JP2011008240A - プラスチック光ファイバおよびプラスチック光ファイバコード - Google Patents

プラスチック光ファイバおよびプラスチック光ファイバコード Download PDF

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Abstract

【課題】実使用温度105℃での使用に耐えうる耐熱性を保有し、105℃の耐熱時の寸法安定性、ピストニングに優れた屋内配線や自動車内配線用のプラスチック光ファイバおよびプラスチック光ファイバコードを提供する。
【解決手段】コアと少なくとも1層のクラッドを有するプラスチック光ファイバ、およびその外層に少なくとも1層の被覆層を設けてなるプラスチック光ファイバコードであって、そのプラスチック光ファイバの最表層のクラッドが、エチレン10〜35重量%、テトラフルオロエチレン45〜69重量%、ヘキサフルオロプロピレン20〜45重量%および次式CH=CX(CF(式中、Xはフッ素原子または水素原子、Xはフッ素原子、水素原子または炭化水素基、nは1〜10の整数を表す。)で示されるフルオロビニル化合物0.01〜10重量%を共重合成分として含有する共重合体からなるものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、実使用温度105℃での使用に耐えうる耐熱性を保有し、105℃の耐熱時の寸法安定性、特に、ピストニングに優れた屋内配線や自動車内配線等用のプラスチック光ファイバ(以下、POFと略記することがある。)およびプラスチック光ファイバコードに関するものである。
プラスチック光ファイバは、加工性、取扱い性および製造コストなどの面でガラス系光ファイバに比べて優れているので、短距離の光通信伝送、光電センサーおよびライトガイドなどに好適に使用されている。特に、最近では、自動車内情報通信用配線として、プラスチック光ファイバに、ナイロン(ポリアミド)等の熱可塑性樹脂を被覆したプラスチック光ファイバコードが提案されている。
上記プラスチック光ファイバは、コアとクラッドの2種の重合体により構成されている。
従来、コアには、ポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと略記することがある。)に代表されるように、透明性に優れ耐候性の良好な重合体が一般に使用されている。一方、クラッドは、コア内部に光を閉じ込めておくためにコアよりも低屈折率であることが必要であり、クラッドには弗素含有重合体が広く使用されている。
屋内配線や自動車内通信配線用途において、POFは高温多湿の環境下で狭い空間を屈曲した状態で施工されることが多く、耐熱性、耐湿熱性、耐屈曲性および耐曲げ損失特性などが要求される。
特に、自動車内でルーフやエンジンルーム内への配線では環境温度が約100℃と高温になるため、プラスチック光ファイバコードの性能も100〜105℃のような高温での長期耐熱性を満足することが求められている。
また、プラスチック光ファイバコードは、通常その端部にコネクタを装着して使用されるが、表側の被覆層を剥離する際、プラスチック光ファイバ裸線(素線)に傷を付け易いということから、被覆層を残したままコネクタ部品と接続固定する装着方式が行われている。被覆層をコネクタ部品に接続固定する場合、コネクタとプラスチック光ファイバコードとの接続強度を保持する上で、耐熱性と共にプラスチック光ファイバ裸線(素線)と被覆層の密着力が高いことも必要である。
そのため、被覆層の樹脂として、被覆層の樹脂に、クラッド材をポリマーブレンドしたりあるいはクラッド材を共重合した、特殊な高接着性樹脂を使用することが検討されている。
ところで、従来PMMAをコアに用いたプラスチック光ファイバコードの耐熱性を向上させる技術はこれまでいくつか提案されている。
具体的に、クラッド材として非晶性でガラス転移温度が高いα−フルオロアクリレート共重合体を用い、被覆材としてナイロン12やポリプロピレン等を用いたプラスチック光ファイバコードが提案されている(特許文献1および特許文献2参照。)。しかしながら、これらの提案では、クラッド材として用いられているα−フルオロアクリレート共重合体が非晶性でガラス転移点が高く、プラスチック光ファイバの素線として105℃の温度環境下における耐熱性は良好であるが、このクラッド材は非常に高価であり、またクラッド材自体の透明性が悪いため初期の伝送損失が悪く、コアとの界面密着性が悪いため耐屈曲性等の機械特性に劣るという問題があった。
また別に、第1クラッドがフルオロアルキル(メタ)クリレート単位(A)15〜90質量%と、他の共重合可能な単量体単位(B)10〜85質量%を含有する共重合体からなり、第2クラッドがテトラフルオロエチレン単位を含む含フッ素オレフィン系樹脂からなるプラスチック光ファイバ素線の外周に、ポリアミド系樹脂組成物からなる被覆層を被覆してなるプラスチック光ファイバケーブルが提案示されている(特許文献3参照。)。しかしながら、この提案では、プラスチック光ファイバのクラッド材として用いられているフルオロアルキル(メタ)クリレート系共重合体も、非晶性でガラス転移点が高く、プラスチック光ファイバ素線として105℃の温度環境下における耐熱性は良好であるが、このクラッド材も非常に高価であり、また、コアとの界面密着性が悪いため耐屈曲性等の機械特性に劣るという問題があった。
また別に、芯材(コア)がPMMAからなり、鞘材(クラッド)がフッ化ビニリデン(VdF)単位40〜62モル%とテトラフルオロエチレン(TFE)単位28〜40モル%とヘキサフルオロプロピレン(HFP)単位8〜22モル%との3元共重合体からなるプラスチック光ファイバ素線の外周に、ナイロン12からなる被覆材を設けた光ファイバケーブルが提案されている(特許文献4参照。)。しかしながら、この提案のように、プラスチック光ファイバのクラッド材が、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの3元共重合体からなるプラスチック光ファイバは、1,000時間以上の長期耐熱性に劣るという問題があった。
また別に、芯材(コア)がPMMAからなり、鞘材(クラッド)がエチレン単位5〜30wt%とTFE単位40〜75wt%とHFP単位15〜50wt%との3元共重合体からなる光ファイバの外周に、熱可塑性樹脂からなる被覆材を設けた光ファイバケーブルが提案されている(特許文献5参照。)。しかしながら、この提案において、プラスチック光ファイバのクラッド材として用いられているエチレン/TFE/HFP共重合体は、低屈折率性と低結晶化性を有するため、透光損失を低減できることに加えて機械的特性も良好であるが、やはり105℃の温度環境下における耐熱性に劣り、115℃の温度においては全く使用に耐えうるものではないという問題があった。
105℃耐熱用プラスチック光ファイバコードとして、ポリメチルメタクリレート系樹脂からなる芯と、ビニリデンフロライド系樹脂とポリメチルメタクリレート系樹脂からなる樹脂組成物からなる第1鞘層と、ビニリデンフロライドとヘキサフロロプロペンとテトラフロロエチレンからなる共重合体からなる第2鞘層とを複合紡糸し、その外側にナイロン12を被覆したプラスチック光ファイバケーブルが提案されている(特許文献6参照。)。しかしながら、この提案において、さらには自動車内で使用する場合配線時にプラスチック光ファイバケーブルを曲げるために、開口数が小さいことから、透光損失が大きくなるという問題があった。
特許第3815367号公報(特許請求の範囲) 特開2002−55243号公報(特許請求の範囲) 特開2005−234135号公報(特許請求の範囲) 特開2000−266970号公報(特許請求の範囲) 特開2001−074944号公報(特許請求の範囲) 特開2001−324626号公報
そこで本発明の目的は、実使用温度105℃での使用に耐えうる耐熱性を保有し、105℃の耐熱時の寸法安定性、特に、ピストニングに優れた屋内配線や自動車内配線等用のプラスチック光ファイバおよびプラスチック光ファイバコードを提供することにある。
すなわち、本発明は、コアと少なくとも1層のクラッドを有するプラスチック光ファイバであって、プラスチック光ファイバの最表層のクラッドが、エチレン10〜35重量%、テトラフルオロエチレン45〜69重量%、ヘキサフルオロプロピレン20〜45重量%および次式(1)
CH=CX(CF (1)
(式中、Xはフッ素原子又は水素原子、Xはフッ素原子、水素原子または炭化水素基、nは1〜10の整数を表す。)で示されるフルオロビニル化合物0.01〜10重量%を共重合成分として含有する共重合体からなることを特徴とするプラスチック光ファイバである。
本発明のプラスチック光ファイバの好ましい態様によれば、前記のフルオロビニル化合物は、次式(2)
CH=CF(CFH (2)
で示される化合物である。
本発明によれば、特に自動車内でのステアリング、ブレーキ、ABSユニット、トランスミッションおよびエンジン等の制御部分用途でのプラスチック光ファイバコードにおいて、制御部分では105℃まで温度上昇があることから105℃の実使用温度で、特に光量低下が−1.0dB以内となる耐熱性を保有し、かつ、ピストニングが±0.5mm以内となるような寸法安定性を保持でき、耐湿熱性や曲げ損失、屈曲性などとのバランスを取ることが可能な自動車内配線用に好適なプラスチック光ファイバおよびプラスチック光ファイバコードが提供可能となる。
本発明のプラスチック光ファイバは、コアと少なくとも1層のクラッドを有する構造からなるものである。
本発明のプラスチック光ファイバコードは、コアと少なくとも1層のクラッドを有するプラスチック光ファイバの外層に少なくとも1層の被覆層を設けた構造からなるものである。
本発明のプラスチック光ファイバのコア材料は、メチルメタクリレート(以下、MMAと略記することがある。)を共重合成分の主成分とする(共)重合体であることが好ましく、具体的には、ポリメチルメタクリレート(PMMA)またはMMAが共重合成分の70重量%以上である共重合体を含み、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、(置換)スチレンおよび(N−置換)マレイミドなどを共重合するか、あるいはそれらを高分子反応したグルタル酸無水物やグルタルイミドなどの変性重合体などが挙げられる。上記の(共)重合体は、重合体と共重合体を表している。同様に、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステルとメタアクリル酸エステルを表している。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ボルニルメタクリレートおよびアダマンチルメタクリレートなどが、置換スチレンとしては、メチルスチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
N−置換マレイミドとしては、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミドおよびN−o−メチルフェニルマレイミドなどが挙げられる。
これら共重合成分は、複数で用いても良く、これら以外の成分を少量使用してもよい。また、耐酸化防止剤などの安定剤が透光性に悪影響しない量だけ含まれていても構わない。これらの(共)重合体の中で、コア材料としては、生産性、透光性および耐環境性などの点から、実質的にPMMAであることが最も好ましい態様である。
本発明のプラスチック光ファイバにおけるクラッドは、少なくとも1層であり、2層以上有していることが好ましく、2層であることが特に好ましい。積層数の上限としては、3層までが好ましい態様である。
本発明のプラスチック光ファイバにおいて、最表層のクラッドは、エチレン10〜35重量%、テトラフルオロエチレン45〜69重量%、ヘキサフルオロプロピレン20〜45重量%および次式(1)
CH=CX(CF (1)
(式中、Xはフッ素原子または水素原子、Xはフッ素原子、水素原子または炭化水素基、nは1〜10の整数を表す。)で示されるフルオロビニル化合物0.01〜10重量%を共重合成分として含有する共重合体を含有することが必要である。なお、最表層のクラッドとは、クラッドを1層有する場合は当該クラッドを指し、クラッドを2層以上有する場合はその中で最も外側に位置するクラッドを指す。
上記の式(1)において、エチレンが10重量%未満の場合、成形安定性が低下する。35重量%を超える場合、結晶性が高くなり、透明性が低下し、伝送特性が低下する。11〜30重量%が好ましい。テトラフルオロエチレンが45重量%未満の場合、成形安定性が低下する。69重量%を超える場合、結晶性が高くなり、透明性が低下し、伝送特性が低下する。また、融点が高くなり、光ファイバの紡糸温度付近での流動性が低下する。ヘキサフルオロプロピレンが20重量%未満の場合、柔軟性が低下し、曲げ損失が低下する。45重量%を超える場合、粘着性が増すため、被覆層を被覆するときの加工性が低下する。
特に、コアのMMA主体の(共)重合体への密着性や耐熱性に優れた特性を付与するために、上記の式(1)で示されるフルオロビニル化合物を0.01〜10重量%含有することが必要である。一方、他の共重合成分の含有量との関係から、その含有量は10重量%以下である。
上記の式(1)で示されるフルオロビニル化合物において、Xは、好ましくは、フッ素原子、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロプル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基などである。
前記式(1)で表されるフルオロビニル化合物としては、例えば、CH=CF(CFH、CH=CH(CFH、CH=CF(CFH、CH=CH(CFH、CH=CF(CFCH、CH=CF(CF、CH=CH(CFFなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
特に、前記式(1)で示されるフルオロビニル化合物が次式(2)
CH=CF(CFH (2)
で示される化合物の場合、生産性、コスト、環境性および品質面において優れている。
エチレン10〜35重量%、テトラフルオロエチレン45〜69重量%、ヘキサフルオロプロピレン20〜45重量%、および、次式(1)
CH=CX(CF (1)
(式(1)中、Xはフッ素原子または水素原子、Xはフッ素原子、水素原子または炭化水素基、nは1〜10の整数を表す。)で示されるフルオロビニル化合物0.01〜10重量%を共重合成分として含む共重合体は、好ましくは、エチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、および、次式(1)
CH=CX(CF (1)
(式(1)中、Xはフッ素原子または水素原子、Xはフッ素原子、水素原子または炭化水素基、nは1〜10の整数を表す。)で示されるフルオロビニル化合物の総計が、100重量%である。
また、最表層のクラッドの共重合体が、ポリマー鎖末端または側鎖にカルボニル基含有官能基を有する共重合体であると、クラッドが1層の場合には、コアのMMA主体の(共)重合体や被覆層との密着性が更に向上し、また、2層以上のクラッドにおける最表層である場合は被覆層との密着性が更に向上する。
上記のカルボニル基含有官能基とは、一般に−OC(=O)O−の結合を有するカーボネート基や−COY[Yはハロゲン元素]の構造を有するカルボン酸ハライド基であり、特に含フッ素カーボネート基(R−O−C(=O)−RF’)、またはカルボン酸フルオライド基(−C(=O)F)が好ましい。RやRF’はフッ素基が含まれる官能基、例えばフッ化アルキル基やフッ化ビニリデン基などを表している。
ポリマー分子末端にカルボニル基含有官能基を有する含フッ素エチレン性重合体を得るためには、種々の方法を採用することができるが、経済性の面、耐熱性および耐薬品性など品質面で、パーオキシカーボネート系のパーオキサイドを重合開始剤として用いる方法が好ましく用いられる。
末端カルボニル基含有官能基を導入するために用いられるパーオキシカーボネートとしては、例えば、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートおよびジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネートなどが好ましく用いられる。
本発明のプラスチック光ファイバの最表層のクラッドのメルトフローレート(以下、MFRと略記することがある。)値は、10〜100g/10分(条件:温度265℃、荷重5kg、オリフィス径2mm、長さ8mm)の範囲内であることが好ましい。特に好ましいMFRの範囲は、20〜60g/10分である。MFRを上記範囲内とすることで押出が容易となることから、紡糸が円滑に進む。また、コアとの密着性を適度に保つことができ、偏心が良好となり、プラスチック光ファイバとしての外径変動を抑制することができる。
また、本発明においては、上記最表層クラッドと後述する熱可塑性樹脂からなる被覆層を組み合わせることにより、プラスチック光ファイバ素線と被覆層成分の相互作用が大きくなり、後述するように、プラスチック光ファイバコードの50cm長さにおける、105℃の温度で24時間熱処理後のピストニングを±0.5mm以内にすることができる。
本発明のプラスチック光ファイバのクラッドが、エチレン10〜35重量%、テトラフルオロエチレン45〜69重量%、ヘキサフルオロプロピレン20〜45重量%および次式(1)
CH=CX(CF (1)
(式中、Xはフッ素原子または水素原子、Xはフッ素原子、水素原子または炭化水素基、nは1〜10の整数を表す。)で示されるフルオロビニル化合物0.01〜10重量%を共重合成分として含有する共重合体を含有する材料からなる1層の場合、クラッドの屈折率はコアより低い樹脂からなり、コアとクラッドとの屈折率から計算される理論開口数(NA)は0.51〜0.65であることが好ましい。理論開口数は、次式のように、コアとクラッドの屈折率差で表わされる。
開口数=((コアの屈折率)−(クラッドの屈折率)1/2
これまでに実用化されているPMMAをコアとしたプラスチック光ファイバの開口数は0.45〜0.65前後であり、理論開口数を0.51〜0.65とすることにより、同じく実用化されている受発光素子等の周辺部品への互換性を保持することができる。
次に、本発明のプラスチック光ファイバが、2層以上のクラッドを有する場合について説明する。
本発明のプラスチック光ファイバが、2層以上のクラッドを有する場合、クラッドは、2〜3層が好ましく、クラッドは、2層が、さらに好ましい。
本発明のプラスチック光ファイバが、2層以上のクラッドを有する場合、好ましくは、内層のクラッドは、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンを共重合成分として含む共重合体からなる。
本発明のプラスチック光ファイバが、2層以上のクラッドを有する場合、さらに好ましくは、内層のクラッドが、フッ化ビニリデン10〜35重量%とテトラフルオロエチレン45〜75重量%とヘキサフルオロプロピレン10〜30重量%とパーフルオロアルキルビニルエーテル類1〜10重量%を共重合成分として含有する共重合体からなる。
パーフルオロアルキルビニルエーテル類としては、CF2=CFOCF3、CF2=CFOCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF3、CF2=CFOCH2CF3、CF2=CFOCH2CF2CF3、CF2=CFOCH2CF2CF2CF3、CF2=CFOCH3、CF2=CFOCH2CH3などが挙げられるが、原料の低コスト化を図ることができる点から、CF2=CFOCF3、CF2=CFOCF2CF3、および、CF2=CFOCF2CF2CF3からなる群から選ばれた化合物が特に好ましく用いられる。
本発明のプラスチック光ファイバが、2層以上のクラッドを有する場合、さらに好ましくは、内層のクラッドが、フッ化ビニリデン35〜60重量%とテトラフルオロエチレン35〜60重量%とヘキサフルオロプロピレン5〜30重量%を共重合成分として含有する共重合体からなる。
本発明のプラスチック光ファイバが、2層以上のクラッドを有する場合、さらに好ましくは、内層のクラッドが、フッ化ビニリデン65〜85重量%とテトラフルオロエチレン15〜35重量%を共重合成分として含有する共重合体からなる。
本発明のプラスチック光ファイバが、2層以上のクラッドを有する場合、好ましくは、内層のクラッドは、パーフルオロアルキルメタクリレートおよび/またはパーフルオロアルキルアクリレートを共重合成分として含む共重合体からなる。本発明のプラスチック光ファイバのクラッドが、より好ましくは、3層以上の場合は最表層以外のすべてのクラッドが、パーフルオロアルキルメタクリレートを共重合体成分として含む共重合体からなることが好ましい。クラッドが2層以上の場合の内層のクラッドに、パーフルオロアルキルメタクリレートを共重合体成分として含む共重合体を使用すると、耐熱性や耐湿熱性などの熱特性が向上する。
パーフルオロアルキルメタクリレートを共重合体成分として含む共重合体としては、次式(3)
CH=C(CH)−COO(CH(CFR (3)
(但し、Rはフッ素原子または水素原子、mは1または2、nは1から10の整数を表す。)で示されるパーフルオロアルキルメタクリレート60〜95重量%およびメチルメタクリレ−ト5〜40重量%を共重合成分として含有する共重合体を用いることが、透明性や耐熱性の点から好ましい態様である。mは1であることが、より好ましい。
上記の式(3)で示されるパーフルオロアルキルメタクリレートは、共重合体が白濁や黄変することがなく、機械特性がよく、プラスチック光ファイバに用いることにより透光性、耐熱性および耐屈曲性などに優れたプラスチック光ファイバが得られる。
本発明で好ましく用いられるパーフルオロアルキルメタクリレートは、さらにMMA以外の(メタ)アクリル酸エステル類、脂環式炭化水素をエステルに有するメタクリル酸、(メタ)アクリル酸、(置換)スチレンおよび(N−置換)マレイミドなどを10重量%程度以内で共重合しても良い。
本発明のプラスチック光ファイバが、2層以上のクラッドを有する場合、POFの理論開口数は、NA=0.45〜0.65であることが好ましい。開口数を0.45〜0.65とすることにより、従来1層で用いていた物性バランスのとれたクラッドを、そのまま本発明の最内層クラッドとして使用することが可能である。
本発明のプラスチック光ファイバコードは、プラスチック光ファイバを素線とし、クラッドの外周に更に、1層以上の被覆層を被覆する。被覆層は、好ましくは、1層から3層であり、より好ましくは、1層から2層である。被覆層の厚さは、0.05mm〜30mmであることが好ましい。
被覆層は、熱可塑性樹脂からなることが好ましい。これら熱可塑性樹脂には、難燃剤の他、耐酸化防止剤、耐老化剤および紫外線(UV)安定剤などの安定剤、あるいは着色のための顔料を含んでいてもよい。
被覆層は、例えば、ポリオレフィン、有機シラン基を含有するオレフィン系エラストマーなどのポリオレフィン系エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー樹脂、フッ素樹脂および架橋ポリオレフィンが好ましく用いられ、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、架橋ポリオレフィン、ポリウレタン系エラストマーおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択されたものがより好ましい。
被覆層は、特に、ポリオレフィンを用いることがさらに好ましい。ポリオレフィンを用いた場合、最表層のクラッド材との密着性がより大きくなり、ピストニングが小さくなる。被覆層は、ポリプロピレン、または、ポリエチレンがさらにより好ましい。
特に、自動車内のルーフやエンジンルーム内での使用に耐えうるには、耐油性、耐摩耗性および耐衝撃性に加え、特に耐熱性が必要となる。具体的にプラスチック光ファイバの外周部に接する被覆層として、上記特性を満足するために、105℃の高温下で熱分解や分子の動きが生じにくく、さらには50cm長さにおける、105℃の温度で24時間熱処理後のピストニングを±0.5mm以内とするために、最表層クラッドとの密着性を向上させることが重要であり、そのために親和性および相互作用を強くする必要がある。
このような観点から、特に、自動車用のプラスチック光ファイバコードでは、被覆層は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマーおよび架橋ポリオレフィンが特に好ましく用いられる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレンおよびポリブタジエン等があるが、中でもポリプロピレンおよびそれらの共重合体、ブレンド品を主成分とする樹脂が特に好ましく用いられる。
本発明において、プラスチック光ファイバコードの50cm長さにおける、105℃の温度で24時間加熱処理後のピストニングが±0.5mm以内であることが好ましい。ここでいうピストニングとは、耐熱環境下でプラスチック光ファイバコードにおいて、被覆層の熱収縮により形状が変化する、もしくは、被覆層とプラスチック光ファイバ素線との密着力が低いことから、プラスチック光ファイバ素線が突き出たり、引っ込んだりする状態のことをいう。50cm長さにおけるピストニングの測定方法については、実施例の項で記載する。
ピストニングが±0.5mmを超えると、光コネクタの接続に関して不具合が生じ、受光端と発光端を併せると1mmを超えてしまうため、受光側および発光側に光コネクタ用のフェルールを取り付け、接続したときに光学的結合の信頼性が低下するので問題となる場合がある。ピストニングが±0.5mm以内であれば、受光端と発光端を併せても1mm以下とすることができ、位置精度、公差の範囲内で許容することが可能である。
次に、本発明のプラスチック光ファイバとプラスチック光ファイバコードの製造方法の例について説明する。
本発明のプラスチック光ファイバは、常法により製造することができる。例えば、コア材とクラッド材とを加熱溶融状態下で、同心円状複合用の複合口金から吐出してコア/クラッドの2層芯鞘構造を形成させる複合紡糸法が好ましく用いられる。さらに、例えば、コア/第1クラッド/第2クラッドの3層芯鞘構造を形成させる複合紡糸法が好ましく用いられる。
続いて、機械特性を向上させる目的で1.2〜3倍程度の延伸処理が一般的に行なわれ、プラスチック光ファイバとなる。
プラスチック光ファイバの外径は、通常、0.1〜3mm程度である。また、自動車内で配線するための強力および取扱性などの面から、コア径は0.7〜1.5mmφであることが好ましく、クラッドの厚さは、0.005〜0.3mmであることが好ましい。また、保護層を設ける場合にも公知の方法によって製造することができるが、3層同時の複合紡糸法が好ましく用いられる。
次に、プラスチック光ファイバコードは、上記のプラスチック光ファイバを素線とし、その外層に少なくとも1層の被覆層を形成し、プラスチック光ファイバコードを得る。被覆層は、クロスヘッドダイを使用した溶融押出成形法等の方法によって形成することができる。
本発明のプラスチック光ファイバコードは、好ましくは、送線機等により50〜1400gの供給張力で送られてきたプラスチック光ファイバをクロスヘッドダイの後部から送り込み、ダイ内で押出機から押出された加熱溶融状態の被覆材をプラスチック光ファイバの周囲に融着することで被覆して製造する。また、プラスチック光ファイバへの単位時間当たりの受熱量増大による透光性の悪化を防止する目的で、プラスチック光ファイバの周囲に被覆材を融着後急速に冷却固化する工程を設ける、すなわち冷却層を設置することも可能である。冷却工程に使用する冷却媒体は、通常は水でよいが、他の冷却媒体を使用してもよい。
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明する。評価は、次の方法で行った。
・屈折率:
測定装置としてアッベ屈折率計を使用して、室温25℃雰囲気で測定した。
・ピストニング:
試長50cmのプラスチック光ファイバコードを、高温オーブン(タバイエスペック社製PHH−200)内に105℃の温度で24時間投入し、試験前後のプラスチック光ファイバコードのコード端面部を小型測定顕微鏡(オリンパス社製STM6)で観察した。
プラスチック光ファイバが被覆層の先端から突き出している場合は、被覆層の先端から突きだしているプラスチック光ファイバ先端までの長さがピストニング部分となり、−(マイナス)とする。プラスチック光ファイバが被覆層の先端から引っ込んでいる場合は被覆層の先端から引っ込んだプラスチック光ファイバの先端までの長さがピストニング部分となり、+(プラス)となる。ピストニングが、±0.5mm以内の場合を合格とした。
・透光性:
ハロゲン平行光(波長650nm、入射NA=0.25)を使用して、30/2mカットバック法により測定した。150dB/km以下で合格である。
・密着力:
第2被覆層を有する場合には第2被覆層を除去した後、プラスチック光ファイバコード90mmから被覆層を60mm剥離してプラスチック光ファイバを露出し、ファイバ径+0.1mmの径の穴をあけた金属板にファイバを通し、一般市販の引張試験機にて引張速度50mm/分でファイバを引き抜き、降伏点強力の最低値を密着力とした。n=20の測定を行い、密着力の平均値を求めた。n=20の平均値が30N以上で合格である。
・連続屈曲回数:
1次被覆コードの一端に500gの荷重をかけ、直径30mmφのマンドレルで支持し、その支持点を中心にファイバの他端を角度90°で連続的に屈曲させて、コードが切断するまでの回数を測定した(n=5の平均値)。50,000回以上持てば合格である。
・耐熱性:
高温オーブン(タバイエスペック社製PHH−200)内に、試長28mのプラスチック光ファイバコード(両末端各1mはオーブン外)を105℃の温度で500時間投入し、試験前後の光量を測定してその変化量を指標とした(n=3の平均値。マイナスは、光量ダウンを示す)。変化量が−1.0dB以内であれば合格である。
・耐湿熱性:
耐熱性と同様にして、温度85℃、湿度85%の条件で評価した。変化量が−1.0dB以内であれば合格である。
・曲げ損失:
660nmLED(発光ダイオード)を使用し、金属製半径10mmの棒に360度巻き付けたときの光量を測定して、その前後での減少量を指標とした(n=3の平均値)。減少量が1dB以下であれば合格である。
[実施例1]
クラッド材として、表1に示す組成のエチレン(Et)/テトラフルオロエチレン(4F)/ヘキサフルオロプロピレン(6F)/単量体A(CH=CF(CFH)
からなる共重合体(屈折率1.373)を、複合紡糸機に供給した。さらに、連続魂状重合によって製造したPMMA((屈折率1.492)をコア材として複合紡糸機に供給して、235℃の温度でコアとクラッドを芯鞘複合溶融紡糸し、ファイバ径1000μm(コア径980μm、クラッド厚10.0μm)のプラスチック光ファイバを得た。
さらに、ポリプロピレン樹脂(サンアロマー製;PMB60W)とカーボンブラックを4重量%となるよう黒カラーマスターバッチを20:1の比率で入れた被覆材を、上記のプラスチック光ファイバに、180℃の温度に設定したクロスヘッドダイにてクロスヘッドケーブル被覆方式装置を用いて被覆して、外径2.2mmのプラスチック光ファイバコードを得た。
このようして得られたプラスチック光ファイバコードを、前記の評価方法により評価し、その結果を表5に示した。表5からわかるように、ピストニング、透光性、密着力、繰り返し屈曲性、耐熱性、耐湿熱性および曲げ損失がいずれも優れていた。
[実施例2、3]
被覆材を表1のとおりに変更した(ただし、ファイバ径をすべて1000μmに統一)こと以外は、実施例1と同様にしてプラスチック光ファイバコードを得た。これらのプラスチック光ファイバコードを使用して実施例1と同じ評価を行い、その結果を表5に示した。
本発明の実施例2、3は、ピストニング、透光性、密着力、耐屈曲性、耐熱性、耐湿熱性および耐曲げ特性がいずれも優れていた。
[実施例4]
水架橋ポリエチレン(“リンクロン”(登録商標)XHM−611N、三菱化学(株)製)を触媒マスターバッチとブレンドした被覆材を、実施例1で製造したプラスチック光ファイバに、230℃の温度に設定したクロスヘッドダイにてクロスヘッドケーブル被覆方式装置を用いて被覆して、外径2.2mmのプラスチック光ファイバコードを得た。このようして得られたプラスチック光ファイバコードを、前記の評価方法により評価し、その結果を表5に示した。表5からわかるように、ピストニング、透光性、密着力、繰り返し屈曲性、耐熱性、耐湿熱性および曲げ損失がいずれも優れていた。
[実施例5〜8]
被覆材を表1に示したとおり変更したこと以外は、実施例1と同様の製造方法で作製したプラスチック光ファイバコードを、前記の評価方法により評価し、その結果を表5に示した。表5からわかるように、ピストニング、透光性、密着力、繰り返し屈曲性、耐熱性、耐湿熱性および曲げ損失がいずれも優れていた。
[実施例9,10]
第1クラッド材を、表1に示したとおり変更したこと以外は、実施例1と同様の製造方法で作製したプラスチック光ファイバコードを、前記の評価方法により評価し、その結果を表5に示した。表5からわかるように、ピストニング、透光性、密着力、繰り返し屈曲性、耐熱性、耐湿熱性および曲げ損失がいずれも優れていた。
Figure 2011008240
PMMA :ポリメチルメタクリレ−ト
4F :テトラフルオロエチレン
6F :ヘキサフルオロプロピレン
単量体A :CH=CF(CF
[実施例11]
クラッド材として、表2に示す組成の第1クラッド(テトラフルオロエチレン(4F)/2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレ−ト(5FM)/メタクリル酸メチル(MMA)からなる共重合体(屈折率1.421))、および、第2クラッド(エチレン(Et)/テトラフルオロエチレン(4F)/ヘキサフルオロプロピレン(6F)/単量体A(CH=CF(CFH)からなる共重合体(屈折率1.373))を、複合紡糸機に供給した。さらに、連続魂状重合によって製造したPMMA(屈折率1.492)をコア材として複合紡糸機に供給して、235℃の温度でコアとクラッドを芯鞘複合溶融紡糸し、ファイバ径1000μm(コア径980μm、第1/第クラッド厚各5.0μm)のプラスチック光ファイバを得た。
さらに、ポリプロピレンエラストマー(東洋紡製;サーリンク4155)を被覆材として、上記のプラスチック光ファイバに、180℃の温度に設定したクロスヘッドダイにてクロスヘッドケーブル被覆方式装置を用いて被覆して、外径2.2mmのプラスチック光ファイバコードを得た。
このようして得られたプラスチック光ファイバコードを、前記の評価方法により評価し、その結果を表5に示した。表5からわかるように、ピストニング、透光性、密着力、繰り返し屈曲性、耐熱性、耐湿熱性および曲げ損失がいずれも優れていた。
[実施例12]
被覆材を表2に示したとおり変更したこと以外は、実施例11と同様の製造方法で作製したプラスチック光ファイバコードを、前記の評価方法により評価し、その結果を表5に示した。表5からわかるように、ピストニング、透光性、密着力、繰り返し屈曲性、耐熱性、耐湿熱性および曲げ損失がいずれも優れていた。
[実施例13〜16]
第1クラッド材と第2クラッド材を、表2に示したとおり変更し、被覆材を表2に示したとおり変更したこと以外は、実施例11と同様の製造方法で作製したプラスチック光ファイバコードを、前記の評価方法により評価し、その結果を表5に示した。表5からわかるように、ピストニング、透光性、密着力、繰り返し屈曲性、耐熱性、耐湿熱性および曲げ損失がいずれも優れていた。
Figure 2011008240
PMMA :ポリメチルメタクリレ−ト
4FM :2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレ−ト
5FM :2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレ−ト
MMA :メタクリル酸メチル
Et :エチレン
2F :フッ化ビニリデン
4F :テトラフルオロエチレン
6F :ヘキサフルオロプロピレン
FVE :ヘプタフルオロプロピルビニルエーテル
単量体A :CH=CF(CF
[実施例17]
クラッド材として、表3に示す組成の第1クラッド材(エチレン(Et)/テトラフルオロエチレン(4F)/ヘキサフルオロプロピレン(6F)/単量体A(CH=CF(CFH)からなる共重合体(屈折率1.380))を複合紡糸機に供給した。
さらに、連続魂状重合によって製造したPMMA(屈折率1.492)をコア材として複合紡糸機に供給して、235℃の温度でコアとクラッドを芯鞘複合溶融紡糸し、ファイバ径1000μm(コア径980μm、第1クラッド厚10.0μm)のプラスチック光ファイバを得た。
得られたプラスチック光ファイバの外層に、ポリエチレン(ダウケミカル社製“NUC−9109)を、線速度50m/分の条件にて溶融押出成型法により形成し、外径1.5mmのプラスチック光ファイバコードを得た。
さらにその外層に、ポリプロピレン樹脂(サンアロマー製;PMB60W)にカーボンブラックを4重量%入れた被覆材を、上記のプラスチック光ファイバに、180℃の温度に設定したクロスヘッドダイにてクロスヘッドケーブル被覆方式装置を用いて被覆して、外径2.2mmのプラスチック光ファイバコードを得た。このようして得られたプラスチック光ファイバコードを、前記の評価方法により評価し、その結果を表5に示した。表5からわかるように、ピストニング、透光性、密着力、繰り返し屈曲性、耐熱性、耐湿熱性および曲げ損失がいずれも優れていた。
[実施例18]
第1クラッド材と第2被覆材を、表3に示したとおり変更したこと以外は、実施例17と同様の製造方法で作製したプラスチック光ファイバコードを、前記の評価方法により評価し、その結果を表5に示した。表5からわかるように、ピストニング、透光性、密着力、繰り返し屈曲性、耐熱性、耐湿熱性および曲げ損失がいずれも優れていた。
Figure 2011008240
PMMA :ポリメチルメタクリレ−ト
Et :エチレン
4F :テトラフルオロエチレン
6F :ヘキサフルオロプロピレン
単量体A :CH=CF(CF
[比較例1]
第1クラッド材を表4に示したとおり変更したこと以外は、実施例1と同様の製造方法で作製したプラスチック光ファイバコードを、前記の評価方法により評価し、その結果を表5に示した。表5からわかるように、ピストニングが合格せず、透光性や密着力、耐屈曲性、耐熱性、その他の物性バランスが悪かった。
[比較例2〜3]
第1クラッド材と被覆材を表4に示したとおり変更したこと以外は、実施例1と同様の製造方法で作製したプラスチック光ファイバコードを、前記の評価方法により評価し、その結果を表5に示した。表5からわかるように、ピストニングが合格せず、透光性や密着力、耐屈曲性、耐熱性、その他の物性バランスが悪かった。
Figure 2011008240
PMMA :ポリメチルメタクリレ−ト
Et :エチレン
2F :フッ化ビニリデン
4F :テトラフルオロエチレン
6F :ヘキサフルオロプロピレン
Figure 2011008240

Claims (14)

  1. コアと、少なくとも1層のクラッドを有するプラスチック光ファイバであって、
    プラスチック光ファイバの最表層のクラッドが、
    エチレン10〜35重量%、テトラフルオロエチレン45〜69重量%、ヘキサフルオロプロピレン20〜45重量%、および、次式(1)
    CH=CX(CF (1)
    (式中、Xはフッ素原子または水素原子、Xはフッ素原子、水素原子または炭化水素基、nは1〜10の整数を表す。)で示されるフルオロビニル化合物0.01〜10重量%を共重合成分として含有する共重合体からなるプラスチック光ファイバ。
  2. フルオロビニル化合物が、次式(2)
    CH=CF(CFH (2)
    で示される化合物である請求項1に記載のプラスチック光ファイバ。
  3. 2層以上のクラッドを有する請求項1または2記載のプラスチック光ファイバ。
  4. 内層のクラッドが、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンを共重合成分として含む共重合体からなる請求項3記載のプラスチック光ファイバ。
  5. 内層のクラッドが、フッ化ビニリデン10〜35重量%とテトラフルオロエチレン45〜75重量%とヘキサフルオロプロピレン10〜30重量%とパーフルオロアルキルビニルエーテル類1〜10重量%を共重合成分として含有する共重合体からなる請求項4に記載のプラスチック光ファイバ。
  6. 内層のクラッドが、フッ化ビニリデン35〜60重量%とテトラフルオロエチレン35〜60重量%とヘキサフルオロプロピレン5〜30重量%を共重合成分として含有する共重合体からなる請求項4に記載のプラスチック光ファイバ。
  7. 内層のクラッドが、フッ化ビニリデン65〜85重量%とテトラフルオロエチレン15〜35重量%を共重合成分として含有する共重合体からなる請求項4に記載のプラスチック光ファイバ。
  8. 内層のクラッドが、パーフルオロアルキルメタクリレートおよび/またはパーフルオロアルキルアクリレートを共重合成分として含む共重合体からなる請求項3記載のプラスチック光ファイバコード。
  9. 内層のクラッドが、次式(3)
    CH=C(CH)−COO(CH(CFR (3)
    (但し、Rはフッ素原子または水素原子、mは1または2、nは1から10の整数を表す。)で示されるパーフルオロアルキルメタクリレート60〜95重量%およびメチルメタクリレ−ト5〜40重量%を共重合成分として含有する共重合体からなる請求項8記載のプラスチック光ファイバ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のプラスチック光ファイバを素線とし、その外層に少なくとも1層の被覆層を設けてなるプラスチック光ファイバコード。
  11. 105℃の温度で24時間加熱処理した後のピストングが±0.5mm以内である請求項10記載のプラスチック光ファイバコード。
  12. 被覆層がポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、架橋ポリオレフィン、ポリウレタン系エラストマーおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択されたものである請求項10または11記載のプラスチック光ファイバコード。
  13. ポリオレフィンがポリプロピレンである請求項12記載のプラスチック光ファイバコード。
  14. ポリオレフィンがポリエチレンである請求項12に記載のプラスチック光ファイバコード。
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