JP2004045777A - プラスチック光ファイバコードおよびその製造方法 - Google Patents

プラスチック光ファイバコードおよびその製造方法 Download PDF

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Masaki Segawa
瀬川 正樹
Masatoshi Yoshikawa
吉川 正利
Hisaaki Kobayashi
小林 久晃
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Abstract

【課題】開口数が0.60以上と高く、しかも透光性、曲げ特性、耐湿熱性などバランス良く優れたプラスチック光ファイバコードおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】コア、クラッドからなるプラスチック光ファイバの外周に、第1被覆層、更にその外周に第2被覆層が設けられているプラスチック光ファイバコードであって、第1被覆層がポリプロピレンを主成分とする樹脂からなり、第2被覆層を含めた外径が1.8〜2.5mmφ、第1被覆層の厚み(t1)と第2被覆層の厚み(t2)とが、0.10≦t1/(t1+t2)≦0.55の関係であり、プラスチック光ファイバと第1被覆層の密着力が30N以下であり、且つ第1被覆層と第2被覆層の密着力が40N以上であり、理論開口数が0.60〜0.65であるプラスチック光ファイバコードおよびその製造方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐曲げ漏光性、耐熱性、耐湿熱性、耐薬品性、耐屈曲性などに優れた自動車内配線用に使用されるプラスチック光ファイバコードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック光ファイバは、加工性、取扱い性、製造コストなどの面でガラス系光ファイバに比べ優れているので、短距離の光通信伝送、光電センサー、ライトガイドなどに使用されている。
【0003】
特に、最近では自動車内情報通信用配線にナイロン(ポリアミド)を被覆とする開口数0.46〜0.52程度のプラスチック光ファイバコードが提案されている。なお、理論開口数とは次式の様にコア、クラッドの屈折率差にて表される。
【0004】
理論開口数=((コア屈折率)−(クラッド屈折率)1/2
しかしながら上記プラスチック光ファイバコードは、自動車内の狭いところをはわせ配線することから曲げ漏光が大きく、ナイロンを被覆することにより耐油性を改良することは可能となったが、未だ耐湿熱性に弱いとの欠点が指摘されている。
【0005】
耐曲げ漏光性向上のために、特開平11−95044号公報には、開口数0.57以上のプラスチック光ファイバを用い、ナイロン系樹脂にて被覆することが提案されているが、同提案のプラスチック光ファイバは耐曲げ漏光性は向上しているものの、耐湿熱性の欠点は解消されていない。また、耐曲げ漏光性、耐薬品性、耐熱性向上のために、特開2002−48923号公報には、開口数0.60〜0.65のプラスチック光ファイバを用い、ポリプロピレン系樹脂にて被覆することが提案されているが、同提案のプラスチック光ファイバコードは、耐曲げ漏光性、耐薬品性、耐熱性は向上しているものの、耐湿熱性の欠点は未だ解消には至っていないのが現状である。
【0006】
プラスチック光ファイバコードは通常その端部にコネクタを装着するため、コード端部の被覆層をワイヤーストリッパー等の剥離器具により剥離し、プラスチック光ファイバとフェルール等コネクタ部品と接続固定する。そのため、被覆層を剥離する際、第1被覆層と第2被覆層との密着力が低く、かつファイバと第1被覆層との密着力が高いと、第1被覆層が剥離されずファイバに残ってしまうという問題がある。そのため、第1被覆層を厚くし剥離器具の刃部が第1被覆層に確実掛かるようにして、第2被覆層のみ剥離することを防いでいる。しかし、第1被覆層を厚くすると、第1被覆層を被覆する時の受熱によりクラッドにダメージを与え、透光性が悪化し、さらに耐湿熱性が悪化するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明のおもな目的は、自動車内に配線するために透光性、耐曲げ漏光性、耐屈曲性、耐熱性、耐薬品性などバランス良く優れ、かつ十分な耐湿熱特性を有するプラスチック光ファイバコードおよびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は主として次の構成を有する。
【0009】
すなわち、本発明は、「コア、クラッドからなるプラスチック光ファイバの外周に、第1被覆層、更にその外周に第2被覆層が設けられているプラスチック光ファイバコードであって、第1被覆層がポリプロピレンを主成分とする樹脂からなり、第2被覆層を含めた外径が1.8〜2.5mmφ、第1被覆層の厚み(t1)と第2被覆層の厚み(t2)とが、0.10≦t1/(t1+t2)≦0.55の関係であり、プラスチック光ファイバと第1被覆層の密着力が30N以下であり、且つ第1被覆層と第2被覆層の密着力が40N以上であり、理論開口数が0.60〜0.65であることを特徴とするプラスチック光ファイバコード。」である。さらには、「そのプラスチック光ファイバコードを得るためのプラスチック光ファイバの外周に第1被覆層を形成する工程と、第1被覆層が形成されたプラスチック光ファイバの外周に第2被覆層を形成する工程の2工程からなり、第2被覆層の樹脂温度T2(℃)と第1被覆層の樹脂温度T1(℃)とがT2−T1≧5の関係であり、かつ各々の工程での冷却長L(m)と冷却温度Tc(℃)が0.2≦L/Tc≦2.0である冷却工程を有していることを特徴とするプラスチック光ファイバコードの製造方法。」である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明におけるプラスチック光ファイバコードのコアはメチルメタクリレートを主成分とする(共)重合体からなることが好ましい。メチルメタクリレートを主成分とする(共)重合体は、ポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと略記する)、またはメチルメタクリレートが70重量%以上である共重合体であり、例えば(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、(置換)スチレン、(N−置換)マレイミドなどを共重合するか、あるいはそれらを高分子反応したグルタル酸無水物、グルタルイミドなどの変性重合体などが挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ボルニルメタクリレート、アダマンチルメタクリレートなどが、置換スチレンとしては、メチルスチレン、α−メチルスチレンなどが、N−置換マレイミドとしては、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミドなどが挙げられる。これら共重合成分は、複数で用いても良く、これら以外の成分を少量使用してもよい。また、耐酸化防止剤などの安定剤が透光性に悪影響しない量だけ含まれていても構わない。これらの重合体の中で、実質的にPMMAであることが、生産性、透光性、耐環境性などの点から最も好ましい。
【0011】
本発明におけるプラスチック光ファイバコードは、理論開口数が0.60〜0.65であることが必要である。これより小さいと曲げ損失が大きくなる。曲げ損失としては、狭い自動車内配線における曲げ半径を考慮すると、曲げ半径10mmφ、360度曲げ時で0.5dB(660nmLED使用)以下であることが好ましい。
【0012】
そのため、本発明のプラスチック光ファイバコードになりうるクラッド材としては、理論開口数、コア屈折率から算出される低屈折率のクラッド材を使用する必要があり、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、弗化ビニリデンを含有する共重合体からなることが好ましい。さらに好ましくは、
ヘキサフルオロプロピレン 10〜30重量%
テトラフルオロエチレン  45〜75重量%
弗化ビニリデン      10〜35重量%
他の共重合可能な成分    1〜10重量%
を含有する共重合体であり、かつ弗素組成重量率が70〜74%である。他の共重合可能な成分は弗素を高濃度で含有する成分であることが好ましい。例えば、ヘキサフルオロアセトン、パーフルオロアルキルビニルエーテル類、弗化ビニル、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート類、αフルオロパーフルオロアルキルアクリレート類、その他、”サイトップ”、”テフロン(登録商標)AF”などで使用されているモノマーなどが挙げられる。さらには、上記のうち水素を含まない全弗素置換モノマーであるヘキサフルオロアセトン、パーフルオロアルキルビニルエーテル類、”サイトップ”、”テフロン(登録商標)AF”などで使用されているモノマーが最も好ましく使用できる。上記共重合成分がこの範囲内の組成にすれば、低結晶化(無色透明化)が達成でき、耐屈曲性などの機械特性が大幅に低下したりすることもない。また特開平11−101915号公報で示すような粘着性や、耐熱性が不十分であるなどの問題もほとんどない。
【0013】
なお、クラッドの外周にさらに保護層として、弗化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、弗化ビニリデン/ヘキサフルオロアセトン共重合体、弗化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、弗化ビニリデンホモポリマーなどの弗化ビニリデン系(共)重合体、あるいはコアと同様なメチルメタクリレ−ト主体の(共)重合体、あるいは両(共)重合体の混合物、ナイロン12などの重合体を被せた構造としても構わない。この保護層は例えばカーボンブラックなどの顔料を入れて着色することも可能である。
【0014】
本発明のプラスチック光ファイバコードは、クラッドの外周にポリプロピレンを主成分とする樹脂からなる第1被覆層が必要である。クラッドの保護層がある場合は保護層の外周にポリプロピレンを主成分とする樹脂からなる第1被覆層が必要である。ポリプロピレンを主成分とする樹脂は、耐湿熱性、耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性、耐衝撃性などに優れ、自動車内配線用として優れた被覆材である。本発明においてポリプロピレンを主成分とする樹脂とは、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどとの架橋を含めた共重合体,あるいはそれらの混合物などをさし、難燃剤の他、耐酸化防止剤、耐老化剤、UV安定剤などの安定剤、あるいは着色のための顔料などを含んでも良い。
【0015】
本発明のプラスチック光ファイバコードにおいては第1被覆層の外周に、第2被覆層が必要である。第2被覆層の材質としては、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、架橋ポリエチレン、架橋ポリプロピレン、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル、アクリレート系または酢酸ビニルとのエチレン共重合体などが例示され、なかでも、ポリプロピレンが好ましい。第2被覆層には、難燃剤の他、耐酸化防止剤、耐老化剤、UV安定剤などの安定剤、あるいは着色のための顔料などを含んでも良い。
【0016】
本発明におけるプラスチック光ファイバコードにおいて第2被覆層を含めた外径(被覆径)は1.8〜2.5mmφであることが必要である。外径が1.8mmφより小さいと機械的強度が低下し、また2.5mmφより大きいと被覆時の受熱によりコア及びクラッドが熱劣化し透光性が悪化するため好ましくない。
【0017】
本発明におけるプラスチック光ファイバコードにおいて第1被覆層の厚み(t1)と第2被覆層の厚み(t2)とが、0.10≦t1/(t1+t2)≦0.55であることが必要であり、好ましくは0.15≦t1/(t1+t2)≦0.45であることが効果的である。第1被覆層は、第2被覆層の被覆工程におけるファイバの熱的保護層としても作用する。したがって、0.10より小さいと熱的保護層としての作用が低下し、第2被覆層の被覆工程において樹脂からの受熱によりプラスチック光ファイバが熱劣化を生じ、透光性が悪化するという問題がある。さらに、第2被覆層の被覆工程における樹脂からの受熱により、第1被覆層が熱収縮を生じ、そのためファイバに対する第1被覆層の密着力が高くなってしまうという問題がある。一方、0.55より大きいと、プラスチック光ファイバに第1被覆層を被覆する時の受熱によりクラッドにダメージを与え、透光性が悪化し、さらに耐湿熱性が悪化するという問題がある。
【0018】
本発明におけるプラスチック光ファイバコードにおいて、プラスチック光ファイバと第1被覆層の密着力は30N以下が必要である。密着力とは、保護層がない場合はクラッドと第1被覆層の密着力であり、保護層がある場合は保護層と第1被覆層の密着力のことである。密着力が30Nより高いと第1被覆層を剥離した際、クラッドが部分剥離を生じ、透光性が悪化するという問題がある。
【0019】
本発明におけるプラスチック光ファイバコードにおいて第1被覆層と第2被覆層の密着力は40N以上が必要である。密着力が40Nより低いと第1被覆層と第2被覆層が剥離しやすくなるため、コネクター接続の為、ワイヤーストリッパー等の剥離器具で被覆層を剥離する際、第2被覆層のみが剥離し、第1被覆層が残ってしまう問題がある。
【0020】
本発明におけるプラスチック光ファイバと被覆層の密着力は図1、2に示すような測定治具を用いて測定する。図1は前方から見た図、図2は同じ測定治具を横から見た図である。プラスチック光ファイバコード11を90mmの長さに切り取り、一端部の被覆層13を30mmの長さだけ残して、他端部側の被覆層を除去し、プラスチック光ファイバ12を露出させる。符号14は測定治具であり、ファイバ径+0.1mmの径の穴部14bを備えており、穴部14bは固定部14aに固定され、固定部14aに把持部14cが接続されている。密着力の測定は、図1に示すように穴部14bにプラスチック光ファイバ12が露出している部分を通し、市販の引張試験機のチャック15にてプラスチック光ファイバ12および把持部14cを把持し、引張速度50mm/分で図1または2の矢印方向へプラスチック光ファイバ12を被覆層から引き抜き、その時の降伏点強力を測定する。サンプル20本について同様の降伏点強力の測定を行い、その平均値を密着力として示す。
【0021】
本発明におけるプラスチック光ファイバコードは自動車内等の高温、高湿度環境下での使用を考慮すると、85℃、85%RH湿熱処理での光量低下が1dB(660nmLED使用)以下であることが好ましい。
【0022】
本発明のプラスチック光ファイバコードの製造方法は、第1被覆層を形成する工程と、第2被覆層を形成する工程の2工程からなり、第2被覆層の樹脂温度T2(℃)と第1被覆層の樹脂温度T1(℃)とがT2−T1≧5の関係であることが好ましく、より好ましくは、35≧T2−T1≧5であることが効果的である。第1被覆層の樹脂温度よりも第2被覆層の樹脂温度を5℃以上高くすることにより、層間の熱的融着性が向上し、さらに第1被覆層の表面微細凹凸に対し第2被覆層の樹脂の転写性を向上させ機械的結合性を向上させることにより、第1被覆層と第2被覆層の層間の密着力を向上させる効果がある。さらに、各々の工程での冷却長L(m)と冷却温度Tc(℃)が0.2≦L/Tc≦2.0である冷却工程を有していることが必要である。第1被覆層を形成する工程では、プラスチック光ファイバに第1被覆層を被覆し、急速に冷却固化することによりプラスチック光ファイバへの単位時間当たりの受熱量を低下させ、透光性の悪化を防ぐ上で必要である。第2被覆層を形成する工程では、第2被覆層を急速に冷却固化することにより、冷却過程において生じる被覆樹脂の収縮を極力押さえ、被覆内部に発生する空隙を少なくし、空隙を起点とするクラックの発生を押さえ、優れた機械的強度及び耐屈曲性を得ることができる。また、プラスチック光ファイバを外部から急激に冷却固化することにより、プラスチック光ファイバの外径変動も小さくできるという効果がある。本発明の冷却工程に使用する冷却媒体は、通常は水でよいが、他の冷却媒体を使用してもよい。本発明の被覆工程におけるプラスチック光ファイバの線速は、20〜100m/分が好ましい。
【0023】
本発明に用いられるプラスチック光ファイバは一般的な製造法と同様にして製造することができる。例えば、コア材とクラッド材とを加熱溶融状態下で、同心円状複合用の複合口金から吐出してコア/クラッドの2層芯鞘構造を形成させる複合紡糸法が好ましく用いられる。続いて、機械特性を向上させる目的で1.2〜3倍程度の延伸処理が一般的に行なわれプラスチック光ファイバとなる。このプラスチック光ファイバの外径は通常0.2〜3mm程度であるが、自動車内で配線するための強力、取扱性などの面からコア径0.7〜1.5mmφが好ましい。また、保護層に設ける場合にも公知の方法によって製造することができるが、3層同時の複合紡糸法が好ましく用いられる。
【0024】
この様にして得られたプラスチック光ファイバに、第1被覆層及び第2被覆層を形成するが、被覆層はクロスヘッドダイを使用した溶融押出成形法等の公知の方法によって形成することができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明する。なお、作製したプラスチック光ファイバコードの評価は以下の方法で行った。
【0026】
透光性:ハロゲン平行光(波長650nm)を使用して30/2mカットバック法により測定した。
【0027】
フッ素含有率:元素分析にて求めた。
【0028】
屈折率:測定装置としてアッベ屈折率計を使用して、室温25℃雰囲気にて測定した。
【0029】
曲げ損失:660nmLEDを使用し、金属製半径10mmの棒に360度巻き付けた時の光量を測定してその前後での減少量を指標とした(n=3の平均値)。
【0030】
耐湿熱性:恒温恒湿槽(ナガノ科学機械製作所製”LH40−13M”)内に試長8mのファイバ(両末端各1mはオーブン外)を85℃、85%RH、500時間投入し、660nmLED使用による試験前後の光量を測定してその変化量を指標とした(n=3の平均値。マイナスは光量ダウンを示す。)。
【0031】
密着力:第1被覆層とファイバの密着力は、プラスチック光ファイバコード90mmから、第2被覆層、第1被覆層共に60mm除去してファイバを露出し、図1に示す測定治具を用い、引張試験機にて引張速度50mm/分でファイバを引き抜き、n=20の降伏点強力の平均値をファイバと第1被覆層の密着力として示した。第2被覆層と第1被覆層の密着力は、プラスチック光ファイバコード90mmから、第2被覆層のみ60mm除去し第1被覆層を露出させ、図1に示す測定治具を用い、引張試験機にて引張速度50mm/分で第1被覆層を引き抜き、n=20の降伏点強力の平均値を第2被覆層と第1被覆層の密着力として示した。
[実施例1]
クラッド材として弗化ビニリデン(2F)/テトラフルオロエチレン(4F)/ヘキサフルオロプロピレン(6F)/ヘプタフルオロプロピルビニルエーテル共重合体(屈折率1.360、フッ素含有率71.7%、MFR55g/10分)を複合紡糸機に供給した。さらに、連続塊状重合によって製造したPMMA(屈折率1.492)をコア材として複合紡糸機に供給して、235℃にてコア、クラッドを芯鞘複合溶融紡糸し、ファイバ径1000μm(コア径980μm、クラッド厚10.0μm、理論開口数0.61)のプラスチック光ファイバを得た。さらに、表1に示すように融点165℃、MFR66g/10分、引張降伏点強度23MPa、曲げ弾性率1.2GPa、ロックウエル硬度(R)88、荷重たわみ温度115℃のポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製 ”サンアロマー”MK852BL3)を第1被覆層及び第2被覆層を電線被覆方式にて、線速50m/分で被覆して外径2.5mmのコードとした。第1被覆層は樹脂温度190℃、冷却温度10℃(冷媒は水)、冷却長4mにて被覆し、第2被覆層は樹脂温度200℃、冷却温度10℃(冷媒は水)、冷却長6mにて被覆した。
【0032】
こうして得られたプラスチック光ファイバコードを前記の評価方法により評価し、その結果を表2に示した。表2からわかるように、透光性、曲げ損失、耐湿熱性、密着力が良好であり、自動車内配線用プラスチック光ファイバコードとして好適なものであった。
【0033】
[実施例2〜8および比較例1〜5]
クラッド材、被覆層厚み、樹脂温度、冷却温度を表1のとおりに変更した以外は実施例1と同様に製造してプラスチック光ファイバコードを得た。これらのプラスチック光ファイバコードを使用して実施例1と同じ評価を行い、その結果を表2に示した。
【0034】
本発明の実施例2〜8は透光性、曲げ損失、耐湿熱性、密着力がいずれも優れており良好であった。
【0035】
一方、第1被覆層厚みが範囲より小さい比較例1はファイバと第1被覆層の密着力が30Nを超えており剥離性が悪くさらに透光性がやや劣るという欠点がある。第1被覆層厚みが範囲より大きい比較例2および3は耐湿熱性が悪くさらに透光性が悪いという欠点がある。第2被覆層と第1被覆層の樹脂温度差が範囲より小さい比較例4は第1被覆層と第2被覆層の密着力が40Nに達しないため、被覆層を剥離する際、第1被覆層が残ってしまうという欠点がある。理論開口数が範囲外の比較例5は曲げ損失が悪いという欠点がある。
【0036】
【表1】
Figure 2004045777
【0037】
【表2】
Figure 2004045777
【0038】
【発明の効果】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂を第1被覆層の被覆材に使用し且つ第2被覆層を設けることにより、透光性、曲げ特性、耐湿熱性などバランス良く優れ、特に自動車内配線用に使用されるプラスチック光ファイバコードを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る密着力の測定において使用する測定治具の正面図である。
【図2】本発明に係る密着力の測定において使用する測定治具の側面図である。
【符号の説明】
11:プラスチック光ファイバコード
12:プラスチック光ファイバ
13:被覆層
14:測定治具
14a:固定部
14b:穴部
14c:把持部
15:引張試験機チャック

Claims (9)

  1. コア、クラッドからなるプラスチック光ファイバの外周に、第1被覆層、更にその外周に第2被覆層が設けられているプラスチック光ファイバコードであって、第1被覆層がポリプロピレンを主成分とする樹脂からなり、第2被覆層を含めた外径が1.8〜2.5mmφ、第1被覆層の厚み(t1)と第2被覆層の厚み(t2)とが、0.10≦t1/(t1+t2)≦0.55の関係であり、プラスチック光ファイバと第1被覆層の密着力が30N以下であり、且つ第1被覆層と第2被覆層の密着力が40N以上であり、理論開口数が0.60〜0.65であることを特徴とするプラスチック光ファイバコード。
  2. コアがメチルメタクリレ−トを主成分とする(共)重合体からなり、クラッドが以下の共重合成分、
    ヘキサフルオロプロピレン        10〜30重量%
    テトラフルオロエチレン         45〜75重量%
    弗化ビニリデン             10〜35重量%
    他の共重合可能な成分           1〜10重量%
    を含有し弗素組成重量率が70〜74%である共重合体からなることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック光ファイバコード。
  3. 半径10mmφ、360度曲げ時の曲げ損失が0.5dB(660nmLED使用)以下であり、かつ85℃、85%RH湿熱処理での光量低下が1dB(660nmLED使用)以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック光ファイバコード。
  4. 第2被覆層がポリプロピレンを主成分とする樹脂であり、かつ第1被覆層の厚み(t1)と第2被覆層の厚み(t2)とが、0.15≦t1/(t1+t2)≦0.45の関係である請求項1〜3いずれかに記載のプラスチック光ファイバコード。
  5. 自動車内配線用に使用されることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のプラスチック光ファイバコード。
  6. コア、クラッドからなるプラスチック光ファイバの外周に、第1被覆層、更にその外周に第2被覆層が設けられ、第1被覆層がポリプロピレンを主成分とする樹脂からなり、第2被覆層を含めた外径が1.8〜2.5mmφ、第1被覆層の厚み(t1)と第2被覆層の厚み(t2)とが、0.10≦t1/(t1+t2)≦0.55の関係であり、理論開口数が0.60〜0.65であるプラスチック光ファイバコードの製造方法であって、プラスチック光ファイバの外周に第1被覆層を形成する工程と、第1被覆層が形成されたプラスチック光ファイバの外周に第2被覆層を形成する工程の2工程からなり、第2被覆層の樹脂温度T2(℃)と第1被覆層の樹脂温度T1(℃)とがT2−T1≧5の関係であり、かつ各々の工程での冷却長L(m)と冷却温度Tc(℃)が0.2≦L/Tc≦2.0である冷却工程を有していることを特徴とするプラスチック光ファイバコードの製造方法。
  7. コアがメチルメタクリレ−トを主成分とする(共)重合体からなり、クラッドが以下の共重合成分、
    ヘキサフルオロプロピレン        10〜30重量%
    テトラフルオロエチレン         45〜75重量%
    弗化ビニリデン             10〜35重量%
    他の共重合可能な成分           1〜10重量%
    を含有し弗素組成重量率が70〜74%である共重合体からなることを特徴とする請求項6に記載のプラスチック光ファイバコードの製造方法。
  8. 半径10mmφ、360度曲げ時の曲げ損失が0.5dB(660nmLED使用)以下であり、且つ85℃、85%RH湿熱処理での光量低下が1dB(660nmLED使用)以下であることを特徴とする請求項6または7に記載のプラスチック光ファイバコードの製造方法。
  9. 第2被覆層がポリプロピレンを主成分とする樹脂であり、かつ第1被覆層の厚み(t1)と第2被覆層の厚み(t2)とが、0.15≦t1/(t1+t2)≦0.45の関係である請求項6〜8いずれかに記載のプラスチック光ファイバコードの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007316368A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Mitsubishi Rayon Co Ltd プラスチック光ファイバケーブルの製造方法
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WO2019054516A1 (ja) * 2017-09-15 2019-03-21 株式会社 潤工社 光ファイバケーブルおよび光ファイバケーブルを備えた複合ケーブル

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