JP5495932B2 - プラスチック光ファイバ素線及びケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチック光ファイバ素線及びケーブルに関する。
プラスチック光ファイバ素線は、透明樹脂からなる芯の周囲を該透明樹脂より低屈折率の樹脂からなる鞘層で囲んだ構造を有し、芯と鞘層との境界で光を反射させることにより芯内で光信号を伝送する媒体である。通常、プラスチック光ファイバは、物理的あるいは化学的な損傷を防止するために芯と鞘層とからなるプラスチック光ファイバ素線の外側に被覆層を設けたプラスチック光ファイバケーブルとして使用されている。
例えば、高開口数で、耐熱性を有し、耐薬品性に優れたプラスチック光ファイバ素線として、芯をポリメチルメタクリレート系樹脂で構成し、鞘層をビニリデンフロライドとヘキサフロロプロペンとテトラフロロエチレンの共重合体で構成したプラスチック光ファイバ素線が提案されている(特許文献1参照)。
また、ポリメチルメタクリレート系樹脂からなる芯と、ビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンの共重合体からなる鞘層とを2層複合紡糸し、延伸熱処理してなるプラスチック光ファイバ素線の外側に、ナイロン12からなる被覆層を直接被覆して設けたプラスチック光ファイバケーブルが提案されている(特許文献2参照)。
特開2001−174646号公報 特開2000−266970号公報
プラスチック光ファイバを使用する場合、その用途に応じて周りには様々な化学物質を含む部材が配置されうる。プラスチック光ファイバはこれらに接触しうるので、不用意に配線を行うと、該化学物質によってプラスチック光ファイバの劣化が生じ、伝送損失が大きくなったり、断線に至ったりする障害を受けることがある。
プラスチック光ファイバに影響を及ぼしうる化学物質としては、アルコール類や塩ビの可塑剤等が知られているが、その他にも、油脂類、ワックス、潤滑剤、可塑剤、石油類等の化学物質については注意が必要である。そのため、プラスチック光ファイバを使用する前に該プラスチック光ファイバが接触する可能性のある全ての化学物質との適合性評価をする必要がある。
例えば、車両と歩行者の衝突を検知する歩行者検知センサー用途においては、アルコールを主成分とするウインドウォシャー液の飛散を受けることがあるため、プラスチック光ファイバには耐アルコール性が要求される。しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載されたプラスチック光ファイバ素線、及びプラスチック光ファイバケーブルは、アルコールや油脂類に対する強度は該用途に対しては十分とはいえない。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、高開口数かつ耐熱性を有するとともに、アルコール類、油脂類、ワックス、潤滑剤、石油類等の薬品等に耐薬品性がある信頼性の高いプラスチック光ファイバ素線及びケーブルを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討した結果、プラスチック光ファイバ素線の鞘層を構成する樹脂として、フッ素樹脂本来の特性を阻害しない範囲で変性させたフッ素樹脂を使用することにより、高開口数かつ耐熱性を有するとともに、耐薬品性に優れ、信頼性の高いプラスチック光ファイバ素線及びケーブルを得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
透明樹脂で形成された芯と、前記芯の周囲に形成された少なくとも1層の変性フッ素樹脂からなる鞘層と、を有するプラスチック光ファイバ素線であって、
前記変性フッ素樹脂が、150〜200℃の範囲に融点を有し、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.37〜1.41であり、メルトフローインデックス(230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm)が5〜100g/10分であり、反応性官能基末端を有するエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体樹脂である、プラスチック光ファイバ素線。
〔2〕
前記透明樹脂が、ポリメチルメタクリレート系樹脂である、〔1〕に記載のプラスチック光ファイバ素線。
〔3〕
前記変性フッ素樹脂が、カーボネート変性エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体である、〔1〕又は〔2〕に記載のプラスチック光ファイバ素線。
〔4〕
〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のプラスチック光ファイバ素線と、
前記プラスチック光ファイバ素線の外側に形成された、熱可塑性樹脂を含有する被覆層と、
を有するプラスチック光ファイバケーブル。
〔5〕
前記鞘層が少なくとも2層以上からなり、
前記鞘層の最外層が、ビニリデンフロライド成分が40〜62モル%と、テトラフロロエチレン成分が28モル%を超え40モル%以下と、ヘキサフロロプロペン成分が8〜22モル%とを含む共重合体からなり、
前記鞘層の最外層の外側に接する前記被覆層が、ポリアミド系樹脂を含有する、〔4〕に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
本発明のプラスチック光ファイバ素線及びケーブルは、高開口数かつ耐熱性を有するとともに、アルコール類、油脂類、ワックス、潤滑剤、石油類等の薬品等に耐薬品性があり信頼性が高い。
本実施形態の単芯光ファイバケーブルの一態様の断面図である。 本実施形態の単芯光ファイバケーブルの別の態様の断面図である。 本実施形態の多芯光ファイバケーブルの一態様の断面図である。 本実施形態の多芯光ファイバケーブルの別の態様の断面図である。 本実施形態の多芯光ファイバケーブルの更に別の態様の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
図1は、本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルの一態様の断面図である。図1に示したプラスチック光ファイバケーブル10は、1本の芯12を有する単芯プラスチック光ファイバケーブルである。該プラスチック光ファイバケーブル10は、中央に芯12を有し、芯12の外周に被覆形成された鞘層14と、鞘層14の外周に被覆形成された被覆層16とを備えている。この場合、芯12と鞘層14とを含めてプラスチック光ファイバ素線という。鞘層2は外層になるほど屈折率が小さくなる複数の層からなっていてもよい。また、被覆層16の外側に更に外被覆層(図示せず)を設けてもよい。これにより屋外での長期使用や接触する化学薬品の影響からプラスチック光ファイバ素線をより確実に保護することができる。本実施形態の光ファイバケーブルは、アルコール類、油脂類、ワックス、潤滑剤、石油類、可塑剤等の化学薬品等に耐薬品性があり、かつ伝送損失が低いので信頼性も高い。
図2は、本実施形態の単芯光ファイバケーブルの別の態様の断面図である。図2に示すように、本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルは、鞘層と被覆層との間に保護層を備えることが好ましい。プラスチック光ファイバケーブル20は、中央に芯22を有し、芯22の外周に被覆形成された鞘層24と、鞘層24の外周に被覆形成された保護層26と、保護層26の外周に被覆形成された被覆層28と、を備えている。光ファイバ素線が、鞘層の外周に被覆された保護層を更に有することで、野外での長期的使用や接触する化学薬品等の影響等からより確実に保護することができる。
図3は、本実施形態の多芯光ファイバケーブルの一態様の断面図である。図3に示すように、本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルは、複数の芯を有する多芯光ファイバケーブルであってもよい。プラスチック光ファイバケーブル30は、7芯タイプの光ファイバケーブルである。プラスチック光ファイバケーブル30は、7個の芯32が鞘層34によって被覆されていることにより多芯化されている。鞘層34の外周に被覆層36が被覆形成されている。そして、被覆層36の外周に外被覆層(図示せず。)を更に設けてもよい。これにより屋外での長期的使用や接触する化学薬品等の影響から光ファイバ素線をより確実に保護することができる。
図4は、本実施形態の多芯光ファイバケーブルの別の態様の断面図である。図4に示すように、本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルは、夫々の芯が個別に鞘層によって被覆されていてもよい。プラスチック光ファイバケーブル40は芯42が第一の鞘層44で夫々被覆されており、これらを第二の鞘層46で被覆することで多芯化されている。第二の鞘層46の外周に被覆層48が被覆形成されている。
図5は、本実施形態の多芯光ファイバケーブルの更に別の態様の断面図である。図5に示すように保護層を有する多芯光ファイバケーブルであってもよい。プラスチック光ファイバケーブル50は芯52が夫々鞘層54で被覆されており、鞘層54で被覆された7個の芯52を保護層56によって被覆することで多芯化されている。保護層56の外周に被覆層58が被覆形成されている。
なお、「光ファイバ素線の外周に被覆形成された被覆層」とは、必ずしも光ファイバ素線の外周表面に被覆層が接している必要はなく、被覆層と光ファイバ素線との間に別なる層が介在していてもよい。以下、各層について説明する。
芯を構成する樹脂(以下、「芯樹脂」ともいう。)の種類は特に限定されず、透明樹脂であればよい。透明樹脂としては、従来、プラスチック光ファイバの芯樹脂として公知の樹脂を使用でき、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。それらの中でも、透明性の観点から、特に好ましいのはポリメチルメタクリレート系樹脂である。
ポリメチルメタクリレート系樹脂とは、メチルメタクリレートの単独重合体、或いはメチルメタクリレート成分を50質量%以上含んだ共重合体をいう。ポリメチルメタクリレート系樹脂は、メチルメタクリレートと、メチルメタクリレートと共重合可能な成分と、を含む共重合体であってもよい。メチルメタクリレート成分と共重合可能な成分としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸エステル類、イソプロピルマレイミド等のマレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン等が挙げられ、これらの中から1種以上を適宜選択して共重合させたものが好ましい。
ポリメチルメタクリレート系樹脂の分子量は、メルトフロー(成形しやすさ)の観点から、重量平均分子量として8万〜20万のものが好ましく、特に10万〜12万がより好ましい。
鞘層は、芯の外側に被覆形成される。鞘層を設けることで、鞘層と芯との界面での反射により曲がった光ファイバ内を光信号が伝播される。本実施形態では鞘層を複数形成してもよく、その場合には内側に位置する第一の鞘層よりも外側に位置する第二の鞘層の屈折率を低くすれば、臨界角を超えて第一の鞘層を突き抜けた光の少なくとも一部を第一の鞘層と第二の鞘層との界面反射により回収することが可能になるので好ましい。
鞘層を構成する樹脂(以下、「鞘樹脂」ともいう。)としては、芯樹脂より屈折率が低い樹脂であれば公知の樹脂を用いることができるが、少なくとも1層の鞘層が、以下の特徴を有する変性フッ素樹脂を含有するものであればよい。すなわち、鞘層が複数層から構成される場合、鞘層の少なくとも1層が、150〜200℃の範囲に融点を有し、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.37〜1.41であり、メルトフローインデックス(230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm)が5〜100g/10分であり、反応性官能基末端を有するエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体樹脂である変性フッ素樹脂を含有する。
上記変性フッ素樹脂とは、全部又は一部の水素原子がフッ素原子で置換されたエチレン性モノマー(塩素等のフッ素以外のハロゲン原子を含んでいてもよい。以下、「含フッ素モノマー」ともいう。)の重合体、又は該含フッ素モノマーと共重合可能な単量体との共重合体であって、主鎖あるいは側鎖に反応性官能基(例えば、カーボネート基(カルボニルジオキシ基)、エステル基、ハロホルミル基、カルボキシル基等)を導入して、変性したものをいう。ここで、「反応性官能基末端を有する」とは、主鎖及び/又は側鎖の末端に反応性官能基を有することをいう。
上記反応性官能基を導入することで、耐薬品性や耐熱性等に優れるだけでなく、隣接する層、特に熱可塑性樹脂を含む被覆層との接着性を向上させることができる。耐薬品性と耐熱性の観点及び被覆層との接着性の観点から、反応性官能基の中でもカーボネート基を有するものが特に好ましい。カーボネート基を有する反応性官能基を導入した変性フッ素樹脂は、変性フッ素樹脂の重合時に重合開始剤としてパーオキシカーボネートを用いることで容易に導入できることや、幅広い樹脂との接着性が優れることや、それらのなかでも特にナイロン12等のポリアミド樹脂との接着性が特に優れること等の利点を有する。その結果、プラスチック光ファイバ及びプラスチック光ファイバケーブルに優れた耐薬品性や耐熱性等を付与することができる。
これらの反応性官能基の導入は公知の方法によって行うことができるが、重合開始剤として共重合体に導入することが好ましく、得られる共重合体100質量部に対して、該重合開始剤0.05〜20質量部であることが好ましい。
上記変性フッ素樹脂は、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体を主骨格とする。エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体における、エチレン/テトラフルオロエチレンのモル比は、特に限定されないが、成形性と耐薬品性のバランスの観点から、70/30〜30/70であることが好ましい。
さらに、テトラフルオロエチレン、及びエチレンとともに、これらと共重合可能な他の単量体(例えば、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等のオレフィンを共重合させたものであってもよい。
この場合、エチレン/テトラフルオロエチレン/共重合可能な他の単量体のモル比は、特に限定されないが、成形性と耐薬品性のバランスの観点から、(10〜80)/(20〜80)/(0〜40)であることが好ましい。
より好ましい変性フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン62〜80モル%、エチレン20〜38モル%、及びこれらと共重合可能な単量体0〜10モル%からなる単量体成分から得られるポリマー鎖を有するカルボニルジオキシ基含有共重合体;テトラフルオロエチレン20〜80モル%、エチレン10〜80モル%、ヘキサフルオロプロピレン0〜30モル%、及びこれらと共重合可能な単量体0〜10モル%からなる単量体成分から得られるポリマー鎖を有するカルボニルジオキシ基含有共重合体が挙げられる。上記変性フッ素樹脂は特に耐薬品性や耐熱性に優れるので、好ましい。
変性フッ素樹脂の融点は150℃から200℃の範囲にあることが好ましい。融点がかかる温度範囲であることにより、ポリメチルメタクリレート系樹脂の熱分解が許容できる300℃以下の成形温度で成形可能であるので好ましい。融点の測定は、示差走査熱量測定によって行うことができる。例えば、セイコーインスツルメンツ社製の示差走査熱量計(EXSTAR DSC6200)を用いて、サンプルを昇温速度20℃/分で昇温することで測定できる。
本実施形態においては、変性フッ素樹脂が、反応性官能基末端を有するエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体樹脂であることが好ましい。エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体樹脂は、テトラフルオロエチレン、及びエチレンとともに、プロピレン等のモノマーを共重合させたものであっても差し支えない。これらの中でも融点が150℃から200℃の範囲で、メルトフローインデックス(230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm)が5〜100g/10分であれば、ポリメチルメタクリレート系樹脂の熱分解が許容できる300℃以下の成形温度で成形可能であるので好ましい。該樹脂は、通常、23℃におけるショアD硬度(ASTM D2240)の値が60〜80の範囲にある。ショアD硬度は高くなるが、鞘樹脂に反応性官能基を導入することで芯との接着性が生じ、固い鞘樹脂でも芯から容易に剥離し難く、芯が鞘から飛び出したりするという問題は生じないと考えられる。
このような変性フッ素樹脂としては、市販品として、ダイキン工業社製のネオフロンEFEP RP5000及びRP4020、並びに旭硝子社製のフルオンLM−ETFE AH2000等が挙げられる。このうち、ネオフロンEFEP RP5000及びRP4020は、反応性官能基としてカルボニルジオキシ基を含有するカーボネート変性エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体である。
鞘層は、反応性官能基末端を有するエチレンーテトラフルオロエチレン系共重合体を70質量%以上含んだ鞘樹脂から形成されることが好ましく、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。
本実施形態において、鞘層を多層に構成し、上記変性フッ素樹脂を内側に位置する第一の鞘層を構成する内側鞘樹脂として用いる場合は、外側に位置する第二の鞘層を構成する外側鞘樹脂として該変性フッ素樹脂の屈折率より小さい屈折率を有するビニリデンフロライド系樹脂が好ましい。一方、上記変性フッ素樹脂を外側鞘樹脂として用いる場合は、内側鞘樹脂として該変性フッ素樹脂の屈折率より大きい屈折率を有するフッ化メタクリレート系樹脂が好ましい。
ビニリデンフロライド系樹脂としては、特に限定されないが、耐熱性や成形性に優れるという観点から、ビニリデンフロライドの単独重合体;ビニリデンフロライドと、テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロペン、トリフロロエチレン、ヘキサフロロアセトン、パーフロロアルキルビニルエーテル、クロロトリフロロエチレン、エチレン、プロピレンからなる群から選択される少なくとも1種類以上のモノマーとの共重合体;これらのビニリデンフロライド成分を含む重合体とPMMA系樹脂とのアロイ、が好ましい。
フッ化メタクリレート系樹脂としては、特に限定されないが、透過率が高く耐熱性や成形性に優れるという観点から、フルオロアルキルメタクリレート、フルオロアルキルアクリレート、α−フロロ−フルオロアルキルアクリレート)等のフッ素を含有するアクリレートモノマー又はメタクリレートモノマーが好ましい。また、フッ素を含有する(メタ)アクリレートモノマーと、これらと共重合可能な他の成分を含む共重合体であってもよく、メチルメタクリレート等の共重合可能な炭化水素系のモノマーとの共重合体が好ましい。フッ素を含有する(メタ)アクリレートモノマーと、これと共重合可能な炭化水素系のモノマーとの共重合体とすることで、屈折率をコントロールすることができるため好ましい。
単芯プラスチック光ファイバ素線においては、素線の直径は200μm〜3000μmであり、鞘層の厚さは5μm〜50μmであることが好ましい。鞘層の厚さが5μm以上であれば変性フッ素樹脂を被覆することによる機械強度が向上し耐薬品性も向上する。また、鞘層の厚さが50μm以内であれば光ファイバとして機能する芯の断面積を十分に確保することができる。
次に、複数本の芯を有する多芯プラスチック光ファイバ素線について説明する。本実施形態の光ファイバケーブルの断面における芯の数としては、単芯の場合は1個、又は多芯の場合は最低7個で、円形配置が可能となり好ましい。多芯の場合の断面における芯の最大数については、製造の容易さから10000個以内が好ましい。より好ましくは19〜1000個である。多芯の場合の芯の直径は5μm〜500μmが好ましい。より好ましくは60μm〜200μmである。芯の直径が5μm以上であれば通過する光量を大きくすることができる。また、芯の直径が500μm以下であれば、曲げによる透過光量の低下を少なくできる。
ここで多芯プラスチック光ファイバ素線の場合、光ファイバ素線断面における芯、第一の鞘層、第二の鞘層の各断面積の比率について述べれば、芯の断面積比率が60〜90%であることが好ましく、75〜90%がより好ましい。60%以上とすることで十分な光量を得ることができるため好ましい。90%以下とすることで、芯が円形から変形する現象が起こり難くなるため伝送損失の低下を抑えることができるため好ましい。
第一の鞘層の断面積比率は2〜20%が好ましく、2〜10%がより好ましい。第一の鞘層の断面積比率の下限値を上記数値とすることで、光ファイバとして確実に機能するような鞘層の厚さとすることができる。また、第一の鞘層の断面積比率の上限値を上記数値とすることで、良好な面積効率とすることができる。
第二の鞘層の断面積比率は8〜20%が好ましく、10〜20%がより好ましい。第二の鞘層の断面積比率の上限値を上記数値とすることで、機械的な強度を向上させることができる。第二の鞘層の断面積比率の上限値を上記数値とすることで、良好な面積効率とすることができる。
第一の鞘層は芯の周りをほぼリング状に配置され、第二の鞘層は第一の鞘層の周りを取り囲むように配置されることが好ましく、特に機械的な補強のためには、光ファイバ素線の断面における芯以外の面積の大半を保護層にまわすのがよい。特に、第二の鞘層は、光ファイバケーブルを側圧等の外力から保護する機能を発揮でき、かつ外部からの衝撃を緩和する効果も発揮できる。また、第一の鞘層と第二の鞘層を同じ樹脂で構成して一体化させてもよい。
多芯プラスチック光ファイバ素線の場合、素線の直径は、好ましくは0.2mm〜3.0mm、更に好ましくは0.5mm〜2.0mmである。また、第一の鞘層の厚さは、好ましくは1μm〜30μm、より好ましくは1μm〜20μmである。さらに、第二の鞘層の厚さは、好ましくは1μm〜50μmであり、より好ましくは1μm〜30μmである。上記数値範囲とすることで伝送損失値が安定した多芯プラスチック光ファイバとすることができる。
本実施形態のプラスチック光ファイバ素線はそのまま使用することも可能であるが、該素線の外周に被覆層を被覆形成したプラスチック光ファイバケーブルとすることで、機械的・化学的な耐久性を向上させることができる。被覆層を構成する樹脂(以下、「被覆樹脂」ともいう。)としては、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系エラストマー樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。上記熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂が好ましく、その中でもナイロン12がより好ましい。被覆層を被覆するにあたっては、クロスヘッドダイによりプラスチック光ファイバ素線上に被覆層を形成する方法を好ましく使用することができる。
特に、鞘層が少なくとも2層以上からなり、鞘層の最外層が、ビニリデンフロライド成分が40〜62モル%、テトラフロロエチレン成分が28モル%を超え40モル%以下、ヘキサフロロプロペン成分が8〜22モル%と、を含む共重合体(ビニリデンフロライド系樹脂)からなり、この鞘層の最外層の外側に接する被覆層が、ポリアミド系樹脂を含有することがより好ましい。特に、プラスチック光ファイバ素線にナイロン12を直接被覆した場合には、外側の鞘樹脂とナイロン12とがより一層強く密着し、一体的に扱うことができるので更に好ましい。
被覆層の厚さは50μm〜700μmが好ましい。厚さが50μm以上であれば、機械強度がより向上して好ましい。また、厚さが700μm以下であれば、ケーブルに適度な柔軟性を保持させることができるので好ましい。より好ましい厚さは100μm〜300μmである。
本実施形態の光ファイバケーブルは被覆層を最表面層として使用することも可能であるが、その外周にナイロン12、ソフトナイロン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂からなる外被覆層(「外ジャケット」ともいう。)を施して、より補強した光ファイバケーブルとして用いることもできる。
また、上記した鞘層、保護層、被覆層等には、本実施形態の効果を損なわない範囲で、変性フッ素樹脂以外のその他の添加剤成分を含ませてもよい。使用目的に応じて、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性剤、滑剤、難燃(助)剤、充填剤等の添加剤を使用することができる。
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルの製造にあたっては、特に限定されず、公知の方法によって行うことができる。例えば、公知の複合紡糸法で製造されたプラスチック光ファイバ素線の外側に、クロスヘッドダイにより熱溶融させた樹脂により被覆して形成する方法を好ましく使用することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1) 屈折率測定
ナトリウムD線を使用し、20℃で測定した値を採用した。
(2)メルトフローインデックス測定
ASTM D1238に準拠して測定した。
(3)融点測定
融点は、示差走査熱量測定によって測定した。融点は、セイコーインスツルメンツ社製の示差走査熱量計(EXSTAR DSC6200)を用いて、サンプルを昇温速度20℃/分で昇温させることで測定した。
(4)ショアD硬度
ASTM D2240に準拠して測定した。
<実施例1>
芯樹脂として、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.492のポリメチルメタクリレート樹脂であって、重量平均分子量が10万であり、メルトフローインデックスが230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mmの条件で、1.5g/10分であるものを用いた。鞘樹脂として、屈折率が1.385、メルトフローインデックスが11g/10分、融点が166℃、ショアD硬度(ASTM D2240)の値が67である変性フッ素樹脂(ダイキン工業社製、ネオフロンEFEP RP4020)を用いた。
上記芯樹脂、鞘樹脂を2層複合ダイに導入し、ダイの温度を240℃で紡糸した。ダイから吐出されたストランドを2倍に延伸し熱処理して、芯径980μm、鞘層の厚み10μmの直径1000μmのプラスチック光ファイバ素線を得た。この素線の波長650nm、入射開口数(入射NA)0.15で、52m−2mのカットバック法によって測定した伝送損失は135dB/kmであった。
こうして製造したプラスチック光ファイバ素線を、半径10mmのステンレス棒に20回巻き、含量99.5%のエタノールを滴下させ、環境応力亀裂の発生確率を調べた。10本中1本、1箇所で発生した。
また、プラスチック光ファイバ素線を3mとり、1mをブレーキフルード(トヨタブレーキフルード2500H)に常温で浸漬して経時変化をみた。まず伝送性能については、650nmのLED光付の光パワーメータ(ハクトロニクス社製、オプティカルパワーメータPHOTOM205)で2本測定し、該混合液に浸漬前の値が、−10.6dBmと−10.7dBmに対して、3000時間後の値も−10.6dBmと−10.7dBmで変わらなかった。
次に、このプラスチック光ファイバ素線を電線被覆用のクロスヘッドダイに導入し、210℃で、ナイロン12を250μmの厚さに被覆し、直径が1500μmのケーブルを得た。該プラスチック光ファイバケーブルの被覆層を30mm残して他の部分を除去し、直径1.1mmの孔を通して一次被覆層の引き抜き強度を測定した。引き抜き強度は21Nであった。
<実施例2>
芯樹脂として、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.492のポリメチルメタクリレート樹脂であって、重量平均分子量が10万であり、メルトフローインデックスが230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mmの条件で、1.5g/10分であるものを用いた。鞘樹脂として、テトラフルオロエチレン43モル%、エチレン41モル%、ヘキサフルオロプロピレン15.5モル%、パーフルオロ(1,1,5−トリハイドロ−1−ペンテン)0.5モル%からなる単量体成分から得られるポリマー鎖の主鎖及び側鎖の末端にカルボニルジオキシ基を導入したカルボニルジオキシ基含有共重合体であって、屈折率が1.385、メルトフローインデックスが11g/10分、融点が166℃、ショアD硬度(ASTM D2240)の値が67である変性フッ素樹脂を用いた。
上記芯樹脂、鞘樹脂を2層複合ダイに導入し、ダイの温度を240℃で紡糸した。ダイから吐出されたストランドを2倍に延伸し熱処理して、芯径980μm、鞘層の厚み10μmの直径1000μmのプラスチック光ファイバ素線を得た。この素線の波長650nm、入射開口数(入射NA)0.15で、52m−2mのカットバック法によって測定した伝送損失は135dB/kmであった。
こうして製造したプラスチック光ファイバ素線を、半径10mmのステンレス棒に20回巻き、含量99.5%のエタノールを滴下させ、環境応力亀裂の発生確率を調べた。10本中1本、1箇所で発生した。
また、プラスチック光ファイバ素線を3mとり、1mをブレーキフルード(トヨタブレーキフルード2500H)に常温で浸漬して経時変化をみた。まず伝送性能については、650nmのLED光付の光パワーメータ(ハクトロニクス社製、オプティカルパワーメータPHOTOM205)で2本測定し、該混合液に浸漬前の値が、−10.6dBmと−10.7dBmに対して、3000時間後の値も−10.6dBmと−10.7dBmで変わらなかった。
次に、このプラスチック光ファイバ素線を電線被覆用のクロスヘッドダイに導入し、210℃で、ナイロン12を250μmの厚さに被覆し、直径が1500μmのケーブルを得た。該プラスチック光ファイバケーブルの被覆層を30mm残して他の部分を除去し、直径1.1mmの孔を通して一次被覆層の引き抜き強度を測定した。引き抜き強度は21Nであった。
<比較例1>
芯樹脂として、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.492のポリメチルメタクリレート樹脂であって、重量平均分子量が10万であり、メルトフローインデックスが230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mmの条件で、1.5g/10分であるものを用いた。鞘樹脂として、ビニリデンフロライド30モル%、テトラフロロエチレン57モル%、ヘキサフロロプロペン13モル%からなる共重合体であって、メルトフローインデックスが6g/10分、屈折率が1.36の樹脂を用いた。
上記芯樹脂、鞘樹脂を2層複合ダイに導入し、特開2001−174646号公報に記載の実施例通りに紡糸して、芯径980μm、鞘層の厚み10μmの直径1000μmのプラスチック光ファイバ素線を得た。この素線の波長650nm、入射開口数(入射NA)0.15で、52m−2mのカットバック法によって測定した伝送損失は138dB/kmであった。
こうして製造したプラスチック光ファイバ素線を、半径10mmのステンレス棒に20回巻き、含量99.5%のエタノールを滴下させ、環境応力亀裂の発生確率を調べた。10本中9本、12箇所で発生した。
また、このプラスチック光ファイバ素線を3mとり、1mをブレーキフルード(トヨタブレーキフルード2500H)に常温で浸漬して経時変化をみた。まず伝送性能については、650nmのLED光付の光パワーメータ(ハクトロニクス社製、オプティカルパワーメータPHOTOM205)で測定し、1本目は該混合液に浸漬前の値が−10.3dBmに対して48時間で−10.8dBmとなりその後断線した。2本目は浸漬前の値が−10.4dBmに対して、2000時間で−10.9dBmとなりその後断線した。
<実施例3>
芯樹脂として、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.492のポリメチルメタクリレート樹脂であって、重量平均分子量が10万であり、メルトフローインデックスが230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mmの条件で、1.5g/10分であるものを用いた。第一の鞘樹脂として、屈折率が1.385、メルトフローインデックスが11g/10分、融点166℃、ショアD硬度(ASTM D2240)の値が67である変性フッ素樹脂(ダイキン工業社製、ネオフロンEFEP RP4020)を用いた。第一の鞘層(第一の鞘樹脂から構成される層)の外周に形成される第二の鞘層を構成する第二の鞘樹脂として、ビニリデンフロライド57モル%、テトラフロロエチレン32モル%、ヘキサフロロプロペン11モル%からなる共重合体であって、屈折率が1.36で、メルトフローインデックスが8g/10分、融点120℃の樹脂を用いた。
上記芯樹脂、鞘樹脂を3層複合ダイに導入し、ダイの温度を240℃で紡糸した。ダイから吐出されたストランドを2倍に延伸し熱処理して、芯径960μm、第一の鞘層の厚み10μm、第二の鞘層の厚み10μmの直径1000μmのプラスチック光ファイバ素線を得た。この素線の伝送損失は134dB/kmであった。
次に、このプラスチック光ファイバ素線を電線被覆用のクロスヘッドダイに導入し、210℃で、ナイロン12を250μmの厚さに被覆し、直径が1500μmのケーブルを得た。引き抜き強度は素線が伸び始める70N以上の強度を有していた。
<実施例4>
芯樹脂として、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.492のポリメチルメタクリレート樹脂であって、重量平均分子量が10万であり、メルトフローインデックスが230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mmの条件で、1.5g/10分であるものを用いた。第一の鞘樹脂として、テトラフルオロエチレン43モル%、エチレン41モル%、ヘキサフルオロプロピレン15.5モル%、パーフルオロ(1,1,5−トリハイドロ−1−ペンテン)0.5モル%からなる単量体成分から得られるポリマー鎖の主鎖及び側鎖の末端にカルボニルジオキシ基を導入したカルボニルジオキシ基含有共重合体であって、屈折率が1.385、メルトフローインデックスが11g/10分、融点166℃、ショアD硬度(ASTM D2240)の値が67である変性フッ素樹脂を用いた。第一の鞘層(第一の鞘樹脂から構成される層)の外周に形成される第二の鞘層を構成する第二の鞘樹脂として、ビニリデンフロライド57モル%、テトラフロロエチレン32モル%、ヘキサフロロプロペン11モル%からなる共重合体であって、屈折率が1.36で、メルトフローインデックスが8g/10分、融点120℃の樹脂を用いた。
上記芯樹脂、鞘樹脂を3層複合ダイに導入し、ダイの温度を240℃で紡糸した。ダイから吐出されたストランドを2倍に延伸し熱処理して、芯径960μm、第一の鞘層の厚み10μm、第二の鞘層の厚み10μmの直径1000μmのプラスチック光ファイバ素線を得た。この素線の伝送損失は134dB/kmであった。
次に、このプラスチック光ファイバ素線を電線被覆用のクロスヘッドダイに導入し、210℃で、ナイロン12を250μmの厚さに被覆し、直径が1500μmのケーブルを得た。引き抜き強度は素線が伸び始める70N以上の強度を有していた。
本発明のプラスチック光ファイバ素線及びケーブルは、アルコール類、油脂類、ワックス、潤滑剤、石油類等の耐薬品性があり、信頼性が高く、車載用配線、FA機器配線、家庭内機等薬品との接触の可能性のあるところであっても好適に使用できる。
10,20,30,40,50 プラスチック光ファイバケーブル
12,22,32,42,52 芯
14,24,34,44,46,54 鞘層
26,56 保護層
16,28,36,48,58 被覆層

Claims (6)

  1. 透明樹脂で形成された芯と、前記芯の周囲に形成された少なくとも1層の変性フッ素樹脂からなる鞘層と、を有するプラスチック光ファイバ素線であって、
    前記透明樹脂が、ポリメチルメタクリレート系樹脂であり、
    前記変性フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン、エチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及びパーフルオロ(1,1,5−トリハイドロ−1−ペンテン)からなる単量体成分から得られるポリマー鎖を有し、150〜200℃の範囲に融点を有し、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.37〜1.41であり、メルトフローインデックス(230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm)が5〜100g/10分であり、カーボネート基を有する反応性官能基を主鎖及び/又は側鎖の末端に有するエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体樹脂である、
    プラスチック光ファイバ素線。
  2. 前記鞘層が2層以上からなり、
    内側に位置する第一の鞘層が前記変性フッ素樹脂の屈折率より大きい屈折率を有するフッ化メタクリレート系樹脂を含み、
    外側に位置する第二の鞘層が前記変性フッ素樹脂を含む、請求項1に記載のプラスチック光ファイバ素線。
  3. 前記フッ化メタクリレート系樹脂が、フッ素を含有する(メタ)アクリレートモノマーと、これらと共重合可能な炭化水素系のモノマーとの共重合体である、請求項2に記載のプラスチック光ファイバ素線。
  4. 前記炭化水素系のモノマーがメチルメタクリレートである、請求項3に記載のプラスチック光ファイバ素線。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラスチック光ファイバ素線と、
    前記プラスチック光ファイバ素線の外側に形成された、熱可塑性樹脂を含有する被覆層と、
    を有するプラスチック光ファイバケーブル。
  6. 前記鞘層が2層以上からなり、
    前記鞘層の最外層が、ビニリデンフロライド成分が40〜62モル%と、テトラフロロエチレン成分が28モル%を超え40モル%以下と、ヘキサフロロプロペン成分が8〜22モル%とを含む共重合体からなり、
    前記最外層の鞘層の外側に接する前記被覆層が、ポリアミド系樹脂を含有する、請求項5に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
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