JP4043957B2 - 光ファイバケーブル、及びプラグ付き光ファイバケーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバケーブル、及びプラグ付き光ファイバケーブルに係り、特に、光ファイバ素線と被覆材との密着性に優れた光ファイバケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック光ファイバ(以下、単に「光ファイバ」と称す。)は、端面加工や取り扱いが容易であり、安価で軽量、大口径が得られる等の利点を有し、FA、OA、LAN等の短・中距離通信等に利用されている。光ファイバは一般に、その外周が被覆材により被覆された光ファイバケーブルの形態で用いられる。以下、本明細書では、光ファイバケーブルを構成する光ファイバのことを「光ファイバ素線」と称す。
【0003】
光ファイバケーブルに耐水性、耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性、耐衝撃性等を付与する手段として、特許文献1〜4には、被覆材にポリプロピレン樹脂を用いることが提案されている。
【0004】
ところで、光ファイバケーブルでは、光ファイバ素線と被覆材との密着性が高いことが重要である。光ファイバ素線と被覆材との密着性が高ければ、光ファイバ素線を振動などから保護することができる。また、光ファイバケーブルの末端にプラグ等を固定する場合、光ファイバ素線と被覆材との密着性が高ければ、被覆材上からプラグ等を締め付けて固定すれば良いので、端末処理を簡略化できる。被覆材上からプラグ等を固定できることは、光ファイバ素線保護の観点からも好ましい。なお、密着性の指標としては引き抜き強度が挙げられる。
加えて、光ファイバケーブルにおいては、高温環境下における被覆材の熱収縮率が小さいことが重要である。被覆材の熱収縮率が小さければ、光ファイバ素線と被覆材との密着性と相俟って、光ファイバ素線の熱収縮を抑制してピストニングを抑えることができる。
さらに、光ファイバケーブルにおいては、取り扱い性の観点から、柔軟性に優れることも重要である。
【0005】
【特許文献1】
特開平6-102442号公報
【特許文献2】
特開平11-323041号公報
【特許文献3】
特開2000-039542号公報
【特許文献4】
特開2002−48923号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ポリプロピレン樹脂は、上述したように耐水性、耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性、耐衝撃性等のバランスに優れるだけではなく、安価で、軽量であることから、光ファイバケーブルの被覆材として好適である。しかしながら、ポリプロピレン樹脂は、光ファイバ素線の鞘材として一般に用いられているフッ化ビニリデン単位を有する共重合体との接着性が低く、光ファイバ素線とポリプロピレン樹脂からなる被覆材との密着性を向上させる技術については報告されていない。また、ポリプロピレン樹脂を被覆材とする光ファイバケーブルの熱収縮率を抑制する技術についても報告されていない。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、光ファイバ素線と被覆材との密着性に優れると共に、熱収縮率が小さく、柔軟で取り扱い性に優れ、安価な光ファイバケーブル、及び該光ファイバケーブルを用いたプラグ付光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討を行い、以下の光ファイバケーブル及びプラグ付き光ファイバケーブルを発明した。
【0009】
本発明の光ファイバケーブルは、芯材及びその外周に形成された単層又は複層構造の鞘材からなる光ファイバ素線が、少なくとも1層の被覆層からなる被覆材により被覆された光ファイバケーブルにおいて、前記鞘材と前記被覆材との間には、これらの密着性を向上させるための密着層が設けられていると共に、前記鞘材の最外層が、フッ化ビニリデン単位を有する共重合体を主成分とし、屈折率が1.31〜1.41の範囲にある樹脂組成物(X)からなり、前記密着層が、(メタ)アクリル酸と、2級アルコール又は3級アルコールとがエステル結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂を主成分とする樹脂組成物(Y)からなり、前記被覆材の最内層が、ポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂組成物(Z)からなることを特徴とする。
なお、本明細書において、「主成分」とは、含有率が60質量%以上、好ましくは70質量%以上の成分であると定義する。
【0010】
本発明の光ファイバケーブルにおいて、樹脂組成物(Z)の主成分であるポリプロピレン樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−エチレン共重合体から選ばれた少なくとも1種が好適である。また、樹脂組成物(Z)が、主成分であるポリプロピレン樹脂100質量部に対して、ビニル芳香族化合物を主成分とする重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主成分とする重合体ブロック(B)とを含むブロック共重合体、もしくはこのブロック共重合体に水素添加してなるブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種のブロック共重合体(C)を5〜40質量部配合した樹脂組成物であることが好ましく、ブロック共重合体(C)としては、特に、スチレンを主成分とする2以上の重合体ブロック(A1)と、共役ジエン化合物を主成分とする重合体ブロックに水素添加してなる1以上の重合体ブロック(B1)とを含むブロック共重合体であり、重合体ブロック(A1)の総含有量が10〜50質量%、数平均分子量が30000〜400000のものが好適である。
【0011】
前記鞘材の最外層の主成分であるフッ化ビニリデン単位を有する共重合体としては、フッ化ビニリデン単位60〜85質量%とテトラフルオロエチレン単位15〜40質量%との2元共重合体、又はフッ化ビニリデン単位10〜60質量%とテトラフルオロエチレン単位20〜70質量%とヘキサフルオロプロピレン単位5〜35質量%との3元共重合体が好適である。
【0012】
前記密着層の主成分である(メタ)アクリル系樹脂に含まれる(メタ)アクリル酸エステル単量体単位のエステル基が、脂環式炭化水素エステル基であることが好ましく、特に、シクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、トリシクロデカニル基から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。また、前記密着層の厚みが5〜600μmであることが好ましい。
【0013】
以上の構成を採用することにより、前記光ファイバ素線と前記密着層、及び前記密着層と前記被覆材の間の初期引き抜き強度が、いずれも15N以上であり、85℃で24時間放置した時の前記被覆材の熱収縮率が0.5%以下であり、85℃で24時間放置した時の前記光ファイバ素線と前記被覆材の間のピストニングが、光ファイバケーブル全長の1/10000以下であり、引張り降伏点強度が100N以上、曲げ弾性が6〜20Nである光ファイバケーブルが提供される。
なお、本明細書における「初期引き抜き強度」、「熱収縮率」、「ピストニング」、「引張り降伏点強度」、「曲げ弾性」の測定方法については、「実施例」の項において説明する。
【0014】
本発明のプラグ付き光ファイバケーブルは、上記の本発明の光ファイバケーブルの少なくとも一端に、プラグが固定されたことを特徴とする。また、このプラグ付き光ファイバケーブルにおいては、プラグ引き抜き強度が50N以上であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
[光ファイバケーブル]
本発明の光ファイバケーブルは、光ファイバ素線と、光ファイバ素線を被覆する少なくとも1層の被覆層からなる被覆材とを備えると共に、光ファイバ素線と被覆材との間に、これらの密着性を向上させるための密着層が形成されたものである。
【0016】
(光ファイバ素線)
本発明の光ファイバケーブルを構成する光ファイバ素線は、芯材とその外周に形成された鞘材とからなる。
芯材としては、公知の材料が使用可能であり、例えば、メタクリル酸メチルの単独重合体(PMMA)又は共重合体を主成分として構成することができる。中でも、透光性・耐久性に優れると共に安価なことから、PMMAを主成分として構成することが好ましい。なお、メタクリル酸メチルの共重合体を用いる場合、メタクリル酸メチル単位の含有量は50質量%以上とすることが好ましい。また、共重合可能な単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、n−アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸エステル類、マレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、スチレン等を例示できる。また、例示した材料の他、耐熱性が要求される場合などには、ポリカーボネート系樹脂や、脂環式ポリオレフィン系樹脂を用いることもできる。
【0017】
鞘材は、単層構造であっても複層構造であっても良いが、少なくとも密着層と接する最外層については、フッ化ビニリデン単位を有する共重合体(フッ化ビニリデン系共重合体)を主成分とする樹脂組成物(X)により構成する。
さらに、フッ化ビニリデン系共重合体の中でも、フッ素原子の含有率が59質量%以上のものが、後述する密着層との密着性に優れると共に、耐屈曲性、耐湿熱性、耐薬品性を向上することができ、取り込み可能な光量を増大することができるので好ましい。
【0018】
鞘材の最外層に用いて好適なフッ化ビニリデン系共重合体としては、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの2元共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロアセトンとの2元共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの2元共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの2元共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの3元共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロアセトンとの3元共重合体、エチレンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの3元共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの2元共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンと(フルオロ)アルキルビニルエーテルとの3元共重合体等を例示できる。
【0019】
これらの中でも、芯材との密着性に優れ、機械的特性が良好な光ファイバ素線が得られることから、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの2元共重合体が好適である。特に、フッ化ビニリデン単位60〜85質量%とテトラフルオロエチレン単位15〜40質量%とからなる2元共重合体は、安価に入手可能であると共に、熱変形温度が高く、耐薬品性、成形加工性に優れることから、好適である。
また、低屈折率であり光ファイバ素線を高開口数化(高NA化)できると共に、光ファイバ素線の曲げ損失光量を低減できることから、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの3元共重合体も好適である。特に、フッ化ビニリデン単位10〜60質量%とテトラフルオロエチレン単位20〜70質量%とヘキサフルオロプロピレン単位5〜35質量%との3元共重合体は、熱変形温度が実用範囲内にあり、成形加工性、耐屈曲性、耐湿熱性、耐薬品性に優れることから、好適である。
【0020】
鞘材の最外層を構成する樹脂組成物(X)のASTM D1238に基づき、荷重を5kgとして測定した230℃におけるメルトフローレートは、光ファイバ素線の紡糸安定性の観点から、5〜200であることが好ましい。
また、光ファイバ素線の曲げ損失光量を十分に低減できることから、樹脂組成物(X)のアッべ屈折率計(ナトリウムD線)を用いて25℃で測定した屈折率が1.31〜1.41であることが好ましい。
【0021】
鞘材が複層構造からなる場合、最外層以外の層については特に限定されるものではなく、適宜設計することが可能である。具体的には、最外層と同一材料により構成しても良いし、フルオロアルキルメタクリレート系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂とメタクリレート系樹脂の混合物等の公知の鞘材用材料により構成しても良い。但し、第1層(鞘材の最内層)としては、比較的透明性に優れると共に、芯材や鞘材の第2層(第1層に隣接する層)に対する密着性に優れたものを用いることが好ましい。
【0022】
以上のように構成される光ファイバ素線は、溶融紡糸法等の公知の方法で製造することができる。
【0023】
本発明の光ファイバケーブルを80℃以上の高温環境や温度差の激しい環境で使用する場合には、ピストニングを抑制するため、光ファイバ素線の熱収縮率が小さいことが好ましい。具体的には、光ファイバ素線を85℃乾熱下で24時間熱処理した時の軸方向の熱収縮率が0.5%以下であることが好ましい。さらに、高温環境下での光ファイバ素線の寸法安定性のより一層の向上及び光ファイバ素線のピストニングのより一層の低減を図るためには、光ファイバ素線の熱収縮率は0.3%以下であることがより好ましい。光ファイバ素線の熱収縮率が0.5%超では、光ファイバケーブルを85℃以上の高温下で長期使用した場合に、被覆材によって光ファイバ素線の収縮を完全に抑制することができずピストニングが発生する恐れがあり、好ましくない。
なお、上記のごとく熱収縮率の小さい光ファイバ素線は、例えば光ファイバを熱処理することにより得られる。熱処理は連続式でもバッチ式でも行うことができるが、芯材のJIS K7121−1987に基づいて測定したガラス転移開始温度Tgと熱処理温度Tが、Tg−30≦T≦Tgを満たす温度で、100時間以下、バッチ式にて熱処理することが好ましい。
【0024】
(密着層)
本発明の光ファイバケーブルにおいて、光ファイバ素線と被覆材との間に形成する密着層は、(メタ)アクリル酸と、2級アルコール又は3級アルコールとがエステル結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂を主成分とする樹脂組成物(Y)により構成する。
【0025】
(メタ)アクリル酸と、2級アルコール又は3級アルコールとがエステル結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂は、光ファイバ素線の最外層(すなわち鞘材の最外層)及び被覆材との密着性に優れると共に、湿熱特性に優れるため、密着層材料として好適である。また、耐屈曲性にも優れるため、これを密着層として用いることにより、光ファイバケーブルが変形した場合でも、光ファイバ素線に加わる応力などの力学的作用を緩衝効果により抑制することもできる。
【0026】
(メタ)アクリル酸と、2級アルコール又は3級アルコールとがエステル結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体単位としては、例えば、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロオクチル、メタクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロデカニル、メタクリル酸ジシクロペンタジエニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジフェニルメチル、メタクリル酸トリフェニルメチル等の脂環式エステル基を有するメタクリル酸エステル単量体、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−アミル、メタクリル酸ジプロピルメチル、メタクリル酸トリプロピルメチル、メタクリル酸ジイソプロピルメチル、メタクリル酸トリイソプロピルメチル、メタクリル酸ジブチルメチル、メタクリル酸トリブチルメチル、メタクリル酸ジイソブチルメチル、メタクリル酸トリイソブチルメチル、メタクリル酸ジt−ブチルメチル、メタクリル酸トリt−ブチルメチル等の鎖状エステル基を有するメタクリル酸エステル単量体、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸シクロオクチル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロデカニル、アクリル酸ジシクロペンタジエニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸ジフェニルメチル、アクリル酸トリフェニルメチル等の脂環式エステル基を有するアクリル酸エステル単量体、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸t−アミル、アクリル酸ジプロピルメチル、アクリル酸トリプロピルメチル、アクリル酸ジイソプロピルメチル、アクリル酸トリイソプロピルメチル、アクリル酸ジブチルメチル、アクリル酸トリブチルメチル、アクリル酸ジイソブチルメチル、アクリル酸トリイソブチルメチル、アクリル酸ジt−ブチルメチル、アクリル酸トリt−ブチルメチル等の鎖状エステル基を有するアクリル酸エステル単量体等が挙げられる。これらは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
中でも耐熱性、鞘材の最外層や被覆材に対する密着性の観点から、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロオクチル、メタクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロデカニル、メタクリル酸ジシクロペンタジエニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジフェニルメチル、メタクリル酸トリフェニルメチル等の脂環式エステル基を有するメタクリル酸エステル単量体、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸シクロオクチル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロデカニル、アクリル酸ジシクロペンタジエニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸ジフェニルメチル、アクリル酸トリフェニルメチル等の脂環式エステル基を有するアクリル酸エステル単量体が好ましい。
【0028】
特に、カルボキシル基のOHのO(酸素原子)に対してH(水素原子)の代わりに、2級アルコール又は3級アルコール中の2級炭素原子又は3級炭素原子が結合したエステル基として、シクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、トリシクロデカニル基等の脂環式エステル基を持つ(メタ)アクリル酸エステル単量体が好ましく、具体的には、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロデカニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロデカニル等が好ましい。
【0029】
密着層の主成分である(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸と、2級アルコール又は3級アルコールとがエステル結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の他に、他の単量体単位を有する共重合体であっても良い。かかる共重合体は、(メタ)アクリル酸と、2級アルコール又は3級アルコールとがエステル結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体と、これと共重合可能な他の単量体とを共重合することにより得られる。重合方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、グループトランスファー重合(GTP)、配位アニオン重合等の公知の重合方法を採用できる。また、共重合体の構造は特に限定されず、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体など、いかなる構造であっても良い。
【0030】
共重合可能な他の単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル(MA)、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類等が挙げられる。これらは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、入手の容易さ、鞘材の最外層や被覆材に対する密着性の観点から、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸グリシジル等を用いることが好ましい。
【0031】
特に、(メタ)アクリル酸と、2級アルコール又は3級アルコールとがエステル結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、メタクリル酸メチル単位とを有する(メタ)アクリル系樹脂は、鞘材の最外層を構成するフッ化ビニリデン系共重合体との親和性が高く、鞘材の最外層、及び後述する被覆材を構成するポリプロピレン樹脂との初期密着強度が大きく、好適である。
さらに、シクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、トリシクロデカニル基から選ばれたエステル基を持つ(メタ)アクリル酸エステル単位と、メタクリル酸メチル単位とを有する(メタ)アクリル系樹脂は、鞘材の最外層及び被覆材との初期密着強度が特に大きく、光ファイバケーブルに耐湿熱性や低温屈曲性が要求される場合に用いて好適である。
【0032】
機械的強度の観点から、(メタ)アクリル系樹脂中の(メタ)アクリル酸と、2級アルコール又は3級アルコールとがエステル結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量は30〜99質量%であることが好ましく、50〜95質量%であることがより好ましく、他の単量体単位の含有量は、1〜70質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましい。
【0033】
密着層の主成分である(メタ)アクリル系樹脂の数平均分子量は、5000〜500000であることが好ましい。数平均分子量が5000未満では、耐屈曲性が低下する等の恐れがあり、500000超では、流動性低下のため成形困難となる恐れがある。
ケーブル加工安定性の観点から、密着層を構成する樹脂組成物(Y)のASTM D1238に基づき、荷重を2.16kgとして測定した230℃におけるメルトフローレートが20〜200g/10分であることが好ましい。
密着層のショアA硬度は70以上であることが好ましい。光ファイバケーブルの被覆材上にプラグをかしめ固定し、プラグ付き光ファイバケーブルとして使用する場合、ショアA硬度が70未満では、プラグが外れ易くなる恐れがある。
【0034】
密着層の厚みは5〜600μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましく、20〜50μmであることが特に好ましい。密着層の厚みが5μm未満では、光ファイバ素線と被覆材との密着性向上効果が十分に発現しない恐れがあると共に、均一な厚みで密着層を形成することが困難となる傾向にある。また、密着層の厚みが600μm超では、プラグ付き光ファイバケーブルとして使用する場合に、プラグが外れ易くなる恐れがある。
【0035】
(被覆材)
本発明の光ファイバケーブルにおいて、光ファイバ素線の外周には、少なくとも1層の被覆層からなる被覆材が形成されるが、少なくとも被覆材の最内層は、ポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂組成物(Z)により構成する。なお、各被覆層は単層構造であっても複層構造であっても良い。
【0036】
ポリプロピレン樹脂は、耐屈曲性、寸法安定性(熱収縮性)、耐水性、耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性、耐衝撃性に優れているだけではなく、比較的溶融温度が低いため、加工性に優れると共に、光ファイバ素線の伝送性能を熱劣化させない比較的低い温度で被覆層を形成することができ、好適である。
【0037】
(メタ)アクリル酸と、2級アルコール又は3級アルコールとがエステル結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂を主成分とする密着層の外周部に、最内層の主成分をポリプロピレン樹脂とする被覆材を設けることで、光ファイバ素線と被覆材と間の密着性に優れた光ファイバケーブルを提供できる。
この密着性向上効果の発現機構は未だ明確ではないが、密着層の主成分である(メタ)アクリル系樹脂中のカルボキシル基と、鞘材の最外層の主成分であるフッ化ビニリデン系共重合体中のC−F結合に由来する極性基との間の強い相互作用、および密着層の主成分である(メタ)アクリル系樹脂と、被覆材の最内層の主成分であるポリプロピレン樹脂との間の疎水性相互作用やファンデルワールス的相互作用等が発現しているのではないかと考えられる。
【0038】
被覆材の最内層の主成分であるポリプロピレン樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−エチレン共重合体から選ばれた少なくとも1種が好適であり、市販のものを用いることができる。
【0039】
さらに、樹脂組成物(Z)としては、主成分のポリプロピレン樹脂に、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主成分とする重合体ブロック(A)と少なくとも1個の共役ジエン化合物を主成分とする重合体ブロック(B)とを含むブロック共重合体、もしくはこのブロック共重合体に水素添加してなるブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種のブロック共重合体(C)を配合したものが好ましい。かかる樹脂組成物を用いることにより、光ファイバケーブルに適度な柔軟性を付与すると共に、光ファイバケーブルの熱収縮性を抑制する効果が得られ、好適である。共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
【0040】
ブロック共重合体(C)としては、具体的には、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS)、スチレンーブタジエンースチレン共重合体(SBS)、スチレン-ブタジエン-ブチレン-スチレン共重合体(SBBS)、水添スチレン-ブタジエンラバー(HSBR)、スチレン-エチレン-ブチレン-オレフィン共重合体(CEBS)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)等が市販されており、容易に入手することができる。さらに、かかるブロック共重合体(C)をポリプロピレン樹脂に配合した樹脂組成物(Z)は、Adflex、Hifax(Montell社製、Catalloy TPOシリーズ)、ミラストマー(三井石油化学社製)、MKレジン(大日本プラスチックス社製)等の名称で市販されており、容易に入手することができる。
【0041】
ブロック共重合体(C)としては、ポリプロピレン樹脂中への分散性や、耐熱安定性が優れることから、特に、スチレンを主成分とする2以上の重合体ブロック(A1)と、共役ジエン化合物を主成分とする重合体ブロックに水素添加してなる1以上の重合体ブロック(B1)とを含むブロック共重合体からなり、重合体ブロック(A1)の総含有量が10〜50質量%、数平均分子量が30000〜400000のものが好適である。
【0042】
また、樹脂組成物(Z)としては、主成分のポリプロピレン樹脂100質量部に対して、ブロック共重合体(C)を5〜40質量部配合した樹脂組成物が好ましい。ブロック共重合体(C)の配合量が5質量部未満では、光ファイバケーブルの弾性率が高くなりケーブル取り扱い性が悪化すると共に、高温環境下における光ファイバケーブルの熱収縮率が大きくなる恐れがあり、好ましくない。一方、ブロック共重合体(C)の配合量が40質量部超では、光ファイバケーブルの耐傷つき性と柔軟性が低下する恐れがあり、好ましくない。
【0043】
一般に、ポリプロピレン樹脂単体を被覆層に用いた場合には、ケーブル形成後にポリプロピレン樹脂の結晶化が徐々に進行し、光ファイバケーブルが徐々に硬くなる恐れがあるが、ブロック共重合体(C)を配合することにより、PMMAを芯材に使用した光ファイバ素線の通常の使用上限である80℃程度の温度においても、光ファイバケーブルが硬化する恐れがなく、好適である。
さらに、ブロック共重合体(C)を配合した樹脂組成物(Z)は、柔軟で耐屈曲性や耐摩耗性に優れるため、光ファイバケーブルが変形した場合の光ファイバ素線に加わる応力などの力学的作用や、高温環境下での光ファイバ素線の熱収縮を抑制する機能も奏する。
【0044】
樹脂組成物(Z)のASTM D1238に基づき、荷重を2.16kgとして測定した230℃におけるメルトフローレートは5〜200g/10分であることが好ましい。樹脂組成物(Z)のメルトフローレートが5g/10分未満では、光ファイバ素線を被覆する際に、均一で滑らかな被覆が困難となる恐れがあり、200g/10分超では、機械的強度や耐熱性が低下する恐れがあり、好ましくない。
【0045】
また、被覆材のショアA硬度は70以上であることが好ましい。光ファイバケーブルの被覆材上にプラグをかしめ固定し、プラグ付き光ファイバケーブルとして使用する場合、被覆材のショアA硬度が70未満では、プラグが外れ易くなる恐れがある。
さらに、被覆材の厚みは5〜1000μmであることが好ましく、50〜600μmであることがより好ましい。被覆材の厚みが5μm未満では、被覆材による光ファイバ素線の保護効果が不十分となる恐れや、耐水性、耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性、耐衝撃性が不十分となる恐れがあり、好ましくない。一方、被覆材の厚みが1000μm超では、光ファイバケーブルの弾性率が高くなり取り扱い性が低下するため、好ましくない。
【0046】
本発明の光ファイバケーブルにおいては、光ファイバ素線への外光の入射を防止するために、被覆材の最内層にカーボンブラック等の黒色無機成分を含有させても良い。また、光ファイバケーブルの識別性、意匠性を高めるために、被覆材の最外層に着色剤等を添加しても良い。着色剤としては公知のものを使用できるが、染料系の着色剤は高温下などで光ファイバ素線に移行して伝送損失を増大させる恐れがあるため、無機顔料を用いることが好ましい。また、光ファイバケーブルに難燃性を付与するために、被覆材の最外層に難燃剤を含有させることが好ましい。難燃剤としては、公知の各種金属水酸化物、燐化合物等が挙げられる。
【0047】
本発明の光ファイバケーブルは、公知の方法により製造できる。例えば、クロスヘッド型被覆装置を用いた押出被覆により、光ファイバ素線の外周に、密着層、被覆材の各層を順次積層する方法や、光ファイバ素線の材料に、密着層、被覆材の各層の材料を積層して、複合紡糸する方法などが挙げられる。これらの中でも、光ファイバ素線と被覆材の間の引き抜き強度を、所望の値に簡易に制御できることから、クロスヘッド型被覆装置を用いて、光ファイバ素線の外周に、密着層、被覆材の各層を順次積層する方法が好ましい。
【0048】
以上説明したように、本発明によれば、鞘材の最外層をフッ化ビニリデン単位を有する共重合体を主成分として構成し、密着層を(メタ)アクリル酸と、2級アルコール又は3級アルコールとがエステル結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂を主成分として構成し、被覆材の最内層をポリプロピレン樹脂を主成分として構成したので、光ファイバ素線と被覆材との密着性に優れると共に、熱収縮率が小さく、柔軟で取り扱い性に優れ、プラグ取り付け時の加工性に優れた、安価な光ファイバケーブルを提供することができる。
【0049】
具体的には、光ファイバ素線と被覆材の間の初期引き抜き強度を15N以上とすることができ、20N以上、あるいは30N以上とすることも可能である。なお、「光ファイバ素線と被覆材の間の引き抜き強度が15N以上である」ということは、光ファイバ素線と密着層との間、及び密着層と被覆材との間の引き抜き強度がいずれも15N以上であることを意味する。
光ファイバケーブルの少なくとも一端にプラグを固定し、プラグを介して他の機器等と接続した後、振動などの機械的作用を受けた場合、光ファイバ素線と被覆材との密着性が不十分であれば、光ファイバ素線に過剰な力が作用して、光ファイバ素線が破断する場合もあるが、光ファイバ素線と被覆材の間の初期引き抜き強度が15N以上、好ましくは20N以上、より好ましくは30N以上であれば、光ファイバ素線と被覆材の間の密着性が十分に強いため、かかる恐れはなく、光ファイバ素線の破断を防止することができる。
また、光ファイバケーブルを85℃で24時間放置した時の被覆材の熱収縮率を0.5%以下に抑制することができる。特に、被覆材の最内層をポリプロピレン樹脂にブロック共重合体(C)を適宜配合した樹脂組成物(Z)により構成した場合には、顕著な熱収縮抑制効果が発現される。
【0050】
通信用途等に使用される光ファイバケーブルでは、光ファイバ素線のピストニングを、受発光特性を劣化させない範囲とすることが重要であるが、本発明では、光ファイバ素線及び被覆材の熱収縮が抑制され、光ファイバ素線と被覆材の間の引き抜き強度(密着性)も十分であるため、高温環境下においてもピストニングが小さく、伝送特性の劣化の少ない光ファイバケーブルが提供される。
具体的には、85℃で24時間放置した時の光ファイバ素線と被覆材の間のピストニングを光ファイバケーブル全長の1/10000以下とすることができる。ピストニングが1/10000以下であれば、光ファイバ素線のリンクの各受発光端でのピストニングを、光ファイバケーブル1m当たり0.5mm以下とすることができ、受光端と発光端とを併せても1mm以下とすることができ、位置精度を公差の範囲内の許容範囲内とすることができる。本発明によれば、85℃で24時間放置した時のピストニングを光ファイバケーブル全長の1/20000以下とすることも可能であり、この場合には85℃で数年以上に渡って連続使用しても受発光特性の劣化がほとんど発生しない、高寿命の光ファイバーケーブルが提供されることとなる。
【0051】
また、本発明によれば、引張り降伏点強度が100N以上、曲げ弾性が6〜20Nであり、機械的強度に優れると共に柔軟性に優れ、ケーブル取り扱い性に優れた光ファイバケーブルが提供される。
【0052】
さらに、被覆材の最外層をポリプロピレン樹脂等により構成すれば、耐水性、耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性、耐衝撃性等に優れ、しかも安価で軽量な光ファイバケーブルを提供することができる。
【0053】
[プラグ付き光ファイバケーブル]
以上の本発明の光ファイバケーブルの少なくとも一端に、プラグを接続、固定することにより、本発明のプラグ付き光ファイバケーブルを提供することができる。プラグ付き光ファイバケーブルとすることにより、信号源である光源や検知器に組み込まれたユニットのハウジング、他の光ファイバケーブル等と容易に接続することができる。
プラグとしては、光ファイバケーブルを挿入する挿入孔が形成されたプラグ本体と、光ファイバケーブルをこのプラグ本体に固定するためのストッパを備えたものを例示できる。光ファイバケーブルにプラグを固定する箇所については限定されるものではないが、例えば、光ファイバケーブルのプラグを接続する側の端部の被覆材上が好適である。
また、本発明のプラグ付き光ファイバケーブルにおいて、プラグ引き抜き強度は50N以上であることが好ましい。
以上の本発明のプラグ付き光ファイバケーブルによれば、本発明の光ファイバケーブルと同等の効果が得られる。
【0054】
【実施例】
次に、本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
以下のようにして、単層構造の芯材と2層構造の鞘材とからなる光ファイバ素線を、1層の被覆層からなる被覆材により被覆した光ファイバケーブルを得た。すなわち、芯材としてPMMA、鞘材の第1層(鞘材の最内層)材料として、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(3FM)/2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート(17FM)/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(各成分の質量比51/31/17/1)、鞘材の第2層(鞘材の最外層)材料として、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(各成分の質量比48/43/9、屈折率1.374)を用い、これらを溶融して、225℃の紡糸ヘッドに供給し、同心円状複合ノズルを用いて複合紡糸した後、150℃の熱風加熱炉中で繊維軸方向に2倍に延伸し、鞘材の第1層の厚み10μm、鞘材の第2層の厚み10μm、外径1mmの光ファイバ素線を得た。次いで、光ファイバ素線をボビンに巻き取った状態のまま、90℃乾熱下で3日間熱処理を行った。得られた光ファイバ素線の伝送損失は135dB/km、85℃乾熱下で24時間放置した時の光ファイバ素線の熱収縮率は0.15%であった。なお、伝送損失および熱収縮率は、光ファイバケーブルの伝送損失および熱収縮率(評価方法については後記)と同様に測定した。
次いで、得られた光ファイバ素線の外周に、クロスヘッドケーブル被覆装置を用いて、200℃に設定したクロスヘッドダイにて4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体(各成分の質量比80/20)からなる厚み600μmの密着層、及びポリプロピレン樹脂(出光石油化学社製、Y3000GV)80質量部にスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(日本合成ゴム社製、ダイナロン8600P)20質量部を混合した樹脂組成物からなる厚み150μmの被覆層を一括形成し、外径1.5mmの光ファイバケーブルを得た。
最後に、光ファイバケーブルの端部に接続用プラグを取り付けてプラグ付き光ファイバケーブルを得た。
【0055】
(実施例2〜6、比較例1、2)
鞘材の第2層、密着層、被覆層の組成を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にして、光ファイバケーブル及びプラグ付き光ファイバケーブルを得た。なお、比較例1では密着層を設けず、鞘材の外周に直接被覆層を形成した。
【0056】
表1における各略号は以下の化合物を示す。
PMMA:ポリメタクリル酸メチル
フッ素化メタクリレート共重合体:2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート/2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(各成分の質量比51/31/17/1)
VdF:フッ化ビニリデン
TFE:テトラフルオロエチレン
HFP:ヘキサフルオロプロピレン
4TBCHA:4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート
4TBCHMA:4−t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート
335TMCHA:3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート
335TMCHMA:3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
CHA:シクロヘキシルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
PP:ポリプロピレン樹脂(出光石油化学社製、Y3000GV)
PE:ポリエチレン樹脂(日本ポリオレフィン社製、JK401N)
PP−1−octene:ポリプロピレンと1−オクテンの共重合体(サンアロマ社製、Adflex KS−84P)
SEBS:スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(日本合成ゴム社製、ダイナロン8600P)
PP/PE/EPDM:ポリプロピレンとエチレンと加硫ゴムのアロイ(三井化学社製、ミラストマー3800B)
【0057】
(評価項目及び評価方法)
各実施例、比較例において得られた光ファイバケーブル及びプラグ付き光ファイバケーブルについて以下の評価を行った。
<伝送損失>
光ファイバケーブルの伝送損失(dB/km)を25m−5mカットバック法により測定した。なお、650nmの波長の光を用い、入射光のNA(開口数)を0.1とした。
<熱収縮率>
光ファイバケーブルの熱収縮率を以下のようにして測定した。
試長間距離を1000とした光ファイバケーブルを85℃の乾燥機内に24時間つり下げた後、試長間距離を測定した。収縮量を試長で除し、繊維軸方向の収縮率を求めた。
【0058】
<ピストニング>
光ファイバケーブルの端部を、被覆層の外径よりも50μm大きい内径を有するプラグに挿入し、被覆層をかしめ固定して、プラグ付き光ファイバケーブルを得た。85℃の乾燥機内に、長さ1mのプラグ付き光ファイバケーブルを24時間放置した後の、プラグ端面からの光ファイバケーブルの突出または引込みの長さを測定した。
【0059】
<引き抜き強度>
被覆層の初期引き抜き強度(光ファイバ素線と被覆層の間の初期引き抜き強度)を、図1に示すように、光ファイバケーブル10を保持する治具12と、治具12の一端部に形成された突起14を把持するチャック8と、光ファイバケーブル10の剥離部分5を把持するチャック7とを備えた測定装置20を用いて測定した。治具12には、光ファイバケーブル10の被覆部分4が収容される保持室13と、光ファイバケーブル10の剥離部分5よりも大きく被覆部分4よりも狭い貫通孔15が形成されている。
測定にあたっては、一端側の被覆層を剥離した光ファイバケーブルを用意し、光ファイバケーブルの被覆部分4の長さが30mmになるように切断した。
次に、治具12に形成されている保持室13内に光ファイバケーブルの被覆部分4を収容し、光ファイバケーブルの剥離部分5を貫通孔15から抜き出した。次に、治具12の一端部に形成されている突起14をチャック8で把持し、光ファイバケーブルの剥離部分5をチャック7で把持した。
次に、光ファイバケーブル10の中心軸方向(図中矢印方向)に沿って、一定速度50mm/minでチャック8を移動させて治具12を引っ張り、光ファイバケーブル10の被覆部分4において剥離部分5よりも厚い部分を引き抜いた。このときの引き抜き応力と、光ファイバケーブル10の被覆部分4において剥離部分5よりも厚い部分の引き抜き方向へのずれ量との関係を示す曲線から、引き抜く際の応力のピーク値を読みとり引き抜き強度とした。
また、プラグ付き光ファイバケーブルのプラグ引き抜き強度についても、同様に測定した。
<曲げ弾性率>
POFケーブルを2つの固定点で固定し、ケーブル曲げ具を用いてPOFケーブルを中心軸に対して垂直に押圧した。固定点の間隔は15mmとした。押圧時、POFケーブルは、曲率半径5mmの円弧形状となった。ケーブル曲げ具が押圧開始から1mm変位したときのケーブル曲げ具にかかる応力(N)を測定し、曲げ弾性率(N/mm)とした。
<引張り降伏点強度>
一般市販のテンシロン測定機を用いて測定を行った。POFケーブルを2つの固定点(チャック)で固定し、固定点の間隔は100mmとした。テンシロン測定器の引張速度は100mm/分になるようにして、降伏点強力(N)を測定し、引張り降伏点強度とした。
【0060】
(結果)
各実施例、比較例において得られた結果を表2に示す。
表2に示すように、鞘材の最外層(鞘材の第2層)をフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン3元共重合体、又はフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン2元共重合体により構成し、密着層を(メタ)アクリル酸と、2級アルコール又は3級アルコールとがエステル結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂により構成し、被覆層をポリプロピレン樹脂を主成分として構成した実施例1〜6において得られた光ファイバケーブルの伝送損失は133〜135dB/kmと小さく良好であった。また、光ファイバ素線と被覆層との間の初期引き抜き強度はいずれも16N以上であり、光ファイバ素線と被覆層との密着性も良好であった。また、光ファイバケーブルを、85℃で24時間放置した時の被覆層の熱収縮率はいずれも0.37%以下、ピストニングは光ファイバケーブル1mあたり22μm以下、引張り降伏点強度が100N以上、曲げ弾性が9〜20Nと良好であった。また、プラグ付き光ファイバケーブルの初期のプラグ引き抜き強度もいずれも50N以上と良好であった。
【0061】
これに対して、密着層を設けず、光ファイバ素線の外周部にポリプロピレン樹脂を主成分とする被覆層を直接設けた構成の比較例1では、光ファイバ素線と被覆層との間の初期引き抜き強度が4Nと、実施例に比較して著しく小さく、光ファイバ素線と被覆層との密着性が不十分であった。また、光ファイバケーブルを85℃で24時間放置した時の被覆層の熱収縮率は0.4%以下と実施例と同様であったが、ピストニングが光ファイバケーブル1mあたり120μmと実施例に比較して著しく大きい結果となった。
【0062】
実施例と同様の密着層を形成しても、光ファイバ素線の外周部にポリエチレン樹脂からなる被覆層を設けた構成の比較例2では、光ファイバ素線と被覆層との間の初期引き抜き強度が4Nと、同じ密着層材料を用いた実施例1より密着性が著しく小さく不良であった。また、光ファイバケーブルを85℃で24時間放置した時の被覆層の熱収縮率は0.4%以下と実施例と同様であったが、ピストニングが光ファイバケーブル1mあたり115μmと実施例に比較して著しく大きい結果となった。
【0063】
以上の結果から、鞘材の最外層、密着層、被覆層の材料として特定の材料を用いることにより、光ファイバ素線と被覆層との密着性に優れると共に、熱収縮率が小さく、ピストニングが抑制され、高温環境下でも使用可能な光ファイバケーブルが得られることが判明した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、光ファイバ素線と被覆材との密着性に優れると共に、熱収縮率が小さく、柔軟で取り扱い性に優れ、安価な光ファイバケーブル、及び該光ファイバケーブルを用いたプラグ付光ファイバケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る実施例及び比較例における引き抜き強度の測定方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
10 光ファイバケーブル
20 測定装置
Claims (7)
- 芯材及びその外周に形成された単層又は複層構造の鞘材からなる光ファイバ素線が、少なくとも1層の被覆層からなる被覆材により被覆された光ファイバケーブルにおいて、
前記鞘材と前記被覆材との間には、これらの密着性を向上させるための密着層が設けられていると共に、
前記鞘材の最外層が、フッ化ビニリデン単位を有する共重合体を主成分とし、屈折率が1.31〜1.41の範囲にある樹脂組成物(X)からなり、
前記密着層が、(メタ)アクリル酸と、2級アルコール又は3級アルコールとがエステル結合した(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂を主成分とする樹脂組成物(Y)からなり、
前記被覆材の最内層が、ポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂組成物(Z)からなることを特徴とする光ファイバケーブル。 - 前記密着層の主成分である(メタ)アクリル系樹脂に含まれる(メタ)アクリル酸エステル単量体単位のエステル基が、脂環式炭化水素エステル基であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
- 前記密着層の主成分である(メタ)アクリル系樹脂に含まれる(メタ)アクリル酸エステル単量体単位のエステル基が、シクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、トリシクロデカニル基から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバケーブル。
- 前記密着層の厚みが5〜600μmであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
- 前記光ファイバ素線と前記密着層、及び前記密着層と前記被覆材の間の初期引き抜き強度が、いずれも15N以上であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
- 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光ファイバケーブルの少なくとも一端に、プラグが固定されたことを特徴とするプラグ付き光ファイバケーブル。
- プラグ引き抜き強度が50N以上であることを特徴とする請求項6に記載のプラグ付き光ファイバケーブル。
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