JP5654370B2 - 多芯プラスチック光ファイバ素線及びケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチック光ファイバに関する。
プラスチック光ファイバは、透明樹脂からなる芯繊維の周囲を、該透明樹脂より低屈折率の樹脂からなる鞘層で囲んだ構造を有し、芯と鞘層との境界で光を反射させることにより芯内で光信号を伝送する媒体である。プラスチック光ファイバは石英ガラス光ファイバに比較して柔軟性に優れており、接続時の芯合わせが容易な直径の大きいものを利用できる。
単芯プラスチック光ファイバは、伝送する光量を大きくするために芯繊維の直径を大きくすると、曲げによる光損失の発生が大きくなる。これに対して、多芯プラスチック光ファイバは、個々の芯繊維の直径を小さくして上記光損失の発生を抑制した上で、個々の芯繊維にて伝送された光をあわせることで合計光量を大きくすることができるという利点を有する。このため、近年、多芯プラスチック光ファイバは種々の用途で採用されるようになってきた。
例えば、各々の芯繊維の周りを該芯樹脂の屈折率よりも低い屈折率を有する透明な第1鞘樹脂で取り囲み、各々の芯繊維を取り囲んだ第1鞘層の外側を、第1鞘樹脂より屈折率の低い第2鞘樹脂で取り囲み、それらが一まとめの繊維状になるように複合紡糸法によって製造され多芯プラスチック光ファイバ素線が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、物理的又は化学的な損傷からより確実に保護するために、多芯プラスチック光ファイバ素線の外側に熱可塑性樹脂からなる被覆樹脂層を被覆形成することにより、多芯プラスチック光ファイバケーブルとして使用されることも多い。
プラスチック光ファイバ素線の一つの用途として発光装飾がある。該発光装飾体は、光ファイバの一端から光を入射させ、この入射された光が光ファイバ内を伝送されて他端から出射されることで光ファイバの端部を発光させるものである。
WO1998/035247
ところで、多芯プラスチック光ファイバ素線を発光装飾として利用する場合、光の出射端面側の多芯プラスチック光ファイバ素線を、容易に個々の芯繊維と第1鞘層とのまとまり(以下「単芯プラスチック光ファイバ」とも記す。)一本一本に解ければ、小さな発光面からなる小型の発光装飾が可能となる。しかしながら、特許文献1に記載の多芯プラスチック光ファイバ素線を発光装飾に利用しようとすると、多芯プラスチック光ファイバ素線を容易に個々の単芯プラスチック光ファイバ一本一本に解けさせ難いという問題がある。
そこで、本発明は、容易に個々の単芯プラスチック光ファイバ一本一本に解くことができ、該一本一本の単芯プラスチック光ファイバの光伝送が良好な多芯プラスチック光ファイバ素線を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討した結果、樹脂からなる複数本の芯と、当該芯を取り囲む第1鞘樹脂からなる第1鞘層と、前記第1鞘層の外周と接する第2鞘樹脂からなる第2鞘層と、を含む多芯プラスチック光ファイバ素線において、第1鞘層と第2鞘層とを特定の樹脂から形成することで、容易に個々の単芯プラスチック光ファイバ一本一本に解くことができる多芯プラスチック光ファイバ素線となることを見出し、この知見に基づき本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の多芯プラスチック光ファイバ素線及びケーブルである。
[1]
樹脂からなる複数本の芯と、当該芯を取り囲む第1鞘樹脂からなる第1鞘層と、前記第1鞘層の外周と接する第2鞘樹脂からなる第2鞘層と、を含む多芯プラスチック光ファイバ素線であって、
前記第1鞘樹脂が、下記成分(イ)、(ロ)及び(ハ)を含む原料成分を共重合させて得られる共重合体からなり、
前記第1鞘樹脂中、成分(イ)の配合量が30〜70質量%であり、成分(ロ)の配合量が20〜65質量%であり、成分(ハ)の配合量が5〜30質量%であり、
前記第2鞘樹脂が、下記単位(A)、(B)及び(C)を重合単位の主成分とする共重合体からなり、
前記第2鞘樹脂の共重合体中の単位(A)と単位(B)との質量比((B)/(A))が1.4〜1.7であり、
前記第2鞘樹脂の共重合体中の単位(A)と単位(C)との質量比((C)/(A))が0.75〜0.95であり、且つ、
前記第2鞘樹脂の共重合体がカーボネート基及びハロホルミル基の少なくとも一方を含有する、多芯プラスチック光ファイバ素線;
(イ)下記式(i)で表される短鎖フルオロアルキルメタクリレート、
(式(i)中、nは1又は2であり、m1は0又は1〜4の整数であり、Xは水素原子又はフッ素原子である)
(ロ)下記式(ii)で表される長鎖フルオロアルキルメタクリレート、
(式(ii)中、nは1又は2であり、m2は5〜11の整数であり、Xは水素原子又はフッ素原子である)
(ハ)メチルメタクリレート、
(A)エチレン単位、
(B)テトラフルオロエチレン単位、
(C)ヘキサフルオロプロピレン単位。
[2]
前記成分(ロ)が、下記式(iii)で表される長鎖フルオロアルキルメタクリレートである、[1]に記載の多芯プラスチック光ファイバ素線。
[3]
前記第2鞘樹脂の共重合体が、末端に、カーボネート基及びハロホルミル基の少なくとも一方を含有する、[1]又は[2]に記載の多芯プラスチック光ファイバ素線。
[4]
前記第2鞘樹脂の共重合体が、炭素数1×106個当たりに、カーボネート基及びハロホルミル基の少なくとも一方を3〜1000個含有する、[1]から[3]のいずれかに記載の多芯プラスチック光ファイバ素線。
[5]
前記第2鞘樹脂の共重合体が、150〜200℃の範囲に融点を有し、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.37〜1.41であり、メルトフローレート(230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm)が5〜100g/10分である、[1]から[4]のいずれかに記載の多芯プラスチック光ファイバ素線。
[6]
前記第2鞘樹脂の共重合体の23℃におけるショアD硬度の値(ASTM D2240に準拠して測定)が50〜90である、[1]から[5]のいずれかに記載の多芯プラスチック光ファイバ素線。
[7]
前記芯を構成する樹脂がポリメチルメタクリレート系樹脂である、[1]から[6]のいずれかに記載の多芯プラスチック光ファイバ素線。
[8]
[1]から[7]のいずれかに記載の多芯プラスチック光ファイバ素線と、
該多芯プラスチック光ファイバ素線の外側に形成された、熱可塑性樹脂を含有する被覆層と、を有する多芯プラスチック光ファイバケーブル。
本発明の多芯プラスチック光ファイバ素線及びケーブルは、第1鞘層と第2鞘層との界面で容易に剥離することができるため、芯繊維と第1鞘層とのまとまり(単芯プラスチック光ファイバ)を一本一本に解いて使用することができる。本発明の多芯プラスチック光ファイバ素線は、容易に単芯プラスチック光ファイバ一本一本に解いて使用することができ、該一本一本の単芯プラスチック光ファイバの光伝送が良好であるため、電飾用途に最適である。
本願発明の多芯プラスチック光ファイバ素線の一例を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施の形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの本実施の形態にのみ限定する趣旨ではない。そして、本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
≪多芯プラスチック光ファイバ素線≫
本実施の形態の多芯プラスチック光ファイバ素線は、樹脂からなる複数本の芯と、当該芯を取り囲む第1鞘樹脂からなる第1鞘層と、前記第1鞘層の外周と接する第2鞘樹脂からなる第2鞘層と、を含む多芯プラスチック光ファイバ素線であって、前記第1鞘樹脂が、下記成分(イ)、(ロ)及び(ハ)を含む原料成分を共重合させて得られる共重合体からなり、前記原料成分中、成分(イ)の配合量が30〜70質量%であり、成分(ロ)の配合量が20〜65質量%であり、成分(ハ)の配合量が5〜30質量%であり、前記第2鞘樹脂が、下記単位(A)、(B)及び(C)を重合単位の主成分とする共重合体からなり、前記第2鞘樹脂の共重合体中の単位(A)と単位(B)との質量比((B)/(A))が1.4〜1.7であり、前記第2鞘樹脂の共重合体中の単位(A)と単位(C)との質量比((C)/(A))が0.75〜0.95であり、且つ、前記第2鞘樹脂の共重合体がカーボネート基及びハロホルミル基の少なくとも一方を含有する。
(イ)下記式(i)で表される短鎖フルオロアルキルメタクリレート、
(式(i)中、nは1又は2であり、m1は0又は1〜4の整数であり、Xは水素原子又はフッ素原子である)
(ロ)下記式(ii)で表される長鎖フルオロアルキルメタクリレート、
(式(ii)中、nは1又は2であり、m2は5〜11の整数であり、Xは水素原子又はフッ素原子である)
(ハ)メチルメタクリレート、
(A)エチレン単位、
(B)テトラフルオロエチレン単位、
(C)ヘキサフルオロプロピレン単位。
本実施の形態において、多芯プラスチック光ファイバ素線とは、芯の周りを第1鞘樹脂からなる第1鞘層で取り囲んだまとまり(単芯プラスチック光ファイバ)を複数有し、さらに各々の第1鞘層の周りを第2鞘樹脂からなる第2鞘層で直接接するように取り囲んだ構造のものをいう。
本実施の形態の多芯プラスチック光ファイバ素線として、具体的には、第1図に示すような個々の芯1とそれを取り囲む第1鞘層2とのまとまりを島とし、第2鞘層は互いに融着して海3を形成する構造(以下、海島構造とする。)の多芯プラスチック光ファイバ素線10とすることが好ましい。
本実施の形態において、多芯プラスチック光ファイバケーブルとは、多芯プラスチック光ファイバ素線の外側に被覆層を設けた構造のものをいう。
<芯樹脂>
芯を構成する樹脂(以下、「芯樹脂」ともいう。)は、特に限定は無いが、なるべく透光率の高い樹脂が好ましく、例えば、ポリメチルメタクリレート系樹脂が好ましい。ポリメチルメタクリレート系樹脂とは、メチルメタクリレートの単独重合体、或いはメチルメタクリレート成分を50質量%以上含んだ共重合体をいう。メチルメタクリレート成分と共重合可能な成分としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸エステル類、イソプロピルマレイミドのようなマレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンなどが挙げられ、これらの中から一種以上適宜選択して共重合させたものが好ましい。ポリメチルメタクリレート系樹脂の分子量は、流動性の観点から、重量平均分子量として8万〜20万程度のものが成形しやすいので好ましく、特に10万〜12万が好ましい。また芯樹脂には、その透明性を損なわない範囲で添加剤等を含ませてもよい。
<第1鞘樹脂>
第1鞘樹脂は、後述する特定の(イ)短鎖フルオロアルキルメタクリレート、後述する特定の(ロ)長鎖フルオロアルキルメタクリレート及び(ハ)メチルメタクリレートを含む原料成分を共重合させて得られる共重合体からなる。
成分(イ)は、下記式(i)で表される短鎖フルオロアルキルメタクリレートである。
式(i)中、nは1又は2であり、m1は0又は1〜4の整数であり、Xは水素原子又はフッ素原子である。m1は0又は1〜2の整数であることが好ましい。m1が前記範囲であると、特に多芯プラスチック光ファイバ素線を解いた際の第1鞘層と第2鞘層との界面の乱れが少なく、より手で解くのに適した界面状態となり好ましい。
成分(ロ)は、下記式(ii)で表される長鎖フルオロアルキルメタクリレートである。
式(ii)中、nは1又は2であり、m2は5〜11の整数であり、Xは水素原子又はフッ素原子である。m2は6〜8の整数であることが好ましい。m2が前記範囲であると、特に多芯プラスチック光ファイバ素線を解いた際の第1鞘層と第2鞘層との界面の乱れが少なく、より手で解くのに適した界面状態となり好ましい。
成分(ロ)は、下記式(iii)で表される長鎖フルオロアルキルメタクリレートであることが特に好ましい。
前記第1鞘樹脂中、成分(イ)の配合量が30〜70質量%であり、成分(ロ)の配合量が20〜65質量%であり、成分(ハ)の配合量が5〜30質量%である。
前記第1鞘樹脂中、成分(イ)の配合量は、好ましくは30〜60質量%であり、より好ましくは40〜60質量%であり、更に好ましくは45〜55質量%である。
前記第1鞘樹脂中、成分(イ)の配合量が前記範囲内であると、多芯プラスチック光ファイバ素線を解いた際の第1鞘層と第2鞘層との界面の乱れが少なく、より手で解くのに適した界面状態となり好ましい。
前記第1鞘樹脂中、成分(ロ)の配合量は、好ましくは30〜65質量%であり、より好ましくは30〜50質量%であり、更に好ましくは35〜45質量%である。
前記第1鞘樹脂中、成分(ロ)の配合量が前記範囲内であると、多芯プラスチック光ファイバ素線を解いた際の第1鞘層と第2鞘層との界面の乱れが少なく、より手で解くのに適した界面状態となり好ましい。
前記第1鞘樹脂中、成分(ハ)の配合量は、好ましくは5〜25質量%であり、より好ましくは5〜20質量%、更に好ましくは5〜15質量%である。
前記第1鞘樹脂中、成分(ハ)の配合量が前記範囲内であると、多芯プラスチック光ファイバ素線を解いた際の第1鞘層と第2鞘層との界面の乱れが少なく、より手で解くのに適した界面状態となり好ましい。
成分(イ)、成分(ロ)及び成分(ハ)の他、これらと共重合可能なモノマーを共重合させて、第1鞘樹脂中に含ませてもよい。当該共重合可能なモノマーとしては、例えば、成分(イ)、成分(ロ)及び成分(ハ)以外のフルオロアルキルアクリレートやアルキルメタクリレートやアルキルアクリレート、メタクリル酸やアクリル酸などが挙げられる。さらに具体的に例を挙げれば、フルオロアルキルアクリレートとしてはトリフルオロエチルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート等が挙げられ、アルキルメタクリレートとしてはエチルメタクリレート等が挙げられ、アルキルアクリレートとしてはメチルアクリレートやエチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリレートモノマーが挙げられる。
前記第1鞘樹脂中に含まれる前記他の共重合可能なモノマーの配合量は10質量%以下であることが好ましい。
<第2鞘樹脂>
第2鞘樹脂としては、(A)エチレン単位と(B)テトラフルオロエチレン単位と(C)ヘキサフルオロプロピレン単位とを重合単位の主成分とする共重合体であって、且つ、該共重合体中にカーボネート基及びハロホルミル基の少なくとも一方を含有する共重合体を用いる。尚、共重合体の末端のみにカーボネート基及びハロホルミル基の少なくとも一方を含有する場合も、共重合体中にカーボネート基及びハロホルミル基の少なくとも一方を含有する共重合体に含むものとする。また、カーボネート基及びハロホルミル基の少なくとも一方とは、カーボネート基とハロホルミル基との両方を有する場合も含む。
ここで、「主成分」とは、前記単位(A)〜(C)以外の成分の量が相対的に少ないことを意味し、前記共重合体中の(A)エチレン単位と(B)テトラフルオロエチレン単位と(C)ヘキサフルオロプロピレン単位との合計含有量が70質量%以上であることが好ましい。前記共重合体中の単位(A)〜(C)の合計含有量はより好ましくは80質量%以上、更に好ましくは85質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であるが、本願発明の効果を損なわない範囲で、単位(A)〜(C)に、単位(A)〜(C)と共重合可能な他の単量体を共重合させてもよい。単位(A)〜(C)と共重合可能な他の単量体としては、例えば、ヘキサフルオロイソブテン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等のオレフィン系が挙げられる。
更に、本実施の形態では、第2鞘層を形成する第2鞘樹脂の共重合体において、該共重合体中の(A)エチレン単位と(B)テトラフルオロエチレン単位との質量比(B)/(A)が1.4〜1.7であり、(A)エチレン単位と(C)ヘキサフルオロプロピレン単位との質量比(C)/(A)が0.75〜0.95である。質量比(B)/(A)は、1.5〜1.6であることがより好ましい。質量比(B)/(A)が前記範囲内であると、得られる多芯プラスチック光ファイバ素線は、第1鞘層と第2鞘層の界面で容易に個々の単芯プラスチック光ファイバ一本一本に解くことができ、さらに該一本一本の単芯プラスチック光ファイバの光伝送が良好となる。質量比(C)/(A)は、0.80〜0.90であることがより好ましい。質量比(C)/(A)が前記範囲内であると、得られる多芯プラスチック光ファイバ素線は、容易に個々の単芯プラスチック光ファイバ一本一本に解くことができ、さらに該一本一本の単芯プラスチック光ファイバの光伝送が良好となる。
前記第2鞘樹脂の共重合体中にカーボネート基及びハロホルミル基の少なくとも一方を含有し、且つ、前記第2鞘樹脂の共重合体中の(A)〜(C)の質量比が上記範囲の共重合体を第2鞘層として使用すると、第1鞘樹脂と第2鞘樹脂との界面で容易に個々の単芯プラスチック光ファイバ一本一本に解くことが可能となる。
さらに、上述した第1鞘樹脂と第2鞘樹脂との密着性は、第1鞘樹脂に入射し貫通した光が第2鞘樹脂の境界面で全反射させるのに充分な密着性を有し、光ファイバを曲げた時の光量ロスを大きく抑制できる。特に第2鞘樹脂の共重合体中にカーボネート基を含有すると、得られる多芯プラスチック光ファイバ素線は、個々の単芯プラスチック光ファイバ一本一本に解く作業性に優れ、曲げ特性にも優れ、好ましい。更に前記第2鞘樹脂の共重合体の末端にカーボネート基及びハロホルミル基の少なくとも一方が存在すると、得られる多芯プラスチック光ファイバ素線は、個々の単芯プラスチック光ファイバ一本一本に解く作業性に優れ、曲げ特性にも優れ、好ましい。
第2鞘樹脂の共重合体中や共重合体末端へのカーボネート基やハロホルミル基の導入は公知の方法によって行うことができる。例えば、第2鞘樹脂の共重合体を得る際の重合開始剤として、カーボネート基やハロホルミル基を導入し得る重合開始剤を用いる方法が挙げられる。このような重合開始剤の使用量は、第2鞘樹脂の共重合体100質量部に対して、該重合開始剤0.05〜20質量部であることが好ましい。例えば、カーボネート基は重合時に重合開始剤としてパーオキシカーボネートを用いることで容易に導入できる。また、ハロホルミル基は前述の方法で得られたカーボネート基を有する共重合体を加熱させ、熱分解させることによって得ることができる。
カーボネート基やハロホルミル基は、第2鞘樹脂の共重合体の主鎖中に導入されていてもよく、第2鞘樹脂の共重合体の側鎖中に導入されていてもよい。また、カーボネート基やハロホルミル基は、第2鞘樹脂の共重合体の主鎖の末端に導入されていてもよく、第2鞘樹脂の共重合体の側鎖の末端に導入されていてもよい。特に、カーボネート基やハロホルミル基を、第2鞘樹脂の共重合体の片側の末端に導入した第2鞘層は、第1鞘層との密着性及び剥離性に優れ、そして、後述する多芯プラスチック光ファイバケーブルにおいて、被覆層を形成した場合の被覆層との密着性に優れ好ましい。また、同様の観点から、カーボネート基やハロホルミル基は、第2鞘樹脂の共重合体の主鎖の両側の末端に導入されていることが特に好ましい。尚、第2鞘樹脂の共重合体は、カーボネート基とハロホルミル基との両方の基を導入してもよい。
第2鞘樹脂の共重合体に含まれるカーボネート基及びハロホルミル基の数には特に限定は無いが、第2鞘樹脂の共重合体は、炭素数1×106個当たりに、カーボネート基及びハロホルミル基の少なくとも一方を3〜1000個含有することが好ましい。
カーボネート基を使用する場合は、第2鞘樹脂の共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基の数が3〜1000個であると、得られる多芯プラスチック光ファイバ素線は、個々の単芯プラスチック光ファイバ一本一本に解く作業性に優れ、好ましい。第2鞘樹脂の共重合体は、炭素数1×106個当たりに、カーボネート基を、より好ましくは20〜800個、更に好ましくは、50〜700個、特に好ましくは100〜600個含有する。
ハロホルミル基を使用する場合は、第2鞘樹脂の共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるハロホルミル基の数が3〜1000個であると、得られる多芯プラスチック光ファイバ素線は、個々の単芯プラスチック光ファイバ一本一本に解く作業性に優れ、更に、熱処理による伝送損失の低下が少なくなり、好ましい。第2鞘樹脂の共重合体は、炭素数1×106個当たりに、ハロホルミル基を、より好ましくは20〜800個、更に好ましくは、50〜700個、特に好ましくは100〜600個含有する。
特に、カーボネート基とハロホルミル基との両方を使用する場合は、共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基とハロホルミル基との合計数を3〜1000個とすると、得られる多芯プラスチック光ファイバ素線は、個々の単芯プラスチック光ファイバ一本一本に解く作業性に優れ、更に、熱処理による伝送損失の低下が少なくなり、好ましい。第2鞘樹脂の共重合体は、炭素数1×106個当たりに、カーボネート基及びハロホルミル基を、より好ましくは20〜800個、更に好ましくは、50〜700個、特に好ましくは100〜600個含有する。
第2鞘樹脂の共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基やハロホルミル基の数は、カーボネート基やハロホルミル基を共重合体中に導入する際に使用する重合開始剤の量を調整することで調節することができる。
なお、本実施の形態において、第2鞘樹脂の共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基やハロホルミル基の数は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
第2鞘樹脂の共重合体の融点は、150℃から200℃の範囲にあることが好ましく、155〜200℃の範囲にあることがより好ましく、155〜195℃の範囲にあることがさらに好ましい。第2鞘樹脂の共重合体の融点が前記温度範囲であることにより、多芯プラスチック光ファイバ素線を成形する際に、芯を構成する樹脂、例えば、ポリメチルメタクリレート系樹脂の熱分解が抑制できる300℃以下の成型温度で成形可能であるので好ましい。
第2鞘樹脂の共重合体は、なかでも融点が150℃から200℃の範囲で、メルトフローレートが5〜100g/10分であれば、多芯プラスチック光ファイバ素線を成形する際に、芯を構成する樹脂、例えば、ポリメチルメタクリレート系樹脂の熱分解が抑制できる300℃以下の成型温度で成形可能であるので好ましい。
第2鞘樹脂の共重合体のメルトフローレートは、6〜80g/10分であることがより好ましく、7〜50g/10分であることが更に好ましい。
なお、本実施の形態において、メルトフローレートは、ASTM D1238に準拠して、230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mmの条件で測定した値である。
第2鞘樹脂の共重合体の屈折率は、1.37〜1.41であることがより好ましく、1.375〜1.405であることが更に好ましい。
なお、本実施の形態において、屈折率は、ナトリウムD線を使用し、20℃で測定した値である。
第2鞘樹脂の共重合体は、150〜200℃の範囲に融点を有し、屈折率が1.37〜1.41であり、メルトフローレートが5〜100g/10分であることが好ましい。
第2鞘樹脂の共重合体は、23℃におけるショアD硬度の値が50〜90の範囲にあることが好ましく、55〜85の範囲にあることがより好ましく、60〜80の範囲にあることが更に好ましい。
なお、本実施の形態において、23℃におけるショアD硬度の値は、ASTM D2240に準拠して、測定した値である。
第2鞘樹脂の共重合体の数平均分子量は、1000〜1000000であることが好ましく、更に好ましくは1500〜500000である。
なお、本実施の形態において、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法GPCにより測定した値である。具体的には、ゲル浸透クロマトグラフ法GPCにより、東ソー(株)製のGPCHLC−8020を用い、Shodex社製のカラム(GPC KF-801を1本、GPC KF-802を1本、GPC KF-806Mを2本直列に接続)を使用し、溶媒としてテトラハイドロフラン(THF)を流速1ml/分で流して測定したデータより算出する。
第2鞘樹脂の共重合体の重量平均分子量は、1400〜1400000であることが好ましく、更に好ましくは2100〜700000である。
なお、本実施の形態において、重量平均分子量は、上記ゲル浸透クロマトグラフ法GPCにより測定した値である。
<添加剤成分>
上述した、芯樹脂、第1鞘樹脂、第2鞘樹脂には、本願発明の効果を損なわない範囲で、上記共重合体以外の添加剤成分を含ませてもよい。使用目的に応じて、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性剤、滑剤、難燃(助)剤、充填剤等の添加剤を使用することができる。
<多芯プラスチック光ファイバ素線の構造等>
本実施の形態の多芯プラスチック光ファイバ素線において、芯の数や芯の直径、多芯プラスチック光ファイバ素線の直径などの、好ましい適用範囲について以下説明する。
芯の数としては最低7個あれば円形配置が可能となり好ましく、最大数については、特に制限はないが、多芯プラスチック光ファイバ素線の製造の容易さから30000個程度であることが好ましい。より好ましくは19個〜10000個で、特に好ましくは19個〜3000個ある。
芯の直径は5μm〜500μmであることが好ましい。より好ましくは20μm〜250μmであり、さらに好ましくは50μm〜200μmである。芯の直径が小さければ、それだけ曲げによる光量ロスは小さくなるが、光ファイバとしての伝送損失は大きくなる。本実施の形態の多芯プラスチック光ファイバ素線は、上記とおり2層鞘構造としていることから、芯の直径を大きくしても、比較的曲げによる光量ロスを抑制することができる。そのため、本実施の形態の多芯プラスチック光ファイバ素線は、光量ロスを抑制するとともに、光ファイバとしての伝送損失値も下げることができる。
本実施の形態の多芯プラスチック光ファイバ素線の直径としては0.1mm〜3mmが好ましい。0.1mm未満では細過ぎて扱いづらく、3mmを超えると剛直になり扱いづらくなる。より好ましくは、0.5〜1.5mmである。
次に、多芯プラスチック光ファイバ素線断面積に対する芯の全断面積と第1鞘層の全断面積と第2鞘層の全断面積との比率について説明する。
芯の全断面積の比率は、好ましくは60%〜90%であり、より好ましくは70%〜85%である。60%未満では光量が少なくなる傾向にある。90%を超えると、芯が円形から変形してくるので伝送損失が大きくなる傾向にある。
第1鞘層の全断面積は、好ましくは3%〜30%であり、より好ましくは5%〜15%である。第1鞘層は反射層としての役割の他に、光透過層としての役割があり、第1鞘層の全断面積があまり大きすぎると、光吸収ロスが大きくなる傾向にある。そのような観点から、第1鞘層は、芯の回りをほぼリング状に形成された場合、その厚さが0.8μm〜3μm程度に、薄く被覆することが好ましい。
第2鞘層の全断面積の比率は、好ましくは3%〜30%であり、より好ましくは7%〜20%である。その厚さは1μm〜20μm程度が確保されているのが好ましい。
≪多芯プラスチック光ファイバケーブル≫
本実施の形態の多芯プラスチック光ファイバケーブルは、上述の多芯プラスチック光ファイバ素線と、該多芯プラスチック光ファイバ素線の外側に形成された、熱可塑性樹脂を含有する被覆層と、を有する。
上述の多芯プラスチック光ファイバ素線はそのまま使用することも可能であるが、該多芯プラスチック光ファイバ素線の外周に被覆層を被覆形成した多芯プラスチック光ファイバケーブルとすることで、更に機械的・化学的な耐久性を向上させることができる。被覆層に含有させる樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系エラストマー樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。多芯プラスチック光ファイバケーブルを発光装飾として利用するときは、被覆部を剥ぎ取り、多芯プラスチック光ファイバ素線を解けばよい。もちろん、多芯プラスチック光ファイバケーブルを発光装飾以外のセンサ、通信等の用途に利用することも可能である。
被覆層を形成する場合、特に多芯プラスチック光ファイバ素線を構成する第2鞘樹脂の共重合体は、カーボネート基を含有する共重合体が好ましい。カーボネート基は重合時に重合開始剤としてパーオキシカーボネートを用いることで容易に導入できることや、幅広い樹脂との接着性が優れ、なかでも特にナイロン12等のポリアミド樹脂との接着性が特に優れること等の利点を有する。その結果、多芯プラスチック光ファイバ素線に優れた耐薬品性や耐熱性等を付与することができる。被覆層を被覆するにあたっては、クロスヘッドダイにより多芯プラスチック光ファイバ素線上に被覆層を形成する方法を好ましく使用することができる。
[評価方法]
(1)屈折率測定
ナトリウムD線を使用し、20℃で測定した値を採用した。
(2)メルトフローレート測定
ASTM D1238に準拠して、230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mmの条件で測定した。
(3)カーボネート基の個数の測定
得られた鞘樹脂の溶融押出しペレットの切断片を室温にて圧縮成形し、厚さ0.1mmのフィルムを作成した。このフィルムの赤外吸収スペクトル分析によってカーボネート基〔−OC(=O)O−〕のカルボニル基が帰属するピークが1809cm-1(νC=O)の吸収波長に現れ、そのνC=Oピークの吸光度を測定した。測定した吸収スペクトルと既知のフィルムの赤外吸収スペクトルとを比較し、その差スペクトルから次式により炭素数1×106個当たりのカーボネート基の個数(N)を算出した。
N= (L×K)/t
N :炭素数1×106個当たりのカーボネート基の個数(個)
L :カーボネート基〔−OC(=O)O−〕由来のν(C=O)ピークの吸光度
K : 補正係数
t : フィルム厚(mm)
尚、補正係数Kは以下の計算式によって算出された。
K=500W/εd
W:共重合体の組成から計算される単量体の平均分子量
ε:カーボネート基〔−OC(=O)O−〕由来のν(C=O)ピークのモル吸光度係数。モデル化合物からε=170(l・cm-1・mol-1)とした。
d:フィルムの密度(g/cm3
又、赤外吸収スペクトル分析は、Perkin−Elmer FTIRスペクトロメーター1760X(パーキンエルマー社製)を用いて40回スキャンして行った。得られたIRスペクトルをPerkin−Elmer Spectrum for Windows(登録商標) Ver. 1.44Cにて自動でベースラインを判定させ1809cm-1 のピークの吸光度を測定した。また、フィルムの厚さはマイクロメーターにて測定した。
[解き試験]
多芯プラスチック光ファイバ素線を1mの長さに切り取り、片端から約10mmを指で+90度−90度の条件で30往復屈曲させて第1鞘層と第2鞘層との界面で多芯プラスチック光ファイバ素線が一本一本に解けるかどうかを試験した。
多芯プラスチック光ファイバ素線において、全ての各単芯プラスチック光ファイバが第1鞘層と第2鞘層との界面で一本一本に解けた場合を○、第1鞘層と第2鞘層との界面で解けない単芯プラスチック光ファイバがあった場合を×、とした。
[光伝送試験]
上記解き試験後の多芯プラスチック光ファイバ素線について、解いた方と反対側の端面から波長650nm、入射NA0.6のLED光を入射させ、解いた側の端面を目視で観察した。全ての芯で光が通っている場合に○、一部の芯で光が通っていない場合に×、とした。
<実施例1>
芯を構成する樹脂(以下「芯樹脂」とも記す。)として、屈折率が1.492であり、重量平均分子量が11万であり、メルトフローレートが1.5g/10分であるポリメチルメタクリレート樹脂を用いた。
第1鞘樹脂として、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート(17FMA)40質量%、テトラフルオロプロピルメタクリレート(4FM)30質量%、トリフルオロエチルメタクリレート(3FMA)20質量%、及びメチルメタクリレート(MMA)10質量%をキャスト重合させて得られた共重合体を用いた。該共重合体は、メルトフローレートが40g/10分であり、屈折率が1.410であった。
第2鞘樹脂として、(A)エチレン、(B)テトラフルオロエチレン、及び(C)ヘキサフルオロプロピレンの各単量体成分を、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートにより重合させた共重合体を使用した。該共重合体は、末端にカーボネート基が導入されていた(以後、カーボネート基含有共重合体とする)。前記カーボネート基含有共重合体中の(A)と(B)との質量比(B)/(A)は1.56であり、(A)と(C)との質量比(C)/(A)は0.86であった。
また、前記カーボネート基含有共重合体中の(A)〜(C)の合計含有量は97質量%であり、前記第2鞘樹脂中の前記カーボネート基含有共重合体の含有量は100質量%であった。また、前記カーボネート基含有共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基の数は251個であった。
複合紡糸ダイとしては、19芯を有し、各々芯を第1鞘と第2鞘とが二層に被覆する構造のダイスを用いた。この複合紡糸ダイに、芯樹脂と第1鞘樹脂と第2鞘樹脂との容積の比率が、順に80対10対10になるように供給し、ダイから排出されるストランドを収束し、2倍に延伸して、直径1.00mmの2鞘多芯プラスチック光ファイバ素線を製造した。
この多芯プラスチック光ファイバ素線で伝送損失試験をしたところ、129dB/kmであった。次に、得られた多芯プラスチック光ファイバ素線について、上記のとおり解き試験を行ったところ、全ての各単芯プラスチック光ファイバが容易に一本一本に解れた。次に光伝送試験を行ったところ、19芯全てに光が通っており、各芯が光ファイバとして機能していた。
<実施例2〜9>
前記カーボネート基含有共重合体中の(A)と(B)との質量比(B)/(A)と、(A)と(C)との質量比(C)/(A)とを表1のように変更した以外は全て実施例1と同様に多芯プラスチック光ファイバ素線を作成した。作成した多芯プラスチック光ファイバ素線を用いて、実施例1と同様に解き試験及び光伝送試験を行った。結果を表1に示す。尚、表1中の「カーボネート基の数」とは、前記カーボネート基含有共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基の数を指す。
<比較例1〜8>
前記カーボネート基含有共重合体中の(A)と(B)との質量比(B)/(A)と、(A)と(C)との質量比(C)/(A)とを表1のように変更した以外は全て実施例1と同様に多芯プラスチック光ファイバ素線を作成した。作成した多芯プラスチック光ファイバ素線を用いて、実施例1と同様に解き試験及び光伝送試験を行った。結果を表1に示す。尚、表1中の「カーボネート基の数」とは、前記カーボネート基含有共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基の数を指す。
<比較例9〜14>
第1鞘樹脂中に占める17FMA、4FM、3FMA及びMMAの配合量(質量%)を表2のように変更した以外は実施例1と同様にして多芯プラスチック光ファイバ素線を作成した。作成した多芯プラスチック光ファイバ素線を用いて、実施例1と同様に解き試験及び光伝送試験を行った。結果を表2に示す。尚、表2中の「カーボネート基の数」とは、前記カーボネート基含有共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基の数を指す。
<実施例10〜15>
第1鞘樹脂中に占める17FMA、4FM、3FMA及びMMAの配合量(質量%)を表2のように変更した以外は実施例1と同様にして多芯プラスチック光ファイバ素線を作成した。作成した多芯プラスチック光ファイバ素線を用いて、実施例1と同様に解き試験及び光伝送試験を行った。結果を表2に示す。尚、表2中の「カーボネート基の数」とは、前記カーボネート基含有共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基の数を指す。
<比較例15〜29>
第2鞘樹脂の共重合体を製造する際の重合開始剤として、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートの代わりに過硫酸アンモニウムを用いた以外は実施例1〜15と同様に多芯プラスチック光ファイバ素線を作成した。作成された多芯プラスチック光ファイバ素線はカーボネート基が導入されていなかった。作成した多芯プラスチック光ファイバ素線を用いて、実施例1と同様に解き試験及び光伝送試験を行ったところ、比較例15〜29の全ての多芯プラスチック光ファイバ素線で、解き試験×、光伝送試験×との結果となった。
<実施例16〜22>
第2鞘樹脂の共重合体を製造する際、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートの配合量を調節し、カーボネート基含有共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基の数を、表3に示すとおりに変更した以外は実施例1と同様にして多芯プラスチック光ファイバ素線を作成した。作成した多芯プラスチック光ファイバ素線を用いて、実施例1と同様に解き試験及び光伝送試験を行った。結果を表3に示す。尚、表3中の「カーボネート基の数」とは、前記カーボネート基含有共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基の数を指す。
<実施例23>
芯を構成する樹脂(以下「芯樹脂」とも記す。)として、屈折率が1.492であり、重量平均分子量が11万であり、メルトフローレートが1.5g/10分であるポリメチルメタクリレート樹脂を用いた。
第1鞘樹脂として、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート(17FMA)55質量%、テトラフルオロプロピルメタクリレート(4FM)15質量%、トリフルオロエチルメタクリレート(3FMA)15質量%、及びメチルメタクリレート(MMA)15質量%をキャスト重合させて得られた共重合体を用いた。
第2鞘樹脂として、(A)エチレン、(B)テトラフルオロエチレン、及び(C)ヘキサフルオロプロピレンの各単量体成分を、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートにより重合させた共重合体を使用した。該共重合体は、末端にカーボネート基が導入されていた(以後、カーボネート基含有共重合体とする)。前記カーボネート基含有共重合体中の(A)と(B)との質量比(B)/(A)は1.56であり、(A)と(C)との質量比(C)/(A)は0.86であった。
また、前記カーボネート基含有共重合体中の(A)〜(C)の合計含有量は97質量%であり、前記第2鞘樹脂中の前記カーボネート基含有共重合体の含有量は100質量%であった。また、前記カーボネート基含有共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基の数は251個であった。
複合紡糸ダイとしては、19芯を有し、各々芯を第1鞘と第2鞘とが二層に被覆する構造のダイスを用いた。この複合紡糸ダイに、芯樹脂と第1鞘樹脂と第2鞘樹脂との容積の比率が、順に80対10対10になるように供給し、ダイから排出されるストランドを収束し、2倍に延伸して、直径1.00mmの2鞘多芯プラスチック光ファイバ素線を製造した。
次に、得られた多芯プラスチック光ファイバ素線について、上記のとおり解き試験を行ったところ、全ての各単芯プラスチック光ファイバが容易に一本一本に解れた。次に光伝送試験を行ったところ、19芯全てに光が通っており、各芯が光ファイバとして機能していた。結果を表4に示す。尚、表4中の「カーボネート基の数」とは、前記カーボネート基含有共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基の数を指す。
<実施例24〜31>
前記カーボネート基含有共重合体中の(A)と(B)との質量比(B)/(A)と、(A)と(C)との質量比(C)/(A)とを表4のように変更した以外は全て実施例23と同様に多芯プラスチック光ファイバ素線を作成した。作成した多芯プラスチック光ファイバ素線を用いて、実施例23と同様に解き試験及び光伝送試験を行った。結果を表4に示す。尚、表4中の「カーボネート基の数」とは、前記カーボネート基含有共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基の数を指す。
<比較例30〜37>
前記カーボネート基含有共重合体中の(A)と(B)との質量比(B)/(A)と、(A)と(C)との質量比(C)/(A)とを表5のように変更した以外は全て実施例23と同様に多芯プラスチック光ファイバ素線を作成した。作成した多芯プラスチック光ファイバ素線を用いて、実施例23と同様に解き試験及び光伝送試験を行った。結果を表4に示す。尚、表4中の「カーボネート基の数」とは、前記カーボネート基含有共重合体の炭素数1×106個当たりに含まれるカーボネート基の数を指す。
<比較例38>
第1鞘樹脂として、フッ化ビニリデン65質量%、テトラフルオロエチレン35質量%の共重合体を用いた以外は、全て実施例1と同様に多芯プラスチック光ファイバ素線を作成した。作成した多芯プラスチック光ファイバ素線を用いて、実施例1と同様に解き試験及び光伝送試験を行ったところ、解き試験×、光伝送試験×との結果となった。
<比較例38>
第1鞘樹脂として、フッ化ビニリデン65質量%、テトラフルオロエチレン35質量%の共重合体を用いた以外は、全て実施例1と同様に多芯プラスチック光ファイバ素線を作成した。作成した多芯プラスチック光ファイバ素線を用いて、実施例1と同様に解き試験及び光伝送試験を行ったところ、解き試験×、光伝送試験×との結果となった。
<比較例39>
第1鞘樹脂として、オクタフルオロペンチルメタクリレート20モル%、MMA80モル%の共重合体を用いた以外は、全て実施例1と同様に多芯プラスチック光ファイバ素線を作成した。作成した多芯プラスチック光ファイバ素線を用いて、実施例1と同様に解き試験及び光伝送試験を行ったところ、解き試験×、光伝送試験×との結果となった。
本発明の多芯プラスチック光ファイバ素線及びケーブルは、容易に単芯プラスチック光ファイバ一本一本を解いて使用することができ、該一本一本の単芯プラスチック光ファイバの光伝送が良好であるため、電飾用途等に最適であり、産業上の利用可能性がある。
10 多芯プラスチック光ファイバ素線
1 芯繊維
2 鞘層
3 海部

Claims (7)

  1. 樹脂からなる複数本の芯と、当該芯を取り囲む第1鞘樹脂からなる第1鞘層と、前記第1鞘層の外周と接する第2鞘樹脂からなる第2鞘層と、を含む多芯プラスチック光ファイバ素線であって、
    前記第1鞘樹脂が、下記成分(イ)、(ロ)及び(ハ)を含む原料成分を共重合させて得られる共重合体からなり、
    前記第1鞘樹脂中、成分(イ)の配合量が30〜70質量%であり、成分(ロ)の配合量が20〜65質量%であり、成分(ハ)の配合量が5〜30質量%であり、
    前記第2鞘樹脂が、下記単位(A)、(B)及び(C)を重合単位の主成分とする共重合体からなり、
    前記第2鞘樹脂の共重合体中の単位(A)と単位(B)との質量比((B)/(A))が1.4〜1.7であり、
    前記第2鞘樹脂の共重合体中の単位(A)と単位(C)との質量比((C)/(A))が0.75〜0.95であり、且つ、
    前記第2鞘樹脂の共重合体が、炭素数1×10 6 個当たりに、カーボネート基及びハロホルミル基の少なくとも一方を3〜1000個含有する、多芯プラスチック光ファイバ素線;
    (イ)下記式(i)で表される短鎖フルオロアルキルメタクリレート、
    (式(i)中、nは1又は2であり、m1は0又は1〜4の整数であり、Xは水素原子又はフッ素原子である)
    (ロ)下記式(ii)で表される長鎖フルオロアルキルメタクリレート、
    (式(ii)中、nは1又は2であり、m2は5〜11の整数であり、Xは水素原子又はフッ素原子である)
    (ハ)メチルメタクリレート、
    (A)エチレン単位、
    (B)テトラフルオロエチレン単位、
    (C)ヘキサフルオロプロピレン単位。
  2. 前記成分(ロ)が、下記式(iii)で表される長鎖フルオロアルキルメタクリレートである、請求項1に記載の多芯プラスチック光ファイバ素線。
  3. 前記第2鞘樹脂の共重合体が、末端に、カーボネート基及びハロホルミル基の少なくとも一方を含有する、請求項1又は2に記載の多芯プラスチック光ファイバ素線。
  4. 前記第2鞘樹脂の共重合体が、150〜200℃の範囲に融点を有し、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.37〜1.41であり、メルトフローレート(230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm)が5〜100g/10分である、請求項1からのいずれか1項に記載の多芯プラスチック光ファイバ素線。
  5. 前記第2鞘樹脂の共重合体の23℃におけるショアD硬度の値(ASTM D2240に準拠して測定)が50〜90である、請求項1からのいずれか1項に記載の多芯プラスチック光ファイバ素線。
  6. 前記芯を構成する樹脂がポリメチルメタクリレート系樹脂である、請求項1からのいずれか1項に記載の多芯プラスチック光ファイバ素線。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の多芯プラスチック光ファイバ素線と、
    該多芯プラスチック光ファイバ素線の外側に形成された、熱可塑性樹脂を含有する被覆層と、を有する多芯プラスチック光ファイバケーブル。
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