては、ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネー
ト、エチレンカーボネート等を例示することができる。
ジオールとしては、低級アルコールで置換されていても
良いエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタン
ジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オク
タンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデ
カンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジオ
ール、水添キシリレングリコール等の脂環式ジオール、
キシリレングリコール等の芳香族ジオール等を例示する
ことができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を
組み合わせて用いることができる。中でも、ブタンジオ
ール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘ
プタンジオール、メチルオクタンジオール、ノナンジオ
ール等の炭素数4〜9の脂肪族ジオールが好適である。
【0032】ポリカーボネートジオール単位(A)とし
ては、具体的には、ポリ(ヘキサンジオールカーボネー
ト)、ポリテトラヒドロフランのポリカーボネート、ポ
リ(ノナンジオールカーボネート)、ポリ(3−メチル
ー1,5−ペンタメチレンカーボネート)等が挙げられ
る。また、ポリカーボネートジオール単位(A)の中で
も、TPUのコスト、接着性、耐熱性、成形加工安定性
等の観点から、ジエチルカーボネート又はジフェニルカ
ーボネートと1,6−ヘキサンジオールとからなるポリ
エステル型ポリオールが特に好適である。
【0033】ポリカーボネートジオール(A)の数平均
分子量は500〜10,000であることが好ましく、
600〜4,000であることがより好ましく、1,5
00〜2,500であることが特に好ましい。数平均分
子量が10,000超では、密着層材料の流動性が低下
して、光ファイバ素線への被覆安定性が悪化する恐れが
あり、500未満では、密着層の熱変形温度が低くな
り、高温での接着効果が低下する恐れがある。
【0034】一方、上記TPUの中で、ポリエーテル系
TPUは、ポリエーテルジオール単位(E)と有機ジイ
ソシアネ−ト単位(B)とを有するソフトセグメントブ
ロック、及び特定の数平均分子量の有機ジオールから選
択される鎖伸長剤(C)と有機ジイソシアネ−ト単位
(D)とを有するハードセグメントブロックとにより構
成される。
【0035】かかるポリエーテル系TPUは、単位質量
当たりのウレタン結合数が少なく加水分解を受けにくい
ため、耐湿熱安定性に優れるという特徴がある。また、
ソフトセグメントを構成するポリエーテルジオール単位
(E)のガラス転移温度が−80〜−100℃付近にあ
るため低温屈曲性に優れ、光ファイバケーブルが広い温
度範囲で使用される場合に用いて好適である。さらに、
アニール等の熱処理により、ソフトセグメントを構成す
るポリエーテルジオール単位(E)は、熱的な安定構造
をとるように分子鎖の再配列が起こるため、分子鎖充填
密度が向上し、一次被覆層がナイロン12又はナイロン
11等のポリアミド系樹脂からなる場合に、メチレン鎖
同士の疎水性相互作用が増加し、一次被覆層との密着強
度が増加する傾向にある。以上の理由から、ポリエーテ
ル系TPUは、光ファイバケーブルに耐湿熱性や低温屈
曲性が要求される場合に用いて好適である。
【0036】ポリエーテル系TPUのソフトセグメント
ブロックを構成するポリエーテルジオール単位(E)と
しては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
テトラヒドロフラン、オキセタン等の開環重合可能な単
量体を重合して得られる単独重合体、又はこれらの開環
重合可能な単量体と2官能性の水酸基化合物との共重合
体(例えば、テトラヒドロフランとネオペンチルグリコ
ールとの共重合体)等を例示できる。中でも、TPUの
コスト、接着性、耐熱性、成形加工安定性等の観点か
ら、ポリオキシプロピレングリコール、又はポリオキシ
テトラメチレングリコールが特に好適である。
【0037】ポリエーテルジオール単位(E)の数平均
分子量は500〜4,000であることが好ましく、
1,000〜3,000であることがより好ましい。ポ
リエーテルジオール単位(E)の数平均分子量が500
未満では、密着層材料の流動性が低下して、光ファイバ
素線への被覆安定性が悪化する恐れがあり、4,000
超では、密着層の熱変形温度が低くなり、高温での接着
効果が低下する恐れがある。
【0038】また、耐熱性、耐湿熱性の双方を向上させ
たい場合は、ソフトセグメントブロックを構成するジオ
ール単位として、上述したポリカーボネートジオール
(A)とポリエーテルジオール(E)とを併用しても良
い。
【0039】TPUのソフトセグメントブロックを構成
する有機ジイソシアネ−ト単位(B)、ハードセグメン
トブロックを構成する有機ジイソシアネ−ト単位(D)
としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ヘキシル−ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
ルエンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシア
ネート、m−又はp−フェニレンジイソシアネート、m
−又はp−キシリレンジイソシアネート、テトラクロロ
−m−又はp−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシア
ネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,
3’−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,
4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6’−ヘキ
サンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキ
シルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネート
エチル)フマレート、6−イソプロピルー1,3−フェ
ニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソ
シアネート等を例示できる。これらは1種を単独で、又
は2種以上を組み合わせて用いることができる。中で
も、ベンゼン環を有する4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネートが、ベンゼン環に由来する分子間力(フ
ァンデルワールス力)によって、光ファイバケーブルに
耐熱性、良好な高温特性を与えることができると共に、
反応性に優れ、安価であることから、特に好適である。
【0040】TPUのハードセグメントブロックを構成
する鎖伸長剤(C)としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3
−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ヘキサ
メチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、ハイドロキノンビス-2-ヒドロキシエ
チルエーテル等の有機ジオールを例示できる。これらの
中でも1,4−ブタンジオールは、適度な結晶性を有す
るため強度的に安定であり、密着性向上効果に優れ、安
定した高温・低温特性を付与できることから、特に好適
である。また、ハイドロキノンビス-2-ヒドロキシエチ
ルエーテルは、熱可塑性加工での熱分解性を抑制する作
用があることから好適である。
【0041】TPUの製造法としては、有機ジイソシア
ネート、鎖伸長剤、長鎖ポリオールの3成分を一括混合
し、80℃以上の温度で反応させるワンショット法や、
ポリオールと有機ジイソシアネートを反応させた後、鎖
伸長剤と反応させるプレポリマー法等が挙げられる。
【0042】密着層に用いて好適なTPUは、市販品と
しても入手可能である。市販のポリカーボネート系TP
Uとしては、例えば、DN−980、DN−981、D
N−982、DN−983(日本ポリウレタン(株)
製)、PMC−2000、PMC−1000、PNOC
−2000、PNOC−1000(クラレ(株)製)、プラ
クセルCD220、CD210、CD220PL、CD
210PL、CD210HL、CD210HL(ダイセ
ル化学工業(株)製)、PC−8000(米国PPG社
製)、PC-THF−CD(BASF製)、パンデック
スT−9280、T−9290、デスモパンDes78
6、Des790、Des795(商標、DIC・バイ
エルポリマー社製)、ミラクトランE980、E98
5、E990,E995、E998(商標、日本ミラク
トラン社製)等が挙げられる。
【0043】また、市販のポリエーテル系TPUとして
は、例えば、パンデックスT−8180、T−818
5、T−8190、T−8195、T−8198、デス
モパンKA−8333(商標、DIC・バイエルポリマ
ー社製)、ミラクトランE380、E385、E39
0,E395、E398、P390、P395(商標、
日本ミラクトラン社製)、クラミロンU―9180、U
―9185、U―9190、U―9195(商標、クラ
レ社製)等が挙げられる。
【0044】また、本発明の光ファイバケーブルの密着
層を構成するTPUの数平均分子量は30,000〜5
0,000であることが好ましい。数平均分子量が3
0,000未満では、引っ張りモジュラスや引っ張り強
さが低下するため、光ファイバケーブルが変形した際に
密着層が変形破断する恐れや、密着層の低温回復性が低
下する等の恐れがある。また、50,000超では、密
着層の耐屈曲性や流動性が低下する恐れがある。
【0045】また、TPUの荷重を5kgとして測定し
た230℃におけるメルトフローインデックスが50〜
200g/10分であることが好ましい。かかる流動性
を有するTPUを用いることは、ケーブル加工安定性の
観点から好ましい。また、TPUのショアA硬度が70
以上であることが好ましい。光ファイバケーブルの一次
被覆層上にプラグをかしめ固定し、プラグ付き光ファイ
バケーブルとして使用する場合、ショアA硬度が70未
満では、プラグが外れ易くなる恐れがある。
【0046】また、本発明の光ファイバケーブルにおい
て、密着層の厚みは5〜600μmであることが好まし
く、10〜100μmであることがより好ましく、20
〜50μmであることが特に好ましい。密着層の厚みが
5μm未満では、光ファイバ素線と密着層との密着性向
上効果が十分に発現しない恐れがあると共に、均一な厚
みで密着層を形成することが困難となる傾向にある。ま
た、密着層の厚みが600μm超では、プラグ付き光フ
ァイバケーブルとして使用する場合に、プラグが外れ易
くなる恐れがある。
【0047】(被覆材)本発明の光ファイバケーブルに
おいて、光ファイバ素線の外周には、少なくとも1層の
被覆層からなる被覆材が形成されるが、被覆材の最内層
である一次被覆層は、熱可塑性樹脂を主成分として構成
する。なお、各被覆層は単層構造であっても複層構造で
あっても良い。一次被覆層に用いて好適な熱可塑性樹脂
としては、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素系樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合体を例示することができる。これらは1
種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
【0048】車載用途のように一次被覆層に耐熱性及び
耐溶剤性が要求される場合には、例示した中でも、ポリ
アミド系樹脂を用いることが好ましい。ポリアミド系樹
脂は、比較的融点が低いために加工性に優れていること
に加えて、耐屈曲性、寸法安定性(熱収縮性)に優れる
という特徴がある。また、ポリアミド系樹脂を用いた場
合、密着層を構成するTPU中の極性の高いウレタン結
合やエステル結合と、ポリアミド系樹脂中の極性の高い
アミド結合との間に強い相互作用が発現するため、密着
層と一次被覆層と間の密着性に優れた光ファイバケーブ
ルを提供できる。
【0049】ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイ
ロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン6-12などの単独重合体や、
これらの組合せからなる共重合体、柔軟なセグメントを
導入したナイロン系エラストマーなどが挙げられる。こ
れらは1種を単独で、又は2種類以上を組み合わせて用
いることができる。また、必要に応じて、他の重合体や
化合物を含有するものであっても良い。これらはいずれ
も溶融温度が低いため、光ファイバ素線の伝送性能を熱
劣化させない比較的低い温度で一次被覆層を形成でき、
好適である。
【0050】中でも特に、ナイロン11及びナイロン1
2は、成形性が良好で、光ファイバ素線に熱的・機械的
ダメージを与えにくいだけではなく、密着層との密着性
に優れるため、好適である。また、ナイロン11は、ナ
イロン12に比較して、低温衝撃性、耐屈曲疲労性、耐
摩耗性に優れ、引っ張り破断伸び、曲げ弾性が低く、線
膨張係数、ガス透過性が小さいという優れた特性を有す
る。そのため、ポリアミド系樹脂としてナイロン11を
用いると、ナイロン12を用いた場合に比較して、より
柔軟で耐疲労性に優れ、高温環境下でのピストンニング
が小さく、伝送特性の劣化の少ない光ファイバケーブル
を提供できる。また、ナイロン12を用いた場合には、
形成後にナイロン12の結晶化が進行し、光ファイバケ
ーブルが徐々に硬くなる恐れがあるが、ナイロン12よ
りも融点が約10℃高いナイロン11を用いる場合に
は、PMMAを芯材に使用した光ファイバ素線の通常の
使用上限である80℃程度の温度においても、光ファイ
バケーブルが硬化しないため好ましい。また、ナイロン
11は、耐屈曲性や耐摩耗性に優れるため、光ファイバ
ケーブルが変形した場合の光ファイバ素線に加わる応力
などの力学的作用や、高温環境下での光ファイバ素線の
収縮をより抑制することができる。
【0051】また、一次被覆層の厚みは5〜1000μ
mであることが好ましく、50〜600μmであること
がより好ましい。一次被覆層の厚みが5μm未満では、
光ファイバ素線と一次被覆層の間の引き抜き強度が低下
する恐れや、耐熱性、耐薬品性、耐屈曲性が不十分とな
る恐れがあり、好ましくない。また、一次被覆層の厚み
が1000μm超では、光ファイバケーブルの弾性率が
高くなるため取り扱い性が低下すると共に、一次被覆層
の材料コストが高くなるため、好ましくない。
【0052】本発明の光ファイバケーブルによれば、光
ファイバ素線と一次被覆層との間の初期引き抜き強度を
25N以上とすることができ、30N以上、あるいは4
0N以上とすることも可能である。なお、「光ファイバ
素線と一次被覆層の間の引き抜き強度が25N以上であ
る」ということは、光ファイバ素線と密着層との間、及
び密着層と一次被覆層との間の引き抜き強度がいずれも
25N以上であることを意味する。光ファイバケーブル
の一端にプラグを固定し、プラグを介して他の機器等と
接続した後振動などの機械的作用を受けた場合、光ファ
イバ素線と一次被覆層との密着性が不十分であれば、光
ファイバ素線に過剰な力が作用して、光ファイバ素線が
破断する場合もあるが、光ファイバ素線と一次被覆層の
間の引き抜き強度が25N以上、好ましくは30N以
上、より好ましくは40N以上であれば、光ファイバ素
線と一次被覆層の間の密着性が十分に強いため、かかる
恐れはなく、光ファイバ素線の破断を防止することがで
きる。
【0053】なお、一次被覆層が複層構造からなる場
合、一次被覆層の各層間の引き抜き強度はいずれも50
N以上であることが好ましく、60N以上であることが
より好ましい。一次被覆層の各層間の引き抜き強度が5
0N未満では、一次被覆層の層間の密着性が不十分なこ
とに起因して、一次被覆層を設けた効果が十分に発現し
ない場合がある。
【0054】また、本発明の光ファイバケーブルは、光
ファイバ素線への外光の入射を防止するために、一次被
覆層にカーボンブラック等の黒色無機成分を含有させて
も良い。
【0055】また、耐久性、耐環境特性などをさらに良
好なものとするために、一次被覆層の外周に熱可塑性樹
脂からなる二次被覆層を形成する構成としても良い。二
次被覆層の材料としては、光ファイバケーブルの使用環
境に応じて適宜選択することができるが、特に自動車内
配線用などでは、二次被覆層として、耐油性、耐熱性等
に優れた材料を用いることが好ましい。具体的には、ナ
イロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン6-12等の単独重合体や、これらの組合
せからなるナイロン共重合体、柔軟なセグメントを導入
したナイロン系エラストマーを主成分とするポリアミド
系樹脂が好ましい。また、これらの中でも、成形性が良
好で、光ファイバケーブルに熱的及び機械的ダメージを
与えにくいことから、ナイロン系エラストマー、又はナ
イロン系エラストマーと他のポリアミド系樹脂との混合
物が好ましい。
【0056】また、二次被覆層は、光ファイバケーブル
の接続作業時などに必要に応じて剥離可能に構成するこ
とが好ましい。具体的には、一次被覆層と二次被覆層と
の間の引き抜き強度は10〜30Nであることが好まし
く、15〜25Nであることがより好ましい。一次被覆
層と二次被覆層との間の引き抜き強度が10N未満で
は、二次被覆層から一次被覆層と共に光ファイバ素線が
簡単に抜けてしまうなど、取り扱い性が低下する恐れが
ある。また、一次被覆層と二次被覆層との間の引き抜き
強度が30N超ではストリッピング性が悪くなり、光フ
ァイバケーブルの接続作業時などにおいて二次被覆層を
剥離する際に、一次被覆層が伸びてしまい、取り扱い性
が低下する恐れがある。なお、一次被覆層と二次被覆層
との間の引き抜き強度は、一次被覆層の最外層と二次被
覆層の最内層に用いる材料の組合せや、被覆方法等によ
り調整可能である。また、二次被覆層が複層構造である
場合、各層間の引き抜き強度は適宜設定できる。
【0057】また、光ファイバケーブルに難燃性を付与
するために、被覆材の最外層に、難燃剤を含有させるこ
とが好ましい。難燃剤としては、公知の各種金属水酸化
物、燐化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる
が、中でも、ポリアミド系樹脂の難燃性向上効果が大き
いトリアジン系化合物が好ましく、特にシアヌル酸メラ
ミンが好ましい。
【0058】また、被覆材の最外層には着色剤等を添加
しても良く、かかる構成とすることにより、光ファイバ
ケーブルの識別性、意匠性を容易に高めることができ
る。着色剤としては公知のものを使用できるが、染料系
の着色剤は高温下などで光ファイバ素線に移行して伝送
損失を増大させる恐れがあるため、無機顔料を用いるこ
とが好ましい。
【0059】本発明の光ファイバケーブルは、公知の方
法により製造できる。例えば、クロスヘッド型被覆装置
を用いた押出被覆により、光ファイバ素線の外周に、密
着層、被覆材の各層を順次積層する方法や、光ファイバ
素線の材料に、密着層、被覆材の各層の材料を積層し
て、複合紡糸する方法などが挙げられる。これらの中で
も、光ファイバ素線と一次被覆層との間や、一次被覆層
と二次被覆層との間の引き抜き強度を、所望の値に簡易
に制御することができることから、クロスヘッド型被覆
装置を用いて、光ファイバ素線の外周に、密着層、被覆
材の各層を順次積層する方法が好ましい。
【0060】以上説明したように、本発明によれば、鞘
材の最外層を、フッ化ビニリデン単位を有する共重合体
を主成分とし、密着層を、熱可塑性ポリウレタンエラス
トマ−共重合体を主成分とし、一次被覆層を、熱可塑性
樹脂を主成分として構成したので、光ファイバ素線と一
次被覆層との密着性に優れ、プラグ取り付け時の操作性
に優れた光ファイバケーブルを提供することができる。
また、熱可塑性ポリウレタンエラストマ−共重合体は柔
軟性にも優れるため、被覆層にポリアミド系樹脂を用い
た場合においても、柔軟で、敷設時等の取り扱い性に優
れた光ファイバケーブルを提供することができる。
【0061】また、熱可塑性ポリウレタンエラストマ−
共重合体は、「従来の技術」の項において述べた密着層
材料(特定のポリアミド系樹脂やフッ化ビニリデン系樹
脂)に比較して安価であるので、光ファイバケーブルの
製造コストが増大する恐れもない。また、「従来の技
術」の項において述べた密着層材料(特定のポリアミド
系樹脂やフッ化ビニリデン系樹脂)では、密着層材料を
調製する際に混練工程が必須であるため、混練の際に樹
脂の均一な分散や分散の再現性が困難となる恐れがある
が、本発明では、密着層を熱可塑性ポリウレタンエラス
トマ−共重合体のみにより構成することにより、混練工
程を省略することができるので、好適である。なお、本
発明において密着層に他の成分を配合することも可能で
あり、この場合は、混練時に再現性よく均一に分散させ
ることが可能な成分を用いることが好ましい。さらに、
被覆材の最外層をポリアミド系樹脂等により構成すれ
ば、耐熱性、難燃性、耐薬品性等の化学的安定性に優れ
た光ファイバケーブルを提供することができる。
【0062】したがって、本発明によれば、光ファイバ
素線と被覆層との密着性や取り扱い性に優れ、耐熱性、
難燃性、耐薬品性等の化学的安定性に優れ、自動車内な
ど、狭く、高温多湿の厳しい環境下で使用した場合であ
っても優れた特性を示すと共に、狭い空間への敷設も容
易な光ファイバケーブルを提供することができる。
【0063】[プラグ付き光ファイバケーブル]以上の
本発明の光ファイバケーブルの少なくとも一端に、プラ
グを接続、固定することにより、本発明のプラグ付き光
ファイバケーブルを提供することができる。光ファイバ
ケーブルにプラグを接続、固定し、プラグ付き光ファイ
バケーブルとすることにより、信号源である光源や検知
器に組み込まれたユニットのハウジング、他の光ファイ
バケーブル等と容易に接続することができる。
【0064】プラグとしては、光ファイバケーブルを挿
入する挿入孔が形成されたプラグ本体と、光ファイバケ
ーブルをこのプラグ本体に固定するためのストッパを備
えたものを例示できる。また、光ファイバケーブルにプ
ラグを固定する箇所についても限定されるものではない
が、例えば、光ファイバケーブルのプラグを接続する側
の端部の一次被覆層上が好適である。なお、二次被覆層
を備えた光ファイバケーブルで、一次被覆層にプラグを
固定する場合には、端部の二次被覆層を剥離して一次被
覆層を露出させ、この露出した部分の一次被覆層にプラ
グを取り付ければ良い。また、本発明のプラグ付き光フ
ァイバケーブルにおいて、プラグ引き抜き強度は50N
以上であることが好ましい。以上の本発明のプラグ付き
光ファイバケーブルによれば、本発明の光ファイバケー
ブルと同等の効果が得られる。
【0065】
【実施例】次に、本発明に係る実施例及び比較例につい
て詳述する。 (実施例1)以下のようにして芯材が単層構造、鞘材が
2層構造の光ファイバ素線を得た。すなわち、芯材材料
としてPMMA、鞘材の第1層(鞘材の最内層)材料と
して、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート
(3FM)/2−(パーフルオロオクチル)エチルメタ
クリレート(17FM)/メタクリル酸メチル/メタク
リル酸共重合体(各成分の質量比51/31/17/
1)、鞘材の第2層(鞘材の最外層)材料として、フッ
化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(各成分の質量比48/43/
9、屈折率1.374)を用い、これらを溶融して、2
25℃の紡糸ヘッドに供給し、同心円状複合ノズルを用
いて複合紡糸した後、150℃の熱風加熱炉中で繊維軸
方向に2倍に延伸し、鞘材の第1層の厚み10μm、鞘
材の第2層の厚み10μmの外径1mmの光ファイバ素
線を得た。得られた光ファイバ素線の伝送損失は130
dB/kmであった。次いで、得られた光ファイバ素線
の外周に、クロスヘッドケーブル被覆装置を用いて、2
00℃に設定したクロスヘッドダイにて、ポリカーボネ
ート系TPUであるパンデックスT−9290(商標、
DIC・バイエルポリマー社製、ショアA硬度90)か
らなる100μmの厚みの密着層、及びナイロン12
(ダイアミド L1640、ダイセル・デグサ社製)か
らなる150μmの厚みの一次被覆層を一括形成し、外
径1.5mmの光ファイバケーブルを得た。この光ファ
イバケーブルの外周に、ナイロン6-12(ダイアミド
N1901、ダイセル・デグサ社製)を、クロスヘッ
ドケーブル被覆装置を用いて被覆し、350μmの厚み
の二次被覆層を形成し、2層構造の被覆材を有する外径
2.2mmの光ファイバケーブルを得た。
【0066】(実施例2)鞘材の第2層材料を、フッ化
ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体(各成分
の質量比72/28)に変更した以外は、実施例1と同
様にして、光ファイバケーブル及びプラグ付き光ファイ
バケーブルを得た。 (実施例3)密着層材料を、ポリエーテル系TPUであ
るデスモパンDES KA−8333(商標、DIC・
バイエルポリマー社製、ショアD硬度66)に変更した
以外は、実施例1と同様にして、光ファイバケーブル及
びプラグ付き光ファイバケーブルを得た。
【0067】(実施例4)密着層材料を、ポリエーテル
系TPUであるパンデックスT−8190(商標、DI
C・バイエルポリマー社製)に変更した以外は、実施例
1と同様にして、光ファイバケーブル及びプラグ付き光
ファイバケーブルを得た。 (実施例5)鞘材の第2層材料を、フッ化ビニリデン/
テトラフルオロエチレン共重合体(各成分の質量比72
/28)に変更した以外は、実施例3と同様にして、光
ファイバケーブル及びプラグ付き光ファイバケーブルを
得た。 (実施例6)密着層材料を、アジペート系TPUである
パンデックスT-1190(商標、DIC・バイエルポ
リマー社製)に変更した以外は、実施例1と同様にし
て、光ファイバケーブル及びプラグ付き光ファイバケー
ブルを得た。
【0068】(比較例1)密着層材料を、ナイロン11
(Rilsan BMF−0、アトフィナ社製)に変更
した以外は、実施例1と同様にして、光ファイバケーブ
ル及びプラグ付き光ファイバケーブルを得た。
【0069】各実施例、比較例において作製した光ファ
イバケーブルの組成を表1に示す。なお、表1における
略号は以下の化合物を示す。 VdF:フッ化ビニリデン TFE:テトラフルオロエチレン HFP:ヘキサフルオロプロピレン PA12:ナイロン12 PA11:ナイロン11 PA612:ナイロン6-12 PMMA:ポリメタクリル酸メチル フッ素化メタクリレート共重合体:2,2,2−トリフ
ルオロエチルメタクリレート/2−(パーフルオロオク
チル)エチルメタクリレート/メタクリル酸メチル/メ
タクリル酸共重合体(各成分の質量比51/31/17
/1)
【0070】(評価項目及び評価方法)各実施例、比較
例において得られた光ファイバケーブル及びプラグ付き
光ファイバケーブルについて以下の評価を行った。 <伝送損失>光ファイバ素線及び光ファイバケーブルの
伝送損失(dB/km)を25m−5mカットバック法
により測定した。なお、650nmの波長の光を用い、
入射光のNA(開口数)を0.1とした。
【0071】<引き抜き強度>光ファイバケーブルの引
き抜き強度を、図1に示す、光ファイバケーブル10を
保持する治具12と、治具12の一端部に形成された突
起14を把持するチャック8と、光ファイバケーブル1
0の剥離部分5を把持するチャック7とを備えた測定装
置20を用いて測定した。治具12には、光ファイバケ
ーブル10の被覆部分4が収容される保持室13と、光
ファイバケーブル10の剥離部分5よりも大きく被覆部
分4よりも狭い貫通孔15が形成されている。測定にあ
たっては、一端側の被覆層を剥離した長さ100cmの
光ファイバケーブル10を用意し、光ファイバケーブル
10の被覆部分4の長さが30mmになるように切断し
た。なお、光ファイバ素線と一次被覆層との間の引き抜
き強度を測定する場合は一次被覆層及び二次被覆層を剥
離し、一次被覆層と二次被覆層との間の引き抜き強度を
測定する場合は、二次被覆層のみを剥離した。次に、治
具12に形成されている保持室13内に光ファイバケー
ブル10の被覆部分4を収容し、光ファイバケーブル1
0の剥離部分5を貫通孔15から抜き出した。次に、治
具12の一端部に形成されている突起14をチャック8
で把持し、光ファイバケーブル10の剥離部分5をチャ
ック7で把持した。次に、光ファイバケーブル10の中
心軸方向(図中矢印方向)に沿って、一定速度50mm
/minでチャック8を移動させて治具12を引っ張
り、光ファイバケーブル10の被覆部分4において剥離
部分5よりも厚い部分を引き抜いた。このときの引き抜
き応力と、光ファイバケーブル10の被覆部分4におい
て剥離部分5よりも厚い部分の引き抜き方向へのずれ量
との関係を示す曲線から、引き抜く際の応力のピーク値
を読みとり測定値とした。また、プラグ付き光ファイバ
ケーブルのプラグ引き抜き強度を同様に測定した。な
お、密着層にポリカーボネート系TPU、ポリエーテル
系TPUを用いたプラグ付き光ファイバケーブルの一次
引き抜き強度については、引き抜き強度の耐湿熱安定性
を見るため、初期の他、85℃、相対湿度(RH)85
%のオーブンに500時間放置した後についても、測定
を行った。
【0072】(結果)各実施例、比較例において得られ
た結果を表2に示す。なお、表2において、「一次引き
抜き強度」、「二次引き抜き強度」は、各々、光ファイ
バ素線と一次被覆層との間の引き抜き強度、一次被覆層
と二次被覆層との間の引き抜き強度を示す。表2に示す
ように、鞘材の最外層(鞘材の第2層)をフッ化ビニリ
デン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピ
レン3元共重合体、又はフッ化ビニリデン/テトラフル
オロエチレン2元共重合体により構成し、一次被覆層を
ナイロン12により構成し、密着層をポリカーボネート
系TPU、ポリエーテル系TPU、アジペート系TPU
のいずれかにより構成した実施例1〜6において得られ
た光ファイバケーブルの伝送損失は133〜136dB
/kmと小さく良好であった。また、光ファイバ素線と
一次被覆層との間の初期引き抜き強度は28〜50Nで
あり、光ファイバ素線と一次被覆層との密着性も良好で
あった。また、密着層にポリカーボネート系TPU又は
ポリエーテル系TPUを用いた実施例1〜5では、得ら
れた光ファイバケーブルを、温度85℃、相対湿度85
%で500時間放置しても、引き抜き強度の低下は見ら
れなかった。また、一次被覆層と二次被覆層との間の初
期引き抜き強度も20Nと良好であった。また、プラグ
付き光ファイバケーブルの初期のプラグ引き抜き強度も
45〜51Nと良好であった。これに対して、密着層を
ナイロン11により構成した比較例1では、光ファイバ
素線と一次被覆層との間の初期引き抜き強度が18N
と、実施例に比較して小さく、光ファイバ素線と一次被
覆層との密着性が不十分であった。以上の結果から、密
着層材料としてTPUを用いることにより、光ファイバ
素線と一次被覆層との密着性に優れた光ファイバケーブ
ルが得られることが判明した。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
光ファイバ素線と被覆層との密着性に優れると共に、柔
軟で取り扱い性に優れ、安価な光ファイバケーブル、及
び該光ファイバケーブルを用いたプラグ付光ファイバケ
ーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る実施例及び比較例にお
ける引き抜き強度の測定方法を説明するための断面図で
ある。
【符号の説明】
10 光ファイバケーブル 20 測定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 窪 洋恵 富山県富山市海岸通3番地 三菱レイヨン 株式会社富山事業所内 (72)発明者 中村 一己 東京都港区港南1丁目6番41号 三菱レイ ヨン株式会社内 Fターム(参考) 2H050 AB43X AC71 BB03Q BB10S BB14R BC04 BC05

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材及びその外周に形成された単層又は
    複層構造の鞘材からなる光ファイバ素線が、少なくとも
    1層の被覆層からなる被覆材により被覆された光ファイ
    バケーブルにおいて、 前記鞘材と前記被覆材との間には、これらの密着性を向
    上させるための密着層が設けられていると共に、 前記鞘材の最外層が、フッ化ビニリデン単位を有する共
    重合体を主成分とし、 前記密着層が、熱可塑性ポリウレタンエラストマ−共重
    合体を主成分とし、 前記被覆材の一次被覆層が、熱可塑性樹脂を主成分とす
    ることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 【請求項2】 前記密着層が、ポリカーボネート系熱可
    塑性ポリウレタンエラストマ−共重合体、又はポリエー
    テル系熱可塑性ポリウレタンエラストマ−共重合体のう
    ち、少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする請
    求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 【請求項3】 前記密着層が、数平均分子量500〜1
    0,000のポリカーボネートジオール単位(A)と有
    機ジイソシアネ−ト単位(B)とを有するソフトセグメ
    ントブロック、及び数平均分子量60〜400の有機ジ
    オールから選択される鎖伸長剤(C)と有機ジイソシア
    ネ−ト単位(D)とを有するハードセグメントブロック
    を有するポリカーボネート系熱可塑性ポリウレタンエラ
    ストマ−共重合体を主成分とすることを特徴とする請求
    項2に記載の光ファイバケーブル。
  4. 【請求項4】 前記ソフトセグメントブロックが、ジエ
    チルカーボネート単位又はジフェニルカーボネート単位
    と、1,6−ヘキサンジオール単位とを有するポリエス
    テル型ポリオールからなる長鎖ポリオール単位と、4,
    4’−ジフェニルメタンジイソシアネート単位とを有
    し、 前記ハードセグメントブロックが、1,4−ブタンジオ
    ール単位と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
    ト単位とを有することを特徴とする請求項3に記載の光
    ファイバケーブル。
  5. 【請求項5】 前記密着層が、ポリエーテルジオール単
    位(E)と有機ジイソシアネ−ト単位(B)とを有する
    ソフトセグメントブロック、及び数平均分子量60〜4
    00の有機ジオールから選択される鎖伸長剤(C)と有
    機ジイソシアネ−ト単位(D)とを有するハードセグメ
    ントブロックを有するポリエーテル系熱可塑性ポリウレ
    タンエラストマ−共重合体を主成分とすることを特徴と
    する請求項2に記載の光ファイバケーブル。
  6. 【請求項6】 前記ソフトセグメントブロックが、ポリ
    オキシプロピレングリコール単位又はポリオキシテトラ
    メチレングリコール単位と、4,4’−ジフェニルメタ
    ンジイソシアネート単位とを有し、 前記ハードセグメントブロックが、1,4−ブタンジオ
    ール単位と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
    ト単位とを有することを特徴とする請求項5に記載の光
    ファイバケーブル。
  7. 【請求項7】 前記密着層を構成する熱可塑性ポリウレ
    タンエラストマ−共重合体の数平均分子量が30,00
    0〜50,000であり、荷重を5kgとして測定した
    230℃におけるメルトフローインデックスが50〜2
    00g/10分であることを特徴とする請求項1から請
    求項6までのうちいずれか1項に記載の光ファイバケー
    ブル。
  8. 【請求項8】 前記密着層を構成する熱可塑性ポリウレ
    タンエラストマ−共重合体のショアA硬度が70以上で
    あることを特徴とする請求項1から請求項7までのうち
    いずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  9. 【請求項9】 前記密着層の厚みが5〜600μmであ
    ることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれ
    か1項に記載の光ファイバケーブル。
  10. 【請求項10】 前記鞘材の最外層を構成するフッ化ビ
    ニリデン単位を有する共重合体が、フッ化ビニリデン単
    位60〜85質量%とテトラフルオロエチレン単位15
    〜40質量%との2元共重合体、又はフッ化ビニリデン
    単位10〜50質量%とテトラフルオロエチレン単位2
    0〜85質量%とヘキサフルオロプロピレン単位5〜3
    5質量%との3元共重合体であることを特徴とする請求
    項1から請求項9までのいずれか1項に記載の光ファイ
    バケーブル。
  11. 【請求項11】 前記一次被覆層を構成する熱可塑性樹
    脂が、ポリアミド系樹脂を主成分とすることを特徴とす
    る請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の
    光ファイバケーブル。
  12. 【請求項12】 前記一次被覆層を構成する熱可塑性樹
    脂が、ナイロン11又はナイロン12を主成分とするこ
    とを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか
    1項に記載の光ファイバケーブル。
  13. 【請求項13】 前記光ファイバ素線と前記密着層との
    間、及び前記密着層と前記一次被覆層との間の初期引き
    抜き強度がいずれも25N以上であることを特徴とする
    請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の光
    ファイバケーブル。
  14. 【請求項14】 前記被覆材が、ポリアミド系樹脂を主
    成分とする二次被覆層を有することを特徴とする請求項
    1から請求項13までのいずれか1項に記載の光ファイ
    バケーブル。
  15. 【請求項15】 前記一次被覆層と前記二次被覆層との
    間の引き抜き強度が10〜30Nであることを特徴とす
    る請求項14に記載の光ファイバケーブル。
  16. 【請求項16】 請求項1から請求項15までのいずれ
    か1項に記載の光ファイバケーブルの少なくとも一端
    に、プラグが固定されたことを特徴とするプラグ付き光
    ファイバケーブル。
  17. 【請求項17】 プラグ引き抜き強度が50N以上であ
    ることを特徴とする請求項16に記載のプラグ付き光フ
    ァイバケーブル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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